内閣委員会 第2号
- 発言数
- 227 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/11/22
会議録
○委員長(亀田得治君) これより内閣委員会を開会いたします。 議事に入る前に、委員の変更について御報告いたします。 十一月二十一日付松本治一郎君が辞任され、その補欠として横川正市君が選任されました。 —————————————
○委員長(亀田得治君) これより国家公務員制度及び恩給に関する調査のうち、人事院勧告に関する件を議題に供します。 まず人事院総裁から、勧告の内容について御説明をお願いいたしたいと存じます。
○政府委員(淺井清君) 去る七月十六日に、人事院から国会と内閣に対してなしました報告及び勧告の概略を御説明申し上げます。これは概略にとどめまして、いずれ御質疑もあることでございまするから、それに従ってなお詳細説明を申し上げることにいたしたいと思います。 この報告及び勧告は、申すまでもなく、報告の部分と勧告の部分と二つに分れておるのでございまするが、その報告の部分は、大体さらに二つに分れ、その一は国家公務員の給与制度に対する現状を説明したものでございまするが、この部分はすでに国会においても十分御承知のことでございまして、むしろこれは、一般国民に知らせるというような意味を持っておりまするので、この席上におきましては、報告及び資料に譲りまして、省略をさせていただきます。報告の第二段は、人事院の行いました各種の調査及びその結果等についての判断でございまして、この部分から御説明を申し上げたいと存じます。 まず官民給与の比較を行なったのでございまするが、昨年一般の平均ベースの上昇率は、民間は約六・六%、一般職公務員は約五%でございましたので、民間の方が若干一般職公務員を上回っておりましたが、現行給与が実施されました昭和二十九年一月以降の上昇率について見ますれば、民間は一〇・八%、これは労働省の調査によったものでございます。一般職公務員は一一・一%と、ほぼ同様の上昇率となっております。 第二に、民間の給与改善の状況を見まするに、本院の調査事業所の過半数は、いわゆるベースアップによる給与改善よりも、定期的な昇給方式によって給与を改善する傾向が顕著でございました。 第三に、本院が本年三月に行いました職種別民間給与調査によって見ますると、各職務の級の段階を通じ、一般職公務員に比べて民間給与はおおむね一一%ほど上回っておることがわかりましたのであります。 第四に、また職員構成について考えてみますると、官民の職員構成は、御承知のように非常に異なっておるわけでございまして、この点を考慮に入れまして、フィッシャー算式によって調整して比較いたしますると、一般職公務員は民間より約六%低くなっております。と申しまするのは、一般職公務員の中には、俸給の水準差のある職種が相当ございまするので、この点を考慮いたしまして、一般行政職の平均給与と比較して、一般職公務員全体の平均俸給額を見ますと、これが四・二%ほど高くなるからでございます。 第五に、五現業三公社の職員の給与は、団体交渉権の復活以後一般的に相当改善された模様でございまして、また地方公務員の平均給与額は、自治庁発表の資料によりますれば、一般職公務員のそれに比しまして相当高くなっております。 さらに五現業三公社の職員の期末手当、奨励手当及びいわゆる業績手当と期末手当及び勤勉手当とを比較いたしますれば、年間支給額において相当の不均衡が生じておるもののように思われます。 第六に、消費者物価の動きは、御承知のごとく、昭和二十九年以降、ほぼ横ばいの状態にあることが明らかでございます。 以上の諸条件を総合勘案いたしまするに、人事院といたしましては、この際一般職公務員の給与を、いわゆるベースアップ方式によって一律に引き上げることは適当でないと考えられまするが、前に申しましたように、一般職公務員の給与は民間給与より低位にあり、また五現業三公社の職員及び地方公務員の給与に比べましても、なお低位にあると認められまするので、ある程度実情に即しました給与改善を行う必要があるものと認められます。また、現行の一般職公務員の給与制度には、これが運営の実績に顧みまして、多くの不合理があり、かつ不均衡が生じていると思われまするので、俸給制度の根本的改正をはかる必要があると認められます。 以上に述べましたことが、大体今回行いました報告の概要でございます。 次に、この報告を基礎といたしまして行いました勧告の大要は、およそ五つに分れておりまして、第一には、現行五種類の俸給表を合理化いたしまして、その職務の特性に応ずるように改め、新たに研究職俸給表、医療職俸給表及び技能労務職俸給表を設けることといたしまして、現行の職務の級を七つの等級に改めることといたしたいということでございます。 第二には、現行制度上にありまする異常な頭打ち、ワク外者の生ずることがないように、各等級の俸給の幅を合理的なものとしたい、かようなことでございます。 第三には、昇給制度についても、各等級ごとに昇給の金額及び期間を適正なものといたしたいということでございます。 第四には、以上の改正に伴いまして、現行俸給表からこの新俸給表への切りかえに際しましては、おおむね一号俸程度の調整を行うことといたしたいということでございます。 第五に、五現業三公社の職員の給与との均衡をはかるために、毎年三月に〇・一五カ月分の特別手当を支給することといたしたい、かようでございます。 このおよそ五項目が今回の勧告の骨子となっております。 なお最後に、この勧告を実施する場合に必要なる経費を、人事院としては、およそ年間おおむね六十九億円の増額を要するものと認めているのでございます。 以上、簡単ではございまするが、報告及び勧告について御説明を申し上げます。
○委員長(亀田得治君) それでは、本件につきまして御質疑のおありの方は、御発言をお願いいたします。
○秋山長造君 ちょっとその前に、今、総裁のお読みになったその印刷物ですね、配付していただけませんか。こまかい数字なんかが入っておりますが、ざっと読み上げられたのを聞いておっただけでは、どうもよくわからぬ点があるのですが……。
○政府委員(淺井清君) ただいまのお尋ねでございますけれども、ただいま非常に簡単につづめたものを申し上げたので、もっと詳細なものが報告及び勧告の付属資料としてお手元に出してあるように思いまするが、回っておりませんか。
○委員長(亀田得治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(亀田得治君) 速記を始めて。
○永岡光治君 それでは、私からまず最初にお尋ねいたしますが、いずれ詳しい内容についての、たとえば俸給体系そのものについても多くの私たちは疑義を持っておりまするし、勧告の基礎となりました数字の資料につきましても、まだ多くの疑点を抱いておりますので、これは後刻私はたださなければならぬと思っておりますが、まず基本問題として、冒頭ただしておきたい問題があるわけであります。 それは、ただいまの総裁の説明を聞いてみましても、人事院というものが公務員の給与改訂について、いうならば公務員の待遇という問題について、一体今日までどれだけ誠意を持ってやってきたのかということについての熱意の披瀝がなされておりませんことをきわめて遺憾に思うものであります。御承知の通り、今日公務員は、今ここから見ましても、あそこに旗が出ておりますように、給与改訂について長い間叫び続けて参りました。総裁みずからそのことを体験を私はいたしておると思っております。短期間のこの臨時国会中といえども、何とかして給与の改訂をはかってほしいということで、公務員は連日連夜この国会のまわりに押し寄せまして、その窮状を訴えておるわけでありますが、御承知の通り、今日の公務員の給与改訂は、昭和二十九年一月改訂されましてから三年間据え置きのままになっておるわけであります。マッカーサー書簡が出ましてから、公務員の罷業権は奪われ、わずかにたよっておりますところの、それでは自分たちの意思を十分国会に反映させるためにその国会議員を送るために縦横の活躍ができるかといえば、それもできない。公務員法というものに縛られて、そのことすらもできない。ただあるのは、単なる組合を作ることにすぎないのでありまして、そういう苦しい状態に置かれておる公務員が叫びを上げてきておる給与改訂について、人事院総裁はどのような考えを持っておるのか、まず私はこのことを聞かなければならぬと思うのであります。勧告をされましたのが七月、そうしていまだかってこれについて政府にどういう申し入れをいたしておるか、私は承わっておりませんが、当然そういうことも冒頭披瀝あるものと期待をいたしておりましたが、そのこともございません。人事院の使命というものは、私から申し上げるまでもなく、このような公務員の窮状を打開するために設けられた機関と固く信じておるのでありますが、この改訂に対する、これを含めまして公務員の給与改訂について、人事院のかまえといいますか、総裁のかまえというものについて、まず私は冒頭たださなければならぬと思っておるのでありますが、この点、どのようにお考えになっておりましょうか。
○政府委員(淺井清君) 永岡さんにお答えいたしますが、お説はまことにごもっともでございまして、われわれといたしましては、勧告をいたしました以上は、その実現を期するということは当然のことでございます。しかしながら、法律上人事院の権限は勧告にとどまるのでありまして、これをいれるかどうかということは、これは国会及び内閣の問題になってくるのでありますが、しかしながら、われわれとしては、この勧告を実現するように努力はするつもりでございます。すでに内閣に対しても、また大蔵省方面に対しても、事務当局より詳細に勧告の内容を説明をいたし、考慮を求めておる次第でございます。
○永岡光治君 確かに人事院というものは、これは総裁おっしゃっておるように、ただ勧告にとどまる、こういうように考えておるようでございますが、私は絶えず総裁から聞いております人事院の中立性と申しましょうか、これは勧告を出すまでの資料の検討といいますか、結論に至るまでの人事院の立場というものは、もちろんこれはだれにも支配されない純然たる人事院の中立的立場に立って、是なりとし、最善なりと信ずるものをもって結論を得ることは当然だと私は思うのであります。しかしながら、その結論が出た以上、結論が出るまでは中立でありますけれども、出た以上は、それを実施させることについて人事院はもっと積極的でなくちゃならぬと思うのであります。それが公務員法が改正されて、今日公務員に対しまして罷業権が奪われた、その人事院の性格、そういう意味から公務員を保護するという立場から、公務員がおそらく人事院総裁に期待するということもそこにあると思うのである。でなければ、人事院の存在は必要ないのであって、むしろ逆に公務員のそういう切実な叫びを解決しなければ相当な混乱が起る、争議が起るであろうことを防ぐために人事院があるにすぎないという印象を今日は非常に強く受けておると私は思うのでございまして、そういうことであっては、まことにこれは、あなたは中立を主張されようとも、結果的には、あなたがそういう気持であっても、今日は与党や政府のかいらい機関にすぎない、こういう結果になっておることを十分私は反省してもらわなければならぬと思うのであります。結論が出た以上、それを実施することにもっと真剣でなければ、この公務員の給与の改訂あるいは公務員の生活の打開というものははかられないのであります。そういう意味におきまして、ただいまの答弁でも不満でありますが、今、政府に対しましてあなたはいろいろ折衝を続けておると言っておりますが、どのような結論になったのでありましょうか。
○政府委員(淺井清君) その結論は、要するにこれは政府側からお聞き下さるよりしようがないのでありますが、ただいまは、私の知っておる限りにおきましては研究の段階でありまして、まだ結論は出ておらんように思われます。
○永岡光治君 ですから、私はそのような態度はきわめて遺憾と思うのであります。この勧告の内容を見ましても、たとえばこれはいつから実施しろとも明示していない、きわめて無責任きわまりないと思うのであります。今それでは、私はもう少し議論を進めますが、あなたはこの勧告をいつから実施させたら最も望ましいと考えておるのでしょうか。その点を明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(淺井清君) これは、勧告の中に書いてあるように、人事院といたしましては、なるべく早く、できるだけすみやかに実施するようにということでありまして、これは私は衆議院の本会議においてもその通り申し述べたのでありますが、これは勧告にあるように、われわれとしちゃ、できるだけすみやかにこれを実施するように、かように考えております。
○永岡光治君 そのすみやかにということですが、それはいつから実施したら一番妥当と考えてあなたはおいでになるのでしょうか。具体的にいつから実施したらいいとお考えになっておりますか。
○政府委員(淺井清君) これ以上人事院としちや具体的な意思表示はできないのでありまして、ともかくできるだけすみやかにこれは実施していただきたいと、かように考えております。
○永岡光治君 ですから、それはきわめて私は無責任だと言うのです。ここには年間の予算が明示されております。給与改訂の所要の予算が五十九億だとこう言っておる。それから期末手当が十億、合して六十九億と明示されておりますが、なるべくすみやかにということは、あなたはことしの四月一日にさかのぼってほしいと考えておるのでしょうか。それはほしくないと考えておりましょうか。
○政府委員(淺井清君) このなるべくすみやかにということは、過去に遡及することは意味しておらんのでございます。
○永岡光治君 ですから、この意思が明示になっていないじゃないですか。なるべくすみやかに実施してほしいということは、遡及ということも財源の中からは考えられると思う。実施期日は、たとえば法律の確定する日は、それはもちろん、たとえば八月一日からこれは公布するでありましょうが、遡及という方法は従来もとられておったわけでありますから、そういう明示すらされていないということは、あなたの不誠意きわまりない態度がそこにも明確に出ておると思う。なるべくすみやかにということは、少くともいつから実施してほしいということをなぜ言えないのでしょうか。最も望ましい実施期日をあなたから一つ説明してほしいと思うのですが……。
○政府委員(淺井清君) これは、やはり財政上の問題もあると思いまするので、これは常識の問題でございまして、人事院としては、ただ言い得ることは、できるだけすみやかにこれを実施してもらいたい、この程度にということが人事院の立場として適当であろうと考えております。
○永岡光治君 財源や、そういう予算の問題については、これは政府あるいは国会の問題でありますから、私たちの論議することであります。まずそれをきめるに当って、一体公務員の保護者であるところの人事院総裁は、七月一日から実施してほしいと望んでおるのか。あるいは、なるべくすみやかにということを言っておるが、十月でもいいのか、その辺のところがわからないと、予算の検討のしょうがないじゃありませんか。あなたが最も理想と考えられておる実施期日はいつなんですか。
○政府委員(淺井清君) これは、われわれも論議いたしました結果、なるべくすみやかにという表現で現わしておるのでございますから、それ以上は、私は国会及び内閣におまかせするより仕方がないと思っております。
○永岡光治君 そういう態度は、これはきわめて不明朗きわまりないということを再三申し上げておるのであります。それでは、あなたは期末手当についてどう考えておるのですか。期末手当は年度内に実施してほしいという気持があるのですか、ないのですか。
○政府委員(淺井清君) 期末手当は、これは毎年六月及び十二月に支給されるものでございますが、今回の勧告の中には、期末手当の増額は含んでおらないと思っております。
○永岡光治君 あるじゃないですか。この三月〇・一五支給してほしいと書いてあるじゃありませんか。
○政府委員(淺井清君) これは永岡さんの言われた期末手当は、いわゆる法律上の期末手当と了解したから、さようにお答え申したので、これはいわゆる特別手当として別個のものと考えております。
○永岡光治君 その性格はどうでもよろしいのですが、この〇・一五はいつ支給してほしいと考えておるんですか、来年度でもいいと考えておるんですか。
○政府委員(淺井清君) これは常識の問題でございまして、これもこの勧告とあわせて、なるべくすみやかに実施してもらいたいと、かように考えておるのであって、これが来年になって初めて支給されていいかどうかということは、これはむしろ常識の問題だろうと考えております。
○永岡光治君 私たちの常識なりに判断するならば、これも直ちに、できることなら四月一日に遡及してもらいたいと思っておるし、予算がかりに許さないといたしましても、少くとも勧告されたこの七月から実施してほしいと思っているわけです。これを私たち常識と考えるんです。ところが、あなたはすみやかにすみやかにと言うから、そのすみやかにとあなたの最も理想とする切実なあなたの願いというのはいつなのかということを聞いておるのでありますが、これも答えられない。すみやかにということですから、私はもうちょっと範囲をしぼりまして、あなたがこの勧告で明示されておりまする年度末に支給する特別手当、これは三月期にと、こう書いてありますが、すみやかにということで、もしこれが三十一年度の予算の三月ですよ、その三月期に支給されなかったとしても、それであなた満足なんで、そういうでたらめなすみやかにということを考えておるのか、それともおそくともこの三十一年度中に解決してほしいという切なる願いを持っておるのか、どっちなのかということを私は尋ねておるのであります。
○政府委員(淺井清君) それは、ただいま申しましたなるべくすみやかにという言葉で御了解を願いたいのであって、われわれは決してそんなに一年後において初めて云々というような気持は持っておりません。
○永岡光治君 この月額の改訂については、あるいはあなたの、かりに百歩譲って、あなたのすみやかにということで、八月になるか、九月になるか、十月になるか、あるいは十一月になるか、あるいは来年の一月になるかという問題は、今のこの段階ではいろいろ論議があろうかと思うのでありますが、あなたのすみやかにということは、三月は毎月じゃないんです。一年に一回しかない。その一回しかない三月を来年度に持ち越していいと考えておるのかどうかと言うんです。常識々々というけれども、わからないんです。わからないから、あなたの考えを聞いておるわけです。この年が明けた三月にぜひ支給してもらわなければ困る、こういうことについて考えておるかどうかということを聞いておるんです。
○政府委員(淺井清君) それは、ただいまお答え申し上げた通りでありまして、勧告におけるように、なるべくすみやかにと申しておりますることは、決してこれを一年も先において初めて支給されるということは意味しておりませんと、かように申し上げたのであります。
○永岡光治君 ですから、これは年が明けた三月にぜひ——三十一年度中にやれ、こういうことですか。
○政府委員(淺井清君) 人事院といたしましては、なるべくすみやかにと、かように考えております。
○永岡光治君 これは一年に一回しかないんですから、なるべくすみやかにといっても、八月とか九月に支給できないんですよ。あなたは三月期に支給しろということを、七月に支給していくとか八月に支給していくとか言っておらない。これは三月に支給しろという勧告になっておるんです。そうすると三月をはずすと再来年ですわ。再来年の三月にしかもらえないという、そういうでたらめな勧告ですかということを私は聞いておる。これは勧告の権威に関する問題です。その点は、そういう勧告の権威もあわせて検討しなければ、いつ実施していいか、これをどの程度いれていいのかということの判断に迷うわけですから、もうちょっと人事院総裁ならば総裁らしく、しっかりした答弁をしてほしいんです。なるべくすみやかにということは、これは三十二年度予算で実施してもいいのかどうか、それともこの明けた三月期には必ずこれを実施しなければならないのか、つまり三十二年の三月、三十一年度予算で何とか実施しなければならないと考えておるのかどうか、その辺の答えができないんですか、イエスかノーかでけっこうです。
○政府委員(淺井清君) ただいま二度にわたってその点お答えをして、よく御了承を願っておると思っております。
○永岡光治君 わからないんですよ。ですから、あなたの言う三月に、なるべくすみやかにと、これは一月に支給してもいいんですか。
○政府委員(淺井清君) なるべくすみやかにと私は申したのでありますが、そのなるべくすみやかにという意味は、一体この勧告が非常におくれるというようなことを希望しないことはもちろんのことであります。でありまするから、私は一年先のことを云々しているのではない、さようには考えてない。なるべくすみやかにやっていただきたい、こういう意味です。
○永岡光治君 それでは、人事院総裁の意思はわかりました。 おそくもこれは年度内に実施すべきであるという考えであるということが明確になったわけですが、またそうなくてはならぬだろうと思うのであります。そうすると、これはもう一度私は明確にしておきたいと思うのですが、期末手当とこの三月期に支給される特別手当、三月〇・一五の特別手当と、それだけはまず実施しておいて、あとはどうでもいいのだということじゃないでしょうね。これは一連のものとして、あなたはぜひすみやかにやってもらいたいと、こういう考えでしょうか。
○政府委員(淺井清君) もちろん勧告全体にわたってぜひすみやかにやってもらいたいと、こういうことには変りないのであります。
○永岡光治君 それでは、三十一年度予算で解決しろという切実なる要望であることが明確になりましたが、そうするならば、もう少し私は、総裁としては、政府、すなわち各省で申し上げますならば、大蔵大臣とか官房長官となるであろうと思うのでありますが、その辺の折衝の過程をもう少し明確にしてほしいと思うのであります。どういうところまで……、単なるあなたの資料の説明だけに終っておるのか、それともぜひこのくらいのところまでは実施してくれないかというところで実施の月、たとえば七月にしてくれとか、八月にしてくれとか、そういう強い要望を持った折衝を重ねておるのかどうか。ただ単なる説明に終っておるのか、その辺のところを聞かせてもらいたい。
○政府委員(淺井清君) ただいまは、さいぜん申し上げましたなお説明段階にとどまっております。突っ込んだ折衝というものはまだやっておりません。
○永岡光治君 そうすると、これはだんだん進めて参りますと、この臨時国会でぜひ解決してほしいという気持はあるのかないのか。あなたのお気持です。
○政府委員(淺井清君) それは、私がさいぜん申しましたように、なるべくすみやかにということに尽きるのでありまして、これ以上私としてはちょっと申し上げかねます。
○永岡光治君 なぜ申し上げかねるのでしょう。その点がわからない、どういう支障があるのです。あなたがそういう熱望をされることがなぜいけないのか。
○政府委員(淺井清君) 人事院といたしましては、もうすでになるべくすみやかにという意思表示をいたしておるのでございまして、これは財政上の問題もあり、国会及び内閣において御判断を願うより仕方がないことだと思っております。
○永岡光治君 しばしば申し上げたことでありますが、そのような人事院のかまえは、今日公務員の給与を非常に不幸な状態に陥れておる大きな原因だと思っておるのであります。あなたに対する、人事院総裁に対する公務員の期待というものはきわめて大きいのでありまして、いやしくも勧告が出て、それがただすみやかに実施されればいいのだ、そういうことを勧告しておりながら、あとはもう政府やあるいは国会の仕事だから私はもう知らないのだと、こういうことでは困るのです。あなたのすみやかにというのは、今国会で審議しようとしている私たちの立場においても、すみやかにこの七月の実施を希望しておるのか、それとも八月でもやむを得ないのか、あなたがはしなくも言われましたその財政上の理由があって、それは八月になってもいいというのか、あるいはこれが、まあ三十一年度中にはぜひ実施してもらいたいという気持はわかりましたが、これは十月に延びてもいいのか、あるいはまた来年の一月に延びてもいいのか、その辺の気持がわからなければ、予算の審議のしようがないわけです。だから、あなたのもうちょっとした明確な決意がほしいのです。淺井でもけっこうです。人事院総裁淺井でもけっこうです。個人淺井でもけっこうですが、どういう気持なんですか。あなたの資料も、それじゃいっこの資料は検討した資料なのか、この結論はいつの資料に基いて出たのか。それとも関連をして、あなたの強い要望として、個人淺井でもけっこうですが、いつから……、実施期日の望まれる期日を私はぜひ知りたいと思う。
○政府委員(淺井清君) 個人の発言は、この席上ではごめんを蒙りたいと思います。
○永岡光治君 いやいや、そんなことはない。
○政府委員(淺井清君) 人事院総裁といたしましては、ただいま申し上げたお答えに尽きると思っております。なおこの資料は、そこに書きましたように、ことしの春の資料であることは申すまでもございません。
○永岡光治君 今説明をされましたように、この資料はことしの春、春の資料で改訂をしなければならぬということであなたは勧告をされたとするならば、当然これは春から実施されてしかるべきだと思うのであります。それはその意味だろうと思うのでありますが、年間の予算はこれだけ要るということを明示されております。そうするならば、私は四月から実施していけないという理由はないと思うのですが、あなたは四月から実施されては困るということをおっしゃっておりますが、それはどういう意味でしょう。
○政府委員(淺井清君) いや、困るとは申さないのであります。しかしながら、私がさいぜん申しましたように、この正確なる資料に基いて判断を下しますならば、どうしてもその資料の時点は相当過去になる、これはもうやむを得ないことだと思います。また正確なる資料を持ちませんければ、これは納税者たる国民は納得しないように思いますので、勧告の時期が資料を整備いたします上において相当ずれるということは、これはもう従来の例であって、これは遺憾なことでありますが、やむを得ないことだと思っております。
○永岡光治君 まあ実施期日の点をさらに追及いたそうかと思いましたけれども、どうも総裁はなるべくすみやかにということであって、一年先じゃない。すみやかに、言いかえるならば、三十一年度中に実施するという意思であるということは明らかになりました。その点はよろしうございますか。念を押しておきます。
○政府委員(淺井清君) どうぞ人事院の意向としましては、なるべくすみやかにということで御了承を願いたいと思います。
○永岡光治君 私の言ったことはいいのですか、悪いのですか、それだけでけっこうです。
○政府委員(淺井清君) 私は、もうさいぜんたびたび申し上げましたように、なるべくすみやかにこの勧告を実施されることを望んでおるのでありまして、これ以上の発言はいたしません。
○永岡光治君 それでは、来年度になってもよろしいということを言っているのでしょうか。
○政府委員(淺井清君) それは、この勧告の制度の常識の問題でありまして、これは決して将来遠きを隔てて実施されることに人事院は決して満足いたしません。
○田畑金光君 人事院総裁の先ほど来の答弁を聞いておりますと、どこに本心があるのか、判断するのに非常に苦しむわけです。あなたの答弁を聞いておりますと、来年とか再来年とかいうことは常識の判断に待てばわかるだろうというような趣旨でありますが、私たちは常識で判断しますと、あなたの報告、勧告というものは、決して来年や再来年を期待しているとは考えないのです。しかもこの勧告が出たのが七月の十六日であるといたしますならば、当然あたなの考えの中には、本年度の財政措置を期待し、また強く要請しておると考えるわけです。そのことをあなたは常識で判断すればわかるじゃないか、こう言われておると思うのです。もしそうであるとするならば、何のために先ほど来同じような質問と同じような答弁を繰り返しておるのか。この際論議を整理して、話を進めていく上において、人事院当局としてはなぜもう少し明確にあなた方の気持をはっきり打ち出してくれないのか、私はこう言いたいのです。なるべくすみやかに、そういう言葉ですべてを処理していこうとする態度は全く官僚的です。官僚的な答弁で今当面の問題が解決されるとあなたが考えたら大きな間違いだと思うのです。私は、誠意をもってあなたの確信することを述べてもらいたいと思うのです。ところがまた話の中には、七月十六日に勧告を出して、十一月七日には右の勧告に関して意見も述べておられるのです。意見書も出しておられるです。ところがなお今、政府あるいは大蔵省に対して、事務当局を通じ説明の段階であるというようなお話でありますが、私は、今日のこの人事院の勧告をめぐる公務員の給与ベースの問題は、客観的情勢ほどのように進展しているかということは、人事院総裁よく御承知だと思うのです。しかも今、臨時国会が開かれており、公務員からも、またわれわれ社会党からも、すみやかに政府の善処策を求めておる。その政府の善処を促す最大な道義的な力を出してもらわなければならぬのが私は人事院当局であると思うのだが、その人事院当局が今なお説明の段階である、そういうようなことで一体、あなたは済まされると思っておるのかどうか、まことに遺憾きわまりないことだと思うのです。この国家公務員法を見ても、人事院設置の任務を見ても、あるいはまた第二十八条の情勢適応の原則に基くあなた方の勧告の趣旨を見ましても、もう少しなぜ人事院というものは国家公務員法に基く精神を率直、すなおに受け入れてくれないのか、私はそういう疑いを持つのです。すみやかにというような言葉で逃げるような卑怯なそういう官僚的な態度はやめて、人事院総裁、いやしくも公務員制度の最も大事な最高の地位にあられるのだから、もう少しすなおに答弁を願いたい。今年度の予算措置を期待するなら期待すると、はっきり言っていただきたい。そうなれば論議は前進するのです。それをあらためて私からもお尋ねいたします。
○政府委員(淺井清君) この勧告の実施の時期につきましては、これまでいろいろ書き方がございましたが、数回前よりなるべく早く実施を求めると、こういう書き方になっておりますので、今回もこれによったのでありますから、この公けの席上において、一体いつから実施することを人事院が希望するかと仰せられるならば、これはただいま申し上げましたように、なるべくすみやかにというよりないのでありまして、これ以上はちょっと私としては申しかねると思います。 なお、公務員法をお引きになりましたが、公務員法の建前といたしましては、人事院の権限は勧告にとどまるのでございます。それ以上の権限を人事院は持たないのでございます。ただ、従来の例からいたしまして、勧告をいたしましたものは、実施することにわれわれは熱意を持っておりますから、いろいろ折衝もいたしておるのでございます。
○永岡光治君 勧告、勧告と言って、しきりにこだわっておられますけれども、実施期日は勧告の中に入らないのですか。私たちは当然入ると思っておりますが、どうですか。
○政府委員(淺井清君) これは人事院の私は自由だろうと思っております。
○永岡光治君 入るのか入らないのか……。
○政府委員(淺井清君) それは勧告の本文には書いてございません。前につけるものの中に、このことがなるべく早く実施するようにということが書いてあるのでありますから、勧告の本文の中に入るかどうかというお尋ねならば、これは入らないと、かように考えております。
○永岡光治君 勧告の本文の中に、いつから実施しろということを書いたら、それは公務員法違反ですか、違反でないですか。私は違反でないと考えますが……。
○政府委員(淺井清君) お説の通り、違反でないと考えております。
○永岡光治君 それならば、勧告であるとか勧告でないとかいうことにとらわれていると思う。だからそれは、実施期日を明示することは勧告違反なんですか。
○政府委員(淺井清君) だから私は、お説の通り違法でないと言っております。
○永岡光治君 それなら、今の説明によると、人事院は勧告にとどまるから、実施期日を明示することは避けなければならぬという印象を田畑君の質問に対して受けておるわけです。だから私たちは、そういう勧告の実施期日を明確にしなければ、三カ月の補正予算を組んでいいのか、六カ月の補正予算を組まなければ困るのか、その判断に困るのです。だから、あなたの熱意のある希望の日がいつごろなのか、私は当然言っていいと思う。勧告違反でも何でもないと思います。
○政府委員(淺井清君) それは、ちょっと私の申し上げたことを永岡さんがお聞き違いになっておられると思う。勧告にとどまる云々ということは、人事院の権限が勧告にとどまるのであるから、それ以上は国会及び内閣におまかせすると言っておるのでありまして、勧告の実施期日云々の問題は全然違ったことだと言っておるのであります。勧告の実施の期日については、ただいまのお答えでは、なるべく早くという表現をとっておりますから、それ以上のことはこの席上で申しませんと申したのであります。
○永岡光治君 しかし、あなたはそうおっしゃるけれども、結果的には、ここに私は触れましたが、三月の特別手当には来年でいいんだということはないと、一年延びていいということはないということをおっしゃっておる。そうすると、自然細部はきまっておるわけですよ。おそくもこの三月までに解決しなければならぬということが出てくるのじゃないですか。それをなぜあなたは表現することをいやがるのですか。この三十一年度で実施してもらいたいということがどうして言えないかということを言っているわけです。
○政府委員(淺井清君) われわれといたしましては、もう勧告の中になるべく早く実施するといって、実施の時期を明示しない方針をきめておりますので、それ以上云々ということは私としては申しかねます。
○永岡光治君 ですから、私はあなたの態度がどうも煮え切らない、そのことが公務員に非常に大きな疑問を与えておる。あなたがどう弁解してもそういうことが起ってくることは事実なんだから、最近も人事院廃止の動きさえ起っておることはあなたも承知でしょう。そういう事態だから、私はここに特に追及しているわけです。三月期に支給する特別手当が一年延びていいということではないということをあなたはおっしゃっておる。そういうことであるならば、当然これは三十一年度中に解決しなければならぬ結論が出てくるのじゃないですか。そのことが公務員の期待に沿い得るためにも、私たちは国会で十分大きなあなたの熱意を参考にいたしまして、それにこたえなければならぬと考えております。それをすらあなたが明示できずに、ただなるべくすみやかに、なるべくすみやかにということでは意味がないのじゃないですか。だから、そういう不明確な態度では非常に困るので、三十一年度中に解決してほしいという、こういう切実な要望であるのかないのか、三十二年度に延びていいのかどうなのか、その点をもう少し態度を明確にしろということを質問しておるのに、あなたはどうして答えられないのですか。
○政府委員(淺井清君) 私としては、さいぜんからるる申し上げましたように、これ以上お答えができません。
○田畑金光君 関連して……。総裁にもう一つお尋ねしますが、なるべくすみやかにというのは、従来そういう書き方によってきたので、今回も同様な表現を用いたのだ、こういう御答弁があったわけです。ところが、また永岡君の質問に対しては、期限を切っても、決して勧告の精神にそむくわけでもないし、また人事院の権限を侵すものでもないと思う、こういう御答弁があったわけです。そうしますと、実施の時期について、なるべくすみやかにという表現を用いられたのは、要するに今までの文書の表現がこうであったから、今回も同じような表現をとったに過ぎないのだ。しかし、実際問題として、人事院として実施の時期まで明示することは、決して人事院の権限を侵すものでない、そういうこともあなたは先ほど答弁の中で出しておられるのです。それで私たちは、人事院の正当な権限の中にある実施の時期についてどう考えられておるのかということを繰り返し尋ねておるわけです。 それからまた、あなたのお話を聞いておりますと、人事院の権限というものはあくまでも勧告だというお話でありますが、勧告するからには、勧告するだけの客観的条件が備わって初めてあなたは勧告されるのです。しかも、その勧告というのは、何らかの政治行為というものを、あるいは国家の行為というものを期待しておられるから勧告されるのでしょう。もうその間には隔たりというものは紙一重だと思うのです。いやしくも勧告をされるには、積極的な意図をもって勧告されるでしょう。そうなれば、当然にあなた方はその積極的な意図の現われとして、実施の時期くらいについては、あなたの答弁の中にありましたが、当然人事院の権限の中にあるとすれば、現在勧告したと同時に実施の時期ということを考えておられると思うのです。そこをもう少し私は明確に人事院総裁にお答え願いたいと思うのです。そのことが政府を動かし、あるいは世論を動かす、世論は、今回の場合は、いうまでもなく、あなた自身新聞でごらんの通り、人事院勧告を政府は当然受けてすみやかに善処すべしということが今日の世論の一般です。そういうことを考えたときに、人事院の総元締めであるあなたが、いつまでもそういう態度でいることがすべてを不明朗にしており、政府の消極的な態度のもとになっている一番大きな原因です。一体人事院というものは何のためにあるのですか。人事院は廃止した方がよろしいのかどうか。あなたはどうそれについてお考えですか。どうか一つ明確に、予算も六十九億というものが年度でほこうなるのだということを最後に述べられて、たとえば特別手当については三月十五日現在で支給してもらいたいとはっきりうたっているじゃありませんか。しかも、それは十億という予算を予定されているでしょう。どうかもう少しはっきりと誠意ある態度でお答え願いたい。その問題をあなたがたに納得のいくまで答弁願わぬうちは、われわれはあなたを追及せざるを得ない。一つ誠意ある答弁を願いたい。
○政府委員(淺井清君) 御意見はよくわかるのでございますが、人事院といたしましては、さいぜんから申しますように、なるべくすみやかにという表現をとっておりまするから、これ以上立ち入って、いつということは私から申し上げかねます。
○横川正市君 私は、今までの論議の内容からいって、ここに書かれている文面と、それから総裁の意思表明がされたわけなんでありますが、これは私並びに同僚議員だけがその言わんとしているところの焦点をつかみかねている問題では私はないのじゃないか。他党の方々が今総裁の言われている時期の問題等について、どうとられているのか、非常にこれは私は重要な問題だろうと思うのです。 そこで私は、今の答弁の中で、このことだけははっきり意思表示をして、そしてできれば他党の方々が、総裁の言っておりますいわゆる真意は、期間的に言えば三月三十一日という期間内にこれを実施してほしいという、こういう総裁のいわゆる勧告の内容の説明であった。こういうことが一致して受け取れるものであるのかどうか。この点私はやはり明確にしなければならない問題だと思うのであります。なぜかといいますと、なるべく早く実施してほしいということは、もしも実施されなかった場合の人事院の責任の問題はこれはどういうことになるのか。この点私はきわめて重要な問題だろうと思うのであります。さらに、勧告の建前というのは、非常にこれは権威を持ったものでありますし、それからその権威は必ず実施されなければならない問題である、こういうふうに私どもは考えておるわけであります。 そういうような建前からいたしますと、まず一つは人事院の立場に立って、総裁は三月の八日の日に、少くとも民間賃金あるいは三公社五現業の給与に関するところの変動を目前にいたしまして態度表明をされた。その態度表明の中にもはっきりと、団結権と団体交渉権との二つの問題から、団体交渉権を持たない公務員のいわゆるよき労働慣行というものを打ち立てていく建前からも、あるいは不平不満というものが起って事業上大きな支障をきたさないためにも、明らかに公務員の立場に立って現在の給与に対しての考え方を明確にして、政府に申し入れておるはずなんであります。 そういたしますと、総裁自体の建前は、勧告したからには、これは実施されなければならない。実施されないということは、あなたの考えでは、いわゆる雇用者である政府と一般職員との間で非常におもしろからざる事態というものが招来するということを当然予期しているわけです。その予期した上に立って、政府と職員との間の当然起ってくる紛争を解決しようという熱意の上に立ってこの問題を考えられたと思うのです。でありますから、私はそういうような勧告の権威とそういう内容からするならば、明らかにこれはいつどういうふうにして実施してほしいということを私は言うべきである。言わなかったのは、従来の人事院の勧告の例を見ますと、総裁は先ほどから、努力している、努力しているという、その努力の陰には、私は、おそらく大蔵省との折衝でも六十九億という予算を掲げて相当程度折衝されているでありましょうし、あるいは政府当局の間ともその点について十分折衝された結論として、この勧告は八月の十八日かに私は出されたもの、こういうふうに解釈するわけなんであります。こういう建前からとって、総裁としては、一体これがもしも実施する場合、なるべく早くという意味によって、実施されなかった場合、あなたは一体どういうふうに処置をとられるのか、この点を一つお伺いをしたい。
○政府委員(淺井清君) 一番先に申し上げておきたいことは、この勧告が、大蔵省、政府と折衝したあとに出されたと思うというお言葉でありますが、そういうことは絶対にありません。一体それは、政府側といたしましては、なるべく経費の少いことを欲するのは言うまでもないことでありまして、これは事前に折衝いたしておりましては、とうてい勧告はできないと思っておりますから、これは人事院創設以来、いまだかつて事前に勧告の内容を政府に漏らしたことは絶対にないのであります。でありまするから、これが財政上いれられるかどうかということは、これは国会と内閣の御判断に待つよりほかにいたし方がないと思っておるのであります。 この勧告が実施されなかったときはどうするかというただいまのお尋ねでありますが、これは公務員法の立場からいえば、いたし方がないというより仕方がない。それは、人事院といたしましては、勧告するだけの権限であって、これの取捨選択というものは、自由に国会と内閣にまかされてあるものであるからであります。しかし、それは法律上の問題を申したのでありまして、われわれといたしましては、ただいまお示しのような、国家公務員の生活の決して豊かでない現状にかんがみまして、この勧告を実施するよう努力することに全力を尽すことは、これは当然のことであると思います。
○田畑金光君 ちょっとこの際お尋ねしておきますが、これは総裁御存じでもあると思いますので……、今まで再三勧告を出されておるわけです。しかし、かつて勧告の中に、明確に実施の時期を明示されて勧告をなされた場合がありましたね。それがその後どういうわけで勧告の時期を明示しないようになったのか、その態度の変化について承わらなくちゃなりませんが、今までのずっと出された勧告の時期と、今の勧告実施の時期についての経過について、この際、人事院総裁御存じでなければ、事務当局の方も見えておりますので、一つ御説明をお願いしたい。
○政府委員(淺井清君) 大体その実施時期云々については、今までやったのは三通りあると思います。何月から実施してもらいたいということを書いたこともございます。また、遡及して何月から実施してもらいたいということを書いたこともございます。また、なるべくすみやかにという表現をとったこともございます。しかし、最近におきましては、なるべくすみやかにという表現をとることがよいと思っております。なぜよいかと申しますと、われわれといたしましては、人事院の立場から、これは国家の財政とも非常に関係のあることでございまするから、この抽象的な表現をとることがよいと思っただけでありまして、それ以上何も理由はございません。
○田畑金光君 だからですね、私は遺憾に思うのです。先ほど来、永岡委員、横川委員からも強く質問がありましたが、人事院は、かつて明確に実施の時期を明らかにして、政府に勧告をされたことがあるのです。ところが、その後の情勢の変化と申しますか、人事院に対する風当り等が強くなってきますと、あるいは人事院の存廃に対する政治的な圧力が加わってきますと、あなた方の態度というものも変化を来たしておるわけです。当初明確な時期を示して、政府にはっきりとした態度を迫るような積極的なそういう人事院であったのが、その後の政治的な状況の変化によって後退して、先ほど総裁の答弁にみられるような、あいまいな人事院に堕落してきておる。これは明確に堕落ですよ。人事院の堕落と申し上げる以外にない。かつて明確な時期を明示して、政府にその実行を迫った人事院が、今の御答弁によると、その方が国家公務員法の趣旨、あるいは人事院設置の趣旨に照らして妥当であろう。国会や政府の権限を尊重することであろう、こういうようなことで逃げておられますが、まことにこれは卑怯だと考えます。私はこの際、本当に人事院総裁がやろうという気持があるならば、単に説明の段階だと、今なお事務当局とこれは話し合いをしておるのだと——何のことです。一体そんなことであなたの勧告というものは処理されているのかどうか、一つ、もう一度私は繰り返し申し上げる。人事院設置の精神に照らして、当面の問題として取り上げられておるこの勧告の実施の時期について、あなたは年内を本当に念頭に置いて、事務当局の話し合いも、あるいはあなた自身も細し合いを進めておられるのかどうか、承わりたいと思います。
○政府委員(淺井清君) 実施の時期を書かなくなってきたことが、だんだん人事院が弱くなってきたからだというようなお話でありますが、それはそうじゃないのであります。時間的に申しますと、これは入り乱れておるのでありまして、ずっと先のものでも、実施の時期を書かなかったことがありますし、その後書いたこともあり、これはいろいろになっておるのでありますが、しかし、最近は書かないことになっております。その理由は、人事院としてこれが適当と認めると、こう考えたからでありまして、これ以上この勧告の中に実施の時期を書かないで、なるべくすみやかにと申しました以上は、私として、それをさらにいつからと、そのようなことは申しません。しかしながら、私としましては、この勧告がなるべくすみやかに実施されることを希望いたしますし、またこれは、私はただいま責任を持って申すことはできませんけれども、私は、この勧告の実施について大きな希望を持っております。
○秋山長造君 関連して……。先ほど田畑君の御質問に対する御答弁で、実施の時期を書かなかったのは、国家財政という立場からだというようなお言葉があったのですが、これは私は、人事院の性格から考えて、非常に重大な御発言だと思うのです。一体人事院勧告というものは、財政的な見地から行われるものですか。私はそうじゃないと思うのですね。まあ財政ということになると、読んで字のごとく、これはきわめて政治的、政策的なものを含んだ立場になってくると思う。人事院勧告というものがそういう立場からやられるということになりますと、これは人事院勧告の内容というものが、一体人事院の建前あるいは国家公務員法の建前というものとはだいぶはずれてしまってきて、政治的な色彩を帯びてきておるのですがね。私はそういうものじゃなくて、やっぱり人事院勧告というものは、あくまで科学的、合理的な立場において、科学的、合理的な資料に基いて行わるべきものである。これをどうするかということは、これは政府がおっしゃるような財政的な立場において扱うということになるのだと思うのですがね。その点を一つはっきりしていただきたいのです。
○政府委員(淺井清君) それはその通りでございます。さいぜん申しましたのは、ちょっと言葉が簡単に過ぎましたから……。先ほどお答えいたしましたのは、何も人事院が財政のことを考えて勧告をするわけではございません。これは、ただいま仰せられたように、合理的、科学的な立場からする、ただその実施時期を何月といたしますことは、この勧告を受けました以上、これは受ける方で財政上の考慮をしなければなりません。従いまして人事院といたしましては、なるべくすみやかにという表現をもって現わすのが一番よいと考えたからだという意味でありまして、何も財政上の余裕を見計らって勧告するという意味でも何でもありません。
○秋山長造君 それにしても私は、人事院の立場がちょっとおかしいと思うのですね。人事院勧告を出されるときに、相手の方である政府の財政的な立場なり何なりということまで思いやりをめぐらされて、そうして勧告をされるということになると、やはりその勧告というものは、きわめて政治的な色彩を帯びざるを得ないと思う。やはりこれを財政的にどう扱うかということは、これこそ人事院の権限外のことだと思う。人事院としては、そういう財政的にこれをどう扱うというような問題は権限外であって、あくまで人事院は人事院の建前において、こうしたが一番合理的であり、科学的であり、しかも今日のこの社会情勢、経済情勢の実態に即しておるということを、純粋なものを政府にぶつけるということでなければ、この人事院というものの勧告が何らの権威もなければ、信憑性もないと思う。現に実施時期の点は、なるべくすみやかにというようなことでぼやかされておりますけれども、しかし、この勧告に伴うところの必要経費なんかについては、きわめて具体的に、項目別に、何十何億要るというようなことまで書かれておって、しかも、これをいつから実施してもらいたいということがどうしても書けないというようなことは、私は、全くこれは、扇のかなめがはずれたような勧告になってしまっていると思う。私は、あくまで人事院としては、当然これは必要経費を具体的にあげるぐらいな熱意があるならば、もう一歩進めて、いつから実施してもらいたい、これくらいのことは打ち出すのが当然すぎるほど当然な話だと思う。それがなければ、これはもうさっきの田畑君や永岡君、横川君の御発言のように、人事院というものは一体何をやるものだ、これは申しわけだけのことをやって、あとは野となれ山となれというようなことにとられてもいたし方がないと思う。人事院の存在意義というものに対して、私は疑いを持たざるを得ない。しかも、文書で言えないばかりではない。口頭でも、人事院総裁のお気持だけの発言すらこの席でできないというようなことは、私は全く心外にたえないことだと思うのですが、その点をもう一歩具体的に、私は人事院総裁の熱意のほどを聞かしていただきたい。そうしなければ、人事院の総裁というようなものは、名前は総裁だけれども、実質はから裁だと思う。
○政府委員(淺井清君) だんだんおしかりでございますけれども、私は決して国家財政を思いやって云々ということはございません。しかし、勧告を受けた以上は、この実現を期する以上、国家財政のことを政府なり国会なりにおいて考えざるを得ないのでございます。従いまして、人事院といたしましては、この実施時期に関する限り、これをなるべくすみやかにという表現をもって現わすことが適当だと思うのであります。 そこで、まあ私の気持を言えというお話でございまするが、これはどうも、公けの席上で気持を申し上げるわけにはいかないのでありまして、人事院の公文書にありました通りに申し上げるよりほか仕方がないのであります。 なお、この勧告におきまして、経費の増加額を六十九億要る見込みであると書きましたのは、この予算に触れてかように書きましたのは、今回が初めてでございます。これは、非常に打ちあけ話になるわけでありますが、これを書いておきませんと、この勧告を一部分、何といいますか、チョン切られると困る。そこで、これだけの金はぜひ使ってもらいたいということをつまり書いておいたのでありまして、これはあまり打ちあけ話にすぎるかもしれません。
○永岡光治君 私たちはいやしくも国民の代表で、国会の審議権を持っておるわけですから、明示されていない、なるべくすみやかにということは、そういうことでは非常に困るんだが、あなたの希望は、一体いつかということを、国民の代表として審議権を持っておる私たちが聞くことは当然だと思う。それに答えられないということも、これまたおかしいと思うのです。むしろこれは国民を侮辱することになりませんか。だから、あなたにいつ、おそくもいつごろまでに——おそくもということは大体わかりましたが、年度内にこれはやらなければならぬという気持はわかりましたが、それではどうも私たちは、予算を三カ月組んでいいのか、六カ月組んでいいのかわからないわけですから、そういう意味で重ねてお尋ねするわけですが、その辺のところは、やっぱりどうしても言えないのですか。
○政府委員(淺井清君) 私としては、さいぜんからだんだんのお尋ねでありまするけれども、これ以上何とも申し上げかねます。
○永岡光治君 それでは、これは先ほどの答弁の中で、私たちは、希望を持っておるということがありましたから、それで一応、政府の説明でかなり前進したものがあるということで、ひとまず今日の段階では一応その点にとどめておきまして、確認をしておきまして、次に私は論議を進めたいと思います。 いろいろ民間あるいはその他と比較しておりますが、比較の問題の基本的な態度、ある職場によれば、御承知の通り定員は増員しないということで、いまだ五年たっても給仕のような仕事をさせられている。しかしそれは、昇給をしているから民間と開きがないというような、こういうような民間の昇給率とこっちの昇給率と大体同じだからいいじゃないかということを先ほどちょっと触れたと思いますが、この辺の問題も、内容の検討の上で疑義が出てくるわけですが、民間との比較というのは、一体どういうものを妥当と考えているのか、民間三十人以上とか五十人以上とか百人以上とか、いろいろ言われておりますが、公務員のこの給与を比較するに当って、一体どういう……つぶれかかった五十人の企業、あるいはつぶれかかった百人の企業、民間のですよ。あるいはもう給料が支払われないような民間のそういう企業と国家公務員と比較していいのだ、こういう考えを持っているのかどうなのか、一体国家公務員、たとえば大蔵省にしても農林省にしても、これだけの官庁というものが、大体民間の会社に比較するなら、どの程度までが妥当と考えているのか、その基本的な問題をまず最初に伺っておかないと、次に給与の開きの検討を進める上におきまして大きな問題点が出て参りますので、その辺の考えを聞いておきたいと思います。
○政府委員(淺井清君) その点、まことにごもっともなお尋ねだと思っておりますが、これは非常に違った考え方が両方からあるように思っております。一方においては、こんな国家みたいな大きな使用人を持っておるような企業は民間にないと言えば、ないということになるわけであります。また他方から言えば、中小工業のような小さなものまでも比較して初めて適正な比較ができるのであって、いいところばかりと比較するならば、これは国家公務員の給与が適正に民間と比較されてないという考え方もあるのであります。これは両方からまるで違った意見でございまするが、人事院といたしましては、これまでやっておりまする人事院方式によって、大体五十人以上の従業員を持っている事業所と比較することを適当と認めて、これをやっておる次第であります。それからなお、つぶれかかった云々というお言葉がございましたが、つぶれてしまったようなところは、一応統計の中に入ってこないわけですから、それは問題外であります。
○永岡光治君 それは、つぶれては問題はない。つぶれないが、給料が遅欠配の企業がたくさんある。それは統計に出ていると思うのですが、あなたはそれを一々しさいに検討して、健全であるというようなことの観点に立って、ずっとピックアップして調べたのですか。私は、労働省のいろいろな統計資料を、さっきあなたからお話があったようでありますが、そういう問題を含まれて労働省の統計の問題を見ていくと思いますが……。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまの問題でございますが、人事院が民間と比較いたします場合に、いわゆる民間職種別給与調査というものをやっているのであります。これは例年やっておるのでありますが、そこで、五十人というお話が今出たのでありますが、なにもこれは五十人というところに絶対的意味があるというふうにはわれわれは思わない。要は公務における仕事の内容、職務の複雑、責任並びにその内容であります。そういうものと大体類似の仕事をやっているものが民間ではどういうところにあるかというところを調べるのが目的であります。従いまして、あまり小さい企業になって参りますると、これは会社の職制も十分できておりませんし、また雑多な仕事をしておるというようなことで、事実上比較は困難であるというようなことがございまするので、われわれは、比較をし得る限度といたしまして、大体五十人程度のところの職種であるならば、場合によっては比較し得るということで、一応事業所の規模としては五十人というところを線を引いておるのでありますが、その比較の方法は、職務内容が大体同様の複雑、困難性、あるいは責任の程度を持っておるという点に着目をいたしまして、職種別に比較をするというやり方を従来とっておるのであります。この方法は、なるほど国家公務員の中の行政職の範囲でものを考えまする場合には、おおむね行政職の中におきまする総務課長でありますとか、会計課長でありますとか、人事課長でありますとか、こういうものは民間と比較し得るのであります。従いまして、そういうやり方によりまして、行政職の中のある職種と民間事業所におけるそれと類似の職種を比較いたしまして、それから一般的に行政職全体と民間とを比較するというやり方でやっておったのであります。ところが今回は、報告にも申し上げておりまするように、公務員の内部には特別俸給表というのがございまして、あるいは特別調整額というのがございまして、行政職一般俸給表の適用を受けておるものよりも非常に高い給与を受けておるグループもあるわけであります。従いまして、行政職だけを民間と比較するのが適当であるかどうかということが一つの問題でございますが、そういう意味におきまして、この民間の平均というものと公務員の平均というものを比較してみたい。その平均におきましても、公務員と民間では学歴の構成も違いまするし、男女構成も違いまするし、また年令構成も違うわけでありまするから、これを大体標準化いたしまして比較してみる、こういうやり方を今回は考えた次第でございます。
○永岡光治君 その比較の問題でただしておきたいのですが、一々健全なる民間の企業をピック・アップして比較をしたのかどうか、こういうことです。
○政府委員(瀧本忠男君) 健全であるか健全でないかということは、なかなかこれは事実問題としてむずかしいのであります。従いまして、この事業所をわれわれが抽出して調査いたすわけでございまするが、その抽出に当りましては、もう一律に五十人以上の全国の事業所を全部調べまして、その中から抽出するという方法をとっておりますから、健全なものも入っておりましょうし、また、多少不健全なものが入っておるかもしれません。これは統計上、一々その事業がどんな状態であるかということを調べるのは困難であります。
○永岡光治君 その問題はまた、論議の進むに従ってただしていきたいと思い、ますが、もう一つ基本的な問題で、定期昇給と給与の改訂という二つの観念の問題であります。私は、昭和二十九年の一月に給与改訂になってから、たとえば昇給をいたした人は、長く勤続しておるから順次昇給しておるのでありますから、たとえば十八で入った者が二十五になれば、給与が上ることは当然でありますから、それは俸給の改訂とみなさないのであります。そういうものは俸給の改訂ではない。俸給の改訂というのは、人事院が二十九年一月に勧告をされた、実施された、その俸給表が変っておるか変っていないかによって、給与改訂がなされているかなされていないかという判断が立たなければならぬと思いますが、この私の考え方はあなた方認めるか認めないか。
○政府委員(淺井清君) それはお説の通りであろうと思っております。ただ二十九年の俸給表は、いわゆるベース・アップ方式の俸給表であります。これは定期昇給の問題とは全然無関係、これは明らかであります。今回の勧告もやはりこれは定期昇給とは無関係なものである、その意味でお説の通りであります。
○永岡光治君 そうすると、二十九年以来の改訂はまだ行なっていないから、いうところの給与改訂ではないということになるわけですね。
○政府委員(淺井清君) それは、ベース・アップ方式による改訂はその後行われていないということであります。
○永岡光治君 そこで、やはり問題が出てくるのですが、これはやはり改訂と言っていない、給与の改善ですか、何かおかしな表現を使ってありました。そういうことにやはり不満をもつのでありまして、三年間に民間給与の改訂を行なっていることは事実です。その給与改訂の給与表の比較をしていないことに問題があると思う。それは十分比較をしているのでしょうが、たとえば十八才についてどれだけというような、そういう意味の学歴その他を合せました比較をしているかどうか。
○政府委員(瀧本忠男君) 二十九年一月から俸給表は改訂になっていないのであります。それ以後におきまして、それでは公務員の給与というものが昇給、昇格だけで、改善をされてきたかどうかという問題になるのでありますが、その間におきましては、御承知のように、公務員には級別定数の制度がありますが、この級別定数の範囲内で昇格もできるわけでありますが、事実問題としまして、やはり公務員は年数がたって参りますると、やはり給与を増額する必要がある。頭打ち、一つの俸給表の、たとえば何級でもよろしいのでありまするが、職務級のある級におきまして、漸次上の方につかえて参ります。そういうような圧力が出て参りまするので、われわれは、給与の実施の面におきまして、級別定数の改訂ということを行なっているわけでありまするが、その改訂はどういうふうなことになるかと申しますれば、おおむね上位の級を増しまして、そして下の級を減らす。一定に全体がふえるわけではございませんが、その級別定数の配分におきまして、上位の級をふやす、従って多くの人が上の級に進級し得るという措置を講じておるのでありまするから、こういうことは表面には出ておりませんけれども、やはり一種の給与改善であろうかというふうに考えております。 それからもう一つ、民間と比較して、たとえば十八才者を比較するかどうかというお話でございますが、これは先ほど私が申しましたように、人事院の民間職種別給与調査におきましては、職務内容ということに着目して比較もいたしますし、また、ことしの報告におきましては、われわれは、学歴別あるいは勤続年数別に比較もいたしてみまして、そして判断を下しておる次第でございます。
○永岡光治君 今の答弁の中で明確になったように、二十九年度以後は、給与改訂は全然されてないのです。そしてあなたが今はしなくも述べられましたように、頭打ちが莫大な数になっておると私は記憶しておるのであります。御承知のように、今ワク外昇給ということで、一応頭打ちになっても昇給期間が倍になる。たとえば一年のものが二年、さらにまた、場合によっては三年というふうに、こういうことで非常に昇給がとまっておりますが、そういうことの改善のためにのみ今これをやろうというのでありまして、基本的な給与改訂になっていないというのが勧告の大きな欠点であると考えております。この点について、あなた方はどう考えているか。
○政府委員(淺井清君) そのベースアップということ、俸給表の号俸の数字を増額するということでありまするならば、今回の勧告はベース・アップの勧告ではありません。しかしながら、この勧告の実施によって給与水準が上昇するというのならば、つまりベースが上昇するというのならば、この勧告の結果もまたベースは上昇するものだと私どもは思っております。従いまして、今回の勧告も、私は一つの基本的な給与改善であると思っております。ただ永岡さんのいわゆるベース・アップ方式は、今回はとっていないのであります。
○永岡光治君 それは、ベース・アップ方式といいますけれども、名前はどうでもいい。たとえば十八才なら十八才、あるいは二十才なら二十才になった人が、従来採用されておったときよりもこのくらい増すということでなければほんとうの給与改訂にならないわけです。ところが、あなたのおっしゃるように、これによって一部ある特殊な人を給与改善するために、それに関連して若干のものが付け加えられているというような内容になっておると私は記憶しておるのです。間違っておったら何ですが……。そういうことになると、きわめてこれは少額きわまりないものであって、これが民間と比較して公務員が、たとえば先ほど説明の中に言っておりましたように、昇給は民間と大差なく上っておるからいいというようなことを言っておりますが、それはもう問題にならないのであって、やはりどうしても根本的な給与改訂をしなければならないというのが、三年間据え置きになった今日の実情から考えて当然だと思う。民間におきましても三年間に改訂されておるのですから、何といってもされておる。だから、その辺がきわめて不徹底な人事院の態度であるということを私は追及しなければならぬと思うのですが、この点はどのように考えておるのですか。
○政府委員(淺井清君) ごもっともなお尋ねでございまするが、この勧告文を順々に読んでいきますと、なるほどお説のように読めるのです。しかし、これはベース・アップ方式を避けておりまするから、こういう表現になっておるのでありまして、この勧告の実施によって平均六%ベースは上昇をいたします。この点は間違いがないのでございます。
○永岡光治君 ベース・アップするということは……先ほども申し上げましたように、現在いる職員の人が上るというのであって、新しく入ってくる人が上る分というのはそんなにないと思うのです。どうですか、新しく新規採用者について。
○政府委員(淺井清君) 今回の勧告におきましては、初任給は据え置いておりますから、それは上りません。
○永岡光治君 それごらんなさい。だから改訂になっていないのですよ。今まで入った人はなるほど若干の昇給はあるでしょう。それはまた当然なんです。それは給与改訂じゃない。当然の、それは今までの長年勤続された労苦に対する報酬にしかならぬわけです。初任給が上って、みんな新しく入ってきた人が思い切った改訂で給与がもらえるということでなければ、ほんとうの改訂にならぬわけです。だから、あなた方がどんなことを説明しましても、本質的な給与改訂になっていないんじゃないか、こういうように私たちは主張したのです。それが民間に比べて非常に大きな開きになっておる、こういうことを申し上げたいのです。それはどうでしょうか。
○政府委員(淺井清君) それは、結局ベース・アップ方式をとるかとらぬかの理論の争いになると思いますが、われわれといたしましては、今回の勧告で相当給与改善ができておると、こういうふうに考えておるのであります。
○横川正市君 先ほどの給与局長の説明の中にありました、今の問題に関連するわけなんですが、たとえば他産業との比較の中で、勤続、それから学歴、それからもう一つは、当然まあ職務の能率給に該当する職務の級ですね、これが変っていく度合いというものと、それから一般公務員の上昇率というものを、当然今度の場合には基礎資料にして考えられたのだということを言われておるわけです。それから、勧告の中に並べられておるいろいろな項目を見てみましても、この生活水準の上昇というものに力点を置いた人事院のものの考え方というのは全然なくて、三公社五現業ないしは地方公務員等の上昇している状態というものを比較されて、その比較の度合いが四・五とか六%とかいうものになったから、それで今度の場合にはこのような方式で勧告したのだと、こういうふうに勧告の内容がとれるわけなんです。私はまあ、一番問題点なのは、人事院の立場に立っておられる皆さんの主要な役目というのは、これは団体交渉権のなくなった公務員の代弁者としての立場に立って政府に対して給与の改訂を行うというのが、これがまあ主なる立場であろうと思いますので、今度の場合に、なぜほかの産業がとっている体系是正のような、あるいは合理化するような方式で、一応の不合理是正の中で、ある程度の五百円ないし八百円程度の上昇率をしているというようなものだけにねらいをかけて今度の勧告をされたのかどうか、私はその点が非常に人事院の態度として不満なわけなんです。ですから、その点を人事院としては、この公務員のベースについて改訂しなければならないという真意がどこにあるのか、この点を一つはっきり聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) まず最初に、生活費という観点から人事院はどのように考えているか、考えていないのではなかろうかというお話がございました。この点につきましては、例年人事院は単身成年者の標準生計費というものを算定いたしておるのであります。今回の報告及び勧告の中におきましても、本年の三月におきまする標準生計費を計算いたしまして、その金額を示しておるのでございますが、今回は俸給表の改訂ということをいたしませんでしたために、これを俸給表と直接結びつけるという作業はいたさなかったのでございます。しかしながら、われわれが今回申し出ておりまする勧告の線がもし実現されまするならば、おおむねわれわれは、東京におきまして六千八百七十円という金額を単身成年者の標準生計費として計算いたしたのでありまするが、この程度は満足されるであろうということに承知いたしておりまして、人事院は生計費に対して考慮を払っていないというわけではございません。 それから次の問題でございまするが、民間においては給与体系の是正等も相当行われておるではないかというお話があったのでございまするが、この点もわれわれ統計的にいろいろ調べてみたのでありますが、最近の傾向といたしまして、体系是正等が行われておるところもございます。いろいろな方法によりまして給与改善が行われるのでありまするけれども、いわゆる一律ベース・アップ方式によりましてこの給与改善が行われるというケースは、比率においては漸次減少をいたしておるようでございます。やはり体系を是正するというようなこと、あるいは体系を整備する、その結果はこの昇給制度を活用して、そうしてこの給与の改善をはかっていくという方式が漸次拡大しておるのでありまして、そのことは統計資料にも示しておるのでございまするが、比較的規模の小さい、すなわち給与制度が整備されることはなかなかむずかしい、規模が小さくなるほど、そういう傾向があるのでありまするが、そういうところにおきましては、そういう傾向が非常に現われておるというようなことがございます。従いまして人事院といたしましては、単に現在の俸給表の形をそのまま認めまして、その号俸の金額を上げるというような従来の方式のみが果して給与改善のあるべき方途であるかどうかということを考えたのでございまするが、先ほどお話が出ておりましたように、現在は頭打ちばかりが非常に出ておるんじゃないかというお話、われわれはその点に着目いたしたのでありますが、これはやはり現在の給与法におきまする各職務の俸給の幅というものが非常に狭い、そうしてこの昇給制度と俸給の幅というものがよく結びついていない、こういうことからそういう現象が非常に起っておるのであります。すなわち現在の給与法における俸給表は、ほんとうは非常に職務給的なものであります。もっとも現在の運営がそれを多少緩和いたしておりまするので、目立っておりませんが、非常に職務給的である、形は。従って、現在の給与法を運営いたしていこうと思いますれば、先ほど私どもが申し上げましたように、給与ベースの改訂をやって、上位の職務給の定数をふやしていかなければならぬというような彌縫策を絶えず講じていかなければならぬ。こういうことでは、いかにもその場当りの改善にしかなりませんので、今回のように思い切った俸給表の幅を伸ばす、従来の職務の級におきましては、おおむね十五程度の幅しかないのでありますが、それを二倍ないし三倍程度に伸ばすということによりまして、極端なる処遇を受けておる頭打ちの者をおおむね吸収するという方途をとるというようなことによりまして、今回は給与体系の是正をやっておる。このやり方は、民間の事業所におきまして、いわゆるベース・アップ方式、体系そのものをとっておいてといいますか、従来の体系そのままでベース・アップをするという方式が漸次昇給制度と位置をかえておる、また体系整備が行われつつあるというようなことに着目いたしまして、両々相待ちまして、今回は俸給表の体系の是正という点に重点を置いて研究をいたし、その結果に基きまして勧告をいたす、俸給表の改訂を勧告いたした、このようなことになっております。
○委員長(亀田得治君) ちょっと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(亀田得治君) 速記を始めて下さい。
○伊藤顕道君 人事院の考え方を確かめたいのですが、これを先ほどから説明を聞いておりますと、地方公務員と国家公務員を比較して、国家公務員が低い。それからまた、今度の措置によると、国家公務員の中で地位の高いものは非常に有利で、地位の低いものは非常に不利なのです。こういう一連の傾向は、まさしく組合内部の分裂を策しておる、そういうふうに私ども受け取られるわけです。さらにまた大きな問題は、先ほど総裁が六十九億今度は国家が財政を必要とする、六十九億でつっておいて、その実何年かすると逆に非常に低位になる。現行で行った方がたとえば三年先きにははるかに有利になるわけです。ところが、現在ただいま六十九億でつっておいて、現在こんなに国家は金がかかるのだ、人事院はこのような有利な給与の改訂をやったというふうに見せかけておいて、実は何年かすると、非常にそれがかえってマイナスになる。現行でやった方が非常に有利になる。しかも、総裁は先ほどから民間よりも二%低いということを確認しておきながら、そうして在来やっておった方式をとらないで、改訂と称して、その実質は改悪であるということが、私どもはこの面を通して察知できるわけです。こういう重大な問題については、一つはっきりした御回答をいただきたい。
○政府委員(淺井清君) 人事院の所管は、いわゆる一般職公務員でありまして、しかも、五現業に属していない部分でありますから、この部分を主眼として勧告をするということは、これは人事院の立場としてやむを得ないことであります。従いまして、これを三公社五現業と比較したり、あるいは地方公務員と比較したりすることも、これもやむを得ない。しかし、これがために何も労働戦線の分裂をはかるとか何とか、そういうふうな考え方は全然とっておりません。また、今回は六十九億要るが、将来は余ほど悪くなるのじゃないかというようなお尋ねでありますが、私どもはそういうふうには考えておらぬのでありまして、将来にわたって私は相当改善ができると思っております。しかし、この点はなお、詳細の説明を要すると思いますから、いずれまた後刻に……。
○秋山長造君 ちょっと、今の伊藤さんの御質問は、われわれも同じような感じを持っているのですがね。人事院の方でもやはり具体的な何か例をあげて、これが何年後にどうなるというグラフを作って、私は配付していただきたいと思うのです。どうもわれわれの方でグラフを作ってみると、どうもやはり中だるみが今よりもっとひどくなるグラフができるのですがね。ただ公式の資料だけでなしに、もう少し実例をあげた、わかりいい資料を一つ作って配付していただきたい。その点一つお願いします。
○政府委員(瀧本忠男君) 今のお話でございまするが、まあグラフを作って見せろとおっしゃるので、これはいろいろ作れるわけでございます。ただ、どのような場合を比較するかということによりましてグラフが違ってくる。従って、これはやはり平均的なことを言わなければならぬのじゃなかろうかというように思うのです。で、今まあ六十九億で、あとで下るのじゃないかというようなお話でありまするが、われわれの勧告によりますると、おおむね現在の昇給速度というものを確保しておりますし、また、現存では頭打ちワク外になりまする人、これは非常に昇給速度がおそくなるのでありまするが、これをある程度避けて、この俸給表のワク内に入れてあるというような関係で、われわれの見当といたしましては、この昇給率が現在より下るということはないのであります。現在はおおむね五%程度でございまするが、今度の新勧告をやりましても五%、あるいはそれを若干出るのじゃなかろうかというように考えておるのであります。もっともこれは、フルに昇給をいたすことができるという場においての話でありまして、現在でもあるいは定員制というようなことが害われておりますし、まあそういうような関係で、これは資料として出すといいましても、なかなかむずかしい問題であろうと思いますので、御時間をいただきますれば、懇談会等におきまして十分御説明を申し上げる機会を与えていただきたいと、このように考えております。
○委員長(亀田得治君) じゃ、なお質疑が相当残っておるようでありまするが、一応委員会を休憩して、午後二時半から再開することにいたします。 午後零時十六分休憩 —————・————— 午後二時四十六分開会
○委員長(亀田得治君) これより委員会を再開いたします。 休憩前に引続き、人事院勧告に関する件について御質疑のおありの方は御発言を願います。
○横川正市君 実は、先ほども永岡委員から総裁に対して質問をやっておりましたが明確な答えのないままに、たまたま総裁がこの勧告については希望を持っておるんだということを言われて、その希望を持っておるということは、一面、質疑の内容を検討した、まあ主観的なことにはなろうかと思いますが、少くとも三月を出ないで政府としてこの問題について善処をしてもらいたいという意思に私どもはとれたし、それについて希望を持っているというふうにも実はとれて質問を打ち切ったわけなんですが、しかし、これはどうも勝手に総裁の意思をくんで、こちらで希望的にそういうような目限について確信したということであっては、私はならぬというふうに思うわけであります。 そこで、その期日についてなぜ不明確になったかという問題と関連して、先ほども秋山委員から質問されておりましたように、たまたま総裁の意見の中に、今度の勧告は人事院独自の立場に立って勧告をしたものである、だから勧告までの間、何ら政府ないしは大蔵当局に対して働きかけをするようなことは絶対ありません、これが建前でありますというふうに説明をされておりましたけれども、しかし、なおその中には、たとえばなるべくすみやかに実施をしてほしいということは、即、臨時国会はどうであるとか、あるいは通常国会がどうであるであろうとか、あるいは予算の審議がどうあるであろうとか、こういうようなこともある程度しんしゃくされておられるようでありますし、また多年の経験からいっても、それらに対して人事院独自の見解を付すということも、私はこれは可能なことであって、この点については総裁みずからは認めておったようでありますが、そういう点からいって、いわゆるその国会の動きないしは政府の動きがどうあろうかというような動きに拘泥して、すみやかにという言葉を使ったというこの政治的な字句の表現について、私はこれはまあ一応の点ではうなずけるけれども、これはなかなか勧告そのものを唯一のたよりにして、この実施について大きな希望を持っております職員側の気持からすれば、それではまだ納得のいかないものがあろう。私はこういうふうに考えられますので、総裁としては、重々その私どもの言わんとするところも了承されておられるだろうと思いますので、もう少し、勧告を出しそれを実施しなければならない、またほしいという人事院側のいろいろの表明を一つはっきりしていただきたい。この点を一つ私の方から再度要求申し上げて、総裁の意向をお聞き申し上げたいのであります。
○政府委員(淺井清君) それは御念を押されるまでもないのでありまして、われわれとしては少くともこの勧告を実施することを望んでおる次第であります。ちょっと責任をもって言えませんけれども、ただいままでの総理大臣を初め国務大臣の御発言によると、人事院勧告の尊重ということは明らかに言っておられるのであります。私は通常国会においては必ずこの問題が取り上げられるだろうと、さように考えております。
○横川正市君 今の通常国会には取り上げられるだろうという見通しの上に立って、人事院側としては、一体これは年度内なのか、あるいは年度をこえても、その実施について希望を持つということなのか、その点はどうなんですか。
○政府委員(淺井清君) その点は私はちょっと今ここではっきり申し上げかねると思います。
○横川正市君 私は総裁の大体言わむとしているところが、勧告を出したのが七月ですから、臨時国会を前にして、少くともこれらは政府としては慎重検討し、尊重されることを希望する。こういう趣旨のものであるはずだと思うのです。そうだといたしますと、ここで審議しているそれ自体が三月をこえて、事が運んでいいというような、意思をもって、この勧告をされたというふうには私は考えられないので、早急というのはその字ずらから考えてみてその文字通り、臨時国会ないしは通常国会の劈頭に、この問題に対して政府としては結論をつけてほしい、こういうことを早急として私は字句表現したものと、こう解釈してよろしゅうございますか。
○政府委員(淺井清君) 実施の時期がいつになるかわかりませんけれども、私としては通常国会の劈頭においてといいますか、早急にこの問題を解決してもらいたいと思います。この勧告案というものが新しい年度、つまり来年四月からかりに全般的に施行するといたしますならば、そのままでおりますと、三月末の〇・一五というものは再来年の三月とこういうことになると思います。そういうことでは私どもとしては満足できない。少くともこの〇・一五というものは、人事院の意向といたしましては、これは来年の三月に支給してもらいたい。こういうふうに思います。これは午前中に永岡さんにも申し上げた通りであります。
○荒木正三郎君 ただいまの横川委員の御質問で、だいぶんはっきりしてきたのですが、この勧告は政府に対すると同時に、われわれ国会に対してもなされておるわけです。 そこでこの人事院の勧告をわれわれ受けて、できるだけ的確に人事院の意思というものを承知しておかなければならぬと考えておるわけです。そこで問題は、勧告がなるべくすみやかに実施されるように、国会及び内閣において適切な措置をとられたい。こういうのでありますが、やはり私も他の委員と同様に、非常に抽象的な表現であるということについて、十分人事院の意思というものをつかみにくいわけであります。われわれとしては、できればいつから実施してもらいたい、そういうふうにはっきりうたわれておることが非常にいいわけなんですが、文章はこういうふうになっておりますので、私からも重ねてお尋ねをいたします。 私はこの勧告はまだ十分検討しておりませんが、一通りやりまして、この勧告を出すに至った事情及びその出すに至ったいろいろの資料、そういうものを見てみますと、大体昭和三十年度末の事情が基礎になっておるように私は思うのであります。そういう点を考えたならば、この人事院の勧告というものは昭和三十一年の四月から実施されるのが合理的であるというように私はとっておるのであります。この勧告の中味の資料なり事情を見るとどうしてもそういうことに結論として受け取れるのです。こういう点、人事院の考え、総裁の考えをお知らせ願いたい。
○政府委員(淺井清君) その点率直に申しますが、これまで人事院といたしましては、遡及して適用するということをしてもらいたいということを勧告の中に書いたこともあるのであります。しかしそれはかって実現したことがない。そこで人事院といたしましては最近はなるべくすみやかに、こういう表現をもってこれを現わすことにいたしております。なるべくすみやかにという、これは午前中非常に皆さんからお尋ねを受けて申し上げた通りであります。ただ、ただいまも申しましたように、〇・一五はこれはどうしても来年の三月に出してもらいたいと思います。
○荒木正三郎君 私の申しておるのは、この勧告の内容を検討いたしますと、公務員の給与の合理化をはかるといいますか、そういうことはもちろん昭和三十年度において相当不合理な面が出ておる、こういう実情であります。これを改正するためにはどうしても三十一年度から実施さるべき性質のものである、そういうふうに考えます。そういうふうに私としては受け取るわけなんです。これが昭和三十一年の四月にさかのぼって実施できるかどうかは別問題として、この勧告から来れば当然そうあるべきだ、こういうふうに考えるのですが、どうでしょうか。
○政府委員(淺井清君) 人事院といたしましてはやはり国民を納得させる上からも的確なる資料を使っておりますから、これはどうしても相当の時間がたたなければ入手できない。すべてそれから勧告するというのでありますから、そこにどうしても時間のズレはあるように思っております。しかしこの勧告におきましてもたとえばワク外者の切りかえのやり方などというものは、昭和二十六年に遡及して再計算をやって洗い直す、こういう方法もとっております。
○荒木正三郎君 それでは先ほど特別手当の問題について、これはぜひとも三十一年度末の、来年の三月から実施してもらいたい、こういう考えであるという御答弁がございました。これは特別手当だけではなしに、この勧告全体が私は切り離して考えられておる問題でないと思いますが、そういう意味から人事院としては、特別手当はもちろんそのほかの面においても同様に来年の四月からという意味でなしに実施されたい、こういうふうにお考えになっておることは質問するまでもないことだと思いますが、念のために伺っておきます。
○政府委員(淺井清君) その点につきましては人事院といたしましては、この勧告全体にわたってなるべくすみやかにこれは実施してもらいたい、ただ、その〇・一五はもしもこの勧告が来年の四月から施行いたしますれば、再来年の三月になる、そういうことを言えば鬼が笑うような話でございますから、人事院といたしましてはその点はともかく、この三月に支給してもらいたいという希望を持っておる、こういうことを申し上げた次第であります。
○荒木正三郎君 今、臨時国会が開かれておるわけでありますが、どうしてもそういう人事院の考えを実現するためには、この臨時国会でやはり処理されるということでないと、通常国会まで引き延ばされておると、なかなかむずかしい事情になるのじゃないかというふうに私は考えているのですが、そういう点はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(淺井清君) その点は、私は国会及び内閣におまかせするより仕方がないと思っております。
○荒木正三郎君 いやいや、人事院は自分が勧告を出して、そうして、その勧告がどのように実施されるかということについては非常に責任もあるし、また、いろいろお考えになっておられると思います。またお考えになるのが当然のことである。勧告を出したからもう人事院の務めは全部果した、よいように政府なり国会なりで料理してくれ、そういう冷淡な毛のじゃないと私は考えるのです。やはり勧告を出した以上は、これがすみやかに実施されるのにはどうなるだろうかという見通しについても、やはり研究もし、また人事院の意思が実現するように働きかけるということも、私は人事院として当然な責務である、こう思うのですがね。そういう意味で私は考えているのですが、総裁はどうですか、その点は。
○政府委員(淺井清君) もし率直に見通しを言えと仰せられるならば、この臨時国会においてこの問題が取り上げられることは、これは無理だろうと思っております。
○荒木正三郎君 それはどういうわけでですか。
○政府委員(淺井清君) それはいろいろな情勢から判断いたしまして、少くとも内閣においてはこの臨時国会へは補正予算は出さないという方針のように聞いておりますから、私といたしましては、もし見通しを言えと仰せられるならば、この臨時国会でこの勧告案が法律案として取り上げられることはむずかしいのじゃないかと思っております。
○荒木正三郎君 これは私は若干意外に感ずるのですが、何か内閣の方から人事院総裁に対しましてこの国会ではこの問題については考慮しない、こういうお話でもあったのでしょうか。
○政府委員(淺井清君) そういうことは絶対にありません。
○荒木正三郎君 そうすれば、私は人事院総裁がそういう見通しを持つということは、誤まりとは言いませんけれども、しかし、そうあきらめてしまってはこれは困るのじゃないかと思うのです。実は御承知のように公務員の諸君は現在二千円のベース・アップの要求をして、あなたの方に対してもまた政府に対しても強い要求をしているところです。で、どうしてもわれわれ国会に議席を持っておる者としては、何としてもこの問題はこの臨時国会で片づけたい、私どもはまあそう考えているわけなのです。ところが総裁の方でそいつは無理であるということで、しかも政府からそういう意思表示が別にあったわけではないというならば、そう簡単にあきらめてしまうということは私は熱意がないと言われてもしようがないのじゃないか、こういうふうに思います。総裁が熱意がないとは私は思っていません。まあ一生懸命やっていただいているというふうに思うのですが、この点について政府に対してこの臨時国会中に、国会も開かれていることであるから、この勧告が実施されるようにしてもらいたいという働きかけが、これは事務的な折衝でなしに、総裁が政府の責任者に対してそういう努力をするということは、私は国会が開かれている際でもありますから、非常に有効な手段であるというふうに考えるのですが、こういう点、そういうふうにやってもらうということに努力していただく御意向はございませんか。
○政府委員(淺井清君) 人事院と内閣との折衝は、これは政府内部の折衝でございまするから、その内容に立ち入ってこの席上で申すことは差し控えたいと思います。
○荒木正三郎君 私は別に詳しい内容を今求めておるわけではないのですが、この勧告を、今ちょうど国会が開かれておるときですから、政府にその実施を要請する、こういう努力をせられることは非常に適当な措置であるというふうに考えております。別にどういう交渉をしてどうしてもらいたいという内容を私は言っているのではないのです。これは人事院総裁として非常によい努力であるというふうに考えるのですが、どうでしょうか。
○政府委員(淺井清君) お言葉ではございますが、政府もこの臨時国会に補正予算を出さんということは、私は強い方針だろうと思っております。
○荒木正三郎君 それから私は人事院総裁の御答弁を聞いておって、また各省の政府委員の答弁を聞いて、それを比較して非常に不思議に思うのです。というのは、どの省においても大蔵省との折衝はどのようになっているとか、政府部内の交渉はどういう段階に来ているとか、かなりの説明があります。政府部内の折衝だから一切ものを言えない、そういうことは今、初めて私は聞いたように思うのですが、そういうことでなしに、今の交渉はこれこれまで行っているのですという御説明は、少くとも国会においては当然なさるべきだと思うのですがね。先ほど政府部内の折衝については話はできん、そういう筋合では私はないと思うのですがね、どうでしょうか。
○政府委員(淺井清君) それはものによるだろう、事柄によるだろうと思っております。
○荒木正三郎君 そうすると、給与ベースとか給与の問題についてのそういう種類の問題はしゃべれん、こういうことですか。
○政府委員(淺井清君) それはいろいろと都合がございますから、私としてはいろいろ政府部内の折衝のことを一々国会に申し上げることはできないと思います。
○荒木正三郎君 それでは人事院総裁は、政府の責任者とこの勧告の問題について折衝せられたことがあるかどうか、それを伺っておきます。
○政府委員(淺井清君) そのようなまだ政治的と申しまするか、そういうような折衝はしたことがございません。
○荒木正三郎君 これは別に政治的でも何でもないと思うのですが、勧告をお出しになって、その勧告の実施について政府の意向をただすと同時に、この勧告をすみやかに実施してもらいたいという折衝は、政治的でも何でもないと思う。そういう折衝をせられたかどうか。
○政府委員(淺井清君) 政治的と申しましたのは、これは事務的な折衝はした、こういうことを意味します。
○荒木正三郎君 そうすると、人事院総裁は政府の官房長官なり、あるいは大蔵大臣なりそういう責任の立場の者とは話し合いをしておらない、こういうことですか。
○政府委員(淺井清君) その通りであります。
○荒木正三郎君 私はこの際強く要望いたします。公務員がいかに熱心な態度で給与の問題を要求しているか、私が説明するまでもないことだと思う。また勧告を政府にお出しになった人事院としては、これは総裁が陣頭に立ってその実現のために努力するということは、当然なことだと思うのです。それを単に事務折衝だけ。この勧告が出されたのが七月、それからすでに四カ月たっているわけです。この段階でもなお事務折衝ということで、総裁がまだ表面に立って努力しないということは、私の考えとしては、総裁、少し遠慮し過ぎているのじゃないか、こういうふうに思うのですよ。ですからこの際これはぜひ私は官房長官でなくとも鳩山総理でもいい、政府の責任者に当って一つ努力をしてもらいたいと思います。どうでしょうか、この点は。
○政府委員(淺井清君) お言葉ではありまするけれども、今回の勧告は非常な技術的ないろいろな問題を含んでおります。勧告はいたしましたけれども、意見の申し出で一部これを修正いたしております。それでもなお切りかえの問題、それから給与水準差の問題、これらを人事院が提出いたしましたのはごく最近のことでございます。そこでこれはまだ私が官房長官なり何なりに会うような段階ではないので、よく事務的に大蔵省なりあるいは内閣の事務当局へなり説明をして、研究をしてもらう段階でありまして、これまでの人事院の努力はそういう段階においてなされております。
○荒木正三郎君 私はますます淺井人事院総裁の答弁を不思議に思うのですが、この勧告はすみやかに実施されたい、これが趣旨です。先ほどからすみやかにというのはいつからだ、こういうことで人事院の意思を明らかにしようと思ってわれわれ努力しているわけです。どういうわけか人事院総裁は濁されて、そうしてその時期というものを明確にされない。しかしはっきり言えることは、七月十六日に勧告されていれば、なるべく早くといえば八月から実施される。それが一番私は望ましいと思う。それがもう四カ月もたっているのに、まだ事務的折衝とか事務的了解を与える段階で、総裁が話をする段階でないという、矛盾しているじゃないですか。早く実施してもらいたい。ところが事務的折衝に四カ月もかかっている。まだわしが出るのはだいぶ先だということでは矛盾していると思うのですが、どうですか。
○政府委員(淺井清君) いやお言葉ではありますが、今度の勧告は非常に複雑な改正を含んでおりますので、私はそれくらいの時間はかかるように思います。
○永岡光治君 そうすると、すみやかにということは八月ということを意味しいなのですか。あなたのさっきの説明では遡及することも好ましくない。そうすると今の説明を聞いてみると、資料ができ上ってからの、それからのすみやかにということに結果的になる。そうすると午前中私が口をきたなく総裁に対しまして追及したわけですが、今の答弁ですと非常に私は問題があると思う。そのあなたの言うすみやかというのは、一体いつですか。最小限八月を予定していなかったすみやかですか。
○政府委員(淺井清君) その点は午前中にも何回も申しましたが、人事院としてはなるべくすみやかにやってもらいたいというような程度で、これを受けた内閣の側からみれば、これを実施するためには相当の時間がかかるだろうと思っております。
○永岡光治君 そうすると、あなたはすみやかにというけれども、そのすみやかにはすみやかに実施してもらっちゃ困るということになる。八月には実施できない。すなわちすみやかに実施することをあなたがブレーキをかけておることになる。勧告されたあなた自身が八月に実施されては困るということになる、結果的には。事実これは私たちは、政府に対しましても、それから倉石労働大臣に対しましても、社会党としてあの勧告についても問題があることであるから、公務員の給与改訂を早急にしてもらいたいという話をしたところが、いや人事院からまだ資料が来ていない、今政府はそれを口実にしていますよ。こうなってくると、あなたの責任は私はきわめて重大だと思う。そのすみやかにというのは、あなたは十一月か十二月を当初予定しておったすみやかにである、と私たちは解釈せざるを得ない。非常に残念ではあるが、そういう無責任なことを人事院がやられたのでは、国会としてもそれをそのままそうですかと引き下るわけにはいかぬです。あなたがブレーキをかけていますけれども、その点はどうですか。
○政府委員(淺井清君) これは決してブレーキをかけておるわけじゃない。
○永岡光治君 結果的にはそうなります。
○政府委員(淺井清君) 資料に基いて研究してもらうためには、私は相当の時間をかけなきやならぬ、これはやむを得ないことだろうと思っている。
○永岡光治君 それは当初からわかっていたことですか。全然わかっていなかったのですか。わかっていたとすれば、いつごろまでにその資料を提出する予定だったのですか。
○政府委員(淺井清君) 資料は提出はこれでやり方はこれくらいかかるだろうと私は思っておりました。
○永岡光治君 これくらいというのはいつごろまでに。
○政府委員(淺井清君) いやこの資料を提出しましたのは、最後のものを、一番こまかな資料を提出しましたのは十一月の初めだろうと思っております。
○永岡光治君 そうすると、十一月初めにやっと資料が出そろうようなことで、そういうことで七月に勧告してすみやかに実施をしろと、そのすみやかは私たちが解釈すれば、これは八月でも望ましいじゃないかといったところが、あなたは言語を濁してなかなかはっきり言わなかった。大体気持はわかった。あなたはすみやかにというのは、三カ月、四カ月先のことを考えておった。そういう勧告をこの中にうたったとするならば、これはきわめて重大です。この七月十六日に出された「すみやかに」という勧告の内容は、あなたは八月に実施されたら困るのでしょう。できないことを要求しておる、そうは思いませんか。
○政府委員(淺井清君) しかしどのようにどこからやりましょうとも、これはやはり国会が召集されなければできない仕事で、予算と国会とがこれはどうしても必要である。
○永岡光治君 それは政府がやろうと思えばやはりやれるのです。予備金もあることだし、それから事後承認を求められることもあるのです。これは通常国会において、いつ幾日から政府はこういう措置をとりました、国民の代表である国会の皆さんはどうでしょうか、よろしいということになれば、やれないことはない。それはやれると思うのですよ。
○政府委員(淺井清君) それは私はできないと思います。これは法律の改正を必要とするからであります。
○永岡光治君 そればあなたのおっしゃる人事院の勧告に基いて俸給表を変える、そういうことはあるいはあなたの言う通りかもしれませんけれども、しかし現にやられているではありませんか、現に。それはあなたが事実認めておりますが、いろいろな超勤その他の問題にいたしましても、差し繰ってやろうと思えばやれるわけです。緊急事態ならば、政府が緊急事態と解釈すれば。それはおかしいですよ。やろうと思えばやれるのですよ、あとでも承認を求めればいいのだから。国会が否決すればそれはしようがないが。しかしこの論議は別にいたしますが、そういう七月に勧告したことが十一月でなければ資料がととのわないようなものを出しておいて、しかも八月から実施しなさいと言うのは、それもすみやかに実施しなさい。ぬけぬけとそういうことが言えたわけのものではないと私は思う。ほんとうに総裁の不誠意もきわまりないと思う。だから倉石給与担当大臣は、困ると、こういうことを言っておるわけです。いやこれを臨時国会ででもやろうと思えばあるいはやれたかもしれぬ、しかし人事院からいくら資料を出せと要求しても出せないのは、一応その資料の検討に大へん時間がかかっておるのだ、だからやれないのだ、こういう口実を彼らが言っておりますが、もしそうだとすれば、つっぱねられた場合に、やはり淺井総裁、人事官が全部責任を持ってもらわなければならぬ。そういう場合におけるあなたの責任はどういうふうにとろうとするのか。
○政府委員(淺井清君) 政府の方では何と言っておるかしらぬですが、もしやろうと思えば、勧告だけでやり得るのですよ。もしやるならば臨時国会でももっと早くなぜ召集しないかと私は言いたいほどです。しかし資料を出せということならば資料は出します。
○永岡光治君 それはまたおかしい。あなたは今話を聞くと、十一月やっとに資料が間に合ったのだ、これで今折衝を始めておるのだと、こういう話でしょう。おかしいじゃないですか。
○政府委員(淺井清君) ちょっともう一ぺんこれは整理してお答えしないと混乱しておるようです。もしも内閣の方で、人事院が資料をよこさなかったから勧告の実施ができなかったと言うならば、私はそれは間違いだろうと思います。なぜならば、もしもほんとうにもっと早くやろうというならば、七月十六日の勧告の直後にもなぜ国会を召集しなかったかと私は言いたい。またそのときに予算を出さなかったかと言いたい。人事院の資料というのは細部を明細にするための資料なのであります。だからそれがなければ、なぜ政府は自分で細部の明細をこしらえないかと私は言いたいのですが、人事院といたしましては、政府の方において何ら細部の明細をみずからこしらえる方法をとらないものですから、順次資料を政府に提供してきた、こういうことであります。
○永岡光治君 それではそのようにはっきりわかりましたが、人事院の資料が整わないということは、政府がいかに弁解してもこれは理由にならない、こういうことははっきりはしたわけですね。それをとっておかないと今後労働大臣を呼んだときにあなたが困るんですよ。つまり、政府の方で、今の話によればあなたが、資料が整わないということで実施をしないということは理由にならない。この勧告があって八月からやろうと思えばやれた、つまりあなたの立場からいえば臨時国会を開いてでもやれる、こういう立場だ。ですからあなたの方が、人事院の方の資料が整わないから全然やらないという政府の弁解の理由にはならない、とはっきり言えますね。
○政府委員(淺井清君) はっきり申し上げます。もしも政府が細部の資料を自分でこしらえる誠意があるなら、なぜ七月十六日に出した勧告に基いて自分で細部の資料をやらぬかと、こういうことです。
○秋山長造君 今の話を聞いておるとまた最初に戻るんですが、人事院総裁は、そこまで政府に対してはっきりしたことを言えるんだったら、なぜ自己の勧告の実施期日を指定してやれないのかということですね。八月からでもやる誠意があればこれだけでやれるんだから、政府がやったらどうかということをはっきり言えるくらいだったら、今朝来繰り返し質問しておるように、せめてこれだけの内容を持った勧告を出されるのに、肝心の実施期日だけを抜かして出されるということは、どうも私は非常に矛盾しておるように思うのですが。 それからまたその実施期日を書いたからといって、別に今のようにきっぱりした政府に対する態度を持っておられるんだったら、何ら人事院として工合の悪い点もなかろう、当然すぎるほど当然のように思われるのですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(淺井清君) 今のだけがきっぱりしておるわけじゃない、人事院としてはいつでもきっぱりしているはずなんでして、実施時期は午前中にもしばしば申し上げましたように、なるべくすみやかにという態度をとっておるということです。
○委員長(亀田得治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(亀田得治君) 速記を始めて。千葉信君から委員外議員として発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認めます。千葉君。
○委員外議員(千葉信君) 先ほどから質疑応答を聞いておりますと、従来人事委員会もしくは内閣委員会等で明確になっていた問題が、少し混乱しているきらいが私はあると思う。ですからこれは従来の質疑応答で明らかにされた点と関連をして、私はこの際二点について総裁にお尋ねをしたい。 一つは、人事院の行なった勧告が一体いつから実施されることが正しいと人事院が考えているかという問題が一つ。それからもう一つは、人事院総裁は政府部内の行政官の一人であるという立場だから、これ以上のことは言えるとか言えないとかいうことを答弁されましたが、その点は内容をつけ加えながらあらためて総裁にお尋ねしたい。 第一の点ですが、過去の人事院の勧告の中でも、実施の時期を明確に示して勧告が行われたことがあることは、これは淺井総裁が今答えられた通りです。それ以外の場合には、人事院の行った勧告の実施の時期については、人事院としては明確にその時期は表示されておらないとしても、私は、時期を明示した場合の勧告の趣旨と同じような考えの上に人事院は立たなければならないし、当然また立つ義務があると思う。それは私は理屈の上からも出てくると思う。人事院は公務員の給与改訂に関する公務員法第二十八条の勧告を行うに当って基礎調査をやる。基礎調査を行う時期が、たとえば三月とか四月とか、本年は三月を基準として行われたはずですが、その三月を基準として行なった調査の結果、民間賃金との間にこれこれの開きがある、物価との間にこういうハンデが生じてきている、従ってその条件の上に立って公務員の給与は幾らくらいに改訂しなければならぬとか、何パーセント引き上げなければならぬという結論に達して人事院は勧告されるわけです。そうだとすればその調査をした基準のその月にそれだけの差異を生じているとして、その改訂を人事院は政府並びに国会に対して勧告をされるのですから、従ってそういう意味では人事院の勧告そのものは、調査をしたその時期にさかのぼって給与改訂が行われることが正しい。ただそれを勧告に際して人事院がその時期を明示しなかったことについては、この際はここで追及する気持はない。それは人事院としてはいろいろな立場から考えて、そこまで踏み切れない人事院の立場もあったでしょうから、私はその時期を明示しなかったことについて非難をする気持はない。しかし国会で議員の立場から、一体その実施の時期について人事院がどういう考えを持っているかという質問に対しては、当然人事院総裁として、その勧告の趣旨なりその勧告の基礎となった条件を、調査した時期なりそういう点がはっきりしているのですから、淺井総裁がどういう答弁をしようとしなかろうと改訂はその三月なら三月からしなければならないということは、はっきりした事実から出てくると思う。それを一体どういうわけで総裁はその時期についてここで態度をはっきりしないのか、そういう態度が非常に問題を混迷さしている。これこそ、淺井総裁が給与改訂の時期を故意にずらそうとしているから、政府の立場に立って協力しているかのような印象を与えて非難をされるもとだと思う。しかし実際上は淺井総裁が答弁をしているその改訂の時期は、さかのぼって三月でなければならぬということは、総裁としては言わなければならんでしょう。それがどういうふうにいつ改訂されるか、いつ国会で問題の最終結論が出るか、そのときに実施の時期がさかのぼるかさかのぼらぬかということは、これは別問題です。私は、国家公務員法に基く、この法の明示するところによっても淺井総裁は公務員の利益を擁護しなければならぬという立場から言えば、そんな時期の明示くらいのことについて、あなたがそこで言を左右にして答弁しようとしない態度は非難さるべきだ。あなたはここではっきり、勧告の含む内容から言えば、勧告の結論からいけば、今年の三月なら三月から本来この勧告をした通りに、この勧告の趣旨、また調査の時期に従えば、今年三月から改訂さるべきだ、ということを考えているということを、なぜはっきり言わないのですか。 それから第二点。あなたはさっき荒木君の質問に対して、自分としては政府の一員だからこの臨時国会でこの問題がどうこうということは言えないと、非常に妙な答弁をされた。私は淺井さんが行政官の一人であるということは認めます。しかし淺井さんの場合には他の行政官とは著しく異なった任務を持っているはずだ。あなたはその自覚の上に立って人事院を担当しているはずだ。そのあなたが、この臨時国会の最中には政府の方では予算を提出する意思がないようだから、この臨時国会で解決されるというようなことはこれは不可能だといって、あなたが全く冷静な第三者の立場に立ってそういう答弁をされてそれでいいかどうか。私は、あなたが国民淺井清として、この国会は期間も短かいし、補正予算なんか出っこないから、ここで給与改訂の問題なんか解決されない、それはとても見通しなんか出てこない、こう考えることは私は一向差しつかえないと思う。しかしあなたは国会に出て来て人事院総裁という立場で議員の質問に答えるときに、そういう冷静な客観的な全く無関心な態度で一般的な見通しをここでのうのうと答弁されることは、私は間違いだと思う。あなたの立場としては、人事院としては権威をもって給与改訂の問題についてはこう処理すべきだということを勧告されておるのだ、しかもこれは荒木君の言うように、人事院としては勧告を出せばそれでよろしいということではない、法の命ずるところによっても、人事院としてはあくまでも国家公務員の利益を擁護するために、そういう勧告のあと始末といいますか、それを実現される努力をあなた方が裏付けして、初めて人事院総裁の、人事院としての任務が果されたことになる、そうだとすれば、見通しはたとえどうであろうとも、少くともあなたは人事院の行なった勧告のその実施の時期なるものが、理屈の上からいっても、さっき私が申し上げたような結論に立っている勧告だとすれば、あなたはああいう答弁をするのじゃなく、少くとも人事院としてはこの臨時国会がもっと早く開かれて、そうしてもっと早く開かれた国会の中でも本来は解決さるべき筋合いのものであるし、改訂をしなければならぬ問題だから、この臨時国会で、どうも見通しの問題は自分としては遺憾だというくらいの、はっきりした態度をあなたはとるべきだ、どうですか、この二点について。
○政府委員(淺井清君) 第一点の実施時期の問題は、これは午前中からしばしばお尋ねがございましたが、人事院といたしましては、やはりなるべく早くという表現をもっていたしておりますので、それ以上のことは私は申しかねます。 第二点は、さっき荒木さんから見通しを正直に言えというお話でありましたから、見通しを申し上げたまでであって、これは決して人事院がこの勧告を実現するように努力をしておらぬということではないだろうと思います。
○委員外議員(千葉信君) その前段の問題ですがね、人事院の勧告は私もよく読んで知っております。実施の時期は明示されていない、私はそれを聞いておるのではなくて、人事院の勧告自体の持っている内容からいって、それからまたその勧告をしたその事実からいって、それからその勧告の基礎となった調査の時期からいって、当然三月なら三月をその基準に置いて、不均衡の生じているこの状態を是正しなけりゃならぬというのだから、その三月から一カ月でもおくれればそれだけ公務員の不利益は増大する、ですから当然四月なら四月、五月なら五月、当然その勧告からいうと三月ということになると思うのですが、かりに問題の改訂を一カ月ずらすといたしまして、四月から改訂されるとして、初めて合理的な格好における公務員に対する給与の改訂が行われるし、同時にまた公務員のこうむる不利益がそれによって緩和される、そうすれば、あなたが言われるすみやかなる時期という時期を、人事院は勧告したというけれども、そのすみやかなる時期というのはそれならいつかということになると、当然これは三月か四月にならなければならぬ、それ以外の理屈は出てこない、私はそれを聞いておる。もうすでに勧告でわれわれが何回も文句の内容を、ここで総裁からあらためてすみやかなる時期という文句を使いましたことを、そういうことを私は聞いておるのではない。 第二点、やはり淺井さんの答弁で納得できない。淺井さんは、さらにあなたがそう言われるから、発展して言いますが、あなたは政府部内における人事院としての立場から、その折衝の問題について、少くとも今答弁された限りでは、ちっとも私は努力をしたという印象を与えられない。それで一切十分だとは言えないと思う。十分どころではない、とんでもない話だ、やっぱり人事院としてはたとえば具体的に問題を取り上げてみても、その後における資料の提出等によって、改訂の時期が若干でもずれるような気配が見えたり、またはそういう気配がある場合には、人事院としてはその懸念を払いのけることのできるような、できるだけすみやかにその改訂の行われるような方法なり、もしくは連絡なりというものを緊密にとってしかるべきものだと私は思う。そういう点について、一体どういう折衝が行われたか、従来の委員会においても、淺井さんから政府の方へこういう申し入れを行なったとか、あるいはこういう注意を与えたとか、そういう点についてはしばしば答弁はあった。今回だけについて、そういう政府の方と人事院が行われた交渉の内容について、一切触れることはできないという態度は、今まで淺井総裁はとらなかったのですが、私はこの点についてももっと人事院としては積極的にやるべき責務を持っていると思うのです。もしそれを幾らかでも淺井さんの方でやられたというなら、私はこの際それを承わりたいし、またやられていなければならぬと思うのです。
○政府委員(淺井清君) 人事院といたしましては、さいぜん申し上げましたように事務当局において、内閣及び大蔵省に対して勧告の内容を十分に説明し、納得させるように努力しておるつもりであります。
○委員外議員(千葉信君) 前段の問題についてもお答え願いたい。
○政府委員(淺井清君) 千葉さんのお説に従えば、これは四月なり三月なりに遡及して、勧告したのは七月でありますから、遡及してこの実施時期を明確にすると、こういうことに帰するだろうと思います。人事院も過去におきましてのある勧告には、この遡及して適用するような勧告をしたこともあります。しかしそれはいまだかつて実現したことはないのであります。私は率直にいって、この勧告の遡及した実施ということは、それは望ましいにしろ、私はとうてい不可能だろうと思っております。そこでなるべくすみやかにという表現をとった次第であります。
○委員外議員(千葉信君) そのなるべくすみやかにという表現をしたことは、私はいいだろうと思うのです。そんなことば。しかし今の答弁にもありましたように、人事院としてはすみやかに、たとえばさかのぼって実施されることが望ましいと考えているということを今一言漏らされた。どうもその答弁を聞いておりますと、今までそういうさかのぼって勧告をしても、実施されなかったから、そこで人事院としてはその後さかのぼって実施ということは、勧告の中には入れなかったということは私はわかりますけれども、しかしその人事院の行なった勧告が実施されるかされないか、これはそこは最終決定は国会ですから、そしてまたその前提条件として政府が取り上げるか取り上げないかということにかかってきますけれども、しかし私はそういう条件を考えて、人事院としては実施されそうもないとか、どうも延びそうだというような考え方でもって、人事院が行動されることは私は間違いだと思う。人事院としてはそういう実施の時期の見通し、過去の経験等を一切抜きにして、給与改訂の時期がいつでなければならぬということを明示しないと、態度を表明しないと、問題がますます混乱してくる。ですから、そういう意味では、むしろかえってそういう人事院の態度が、実施の時期をますますおくらせる原因になっているとさえも私は言えると思う。きょうのこの委員会で、一体人事院の行なった勧告の実施すべき時期はいつかということは、理論的にも実際上からも、いろいろな角度からも、それぞれ質問が出た。それに対して、淺井総裁が明確にその人事院の行なった勧告の持っている趣意からいけば、これは当然その実施がむずかしいとか、むずかしくないとか、ずれるとか、ずれないとかという見通しがあるにもかかわらず、人事院としての見解、つまりいつから実施することが最も合理的であり、そうしてこの勧告の内容からいっても、その時期はいつであるかということの内容について、淺井総裁が明言されることによって、この問題の解決は相当影響を受けてくる。ですから私はやはりこの際は、人事院総裁という立場から考えても、もっとあなたは測り切って、はっきり、その時期なんかについてどう解決されるかされないかということを抜きにして、政府とは独自の立場として、その人事院の行なった立場に立って、人事院はどう考えているか、いつに考えているか、何月に考えている、それを私は一応明言されるべきだし、また明言されたってあなたの立場は一向にお困りにならぬと思う、そんなことで一体政府の方で、お前は政府の一員として、そんなことをなぜしゃべったかというようなことは絶対言わぬです。その点は淺井さん踏み切ってお答えなさい。 それからもう一つは、政府との折衝について、事務当局はそれぞれ密接に連絡をとってどういうふうな話をされたか、どういう説明をされたか、私はそういうことは当然だと思う、そんなことは。そうじゃなくて、私どもの聞きたいのは、最高の責任者として、もしくは人事院総裁として、私は法が人事院に寄託し、法が人事院に要請している任務を考えて、事務当局との連絡のみにまかしておくべき筋合いじゃないと思う。あなたは一体どうしてもう少し積極的にやらぬのですか。そこまで私は言いたくないけれども、悪く言えばどうもしばしば人事院をつぶす法律が出るものだから、このごろ人事院はますます弱腰になっている。今では労働攻勢に対する防波堤の立場に立ってきている。こういうふうにさえ言われているのです。だからあなたは人事院を廃止する法律などおそれない。おれは公務員の労働攻勢に対する防波堤にならぬという態度をここではっきり示さないと、公務員諸君はあなたに対してますます失望するばかりだと思うのです。あなたはやはりその点について、一つふんどしをしめ直して、ここではっきり努力をする必要があるか。また私は必ず何らかの連絡を政府とやられておると思うから、あなたはまあそこは明言したくないかもしれぬけれども、私の承知している限りでは、あなたは全然放ったらかしておくんじゃないんだから、その点はあなたは今までの経過について、ここではっきり公務員諸君なり国民に納得させるのが当然の責任だと思う。後段の点について……。
○政府委員(淺井清君) 第一の実施の時期については、たびたびのお尋ねでございますけれども、私としてはこの席上においてはなるべくすみやかにというよりほかはない。 第二の、政府内部の折衝については、これはおまかせ願う方が私はよろしいと思っております。しかしながら私の見通しを申せば、この人事院勧告は必ず実現するんじゃないかということだけは私は考えております。ただ責任をもってこれを言質に取られるということは私は困る。これはわからんのでありますけれども、人事院の勧告というものは必ず実施される。 なお人事院がつぶされそうになっておるから遠慮しておるなどということは決してないのであって、もうすでに人事院廃止の法律というものは二度も国会に出されておる。(「三度です」と呼ぶ者あり)だからそういうことはもう念頭にありません。
○委員外議員(千葉信君) まあこれ以上第一段の問題について私は追及してみても、淺井さんはからをかぶった格好で言おうとしないから、私は理屈でははっきりわかっているのですから、理屈では淺井さんが何と言おうと、そのすみやかなる時期ということは、本年の三月乃至四月をはっきりと人事院としては主張しているという理屈に立ってくるわけですから、私はそう確認して、まあこれ以上あなたに対していじめてもしようがないからやめます。 それから第三点の、今、淺井さんは政府との折衝の問題についてはまあこれ以上聞かないでおまかせ願いたいというのですから、私はこの際は淺井さんを少し信用して、これ以上私は質問しない。しかし非常に私ほ今の答弁で気を強くしたことは、しかしこの勧告については必ずある時期がくると実現されるという確信を淺井総裁は持っておられることをちょっぴり漏らされたようです。そこで私ほさらに一歩進んで、淺井総裁の見通しとしては、その時期はいつごろと一体お考えになっておられるか、これもあわせてこの際伺いたいと思います。
○政府委員(淺井清君) それはただいまちょっと申し上げかねます。(笑声)
○永岡光治君 その申しかねるというのがちょっと困る。これは国民の代表としての国政の審議権という尊い使命を負って私たちはここへ出ておるわけですから、いやしくも国会において明確にしなければならぬ問題はどうしても明確にしなければならない。これはたとえば補正予算を組むにいたしましても、あなたがさっきおっしゃられた十二月の通常国会で問題になる場合には、年度内にはどのくらい組まなければならないかという問題についてもやはり大きな資料になるわけでありますから、どうですかその辺のところは自信があるそうでありますから、先ほどちょっと漏らされました通常国会の予算には取り上げられるだろう、こういうことでありましたが、通常国会で取り上げられるということは、三月以降ではこれは意味をなさない。私が先ほど指摘いたしましたように、勧告の中には少くとも三月期の手当というのは来年の三月で切れてと、そういうばかげたことはとうてい考えられません。すみやかにという意味はもちろんこの三月までに支給してもらわなければ困るということをあなたはおっしゃったが、そうしてこの一連の、期末手当とかあなたは給与改善と言っておりますが、これは一連の問題とこういうふうに解釈していいのか。当然私は、年度内に出すということになるわけですから、十二月の通常国会で論議されるということは、当然そこで補正を組まれる、そういう意味と解釈していいのでしょうか。
○政府委員(淺井清君) それはどうも現在の段階ではわかりかねるのです。ただわれわれの率直なる希望と申しますか、われわれの考えを申せば、この〇・一五の特別手当が再来年の三月になって初めてものになったのでは問題にならぬと思っております。これは来年の三月にぜひ支給してもらいたい、かように考えておるということを申したのです。
○永岡光治君 それでしょう。ですから一緒にこれもやっぱりやってもらわなければならぬ。他の一連の改訂の問題もなるべくすみやかにという問題は、おそらく年度内に給与を解決してもらわなければ困るという強い主張をもって政府に当られた、こう解釈していいのですか。
○政府委員(淺井清君) その点は、私はなるべくすみやかにということだけを言っておるわけであります。そういう点で……。
○永岡光治君 それが問題なんですよ。だから政府がどうあるかはこれは私は追及しなければなりませんが、あなたのお話によれば、資料が整わないという問題は理由にならない。政府がほんとうにやられるという話になれば、八月にでも臨時国会を開いて通常国会までにはやれた。これは政府は政府の立場に立ちましても、私たちは政府を追及したいと思う。あなたが努力されようというその努力の目途です。目標ですね、その決意というものは、やはりこの三月の期末手当と同じように年度内に至急解決するというそういう強い決意で努力されるのか。それとも何となくすみやかにということだけで政府に迫るのですか、一体どっちなのかということですね。
○政府委員(淺井清君) 私はこの席上ではむしろ後者のことしか言えないのです。私としてはこの勧告をなるべくすみやかに実施してもらいたい。そこで一つはっきり申し上げておることは〇・一五の期末手当は、これは再来年の三月では困る、こういうことです。
○伊藤顕道君 いろいろ答弁を聞いておりますと、私どうも納得できないのですが、勧告の内容は申すまでもなく俸給表の改正と特別手当。その特別手当については毎年三月実施ということであるので、来年三月実施したい。再来年になったのでは意味がない。そこまでは一応筋が通ってわかりますけれども、これは繰り返し今まで言われておりますように、これは一連の勧告案であって、別個に扱えない。先ほどから勧告については科学性、合理性のあるものを確信をもって作ったということで、確信のあるそういうさような勧告であるならば、なるべくそのとき七月の十六日において基準につきましてできるだけすみやかに、臨時国会以外にないと思う、どう考えても……。なるべくすみやかということは、結局具体的に言えばその時を基準にして一番早い時、それは臨時国会だと思うのですよ。そのほかの先ほどからいろいろ政府に誠意をもって交渉してきた、そこでおまかせ願いたい、誠意をもって努力する……。ただ在来から人事院がいつも最後になると弱腰になって政府のままになってしまう。それは誠意はあるかも知れませんけれども勇気が足りないと思う。総裁はこの際私ども誠意はわかりますけれども勇気の点では欠けているのじゃないか、一つ人事院の本来の使命観に立ってがんばっていただきたい。臨時国会今からでもおそくない。今からでもぜひ一つかき立てていただきたい、そういうことをお願いしたい、そういう点についてのお考えを承わりたい。
○政府委員(淺井清君) さいぜん荒木さんにもお答えいたしましたが、私は臨時国会でこの問題を解決することは不可能じゃないかという見通しを立てております。
○伊藤顕道君 しかし先ほどからできるだけ早くということについては総裁は一貫して信念をもってやっておられる、そういうことは私ども確認できる。そういう信念があるならば、なぜむずかしいけれども……、簡単ならどなたでもできるわけなんです。むずかしいところを総裁が一つ人事院の本来の使命観に立ってやれば、これはできると思うのですが、結局誠意はあるけれども、先ほどから言うように勇気を加えることが足りないじゃないか、一つ立場は苦しいと思いますけれども、政府の各面に対しての立場はよくわかります。けれども何百何十万の労働者、働く者の各面がこのように強い念願を持っておる、そういうことをもあわせて考えていただきたい。政府各面だけのことでなく、その背後には何百何千万の働く者があるということを一つ考えていただいて、ぜひいま一歩進めて、困難ながらも一つ総裁の勇気をもって、誠意は認めますが、勇気をもって一ついま一段がんばっていただきたいと思いますが、決意のほどを伺いたいのです。
○政府委員(淺井清君) それはなるべくすみやかにというのなら、臨時国会は含まれましょう。しかし臨時国会に政府が補正予算を出さぬという方針はきまっておるのでございますから、来月六日ですか、七日ですかに終るところの臨時国会でこの複雑な給与体系の改訂をやることは、これは見通しとして事実不可能だと私は思います。決してこれは私に勇気がないためじゃない、これは客観的情勢のためだろうと思います。
○田畑金光君 先ほどの総裁の言葉をかりて、まあ整理してお尋ね申し上げますが、今の御答弁を聞いておりますと、特別手当については再来年の三月というようなことは無意味なことであって、当然これは来年の三月十五日現在を考えておるのだ、従って総裁の答弁の中から出ておるところの、しばらくまかしてもらいたい、私は勧告というものは実施される、そういう大きな希望を持っておるというようなお話でありましたが、整理してみると、結局あなたの見通しとしては、特別手当のみが希望が持てるものと今あなたは考えておられると私は思うのです。それでそうなってきますと、あなたが大きな希望をもってもうしばらくまかしてもらいたい、こう言っておられますが、一体それは内容的に何をさしておられるのか。特別手当の問題だけでなくして、言うまでもなく勧告はその他の問題を含めて、それが五十九億の予算に上っておるのです。このさらに大きな予算の面については、それはなるべくすみやかにということで逃げておられるが、まことにどうもあなたにまかしていてもほんとうに期待が持てて、実現されるのかどうか、非常な疑いを持つわけです。かりに一歩譲って、臨時国会には政府の補正予算はとうてい時間の上からいっても間に会わぬ、そうすると十二月の二十日以降には通常国会が開かれますし、そうなってきますと通常国会には当然補正予算ということが考えられると思うのですが、そういう点について、人事院当局としては確信をもって政府がそれに乗ってくるという見通しをお持ちなのかどうか。少くとも総裁が事務当局にのみまかしておるのじゃないでしょう。おそらく総裁は給与担当の大臣や大蔵大臣に会ってお話なされると思うのだが、そういうのを通じて、臨時国会に間に合わない、通常国会においては補正予算で私は見通しを持っておるのだ、こういう気持で先ほど安心してまかしてくれということになったのかどうか、それを一つお尋ねしたいと思います。
○政府委員(淺井清君) 安心してとは申さなかった。私は非常に心配をしているのです。それからもう一つは、その来年三月云々は〇・一五の特別手当であるから、これだけに希望を持っているのか、そうじゃないのです。私はこの勧告全体をなるべくすみやかに実現する努力をするのであります。そして、ただしそのうちで〇・一五を再来年なんだといってもらっては困るということを言っているのです。そして臨時国会なら私はこれは客観的に見て、とうていひまがないと思いますし、政府も補正予算は組まぬだろう、しかし通常国会においてこの問題は必ず取り上げられると私は信じております。そしてそれが補正予算であるか、何であるか、それはわかりません。それはただいまのところわかりません。しかしながら終局において、私としてはこの人事院の勧告は全体的に——枝葉の問題については私は知りませんが——全体的に私は実現するのじゃないかと、ただいまのところ思って努力しております。
○竹下豐次君 朝から、期限を切ってもらいたい、いやそういう必要はない、すみやかにということでやるのだということが十。へん繰返されたかと思っておりますが、私もまだ十分に総裁の御答弁が納得のいかない点があるのであります。先ほどからのお話を承わっておりまするというと、勧告がたびたび今日までなされておる。その中には期限を切った場合もあるし、切らない場合もある。今度は切らないで、すみやかにということでやっているのだというお答えでございました。その点まではわかるのですが、期限を切る場合と切らない場合と、それぞれ理由があるだろうと思うのです。この際は総裁のお考えでは切らない方がいいんだというお考えに基いて、お切りになっておらないのだろうというふうに私は想像するわけです。それにはなぜ切らない方がいいかという理由がなくちゃならない。その理由が私の聞き落しか知りませんけれども、まだわからないのであります。そういう理由が積極的にあるか。あるいは期限を切るというと、何か困ることがあるかということですね。二つのうちいずれかがなくちゃならないことだろうと思っております。その御説明がまだ十分納得ができないのでありますが、もし期限を切ってはこういう点が困るのだということがございましたら、その点を御説明を願うというと、皆さんの疑惑も解けるのじゃないかと、かように考えるわけでありますが、いかがでございましょうか。この点は裏からのお尋ねであります。
○政府委員(淺井清君) 過去において期限をつけたこともありました。しかし期限をつけない方が多いのであります。おそらく期限を切って実施期限を明示いたしましたのは一回だけじゃないかと私は記憶しております。そこで人事院の立場として、受けた方は財政的にこれはいろいろ考慮しなければならぬ場合もある。期限も切らないでただなるべくすみやかにという言葉をもって表示する程度にしておくのがよいのじゃないか、それだけの理由であります。別に勧告の内容によって期限を切る場合と、期限を切らない場合とできたわけじゃございません。
○竹下豐次君 実は私はこういう感じを受けているのであります。やはり財政方面のことなどを考えてみるというと、あまりはっきりしたことは言えない事情があるんじゃないか。あまりはっきりし過ぎるわけにいかないのじゃないか。人事院の総裁としては、大蔵大臣と違って財政のこともそうこまかくおわかりになっているわけでもありませんから、そういう御考慮がやはりあるのじゃないかというふうに私は想像しておったのでありますが、先ほどの御説明によりまするというと、財政方面のことは全く考慮に置く必要はない。また入れる筋合いのものでもない、こういう御答弁でありました。まあ人事院の性格というものはそういうものかもわかりませんが、その方の関係がないとすれば、期限を切るということについてどれだけの支障があるのであろうかということが私の疑いになるわけであります。別に期限を切ってもお差しつかえはないわけなんでありますか。
○政府委員(淺井清君) かつて期限を切ったこともあります。しかしいろいろ考えた結果、人事院の立場といたしまして、それは財政を考えたら、それは何百億も要る仕事でございますから、それはなかなか勧告はできないということになるかもしれません。そういうことは考えません。しかし受ける方では、これは当然財政を考えなければならぬ、そういう立場がありますので、人事院といたしましては、なるべくすみやかにという表現の程度にとどめるのがいいだろうと、こういうような程度の考慮でもって、別にそれ以上政治的には思っておりません。
○竹下豐次君 そう非常にがんばっておりますのじゃ、よほど大きな強い理由があるはずだと想像されるのですね、それで私が質問しました二つのうちの一つがその理由になっているのじゃないか、どうもすみやかにということがいいのだからとおっしゃいますが、いいならいい理由がはっきりしなければ、前にたった一度しか期限を切ったことがないからと、ただ先例を追うのだということだけでは、どうかというような気持がするのであります。その点がいかがなんですかね。もっとも、どうせ政府の方で考える、国会できめることでありますから、支障がなかったら期限をお切りになってもいいのじゃないかという感じを私は持っておるわけなんです。
○政府委員(淺井清君) だんだんのお尋ねでございますけれども、私としてはさいぜんお答えしたことは、これは事実の話なんであります。そういう建前以外に別にこれは政府に協力したわけでも何でもないのであります。
○永岡光治君 総裁は今竹下委員の質問に答えましても、受ける方の政府が困るだろうとか、そういうことも配慮の上でやったんであるというこういうことを言っておる。政府はそれでもかまやしないけれども、実施してその恩恵を受ける従業員、職員の側からすれば、そんなようなことでは困るので、勧告はもう過去です。これは出してしまったのですから、これは時期をなぜうたわなかったのだということについては、だんだんあなたの説明であなたの気持はわかったのですけれども、今質問をしておることについて、いいですか、国政の調査権を私たちはもって、国民の代表として実施期日をあなたに尋ねておるのですね、それをどうも言えないというのはおかしいじゃないですか。それはもう政府に対する配慮はあったかもしれません、勧告する当時は。今あなたが考えていつが最も私は望ましいと考えておるかということについて言えないということは、私はまだ納得できないのですが、この点もう一つさらに私は質問をいたしまして次に移りたいと思います。
○政府委員(淺井清君) それはごもっともでありますけれども、その点はもう午前中からしばしば言いましたので、決してこれは文書にだけなるべくすみやかにと書いておるわけではないのでありまして、われわれの考えといたしましても、これはなるべくすみやかにという以上には言えません。
○横川正市君 今の問題はこれ以上追及して何かこうはっきりと言ってもらえるような状態にはないようですが、私の方からこの期限とは別個の問題なんですが、資料としてこれは俸給表一本であって、その一本の中に七つの職種が入っておるわけなんですが、この一本の俸給表の中でそれぞれ今度改正されたそれぞれの職種のうち、大体主要な職務でいいと思うのですが、昇級間差がたとえばこの八級の一号から九級の十号までのところは、改正案では九カ月、現行では六カ月と九カ月がクローズしておるわけであります。それから四級の一、五級の十、六級の一、七級の十、それぞれ改正案と現行では八円ないし五円の開きが出ているような今度の改正案が出されておるわけなんでありますが、私は現行の、たとえば頭打ちを伸ばすために、俸給表をずっと伸ばしたということによって現行を打開しようとする一つの方法をとられたようでありますが、現行このままの形で昇給し昇格していく場合と、それから今度のこの改正法によって昇給し昇格していく場合、ことにこの職務の級が変らない限り昇格しないという非常にきつい線が引かれておるようでありますが、そういったこの二つの考え方を、ぜひ一つ明確にわかるグラフにして説明をつけたものを資料として一ついただきたい。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまのお話では、これはいろいろ新しい俸給表と、それから現行俸給表では体系が違いますので、比較ということは実はいろいろ困難があるわけであります。いろいろ仮定も入れなければなりませんので、十分御満足がいくものができますかどうですか、まあわれわれの妥当と思われるような仮定を入れまして、できるだけ御満足のいくような資料を作ってみたいと思います。
○永岡光治君 資料を今朝来相当要求しておりますが、それは、今朝来の質問で明確になったことは、実施期日もさることながら、問題はこれは給与改訂になっていない。いいですか、単なる今までの頭打ちの是正の何ものでもないと極言してもおそらく弁解の余地はないと思う。俸給が変るものじゃないのですから。現在もらっている人は長年勤めておるから若干変るだけの問題であって、そういうでたらめなものは私たちは給与の改訂とはみなしていない。こういう考え方が一つ。それからそういう意味で民間といろいろ比較されておりますし、俸給の体系に非常に大きな不満足を持っているし、疑惑の点がたくさんあるわけですから、その体系を解明する意味におきましても、よくそれを読みとれるように、とりわけ現在の俸給表をそのままで完全に定期昇給した場合にどうなるのか、それからこのままいった場合、今人事院で考えられている体系でいった場合には、どうなるのか、その辺の比較をしてみなければならぬと思っておりますから、そういう点の資料をぜひお願いいたしたいと思う。それからもう一つ定期昇給は完全に実施していないと思うのです。どこも。それも実情をぜひ私は知りたいと思いますので、その資料もぜひ出していただきたい。これはただいまのところでは、人事院の方では完全に実施しておるという答弁があったように聞いておりますが、そういうことは絶対にないと私どもは確信を持っておりますから、どこの省はどういうふうになっているか、完全に定期昇給が行われていないという私たち立場に立っておりますので、そういう問題についての資料をぜひ出していただきたい。このことを要求して一応きょうのところは質問を終ります。
○政府委員(瀧本忠男君) 第二の点につきまして、これは現在給与法の実施は、各省庁の任命権者にまかしてあるわけでございます。従ってわれわれとしましては、全体の調査をやってみませんと全体のところはわからぬわけです。しかし大体のところの調査はいたしておりまするので、その意味で全体的な調査でないということで御提出申し上げたいと思います。しかしこれは全体を推測するに足る資料であるというふうには考えております。 第一の点で、ちょっとこれは付け足さしていただきたいのでありまするけれども、今回のわわれれの給与改善と申しますのは、頭打ちの改正をはかりまするし、それから俸給表はなるほど水準は変えていないのでありまするけれども、この新しい俸給表に移りまする場合に、おおむね一号程度、その一号程度も現在のところ、下の方は六カ月、上の方は一年半ぐらいになっておりますので、そのままやりますると、これは上原下薄ということにもなろうと思いますので、その辺は調整をいたしまして、おおむね一号程度ということで今回そのことを調整措置としてやるわけでございまするから、これは永年勤続しておるとか何とかいうことと無関係にやるわけでありますので、それはやはり給与の改善にわれわれはなると思っておりますので、そのことも付け加えておきます。
○田畑金光君 一つだけ私お尋ねしたいと思うのですが、今の答弁にもありましたように、今回の勧告を見ますと、結局ベース・アップ方式ではなくして、俸給体系の調整に過ぎない。しかもその理由を先ほど来総裁からの話を承わっておりますと、要するに民間給与改善の状況が、ベース・アップによる給与改善であるよりも、定期的な昇給昇格の方式によって給与の改善をはかってきておる、こういうような考え方に基いて、今回はベース・アップ方式をとらずして、俸給表の俸給体系の改善、こういうことになったのだと説明があったわけです。で、われわれとして疑問に思うことは、とにかく人事院当局の調査資料に基いても、民間給与との差が一一%に上っているということは明確に認めておるわけです。また、標準生計表を見ましても、低い標準生計費に抑えられているわけであります。にもかかわらず、これが単に俸給表の体系を是正するのだ、これだけで終るといたしますならば、結局それは、政治的な考慮に基いて今回の勧告措置が、勧告内容が政治的な観点で措置されたと見る以外にないと思うのです。 で、私はお尋ねしたいことは、今後とも人事院は、今回の勧告の中に盛られたような考え方で公務員の給与については処理されていこうとするのか。ベース・アップ方式等はこれからは考えないで、あくまでも俸給表の是正という考え方でやっていこうとする方針であるのか、この点を一つ承わっておきたいと思います。
○政府委員(淺井清君) 今回の勧告は今回の勧告でありまして、来年度どうするかということは、あるいは来年度勧告するかしないかということも含まれるのでありますけれども、それは全然わかりません。今回このような勧告をいたしましたから、将来はもはやベース・アップの勧告はしないというようなことは考えてやったのではありません。
○田畑金光君 将来はどうかわからぬとお話しになっておりますが、しかし、あなた方の今度出された報告並びに勧告の説明書を読んでみますと、公務員の給与に関しましては、他の三公社五現業との比較、あるいはまた民間給与との比較等々なされておりますが、その中でも、特に今日一般的に見られますように、給与の体系というものが生活給よりも能率給、こういうような方向に向いつつあるわけです。ことにその傾向を見ますと、今回のこの俸給是正案を見ましても、非常に職階制、こういう一つの官僚的な機構というものの思想が強く流れているわけです。二の官僚的な職階制的な思想というものは、当然にこれは能率給、こういう考え方に発展するものと見るわけです。それが民間においては昇給昇格という形で、できるだけベース・アップ方式をやめていこうとする考え方が強く出ているわけです。今回のこの勧告の内容を見ましても、民間給与のそういう昇給昇格的な思想に強く基いて出されているのはまぎれもない事実です。こういうことを考えたときに、あなたの今の答弁は、まことにわれわれとしては納得いかん。来年は出すか出さぬか、それも不明だと、二十八条に基く情勢適応の原則は、あなた方は今後とも必要ないと思うのだが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(淺井清君) もちろん公務員法二十八条を守ってわれわれはやるほかはないのでありまして、ただ、ただいまの時点において、来年のことはどうなるか、それはわからぬ、こう申しただけであります。それから、今回の勧告が非常に能率給的に変ったということでありますが、われわれはそう考えておりません。ほんとうの能率給などというものは、こういうものじゃ私はないと思っております。かつて人事院は、給与準則の勧告をいたしましたが、あれは純然たる職階制に基くもので、それから見れば、今度のこの勧告はずっと生活給的な方面を考えてあるわけであります。もしほんとうの能率給的な俸給表ということをいえば、俸給がオーバーラップしてあるのはすでにおかしいという議論さえも立つわけでありますから、人事院といたしましては、公務員の生活ということを十分考えてやっておるつもりであります。
○田畑金光君 今のお答えの中に、給与準則というような話がありましたが、かつて、たしか昭和二十八年の七月十八日には給与準則の報告がなされているわけです。しかしこれは、その後たな上げになって、結局公務員の給与というものは、一般職給与法に基いてやられているわけですが、この給与準則というものと今回のこの報告書というものとはどういう関係になっているのか、これについて御意見を承わりたいと思います。
○政府委員(淺井清君) お説のように、給与準則はそのままたな上げになっておるわけであります。人事院といたしましては、その考え方を改めて今回の勧告をしておる、こういう意味であります。給与準則は職階職級制度を基礎といたしておりますから、これは純然たる職階制的の給与体系であると申してもいいと思います。今回のはそうでないのであって、現行の給与体系を基礎として、それを改正したものであります。
○田畑金光君 そうしますと、かつての給与準則というものは一応将来に活用するというか、これが実際に運用されるということはやめて、今回のこの勧告の趣旨に基いて、こういう考え方で行くというようなお話でありましょうか。
○政府委員(淺井清君) しかしながら、一ぺん勧告したものは、これは別に期限の定めのないものでありますから、これは生きております。しかし、この給与準則を実施するためには、まず完全に職階制を実施しなければ、これは不可能であって、職階制を前提として初めて給与準則が行われ得るのでありますから、今日の状態では、職階制はまだ完全に実施されていないのであります。つまり十五級の職務級が存在しているあの制度をとっておるのでありますから、われわれとしましては、この現状に適応するように、まず給与改訂をやろうというので、今回の勧告になったのでありまするから、将来もしも職階制度が完全に実施されるという時期になれば、それはもう好むと好まざるを問わず、給与準則のような制度に移行して行くのではないかと、こう思っております。
○伊藤顕道君 今、総裁のそういう答えですが、この表を見ますと、こうなっておるのですが、各俸給表の等級と職階とを完全に結び付けておるから、今総裁の言われたように、非常に職階制が強くなり、そのために最高号俸に行った場合には非常に不利益を受けるわけで、今までは調整号俸でこれをカバーしている。ところが、一例をあげますと、一般職の場合は、六等級の二十七号に達した場合は、結局職名が上って係長にならないと、それまではどうしても昇給ができないという事態が出て来る。それとまた、学校職員の場合には、教員として最高号俸に達した場合には、その教員が校長にならないとどうしても昇給できない、そういう点がこの表によって見受けられるわけです。こういう点は、むしろ制度の下回りであって、進歩でないと思うのですよ。結局このことについては、非常に問題があると思うのですがね。 それから、先ほどのいま一つの問題は、昇給期間が非常に延長されたために、そのつどそのつどの昇給の総額が非常に少くなってしまって、それが何年かすると、だんだんだんだん累積して、そのことが結局今六十九億で、しかも特別手当を出すのだと、いろいろいい点を言っておられますけれども、そういう点をしさいに検討すると、何年かあとには非常に不利益が具体的に現われてくるということがこの表によって察せられるわけです。こういう点、十分一つ御回答をいただきたいと思うのです。
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま御指摘のありました、行政職六等級の二十七号になっている、不利ではないかというお話でございまするが、現在でございますれば、六等級というものにほぼ相当いたしまするのは、まあ六級から七級という職務の級であろうと思うのであります。この職務の級でございますれば、一応上の職務の級の定数に欠員がない場合におきましては、これは上り得ないというようなことがあるわけであります。けさほどから問題が出ております。現在の制度におきましては、頭打ち、ワク外者の非常に多いというようなことをわれわれも申しておるのでありまするが、そういうことはどういうことかと申しますると、同じこの仕事をやっておりながら、現在の俸級表の職務の級における俸給の幅が非常に狭いために、ワク外にはみ出すというようなことになる。しかし、全体的に見まするならば、今度の俸給表は非常に幅が広いのでありまするから、おおむね同じ仕事をやっておりまするものは、六等級のこの範囲におきまして昇給していくことができると、こういうことになるわけであります。最高号俸に達したものが昇給ができないのではないかというお話でございますが、これは現行の制度と同じであります。なおわれわれは、勧告のときにおきましては、ワク外昇給というものを一応認めないという態度をとったのであります。そういうことをとりましたゆえんは、非常に幅の広い俸給表を作ったのでありますが、その幅の広い俸給表を作るに当りましては、この公務員の現在の給与の分布というものを十分調査観察いたしまして、その上で作っておるので、大丈夫この辺までとっておけばよろしいという目安をつけたので、勧告の際におきましては、ワク外昇給の制度を認めなかったのでありまするが、今回の意見の申し出におきましては、さらにその点の大事をとりまして、ワク外昇給の制度をやはり新制度においても認めていこう、三回は認めていこうということになっておりますので、最高号俸に達した場合におきましても、なおかつ上の俸給に行かれる方はもちろんどんどん行かれるわけでありますが、行かれないような場合が万一ありましても、なおかつそれはワク外昇給ができ得るということになるわけであります。 それから、その次の教員の問題につきましては、教職員というものに現在給与法を適用しておりまして、あの職務の級を当てはめておりまするが、これは全くどうも無理なやり方でございまして、教職員は、最初学校を卒業されまして、教職員になられてから、そうしてずっと教員でおられる間、まあ職務の熟達はございまするが、同じ職務をやっておるのでございまして、従いまして、そういうところで途中に区切りをつけて関所を設けるということよりも、むしろスムースに俸給表の幅の中で昇給し得る道を講じた方がよろしいというので、今回は非常に幅の広い俸給表を作っておるのでありまして、この点は御指摘の点と多少違うのではなかろうかというふうに思っております。 それから、昇給率が落ちるのではないかというお話でございますが、これは、本日午前中にもお示し申し上げましたように、われわれの新しい制度を適用いたしました際に、もちろんこれは仮定が入りますが、現在と大体同様な状況のもとにおきましては、昇給率は現在より多少よくなるのではないか。すなわち現在はおおむね五%程度の昇給でございますが、新制度におきましては、かりに昇給原資が削られるとか、あるいは別途の何かそこに非常に障害が起きてくれば、これは話は別でありますけれども、現在と同様であるということならば、むしろ多少でも昇給率は上る、このようにわれわれは考えております。
○委員長(亀田得治君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(亀田得治君) 速記を始めて。 他に御発言がなければ、委員会は、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十六分散会