大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/11/27
会議録
○委員長(廣瀬久忠君) これから委員会を開会いたします。 まず、租税及び金融等に関する調査を議題といたしまして、関税及び貿易に関する一般協定の譲許の追加に関する件を問題に供します。 本件につきましては、先に文書をもって御連絡をいたしました通り、目下外務委員会において審査中の関税及び貿易に関する一般協定の譲許の追加に関する第六議定書の受諾について承認を求めるの件の内容が、本委員会の所管と密接な関係がありまするので、外務委員長との協議の結果、本日、本委員会においてその内容について説明を聴取いたして、質疑を行うことといたした次第でありますので、御了承をお願いいたします。 それではまず外務省当局から説明を聴取いたします。
○政府委員(湯川盛夫君) それではただいま御審議を願っております関税及び貿易に関する一般協定の譲許の追加に関する第六議定書、これにつきまして簡単に御説明を申し上げます。 日本のガットへの加入は昨年の九月に実現したわけでございますが、ことしの一月十人目からジュネーヴにおいてガット締約国の関税交渉会議が開催されまして、わが国を含む二十二の締約国がこれに参加をいたしました。この関税交渉会議はガット締約国の多角的な交渉による関税障壁の除去ないし緩和を目ざしで、開催されたものでございますが、特に米国の互恵通商協定法が昨年の六月から一九五八年の六月末までの三カ年にわたって、関税率の一五%を引き下げること、及び五〇%以上の関税率を五〇%まで引き下げる、そういうことを大統領に授権して知りますので、この法律に基くアメリカからの関税譲許を獲得することを主たる目的として、この会議が開かれたわけでございます。この会議において日本はアメリカ及びスエーデンとの関税交渉を行いました。 この結果に基いてできました議定書のうち、わが国に関係しておる部分がここに御審議を願っておるものでございます。で、この議定書の内容につきましては簡単な説明書をお配りしてございますので、これで大体全貌はおわかりになるかと思いますが、これを簡単に御説明申し上げますとこういうことになります。 この議定書を受諾いたしますと、わが国は、わが国の譲許表に掲げられております新たな関税譲許をガット締約国に対して与えることになりますが、それの概要は次の一通りでございます。 わが国の譲許表には、今回米国及びスエーデンと交渉を行なった結果による譲許税率が掲げられており、その譲許は対米関係六十一税目、対スエーデン関係八税目、全体で六十七税目であります。すなわち米国に対しては果汁、抗生物質、二十一インチ以上二十三インチ未満の大型テレビ、なまの映画フィルムなどを譲許し、スエーデンに対してはキシロカイン――麻酔剤であります――などを譲許しております。譲許品目の税率引き下げの程度につきましては元来わが国の関税率が全般的に見て相当低率であること、さらに国内の同種廃業との競合関係などをは十分考慮いたしました結果、全体の六十一税目のうち二十七税目は現行税率の据え置きをもって譲許しておりまして、残余の引き下げたものにつきましては若干の特に対外競争力の強いものを除いて大体現行税率の一〇%程度にとどめております。これに対してわが国の交渉相手国たる米国及びスエーデンの譲許表の概要は次の通りでございます。 まず税目の数では米国の対日――日本に対する譲許は魚肝油、絹紡糸、絹ハンカチ、玩具、ライター等を初め全部で七十六品目に及んでおります。なおそのほかにアメリカは日本以外のイギリスとかそのほかの国、二十にのぼるガット締約国と交渉しておりまして、その結果米国がそういった第三国に譲許したことによって日本の輸出品が今後受けるいわゆる間接利益というものも相当の数量にのぼっております。税率の引き下げ程度を見ますと、アメリカの譲許は、全品目について現行税率を引き下げておって、その引き下げ率は全体を通じて約一五%ぐらいであります。ほかにスライド・ファスナーとか、そういったものについては現在五〇%をこえておりますのに五〇%まで大幅に引き下げを行なっております。スエーデンの方は、これはまあ割合規模が小さいのでありますので、スエーデンが日本に対して直接譲許した品目は綿ハンカチ及び双眼鏡の二品目でありますが、しかしスエーデンもわが国以外米国など九カ国と交渉を行なっておりますので、これら第三国に対する譲許によってわが国の受ける間接利益はかなりございます。 大体こういった内容のものでございますが、そのほかに御参考にお配りしてございます資料について簡単に御説明申し上げます。 資料の中で各国の関税譲許がわが国の輸出に及ぼす影響という資料がございます。これはわが国の輸出にどんな影響があるかということを書いたものでございますが、これにさらに三つの付属の資料がついております。これについております別添一と申しますのは、昨年わが国がガット加入の交渉において米国から譲許を得た品目についてその後一年間の貿易がいかに伸びたか、その数字をしるしたものでございます。それからこれについております別添二という資料は今回の交渉の結果アメリカ及びスエーデンがわが国に譲許した品目を全部記載したものでございます。それから先ほど簡単に申し上げましたが、米国及びスエーデンがわが国以外の第三国と交渉して譲許した分が最恵国待遇のはね返りでわが国の輸出品にも適用されるという、いわゆる間接利益、これが大体どういったようなものかということを説明する資料として別添三というのがございまして、これは第三国間の交渉に基く譲許の表というのでまとめてございます。 それからもう一つ別の資料としまして、わが国の関税譲許に関する説明という資料がございます。これはわが国の関税譲許が輸入なりあるいは国内に対する影響がどういうふうなものであるかということをまとめた資料でございます。 以上で御説明を終ります。
○委員長(廣瀬久忠君) それではこれから質疑をお願いいたします。御質疑ございませんでしょうか。
○青木一男君 酪農製品その他について適用を拒否したということですが、現在の国内の酪農の発達の現状から見た現行税率による輸入品との価格の比較等について伺っておきたいと思います。
○説明員(山下武利君) ただいまお尋ねの酪農製品につきましては、向うから非常に強い要望があったのでありますが、国内の現状から見まして、これを譲許することは適当でないという結論に基きまして、これを拒否いたした次第でございます。実はお尋ねの資料につきましては、ただいま手元に用意がございませんので、後ほど調べて御説明いたしたいと思います。
○青木一男君 けっこうでございます。 それから法案に直接関係ありませんが、米国が譲許した品目等を見て、相当日本の輸出貿易に関係が多いと思いますので、けっこうだと思いますが、ただ最近新聞によると、日本製品の輸出そのものを税率でなしに抑制しようという動きが国内にあるということが伝えられているのです。私この春の予算総会でも政府に質問したのですが、これはまあ税率以上に日本製品そのものの輸入を押えようというような、あるいは割当をしようというような動きでありますけれども、最近の情勢はどうなんですか。私は新聞で見ただけですけれども、それに対してどのような措置をとっておられるか伺っておきたい。
○政府委員(湯川盛夫君) 最近――昨年ごろから日本のアメリカに対する輸出がいろいろな品目について急激に増大をいたしました。それにつきましてアメリカのいろいろな業界で、特にまあ綿製品などに関してでありますが、輸入制限立法をすべきである、こういう声が非常に高まったわけでございます。アメリカ政府としましては自由貿易という方針を堅持したい。そこでなるべくそういった立法はさせたくない、こういう考えで、そういう輸入制限立法については、できるだけそれを押えるように努力してきておるのでありますが、たびたびそういった立法の案がコングレス等に出ました。しかしいずれも成立するに至らずして今日に至っております。日本としましては、もちろんそういった法案の成立は好ましくないことでもあり、またしかし他面、現実に向うの業界では、日本のいろいろな品目の輸出が急激に伸びることに対して、しばしばこれを阻止する動きがありますので、なるべく秩序的な輸出とか、あるいは輸出品を多辺的に、できるだけ広く多様化すといったようなことをば、自主的にいろいろ考えて、そうして摩擦をは少くしたい、こういうことでいろいろやっております。
○青木一男君 今度のガットのこういう協定の精神から見て、米国が特定国の特定品の輸入を制限するために立法するというようなことは、時代錯誤というか、大勢逆行だと思うのですが、アメリカにそういった立法の実例は最近多少あるのですか。
○政府委員(湯川盛夫君) アメリカのいろいろな業界では、そういった希望ないし運動というものはございますが、しかしアメリカ政府としては、そういうことはしたくない、なるべく自由貿易の方針を堅持したいということでやっておりますので、そういった輸入制限法といったようなものは、今までのところ成立したものはございません。
○委員長(廣瀬久忠君) いかがですか、別に御質疑がなければ……。
○野溝勝君 これは外務省へお伺いするのは筋違いかと思うのですが、関係がありますから一言お伺いしておきます。 私、一昨々年だと思うのですが、ちょうどアメリカの上院での、特に関税の問題、綿製品に対する関税の問題で、日本の業界が非常なショックを受けまして大騒ぎを起したことがあります。たまたま鳩山さんに私一般質問で質問した。まあそれに対しては通商大臣から答えがあったのですが、その対策についての答えが非常にあいまいでございまして、あまり大したことはないというような表現でございました。ところが最近非常にそれが具体的になって参りまして、業界では非常な恐怖にかられておるわけでございます。今の青木君の質問に対する経済局長のお答えがどうもはっきりしないのでございますが、これは経済局長からお答えを願ったらいいのか、あるいは通産省の関係官からお答え願った方がいいのか、あるいは大蔵当局からお答え願ったのがいいのか、その点はよくわかりませんが、いずれにしても、そういう問題のあることは、これはわかっておるわけです。将来どういうような……一体アメリカがさような挙に出たことに対して日本の業界にどういう影響をもたらすかということについて、この際一つあなたからでもお承わりしておければ非常に幸いだと思うのです。アメリカで関税を引き上げたですね、繊維製品に対して。アメリカの上院でさようなことをきめたんじゃないですか。
○政府委員(湯川盛夫君) アメリカの上院で繊維品の関税を引き上げたということはございません。ガットの昨年及びことしの交渉において税を引き下げたことはございますが、引き上げたことは別にございません。ただ先ほどお話ししましたように、急激に日本の綿製品の輸出が伸びておりますので、向うで労働組合とかあるいは関係業界とか、そういうとこから、そういった輸入を制限しよう、すべきであるという声が、非常に強く出てきたということは事実でございます。これに対しては、先ほどお話ししましたように、日本側としてもなるべく輸出についてはいわゆる秩序的なオーダリー・マーケッティングということとか、あるいはある一つの品目に非常に集中していくというようなことをば、もう少し多様化する、そういった努力をして、摩擦をなるべく少くすることによって、全体的には伸ばしていこう、まあこういった方策をとっていきたい、こう思っておるわけでございます。
○野溝勝君 関税の引き上げの問題が具体的になっているということは、大体今のお話の通り、労働組合ばかりではなくて、業界からも日本の製品の輸出に対して彼らは非常に強い防壁をめぐらしてやっておることは事実なんです。そういう問題も、関税の引き上げの問題も考慮されておるということも私は新聞で見た。まあ具体的でなくても、そういう運動のあることは事実なんです。これは一昨年から問題になってきておるのです。そこでガット協定をする。私はこれはいいことだと思うのですが、これと直接関係がなくても、やはり関税問題に関連を持っておるから、私はきょうお伺いするのでございますが、とにかくあなた方の見解といたしましては、そういうようなことに対して、一応日本業界との間において相談なり、あるいはそういう動きなりを検討したことがあるのでございますか。通産省との間にそういうような動きを検討されたことがありますかどうかということです。もっとざっくばらんにいえば、ガット協定することもいいのですが、一応関税問題が非常に今のところ大きな問題になっておるわけです。そういう問題と今の問題も含めてですよ、そういうような心配もあるわけなんですね。そういうようなことと関連しておりますから、こういう際に、協定をする際に、そういうような点について、日本の産業を守る上からも貿易を守る上からも、そういうことについて話をされたことがありますかということを私はお伺いしたいのです。
○政府委員(湯川盛夫君) 通産省並びに業界とよくしょっちゅう連絡をしてやっております。このガットの協定で税率の譲許がありますと、これはこういった多辺的な協定ということで縛られますので、アメリカとしても、一方的に関税を引き上げるというようなことば、それだけ困難になるわけでございます。こういったことも、従って今の関税引き上げの機運というものに対しては、それを阻止することに相当貢献があるとこう考えております。
○野溝勝君 そうすると、こういうように解釈してよいですね、今後そういう綿製品、そういうものの輸出に対し、アメリカ方面でこれを何といいますか、抑圧というか、そういう言葉が悪ければ、まあその輸出を食いとめるというか、そういう挙に出る場合に、関税などの引き上げ等によってさようなことの阻止をする傾向はない、かように見て差しつかえない、こういうように見ていいですか、ガット協定によってさような傾向はないと。
○政府委員(湯川盛夫君) 米国政府の立場としては、できるだけそういったことはしたくないということに当然なると思います。ただ先ほど来、お話のありましたように、向うの民間では何とかして日本の品が急激に向うに入って行くことを阻止したいという運動は依然としてあるわけでございます。しかしアメリカの政府としては、そういう動きに対してできるだけガットの精神なり自由貿易の政策ということを守って行きたいということになると思います。
○野溝勝君 私はこれ以上質問はいたしませんが、私は、自由貿易の精神から見て、さようなことはないというが、自由貿易というそれ自体がよくわからぬのです。この点については非常に意見もあると思うのですが、自由貿易とは無計画でございますから、資本主義というものは無計画で競争になっていくのですから、そこに私はやはり自国の産業なりあるいはそれぞれの資本勢力を伸ばすということで、これはなかなか楽観できるものではないと思うのです。そういう点は別問題といたしましても、今ガット協定をするまでに、あなた方といたしましては、そういう話をされたように思いますけれども、今の経済局長のお話ではどうもそういう問題を取り上げて話し合ったことは具体的にあるようにも思えないのでございます。これは失礼でございますが、そういう問題を具体的に話をされて、アメリカ政府といたしましても、今後さような関税の引き上げ等によってこれを阻止するというようなことはいたさないという具体的なお話でもあったのですか。ただ想像でございますか。
○政府委員(湯川盛夫君) アメリカ政府筋とはしょっちゅう話し合っておりますが、ただアメリカの民間に相当に日本の輸出を制限したいという声があることは事実であり、それがまたアメリカのコングレスにも反映して、コングレスでもしばしばそういった法案といったものが論議されております。ただいままでのところはそういった法案は一つも成立しておりません。しかし米国のいわゆる行政府としてはそういった制限法案は作りたくないという気持があることは確かでございます。またこのガット税率に一たんなりましたものは、これは一方的に上げるということはできませんで、関係諸国と一々これを動かす場合は協議する必要がございます。従って今回まあ相当数のアメリカの税率をガット税率にしたということは、これらの品目については、それだけアメリカとしてはその税率を上げることがむずかしくなってくるわけでございます。
○青木一男君 日本の譲許品目の中の合成樹脂塗料と合成繊維、これは日本の新興二大産業だと思うのですが、この税率の引き下げを認めた意味は、二つとも日本の産業の発展程度が十分この程度下げても競争にたえていくという、こういう見通しから認められたものと思うのですが、その通りですか。
○説明員(山下武利君) その通りでございます。
○委員長(廣瀬久忠君) いかがですか。――それでは本件の質問はこれで終了したものと認めてよろしゅうございましょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(廣瀬久忠君) それでは本件に関する調査はこれで打ち切りをいたします。 ―――――――――――――
○委員長(廣瀬久忠君) この際、委員の異動について御報告をいたします。本日付をもって栗山、大矢両委員が辞任されまして、その補欠として片岡文重君及び藤原道子君が委員に選任せられました。 ―――――――――――――
○委員長(廣瀬久忠君) それから次に、国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を議題といたしまして大蔵当局から補足の説明を聴取いたします。
○政府委員(正示啓次郎君) それではお手元に御配付申し上げてあると思いますが、かねて当委員会に付託されました国有財産法第十三条第二項の規定に基き国会の議決を求めるの件につきまして簡単に補足説明をいたします。 本件につきましては、さきに提案理由におきまして申し上げました通り、今日宮内庁が管理しております皇居内の仮宮殿、これは御承知のように宮内庁庁舎の三階を現在便宜御使用になっておるのでありますが、ここにおきまして四季を通じまして諸外国の大公使の謁見、接伴等に利用されることがだんだん多くなっております。つきましては、仮宮殿の各室の空気を調整する必要がありまするので、さきに本年度予算におきまして宮廷費の中にこの空気調整装置をお作り願う経費をお認め願ったわけでございます。その予算額は本年度宮内庁皇室費、宮廷費の中にございまして、皇居内冷暖房装置といたしまして二千百九十八万三千円の経費をお認め願ったのであります。その後宮内庁当局におきましては鋭意工事を進められておりましたのでありますが、最近大体竣工の見通しがつきましたので、これを、予定価格をお手許に差し上げましたような予定価格をつけまして、予定価格一千九百八十九万七千飛んで五十円ということに大体の見通しをつけまして、国有財産法第十三条第二項に基きまして国会の議決をお願いいたした次第であります。 国有財産法第十三条第二項は改めて申し上げるまでもございませんが、「皇室用財産とする目的で財産を取得し、又は皇室用財産以外の国有財産を皇室用財産としようとするときは、国会の議決を経なければならない」という規定がありまして、ただし書で一定の金額以下のものは除外されておりますが、本件の方はまさにそれに該当いたしまするので、これを国会の議決を求めた次第であります。 なお、御参考までにかような事案の前例を申し上げますと、昭和二十八年度以来、前に三回この前例がございます。その一つは、正倉院の新宝庫新築工事でありまして、これは昭和二十八年の七月十八日、やはりこの大体工事が竣工いたしましたときに、国会にお願いをいたしまして、七月二十四日参議院において本会議で可決されております。 さらに第二の事例といたしましては、皇居内の文庫の増築工事でございまして、これまた昭和二十八年の七月十八日に国会にお願いをいたしまして、七月二十四日参議院の本会議において議了されております。さらに第三の事例は、同じく、これはさきにありました正倉院の保存修理室の新築でありまして、本件は昭和二十九年の三月に国会に付議されまして、議了されておる次第でございます。 大体今までの前例も申し上げました通りに工事の竣工の時期を見まして、予定価格をつけまして議決をお願いいたしておるのであります。最初に申し上げましたように予算金額と予定価格とがある程度食い違っておりますが、これは予算額の中に、御承知のように一種の準備工事と申しますか、こういう装置をいたしますために取り壊しをするような経費も含んでおるようなわけでありまして、今申し上げました予定価格はまさに財産そのものの正味の価格、こういうふうに御了承を願いたいのでございます。 簡単でございますが、補足的に御説明申し上げまして御審議を願いたいと思います。
○委員長(廣瀬久忠君) 質疑をお願いいたします。
○青木一男君 この議案そのものは、私は別に異議がないのですが、立法問題になるわけですが、予算でこういう支出を認めた場合は、結果として当然こういうことになるわけですが、何だか国家の意思が二重に表現されるように思うのですが、二重にしておく必要があるのでしょうか。将来はもっと予算で承認したものは除外するというような、金額に関係なく、そういう立法はどうお思いですか、その点。
○政府委員(正示啓次郎君) お答えを申し上げます。ただいまの御質問は予算と法律との関係というふうな非常にむずかしい問題にも関連のある問題でございますが、本件に限定をいたしまして考えてみますると、先ほど御説明申し上げましたように、これはすでに本年度の当初予算におきまして、国会の議を経ておるのでございます。従いまして実質的には、国会におきましては、このような工事をいたし、あるいはこのような目的を達するために装置をいたすということについては、すでに国会の議を経ておるということは明かであります。ただ、まあこれは一つの形式論と申しますか、このような財産を皇室用財産にするか、あるいは宮内庁の一つの公有財産にするか、御承知のように国有財産の一つの分類がございます。この場合におきまして、しかしながら宮廷費という費目は、大体において皇室用財産になることは明らかでございまするが、念のためこれはやはり皇室用財産にするという意味におきまして、国有財産法第十三条に定める手続をとっておるということが、一つの形式としてこの場合一応説明を申し上げることができるかと思うのであります。しかしながらさようなことは、一体立法論としてしからば適当かどうかという問題になりますると、これは相当問題がございましょうと思います。この点につきましては、一つの理想の形態といたしまして、たとえば予算総則の中に、この十三条の承認にかわるような一つの条項を設けまして、予算の金額をお認めいただく場合に、たとえば予算総則の中で、国有財産法第十三条二項の議を経たものとするというふうなやり方も考えられなくはないと思うのであります。またあるいはさらに法律を改正いたしまして、予算で認められたものはこの限りでないという規定の仕方もあろうかと存じます。いろいろな方法はあろうかと存じますが、一応現行法は今申し上げましたようなことで、一方で予算でお認めいただきましても、法律としてさらに国会の議決を経なければならぬというお定めになっておるのでありますので、一応出した次第でございますが、この点につきましては、御質問の御趣旨から申しますと、いろいろな改善の余地があろうかと存じます。
○委員長(廣瀬久忠君) 別に御発言もなければ、本件の質疑は一応この程度にいたしておきます。 ―――――――――――――
○委員長(廣瀬久忠君) 次に、在外仏貨公債の処理に関する法律案、予備審査を議題といたしまして補足説明を聴取いたしたいと思います。
○説明員(石野信一君) ただいまから在外仏貨公債の処理に関する法律案の補足説明を申し上げます。 逐条の御説明を申し上げます前に、お手元に存外仏貨公債の処理に関する法律案説明資料というものがお配りしてあると思います。それと重複のきらいがございますが、全般的なこの交渉の経緯等について一応御説明を申し上げることにいたします。 この四分利付仏貨公債は、明治四十三年に当時低利借りかえ政策をとっておりました国内債の五分利のものを整理償還する目的でフランスで発行されたものでございます。起債総領は四億五千万フラン、四分利付で期限が六十年という条件であります。それ以来原契約の条項に従いまして、滞りなく支払いが実施されて参ったのでありますが、昭和十五年に今度の大戦の勃発によりまして海外送金の道がとだえましたために、海外にある分につきましては支払いが中断されまして、その後ずっと終戦に至るまで中断されたままであったわけでございます。そこで平和回復に伴いまして、平和条約の十八条に、日本は戦前の対外債務を確認してその支払い再開について債権者とすみやかに交渉を開始するという趣旨の規定がございますが、これに従ってフランス、イギリス、アメリカで発行されました外貨債の元利払いの再開のための交渉を行うことにいたしまして、昭和二十七年の七月からニューヨークで外債処理会議というものを開催したのでございます。この相手方は英米仏各国とも債券所持人の利益を擁護する団体の代表でございまして、こちらは債務者としての政府の代表であります。それでこの会議におきまして英貨債と米貨債につきましては二十七年――同年の九月二十六日に友好的に妥結が成立いたしましたのでございますが、この四分利付の仏貨公債につきましては、日仏の主張が非常に開いておりましたために解決を見なかったのでございます。 その争点になりました点は、券面に利札及び元本の支払いの場所の規定、支払い方法の規定がございます。パリ、ロンドン、ブラッセル及び日本で支払うということになっておりますが、ロンドン、ブラッセルにつきましてはそのときの為替相場でやるということで別に問題がないんでございます。日本における支払いについてのみ発行当時の平価の二百五十八フランにつき金百円の割合で支払う。金百円と申しますか、英語のゴールド、フランス語のオール、百円オールで支払うということが書いてありますために、これがフランス側としては金約款であるということを主張いたしたのでございます。それでその後政府は日本側はこれに対して、これは決して金約款ではない、フランの支払いについて何らふれておらないので、たまたま日本における支払いについてのみそういう字が入っておるけれども、日本ではその金という言葉がゴールドでなくて通貨という意味に使われるという主張をいたしまして、金約款でないという主張をいたしたんでございます。その後二十八年の二月と九月の毎度にわたって日本側から代表をフランスに派遣いたしまして交渉を行なったのでございます。その間フランス側は前提としてまあ金約款は存在するという主張でございますが、事実上の案として一九一〇年発行当時の米仏の為替相場で券面金額を割増しして支払いを行うべきであるという主張をしておりました。これは名目額の約七十倍になる。それから妥協案を出して参りまして、この公債と同時期に発行されました英貨公債と同様の取り扱いを受けたい、まあポンドの価値だけを保証してもらいたいということで名目額の約四十倍ということを主張したのであります。結局フランの価値が下ったためにこういう主張をしたのでございます。日本側はこれに対して金約款はないという前提を終始一貫主張したのでございますが、ただ交渉の過程におきまして、本件の利払いが戦争のために停止せられました一九四〇年、そのときの英仏為替相場で割増しをする、戦争のために支払いが停止されております間に、まあポンドに比較してフランが下ったという点については考慮するという意味で、名目額の五・五倍という提案をいたしたのでございます。しかしながら両方ともこれ以上譲れませんということで解決が不可能な状態になりましたので、結局本件を解決するためには公平な第三者の判断を求めるということが唯一の適当な方法であるというふうに考えるに至ったのでございます。 それで一昨年の四月に国際通貨基金の専務理事のアイバー・ルース氏の推薦に基きまして、スエーデンのストックホルムス・エンスキルダ銀行常務理事ニルス・フオン・ステインという人に、実際的かつ公平な方法で争点の解決をはかるということができるような支払いの条件を勧告してもらうということを日仏両者で協議をいたしまして依頼をいたしたのでございます。この結果、元本及び利子の名目額の十二倍による支払い条件を骨子とする調停案が昨年の三月に回示されたのでございます。英米貨債の協定におきまして、公平待遇の条項というのがございまして、そのとき仏貨債の方がきまらなかったものでございますから、仏貨債が時に有利な条件によって解決されるときには、これに均霑するという可能性を留保した条項がございますので、この調停案によって解決する場合に、公平待遇の条項によって異議を申し立てることがないようにという旨の保証を取りつけましたところ、英米貨債の所持人団体の方から、そういう異議を申し立てることがないという保証をして参ったのでございます。 それで昨年五月日本側はこの調停案を受け入れて、この案によって元利支払いを再開しようということになり、フランスの外貨債の所持人団体に申し入れたのでございます。しかしながらフランス側の債券所持人は、これはフランス人の通貨に対する考え方が、金約款といいますか、金価値を保証するような点について非常に強いというような面もあるかと思いますが、非常にこれを不満といたしまして、なかなかこの団体といたしましては、これで簡単に交渉に入るという点につきまして踏み切れなかったようであります。結局十一月に至りまして、この調停案に基いて日本側と協定締結のための交渉に入る用意があるという意向を表明して参りました。 それに応じて交渉が開始されたのでございます。そこで日本政府はステイン調停案通りの支払い方法、すなわち元木及び利子の名目額の十二倍による支払い、それから元木償還期限を十五年延長する、それから経過利子、今まで支払わないでたまっております利子の一部を十年繰り延べまして支払いをする、こういう条件の案を提案したのでございますが、これに対して債権者の不満が非常に強いということで、仏側はこのステイン調停案通りの支払い方法と並行して、債券所持人が選択した場合には、ステイン調停案による十二倍の倍率を適用した価格、すなわち五百フラン券につきましては、たまっております利子を加えましたので、結局九千九百六十フランという価格になりますが、それで一括買い入れをする道を開いてくれということを強く主張してきたのでございます。そこで長年の四分利仏貨債問題を解決いたしまして日仏友好関係を促進するという見地から、この買い入れ提案というものを受け入れるということにいたしまして、ただ買い入れ価格につきましては、これをできるだけ復帰したいということで交渉をいたしたのでございます。それで結局先方の九千九百六十フランという申し出に対しまして九千四百九十六フランという価格で買い入れを行うということで意見が一致いたしました。本年の七月二十七日に日仏相方の間にステイン案による元利払い、それから選択的に九千四百九十六フランによる一括買い入れということができることを規定いたしました四分利付仏貨公債に関する協定というものの成立をみたのでございます。で、これにつきましても買い入れの問題について、やはり英米貨債の所持人団体の方に公平待遇条項によって異議を申し立てないという旨の保証を取りつけたのであります。 それでこの法律案といたしましては、結局政府の債務負担額が増大をいたします関係で法律が必要でございます。時にこれを臨時国会にお願いをいたしましたのは、早期に実施をしたいということを先方は非常に希望いたしておりまして、その協定の中でも、できるだけ早く実施するということをうたってあるのでございますが、同時にこの九千四百九十六フランの価格につきましても、先方だけでこちらが承諾しておるわけではないのでありますが、一応先方は、この臨時国会に提出されない場合には、一応妥結した買入価格について改めて交渉を行う可能性を留保するということを一方的ではありますが、向う側が言っております。できるだけまとまった、今日までに話がつきましたところで、またこれが再交渉に入るというようなことを避ける意味からも、なるべく早く実施をするようにできればということで、お願い申し上げた次第でございます。 これによりまする所要資金は、四億五千万フランの発行当時の金額に対しまして、現在の未償還残高は三億八千三百万フランになっております。そのうちで外国に所在いたしますものが一億一千万フラン程度で、別に未払利子が六千七百万フランございます。それでこの妥結をみました協定によって全部在外分を買い入れるということにいたします場合の財政負担は約二十一億円の見込みでございます。 次に、法律案につきまして逐条的に御説明申し上げますと、第一条は目的でございまして、在外仏貨公債の処理に関し政府が日本国との平和条約第十八条の規定の趣旨に従ってフランス有価証券所持人全国協会との間に行った交渉により昭和三十一年七月二十七日に成立した、ただいま申し上げました協定、これに基く元利金の支払条件の改定について定めるものであるという目的を明らかにしたものでございます。この協定を実施いたしますために、公債の現契約による支払い条件を改める事情があります。その結果、長期にわたって新規の債務負担を伴うということになりますので、法律が必要となるのでございます。この相手方のフランス有価証券所持人全国協会でございますが、これはフランスで発行され、または取引されます有価証券のフランスの所持人利益擁護のための団体であります。この協会は公債のフランスの所持人を法律的に代表するものではございません。これは英米貨債の場合も同様でございます。従って仏側との協定を締結したことによって、ただちに公債所持人の全部を拘束するというものではございません。しかしながら日本政府が個々の所持人に対して元利払い及び買い入れについての申し出を行う場合に、こういう条件で元利を払うという申し出を行います場合に、協会が所持人に対して日本政府の申し出に最上の考慮を払うことを勧奨する。そして買い入れ提案を受諾することを勧告するということになりまして、そして個々の所持人がこの申し出を受諾するという形になるのでございます。 それから法律案の第二条は、この法律の適用の範囲でございます。この四分利付仏貨公債でこの法律の施行の日において日本国内に所在せず、かつ、日本人に属さない者のうち、この協定に基いて政府がその所持人に対して行う支払いについての申し出を受諾したもの、今申しました、その所持人の受諾があったもの、これを在外仏貨公債と呼んでおりますが、これについて適用するという旨を規定したのであります。本法律案によります処理の眼目は大戦の開始以来長期にわたりまして支払いが中断いたしまして、国外所在分については支払いが中断いたしました。その支払い再開に関連して国際的に紛議が生じたものであります。これを外交的配慮からこれらの公債に名目額の十一倍に相当する加算金を付することによって紛争の解決をはかる、こういう趣旨に出たものでございます。国内分につきましては、戦争中においても、戦後も二百五十八フランにつき百円の確定換算率によりまして、円でずっと支払いが行われてきているものでございます。これにはこの法律を適用いたさないという規定でございます。 法案第三条は、在外仏貨公債の元金の償還期限を十五年延長して、昭和六十年五月十五日とするという規定でございます。一般に国債の条件を変更するにつきまして、政府にとって不利でない場合には法律は要らないかと思うのでございますが、本件の場合には延長期間にかかる利子について第四条の規定との関係で新規の債務負担を伴うことになりますので、ここに規定をいたしたものでございます。 第四条は、在外仏貨公債の元金または昭和十五年十一月十五日以降昭和六十年五月十五日までに支払い期日が到来したあるいは到来する利子を支払う場合には、額面金額または利札の券面金額を支払うほかに、それぞれの十一倍に相当する金額を交付する。まあ名目額の分を足しますと十一倍になるわけですが、十一倍に相当する金額を交付するという旨を規定いたしております。これは本件公債の在外分については、債券所持人の責に帰すべからざる理由によって長期にわたる支払いの中断がありましたこと、それからこの再開について国際的な紛議が生じまして、外交的配慮から額面金額及び利札の券面金額について十一倍に相当する加算金を付することによって、この紛争を解決するという、これによって外貨債の信用を維持し、両国の友好関係の促進に資したいという趣旨に出る規定であります。 それから法案の第五条でございますが、これは国債に関連いたしまする法令の適用上の特例を規定したものでありまして、特に国債証券買入銷却法の規定によりまして国債の買い入れが行われる場合において、買い入れ価格は額面金額をこえてはならないというふうになっておりますので、その場合には十一倍に相当する金額を加算した金額となったものとみなすということを規定したものでございます。 付則でございますが、これは公布の日から起算して二月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する旨を規定したものでございます。この規定の方でも二カ月を経た日にこれが効力を発生するということに相なっておるのでございます。 補足説明といたしまして以上で一応説明を終りたいと思います。
○委員長(廣瀬久忠君) ちょっと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬久忠君) 速記を始めて。 在外仏貨公債の処理に関する法律案予備審査についての質問は後日に譲ることにいたします。 ―――――――――――――
○委員長(廣瀬久忠君) 引き続いて、昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案、予備審査を議題といたしまして、補足説明を聴取することにいたします。
○説明員(中尾博之君) ただいま本件につきまして衆議院の大蔵委員会におきましてちょうど質疑が先般来引き続き行われておりまする関係上、本日は主計局の宮川次長がここに参りまして補足説明を申し上げることが適当であると考えておったのでございますが、それが不可能となりましたので、かわって私が申し上げます。あしからず御了承願いたいと思います。 この今回の昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案でございますが、この法律案は当面食糧管理事業につきまして、法律をもって措置をいたしますることを必要といたしまする問題が二件ございますので、それを取り上げまして、一つの法律案といたしまして立案いたしたものでございます。 その第一点はこの法律案の第一条の関係でございます。食糧管理特別会計法第四条ノ二の規定におきまして、この会計の負担におきまして発行いたしまする証券、借入金及び一時借入金の限度額は現在三千五百億円と定められておるのでございます。この三千五百億円の限度を昭和三十一年、つまり本年度に限りまして四千五百億円に引き上げようという法案の内容が二つの内容のうちの第一点でございます。 しからばこの第一点の問題につきまして、何ゆえに今回これに立法の措置をお願いいたしまして、この限度を引き上げざるを得ない状況に立ち至ったかという事情を御説明申し上げます。食糧管理特別会計におきますところの借入金等の現在高は、例年おおむね十二月が最高となっております。十二月の末日は取引がございませんが、末日に近い時期に最高になっておるのでございます。従って現在から順々にこの限度が食われて参ります。十二月末になって最高を作って、それから年を越しますと下って参るわけでございます。しかるに本年度は、当初予算の計画を立てまする際の見込みと多少違う状況が出て参りまして、現在この三千五百億円の限度がほとんど満度になって使っておる次第でございます。このまま参りますと、数日で赤算が出るおそれがあるという状況になっておる次第でございます。しからば、本年度の予算を編成いたしましたる際の計画に対しまして、現在までにどのような相違が現われてきて、こういう結果に、なったかという点を申し上げまするならば、当初予算額の編成の際には、この三千五百億円の限度でおさまるという予定でございましたわけでございます。その場合におきましては、政府の三十一年産米の買い入れ数量は、当初二千三百五十万石を見込んでおったのでございます。これが予想を超過いたしまして、二千八百万石程度に上る見込みになって参りました。それに加えまして、輸入食糧の到着数量が、昨年度の下期に到着いたしまする計画でございました分が、実行上おくれまして、今年の上期におきまして約四十六万トン予定よりも超過して到着いたしたというような事情がございます。もっともこの輸入食糧の関係につきましては、年間を通じますれば非常に減少するのでございまするが、今年の今までの暮れの計画の状況から見ますると、四十六万トンの増加が見られたのでございます。一方、食糧証券の償還費は当初において支払うのでございまするが、これは予定よりも下回っておるというような事情がございまして、差し引きまして十二月末日におきまして――これは年度末ではございません、十二月末までにおきまして、歳出は計画に比べまして三百九十六億円程度増加するという見通しが一応立つような状況にあるわけでございます。他方におきまして、外米及び農産物等の売却数量が多少減少いたしておりまする関係におきまして、十二月末までの歳入だけについて見ますると、三百五十四億円が減少するという見込みが立ちます。歳出はふえ歳入は減る。これは年度の途中の関係でございますが、この関係におきましてそういう状況になりまするので、借入金は、当初の計画に比べましてその両方を合計いたしましたらほぼ七百五十億円程度の増加をどうしても免れないということになるわけでございます。三千五百億円に対しまして七百五十億円の増加でございまするから、四千二百五十億円程度になることは間違いないという状況でございます。このような見込みに対しまして、いずれもこれは見込みでございまするし、時期のズレというようなことのなかなか予測を許さない事情がございまするので、歳入歳出いずれも若干の安全をみまして、これを四千五百億円と押えまして、本年度の年度末の必要に応ずる限度ということに確定いたしまして立案をいたした次第でございます。以上の点が第一点でございます。 なお、関連しまして、あるいは御心配かと思いますので、また蛇足かと思いますが、つけ加えておきますならば、十二月のピークは四千五百億円にふくれるのでございますが、来年の一月――三月の計画におきましては、非常にこれが楽になります。おおむね当初予算におきまする計画にこれが復元する。要するにことしの四月から十二月までの特殊なしわがここに寄っておるという関係でございまして、その点は従って当初計画に戻る予定でございます。 なお、歳出が先ほど増加することを申しましたが、これも十二月までの間にそういう事情があるということでございまして、年間を通じましても、歳出は当初の計画よりも、食糧の買入費関係におきましては、増加を見ることは必至でございますが、証券の償還費でございますとか予備費でございますとかいうものは、その他の費用見込額を動員いたしますると、歳出のワクにおきましては、これは当初予算をもってまかなえまして、なお若干の余裕をもって安全に受け入れができるという状況でございます。以上が第一点であります。 次に第二点でございまするが、これは昭和三十一年産米の集荷に当りまして、政府は事前売り渡しの申し込みをやったわけでございます。その際に、申し込みを受けました場合には、申し込みをされた方に対しまして米穀の売り渡し代金の一部の概算払いを行なっておる事情でございます。これは政府の一万円米価のうち石二千円を前渡しをいたしておるのでございます。おおむね本年六月ないし七月に行われたものでございます。そういう状況になっておりまするところへ、今年度におきましては、先般来、九州その他内地におきましても風水害等もあり、北海道でまた非常に重大なる冷害の被害がございましたわけでございます。その結果、米穀の減収を見ることになったわけであります。その減収を見ることになりますと、事前売り渡し申し込み数量の変更を受けるということになります。そこで変更されました結果、お米は出さなくてよろしいことになるわけでございますが、一方で前渡金が残ってしまうことになるわけでございます。その場合に、すでに支払いを受けました概算金の全部を国に返さなければならないという方もございましょうし、一部は供出代金をもって充てられるので、一部は返さないで済むが、一部は返すという方もございましょう。これらの場合には、当初の売買予約の契約におきまして、概算払いをいたします契約におきまして、そういう際におきましては、お米を持ってこないということになり、代金に充てられることがなくなったときにおきまして、概算金そのものは国へ返納をしていただくのでありますが、同時にその概算金の支払いを行いました日から返すまでの間につきまして、日歩二銭五厘の金利をちょうだいいたすという契約になっておるのでございます。で、この利息を米の減収の特に著しい方につきまして減免をいたしていくというのがこの第二点でございます。この利息債権につきましては、すでに契約によって発生いたしておる債権でございます。財政法第八条の関係上、これを減免いたしまするのにはどうしても法律を必要といたすことになっておりますので、この減免のための特例につきまして、この法案を立案いたしまして御審議をお願いいたした次第でございます。第二点の問題は食管会計所管事業といたしまして、その当初の契約に定められました利息を減免いたすということにととまる――法的な関係ではとどまるのでございますが、実はこれはさらに広い見地から見ますと、本年度の北海道の冷害、その他の災害に対する一連の対処措置の一つでございまして、そのうちの特に法的措置を必要といたしまする分だけにつきまして、ここに立法の形で御措置をお願いをいたす次第でございます。と申しますのは、その概算金そのものの元金の問題があるわけでございます。その元金につきましては、北海道はことに被害がはなはだしいためにお米も出せない。それから概算金も今すぐ払おうと思っても、もう使ってしまったという方に対しましては、三年ないし五年というような長期で実際問題としては返していただくというような形にする。ただし手続上は、これは経済連なり、あるいは全販連等との契約によりまして一応は代弁済の方法が予定されて、そういうことに当然になるのでございます。従って一応国に対する弁済は行われます。しかしその弁済資金につきましては、別途金融措置によりましてこれをカバーいたしまして、その金融負担が直ちにその減収をこうむりました被害農家にかぶさっていかないように、それに対して期間の利益を三年ないし五年間とられて、しかも、その際の金融でございますから、これは金利の負担の問題が出ます。この金利負担につきましても、おおむね天災融資の場合と同じ利率の負担にとどまるようにという措置を今、法では検討中でございます。検討中と申しますのは、技術的なその方法を検討中ということで、そういうことにいたすことにきめている次第でございます。こういう一連の措置を考えております場合の最初の二銭五厘というものの利息の分だけ、この分だけは法律関係になりますので、ここでお願いしておる次第でございます。 なお、条文におきましては、そういう方針のもとに財政法八条との関係におきまして減免を調弁いたすという趣旨から立案しておるのでございまするが、非常に急いでやりましたのと、それから災害事情が両方が順々に集まってくるというようなことで、それから天災融資法と非常にこれは歩調をそろえていろいろ考えるべき点がある等の関係におきまして、政令に委任しておる事項が若干ございますので、どういう事項を委任しておるかということにつきまして、さらに補足して御説明をいたします。 まず、この二銭五厘の減あるいは免をいたしまする場合に、どういう生産者に対して減免をいたしますかということでございますが、その場合にその生産者につきましては、その有する住居の所在する地域をまず政令で限ることにいたしたいと考えております。その地域におきましては、おおむね天災融資の法令の関係で規定されておるような地域が入ってくることと考えております。 次に三十一年の冷害、その他政令で定める災害による減収によって米穀の政府買入数量の変更を受けた者に対しまして減免をするということになっておりますので、その三十一年の冷害その他の災害を政令で規定することになるわけでございます。このやり方はやはり天災融資と同じやり方でゆく予定をいたしております。もちろん天災融資の方も数次にわたって災害の規定があるわけでございますが、今回のこの措置もその全部に事実上適用にはなりますが、それによって効果を生ずるということではございませんが、建前といたしましては、それに歩調をそろえるということでございます。その地域の指定については、おおむねそういうことでございます。実際問題といたしましては、北海道は非常に全域にわたりまして被害が激甚でございます。全道におきましてまず農協単位、それから市町村単位あるいは道を通じましても非常に相互連帯的な扶助能力がそこなわれる程度にまで被害を受けておるように見受けるのであります。それからなお内地におきましても――内地と申しますと、本土におきましても、九州、中国あたりで部分的には相当激甚なところがございます。これらの地域につきましても、その減免の措置を及ぼしてゆくように工夫をいたしたいと考えております。 それからその次は、昭和三十一年の十二月三十一日または昭和三十二年一月三十一日までに、その米を持ってこなかった場合に利息がつくということになっておりますが、そのどっちかという区分でございますが、これは契約の方からこういう二つの場合があるのでございまして、いわゆる早場米の地帯の場合と、それからおそい地帯の差でございます。これを従来契約によっておりましたものが法律措置になりますので、正確な形でもって政令で別挙して区分をつけるということにいたしております。 それからその次は、減免にこれはなっておるのでございまして、どういう場合に減になるか、どういう場合に全免をいたしまするかというその場合につきましては、これを政令に譲ることにいたしております。その基準につきましては、目下検討をいたしておりますが、大体収穫量のほとんどもう全部が減収になってしまったというような方につきましては、これを免にいたしますということを考えております。その他収穫量が三割以上減収いたしまして、しかも農林漁業収入の減収が、平年の収入に比べまして一割以上減少した、この二つの条件を満たした、これに対しては減をいたしたいと考えておるのでございます。その減をいたします場合には、どの程度の減をいたしますかと申しますと、ただいままでのところでは、三分五厘の利子負担になるように減をいたします分と六分五厘の利子負担になるように減をいたしますものと、二段階を考えております。この二段階の区分につきましては、今申し上げましたような適用者が天災融資の方の法律で融資を受けました場合に三分五厘の金利負担で融資を受けられる者に該当する場合には三分五厘の負担になる。それから六分五厘の負担をお願いできまする方に該当される場合におきましては、六分五厘を御負担を願うようにこれを免ずるということを考えておるのでございます。いずれにいたしましても、これは十二月の末までには今の区分けをいたしまして実施をいたしたいということになっております。それの技術的にどういうものを三分五厘にいたし、どういうものを六分五厘にいたすかという点につきましては、目下農林省並びに大蔵省におきまして、天災融資の方の法律の適用の問題といたしまして、これが審議の問題になっておりますけれども、これもこのたびの災害につきましてどういうように動きますか検討をいたしております。そういう線に沿っていくということで、いろいろな点を検討いたしまして、今案を作りつつあるという状況でございます。 今回のこの措置によりまして、いわゆる概算払いを受けまして、その概算払いを今度は国に返さなきゃならぬという金額がどのくらいになるかということでございます。これが内地につきましては非常に数字がこまかいのが方々にあるだろうということがあるわけで、的確な実はまだ調査の資料が集まっておらないわけでございます。北海道につきましては十四億円ということになっております。それに関係する米とすれば七十万石ということになるわけでございます。石二千円でございます。この減免の対象になりまするところの二銭五厘の利息でございまするが、これは全体で六千九百三十万円ほどになります。そのうち北海道が六千四百万円程度になりますが、この減免で、今のような政令の内容につきまして、若干今まで固まっておるところまで申し上げたわけでございますが、その措置によりまして減免を行います。要するに、この立法措置によって減免を行いまする分がどのくらいになりますかということは、その案の作り方によってでございまして、三分五厘となり六分五厘となるというような点につきましてまだこまかいことが実は出て参りませんので計算ができないのでございますが、おおむね四千万円近くなる。北海道だけにつきまして四千万円近い、三千数百万円になるというような見当はつけることができます。 以上が今回お願いいたしました法律につきましての補足説明でございます。なお、後日御質疑がありましたら、お答えいたします。
○委員長(廣瀬久忠君) 本件に関する質疑は後日に譲りまして、本日はこれにて散会をいたします。 午後零時十四分散会 ―――――・―――――