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25回国会参議院1956/12/11

大蔵委員会 第8号

発言数
79
登壇者
9
会派数
3
開催日
1956/12/11

会議録

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) これより委員会を開きます。  議事に入るに先立って、委員の異動がありましたので御報告いたします。  十二月六日付をもって市川房枝君が委員を辞任され、その補欠として鮎川義介君が委員に選任せられました。また、十二月十日、藤原道子君が辞任され、栗山良夫君が委員に選任されました。     —————————————

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) それでは本日は租税及び金融等に関する調査を議題といたしまして、租税に関する件を問題に供します。  まず、昭和三十一年度の税収につき、現在までの実績、将来の見通し等について、大蔵当局より説明を聴取いたします。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 本日はおそくなりまして申しわけございません。  お尋ねの税収のことでございますが、まず本年の十月末までの数字につきまして申し上げます。お手元に差し上げてある表についてごらんいただきたいと思います。  各税並んでおりますが、総体ごらんいただきますためには、一番下から四行目に、一般会計分の計というのがございます。この行を横に各欄ごらんいただきたいと思います。まず最初の欄に予算額というのが入っております。八千二百六十七億、十月分というのがありまして、十月末の累計収入額が四千九百九億円ということに相なっております。そうして予算額に対する収入割合は五九・四%、その右は前年の同じ時期ではどうであったかという数字でございますが、その前年は、ごらんの通り予算額が七千九百八億円、カッコの中にありますのは決算額でありまして、七千九百五十九億円、予算よりも約五十億円ばかりよけい入ったわけでありますが、その右に前年十月末の累計収入額四千二百五十六億、その収入割合は、予算に対しましては五三・八%、決算に対しましては五三・五%、五三%台の数字であったわけであります。本年度は、ただいま申しました通り収入割合が五九%でありますから、六%ばかりオーバーいたしております。  中でどういう税が特に伸びているかというのは、ただいま申しました収入歩合の今年度の欄と、それから前年同期の欄とを対照していただきますと、大局がごらんいただけると思います。  所得税源泉分は、前年五八——九というのが六六と、全体の伸び行きが約六%でありますから、大体それ程度、あるいはそれに若干上の伸びを示しております。申告分は三三——五というのが四〇になっておりますから、まあ平均に近い伸びで、法人が前年五〇程度のものが五五ということに、若干平均を下回り、それから相続税、再評価税というのは、額が小そうございますから飛ばしまして、酒税は前年五八というのが五九でありますから、これは大体同じ程度ということになります。それから砂糖が五五とか七とかいう前年の数字に対しまして六〇ですから、これも平均よりは少い伸びであります。揮発油は五〇——五一に対しまして五八・六ですから、平均より上の伸びであります。物品税が五六——七の収入比率でありましたのが六五ということで、非常に伸びております。次に、取引所税の分は、非常に率は伸びておりますが、額が小さいので、次の三つばかり飛ばしまして……、関税が非常に大きく伸びております。前年の五四——四九という収入歩合に対しまして六九近くになります。それから一番下の印紙収入が五五——五八というのが六七、これも相当大きく伸びております。  ごらんのように、直接税の系統では、大体平均程度でありますが、まあ平均は相当大きな伸びでありますから、これは反面やはりこの辺で、額も、ベースが多い税種目でありますので、この辺で大きく額としては増収がある。  間接税の系統では、大体消費の趨勢が落ちついて、需給も見通せるというものにつきましてはあまり大きな伸びはない。酒とかあるいは砂糖といいますように、まあステディな伸びでありますが、物品税は非常にこの分野での消費が動いておると申しますか、伸びているというようなことを反映しているのだと思いますが、非常に大きく伸びている。関税は、もう御案内の通り輸入が非常に伸びておりますので、そういうような関係で非常に大きく伸びているというふうに考えられます。  総体いたしまして、予算に対する割合は前年よりも六%ぐらいふえている。実額にいたしますと、また下から四行目に戻っていただいて、四千九百九億という本年度の十月末の累計額を、前年同期の四千二百五十六億に比較していただきますと、六百五十億ちょっと、六百五十三億という数字でありますが、それだけ前年の十月末の累計に比べてふえているわけであります。  ここから本年度一ぱいの見通し、それから来年度への見通しということになって参るわけでありますが、これから本年度の見通しを立てます場合に、まず予算が前年より三百六十億ふえております。前年の決算額に比べましても三百億余りふえておりますので、ただいま申しました六百五十三億の増のうち、予算のふえた分、つまり三百億程度というものは、これはまあふえなければ困る数字でありますが、その上に出まして三百五十億というものは、今後の十一月以後の税収が前年の十一月以後の税収と同じであれば、それだけは確実に本年度の自然増収になり、さらに今後十一月以後の収入が前年の収入実績よりも総体として上回れば、その上回った額だけがそれにプラスされるということであります。来年度につきましては、その本年度の見込みをもとにして、生産、物価、雇用その他の条件を考えまして推測いたすわけでありますが、ただいまのところ、私ども本年度も相当自然増収になるだろうと思っております。つい、この間まで本年度五百億、来年度千億の自然増収は確実にあるというふうに申して参りましたが、それではとてもとどまらぬような様子でございます。ただ幾らという数字を最終的に見込みますためには、まだ私どもの勉強も熟しておりませんし、いろいろな条件もございますので、ただいまのところでは、今年度五百億を若干上回る自然増収がある。来年度は千億を若干上回るという程度で、確実に幾らという点は、もう少し勉強も熟して、いろいろな条件も入れまして申し上げたいというふうに思っておるわけでございます。  一応、簡単でございますが、説明を終りまして、御質問があれば、なお申し上げたいと思います。

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) 質疑を行います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 今の御説明で少し足りない点があったのです。所得税と法人税、印紙収入などが昨年の同期と比較してふえている理由はどこにあるのか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 直接税の系統、特に所得税、法人税というようなところにおきましては、概括して申しますれば、本年度の今までの経済の発展が予期以上に大きかった。そして国民所御も予期いたしましたよりもかなり大きく伸びそうだということでございます。これはまあいろんな隘路といわれるものが出てきて、輸送も追いつかないというふうになってきているのでありますが、まあ非常にうまく伸び過ぎて、そういうようなところで隘路が出るというほど伸びて参ったというようなことから、この辺で増収が出てくる。その中で一番顕著にやはり影響を受けて出るのは法人関係の税であります。法人税であります。これはもう御案内の通り、物価が若干上りぎみである経済活動が非常に盛んである、こういう時期においては、法人の所得というものが、経済一般が伸びる割合よりもむしろ強いくらいに伸びて参るものであります。そういうようなものを受けて、法人にかなり顕著な堅実な増が見られる。  それから所御税におきましても、やはり賃金の伸びというようなものが、当初見込みましたよりもよけい出ております。御案内の通り所得税は、所得が伸びますと、その伸びた割合よりもかなり大きな割合で税は伸びる。これは控除の関係、それから税率が累進的になっているというような関係もありまして、相当大きく伸びて参るわけであります。それらがからまりまして、こういう伸びを示しているというふうに考えます。  それから印紙収入の方は、資録税、骨ぱい税、その他印紙で収入いたしますもろもろのものが入っておりますが、これらも経済の活況を映して伸びているというふうに見ております。大体でございますが……。

平林剛日本社会党

○平林剛君 概略、今の御説明でわかりましたが、自然増というのは、そうすると大体現在の見込みでは本年度約五百億円くらい、そういうふうに今お話を聞いたのですが、さらに税目に区分けすると、どういう方面に多い見込みか、その点をおわかりになっておればお示しを願いたいと思います。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) ただいま五百億円と申しましたのは、最終的な数字で五百億と申し上げたのではございません。今の段階では五百、本年度五百、来年度千は確実に出る。それよりも若干というのは、ごくちびっとでなしに、かなりというと言い過ぎですが、若干ふえるだろうと思っております。そこで、その顕著な増を示す見込みは、やはり所得税における源泉関係、申告分もごらんの通り収入歩合が伸びておりますが、額としては元が源泉の三分の一以下でありますので、絶対額としてやはり源泉と法人、この二つがやはり大きなアイテムだ、いわばこれが双壁だと思います。あとはこの間接税各税のうち、揮発油、物品、それから関税、印紙収入というようなものではなかろうか。なお酒税も元額が大きいですから、これで率はあまり伸びておりませんが、額としてはやはり酒税でもある程度の額は出るのではないかというように考えております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 その自然増は本年度五百億、来年度一千億は確実にある。なお、十一月ごろの見込みにおいて、昨年の同期から比較してくればまだある程度ある、今の御説明でいいますと、なお若干あるというお話でありますが、その若干あるというのは大体どのくらいになるか、見込みは全くつかないというわけじゃないと思いますけれども、どのくらいの若干あるということになるか、その点をお話し願いたいと思います。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 今までで五百という意味じゃないですよ。前年度見込んで五百はある。その上に若干あると申し上げているわけであります。若干については、今申しましたように、もう少しいろいろな条件を入れてはっきりした上で、まあ私が自然増収幾らあるということを最終的に申し上げるということは、相当何といいますか、諸般の状況を入れて申し上げないといけませんので、十分慎重に申し上げたい。その意味で最終的なことは本日は差し控えさしていただきたいと思うわけであります。ただまあ若干を何十億という程度かということを聞かれますれば、そうではなかろう、やはり五億という位には上るだろうと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 若干あるというのは、今あなたの立場としては百億円程度というお話があったのでありますが、私、日本租税研究協会の第八回研究報告大会円卓会議の趣意をちょっと見ておるというと、どうも大蔵省の自然増収の見積りは、過小見積りのある点が指摘をされておるようで、その中の有力な意見でも、大体本年度の自然増収は約八百億円くらいあるのではないか、来年度においては所得増加の割合を四%と見ても、大体千二百億円くらいの自然増収は見込めるではないかという意見があったように書かれておるわけでありますが、あなたの今のお立場と、この説と、どうでしょうか。大体その辺まで行けるかどうかという点を差しつかえない範囲において一つお伺いしたい。大体例年こういうことをお伺いするのですけれども、どうせ来年度になればわかることです。いつも記録をとってみるのですが、政府は控え目に控え目にお話しになっておって、三月になるというと、やはりこういう説の方が勝っているわけですね。こういう点では、皆さんの立場もあるかもしれませんけれども、今、来年度のいろいろな方針なり政府の政策なりで、これにかなり期待を持たれておるときでありますから、もう少しはっきりした点をお聞かせ願いたいと思うのです。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) ただいま大へん表現の仕方が、何といいますか、まずかったので、百億と私が申したのは、百億の台と、位に上るということです。ですから七百とか八百という見込みがありますが、そういうものは荒唐無稽だとは思いませんが、それが何という数字になるかということは、しばらく差し控えさしていただきたいということであります。従いまして、ただいまの来年度の千というのも、千二百というのも、これは決して荒唐無稽とは私ども思いません。ただいまの段階ではその程度のところで一ついろいろお考えをいただきたい。なお付言いたしますと、来年度千とか千二百と申しますのは、これは御承知だろうと思いますが、くどいことを申すようでございますが、本年度の予算額に対してそれだけということでございます。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 簡単に一つ原さんからお伺いしたいのですが、こまかいことはまた後刻お伺いしたいと思います。一体減税を千億してくれたことはけっこうでございますが、その財源を埋めるために住民税をふやしたり、それから地方税に財源を与えるために農村からいろいろな税金を取らせるような方法を暗示させてみたりしておる。まことにありがたいような迷惑なような話であります。そこで私もだんだんと諸君の政治のやりくりというものがわかってくるような気がするのでございます。特に主計局でなくて主税局の原さんにこういうことをお伺いすることもどうかと思うのでございますけれども、一応関連を持っておる政府当局といたしまして、参考のために聞いておきたいのでございます。そこで減税等に対する財源の勧業については大蔵当局首脳部の打ち合せがあると思うのであります。ところが減税による財源措置として物品税を増やそうとしておるのはどういうわけでしょうか。たとえば和、板紙、すき紙、こういうものの物品税を新設企画してみたり、まあその他にも大衆課税をしています。これでは一体何のために減税したのか理解に苦しむのです。直接的には減税だが、間接的にしぼるやつはわからんから、そうしようと、する苦肉の財政措置と私どもしろうとは受けとれるのですけれども、さようなことについて当局の間においては、それが大衆税に転嫁することを承知の上でやったんでございますか。またやろうとするのでございますか。その点を一つよくお伺いしたいと思います。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) ただいまの点は私どももちろん研究いたしておりますが、昨年夏以来臨時税制調査会というものができまして、そこでいろいろ御研究になっておりまする中の線の大きなものの一つが、ただいまお話のようなところになるわけでございます。これにつきましては、近々、調査会も結論を出されて答申を出されると思いますが、政府としましてはその結論を伺った上で態度をきめたいと思っております。従いまして、私が今政府の態度として申し上げるというのでなくて、どんなような意味合いでただいまお話のような線が問題になっておるかということを御紹介申し上げたいと思います。  まず、今度調査会が取り上げております税制改正の一番本命の目的というのは、租税を国民の負担にたえ得るものにするということ、それは端的には直接税、特にその中で所得税の負担が重くて、かつ非常な矛盾を生んでおる、そこを、抜本的に直そうということであります。同時に税制全般につきましては、しかも中央のみならず、これに関連して、地方の分についても、この際根本的に考え直そうという角度でやっておられます。そこで、本題の、なぜ所得税はまけるのに物品税は増徴するというような議論が出ているかということでありまするが、それはまあいろいろございますが、大きく申しまして、一つには、所得税があまりに重過ぎますと、なかなかそれの実行がうまく参らない。国民も非常に負担に耐えかねまするし、また、納税者の納税態度というものも自然にきちんとしない。また税務署の方の執行もうまくいかないということで、まあ給与所得者は、概して源泉できちっと取られてしまいますが、事業所得、農業、営業を含めた事業所得では、なかなか正確な課税関係が成立するのがむずかしい。つまり、簡単に言えば、不十分になる、また不公平になるという面が相当あるというようなことも考えられて、その結果、税の重圧、不公平と、それから勤労意欲、企業意欲というものを阻害するというようなことにもなっているということを考えて、それを大幅に減らし、合理化して、納税者がうなずいて納められるようにしようというのが中心でありますが、それとうらはらをなしまして、そういたしますると、面接税がだいぶ減って参る、それだけ、間接税の比重はふえるわけでありますが、間接税の方はどうかというふうに見られて、今の日本の間接税体系では、まあ酒と砂糖、それから「たばこ」というようなものが間接税となっておりますが、この三品目が非常にウエイトが大きくて、物品税の他の各品目の負担と、酒、たばこ、砂糖における税の負担と比べますと、だいぶ大きな隔たりになっておる。同時に、物品税の系統においては、かなり消費を通して、担税力を測定できるものが相当ございます。そういうような部面については、しかもそういう消費が近年非常に質においても量においても伸びてきているということは、これは耐久消費財の生産がなかなか需要に追いつかないというようなところでもごらんの通りでありますので、そういうことを考えて、この際、間接税体系のいわば構造を広げるというふうにもっていった方がよろしい。そこで、耐久消費財の消費に税をかけるというようなことは、一方で所得税の方では減らすが、やはり相当な所得のあるところでなければ買わないというようなものは相当ございます。それによって、うらはらで、全体として所得税は納得して納められるように、そのかわりに片方で補って、全体としての課税体系としては、現在よりもより公平なものになるだろうというような考え方、あまり長く申してもあれでありますから、申し足りない点が多々ございますが、大きく申しますと、そんなような考え方で議論が進んでおる次第でございます。

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) それでは速記をつけて。  専売事業の問題に議題を移します。

平林剛日本社会党

○平林剛君 実は、私は、公共企業体等中央調停委員会から日本専売公社の労使双方へ提示された調停案に関する紛争の問題に関連をして、若干公社の責任者である総裁にお尋ねをしたいと思います。  現在専売公社の労使間において、この調停案の実施をめぐって紛争が続いておると聞いておるわけでありますが、その原因と、現在の状況について、この際、委員会にお話を願いたいと思うのです。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 本年春調停委員会の調停がありまして、この問題が提起ざれたのであります。専売公社といたしましては、まだ客観的の諸情勢がととのっておりませんので、いかんとも仕方がない。これによって労使双方間に先日来交渉いたしております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 きわめて簡単なことで、初めて聞く人には何だか少しわからないと思う。その点もう少し丁寧に御説明を傾いたいと思うのであります。あなたのお話によると、今年の三月調停委員会から提示された調停案の一体どこが問題となっておるのですか。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) あの調停案で、組合側はベースアップを主張いたしておるのでありますが、その点につきましては、私どもは必ずしも今にわかにベースアップをしなければならぬと考えておりませんので、適当の時期に諸般の情勢がととのったならばそのとりなしをしよう、こういうのでお話し合いをいたしております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 そうすると、調停案についての第一項が問題になっておるというふうに理解してよいわけですか。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 私、今調停案をよく覚えておりませんが、お説の通り、第二項の問題が問題になっておる、こう了承いたしております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 どうも紛争の当事者が、紛争の中心課題になっておる調停案をよく覚えておらないでは困りますね。そういう態度だからなかなか問題の焦点がしぼられてこない、紛争が長びくんじゃありませんか。私は、この調停案は、三月三日付で出されたように記憶をしておるわけであります。きょうはもう十二月の半ばに近くなっておる。それにもかかわらず、その問題の進展がないという理由は、今抽象的な言葉で客観的な諸条件がととのわないからだというお話がありましたけれども、少し専売公社の責任者としては、今の御発言は適当ではないと思うのですが、三月三日に出されたのがいまだに解決できない、しかも、その条件についてよく覚えていないでは、どうも責任者としては困ります。その点はどうですか。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 先ほど私の言葉が足りないので、平林委員のお叱りをこうむりましたが、今ここで資料を持っておりませんので、その字句を一々記憶していないという意味のことを申し上げた。第一項の問題は、組合側は、これをベース・アップであると言っておりますが、私の方としては今にわかにベース・アップをすべき時期ではない。諸般の情勢がととのったところでやればいいことである。こう申しておるのであります。

平林剛日本社会党

○平林剛君 調停案の第一項の問題については以前から政府との間に議論があったところでありますから、きょうはこれを繰り返しません。しかし「公社職員の賃金は、その業務の、実態より見て、必ずしも適正なものとは認め難いもので、適当の時期にこれが改善の措置を講ずること」というのが提示をされ、専売公社もこれに受諾の意思を表わして、調停事項に関して労使双方の交渉が始まっているはずであります。最近人事院勧告が出されて、国家公務員に対しての措置も政府に対して勧告をされております。こちらの七月に出された人事院勧告の方に対しては、政府の方は大体来年の二月ころは、めどをつけるという、ある大まかな線ではあるけれども、方向が示されてきておる。大蔵大臣もここにおられますけれども、大臣も年度内においてかなり明確な答えを関係方面になされておる。ところが三月に提示された調停案に対して、当の責任者である総裁がまだ適当な時期とか、客観的な諸条件がととのわぬとかいう言葉でおられるということは、どうも私は合点がいかないわけです。時期としても相当たっておる。あとから出た人事院勧告に対して政府もかなり思い切ったことを言っておるのに、あなたの方に提示された調停案については依然として明確な結論がない。これはまことにあとのカラスが先になっちゃったようなものですね。その点ではどうも紛争を長引かしている理由というのが私には納得がいきませんけれども、そういうことは結局公社自体の解決能力が足りない点にあるのか、あるいは怠慢であるのかという点が、私どもわからないのですけれども、その点を一つお答え願いたいと思います。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 組合が申しておりますようなベース・アップの問題でありますれば、私どもとしては給与予算の財源もないことであり、かたがたもって、にわかにいたし方ない。諸般の情勢がととのえば、できるだけそれは講じていきたいとは思いますが、いまだその時期に達していない。御了承願います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私、きょうはあまり時間がないので、深く細かいところまであなたの御説明を聞く余裕はないわけです。しかしどうも調停案を受諾したときの公社の気持が、今日までおくれているのは、諸般の事情もあると思いますけれども、安易な考えをもって労働組合にも臨んでいるような気がしてなりません。やはり紛争というものの解決には、当事者である公社の方も、もっと誠意をもってその趣旨を実現できるように努力をすべきだと思うのでありますが、現在調停案が実施できていない理由は双方の意見が対立しているということもあるでしょうけれども、そのほかに何か原因があるのでしょう。あるいはその後何ヵ月か労使双方の交渉も続いておるわけでありますが、現段階において障害になっておる理由はどこにありますか。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 現段階における障害の理由は、結局給与予算がないということと、諸般の情勢がいまだそこに達していない、この二点であります。

平林剛日本社会党

○平林剛君 諸般の条件が達していないというその諸般の条件とはどういうことですか。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 物価指数なり、またほかの三公社五現業なり、また公務員なりの方がいまだそこまで段階に達してない。専売公社だけ予算もないのに先走りするわけにも参りません。それが諸般の情勢です。こう申しておるのであります。

平林剛日本社会党

○平林剛君 まあ物価の点について一つの理由をあげられたが、この三月三日の日に調停委員会から、「業務の実態から見て、必ずしも、適正なものとは認め難いので、適当の時期にこれが改善の措置を講ずること。」というように出されておりますから、ある程度この趣旨は尊重されていかなければならぬ。その他の客観情勢は私ども理解ができます。たとえば公社の予算がないというような点については、政府全般とともに考えていかなければならぬ点でありますから、その点は私どもはこれを理解ができるわけです。それは客観条件の中でも、すでに国鉄の労使双方に出された調停案についてもほぼ結論がついてきた。けさの新聞を見ますと、電通職員に対する調停案も大体結論がついた。加えて政府も国家公務員に対して人事院勧告の大体の方向を明らかにしてきておるという工合に、私は他の情勢については機が熟しつつある段階でないかと見ておるわけであります。あなたの現在の所信を伺いたい。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 国鉄がどういうことをされたか、電通がどういうことをされたか、いまだに正式に聞き及んでおりませんので、その点については私どもとしては申し上げられません。調停案に「適当の時期」ということがありますので、今直ちにやれとは……各般の情勢がととのうたときにこれを考慮するというように私どもは考えております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私はこの際、専売事業の労使紛争についての決議案を提案いたしたいと思います。  ただいま専売公社の総裁と一問一答をやりましたけれども、専売公社当局も調停案に示されたものを受諾しております。ただ諸般の情勢がととのわないために紛争の解決がおくれておるというお答えがあったのでありますけれども、元来調停というものは、労使双方がこれを尊重して紛争がすみやかに解決される、そうして専売公社は国家の歳入面において重大な責任を負うておるときでありますから、大局的に見て一日も早くこれを解決して、国家の歳入に対し支障のないように努力をすべき義務が私はあると思います。こういう意味におきまして、現在行われつつある専売公社の労使双方の紛争を一日も早く解決できまするように、関係者も政府においても一段と努力をしてもらいたい、大蔵委員会としてこれを関係当事者と政府に対して要望したいと思いまして、ここにこの決議案を上程するわけであります。決議案の内容を読み上げまして皆さんの御賛成を得たいと思う次第であります。    決議案  年末繁忙期における専売事業の労使の紛争が、財政収入及び国民生活に与える影響は大きいと認められるので、この際昭和三十一年三月三日付調停案第二十九号を以て、公共企業体等中央調停委員会より、日本専売公社の労使双方へ提示された調停案の趣旨を尊重し、速かに事態の収拾を図るよう、政府においても善処することを要望する。   右決議する。  以上が内容でございまして、何とぞ各委員の御理解ある御賛同を御たいと思う次第であります。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 ただいま平林君から御説明のありました決議の案文、これは当然のことでありまして、すみやかに調停案の趣旨を双方尊重して、妥結のために全力を尽されんことを希望して、平林君のただいまの御意見に賛成いたします。

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) お諮りをいたします。  ただいま平林君より提案されました決議案を、本委員会の決議とすることに賛成の方の御挙手を願いたいと思います。   〔賛成者挙手〕

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) 全会一致であります。よって右の決議案を本委員会の決議とすることに決しました。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) 速記をつけて。  ただいまの決議に対し、政府側から発言を求められましたので、この際これを許します。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) この問題につきましては、公社でただいま善処中でもありますし、なるべくすみやかに解決されることを政府としても期行いたしておるのでありますが、ただいま御決議にもありましたので、十分政府におきましても御趣旨を承わって参りたいと思います。

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) それではちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) 速記をつけます。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 大臣に対しまする質問に対しましては、委員長から御注意がありまして、ほかの委員からも要求されておるようでございますから、私は大臣に対する質問は、その際になるべく関連をしていたしたいと思います。ただ質問の継続からして、一応大蔵当局に質問を重ねたいと思います。  先ほど原さんの御答弁はわかったようなわからないような状態でありますが、私は先ほど一つの例として、大衆課税へ転嫁しようとしているという例で、和紙等の物品税の例をあげたのですが、さらに驚くのは、今不振になっておる、不振産業として深憂にたえない産業に蚕糸業があるのです。ほとんど外国への輸出も段々少くなっておる状態でございまして、政府みずから糸価安定法というような法律まで作られて、その対策に腐心しておる状態であるのであります。しかるに、さような政府が腐心をし、対策を講じておる際に、逆に、蚕糸業の困るような財政、税制の方針を、一体臨時税制調査会で答申したとの事。しかしそれにしても、政府は幹事役をやっておるのですよ、事務当局は。してみれば、今日までの蚕糸施策の経緯から見ても、法律の経緯から見ても、食い違うし矛盾である。むしろ幹事役たる政府当局は、十分考慮をしてもいいのじゃないかと思う。それを今度の生糸の値段に五%も税金をかけよというのは、一体何たる粗雑な考え方か。実際了解に苦しむのです、これは。大蔵当局の方々は、一萬田さん初め、有能なる人材を網羅されておるということを聞いておる。私はさような論理の不徹底、割り切れぬことをこの賢明なる大蔵当局の諸君が考えるにおいては、全く承知ならぬことだと思う。むしろ頭がどうかしておりはせぬかと思う、これは。  そこで、そういう矛盾の政策を臨時税制調査会でやっているようですが、それに対して、あやまちといいますか、間違ったような調査会の方針に対しては、論拠がないし、承知ならぬのでございます。こういう点において、あなた方が一千億の減税といっても、かえって大衆はむしろ農村へのし寄せがくるということで、非常におびえ、且つ農村は激高している状態です。一萬田さんのお耳にも入ったことと思う。さらに承知ならぬのは、一体農村から事業税を取ろうなんということをこの調査会の諸君は考えているらしいが、とんでもない考えだと思う。この点に対してはすでに原会長にも一応意見書を出してあります。さらに大蔵当局にも日本農民組合が、農民を代表して陳情もし、大臣の手元にも届き、平田次官の手元にも届いていると思うのであります。一体農村から事業税を取るというのは何ごとなんです。一体農村は、さもなくても固定資産税という、土地や建物や豚や鶏までに財産税で取られているじゃないか。そのほかに住民税を取る。特に営業者の諸君は昔から事業税というものは、営業税として取られておりまして、今日改名されて事業税を取られているのに、農民は仕事をやっているのになぜ事業税を取らないかというが、しかし、たんぼや畑や、あらゆるものに財産税を取られている。しかも高額な固定資産税を取られている。その評価の見積りもばかに高くなっている。一体それでたくさんじゃないですか。それで一体農業は税金で一ぱいなんです。ところが礦工商業と同じようにそれに取れというのですが、それならば工商業の諸君はたんぼ持っているか、畑持っているか、そういうものは持っていません。そこで農業はそういう二重、三重の課税をするというと、とても農業の維持、いわば産業の開拓というようなことに対しては、全く支障を来すのであって、かような略奪きわまる事業税を取るという考え方は、非常な矛盾であるし、基本的人権の脅威であって、大きな誤謬であると思います。今申しましたように、中小商工業者から営業税を取る。農業は取らぬ。そのかわり昔は地租というものを取られておりましたから、それと見合って率多く税金を納めておったのです。明治時代などは、地租によって大半は日本の財政の経理の基礎にしておったのじゃないですか。このごろは、それは所得税になりましたけれども、今の固定資産税なんというものは、中央から金を出せないから地方へ財源を与えてやる、それには農村人から固定資産税を取れといって、中央から方針をさずけている。大蔵当局は自治庁との間において打ち合せてやったのじゃないですか。そういう財源でもって、それで地方の財政をまかなっていけという相談くらいやったんじゃないのですか。それからさらに税制調査会からの答申があるからといって、それを取り上げることに対しては、絶対承知できませんし、さようなことをするならば、農村、農民といたしましては恐るべき事態が起ってくるということを御承知願いたい。さらに私は大臣がきておりますから申し上げておくのでございますが、ひどいじゃございませんか。二十八年度の国の予算のうち農林予算というものはその一四・八%、二十九年度においては九・五%、最近におきましては六・八%じゃないですか。農林予算というものは。いかにいっても私は、独占資本に奉仕するとはいいながらも、知ってか知らないでやるのか知りませんけれども、農村におけるところの農業の税金の納め力は、政府の統計から知り得る範囲におきましては、一番成績のいいのが勤労者、次にいいのが農民、納入成績は九八%、労働者は源泉課税で月給からとられてしまうから一〇〇%、その次には純朴な農民、失礼な話でございますが課税の優遇をされておりながらあまり成績のよくないのは法人税、これは大臣がもうちゃんと知っておるはずだ。その方に対しましては今度の税制調査会は、また特別措置法等については特に優遇してやろうというのでございますから、まことに解せぬ点がたくさんある、あまり苦情ばかり申してまことに相済まぬわけでございますが、農民の心中もお察し下さって、特に蚕糸の問題については、廣瀬委員長なども山梨県だから十分経験もしておる。私は泣き言をならべるわけじゃあございませんが、いかにいっても農業へのしわ寄せがまことにひどいのでございます。  さらに入間野専売公社総裁がおられますから私は申し上げておきますが、この葉タバコなどもそうです。葉タバコなども私が先般四国の徳島に行きますと、徳島の山城谷村におけるタバコ耕作組合におきましては、大体収納金が、本年度はここにおきましては約五十八町二反八畝、それで大体耕作者は七百四十戸であります。一戸あたりが平均六万五千円となります。前年度よりは少し上回りました。しかし一反歩この積立金というものが二千円ずつ取られる、肥料や資材等が上って参ります。本当の実質収入というものは一反歩について四万三千円という数字が出ておる、一体四万三千円で、これが一反歩ですよ。その平均は、一村における平均というものは約四反歩でございますから、まあ十六、七万ですか。ところがこの内容を見ると必要資材の外にその積立金、税金、こういうものを差っ引くと、生活は容易ならぬ事態をきたしておるのであります。それで、これに対しても最近は検査制がやかましくて、農民はもうほかの仕事をやりたいと思うのでございますけれども、転換をするわけにいかぬ。そこで非常な苦しみながらも生きのびんとしている実情でありまして、特に収納金などに対しましても専売公社総裁は十分考えて、他の農作物、換金作物との比較対象などを考え、そうして今の労働者の要求にこたえると同時に、あなた方は今日大きな国の間接税財源たるたばこの生産者農民を大事にする施策も考えなければならぬと思うのであります。こういうように、これはひとり、農民といいましても、たばこの耕作農民に至るまで国の財源をなすところのこの生産者階級は、農民は、あの手でぶんなぐられ、この手で引ったくられ、踏んだりけったりという状態に置かれておる。私はこれ以上泣き言は言いません。が、言えば数限りはございません。どうか幾ら独占資本に奉仕する政府とはいえ、少しは百姓の身にもなってもらいたい。そういう意味で一つこの際、私は詳しいことについては、いつかの機会にまた十分一問一答で一つ論戦をし、政府の所見をお聞きしたいと思うのでございますが、きょうはいろいろとあとの方々もおいでになりますし、これ以上私は質問いたしませんが、これに対しまして大臣とそれから専売公社総裁、この方からお答えを願いまして、今後どういう所見で税制調査会の答申に臨むという考えであるか、この心がまえを二つお伺いしたい、こう思うのです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私はこの日本の経済の状況、国民生活の現状等からいいまして、税制の改革をいたすべき時期であると考えまして、臨時税制調査会を設けて税制改革の審議を願っておるわけであります。これはむろん終戦後あるいは占領政策等いろいろありまして、相当私はこの税制についてはゆがめられておると思いますので、特に公平な見地から税制を見てもらいたいといって、今審議を願っておるわけであります。まだ答申をいただきませんが、答申が出ましたれば十分これに検討を加えて、その際に先生方の御意見をむろん私は尊重をいたしまして、御意見をよく聞いて、何でもむりをしようということは毛頭考えておりません。ただ私どもとして、納税者側から見ても、あるいは税制から見ても、いい制度を作りたい、こういうふうに考えておるわけであります。ただいまお示しの農業事業税、これは地方税でもありますので、自治庁あたりの見解もあろうかと思いますが、これにつきましても、日本の農業の特殊性もありましょうし、いろいろと広い見地からもこの答申に検討を加えたいと考えておるわけであります。その他税源に対する割当等もありましたし、これらにしても要するに角をためて牛を殺すようなそういう愚はいたさないつもりであります。ただそういう事柄が今日公平に税制を審議して下さっておるこの調査会でやはり問題になっておるということであります。従いまして今言うた趣旨について、広い視野から、同町にまた皆さん方の御意見を聞いて遺憾なきを期したいと、かように私は考えておるのであります。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) ただいま、たばこ耕作に関してお尋ねがありましたが、全国で耕作者の数が四十四万人以上ありまして、これらの人々が七万七千町歩のたばこ畑を耕作しております。私は常にこれらの人々が私どもと一緒に専売事業の一翼をになっているものである、ともに専売事業の発展に寄与している人々である、こう考えますので、これらの人々の幸福は日夜これ祈っておるわけであります。本年はまだ収納途中で明確にわかりませんが、昨年平均いたしまして反収は五万七千円に相なっております。御承知の通りたばこ作物は手数もかかりますし肥料もかかりますので、ほかの作物と同じわけにはいきませんが、換金作物として平均の収入五万七千円、多い人は十二、三万円もとっております。この程度の平均収入が、換金作物があれは、農家はむしろ喜んで作ってくれる。また私どもは常に地方に行っても、耕作者の人にも会い、またこちらでもその代表の人々にも会いますが、いずれもさまで不満を申し述べない。むしろ、たばこ耕作を弄んでやって下さる。そうして専売事業の発展に寄与してもらっておる。こう考えております。従いまして私は耕作者を搾取するようなことは考えておりません。できるだけこれらの人々も、また、たばこ小売人の人々も幸福であれかしと日夜祈っている次第であります。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 総裁、それじゃいかないのです。そういうことじゃ……。そのぶっきらぼうの形式答弁はやめましょうよ。私はそういう意味であなたに聞くのじゃないのです。農民は満足しておるとか言うが、農民があなたに対して不満だと言う人はないでしょう。けれども、やはり下の声というものは、あるいはあなたたちに直接言えないことがあるのですよ。それはやはりわれわれが接触している、われわれにはいろいろなことを話すけれども、やはりあなた方にはいろいろの意味でやはりこわがっているんですよ。ここであなた方と私どもが質疑応答するようなわけのものではないのですよ。非常に農民は言いたいことも言えないことがあるのですよ。ですから、そういう声を私はここにうつしておる。たとえば、あなたが平均で言うところの五万幾らにしても、一反歩で五万幾らで、大体五反歩なんという耕作者は少いのですよ。御承知の通り大体三反歩、四反歩、ほとんど賃収入のない人々がやっておるのです。福島県へ行っても長野県に行っても、どこへ行っても同じですよ。ですから、そういう諸君は、賃収入がないから、そういうふうにがまんしてやっておるのであるが、がまんしてやっておるから、それでよろしいというふうに、ものを考えられては困ると私は言うのです。そこで大体見てごらんなさい。とにかく五万円にしても、三反歩にして十五万円じゃないですか。十五万円の年収、それを年の収入の主な財源としていく農民が、今日の物価、今日の経済の状態から見て、大体十五万円や二十万円で、それで安心していけるというような、そんな社会経済的感覚でおられたのでは、それでは総裁困りますよ。それだから私はあなたに強く強く、私は何も悪いと言うのではないが、しかしこの農民の気持を考えて、特に大蔵大臣もおる際であるから、私は大蔵大臣にも聞いてもらいたいし、あなたにも聞いてもらいたい。  こういうことで、一つ私は生産者の地位というものをもっと優遇していくことによって日本の財源も、たばこの財源も確実になってくるし、同時にいろいろと優秀な換金作物ができてもそれにすぐ転換しないように、このたばこの耕作に従事することができるのであるから、そういう点について私は考える必要がありゃせんかというのです。ですから、もしあなたが五十万円で満足しておるというような考え方であったら、今日の委員会はこれから継続して数学的に質問していこうと思う。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 関連して。  今、野溝さんからお話がありましたがね。入間野さん、あなたの方は、百姓は満足している、野溝さんの力はそうではないというお話がありましたが、ここでちょっと念のために聞いておきますがね。一体日本の農作物の中で、これを農民の労働時間当りの収入で計算した場合には、たばこがどういう地位にあるかということをあなた御存じであるかどうか、それだけ私はお聞きしたい。というのは、野溝さんからもお話があったように、農民としては自分の余剰労力というもののはけ場がない。従ってどんなに安くてもそれに飛びつかなければならないという状況が多いわけであって、一体稲作では労働時間当りの収入が幾らになっているか、あるいは麦では幾らになっているか、甘藷では幾らになっているか、たばこでは幾らになっているか。もちろん専売公社の総裁としてはそういうことを十分御承知して先ほどのような答弁ができていると思うが、その点どういうような認識を持っているか、お聞きしたい。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) ただいまのお尋ねにお答えいたします。私は耕作者諸君が必ずしも満足しているとは考えておりません。できればできるほど多いのを望んでおることを了承いたしております。また公社といたしましても許す範囲においてできるだけのことはいたしておるつもりであります。なお労力の問題がありましたが、先ほどもちょっと触れましたように、たばこ作物は平均五万七千円の収入があるけれども、労力及び肥料はほかの作物よりもよけい使っているということは承知いたしております。ただ、ただいまもお話のように、余剰労力と申しましょうか、比較的手のすいた人でもできる労力でありますので、その点しんぼう願って今の価格にきめておる、こう御了承願いたいと思います。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 くどいようになりますが、どうも総裁、センスというか、あれが非常に違っているように思うな。どうも農民といえば、たばこ耕作農民だけが農民であり、また農業であるというように考えられたのでは困るので、私はくどくど言いませんが、実際に総裁はまだほかの農業の状態を知らないようです。失礼だけれども。だから知らないことは知らないでいいんだよ。いいから、一応調査してみて、あらゆるものと比較調査をしてみて、さらに実際にたばこを作るような農民は実際貧農ですよ、大体において。それから地理的条件の悪いところですよ、大体において。ですから、そういうところの農民はさらに私は経済的にもう少しく優遇して、特に日本における三千何百億というものは、たばこの間接税でとっているのですから、そういう意味においても将来よい財源になっているのですから、この農民の地位を高めるために一段と工夫と努力を払って行くという御答弁がありますならば、私はそれ以上あなたをここで、一体、麦の値を知っているか、外国の麦はどのくらいだ、日本の麦はどのくらいだ、野菜はどんなぐらいだ、そんなことを聞いて、たばこ等を、あなたに聞くような酷なことは私はいたしません。しかしそういうような、少くとも自分の仕事、職域というものが、国家のために大きな任務を果しているという総裁の気持がありますならば、その果している基礎をなしている農民の地位を高めるために十分調査して努力したいと思うという答弁があるならば、私はあっさり引き下がります。さもなければ質問を継続します。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 先ほど来申し上げておりますように、私も農民の幸福は祈っておる一人であります。従いましていろいろのたばこ耕作について起きて来る問題はありますけれども、それについては農民に不利にならないように、利益になるようにと常に心がけて今日まで解決して来たつもりでございます。なお今後もこの心持をもって努力いたしたいと思います。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 実は大蔵大臣に、先般来問題になっておりまする下級たばこの品不足の問題でとっくりと御所見を承わりたいと思ったのですが、もう時間が迫っておりますので、今後の問題についてだけ一点御所見を伺っておきます。下級たばこがなぜ少くなったということについては、原料関係であるような説明でありました。まあ原料関係なのか、あるいは、ほかの関係なのかのせんさくは、一応やめておきますが、ただとにかく下級品が少いということによってどういう販売現象が起きて来るかというと、売り上げ代金はふえております。公社の売り上げ代金を見ても前年度に比べて六分程度の増加になっております。ところが数量は全然ふえておりません。数量は正確に言うと〇・六%とかで、ふえておらない。結局下級品の出回りが少いのですから、やむを得ず高扱品を買う。従って売り上げ代金はふえます。しかし数量はふえません。こういうことなんで、しかもこれは今の値段の配列、富士の五十円からゴールデン・バットの十五円に至る配列、それから差益と申しましょうか、専売益金の富士の方では五十円のうちで三十二円四十四銭の利益だが、バットでは十五円のうちで九円四十七銭の利益にしか過ぎない。こういうふうな、これはまあ公社の発表した書物にあるのですが、この定価の配列と収益の配列から考えますと、益金をうんと上げようと思うとどうしても高級品を売った方が割り徳だということになる。個々の数字でみても、バット三つ売るよりもピースを一つ売った方が手取りはよけいになる。こういうふうなのが今日の専売の価格のきめ方になっております。従って今後さらに益金をたくさんかけるということになると、今日以上に下級品が出回りが少くなって、上級品を無理売りをしなければならぬというようなことに追いやられはせぬか。その場合にどうなるかというと、今日では売り上げ高はふえても、数量はとんとんだということになっておりますが、さらにひどくなると、売り上げ代金はふえても数量は減少するというような現象が出てきはせぬかと思う。ところが、一体今日の日本で何が一番大切かというと、私は仕事をふやすことが一番大切である。少しでも仕事をふやして、少しでもよけいの人に仕事を与えるということが大切なんです。ところが専売公社が収益を中心にして、代金はふえるけれども数量は減ってもいいのだ、ふえないのだということをやりますと、仕事の機会がだんだん減ってくる。益金はふえる。売り上げ代金はふえる。従って益金はふえるけれども、数量が減るのだから、仕事は減ってくるというふうなことになってきますと、一番今日本で必要な仕事を作ろうじゃないか、人に就職の機会を与えようじゃないかということが益金を中心にした運営でこわれていくということになる。現に今年も専売公社の方では茨城の新営工場を作り、栃木にも新営工場を作って、いずれも六十億本の生産能力を持って、非常にりっぱな工場ですが、これが行ってごらんになればわかるように、半分以下の仕事しかしておりません。機械は遊んでおります。工場面積は遊んでおります。結局これは安いたばこを出さないで、高いたばこだけ出すのだから、消費の数量が減った、消費の数量が減ったから、公社の仕事がそれだけ減ってきておるわけです。で、公社の内部でそれだけ減っておるだけじゃなくて、それだけ数量がふえません、あるいは減りますと、公社に材料を供給しておるところの製紙会社にしても何にしても、材料の供給会社の仕事はふえないし、運送がふえない。さらには原料過剰を来たすからということで、今日来年度以降の耕作反別の減少まで来たすのじゃないか、反別を減らされるのじゃないかというようなことで、今日の農村では非常にこれが大きな問題になって、先般も全国の耕作者大会をやったというような事態になっておるわけです。これらいずれもが、収益を中心に考えて、売り上げの高がふえればいいのだ、数量はどうでもいいのだというような考えからきておると思うのでありまするが、一体大蔵大臣は、来年の予算を作り、あるいは今後の専売の運営をするときに、専売公社というものは益金だけ上げればいいのだ、仕事はどうでもいいのだ、数最は減って、公社内部の仕事が減り、関連産業が減り、耕作反別が減っても、専売公社の収益さえ上がればそれで専売事業としてはいいのだというお考えなのか。そうじゃないのだと、ほんとうを言えば専売公社の益金なんというものは一部のもので、それよりも、もっと仕事をふやす方が今日大切だというのか、その辺の御所見を伺いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) それはどっちか一つというわけでもないのでありまして、私の考えでは、まあ専売益金も出してもらわなくちゃならぬ。同時にしかしなるべくいいたばこを安く国民に上げなければならぬ。このことはやはりかね合いと思います。決してどっちがどっちというふうにも与えておりません。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 私の今申し上げたのは、益金というと、いいたばこを安く売れというのじゃないのです。販売数量を上げろということなんです。いいたばこを安く売らなくても、悪いたばこを安く売ってもけっこうなんです。数量の増加ということが仕事の増加になるんだが、それをどうお考えかということです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 言葉が悪かったかもしれません。私は益金という意味が、数量が減って高いものを売るというふうな意味にとりまして、雇用とも関連して申し上げたのであります。言葉が悪ければそれはほかの言葉で申します。私の今申し上げましたのは、やはりこの質の悪いたばこを、それをたくさんのましていいか悪いか、これは相当やはり問題がございまして、またそういうことをしたら、わいわい言うに違いない。やはり程度の問題で、私はなるべく安く、やはり方針としては、安くいいたばこというのがやはりいいと思います。そうした場合に、この雇用の問題がありますが、たとえばその安いたばこを非常にたくさん出せというのに、私の今聞いているところでは、だんだんこの原料は品種の改良なんかもされてだんだんいい葉になる、それで従来どうしてもこれはいいたばこになるというふうに言われているんですが、決して、たとえば具体的にいうと、新生やバットを買いなさいというわけじゃない。これもやはりまたかりに原料を、私の考えでは、原料がどんどんできるかどうかしりませんが、原料が少くて、バットや新生が少いとなれば、これも一つ私は炭鉱地帯に配給面において……、やはりその方がいいのじゃないかと思うんですが、そういうことはできるかどうかわからない。しかし当面の措置としては、そういうことも考えてもらって、なるべくこうした所得の少い方に、そういうたばこがいくような配給方法を、流通関係において私は、やはり考慮するのが望ましい、こういうふうに思うのですが、まあいろいろな手を打ちましてやります。従いまして、今申し上げましたように、その計画数量もふやし、益金も上げるようにと、まあ双方の目的を達して行きたい。これは専売制度で、むずかしいことをいえば、割合に安くできるのに、これに非常に利益といいますか、加算をして、たばこを売っているんですから、これは間接税といいますか、そういうような性格を持っているというふうにも思うわけでありますから、ただサービス、サービスというわけにはいかない。双方兼ねて相違したい。そこに専売局総裁も非常に御苦心があるんだろうと思います。

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) 速記を始めて。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 ちょっと今の大蔵大臣の御答弁は……悪いものをたくさん売れなんということは私は言いやしない。それから原料関係云々と申しまして、これから原料がだんだんよくなるのだから、悪いものができそうにもないということをおっしゃるが、今日まで五十年の間、専売公社で作った原料は、全部いつも使っております。そうしてあるときには上級品を作り、あるときには下級品を作っております。だんだん原料がよくなったから下級品が少くなったという年度は一つもない。大体日本における原料は日本内で作って、外国からは入ってこない。外国は出さないから……、従って内地の原料は幾らよくなっても、やはり下級品は、そのよくなった原料でもって作るし、非常に戦後原料が悪いときでも、その悪い原料でもってやはり上級品を作っていた、それが専売のやり方です。それを今後原料はだんだんよくなったから、従っていい原料をたくさん使えば下級品はできそうもないということをおっしゃるということは、非常におかしなことです。それは日本のいい原料を外国に出して、外国から悪い原料を持ってくるという自由があればですが、そうではない。その点、私は一言、大臣のお考えが現実と違っていると申したいのです。それはそのままにしておきますが、実は私はそこまでのことを申したくなかったのです。大蔵大臣のお考えがそうだから、特に私は言わんでもいいことを申し上げたのですが、そうでなくて、私が申し上げたいのは来年度の予算をこしらえるときに、今言った通りに代金もそうだが、数量もそうだ、仕事もふやしたいのだと、こうおっしゃっておるので、そこで来年度の益金をどれくらいにするか知りませんが、新聞によると百億円の増加だとか五十億円の増加だとかおっしゃっております。そんなにひどい増加をいたしますと、どうしても益金から逆に製造数量、販売数量が出された場合には、今の数量増よりも価格増の方に計算が出てくる。従って数量はふえないけれども売り上げ代金はふえた、そして益金がふえたという計算をしなければ、あんな大きな益金を背負いきれない。そこで私は、それをしないで、今大蔵大臣は数量と価格は両方相待っていかなければならんとおっしゃった。まさにその通りです。来年度の予算を組むときには、売り上げ代金の増加歩合は数量の増加歩合以上にしないということをはっきりと一つお考えおき願いたい。ということは、下級品を制限すれば売り上げ代金の増加は数量増より歩合も多くなりますから、下級品の制限を今日以上にしない。今日のも戻してと思いましたが、それでは益金が減るのですから、それじゃ困るでしょうから、そこまでは私は申し上げません。今日以上に下級品を制限しないというようなことにすると、売り上げ代金の増加は数量増加の歩合よりふえてはならんことになるはずでありますから、その点を一つ、これは数字の問題で、来年度の予算を見ればすぐわかる問題でありますから、大蔵大臣の先ほどの、代金も代金だが収益も収益だが、数量の問題も数量の問題だとおっしゃったお言葉を私は信頼して、それだけのことを特に申し上げておきます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 大蔵大臣に私の方からも注文を出しておきます。ただいま杉山委員が言われたのと少し角度が違います。ただ先般来、専売公社の総裁に当委員会においで願って、街頭から新生やバットが姿を消していることについての理由をいろいろお伺いしたわけなんです。専売公社当局の答弁は、主たる原因は、新生が大へん全販売量に多数の割合を占めておるためにその原材料が足りないのだ。主たる理由はそこにあるという御説明があって、委員会を少し煙にまいた。しかし主たる理由はそこにあるけれども、やはり販売規制をしていることは事実なんです。これは何回も答弁の議録を読んでみるというと、語るに落ちたように、専売公社当局も販売規制を若干ではあるけれどもしている、主にこれをやっていないけれども、多少はやっているという答弁内容であります。私どもとしては、ここで街頭から新生、バットが姿を消している理由は、主たる理由は原材料にあるが、従たる理由としては、専売公社は販売規制をせざるを得ない立場に追い込まれておる。なぜかといえば、それは結局専売益金を確保するためにやむを得ない措置であるというお答えの内容があったわけであります。私どもとしては、これは政府当局、特に大蔵大臣に十分御勘考願わなければならん問題だと考えておったわけです。それで私は卑近な例を申し上げるのですが、国鉄がもし鉄道料金が国家の収益として上らないために、料金引き上げはこれは別ですけれども、かりに、一等車、二等車、三等車と、こうある。どうも国鉄の収益が悪いから三等車をなくしてお客さんを三等車に詰め込んで益金を確保しろということは、誰が考えても暴論であると同じように、現在店頭に、町に、新生、バットが姿を消しておるのは、ちょうど国鉄が三等車を少くして、お客さんを二等車に乗せるというのと同じことじゃないか。新生、バットを吸う国民大衆は、どちらかというと、所得の少い人であり、社会的には弱い人たちであるから、この人たちをいじめて、専売益金を確保するというやり方は、どうもよい政治とは思えません、ということを指摘をしたわけであります。私はこの点は大蔵大臣なり政府当局として十分考えてもらわなければならぬ問題です。  それからもう一つは、今専売公社のやり口は、主一たる理由は原材料であるかもしれませんが、従たる目的としては、結局販売規制によって益金を確保するためのやむを得ない措置としてやっておられるわけでありますが、そのための犠牲者は誰であるかということですね。そのための犠牲者は新生やバットを吸わなければならぬ人たちですね。それは好きで新生を吸っている人がいるかもしれませんが、経済的理由で新生やバットを吸わなければならない人たちが専売益金確保のための犠牲者である。これは政府が特に低額所得者に対して減税をしなければならぬとか、生活改善のことを考えて一千億円減税についても十分考慮をしなければならぬと言っておる矢先に、どうも一番弱い層をいじめて税金を確保するための措置をやっておるということになるわけであります。政策の点においても矛盾が出てきておるわけであります。私はこういう二つの理由から、この間から専売公社当用に十分考慮を要求したのでありますが、どうもいい答えが出てこないわけであります。問題は結局専売益金の高さにあるわけでありますけれども、専売益金が非常に向く見積られておるために、国民大衆に迷惑をかけるような政策を専売公社がやらなければならぬようになっておるわけでありますから、こういう点は大蔵省当局の責任者としては、専売益金の目標額については十分検討をし、いろいろ要求はあるかもしれませんけれども、なるべく実情に即した、国民に迷惑をかけないような程度に抑えるように御努力を願いたい、こう思うのであります。一つ大蔵大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) よくわかりました。私、別に異論はありません。来年度の益金の算出等につきましては、十分慎重に検討いたします。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 大蔵大臣からただいま全く同じ意見であるという御発言がありましたが、大臣、次の会合の方へ出られるのでしたら総裁でけっこうですが……。

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) それでありましたら、大臣どうぞ……。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 お尋ねしますがね、この間いろいろ資料をいただき、御説明もいただいたのですが、一つも具体的な国民の要望に対する御回答が出ない。たとえば十月末の私の調査によりますと、新生の在庫量が五十八日分、バットが七十五日分という数字をあげて当局の意見をただしまたしところ、それは材料のストックではなくて、製品のストックなんだ、こういうお議がありました。私の聞き及んでいるところによりますと、大体平常のこの二つに限っての在庫量というものは、三十日分ぐらいだというふうに聞いております。それがこんなにストックが十月末にある。お話を伺いましても、ちょっとそれは普通よりもよけいに在庫がある、こういうお話でしたが、これは最近どうなんですか。それほど困っておるなら、これほどのストックを持たないで、放出をしようというようなお考えはないのですか。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 十月末におきまして、新生、バットの手持ち量が相当多くなっておりますことは、何日分という数字はとにかくとして、お話の通りであります。ただ、こういうことだけは御了承を願っておきたいと思いますが、いこいが相当売れて参りました。それに伴って「いこい」の包装機が間に合わなかったために追っかけられて参ったのであります。これをふやして、将来新生、バットを減産しなくちゃならぬ状態になりますので、それに備えて多少余裕を持つ。お説の通り大体私どもの手持ちは最低一ヵ月ないし一ヵ月半、その程度持てばいいかと思いますが、「いこい」を増産するための減産を予想して、そういうふうに新生、バットが多くなった、こういうふうに御了承を願います。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 これは私どもでもそうなんですが、バットとか新生が町に少いものだから、それがこう「いこい」にかわってきているんです。それを平常の在庫量をはるかにオーバーするストックを持ちながら、やはり売り惜しみをしておる。これは結局総裁の両三回の御説明によると、益金の方は従たる理由であって、原材料の方が主たる原因であるという御説明でありますけれども、それじゃどうも了解ができない。ですから、これを平常の在庫量程度にとどめて、それだけの要望があるのであれば、一つこの際放出をお考えになる意思はないか。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 将来新生、バットを減産いたしました場合に、今日以上に大衆に御迷惑をかけることは、私どもとしてまことに心苦しいことであり、またできないことであります。従いましてただいまあるからといってぱっと出してしまって、あと、からっけつにしてしまうということもいかがかと考えますので、適当にならして出していく、こう考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 どうも私は了解ができぬのですが、この間から、葉の栽培技術というものが非常によくなってきて、下級たばこの原材料というものがそのために不足をする、藤原委員から富貴煙の話についてお話がありましたが、これはどうも製造技術の方が進歩してきたので、くずがなくなってきたというお話でしたが、この富貴煙のごときは、これは「みのり」の原材料のくずが冨貴煙になっておるように伺うのですが、「みのり」の生産規制をやっておられるために、富貴煙がなくなってきておるというふうに私ども理解しているんです。総裁は、いや、そうじやないんだ、製造技術が進んできて、そのためにこういうものがなくなっているんだという御説明でしたが、そうじゃないんでしょう、ほんとうのことを教えて下さいよ。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 冨貴煙の不足につきましては、ただいまお話がありましたが、「みのり」だけじゃなくて、「ききょう」も一緒にやはりそのくずを入れております。御承知のように刻みたばこの需要というものは年々減っておる傾向にありまして、従いまして、米子であるとか盤田であるとかいうものを両切り工場に転換しておるような実情であります。従いまして、「ききょう」、「みのり」の生産も年々減ってきておる状況であります。そこへもってきて先日申し上げましたように、技術が進歩して粉が出なくなった、出方が少くなった、それで富貴煙の方は量が減るのにもってきて技術の向上、この両方で減っておるのであります。昨日でしたか、一昨日でしたか、養老院関係の方が公社にお見えになりまして、販売部長がお目にかかったはずであります。そして販売部長からの報告によりますと、「みのり」でもいいから特配してくれぬか、というお話がありました。公社としては今考慮中でございます。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 まあできるだけ御考慮を願って、養老院に入っている人とか、らい病舎などに入って、全くお気の毒な人たちのたばこすら供給ができないというふうなことのないように、一つ御配慮を願いたいと思っております。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 椿委員のただいまのお説まことにごもっともと思います。公社当局としても努力いたします。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 それから、この間からどうも私の納得のできぬのは、大衆たばこの原料の製造計画というものですね、これが一つも明示されない。できるだけ愛煙家の需要にこたえていくことのできるようにはしたいと思うという一般的な抽象的なお話のみであって、どうも具体的な対策というもののお示しが一つもない。これについて、一つお考えをいただいておることと思いますから……。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 耕作者に下級原料を作れということはなかなか困難でございます。御承知のように、タバコは天候に支配されることが多いので、にわかにそういう方向にはいきかねると思いますが、最近になりまして、品質をよくしよう、日本のたばこは非常に品質が悪いから、品質をよくするように指導していくのには、品質だけでなく、数量もふえるようにするように最近指導して参っておるようなわけでありますので、いずれこれがうまくいきますれば、下級原料もある程度は出てくるのじゃないか、こう多少楽しみにしております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 葉タバコの原料を何とか混合をして、そうしてその良質のたばこを供給することのできるような工夫というものは一体ないものですか。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 日本におけるたばこの製造は、御承知の通り九分九厘までは日本の葉を使っております。従いまして限られた原料で各種類のたばこを作るので、なかなかその混合がむずかしいのであります。大体新生、バット級は四級以下のタバコを使っております。それ以上はそれ以上を使わしていただいて混合して使っております。従いまして上級葉を下級葉に入れればそれは使えるかと思いますが、そうしますと非常に原料高になります。さなきだに最近いろいろの方面から、公社の原料が年々上ってくるという指摘を受けておるような事実もありますので、おのずからそれにも限度があると考えますので、とりあえず原則として、四級葉以下を新生、バットに使い、それ以上をピース、光、パール、「いこい」に使うというようにいたしております。下級葉の原料の生産が多くなりますれば、従いまして下級葉の供給もふえて参ります。また私どもとしても必ずしもそういうふうに無理はしたくないと考えておりますが、で、きるだけ工夫して研究していきたいと考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 先回もちょっとお尋ねしたのですが、臨時税制調査会に、専売益金の増収の検討というので、資料を提示されておりますが、これによりますと、現在程度の下級たばこの販売規制を明年度も継続をすれば、二十億程度の増収となるということが明示されております。せんだって以来の総裁のお答えをずっと記録によって見ますと、百億というふうな益金の増収を命ぜられたら応じられぬけれども、少々のことは応じなければなるまいというのがお考えの根本になっておりますが、そういたしますと、バット、新生というものの現在程度の販売規制というものは、明年も行われるものという感じを受けるのですが、そういうお考えですか。それとも対策がございますれば、明らかにしていただきたい。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 税制調査会に提示いたしました資料に、規制すれば二十億出ると書いてありますようでありますが、それは結局くどくど言わぬために簡単に書いたのでありまして、原料不足であるから、そのままの状態で生産して製造していけばそういうふうになっていくということを申し上げたのであります。  なおまた、次の御質問の、これ以上予算を出して規制するかというお話でありますが、御承知のように、最近たばこの需要はそうふえておりません。がしかし、以前は相当の伸びを示しておりました。ここに持参しておりませんが、六%ふえたことも——昨年は一%、おととしは六%、その前はそれ以上ふえておりますので、世の中の景気もよくなり、方々の、先ほど以来、原君にお尋ねのように、公社の益金も多くなり、自然増収もあるというふうになってきますれば、たばこに向く需要もふえるのではないか、年々の自然増というものはある程度見込まれると思います。従いまして、それを見込めば、ある程度の益金の増加はできる。そこで、これをできるだけ今日のような原料不足を緩和して、できるだけ原料を整備して下級たばこもある程度は増産したい、こう考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 どうもまだ満足のいくお答えをいただくことができぬのですが、最後にもう一つお尋ねいたします。新生、バット、この下級たばこを今日なお平常以上のストックを持っておられる。これを量を減らして、町の愛煙家の需要にこたえていくというお考えはまだ出ませんか。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) その問題については、先ほども申し上げましたように、将来新生、バットは原料の関係で減産して参りますので、それに備えてストックを多くしております。今ここでにわかに出しまして、あとこれ以上の品不足を来たすようなことがありましては、まことに申しわけないと思いますので、ならして出していきたい、こう考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 私としては、いずれ大蔵大臣にも御出席を願いまして、現在の千五百二十五億ですか、この専売益金というものが今日の専売公社の事業内容から考えて適正なものかどうかということについての検討を、さらに総裁にも御出聴いただいて検討をしていきたいという意見を付して留保しておきます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 今の問題は、棒委員のお話の通り、将来に留保しておきますけれども、この際、総裁に対して希望だけ申し上げておきます。先般来のお話を聞いておりますというと、来年度、あるいは今後専売公社のたばこの販売政策は「いこい」を重点に販売をしていく、そうして新生、バットもまあ続けて販売するのだけれども、なるべく「いこい」を国民に買ってもらうようなことで益金を確保していくというお話のように聞いたわけです。しかし、私は、この二、三回総裁においで願ってお話を聞いて、一貫して流れているのは、総裁はどうも専売益金の確保のことを重点に考えておられて、もう一つ専売転業として大切な国民に対するサービスの面が欠けておるという印象を私は受けるのであります。大蔵大臣も先ほど言われたように、専売公社の仕事はやはり益金確保と国民に対するサービス、この二つをうまくやっていかなければならぬというお答えがあったことをあなたもお聞きになったと思います。そういう意味からいきますと、私は国民に専売旧業としてたばこを提供する機関の専売公社は、一方に益金の確保ももちろん大事でありますが、これは今、棒委員が言われたように専売益金の現状が妥当であるかどうかの検討は残っておりますが、しかしそれを一つやると同時に、もう一つは、やっぱり国民の嗜好の変遷ということを重点において、それに対応する販売政策というものを考えてもらいたいと思うのです。益金が上らないから、それを確保するために「いこい」を押しつけるとか、あるいは販売を規制するとかということを重点に置くのでなくて、大体国民の嗜好の状態、それから経済の実情から見て、どういうたばこ、どういう品種を売ったらいいのかと、国民の利害を考えながら、二面において販売政策をとってもらわないというと、これはやはり国民の意思に反した専売事業を行うということになってくると思うのです。あなたは今後の経済状態はよくなる見通しだと、こう考えられまして、そして専売益金についてもなお減額補正する意思をお持ちでないようですけれども、経済界が活況を帯びている現状においても、ピースが売れない、こういう現状をどういうふうに判断をするのか、私はその点ちっともわからない。国民というものは、四十円であったピースが四十五円になれば、すぐそれに反発してピースの売れ行きががたんと落ちるように、たばこの嗜好というものは自分の心の規制で何とでもなるものですから、国民の心理状態や生活事情を考えないでやるというと、私はサービスを欠き、益金も上らない、こういうふうなところに落ち込むおそれが十分あると思っておるわけであります。こういう意味からいって、私は専売公社の販売政策というものは、常に益金確保とともに、国民のサービスということを忘れない立場でやってもらいたい。今度の新生、バットの不足につきましても、私はもっと要領よくやればいいのじゃないかというふうに思っている。というのは、新生、バットがなくなって困るという地方、それから特に新生、バットを必要とする都市ですね、たとえば労働者層が多いところ、あるいは貯金が、県自体から見て少いところであるとか、全般に県の経理状態が悪くて、そうそう高級たばこを吸うておられないようなところに対しては、機を失せず新生、バットが増配されるというようなふうに、生きた販売政策、そういうものがあれば割合と国民の声というものも緩和されてくるのじゃないか。なかなか輸送、回送の関係から、むずかしい技術的な問題はあると思いますけれども、私、絶えずそういう国民の心理、関心ということに気を配りながら、専売公社の運営に当ってもらう、そういうことを要望したいと思うのであります。  それからもう一つは、やはりこの段階になってくるというと、専売益金自体が一番重点になってくると思いまして、先ほど大蔵大臣に対しても、専売益金の目標額については十分検討してもらいたいという要望をしましたところが、慎重に検討するというふうに答えられた。その点は各各員から熱心にその点について公社の考え方について要望があったわけでありますから、総裁が一番御出席がよくて、十分その意見はお聞き取り願ったと思う。国民の声ですから、これを大蔵省とよく相談をなさって、来年度の予算の目標についてもどうか実情に即したものになるように、御努力を願いたいと思うのであります。私はこの点をきょうは総裁に要望をしておきます。  それから最後にきょう大蔵委員会で決議になりました専売公社の労使の紛争について、すみやかに善処をせられたいということに対し、大蔵大臣は政府責任者としてお答えがありましたが、一番の当事者である専売公社総裁のこの際所信をお伺いをして、きょうは私は終りたいと存じます。

入間野武雄日本専売公社総裁

○説明員(入間野武雄君) 調停案について、私さっき至らなかった点が四つございます。  一つは完全なる昇給、これは現存行なっております。  それからもう一つは〇・二五の期末手当の増額、これは昨年の予算決定後のためにまだ実現しておりません。明年度の問題としてやっておりますが、なかなか難航いたしております。  それからもう一つは業績賞与の適正化というか、確立ということでありますがこれはやはり昨年の業績賞与後に起った問題でありますので、本年の業績賞与において何とか考えたいと思っております。  それから第一の点の給与の適正化、組合側はベース・アップと言っておりますが、なかなか予算がないのでこれに応じかねております。先ほど大蔵大臣もああ言って下すっておるから、あるいは近く実現するかと、かかって政府側の御意向にあることであると思います。

廣瀬久忠緑風会

○委員長(廣瀬久忠君) 本件の質疑はこの程度にとどめまして、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十二分散会

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