商工委員会 第5号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/11/29
会議録
○委員長(松澤兼人君) 大へんおそくなりましたけれども、これから委員会を開きます。 一昨日、委員会が終了いたしましてから、委員長理事の打合会を開きまして、今後の日程を大体御相談申し上げました。その結果、お手元に差し上げておりますような予定を作りまして、大体これによって今後委員会の運営をしていこうということになりました。この点御了承願いたいと存じます。
○委員長(松澤兼人君) それから本日は、その予定に従いまして、公報で御通知申し上げておりますように、経済の自立と発展に関する調査ということを議題としまして、中小企業の問題を取り上げることにいたしました。との問題につきましては、いろいろと議論がありまして、委員会に対しましても、たくさん陳情が参っているようなわけでございますが、とりあえず差し迫った問題としまして、中小企業の年末金融に関する問題を先に取り上げたいと存じます。通産大臣もやがて見える予定になっておりますけれども、ただいま中小企業庁長官の川上君が見えておりますので、年末金融対策に関する事情の説明を承わりまして、その後質疑に入りたいと存じますが、よろしゅうございますか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松澤兼人君) それでは長官から……。
○説明員(川上為治君) 中小企業に関しまする金融の問題につきましては、最近の一般の金融情勢は相当緩和されておるのですが、まだ中小企業関係につきましては相当逼迫をいたしておりますが、私どもとしましては、年来に際しましては、特に中小企業関係につきましては、主力を注いで金融をさせていきたいというふうに考えております。お手元に資料を差し上げておると思うのですが、この一番上のページで、中小企業の金融公庫、それから国民金融公庫、それから商工組合中央金庫、これはいわゆる中小企業の専門金融機関でございますけれども、この中小企業金融公庫につきましては、三十一年度の第三・四半期、すなわち年末金融につきましては、当初の計画が百億であったわけでございますが、実際の見込みとしまして、百十七億程度、最初はこれを融資することになっておりました。ところがこれは最近また変りまして、——数字が直してありましょうか。大蔵省とまたいろいろ相談しました結果、この百十七億にさらに八億追加いたしまして、百二十五億ということにいたしております。そうしますというと、百二十五億ということになりますと、三十年度の第三・四半期は百六億でありますので、昨年よりも約二十億程度、ことしは増加するということになるわけでございます。 それから国民金融公庫につきましては、本年度の第三・四半期の当初の計画としましては、百七十九億の計画でございましたが、やはり最近の実情にかんがみまして、これを百八十五億六千万円相度ということにいたしているのでありますけれども、これまた、最の、特に最近の事情から、さらにこれを十億程度ふやすということにいたしまして、百九十五億程度に考えております。従いまして昨年度の実績は百七十五億でありますので、約二十億程度、昨年度よりも増加するということになるわけでございます。 今申し上げましたように、中小企業金融公庫の方は百二十五億程度、昨年よりも約二十億増加する、それから国民金融公庫につきましては百九十五億程度、昨年度よりも約二十億程度増額するということにしてございます。 それから商工組合中央金庫につきましては、ことしの第三・四半期の計画としましては、五百三十五億程度見込んでおります。昨年は四百七十七億でありますので、昨年よりも相当増額されるわけでございます。なおその対前期純増額、これは第二・四半期と比べますというと、第三・四半期におきましては、商工中金の方は百億程度ふえるというわけでございます。 こういうようなふうに、各両公庫及び中金に対しまして、昨年度より相当増額をして、年末金融に支障がないようにしたいというふうに考えております。 それから特に商工中金につきましては、なおこれでもどうしてもその金が足りないというような場合におきましては、あるいはその農林中金、あるいは日銀の方から借り入れをしまして、そして不足がないようにしたいというふうに考えております。特に、その中金の関係につきまして、零細金融関係につきましては、現在の信用組合と中金とのつながりというものはついておりませんけれども、なるべく早く私どもの方としましても、信用組合を中金の代理店として活用するように持っていきたいというふうに考えておりまして、この問題につきましても、現在大蔵省といろいろ相談をいたしております。すなわち中金の手持ちの金を信用組合を通して貸し出すということ、また信用組合の持っておるその預金を、中金の方へ預金させるというような措置をとりたいというふうに考えております。 それから一般の市中銀行につきましては、私どもの方からも、また大蔵省の方からも、いろいろ中小企業向けになるべく融資をしてもらうようにしてくれということを強く一般の市中銀行に対しましても申し入れをしております。 それから下請代金の問題につきましては、法律ができておるわけでございますが、あの法律によりまして支払い促進に万全を期すようにいたしております。なお、先般政府関係の機関に対しましては、早急にこの下請けに対しまして支払いの促進をするように閣議で決定いたしまして通知もいたしております。 それからもう一つは、県とかとかそうした方面におきまして余裕金があります場合におきましては、その余裕金を普通銀行あるいは相互銀行、信用組合、信用金庫というようなものに預託をいたしまして、その預託した金中小企業関係に振り向けていくようにということを、私どもの方としまして従来から勧奨いたしておるのですが、各府県におきましても、それに従いましてそれぞれ預託をいたしましてその金を中小企業関係に現在回しつつあるわけであります。まあ、さしあたり年末の金融といたしましては、今申し上げましたような措置をとりまして中小企業関係の年末金融に支障がないようにいたしたいというふうに考えております。
○委員長(松澤兼人君) ただいま通産大臣が見えるそうでありますけれども、中小企業庁長官の御説明に対する質疑を、ございましたら……。
○島清君 今長官の御説明をお聞きいたしまして、まあ、それぞれの金庫について増額をされておりまして、資金の需要量の総量というものはふえているようでありますが、年末金融のまあ総量についてはともかくといたしまして、年末金融が年末金融にならないというのは、非常に期間が短いというためのようですが、その点は長官もしばしば陳情をお聞きになったと思いますが、この期間については、まあ年末に貸してやって、年が明けたらすぐ吸い上げるんだというのではなくして、十分にそのことについては資金が活用できるというような期間を考慮に入れなければ、ほんとうの年末金融にならないと思うんですが、そういうような期間について考慮の上に置いたような総量を割り出されたかどうか。期間については、考慮を払われたか払われなかったのか、ちょっとお聞きしたい。
○説明員(川上為治君) 貸付の期間につきましても、十分私どもとしましては考慮をいたしておりまして、それぞれの金融機関に対しましても、どうしてもその期間を長くしてもらいたいというものについては、その実情に沿うようにやってもらいたいということを申し入れてございます。
○近藤信一君 関連して……。今島委員が言われましたのですね、年末金融に対しては非常にこれは零細企業家が必要とするので、非常に時間的にも急ぐわけなんです。ところが今までの例からいくと、事務の手続上、非常に複雑でなかなか簡単にこう早く借りられないと、こういう点で中小企業は非常に年末なって、それぞれまあ金融が忙しくなってくるから非常に困る。でこれはどういうふうな手続をしなければならぬかということは、いろいろありますが、これはもっと何か事務的な簡素化ということを考えて、そして早く中小企業者の手に年末の金融ができるようなそういう方途を何か考えておられるかどうか、その点一つお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(川上為治君) 実は従来そういう非難がございまして、特に中小企業金融公庫などにつきましては、事務がきわめて複雑である、また煩瑣である、そのために非常に長くかかっておるというような話もございましたので、私どもの方から厳重に申し入れをしまして、この手続につきましても、従来の大体半分程度に最近簡素化いたしまして、そうしてなるべく急速に融資ができるような措置を、現在講じつつある次第であります。
○大竹平八郎君 中小企業者が一番困ることは、今両委員からお話しの通り、なかなか金融が迅速にいかないということが一番の盲点なんで、ことにこの年末に差し迫って、その感をよけい深くするのでありますが、これは政府関係の指導しておりまする機関はそれとしていいのでありますが、この市中に、今何となっておりますか知りませんが、中小企業助成銀行というのがあるはずなんですね。これはまあ、私どもも実は、その前の名前は亜東銀行というのですが、多少その創立に骨を折った一人なんですが、これは最初はつまり華僑資本の導入を中心にして立てられたのですけれども、しかしその後なかなかうまくいかないので、鮎川さんあたりが中心になって、政府関係の金融がなかなかうまくいかないというような点から、その亜東銀行というものをまあ絶対株主であったために、中小企業助成銀行という工合に変えて、その目的というものがまあ中小企業の金融を非常に円滑にしていくということでできて、もうすでに、四、五年になると思うのですが、こういうような銀行等に対して、中小企業庁としてはどういうように今までお考えになり、あるいは御連絡なりをとっておられたか、その点お伺いしたいのです。
○説明員(川上為治君) もちろん、その連絡はとっておるのですが、まあ政府の方として特別に実は援助するというようなことは今までいたしておりません。ただ、最近だいぶその貸し出しの金もふえてきておる、また預金についてもふえてきておるというふうに私どもは聞いておりまして、なるべく中小企業の金融に十分役立つような貸付をしていただきたいというととは申しておりますけれども、特別に私の方から政府の金をこの銀行に出すとかというような措置はとっておりません。
○委員長(松澤兼人君) なお、大蔵省銀行局の財務調査官大月君が見えております。
○説明員(大月高君) ただいまの中小企業助成銀行の問題でございますが、ほかの政府機関と異なりまして、普通のいわゆる商業銀行でございますので、特別に政府としてほかの銀行と区別して措置をするということは、適当でもございませんので、全然同様に取り扱っておるわけでございます。ただ、中小企業助成銀行という称号もついておりますように、本来設立された方が、特に中小企業についてめんどうをみてやりたいと、そういう御意図でやっておられますので、貸し出しその他については、十分その趣旨にかなっておると思います。ただ、そういう銀行だけに政府として何か特別の措置をとるかということになりますと、ほかの銀行との振り合いもございまして、なかなかむずかしい、こういう実情でございます。
○大竹平八郎君 この中小企業助成銀行の成り立ちなのでありますが、今のこの銀行一つ作るということは、御承知の通り、これはもう絶対不可能といっていいくらいなのでありますが、この前身の亜東銀行というものを作ったのは、要するに既設の銀行を買収して、名義を変更して、そうして亜束銀行というものを作られた。国際情勢から見まして、亜東銀行の趣旨というものが一年や二年で簡単に満足するということは、これはむずかしいのです。それにもかかわらず、その亜東銀行というものが、大株主の策動か何か知りませんが、銀行局当局の了解のもとに急に変えられた。しかもその名前が中小企業助成銀行ということを銘打たれて、そうして一説には当時の日銀の総裁の一萬田さんと、中小企業の金融に関しては大幅の了解を得たというような看板で、この中小企業助成銀行というものが生まれたわけなんです。それがただ単に一般の商業銀行並みに扱っていくんだというようなことだと、せっかく亜東銀行というものがやっておるにもかかわらず、この中小企業助成銀行に名前まで変えて、そうしてこれを銀行当局が許可をした、それが、特別に中小企業の金融のためにほとんどなっていないというようなことなら、これは私どもとしては非常に、こういう名前を変えさした、組織を変更さしたということ自体に、私ども非常な不審を抱くのであります。その点をいま一度一つ伺いたいのですが。
○説明員(大月高君) 商業銀行の中にいろいろ都市銀行、地方銀行、都市銀行の中にも大きい銀行、小さい銀行といろいろございまして、また、その営業方針につきましても、それぞれ特色がある。たとえば、綿業のほうに非常に熟達しているところもありますし、あるいはその他鉄鋼業に関してはなかなか専門家が多くて、そのほうに関心を持っているという銀行もあります。あるいは外国為替のほうに重点を置いておる銀行もあります。それと同じような意味におきまして、たとえば、東京都におきましても、東京都民銀行というような銀行もありますし、それから信託銀行の中にも、第一信託というような銀行もございます。都内付近におきましても、たとえば武蔵野銀行とか、そういう新しい銀行もございまして、それぞれ中小金融を中心にやっていきたいということを標榜いたしておるわけでございます。で、中小企業助成銀行も、やはりそういう意味におきまして、中小企業の方面について特別に関心を持ってやっていきたいという趣旨で創立者が作られたわけでございます。ただ、一般的にそれぞれ特色はございましても、政府として何らか手を打つかという問題になりますと、これはまた別の立場で公平に考えざるを得ない、そういう観点でございます。 それから、最初亜東銀行として発足したものが中小企業助成銀行に変ったという問題でございますが、これは亜東銀行を作りました趣旨が、外資を入れようという趣旨でできたことは、仰せの通りでございます。その後、出資者その他客観情勢の変化がございまして、そのもくろみがなかなか実現がむずかしいだろうという事情にございました。人的な関係がその裏にございまして、責任者として推進されておった方がなくなられたというような個人的な事情もございまして、大体最初目的としたことが達成がむずかしいだろうというようなことになっておったところ、一方、現在の経営者の方が、中小企業という方面に重点を置く銀行にこれを持っていったらどらだろうということで、商号の変更があったわけでございます。いずれも性格といたしましては、商業銀行であるという点は違いないわけでございまして、それぞれどの方面に重点を置いてやっていこうか、こういうことだけの違いというように、われわれの立場としては見ておるわけでございます。
○近藤信一君 先ほど御説明がございましたが、昨年度と今年度との当初予算からいけば、中小企業金融公庫の方は十五億円今年度の第三四半期は多くなっておるようでございます。さらに、国民金融公庫の方でも、約二十七億ぐらいが当初予算ではふえてきておる。しかし、昨年度の実績から見ますると、当初予算より中小企業金融公庫の方では二十一億円、それから国民金融公庫の方では二十三億というところが当初予算よりはうんとふえておるわけでございますね、実績の方では。そこで今年度の方のあれを見ますると、当初予算ではたくさんふえてきておるのは、必要に応じて今年度の当初予算というものはふえてきておると思う。それから今度の実績の見込ですね、見込を見てみますると、中小企業金融公庫の方では十七億、国民金融公庫の方ではわずか六億しかふえていない。こういうような点からいくと、昨年の実績と比較すると、当初予算より見込額ではもっとふえてくるのじゃなかろうかというふうに考えられるのですが、この点いかがですか。
○説明員(川上為治君) 先ほども申し上げましたように、実はお配りしておる資料の中小企業金融公庫の方の百十七億というのは、その後いろいろ最近の事情を考えまして、これをさらにふやしまして、百二十五億ということにいたしております。それから国民金融公庫の方につきましても、百八十五億というのを十億程度さらにふやしまして、百九十五億ということにいたしたわけであります。これは結局第四・四半期のものをある程度繰り上げて融資するというような措置をとったわけでございまして、昨年の当初の計画と実績と比べますというと、今年の計画と見込の方は、若干比率的に見ますというと小さいかもしれませんが、今申し上げますように、この数字をさらに増額して実は金融することにいたしております。
○近藤信一君 地方では国民金融公庫の方の利用される人は、特にこれは零細企業家が多いと思うのですが、私どもよく相談を受けるのは、国民金融公庫の方が多いわけなんであります。そういう点から考えると、今十億ふえましても、昨年は当初予算から実績が二十三億も多い。今年度はこれが十億ふえましても、見込額は十六億しか多くなっていないわけでありますが、こういう点からいくと、国民金融公庫の利用者は零細企業家が多いのですから、年末になればもっとたくさんの利用者がふえてくるのじゃないかというふうに考えられるのですが、この点どう考えておられるですか。
○説明員(川上為治君) 最近の資金の需要を見ますというと、実は、国民金融公庫にしましても、中小企業金融公庫にしましても、はるかにこれよりも多いわけでありまして、私の方としましては、一応予算できめられておりますので、そのきめられた範囲内においてこの融資をしたいというふうに考えておるわけなんですが、従いまして、少くとも第四・四半期に一応計画していたものをある程度繰り上げて、この年末の金融にはそういう、先ほども申し上げましたような措置をとっておるわけでありますけれども、どうしてもこれでは足りない、何とかしなきゃならん、という問題が現実に出て参りますれば、私どもの方としましては、これは話はまだ十分しておりませんけれども、第四・四半期にある程度補正予算でもしていただいて、そうして金融を十分にしなければならないのではないだろうかというふうにも考えておるわけでございます。
○近藤信一君 特に国民金融公庫で地方で言っていますことは、貸付の額を少く、多くの人に貸付をしたい、そういうことを言って、最初要求しまするどうしても三分の一か四分の一くらいしか貸し出しができんわけです。こういう点は、最初必要だから五十万なら五十万の貸付を要求しまするが、それに対して十万や十五万では、ほんとうに何ともならんと思うのですね。こういう点、もう少し希望に沿ったような貸付、こういうようなことを何か考えておられませんですか。
○説明員(川上為治君) 中小企業につきましても、いろいろその業態なり、業種なり、あるいはその大きさなりで、そういう点について違いがあるわけでありますが、一応私どもの方としましては、零細金融につきましては、大体この国定金融公庫が主になっていく、あるいは相互銀行あるいは信用金庫とか、こういうところが大体零細金融方面を受け持っている。それから比較的中小企業でも大きいものにつきましては、これは中小企業金融公庫とかがこれは大体扱っていくべきじゃないか、あるいは五百万とか、一千万とか、あるいは二、三百万とかいう金になりますと、これはやはり中小企業金融公庫なり、あるいは商工組合中央金庫、こうした方面が当っていった方がよくはないだろうか、国民金融公庫につきましては、大体十万とか、二十万とか、三十万とか、そういう程度の金融を主としてやっていった方がよくはないか、そういうふうに実は分野を一応きめまして、そうしてやった方が、中小企業全体に対しましていいんじゃなかろうかというふうに考えまして今そういう方針でやっておるわけでありまして、国民金融公庫の方につきましては、大体平均額は二十万円程度ということになっておるかと思うのでありまして、百万とか、あるいはそれ以上の金額になりますと、やはり商工組合中央金庫とか、あるいは中小企業金融公庫、こうした方面から融資してもらうようにしたいというふうに考えておるわけでございます。
○近藤信一君 今のお話しのように、あるいは国民金融公庫の貸付を希望される人ほおおよそ二十万、三十万くらいを必要とする、こういう人が申し込みされるのだろうと思う。ところが二十万希望しても、調査の結果最初五万円くらいしか貸してくれない、こういうことでは五万円くらいじゃ二十万どうしても必要だと思って申し込みされるのに、そこに五万円くらいでは何ともならぬと思うのですが、そういう点をもう少し考慮して希望者に、希望に沿うように、一〇〇%といかなくても、半分なり七〇%くらい希望の線に沿うように貸付をしなければ、幾らこの金融機関を作っても、希望に満たないということでは何ともならぬと私は思うのですが、そういう点一つ改善の方途を考えられておるかどうか。
○説明員(川上為治君) そういうことにつきましても、ときどきわれわれの方も話を聞いておるわけなんですが、そういうことによって、かえってせっかく貸し出した金が効率的でないということにならないように、公庫の方にも、私の方からも従来ある程度の指導はしておるわけなんです。なおそういう問題でございますれば、極力公庫の方でも、そういうことにならないように指導していきたいというふうに考えております。
○委員長(松澤兼人君) なお、通産大臣は十二時に約束がありまして、十二時十分くらい前に退席したいという御希望があるようでございます。念のために申し上げます。
○島清君 今近藤委員の御質問に関連いたしましてお聞きしたいのでございますが、今零細企業の金融関係は国民金融公庫が受け持っているという御説明でもっともでございますが、しかし、年末金融を必要とする点につきましては、国民金融公庫に依存しなければならないところの零細企業の諸君が非常に多いと思うのです。そのことにつきましては、まあ国民金融公庫が大蔵省の所管になっておりまするので、中小企業庁といたしましては、そういったような配慮のもとに、年末金融として国民金融公庫がこういったような年末金融を必要とする零細企業者のために、どういったような処置を講じられたか、また、大蔵省に対してそういったような配慮のもとに御要望されたことがあるかどうか、この御要望に基いて、大蔵省としてはどういったような配慮をきれておるかどうかということについて、御説明をいただきたい。
○説明員(川上為治君) 国民金融公庫の問題につきましては、これは大蔵省の所管でございますけれども、やはり今おっしゃいましたように中小企業の、特にその零細企業関係に非常な重要な役割を果しておりますので、私どもの方としましては、なるべくその年末の金額を増額してもらいたいということを大蔵省にもいろいろ話をしまして、そして先ほども申し上げましたように、最初は百八十五億というふうに、これもある程度増額して、こういうふうに一応見込みを立てていたのですが、さらにこれを十億程度ふやして百九十五億ということに大蔵省にしてもらっておるわけであります。私の方からも大蔵省に対しましても、国民金融公庫のみならず、いろいろなほかの金融機関の問題につきましても、資金の増額、あるいは信用組合との連絡、こういう問題について強く話し合いをいたしております。
○西川彌平治君 おくれて参りまして、あるいは質問の事柄が重複するようなことがありましたら、お許しいただきたいと思います。ただいま政府の方から年末の金融対策についていろいろ御説明があったようでありますが、中小企業に関しましては、特に地方庁、いわゆる都道府県においてはかなり熱心にこれを実行いたしておるようでございますが、そこで都道府県においてどういうふうにこれをやっておるかというようなことは、中小企業庁においてはおわかりになっておるだろうと思いますが、おわかりになっておりましたら、どんな対策を各府県がやっておるかということを、わかっておったら、お知らせいただきたいと思います。まず第一にそれを伺います。
○説明員(川上為治君) 今お話がありました都道府県の年末金融対策としましては、都道府県で信用組合とか、あるいは信用金率とか、あるいは相互銀行、そういうところにある程度金を預託しまして、その預託した金を中小企業関係に回わすようにというような措置をとっております。今お配りしますが、東京都、神楽川県、兵庫県、山口県、佐賀県、これはほんの一例にすぎませんが、ほとんど大部分の各府県におきまして、今申し上げましたような措置をとっておるわけであります。やり方は、東京都あるいは神奈川県、みなそれぞれ違いますけれども、ことに書いてありますような、こういう措置を年末にとっておるわけでございまして、都道府県としましては極力、中小企業の年末金融が円滑に行われるようにいろいろ努力をいたしております。
○西川彌平治君 私も今長官からのお話のことは実は伺っておりますが、これが年末金融の一助になっておるということに地方民は感謝をいたしておるわけでありますが、これと同じようにまねるという意味ではございませんが、政府の余裕金を、やはり中小企業の年末金融のために、こういう方法をとっていただくことはできませんものですか、どうかということを伺います。
○説明員(川上為治君) 政府の余裕金をそれぞれの金融機関に預託して、そしてそれを中小企業の方に回わすという問題でございますが、これは従来からある程度やっておるわけでございまして、現在たしか六十億程度残っておるのではないかと思いますが、私の方としましては、この際やはり都道府県と同じように国の方で一つもっとこれを増額して、何かやってくれないかという話し合いは、大蔵省にもしておりますけれども、どうもこの問題につきましては、少し法律的な問題があるようでございまして、なかなかむずかしい問題がございますので、そういう問題も何とか改正するなりして、そして預託を、国の方でも各金融機関にいたしまして、そして中小企業に回わすようにしてもらいたいということは、今いろいろ折衝をいたしております。
○西川彌平治君 ただいまの問題は、どうか一つ何分御援助願うように、よろしくお願い申し上げたいのでありますが、私はもう一つ伺いたいことは、前国会におきまして閉鎖機関であります朝鮮銀行の資金をもちまして、中小企業に対する長期信用銀行といったようなものを設立することに、大体相なっておったと私は大体記憶をいたしております。それがおそくとも十一月には発足するのではないかというようなことで、われわれはいささか期待をいたしておったのでありますが、その後の状況を聞きますると、それが延びて二月になり三月になり、あるいは年度がわりの四月一日から発足するのではないかというようなことを聞いておりますが、これはもちろん銀行のことでございますから、大蔵省の所管ではございましょうが、中小企業といたしましては、この問題に対しては、かなり関心を今日深めておる状態でございます。従いまして通産大臣におきましても、この問題に対して何かこうおくれておりますることが、どういう理由であるか、あるいはどうなっておるかということについて、大臣の一つ御所見を承わっておきたいと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) お尋ねのそれは、最初の中小企業の金融としては、不動産銀行が非常に必要だというようなところから出発しておるのでありますが、いろいろな手続等の問題がありまして、お話しのように四月からでありますが、年度がわりから開業するというような話し合いになっておるようであります。
○大竹平八郎君 大臣が御出席中一点お伺いしたいのですが、これは衆議院の委員会あたりで、しばしば川上長官からお話が出ておるのであります。それから先般の本委員会のときにも私は当局にちょっと質問いたしたのですが、これはあえて年末とは限らないのですが、全体を通じてなんでありますが、この中小企業の金融に対する一番大きな、何といいますか融資方面としまして、新たに取り上げられております保険会社関係の金融の問題、これは大蔵当局からも、しばしば衆議院あたりの速記録を見ますると内容があったように思います。この点に対しましてその後どうなっておるか、あるいはまた、大臣の政治力でこれがうまくいけるのかどうか、その点ちょっとお伺いいたします。
○国務大臣(石橋湛山君) これは中小企業全体として、要するに資金量をふやすということがぜひ必要でありますから、いろいろな方法を講じなければならないのでありますが、保険会社の資金をここへ直接流すということは、いろいろ法律上その他の困難があるようであります。従ってまだ決定をしておりませんが、何かのルートができれば、そういうことも可能ではないかと考えておりますが、今のところでは、具体的には何もきまっておりません。
○説明員(川上為治君) 補足して説明を申し上げますが、との問題につきましては、私の方も非常に関心を持っておりまして、何とか生命保険なり損害保険の余裕金を、中小企業金融機関の方へ回してくれないかという話もだいぶしておりまして、実はその両方の幹部の方々を私の方と大蔵省の方と一緒に招きまして、何か一つ方法はないかということをやっておりますが、いろいろ聞いてみますというと、なかなかそう余裕金もないようでありまして、まあ、この前の懇談会におきましては、五百億くらいという話もありましたけれども、実はそう非常に大きな金はないのでありまして、まあ三、四十億程度なら何とかできないのかということで今話をしておりますけれども、まだ話はついておりません。まあわれわれとしましては、今後引き続いてこの問題につきましては、いろいろ話を進めていきたいというふうに考えております。
○島清君 長官の今お答えになりましたそのことについては、まあ私たちも関心を持っておりますし、先日の委員会でもちょっとお聞きしたのでしたが、生命保険会社あたりでは、その保証として国家保証を要求しておる。国家保証を要求するくらいなら、わずか四、五十億の余裕金をそう活用をする向きもないじゃないかというような考え方のように受け取れるような答弁をいただいたわけです。今長官はそれを具体的に進めていきたいというお話しのようでしたが、ちょっとどちらの御説明を御信頼申し上げていいかどうかわらないのですが、先日の委員会は火曜日でございますか、二、三日のうちに何かそういったような変化があったわけでございまますか。
○説明員(川上為治君) 私の方で呼びましていろいろ話しましたときに、やはり国家保証の問題も実は出たのですが、そういう保証をしなくても、別に法律としてはいいじゃないかというような話も実はしたのですが、保証となりますと、いろいろ問題がむずかしい問題になりますので、われわれとしましては保証をしなくても、これは確かな金融機関だということになれば、そこへ生命保険会社なり、損害保険会社の方から金を出してもいいじゃないかという話をしたのですが、その話し合いについては、まだ何ら向うの方としてもはっきりよろしいというところまで来ておりません。
○説明員(大月高君) ただいまの保険会社の問題につきましては、長官のお話がございましたように、大蔵省も一緒になりまして保険会社といろいろ懇談もいたしております。で、保険会社といたしましても、中小企業に対して非常に大きな関心を持っておりまして、できるだけ努力してやってみたい。それで現在のいわゆる千万円以下の会社に対する貸付、いわゆる中小金融といわれておりますものは、大体多いところで貸付金の四〇%、少ないところで五%ぐらい、平均二〇%前後になっております。ただ、保険会社は一般の金融機関と異なりまして、もっぱら保険金の支払う資源をもってそれを現実に運用するということを仕事といたしておりまして、特に融資によってどうするということではございません。従って保険会社の資産は大部分が株式であるとか、社債であるとか、あるいは不動産であるとかでございます。貸付金は非常に全体としても少のうございまして、それも確実に物的担保を取るとか、あるいは金融機関の保証によるとか、絶対に間違いない自己の責任において貸すということはいたしておらないわけでございます。それは店舗の関係あるいは仕事の性質からいって融資の審査をする機構も持っておりませんので、みずから貸していくというようなことは、やらすべきでもないし、また、やるべき性質のものでもない。そういうことで御要望もございましても、なかなか保険会社に中小金融の重大な部面をになってもらうということは、本質的にはむずかしい問題だと思います。ただ、この間の話し合いの結果といたしまして、資産運用の方向として有価証券を持っておりますので、たとえば今後商工中金の金融債を持つ、資産運用として持つ、それによって間接に中小企業に対して御後援をするというようなことは、本来の保険会社の性格としても考えられるし、中小企業の役に立つ、こういうことで具体的に研究してみよう、こういうことになっております。
○委員長(松澤兼人君) ほかに御質疑ございません。
○高橋衛君 このいただきました資料について少しお伺いしたいのでありますが、全国銀行、中小企業金融機関貸出推移表という表によりますると、三十一年の八月現在で、全国銀行のうちでは三兆五千、これに対して一兆三千億が中小企業向けに貸し出され、また、中小企業金融機関自体としては、二兆一千六百億ですかの貸し出しがあって、中小企業向けに、実に膨大な金融が行われておるということに相なっておるのであります。ところで、中小企業自体の範囲を見ますると、工場、事業場でいいまして、全国の九九・八%が中小企業になっておるという状況でありますために、実際われわれが中小企業として観念するものと、この統計に表われている中小企業というものとが非常に大幅に違うということは、私どもは考えざるを得ないのであります。東京とか大阪のような大企業の存在する地域においては、中小企業という、こういうふうな意味も出てくるでありましょうが、たとえばいなかの府県になりますと、中小企業にあらざるものはないという感じがするのであります。ところで、今日私どもが一番関心を持っておりますのは、そういうような大幅な、中小企業全体としてとにかく金が行っているんだからいいじゃないかというような考え方では困るので、そのうちで、たとえば現在の中小企業の定義であるところの三十人未満というようなことでなしに、三十人未満、さらにもっとつめて言えば五人未満というような、小さな、零細企業という言葉が適当であるかどうか存じませんけれども、そういうようなものに対するところの措置が一番重要であると思うのであります。今まで政府なり、何なりの対策が、また中小企業庁の対策が、そういうふうに大きく、大幅にこれを包含しておりますために、ややもすれば、そういうふうな零細企業に対する重点がぼけてきておるというような点が、非常に私ども痛感せられるのであります。従ってこの膨大な中小企業向けの金融のうち、中小企業庁として、かりに三十人未満とか、または五人未満というふうな段階によって、せめて摘出調査等によってでも、大体何割ぐらいがその方面に向けられているかという調査をしておるかどらか、また、調査をしていないにしても、大体の見当をつけておられるかどうか。その辺の資料がありましたら、また現在おわかりでありましたら、何とか御答弁を願いたいと思うのであります。これは政策の重点になる問題で、中心になる問題だから、ぜひ一つお聞かせ願いたいと考えておるのであります。
○説明員(川上為治君) 実は今おっしゃいましたような資料につきましては、こまかく分析して実は調査はまだいたしておりません。まあ今先先がおっしゃいましたように、相当この表では中小企業向けに出されているということになっておりますけれども、やはりその中小企業のうちでも、比較的大きな方面に相当流れておりまして、非常に零細方面に対しましては、まあ比較的少いということは、やはりわれわれとしてははっきり言えるのじゃないかというように考えますけれども、実はそういうこまかい分析をしておりませんが、大体それじゃ何割ぐらいかということについて、山かんで申し上げますのもどうかと思いますので、われわれとしては、早急にこの問題を調べようと考えておりますけれども、比較しますというと、この二兆幾らのうちで相当の部分が、いわゆる中小企業のうちの中以上のものということになるのじゃないかというように考えております。
○高橋衛君 私は、中小企業対策として、この点がおよそ中小企業問題の死命を制するというぐらいに重大問題であると考えるのであります。従って、山かんであろうと、腰だめであろうと、とにかく大体どの程度だというぐらいの見当はおつけになって、政策を立てなければ問題にならぬと思うのでありますが、その意味から、大臣に一つお聞きいたしたいのでありますが、私ども今後の中小企業対策を立てるのには、どうあっても政府が零細企業を重点に物事を考えていかなければならぬ。現在の中小企業対策各般の、十数個の対策が法律措置により、あるいは行政措置によって行われておりますが、その中小企業対策を二段階に分けて、零細企業としからざるもの、どの程度に段階をつけるかは、これは非常にむずかしい問題であろうかと思いますが、とにかく二段階に分けて、そうして下の階層に重点を置くように、または補助とか融資とか、その他の問題につきましても、何割は必ずここにいかなければならぬと、または補助等をする場合においては、その上の階層についての補助を下の階層に対する三分のとか、二分の一にするというような措置を講ずることが、国の対策として、また財政の支出の効率化、適正化を行う上において非常に重要であると私は考えておるのでありますが、その点について大臣の御見解を一つ承わっておきたいと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) お話しの通りでありまして、実は中小企業をしじゅう問題にするが、中小企業の実態がつかめておらないんですよ。政府としては怠慢と言われれば怠慢に違いありませんが、ですからこれは一つ中小企業なるものの実態をつかまなければならぬというので、今調査を始めておるようなわけで、お話しのように金融についても、われわれが観念的にいつも問題にするのは、零細と言うては少し語弊があるかもしれませんが、とにかく中小企業の中でもことに小さいところが観念に入っておりますが、それが統計などになりますと、相当大きなものもまざってきますから、これでは実態がつかめない。そういう点について実態調査をいたしたい、こう考えております。
○説明員(川上為治君) 補足的に御説明しますと、大体まあこの数字の四割程度がいわゆる小さな方へ回っておるんじゃないかと一応考えておりますが、この十一月一日で現在摘出調査をやっておりますので、それが、結果が出ますというと、ある程度正確な数字も出てくるんじゃないかというふうに考えております。
○高橋衛君 この際特にお願いをいたしておきますが、労働省では例の毎月勤労統計というものが出ております。三十人未満の工場、事業場等。それからそれ以上のものについてそれぞれ支払い賃金の統計を出しております。御承知のように三十人以上百人未満でありますが、その会社におきまするところの平均支払い賃金は、大体大企業に灯して五八%から五七%程度になっておりまして、統計が毎月出ております。ところが三十人未満については、労働省においても統計はないけれども、大体の、これも腰だめ、あるいは勘に当るかもしれませんけれども、大体六、七千円程度という大体の数字を出しておるわけでありますが、中小企業庁において、その際にどういうふうな段階で、現在十一月一日付でやっておられるならば、どういうふうな区分で調査をしておられるか、その点を一つお聞きいたしまして、できればそういうふうな労働省における調査その他各省における調査と調整をとって、そうして摘出調査による結果が、有効に利用できるようにお願いいたしたいと存じます。これはお願いでございますが、委員長財政に関して……。
○委員長(松澤兼人君) 一昨日やったああいう性質のものですか。
○高橋衛君 ええ、一昨日大臣がお見えにならなかったですから、ちょっとお伺いしてよろしゅうございますか。
○委員長(松澤兼人君) 時間があまりないようでしけれども、どうぞ。
○高橋衛君 ただいま三十二年度の予算に関連いたしまして、税制の改正の問題が非常に大きく取り上げられておるのであります。その税制の改正に関連いたしまして、結局租税特別措置法によるところの各種の減免税がやはり整理の対象として一応取り上げられておる。これに関連して実は中小企業の面から大臣の考えをお伺いいたしたいのでありますが、ただいまの租税特別措置法によりますと、たとえば産業合理化のための設備機械等の五割増し特別償却、または初年度の半額特別償却とか、その他技術の進歩、経済の近代化等のために要するところの償却であるとかいうものが相当行われておるのであります。ところが、こういうふうな事柄は、設備投資の非常に盛んな時代には果して必要かどうかという点でありますが、御承知の通りこの制度ができましたのは、設備投資が非常に緩慢でございまして、むしろ何とか政府がこれを刺激してでも、ある程度のイニシアチブを与えて、何とかして設備投資を促進させなければ日本の経済の拡大が行われない、というような趣旨からこういうふうな制度が生まれてきたのであります。幸いにして、昨年度以来日本の設備投資というものは非常に旺盛になって参りました。むしろ、行き過ぎじゃないかという意見が反面に行われるような状態にまで好転して参ったのであります。一方、税負担の公平という見地から見ますると、これらの償却が行われていますのは、ほとんど全部といっていいぐらい大企業でございます。中小企業にはこれがほとんど均霑されてないというのが実情でございます。しかも、逆に、中小企業におけるところの使用されておるところの機械設備の償却の状況はどうであるかと申しますると、大臣等の非常な御努力によりまして、戦前の賠償機械を中小企業の持っておる古い機械と交換するという措置をお講じになりました。また、大企業で設備が近代化されますと、今まで大企業で使っておった、まだ中小企業ならば使えるという機械を中小企業にどんどん払い下げていくという方法が相当行われておるようでありますが、それらの機械の償却年限はどうなっておるかと申しますと、これがかなり長いのであります。現在の制度によりますと、大体残っておる、つまり、買い受けたときに残った耐用年数の二割増しというのが一応の標準になり、また、そういうふうなものがはっきりしない場合においては、あらためてこれから何年使えるかという年限をきめて耐用年数をきめるという建前になっておるのであります。従って、たとえば大企業において新しい機械を、きわめて性能の高い機械を外国等から輸入いたしまして、そうして今までの機械を出しますると、新しく輸入した機械よりも、中小企業に払い下げた機械の方が耐用無数がずっと長い。いわば、陳腐化した機械、もうゼロになったはずの機械よりも、新しい機械の方がずっと耐用年数が短いというのが実績でございます。そういうふうに、中小企業に対しては非常に辛くなっておる。大企業に対しては非常に甘くなっておる。その点が、産業全体として非常にアンバランスになっておると私は考えざるを得ないのでありますが、ところが、先般通産省かうお出しになった資料によりますと、依然としてこういうふうな面において相当強いところの御要請をなすっておる。つまり、設備投資その他についての償却年限の割増し等について、非常に強い要請をしておられる。一方、中小企業の面については負担の軽減をはかるということは期待されておりますけれども、必ずしもその点はそう強い要請のようにも思われない。私は通産行政の全体の方向として、そういうふうな点は、中小企業、零細企業、そういうふうなほんとうに設備の近代化を要する面にもっと重点を置いて、今後の税制自体についてもお考えになることが根本的に必要じゃないかと、かように考えるのであります。この点に対するところの大臣の御所見をお伺いいたしたい。
○国務大臣(石橋湛山君) 御承知のように、日本はまだ、ある部面においては設備が過剰だという説もありますが、大体において合理化をもっと推し進めにゃならぬという意味において、税の上においても、ある程度の考慮を加える必要が依然あるというふうに思います。御指摘のように、中小企業の方にバランスをかけて今の償却年限などが不当に長くなっておるということでありますれば、これは一つ改めなきゃならぬと思います。十分研究いたしまして、今そういう点においてそつのないようにたいしたいと思います。
○高橋衛君 どういうふうな事実がありますれば、ということは、大臣の言葉と伺えないのでありますが、これは事実としてきわめて顕著な事実があるわけでありますから、その点特にひとつ御留意願いまして、今後通産行政全体としてそういうふうな点に重点を置いて対策をお立てを願いたいと、かように考える次第であります。
○島清君 中小企業の問題を非常に大きく取り上げられておることについて、感謝にたえない次第ですが、伝え聞くところによりますと、今大臣がお答えになりましたように、中小企業者の実態というものがなかなか把握が困難であるということ、従って、その実態がつかみにくいので対策も立てにくいというような御説、ごもっともでございまするので、それで中小企業の組織方といったようなものが考えられておるようでごさいますが、この点についてはまたそのときにお尋ねしたいと思いますが、全体的に見まして、今御指摘がございました通り、日本の金融機関というものは当面大企業本位の金融機関であることは、何人もいなめないと思うのです。それでこの際大きく中小企業の育成と振興を取り上げられた機会において、中小企業の金融を円滑にするために特別に金融体制を是正していかれるお考えがあるかどうか。たとえば、日銀の政策委員会などにも中小企業の代表が出るとか、あるいは信用の補完機関とか——中小企業者は信用が薄いわけですから、その補完機関等、またはその他中小企業金融のための強化策というようなことを考えておられるかどうかというようなことについて、一つ概括的にお答えをいただきたい。
○国務大臣(石橋湛山君) 全体の金融制度として、たとえば日銀の制度の中にどれほど中小企業というものの意見が反映するようにするかということ、相当問題であろうと思いますが、現在におきましても、地方銀行などの代表者が入っていますし、それから通産省の方からも代表者で入っておりますから、必要な限度においては、中央銀行の政策委員の中にも意見は織り込まれるものと信じております。しかし、なお全体の中小企業の金融機関というものが、今までもそのために種々なる機関を作り、相当努力しておるのでありますが、なおこれでは足りんでしょう。ですから、なお一つ十分検討いたしましてやりたい。これには相当思い切ったことをやらなければだめだと思いますが、ややもすれば中小企業というものは、さっき高橋委員から話があったように、中小企業の中の大きなものに行ってしまうということもありますから、ほんとうに皆さんが、またわれわれが問題にしておる中小企業の金融というものをどうするかということについては、中小企業の実態をもう少し把握しまして案を立てなければならん、かように考えております。これは、やることはむろんやらなきゃならん、かように考えております。
○委員長(松澤兼人君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(松澤兼人君) 速記を始めて下さい。
○高橋衛君 この際、私は中小企業の年末金融緩和に関するところの決議案の動議を提出いたしたいと考える次第でございます。 御承知のように昨年中ごろ以降日本の経済は全般に非常に順調な発展を遂げて参りまして、いわゆる拡大均衡の方向に向っておるのでございまするが、しかしながら、それにもかかわらず、中小企業におけるところの困難性は必ずしも解消しておりません。ことに、年末を目前控えておりまする今日、中小企業に対するところの年末金融に対して、何らかの措置を講ずることが必要である、かように考えますので、この際当委員会として決議をいたし、同時に本会議にこの決議案を提案することにいたしたいと考える次第でございます。案文を朗読いたします。
○委員長(松澤兼人君) ただいま高橋議員から決議の案文朗読がありまして、その理由の説明もあったわけでありますが、高橋議員の案文を採択することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松澤兼人君) 御異議ないと認め、さよう決します。字句の修正等は、委員長におまかせ願いたいと思います。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(松澤兼人君) 速記を始めて。それでは午前中の委員会はこれにて休憩いたします。 午後零時十九分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕