商工委員会 第3号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1956/11/22
会議録
○理事(阿具根登君) それではこれより商工委員会を開会いたします。 本日は勝俣稔君が委員を辞任され、その補欠として小幡治和君が委員に選任されました。以上御報告申し上げます。 —————————————
○理事(阿具根登君) それではこれより本日の議事に入ります。 本日は前回に引き続き調査を進めます。公報でお知らせ申しましたように、通商産業施策と予算に関する件を議題とし、まず石橋通産大臣から政策大綱について説明をお願いいたします。
○国務大臣(石橋湛山君) また引き続いてお願いいたしますので、どうぞよろしく。 通商産業施策の大綱について申し上げます。わが国の経済は、御承知のように昨年来輸出の増大したことと、それから豊作が続いたことを基軸といたしまして、著しく拡大を遂げました。本年に入ってからも、投資活動の活発化と消費の増加を織り込みまして、引き続き発展傾向をたどっております。しかしながら、この拡大発展の傾向にもかかわらず、わが国経済の内部にはなお幾つかの問題が存在しておりまして、今後の通商産業政策は、これらの問題を具体的に解明しながら、わが国経済の向上発展のための施策を、総合的かつ重点的に一そう推進する方向に向けるべきものと考えている次第であります。現在通商産業政策のバックボーンとして施策の重心を置いておりますのは、貿易の振興、産業基盤の強化、鉱工業技術の向上及び中小企業の育成振興の四点でありますが、この場合そのそれぞれにつきまして若干の所信を申し上げたいと思います。 第一に、輸出貿易の振興でありますが、昨年度以来輸出の伸張はまことにめざましいものがありまして、経済発展のための最も大きな要因となってきたのであります。すなわち、輸出は昨年度に引き続き本年度に入りましても依然好調を続け、上期、すなわちこの四−九月におきましての輸出は、昨年同期を二五%上回る水準にありまして、年度間としては二十四億六千万ドル程度が見込まれる次第であります。このような輸出の好調の原因といたしましては、もちろんここ数年来の合理化努力がようやく実を結んできたことにもよりますが、同時にまた海外経済の活況によるものであることは、特に注意を要するところでありまして、激動する世界情勢のもとにあって、海外景気の動向は容易に予断を許さないものもあります。海外市場の好況になれまして、輸出の前途をいたずらに楽観視することは、この際戒めなければならないかと考えます。およそ輸出振興の要諦は、輸出品の対外競争力を強化するとともに、安定した海外市場を確保し、一時的な海外市況の変動に左右されない強固な輸出力を培養することにあると考えるのでありますが、最近の実情を見ますと、将来輸出貿易の中核となるべき重化学工業品は船舶等の一部を除き依然として対外競争力が強くありません半面、比較的競争力のある軽工業品に対しては、海外諸国の警戒的態度がありまして、ここに困難を認めざるを得ないのであります。政府といたしましては、さらに強力な輸出振興策の樹立、推進の必要を痛感するのであります。これがための基本的対策は設備の近代化、技術の向上等による基礎産業、輸出産業の合理化をさらに徹底的に実施することにあることは言うまでもありませんが、より直接な対策といたしましては、第一に、通商航海条約の締結の促進、賠償問題、関税問題の解決、通商協定の改善等、貿易の基本的条件を整備するための強力ないわゆる経済外交の推進にさらに大いに意を用いたいと考えておる次第であります。 次に、海外市場の開拓にはさらに努力する必要がありますが、これがため海外広報宣伝活動の活発化、商社の実力向上等に一段の工夫と努力とを払う方針であります。同時に、最近のわが国輸出には、往々にして安値輸出の弊が見られるのは、はなはだ遺憾でございます。輸出秩序の確立と輸出品の品質向上のため、諸般の措置を考究し、善処していきたいと考える次第であります。さらに今後特に力を入れていかなければならないのは、海外投資の問題であると思います。輸出市場、ことにプラント類の輸出市場の開拓、安定した輸入原料資源の確保という見地から、海外投資の重要性がますます増加してきておりますが、残念ながらわが国の海外投資活動は諸外国に比べてはなはだ低調であります。従って海外投資金融の円滑化、海外投資保険制度の改善等所要の措置を講じ、海外投資活動の活発化を期したいと考えております。 次に、対共産圏貿易であります。政府といたしましては、国際的協調のもとに極力その増進をはかっておる次第でありまして、特に中共貿易につきましては、禁輸品の緩和、輸出入組合の活用によりまして、取引態勢の整備をはかりまして、最近次第に活発化してきておりまして、昨年の二倍程度の輸出が幸いに見込まれる状況にありますが、さらに一そうの努力を払いたいと存じております。また、日ソ貿易につきましては、国交回復が実現し、従来の取引上の不便が除かれるに至りますれば、貿易の拡大が期待される次第でありますが、さてどれだけの期待ができますか、これは今後の問題でありますが、政府といたしましても、できるだけその促進をはかる所存であります。 第二に、産業基盤の強化の問題でありますが、産業活動は、昨年来輸出の好調、投資活動の活発化に促されて、次第に活況を呈し、本年度は前年度に比べ、年度間少くも二〇%程度の生産増加が見込まれる次第であります。このような産業活動のもとにあって、数年来の合理化投資がようやくその効果を発揮し、生産性向上、品質の改善、設備能力の増加を通じまして内外の需要増加に対処してきたのであります。しかしながら、わが国産業の対外競争力は、欧米諸国に比しまして、いまだかなりの遜色があるように見受けられます。設備の近代化と産業の合理化をさらに徹底的に行う必要がありますし、一方最近の産業活動の活発化に伴い、鉄鋼、電力、輸送等基礎部門に供給力不足が生じ、その打開策が必要となってきております。 これがため、第一には当面問題になっております鉄鋼、電力、輸送等基礎部門の供給力不足に対し、総合的な対策を実施して、今後の経済の順調な発展を期する方針であります。すなわち、鉄鋼につきましては、当面緊急輸入の実施、生産の増加等による供給量の増加、鉄くずの流通体制の整備、輸出用、公共事業用、零細事業用の鋼材のあっせん機能の充実等によって対処いたしますとともに、さらに長期には、高炉転炉を中心とする設備の拡充計画を実施し、また、インド、中南米等の鉱山に対する設備投資、鉱石車用船の建造等によりまして、鉄鉱石の確保をはかり、わが国鉄鋼業の需給安定と国際競争力の強化を期したいと存じております。また、電力については、逐年激増する電力需要に対処するため、電源開発の増強、促進をはかることが必要であります。電源開発計画を最近の需要の動向に照らして改訂をはかりますとともに、着工工事の促進、計画工事の繰り上げ着手、地帯間融通の強化等を講ずる方針でございます。 次に、産業の合理化の促進につきましては、従前にも増して一段と努力を払う必要があると考えております。産業の合理化方策としては、従来の個々の企業の設備近代化、生産性向上運動を推進するほか、生産分野の確立、生産技術水準の向上、過剰設備の処理等、各産業の合理的再編成を目的とする業種別対策にも重点を置く必要がありますが、すでに所要の立法措置を講じた石炭、機械、繊維の各産業については、着々その効果をおさめつつあります。他の部門についても、その必要がないか、慎重に検討しておる次第であります。さらに、産業合理化のため看過できない重要な問題は、産業立地の整備であります。鉱工業生産の基盤として重要な意義を持つ港湾、道路、工業用水等の産業関連施設につきまして、従来とかくその対策がおろそかにされましたために、これらの不備が生産、流通の隘路になっておるのはまことに遺憾であります。今後公共事業投資を極力産業の立地条件の整備改善に資するように運営し、その投資効果をおさめたいと考える次第であります。 次に、産業基盤強化のための重要な方策として、エネルギー資源、及び地下資源の開発、促進の問題があります。電力、石炭、石油、天然ガス等のエネルギー産業については、エネルギー相互間のバランスを考慮しながら総合開発を積極的に推進いたしますとともに、砂鉄、磁硫鉄鉱、ウラン鉱等の未利用資源の開発を急速、かつ計画的に行い、国内資源の積極的活用をはかることによりまして国際収支の改善に資したいと考えるのであります。さらに、国内資源活用策に関連して、石油化学、合成繊維、合成ゴム、電子工業等の新規産業を積極的に育成いたしますとともに、石炭化学、木材化学等将来性のある新技術の企業化を積極的に育成し、将来のわが国産業構造の高度化と近代化に努力いたしたいと考えます。 第三に、以上述べました貿易の振興、産業の合理化、資源の開発、新規産業の育成等の基礎条件であります科学技術の振興の問題について申しますれば、わが国の鉱工業技術は、欧米諸国に比べ、著しく立ちおくれておりまして、ことに、欧米諸国における最近の技術革新はまことに目まぐるしいものがありますので、わが国の技術上の立ちおくれをすみやかに回復し、諸外国の技術の進捗に拮抗するためには、新技術の研究とその成果の活用について格段の努力をいたす必要があると考えます。これがため、国立試験研究機関の充実と産業界の試験研究に対する助成の強化等をさらに推進いたしますとともに、技術研究に関する政府と産業界との有機的連繋を強化して、技術研究の合理的運営をはかりたいと考えております。また、最近における科学技術の飛躍的進歩とその利用の普遍化に伴い、特許、実用新案の重要性がますます増大しております。特許行政の責務が最近とみに重きを加えてきましたごとにかんがみまして、政府としては審査審判事務の促進等特許行政の運営に鋭意工夫をこらし、その改善能率化をはかる所存でございます。 第四に、中小企業の育成振興の問題でありますが、最近のわが国経済の好況の余波が漸次中小企業にも及んでおりますことは、けっこうでありますが、しかし、多くの業種及び企業は、その中においても依然中小企業特有の困難を脱却するに至っておりません。金融の一般的緩慢化にもかかわらず、中小企業金融は依然逼迫を告げており、中小企業間の過当競争も改善されたとは認めがたい状況にございます。中小企業のわが国経済、なかんずく輸出及び雇用面で占める重要性にかんがみまして、この際中小企業の特質に応じた振興策を強力に講じなければならないと考えますが、これがため、第一に、中小企業の組織の強化をはかるため、共同経済事業と調整事業とをあわせ行い得る強力な組合組織を創設したいと考えまして、目下その法的措置について検討中でございます。さらに、中小企業金融対策としましては、商工組合中央金庫、中小企業金融公庫、国民金融公庫等に対する財政資金の大幅の導入を行い、金利の引き下げその他融資条件の緩和をはかるとともに、中小企業信用保険制度の改善充実を行う方針であります。そのほか、中小企業対策としましては、今後拡充強化すべき施策は多々ありますが、先般内閣に設置されました中小企業振興審議会の答申を待って各般にわたる施策を総合的に実施いたしたい方針であります。 さて、以上の諸施策を実施するにつきまして、財政投資の果す役割は、きわめて重要であります。海外投資及び貿易の振興、産業の合理化、鉄鋼電力等基礎産業の拡充、新規産業の育成、中小企業の振興等に重点を置きまして、その積極的かつ効果的な活用をはかりたいと考えております。 最後に、最近の中近東情勢の及ぼす影響につきまして一言いたします。中近東情勢の将来については、今後とも事態の推移を注視する必要がありますが、一時的にせよ、スエズ運河の自由航行が停止されれば、一部の市場では欧州品と比べてわが国の輸出がやや有利となり、全体としての荷動きは若干活発に宿るとも考えられます。だが一方、中近東の諸地域に依存しておる物資については、ある程度の運賃の値上りは避けがたいのでありますが、石油を初めとする主要原材料の入手につきましては、目下種々努力しておりますし、現在のところ不安はないと考えております。ただこの問題によりまして、著しい物価の上昇傾向を招来することは厳に戒むべきことでありまして、政府としては今後事態の推移に応じ、適宜適切な措置を講じて善処して参りたいと考えておる次第でございます。 以上概略でございますが、申し上げました。
○藤田進君 この臨時国会は、従来の臨時国会とかなり事情が変っておりますのは、通産大臣御自身も有力な自由民主党の総裁候補であるように、鳩山内閣の退陣もまた大体この臨時国会を終えたおよそ二週間後には退陣ということが予定されているし、鳩山総理もそういうことはしばしば言明されているということなんですから、諸般の政策等についてお伺いいたしましても、果してどの程度次期内閣に継続するかどうかということに、やはりわれわれとしては不安を持つわけであります。勢い、ただいまから質疑をいたしますとしても、過去おやりになったことについてこの際国民の前に明らかにしなければならぬということに集約されてくると思います。それで私は、この長い休会を通じ、さらにこの短期の臨時国会に当面して非常に広範なただすべきものを持っておりますが、とりあえず私は次の諸点についてお伺いいたしたいと思います。 それはまず第一に、現内閣、その通産大臣とされて、次期内閣がどういう性格のものにせよ、通常国会を控え三十二年度予算を編成する時期に当っておるわけでありますから、非常に重要な時期に内閣の更迭を見ることになろうかと思うわけでありますが、少くとも石橋通産大臣とされては、所管事項について次の通常国会にはぜひこういうことは法律改正をして、あるいは新しく立法として出したいし引き継ぎたいというものがあろうかと思うわけであります。この点につきましてはどういうお考えであり、事務当局は目下その作業をどのようにしているか、それであります。 それから第二の点は、過去おやりになった点についていろいろありますが、最も世上今日釈然としないのは、電源開発会社の総裁以下人事をめぐってまことに了解に苦しむものがあったように私は思います。いろいろな人たちが候補者に上って、これが与党の強い圧力というか、そういう形において必ずしも石橋通産大臣が思う、是とする人事が成ったのか成らないのか、これは疑問であります。この点については事態を明らかにして、この石橋通産大臣の所信をやはり表明していただきたい。 これと関連はありませんが、やはり過去の問題で第三の点は、去る通常国会においては、ことに鉄鋼の問題が、御承知の通り値上りになるし、また需要供給のバランスがとれないという状態から、当面行政指導を中心にこれを推進したいということでありましたが、ますます中小企業等その他鉄鋼関係の産業は窮地に追い込まれつつあるわけでありますが、今の施策大綱からいたしましても、どうも直ちにきくような施策でないような、かなり遠巻きのような感じを受けたわけですが、この鉄鋼関係の窮状というものはまだ続くし、将来の安心というものが全然持てないという状況下にあると思うのです。このことについて当面の緊急対策としてどのようにせられるか。外国からの輸入を促進するとかいうお話も今聞きましたけれども、しかしこれとてもなかなか時間を要することでありましょうし、そのうちに内閣もかわるということになれば、また新しく出発するというので、政局の変転がさらに産業界に深刻な影響をもたらすということも考えます。この点が第三点であります。 もう一つだけつけ加えてお伺いいたしますが、財政投融資という問題は、予算編成と関連して非常に重要になって参ります。従来総花的となり、与党とかその他いろいろ外的な影響によって、必ずしも財政投融資が重点的に配置されないままにきたうらみがあるわけですが、これもあなたが通産大臣のときにある程度のやはり具体的なものをおきめになって引き継がれるべきかとも思うのですが、今日非常な好況をもたらしている産業に対して、さらにこれ以上の利子補給なり財政投融資を重点的に行う必要はないので、新しいこの三十二年度の展望に立って財政投融資が——予算もそうですが、配置せられなければならぬと思うのですが、具体的にはどのようにお考えになっているのか。非常に包括的な問題だけ私申しましたが、それぞれお答えをいただきたい。
○国務大臣(石橋湛山君) 次の通常国会に通産行政上提出いたしたいと思う点については、こまかくあとから官房長等から申し上げたいと思いますが、しかし私は、まあ内閣はかわりましても、大体今までやっておりました通産行政上の措置については大した変化はあり得ないと思うのです、今までやってきました線に沿うていく以外にはない。ただその中でどこに力を多く、多少よけい入れるか入れないかというような差は起るかもしれませんが、ごとに日本として現在やらなければならぬことは、さっき申しましたように、いろいろな産業基盤に立っていろいろ申し上げましたけれども、まあ、国内のそういう点と、それからこれは先般から内閣でもしばしば問題にしているのでありますが、やはりこの際賠償問題の解決等とともに海外投資ということにもう少し着眼をいたしまして、東南アジアあるいは中南米その他へ日本の事業、ことに鉄鋼に関するものというようなものについては、相当日本はふんばって海外投資をするということが、今後日本の必要とする原材料を得る方法といたしましても、また、日本の貿易の基盤を確立する上から申しましても必要であろうと考えている次第であります。そういうような点につきましては、これはおそらく今後どういう内閣ができましても、内閣の変化によって大した相違はない、かよう考えて、そういう信念のもとに通常国会に提出いたしたいと存じて、いろいろの法案の研究をしているような次第であります。 それから電源開発ですが、電源開発会社の人事については、実は私はまあ、電源開発会社のああいう性格から、この際日本の今後の電源開発を強力に進め、日本の電気事業全体の事業者間の十分なる協調のもとに仕事が進んでいきますような有力な人を電源開発の総裁等にする必要がある、かように考えまして、いろいろ電気事業者の方等の意向も聞きまして、御承知のように松永安左エ門氏が適任であろう、こう考えて一たん推薦したのであります。いろいろの事情で、前の電源開発を作るときのいろいろの事情等がありまして、結局私は適任であると思いますけれども、松永氏にやめてもらって、今の総裁にいたしたわけであります。その間にいろいろの風説がありまして、何か前には佐久間ダムの建設その他のことについて種々になるうわさが陰にあったのでありますが、そういうようなことは一切ないのであります。ただ私は人を多く知りませんから、そこで松永氏を推薦したのでありますが、総裁にいたした人もなかなかりっぱな人だと思います。私は会いました結果、多くの人が推薦をされるわけでありますから、そこで松永氏とも話し合いの上、現在の総裁を任命したというようなわけでありまして、その陰に、私の関知する限りにおいては、別段妙な内面的な問題があったとは考えておりません。公正無私にやったつもりであります。 それから鉄の問題は、確かに予想以上の事情がありまして、相当供給困難な状況が現われましたので、外国から輸入をするという計画を立てまして、まあ年度内、本年度内には四十万トン程度のものは多分輸入ができるだろうと思います。これについては船その他についても手当をしておるのであります。ただ、スエズ問題が起りましたので、幾らか時期がずれるかもしれませんけれども、大体は予定通りに輸入ができるだろう、かように考えております。現にすでにある程度落ちついておるのでありますが、暦年が変りましたら、もう少し鉄の供給が楽になり、値段も下るのではないか、かように考えております。 それから財政投融資は、これはなかなかむずかしい問題で、その財政投融資の資源をどういうふうにして捻出をするか、そこで例のアメリカからの余剰農産物の買い入れというような問題も起きて、今大体余剰農産物の受け入れば、方針としてはやるということに閣議できめまして、具体的に目下どういうようなものを入れる、それから見返り円資金をどういうふうに使うかということについては、検討をこれからいたすつもりであります。そういう資源の問題がありますが、その財政投融資の資源を一つ確保するということが第一でありまして、それからそれをどういうふうにして分配するかということは、今まだ、たとえば電源開発とか、そのほかあるいは農林関係とかいうものに分配するのでありますが、これは今まだ確定しておりません。検討いたしておりますが、私どもとしては、できるだけ電源等にたくさん回して、一つ今の隘路になりつつあるエネルギー資源の今後の供給に十分寄与するようにいたしたいと考えております。
○藤田進君 官房長から一つ提出法案ですね、次の……。
○政府委員(松尾金藏君) 臨時国会に通産省から法案として提出するものは、御承知のように臨時国会にはないわけでございますが、今御質問のございました点は、次の通常国会にどういう法案の準備をしておるかというふうに相なると思います。 もちろん、これはまだ私どもの事務的に検討中の段階でございますので、その意味でお聞き取りを願いたいと思いますが、まず通商振興の関係から申しまして、現在通商振興の関係で問題になっております、たとえば貿易商社の海外輸出に対する、あるいは輸入に対する過当競争を防止するということのために、現在ございます輸出入取締法の一部を改正いたしまして、たとえば輸出組合の機能を強化し、あるいはアウトサイダーの規制の強化というような点を加味する一部改正の法案を検討いたしております。また同じ通商関係におきまして、御承知のように、従来輸出検査の制度を輸出品取締法で実施をしてきておったのであります。この点前々から輸出検査の本来的な姿である第三者による強い検査制度を実施することを従来から検討してきておったのでありますが、その意味で現在の輸出品取締法が不十分な点がございますので、その改正をいたしまして、第三者検査による一部強制検査の拡大を行いまして、輸出品の品質等の確保をはかるということを検討いたしております。なお、同じ通商関係で海外投資の振興の問題がございますので、この点で、海外投資の面で、従来輸出保険法でカバーし切れなかった面の改正をいたす意味で、輸出保険法の一部改正の準備をいたしております。 なお重工業の関係におきまして、また基礎的な産業部門におきまして、従来独占禁止法の問題について、独占禁止法の一部改正が必要ではないかという点が議論になっていることは御存じの通りでありますが、これらの点を加味いたしまして、これはまだ研究段階でございますが、たとえば現在の鉄鋼業、あるいは化学工業というような重要な部門につきまして、独占禁止法の一部緩和、さらに鉄鋼なり重化学工業の基本的な計画を実施するような、また助成をしていくような意味の立法を検討いたしておりまするし、あるいはそういう事業別の法律ではなくして、全体を、もっと基礎産業をもう少し抱括的な意味で取り上げる産業調整法というようなものも検討いたしておりますが、これらはどちらにしますか、今後の検討に待っていきたいと思います。 なお、中小企業の関係におきまして、現在中小企業の対策の審議会で審議をしておりますが、その関係の結論を得ますれば、中小企業の組織法の改正をいたすということに相なると思います。 なお、電気事業につきましても、従来の公益事業、電気事業の法律の関係は当然新たな事業法の制定を要する時期に至っておりますので、これも法案の内容を検討いたしております。 一応現在までのところでほぼ提出の見込みが確実だというものは、ただいまのような点でございます。
○藤田進君 今の大臣からの御答弁、それぞれさらにお伺いいたしたいところがあるのでありますが、私ちょっと今議運の方がぜひ待っているから出てこいというので呼びにきていますから、非常に残念ですが後刻に譲らざるを得ません。 今官房長からの予定されて、内閣でもこれをさらに引き続き検討するという立場からの説明がありましたが、これらの点については、できれば今回すぐに今の点も、法案を名称としてもずっと明示して資料を出していただけばけっこうだと思います。そうして、これは従来おやりになっている通りで、簡単な要点、趣旨をお書きになって、それが果して通常国会の劈頭に出るものか、相当会期もおそくなって出るものか、従って、当参議院としては議了し得るものか、あるいは審議未了か継続審議になるのか、いろいろな事情もあると思いますし、これは本日直ちでなくていいですから、会期中にぜひ資料として出していただきたいと思います。 それから電源開発会社の人事については、まことにお尋ねしてみて、御答弁ではりっぱな人事をやったように自画自賛に聞こえるが、実際のあの当時の実情からみれば、非常に人が変ってきたと思います。藤井副総裁を擬せられ、あるいは今言われた松永氏、あるいはまた堀新氏、さらに内海氏というようなそれぞれの方々に転々としていって、おそらく前例のない複雑多岐にわたる奇々怪々の人事であったように思います。最後は所管大臣の必ずしも好んだ人事ではなかったようです。どこからか突如として第三の候補が出てきて、世上あぜんとしたような実情だったと思う。電源開発株式会社が半年や一年の事業を担当しているような会社でなくて、非常な長期計画のレールの上に乗った仕事をする、一開発だけ見ても、優に二年ないし三年、それ以上かかるという長期にわたり国家資金を使っての大事業をやる、一千億の資本をもってやる特殊会社について、突如としてああいうことに落着して、しかも、さらに総裁はそれとして、副総裁の段階になり、さらに今日のあの電発の理事のあれを見ると、あの仕事をやっている最中に、ほとんどといっていい実務担当の理事は解雇されてしまった。どういう失態が過去に彼らにあったのかわからないけれども、しかし、私は個々のだれかれがいいとか悪いとか言っているのじゃないのです。通産行政の一環として重要な人事として今まさに五カ年計画の事業を遂行しつつある会社の人事としては何か疑獄か、いわゆる汚職があったか、重大な不適任の事情がない限りあまりにもどうも総裁以下、あれが政党人事の実態かもしれませんが、私はどうも理解できないものがあるのですね、実務担当の理事も二名交代させたではありませんか。そうしてあとは世上これを結果的に論じている人が通産官僚の巣くつになったというような批評もある、これはどういうふうにお考えになりますか。ほかの短期に勝負のつく会社と違って、あまりにもあれでうまくいくのだろうか、しかも、就任したあとの総裁以下理事に至るまで、身分に非常に不安を感じておる。また内閣が変れば一体理事がいつまで続くのか、本気に仕事をしていけるかということになると、私は非常に重大だと思うのです。この点はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(石橋湛山君) まあ一言して私の手ぎわが悪くていろいろ問題を起したようであります。この点は恐縮しております。ただ、私は電源開発というものが今までいろいろ小坂総裁がやっておられたのですが、種々なるうわさやら何やらありまして、この際すっきりしたものにする必要がある。それともう一つは電源開発というものと、それからほかの電力会社との間が必ずしもうまく今まで行っておらなかったというようなふうにも見えますので、この点も十分電力については電源開発会社とそれから電力会社みな協力してやってくれるような態勢を作りたい。こういう点から人選を考えたのであります。それで先ほどお話がありましたように最初堀君が適任であろうというので、堀君に話したことも事実であります。しかし堀君は固辞してどうしても受けないというので、松永氏になりました。それがさっき申し上げましたような事情で松永氏に退いてもらって、それで内海氏になった。実は私内海氏は直接知っておらなかった。でありますから、ほかから推薦されたのでありますが、しかしいろいろ聞いてみまするのに、大へん公正な人で、また技術の上においても明るい人だということで、それで内海氏に会いましたところが、しっかりやれるだろうと、私もそういうふうな判断をしまして、それで内海氏に頼むことになった。あとの人事は総裁に全部一任した。あの中にいろいろうわさが出ておりますが、どれほどそれがあるかということは言えませんが、まあ種々今までは会社の調和がうまくとれておらなかったようであります。そこで新総裁に全部一任しました。決して通産官僚云々ということでなくて、役所の方としては何も干渉せずに、あとの副総裁以下の人事は新総裁に一任して、新総裁の決定したものをわれわれは承認したというのが事実であります。その間、別段何もございません。
○藤田進君 その点、時間がないので、私もその実情はある程度、知っております。総裁以下の人事は総裁に一任された。大臣はそうなされたのでしょう。一説にはそういうお話もあって、それ以下はお前たちに頼むというお話しであったようであります。総裁にまかせてやったと言われるが、なかなかそうじゃないのです。その間のいきさつは一々申し上げませんが、大臣が大物大臣だけに、総裁だけきめたらあとはお前たちにまかすということが、ある種の弊害が出てきておる。たんたんときまったように思われますが、それはなかなかそうばかりいかない。やはり人事というものは仕事の能率を左右しますから、大臣はもう少し見られてよかったのではないか、総裁だけに苦労して、思いがけない総裁がきまったのでしょうが。だからあとは知らぬとさじを投げられたなら別ですが、そうでなければ、私はやはりこれは将来のできばえを見ざるを得ませんけれども、非常に遺憾とするものであります。 鉄鋼についてはまだ他の委員から質問があろうかと思いますが、私はあれで満足したわけではありませんが、一応時間がありませんので、引き下らざるを得ません。
○理事(阿具根登君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(阿具根登君) 速記を起して。
○相馬助治君 私はこの際、大臣にただ一つだけ承わりたいと思います。 それはこの予算編成期に当りまして、明年度の日本の通産行政の基本を決定する重大な時期にありますので、この際、中共貿易に関する基本的な私は政府の方針を承わりたい。実は先般の鳩山総理の演説の中にも、これらの点について何らか触れるところがあろうかと期待したのでございますが、それらについては触れておりません。そこで私は具体的に大臣に承わりたいと思いますことは、先般北京における見本市は非常に成功であったことは私どもも喜んでおりますが、この見本市に個々の禁輸の品物が展示され、具体的に言えば機械類が展示されて、この種のものが中共側の目をみはらせ、かつきわめて好評であったというふうに承わっております。従前もこの禁輸品については通産省は特認の制度によって少量の輸出は認めていたようでございますけれども、今般見本市に日本の優秀な機械類を展示し、これに対する中共側の輸入の希望というものも増大してくるであろうというこの際に、特認の制度によって、この種の輸出を認めていこうというようなこそくなことでは、もうだめな段階に到達しておるのでは広いかと、かように考えます。これらの問題を含めて、この際大臣としては中共貿易伸展のために、どのような基本的な構想をお持ちであるか、この点と、もう一つはこの問題に関連しておるが、例の即売品の粗悪品の問題は、非常に大きな問題として私どもを驚かせたのですが、その後聞くところによると、これはうわさほどでなくて片づいたと、楽観的な放送がなされております。私はこれが事実ならば、非常にけっこうなことであると思いますけれども、大臣もすでに御了承の通りに、政治的に考えてみて毛澤東以下中共の首悩部は現在非常に親日的です。昨年私もあの国に行って、これら首悩部と会談する機会に恵まれた者ですが、これらの人たちはきわめて、日本と何とか仲良くしていきたい、こまかいことは言いたくない、こういうふうな考え方ですが、これを私は甘く見てはならないと思う。これは政治的な考慮であると思うのです。そうしますと、将来の国際競争の激化を考慮いたします場合に、この際適切な手を輸出品について打っておかないと、これは大きな間違いになると思うので、粗悪品の問題はもう片づけたというような気楽な考え方を大臣はよもやお持ちになってはいないと思いますけれども、その辺のところをどのようにお考えなのか。かつまた、検査制度その他については、立法の用意があるということも承わっておりますし、新規に中共向けの輸出適格品の育成についても考慮中であるやに承わっておりまするが、これらの具体的な問題を一括いたしまして、この際大臣の中共貿易に関する基本的な方針を念のために承わっておきたいと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) やはり日本としてはココムの関係で、やはり特認制度を利用していくというのが筋道であると思います。しかし、これはあまり公表もできないようでありますが、だんだんそれが緩和されつつある。実際において英国その他がどんどんやっているのに、日本がひとりやらないというようなうわさがありますが、そういうことは私はないと思います。先方が出しているものは、これは日本もむろん出せるし、出す方針をとっております。決して外国のみが出して、日本が出せないということは今までもないし、今後も広いと思います。それからあれには、見本市のときもなかなか問題でありまして、前にもどこかの国がやはりやろうとしたときに、禁輸品が輸出できなかった例があるそうです。表向きココムと交渉してもむずかしいというので、いろいろ時間をかけてすったもんだをしたのですが、結局のところでは、大体の意向はあの程度のものは出してもよかろう、こういう日本の独自の判断に基きまして、しかしあとでしかられたらしかられたときの話だというので、少し思い切って出した。幸い別段の問題もなく、ただしあれはみんな持ち帰るという約束で出したのであります。それに引き続いて多少日本のやはりああいうものが、農機具などは売れるようであります。それはそれとして輸出をするつもりで今交渉中であります。 それから粗悪品のやつは、言ってきた人が少しあわてた点もあったらしい。あとで調べてみるとボールペンが中にしんがなかったのは、買った人が使い方を知らないからしんが出なかったというのもあるそうであります。しかしいずれにしても万年筆の中にはある程度粗悪品もありました。検査制度は官房長が申しましたように前から変えるつもりで研究しておったのでありますが、たまたまああいう問題がありましたから、あの問題も加味して輸出品の検査制度については研究しておるわけで、今度上海でやるのですが、これも中共側も即売品の希望があります。相当なものが出ているのであります。中国側を決してなめてはおりませんが、中国側も粗悪品の問題については十分了解をしてくれたようでありますから、なお十分気をつけまして、上海においては一そう効果が上るようにいたしたいと考えております。
○相馬助治君 念を押しておきたいのですが、そうすると、政治的に解決がつく範囲内においては、特認の制度並びにそのワクはできるだけ拡大して、中共貿易に資したいという御確信のように承わっておいて差しつかえございませんね。
○国務大臣(石橋湛山君) その通りです。
○加藤正人君 委員長から御注意があったように、時間が十一時半までということですので、重点的にちょっと大臣に伺いたいのでありますが、ただいま中小産業施策の大綱を承わったのでありますが、その第一に、輸出の増加について非常に強調されておったのでありますが、日本の繊維工業の従来の市場はだんだん狭くなりまして、自然日本の繊維工業は品質を高度化いたしまして、そうして市場を転換して、ぜいたくな生活をしておる国に、量はとにかく、質のいい値段の高いものを売っていくというふうな方法を今日たどりつつあるのであります。そういう方針からいきますと、ワンドル・ブラウスに端を発して、サウスカロライナその他で日貨排斥というか、また、一時は米国の議会で問題になった日本品に対する輸入割当というような問題も起ったのです。当時はこれは日米通商条約違反であり、米国憲法にも違反する問題であるというようなことが騒がれたのでありますが、当時たまたま米国大統領選挙の前であったので、米国政府も日本には相当の好意を持ちながらも、これを明らかにするわけにいかなかった。つまりそれらの排斥措置を押えるということができなかった。それらをわれわれは察して多少消極的にしておったのでありますが、今日は選挙も済みましたので、ややそういう面についても緩和されるような政策が具現されるものと思ってわれわれは期待をしておったところが最近大体米国と打合せの上にわが国から自制的措置をとった、輸出の数量を三億七千万ヤールというものに対して、最近ではまた品種別に規制するというようなことになりますと、結局総額として二億二千万ヤールを切れるのではないかというような、非常にわれわれとしては意外な結果が起るので、このことについて数日前紡績協会の阿部君が行ってあなたに陳情をしたと思うのですが、アメリカではこれを議会の問題にしておる。われわれも日本国の国会としてあまり、いわばアメリカの措置がわれわれとしては不満である。援助より貿易というようなことを考えられつつあるにもかかわらず、それと反対な行き方に見えるのです。これもこの際厳重に日本政府から、従来は業者同士でなるべく円満に片づけたいと思ったのですが、どうもそれだけではいかぬように思う。これは緊急に一つ適切な強硬な手段をとっていただきたい、こう思われるのであります。大臣はこの点についてどういう見解を持っておりますか。
○国務大臣(石橋湛山君) お説の通りで、相当強硬の態度をとっておりまして、今アメリカ政府に交渉を始めております。
○加藤正人君 始めたのですか。
○国務大臣(石橋湛山君) はあ。
○大竹平八郎君 もう時間がないようですから一言。先ほどあの中共貿易に関連いたしまして、その見本市における不正品の販売の問題という点が出たのでありますが、私どもはあの当時の状況を見まして、どうも不正品それ自体というものは非常に悪いことだから、あくまでもこれは大いに一つとっちめてしまなければならぬということはこれは当然でありますが、しかしながら、ああいう大きな騒ぎになりまして、この日本の雑化工業というものは、御承知の通り中小企業がほとんどやっておるわけで、海外に及ぼす影響というものは非常に大きいのですね。まあ、たとえて申しますならば、雑貨工業というようなものは、そう今中共が市場ではないので、むしろ東南アジアその他が大きな市場で、万年筆のごときは昨年中共自体が五十万ダースほど東南アアジに出しておる。こういうようなことで、しかるにかかわらず今大臣もお話しになったように使い方も知らなかったのだと、そういう誤まりもあった。それにもかかわらず当時の一体閣僚諸公の騒ぎ方というものには私どもは実に驚いた。もう少し襟度をもって貿易全体というものをお考えになってやっていただかないと、中共だけが決して貿易市場じゃない。むしろ中共貿易自体から慰さめられて、そうして安心したというような格好では、私どもは今後の大きな意味でいう全体の貿易の、ことに雑貨が日本は主力を上げなければならぬ、中小企業のために非常に遺憾にたえない、この点は今後ぜひ御注意願いたい。
○近藤信一君 時間がだいぶ迫っておりますから一点だけ一つお尋ねいたしますが、近く日ソ共同宣言が批准されようとしておるわけでございますが、そこで過日も日ソ関係四案件の提案理由の中で説明されたように思いまするが、それを見ますると、この宣言の中の内容は十項目にわたってなされておる。その第七項目に通商に関する条約、または協定の締結のための交渉開始につき定めておりますと、この第七項がございます。ここの第七項に基いてさらにこれと同時に通商に関する条約または協定の締結交渉開始の規定に関連して、これらの条約または協定の締結されるまでの経過措置として、相手国の産品の輸入及び自国の産品の輸出並びに港湾における相手国の船舶に対して与えられる待遇を定めたものが共同宣言と同時に署名されておる、署名されたとこうございますが、こう見ますると今後の日ソ貿易について大臣は基本的にはどのように考えておるのか、これが第一点。 いま一つは、先ほどの中共貿易に関連しておるわけでございますが、大臣は日ソ国交調整の問題について、非常に熱意をもって進められてこられたわけなんです。さらに今日問題になっておりますのは、先ほどの施策の大綱の中でも言われましたが、中共との貿易については、民間諸団体がいろいろと今日やってきておる。しかし、まだ政府としては中共との問題については何らの方針というものは私は具体的に立てられてないと、こう思うわけであります。そして次期総裁の有力な候補者として大臣があげられておるわけなんですが、もし大臣が次期総裁になられた場合ですね、今後の中共との国交の調整に対してどのような熱意を持っておられるのか。この二点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) 中共との関係は、むろん日本としては、私は個人として始終外国にもいっているわけでありますが、今までの歴史から見ましても、どうしても日本としては中共との関係、ことに経済関係を緊密にしなければならぬ。ただソ連と違いまして、御承知のように朝鮮事変以来国際連合でも中共というものを侵略国という焼判を押して、それが今までとれない。しかも、感情的に中共に対しては非常に悪いというのが現代でありますので、にわかにソ連に対すると同じようなわけにはちょっといきにくいのでありますけれども、この状況もだんだん緩和する傾向がありますので、少くむ貿易については、中共に対するものはなお増進ができると思っております。たとえば支払いの問題、あるいは通商代表の問題等も、これは何かの方法で外交官待遇を通商代表に与えるというわけにはこれは参りませんけれども、しかし先方にも相当満足を与える方法を持って話し合いがつくものと私は思っております。そういうことで、一つ実際上そういう取扱いを適当にいたしまして、そうして中共との貿易はもっと増進をしていくような方向へは進めたい。かように考えております。
○理事(阿具根登君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(阿具根登君) 速記を起して。
○政府委員(松尾金藏君) お手元に通産省の来年度の予算の概算要求重要項目を摘出したものをお配りしてあります。この予算編成、予算要求の基礎となります通産省としての政策の考え方につきましては、先ほど大臣から概略のお話がございましたし、なお、お手元に印刷したもので、今後の通商産業施策の大綱というものをお配りしてあると思いますが、これでまた後ほどお読み取り願いたいと思います。 この施策大綱にうたっておりますように、予算要求の政策の大きな柱といたしましては、輸出の振興とそれから産業基盤の強化、それから鉱工業技術の振興、さらに中小企業の振興対策、まずこの大きな四つの柱を立てて予算要求の重要項目といたしておるのであります。 まず、その貿易振興対策といたしましては、この予算要求表に掲げてありますように、総額三十九億、約四十億の予算要求をいたしております。その重要な項目といたしましては、各項目に掲げておりますように、日本商品の海外宣伝、また国際見本市の参加、あるいは海外市場の調査、貿易あっせん事業の助成、こういう各重要項目につきまして、現在のところ、御承知のように大体ジェトロを中心といたしまして、このような貿易振興対策をやってきておるのでありますが、来年度も引き続きまして、事業の主体はジェトロを中心といたしまして、さらにそれに相反しまして、関係の輸出組合でございますとか、また事業団団体等がこれを相助けて、ジェトロの事業を遂行いたすようにやっております。 なお、輸出振興対策と相関連いたしまして、来年度は特に海外投資と申しますか、海外に対する経済協力の対策を強くうたっておるのであります。その問題と相関連いたしまして、この予算表の三ページの終りの所にございます輸出保険特別会計の基金の増額を十億要求いたしております。これは先ほど大臣からも御説明いたしましたような意味で、海外投資に対して、その危険に対する保険制度を拡充する意味で、特別会計の基金の増加を要求いたしておるのであります。 なお、輸出振興に対しましては、海外に対する輸出商品の意匠、また包装、そういう点に海外の要求に合うように施策をしなければ相なりませんので、その意味で四ページ以下にそのような意匠に対する対策その他を掲げておりますが、なお、先ほど御質疑がございましたように、中小企業の輸出部門における輸出産業としての重要性にかんがみまして、中小企業の輸出振興費を特に計上いたしております。 次に、鉱工業技術対策でございますが、これは五ページの所以下に掲げております。この関係は来年度四十七億の予算要求をいたしておるのでありますが、これは御承知のように、国の鉱工業技術の研究なり、また、振興に関する国の試験研究機関、また府県その他公共団体の試験研究機関、これらに対しまして、その試験研究の施設の拡充をいたしますと同時に、その試験研究の各項目の拡充をはかりまして、その実施に対する予算であります。 さらに民間の試験研究機関に対する助成策、補助の関係は、従来に引き続きまして鉱工業技術試験研究補助としてここに掲げておる次第であります。 なお、この鉱工業技術の振興の関係で、来年度特に電子工業に関する問題を大きく掲げておるのでありますが、これらはさらにそのあと出て参ります産業基盤の強化の所にこの問題を一括計上いたしております。 なお、この鉱工業技術の振興の問題と相関連いたしまして、御承知のように特許の制度が、従来特許権、意匠権、商標権等の、いわゆる特許の事務が現在かなり仕事がおくれておることは、かねがね指摘されておる通りでございますが、そのために特許行政に関する事務費の増加要求をいたしておりますが、その内容は、十一ページに特許行政促進費といたしまして、一億八千三百万の予算要求をいたしております。これによって現在おくれがちである特許行政の促進をはかりたいというふうに考えております。 次に、七ページの所以下におきまして、中小企業対策の予算要求をいたしております。この内容につきましては、現在中小企業に関して審議会の審議が行われておるのでありますが、近くその最終的な答申を待ってその施策を誉めなければならないわけでありますが、大体ここに掲げておりますような予算要求が重要な項目に相なるであろうと思います。金額といたしましては、五十一億の予算要求をいたしておるのでありますが、従来に引き続きまして、中小企業に対する振興指導、またその中小企業の組織化に対する助成、またその企業診断に関する費用その他をここに計上いたしておるわけであります。 九ページ以下に、産業基盤の強化という項目でまとめておる重要施策の項目につきましては、来年度三十二億の予算要求をいたしております。この関係は、その内容といたしましては、九ページの所に掲げておりますように、産業の合理化、また企業の置かれております環境整備という意味のことをまず掲げておるのでありますが、生産性向上に対しての補助金、またその次に掲げております工業用水、また産業立地条件の近代化、工場排水の処理、これらの点は、各企業が置かれております環境を、国の補助金で整備をしてやるという意味で、鉱工業地帯整備ということをうたわれております点も、こういう項目に相なるわけであります。実はこの産業立地条件近代化という意味で掲げておりますこの金額は、わずかに八千九百万という金額になっておるのでありますが、これはもともと産業立地条件の整備は、従来大体公共事業で行われてきておることは御承知の通りであります。従いましてこの鉱工業地帯整備の重要な事業の補助金なり事業費という点は、結局やはり公共事業費の方に計上されると思うのでありますが、その公共事業費の使途、使い方につきまして、鉱工業地帯整備にマッチするように、適応するような使い方をするような方法を考えなければならないのでありますが、ここに掲げております産業立地条件近代化の費用というのは、そういういわば事務費的な考え方のものでありまして、本来的な事業費は公共事業費の方に出てくることに相なるわけであります。ただ、工業用水の関係は、これは御承知のように、すでに工業用水に関する特別立法をこの前御決定に相なっておりますので、来年度十億の予算要求をいたしまして、本年度に引き続きまして工業用水の確保の事業を拡大する考え方に協力いたしておるわけであります。 さらに、産業基盤強化で、その機械工業でございますとか、また鉄鋼、また地下資源の、いわゆる基本的な産業に関する振興対策費を、九ページの項の半ば以下に掲げております機械工業振興費、それから電子機器工業の振興費等がこれに当るのでありますが、先ほど申しました電子機器工業に関する技術の向上その他の費用といたしまして、来年度八億四千万の予算要求をしておるのでありますが、これは従来とも電子機器工業の振興策はとっておるのでありますが、残念ながら電子機器の生産の面もございますけれども、その試験設備について、従来完全なものがございません状態にあったのでありますが、この試験設備を拡充することによって、電子機器工業の品質の維持向上をはかるという点が予算要求の一つの大きな眼目になっておるのでありますが、さらにこの電子機器工業全体につきまして、将来基本的な対策を立て、またその施策、補助等をやっていきたいということで、ここに電子機器工業の振興費を掲げておるのであります。 なお、十ページ半ばの所以下に、地下資源、天然資源の維持振興対策を掲げておるのであります。この点は、従来たとえば天然ガスでございますとか、あるいは未利用資源というようなことで、地下資源の開発対策をやってきたのでありますが、来年度は特に未開発地域の資源につきまして大きくこの開発を進めていきたいということに考えましたほかに、鉱山の開発につきましては、やはり鉱山道路の整備がなければ、その開発が実際上行われがたいわけでございまして、この点は来年度特に鉱山道路に関する補助金をここに組んでおるわけであります。 なお、地下資源開発の関係で、本年度におきまして、昨年度以来石油資源の開発が、そのための開発会社を設置、設立いたしまして現在その実施をいたしましておるのであります。この開発会社の事業が三十二年度は第三年度に入るわけであります。この石油資源開発のために来年度十八億の政府出資を要求いたしております。この仕事は、御承知のように新たな調査と新たな開発をやる部分でございますので、どうしても政府出資という形で、自由なといいますか、資金コストのかからない資金をこの開発会社につぎ込んでやる必要があるのでありまして、このために十八億の政府出資、同時にこれと相関連しまして、民間出資も並行的に求めるつもりでございますが、政府出資としてもぜひ十八億の予算を計上してもらう考えでおります。 なお、ただいままで申しましたような重要項目につきまして、四つの大きな柱を立てて予算要求いたしておるのでありますが、そのような問題とやや問題の性質は違うと思いますけれども、十二ページに掲げております、最後のところに掲げております項目によりますように、従来の防衛生産の特定設備の維持対策費ということで掲げておりますが、これは御承知の、従来の銃器弾薬の関係の設備が、いわゆる特需が非常に急速に減退をいたしましたけれども、将来の日本の防衛産業のために最小限度維持しなければならないものについて、その維持管理をするための費用を要求いたしておるのであります。 なお、鉱産物の調整の株式会社設置費というものを掲げておるのでありますが、この内容は、御承知のように日本の銅の値段が非常に乱調子に動いていることは、先般来御承知の通りと存じますが、非常に乱調子で、安いときにはいわゆる出血輸出をしなければならないし、少し海外市況の状況が変ってきますと、また高い銅を現在輸入されておるような状況であります。そのような非鉄金属の中で特に銅というような特殊のものにつきましては、ここで鉱産物の調整会社を作ることで、その価格の安定をはかりたいという意味の費用でございます。もちろんこれは政府の方の出資のほかに、現在産銅六社でこの価格調整のために若干の資金を積んでおります。それをさらに増額することで、その出資を半官半民の出資をすることに予定をいたしておるわけであります。 なお、鉱害対策につきましては、先般来国会でいろいろ御要求のございましたような点を加味いたしまして、来年度の予算要求をいたしておるのであります。 以上総合計をいたしまして、来年度二百四十一億の予算要求に相なるわけでありますが、本年度八十二億の予算に対しまして、来年度は二百四十億の予算要求に相なっております。この中には、先ほど申しましたように、相当多額の出資金のようなものが入っておるのでありますが、来年度の全体の施策のためには、ぜひこの予算の成立をはかりたいというふうに考えております。
○理事(阿具根登君) では御質問ございませんか。
○白井勇君 さっき、今お話しの通り、あれですか、鉱山道路ですか、これは通産省の直接あれですか。何か建設省に回られたのですか、そうじゃない、通産省直接のものですか。
○政府委員(松尾金藏君) ここに掲げておりますのは、主要な道路からさらに鉱山の方に入ります、何といいますか、枝葉になる、枝になる、非常にこまかい道路であります。この関係だけは通産省直接の補助金に計上してあります。
○白井勇君 それからそのほかにあれですか、資源開発道路というようなことは、一応あなたの方で要求されまして、建設省あたりに載るやつもあるのですか。
○政府委員(松尾金藏君) 従来はこのような鉱山道路につきましても、建設省の道路なり、その公共事業費の中に織り込んで実施をしてもらってきたのでありますが、まあ私どもの考えでは、たとえば林業の開発のための林道につきまして、農林省は林道開発のための補助金その他を組んで実施をいたしております。同じような意味で、鉱山の開発のための直接の道路だけは通産省の予算で補助金を出していこう、こういう考えになっておるわけであります。
○白井勇君 ですから、まあここにあがっておりますほかに、何かあなたの方で、一応計画を出されて、そしてその建設省の予算に盛り込んでいるような予算のものはどのくらいあるのかと、今お聞きしているわけですがね。
○政府委員(松尾金藏君) その関係は、ちょっときょう資料を持ってきておりませんですが、幹線道路の関係は当然建設省の方にお願いをするわけであります。また、道路のほかに、先ほど申しましたような鉱山設備でございますとか、その他を建設省の方の予算の中に織り込んでいただくわけでありますから、それは従来通り建設省と連絡をとって、予算要求の中に織り込んでもらっております。
○白井勇君 ではその予算の建前としまして、この鉱害対策費のところで、こういう他省分というふうにあります通り、普通は予算を出します場合には、やはり通産省に特にたとえば資源開発費を要求される。しかしこれは実際は建設省をしてやらしめるようなものは、やはりこれは他省分としまして、何かあがるでしょう。ですからここにあげているのは、鉱害対策費だけの関係ですからね。そうしますとことしから言うと、今年度は、鉱山道路だけのやつは、直接補助を出すのはあなたの方で、ここにある通りあるかもしれませんけれども、そのほかには、今申し上げている通り、一応計画を立てて建設省に回しているというのはないというのですか。それをお聞きしているのですが……。
○政府委員(松尾金藏君) この鉱害対策費の関係のところに、こういう予算の計上の仕方をいたしておりますのは、鉱害対策費は本来通産省で実施をすべき事業ではあるけれども、この他省分と掲げておりますこの分だけは、その関係省に、他省に予算を移して実施をするという形になっておりますので、ここに他省分という計上の仕方をしたのでありますが、先ほど申しました鉱山道路の元になる幹線道路につきましては、これは本来建設省なり、何触りの事業費であります。ただ、その建設省の事業のやられる際に、私どもの方から、こういう産業政策上の要求を反映するような公共事業をやってほしいという申し入れをするだけでございますので、こちらの方では建設省分とか、他省分として計上するわけには参りません。それは事実上の連絡をいたしておるわけであります。
○白井勇君 ですからことしは少くとも、今お話しのように、あなたの方でやるためには、いわゆる資源開発法として考えておるようなもので一応他省分として出ているものはないということで今承知していいわけですね。 そこで東北開発特別委員会というのが自民党にあるのですが、その方面から相当資源開発関係の道路関係ですね。これはあなたの方に要求を出しておる活動があると思うのですが、これをちょっと拝見しますと、どこにも載っていないのですな。そこの関係はどういうことなんですか。
○政府委員(松尾金藏君) その関係は御承知と思いますが、そのための特別の審議会があって、いろいろ検討されておる、相当具体的な計画ができておることは私ども伺っております。そういうことを含みまして、各項目の中に実は溶け込んで入った形になっておると思いますが、たとえばこの十ページのところ以下に新鉱床探査補助でございますとか、天然ガス、未開発地域の資源調査、先ほど申し上げました鉱山道路、こういうような点は大体、もちろんほかの地域もございますが、東北地域につきまして相当大きな金額の予算要求がこの辺に入っているということに相なるのであります。
○白井勇君 あれですか、特別委員会で要求を出してありますものは、どのくらい入っておるのですか。全部入っているというふうに考えていいのですか。
○政府委員(松尾金藏君) 東北開発、あるいは北海道開発というような項目につきましては、その計画は相当大きな計画になっておりますので、その全部が全部完全にこれに入っておるとは少し申しかねると思います。しかし、重要項目におきまして、たとえば地下資源の関係で申し上げますれば、鉱山道路の関係、炭鉱奨励の関係、資源調査の関係の項目におきましては、大体その大部分が東北、北海道に集中をしておるわけでありまして、これを三十一年度の実績等に比べますれば、この予算要求は各項目、大体従来の項目におきましても、数倍の予算要求になっております。それから従来なかった項目につきましても、それぞれ東北、北海道に集中をして予算要求をいたしております。もちろんたとえば東北開発等につきましては、そのために公社を作るとか、公庫を作るとかいろいろな案があるようでありますが、そういう組織上の特別の予算要求はいたしておりませんけれども、事業内容につきましては、大体各項目についてこの予算要求をいたしておるつもりでございます。
○白井勇君 そうしますと、くどいようですが、特別委員会の方からその要求を出しましたときも、相当あなたの方の予算の作業というものは進んでおったと思うのですが、委員会からの申し出を太れましてあなたは相当手直しをし、さらにまた大蔵省に出されました概算要求のほかに、その後追加要求をしたような格好になっておりますが、これは北海道を聞いているのじゃないのです。東北のことを聞いているのですよ。そこはどういうふうな関係になっておりますか。
○政府委員(松尾金藏君) 経過的に、時間の関係で申しますと、東北振興に関しての具体案がほぼ輪郭ができたころには、私どもの方にもまだ予算の要求は確定いたしておりませんでした。むしろ事の最初からそれを織り込んで予算の編成に入りました。なお、その予算の概略ができまして、また東北振興の方の関係の方々と予算要求の形でもお打ち合せをいたして、できるだけの予算要求についてかかったわけでございます。ただ先ほど申しましたような事業の内容を各項目にそれぞればらしてこういうような形には織り込んでおりますが、審議会で御意見のございましたような意味の公庫、あるいは公社というようなものは入っていないという形になっております。
○白井勇君 もう一つ、ちょっと小さなことですが、一番先にテレビ利用海外宣伝費補助というものが書いてありますが……。
○政府委員(松尾金藏君) これはジェトロが従来実施をしてきておるのであります。本年度におきまして特に米国、カナダというようなところにおきまして、おもな商品につきまして、テレビ宣伝を本年度もやっております。そのテレビ宣伝放送のための放送料でございます。あるいはフイルムの製作でありますとか、あるいはものによっては輸送費というような関係の費用を要求しておるのであります。
○西川彌平治君 ちょっと一点だけ。大臣はこの輸出品に対する第三者の検査を今度は制度確立をしたいということを先ほど申されたと思いますが、私、まことにけっこうなことであると思うのでありますが、この予算にその面が盛られておるかどうかということを第一に伺いたいのでございます。 それから通産省の予算が、もう年々われわれが考えているより非常に小額なので、実は遺憾に思っておるのであります。今年度は二百四十一億という予算要求をされておるということは、まこに私勇ましいような気がいたしておりますが、三十一年度では八十二億しか予算が通っておらんのでありますが、一体二百四十一億というような予算を要求していて、どの程度に一体取れるというような御見解でやっておるのか。数字を並べてよけい要求すればいいのであって、実際はこうだというようなことであっては、私は非常に困ると思うのですが、それに対する御見解、この二点だけを一つお伺いしたい。
○理事(阿具根登君) ちょっと追加しておきます。今のに関連しますが、三十一年度の予算要求はどのくらいであったか、そうすると三十一年度にはどれくらい要求をして八十二億の予算が取れたのだということになりますから、それもつけ加えて御説明を願いたい。
○政府委員(川野芳滿君) まことにありがたい御質問でありまして、感謝いたす次第であります。本年度でございますが、三十一年度の予算におきましても、相当の予算を実は大蔵省に御請求申し上げたのでございますが、残念ながら八十二億になった、こういう経緯でございます。今年もぜひ貿易の振興関係、あるいは産業の総元締である通産省として、中小企業の対策というようなことは、まことに重要な問題として取上げていきたい考えであります。この大きな問題に携わっている通産省でございますから、ぜひ要求いたしておりまする予算を獲得いたしたい、かように考えまして、目下大蔵省に交渉中でございます。何分にも昨年の実情等から見ますると、大蔵省の理解というものは非常に乏しい、こういうことを残念に思っておりますから、この問題についてはぜひ皆さんの御協力と御支援をあわせてお願いいたす次第であります。 なお他の点については官房長から御説明申し上げます。
○政府委員(松尾金藏君) 輸出検査の点は、第三者検査を特に強化するという意味合いでありますので、当然その予算要求に触れてくるわけであります。たとえば四ページのまん中に掲げております輸出品検査改善強化費、これで輸出品検査の基準をこの際さらに強化する。また、検査設備の改善に対する補助というようなものを、予算を要求いたしております。もちろん輸出検査は、全部を国営検査でやるという意味ではございませんで、いわゆる自家検査、輸出品を作るメーカーなりなんなりが、自分で検査するということを、第三者に輸出検査をしてもらうということがねらいでございますから、もちろん全部が国営検査という意味ではございません。この意味で、ここにこのように補助金を計上いたしておるわけでございますが、さらに五ページのところの初めから二段目のところでございますが、国営検査費その他につきましても、本年度の五千五百万に対しまして、一億一千万、約倍額の予算要求をいたしております。
○理事(阿具根登君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(阿具根登君) 速記を始めて下さい。
○島清君 通産省の施策についてちょっとお聞きしたいのです。今官房長の御説明になった問題に対する質問じゃないのですが、大臣がおられるときにお聞きしたいと思っておったのですが、次官がお見えでございまするので、一点だけお聞きしたいと思います。それは中小企業の問題についてでございますが、通産省の今年度の四大施策の一つとして、中小企業の育成と、振興を大きく取り上げておられるようでありまするが、中小企業の問題、それ自体については、私は後日掘り下げてお聞きする機会もあろうかと思いまするので、特に中小企業の問題の具体的な内容に入ってお聞きしようと思っておりませんが、中小企業の問題の育成、振興云々といいます場合にですね、いつも問題になりまするのは、大資本の圧迫の影響のもとにおける中小企業をどうするかというような問題が大きな問題になって取り上げられるわけなんです。そこで当然に、これを育成振興をはかる場合には、大資本に対する影響をどうするかということが問題になるわけですが、特に今年度において中小企業の育成、振興の立場から、私が今お聞きしようと思いまする点は、最近経済同友会の諸君が新資本主義の確立といいますか、こういう問題を取り上げて参りまして、そしてその内容とするところは公正の競争であるというようなことで、かなり中小企業の面に残酷に圧力を加えるような形のものが出てきておるんです。こういうものは今までにも中小企業は大資本の圧迫のもとにおいて、どうすればこれの育成と振興がはかれるかということを心配しておったにかかわらず、さらに経済同友会の諸君、これは独占資本家の集まりであると申し上げても差しつかえないと思うのですが、この諸君が新資本主義の方向を大きく取り上げて参りまして、そして公正競争という形で打ち出して参りましたところを見ますと、か触り今年度は中小企業の育成と振興をはかるに困難なる諸情勢が生れてきたんじゃないかということを私は心配するわけですが、これに対して特に四大施策の一つとして取り上げられた通産省においては、この経済同友会の方向に対して、あるいは討議を加えられて対策を講じられたことがあるかどうか、ないしまたないとすれば、この問題に対してはどういうふうに考えられて、中小企業の育成と振興をはかる立場においてどういうふうに対処されようとするのか、その考え方をちょっと次官にお聞きしたいと思います。
○政府委員(川野芳滿君) ただいまの問題に対しましては、通商産業省といたしましてはまだ対策を実は省として研究したことはございません。係りの方では対策を研究しておられるかもしれませんが、省として研究したことはございません。しかし、中小企業の振興の問題につきましては、どうしても中小企業者が団結をしてこれに当らなければならないので、こういう観点から、今先ほども御説明いたしたようでございまするが、組織を強化いたしまして、そうして組織の力で大企業等にも当る、こういうようなことから、ただいま中小企業の組織法という問題について実は検討中でございます。これはまだ結論は出ませんが、結論が出次第、次の国会に提案しよう、こういう考えで検討中でございます。
○島清君 今の次官の御答弁を伺っておりますと、これは経済同友会の諸君が、ああいう方向をはっきり宣明しない前から、中小企業を日の当る場所に出さなければならないというようなことの従来からの考え方の延長として、中小企業の組織化の問題が立法的に取り上げられなければならないという方向に取り上げられてきたと思うのです。そこで私がお聞きしたいのは、従来からも日の当る場所に中小企業を出さなければならないというて苦心をして参ったんですが、経済同友会の新しい方向の打ち出し方によって、さらに中小企業が困難なる情勢に直面するんじゃないかというようなことをお聞きしたいのであります。もし討議をしておられなければ、これは最近の問題でありまするので、直ちに考え方をお聞きしようと思っておりませんが、大きな問題だと思いまするので、中小企業の育成振興をはかられるということについては、これに圧迫を加えてこられるというような新しい要素に対しましても、通産省といたしましては真摯に御検討を願って、そしていつもは通産省は正直なところを申し上げますると陰口をたたかれておったわけですね。大資本家の擁護に当る官庁であると陰口をたたかれておったわけです。また、われわれが見る場合にも、中小企業庁はございまするけれども、ほんとうに中小企業庁あたりもまあ無用視するというような傾向で、まま子扱いをされておるというようは実情などを考えまする場合に、やはり通産省にもう少し中小企業の振興ということについて本腰を入れてもらいたいという希望がございまするので、この経済同友会のこの方向の新しい打ち出し方に対しては、その意味において真摯に一つ御検討を願いたいと思うのです。後日またその御検討の結果を一つお知らせいただきたいと思います。
○西川彌平治君 本日はこの程度で一つ散会してはいかがでしょう。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(阿具根登君) それでは先ほど懇談の席上で御相談申し上げました社会労働委員会に付託されております「電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律附則第二項の規定により、同法を存続させるについて、国会の議決を求めるの件」につきまして、同委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(阿具根登君) 御異議なしと認めてさよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会