大蔵委員会 第4号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/12/03
会議録
○委員長(廣瀬久忠君) これより委員会を開会いたします。 議事に入るに先き立って委員の異動について御報告をいたします。 十二月一日付をもって苫米地委員が辞任され、その補欠として黒川武雄君が委員に選任され、また三日、本日付をもって片岡委員が辞任され、大矢正君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(廣瀬久忠君) 本日は租税及び金融等に関する調査を議題とし、一万円紙幣問題に関する件及び専売事業に関する件を一括して問題に供します。質疑のある方は順次御発言を願います。大蔵大臣は出席がややおくれる見込みでありまするので、まず専売事業に関する件について順次御質疑を願いたいと思います。
○平林剛君 きょうは一万円紙幣の問題で大蔵大臣に質疑がありましたが、おいでになりませんから、初めに大衆たばこの販売制限政策に関して専売公社総裁に若干お尋ねをしたいと思います。 最近たばこの小売屋さんから新生やバットなどのいわゆる下級品が姿を消しておる、特に地方へ参りますと、一般の国民層が新生を買いにきても新生がない。そこで仕方ないから「いこい」や光を買って帰る。そういう買い方ができない人はそのまま帰ってしまう。このことから、多くたばこを愛好しておる国民の中で、どうも呼出公社は安いたばこを売り惜しんでおる、そして高いたばこを押し付けているという声になってきておることは、総裁においても御承知であると思うのであります。すべての風当りがこのため専売公社に来まして、専売公社の経常は官僚的だからいかんという声にもなってくる。私はこういう今の国民の中に起きておる声に対して、総裁にいろいろお尋ねをしたいと思っておったわけであります。一体こういうふうに最近たばこの小売屋さんから新生やバットが姿を消す、あるいは品薄であるという事情は、どういうところから起きておるのか。
○説明員(入間野武雄君) 平林委員のお尋ねにお答えいたします。近頃下級たばこが少くなってきたという声は、私といたしましてもしばしば耳にいたしております。御承知の通り専売事業は、一方において収入を上げて納付益金を確保し、国及び地方財政に寄与する、他面においては需要者のサービスということも考えなければならぬと考えておるのであります。しかるにこの新生につきましては、昭和二十八年度ば全体の二四%ぐらいにすぎなかったものが、昭和三十年度になりますると四九%、倍に増加いたしております。そうして参りますと、限られた原料の中におきましてはなかなか手不足、原料不足ということもいえますので、これらの点を考慮いたしまして、今日の販売状態になっておるのであります。私は昨年と一昨年と、できるだけ需要者の声を聞き、サービスをするつもりでやりましたところ、二年こういう状態が続きましたので、原料におきましても新葉を用いなければならないというような状態もありまして、かたがたもって原料が非常に窮屈になって参りましたがため、勢いその原料の限度において生産するということのために、昨年に比べますれば約一〇%余り減少して参ったようなわけであります。私どもといたしましても、できるだけ原料手当をして、かくのごときことを早く緩和いたしたいと、こう考えております。
○平林剛君 今の総裁のお話によりますと、新生やバットなど下級品たばこが減少しておるというのは、新生を求める国民の層が増大をしてきて、下級たばこの原料葉たばこが不足をしておる。だから今日のように店頭からたばこが少いというふうに聞こえたのですが、私はもう一つ理由があるのじゃないかと思うのです。それは、ことし昭和三十一年度の販売予算の目標が消費税を含めて千五百二十五億円ある。通常の販売努力によってはこれが困難であるから、下級たばこの販売操作によって人為的に高級たばこの売れ行きを増加しなければ足らぬという、つらいところがあるのじゃないか、それで店頭から下級たばこが姿を消しておる、こういうふうに理解をしておるわけです。ききの大蔵委員会において、専売公社の代表の人に来てもらってお話を聞きますと、原材料が足りないという一点ばりでありましたけれども、最近はむしろ国民の方がよく知っておるのではないか。これはむしろ国民の方が、軒先公社が何と弁明しようとも、棄却益金が達成できないから、無理をして国民の新生、バットを愛好する人たちのたばこを売り惜しんでおるのだと、こういう素直な声を言っておるわけです。これは天下周知の事実になってきておる。私はこの点を専売公社の総裁にもう一度お伺いをしたいのです。この地方にあるうつぼつとした国民の声というものが真相なのか、あなたの言うように原材料が足りないということだけで済まされるものか、どうもこの点は、私は総裁も現在の公社の実情というものを率直に国民に訴えて、そしてこれに対する対策を考える時期に来ておるのじゃないだろうかと、こう思うのでありますから、もう一度その点をお答え願いたいと思います。
○説明員(入間野武雄君) 先ほど来申し上げましたように、二カ年の間に倍にもなっているということになり、原材料も勢い不足して参っておる。従いまして、その原料を基礎として製造をいたしますれば、どうしても思うようには出てこない。その結果、あるいは規制というようにごらんになるかもしれませんけれども、原料不足が主たる原因と御了承願いたいと思います。
○平林剛君 その点は私はちょっと総裁は率直なお答えをしていると思わない。いずれこのことは、私は休会にでもなれば専売事業の実態ということを調査をしたいという希望が各委員の中にもありますから、専売公社の在庫その他についても、やはり今、総裁がお答えになったのが主たる原因であるのか、それとも専売益金目標が達成できないために今の販売制限をやっているかということが明らかになってくると思うのです。どうも総裁の答えは私は率直に受け取ることのできないのが残念です。
○説明員(入間野武雄君) 今詳しいお話がありませんが、在庫のことがお話がありました。なるほど下級品在庫は相当持っております。が、しかし、これが最近「いこい」がだいぶ売れて参りましたので、機械を「いこい」の包装機にかえなければならぬ、「いこい」の包装機にかえれば、もちろんバット、新生の生産も落ちてくる、そうなりましたときに備えて下級品を多少よけい持っております。公社といたしましては常に一カ月ないし一カ月半くらいの在庫は持っていないと、御承知の通り私よりもむしろ平林委員は専売公社のことば御承知と思いますが、全国に配給していく上において手持ちをそれだけくらいは常に持っていなければ商売ができないようなわけでありますので、一カ月ないし、一カ月半くらいの在庫を持ち、また新生バットについてはそれよりもあるいは少し多く持っているのは、「いこい」の包装機をかえるに伴いまして、将来減産せざるを得ないときに備えているためであります。
○平林剛君 この数字についてはまた別の機会に明らかにしますが、私は専売公社の総裁としては、やはり国民が求めているたばこについて、できるだけサービスをして、その要望にこたえるという態度を持ってもらいたい、こう思っているわけであります。もちろん、専売公社の目標は、もう一つ専売益金を確保するという至上命令があることは私もよく承知をしておりますが、やはり政治あるいはこの専売益金を確保するやり方においても、常に大衆の要望にこたえて、サービスしながら益金を確保していくやり方はとれないことはないと思います。私はそういう意味では、今日は総裁に対して、国民の要望にこたえて、新生、バットなどの大衆たばこを増配してもらいたい、こういうことを要望したいと思っておったわけであります。しかし、かりにその要望にこたえるというと、公社自体としては明年の三月までに昭和三十一年度の予算の目標に達しないという事態が起るかもしれない。私もその点はよく承知をしております。今のような販売制限をしなければ、来年の末までには二、三十億円は目標に達しない、こういうことまで知っております。だから、それに適するためには無理な仕事をやっているということも承知をしている。しかし、総裁としては、今国民が要望している新生、バットの要望にこたえてそれを増配するように努力するべきか、それとも、このまま国民の世論から非難ごうごうを受けても今のような状態のまま押し通していくつもりか、それについては総裁は自信がおありかどうか。
○説明員(入間野武雄君) 平林委員もおっしゃいました通り、専売事業の目標は益金の確保、それから需要者に対するサービス、この二つにあることは申すまでもないところであります。御承知の通り、昨年、一昨年全力をあげて需要者へのサービスをしましたけれども、一昨年は消費税を入れて七十億、昨年は消費税を入れて約五十五億歳入に欠陥を来たしております。ただいままで専売五十年の歴史を顧みまして、二年続いて益金を欠いたことはありますが、三年やった例はないのであります。従いまして、ことしは益金確保とサービスに努めて参ったわけでありますが、先ほど来申しました通り、原料品不足が原因いたしまして、サービス面が十分いかなかったことは、私どもといたしましてもまことに遺憾に存じているところであります。原料さえ許すならば、そういうことのないようにできるだけ今後努力をいたしたい、こう考えております。
○平林剛君 総裁、原料々々と言うけれども、私はその点ではむしろ本質的な問題は、専売益金の目標額にあると思っております。大体ことしの予算千五百二十五億円という目標自体においても、今の国民経済の実情からみて無理がある、こういうふうに理解をしておるわけであります。昭和九年ないし十一年の基準年度をとってみても、そのとき専売益金の目標というものは大体二億百万円であって、今の千五百二十五億円に比較をすると約七百三十一倍になっておる。当時の一般会計歳入予算に対する割合を比較してみましても、戦前九年ないし十一年ではその負担率は九%である。ところが今日では二十四年でも一二%、ことしは、もっとそれよりもふえていると思うのであります。これは専売益金の目標というものが大きくなって、公社自体いかに努力をしてもその負担にたえられないという事態になっているのではなかろうか。私はそこに無理があるから、材料が足りないということだけで国民には言いわけをしておるけれども、結局無理な販売政策をとらなければならぬ、こういう結果になっていると思うのであります。総裁としては今日の専売益金の目標についてはどういう御意見をお持ちであるか。
○説明員(入間野武雄君) ただいま平林委員から戦前に比較してのお議論がありました。なるほど、たばこもずいぶんふえております。常にたばこに比較される酒も同様にふえておるのであります。酒とたばこは、兄弟のように、いつも同じくらいの歳入を上げておるのであります。従いまして千五百三十五億という納付益金並びに消費税につきましては、さまで重いものであるとは考えません。昨年予算編成の際に専売公社といたしましても同意して決定いたしたようなわけであります。
○平林剛君 重くないというお考えだけれども、この点、私はあとで指摘をします。しかし今端的な例として、たばこと酒が比較をされましたが、私はこれを簡単に比較すること自体に無理があると思うのです。なぜかといえば、酒の場合は景気がよくなってくればみんな飲むようになる。今日一般経済、これは国民生活とは別にして経済界が活況を呈してきておる。そうなると、消費生活の面が増大をするということは一応わかるわけでありますが、かりにそういう経済界が活況を呈したときであっても、俗に酒の方は一ぱいやろうじゃないかという気持になっても、たばこの方はよけいのもうかという空気にはあまりならぬものですね。そういう意味からいって、酒の方の負担の割合がふえたから、たばこもふえて、そうして比較すると大体同じで無理があるとは思わないということは、実体に即さない話ではないだろうか。現に無恥があるからこそ店頭から新生、バットが姿を消して、そうして国民から批判を受けている、こういうことになっているのじゃないですか。
○説明員(入間野武雄君) 酒とたばこの例を引きましたので、ただいまの御指摘がありました。戦前から酒とたばこというものは大体歳入は似ているものでありまして、戦後になってどうのこうのという問題じゃない、あたかも兄弟のようになっています。ここには塩見委呉もおられて、その方の専門の方でいらっしゃるからよく御承知と思いますが、また景気がよくなったから酒を飲む人があるが、たばこはのむ人はないじゃないか、これも平林先生のあるいは独断じゃないかと思います。景気がよくなれば、たばこを吸う人もふえてくる、景気の上昇に伴ってたばこの売れ行きもふえていく、これは自然の勢であると考えております。従いまして、私どもはこういうことを認めまして千五百二十五億円という納付益金並びに消費税を考えたのでありまして、決してそれが非常な無理がある、それがために販売規制をしておるというようなことはありません。先ほど来しばしば申し上げましたように、原料がそれに伴わない、遺憾ながらそのために需要者各位に御迷惑をかけておるということは、専売当局といたしましてもまことに遺憾に存じております。しかして、でき得るだけ原料手当をしてこれを緩和していきたい、こう考えておる次第であります。
○平林剛君 私は、この三年連続して、二十九年が七十億円、三十年が五十五億円ですね、ことしもまた無理をしなけれで目標に達しないと、これはやはり専売益金の目標に無理があるのだと思っております。初め専売公社の予算を作定するときに無理があるから、結局あとでこういう、国民から非難を受けるような現状になってくるのだと、ことしの臨時税制調査会の効きを見ておりましても、さらに百億円ふやせという意見まで出てきておる。政府自体が一千億円減税をやるというので、その穴埋めとしての歳入のことを検討しなければならぬことはわかりますけれども、二年間連続して赤字が出てきた原因が専売益金の目標額が高過ぎるということにあるとすれば、これ以上百億円もふやすということはもっと大無理になってくると思う。私はそれは総裁に対して、今度臨時税制調査会から要望されておる、百億円をふやしてもらいたいという要望に対して、専売公社自体はどういうふうに対処していくつもりか、その点をお伺いしておきたい。
○説明員(入間野武雄君) 税制調査会の方で百億円ふやしたらどうかという意見のあるということは聞いておりますが、いまだ何ら正式にきまったものがないのであります。もしそういう事態がありましても、専売公社としてはこれに応ずるわけには参りません。
○平林剛君 その点は総裁のきぜんたる態度をお聞きしまして、当然のことだと思っております。去年もおととしも専売益金が予算の目標に達しない実情というものは、これ以上の益金の目標を高めることを許さないということでありますから、臨時税制調査会に対しても最後までそういう考えでもって公社の最高責任者としての態度を持してもらいたいと思うのであります。ただ臨時税制調査会の言い分通りにしますというと、きょう私が問題にいたしましたような新生、バットの販売規制をますますしなければならぬことになる。それから、そればかりか、最下級のバットあるいは「みのり」などのたばこは市場から姿を消してしまって、これらのたばこを吸う人たちにとって大きな迷惑をかけることになる。下級品たばこを吸うところの国民層は所得の上においてももちろん下層の人たちでありますから、この人たちに大へんな迷惑をかけるという結果になるわけでありますから、私は公社の総裁が臨時税制調査会に対して、国民の要望にこたえて、その態度だけはしっかり守ってもらいたいと考えておるわけであります。しかしもう一度私は総裁の覚悟を聞きたいのでありますけれども、百億円の増は無理な話は総裁もはっきり明言をされた。しかし、ことし自体においても予算の目標を達成するためには今のような無理な販売規制が行われなければならぬと、こういう事態になっていることは火を見るより明らかであります。そこで私は総裁に対してお開きしたいことは、この機会に新生、バットを店頭になくし、しかもこれらを愛する多くの国民に迷惑をかけておる現状にかんがみて、さらに一歩進めて補正減をこの国会に要望するような気持を持ったことがないのか、そのことについて一つお伺いをしたいと思うのであります。
○説明員(入間野武雄君) 予算の上に益金の補正減をする意思ありやなしやというお尋ねでありますけども、ただいまのところ補正減を出す考えは持っておりません。今のままで参りますれば、補正する必要はないかと思います。そうしてただいまのこの現状は、先ほど来しばしば申し上げます通り、原料が十分ないという点に起因しておるものでありまして、本年度といたしましては、補正減を政府に要求する考えは、ただいまのところ持っておりません。
○平林剛君 あなたのお考えだと、ちっとも国民の迷惑ということは考えていないように聞えるわけなんです。あなたは努力をする、改善のために努力をすると言われるけれども、今の措置をとらなければ、努力をするというのは、それは、から口約になってしまうじゃありませんか。私は現実にそういう事態が来年まで続かざるを得ないというふうに思いますけれどもね……、だから今の総裁のようなお考えであれば、今、国民が新生やバットを求めてこれを増配してくれという要望にこたえることができない、何とか努力をするというけれども、努力をするというのは言葉だけであって、現実にはこのままの無理な状態が続いていくということになってしまうと思うのであります。去年もおととしも赤字が出たのは、私は先ほど申し上げたように、繰り返しますけれども、専売益金の目標が高過ぎることにあるわけです。編成当初において、この実情を率直に政府に対して話をし、その是正を求めるような措置をとるというのが国民大衆の要望にこたえる結果になると思うでんすが、ほかに何か手があるのですか。
○説明員(入間野武雄君) 昨年、一昨年補正減をいたしましたのは、御承知のように下級品に移行したためであります。三十八年度におきましては、ピース、光が全体の四割を占めている、金額にいたしますれば約六割ピース、光が売れておったのであります。二十九年度に入りまして御承知の通りピースの値上げを行い、あるいは緊縮予算の影響を受け、さらにアメリカ辺でたばこを吸うと肺臓ガンになるなんという声が海を渡ってやって参りましたがために、上級品より下級品に移行して参ったのであります。かくのごときと申しましょうか、二十九年、三十年は補正減をしていただいたようなわけであります。ですから、必ずしもこのたばこというものは、下級品にだけ集中されるものではありませんけれども、御承知の通り昨年あたりを頂点として非常に多かった、二十八年度の倍も下級品を作るということでありましては、とても原料がそれに及ばない。現に三十年度の産葉をみましても、下の方に使う葉は四五%しかないのでありまして、かりに新生、バットを下級品といってこれをみましても、規制だ規制だとおっしゃるけれども、本年度においては全体の約五五%になっております。従いまして、原料が自然に詰まってくるということも、千林君よく御承知だろうと思いますが、私どもは決して下級たばこを出し惜しんで一般大衆に迷惑をかけたくないと考えておりますので、できるだけ骨を折って下級原料をかき集めて増産に努めたい、これが私が努力したいと申し上げた原因であります。
○椿繁夫君 ちょっと関連質問ですが、ただいまの総裁のお話を伺っていますと、大衆たばこが非常に出回りが悪くて、国民へのサービスが徹底していない、その原因はもっぱらこの原料葉の不足にあるのであって、千五百二十五億ですか、この納付目標額の方は大した影響はないのだ、大衆たばこを売り惜しみをして、そうして高級たばこを押しつけることによって、納付目標額というものを達成しようとする考えは持ってない、もっぱらその原料葉の不足だけにこの原因があるような御説明ですが、そうなんですか。
○説明員(入間野武雄君) 先ほど来しばしば申し上げました通り、原料手当が不十分のためにかくのごとき結果をもたらしてきている。従いまして、結果として規制のような形になっておると思うのであります。
○椿繁夫君 先ほど総裁のお話ですと、新生やバットの原料葉のストックが全然ないわけじゃない、あるんだけれども、こういう下級たばこ需要の層が急増したものだから、それに追いつくことができないというお話でしたが、今どのくらいストックをお持ちなんですか。新生とかバットを作るための原料のストックですね。
○説明員(入間野武雄君) 今的確には申しかねますが、先ほど申し上げましたように、三十年の産業についてみますと、その原料が四五%になっております。で、新生、バットだけでみましても、全体の五五%くらいただいまでも売っておりますが……。
○椿繁夫君 いえ、私が申しますのは、全然バットとか新生の原料はないわけじゃない、ストックを持っておる、しかしその需要が急増しておるものだから、それに追いつくだけのストックがないというお話でしたが、実際に現在どのくらいお持ちになっておるのですかということをお聞きしているわけなんです。
○説明員(入間野武雄君) ただいまどれだけ手持ちがありますかわかりませんが、御承知の通りタバコは二年据え置いて、そうして初めて使うようなわけで、私どもの手持ち全体を申しますと、一年半以上持っておるような実情になっております。そのうち新生、バットがどれだけになっておるかは、各倉庫ごとに十分計算してみませんとわかりませんが、おそらく一年半の原料は年頭のときにいつでも持ち越しておりますから、相当あると思いますが、新葉のために使えないものが相当あるのじゃないか、御承知のように二十八年、二十九年、今使っております原料というのは、非常にタバコの不作なときであります。十分な原料手当ができないというのもそこに原因があるので、従いまして私が原料不足というのは、二十八年、九年、タバコ耕作の不作も考えて申し上げているようなわけです。
○椿繁夫君 おそらく今、資料をお持ちじゃないでしょうから、すぐにどのくらいのストックをお持ちかということをお答え願うのは、これは無理だと思いますが、次の機会にでも一つこの資料をお願いしたいと思います。
○説明員(入間野武雄君) どういう……、全体の下級原料を申し上げましょうか。使い得る下級原料の資料ですか。
○椿繁夫君 全体の……。
○説明員(入間野武雄君) 承知しました。
○平林剛君 大体時間も二時になりますから、いずれ大蔵大臣もお見えになるから、私は結論を端折りますけれども、きょう申し上げたように、総裁は大衆たばこの増配について大いに努力をしてもらいたい。もう一つは、専売公社の予算目標について、公社だけで考えるわけにはいきません。これは国会全体、ここに出席の大蔵委員、与野党の各議員が再検討をしなければならぬ問題でありますから、公社だけの責任ではないかもしれません。しかしここ例年七十五億、五十億というふうに結局減額補正をせざるを得ないということは、どうもいい格好ではありません。これは専売公社が、国会やあるいは大蔵省で、これでどうですかと言われたときに、大丈夫ですと引き受けるから、こういう結果になると思う。だから専売公社の責任者としては現在の実情から見てこれこれです、少くともさっき臨時税制調査会に対して来年度に百億円増は無理です。そういうことを言ったときには断固拒否しますといったような態度を、来年の予算目標を作る場合にもとることが、今日のように国民から批判を受けない結果となると思う。もちろん大蔵省の方からは、専売益金を少しでもふやして、さらに予算をふやして幾つかの政策をやりたいというのは、これは政府担当者の当然の考えでありますが、一面において国民に対するサービスを考えなければならぬ専売公社としては、そのときに十分意見を述べて、そして公社自体の自主性というものを貫かなかったならば、前の補正減を繰り返すことになる。三年連続補正減をしたくないと思えば、必死になって販売規制をやって国民に批判を受けるような結果になる。ですから何卒も初めが私は肝心だと思うのです。当初予算を組むときに専売公社首脳部としては十分自主性を発揮して、大蔵当局に対しても、国会に対しても、現在の実情を説明し、これ以上は無理なら無理、専門的立場に立って話をするという態度を持たなければ私はならぬと思います。それが欠けているから、いろいろな事情があったのでしょう、しかしそれは結局見通しの違いということになる。いろいろな事情があったかもしれませんけれども、初めにやはり現在の実情というものをしっかり国会にも、政府に対しても述べて、来年度はこういうことを繰り返し国民に迷惑をかけないように努力をするというのが一番私は大切なことだと思うのであります。その点についてもう一度公社総裁のお考えをお聞きしたいと思います。
○説明員(入間野武雄君) 納付益金並びに消費税の見積りに関して平林委員の御激励はまことに感謝いたします。私としてもできるだけ善処いたしたいと考えます。
○平林剛君 私はまあ今度は新生、バットが町に姿を消しているということは一般の国民層の率直な声を代弁をしたわけであります。特にこれらのことについては総裁としては自分の立場がありまして、専売益金確保の至上命令のために苦しいところもあるが、実際に仕事に携わっている職員自体についてはなおこういうことがよくわかっておるわけであります。そういう意味で、一面専売益金の目標を下げるということも大事なことでありますが、経営自体についてどこかに欠陥がないか、経営全般についてどこかに欠陥がないだろうかということも当然考えなければならぬ点だと思います。悪く直せというわけでなく、専売公社全般が国民の期待に応えて、大いにサービスができるような機構あるいは創意工夫、こういうものを生かすような制度にすることが、またもう一つの半面からは必要だと思うのであります。そこで私がいつも公社には要求をしておったのでありますけれども、何か大衆にサービスしつつ益金を上げるというような創意工夫をするという意味において、実際に職場で働いている人たちの意向というものを生かすようなことを考えたらどうだろうか。国鉄が最近しきりにサービス改善をやっておりますけれども、その一面の努力の中には職員の参加を許した経営協議会的なものの活躍もかなりあると私は聞いておるわけであります。この機会に専売公社においても、職員の意向をもっと受け入れ、それらともよく話し合ってみてその中からとるべき創意工夫については生かして、全般に奉仕するという考えを持っていいのではないだろうか、こういう点について総裁はどうお考えになりますか。
○説明員(入間野武雄君) 私は就任以来ほかの声に耳を傾けまして、正すべきものは正し、改むべきものは改める、こういう方針で参っているので、決してほかの声を排除してまでもやるという気持は持っておりません。御承知の通り専売事業は独占事業でありますので、とかく独善に陥りやすいという批判を受けておりますので、その点につきまして私もそういうことのないように、外部の声に耳を傾けていくような謙虚な心持でいきたい。従ってその外部の中には職員の声もありましょうし、また監督官庁の声もありましょうし、一般大衆の声もあるかと思いますが、私どものやっていることに正すべきものはいつでもそういう声を聞いて正し、そういう声を聞かぬまでも気ずいたことは正し、改めるべきものは改めていき、そうして専売事業の健全な発展を期していく、こうこい願っている次第であります。
○平林剛君 そういうお考えがあるならば、ぜひ私は近い将来において、これを国鉄がとられたような制度についても真剣に検討してもらいたいのです。 また同時に、私は疑問に思っておりますのは、今の日本専売公社法の第九条ですか、これに専売事業審議会が設けられる規定が定めてあります。この委員の構成については、法律で明らかなように、タバコを耕作している者、あるいは職員を代表する者、それらが参加をして専売事業の運営について、今あなたがお話になったような目標に向うための制度を許してある。ところが今の職員の代表というのは、何ですか、専売公社の給与課長がおやりになっているでしょう、この人は公社員ではありまんせか、専売公社の。そうすると、これは職員の代表というよりも公社機能を代表するというような委員になりそうです。私はこういう点についても、国鉄の経営協議会的なところまでいかなくても、せめてそういうことについてはもう少し工夫してもよかりさうなものだ、各方面の意見を聞くというなら。ところがそういう態勢になっておりませんが、これはどういうわけでそういう結果になっているのですか。
○説明員(入間野武雄君) 専売事業審議会は、御承知のように専売公社というよりも大蔵大臣の諮問機関になっております。従いまして、これが任命は大蔵省の方にありますけれども、ただいまの給与課長が委員になっていることについて私は何ら不便を感じておりません。
○平林剛君 不便を感じていないかもしれないけれども、そのこと自体がいろいろまた私が指摘いたしたようなものになっていないとは言えないわけでありまして、ここはやはり多くの人の意見を聞き入れて、ぜひこの運営についても、法律の目指すところについてなるべく近いように努力をするというのが本当です。私はあなたが不便を感じるか感じないかということを聞いたわけじゃないのです。むしろいろいろな方面の意見を含めてやるというなら、職員の意向もタバコを耕作する者の意向も十分反映できるようなものにするように努力をすべきじゃなかろうか。大蔵大臣が指名することになっているというお話がありましたけれども、やはりこの点は最高の責任者として話ができないわけのものじゃない、何か今後そういう点についても御配慮をなさるというお気持はありますか。
○説明員(入間野武雄君) 私は一般職員の意思を反映させることにつきましては、制度そのものよりも常にお互に接触するということが必要じゃないだろうかと考えております。今日のように争議がありますとちょっと組合の幹部に会ったりしております。私はできるだけ組合の幹部職員にも会って組合の意向もただしていきたい、こう考えておりまして、これらを仕事の上に反映させるべきものは反映さしていくというように考えているのでありまして、制度そのものはとにかくとして、私の心持はそこにあるということを御了承願いたいと思います。
○平林剛君 この問題はまだほかにも制度自体については議論がありますから、きょうはその話にはいきません。ただ年末において、これから専売公社にしても益金確保のためにはいろいろ工夫しなければならぬ時期が来ている。特に先ほど指摘いたしましたように、専売益金を確保するためにはいろいろ無理をなさっているときであります。それだけにこの年末においては公社としても、国家の要請にこたえて益金確保については最善の努力をなさる時期だと私は思うのであります。このときに、今、御承知のように、専売公社の職員との間に紛争が巻き起っておる。例年のような給与の改善でありますけれども、特にことしは調停案の確定の問題をめぐって紛争が拡大しておるというふうに聞いているわけなんです。私としては、総裁が、一日も早く、もうわかり切っている問題については、先ほどお話ししたように、自主性を持ってこういうふうにした方が専売公社の運営が円滑に行く、そして年末における売れ行き対策を充実するためには、何かの形をつけられるものであるならば、至急につけて年末に備えるという対策を講じなきゃならぬと思うのであります。ぜひ現在の紛争が一日も早く解決するように総裁の善処を要望したいと思うのでありなすけれども、あなたの一つ、お考えをお聞きしたいと思います。
○説明員(入間野武雄君) 私は常に四万従業員の幸福は心から祈っておるものでありまして、できるだけのことは今日までいたして参ったつもりでおります。今回の紛争につきましても、給与予算の残額の許す限り、できるだけのことをして、そうして早く解決したい。平林委員の御要望にもそれでこたえ得るのではないかと考えております。
○椿繁夫君 先ほどちょっと私聞き漏らしたのですが、大衆たばこの、バットとか新生とか、この資料はこの次にお願いをいたしましたが、この御説明によっても明らかな通り、ここ二、三年の間に二四%の需要であったものが、四九%に急増しておる。この国民の需要にこたえるということが、しばしば言われておる専売公社の愛煙家に対する私はサービスじゃないかと思うのです。これを、今のところ原料葉が少いので、その需要に応じられないという御説明であったんですが、こういう需要に対して、急増する愛煙家に対してどういうふうにこたえようとする対策をお持ちなのか。対策をちょっと。
○説明員(入間野武雄君) イギリスあたりのように、必要な葉は外国から入れる。自分のところでは作っていないという国でありますれば、いかようなたばこでもできるだろうと考えております。御承知の通りわが国におきましては特等から八等まで全部これを収納しておる、これを種類によって使い方を考えていく、そうなりますと、あるいは片方のたばこは多くなり、片方のたばこは少くなるという現象が起り勝ちであります。先ほど来申し上げましたことは、この急増した需要に対して原料が応じかねると申し上げているのでありまして、二十八年度くらいの状態であれば、今のところで十分まかなえるのではないか。三十年度二四%が四九%にもなったが、これ以上やっていけぬので、原料の許す限度において作って愛煙家にしんぼうしていただく。ただしかし私どもといたしましては、原料さえ許しますならば、できるだけそういうようなことは解消していきたいと、こう考えております。
○椿繁夫君 その大衆たばこをもっとよけい作って需要家の必要に応じていく、こたえていくということがサービスじゃないかと、こう思うのですがね。それを、増産計画とか何とかいうふうなことはお考になっていないのですか。
○説明員(入間野武雄君) タバコ耕作は天候によって非常に支配されるものでありまして、こちらの希望通りいかない場合も往々あるわけです。ことに近年になりまして耕作者の努力によりまして、だんだんいい品物ができていく、そういうようなことが影響いたしまして、結局下級原料の不足というようなことが現われてきているのではないかと、こう考えております。
○椿繁夫君 率直の印象を申し上げるのですがね。先ほどからの応答を聞いておりますと、原料がないわけはないのだけれども、大衆たばこの販売規制を行うことが、千五百二十五億か、納付目標額を達つするためにピースとか光とかというものをよけい売って、そうして益金の確保に努めなければならんというところが私は本音じゃないかという印象があるのですがね。どうなんです、それは。
○説明員(入間野武雄君) どうも私の申し上げることが至らないために、疑惑を生じてまことに恐縮に存じております。結局ピース、光を売りたいと申しましても、二十八年度の四〇%がただいま一四%くらいに落ちております。幾らじたばた専売公社がやりましても、そうふえやしないものと思っております。先ほど来申し上げましたように、やはり原料の不足ということが主たる原因である、こう御了解願えれば仕合せです。
○椿繁夫君 今臨時税制調査会で問題になっている益金の増額のことが検討されておりますが、平林委員から百億というて数字を切って増収が具体化した場合に、公社として応じられるかどうかという御質問でしたが、これには応じられぬということでしたが、それは三十億とか五十億とかいうことなら、あるいは考えようによって応じられるのではないかというふうにもとれるのですが、そういう点はどうなんですか。
○説明員(入間野武雄君) 年々多少の自然増はありますが、あまり無理な数字でなければ考えなくちゃならぬかとは存じますが、私としてはできるだけ多くしたくないという希望を持っております。
○江田三郎君 さっきから聞いておりましてね、下級たばこの原料が足らんということですが、それはふやすためにどういう対策をとっておられるのですか。
○説明員(入間野武雄君) できますれば来年度から使う葉タバコの操作を多少考えましてできるだけ緩和していきたい、こう考えます。
○江田三郎君 総裁はいつも真摯な答えをしていただくのですがね。それで敬意を払っているのですが、ちょっとそこのところだけはあまり真摯じゃないですな。大体最近この下級たばこの売れ行きが増大しているというのは、ことしだけの問題じゃないのですから、今までもあなたの方は押えてこられたのです。だからして来年から増産計画を立てるというのじゃなしに、やるならもう今までに立てておらなければならぬ。それを今からやるというところをみると、結局あなたの方が、いろいろ指摘されるように大衆へのサービスということではなくて、やはり財政的な要請の方を第一にとられる。きょうの読売新聞だったかも、そういう点を指摘しておりましたけれども、これは総裁、おか目八目でね。この方が私は合っていると思うのでして、あなたの方が、今のお話でも来年からこういうことをやるという、この答弁だけでも私はちょっと落第だと思うのですよ。あなたのいつもの答弁に似合わんです、この点は。
○説明員(入間野武雄君) どうもまことにほめられたりけなされたりいたしまして恐縮に存じておりますが、昨年一昨年は下級品は決して規制しておりませんで、希望に任してどんどん製造いたしております。それで先ほど来申し上げましたように、二十八年度の新生の二四%が四九%に昨年はなった。ところが昨年はその原料の方をどうしたかと申しますと、新らしい葉も、二年を置いて使うべき葉も置かないで、もう少し繰り上げてやって参ったのでございます。そういうことをしたがために、ここへきてさらに一そうの窮屈さを感じました。それで今年御承知のような姿になったのであります。決して規制することが主たる目的ではなく、原料葉によって結果としてああいうふうな原料不足になっている、こういうように御了承願えればはなはだ仕合せであると存じます。これで落第しないで及第さしていた、たきたいと思います。
○江田三郎君 まあそう言われれば、それでいいかもわかりませんけれども、私なんか農村へ関係が深いものですから、農村のたばこ屋へいくと、もうことしに始まったことじゃなしに、相当前からこの問題をやかましく言われて、なかなか下級のものが回ってこないのだ。ピースや何かとの抱き合せでこられる、こういう点を何とかならぬかということで、これはもう平林君なんかにも、今まで専売公社におって事情知っているのだから、こんなばかなことを専売公社はやっているかと憤慨して聞いたことがある。それでまあなんですな、あなたのところも、まあこれは私は専売公社の総裁としては及第だと思うのです。しかしこれが商売をやるところの会社の社長だったら、人が買いたくないようなものばかり押しつけて、買いたいものを作らさぬというそんな商売だったら落第で、だから大衆のサービスをするという意味の専売公社の総裁としては落第であるけれども、政府の財政的要求に忠実にこたえるという意味の総裁としては及第だ、こういうことだろうと思います。(笑声)
○藤原道子君 私も質疑応答伺っていてどうしても納得ができないのです。結局独占事業ですからね、お宅さんは。ということになると、大衆がなぜそういうたばこを必要にするかということを考えてほしいのですよ。十円値上げしても一カ月には三百円なんですよね。ニコヨンさん一日働いても三百円にしかならないのですよ。しかもこの階級が疲れをいやすものとしてたばこを求めているのです。そういう場合に原料難だから仕方がない。天候に支配されるのだから仕方がないと言ってすましていらっしゃるところが私は独占企業の悪い現われだと思うのです。だからこの大衆たばこはちょいちょいなくなるのです。少しさわぐと出てくるのです。今までちっとも規制しなかったとおっしゃるのはうそであって、しばしば規制しているけれども、大衆の圧力にあっては、またちょっぴり出す、またみんなに言われてまた出すというような今までのやり方だったと私は思うのです。従いまして原料不足だから仕方がないと言われましたが、私はこの際お願いしたいのは、さっきのストックの状況を、ここでデータを出せということでございましたが、私のようなしろうとにはわかりませんので、さらにどの程度までがどういうたばこの原料として使われているかということをもう少しお教えを願いたいのです。さらに大衆たばこが不足ならば仕方がないといって、このままで高級たばこに切りかえていくのか、今後大衆たばこに対して、どういうお考えを持ってのぞんで下さるのか。吸う身になって考えて御答弁をお願いしたい。さらに大衆たばこの中でも一番下級品ですか、新生、バット、それからみのりさらにその下に富貴煙というのがございますね。あれは主として養老院とか癩療養所とか、そういうところで吸わしていただいているのです。ところがそれが最近少くなって、養老院とか癩療養所で非常に不便をしている。私はおかしいと思うのですよ。あれは粉でございますから、大衆たばこはそれだけ出るのに、富貴煙がなぜ少くなるのです。なぜそういう施設にいる気の毒な人たちがたばこ不足にあえがなければなりませんか。どうも納得できませんので、頭の悪い者も納得できるような御答弁を願いたいと思います。
○説明員(入間野武雄君) ただいま藤原委員から富貴煙のことについてお話がありました。私もまことにああいう人たちにお気の毒だと考えております。富貴煙の少い原因は、近ごろ技術の進歩がありましてくずが出なくなった。これがために富貴煙が減っておる。そういう結果になっておる。昔のままの技術ですともう少し出たのですが、このごろ専売も技術が向上して上手になりましたためにそんなことになった。何とか対策がないかと実は思っているのですが、まことに申しわけないと思っております。
○藤原道子君 対策はどうなんです。大衆は今後高いたばこにがまんしなければならないのか。
○説明員(入間野武雄君) できるだけ原料を整備いたしまして調べてみまして大衆の希望に沿うように努力いたしたいと考えております。
○藤原道子君 技術が向上してくずが出なくなった、大衆たばこが減るのは原料難だ、ちょっと、全部これで片づけているわね。われわれが言うことなくなっている。大衆は結局高いたばこでがまんしろ、その方がおれたちはもうかるんだと、これは独善的な考えですよ。技術が幾ら上手になっても、二四%だったのが四九%にふえておる、それでくずがそんなに全然出なくなるというはずはないと思う。どうなんです。
○説明員(入間野武雄君) 先ほど二四%が四九%になったと申し上げましたのは、新生についてだけでありまして、全体のたばこといたしましては大した数量の増加はありません。従って、くずが減ってくれば減ってくるというのは、これはいたし方ないと思います。くずをたくさん出せとおっしゃればあるいは得られるかもしれませんが、今のところ技術の向上のせいで、そういうふうなことになっております。
○江田三郎君 あなたの話を聞いておると、将来はピースばかりになってしまう。みんな上等になってしまう。
○説明員(入間野武雄君) 説明がまずいために誤解を生じておるようでありますが、決して将来ピースだけにしようと思っておりません。ピースは昨今全体の七%弱売れております。新生が全体の約四〇%ぐらい売れておりますから比較になりません。私どもがピースにしようと思っても仕方がありません。これはせいぜい議員の皆様にお吸い願うより仕方がありません。
○藤原道子君 いま一つお伺いいたします。新生が四〇%になったというのはわかりますが、私はしろうとでわからないから教えていただきたいのです。いいたばこほどくずが出ないでしょう。だから新生ならばいいたばこに比べてはくずが出るわけです。だから新生がふえればくずがよけい出るんじゃないですか。
○説明員(入間野武雄君) 私の説明が足りませんでしたが、富貴煙の原料にいたしますくずは刻みたばこのくずでございます。それで刻みたばこはやはり世の中の移り変りとともに漸減の方向をたどっております。私どもの方といたしましても米子とか磐田とかを刻みたばこを両切り工場に転換していくというわけで、漸次減っていきましたところへ、技術の向上でくずが少くなる、そのためにああいう養老院その他に非常に御迷惑をかけております。まことに申しわけないと思っております。実情はそういうことでございます。 —————————————
○委員長(廣瀬久忠君) 大臣がお見えになりました。大臣お忙しいので一時間くらいというお話でございます。つきましては専売公社に対する質問は一応この程度にとどめまして、これから大蔵大臣に対する御質疑を願いたいと思います。
○平林剛君 きょうは高額紙幣の一万円札の件について大蔵大臣の所信をお聞きしたいと思います。 大蔵省ではこの八月下旬から一万円札の模様や様式をきめて、目下東京の滝野川印刷局で一万円札を印刷中であると伝えられている。最近の新聞を読みましても、年内にも一万円札が発行するように伝えられて、実は私も驚いている。国民もまたこの政府の方針についていろいろな疑問を感じていると思うのであります。一体政府は年内に一万円札を発行するつもりで準備を進めておるのか、私の承知しておるところでは、一万円札の発行については、各界にかなり議論がありまして、それも、多くは、反対もしくは慎重論が強いのでありますけれども、この世論に抗して政府が一万札の発行準備をどんどん進めておられるという確たる理由は一体どこにあるのか、そういうことについて、今日は一つ大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。私は、まあ今日の通貨量その他の関係から見まして、一万円札を発行すること自体については、やはり十分考えて、そういう準備もしておかなければならぬと考えておるのでありますが、しかし年内にすぐ発行するとは考えておりません。実は、率直に申しますと、財界方面あるいは金融界の考えは、ずっと前は、むしろ早く一万円札を出してほしいというような意見があったのでありますが、こういうふうな大額券を出しますにつきましては、その発行の特に経済に対します心理的な影響その他を考慮しなければならぬ。従いまして、そのときの日本の経済がどういうふうな状況にあるかということを慎重に考慮して発行すべきだと私は考えておるのでありまして、そういうふうな見地から、今日の内外の経済の情勢から見て、その急ぐこともない、こういう感じを持っております。
○平林剛君 今の大臣のお答えで、年内には発行しないというふうに私はお聞きしました。まあ、高額紙幣を発行する場合、一番大切なことは、このためにインフレの気分を助長することのないような経済態勢になっていなければならない、ただ通貨量だけから考えるというわけにはいかないと思うのであります。ところが、最近の物価の傾向を見ますと、この半年の間に約六%も上っておる、一年間には一二%も上っておるという工合に、漸次物価の傾向も上昇線をたどっておると思うのであります。まあ、こういうことは、通常な状態としてはかなり大きい率を描いて物価が騰貴しておるように思うのでありますが、特に、中東や東欧の動乱で、すでに一部の物資も高騰を示しておる段階でありますから、私は、大蔵当局としては、今はむしろ物価の安定ということに反対して力を注ぐべき時期であって、最近の大臣のお話などは、発行するようでもあり、あるいは実際として準備を進めているというような工合に、現在の経済の動向に反したような行動をとっておられるような印象を受けるわけであります。この点は、むしろ経済界の方から自重すべきであるという意見が出てきておるのはもっともなことだと思うのであります。去年、たしか大蔵大臣は、一万円札は当分発行するつもりはないと、こう言ったのでありますが、最近になって、その事情は、むしろ発行の時期から見ればむしろ遠のいたような感じを受けなければいかぬわけですけれども、その点はどうですか。
○国務大臣(一萬田尚登君) 発行が遠のいたかどうかということは、今後の内外の経済情勢の推移を待たなければなりませんが、また、遠のいたという意味の遠のきの程度にもよるのでありまして、こういうものは、私はそう無理をしなくてもいい、主として私どもが考えておりますことは、大額券というような場合には、発行元の充実ということに考えをおいております。よく財界その他の関係者の意見も聞き、経済情勢も判断して、適当なときに発行をするということに進めたいと考えております。今のところは、そう差し迫って、いっしなくてはならぬ、いっしょうというふうにも考えておりません。
○平林剛君 経済界の動向を考えるということと、もう一つは、財界の意向ということもありましたが、私の希望したいことは、通貨政策は、やはり国民全般の立場を考えてとってもらいたい。一部の財界からかりに希望がありましても、国民全般の生活に大きな影響を与えるものですから、政府の通貨政策は、絶えずそういうことに注意をしながら仕事をしてもらわないと、一般国民に対する影響は非常に大きいと思うのであります。特に、大蔵大臣は、この私の考えからいきまして、今一万円札を要望しておる声というものは、どういうところにあると思って、今の発行準備を進めておるのか、そういうことについては、どうも国民全般の立場で通貨政策を考えていないないじゃないだろうかという感じがしてならないのであります。一体どういう層にこの一万円札の発行を考えているのか、だれが一万円札を求めているのかという点について大蔵大臣はどう考えておりますか。
○国務大臣(一萬田尚登君) これは、今日の日本の経済の趨勢といいますか、あるいはまた、国民所得の状況、物価の状況、取引の関係、すべての方面からみて、私は、必ずしも一万円札の発行が早きにに過ぎるというふうには考えておりません。しかし、国民経済の情勢が、今日どちらかといえば、上昇といいますか、経済の拡大のテンポが早い、言いかえれば、景気がいい、こういうときに出すことについての心理的影響ということに特に考慮して、言いかえれば、私どもは、通貨との関係においては、通貨価値の維持安定、言いかえれば、物価を安定させる、こういうところにあるのです。そういうところに支障があるようなことは避けなくてはならぬ、こういうふうに私は考えておるわけであります。
○平林剛君 一万円札の問題が最近国民のうちからも相当議論されておるというのは、今後の経済の動向について心配をして、政府はどんな考えを持っておるのだろうかということに関心を寄せたものだと思うわけであります。そういう意味で、今の経済の動向からいくと、一万円札を出すという場合ではない、時期ではないと私は判断をしておる。大蔵大臣も当分そういう考えはないようなお答えをしたわけでありますが、しかし、一般伝えられるところによると、大蔵大臣が、時期さえ見れば出してもいいのだというようなことを言っておるように思うのであります。それが、結局国民に心配を与え、インフレ再燃というようなことに対して心配を与えておる。こういう心理的な影響を与えておると思うのであります。これは、政府の方が、去年から、百円銀貨以来通貨系列を整えるために、ときどき国民の意向を打診するためのPR運動をやっておるのではないかという感じかするわけです。その結果、私は、国民経済に心理的な悪影響を与えていると判断をするわけですが、大蔵大臣は、経済安定や国民心理の動向について悪影響を与えたというようなお感じはお持ちになっておりませんか。
○国務大臣(一萬田尚登君) 私は、別に一万円券のことについて、国民に経済的影響を与えておるとは考えておりません。もともと、この一万円券の発行については、子、う私は論議はなかったろうと思うのです。ただ、スエズ運河の問題が勃発して、特に、その後における世界の経済動向というものが非常にむつかしくなった。同時にまた、いろいろな影響を受けて日本経済の近来の状況が非常に活気を呈しておる、こういうような事態が招来されつつある。それで、最近の情勢において、まあこれは一万円券を発行するというようなことは見合せた方がいいじゃないかという考え方が特に最近において強くなってきた、こういうふうに私は感じておるのであります。別に、一万円券自体を取り上げまして……、これを発行した場合どういう影響を与えるか考えなくちゃならぬが、一万円券自体の論議において、そうこれが国民経済に影響を与えたとは考えておりません。
○平林剛君 そうすると現在の段階においては、一万円札の問題については政府自体があまり積極的でないというふうにお聞きをしたわけでありますけれども、ある時期がきたらおやりになるつもりですか、その時期というのは一体どういう条件、どういう前提が整うときだというふうにお考えになっておりますか、私はその点をちょっとお聞きしておきたいと思うのです。
○国務大臣(一萬田尚登君) 私はもう少し経済が安定度を増すといいますか、物価の推移についても安定した、そういうふうな状況にくれば一万円札を発行することもある、かように考えております。
○平林剛君 きょうは政府の方で一万円札の発行について、年内に発行しない。それから現在の情勢から見ると、ここしばらくは一万円札の発行を許すような前提条件がないというふうなことで、あまり差し迫った問題でもないように聞いたわけですけれども、そういうふうに理解していけば、これ以上あまり質問をすることもなくなるわけですけれども、そういうふうに理解をしてよろしいですか。
○国務大臣(一萬田尚登君) これは差し迫って考えなくてもいい、こういうふうに御了解を願えば——要するに客観的な市場性の変化において考えればいいと思っておる。私の主観によるわけではありません。自分の考えとしてはそういう客観的情勢を見てきめたい、こういうふうに考えております。
○江田三郎君 今のお答えでいきますと、年内には発行しない、特にスエズの問題、あるいは東欧の問題等で株が非常に活発になっておるし、いろいろインフレ的な危険というものも考えられるので、そういうような状態のときには一万円札は発行するのは適当でない、こうお答えになったわけですが、そうしますと、そういうようなスエズの問題なり東欧の問題なりでいろいろ複雑になった情勢というものが、そう急激におさまりがつくとは思えないわけですから、従って特に通貨量の一番ピークになるこの歳末で、そういう一万円札の問題を取り上げないということになると、少くとも来年の歳末ごろまではこの問題はもう出てこない、こういうような印象を受けるんですが、そういう工合なものでいいでしょうか。
○国務大臣(一萬田尚登君) そういうふうに御解釈なさることは私はないと思う。私は先ほど申しましたように、客観的な情勢の変化において一万円札は出しても差しつかえないと思う。何も来年の歳末まで……。まあいろいろとスエズ運河の解決が六カ月、一年といろいろあるが、長引くだろうというようなことも、それは考慮のうちに入りましょうが、しかしこのスエズ運河問題が片づかなくても、一定のある条件のもとにおいて世界経済の動向というものが見通しがついてくれば、自営スエズ運河に関する限りにおいては経済というものの動きというものははっきりする、かように思うておるわけであります。これは単にスエズ運河問題がどうだから一万円札の発刊はどうというふうに、そういうふうにそう簡単に考えることもなかろう、こういうふうに考えております。
○江田三郎君 大臣、その客観的な情勢というような、非常にどうでもとれるような答弁でやられるのは、なかなか答弁としては要領を得てるんですけれども、この客観的な情勢ということはどういうことですか。あなたが先ほど言われた、当面一万円札を発行するのにスエズ運河の問題、これは私の方から出たんじゃなし、あなたの方から先に説明が出て、そこで株の値上り等もあなたの方で一つの理由としておあげになったんです。これが客観的情勢でしょう。そういう客観的情勢というものは、そう急速に変ってくるものでなくて、相当長引くものだというのが私らの考え方であるし、あなたもまたその点についてはそういう考えを持っていられるんではないかと思いますが、そういたしますと、特に歳末の通貨の一番ピークもそのときに一万円札発行の必要がないというなら、結局来年の年末ごろまではもうこの問題は出てこない、こう解釈する私の解釈も、そうあなたのおっしゃることをこじつけて解釈しておるんじゃないと思うのですが、そうじゃないでしょうか。
○国務大臣(一萬田尚登君) 私はかように考えておるわけです。経済に対する客観的ないろいろの条件とこう言いますが、それはいわゆるある意味でカーブといいますか、経済の変動に、あるいは不安定に大きな影響を与える条件……あるところまで経済がくるが、この影響は平面的な、いわゆるあるところに来てはいろいろ影響があるが、比較的安定したところの影響にとどまるようになる、こういうふうな状況がある、そういうふうな状況を含む。私はあくまでこの経済に対して何といいますか、好況といいますか、強い刺激を与えて経済が円滑にいくような状況——言いかえればインフレ景気が強くいくようなときには避けなければならない。しかし、このスエズ問題があっても、あるいはほかの諸条件から、経済が、インフレ的上昇がそこにある安定を取り戻していくという状況も十分考えられるのです。従いまして、そういうふうになれば私は考えたらよろしい、こういうように思っておるわけです。で、今後の推移を見なければ、来年の歳末までは待たなければならぬということについての御返答は申し上げかねるわけです。
○江田三郎君 スエズ運河だけの問題でなしに、日本経済としてもたとえば鉄の問題とか石炭の問題とか輸送力というような、こういうネックが問題となり、そういうことは扱いのいかんによるとインフレに持っていかれる非常な強いファクターになるということはお認めになると思うのです。大体今の輸出貿易にしても、あなた方がよくおっしゃるように、限界生産力としての伸び方であるというところに、非常に伸びたと言っても不安定なものがあるし、しかもこの伸びた中に重要産業のネックということがすでに出てくれば、私は日本経済というものは絶えずインフレの危険性をはからんでいると思う。そういうときに、まあこの年末に差し迫っては発行しないということで、それでまあいいようなものですけれども、どうもちょいちょい大蔵省筋からそういうことが放送されることは、これは非常に私ども迷惑に存ずるわけです。大臣がそういうことは何も大きな影響を与えていないじゃないかと言われるのは、私は少しあなたの方が大きいところばかり目をつけられた考え方じゃないかと思う。たとえば一万円札が問題になって、今月あたりの雑誌を一つごらんなさい、新聞の漫画をごらんなさい、一万札というものがずいぶん数多く漫画の種になっており、一口話の種になっているわけです。庶民の生活にとっては非常な強い影響力を持っているわけです。一万円札になって、そうして給料袋の中は一万円札が一枚だけ、ほかに小銭が入ったというような、そういう漫画は、これは庶民の生活にとっては苦い妙な印象を与えているわけでありまして、そういう点については、ただ財界筋がどうこうというだけでなしに、インフレの危険性——インフレにいくのじゃないかというような不安を持っている大衆の気持というものもお考えになれば、今までのように、そういう無電は銀行局から出るのかどっちから出るのかしりませんが、ああいうアドバルーンを上げられるということは慎しんでいただきたい。こういうときに大臣としてのもっとはっきりしたこの問題についての御回答がいただければいいんじゃないかと思うのです。
○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほどから御答弁申し上げますように、何もスエズ問題ばかりでなく、たとえばすぐ目先では来年度の予算のいかなる編成を見るか、これとてもおそらくやはり私は問題を持っておると思います。ですからいろいろなことを考えて、これはまあ今ならよかろう、この辺ならよかろうというときだったら、私は出します。しかしそれがいつくるかというと、来年の年末まで自分の考えではどうも発行する必要はないじゃないかというお説に対しては、それはお説としては拝聴いたしておきますが、私としてはそうは申し上げかねるというので、要するに、無理をせず、一万円券はそう大きなものでは私はないと思います。ただ心理的な影響を考えなくちゃならぬだろうというのが私の考えでございます。
○椿繁夫君 引き続いて、社会党の者ばかり発言して恐縮ですが、お金の話が出ましたから、ちょっとついでにこの際お尋ねをしておきたいと思うんですが、一万円紙幣の発行問題について相当反対の声がございます。これは日本経済全般の見地から、インフレを刺激するじゃないかというふうな高い立場の反対もあると思いますが、こういう高額紙幣が出ると、内閣の印刷局の方の仕事が減ってくるのじゃないかという心配が一つあります、内側では……。あるいはその原料のミツマタ関係者の方の買い上げ量が漸減してくるのじゃないかというような心配があります。そういうことを、私どものところに強い反対の意見がきておりますが、硬貨の方ですがね、ちょっとお尋ねしたいのは……。聞くところによりますと、五十円、一円の硬貨の製造計画、ただいまの通りですと、来年の五、六月ごろになると大体計画を達成して、造幣局の仕事がなくなるんじゃないか。一昨年でしたか、大蔵省の方で、この調子だと二、三百人かの解雇者を出さなきゃならぬというような御相談があったのか、御発表になったのか知りませんが、そういうことがありましたために、非常に先行きに不安を感じておる者が多いのです。こういう問題についてはどういうふうにお考えになっておるか、ちょっとお尋ねしたいのです。
○国務大臣(一萬田尚登君) 私は日本の貨幣制度におきまして、どういう額面の通貨を持つべきかというような見地に立ちますれば、やはり私は、もう百円は硬貨にして、そしてお札の方は千円だけということじゃなくして、千円、五千円、一万円券というような、こういう系列を持つのが私はいいと思います。従って、そういうことがいいとすれば、それはやはり貨幣制度として考えるべきなんで、その結果、たとえば印刷局の仕事が減るとか、あるいはミツマタ業者がどうとかいうことは、これはみだりに……そういうことの影響があるから、一国としてのりっぱな貨幣制度をやめるわけには私はいかぬと思います。従ってそういう貨幣制度がいいかどうか、これは、そういう通貨を持つことがいいか悪いかは別ですけれども、十分検討を加えて、それがいいんならば、私はあえてやるべきだと思います。それから生ずる影響については別個に手を差し伸べなくちゃならぬというふうな考え方を私はいたしております。 当面の問題としては、たとえば百円の硬貨もいいですが、まあ、私としては、やはりこういうものは一日を争わなければならぬという今日の経済的な情勢ではないというのが、私の考え方です。従いまして、そういうものを発行するとしても、その間において、できれば、たとえばミツマタ業者を、こういうふうにしてあなた方のミツマタを需要するのだ、ここに需要口を求める。あるいはまた今日の通貨の印刷の数量が少いですから、ずっと刷ってよろしいのですから、発行しなくてずっと蔵にとめて置く紙幣が要るんですから、それは発行する、そうするとミツマタの需要も当分の間続くと、こういうようなことがあります。そのほか他の方面においてミツマタは使うものもありましょう。あるいはミツマタのお札に使うその分量をふやして、いいお札を作るということも、これはそうしますと単価が上りますけれども、考えられる。印刷局については、私は今一生懸命になって、印刷局へ他の印刷物、お札じゃなく、国家的な印刷物を印刷局へ持ってきて、印刷局の仕事をふやすようにして、雇用関係に影響ないようにして上げたい、そういうことも十分考えつつやる。しかし先ほど申しましたように、一万円なりあるいは百円の硬貨を、今出すのが適当であるということになれば、これは私は断行すべきだと、かように考えております。
○椿繁夫君 私、お尋ねしましたのは、五十円と一円の硬貨の製造計画の達成が、どうも来年の五、六月のころになると、ほとんど計画量は済んでしまう。そういう場合には、造幣局の千七百人ぐらいですかの人たちが、大へん心配しておりますから、それに安心をさすことのできるようなお話を御答弁に求めているわけです。
○政府委員(河野通一君) かわってお答え申し上げます。補助貨の百円、五十円、一円の製造計画でありますが、これは三十二年度におきましても、三十一年、つまり本年度よりも相当程度の充実した製造計画のもとにおいて製造を続けてゆくという予定でございます。ただ百円のコインをかりに製造いたすといたしました場合は、補助貨全体としての需要量が、それによってある程度調節を必要とするかもしれません。そういう場合におきましては、百円に重点を置いて、五十円をある程度減らすといったような弾力的な運営は、ある程度必要だと考えております。
○椿繁夫君 ちょっと御答弁が上手過ぎて、私ちょっと理解ができないのですが、五、六月ごろになるとただいまの製造計画は速成されちまう。そうすると仕事がなくなる。おととしの暮ごろに言うておられた首切りが出るのじゃないかという心配が、造幣局の方にあるわけです。そういうことについてはどういう対策をお持ちですかということを、ちょっと伺っているのです。
○政府委員(河野通一君) 今申し上げましたのは、百円のコインをかりに製造いたしません場合におきましても、五十円なり一円なりの補助貨は相当程度、少くとも今年に製造いたしました程度のものは、製造を来年度において続けることになる、こういうことを申し上げたのであります。かりに百円の硬貨を製造しなかった場合においては、造幣局の作業量というものは相当程度縮減はやむを得ない。その程度につきましては、今はっきりした数字を持っていませんが、程度の差はあれ、ある程度の縮減はやむを得ないのではないか、作業量は……。それが直ちに今お話のありました人員の整理にどの程度結びつくか、この点は別にまだはっきりした数字は持っておりませんが、作業量には百円硬貨を作らなければある程度影響があると、こういうことは確かでございます。
○椿繁夫君 私、お尋ねしてないのに百円硬貨のお話が再々出たのですが、大体百円硬貨を作るということで、準備をお進めになっているというふうに了解してよろしいのですか。
○政府委員(河野通一君) 大蔵大臣からお答え願う方がいいかと思いますが、かわって私の考えだけ申し上げますが、少くとも近い機会において、何カ月先か、あるいは十何カ月先かということにつきましては、はっきりしたことは申し上げる段階になっておりませんが、来年度中には百円のコインは製造を開始するという建前で、少くとも事務的には準備を進めているわけでございます。
○青木一男君 百円硬貨の問題ですが、この問題は昨年でありますか、この委員会でもって問題になって、この委員会の大体総意と申しますか、各派の意見をまとめて、私からこの問題は慎重に考究してもらいたい、こういうことを政府に注文してあるのでございます。先ほど大蔵大臣言われた通り、この問題は、従業員の仕事の分量とか、あるいは原料の耕作者の関係とかということは従たる問題である。それはそれなりに対策をたてるということで、その点は私は正しいと思うのです。しかし、従業員の問題といたしましても、印刷局と造幣局とは相対立する関係になるわけです。私どもがこの問題を重視したのは、やはり先ほど一万円紙幣についてあったと同じように、貨幣の単位の重要性と申しますか、貨幣価値に関連してのことでありまして、私どもが、何といいましてもコイン、鋳造貨幣となると補助貨という国民の観念がやはり抜けておらないのであります。戦前において五十銭まで補助貨であり、一円以上紙幣で、貨幣価値というものの観念が一応格づけられておったのでありまして、私どもといたしましては、やはり現在の段階においては百円以上というものは補助貨という観念に入らない方がいいのではないか、補助貨はやはり従前通り五十円程度にとどめて、貨幣価値の尊重というような伝統を重く置いた方がよくないかというのが、少くとも私の考えでございます。そういうような貨幣の種類——デミネーションの最低限度と申しますか、そういうものについては、今のような貨幣価値の尊重という国民の考え方を中心に置いてきめてもらいたいと、私は切に希望するのでございます。昨年この委員会でそういうことを私、委員長として発言したのはそういう意味でございます。そのこととあわせて大蔵省はなお慎重に考慮してもらいたいということをついでに申し上げておきます。
○国務大臣(一萬田尚登君) 全く同じような考えで対処いたします。
○平林剛君 それでさっき私が一万円札の発行について政府の意見をただしましたのは、やはり物価の方向だとか、今後の経済の動向について国民生活に与える影響を考えたので、政府の意見を聞いたわけであります。大臣からは大体今その適当な時期ではないというお答えを聞きましたから、私としてはこれ以上追及をする必要はないのでありますが、ただやはり大蔵省としては、国民経済のことを考えて、今の経済が安定をするような方向に最大限の努力を尽すべきときではないか。特に私は学者ではありませんけれども、各方面の意見を聞いておりますというと、国際情勢から見ても、そのはね返りが日本の経済にある程度出てくるということも伝えられておりますし、それから物価の上昇についても先ほど申し上げたようにかなり上昇しておる。おまけに来年度予算の編成に当っては、財政規模もことしよりは大きくなるわけで、私は現在の段階ではむしろインフレ気がまえの方向に向いつつあると判断をしてもよいのではないか。そういうときに一万円札が論議されるということは、およそこれは矛盾しておる。大臣としてもこの答弁については今その時期ではないというふうにお答えにはなりましたけれども、その口の裏から適当な時期がきたならば発行してもいいのだということを述べることは、インフレ気がまえに拍車をかけるような——そこまで言わなくても、そちらの方向に向わせるような国民に心理的な影響を与えると私は思うのです。その点を特に御注意を申し上げたわけです。私としてはむしろはっきりと一万円札については発行するつもりはない、その準備もやめるくらいのことを言った方が、日本の経済のこれからの方向についてはよい影響を与える、そのくらいの考え方をもって大蔵大臣としては通貨政策も考えてもらいたいものだ、こういうことを私としては要望するわけであります。特に国民生活に影響を与える最近の物価の上昇について、一万円札やあるいは通貨系列を整えるなどということを考える前に、今の物価上昇をどうやって押えるかということについて政府は積極的な政策や大臣の抱負なりを発表して、そうして国民に安心をさせる。それに必要な手をどんどん打っていくということの方が大事な時期ではないだろうか。前段については私は大臣に対する要望でありますが、現在の物価の上昇、今後のインフレ気がまえに対して、政府の責任者としては、どういうような方策を考えられているか。少くともこの一カ年漸増する方向に向いつつある。このことは安定化の方向にあるいはよい方向に向っているかどうかということについて、私は疑問を感じておりますので、今後政府として打つべき点、あるいはこの機会に国際情勢から見て、政府としてどういう手を打つというような御見解がありましたならば、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(一萬田尚登君) ただいまの御意見は私もそういうふうに考えます。ただあまりまた、いかにもインフレが来るかのような心配をするということもないのじゃないかと思います。私は確信をもって日本の経済はインフレにしない、そうしていわゆるインフレなき拡大で進み得ると考えますから、そうインフレ、インフレと言うて心配していくこともないではないか。しかしそういう点は非常にデリケートでありますから、ここはよく見きわめてやっていきたいというような態度で、これからやっていきたいと思っております。今後しからばこのインフレになったらどうするか、これはもう申すまでもありません。第一には私はなんといっても、インフレという問題に関連する場合に財政が健全であるということが基本であると考えております。従いまして、三十二年度の予算編成をほんとうに健全財政で貫けば、まあそれで最も大きな日本経済安定の柱が立つと考えるのであります。むろんこのインフレについては金融政策も非常に重要な役割りを演じますが、経営者というものは、どちらかと申しますと、精密機械みたような組織をもっております。中央銀行の総裁において断じてインフレにしないという決意と実行をすれば、これはもうボタン一つ押せばいくというような、しかしこういうやり方が非常に日本の国民生活等にどういう影響を与えるか、これはまたいろいろ考えなければなりません。広い見地から深く考えなければなりません。通貨面からくるインフレは抑制しようと思えば抑制することは比較的やり得る。しかし主として財政面からくる、言いかえれば財政が非常に放漫になる、大きな消費がある、特に日本の経済は今日拡大をいたす基礎的な条件が限界に来ているというときに、なかなかそういうことは容易じゃありません。従ってそういう点について今後政府として気をつけなければならない。また物価ということにつきましても、金属類をのけると、今のところまだまだそう心配するほどでない、まあ安定しております。大体物価はまだ横ばいだ、そういう状況でありますから、金属類等については、私は個別的な価格対策、これは上らないように、どういうふうな施策が必要か、私はこれは思い切ってやっていく、こういう面について、場合によって、ある意味において、いろいろの考えもあるでしょう。あるいは合理化をはかることも考えられる。いろいろな面におきまして政策はやらなくちゃならぬと、こういうふうに思っております。これは一々具体的に申し上げることはできませんから……。
○平林剛君 通貨政策面については、きょうは高額紙幣の点について、私ども意見をある程度聞いていただいたと思うので、大臣の答弁も、大体私らの心配を強くするという方向でなくて、現在の段階においては、十分慎重な御意見のように聞きましたから、これで質問は終りますが、これは手続上の問題ですけれども、大蔵大臣は一万円札については、模様とか発行の様式をきめる権限で、発行することの是非については、日銀政策委員会がその権限を持っているというふうに理解しておったのですけれども、その点は大臣でなくてもよろしいですけれども、どういうことになっておるのですか。
○国務大臣(一萬田尚登君) これはどういうふうになりますか、私が日本銀行総裁の場合には、日本銀行にあるのだと言っておりました。言っておりましたが、まあしかし、こういうことは、そう大蔵大臣と日本銀行総裁が対立するのはおかしなことで、そういうことはどちらでもほんとうを言えばいいのです。お互いに話し合って、そうして日本経済に、国民生活のためにいいという点は一致するのですから、そこで一つやる、こういうことに実際上なりますから、ここで私よく法律わかりませんから、法律上のことは御返答しませんが、私はそういう気持でやっております。
○平林剛君 日本銀行券の新規様式の発行種類などにつきましては、日本銀行の法第三十三条によって、大蔵大臣の権限でありますけれども、発行の是非については、日本銀行の権限、政策委員会がこれを討議をするというふうに私は理解をしておるわけであります。通貨政策については、日銀政策委員会は、高額紙幣については大へん慎重論のようでありますから、幸い新しい日銀総裁もきまったことでもあり、今後の物価の安定という面から見ましても、十分御相談なさって、国民全般の生活に悪い影響を与えることのないように、一段と御配慮願いたいと思うのであります。これで私の質問を終ります。
○委員長(廣瀬久忠君) 他に御質疑はございませんか。他に御発言がなければ、本件の調査は一応この程度にとどめたいと思います。 —————————————
○青木一男君 大蔵大臣はよろしいのですが、理財局長にちょっと伺いたいと思います。
○委員長(廣瀬久忠君) 大蔵大臣はよろしゅうございますか。 それではどうぞ。
○青木一男君 多分理財局長のところにも陳情なりあるいは意見が出ていると思いますが、最近行われた公認会計士の国家試験のことについて伺いたいと思います。御存じだと思いますが、それについて学説上定説といえない問題、そういう学問上ごく一部の人はそういう既定観念を持っておりましても、一般的学会で是認されない観念を試験に出されるということは非常に不公平になる。この点です。これはもうおそらく内容は御存じでしょう。私は国家試験の権威のために、そういうことのないように、十分やはり大蔵大臣の監督下に行われる国家試験でありますから、今後十分試験委員その他に対して大蔵大臣としては注意を与えて、再びそういう学界あるいは受験者その他の不安のないように、公正な試験者その他の不安のないように公正な試験をやってもらいたいというのが私の質問の趣旨であります。おそらく御存じでしょうから、この点について一つ御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(河野通一君) 私も間接には今お話しのありました問題については伺っております。ただ従来私ども公認会計士等の試験に当りまして、試験問題は、これは機密の漏れないようにするとかいったようなことで、ごく少数の専門的な方々だけにお願いをいたしております。試験委員の中で一、二の方が、総括的な立場から、各試験委員の出された問題をさらにもう一回レビューしていただいて、今青木委員からお話しがありましたように、一部の学説に片寄ったり、つまり全体的にみて非常に一部の人しか知らないようなこと、そういったような問題の片寄ることのないようにということを基本的な原則として、従来からお願いをいたしているわけであります。私はただいま申し上げましたように、実は専門家でございませんので、現在問題になっておりまする問題が、一体適当であったかいなかにつきましては、私判断の能力を持っておりません。持っておりませんが、今御指摘になりました点は、原則として、きわめて全く異論の余地のない点でありますので、今後かりにそういった問題につきまして、いやしくも世間の一部から非難を受けるようなことのないように、今後とも注意いたしたいと考えております。
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をつけて。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後三時十八分散会