内閣委員会 第10号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/12/13
会議録
○委員長(亀田得治君) それでは、これより内閣委員会を開会いたします。 旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律案を議題に供します。まず提案理由の説明をお願いいたします。大平正芳君。
○衆議院議員(大平正芳君) ただいま議題となりました旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律案の提案理由について御説明いたします。 終戦後十有余年、独立を回復してすでに四年になりますが、異国には、今なお抑留されている同胞が相当数あり、国内におきましては、一家の支柱を失って生活苦とたたかっている百数十万の遺族がありますことはまことに遺憾にたえないところであります。 さきに、軍人恩給の復活を見、次いで援護法における遺族年金支給の範囲が拡大されましたことは、御同慶に存じますが、この措置にすら浴することのできない幾多の遺族の上を思いますとき、国家財政の許す範囲において、できるだけの援護の手を差し伸べることは、国家として当然の責務であろうと存ずる次第であります。 本法案は、右の趣旨に基き、太平洋戦争の様相ないしはその際における召集基準の変更等をもあわせ考慮いたしまして、旧軍人、旧準軍人等で、本邦をはじめ、満洲、朝鮮、台湾、樺太など戦地に指定されなかった地域において、その職務に関連して死亡した場合、これを公務によって死亡した場合に準じて取り扱い、これら旧軍人等の遺族に対して遺族年金又は扶助料を支給いたそうとするのが、その骨子であります。 法案の内容について、おもなる点を申し上げますならば、第一点は、旧軍人等の遺族で、戦傷病者戦没者遺族等援護法第三十四条第二項の規定により、同条第一項の規定による弔慰金の支給を受けたもののうち、当該旧軍人等で営内に居住すべき者が、昭和十六年十二月八日から昭和二十年九月一日までの間における在職期間中、本邦及び政令で定める地域で戦地以外の区域において、その職務に関連して負傷し又は疾病にかかり、これが原因となって、在職期間内又は在職期間経過後一年以内に死亡したものである場合には、これを公務による死亡に準じて取り扱うこととし、これに該当する旧軍人等の遺族に対しては、通常の遺族年金額の六割に相当する遺族年金を支給いたそうとするものであります。ただし、当該旧軍人等の負傷または疾病が昭和十九年一月一日前に生じたものにつきましては、その負傷または疾病が職務に関連することが顕著であると認められる場合に限っております。また、旧勅令第六十八号の施行前に、旧軍人関係の普通扶助料を受ける権利について裁定を受けた遺族につきましては援護審査会の議決を経たものに限ってこれを支給することといたしております。 第二点は、恩給法との関係について規定いたしたものでありまして、すなわち、その死亡が公務死亡に準じて取り扱われる場合に該当する旧軍人等の遺族は、これを恩給法上の遺族とみなし、その死因については、恩給局長の審査を要することなく、これに対しましては、仮定俸給年額を基礎として定めました倍率を、普通扶助料に乗じて得た金額の扶助料を支給することといたしております。 なお、本法の規定に基く扶助料及び遺族年金は、明年一月分から支給することといたしております。 以上がこの法律案の要旨でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(亀田得治君) 本法律案について、御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○竹下豐次君 本法案が成立の暁におきましては、恩給法関係といたしまして約三万六千人で、年間の予算がおよそ十一億、そのほかの援護法関係約六百人で、およそ二千万円を要するということになり、そうして来年の一月一日から支給するということになっておるようでありますが、この本年度内の予算の支出及び来年度の予算につきまして、政府はどういうふうにお考えになりますか。政府当局の御説明をわずらわしたいと思います。
○政府委員(八巻淳之輔君) ただいま、この法律案が可決になりました場合に、予算にどういうふうに響くかというお尋ねでございますが、この法律によりまするというと、来年の一月分から支給するということになっておりまして、従いまして、予算措置といたしましては、来年四月以降支給されるわけでございます。従って本年度の予算には響かない。すなわち来年度の予算にのみ響く、こういうことでございます。で、この所要額が恩給関係において十一億ということになっておりまするが、本法律案に対する政府の意見といたしましては、過般五月十八日の閣議決定におきまして、政府の意見として次のようにきめております。「本法案は、太平洋戦争中、内地等において負傷し、又は疾病にかかり、これにより死没した旧軍人等の遺族で特別弔慰金を受けた者についても、公務死亡者の遺族に準じてこれより一段と低い遺族年金又は扶助料を支給しようとするものである。恩給費の増額をきたすような措置を講ずることは、原則として更に慎重な検討を必要とするものと思われるが、本件については、諸般の事情にかんがみ、やむを得ないものと思われる。」というふうな閣議決定になっておりまして、この法律案が可決されました暁におきましては、従いまして来年度予算に十一億の予算を組むということが義務づけられるわけでございます。
○竹下豐次君 もう一つお尋ねしたいのですが、旧軍人及び旧準軍人について、通常の遺族年金額の六割に相当する金額の遺族年金を支給するということになっておりますが、これは、どういう事情で全額を支給しないで、六割ということになっておるのか伺いたい。
○衆議院議員(大平正芳君) 御説の通り遺族年金に相当する金額を差し上げるのが本筋だと思います。公務死に準じた取扱いをするときめた以上は、恩給法の建前から申しまして、竹下委員のおっしゃる趣旨は正しいと思うのでありまするが、恩給費が千億内外にも達している現状でございますので、主として財政上の理由から、若干御遠慮願わざるを得ないような結論に相なったのでございます。財政上の理由以外に別に理由はないわけであります。
○竹下豐次君 そうすると、財政上の余裕が将来出た暁においては、またさらに考慮する余地を残しておられると、こういうように了解してよろしゅうございますか。
○衆議院議員(大平正芳君) さようでございます。
○竹下豐次君 私の質問これで終ります。
○委員長(亀田得治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(亀田得治君) 速記をつけて下さい。 他に御発言がなければ、質疑は尽きたものと認め、これより討論に入ります。 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○上原正吉君 本案は、むしろその提出がおそきに失したとさえ思うくらいでございまして、まことに機宜を得ていると思いますので、本案に賛成をいたします。 なお、このような法律は、当局の実施に当って、なるべく狭く解釈して、予算の支出を防ぐというふうなことが行われがちなのでありますが、それではこの立法の趣旨に沿わないことになるおそれがございますので、この実施に当りましては、十分その趣旨が生かされますように、政府当局に強く要望する次第であります。 つきましては、この議決に当りまして附帯決議をつけることを提案いたします。その案文を朗読いたします。 旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律案に対する附帯決議 本月五日、衆議院内閣委員会において本法律案に対し、「過般の太平洋戦争は近代的科学戦であり、国を挙げての総力戦体制のもとに、国内も職場化するに至った実情を考慮し、旧軍人等と同様の立場でその犠性となった者の遺族に対しても、政府は、本法律案の趣旨にかんがみ、速かに適切なる措置を講ずべきである。」との附帯決議がなされたが、当委員会においても、右附帯決議の趣旨はきわめて適切なものと認め、政府がすみやかにその趣旨の実現を期せられることを強く要望する。 というのであります。
○秋山長造君 私は、社会党を代表いたしまして、本法律案に賛成いたします。 第一に、この法律案は、旧軍人軍属等で、本邦を初め満州、朝鮮、台湾、樺太などの戦地に指定されなかった地域において、その職務に関連して死亡した場合、これを公務によって死亡した場合に準じて取り扱い、これらの方方の遺族に対して遺族年金または公務扶助料を支給しようとするものでありまして、太平洋戦争の様相、規模等から考えて、妥当な措置と考えるものであります。 第二に、元来本法律案のごときものは、その趣旨から考えても、当然政府の責任において提案さるべきものでありまして、今後政府において格段の善処をお願いしたいと思います。 第三に、先ほども申しましたように、太平洋戦争のあの大規模な様相、近代戦としての性格等にかんがみます場合には、さらに軍人軍属だけでなしに、たとえば国家総動員法等に基いて徴用せられた人、あるいはいろいろな名目のもとに軍務に携わった人、あるいは満州開拓青年義勇軍の隊員、あるいはまた女子挺身隊、あるいは学徒動員というような、いろいろな犠牲者があるわけでございまして、これらの人たちに対する措置というものがいまだに考えられておりませんので、今後本法案の趣旨に準じて、これらの広範な戦争犠牲者に対する援護措置というものを政府において十分に考えられてしかるべきものと存ずるのでございます。 以上二点の要望を付しまして、本法律案に賛成するものでございます。
○竹下豐次君 緑風会を代表いたしまして、賛成の意見を申し上げます。 元来、各種法律のうちで、恩給関係の法律くらい不権衡な法律というものはないと思います。もう少し細かく申しますというと、軍人と文官との間に差別待遇がある。文官同士のうちでも差別待遇がある。軍人同士の間でも差別待遇がある。本案にあげられておりまする例のごときは、当然もうよほど前に、ほかの軍人戦死者並みに扱われなければならなかったはずのものであると思うのが、主として予算の関係で今日まで延びておったと考えられるのであります。それが今日取り上げられまして、この提案がされましたということは、心から私は喜んでおる次第であります。 この問題につきましては、緑風会を代表いたしまして賛成いたします。
○委員長(亀田得治君) 他に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀田得治君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第百四条による口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 それから、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は、順次御署名を願います。
○委員長(亀田得治君) 次に上原正吉君提出の附帯決議案を議題といたします。 本附帯決議案を委員会の決議とすることに賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀田得治君) 全会一致と認めます。よって上原正吉君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 —————————————
○委員長(亀田得治君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一〇号)を議題に供します。 本法律案に対する質疑は、昨日一応終了しておりますが、別に御発言がなければ、質疑は尽きたものと認めて、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○秋山長造君 私は、社会党を代表して、本法案に賛成するものであります。 第一に、わが党は、公務員給与の低劣な現状にかんがみまして、年末手当二カ月分支給の法案を提出して、政府と国会の善処方を強く要請してきたのでありますが、今回、政府が国家公務員の年末手当を〇・一五月分増額して、一・六五月分とされたことは、はなはだ不十分ではありますが、公務員給与の改善に一歩を進めたものとして賛成するものであります。しかし、その財源は、単に既定人件費の節約等によることとされているにすぎないので、必要財源の確保については、特に万全を期せられたいと存じます。 第二に、地方公務員の年末手当も、国家公務員に準じて増額支給さるべきは、その公務の性質と公平の原則から考えて当然のことでありますが、従来の経験と現下の地方財政の窮乏にかんがみるとき、これが完全実施のため、その財源措置と行政指導につきまして、太田自治庁長官等の言明を裏切らざるよう政府において格段の配慮を尽されたいと存じます。 第三に、本臨時国会において、公務員の給与引き上げの強い要望が全然取り上げられなかったことは、わが社会党としてはなはだ遺憾に存じます。政府は人事院勧告の趣旨と公務員給与の現状にかんがみまして、すみやかに根本的な給与改訂の措置を講ぜられるよう強く要望いたしまして、本法律案に賛成いたします。 さらに、この際、皆さんの御了解を得まして附帯決議をつけたいと存じます。その案文を朗読いたします。 以上でございます。
○委員長(亀田得治君) 他に御意見がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一〇号)を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀田得治君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第百四条による口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 それから報告書には、多数意見書の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名名を願います。
○委員長(亀田得治君) 次に、秋山長造君提出の附帯決議案を議題といたします。 本附帯決議案を委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀田得治君) 全会一致と認めます。 よって秋山長造君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 —————————————
○委員長(亀田得治君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。 まず、提案理由の説明を求めます。赤城宗徳君。
○衆議院議員(赤城宗徳君) ただいま議題になりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由について御説明いたします。 現在、教育職員の給与制度は、学校の種類、職種、学歴、経験年数の四要素をもって構成されております。 そのうち、特に経験年数の要素が重要視されておりますことは御承知の通りでありますが、学歴等他の要素は、俸給決定の上に、大きな比重をなしていないのであります。 しかしながら、教育職員の特殊性にかんがみるとき、学歴の要素は相当高く評価すべきものと考えます。文教行政の一端を示す教育職員免許制度を見ても、この点が高く評価されており、その学歴の相違がそのまま免許状の相違に結びつけられ、教育職員の職務と密接な関係が保たれているのであります。 しかるに、この学歴の要素が、給与制度に明確に反映せしめられておらぬため、同一年令の者を比較した場合、高学歴者は低学歴者に比して必ずしも高い給与を受けているとはかぎらない。という均衡を伴わない現状にあるのであります。この点、文教政策と人事管理の不一致に、矛盾を感ぜざるを得ないのであります。 かかる状態のままでは、高学歴職員の士気に影響を及ぼし、教育を沈滞せしめ、学校教育の遂行に支障を来たすおそれもありますので、これら高学歴者の俸給額の調整をはかるべく、本改正法案を提出いたした次第であります。 改正点の要旨を申し上げますと、第一点は、高等学校教育職員級別俸給表及び中学校、小学校教育職員級別俸給表の適用を受ける教育職員中、旧制大学もしくは新制大学を卒業した者、旧中学校高等女学校教員免許もしくは旧高等学校教員免許状を有する者、または人事院がこれらの者と同等以上の資格を有すると認める者等、いわゆる学歴、資格の高い者につきましては、予算の範囲内で、人事院の定めるところにより、二号俸を超えない範囲内におきまして、俸給月額を調整することができるものといたしたことであります。 第二点といたしましては、人事院は、教育職員の初任給基準につきましても、右の趣旨を考慮して、適切な措置を講じなければならないものといたしたことであります。 所要経費といたしましては、国立学校分約一千五百万円、公立学校国庫負担分約三億六千五百万円、合計約三億八千万円であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(亀田得治君) 本法案について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○伊藤顕道君 この改正案を拝見いたしますと、初任給の改訂はないわけですけれども、実質的には初任給の面が改正されておると、そういう点は了解できるわけですが、いろいろ問題点があると思うのです。その一つは、予算措置が非常に不明確である。この点はどういうふうにお考えですか、お伺いいたします。
○衆議院議員(赤城宗徳君) この法律は、初任給を変えるということを表から打ち出しているわけではないので、不均衡を一応現在のままで直せと、それからまた、予算の措置ができれば、初任給にも手を加えるようにしてほしいと、こういう建前になっております。実は、この法律を提出する際に、現在予算がありませんので、一度決議案みたいなものにするか、あるいは法律として予算を拘束するような形に持っていくのはまずいじゃないかというようないろいろの考慮の上から、法文の建前からもありますように、非常に、何と申しますか、緩和されたといいますか、「人事院の定めるところにより、」とか、あるいは予算の範囲内において何々することができるというふうに、まあ法律として必ずしも予算を伴わせて拘束するという形をとらないように考慮をして、提案した次第であります。
○伊藤顕道君 小中校で大体これをもし実施するとなると、適用者大体十一万ぐらいあるのです。概算ですがね。大体それくらいあると思うのです。ところが、それの基本給だけで十二億ぐらい必要だと思うのですね。そういうふうに、相当に予算が必要になってくるわけです。にもかかわらず、今お尋ねしたように、そういう大事な点が何ら規定されてないのですね。それを、実施の時期についても、何ら明確な規定がないわけですね。こういう点について、どういうふうにお考えになりますか。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 予算の点は、御指摘の通り、かかると思うのですけれども、県によってすでに高くなっているようなところもあります。そういう高くなっているところに線を引いて、低いところから直していくということで計算した金が三億八千万、こういう金になっております。 それから、施行の日でありますが、これも先ほどお答え申し上げたのですが、「人事院の定めるところにより、」と、この実施の期日を人事院にまかしたと、こういうふうな形で出ているのであります。幸いに、最近給与の勧告が人事院から出ております。あるいは内閣の方においても、その実施をするのじゃないかというような予想も持たれておりますが、そういう際にこの法律の趣旨をいれて、給与の改訂をする措置をとってくれれば、非常に好都合じゃないかという考えを持っております。
○伊藤顕道君 まあこれが成立したとしても、非常な弱体な法律になると思いますがね。今お話がありましたように、何々することができる、普通法律でしたら、するものとするというふうに断定的になっておりますね。そういう意味で、これは任意規定になっているのですね。それに、予算の範囲内ですることができるということになると、ほとんど、該当者であってもこの恩典に浴しない場合があるわけですね。そういう点については、何とか今一歩を進められんものですかね。
○衆議院議員(赤城宗徳君) この提案をするときにおきましても、御指摘のように、非常に予算もかかりますし、どの線あたりで切るかという問題もありまするし、給与の問題は、非常に技術的な、科学的といいますか、問題でありますので、人事院の方においてこの趣旨を取り入れて工作をすることを強く要望したい。ここで、法律として何々すべしということになりますと、内閣との折衝その他におきましても、予算等におきまして、私ども与党としまして、非常に苦労するところがありましたので、こういう少し穏やかすぎるといいますか、御不満な点もあると思うのですけれども、こういう格好で提案するということになっております。
○伊藤顕道君 そこで、大事な点が非常に不均衡になっていると思うので、この点はなはだ不満なので法律として形態が整っていないと思うが、一応これを通すとしても、近い将来に何とか早急に、予算措置と実施の時期とについては明確に、そして「することができる」でなしに、「するものとする」というふうに、そういう点については格段の御努力をいただきたいと思いますが、さらに同一学歴で、これは実際の例で申し上げますが、同一学歴で行って、高等学校に就職したものと大学の助手になった場合、その大学の助手になった方が一号ないし二号俸非常に不利だ、こういう点は、これは実施されたとしても、不合理是正という観点に立ったこの法律が何ら生きてこないことになるのですが、こういう点についてはどういうふうに措置せられますか。
○衆議院議員(赤城宗徳君) その点も一応考えたのでございますが、これを中心として給与の改訂に手を加えるということになり、高等学校、中小学校を通じ、学歴の高いものが二号俸を越えない範囲において上るということになれば、今のままでも大学の助手は不均衡で低い面もあるのでございますから、当然全体から見合して、にらみ合して上げらるべきものだと、こういう考えは持っております。この法律にはその点は触れておりませんですけれども、当然そうなるべきだと、こういう考えのもとにいたしております。
○伊藤顕道君 そうしますと、実施に当っては、大学の助手が高等学校の同じ学歴のものと、もちろんそれを前提にして申し上げておるのでありますが、高等学校から大学の助手といふううになった場合に、一号、二号というような狂いがある。そういうことの是正は、実際問題として、実際の場合にはできるようにやっていただけるわけですね。
○衆議院議員(赤城宗徳君) そういうふうに了解しております。
○伊藤顕道君 それから、昭和二十九年一月一日以降の就職者、こういうものについても今までの実施者と同様に扱ってもらえるのかどうか、そういう点について。
○衆議院議員(赤城宗徳君) そのものにつきまして、全般にわたって措置されることになっております。二十九年一月一日以後にわたりましても措置されることになっております。
○伊藤顕道君 その点についても、確実に実施されるということですか。
○衆議院議員(赤城宗徳君) この法律の建前は、二十九年一月一日を画してどうこうということではありませんで、現状におきましての建前であります。衆議院で附帯決議がつきまして、それは、そのときのことについては附帯決議がつきましたのが、この法律そのものは現状における考え方でございます。全部にわたっております。
○伊藤顕道君 以上、幾つか申し上げましたけれども、せっかく作った法律案でありますが、問題点は非常に多いわけなので、一つ近い将来、緊急にこういう問題点を検討していただいて、何とかこれをしっかりした法律にまで一つ築き上げていただく最大の努力をいただきたいと思います。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 通過いたしまするならば、御趣旨の通り、最大の努力を払いたいと考えております。
○竹下豐次君 衆議院で附帯決議がされた。これは、本案の条文をよく検討すれば、自然とよくわかることだと思っておりますが、この際御説明願いたいのですが、この附帯決議を見ますと、「四級から九紙までの職務の級に属する」云々と書いてあります。これだけをこう書いてあるのでありますが、これとこの法案との関係はどういうふうになっておるのでありますか。これが抜けておるから加えられたというふうに想像されるのでありますが、その辺の事情を説明願いたい。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 二十九年の一月一日から施行されました、俗に言う三本建給与体系でありますが、従来、高等学校、中小学校を通じて給与が同じ体系であったのですが、あのときから学校別の給与体系を作りまして、高等学校等におきましては、御指摘の四級から九級の間が中小学校よりも一号上位に格つけされる、一号高い、こういうことになっておるわけです。それを知らずに、当時、そういう法律ができるということを知らずに、中学校や小学校へ奉職しておったものがあるのではないか。制度が変りまして、新制中学なんかがありまして、当時の高等学校から中小学校へ、こういう給与体系ができることを知らずして行ったものがあったのではないか。そういうことを知らずに行った人だけは、四級から九級の間で一号さらに手当をした。その後は、そういう俸給表があることを知って高等学校や中小学校に奉職しておるのだから、区別があってしかるべきだが、当時そういう法律ができることを知らなかったというものだけに対して考慮を加える、こういう意味の附帯決議であります。
○荒木正三郎君 今附帯決議のお話が出ましたが、これは提案者にお伺いしたいのですが、衆議院の方で附帯決議をつけられた。私もこの内容は賛成なんですが、これを今回の法案には盛り込めなかったという点ですね。提案者の方は、次の国会へでもこれを法案として出すお考えのもとに、こういう附帯決議をつけておられのだというふうに私は了解するのですが、その点どういうお考えですか。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 本法律案を提案した場合には、二十九年一月一日に特に不利に陥ったわけではないのですが、不均衡ができたものも、この原案では含んで二号俸以内は上りますので、それも含めた意味で、特にそのときに不利に陥ったわけではありませんが、不均衡ができたものには二号俸の範囲内で救われるのではないか、そういうつもりで本案を出したものですから、附帯決議のようなものは考えなかったわけではありませんが、本案には入れなかったのであります。ところが、現在においては不均衡を生じて、知らずして不均衡に陥ったものはもう一号考えるべきではないかという御意見が非常に強かったものですから、附帯決議ということで通ったのであります。それを次に法律化するかどうかということまではまだ考えておりませんが、附帯決議をつけたこの法律案が通過するならば、特に、先ほど申し上げましたように、給与の改訂時期に来ておるといいますか、勧告もありまするし、改訂しなければならぬような事態に今差し迫っておるようにも考えておりますので、附帯決議を考慮に入れて人事院で工作をすべきである、こういうふうに考えて、また法律を次の国会に出す、附帯決議を法律化するという考えまでは持っておりません。
○荒木正三郎君 この附帯決議の内容ですね。これを実際に行うということは、人事院の操作ではちょっとむずかしいのではないかと私は思うのですが、今のお話ですと、何か人事院の方で考慮されるような意味のように私伺ったのですが、人事院の方で操作できますか。
○委員長(亀田得治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(亀田得治君) 速記始めて。
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院といたしましては、法律が通過いたしますれば、これは国会の最高の御意思でございまするので、法の意図されておるところに従いますように、最善の努力をいたすつもりでございます。しかしながら、予算のないときにやるということになりまれば、これはやはり制約のあることであろうかと、このように考えております。
○荒木正三郎君 私の質問しているのは、この附帯決議について今質問をしているわけなんです。私は、この附帯決議の内容を見まして、これは当然なことだというふうに考えております。できれば今審議している法案の中に、この法案の中に、附帯決議の内容が入っておれば、それで非常によかったわけです。しかし、どういう事情で、これが入らなかったのか、私十分わかりませんが、今の提案の説明で、この附帯決議の内容は、人事院の方で実際に操作できるように私は聞いたわけなんですね。だから、その点を人事院に聞いているわけなんです。この法案自体のことについてじゃない、附帯決議のことについて。
○政府委員(瀧本忠男君) ちょっと言葉が足らなかったのでありますが、法案自体も、これは予算を要することでございます。これは予算が取ってないのでありまするから、法案自体をやりますにつきましても、あるいは予算を取ってからやるとか、あるいは予算の見通しがつきましてからやる、こういうことになろうかと思うのであります。附帯決議の方は、法案自体ではございませんので、これはできるだけ尊重する、このようなことになろうかと思いまするが、しかし人事院としましては、できるだけ国会の意思を尊重してやりたい、このように考えております。
○荒木正三郎君 それで、重ねて提案者にこれはお尋ねをしておきますが、ただいまのところ、次の通常国会にこれを法制化する、附帯決議の内容を法制化する、そこまでは考えていない、こういうお話でございましたが、やっぱり提案者の方で、この内容は附帯決議をつける必要があるということで、もうお考えははっきりしているわけなんですから、やはりこれは、次期国会に法制化するというふうに進んでもらうことがいいのじゃないかというふうに思うのですがね。そういう点、今はっきりお答えになることはむずかしいかもしれませんが、この点は一つ、十分な努力を私は払ってもらいたいと思いますが、いかでしょうか。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 私一人でできる問題でもありませんので、研究の上、御趣旨の線に沿いたいとは思っております。私一人だけでありませんで、いろいろ機関もありますので、研究いたしたいと思います。
○荒木正三郎君 この附帯決議は、衆議院の内閣委員会では全会一致でつけられたものですかどうですか、ちょっとお伺いしておきます。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 内閣委員会では、全会一致でございます。
○荒木正三郎君 それであれば、なお一つ、これは御努力を願いたいというふうに思います。 それから今、給与局長の方から御説明がありましたが、この法案が法制化される、これを実施する場合、ただいまの説明であると、予算等の関係も考えて、いつから実施するかきめなければならぬ、こういうお話でありました。しかし、これは私はおそらく、提案者にお伺いしたいと思うのですが、この法案を臨時国会に特に出されたという意味は、近く給与改訂がある、人事院の勧告、それから政府の言明等から見ても、これは明らかなことであります。従って、その給与改訂の前にこれが実施されなければ、不合理は容易に是正されないと思うのです。そういう意味において、これは人事院としても、それ以前にやはりこれを実施されるということが、私はこの法の精神だと思いますが、その点給与局長はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(瀧本忠男君) おっしゃる通りであろうかと思うのでありますが、この法案は予算を伴っておりませんので、従いまして、これを実施いたしますれば、予算が要ることでございます。これはやはり、予算の目安がつかなければできないことになろうかと思うのであります。私の個人的希望といたしましては、おそくも、幸いに政府が人事院の給与改訂をお取り上げいただきますならば、その機会には合せてこれをやるのが適当であろう、このように考えております。
○竹下豐次君 この附帯決議が完全に実施されるということになれば、大かたどのくらいの人の数になるものか、見当がついておりますか。
○衆議院議員(赤城宗徳君) ちょっと今、資料を持っておりませんけれども、人事院の方であるいはありますかどうか。
○竹下豐次君 それと、予算がどのくらいになるか。
○衆議院議員(赤城宗徳君) 予算は三億くらい増すという附帯決議であります。
○竹下豐次君 それはわかりました。そうして、これは、法律ができなければこれを実施するということはできない性質のものか、予算の差し繰りなどで融通がつくか、行政措置としてでもこの趣旨に沿うような措置ができるものであるか、法律的の解釈としてですね。それはどういうことになるのですか。
○政府委員(瀧本忠男君) これはもう法律が通りまして、その予算の差し繰りの都合がつけば、これはできるだけ早くやることが好ましい。
○竹下豐次君 私の言うのは、現行法において予算の差し繰りが何かつくものだとすれば、何か余裕ができたということであったならば、行政措置として、あの法律を待たずして引き上げてあげるということができるものかどうか、その法律解釈を聞いているのです。さらに申し上げますれば、大した金額でなくして、人の数もそうたくさんでないということで、予算のやりくりなどで何とか融通がきくものであるということがわかれば、もうすぐにでも着手されるという道も開かれるのじゃないか、こういうふうに思うのですね。それでまた、法律を作らなければならないが、作らなくて済むのであるかという疑問、その法律解釈が私わかりませんので、お尋ねしているわけです。
○政府委員(瀧本忠男君) 給与法によりますれば、人事院としては、給与の公平適正を保持するために、ある程度の権限は許されております。従いまして、予算の都合がつけば、ある程度はやり得ると思いまするが、本法案に示されている内容通りの程度のことができるかどうかという点になれば、即答をちょっと申し上げかねると思います。ある程度のバランス是正ということは、人事院としてできることでございます。
○竹下豐次君 もう一つお尋ねしますが、法律的に行政措置が許されないということじゃないということですね、結局。予算の関係で、なかなか期待に沿うことはこの際困難であろう、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
○政府委員(瀧本忠男君) さらに申させていただきたいのでありますが、人事院が、この法案が提出され、かつこれが通過するということがない場合に、人事院が給与実施をやりまする場合、それから、この法律が通りました場合にやりまする……。
○竹下豐次君 通った場合というのは言わないでいいのです。今の法律のままで行政措置としてできることであるか、できないことであるかということをお尋ねしているのです。二つ並べると混乱しますが、法律が通った場合とかいうようなことをこの際お答え下さらないで、現行法のもとに行政措置として、予算が許すならば引き上げることができるかできないかという法律問題を、現行法の解釈を聞いているわけです。
○政府委員(瀧本忠男君) 現行法の解釈を申し上げます前に、一言申し上げなければならぬのであります。この法案で示されておりまするこの物の考え方というものが、この法案が提出されない、現在において、人事院が教職員の給与がどうあるべきであると、現在の状況において考えることと違うのであります。従いまして、現在の状況のもとにおきまして、予算措置がかりに現行予算の範囲内でできるとしても、やるかやらぬかということになりますれば、これは問題があるのであります。そういう問題を離れまして、ある程度のバランス是正というようなことが現行法の範囲内でできるかどうかということに限定してお答をいたしまするならば、予算の余裕がある程度ございますれば、人事院に給与の公平を確保するための権限を委任されておりまするので、それはある程度のことはできる、こういうことでございます。
○委員長(亀田得治君) 他に御発言がなければ、質疑は尽きたものと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○秋山長造君 私は、社会党を代表して、本法律案に賛成いたします。ただし、ただいまの質疑応答の中でも明らかになりましたように、本法律案においては、これに伴う予算措置が不明確であり、また実施期日等の点も明らかでありませんし、さらにまた、これは任意規定でありまして、該当者全員に確実に実施できるという根拠にはなりがたい点がございます。いわんや今日の地方財政の窮乏等を考えました場合、きわめて不徹底であると思いますが、さらにまた、この大学関係の該当者がこの法律案では考慮されておりません。それからまた、これは現状における是正措置であって、過去にさかのぼらないというような点、いずれもわれわれの不満とするところでございますけれども、しかし、ともかくもいわゆる給与三本建に伴う不合理是正に一歩を進めるものという意味において私どもは賛成し、さらに今後の改善措置を強く要請いたしまして、賛成するものであります。 なお、この際皆様のお許しを得まして、衆議院においてつけられました附帯決議と同じ趣旨において、本院でも決議をつけたいと存じます。その案文を朗読いたします。 以上でございます。
○委員長(亀田得治君) 他に御意見がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀田得治君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第百四条による口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 それから、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は、順次御署名願います。
○委員長(亀田得治君) 次に、秋山君提出の附帯決議案を議題といたします。 本附掛決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀田得治君) 全会一致と認めます。よって秋山君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 —————————————
○委員長(亀田得治君) なお、議事の中途でございますが、委員の変更について御報告いたします。本日付田畑金光君が辞任され、藤田藤太郎君が補欠に選任されました。 ちょっと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(亀田得治君) 速記をつけて。 継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。本委員会において審査中の国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案は、会期中に審査を終えることが困難であるから、本院規則第五十三条により、継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。なお、要求書の作成及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。別に御発言がなければ、委員会はこれをもって散会いたします。 午前十一時五十三分散会 ————・————