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25回国会参議院1956/12/04

商工委員会 第6号

発言数
60
登壇者
13
会派数
3
開催日
1956/12/04

会議録

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) これより商工委員会を開会いたします。  まず、前回以後の委員の異動について御報告いたします。  去る十一月二十九日大谷賛雄君が委員を辞任されましたが、十二月一日再び委員に復帰されました。また、本日阿部竹松君及び阿具根登君が委員を辞任され、海野三朗君及び藤田藤太郎君が委員に選任されました。以上報告申します。     —————————————

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) それでは、これより本日の議事に入ります。前回に引き続き、経済の自立と発展に関する調査を議題といたし、本日は公報をもって御通知申し上げた通り、原子力政策と予算に関する件を取り上げることとなっております。  当委員会におきましては、第二十二国会に原子力基本法案、第二十四国会に日本原子力研究所法案、原子燃料公社法案、核原料物質開発促進臨時措置法案等の審議に当って参りまして、それぞれ成立をみました。原子力開発の基本的な体制が本年中にひとまず発足したわけでありますが、去る十一月二十三日に調印され、目下外務委員会で審議中の原子力日米細目協定等、当面の問題もございますので、本日は以上の法律の実施状況を中心に、原子力問題一般について審議いたしたいと存じます。  政府より説明があるはずでありますけれども、前回いろいろ御相談いたしました通り、その前に先般当委員会より白川委員、海野委員が原子力政策調査議員団に参加され、九月より十月にかけて海外の原子力事情を視察して帰朝されましたので、政府の説明を聴取するに先だって、両委員より御報告を伺ってはいかがかと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 御異議なければ、さように取り計らいます。  それでは白川委員より御報告を聴取いたしたいと思います。お願いいたします。

白川一雄自由民主党

○白川一雄君 ただいま委員長から御指名がありましたので、視察して参りましたところをごく簡単に御報告申し上げたいと思います。  今回調査に参りましたのは、三週間の予定でA・E・C、原子力委員会、並びにI・C・Aインターナショナル・コーポレーション・アドミニストレーションの招聘に基きましてアメリカの原子力施設を視察して参った次第でございます。  アメリカの原子力につきましては、電気も豊富でありますし、また、石炭も石油も何不自由のない国でありますが、ただいまアメリカが原子力の平和的利用の目的に向って非常に驚くべき勢いをもって取り組んでおるというのには、われわれは驚かされたのでありますが、一九五四年までは政府の独占事業であったものが、平和利用に関する分だけは、民間に開放されましてから、アメリカの各民間会社は非常な勢いをもってこの原子力開発に取っ組んでおる状態でございます。私はもちろん技術者じゃありませんので、技術上のことを詳しく申し上げる資格はないので、この点は海野委員にお願いいたしたいと思うのでございますが、何分にも原子力は非常に高度の科学技術でありますので、中途半端な、なまかじりの意見はかえって害があるのじゃないかとさえ思っておるような次第でございます。  まあ行ってみましたところによりますと、原子力開発には大体五つの点が必要ではないか。一つには金、資金でございますが、二には土地、三には技術者、四には国民のこれに対する関心と、政府の強い決意という、この五つが原子力を開発するのにはどうしても必要ではないかと観察してきたのでございます。御承知の通りアメリカは無限の富を全く惜しみなくつぎ込んでおりまして、すでに四兆七千億円からつぎ込んでおると言っておりますが、さらに今後も莫大な予算を組んでおりまして、一九五六年には二十億ドルの予算を計上しておるということを聞いて参ったのでございます。また、これに並行して、民間各会社は非常な勢いをもって莫大な資金を投入しつつある。その投入する方法には三つの形がございまして、全然政府の資金で、運営だけを民間に委託してあるというものと、民間と政府とが資金を出し合ってやっておる。出し合う方法にも、原子炉の方は政府の方がやって、その他の設備は民間が出すというような出資の仕方をしておるところもあるわけであります。また、全然民間のみで出資してやっておるところもありますが、いずれにしましても、非常に民間が熱心でございまして、すでに十五社が始めておるという実情も見て参りました。  それから土地は、この原子炉の方にはどうしても放射能に対する安全という点から、面積の広さというものが必要条件であるということは、これはもう絶対的なようでございまして、アメリカの土地の広いということは知っておりますが、実際見まして、実感でなければわからないほど広い面積を利用してやっております。特にわれわれが参りましたアイダホ・フォールの国立研究所は、四十五万エーカーと申しますから、日本の坪数にすると五億坪以上になるはずでございますが、そういう土地に、風の方向から、地下水の流れの方向まで十分計算に入れて、研究所を荒野のまん中にぽつんと建てておるというような状態でございます。アメリカでは、そういう土地は、至るところに広い土地をわれわれが見受けられるのであります。わが国の実情を見て、非常にさむしく思わされたわけでございます。  それから技術者の面につきましては、技術陣を整備することが、会社の運命を左右するものであるという観点に立ちまして、現在でも多数の技術者を持っておる上に、新しく技術者を養成するという上におきましては、格別の努力をしておる次第でございまして、その技術者は単に理論技術だけではなく、実際にオペレイトするところの、また、実際に建設するところの実務的技術にたんのうなる者を作ることに非常な努力をしておるということがうかがわれたのでございます。  国民の関心といたしましては、非常な各会社が非常な熱意を持っておることから見ましてもわかりますように、まあ一例でございますけれども、ミシガン大学が研究所を作るのに、同窓に呼びかけて六百万ドル集めようとしたのに、七百五十万ドル集まって、それ以上集まるのは食いとめたというような話も聞いたくらいに、原子力の研究ということにつきましては、非常な国民が関心を持っておる。  最後に、その政府の熱意でございますけれども、国立研究所はもちろん、民間各会社に対しましても、政府は原子力平和利用の確立のために、物的にも、また精神的と申しますか、協力をしておりまして、現在の段階ではコマーシャル・ベースということを離れて、ただ原子力開発を確立するという点に邁進しておるように見受けたのでございます。  で、私ども出発する前も、現在も、やはりそういうことを聞くのでございますが、アメリカの原子力の平和的利用ということについては、イギリスなり、ソ連よりは劣っておるということを聞いたのでございますが、私は実情をほかのところは知りませんので、断定的に言うことはできませんけれども、アメリカはあらゆる種類の原子炉を競争して研究させて、将来どれが一番原子力を利用する上においていい原子炉となるかという決定版を出す研究をしておるというのが実情で、現在どれがいいのだという確信をもって発表するというところには至っていないというのでありまして、イギリス、ソ連のように少い種類の炉を持って、それが最上としてやっておるところとは、ここ十年くらい将来には格段の違いというものが生まれてくるのではないかというように観察いたしましたので、最近新聞で伝えるように、日本に何ら自主的なものを持たないで、また、自主的計画というもの、炉に対する建設ということも持たないで、一足飛びにアメリカもやらないような発電原子炉を輸入するというようなことは、少しジャンプ過ぎやしないかというような感じも、アメリカのこの慎重さというものに比べて痛切に感ぜられるところでございます。アメリカで六万キロの発電施設をやっておりましたが、これは七千五百万ドルをかけてやって、それも試験炉としてやっておるという段階でありますのに、すべての点に格段の違いのある日本が、果して一足飛びに何十万キロワットの動力炉を直線的に入れるということについては、よほど慎重を要するのじゃないかという点を、このアメリカの実情から見ましても痛切に考えさせられるところでございます。従ってアメリカのどの会社にも、先ほど申したように十五社も始めておりますが、みな自分のところの原子炉が一番いいのだ、また、一番安全なんだというような宣伝はいたしておりますけれども、確信を持って言っておるとは思われませんので、特にこの経済的にコマーシャル・ベースに乗るのだということはどこも断言することができないというのが現状でないか。ただ一日も早く原子炉が採算に乗るようにもっていくのに、タイムをいかに縮めるか、そうしてリターンをいかに早くするかということに努力しておる段階であって、まだ決定版に達しておるとは考えられないのでございまして、ただアメリカは、国連の会議でもアメリカの代表が言っておりましたが、子孫の幸福のために、原子力の開発をアメリカは企図しておるのだと言っておりましたが、採算を離れてこの開発に邁進しておる点から見ますと、これは非常にアメリカのいわゆるパイオニア・スピリットというものを見つけられたというような感じがしたのでございますが、また、アメリカの国柄というものがいろいろな情実というものを見ないで、いいアイデアがありますれば、率直にこれを採用されるという国であるということも、国民の中にこの原子炉に取っ組んでいくところの気魄を植え付けておるのじゃないかという感じがいたしたのでございます。  こういう点から考えまして、日本の原子炉の開発はどういうようにもっていかなければいかんか、どうしても資源の少い日本が運命的にも、宿命的にも、この原子力を利用して日本の将来を考えなければいかんのだという立場に立って考えてみますると、独立国として経済の貧困な日本としまして、どう原子力をもっていくかということにつきましては、きわめて慎重に、きわめて勇敢に行かなければならないのじゃないかという感を非常にいたしました。政府にしましても、民間にしても、また学界にいたしましても、あらゆるセクショナリズムというものを捨てて、打って一丸の、挙国一致の体制というものをもって、無駄のない有効な進め方をしませんと、貧弱な国力では容易に達成することができないのじゃないか、また、アメリカが今回、国際原子力の理事国になるというのにつきまして考えさせられることは、実際実力を小なりといえども作らなければ、国連において日本が恥かしい醜態を演ずるというようなことになりはしないか。インドですら、未開国であるという過去の汚名をそそぐために、自分で原子力を作らなければいかぬ、足らざるところを外国から求めるのだという精神に燃えておるということを、同僚諸士の視察談として聞きましたが、この点におきまして日本に自主的な何物も持たないで、ただ外国のものに飛びつくというこの行き方につきましては、いささか反省をしなければ、国連における日本の醜状をさらすというようなことにはなりはしないかということを心配するものでございます。  特に私どもの今度行って痛切に感じましたのは、学界に対して望みたいことでございます。学界で持っておる原子炉に対する知識というものは尊敬すべきものであり、大いにまたこれを進めていただいて、原動力となってもらわなければなりませんが、理論的なことだけでは決して原子力というものは私は開発できない。今後若い技術者を実際に原子炉をオペレートする、また原子炉を建設するところの建設技術まで持った人材を育成していくというふうにもっていかなければならぬのじゃないか。また、いたずらにからいばりして、日本の原子力理論が優秀なんだということで安閑としておりますれば、それだけまた開発がおくれるのではないか。やはり科学の実際というものに対しましては、謙虚な気持でいかなければならないのじゃないかということを痛切に考えさせられたのでございます。  また、民間の方では仕事の性質上非常に利用を急ぐだろうということは、これは当然なことでございますけれども、この原子力というものには十年先、五十年先、さらには遺伝するところの災害というものがくっついておるのでございますから、この災害に対するところの十分なる施設、注意をしなければ、非常な大きな不幸を招くのではないか。デトロイトで、CIOの労働組合の幹部の方に会いまして、労働組合としては原子力の平和的利用というものに対してはどういう意見かということを尋ねましたところが、それは全面的に賛成である、しかし個々の場合に安全ということに対しての角度によって賛成、反対をきめるのであるということを言っておりましたが、われわれも全く同感でございます。従って今後アメリカにおける労働問題というものは、原子炉に関しましては安全度ということにおいてときどき問題が起るのではないかというふうに観察いたしたのでございます。そういうことから、同行いたしました衆議院の方々とも意見を交換いたしました結果、われわれとして考えますのは、現在の大蔵省が鉛筆の先で数字をいじくるような考えのもとに、日本の原子力の開発をしていこうとしましても、私はとうていできるものではないのではないか、やはり目先の採算的なものではなくて、日本の五年、十年先の経済開発ということを考えて予算を組むような観点に立たなければ、なかなかできないのではないか。しかし、現状においてはなかなかそれが困難だとすれば、あるいはそこに原子力開発公債というようなものを出して、国民一般からの関心に基く資金によって開発するというような道をやらなければ、なかなか現在の予算の編成の仕方では、思うような開発はできないのではないか。土地につきましては、これだけは何としても広げるわけにもいかないものであるだけに、アメリカより以上に災害を防ぐという方面に格別の施設をし、格別の努力をしなければならないので、これによってこれを補っていくよりほかに手がないということが言えるのではないかと思うのでございます。  また、技術者の養成につきましては、先ほど申しましたように、各大学が個々別々にやっていたりして、小さい予算でぶん取りでやっても、なかなか成果が上らないので、できるだけ集中して、資金をまとめて投げ込んで、大いに教育をして人材を作るという線にいかなければならないのではないか。日本はただ学閥とか、あるいはいろいろな派閥でやるべき国じゃないのだということを痛切に考えさせられたのでございます。  国民の関心につきましては、日本だけが最も原子力の被害を受けております関係上、この国民に原子力の平和的利用を認識さすということは、なかなか困難な問題だろうと思いますが、これは報道関係あるいは政府の努力等によって、国民に原子力の平和的利用ということがいかに必要な要素であるかということの啓蒙を大いにしなければならない必要性がある。  最後に、政府といたしましては、政府が確固たる方針を立てない限り、民間も学界も右往左往するにすぎないのでございまして、また、いたずらにジャンプしたような歩みも起ってくることになるので、政府としては原子力開発に対する基本的方針というものを確立して、それを一歩々々充実していくというような線を早く立てなければならない。ただ思いつきでそのときそのときで変っていくというようななまやさしい科学じゃなく、全く革命的な総合的な科学でありますので、どうしても政府は確固たる、超党派的な立場において進まなければできるものではないということを痛切に考えさせられるのでございます。  原子力の基本法につきましては、前国会において通過したのでございますが、これはわれわれとして、今回視察中にアメリカ当局とも交渉いたしますのに、非常に強くこれを主張して参ったところでございます。日本の原子力基本法ができた政治的事情につきましても、すでに御承知の通り、共産党の方においては、原子力の平和的利用にも反対をし、また、その線につながって労働組合方面においても反対の気風が強まってきておるようでありますが、社会党と自由民主党とが超党派的に平和的利用を目途として進まなければいかんという観点に立って、あの基本法というものができましたので、アメリカとしましても、日本に協力する上においては、日本の基本法の上に立って協力してもらわなければならないということを、政治的必要からもあるということを力説したようなわけでございまして、それに相当な努力をいたした次第でございますが、その結果後ほど申し上げますように、声明書で議員団として発表しましたように、秘密条項はつけない、日本の原子力基本法にのっとって平和的利用に限定し、かつ秘密条項はつけないで協力するという確約を得てきたような次第でございますので、まあわれわれとしてはアメリカが日本の基本法を尊重し、また、日本の自主的開発というものを理解し、了解し、それを尊重する限りにおきましては、あれだけの努力をしてやったアメリカの研究の成果というものに対しては、やせがまんを張ったり、からいばりをしないで、謙虚な気持で礼を厚くしてこれを受け入れていくという方法がわれわれの最も合理的な行き方ではないかというように考えさせられておるのでございます。  ここで私どもの最も注意しなければならんことは、アメリカの会社からいろいろ炉を買いますときに注意しなければいかんだろうと思うのでございます。先ほども申し上げましたように、十五の会社が原子炉の建設及びこれの販売を始めておりますが、アメリカという国は御承知の通り電気も豊富でその必要性がないのに、これほどたくさんの会社が原子炉を作って売ろうとしておる半面には、資源の少い外国に売るという目的でやっておるということがうかがわれるのでございまして、この十五の会社のうち、いろいろ調べてもみましたが、実際にやれるのは六つくらいではないか、あとは外国へいろいろな手をもって売り込んでいくという目的で進んでおる会社である。果してこれが実を結ぶかどうかということについては、疑問の点もあるように考えさせられるのであります。日本が自主的何ものも持たないという現状におきましては、外国のものを買うときには、現在の段階では十分なる注意をして、安全弁を踏みながらいかなければならないのではないか。私どもも驚いたのでございますが、過般CP5の炉を買うときにG・E、ジネラル・エレクトリックという会社、天下に知れた大会社でありますが、日本へ見積りに来て、ほかのところよりも二億円も高いということを聞いておりましたが、行ってみますと、まだ炉の建設も第一歩にかからん、自分のところの炉もできておらんのに、日本に対してはちゃんと見積りをして売り込んで来ておるというのに、私どもも最初驚いたのでございますが、その十五の会社のシカゴにおける展覧会を見ましたときに、われわれは一そう今後外国の品物を買うときには注意しなければならないのじゃないか。後ほど私どもも政府当局にもお尋ねをいたしたいと思っておりますのは、A・M・Fという会社からCP5の炉をお買いになったが、あれの現われておる数字その他については、どれだけの覚悟をコンファームしてあれをお買いになったかということについては、いささか不安を持っておるような次第でございまして、今後日本が、まずほかの産業にも非常に影響があるのでございますから、日本の国で作るという建前で進んで、足らざるところを外国から入れるというのでなければ、国内の産業を何も助けないで、ただ外国のみから買うという政策はいかがかというように痛切に考えさせられておるという点を申し上げたいと思うのでございます。  大体私の見て参ったところを大まかに以上申し上げたのでございますが、私途中のある機会で、アメリカが長崎、広島に投げた原子爆弾というものに対する人類の血を犠牲にして、原子力のテストをしたということについて、遠慮なく攻撃するあいさつをいたしましたこともありましたが、アメリカに対しては、今後やはり思い切って率直に当るのが彼らのためにもいいし、日本のためにもいいのではないかというふうに考えさせられる機会があった次第でございます。  羽田に着きまして、われわれ議員団が声明書を出しましたのをここに読み上げまして、私の御報告を終りたいと思うのでございます。  われら原子力政策調査議員団は、去る九月八日出発以来三週間にわたり米国各地の原子力施設を視察し、あわせて米国官民関係者と懇談した。  特に注目すべき事項は、米国原子力委員長ストローズ氏との会談において、将来日米間に予想される動力協定の締結に際しては、日本の原子力基本法に示される原子力を平和目的のみに利用すること、並びに自主、民主、公開の精神を十分了解し、日本に対し秘密条項のごとき要求を行うことなく、日本の原子力開発に全面的に協力するとの言明を得たことである。  以下わが議員団が得たところを略述する。  米国の原子力開発に投じつつある膨大な資金と、これに関する官民の熾烈なる熱意と努力とにかんがみ、わが国の原子力平和利用の推進に当り、次の諸点について万全の努力を払うべきである。   一、わが国の原子力開発を推進するため、この際原子力関係予算を画期的に増加し、積極政策を遂行すべきである。   二、原子燃料の自給体制を確立するため、その探査、精練に一層力を注ぎ、すみやかに燃料の化学処理に関する研究を促進すべきである。   三、原子炉については材料試験炉を早急に設置することが必要であるが、動力炉についてはなお慎重に検討し、輸入計画と並行して将来の国産化を目指し、研究の促進をはかることが必要である。   四、原子力の開発には多大の資金を要する。従ってこれを推進するためには従来の各分野のセクショナリズムを排し、その基礎研究について官民一体の共同研究体制を確立するとともに、関連産業においても協力の体制を確立すべきである。   五、原子力関係技術者の充足をはかるため、特に教育を重視し、あらゆる方途を講じ、原子力関係の人材をすみやかに養成すべきである。  要するに原子力工業は画期的総合工業なるがゆえに、原子燃料を初め、広く関連工業の研究発達に意を注ぎ、一日も早くその開発推進の体制を確立すべきである。所感の一端を述べて帰朝に際しての声明とする。  以上でございます。はなはだ簡単でございますが、御報告申し上げます。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) ありがとうございました。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 ただいま白川委員からの御報告で尽されておると思いますが、私が技術出身者であります関係上、二、三の点について所感を申し上げたいと存じます。  今日原子力、原子力といいましても、国民にぴんとこないように私は思うのでありますが、これは電気から考えてみればすぐわかることであると思うのです。フランクリンが電気を発見した、その電気というものは、落雷によって人が死んだ、その現象を見て電気のおそるべきものであるということに気がついて、自後フランクリンからあと何代かを経て今日この電気を利用するような域に達しておるのであります。原子力も同様でありまして、今電気の世界がかくのごとく発展をしておりますと同様に、今この原子力の発展の仕方によって、世の中が一変すると私は考える。このおそろしい電気がわれわれの思う通りに、少しもわれわれに害のないようにこれに十分なる防御と、この害を受けないようにその特殊性を利用していくというところに持ってきましたことは、ひとえにこの電気に対する研究が進んだからで、原子力についてもまた同様であると私は思うのであります。広島、長崎の原爆によって、われわれ日本人が血をもって実験させられた、これは非常におそるべき方面でありますが、これを利用していくことによりまして、たとえばあのコスモトロンに参りましたときに、コバルト六〇を使って植物の成育を実験しておるところに参りました。ある植物によっては、異常なる発達をし、ある植物によっては、さらに遺伝というものがなくなって他のものに変化しつつあるという現実の姿を、私はまざまざ見せられたのであります。実にこの原子力の利用というものはおそるべきものであって、将来これを推し広げていきますというと、白人の子供必ずしも白人ではなしに黒ん坊が生れるかもしれない、こういう時代が必ず来るのである。また、この頭の髪の黒い人種がこの髪が変ってくるということも必ず可能であると私は思う。これを私が向うの学者のホックスさんに会っていろいろ話をいたしましたところが、将来においては必ずそういうふうになるでありましょう、私もそういうふうに考えるということを言っておりました。この原子力の利用によって世の中が一変し、換言すれば、政治も経済もあらゆる事柄がまた原子力の応用によって一変すると私は考えるのであります。アメリカの人たちやらヨーロッパの各国の学者たちが血眼になって研究をしておるのは、そういうところに原因がある、見通しがそこにあるのではないかというふうに私は感じて参ったのであります。各地における研究所やその施設を詳しく見て参りましたが、わが日本におきましてはとうていアメリカのあの膨大なる資源にまねることはできない、国土も狭い。しからばわが日本においてはどうすればいいかというふうに思いますと、どうしても私はここに政治的に目ざめてもらわなければならないのではないかということを思うのです。  予算のことについて先ほど白川委員が触れられました通り、アメリカは日本の金にいたしまして、約八千億から一兆円の金を年々支出してこの原子力の平和利用に使っておるのであります。そうして今日のこのアメリカの各会社、各研究所の結果を見ますと、私のところがいいのだとか、数字の上ではこうこうなるのであるということを、バブコック・ウイルコック会社あたりは、もう怪しき数字をたくさん並べていかにして売らんかということが見えておる。私も感心したことにして見て参りましたが、話を聞いて参りましたが、いかにして売らんか、その研究をしながらも、商売のことは決してお忘れになっておらない。ところが向うの有名なる二、三の学者に会ってその所見をただしましたところ、今どの発電炉がいいかということについては、まだ結論が出ていない。それであるから日本としては、その結論が出てからでもいいのじゃないかということを言っておりましたが、私はこの学者の話は、まことに良心的な話であると考えて参りました。そこで試験炉のようなものを購入するということは、これはけっこうでありまするが、まずこれを購入するに当りましては、受け入れ態勢ができていなければならない。その受け入れ態勢いかにと思うて、わが日本の現状を見まするときに、まだ受け入れ態勢はできてないから、どうしてもこの受け入れ態勢に全力を注いでやる必要があるのじゃないか、今原子炉を買ってきたにいたしましても、材料なりあるいは、この原料なりについて、その補給ができないようでは運転することができないのではないかということを私は切実に思うのであります。わが日本におきましてはこの製鉄事業、今八幡、富士あたりでは、鉄板でも、あるいはバーでも、アングルでも自由自在に作っておりまするが、これは一朝にしてできたのではありません。古い歴史を申し上げるまでもなく、わが日本がこの製鉄所を八幡に建てるに当りましては、日本からあまたの留学生、つまりドイツに行って職工をやらした。そうして私の先輩である葛というような技官をした人でありますが、この人は二年間職工となってドイツのクルップ鉄鋼所で働いて参りました。そうしてあの八幡に初めて溶鉱炉を作って、そうして覚えてきた通りにやってみたところが、どっこいお湯が出ない、湯が出なくなってから困ってしまった。それからあわてて大騒ぎをしてドイツ人を呼んで、そうしてとにかく一回湯出しをした。ところが平炉におきましては湯出しを型のごとくやりましたところが、鍋の底が破れて、一大音響とともに職工七名という者が即死してしまった、こういうふうな状態であるのであります。これはまる二年間も向うに行って、実際に学んできておった人たちがかかってさえもが、この大失敗を演じておる。この幾多の失敗を重ねてこそ、ようやく今日この八幡製鉄、富士製鉄が働いて、そうして鉄板なり、アングルなり、レールなりを自由に作ることができるようになっておるのであります。私はこれを思いますると、この原子炉また発電炉にいたしましても、便利なものである、採算が合うとか合わぬとかいう考えからして、すぐさまこれをわが日本に取り入れるということはちょっと早いのじゃないか、準備ができていないのではないか。この受け入れ態勢を作るために、国家が莫大な資本を注ぎ込んで、まずこの受け入れ態勢を作ると同時に、この試験炉を購入するということにしていかなければならないのではないか、こういうふうに感じた次第でございます。今日アメリカに行って聞いてみましたところが、専門の学科を修めた大学出が約八千人おるそうでございます。それでもまだ足りないといって、阪大の助教授あたりに手伝いに来ぬかということをミシガン大学から言ってきておるような話を私は聞きました。ところがわが日本ではどうだろうかと申しますと、まことに寒心にたえない現状であります。それでこの原子力の応用、平和利用については、どうしても早急に試験炉を購入するということはいいでありましょうけれども、まず、この受け入れ態勢に万全の策を講じなければならない。そうしないで、ただ飛びついたって、機械が入ってきた、入ってきたけれども、こういう故障が起った、ああいう故障が起ったというようなことは、もう目に見えるような気がするのであります。この点についてはどうしてもわが日本においては受け入れ態勢、そうしてウラニウムの原鉱がないかと、過日岡山県と鳥取県の境における人形峠にウラン原鉱が発見されておるような次第で、もっと詳しく国内を捜査する必要があるのではないか、そうしてこの原床というものを日本の地から、土地からわいたものでなくちゃいけない、つけ焼刃じゃだめだと私は感じて参った次第でございます。  まあ大体白川委員から詳しく申し述べられましたが、最後の結論の通り、私も同様白川委員の報告されたように、まことに慎重な態度で進まなければならないのではないかというふうに感ずる次第でございます。  バブコック・ウイルコックの会社が、この発電所につきまして、数字をかくかくの数字であって、温度は華氏六百度ないし七百度ではあるが、摂氏ではないのでここまでできるというようなことを言って、カロリーの問題も数字に書いておりましたが、どうもあの数字につきましては、私が今日までこのバブコック・ウイルコック会社の実験の結果の数字については多少の経験がございまするので、あの数字についてはとんと受け入れることができない数字を私は見せられたのであります。  今各国とも競って日本にいかにかして売らんかなということを考えておるように思いまするので、わが日本はまず何よりもこれの受け入れ態勢を作る必要がある。アメリカも八千億から一兆円の予算をもって、この原子力平和利用に投じておるのに、わが日本においては十億、二十億くらいのわずかな金ではとうていだめである。そうしてこの原子力を平和的に利用して参りまするならば、この世の中が一変する時代が必ず近き将来において来ると私は考えるのであります。  簡単ではありますけれども、私が技術者の立場から考えまして、何としてでも、今日本からたくさんの人を向うに留学さして、そうして見習いさして、その上に私はこちらに試験炉を入れるようにしなけりゃいけないんじゃないか、こういうことを感じて参った次第でございます。  簡単ではございまするが……。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) ありがとうございました。  委員各位から両員の御報告について御質問もあるかと思いますけれども、政府の方からも見えておりますので、一応政府の立場から原子力関係の開発の状態についてお話を願って、それから後に質疑をしていただいたらどうかと思いますが、正力国務大臣はただいま閣議中でございまして、まだ出席されておりませんが、遠からず御出席の予定でございます。科学技術政務次官の齋藤憲三君、科学技術庁長官官房長原田君、科学技術庁原子力局長佐々木君などが見えております。一応それでは原子力開発の現状について原子力局長からでも御報告を願いましょうか。

佐々木義武科学技術庁原子力局長

○政府委員(佐々木義武君) それでは私から原子力の開発の現状につきまして簡単に御報告申し上げたいと思います。  お手元の配付資料の中で「6」、「7」、「8」とナンバーをふりましたのが、原子力関係の資料でございます。その中で7の「原子力開発の現状」というパンフレットがございますが、これは一応現状を要約したものでございますので、それを御説明申し上げたいと思います。  このパンフレットは構成が四つに分れておりまして、第一点は各国の原子力開発の現状、それから第二点はわが国の原子力開発の必要性、それから第三番目はそういう必要性に基きまして長期計画をどういうふうに考えているかという点を述べまして、最後にそういう観点から、来年度の予算はどういうふうに考えるかという点を第四としてございます。  以下一ページから要点を申し述べていきたいと思いますが、一番初めは各国の原子力開発の現状でありまして、ごくわかりいいように数字のみを掲げてございますが、一応要点を御説明申し上げますと、まず第一点は、各国の予算を円に換算いたしましてみますと、どういうふうな状況になっておるかと申しますと、米国では大体七千億円、日本の全予算にほぼ近いほどの支出をしております。英国では七百二十七億円、これは今年度でありますが、フランスは一九五四年が百億、五五年が三百五十億、本年度は四百五十億というふうに非常に数字が膨張をしております。次は、非常に日本と似通った状態に置かれておりますドイツはどうなっておるかという点でございますが、ドイツは御承知のように昨年度までは占領下にありまして、原子力の開発等は厳禁されておったわけでありますが、昨年度占領が解除されまして、今年度から初めて開発にかかったわけでございますけれども、九十六億円を出しております。この中で向うは州あるいは民間の投資が相当ございますから、国家の投資のみを見ますと約十一億円でございますが、一九五七年、来年度に対しましてはどうかと申しますと、向うでは占領解除とほとんど同時に原子力省という一省を設けまして、専管の原子力大臣を作ったわけでございますが、先般石川委員が参りまして原子力相とお話しの結果、来年度はその十一億を百十億にするそうでございます。それでその比率で民間あるいは州等の投資を考えますと、あるいは五百億になりますか、千億になりますか、とにかく非常な膨大な計画で、一ぺんに原子炉を七つか八つ国内に作るような猛烈な計画でドイツはスタートしてございます。  最後にわが国、日本はどうかと申しますと、一昨年度初めて予算がつきまして、二億三千万円、昨年は二億、本年度は三十六億になっております。この三十六億の中で十六億は契約負担部分でございまして、現金は来年支払いということになっております。従いまして、ネットの予算は大体二十億というふうに御理解いただいていいのではないか、こういうふうに、予算の面から申しましても非常にわが国はまだ初歩の段階だということが言えるかと思います。  次に、この国民所得に対する比率でございまするが、米英等は軍事目的にも相当この原子力を利用しておりますので、平和利用のみを推進する国のみを比較してみたのですが、フランスでは国民所得に対しましては予算が〇・二八%、西独は〇・〇九%、日本は〇・〇六%というふうになっております。  それから二番目は、原子力関係にどれだけの人が参加しておるか。これは政府機関のみをとりまして、先ほど白川、海野両先生からお話しありました民間側の参加者は取り上げておりません。米国はAECのみでありますが八万五千人、英国は二万四千人、フランスは五千四百人、わが日本は原子力研究所、あるいは燃料公社、あるいは原子力同等を全部合せまして三百六十八人というふうなわずかな数字でございます。この人数をあげましたゆえんのものは、各国は原子炉をいかに保有しておるか、将来どうするかという問題もありますけれども、ただいまの現状から見ますと、将来原子力関係の技術者を、どれほどその国が保有するかということが勝負をきめるのだというような考え方から、競ってこの人員の養成を大規模に計画的にやっておりますので、試みに各国の現状を、参加人員をあげたわけでございます。  次は各国の原子炉の保有数でございまするが、稼働中のものはここに掲げた通りでございます。建設中のものを次に掲げました。全部合せまして百七十近くございます。わが国はその中でまだ一つもございません。来年の三月ごろに小さい炉が一つ、試験炉が動き出すというような現況でございます。  それからこれを応用いたします各国の発電計画というものは、一体どうなっておるかと申し上げますと、米国は五カ年後に大体百万キロ、英国は十カ年後に三百五十万キロ、これをさらに最近は四百五十万キロまで上げたというような情報も入っております。ソ連は五カ年後に二百五十万キロ、フランスは五カ年後に八十万キロ、二十カ年後には八百五十万キロという計画で進んでおります。   〔委員長退席、理事近藤信一君着席〕  こういうふうに各国の計画は単に計画ではないのでありまして、各国の原子力の予算のあり方、あるいはそれに対する考え方を研究いたしてみますと、たとえばフランス等におきましては、事前予算をほとんど組まないで決算のみやる。必要な部分は、もうこの問題に関しては金を出す。英国、米国等も大体同じでございまして、提出予算に対しての査定等はあまりないようでございます。特にスエーデン等は、私も参りまして聞いてみたのでありますが、こういう予算を削るということ自体非常に不思議がっておりました。そういう事情で一応計画をきめますと、事原子力に対しては、そのまま実施ができるというふうな態勢に各国ともなっておりますので、ここに掲げました発電計画そのものは決して机上計画ではないというふうに御了解いただいてけっこうではなかろうかというふうに考えます。  それから各国における原子力の船舶の建造でございますが、これは戦争目的のための、たとえば潜水艦等は米国では二そう、ただいまもう運転中でございますが、これは比較になりませんので、平和利用の問題のみを取り上げてみたのでありますが、米国では商船二そう、これも五九年、六一年を目標にいたしましてただいま設計、あるいは建設中でござ、います。英国では潜水商船を計画中でございます。ノルウェーは大型タンカーを、ソ連は砕氷船を一そうただいまもう建造にかかっております。こういうのが各国の大体の現状でありまして、いかに各国がそれぞれこの問題に対して力を注いでいるかというのが明瞭かと思います。  そこで、それでは各国のこの問題に対する外交関係はどうなっておるかと申しますと次のようであります。原子力に関する国際協力というのは、国際原子力機関がこの十月にできまして、わが国も幸いその準備委員の一員に加わりまして、その憲章に調印をしたわけでございますが、来年の初夏からウイーンで実際の事業が出発をすることになっております。アジア原子力センター、これもアジアの諸国が参加いたしまして、アメリカの指導のもとに来年から建設されることになっております。それから国際会議は来年度だけとって考えてみましても、国際原子力機関総会、あるいは国際アイソトープ会議、あるいは国連科学委員会、あるいは国際原子力平和利用会議等、各国で世界会議が開かれることになっております。なお、単独で相互協定としてどれほどの協定が結ばれておるかと申しますと、六ページにございますように、米国で三十六カ国、この中には日本も入ってございます。英国が十三カ国、カナダが三カ国、ソ連が七カ国、というふうな相互協定を結んでおります。

近藤信一日本社会党

○理事(近藤信一君) ただいま正力国務大臣が御出席になりまして、ちょっと時間の都合上、一応の説明だけをいたしまして、若干の質問はいいそうですが、十二時から何かよそで会合がある、こういうことでございますから、その会合が終ってから出席してもよろしいというような大臣のお言葉ですが、それでよろしいですか。……そういうことにいたしまして正力国務大臣から提案の説明を伺います。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(正力松太郎君) それでは御説明申し上げます。  皆様もよく御存じの通り、世界は、今や、原子力とオートメンションによって代表される新しい技術革命の時代に入っていると言っても、あえて言い過ぎではないかと存じます。  この際先進諸国に比して著しい立ちおくれを示しているわが国としては、官民一致協力して、科学技術の振興と、科学技術教育の強化に渾身の努力をいたさねば、今後永久に国運の隆盛を望み得ないものと考えられる次第であります。  ちなみに、先進諸外国の科学技術振興に対する努力を見ますと、たとえば一九五四年における官民の研究投資総領において、アメリカは一兆四千四十億円、うち政府関係七千六百八十億円、ソ連は八千五百五十億円、全額政府関係、英国は三千三十億円、うち政府関係二千六百三十億円、の巨額を示すのに対し、わが国はわずかに四百七億円、うち政府関係百三十億円、にすぎないのであります。このことは国力の相違に基くのはもちろんのことでありますが、わが国が今後科学技術の振興をはかり、輸出の振興、雇用の拡大、生活水準の向上等を通じて経済の発展を期すためには、絶大なる努力が要請されているものと言わねばならぬと存ずるのであります。  御承知の通り科学技術庁は、官民の輿望をになって去る五月十九日発足し、自来庁員一同鋭意施策の充実に努め、今般三十二年度概算要求案を取りまとめた次第であります。何分にも三十一年度予算は、本庁の設置が本ぎまりになる前に、その編成を終了しておった経緯もあり、従って本庁関係三十一年度予算は過渡的暫定的にとどまらざるを得なかった点の多々存するものと考えられ、この点三十二年度予算要求については、全く新たな観点から編成されるべきものと考える次第であります。  以下本庁関係を中心として、三十二年度科学技術振興関係概算要求中重要事項について述べることといたします。  一、まず、試験研究の推進については、現下わが国にとって喫緊の重要研究が各分野にわたって均衡的に推進されることが何よりも必要であります。このため官民一致協力してその実をあげるべきでありますが、特にこの際国立試験研究機関の占める重要性にかんがみ、その機器設備の充実、近代化及び研究員の待遇の改善等に万全の措置を講ずる必要があると考える次第であります。  この点に関しましては、本庁としては、本庁設置法上の権限に基き、関係各省庁の意見を徴し、所要経費の見積方針の調整を行い、大蔵省当局と折衝するべく、目下科学技術審議会予算部会を中心として、せっかくその調整案を作成中であります。  また、本庁付属の航空技術研究所及び金属材料技術研究所につきましては、それぞれ当該研究所の長期建設計画に基き、所要の設備の経費を要求しており、また、現在の最新の技術部門の一である電子工学については、その重要性にかんがみ本庁に電子技術課を新設し、関係各省庁の事務の調整と、その推進に万全を期す方針であります。  二、次に新技術の開発の促進についてでありますが、とかく優秀な研究成果であっても、新技術に伴う危険性のため、民間の企業がこれを企業化しないものが多々あるのでありまして、この際財政支出によって最低企業規模における企業化を行い、新技術の企業への採用を促進することが必要と存じます。このため今回、新技術開発公団を設置する方針であり、このための所要経費十億円を要求しております。  三、次に科学技術情報活動の強化についてであります。試験研究の推進のためはもちろんのこと、広く科学技術水準の向上のためには、何よりも内外の最新の科学技術情報の収集整理を行い、これをすみやかに関係方面に提供する業務が強化されねばならぬと存ずるのでありまして、この点先進諸国は大部分が国家的機関によりこの業務を運営している実情にあり、この点わが国としましては、格段の努力をいたす必要を痛感しておるのであります。このため今回、科学技術情報センターの設置に関する経費三億五千万円を要求しております。  また、海外における最新の情報を迅速に収集し、上記の科学技術情報センターの業務の万全にも資するため、科学技術アタッシェの増強に関する経費を要求しております。  四、原子力平和利用関係につきましては、御存じの通り日本原子力研究所は六月十五日、原子燃料公社は八月十日それぞれ発足をみまして、着々その業務の整備に努めている次第でありますが、三十二年度は国際的にも国連の国際原子力機構の設置、アジア原子力センターの発足等、画期的な時代を迎えるとともに、国内的には来年四月末わが国初めてのウオーターボイラー型実験炉の導入、引き続いて六月末その本運転の開始が予定されておる状況にあり、その他燃料関係、技術者の養成訓練、関連技術の育成、アイソトープ利用の促進、障害防止措置の強化等に所要の経費約百二十二億円を要求しております。一見非常に膨大な要求のように見えますが、先進諸国における例から見ても、最小限度のものであり、今後の情勢に照らし、むしろなお少額に過ぎるのではないかとすら考えられる次第であります。  五、なお、その他わが国における唯一の民間の総合研究所であります科学研究所の研究機能の強化をはかるため、政府出資の増額を行う方針であり、また、研究成果の普及及び技術水準の向上に資するため、先進諸国の実情にも徴し、技術士法を制定し、技術士業務の適正化と今後の拡充を期するため経費を要求してあります。  六、また、一国の科学技術の振興の根源は、かかって科学技術教育のいかんにあると言うても過言ではないと深く確信するものであります。この点画期的な科学技術教育の強化一普及に関し、文部省とも密接な連絡のもとに、所要の経費の要求を文部省にいたしておる次第であります。  七、最後に本庁設置の際の国会における付帯決議に伴う措置について一言申し述べたいと思います。  両院の付帯決議におきましては中央、地方を通じての試験研究機関、特許行政機構等の実態を調査し、今後の科学技術行政の強化を期すべきこととなっておりますが、これがため本庁としましては、六月十八日庁内に試験研究等促進方策調査会を設け、審議官、調査官を中心として機動的に運営することとし、三十一年度は主として国立試験研究機関四十一カ所及び特許行政について三十二年度は引き続き公立及び民間の試験研究機関についてその実態を調査する方針であり、その結果に基き今後における科学技術庁の整備強化に関する方策を策定することとなっております。  以上簡単に本庁関係を中心として、三十二年度の科学技術振興関係の概算要求の大綱について述べましたが、本庁関係の昭和三十二年度の要求に際しましては、極力その圧縮をはかり、総額において約百八十八億円を要求しております。冒頭に述べました諸外国の実情に比し、きわめて僅少のものと言わざるを得ないのでありますが、現下の健全財政の堅持の建前から、この程度にとめた次第であります。  現在のわが国における科学技術の振興の緊急性にかんがみ、何とぞ十分なる御検討をいただき、御協力を賜わらんことをお願いいたす次第であります。  以上読み上げました次第でありますが、なお、この際一言私から付け加えて申し上げたいと思うのであります。それは、御承知の通りに、ここに今申し上げた通りに、昨年は三十六億円の予算をお願いしたのでありまするが、今年は原子力関係だけで百二十二億、さらに科学技術庁としては百八十八億を要求しておることは、ただいま申し上げた通りでありますが、ところが昨年が三十六億で、今年は原子力だけでも百二十二億という、まあ百億を過ぎておるのでありますが、今申し上げた通り外国の非常な増大したことを見ますと、まことに僅少で恥しい次第であります。  なおここに一つ付け加えて申し上げたいのは、この日本は御承知のごとく十年も原子力の開発はおくれたのであります。おくれたが、しかるに、世界的にはこの一年間に非常に進歩したのであります。私が今年の一月原子力委員会で原子力委員長声明を出しました。それで原子力委員会にはかって、五年後において発電をしたいと思うという話をいたしましたけれども、発電なんということは、とうてい日本では考えられぬことだという大体の空気でありましたので、そこで発電したいと思うがそれは強過ぎるから、それじゃあ発電に努力しようというのが、これが委員会の決定であります。そういうふうに発電したいと思うということは認められないで、発電に努力しようということにしておこうと、こういうふうに現在まで考えられておったのであります。従って原子力の発電なんということは、おそらくは十五年先のように考えられておる。また、学者も皆口をそろえて言っておるのです。ここには海野さんのような大家もおりますけれども、みなそれは日本における常識であり、世界の常識であったのであります。ところがことしの五月イギリスからヒントン卿が来まして、経済ベースに合うということを叫び、イギリスはことしの十月から経済ベースに合うという説明がつくということを言うて、日本の朝野を驚かしたのであります。そこで私どもも驚くと同時に、私はその時にそのヒントン卿を官邸に呼びまして、あなたが経済ベースに合うということをことしから証明がつくということを言うたが、これは全く日本にとっては青天のへきれきのようなものである、果して合うかどうか、僕は責任大臣として聞きたい。そうして責任ある答弁をしてくれということを言うて、さらに学者と立ち会わせまして聞きました。先ほど申し上げたように、とにかく十五年先でなくちゃ経済ベースに合わぬものと皆信じておるのだから、それをことしから証明すると言うから、私はそういうふうに聞いたのであります。ところが、その時にヒントン卿は、自分は責任ある答弁をする、この今年の十月にコールダーホールで原子力の原子炉を完成するが、りっぱに経済ベースに合うということを証明できるというので、私は専門の学者を立ち会わせておいて、るるとその証明がつくという話をされました。そこで私はイギリスと日本は電力事情が非常に似ておる、また日本はどうしてもこのままでは、発電においては今大計画を立てておるけれども、もう水力は大体大よそ頂上まで来ておる、火力はだんだんこれは高くなる一方である。それだから一つどうしても日本においては何かに頼らなくちゃならぬのである。だから一つ君、その意味で返事をしてくれと言うたところが、ヒントンはりっぱに証明ができる、そうして日本はイギリスと非常に事情が似ているから、一つそれはもう自分が責任を持って言うと言っておりました。それで私はそれでは国家の大事だと思いましたから、日本から調査団をやった。調査団をやって、ほんとうに経済ベースに合うということが確信されるなら、日本の国家のためにも、一つイギリスから炉を得たいとまあ思うておるのだ、これは非常に事重大であるから、相談をしなくちゃならぬが、とりあえず調査団を送ろうということで、それから原子力委員会と相談をしまして、そういうことならば調査団をやろうということで、原子力に関する各部門の専門家十人イギリスへ調査団を送ったことは、新聞で御承知の通りのことであります。ところが調査団の団長の石川一郎氏はアメリカへ回ったが、副団長の一本松さんを初め、皆係りの人が帰って来ました。その調査団の報告によりますと、日本に持ってきても経済ベースに合うということを確信したと、こういうことを言ったのでありまして、これは日本の学界でも皆びっくりしておるのであります。それほど朝野をあげてびっくりするほどの進歩をしたのです。  それと、いまもう一つ私どもがよい収獲を得たということは、イギリスに調査団をやって、場合によっては買うかもしれぬぞということをやったところが、驚いたのがアメリカです。アメリカは何でも日本はアメリカ一辺倒だと思っておった。そうして日本もことしの契約と同時にウオーター・ボイラーという、まあいわば今から考えるとおもちゃです。八千万円ものものを注文し、それから大いに得意になってCP5という二億円のものを注文したのです。ところがアメリカは日本が調査団を送るということを聞いて、非常にあわてまして、それからアメリカのメーカーから私の方へアメリカも安くできるぞというので申し込んで幾つも来まして、ことにCP5を注文したAMF会社からは、今度は動力炉を日本が入れれば、りっぱに経済ベースで売りましょうというようなことを言うて来た、そのほか二、三のメーカーが来ました。そうするとさらにアメリカで今原子力を一番研究しておるウエスチング・ハウスという会社は、これは一番大きいです。その会社の社長が日本に来まして、私になぜ今までアメリカにばかり行っておった日本が、イギリスへ調査団をやって、場合によっては買おうという気勢を見せたかと、こういうことを言いましたから、私はこれはほかでない、日本はアメリカと違って電力事情が非常に切迫しておる。ちょうどイギリスが日本の事情に似ているからということで、それでイギリスへ調査団をやって、ほんとうに経済ベースに合うということならばと考えておる。アメリカでは現在経済ベースに合わぬといっておるじゃないかということを言いましたところが、いやアメリカだって経済ベースに合うぞ、それじゃ一つ僕にゆっくり話をしたいからいずれ日をきめてということで、それから日をきめて私の官邸に来ました。それから私は専門の学者を三人立ち会わして、そしてウエスチング・ハウスの社長も専門家を三人連れて来まして、そうして日本の学者と議論をしました。そうしてだんだん言うと、どうも経済ベースに合うという話が少しはっきりしなくなってきた。そこでいや経済ベースに合うとは言うたけれども、一つどうも話がはっきりせぬ、いずれ研究してからと言う。それからアメリカへ帰りまして、一月ほどたってから、アメリカに来て精細に調査をした結果が、経済ベースにイギリスのような値段でアメリカもできるのだという報告をして来たのでありまして、これは研究の結果で厚い分厚のものでありまして、持って来た、こういうわけであります。そこで私はおもしろく感じましたのはアメリカであります。日本がイギリスへ調査団をやって注文をしようとしておるということで、アメリカに対して非常に刺激を与えまして、先に言う通りのメーカーが来るという、日本にメーカーが来たのみならず、アメリカの国会の問題になりました。アメリカの上院では、一体アメリカは今まで原子力というものを軍事のことばかりと考えておった。要するに金にかまわずに、なるたけ早くアメリカは水素爆弾、そんなことばかり考えておる。それだからして、そういうことで経済ということを無視したところから、今日本のごときはイギリスから買おうとしておるじゃないか、もう少し平和利用の点を考えろということで、上院で問題になったのでありまして、そうして上院がそういう警告を発したようであります。そのためかもしらんが、さっきウエスチング・ハウスが来たというようなことになったのでありまして、こういうふうにアメリカにおいても変ってきた。私どもはこの間衆議院で今度電力開発の五カ年計画、千五百億を立てております、発送電の。あの計画については考慮しなくちゃならぬのじゃないかという衆議院でも質問が出ました。私もそう考えております。今千五百億の予算で五カ年間をやっておる、これは日本発送電でやっておりますが、この千五百億をかけて、そうしてあのままやるのがいいか、あるいはまた、早く原子力をやって……、御承知の通り水力でやりますると送電線が大へんなんです。従って相当のこれにもかかるし、また火力でやりますと、石炭のあの場所が大へんなものです。原子力はそういう場所も要りません、送電線もごく簡単でいいということで、非常なただ額が経済にとれるというのじゃない、すべての意味において非常に便利なんでありまして、そういうわけでありますから、私ども後進国として、おくれながらもこの際一つそういうふうにイギリスがやったり、それからアメリカもできるなら、これについては技術の導入も必要かと思うのです。  ただ、ここで私どもが注意をしておりますことは、そんな外国のことばかりで日本の研究をどうするか、これは大へんなことだから、研究ほどこまでも自主的に研究をする。研究はするが、一面においては外国の何百億、何千億かけて研究した結果を取るのも、これまた虫のよい話かもしれませんが、これは国家のために必要じゃないかということでありますが、ところでなお一つここに私どもいいことは、今まで動力協定をやるということで日本でも大へんな騒ぎ……、何となれば原子力基本法に秘密というものがありますから。ところがアメリカは秘密を解除すると言ってきました。イギリスも秘密を解除すると言ってきました。そうしていろいろな意味において非常に利益を得るようになったのでありまして、私ども原子力担当の者としては、原子力はここに明るい感じが出た、明るい希望が出て、果して原子力が平和に寄与するということは夢のように思っておった、ことしの一月まで思っておった。それが十カ月後においてはもう夢じゃない、経済ベースに合うということで、これはもう専門家がみな驚いておるようなことになったのでありまして、この点はまことに国家のために喜ぶべきことと思うと同時に、この予算も昨年の予算から見ると、これは非常に厖大でありますけれども、これじゃまだ足らぬのでありまして、今度もう一ぺん一つ修正したやつを出さなくちゃならぬかと思っておるのでありますが、どうぞ、あまりとっぴな大きな予算を出すようでありますけれども、外国の例もこの通りでありますし、ことに日本はこの立ちおくれを取り返さなければならぬ。いま一つ、日本は非常に電力事情においても困っておる。しかしながら、どこまでも学者の言う通り日本の自主性が第一であるから、研究はどこまでもやる、一方に研究は十分にやる、一方に外国のよい技術は取る、しかし外国の技術は、どうしてもこういうように予算が膨大になりますから、この点については普通の予算と違って、原子力の予算は特別だという一つおぼしめしをもって御審議を賜わりたいと、こう思うのであります。どうぞよろしくお願いいたします。

近藤信一日本社会党

○理事(近藤信一君) 若干の時間はよろしいそうでございますから、御質疑のある方は順次発言を願います。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 ちょっとこの原子炉についてではないのですが、少し関係がありますから、私は政府当局にお伺いしたいと思います。過日アトミック・エナージー・ポリシイ・スタディ・グループで、私ども六人参りましたが、その際に外貨の割当が三十ドルきり割り当ててなかった、全体を通じて。で、大蔵省の為替局では、どういうお考えであの三十ドルきり全体を通じて割り当ててなかったのか、それを伺いたい。

宮城恭一大蔵省為替局管理課長

○説明員(宮城恭一君) お答えいたします。一日当りの滞在費の基準が作られておりまして、これに従ってやっておるのでありますが、その内容を申し上げますと、A、B、C、D、E、F、こういうふうな段階がございまして、Aクラスは一日四十八ドル、これは内閣総理大臣、最高裁判所長官、特命全権大使、衆、参両院議長が一日四十八ドルの割当になっております。Bは三十ドルでございまして、国務大臣、特命全権公使等その任免につき天皇の認証を要する職員及び特別職の職員の給与に関する法律第一条第四号から第十五号までに掲げる職員並びに各庁の長が大蔵大臣に協議して定めるこれらに相当する職務にある者となっておりまして、国会議員の方は三十ドルという規定になっております。これに従って割り当てたわけであります。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 一日に三十ドルじゃないですか。これは全体で三十ドルじゃないですか。そんなばかにした割当方はないじゃないですか。そこでワシントンで解散になった、その日泊らなければいけない。今度サンフランシスコにも泊らなければならぬ。ところが飛行機に故障があって、ハワイに私らは泊らなければならぬ。まるでこじきのようなものだ。そこで三十ドルですよ、君、ぼやぼやしては困る。私ら全体で三十ドルですよ。一日三十ドルじゃありません。あれはどういうわけですか。

宮城恭一大蔵省為替局管理課長

○説明員(宮城恭一君) 事情はよく調べて参っておりませんですが、一日三十ドルの範囲内では滞在費は日数に応じて割り当ていたしておると思うのです。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 一日じゃないんですよ。全体を通じて三十ドル、ここに政務次官がおられますから聞いてごらんなさい。政務次官も全体で三十ドルです。何ですか、そんな割当方というものがあるものですか。

齋藤憲三自由民主党科学技術政務次官

○政府委員(齋藤憲三君) それはどういう国内法に規定をしておりますか、私はよくわかりませんが、サンフランシスコまでいく支度料として三十ドルというのですから、それも私は非常におかしいじゃないかと言うたんですけれども、とにかくそういうことだというので、三十ドルでわれわれ行ったわけです。そうしますと、今度はアメリカ政府の招待でございますから、まず大体ワシントンにおいて解散をするまでは向うでめんどうをみる。その後飛行機の関係とか、あるいは今言われた飛行機の故障によってホノルルに泊るとかいうことに対する外貨の割当というものはないわけです。それですから、まあこれは政府側の一員として言うべきことかどうかわかりませんが、いやしくも国会議員あるいは政府関係のものが、アメリカの招請によってアメリカに参りまするときに、三十ドルの外貨割当で国際的な体面が保てるかどうかということです。これは実際体験をしてみなければわからないので、もし体験をした者の感じから申しますと、体面を保つには不法行為を行う以外にないんじゃないかと、そういうふうにわれわれ感じられたので、非常に不安な旅行をしてきた。ですからこれはぜひとも帰って参りまして機会があったならば、外貨割当審議会というものがあるそうですから、そこで一考をわずらわしてもらいたいということを考えておったのですが、本日海野委員からその質問が出ましたから、確かにわれわれが受け取りましたのはどういう形でありましても、全体を通じて三十ドルということでございます。

宮城恭一大蔵省為替局管理課長

○説明員(宮城恭一君) ちょっと補足的に……、おそらく参られましたのは、向うで滞在費の保証を一切お受けになって行かれたケースと思います。この場合には向うにおきます経費は向うで持ってくれるということをはっきりいたしております場合には、着きましてから向うの関係者に連絡がとれるための雑費といたしまして三十ドル割り当てるのが規則になっておりまして、これでわれわれは処理いたしておるのでございまして、なお御趣旨の点ごもっともで……。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そこを私は言うのです。あなた方がいたずらに大蔵省の役人として高禄をはんで何をしておるのであるかと。三十ドルで行ってこられるのかどうか。向うで金を出すのはいいですよ。アメリカの招聘だからいいですよ。いいのだけれども、そのつなぎをどうするかというのです。われわれがハワイに行って、帰ってくるときにはもう金がないのです。金がなくて実に困った。そういう場合もありますから三十ドルきり割り当てないというて、そういうしゃくし定木の考えで君たちおってはいけない。何も君たちの金をもらうのではないのだから、ただ金を取りかえてもらうだけでしょう。国民の選良たるところのわれわれが行って……、何ですか、全体を通じて三十ドルです。三週間といったら三週間できっちり帰ってこられるものじゃない。最終日にワシントンでわれわれが別れた。ところがそれからあとはどうなるか、そういうところも少し考えて、もう少し親切がなければいけないと私は思う。政府の役人というものは、しゃくし定木であってはならない。どうなんですか、そういう点についての御所見は。

宮城恭一大蔵省為替局管理課長

○説明員(宮城恭一君) まことにおっしゃることごもっともと感じます。われわれといたしましてはいろいろそういう声も聞かしていただきまして、今後善処いたしたいと思います。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 それは私は実に不愉快でたまらなかった。それで政務次官にも二度ほど詰め寄ったのです。何だこのざまは。われわれが向うに行ってお金がないものだから、商社の人に何とか都合してもらえないかといってそっちから三ドル、五ドル、まるでこじきです、国民の選良が……。サンフランシスコに来ても泊らなければいけないでしょう。ハワイに来ても、どっこい飛行機の故障で、いつたつかわからない。まるでこじきです。そういうことがありますから、あなた方が官吏として勤めておる以上、国会議員、国民の選良であるわれわれにもう少し親切にしなければいけないと私は思う。そういうことについては私は厳に大蔵当局にやかましく反省を促さなければならないと考えております。どうして私らが帰ってきますか、法律を犯さなければしようがない。為替管理法を犯しても止むを得ないと見ておられますか、あなた方どうですか。私はあくまでも法律を守りたい。そういう信念から、まじめな者が実にばかを見てしまう、このことについては今日は局長お見えにならないでありましょうが、これは十分反省を願いたいものです。私ばかりじゃありません。これは行った同僚の人たちみな口々に言っておりました。原子力の調査に行くのに全体を通じて三十ドルです、あきれてしまう。そこで旅館の一例を申しますと、あの調査団の人たちが三十何人行ったでしょう、あの人たちの旅館——私らの旅館はこじきみたいなものです。一つの小さな部屋、ふろもない所に二人ぶち込まれた。今度三十人から行ったでしょう。あの連中はどうです。まるで王様の旅館です。とんでもない、国民の選良であるわれわれが何でこういう旅行をしなければならないか。これは大蔵省が財布の口を縛っておられる。もう少し反省してもらわなければいかぬ、もう少し親切にしてもらわなければいかぬ。しゃくし定木だけでおやりになられては困る。私はこれを強く要望して、皆様方の反省を要求いたします。   〔理事近藤信一君退席、委員、長着席〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) この問題は白川さんもわざわざ報告書の中に三十ドルであるということを書いておられた。それはどういう御趣旨でお書きになったか知らないけれども、少くとも国会を代表しておいでになるのだから、全行程を通じて、それは招待だということはあるでしょうけれども、しかし普通視察だったら一日三十ドルくらいあるのじゃないですか、それを全体を通じて三十ドルというのは海野君から聞いて私もびっくりした。これは管理課長責めてもしようがないことですから、今後こういう国会から行くという場合もあるだろうと思います。たとえそれが外国からの招待であっても、もう少し余裕を見てお考えになった方がいいのじゃないか、こう思います。一つお考え願いたいと思います。

白川一雄自由民主党

○白川一雄君 大臣から非常に威勢のいいお話を聞いてわれわれ心強く思うのでございますが、そのお話しの中にAMFという会社のお話が出ましたので一言お尋ねしたい。お尋ねするのは、アメリカにおける世評に対して、日本の名誉のためにも一ぺんお聞きしなければならない、こう思っておるのでありますが、CP5が決定するときに、アメリカの方で聞いた言葉には、日本は一体発注するのにビジネスの観点に立って発注するのだろうか、政治的立場に立って発注するのだろうか、日本のやり方はわからんというようなうわさを聞いた。と申しますのは、このAMFの資料を見ましても、AMFがやった実績は何もない。ただこれからやるんだということと、有力な会社を下に使ってやるんだということを、ただばく然と言っておるだけで、私技術上のことはわからないけれども、よそが作った設計に対して、十三というのを十四に直したということが、果してどれだけの成果があり、どれだけの結果があるということを、日本の方で技術的に十分確信ある検討をしたかどうか。よそが出した設計に対して、ちょっと筆先で数字を変えて、有力なような設計を持っていけば、すぐ日本はそれに飛びつくのだというような印象を与えておるということを見て、これは日本の名誉のためにも明らかにしなければいかぬという感じがしたのですが、われわれが聞いておったときには、五千キロのものだと言ったのがこれは一万に今度はなっておる。AMFというのは大体は原子力のプール、機械を作っておるところの会社であるように思うので、先ほど御報告した中に、十五の会社でやっておるという中に、極端な言葉を使えば相当インチキな会社もあるというようなことを私は感ずるのです。そういう意味から、その辺の情報ですけれども、藤岡原子力委員は現地からAMFよりもACFの方がいいんだというように日本に電報を打ったというふうに聞いておりますが、とにかく最後の短期間に従来長く研究をしておったのが、ぽっと注文が変ったのだというような印象がアメリカ方面に流れておるということにつきましては、当局のこの間に処してのいきさつをもう少しはっきりした報告にしてもらわなければいかぬと、こう思うのです。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(正力松太郎君) ただいまお話を聞いて、まことに驚き入っているわけでありまして、実は私も詳しくは知らんのでありまして、これは研究所を主としてやっております局長からでも説明をさせたいと思います。

佐々木義武科学技術庁原子力局長

○政府委員(佐々木義武君) ただいまのお話しのありましたように、藤岡委員があのときちょうどアメリカに行っておりまして、お話しのような電報を打って参ったことは事実でございます。ただ電報の来たときには、研究所の方のちょうど理事会の開かれたときでありまして、理事会では慎重に審議した結果、AMFを承認するという結論になったわけでありまして、技術庁におきましては、その研究所の結論を待ちまして、そうして研究所の首脳部の方に委員会に来てもらいまして、委員会で研究所の言い分といいますか、研究の成果を十分聴取し検討した結果、その結論通りでよかろうということで許可を与えたわけですが、その間に研究所で自主的にと申しますか、何といいましても自分の力によりまして一番アメリカとの折衝を中心にやった方でございますので、本件の深い事情は駒形副理事長がここにおいでになりますので、駒形副理事長からお聞きしていただくとけっこうだと思います。

白川一雄自由民主党

○白川一雄君 私もアメリカの方の人と約束して、日本の当局からよく事情を聞くが、そんなこともないだろうという約束をしてある関係上、はっきりしたことを一つ聞かしておいていただきたいと思います。

駒形作次日本原子力研究所副理事長

○参考人(駒形作次君) 日本原子力研究所の駒形でございます。  御説明申し上げます。CP5型の実験用原子炉の購入につきましては、日本原子力研究所といたしましては、技術の方面で非常に慎重な態度をもってこれに当った次第でございます。アメリカからこのCP5型につきまして見積りの提出をいたしました会社は、四社ございました。一つはNAA、ノース・アメリカン・エビエーションという会社でございます。第二はゼネラル・エレクトリック、GE、第三はACF、アメリカン・カア・アンド・ファウンドリー、第四はAMF、アメリカン・マシーン・アンド・ファウンドリーでございます。各社ともそれぞれ担当の技術者を日本に派遣してくれたのでございます。われわれの方もその派遣して参りました技術者に対しまして、直接いろいろなことを聞きただし、先ほど申し上げましたように慎重に検討を加え、そうしてその相互の比較をいたしました次第でございます。  その点は一つは経費であります。もう一つは納期であります。第三はその炉の性能でございます。第四といたしましては、その会社の技術というものに重点を置きまして検討をしたのでございます。これをこまかくいろいろ申し上げる時間もないかと思いますが、総括いたしましてNAAとGEは価格の点におきましても、納期の点におきましても、われわれの考えておりますことに対しましては非常にかけ離れておりまして、今お話がありましたACFとAMFの両者を比較を綿密にやると、そういうことに結果的にはなったのでございます。ACFが出しました見積書は五千キロワットというキャパシティのものでございました。AMFの出しましたものは一万キロワットと申します容量のものでございまして、値段は両者とも大体二百十万ドル程度でございます。これは厳密に申しますと、各社の見積りはそれぞれの会社の技術によりまして、あるものは付属品をその会社が納入しないで、日本原子力研究所が直接買わなければならないような工合になっておりますので、そういうものを全部一切同じレベルに、同一条件にそろえまして補正をいたしました金額といたしまして、AMFは二百十八万ドル、ACFが二百十四万ドル、AMFの方が四万ドルばかり高いのでございます。しかしその熱を出す容量はAMFの方が一万キロで、ACFの方が五千キロでございますから、AMFの方は倍になる。そういうことで納期の点におきましてはAMFは十八カ月、ACFの方は十二カ月とプラス船の送ってくる間の時間ということになっているのでございます。  問題は私どものこれを使う面におきまして一万キロの方はその性能がいいことは当然でございます。いわゆる中性子の密度というものが、AMFの方は十の十四乗というものであります。ACFの方は八かけ十の十三乗という価になっておるのでございます。こういう精能の点は、やはりAMFの方がよろしい。納期の点におきましても、それほど大きな違いはありませんし、日本原子力研究所といたしましては、建屋その他の時間的関係から考えまして、この限度でよろしい。技術の点につきますというと、技術経験ということから考えますと、ACFの方は、現在MITというボストンの大学でCP5型を建設中でございます。AMFの方はCP5型そのものはないのでございますけれども、AMFは非常に制御関係の技術を得意とする会社でございます。ACFが買いましても、AMFにサブコントラクトしまして、ACFの制御の関係は、AMFの製品を買うというようなことになるのであります。そうしてAMFの会社の大きさ、従ってその原子力関係の技術者の数は、AMFの方が段然多いのでありまして、AMFは現在十ばかりの炉の仕事をやっているのでございます。私ども十の全部は存じませんが、アメリカ国内向けといたしまして四基、外国向けとして二基はわかっております。六基は私ども承知いたしておるのであります。外国向けといたしましては、西独のミュンヘン大学に納まる一基と、アムステルダムの見本市の展示のための一基と、これらのものを今AMFの会社において仕事にかかっておるわけでございますし、私ども知っておる六基のほかに、十基というわけでありますから、もう四基あるわけでありまして、そういう状態でございます。ACFの方は私ども調べましたところによりますと、MITのほか、オランダとイタリアに三基ほどしかかっているということがわかっておるのでございます。そうして、この技術の面におきまして両者を比較しますというと、これは私かなり伯仲しているということが言われるかと思うのでありますが、でき上りますものが十の十四乗の中性子密度を持つということは、私ども使います上に、材料試験等を行います上に、どうしても中性子の密度の高いものの方が研究のためには都合がよいということで、AMFの方が望ましいものであるということを私どもは結論をいたした次第でございます。  設計の面におきまして、私どもが一番心配をいたしましたものは、燃料要素の問題、設計構造の問題でございます。燃料要素と申しますのは、ウラニウムを板にしてそれを並べたものでありまするが、まあ千キロとかその程度のものでございますと、それほど技術的にむずかしいことはないのでありますけれども、五千キロを一けた上りました一万キロということになりますというと、技術的にそこが一番問題である。これにつきましては非常に私ども慎重に検討をいたしました。両方の会社とも、この燃料要素につきましては保証をいたしております。ガランティをいたしておるのであります。まあそういうことで技術的の一番むずかしい燃料要素につきましても、問題は私どもないと、こう考えておりますし、さらに保証をいたしておるのでありますから、その点十分期待できると考えております。なお、AMFの方は日本のメーカーをサブコントラクトしてやっていくということを申し出ておるのでありまして、AMFに払う金は約百五十万ドルでございます。その百五十万ドルのうちで五十万ドル分は日本のメーカーとして三菱グループをAMFが選定をいたしまして、そこに五十万ドル分は払う。これは日本の金で払う。こういう面でわが国の原子炉製造技術というものを非常に上げる一助にすることができる。私どもの研究所の面から見ますというと、今後のアフター・サービス等の点から考えまして、その方が非常にまた便利になる。かように考えましてAMFの方を私は選定をし、そうして原子力委員会、原子力局に私どもの結論をもってお願いをいたしました次第でございます。

白川一雄自由民主党

○白川一雄君 私がお尋ねするのは、CP5の建設が最初見通されたような結果を生むようにということを熱望するあまりお尋ねするのですが、ただいま重要点として、価格ならびに納期、技術、性能というような順序でお話しになりましたが、私は重要なことは、価格や納期でなくして、性能、技術ということが今日としては第一に考えなければいかんのじゃないかというように考えますので、AMFという会社のものを、ほかがやっても、サブコントラクトしてやるのだということは、これはどの仕事でも同じでございまして、現にGEがエジソンの会社をサブコントラクトして使っておる事実も見て参ったわけであります。ですから、アメリカの会社はきわめて専門的であって、何でもかでも一つところがやっておるものではないので、下請としてサブコントラクターにやらしているのは当然なことであろうと思います。私どものことに心配しましたのは、AMFという会社は何ら今まで作った実績を持っていないので、単にデザインをしてデザインを売っている会社だということを聞いたのでございますが、ただACFの方はイタリアのミラノとかその他にすでに契約して建設の実績を持っているという点から考えまして、われわれがかりにデザインを買ったとしたら、実行面においてはまだいろいろ手落ちがあるのじゃないか、これはエジソンの会社の技術長がわれわれ会合のときに言っておりました。技術の大家でありながら言っているのは、実際理論であっても、実行しておれば、いろいろな点からタイミングの違いその他から誤差を生じてくるから、なかなか理論の学問だけでは決定できないのだということをわれわれに説明しておりましたが、私もその通りだと思うから、単に、AMFというのが実績を持たないで、設計だけを主にしている会社だとしたら、そこに危険があるのじゃないか。まあ、今日契約もして買われることをきめたとすれば、最初意図されたような結果を生むように一つ御努力願わないと、世評を裏づけしたような結果になったのでは、日本の原子力の出発点においては、私は非常に不明朗なものが生じはせぬかということを心配いたしますので、まあ希望としてCP5の建設は初期御意図なさったような通りの結果を生むように、格段の御注意をなさらないといけないのじゃないかということを申し上げまして、私の質問を終ります。

駒形作次日本原子力研究所副理事長

○参考人(駒形作次君) 白川先生のお話しの点でございますが、AMFは設計だけを売っている会社ではございません。先ほど私が申し上げました通りに、今十基の原子炉を、この中にはエリック・リヴァーの動力炉も含んでおるのでございますが、作っておる会社でございます。それからこの研究所もニューヨークから若干離れましたグリニッチという所にございまして、非常なたくさんな研究者を持って、そうしてそこでやっておる研究機関も、非常にACFに比べれば、完備をいたしておることはよくわかるのであります。そういうわけで、今後十分注意をする必要があるということにつきましては、日本原子力研究所といたしましても、そういうつもりでやることにいたしておるわけでございまするが、まあこの点につきましては私どものAMFをとったことに対して不明朗というような意は、私どもといたしましてないということを申し上げておきたいと思うのであります。  なお、経費、納期、性能、技術、経験ということを実は申しまして、一番初めに出ましたものが非常にウエイトを持っておるかのごとくおとり下さいましたことにつきましては、私の説明の申し上げようが悪かったのでございますので、お説のように、技術、経験、性能というものが、これは一番重要なファクターである、私どももさように考えておる次第でございます。GEが日本の会社をサブコントラクトしないかということを私どもは申したのでございます。そうしましたところが、そのGEの回答は、日本の現在考えているメーカーとしては、ちょっと今そこまでいけないという、その当時の話はございました。こういうことを申し添えておきます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 これははなはだしろうとくさい質問なんでありますが、白川委員にお尋ねいたすのでありますが、先ほどあなたと海野両委員のお話で、非常に簡明にしてしろうとのわれわれによくわかったのでありますが、われわれ大衆の面から見まして、こういう新しい産業革命でも招来しようと、こういう問題につきまして、これは日本の方は今原子力局長のお話しの通り、まだ一九五六年としては稼働中のものも全然ない、また準備中のものもないというわけなんでございますが、アメリカを御視察になりまして、あなたの御感想でけっこうなんでありますが、いわゆる既存のエネルギー界及びその持っておるところの産業界に、これだけ六十八も稼働しておる米国の原子力というようのものの影響というものがどういうように響いているか。これはまあ産業面に、あるいはいろいろな点から論ぜられると思うのでありますが、簡単でけっこうでありますが、御感想でけっこうなんであります。これは将来日本の大きな問題になると思うのですが、これはいずれあらためて政府に御質問申し上げたいと思うのでありますが、アメリカの状況を簡単でけっこうですから……。

白川一雄自由民主党

○白川一雄君 私はなはだ技術のことも存じませんで、皮相な観察かもしれませんが、御承知の通り、アメリカには石炭も石油も、ここ二十年や三十年じゃ困るようなことはありませんし、また水力電気にしましても、きわめて豊富にあるので、イギリスなり、ロシヤなりが、発電ということを非常に大きく取り上げておりますが、これは困るから急いでいる。アメリカの方では原子炉というものがどれが一番産業に適切なものであるか、同時にいわゆるヘルス・アンド・セイフティと言っておりますが、健康及び安全というのは、どの炉が最も安全であるかというところの決定版を出す、その非常な研究をしておるというような状態で、今日利用の面でアメリカが少しおくれておるからといって、アメリカの原子力の技術がおくれておるということにはならんので、おそらく私どもは十年後のアメリカの原子力の発進というものは驚くべきものがあるんじゃないかというように考えますが、シッピング・ポートという所は六万キロの発電機を試験として作っておりましたのですが、そのときの単価なども聞いてみたんですが、現在では十八円くらいにつぐ。現在のアメリカの電気料の十倍になる。しかし十年先には現在の電気の三分の一の値段にしてみせるんだというような説明も聞きました。だからアメリカは底力を持っておるものですから、ほんとうの役に立つ炉を作るのはどういう炉かという現在の研究途上にある。だからアメリカは利用を急いでいないということが言えるんじゃないか。それは大臣からもお話がありましたように、イギリスなんかは、先ほど資料を拝見しても、アメリカよりはるかに発電力も多く計画されておりますが、これはイギリスという国がやはり電気が不足で、それが急ぐからというのでそこに集中しておる。アメリカは電気は急がないんだから、今目先困らないからどれが一番いいかというものを作り出すんだというところに、私、差があるように考えましたので、しかしそういう批評を受けるから、アメリカも最近は少しスピードを高めるようにあわてている格好でないかというように感心いたしましたのですが、特にセイフティということに対して、これは余談になりますけれども、非常なものでございまして、たとえばわれわれが各研究所その他へ行きましても、胸の所へ札をぶら下げまして、そこにレントゲンのフィルムが入っている。そこを見て来る間にどれだけ、工場を回っている間にからだにラジエーションを受けたかということを検査して、そうしてそれが済んだあとで現像してみて、必要以上のラジエーションを受けておれば、病院へ持って行って治療するんだというくらいに、この原子力の放射能というものが、結果が現われるのが十年先とか五十年先とか、あるいは遺伝をするという、目先に見えないおそろしい害を含んでいるものですから、それなんかに対する研究というようなことも、これは驚くべき組織と金をかけて、また天下の学者を集めてやっていること等を見まして、決定版を出したところのアメリカが、原子力というものを産業及び衛生その他各方面へ使うところのものは、これは刮目すべきものがあるんじゃないか、目先を追っかけていないというところに、アメリカの特徴があるんじゃないか。もっとも、私ソ連とかあるいは英国の実態を見ておりませんので、断定的には言えませんけれども、いろいろ調べてみると、イギリスは自分のところの一つのものは、これでいいんだというところに直進しているという格好なので、日本が学ぶべきところの将来のものは、やはりアメリカのものじゃないかという観察をして参ったわけでございます。  大体そんなところでございます。

齋藤憲三自由民主党科学技術政務次官

○政府委員(齋藤憲三君) ちょっと今の、私も一緒にアメリカを見て参りましたのですが、昨年は私は欧州の方を見て参りましたのですが、今の御質問に対しての御参考までに、まああれかと思いますから申し上げますが、私は今度アメリカへ参りまして、原子力関係者に質問をいたしましたのは、今、白川委員の言われましたように、石炭も、石油もうんとあるアメリカが、どうしてそう金に糸目をつけないで急ぐのか、こういう質問をいたしました。それは違った世界ができるんだと、こういうことの考え方なんです。で、いろいろパーティなんかで話をしますと、重力、いわゆる水力発電とか、それから火力発電とかという重力の世界と、化学反応の世界じゃないんだと、原子核の分裂とか、融合によって出てくるエネルギーの世界、これは全然別だ。将来は結局重力とか、化学反応の、いわゆる水力とか、火力によるところのエネルギーの世界じゃなくて、原子核の分裂とか、原子核融合の形体においてエネルギーが出てくる。これはもう一番進歩した点で、当然これに人類社会は変るべきだという考え方なんですね。ですから向うはもののあるなしじゃないんですな。今、石炭があるから、石油があるからとか、それから石炭がないから、石油がないからというのじゃない。もう全然別のこれはエネルギーの世界、新しい世界が出てくるのだ。これがやがて人類社会を形作るんだ。だからこれに向って全力を傾注していくのは、子孫に対する義務だと、こういう考え方が非常に強いんですね。ですからわれわれも非常に啓発されたのですが、日本としても現実に水力とか、火力発電とかいうものの、物資はないというのは現実ですが、やがて変る将来のエネルギーというものを考えますと、とにかくこれは重点的に核の分裂とか、核融合とか、これは私は専門家でないからわかりませんけれども、全然別のエネルギーというものの世界が出てきて、これによって人類の一切の形態が支配されるのだということが正しいとすれば、日本なんかも負けずに一つやらなくちゃならんのじゃないかと、私は非常に考えて参ったのであります。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 速記をやめて。   〔速記中止〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 速記をつけて。  暫時休憩いたします。    午後一時十六分休憩      —————・—————    午後二時四十四分開会

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) これより委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、原子力政策と予算に関する件を議題として審議を進めます。休憩前に佐々木原子力局長の説明が中断されておりますので、佐々木局長の説明を続けていただきたいと思います。

佐々木義武科学技術庁原子力局長

○政府委員(佐々木義武君) それでは午前中に引き続きまして御説明申し上げます。午前中は各国の原子力の開発状況、あるいは協力関係等につきましてお話し申し上げましたのでありますが、結論といたしましては、非常に力を入れてこの問題を処理するというのは明瞭におわかりかと思います。  ついで第二に国内における原子力の必要性の問題に入りたいと思いますが、まず原子力の応用、利用という面に関しましては、平和的には二つの大きい道がありまして、一つはエネルギーとしてこれを利用するという面と、もう一つは、アイソトープ、あるいは高エネルギー放射線としてこれを利用するという二つの道があるのであります。その両方とも、わが国にとっては非常にそれが切実的な緊迫性を持ったものになっているということを述べて一応計数的に出してみたのでございますが、エネルギーとして、動力源として使う場合には、御承知のように電力と、船舶と、飛行機等が最もその対象になって研究されつつありますが、何と申しましても、一番ただいまの段階で問題になりますのは、その中で電力でありまして、日本は電力源と申しますか、に関しまして資源的に非常に少々でございます。皆さんは商工委員会の皆さんでおられますので、私からくどくど申し上げるまでもなく、石炭にいたしましても、水にいたしましても、経済的には、あるいは資源的にも、やがていろいろネック化してくる。それからごくわれわれだけのエスティメートでありますが、昭和四十年には百万キロ、それから昭和五十年には三百五十万キロワットの電力不足になる。何カ年後には少くとも重油でそれ以上まかなうという手段もございますが、百万キロとかりにいたしますと、非常な壁でありまして、これを原子力でまかなうといたしますと、相当急ピッチな開発その他をやらなければならない事態に立ち至るかと思います。  第二番目は、アイソトープの問題でありまして、この方はただいまの段階では日本は各国に必ずしも劣っているとは申されません。輸入量はおそらく世界一でございます。扱いの量から申しましても、先進国とそれほど違いはございません。ただ、工業方面にこれを応用する点になりますと、各国よりは非常に劣っているのじゃなかろうかというふうに、ただいまの段階では考えられます。このアイソトープ及び高エネルギー放射線というのはどういう応用の仕方をするかという問題でありますが、AからGまで、いろいろの例をあげてございます。まあ極端に申し上げますと、アイソトープの利用というものは、従来核研究で行き詰りをしておって、どうにもならなかったという問題に対して非常な新しい分野を切り開いたという点と、それから研究の成果が非常に早い。たとえてみますと、農業の研究などは過去五十年の研究に対して、最近、このアイソトープは最近のようでございますが、四カ年で五十年分を優にカバーできるほどの革新がなされつつあるというわけで、非常に成果が早いというのが特徴でございます。大別いたしますと、トレイサーと申しまして、追跡者と称しておりますが、いろんな反応あるいは機能等を追跡いたしまして、レントゲン写真、あるいはその他の機械で放射線を計りまして、そうして機能を追跡していくというトレーサーということが一つ、もう一つは線源としてアルファ線、ガンマー線いろいろあるわけでございますが、それを線源としてそのまま使う、この三つが非常に大きい用途であります。  そこでまず各分野から申し上げてみますと、化学反応機構の解明というのは、化学反応がどういう過程で起きつつあるかということがこのアイソトープのトレースによって明瞭にわかるわけでございます。そういたしますと、その過程がわかりますれば、これを改善する方法もおのずからわかるわけでございまして、今後の化学工業にとりましては非常に革新的な意味を持つものでございます。  (b)の人体及び動植物の生理機構の解明とございますのは、たとえて申しますと、大脳等の機構は今までは死んだ人の解剖でしかわからなかったのでありますが、ところがこれはアイソトープを応用いたしまして、大脳の方に放射線を持った物質を集中するようにいたしますと、大脳の機能がある程度わかってくるわけでございます。これは現在ソヴィエトでやっているそうでございますが、従って生きたままで生きている人間の機能というものが解明できる。たとえば食物を食べまして、そうしてどういうふうに消化され、どういうふうに血になり、それがどういうふうに毛細管に入っていくかというようなことがトレースできるわけでございますから、非常に今までの研究よりも力を持ってくるわけでございます。そうして動植物の生理機構に対しても同じでありまして、たとえばよく今言われておりますのは、鶏などは卵を形成するのに、どういう過程で卵ができてくるか、カルシウムを食べさせるとそれが何日目くらいに卵のからになって出てくるかといったようなことがわかってくるわけでございます。あるいは動物でありますと、アイソトープの食物を与えますと、それの栄養効果等を計算いたしますと、すぐ何をどういうときに食べさせた方が、その動物に対して効果的かということがわかってくるわけでございますから、そういう意味におきましてそれは従来全然考えも及ばなかった新しい研究分野を切り開いて改善を生みつつある問題でございます。  (C)は疾病の診断及び治療でありまして、これはよく言われておりますガンとか、あるいは肉腫、あるいは皮膚であればあざを取ったりといったようなものに非常に効果を及ぼします。それから疾病のところでもう一つ申し上げますが、非常におもしろい事例なんですが、らいの研究です。これは妙な話しですが、日本ではまだ四万ほどのらい患者がおるそうです。極東には非常にらいの患者が多くて、らいの研究などはこれ以外に研究の方法がないというので、国立研究所がございますが、大へん喜びまして、ぜひ一つこれでもってらい菌の正体、あるいは治療方法を研究さしてもらいたいということで、その方を来年からやらしてみたいと思っております。  それから(d)といたしましては、の改良及び施肥法でありまして、これはこの施肥法の例を申し上げますと、たとえてみますと燐の含んだ肥料を、小麦なら小麦に対して一定の土壌で、ある深さあるいはある時期にそれぞれかけまして施肥するわけでありますが、そういたしますと、今までは何年かたってその成果がわかってくるのが、今度は一年でその肥料が根に入り込み、あるいは茎になり、あるいは実りに影響を及ぼすのか、そういうのが全部わかります。ですからすぐ対策ができてくる、たとえてみますと、両先生も先ほど御説明ありましたので、たぶんごらんになったかと思いますが、オークリッチではゴムの木の研究をやっておりましたが、非常にいい、ゴムに一番よくきく肥料を与えてその成果を見たのでありますが、大体二倍半か三倍くらい、従前よりも何と申しますか、増産になっております。これはまさしくその通りできるはずでありまして、たとえば英国などにおきましては、そのために全国の土壌調査を非常な大金を使いましてやらせております。土壌さえ明瞭であれば、その土壌に合う肥料もおのずから編み出せますので、農作物の増産上非常な効果が期待されるわけでございます。日本でもこの施肥の研究は、ただいま中央農事試験場や三県ほどでやっております。  第四番目は、作物および微生物の品種改良でございます。放射線の特徴は、染色体に非常に小さく入っております遺伝子に対する作用であります。この遺伝子そのものを一部破壊し、あるいは組み合せを変えるという非常に大きな作用を持っております。従って突然変異の率が放射線をかけますと非常に大きくなります。その結果、劣性のものも出ますが、中には優性のものも出て参ります。その優性なものを取り出して改良していくということでございますが、従来よりも要するに非常に突然変異の率が多いということが特徴でございまして、さっき申しましたように長年の研究よりも、もうわずかの間にそういうものが見出されるということが、非常に大きな力を持ってくるわけであります。日本でも農事試験場では稲、それから三島の遺伝研究所では、小麦やタバコの品種改良をやっておりまして、アイソトープによる品種改良をやっておりまして、相当いい成果を上げております。タバコについても非常にいい品種ができつつあります。一番この点で面白いのは、細菌の、ヴィールス、発酵菌等についてであります。千葉の稲毛にあります発酵研究所でこの研究をやっております。従来全然考え及ばなかった菌がたくさん出て参りまして、どういうものが今後発生するかわからないくらい無限に大きいものと考えます。  (f)、食品の保存、これは皆さん御承知の通りでございますので省略いたします。  (g)は、合成繊維、合成樹脂の品種改良の問題であります。これは非常にこの春、問題になりまして、各国ではどんどん特許の申請が千に近いぐらい出ております。日本でも外国の特許がたしか四百ぐらい来ておるのではなかろうかと思います。要するに高分子あるいは低分子に対する作用を非常に促進いたします。極端にいいますと、低温低圧で強度の触媒の機能をもたらしますので、なかなか合成繊維などでも、非常に熱に強い合成繊維ができておる、あるいは合成樹脂でもチタン系統の合金よりもっと優秀な新しい金属が、合成樹脂にアイソトープを加えることによってできつつあるというような情報も聞いておりますが、まだ特許等の関係で公表されたものはあまりございません。この問題は相手に一歩先んじられますと、非常に国際市場問題等、わが国に不利な点が多うございますので、できるだけ早くこういう研究を進めたいというふうに思っております。  それから計測用機器とか、非破壊検査用機器とかいったようなものは、長くなりますのでやめますが、非破壊検査用機器というのは、要するに機械を破壊しないで、そのまま機械の材質、あるいはきず等を調べる。今まででありますと、その一部を取ってきて、そして材質研究等をやるわけですが、そうでなくて、機械のまま検査してしまうという意味でございます。  こういうふうにして、非常にわが国のように資源が足りなくて、しかも人口が豊富だというふうな特殊な国にとりましては、こういう新しい資源と申しますか、こういうものによって新しいまた製品を生み出していくというのが、最も重要なことでございますし、案外これは値段も安いのでございまして、従来のラジウム等から比較しますと、話しになりません、非常に安いものです。そういうものでございますので、一番日本などには適したものでなかろうかということで、今後ともこれを使わせたいというふうに考えております。今まで申しましたのは、要するにエネルギー源といたしましても、あるいはアイソトープによる農業、あるいは工業、あるいは社会の福祉と申しますか、そういう点の発展向上というようなものは、日本としてはまあ非常に重要事項であるという意見をうたったわけであります。  十ページ以降は、そういう情勢からして、今後わが国の原子力の開発というものはどういうふうな方向へ持っていったらよろしいかという長期計画の問題でありますが、これはまだ実は委員会といたしまして内定しただけでありまして、決定にはなっておりません。その意味は、議員団の皆さん、あるいは産業会議のミッション、あるいは英国に参りました政府の正式な調査団等の帰りを待ちまして、そうしてその成果を十分取り入れて、最後的なものを作ろうというので、一応来年度の予算との関係もございまして、一応内定ということにしておりまして、まだ決定の段階に行っておりませんので、その意味でお聞き取りいただきたいと思います。  まず、原子炉の設置計画でございますが、ここに書いてありますように、ウオーターボイラー、これは今部品が到着しつつあります。来年の三月末には今度の濃縮ウランの細目協定が、参議院でうまく通って下されば間に合う予定でありますが、三月末に濃縮ウランを購入いたしまして運転に入ります。それからCP5型、これも濃縮ウランのタイプでありまして、アメリカから輸入いたします。これは三十三年の目標であります。それからスイミングプール型実験炉、これは実験炉でありますが、小さいものです。これはまだ確定いたしませんけれども、関西方面の大学に置きまして、そうして日本の大学で教育あるいは訓練用に使いたいというふうなことでございます。  三十四年にできますものは、天然ウラン重水型の国産炉でありまして、このときに初めて、これは三十四年でございますから、まあ二年後になるわけですけれども、さっき示したように、まあ三年間それぞれの試験所によって研究さしておりますので、その成果を取りまして、そうして一切これは日本で作ってみたいと思っております。どうしても不足なものはやむを得ないのでありますけれども、特に天然ウラン、これは全く自分の手で作って、そうして外国の一切の制肘のない、独自で運転できるような実験炉を作ってみたい、こういうふうに考えております。これは一万キロのものでありますが、それから三十五年、三十六年には、動力炉をそれまでに入れたい。英国のものをかりに輸入いたすといたしましても、ただいまから五年後でないと実際の建設ができませんので、こういうふうな大体基準にしたいと思います。「数基」と書いてありますのはあるいは米国からも若干来るというふうに考えております。  で、この動力用輸入炉で試験が進みましたならば、今度は、要すれば化学工業の自家発電とか、あるいは電力会社が自分でやりたいというような場合には、そっちを一つやっていただくということで、この計画からオミットしてございます。ただ、業界の方にそれぞれまかしておきますと、どうしても安くて安全なものを得られないのでございまして、特に国としてはそれだけでは困るというものがございます。それは何かと申しますと、ブリーダー用のものでございまして、ブリーダーと申しますのは、簡単に申しますと、いわゆる消耗した燃料を、それ以上自分が炉の中で再生していくというのがミソでありまして、従って自分でもって燃料をある程度補給できていくわけです。ですから資源の足らない日本のような国では、どうしてもこれは将来作っていきたい。ところが各国ともなかなかこの問題は最終目的にしておりますけれども、完成の時期というものは見通しが立ちません。そこでこういうのはやはり引き続いて国の研究機関でやっていきたいというので、三十六年には増殖実験炉、それから四十年には増殖試験炉を輸入しまして、そうして四十四年以降には増殖動力炉に入りたい、国産をはかりたい、これが最終目標でございます。  それから(ロ)は原子燃料需給計画でありますが、燃料の問題が実は一番重要な問題でありまして、世界の先進国は、実は燃料の問題から出発いたしまして、そうして七、八年もかかって燃料の問題が解決したその上で原子炉の築造にかかったわけでございますが、日本は今までの段階では話が逆になっておりまして、むしろ原子炉の方が先に立って、そうして燃料があとから追っかけていくというふうな格好になっております。で、国連機構等ができますれば、そういう非常に淡い希望と申しますか、持っておったのでありますけれども、あるいは天然ウラン等は、もう数年たたずしてコマーシャル・ベースに乗った普通の商品になるんじゃないかという考えを持っておったのでありますが、今度の国際原子力機構の憲章を見まして、全くこれはこういうことでは、とても日本はいかぬという点を痛感いたしたのであります。従来こういう経済的なと申しては非常に語弊があるかもしれませんが、燃料要素であれほど強い国際管理を受けるのは千古未曽有であります。徹底した管理下に入るというふうな事態になりますので、どうしても日本といたしましては、ある程度自分で作るものは、少くとも自分の燃料でやっていきたいという強い念願を最近持ちつつあるわけでございますが、そのためには、まず資源の概査でありますけれども、これは今年度から三年計画で地質調査所でやっております。だんだんやっていきますと、いろいろなものが見つかっておるような現状であります。それから有望地点の精査、これは原子燃料公社でやることにしまして、地質調査でやって、一番ありそうな可能性のある所を選んでボーリングをしたり、ここを堀ったりということで、鉱脈等の精査をやっておるわけであります。  ここまででちょっと切れますが、それじゃ日本では一体あるのかないのかというよく質問を受けますけれども、この前にゲロンというフランスの原子力の非常な大家の方が見えまして、その人に、フランスでは一体この鉱脈の検査等はどうしたかという質問をしたところが、三年間に数十億円のお金を使いまして、そうして自慢しておったんですが、フランスほど地質調査の行き届いた国は世界でないそうであります。それから地質学者も一番フランスが多い。フランスにはないということになっておったそうでありますが、それを押し切って三年間徹底した調査を行なった。さすが三年目には苦難が多くて、よほどやめようかと本人は思ったそうであります。しかしこれではいかんというので、最後にやりましたところが、国道から百メートルばかり離れた、しかも地下三メートルぐらいと言っておりましたが、そこに非常にいいものがあったということで、日本はどうしたらいいだろうという話をしたら、日本にないなんていう人は頭がどうかしている、必ずもうあるという確信を持って調査を進めなさいということを盛んに体験上勧めておったわけですけれども、今のところで日本でありますのは、中国地帯が一番多いのでありますけれども、まだ品位その他はそれほどいいものはございません。しかし、今後調査のしようによりましては、きっといいものが出るのではないかというふうに考えてございます。  それから採鉱及び粗製錬は民間並びに原子燃料公社でやりまして、その粗製錬でまあせいぜい四、五%だと思いますが、上りましたものを燃料公社で買い取りまして、そうしてそこで精錬をするわけでございます。その製錬した天然ウランをさらにアルミニウムをかぶしたり、あるいは曲げたりするといったような加工は、これは公社あるいは民間でやらせる。  最後に燃料処理という問題でありますが、これは非常に重要な問題でありますが、これは出てきた燃料を再生する仕事でございますが、これは公社で将来はやるということになっております。  アイソトープの利用促進計画でありますが、これはどういう個所でやらせるかというのを述べただけであります。  それから十五ページは関連技術の育成計画でありまして、これは原子力工業と申しますか、産業と申しますかは、単に総合工業というだけではないのでありまして、もう一つの非常な特徴は物によっては従来なかったもの、あるいはまあ調査のできないような精度の高いもの、たとえば九の八乗とか七乗というものがたくさん材料にはございます。というのは九十九の下に九が八つつくというぐらい非常にピュアなものを要請されるのでございまして、そうしますと、それが果してピュアなものかどうかということは、分析等してみないとわかりません。ところが従来の分析ではその分析の用をなさない、どうしても原子関係の分析機といったふうなことになって参りまして、今度はそれを作るのに従来の工業では何ともできないというふうなことで、非常に原子力の産業を発達させようとしますと、技術全般のレベルを上げないと進歩しないのであります。従いまして単に総合産業というだけでなくて、そういう新しい特徴を持ったものでございますので、もし、これを需要がないからといって、あるいは特定された事業だからといって放置しておきますと、民間ではとても手がつきません。そういたしますと、いつまでたっても、それが外国から輸入しなければならないというふうなことになりまして、日本の原子力そのものが伸びないばかりでなしに、日本の産業自体のレベルも永久に上っていかないという結論になりますので、むしろ日本のやり方は各国と逆かもしれませんが、一昨年予算のついた以降は、もっぱら関連産業の育成に重点を置いてございます。で、来年の春には今までの補助金なり委託金等で出しました民間企業、あるいは国立試験所等の成果を持ち寄りまして公開討論をして、広くこれを関連産業に知らしたいということで、その機会を持ちたいと思っておりますが、私ども承知しておる範囲でも、どんどん物によっては外国に負けないものができつつございます。  それから十七ページの(ホ)でございますが、科学技術者の養成訓練ということでございます。これは先ほど海野先生からも強く御指摘のあった点でありまして、私どもも何と申しましても日本では、新しい技術もありますし、理論的にすぐれた人もありますけれども、実地応用の面に関しましては、まだ未知の分野でありますので、海外留学生の派遣、あるいは今度研究所にボイラー、原子炉ができますから、小さいものでありますけれども、そういうものを中心に内地留学といいますか、実地訓練、あるいはアイソトープ学校を作って訓練する、大学に講座を開始する、海外の専門家を招聘するというような手段をとろうと思います。海外の留学制度に関しましては、今年度三十名の予算を取りました。ただいままでに大体二十六名でございますか派遣してございます。来春までにはおそらく予定通りできると思っておりますが、来年度は大体その倍近くのものを予定してございます。それから内地の実地訓練の方は研究所に寄宿舎等を作りまして、そしてだれでも行って研究できるような態勢に、まあ公開研究所と申しますか、のようなものにしたいというふうに考えております。アイソトープ学校、これはまだできておりませんが、いろいろ個人の会社でこれに近いようなものを自分でやっておる所がありますけれども、これは関西の関係でございますが、非常に学校施設に対して志望者が多いそうです。大学ではなくて普通の工業学校程度のものだそうでございますが、どんどん卒業すると売れてしまうという話しで、今後もう少しこういう点は国といたしましてもこういうものを作りまして、たとえば核研などに作ったらどうだというようなことをよりより相談してございますが、そういうことで養成訓練したいということであります。  最後は、今までは非常に何と申しますか、発展的な方面ばかり話したんですけれども、実はこの原子力には半面放射線の障害という非常に厄介な問題がありまして、ひどいのになりますと、数秒でもって人間が参ってしまいます。どうしても、ですから障害のないように防止をした上でないと、危くて近寄せられないわけですが、そのためには原子炉等の管理に関する法律、放射線障害防止法、この両法案ともただいま準備中であります。今度の通常国会にはぜひ一つ出したいというふうに考えておりますが、この放射線の医学総合研究所、これは準備資金が今年度一千万円でございましたかついておりまして、来年度から発足したいというふうに考えております。  それから十八ページのいわゆるフォールアウトの測定でありますが、だんだん米ソ両方から原子爆弾の影響で、日本は気流の関係上両方から集まってくるそうでございます。非常に不幸なことでありますが、測定いたしますと最近は非常に、と申しますか、だんだん自然放射能が多くなって参っております。特に東北地方が多くなってきておりますが、しかしまだまだその、いわゆる最大許容量、人体にはこれほどまで放射能を吸っても大丈夫だという許容量がございますが、それまでにはまだまだ達しませんけれども、しかしそれがだんだんフォールアウトが多くなりますと、今度は平和利用でこういうものが出てきますというと、その許容量自体が範囲が狭められて参りますので、まあ天然放射能がないにこしたことはないのでございますけれども、どのくらいになっておるかということをもっと真剣に研究する必要があるというので、今関係各省集まりまして、そうして恒久的な一つの組織を作って、全国的に農業あるいは漁業あるいは気象等それぞれ研究しようという手配を進めております。  それから四番目は原子力予算でありますが、こういうまあ前提に基きまして来年度の予算を組んだわけでございますが、初め各省等から出されましたのは百七十億でありましたのを、原子力委員会におきまして調整、系統化して大体百二十二億、少し追加をいたしまして百二十二億になっておりますが、査定いたしまして、そうしてただいま大蔵省の方へ提出してございます。  一番初めは、原子力委員会に必要な経費というのがございまして、ことしよりも相当委員会経費が増しておりますが、これは今までの二人の常勤委員を三人に増していただきたい。それから委員の給与が次官待遇並みでありまして、国家公務員のように、国家公安委員でございますか、まあ大臣待遇と申しますか、そういう待遇になっておりません。この春にも、改訂が必要じゃなかろうかということで、この改訂を国会の皆さんから御指摘を受けて、かえようと思ったのですが、予算のできたあとでございまして、なかなか思うようにいかなかったわけですから、そのままになったのでありますけれども、来年はぜひその点を改正いたしたいというようなことが主なる点であります。  原子力局に必要な経費、これも本年度から比べますと相当倍くらいになっております。これは何でふえたかと申しますと、燃料の買い取りは、アメリカから買ってくるのは政府で買ってくるわけです。そうして原子力研究所の方へさらに貸与するという格好になりますので、その買ってくる燃料費が、CP5等で相当大きくなっておりますので、そういう費用がふえたことがおもなものでございます。事務費的なものはほとんどふえておりません。  それから原子力研究所に必要な経費と申しますのは、来年度からウオーター・ボイラー式の実験炉、それからCP5も組み立てに後半期から入る。あるいはさっき申しました国産炉の設計あるいは一部部品の発注等が行われております。それから将来の動力炉に対する研究が行われております。  それからもう一つはアイソトープ・センターというものを、さっき申しましたようにいろいろな用途があるわけですが、アイソトープ・センターを東海村に作りたいというので、その経費もみております。そういうのがおもな内容でございます。  それから原子燃料公社に必要な経費、これはさっき申しましたように、精査並びに精練の中間試験場を作りたいというのが主たる内容でございます。  それから原子力平和利用研究推進に必要な経費とありますのは、このうちの半分は国立試験場におきます経費でありまして、農業、工業、医学、土木等あらゆる種類、さっき申しましたものを研究するための経費でございます。  それからあと半分は、民間の各企業に補助金として出しまして、そうしてさっき申しましたようないろいろな研究をさしたい。今年よりも非常にふえました理由は、根本的にはどういうところにあるかと申しますと、今までの研究のものから一種の中間試験のような、成果があるものが出まして中間試験のような段階に入りつつあるということから、非常に経費がかかってきたということが一つと、それから従来の研究は、先ほど申しましたように、国産炉を自分の手で作るというような目標で、ずっと研究を系統化しておったのですが、今後は一歩問題を進め、その次の動力炉のための研究を始めたいという関係からいたしまして、今までよりは非常に金がよけい要るというふうなことになってきたわけでございます。  それからその次は放射線障害の医学研究所であります。これは三カ年計画で、三年間で完成いたしたいと思うのであります。初年度分を計上いたしてあります。  それから関係各省の行政費と申しますのは、さっき申しましたように、放射線障害防止法等が出て参りますと、それに伴っていろいろやらなければならない仕事がある。あるいは人件費等はさっき申しました費用の中に入っておりませんので、各省で、たとえば国立試験場でもって原子力関係の試験をしたいという場合には、従来の人だけではできませんので、人によっては定員を増加するという事態も起りますので、そういうものはみんな各省からそれぞれ大蔵省に要求することになっておりまして、関係各省における行政という中に含まれております。  それから大学関係は今年度は四億何がしになっておりますが、文部省関係は切り離しまして、来年からはこれを全部文部省から直接提出するようにしております。こういたしまして大体百二十二億を予算に計上いたしまして、ただいま大蔵省と折衝中であります。  以上がわが国の原子力開発の現状でございますが、付表をちょっとごらんいただきますと、予算の内訳の表がございます。それから別紙の(二)という二十三ページには原子力の基礎機関が並べてございます。国会関係では原子力合同委員会。それから行政及び実施機関はどうなっているか、それから二十四ページには学術関係、産業関係はどうなっているか、日本原子力産業会議、その他グループ別に研究を進めておりますので、そういう点の事例を出しておるわけであります。  以上だいぶ長くなりましたが、私の説明を終りたいと思います。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) どうもありがとうございました。御質問はございませんか。

勝俣稔自由民主党

○勝俣稔君 文部省の方ではどのくらい要求しているのですか。

佐々木義武科学技術庁原子力局長

○政府委員(佐々木義武君) 文部省の方の予算は、私残念ながらあまりつまびらかにしておりませんけれども、そう大したものではございません。

勝俣稔自由民主党

○勝俣稔君 昨年よりかはむろん多いのですか。

佐々木義武科学技術庁原子力局長

○政府委員(佐々木義武君) 昨年よりは多いと思います。昨年度の四億という内容は、主として田無にございますサイクロトロンの建設費でございまして、これは来年もたしかあると思いますが、それと、それから来年度は京都大学に先ほど申しましたように原子炉を作りたい、この経費を四、五億見ているかと思います。それ以外はほとんど講座関係のものでございますので、それほで大きいものだとは思いません。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 ここの科学技術者の養成訓練というところで、海外に留学生を派遣すると、つまり専門学校以上の人はそれでもいいかもしれないが、その下に立って働く人たちを訓練する必要があると思うのですが、どうなんですか。

佐々木義武科学技術庁原子力局長

○政府委員(佐々木義武君) そういう方たちの訓練もより必要だと思います。これはできますれば国内の研究所等で訓練をし、それでどうしても足らないということになりますれば、あるいは英国などでは今度の調査団の結果を聞きますと、動力協定がかりにできますれば、日本から相当多量にそういう何と申しますか、実際の向うで働くといいますか、長い間滞在して訓練を受けるようなことを考えてもよろしいと言われた人もおりまして、そういう点はむしろ研究所というよりは、そういう実地のメーカーなり、あるいは実際の運転をしているところが一番よかろうと思いますので、そういう個所との連携下においてやりたいというふうに一応は考えております。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 つまり工員ですね。私は工員についての養成ということがここには入っていないようですが、そういうことでは因るんじゃないですか。大学を出てきた専門の人ばかりではどうせ動かないのだから、つまりそこへ出て働く工員の人たちの訓練が私は要るんじゃないかとこう思うんです。大学を出た人が一人いれば、その人に対して三人か五人の割合で手足となって働くものがいないと、実際機械を運転していく上において困る、私はそういうふうに思うのですが、どうですか。

佐々木義武科学技術庁原子力局長

○政府委員(佐々木義武君) 実は海外留学生の中には、予算としてはただいま御指摘になりました工員の予算は盛ってありません。しかしそういう必要も、私よくわからないのでございますが、すぐ必要だということになりますれば研究所とも相談いたしまして、さっそくはかりたいと思います。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そこで私は東海村に行って、初めあそこを調査して見ておるのですが、その後どこまででき上っておるか、私はさきにも申しましたように、原子力の研究というものが、これは日本の地からわいたものでなければならないというのが私の持論なんですが、そうするとやはりそれに従事する人ことごとくが、アイソトープとか原子力というものはどういうおそろしいものだということをよく教育した人をたくさん作っておかなければならないのではないか、そうすると、その点については各学校あたりにもつまり物理、科学、あるいは電気というような学生もたくさんおります。おるのですが、そういう人たちを皆吸収しても足りないでしょう。そういう方面に対するあなたの御構想はどうなんですか。学者の一人二人、ないし十人二十人やっただけじゃ足りないんだ。その手足となって働くものが要るのだ。そうでないと、日本に試験炉を入れた上においても、ほんとうに困るんじゃないかということを思うのです。実際問題としまして私は八幡におって、研究所に長らくおりました。また、あそこの研究所を作り上げるのに、まず一番困ったのは工員の養成から困ったんです。私は東北大学の研究所におって研究をするということは一人前に土台ができておった。ところが私が行っても、手足になって働くものがないんです。その手足になって働くものを養成するために、あそこでまるまる三年間かかったんですね。そういうことについての御認識はいかがなものかと思うんです。たとえばベックマンの寒暖計一本取り扱うにしても、これはよく教えておかなければいけないんですが、そういう工員の養成ということができておりませんと、ほんとういえば私は困るのではないか、実際大地に足がつかぬような研究では困るんじゃないかと、こう思うんですが、これについてはあなたの御構想はいかがなものですか。

佐々木義武科学技術庁原子力局長

○政府委員(佐々木義武君) 御指摘の通りだと思います。ただいま考えておるところでは、東海村の方は研究部と申しますか、研究を主にするグループと、それから運転を主にするグループと、建設をやっていくグループというように大別されるだろうと思います。そこで建設の部面につきましては、これはまだ放射能を発するような危険なものはないわけでございますので、東北の専門の方たちが主になりまして建設をやっていく関係上、そのための特別の工員というものは別になくてもいいのではなかろうかと私は考えますが、運転の場合にはおっしゃいましたような工員の養成ということが非常に重要かと思います。ややもいたしますと、大がいの方は運転じゃなくてむしろ研究部の方を希望いたしまして、研究員になりたがる。この方は相当ハイ・クラスでないとこの研究が身につきませんので、工員という人はほとんどお茶くみぐらいのところで、あまり必要なかろうかと思いますが、運転の場合の工員につきましては、これはいろいろ御指摘のような問題はあるかと思います。そういう問題に対しましてはたとえばアイソトープの危険なものに対してどういうふうな扱いをするか、そういう点に関しましてはやはり事前に講座を開くとか、あるいは各大学に派遣いたしまして訓練してもらうとかいうような措置が必要かと思います。ただいまの段階では、工業大学あるいは東京大学等に人をやりまして、そうしてそちらの教授のもとで研究訓練さしておるというふうな状況であります。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 一例を私は御参考に申すのですが、八幡の製鉄所は鉄を作る工場です。あそこでも一般高等学校を出た者それから中学を出た者、そういう者に対しては一年なり二年なりないし三年という特殊教育をしておるのです。そうしてその特殊教育した者をその工場にみな回してやるわけです。それでありますから、ほかの方の仕事をしておったのはちょっと製鉄に来ては向かないのです。基礎のことを教えるようにちゃんと段取りができて、今でも教習所というものがあって、そこにたくさん集めて体格検査をし学業試験をしてパスした者はみなそこにぶち込んで、そうしてそこで一年なり二年なりやった者をみな工場に配属するというふうにしておるのですが、あなたはこの原子力に対してはそういうお考えがおありになりますかどうですか。

佐々木義武科学技術庁原子力局長

○政府委員(佐々木義武君) 先生のお話しの通りでありまして、原子力研究所と申しますか、原子炉そのものの運転というものは、ごらんになりましたようにほとんどオートメーションで自分で動く。一切が自分で動く。計器その他を扱えばよく観測しておればよろしいというような形態に最後にはなるわけでありまして、問題はそういう計測器その他の運転者というものは、相当熟練した人でないと危なくてまかせられないと思いますから、こういう人の養成は必要だと思います。ただ一番範囲が広くて危ないのは、むしろ炉自体よりも取り出したアイソトープの応用面において非常な障害が起きてくるのじゃないかという感じがいたしますので、あるいはウエイストの処理に関して非常に危険を伴いますから、こういう人たちの訓練を……、今までの無知識のままでやりますと、必ずやそういう大きい障害が起きてくるに違いありませんので、放射線障害防止法あるいは原子力の関連法で厳重に取締りはいたしますが、ただ、法律だけではやはり問題になりませんので、そういう講習会を作ったり、あるいは実地に扱い方を指導したりということで過ちのないようにいたしたいというふうに考えております。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 ただいま局長の説明した中に、昭和三十年度原子力平和利用関係の予算要求の中で一点伺っておきたいのですが、政局の不安定その他から、明年度予算の編成の作業が進んでいないということは承知していますが、この別紙の表で見て、国立試験研究機関に必要な所要経費というものの要求が各省から出ておりますが、これは原子力委員会において統合して研究してそれぞれの所要額をはじき出して要求しておるのか、それとも各省から出た額をただここに列記しただけなのか、そうしてこれらをそれぞれ所要額獲得のためには、委員会としてはどんなふうな作業並びに連絡等をとっておるのか、それらの点について承わっておきたいと思うのです。私が承わりたいというその理由は、従来この種のものが各省にばらばらになっていって、所期の目的を達し得なかった実例がたくさんありますものですから、その点を考慮して一つお答え下さいますように……。

佐々木義武科学技術庁原子力局長

○政府委員(佐々木義武君) 原子力予算に関しましては、原則として各省単独で要求書を出しません。文部省に関するものは学の自由という観点から別でございますが、それ以外は全部原子力委員会を通じまして、そこで原子力委員会ではそれを、先ほど申しましたように、初めは百七十億であったのを百二十億に査定をして、調整、系統化いたしました。そうして原子力委員会としての責任として大蔵省に要求しておりまして、従って予算のつけ方は科学技術庁原子力局なら原子力局という名前で一括してもらいまして、これを各省に必要に応じて移しかえをする、こういうような格好になっておりますので、この点はあまり他に例のない予算であると思います。  また、その予算を作りました自後、どういうふうな折衝方法をしておるかという御質問かと思いましたが、この点に関しましても各省ばらばらで出すようなことはいたしませんで、あくまでも委員会あるいは原子力局が矢面に立ちまして折衝中でありまして、ごく技術的な細部の点にわたりましては、あるいは研究所、公社の理事の方たちも参りますけれども、原則といたしましては一本で折衝してばらばらにはしないということでございます。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) ほかに御質問はございませんか。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 速記を起して。     —————————————

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) それでは、次に日程の第二に掲げました中小企業の組織化に関する件を議題といたします。  中小企業庁長官川上為治君が見えておりますので、一応この問題に対する概括的な御説明をお願いいたしたいと思います。

川上為治中小企業庁長官

○説明員(川上為治君) 中小企業の組織の問題につきましては、現在協同組合法に基きましたいわゆる中小企業協同組合、それからもう一つは中小企業安定法に基きました、いわゆる調整組合という二つの団体があるわけでございます。この二つの団体につきましては、御承知の通り協同組合の方につきましては同業者、まあ大体その同業者におきまして考えの一致いたしておる人たちが集まりまして、共同の経済的な事業、たとえば共同の施設等を中心といたしまして、そうして経済的な共同事業を行いまして、そうして中小企業の振興をそれぞれはかろうという組織でありまして、全国で大体三万くらい組合ができております。それから中小企業関係の調整組合につきましては、これは御承知の通り、いわゆる一定の事業についての統制事業を行う組合でありまして、全国で二百数十組合ができております。この組合につきましては、いわゆる員外統制命令というのを出しまして、アウトサイダーの規制ができる仕組みになっておるわけでございます。  こういう二つの組合組織につきまして現在各方面から、こういう組合ではまだ組織が十分でない、弱体である、何とかこれを強化すべきであるという議論が前から相当出ておるわけであります。議論の一つとしましては、現在の協同組合組織そのものにつきましては、これは大体そういう組合組織というのも必要であろう、どうしてもこれを残しておいた方がいい。しかしまあ現在の協同組合には若干の欠陥があるので、たとえば脱退等につきましてあまりにも自由制度をとっておりますから、これをある程度制限したらよくないか、いわゆる脱退制限というようなことをすべきじゃないだろうかというような意見もありまして、若干の改正は必要であるけれども、現在の協同組合組織というものはやはり残しておいた方がいいだろう、こういうような意見がだいぶあるわけであります。ところが調整組合関係につきましては、どうも現在の調整組合では十分でない、これをもっと強化すべきであるということが言われておるわけでありまして、その強化の方法としましては、一つは強制加入制度、これが一つであります。現在自由加入制度になっておりまして、必要がある場合におきましてアウトサイダーに対しまして、アウトサイダー規制の統制命令が出るという格好になっておりますけれども、もっとこれを強化して、強制加入さすべきじゃないかというような意見が一つ出ておるわけであります。それからまたもう一つは、この調整組合に対しまして、団体交渉権というのを認むべきじゃないか、いわゆる大企業者なり、あるいはその取引業者なり、そうした方面に対しまして団体加入の制度を、団体交渉権というのを認むべきであるというような意見が一つ出ておるわけであります。それからもう一つは、現在調整組合におきましてはいわゆるメーカーだけ、しかも法令によりまして指定された業者だけに限定されまして、それはメーカーだけに認められておるのですが、商業者についても、これは認むべきじゃないかというような意見があるわけであります。それからもう一つの意見としましては、こういう調整組合、いわゆる統制を行う組合において、一定の経済事業を行い得るようなことにすべきじゃないか、言いかえれば現在の調整組合と協同組合とを一緒にしたような、そういう組合組織というものが必要ではないか、こういうような意見が現在いろいろ出ておるわけであります。  私どもの方としましては、この七月の末でありましたか、内閣に中小企業振興審議会という機構が設置されまして、その審議会におきまして現在いろいろ検討をされて参っております。すでに十月の末におきましてはこの組織についての一応の中間報告というのが内閣にいたされております。この中間報告によりますというと、現在の協同組合組織そのものはやはり残しておいた方がよかろう、そしてまた、大方の中小企業者が要望しておるように、その協同組合について脱退の制限をするということもこれまた非常に大事なことであろうと、そういう点である程度協同組合組織というものを改正して、法律を改正して、しかし組織そのものについては現在のまま残しておいた方がよかろうというような報告に大体なっております。  それから調整組合関係につきましては、先ほど申し上げましたように、この際何らかの形によって強制加入の制度を取り入れるべきであろうという意見と、それからもう一つは団体交渉権というのは、やはりこの際認むべきであろう、それからまた、商業者についてもこの際この調整組合制度を利用するような建前にすべきであろう、こういうものを盛りました組合の名前につきましては、あるいは商工業組合としますか、あるいは同業組合としますか、あるいは統制組合といいますか、そういう組合の名前の問題につきましてはいろいろ問題はありましょうけれども、いずれにしましても、そういう内容を持った統制組合というものをこの際作って、現在の調整組合というものをこれを改組すべきだというような意見につきましても、大体この報告書におきましては、大方の意見は同様な意見でございます。それから組合の先ほど申し上げました一本化の問題、すなわち調整組合と協同組合とが一緒になったような組合、いわゆるその統制事業、できればあるいはその経済的な協同事業もできると、そういうような組合組織を作るということについても、これまたあるいは尾西地方の毛織物の業者とか、あるいは陶磁器の業者とか、そうした方面で非常に強い要望をしておりますし、別に弊害もございませんので、やはりこの審議会におきましては、そういう組織も必要であろうというようなことになっておるわけであります。  ただ、問題はこういう組合組織というものをどういう名前でやるかということにつきましては、これは決定的なまだ意見が出されておりません。今の協同組合というのは協同組合という名前で残すか、あるいはまたいろんな組合を一本の名前、いわゆる商業組合なり工業組合なりという二つの名前で残すか、あるいは工業統制組合、商業統制組合、あるいは協同組合というのは協同組合という名前で残すか、そういうようなその組合の名前につきましては、これはまだいろいろ意見もあるようでございますけれども、一応その組合の内容としましては、今申し上げましたような三つの内容のものがある。一つは協同組合的なそういう性格の組合組織、それからもう一つは強制加入制度なり、あるいはその団体交渉権なり、そういうものを持ったいわゆる純粋の統制組合、それからもう一つは統制組合で経済的な協同事業を行い得るような、そういう組合組織、そういう三つの内容の組合組織というものがこの際どうしても必要であろう。ただ名前についてはもっと検討した方がよかろう。  それからこういう組合組織というものを、全国あるいは府県でどういうふうにこれを横の連絡をつけるか、あるいは全国的にどういうふうにまとめるか、あるいは府県でどういうふうにまとめるかという問題につきましては、なおその議論が十分尽されておりません。あるいはこういうものについては全部中央におきまして一本でまとめるというような意見もありますし、いや協同組合関係だけ中央でまとめればいいんじゃないかというような意見もありますし、そういうような問題につきましては、この報告書におきましてはまだそこまで検討されて、触れておりません。  しかしいずれにしましても今申し上げましたような、そういう意味の組合というものがどうしても必要であって、この際そういう意味において組合を強化して、そして中小企業の安定をはかるべしという意見が、圧倒的にこの審議会においても多いわけでございまして、私どもの方としましては、この審議会の意向を十分尊重いたしまして、次の国会におきましては、名前は中小企業組織法ということになりますか、あるいは団体法ということになりますか、まあそういう一本の法律によりまして、現在の協同組合法なりあるいは安定法なり、そういうものをすべて廃止いたしまして、一本の法律によってこういう組合組織を盛った法律をぜひとも作りたいというような気持を持って現在いろいろ進めております。今申し上げましたように中小企業振興審議会におきましては、まだこの問題につきましては、最後の結論を得ておりません。途中で一応の、大体こういう方向で審議されておる、こういう意見が非常に強い、こういう方向におそらく審議会の意見としてはなっていくだろうというような気持を持ちました報告案というのが可決され、報告されておるわけでございまして、私どもの方としましてはなおこの十二月一ぱいに、この問題は審議会において十分検討していただきまして、最後的な結論を出してもらいまして、そして私どもはそれを十分尊重いたしまして、次の国会におきまして所要の措置をとりたいというふうに考えておるわけであります。なおいろいろな方面の意見がありますけれども、たとえば中政連あたりの意見もありますし、あるいは中小企業等協同組合中央会の意見もいろいろありますし、いろいろな意見もその他あるのですが、われわれとしましては、これらの意見も十分聞きまして、そして大多数の中小企業者がこれが最もいいという意見を十分くみ、同時にまた、これが消費者なりその他の方面に影響する点も十分考慮いたしまして、最も妥当な組織を作りたいというふうに考えておるわけでございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 ただいま長官から中小企業の組織の強化の問題につきまして、いろいろお話があったのでありますが、この問題はもう御承知の通り中小企業をいかに擁護するかという問題は、与党の自民党でも、野党の社会党でも全く同じでありまして、そしてその意味において本委員会ではこの中小企業の問題は非常に重要視されてきておるわけなのでありますが、本日の本会議におきまして、委員長が中小企業の年末の金融の問題につきまして、委員会の決定事項を決議案といたしまして本会議に上程をせられましたこともその一つなのであります。そういう点からいきまして、中小企業の組織強化並びに中小企業をいかに守るかということは、もうこれは論議の余地が実はないのであります。それで私はまず先に長官に一つお尋ねしたいことは、その線に沿いまして先般設立をせられました中小企業振興審議会におきまして、まだ今お話しの通り決定案は出ていないのでありますが、何か話によりまするというと、いわゆる生産分野の協定等の問題につきましていろいろ話があった。たとえば大メーカーはどういう点をどの程度とか、あるいは中小企業の分野はどの程度とかいうようなことが審議の中に出たというようなことを実は承わっておるのでありますが、その点につきましてお差しつかえない程度にお答え願いたいと思います。

川上為治中小企業庁長官

○説明員(川上為治君) 実はこの組織法の問題とは別に、いわゆるその中小企業と大企業との関係をどういうふうに調整するか、あるいはまあ生活協同組合とか、あるいは購買組合とか、そういう方面との調整をどうするかという問題が、やはり中小企業振興審議会の一つの大きな問題となっておりまして、現在数回にわたりましてこの問題も検討されております。この問題については、相当この組織の問題とは別に、大きな問題を含んでおりますので、全然今のところはまだ結論は出ておりません。まあある人の意見では中小企業と大企業との生産の分野というものをこの際はっきりして、大企業というものは大体こういう産業をやるべきだ、中小企業についてはこういうような産業をやるべきだ、この中小企業の方面については大企業はこれに進出すべきじゃない、進出する際においてはこれは調整に引っかけろ、こういうような御意見を出している方もありますし、いや、そこまで現在日本の産業について、はっきり中小企業と大企業の間を区別するということは非常にむずかしいのではないか、だから何か問題が起りそうな場合、あるいはその問題が起きた場合に、適当な機関によってこれを調整するような制度をこの際作った方がよくはないだろうか、あるいは具体的に言いますというと、紡績屋さんがこの際製品まで作って、小売りまでやるというようなことはこれはどうかと思うので、こういうようなことは中小企業者を非常に圧迫することになるから、このときその紡績業者に対して製品の販売業については許可制にするというところまでやることは、これはどうかと思うからそういう際においては何かこれを調整する機関があって、それが非常に中小企業を圧迫するというようなおそれがあり、また現実にそういう場合がある場合において、そのときその調整機関において調整するというようなことにしたらどうだろうかと、こういう意見もありまして、実はこの問題につきましてはどういうふうに調整するかという方法については、まだ全然議論最中でありまして結論は出ておりません。この十二月の上旬から中旬にかけまして、こういう問題につきましてはさらに審議会において検討することになっております。あるいはまた生活協同組合とかその他の法規の調整についても、まだはっきりした結論は出ておりませんが、こういう問題についても、この際やはり何か法律による調整をすべきじゃないかという意見も現在のところ多数を占めておるわけでございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 ただいまのお話しでその行かんとする方向が大体わかったのでありますが、これは今日中小企業をいかにして擁護するかということは、ひっくるめて一つの官庁においてもそうでありますし、またわれわれとしてもそうでありますが、それは一つの常識論であろうとかように考えておるのでありますが、しかしながら経済は刻々動いておるのでありまして、まあ早くにそういう分野が決定するということは、われわれも希望にたえないのでありますが、しかしながら、現実にそのわれわれの常識を破って、そうして大きなメーカーのために、その中小企業が圧迫をされておるというような事例が相当あります。ことに国内同士の大メーカーに小メーカーがやられるということは、これは御承知の通りたくさんあるのでありますが、それだけではないので、われわれの遺憾とするところは、その既存の日本の中小企業が現に相当な業績を上げ、また、そのできてくる品物もとにかく相当なものであり、ことに先般発足せられました機械工業審議会の指定部品になっているというようなものまでもあるにかかわらず、わざわざアメリカから具体的に申し上げますならば、IRCの会社から日本の大メーカーがこれと技術提携をして、そうしてこの中小企業を圧迫せんとしておる業者があるわけであります。すなわちそれは電子工業に従事しておりますところの固定抵抗器の製造業者なんでありまして、これは大体御承知と存じまするが、一カ月に八百万個から千万個、そしてさらにその余力を輸出をいたしておる、そうしてさらに技術を向上させるために、機械工業振興法が制定をせられましてから指定部品といたしまして現にその中に入っているのであります。こういうようなそして十二分に技術の点におきましても、また量におきましても十分間に合っているものが、このアメリカのIRCという会

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 速記をとって下さい。  以上で原子力政策及びその予算に関する件及び中小企業組織化に関する説明を聞き、質疑をしてきたわけでありますが、二つの問題とも重要な問題でありますので、今後引き続いて審議するということで、時間も大へんおそくなりましたから、本日はこれにて散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) ではさようにいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十七分散会      —————・—————

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