大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/12/06
会議録
○委員長(廣瀬久忠君) これより委員会を開会いたします。 まず厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(予備審査)、船員保険特別会計法の一部を改正する法律案(予備審査)以上二案を便宜一括議題として、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(山手滿男君) ただいま議題となりました厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案ほか一法律案につきまして、その提案理由の御説明を申し上げます。 まず厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。 政府管掌健康保険は、医療保険の中核をなすものでありますが、近年収支の均衡を失し、その運営の基盤をおびやかされている状況でありますので、その運営を正常化し、その健全な発達をはかるため、一部負担金の範囲の拡張、標準報酬の改訂等根本的対策を講ずるとともに、国庫においても、予算の範囲内において、当該事業の執行に要する費用の一部を補助することとし、別途健康保険法の一部を改正する法律案について御審議を願うことになっておりますが、右の措置に伴いまして、厚生保険特別会計の健康勘定の歳入に「一般会計からの受入金」という事項を加えようとするものであります。 次に、第二十二回国会における厚生保険特別会計法の一部改正により、昭和三十年度以降七カ年度間、毎年度、一般会計から十億円を限度として、厚生保険特別会計健康勘定へ繰り入れることとなったのでありますが、その三十一年度以降分は、借入金の償還財源として繰り入れられるものでありまして、その借入金の返済を昭和三十二年度以降に繰り延べることとしたことに伴い、一般会計からの繰入金も昭和三十二年度以降に繰り延べることにいたしたいと存じまして、その規定の改正をはかっているのであります。 次に、健康保険事業、日雇労働者健康保険事業及び厚生年金保険事業の事務取扱いに関し必要な経費に充てるため、健康勘定、日雇健康勘定及び年金勘定の各積立金のうち、業務勘定から組み入れた金額を限度として予算の定める金額を業務勘定へ繰り入れることができることとするため、所要の規定を設けようとするものであります。 次に船員保険特別会計法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。 船員保険事業のうち療養給付等の部門におきましては、政府管掌健康保険と同様近年その収支の均衡を失する状況にありますので、その運営を正常化し、その健全な発達をはかるため、医療費の一部負担制の採用、保険料率の引き上げ等根本的対策を講ずるとともに、国庫においても、船員法の規定による災害補償に相当する保険給付を除く療養給付等の部門について補助する措置を講ずることとし、別途船員保険法の一部を改正する法律案について御審議を願うことになっておりますが、右の措置に伴いまして船員保険特別会計法の一般会計からの受入金の精算規定等について所要の改正を行おうとするものであります。 なお、第二十二回国会における船員保険特別会計法の一部改正により、昭和三十年度以降六カ年度間、毎年度、一般会計から二千五百万円を限度として船員保険特別会計へ繰り入れるととなったのでありますが、健康保険の例に準じ。昭和三十一年度以降分は、昭和三十二年度以降に繰り延べることにいたしたいと存じまして、その規定の改正をはかっているのであります。 以上がこの二法律案を提出いたした理由でございまして、何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(廣瀬久忠君) 両案の補足説明及び質疑は、一応あと回しにいたします。ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬久忠君) 速記を始めて。 それでは休憩いたします。 午前十一時十五分休憩 —————・————— 午後二時十五分開会
○委員長(廣瀬久忠君) 休憩前に引き続き、委員会を開会いたします。 租税及び金融等に関する調査を議題といたしまして、租税に関する件を問題に供します。 御質疑を願います。
○土田國太郎君 国税庁長官がお見えになりましたので、少しわからないところをお聞きいたしたいと思います。長官もきょうは御多忙のようでございますから、私も要点だけ、なるべく急いで話をいたしますから、一つ長官の方も簡明直截に御答弁願えばけっこうかと思います。どうも私は頭が悪いので、渡邊さん、いつも御答弁なさると、ごちゃごちゃになって、わからなくなるから、簡明直截ということでお願いいたします。 ところで、お伺いしたいのは、原料米の関係ですが、これは一体この割当権とでもいいましょうか、また割当権は一応仮定して申し上げておきますが、そういうものは、これは大蔵省と農林省、どっちが割当権のほんとうの責任者であるか、最終の責任者であるか。またいろいろ原料米等について疑義を生じた場合の最終の責任はこの二つの省のうちでどっちがおとりになるのか。それを一つお伺いしておきたいのですが……。
○説明員(渡邊喜久造君) 原料米の割当につきましては食管法の規定によって行うことになっておりますので、最終的な法律上の権限を持っているのは農林省でございます。
○土田國太郎君 そうすると大蔵省は農林省の代行であるというような解釈が……、法律的にはそれはどういう関係になっておりますか。
○説明員(渡邊喜久造君) 御承知のように酒の製造は酒税に非常に大きな影響を持っておりますし、酒類行政は一応大蔵省の方で受け持っております。従いまして、どの程度の米を酒造米として割り当ててほしいとか、あるいはそれをどういう形において各酒造家に割り当ててほしいとかいったことを私の方で農林省の方へ申し上げております。現状までのところでは、大体農林省におきましては、そうした総ワクにつきましては両者の話し合いによる、それから各酒造業者への割当につきましては大蔵省の意見を尊重する、こういう格好で実施されております。
○土田國太郎君 そうすると、法律上の責任は農林省であるというように了承して、よろしいわけですな。
○説明員(渡邊喜久造君) 法律上の責任は農林省でございます。
○土田國太郎君 そこで昨年酒造米の割当について、昨年の十一月の酒造組合の会長会議のときか、あるいはその前の理事会のときに、私、承わったんですが、昨年の原料米石数を酒造工業米として使うというようなことが、九月ごろに内定かあるいは決定したというような説明を池田君から聞いたのでありまするが、これは事実でございますか。
○説明員(渡邊喜久造君) われわれの方の記憶では九月ごろにきまったということはありません。最終的にきまりましたのはやはり一月ころだったかと思っております。
○土田國太郎君 最終にはあるいは一月かもしれませんが、大体において工業米として清酒に何石、あるいは合成酒に何石というような割合、比率とでも申しましょうか、そういう業者、各組合の割当が九月にきまったのだから、こういう説明を受けているのですが、これは公開の席上で受けております。
○説明員(渡邊喜久造君) 私、昨年主税局長をやっておりまして、多少その問題にも関与しておりましたが、御承知のように昨年は非常な豊作でありましたために、酒造米としての割当の量もふえたと思っております。従いまして、結局やはり酒の出来工合、あるいは集荷の状況というものとにらみ合せまして、最終的に今の酒造米の量もきまったわけですから、九月にきまるというのはちょっと私は早すぎるように思います。そうしたことはないように思っております。
○土田國太郎君 これは米の豊凶が九月にわかるはずがないのですから、九月にきまったということは私も実際的にも理論的にもあるべきことではない、こういうことは私は強くそのときに主張いたしましたのです。それはどういうわけでそういう問題が起きたかといいますと、合成酒に四万石の米を渡すことにきまったということがいち早く伝えられてきたのです。それは不都合じゃないか、従来の比率からいっても大体スライド計算でいくべきものである、少しくらいの差は仕方がないが、膨大な原料米を、従来の慣例を破って約倍量にも当るものを合成酒にやるということは不都合じゃないか、こういうことを私は追及いたしました。そうしましたところが、これは大蔵省におきまして九月にきまったのだから、十一月になってからそういう話をされても困ります、そういう答弁だったのです。それで今その真相のいかんをあなたにお伺いしたらわかるだろうと思いまして、私はお伺いいたしましたわけです。そういうことはないということに了承してよろしいですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 九月にきまったという事実は、われわれの承知するところにおいてはありません。
○土田國太郎君 合成酒に四万石の割当をしたということは、これは事実のわけで、これは従来の割当比率から一躍倍にもなるような原料米を醸造家に渡したという、その理由はどういうわけですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 現在、税法によりますと、合成酒におきましては、五%まで米による酒をといいますか、香味液という名前で入れることを認められていることは、これは土田さんよく御承知の通り、そこで一応合成酒の三十一年度における消費といいますか、そのうらはらの生産の量を計算して参りますと、四万五千石くらいの数字が出たわけでございます。そこで昨年は御承知のように酒全体に対する米の量もふえた、これが第一点。それから第二点としましては、現在におきまして多少様子も変ってきておりまするが、酒の方はどんどん売れていくのに対しまして、合成酒の方におきましてはなかなか消費がついてこない、どちらかといいますと、まあ需要が下りぎみといいますか、酒がふえてくるに従いまして需要が下りぎみになりまして、やはり合成酒としましても相当の消費ということを奨励されていいのじゃないか、少くとも、ふえないまでも減らない状況にやはり持っていく必要があるのじゃないか、そのためには合成酒の品質というものをやはり相当向上させる必要がある。先ほど申しましたように、法律的にも一応五%の酒による香味液というものの調合を認めておりますので、そんなことを彼此勘案いたしまして、酒における酒造米の増加の割合に比べて合成酒の方の米の増加の割合が多かった、その点を今御質問になっておりますが、その場合におけるわれわれの考え方としましては今言ったような点にあるわけでございます。
○土田國太郎君 品質の向上をはかるということは、これは悪いことではないのだが、品質の向上をはかられた結果が、どういう結果を出しておりまするか、私はそれをお伺いいたしますと同時に、一体、酒というものは私は財政物資だと思います。長官のお考えはどうですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 品質の向上を来たした結果につきましては、これは単に品質の問題だけでないと思いますが、合成酒におきましては、最近業者の人たちが非常に宣伝に熱心になっておるということも加わっておると思いますが、現状におきましては、合成酒は昨年に比べまして、消費の量はやや増。減というものではない。しかしそれも別に飛び抜けて消費がふえておるという状態ではありません。これが現状でございます。 それから財政物資という意味は、私にはよくわからないのですが、結局酒には相当膨大なる税金がかかっており、酒を消費する機会において膨大な酒税が徴収されておる。その意味で財政物資だとおっしゃるなら、その意味においては、私はその通りだと思います。
○土田國太郎君 その意味で財政物資だということを申し上げたのです。今の長官の御説明によりますと、品質の向上をしたために販売がふえた、こういうような御説明でありまするが、これはあなたの方の調査によって調べたのですが、合成酒の販売高というものは減っておりますよ。二十九年、三十年、三十一年とだんだん減っておる。米を使ってもむだをしております。一体合成酒というものは米を使わないところに、みそがあるわけです。私がそういうことをあなたに申し上げるのは釈迦に説法なのですが、一般消費者の満足し得る化学的の酒を作るというのが合成酒の生命である。米を原料として酒を作るなら合成液ではなく、清酒を作ればいいわけです。かりに四万石の原料米を合成酒に渡したために合成酒の生産石数というものはふえておらない。これは事務当局に聞いてごらんなさい。こういうように貴重な米をむだにしてしまっておるように私どもは見ておるのです。かりにこれを清酒の方に四万石を渡すと、直ちに生産量はそれだけ目に見えてふえるということは、これははっきりしております。そうすれば、玄米一石で、昨日も食糧庁長官に申し上げたのですが、中央、地方を通じ間接税を入れて約十万円の税金がかせげるのに、合成酒にやったのでは何にもならない。この四万石で清酒を作れば四十億もの増収になる。合成酒に渡したのでは何ら販売量がふえておらないのですよ。その表を見ますと、二十九年、三十年と……三十一年はまだ三月にならぬからはっきりわかりませんが、本年の予算は七十四万石、昨年は七十九万四千石、その前の年は七十九万六千石と、だんだん減ってきております。そういうようなことですから、米をむだに使うということは私は非常に気をつけてもらいたいと思うのです。それと、一般消費者がどういう酒を好むかということは、これは内閣で、昨年ですか、一昨年ですか、世論調査をとりました際に、清酒を好むというものが七十%もあったのじゃないですか。そういうような一般に消費者の要望する酒類を押えて、そうして売りないしかも税金の安いものを奨励をするという政府のお考えがわからないのですが、どうもわれわれとお役人とはどこか勘どころが違うのか存じませんが、実情に即した酒類行政をやってもらわなければ、私は国民としてもまた政府財政としても非常にこれは迷惑なことであるということを感じるのでありまするが、長官はどうお考えになりますか。
○説明員(渡邊喜久造君) 多少御意見は私の意見とは違うように思います。まず第一でございますが、私が先ほど合成酒の消費はやや増と申しましたが、それは本年の十月までの移出石数で具体的な数字を申し上げますと、十月までで四十二万六千五十二石出ております。前年同月までの分は四十二万五千五百八十四石、まあきわめてわずかでございますが、大体同じような線になっているということをまず申し上げておきます。それから昨年の事情は、こういうふうな事情、これは土田さんよく御存じだと思いますが、一応全体で百二十万石の米をもらいまして、そして合成酒と清酒に分けたわけです。清酒の方におきまして作りました量は二百三十一万石でございますか、これも、もう大体生産が消費に比べまして、いわば上回るという姿にきております。米をもってどんどん酒を作れば、少くとも現在の税率、現在の価格であれば、作っただけどんどん売れるという時代ではなくなってきている。これはもう御承知の通りと思います。従いまして、昨年におきましても、一昨年に比べましてやはり清酒の側においても米の使い方をふやして、そしてアルコールの使い方を多少減らすという措置をとって、一応清酒の品質を上げるということを考えておるわけです。同時に合成酒におきましては、従来も四万石使っていたのです。ただその中で二万石程度がいわゆる丸米で、あとは砕米、そういう姿でありました。そこで清酒においてもそういう状況でありましたので、われわれの方としましては、やはり清酒の品質も上げる、合成酒の品質も上げる、こういうことが適当であると考えて、今申し上げたような措置をとったわけです。
○土田國太郎君 長官は先ほど、香味料液の原料米として五%は法律で認めてあるのだから、それはあえて差しつかえない、こういう御答弁でありますが、これは昭和二十七年度、多分あなたの局長時代だと思いますが、四年前ですか。
○説明員(渡邊喜久造君) その前です。
○土田國太郎君 前ですか。私もこの問題につきましては非常に骨を折りまして、ちょうど衆議院では奥村氏が多分大蔵委員長の時代であったと思いますが、委員長と相談いたしまして、その当時合成酒組合は膨大なる米の要望があったわけなんです。で、私はそういう合成酒は米を使わないというところが価値のあるもので、米を使うということはこれは清酒と同じことになるのだから、そういうことをやられたのじゃ清酒業者としてはなはだ迷惑をするから、最高標準というものを作っておく必要があるのじゃないかという意味合いで、私は奥村委員長に相談申し上げまして、そうしてあなたの方へ御相談を願ったわけなんです。実際の問題として、そのときも私は大蔵委員長の説明を受けたんでありますが、この五%というものはこれは最高のときを言うので、何でもかでも五%使っていいと、こういう意味ではないのです。その当時はまあ一%かせいぜい一%半くらいの原料米を合成酒の方は使ってあったんですが、一躍昨年のごときは玄米にして五%使われたわけでありまして、こういうものは一ぺんに倍以上にも持ってゆくということは、私は少し、法律はそれを認めて、最高を認めたから、そこまで持っていっても差しつかえないということは、一つの抗弁だけであって、実際問題に即さない酒類行政だと考えざるを得ない。だんだんにふやしてゆくということは、それはまあ、けっこうなことであるわけであるが、それを倍以上にも持ってゆく。しかも私どもは五%までと、玄米として五%ということを了承しておったのです。それを最近国税庁の課長あたりの言を聞くというと、これは白米でいいのだというように、ばかに広義解釈をしてしまって、白米計算やなんかやっておるようですが、そういうことは無理に理屈をこじつけて米をふやすようにするような格好に私は見受けられるのだが、そういう行政はまことに迷惑だと私は存じます。大体原料米を農林省から割当を受けますにも、何も白米のままでもらうわけではないので、玄米何万石でもらうのですから、それを国税庁が合成酒組合に割り当てるのに白米を計算するというばかげた話は、これは官吏として慎しむべきことではないかと私は考えますが、長官の考えはどうですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 政令におきましては、一応米の重量が五%まで香味液と申しますか、入れてよろしいというふうに考えています。われわれの方といたしましては、先ほどおっしゃったような解釈をとっているわけであります。それで従来の二万石が四万石にふえたという話は非常にふえ過ぎではないかという御意見のようでございますが、われわれの方で考えた場合におきましては、結局それまでやはり四万石程度米を使っていた、ただそのうちの二万石程度は砕米を使っていた、それが豊作によりまして、大分酒造米として割当を受け得る数量がふえた。従って砕米に相当する分を普通の丸米に変えてほしい、こういう要望がございましたので、結局清酒の生産あるいは売れ行きの状況、合成酒の生産あるいは売れ行きの状況などを考えれば、まあこの程度のことはやっていいじゃないかということで、先ほど申し上げたような結論を出したのであります。
○土田國太郎君 繰り返して聞いても仕方がないから聞きませんが、これは意見の相違になってくるのですが、私は酒類行政としては当を得ていない、こういうふうに考えます。どうも国税庁は合成酒にばかり御ひいきになるようなのだが、私どもは同じ業界であるならば公正に取扱ってもらいたいと思う。これは一つの例をあげれば特殊用途酒等のごときはどう考えるのですか。合成酒は七万五千石でしょう。しょうちゅうは五万石でしょう、一番数量の多い清酒は五万石じゃありませんか。しかも田植等につきましても田植は米を植えるものですよ、私どもが申すまでもなく。それを田植には合成酒として、しょうちゅうを農家に一戸当り工合だけ割り当てると、清酒はないというように聞いておりまするが、どうですか。田植のときですよ、私がお伺いしているのは。
○説明員(渡邊喜久造君) 田植の場合の話が出ましたから、これは申し上げます。昨年の田植の場合におきましては、一農家あたり清酒五合及び合成酒またはしょうちゅう一升、こういう基準になっております。
○土田國太郎君 もう一ぺん言って下さい。
○説明員(渡邊喜久造君) 清酒五合、それから及び合成酒またはしょうちゅう一升。
○土田國太郎君 五合か一升かというところですね。
○説明員(渡邊喜久造君) 及びです。
○土田國太郎君 一升か五合やるのですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 清酒を五合、これにプラスしまして合成酒を一升渡すか、または、しょうちゅう一升渡すか、こういう制度であります。
○土田國太郎君 いつ変更になったのですか。
○説明員(渡邊喜久造君) これは昨年従来の制度を変えまして、こうした制度を作ったわけであります。
○土田國太郎君 刈りあげのときはどうなっておりますか。
○説明員(渡邊喜久造君) 刈りあげの場合におきましては、一農家あたり合成酒またはしょうちゅう一升、こういうことになっております。
○土田國太郎君 それが長官通牒で何か出てやしませんか、この問題につきましては。
○説明員(渡邊喜久造君) 今申し上げました基準を一応各国税局、税務署ごとに、長官通達の名前で流してございます。
○土田國太郎君 私はこういうことを聞いておりますが、事実ですか。刈りあげのときに、合成酒か、あるいはしょうちゅう五合と、それからあるいは清酒五合というようなことを聞いておりますが、違いますか。
○説明員(渡邊喜久造君) 私がさきほど申し上げた通りであります。
○土田國太郎君 それでもう一つ聞きたいことは、供出米が二十五俵以上の者には溶液を五合配給する。それから以下の者には一——二十五俵供出できない者は合成酒またはしょうちゅうを渡すのだ、こういう通牒が出ていたということを承わっておりますが、どうですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 農家に対する特殊配給につきましては、今申し上げました田植用、刈りあげ用のほかに、事前申し込み売り渡し用というのが別途にございます。それは現在におきまして、売り渡し石数十石以上は清酒五合、十石未満は合成酒またはしょうちゅう五合、こういう制度になっておりまして、それがおそらくあなたのおっしゃった二十五俵云々ということではないかと思います。それは刈りあげ用とか、田植用とかというのとは別途のものであります。
○土田國太郎君 とにかく供出で二十五俵を出そうという農家は、それはあまり類がない、まれな方が多いのですね。それに対して清酒五合とは何事です。あまりにひどいということを農村の連中は言うておる。結局せんじつめますると、特殊用途として、今までの供出米の問題は別といたしまして、合成酒が約七万五千石、しょうちゅう五万石、清酒五万石が特殊用途としてきまっておるということは、間違いないのですか、どうなんですか。
○説明員(渡邊喜久造君) その点はその通りでございます。それで、なお先ほどちょっと御答弁がいたしてありませんが、何でそんなに合成酒の方に肩を持つのかというお話でございますが、われわれの方は合成酒の方に肩を持つ気持は毛頭ございません。清酒は御承知のように、ずっと生産が伸びてきております。合成酒の方は従来よりむしろ生産が伸び悩んでおります。マイナスのような姿になっておる。そういうことを考えまして、われわれの方としましては、合成酒の香味液用原料米の問題につきましても、さきほど申したようなことをしたわけであります。同時に特殊用途酒類の割当の場合におきましても、少くとも従来は、清酒におきましては大体むしろ生産の方が需要に及ばぬ、合成酒の方は生産が需要をはるかにオーバーする、そういったこともございますが、この特殊用途酒類の制度を考えまして、一応清酒の方は今おっしゃったように五万石、それから合成酒の方に七万五千石、こういった割当をしたわけであります。
○土田國太郎君 私は、事、米に関する特殊用途酒は、米から作った清酒を使うのが仁義だと思う、またカンショを供出販売する農村に対しては、これは合成酒、しょうちゅう、これはカンショが原料だからあえて差し支えないが、米を作っている県に対して合成酒をむりに飲ませるということは、まことに私は違っている感じを持たざるを得ないのでありますが、結局私が、国税庁は蒸留酒偏重だと申し上げました理由は、合成酒はあなた、売れないとおっしゃているが、戦前は幾らだったと思います、わずか七万石しかできなかったのですよ、合成酒は……。それが今日七十数万石じゃありませんか、これだけの長足の進歩をみた。清酒というものは戦前には四百万石、五百万石の生産あるいは販売をしておったのであります。それがわずかに生産二百四、五十万石です。大減石をしております、清酒は……。あべこべに合成酒は七万石から七十四、五万石ですから、十倍以上になったと言っておりますけれども、戦前と逆ですよ、事実は。しょうちゅうにおいてしかり、しょうちゅうも今日百四、五十万石いっております。みんなふえております、蒸留酒というものは。以前は合成酒、清酒とも税金は同じだった。それを合成酒、合成酒ということで、税金をどんどん下げていった。いわゆる政府の庇護において……。だれしも安いものはけっこうなんです。公正に取り扱って下さるならいいのでありますが、一方だけ安くして、そうして生産の増長をはかる、一方はこの清酒業者というのは中小企業です。ほんとうの大きなものの十軒も除いたら平均幾らだと思います。四百石や五百石のわずかの一工場平均が、一方は何万石、そういうような大きな工場のちょうちんを持つよりも、今日の時代は中小企業を助けるのがほんとうじゃないのですか。そういう意味合いで私は申し上げるのです。何も合成酒のやきもちをやいているわけじゃないのですよ。勘どころが違うから私は申し上げるのです。
○説明員(渡邊喜久造君) 戦前の例をお引きになりましたが、戦前からみればたしかに合成酒は可なりえふております。清酒は現状においては減っているでしょう。しかし終戦の時期を経まして、そうして清酒の不足の故もありますが、七、八十万石といった数字までとにかく合成酒がいっている。そうしてそれに応ずる一応の設備なりみなできているのですが、従ってこれが清酒の方がどんどん伸びていく、同じような割合で合成酒が伸びなければならんというふうには私どもは思っておりません、しかし、やはり一応そういう基盤があるのですから、それをどんどん滅っていってもいいというふうには考えておりません。従ってやはり清酒はもちろん伸びていく、合成酒は合成酒としましても、やはりそれに応じた伸び力をしていくということは、業界全体のバランスをみていく上におきましても、あれでいいのじゃないかというふうにわれわれは考えております。
○土田國太郎君 今のあなたのおっしゃることと実際の結果がバランスがとれていないのですから、それで私は申し上げるのです。 それからもう一つお聞きしたいのは、密造対策ですが、あまりこの密造対策としての効果が、われわれは新聞で見る程度でありまするが、あがっていないように考えるが、昨年度の密造取締り費はどういうようにお使いになったのか、そのまた実績ですね、効果はどういうふうにあがったか、それを今ここであなたに申し上げても、これは数字的に困るでしょう。一つあとで表にして、取締り費をどういう面で幾らお使いになったか、それからどういう取締りをしたか、それからどういう効果があったかということを、表にして私はちょうだいいたしたいと思います。どうも一年に一ぺんや二度一つの税務署がやったところで効果があがらない。聞くところによれば、総花的にこの金を使っておるということを聞いておるので、それじゃあだめだと、みんなさじを投げておるのが今日の密造取締りの状態です。で、ありまするから、これはもう税務署にまかしておかないで、これは警察庁の方でやったらいいじゃないか。そうしてどんどん取締りをしてもらったらいいじゃないかという声が大いに立っておるようなわけです。これは私ばかりでない、よく川野芳滿君あたりが言われておるのでありますが、そのようにこの密造取締りがあまりうまくいっていないということについては、これはもう国としても大きな損、政府は百三十万石の密造があると言うが、われわれは二百万石は下るまいというように見ているわけです。その点はどちらであっても、いずれにしても数百億の脱税が行われておるということは、これは事実なんだから、その取締りについて、もう少し何かうまい考えがなければならぬのだから、今までのはだめなんだから、一つ三十一年度から構想を変えて、現実的に効果のある取締りをするお考えはございますか、いかがですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 酒類の密造対策の問題につきましては、国税庁も警察庁にずいぶんお願いしまして、御協力を願って、多年苦労してきたところであります。経済が落ちついて参りましたので、終戦直後のような時代から比べますと、私はかなり改善されているとは思いますが、しかし、それにいたしましても、百数十万石といった膨大なる密造がまだあるのではないかということで、非常にわれわれの方も遺憾に思っております。 密造対策としましては、われわれは常に考えているのですが、結局一つは、やはり酒の税金をでき得ればもっと安くしていく、それからもう一つは、取締りをよりひんぱんに厳重にやっていくことと、この二つがいわば車の両輪のように一緒になって動いていって効果があがるものだと思っております。ただ、単純に密造対策と申しましても、大きく分けて、御承知のように二つのカテゴリーがあるわけであります。一つは、第三国人などを中心としました販売密造の問題であります。一つは農家密造の問題であります。販売密造の場合におきましては、われわれやはり、どちらかと言えばもう取締りを中心としてこれをやっていく、相当ひんぱんにやっておるわけでありますが、やはり経費の関係とかいろんな関係もありまして、それと同時に、どうしても警察力を応援いただかなければならぬといったことで、なかなか思うようにいかぬ面もあります。さらに追い詰めていきますと、そうした第三国人の生活をどうするかというところの問題まで、どうも警察の人たちと話をしていくと、やはり問題は発展していくようであります。しかし、それにしましても、何とかして密造をなくさなければならんというわれわれの努力は、今後とも行われなければならぬのであります。それから農家密造につきましては、取締りも取締りでありますが、より啓蒙に重点を置く取締りをしていくべきではないかというふうに思っております。密造対策の問題は、私は奇想天外な方策があるようには思いません。しかし、従来やっておりますことが、それでもうそれ以上できないんだとは思っておりません。結局従来やっておったことをより強化し、ひんぱんにやるといったととろに問題があるのではないか。その意味におきまして、これはまた経費の要求の事項でございますが、密造取締りの経費をわれわれとしましても相当増額することを主計局に申し入れております。
○土田國太郎君 それから原料米の割当について、今年の割当についてのお考えをお伺いしたいのですが、昨年転廃業者の復活でもいろいろ問題があったのでございますが、私は個人が復活したことについて、そしてある程度の米の割当を、農林省からこちらへ渡された米を天引きして援助したということについては、これはもう全国的の問題であるから、これはまあ私も人情的に見て差しつかえないと思うのでありますが、実は地域的の異常問題ですね。これは特殊の県が八、九県ですね、関西方面から関東方面へきたのでありますが、それを昨年半分、本年半分というわけですか。そんなようなことで米を返すわけでしょう。基本石数を返すわけになっておるのですが、この地域的の異常というもの、これは特殊のものであって、全国的なものじゃないのです。その受けた人はここ十何年間非常な利益を得ておったわけです。それでそれを今度は返してくれというので、これを関西方面へ返して上げなければならぬことに昨年相なったのですが、それは自分が、かりに兵庫県の基本石数を埼玉県の業者が一万石譲り受けたとする。それを去年から今年にかけて一万石を返すのだ。それは自分が兵庫県から一万石を持ってきて作ったのだから、相当の利益を得ているはずだ。それを国税庁の慫慂、転廃業者の慫慂等によってまた返すことになったのであるが、その返すことについて、自分は、兵庫県から一万石埼玉県はとったのだから、埼玉県が一万石返すのが私は順当だと思う。それにもかかわらず、それを半分だけ返して、残った半分を、農林省から全国の業者へ割り当てられた石数の中から天引きで半分援助するというようなふうなことを国税庁はおとりになるやに伺っておるのですが、本年そういうことをおやりになるのですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 今お話の埼玉県と兵庫県の一つの例をおあげになった。その関係は、御承知のように戦争中に交通関係とかいろいろな関係に支障が向きまして、そして埼玉県の方が消費地である東京に近く、従ってこの辺でより多く作った方がいいじゃないかというので、兵庫県で生産していた分を埼玉県に移した。いわば転廃業の場合と理由は違いますが、ある程度似たような問題もあるわけです。そこで転廃業の問題を片づけるに際しまして、今の地域的な問題をどうするかというので、これを一緒に片づけようじゃないかということで、御承知の通り今度の一応の措置をとろうとしておるわけであります。今のお話の、いわばAからBへ返るという分は、これは七分の三をいわばプール的なものから出そう、まあ結局酒屋さん相互の間の問題でもございますので、われわれとしましては、いわば天下り的にこうするのが適当だとかどうだとかいう前に、一体結局埼玉県の業者と兵庫県の業者との利害関係が相対立するわけですから、両者の一応話し合いといいますか、あるいは中央会内部における話し合いというものをできるだけ尊重する意味におきまして、一応その辺の話し合いを見詰めておりましたところが、まあこの辺のところでやりたいという最後の結論が出ましたので、われわれの方としても、それがよかろうという結論を出した次第でございます。
○土田國太郎君 それは最後の結論でも何でもないので、この受け入れ側が、つまり埼玉県側が自分で返すのがいやなために、不利益なために、何ら縁故関係のない他府県の、地域的譲渡以外の、関係でない府県の業者がその犠牲になるということは、国税庁が米の割当をする上において、組合員のやることはよくても悪くてもこれを尊重するということに解釈になるのであるが、私はそういう正当でないと考えられるようなものについて、国税庁は監督官庁であり、かつ米の割当権を農林省の代行として持っているという重大な責任を持っている官庁が、何ら縁故関係もない業者が犠牲を払わなければならないというような、そんなばかげた米の割当を国税庁が本年おやりになるということにつきまして、非常に関係のない中小業者から私のところへ実は言ってきているのです。それは中央会へいってもだめだ、国税庁へいってもだめだ、これは双方でなあなあでやっている仕事なんだから、これは一つ国会で問題にしてもらいたい、こういう要望が私の方にきているので、私は本日長官に意見を徴しているわけなんだが、そういう縁故のない者が犠牲を払う必要はないわけじゃありませんか。さんざん受け入れ側はもうけておって、そうして昨年から本年にかけて返せということで承諾したのでありますから、自分のものを返したらいいじゃないか。何も自分で半分をネコババをきめて、あとは何ら縁故関係のない業者に犠牲を払わせるということは、私は国税庁としてはいかがかと思うのですが、いかがですか、長官は。
○説明員(渡邊喜久造君) 今の関係で、いわば一般的なプールから特に出される米というものは二千五百石であります。それで結局現在酒造米全体として清酒に割り当てられている量は、昨年において百十五万石、こういう数字でございます。従いましてそれは考えようでございまして、縁故のない者が何もこの二千五百石をしょう必要はないじゃないかという話もあり得ますが、しかし、一応業者の団体である中央会においてその二千五百石程度はみなでしょおうじゃないか、そうすればこの話全体が円滑にいくのだ、こういう結論が出ました限りにおきまして、これが全体としての量が非常に大きな量である場合は話は全然別々だと思いますが、百十五万石の中の二千五百石という数字においてその話が円滑にいく、しかも中央会そのものがやはりそういうやり方でやりたいという限りにおきましては、われわれはそのやり方を支持していい、こういうふうに思っております。
○土田國太郎君 長官は、中央会がそういうふうにきめたとおっしゃるが、中央会はそういうことをきめる権力も何も持っているわけではなし、また中央会で実はきめてなかったのですよ。これは二、三の幹部がやった仕事なんですよ。だから私は理事会においてこれを追及したのですよ。こういうものをだれが承諾してこういうことをおやりなさるか、こういうふうに私は理事会で追及した。そうしたところが、責任者は、これは総会できめた、こういう説明を僕にしたのです。で、いつ何日の総会でそういうふうにおきめになったかと問い詰めていったところが、いや、実はしなかったのだ、こういう問題になってきたのです。これは中央会の最高の座にいる連中が、自分がそういう環境にあるのです、実際。だから大部分は、自分が返すのがいやだから、うまいことを言ってごまかそう、こういうようにそのほかの業者からとられても、これはやむを得ないのですよ。何ら決議も何もなかった。そのときに私は、それは諸君いかんじゃないか、承諾を受けてからこれはやるべきものだ、それを受けないで、ただ君らが勝手に二、三の者で、そういうふうにきめましたからといって国税庁に言うことも、これももちろんいかんし、事実きめもしないことを、事が小だからいいといって、私はこれは通るべきものでない。今、長官は、これは石数が二千五百石くらいだからいいじゃないかと、こうおっしゃっても、地方業者の二千五百石はこれは大きなものです。でありまするから、私はこれは会長会できめたわけでもないし、総会に付議したわけでもない。私にそれを追及されて、しからばしようがないから理事会で一応きめておこうかというようなことで、私に言われて初めて理事会でちょこちょこと、閉会まぎわに、それじゃそういうふうにいたしましょうということをしただけで、実にこのやり方なんというものは、卑劣千万と言おうか、見ちゃおられぬのですよ。そういう事の真相も突きとめずに、これが中央会の声であるというようなことで、この不当な割当を本年も決行するということであれば、私は農林省へ行って、それがいいか悪いか聞きますよ、ほんとうの方に。長官のお考え、どうですか。
○説明員(渡邊喜久造君) お話のように、当初あたなが理事会で御発言になったときはきめてなかったようであります。しかし、その後において理事会できめた。で、われわれとしましては、結局これを業界の内部の問題でありますから、従って別に業界の内部の問題、組合がきめたことをわれわれの方から……、右から左へ全部それがいいというわけじゃございませんが、一応事の性格から見まして、この程度の問題であれば、やはり業界の意思を尊重していいのじゃないかと、現在でもそう思っております。
○委員長(廣瀬久忠君) ちょっと、長官は団体交渉か何か、三時ですから……。
○土田國太郎君 じゃもう十分ばかり……。それはあとできめたのじゃないのですよ。私に言われてそこできめたのですよ、そういうことは。だからそれはよく御調査になってもらいたい。そういうようにその不当な割当を、組合がきめたから何でもそれをやるのだというのじゃ、何も監督官庁の資格はないでしょう。これは事が小さいからいいといって、私は放任しておくべきものじゃないと思う。これはまあここで打ち切りますよ。私はそれはあすこへ行って聞きましょう。農林省へ行って、それがいいか悪いか……。 次に、時間があまりないから簡単に聞きますが、この原料アルコールですね。これは国税庁が昨年まで指示価格というものを出されておったのだが、これを出すにつきまして、どういう計算の基礎でおやりになったのでありますか。私が前の山本部長からお伺いするところによるというと、バルク・ラインをもってきめたのだと、こうおっしゃっておりますが、バルク・ラインの一番の最低限度を、あるいは三百石か四百石の小さな蒸留工場を基準にとられたのじゃないかと思いますが、その点はいかがですか。
○説明員(渡邊喜久造君) 原料アルコールの値段につきましては、これはまあ酒などと違いまして、公定価格でなくて、いわば指示価格——この点につきましては、これは売る方の蒸留業者と、買う方の清瀬業者との間に盛んに値段について議論がある問題であります。従って国税庁としては、この程度の値段がしかるべしといって計算した数字が、先ほど申したような数字になるわけです。で、計算の作り方といたしましては、われわれの方としましては、いわば七〇%のバルク・ラインということでありますが、まあコストの安い方から順々に拾っていきまして、ちょうど生産量の七割に当るところの点において、まあコストといいますか、それを一応の目安にしてきめていくと、こういうわけであります。
○土田國太郎君 このバルク・ラインのやり方が、これはマル公でもおきめになるときにはそれでもけっこうですが、生産者同士の取引に、七割までの石数程度のものでやったなら、ずいぶん高いものが出てくるのですよ。これはそういうものを標準にしてやりまするから、いつでも国税庁で指示価格が通ったためしがない。それでも高い価格をおきめになる。こういうことでは清酒のコストは高くなるばかりで、それと、どういうわけでこういう高い値をきめられるかというと、これは蒸留会社の要望によってこういうような価格をきめられるというようなふうの傾向がたくさんあったわけです。そうして表向きは高くきめて、今度は裏に回ってリベートを配っている。リベートを返す方法としては、小さな中小企業には少くやり、大企業には高率なるリベートを返しておる実情であります。でありまするから、小さい業者は非常にコストが高くなる。大きい業者は原価の安いところへ持っていって、また膨大もない何十万円とか何百万円というようなものをもらうのですから、コストが安くなる。だから市場へ立っても小さいものはいつでもこれは泣かされる。だからこのリベートを支払わない方法を講じてもらいたいということは、数回私は国税庁にも要求してあるのだが、さっぱりやってくれないわけです。しかもこのリベートをとって、帳簿に記入しないものもあって、脱税をやっておるものもある、はなはだしきに至っては。そういうような悪徳行為を国税庁はどういうふうに考えておるのか。また、そういう点についてこれからどういう態度をとるか。それから本年のこのアルコールの価格は、蒸留業者はどういうことを申し出ているのか、何円くらいのことを申し出てきたか、それを一つ伺いたい。
○説明員(渡邊喜久造君) 指示価格は先ほども申したように、われわれの方としては公定価格と違いまして、従ってその意味で作っております。アルコールの原料なんですから蒸留業者と清酒業者との問で話し合いで値段をきめればいいわけですから、われわれの方では別に指示価格を作らなければならぬ問題だとは思っておりません。しかし、少くとも従来は両方の業者の間から、ぜひ国税庁でもって何らかの値段を出してみてくれ、それでわれわれの方でも一応作ったわけです。ただ現実の問題としまして、その指示価格通りに取引ができていない、リベートがあるといいますか、結局、より安い値段で売買されている、それはお話の通りであります。それだけに指示価格というものの意味が一体何にあるかという点は、これは問題があるわけでありまして、将来の問題として、われわれとしましても、一体清酒業者、蒸留業者から、国税庁で指示価格をはじいてくれという場合において、それは一体どういうようにお考えになっているかという点をとくと聞いてみたいと思っております。本年のアルコールの値段について蒸留業者から幾ら申し出ているかというお話がございましたが、われわれの力にはまだ何ら申し出はありません。清酒業者と蒸留業君の間でもって一応の話し合いをしているようであります。
○土田國太郎君 それでは本年はアルコールの取引についてはわれ関せずえんと指示価格を作らぬ方針ですか。それを承わっておきたい。
○説明員(渡邊喜久造君) 指示価格を全然作らぬということをまだきめておりませんが、従来の取引の形態から見まして、そのアルコール業者と清酒業者との話し合いで事が円滑にいくならわれわれの方は作る必要はない。しかし業者の間でどうしてもやはり一応、いわば仲裁者的な考えで国税庁としてはじいてみてくれということがあった場合において、これをどうするということは、業者の話をよく聞いてみた上で、私どもの方としては態度をきめたいと思っております。
○土田國太郎君 私の聞くところによりますると、昨年より原料のカンショは一貫目五円以上も安いのですよ。でありますから、かりに三百貫と見れば千五百円も安くなるわけですね。それに対して昨年度は二万二千円にきめられておるのであるから、それよりも千五百円本年は安くてもいいわけだ。ところが蒸留業者は、本年のアルコールは一石二万五千円くらいであると申し出ているようにわれわれは聞いております。そういう乱暴なことを申し出たということは、僕は中央会から承わったのであります。それが事実であるとすれば、私はけしからぬと思うのです。原料のイモは、アルコール一石について千五百円も二千円も安いにかかわらず、去年より三千円も高いことを申し出ている。実にアルコール業者のやっていることはなっておらんということなんです。そういうものに対して、どうもわがままな情勢をうのみにするような格好で、はなはだ迷惑ですがね、長官。
○説明員(渡邊喜久造君) 先ほども申しましたように、アルコールを幾らで買うといったような問題は、これは蒸留業者と清酒業者との話し合いの問題ですから、従ってわれわれの方ではそれを、これで取り引きしなければならぬか何とかいったような問題には関与するとか、そういうことを申すつもりはありません。
○土田國太郎君 大体これで、私の質疑はまだありますけれども、時間もだいぶ延びましたし、長官もお急ぎのようですから、一応これでやめますが、機を見てまたお伺いすることにしますが、最後に今の地域的の問題ですね、何とかお考え直していただくことはできないでしょうか。
○説明員(渡邊喜久造君) 現在考え直すということを申し上げる段階ではありませんが、一応中央会の人たちに、よくあなたの御発言を頭に置いて、事情を聞いてみたいとは思っております。 —————————————
○委員長(廣瀬久忠君) 租税に関する御質問はまだたくさんあると思いますが、長官の都合もあるようですから、租税に関する問題をこの程度にとどめまして、専売事業に関する件を問題に供しまして、御質疑を願います。
○説明員(白石正雄君) この前、新生、バット等の原料事情の資料の提出を申しつけられましたので、ただいまお手元に配付いたしておりますので、これにつきまして御説明申し上げたいと思います。 この表は、昭和三十一年度当初の、原料葉タバコの在庫の数量に相なっております。数字を見ていただきますと、御承知のように原料葉タバコには、在来、バーレー、黄色というようにありまして、第一在来種が三百六万二千キロ、第二、第三在来種が五千三百十八万キロ、バーレー種が二百八十四万五千キロ、黄色種が一億二千百二十四万、五千キロと相なっておりまして、合計は一億八千三十三万二千キロ、かように相なっておるわけでございます。各品種とも優等から一等−八等というように等級が分れておりまして、これらの品種、等級を混合いたしまして、各種のたばこを製造いたしておることは御承知の通りであります。従いましてピース、光、新生、バットのそれぞれの原料がどうなるかということを御説明いたすべきでございますが、各種の配合の状況によりまして、その計算が非常に複雑に相なりますので、ただいまお手元にありまするこの数字から、大体の傾向を御推定願いたいと考えるわけでございます。この優等から八等までの合計のところでその傾向を見ていただきますと、高級用の原料、下級用の原料というような意味におきまして、一応三等程度のところまでを集計いたしてみますと、一億一千八百万キロ程度の数字に相なるわけでございます。ごらんになりますとおわかりになるように、三等の等級が最も多うございまして、四千百万キロを占めております。二等が三千八百万キロというような数字に相なっているわけでございます。下等の方の八等、七等というような数量は、非常に僅少の数字を示しているわけでございます。かような原料の状況になぜ相なったかということでございますが、これは前回の委員会で総裁からも説明ありましたように、両面の理由があるわけでございまして、第一点といたしましては、農業技術の進歩向上によりまして、下等級のものが漸次上位等級のものになる。これは、御承知のように鑑定いたしましてやっておるわけでございますが、品質がだんだん向上いたしますので、従来八等であったようなものが、だんだんに七等に、あるいは六等というように進歩いたして参りまするので、相対的に下級原料が少くなるというのが一つの理由でございます。第二といたしましては、販売の状況からの原因があるわけでございますが、たとえば、例を申し上げますと、昭和二十八年におきましては、ピースは千分比にいたしまして一五五を占めておったわけでございます。これが昭和三十年におきましては五五に低下しておるわけでございます。また、光で申し上げましても、二十八年には二三五の比重を占めておりましたのが、一一三というような数に低下しておるわけでございます。他面におきまして、新生は二十七年には二三〇の比でございましたが、これが三十年には四九〇というような比重に増加いたしておるわけであります。従いまして、高級原料が逐次過剰になり、下級原料が逐次逼迫を受けると、こういう傾向を示してきまして、ただいまお手元の数字で見て大体の傾向がおわかりになりまするように、上位等級の葉が非常に多くなりまして、下位等級のものが非常に縮小しておる。ただいまの三十年の売れ行きの状況から見ましても、三十年の実績では、新生、バットを合計いたしました千分比が七二〇−三〇というような千分比を示すわけでございますが、つまり下位等級の品種が七割二分以上を占めておる。これは売れ行きの方でございますが、これにつきまして、今申し上げましたように原料の方では、非常に大ざっぱな言い方でございますけれども、四、五等級以下というものを一応の境目にして申し上げましても、下位等級の方が半分で、上位等級の方が倍というような現状の在庫の状況になっておるわけであります。かようなわけで、できるだけ下級品種のものの供給を円滑にいたしたいということで、せっかく専売公社においても努力中でございますけれども、非常に需要に間に合い得たいというような現状を難しておる次第でございまして、まことに申しわけないというふうに考えておる次第でございます。
○椿繁夫君 ただいま資料説明をいただいたのですが、これは十二月六日現在のストックの状況のようですが、十月末ごろはどういう状況でしたか。
○説明員(白石正雄君) これはごく最近の数字を提出いたすべきところでございますけれども、これはいろいろ毎日変化もございまして、ただいま手元に的確な数字がまとまっておりませんので、三十一年の当初の原料葉タバコの状況を申し上げたわけでございます。これを使用いたしまして、現在三十一年において製造いたしております。そうして供給をいたしておる次第でございます。
○椿繁夫君 この資料は私がお願いをした資料に対する同等になっておりません。私は、今、町に新生やバットという大衆たばこが非常に欠乏しておるので、総裁のお話を伺うと、もっぱら下級たばこの原料葉の不足によるものであるという御説明でありましたから、その実況を承知いたしたいと思いまして、資料をお願いしたのであります。ところが、こういうふうに優から等外に至るまでずっと在庫高を提出をしていただいたのですが、一体何等ぐらいのところが、何等と合せて新生の原料となり、あるいはバットの原料となるかというふうなことは、私どもこれでは十分わからんのであります。もう少し……。
○説明員(白石正雄君) ピース、光、「いこい」、新生、バットというように、御承知のようにいろいろの品種がございまして、それぞれの品種につきましては、在来種、バーレー種、黄色種、さらにその中の各等級をいろいろ配合いたしまして、そうして製造いたしておりますので、御質問の通りもっと配合割合から計算いたしましたものになさねばならぬと思うわけでございますが、非常に複雑になりますので、大体の傾向を御推定いただくという意味でこの数字を提出したわけでございます。 そこで、新生、バットの原料は、これは黄色種、在来種によりましてやはり異なりますけれども、大体下位等級の原料を使用いたしておるわけでございます。従いまして、ここで見ていただきますと、八等から五等程度を中心といたしまして、新生、バットを製造いたしておる。それからピース、光は一、二等、三等というようなものを中心といたしまして製造いたしておるわけでございます。そういたしますと、先ほど申し上げましたように、たとえば三等までを見ていただきますと、これが一億一千八百万という数字になるわけでございます。四等以下と見ましても、六千二百万、五等以下ならば三千八百万というような原料状況に相なるわけでございます。これを比重でごらんになりますと、四等以下、三等以上との比重は大体一対一というような原料の状況に相なるわけでございます。しかも売れ行きの方の状況は、先ほど申し上げましたように、三十年の実績で申し上げますと、新生、バットが七二%以上を占めるというような状況に相なりまして、全く需要の方向と原料の比率が逆に相なっておるわけでございます。かような状況のために「いこい」を発売いたしまして、そうしてピース、先ほどのものではないけれども、まあ上位等級に属する原料を使用して需要に間に合わせるという意味で、「いこい」の発売をいたしたわけでございまして、これが最近非常に評判もよろしゅうございまして、伸びておりますので、漸次上位等級のものも原料がさばけておると、かような状況に相なっておるわけでございます。しかしながら、下位原料の方はなかなか思うにまかせませんので、店頭に品切れを呈しておりまして申しわけない、こういう状況に相なっておるわけでございます。
○椿繁夫君 あなたの御説明を聞いておりますと、需要はだんだん多くなってくる、大衆たばこが。原料の方は農業技術の改良によってだんだんと材料が滅ってくる。これはいつごろにならなければ、バットや新生は作れなくなるような気がするのだが、見通しをいつごろにつけておるのですか。
○説明員(白石正雄君) これはただいまそういった傾向を御説明いたしたわけでございまして、できる限り原料事情におきましても需要に応ずるように今後努力しなければならないということは、もちろん仰せの通りでございますが、今までの傾向といたしまして、そういった傾向のために、ただいまのような品不足の状況を呈しまして、申しわけない事態に立ち至っているわけでございます。
○椿繁夫君 私は総裁に来ていただいてお聞きしようと思ったのですが、十月末の在庫状況を私は調べてみた。そうしますと、新生の原材料のストック在庫状況が五十八日分程度ある。それからバットは七十五日分ある、あなたの方にですよ。一体平常の在庫量というのは何十日分くらいお持ちの予定ですか。
○説明員(白石正雄君) ただいままで私が御説明いたしましたのは、これは原料葉タバコの在庫の状況でございます。ただいま仰せになりましたのは、製品のストックのお話だと思います。七十五日分と仰せになりましたのは、でき上りました新生あるいはバットの製品のお話でございます。これは、全国に配給いたさなければなりませんので、いわゆるランニング・ストックといたしまして若干のストックがあることは、当然でございます。原料の方は、これは御承知のように、一年に一回しか収納いたしませんし、かつまた、でき上りました葉をすぐに使うというわけに参りませんので、相当成熟させまして年月をたってからでないと使えない、こういう状況でありますので、原料の葉タバコの在庫が一カ月や二カ月では、これはもう問題にならぬわけでございます。従いまして、ストックは、御承知のように、二カ月程度はあるわけでございますが、これは製品を全国に配給するランニング・ストックでございますので、この程度は回送の時間的な問題もございますし、当然存在すべきものだ。ただ、比較的に新生、バットが「いこい」あたりの在庫に比較いたしまして多いんではないかと、こういうあるいは御指摘があるかと思うわけでございますが、これは、「いこい」の販売需要の状況がどのような状況を示すかということにつきまして、やはり的確な見通しがございませんでしたので、実は非常に「いこい」の売れ行きが良好を呈ししまして、その製品の在庫が非常に少くなった、従いまして、新生、バットよりも若干その製品のストックが最近におきまして少くなったと、こういう状況でございます。しかし、それを製造いたしますところの原料葉タバコの方は、ただいま申し上げましたように、新生、バットの方は非常に少いわけでございますけれども、「いこい」のほうは豊富にございますので、これはまあ製品といたしましては、今後需要が相当伸びましても、まかなえる。これは機械の関係で、若干十一月ごろにそういった希薄の状態は呈しましたけれども、十二月以降におきましては、「いこい」の生産も非常に伸びるわけでございまするので、ストックのアンバランスというものは解消するという状況でございます。
○平林剛君 今お話しになっていますけれども、二つの問題点があるんですよ。一つは、葉タバコの材料について、さっき椿委員が心配をされたように、あなたの説明だと、何年か後には新生やバットの材料がなくなっちまうことになるんでしょう。それにもかかわらず、専売公社の葉タバコの耕作面積の中においては、必ずしも下級たばこの産地がどんどんふえていくというような政策がとられず、全般的に減反の方向にいっておる。そういうことになれば、昨日来から総裁の方から新生、バットの増大についても努力をしたいと、こう言っていることと逆になってくるわけです。そこに政策の矛盾があるわけですよ。われわれとしては、新生、バットを要望している国民の期待にこたえて、この葉タバコの材料についてもそういう措置を具体的にとらなきゃならない。どういうふうにとっているかということをも少し話をしてくれないと、この委員会へわざわざおいで願った趣旨が成り立たなくなってくるわけです。私は、その点にあなたの説明は矛盾があるし、これは総裁からも、今後の葉タバコ材料充実についてどういう具体的な計画があるかということは、ぜひ聞かしといていただきたいと思う。 それからもう一つ、製品のほうで申し上げると、今あなたが、「いこい」がどんどん売れている状況で様子を見たい、と言っているが、「いこい」がどんどん売れていって、そしていこいの在庫が少くて、新生、バットが在庫がふえているように見えるかのごときお答えをしましたが、私はこれでも町へどんどん出ているから、町の声というものは聞いているわけです。たばこの小売屋さんへあなた一つ行ってごらんなさい。何と言っているか。たばこの小売屋さんは、みんな困っているわけですよ。というのは、「いこい」をどんどん持ち込まれて来て、今までのハットや新生から比べたら高い値段ですから、回転資金に困ってしまう。そうかといっても、今公社の方針が「いこい」をどんどん売り出すということであるから、協力をせざるを得ない、しかし小売店の資金額には限度があるから、そこでお金に困っているという実情です。あなたのお話ですと、あたかも自然に「いこい」が売られている、国民の需要があるかのごとき答弁をされておりまするが、もう少し実態に即したお答えをしてもらわないというと、私ら今後の問題を議論するときに、間違った材料で判断をしなければならん、その点については、もっと率直にお答えを願いたいと思います。
○説明員(白石正雄君) 第一の問題で原料が漸次相対的に少くなる傾向を示しておる。そういうことであるならば、将来なくなっちまうじゃないか。まあこれは極端な御心配かと存じますが、(「そういう説明になるじゃないか」と呼ぶ者あり)相対的に少くなる……。(「そういう説明をしたのじゃないか」と呼ぶ者あり)相対的に少くなると申し上げておりますのは、全然なくなっちまう……。(「さっきの速記録を読んでごらんなさい、そう言っておるじゃないか」と呼ぶ者あり)相対的にだんだん少くなる、かように申し上げておるわけでございますが、これにつきましては、なるほど需要に相応するように下級葉の原料を増産すべきであります。ただ、等級というのは、御承知のように、一定の標準がございまして、それに応じて判定をいたしましてやっておりますので、従いまして、農作物といたしましてそういったものが漸次品質の向上を来たしたために、相対的に漸次減少しておるという状況を申し上げたわけでございます。 次に、「いこい」の問題でございますが、これはやはり「いこい」を製造いたしますにつきましては、従来の機械を改造をするということで「いこい」に回さなければならんわけでございますが、そういった製造の状況に見通しに若干のそごがございましたので、従いまして、需要に不足するというようなことはなかったわけでございますけれども、新生、バットほどにストックの状況が一時十分でなかったという時代があるわけでございまして、そのときの新生、バットの製品のストックと「いこい」のストックを御比較になに在庫の日数が多かったと、こういう状況はあるわけでございますが、これはもうすでに解消いたしまして、「いこい」の方も十分製造できるような状態に相なっておるわけであります。 次に、「いこい」の方を押しつけて新生を減らしておるじゃないかという御質問でございますが、これは、ただいま葉タバコの方から御説明申し上げましたように、新生、バットの方は、葉タバコの状況の制約を受けまして、作ろうと思ってもなかなか自由に豊富に作れない状況にありますが、「いこい」の方は原料は豊富にあるわけでございまするので、できるだけひとつ「いこい」の方を消費していただくというように販売政策上奨励の方法をとっておるということは、これは当然のことでございますが、そのような状況でございますので、よろしく御了解願いたいと思うわけでございます。
○椿繁夫君 今の説明を伺いましても、何かお前の挙げた数字は原料じゃなくて製品なんだといって得々としてあなた言っておられますが、これほど販売規制をバットや新生について行いながら、新生が五十八日、バット七十五日分、そんなに在庫をしておいて、なぜ販売規則をやらにゃならんか。総裁は、専売益金のなにはそう大してそれが原因で売り惜しみをしているのじゃないという説明がありましたが、結局そこになるんじゃないでしょうか、総裁にちょっと御答弁願いたい。
○説明員(入間野武雄君) ただいまお話のバット、新生の在庫ということについて一言お答えいたします。御承知の通り、「いこい」は本年度初め——議員の御指摘はありましたけれども、とにかく売れ行き状況はなかなかいいのであります。機械の製作がこれに追いつかない。従って、「いこい」の包装機を充実するまで、そうして新生、バットの製造を低下さしていく間、少し量を多く作っておきまして、あとあと数量の減ったときに、今以上に困らぬようにストックを多く持っておるわけであります。私どもの希望といたしましては、大体在庫は一カ月ないし二カ月くらい持ちたい、こう考えておりまして、七十五日というのは少々多すぎるかと存ずるのでありますけれども、そういう事情で、「いこい」の対策ができますれば、そちらの生産が落ちていきますので、これは販売をなだらかにやっていくためのストックである、こう御了承願いたいと思います。 それから葉タバコの問題につきまして監理官からも御説明申し上げましたが、あの通りでありますが、私どもといたしましては、最近量質ともにとるように耕作者を指導いたしております。御承知の通り、日本の葉タバコというものは質が落ちておりましたために、いいたばこを作ってもらって、需要家の方々にいいたばこを吸っていただきたいという念願で、従来品質本位の指導をして参りましたが、一昨年以来、下級品に需要がだいぶふえて参りましたので、品質本位ではとてもいかぬ。それが最近になりまして、量も増していく、量を増していくことにしますれば、勢い品質も落ちていくという形になりますので、これが実現していきますれば、幾分緩和し得るものである、こう考えているわけであります。ただご承知の通り、葉タバコの使用は、でき得れば翌々年の十月ころから使いたいのでありますが、今日はそういうわけにいっておりません。ことに下級原料は、もうすでに昨年の分をよほど前から使っておるようなわけでありまして、従いまして、ここにごらんいただきました数字は、下級葉が少いというのは、昨年、一昨年における売り上げが多すぎた結果である、こう御了承願えれば仕合せであります。
○椿繁夫君 大衆たばこの原料の増産対策ということが先般の委員会から今日も少しも具体的な御説明がないのですが……。
○説明員(入間野武雄君) 下級たばこの原料を増産させることにつきましては、何してもタバコは天候に支配されることが多いのでありまして、天候のいいときは、同じようにいきましても、いい葉ができる、天候の悪いときは悪い葉ができる。こちらで悪い葉を作らせようと指導するということはなかなか至難であります。ただしかし、今までの質だけ、質を本位にして増産させたよりも、量本位、量をふやしていくという方法でいきますれば、おのずから下級葉がふえていくだろうと期待いたしております。
○委員長(廣瀬久忠君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬久忠君) 速記を始めて。
○椿繁夫君 この間、あなたのお話を聞いていると、もっぱら大衆たばこの市場の不足は、これは原料だけだというお話でしたが、臨時税制調査会に公社の方から資料を出しておられますな。専売益金増収の検討ですか、というあれを見ますと、販売規制を大衆たばこに対しては行わないで、需要に即した供給をやる場合に三十億程度の減収を来たす、現在程度のバット、新生に対する販売規制を来年度も継続すると、二十億程度の増収をすることができると見ることができる、こういう資料をあなたの方で出しておられるのですね、臨時税制調査会に。これによりますと、どうも今の大衆たばこの販売規制というものは、……千五百二十五億ですか、この益金の納付額というものが、現状においては、大衆の需要にこたえながら、国民へサービスをしながら、やっていくということでは、現在の納付額はちょっと無理のような報告がなされているように思うのですが、どうなんでしょう。
○説明員(入間野武雄君) 私、うかつで、その提出するときの資料を詳しくは見ておりません。大体の傾向は椿委員のおっしゃる通りだと思います。それに出しました数字は、葉タバコの需要が非常に多いために、下級葉タバコ用の原料だけでは足りないのだ、上級葉も少しまぜて使うということになれば、勢い原価が上ってくる、原価が上ってくれば勢い歳入が減ってくる、こういうことで下級たばこの需要に応じて、そのまま今まで使ったよりも上級葉を入れて使えばそうなるということを言っただけであります。そう御了承をお願いいたします。
○椿繁夫君 税制調査会では専売公社に対して明年度百億程度の増収をやらせようということを、どうやら考えておられるようですね。今のところ、あなたはきぜんたる態度をもって、この間の委員会では、そういうことを今の公社に言われたって私はできません、こういうお話があったので、私は大分安心しておったのですが、もし税制調査会がそういう答申を政府にする、政府でそういうことがきまる、現在の納付額に対して百億の増額をしなければならぬというようになったら、一体どういう対策をお持ちになるのですか、大衆たばこの販売規制などを行わないで。どういう対策をお持ちですか。
○説明員(入間野武雄君) 税制調査会でそういう議のあることはほのかに聞いております。がしかし、まだ正式のものは拝見しておりませんが、私どもといたしましては、税制調査会に拘束される必要はないと思います。明年度益金につきましては大蔵省と相談してきめなければならぬ。従って、税制調査会でもし百億という数字を示しましたならば、大蔵当局とよく談合いたしまして、とうていできないことはできない、また私は今の大蔵当局を信頼しております。大蔵当局がそれほど無謀な考えを持っていないだろうと考えております。
○椿繁夫君 これ以上大衆のたばこの財売規制を行われては困るのですが、来年にはだんだんと国民の中の多くの愛煙家の要望にこたえて、バットなり新生なりの規制をなくしてもらいたいと私は思う。けれどもどうしてもできなければ、今後の対策を具体的にお考えになって、現状を是正していくというふうなことがあれば御説明を願いたい。
○説明員(入間野武雄君) 今日こういう規制をしなければならなくなりましたことは、規制をしなければならぬと言っては言い過ぎますが、原料不足を来たしたゆえんは私の実は不明のいたすところであります。昭和二十九年、三十年、皆様のお好みになるたばこは不足なく出そう、こういうことで二三%から四九%にふえるのまでそのままやって参りました。サービス本位で参りましたのが、ここへきて原料不足ということになりました。私の立場といたしましてはまことに申し訳ないと思っております。もう少し原料事情を考えて、あれを押えていけばここへきてがたっと皆さんに御迷惑をかけるようなことはなかったと思いますが、二十九年、三十年はサービス第一主義で、益金第二主義で参りましたために、こういうことになってまことに相済まぬと思います。いずれここ両年のうちに漸次原料事情を改良いたしまして、今日以上御迷惑をかけることはいたしたくない、こう私は考えております。
○江田三郎君 ちょっと議事進行的な意味で申し上げたいのですが、棒君の方も何かまだずいぶん質問がこまかい点まであるようですけれども、総裁の方も病院へおいでになるということになると、これはどうも御老体をそんなに御迷惑をかけては基本的人権(笑声)ということの問題になりますから……。それで私もいろいろお聞きしたいのだが、ただ先ほどの事務当局の方の話を聞いておると、これは全く落第であって、農業の進歩に従ってりっぱな葉ができるのだと、良質の葉ができるのだということになれば、新生やバットなりというものはなくなるという結論になってくるわけなんです。その点今総裁の方が、税制調査会がどういうことを言おうと、そういうことはあまりとんちゃくしないというようなお言葉もありましたけれども、同時にあそこでもう一つ気になるのは、総裁は大蔵省はむちゃなことはしないだろうと、大蔵省ともよく相談するのだと言われますが、その大蔵省が問題ですよ。大蔵省がそんなにこの税制調査会が何言おうと、たばこはサービス本位でいけばいいんだと、こういうことを言うはずはないのですから、そこで私は今専売公社の方向というものは、今までのような大蔵省の納付金を何でもかんでも上げればいいという方針でやっていくのか、総裁はそういうことはしないのだと言われますけれども、現にこの原料葉の問題にいたしましても、あるいは在庫の問題でも、総裁は不明のいたすところだと言われますが、不明じゃないですよ、わかってますよ。不明じゃないですよ。不明ではなくて、やはりそちら側からの要請が強過ぎるということですよ。聞いておればわかりますよ。そういう方向でいくのか。それともここで将来たばこを、専売公社のあり方を根本的に変えるのか。そういう根本問題にぶつかっておると思うのでして、今病院に行かれる総裁をお相手に、このおそい時間にあまりくどくど言うといけませんから、これは委員長、そういうわけで、本日のところはこの程度にして、あらためてもう一度総裁が、一つ目がよくなられて——目も頭も(笑声)皆よくなられてからお聞きしたいと思いますので……。
○平林剛君 今総裁のお答えになった中で、ちょっと気にかかるところがあるから、御注意だけ申し上げておきたいと思います。 販売規制をやっているかやっていないかについては、昨日来からの答弁で、実態というものはわかりました。総裁としてはなかなか自分で口に出して言うことはできないのはわかってます。しかし監理官の答弁の中にもうかがい知れるように、「いこい」が順調になるまでは、新生、バットの販売についてもある程度「いこい」を奨励するというような政策をとらざるを得ないというようなお話もあったわけで、この点の実態はほぼわかりました。しかし各委員が要望されておるように、なるべくこれについての対策を立てて、大衆たばこを愛好する人に迷惑をかけないように一段と努力をしてもらいたいということを私として申し上げたいと思うのです。 それからもう一つは、総裁は今まで私の方針が誤まっていたと、サービス第一で、そうして税収第二の方法をとったのがいけなかったと言いますが、私はそれは逆なんです。むしろ今の公共企業体としてはもちろん税収も必要でありますけれども、この税収のあり方については根本的に検討を加える時期がきておる、そういう意味でわざわざ私どもが申し上げておるのは、決してサービス本位というのを忘れてもらっては困るということをむしろ強調しておるのでありますから、総裁がさっきお話になった点は、これからも、たばこを愛好する国民は生活必需品となっているのですから、サービスを忘れたような専売公社になってもらっては困る。この点は申し上げておきたいのです。 それからもう一つ、私らがこれを問題にするのは、ざっくばらんに言えば、国有鉄道の例を申し上げると、もし鉄道が三等列車をなくしてしまって、お客様はだれでも二等車に乗れと言ったら、これはもうみんなおこりますよ。三等車の数を減らして二等車をふやせば、益金としては国鉄は収入がふえるかもしれないけれども、これは実態に即した話ではありません。たばこもやはり新生、バットのように一般所得の低い人が特に愛好するたばこをなくして、「いこい」でも十円高いし、光、ピースを売りつけるということは、ちょうど国鉄が三等車を廃止して二等車だけのお客を乗せると同じことです。これは目に見えない——煙だから目に見えないわけだけれども、しかし実態としてはこれはぜひ是正をしなければならないことです。私はそういう意味ではぜひ、これからも検討課題になるわけでありますけれども、一段と、国鉄の三等車廃止と同じような、新生、バットを少くして高いたばこに飛びついて、そうして益金だけを上げるという政策に進まれることはやめてもらいたい。 それからもしかりにこれを政府が要望するのであれば、専売公社はこの委員会に積極的に出てきて実情を話してもらいたい。政府は一千億円の減税を国民に約束して、とにかく生活に困っている実態であるから減税をしなければならぬ、そういう政策を今世論の動きによって検討しているときです。ところが新生、バットを少くし、高いたばこを国民に買わせるということであれば、この公約を裏切るということになるわけでありますから、政府としてもそういうことは言える義理合いのものではない。もしかりに来年度の予算編成をする場合に当って、現在の実情をもっと悪くするような要求が公社にあったならば、そのときは私どもお手伝いをする。国民になりかわって政府に対しこの点は注文を発するつもりでいるわけであります。特にこの年末にきて、あるいは新年に向ってもそうですが、新生、バットを愛する人は国民の中でも所得の少い人です。こういう人たちに対して必要な手をどんどん打っていくということがほんとうの政治でなきゃならぬし、政府機関としての専売公社は積極的にこの手を打っていかなければならぬはずと思う。そういう意味で私らは二回も続けておいでを願って注文を出しておるわけでありますから、この趣旨をよく理解して、今後の運営に当ってもらいたいということを希望しておきます。
○椿繁夫君 私の発言中に、まだ質問をずっとやらしてもらうつもりだったが、病院へ行くということを言われるものだから、江田君の方から進行の動議が出たので、きょうはこのくらいでおきますけれども、私はやはり全国の愛煙家を代表して、これは私も勉強しますよ、一つ腹を据えて今度は出てきて下さい。休会中や通常国会の際にはもっと徹底した御答弁をいただくようにお願いをしたいと思います。
○委員長(廣瀬久忠君) 本件の調査は一応この程度にとどめます。 —————————————
○委員長(廣瀬久忠君) 次に、二つばかりちょっとお諮りをいたしておきたいと思います。 一つは継続調査要求に関することです。お諮りをいたします。御承知のごとく今期国会当初に議長の承認を得まして、ただいままで租税及び金融等に関する調査を行なって参ったのでありますが、なお調査すべき事項が多いのでございますので、閉会中も継続して調査することとし、本院規則第五十三条により継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(廣瀬久忠君) 御異議ないものと認めます。 なお、要求書の内容、提出時期等につきましては先例により委員長に御一任願いたいと存じます。 —————————————
○委員長(廣瀬久忠君) 次に、委員派遣要求に関してお諮りいたします。 今期国会閉会中に租税及び金融等に関する調査のため、委員派遣の要求があるかと思いますが、本件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(廣瀬久忠君) 異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。 暫時休憩いたします。 午後四時二分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕