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25回国会参議院1956/12/12

社会労働委員会 第13号

発言数
182
登壇者
23
会派数
3
開催日
1956/12/12

会議録

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) それでは、社会労働委員会を開会いたします。  委員の異動を最初に報告いたします。十二月六日付をもって木島虎藏君が辞任され、その後任として、郡祐一君が選任されました。ついで十二月十日付をもって藤田進君、阿部竹松君、阿具根登君、栗山良夫君、田畑金光君が辞任され、その補欠として、山下義信君、藤田藤太郎君、木下友敬君、藤原道子君、片岡文重君が選任されました。十二月十二日付、藤原道子君、郡祐一君が辞任され、その補欠として、坂本昭君及び勝俣稔君が選任されました。     —————————————

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 社会保障制度に関する調査の件を議題といたします。  まず、無名戦士の墓に関する件を問題いたします。  本件の質疑を行いますが、ただいま田中官房副長官が出席されております。御質疑を願います。

山下義信日本社会党

○山下義信君 官房長官にお尋ねいたしたいと思いまして、しかも官房長官に対するお尋ねは、無名戦士の墓の問題につきましての一応の関係の深い厚生大臣その他文部大臣等に伺ったあとで、総括的にまあ政府代表という立場で、官房長官に伺いたいということが私の実は出席を願いましたことであるのでありますが、せっかく田中副長官が見えておられますので、しかも田中副長官には、無名戦士の墓、閣議決定の正式の、いわゆる決定のお名前では、無名戦没者の墓の建設につきましては、非常に御尽力を賜わった方でありますので、事務的というよりは、あとで長官がお出ましになれば重ねて伺いますが、田中副長官を通じまして、政府の所見をお尋ねしておきたいと思うのであります。  この無名戦没者の墓の建設につきましては、すでに周知のごとく、海外の戦没者の遺骨の収集、ことに力強くその計画を要望いたしましたのは、先年当委員会がことに熱心に政府に願いましたのであります。その当時から、無名の遺骨の埋葬すべき用意等につきましても、政府の御準備をお願いしてありました。そういう因縁もありまして、従来深い関心を持っておったのでありますが、今回政府におかれて、この問題に熱意を傾注していただいて、多年懸案になっておりましたこの建設の促進に御尽力をいただいたということは、私どもといたしましても、大いに感謝するところでございまして、また、その建設自体につきましては、言うまでもなく、われわれといたしましても、誠意を傾けて賛意を表するものでございます。一日も早く建設が終了いたしますことを衷心熱望いたしておるのでありますが、しかし、私どもといたしましても、この際実は申し訳ないと思っておるのでありますが、それは、この建設につきましては、国会におきまして熱心にこれがその実現を希望いたしますということを、熱烈に国会を通じまして、その意思が現われますることをいたすべきである、しかるに、われわれが国会を通じましてこれを要望いたしますることが不十分でございまして、政府の方々に一方的に御尽力をわずらわしておりましたということにつきましては、私どもといたしましても申し訳ないと思っておるのであります。しかし、今後とてもなお国会におきまして、この建設に十分熱意を披瀝いたしまして、そうして賛同の意を明らかにする機会もあろうかと思うのであります。先日、無名戦没者の墓が閣議でさらに御確認になりまして、このことが御発表になりました直後に、朝日新聞の社説におきましては、この無名戦没者の墓の建設が、政府においてのみ一方的にその計画が進められるということは物足りない、何とか国民の総意を傾けて、国民の熱意、国民全体が建設を発起するというような形がとれないものであろうか、ことに国会においてそれらの要望が声高く叫ばれてくるということはきわめて望ましい、そういう形で建設されてこそ、この無名戦没者の墓は非常に意義深いものになるのであるということが、朝日新聞の社説にも指摘せられてありました。そこで、政府におかれましては、ただこれが一つの行政措置だというような意味のものであってはならぬのでありまして、いろいろな事情におきましては、そういう段階もあり、そういう意味で出発されますことはけっこうでございますが、何とかして、国民の総意を込めてこれが建設なされるというようなことにお取り計らいのできるような方法が何かないものであろうか、政府において何かそういうことをお考え下さるということはできないものであろうかという点が、今日お尋ねというよりは、御相談申し上げたいところであります。  そこで、たとえば費用につきましても、予備費から支出する、予備費の支出は政府におまかせしてあるわけなんであります。つまりまあ語弊があるか知りませんが、ただ政府、すなわち役人だけがこの建設に狂奔して、役人の手によって建てられたというのではなくして、国民の熱意、誠意、戦没者に対する敬意というようなものが皆込められて、そうして国民総発起でこれが建設されるのであるという形のものが、またそういう精神が込められて建設を進めていくという方法をとりたいのであります。いろいろお考えいただく方法もあろうかと思いますが、何かそういう点につきまして、政府におきましてお心づきのところがありますかどうですかという点を伺いたいと思うのであります。

田中榮一内閣官房副長官

○政府委員(田中榮一君) ただいま山下議員の無名戦没者の墓の建設につきましてのお尋ねに対しまして、私から知り得る範囲におきまして、また、お答えできる範囲におきまして、お答え申し上げたいと思います。  この無名戦没者の墓の建設につきましては、すでに御承知のように、昭和二十八年十二月十一日の閣議決定によりまして、無名戦没者の墓に関する件として、これが建設に関することが、一応要望だけが決定いたしておりまして、その後、敷地の選定の問題、その他いろいろの事情からいたしまして、大へんこの建設に関する出発が遅延いたしまして、この点は非常に政府としてもまことに申し訳なく考えておったのであります。たまたま、先月の月末の閣議におきまして本件が取り上げられまして、この際、早急に無名戦没者の墓の敷地を早く選定をして、今後の計画を樹立すべきであるということが、閣議全体の熱望によりまして、早急に関係者のお集まりを願いまして、その後の経過なり、それからまた、今後の行き方につきましていろいろ御相談を申し上げたのであります。本件につきましては、すでに山下議員も御承知のように、昭和二十八年、九年にかけまして国会の関係者の方々も中に入られ、また、関係団体の方々も御一緒にいろいろと御協議をいただきまして、その後ある程度進行をいたしておったのであります。ただ問題は、敷地の問題その他靖国神社等の関係等からいたしまして大へんおくれたのであります。さような関係で、先般厚生大臣におかれまして、関係者の方々並びに関係団体の代表者の方々にお集まりを願いまして、目下政府において考えている敷地の件につきまして、率直にお話を申し上げましたところ、さしあたって、千代田区三番町の、もと宮内庁の関係の官舎があった、また賀陽官邸のあった跡、それが現在宮内庁の行政財産になっております。これが約六千坪ほどございます。そのうち三千坪ほどを一応この敷地に充てたらどうだろうかというようなお話がございました。関係団体の方がいろいろ御議論をされまして、幸い結論に達しまして、一応ここに場所を選定することを、とりあえず十二月の四日の閣議におきまして、この千鳥ケ淵をその敷地とするという決定をいたしたのでございます。そこで政府としましては、現在その敷地を選定いたしますと同時に、地ならし工事というようなものもなるべくならば早くやらなければならぬというので、現在それを急いでおります。ただ、予算の関係からいたしまして、予備費からこういうものを出すよりは、やはり三十二年度予算に堂々とこれを要求いたしまして、三十二年度予算において本格的なものを建設した方がいいのではないかというので、ただいま財務当局と折衝を続けておる次第でございます。従いまして、まだその具体的な計画というものは、まあその程度に進捗いたしておりまして、規模をどうするとか、今後の維持管理をどうするとかいうところまではまだ具体的にいっておりません。今お話のように、この無名戦没者の墓というものは、これは政府の行政措置のような、そんな単純なものでこれをやるべき性質のものではないとわれわれも考えております。これはやはりあくまでも国民の総意で、国民の熱情がこもってこの建設に当る、こういうような仕方が一番私はこの御慰霊に対しても適当ではないか、かように考えておる次第でございます。従いまして、一応政府側といたしましては、この経費を御負担いただきまして、規模であるとか、それからこの維持経営を今後どうするというようなことにつきましては、またあらためて、適当な関係者の方々にお集まりを願いまして、十分に一つ論議を尽して、皆様の御意見を十分に尊重いたしました上で、一つ結論を得たならば、それが一番今後の維持運営につきましても最も妥当ではないかと、かように考えておる次第でございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 ただいまの御答弁に対しましては、私も承わって全く同感でございまして、政府のお考えけっこうに存じます。そういうふうに一つお進めを願いたいと思います。ただいまの御答弁によりますというと、この種の問題は行政措置等でいたすべきではないのであって、従って、予備費の支出によらない三十二年度予算に堂々と計上して、そして国会がそれを議決をして、そういうことで国民の総意をまとめていきたいと、こういう御方針、まことにけっこうだと思います。なお御説明の中に、今後とも十分論議を尽して各方面の意見を聴取して、そしてその方法、内容等につきましても成案を得てということでございましたが、私率直に申し上げまして、この種の問題は論議をいたしておりますと切りはないのでございまして、大体今日まで一応落ち着くべきところに大多数の意見が落ち着いておるのではないか、大体の意見がまとまりかけているのではないかという感じがするのであります。あまりに船頭多くして船山に上ると申しますか、あまりに論議が多過ぎましても、これはまた過ぎたるは及ばずでございまして、一つ適当なところに結論をつけていただかなければならない。きょうは主管の厚生大臣には一応の厚生大臣としての最終的な御見解も承わるつもりでございますが、なお、私が伺いたいと思いまするいま一点は、つまりこれは政府全体に対して伺うわけなんでありますが、従いまして、予算も正式な編成計上をしていただくということになりますと、これはまあ私の一応の案でございますが、先般もある席で申し上げまして田中副官房長官にはお耳に入ったと思いますが、場合によりましては、法律で設置法を立法いたしまして、まあ簡潔な法律でいいのじゃないかと思いますが、そして国会で議決するということも私は考うべき一つの方策ではないかと考えるのでございますが、ことに現在一般の国民に対しましては墓地埋葬等に関する法律がありまして、この墓地埋葬等に関する法律は一般的な規定になっておりまして、もし国が墓地を作ったときにはどうするかという私人と国との区別が現行の法律ではないのであります。従って、場合によりましては、国が建設しました墓地であっても、現行の墓地埋葬等に関する法律の制約を受けなきゃならぬかもわからぬ法律上の疑義もありまして、どうしても一つの立法措置によりまして堂々と国会で議決いたしますことも、これも一方法ではないかと考えますが、政府におかれましては、その点をどういうふうにお考えになるでありましょうか。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) この際申し上げておきます。小林厚生大臣及び厚生省側より田邊引揚援護局長、文部省側より北岡調査局長並びに説明員として近藤宗務課長が出席されております。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 無名戦没者の墓の管理につきまして、今、山下委員からして、これを法制化することについてはどうかというような御質問でございましたが、この問題につきましては、私どもといたしましては、ただいま検討中でございまして、その上で十分に一つ御決定して参りたいと思っております。

山下義信日本社会党

○山下義信君 田中副官房長官はどういうふうにお考えでございましょうか、この点は。

田中榮一内閣官房副長官

○政府委員(田中榮一君) ただいまの件につきましては、厚生大臣からお答えがございました通り、やはり何らかはっきりした根拠に基いて、この建設をし、また維持管理していくということの方が、あるいは今後のこの墓に対する尊敬の念を払う意味から申しましても適当ではないかということを考えまして、ただいま政府におきましても、この点から検討中でございますので、御了承を願いたいと思います。

山下義信日本社会党

○山下義信君 それでは、以下厚生大臣に具体的にお尋ねをいたしておきたいと思います。  実は本日会期も迫りまして、しかも率直に申し上げますと、政局の変動も近日に迫っておりまする今日に、この問題をお尋ねいたしますることは、この無名戦没者の墓の建設は、現内閣、現政府の手で御決定に相なって次の内閣に引き継がれるのでありますが、せっかく現政府の御努力下さってここに御決定下さいましたことが、たとえ現閣僚の諸君が、あるいは御留任になる方があるといたしましても、次の新内閣が引き継ぎましたときに、いろいろ疑義があってもいけませんので、この際いわゆる決定版を、一応の決定版の段階におけるまず疑義のない御意見を承わっておきますということの方が、問題を紛淆させないで建設を進捗する一助になるかと存じまして、貴重な時間をわずらわしまして御答弁を得たいと存ずる次第でございますので、できるだけ一つ御見解を明確にしておいていただきたい、かように考える次第であります。  第一に伺いますることは、この墓におさめまする遺骨の範囲でございます。これはあとでお尋ねいたしまするが、結局無名戦没者の墓の性格に表裏一体をなしまする問題になるわけでありまするが、一応納骨の範囲はどういう範囲にするかということの側から承わることにいたしましょう。それで、われわれといたしまして承知いたしておりますことは、現在、政府において保管中の、海外から収骨した、収集して帰りました八万有余戦士の御遺骨をまず埋葬しなくてはならぬ、これは当然のことでございますが、その他たとえば奉天の忠霊塔にありました遺骨、今日内地で保管しておりまする三万七千柱の御遺骨があると、あるいは玉砕したサイパン、テニヤンその他各地の島民の遺骨、なお沖繩のひめゆり塔その他一応の埋葬はしてありますが、それらの無名の遺骨、そういうような御遺骨はこの無名戦没者の墓に埋葬されますか。合祀されますか。その範囲はどこまで埋葬されるお考えでございましょうか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) ただいまのお尋ねに対しましては、御承知のように、昭和二十八年の十二月の十一日でございましたか、閣議決定に基きまして大体かように決定をいたしたのであります。閣議決定においてきまりましたものは、  太平洋戦争による海外戦没者の遺骨の収集については、関係国の了解を得られる地域より逐次実施しているが、これらの政府によって収集する遺骨及び現に行政機関において仮安置中の戦没者の遺骨であって遺族に引き渡すことができないものの納骨等については、おおむね左により行うこととする。一、遺族に引き渡すことができない戦没者の遺骨を納めるため、国は、「無名戦没者の墓」(仮称、以下「墓」という。)を建立する。二、「墓」に納める遺骨は、政府において収集する戦没者の遺骨及び現に行政機関において仮安置中の戦没者の遺骨であって遺族に引き渡すことのできないものとする。  以上が閣議決定に基くものでございまするが、いよいよこの墓の、無名戦没者の墓地の位置を決定いたしまして、いろいろ関係者各位の意見では、そのほかにも戦争によって戦没せられた人の遺骨も納めたらどうかというような御意見もあるのでありまして、この点につきましては、十分に関係方面の意見も徴しまして最後の決定をいたしたいと存じております。

山下義信日本社会党

○山下義信君 今の御答弁では、総括的な御趣旨はわかりますのでありますが、具体的に今お尋ねしておりまする奉天の忠霊塔の御遺骨は、これは合祀されますか。それから玉砕した島民の——これは軍人、軍属ではございませんけれども、それらの島々の島民のいわゆる無名の遺骨、沖繩の島民の無名の遺骨というようなものも合祀されますか。どういう考えですか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 一応この専門の事務当局に答弁をいたさせます。

田邊繁雄厚生省引揚援護局長

○政府委員(田邊繁雄君) 現在政府において保管中の遺骨のうち氏名の不明なものは約八万一千体ございます。その中で、満州、朝鮮関係が三万七千でございますが、これは奉天にありました忠霊塔の中に納めてあった遺骨を、終戦の際、内地に持ち帰った分、三万七千でございます。この遺骨は、主として満州事変以降の戦火によって戦没された軍人、軍属の遺骨でございますが、これは本体は分骨でございまして、本骨は御遺族に渡っておるものを忠霊塔に納めた分骨でございます。納めた当時におきましては、氏名はわかっておったはずでございますが、終戦の際、持ち帰るときにいろいろの混乱にまぎれて氏名等がはっきりしなくなったのでございます。この中の一部には、日露戦争当時の遺骨もごくわずかながら入っておるようでございます。忠霊塔を建てまする当時、現地にありました軍人の墓地等にありましたものを全部一括してこの忠霊塔に納めました関係上、その分が若干含まれておるようでございます。それでお尋ねの、今度建設されます墓にはこういうものを納めるかという御質問でございますが、閣議決定にもありますように、「現に行政機関において仮安置中の戦没者の遺骨であって遺族に引き渡すことのできないもの」というものに入ると考えております。  次に、沖繩の遺骨でございますが、現に政府において保管中のものは、厚生省において保管しております遺骨の中に八百十一柱の——推定でありますが——氏名の判明しない戦没者の遺骨がございます。これは当然今回の今度建設せられます墓に納める方針になっておる次第でございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 現に政府において保管中の御遺骨は合祀されることが明らかでありまして、その中には奉天の忠霊塔、あるいは沖繩の民島戦没者の御遺骨もあることは今判明いたしました。それらはもう疑いなく合祀されることになりますが、今後とも政府が現に保管せなくても、そういう玉砕地の島民の方々、あるいは、満州その他における抑留邦人の死亡者の無名の遺骨等は、今後それらが収集されました暁には合祀されることになりますか、いかがでございましょうか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 今、山下委員の御質問になりました通りでございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 きわめて明確になりました。  次には、これは今日までやはりいろいろ御検討になりました非常に重大な点でありますが、ただいまおえをいただきました方々は、おおむね軍人であり、軍属であり、あるいはそれに準ずる立場の方々の遺骨でありますが、さらに一般に拡大されまして、今次戦役の、いわゆるその戦火に倒れた多数の戦争被害者、たとえば空襲で死亡した者、あるいは原爆で死亡した者、今次の戦役に当って犠牲となりました一般の国民の被災者の遺骨等は、これはここに埋葬されまするお考えでございましょうか。これはこの無名戦没者の墓には埋葬には相ならないのでございましょうか。一般戦災者の遺骨につきましては、どういうお考えでございましょうか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) ただいまのところ、今御質問にありましたような、名前のおわかりになっていない遺骨につきましては、考えてはいないのでございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 この点は、せっかく無名戦没者の墓が建設されるならば、いわゆる戦死者という範疇に入らなくとも、今次戦役によるところの戦災死亡者、一般の国民のそういう戦争犠牲者の遺骨も合祀すべきではないかという、広く今次戦役による被災者全部の追悼の碑とすべきではないかという、いわゆる拡大説と申しますか、そういう御意見もあるやに承わるのでございますが、しかし私どもといたしましてもただいま政府の御答弁のごとく、あまりに一般のいわゆる国に生命を捧げたという、国のために生命を捧げて犠牲になったという範疇よりさらに拡大をいたしまして、一般戦禍によりまする被害によって死亡したという者までもこれを拡大いたしますことは、結局この墓の性格もきわめてぼやけて参りまして、私はかえって国民の追慕哀悼の念も不明瞭なことになりまするおそれもございまするので、私は政府のお考えのごとく、一応今回の無名戦没者の墓は、いわゆる今次戦役に国のために命を捧げて尽した方々の御遺骨を埋葬すべき建前が至当であろうかとまあ私どもは考えるのであります。私もただいまの政府の御見解には、今日の段階におきましては同意いたしますものでございます。  次に伺いますことは、従いまして戦没者の範囲ということも明らかにいたさなきゃなりませんが、この戦没という、何と申しますか、この事変または戦役の範囲でございますね、これはただいまお答えの中にありましたように、たとえば奉天の忠霊塔の御遺骨等は遠くは日露戦役からのものもありまして、これも今回合祀されるわけでありますが、それはまた特殊なる忠霊塔というところに納められてありました御遺骨のことでありますから別といたしまして、一体事変または戦役はどの事変の、あるいはどの戦役の戦没者ということに範囲を一応御限定になりまするか、その辺のお考えはどうでございましょうか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) この戦争の範囲につきましては主として太平洋戦争による戦没者、こういうふうに考えております。

山下義信日本社会党

○山下義信君 そういたしますと、大体私どもはそれが妥当ではないかと考えるのでございますが、まあ念のために伺っておくのでございますが、満州事変とか支那事変ということはどういうことになりますのでございましょうか。

田邊繁雄厚生省引揚援護局長

○政府委員(田邊繁雄君) 現に政府において保管しておりまする遺骨の重点は、何と申しましても今度の戦争で南方、その他の地域でなくなられた戦没者の遺骨、その無名遺骨が重点でございますが、中に先ほど申し上げました通り、支那事変以前の、満州事変等における遺骨も含まれておるわけでございます。これも事実問題としてここに納めざるを得ないことになるわけでございますが、満州事変の遺骨であっても現に政府において保管しておるものはこれをお納めする、こういうことに相なろうかと思います。

山下義信日本社会党

○山下義信君 私も政府の御見解に大体同意見でございます。主として今次太平洋戦争における戦没者の、しかも無名戦没者の墓であるということで私どももさようであろうかと御推察申しております。  次に伺いまするのは、ここにお納めする遺骨の範囲等につきまして、自然明瞭になってくるわけではございますが、一応別の観点から伺いまするのは、すなわち墓の性格でございます。墓の性格はどういうふうに考えておられるかということでございます。それでまあまあ考えられますことは厳密な意味の墓、一つにはまあ厳密な意味の墓であります。  それから一つには納骨堂とでも申しましょうか、こういうものが考えられます。  それから一つには戦没者に対して哀悼の意を表しまするシンボル、いわゆる記念碑、あるいは哀悼の碑というがごときものであります。  で、この一応今考えられておりまする政府の御方針と申しますか、この段階におきましては、お考えでは厳密な意味での墓というお考えでございましょうか。さらに単なる墓というものではなくして、いわゆる今次太平洋戦争の戦没者を象徴するところの哀悼の碑、すなわち記念碑であるというふうな考え方を持っておられるのでございましょうか。墓であるか戦没者をシンボルする記念碑であるかということでございます。それはどういうふうに考えておられますかということ。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) ただいま山下委員のお尋ねになりましたお尋ねの中にありまする言葉をもって表現いたしまするならば、政府が今考えておりまするいわゆる無名戦没者の墓というものは、山下さんの言葉にありまする厳密な意味における墓というふうに考えておるのでございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 それではそこに納められたお方の墓というだけの意味でありまして、他の戦没者のも、何と申しますかお骨はそこにありませんけれども、他の戦没者の方々の御遺骨も、形なくしてそこに納められておるという考え方につきましては、どういうふうにお考えでございましょうか。たとえば南方その他海外の戦地から遺骨を収集して来たときに、その戦場における死亡者は十万をこしております。しかるに収集して帰られました御遺骨は、しかも無名の御遺骨は千体にすぎません。実は全部厳密に調査されまするならばなお多くの御遺骨も収集し得られるでございましょうが、諸般の事情でその一部分しか収集して帰るということができないという状況。そういたしますとそこに何体か、また何体かは数えられないところのいろいろお骨の部分を集められて、そこに収納、埋葬されるということになりますというと、その御遺骨はいわゆるその地域におきまする全戦没者の御遺骨の一部分であるという意味にもなるわけであります。従いましていわゆる個人の一人の遺骨を納めた一人の墓というふうな意味に、そこに納められた遺骨の数のみが葬られてある墓であるということになりますると、少しく割り切れないものがあるわけでございまして、ただ単なるそこに埋葬されました幾体かのお墓であるということのみでなくいたしまして、若干他の戦没者の方々の遺骨を代表してというと語弊もございますが、まあ言葉が未尽でございますけれども、他の戦没者の形はなくともその遺骨はそこに埋葬されてあるものという感じが、われわれ国民にとりましてそういう感じが出てくるわけであります。従いまして個人の墓というがごとき非常に限られた意味の墓のみでありましては、少しく国民感情に沿わない節もあるやに考えられまするので、その点は個人の墓とは若干性格も異なるのではないかという気持もいたすのでございますが、政府の御所見はいかがでございましょうか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 山下さんのただいまの御質問は、無名戦没者の墓に対しまする今後の解釈上非常な大きな問題を含む御質問だと思いまするから、私といたしまして、この際むしろ政府といたしましてのこれに対する見解を明らかにしておきたいと思います。  それはお聞きになりましたように、たとえば南方なら南方のある場所でたくさんの人が戦没された。このときに持って参りましたそれらの無名戦没者の遺骨というものは、たとえばそれが五十体でありましても、そこにたくさんの人たちが戦没されたものを代表して持って参ったのでございます。従いまして今お聞きになりましたような、それは五十体は五十体の墓だという意味ではなくて、それらの地方におきまする全部を代表して持って参りましたものでございまするから、従いまして今お聞きの通りに、それはそこらにありますその他のたくさんの人の代表の遺骨として無名戦没者の墓として考えていきたい、こういうふうに考えます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 この種の墓の建設につきましては、何と申しましても理論とかあるいは科学的とかいうよりは、一つのこれは人間としての真情と申しますか、感情と申しますか、そういうものの上に立って考えられるべきことでございますから、お互いに表現が大へんむずかしいわけでございますが、やはり政府の今のお考えに私どもも大体同意見でございまして、遺骨をお納めするいわゆる厳密な墓に相違ない、しかしながらおのずから一般戦没者のおのずから象徴としての意味が自然にそこに生まれてくるということが予想されるわけでございまして、やはりまあお墓であると同時に戦没者の象徴の記念碑たる性格も帯びざるを得ないということに、私どもも考えますが、政府もそのようにお考えのようでございます。  それでは次に伺いますのでありますが、これはこの無名戦没者の墓の何と申しますか、規模あるいは構想、環境というようなものに自然関係を来たしますわけでありますが、これは世論も注意を促しておりますように、いわゆる心持といたしましてはできるだけ大規模のものを、なおいかように尽しても、どのようにしてもしたりないわけでございますが、しかしながら大規模すぎるをもって尊しとしないのでありまして、できるだけ簡素であってしかも荘重である、そうして私どもがこの墓を建設いたしますることは言うまでもなく国家主義の表現ではないのでありまして、この墓を拝することによって敗戦の悲憤の涙にくれ、そしていわゆる復讐の念に燃えて国民の敵腐心、憤慨心をかり立てるためにこういうものを建設するのではもとよりないのであります。あくまでも人命を尊重する、この人道上の私どもの真情流露の表われでございまして、同時にこの無名戦没者の墓を建設いたしますることは、同時に平和への熾烈なる記念の表われでなくてはならぬわけでございます。そういう意味で御建設におなりになることを期待いたすわけでございます。大体におきまして、お墓の建設の段取りといいますか、建設の計画といいますか、あるいは設計といいますか、そういうような点はどういうふうにしてこれを実施していくというお考えでございましょうか。たとえば設計等は広く一般に、世間に公募でもされまして、そしてこれを御決定になりますか、あるいは権威ある当代の、当代というのは現代でございますが、一流の有数の権威者にお諮りになっておきめになるようなお考えでございましょうか。また大体竣工はいつごろを期待しておられましょうか。いつまででもいいというようなわけのものでもないと思いますが、一応いつごろまでには竣工をしようという目途もなくてはならぬと思うのでございますが、大体の大臣としての御希望といいますか、そういうお考えはどうでございましょうか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 無名戦没者の墓につきましては、御承知のように非常に今度決定いたしました場所は、景観上非常によろしいところでございまして、これらの墓の設計につきましても、きわめて簡素にして峻厳、荘重といいますか、そういうふうな精神でいたしたいと思っております。今山下さんの御質問の中にありましたように、その設計等につきましては何人も納得し得るような現代におけるりっぱな専門家に御委嘱を申し上げて設計等もいたしたいと思っております。完成はいつごろだろうかということでございまするが、年内にぜひ地鎮祭をやりまして、私どもの気持といたしましては、少くとも来年中にはこれを完成いたしたいものと、こういうふうに考えておる次第でございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 次にお尋ねいたしたいことば、私はせっかく御心配下さった厚生大臣と、なおこのことに御奔走いただきました田中官房副長官御列席のこの席で御相談申し上げるのでありますが、どういうデザインのものが、設計のものが建立されますか、今後お知恵を集めて御検討に相なることであろうと思います。どういたしましてもこのお墓、すなわちこの碑にはやはり銘が刻せられるでございましょう。諸外国の事例もまあさまざまでございまして、私ども一、二を見ましたにすぎませんけれども、何といたしましても日本式と申しますれば銘がどうしても要りますのでありまして、この碑の銘につきましてはいろいろ今後のこれは問題でございまするが、しかし今から一つ御心配を願っておかなければならぬと思いますので、これは一つ十分政府でも厳粛にお考えをいただきまして、私はこの際希望を申しておきます。私はできれば陛下の御宸筆をわずらわしたいと思う。天皇以外にこの碑の銘を揮毫願う方はないと私は考えます。いかような高位高官の人でありましても、人間一生涯にはどこにミステイクがあるかもわかりません。万代不易に国民がこの碑を厳粛なる気持で仰ぐように、この碑の銘を、いかに規模が小さく簡素でありましても、御染筆は天皇にお願いをされまするように、十分一つ御心配にあずかりたいという希望を述べておきます。  次に、これは最後でございますが、この無名戦没者のお墓の維持管理につきましては、政府がされるわけでありますが、このお墓の慰霊行事等につきましては、どういうふうなことになるのでございましょうか。その点のお考えはいかがでございましょうか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 今お尋ねのようなことにつきましては、ただいまのところは別に考えておりませんけれども、しかしながら将来そういう問題をやるというようなことに相なりましても、国の行いまする追悼的ないし慰霊的行事につきましては、憲法に抵触しない範囲内において行われるべきものであると考えております。

山下義信日本社会党

○山下義信君 政府のお考えはきわめて明瞭でございまして、私は全く同感でございます。国がこの記念碑的お墓を建設して、そういう建造物を建てておきさえすればいいのである、あとは国定が参拝するなり何なりすればいいのである、維持管理というのは、ただその地域の保存あるいは清掃等をやっておればいいのであるというべきものではないのでありまして、やはりある程度の国の行事といいますか、慰霊行事というものは、ただいま大臣が仰せになりましたように、憲法の精神の範囲内におきまして、いろいろな方法によられまして、あるいは直接間接、当然国が追悼慰霊の行事につきましては責任があるわけでございます。十分一つ適切な方法を御考慮を願いたいと思います。  つきましては、これら無名戦没者の墓の建設をお進めに相なります上について、今後ともただいまのお考えの範囲を基盤にいたしまして、具体的に種々御準備をお進めに相なるについては、やはり一応政府の一方的なお考えのみでもまた十分でない点があるかもわかりませんので、適当な、何と申しますか、協議機関と申しますか、諮問機関といいますか、できるだけ明確な諮問機関等をお設けになりまして、そして十分万遺憾なきように意見を聴取されますというようなお考えはございませんでしょうか、いかがでございましょうか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) せっかく無名戦没者の墓も決定したことでございまするから、今後国民全体の意思に沿うようにいたしたいと思いまするし、それにつきましては、これらの問題に関係がある諸団体もございまするから、そういうような方たちに諮問的に御相談を申し上げまして今後進めて参りたいと思います。

山下義信日本社会党

○山下義信君 靖国神社との関係はどういう関係になりますか。関係はないと心得てよろしゅうございましょうか。何らかの関係を持たせるというお考えでもあるのでございましょうか。私どもでは一応関係がないと承知いたしておるのでございますが、念のために伺っておきたいと思います。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 靖国神社は、御承知のように国家に功績がありまして戦没されました方たちの英霊をお祭りしてある所でございます。ただいまのところは宗教団体になっておるのでありまして、今回設けまする無名戦没者の墓というものは、これは先ほど申し上げましたように、あくまでも墓でございまして、従いまして靖国神社とこの墓との間には、何らの関係はないものと考えております。

山下義信日本社会党

○山下義信君 私の厚生大臣に対するお尋ねは、以上で終了いたしました。  文部大臣の出席を求めておきましたのでございますが、御出席になりますでしょうか。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 今、局長が来ておりますが、局長でよろしゅうございますか。まだお見えになっていないものですから。

北岡健二文部省調査局長

○説明員(北岡健二君) 文部大臣ただいまほかの用事で出かけておりまして、参れませんので、かわって私参っておりますので、それでよろしかったら私から申し上げたいと思います。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 山下君、どうされますか。

山下義信日本社会党

○山下義信君 一応、局長に伺ってみましょう。それでは田中副長官には残っていただきましょう。  靖国神社は、現在宗教法人になっておることは言うまでもないことでございますが、先年来、この靖国神社のあり方につきまして、いろいろ議論が行われておるのであります。このたびの無名戦没者の墓の建設につきまして、またこの機会に靖国神社につきましての種々なる意見が台頭いたしておりますので、この際私は政府にお尋ねいたします。田中官房副長官にまず伺いますが、靖国神社が今日一般的な宗教法人となっておりますが、これはこのままでよいと考えておられるのでありましょうか、あるいはまたこのままであるべきでない、何らかのことを考えなければならぬと考えておられましょうか、その辺は何か政府でそういうお話がありましょうか。政府のお考えがありましたら伺いたいと思います。

田中榮一内閣官房副長官

○政府委員(田中榮一君) ただいまのところ、仰せのごとくに、靖国神社は宗教法人になっておりまして、御祭典その他は、この宗教法人がみずからつかさどる建前になっております。現憲法の規定の上から申しまして、国自体がこうした祭礼を行うことはできない建前になっておるわけでございます。ただ最近におきまして、こうした他の神社と非常に性格の違ったような神社、靖国神社でございますが、普通の神社と非常に性格が違っておるような神社に対しまして、国自体が全然無関心と申しまするか、何らの関係も持たないことが果して妥当であるかどうかといった国民感情的な気持からこうした宗教法人の根本的な検討をしてみたらどうか、こういう御意見があるのでございます。これらに対しまして、私どもは国民感情からの議論としましてはまさにその通りであろうと考えておりまするが、ただ前提に申し上げましたごとくに、現憲法の規定から、国自体がこうした祭典等も行い得ないということもございますので、これらの点につきましては憲法の規定の点からも考えまして、十分に一つ慎重に検討を加えさしたらどうか、かように考えておる次第でございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 これは文部省の局長から伺ってもよいのでありますが、副長官でもよいのでありますが、結局靖国神社に国家性を賦与するということは、憲法を改正しなければできないというのでありますか、宗教法人法を改正すればできるというのでありますか。その辺は政府並びに文部省はどういうふうな見通しを立てておられますか。

北岡健二文部省調査局長

○説明員(北岡健二君) ただいまの点、まあ事務局としまして憲法の問題まで解れるのはいかがと思いますが、宗教法人法の改正だけではその点はむずかしいのじゃないか。現在の宗教法人法を改正いたしましても、それだけでは、靖国神社の国家的な祭典なりというふうなものを国家が行うというふうな線には到達しないのではないかというふうに考えられております。

山下義信日本社会党

○山下義信君 文部省の見解では、靖国神社というものを、宗教法人でなくしても、今の憲法の規定の存する限りは、この種の建造物といいますか、この種の宗教性のない維持、管理また運営等は国においてはできない、こういう見解でありますか。

北岡健二文部省調査局長

○説明員(北岡健二君) 宗教法人でなくなりましても、宗教団体である神社、拝殿、本殿等の宗教施設を持ち、それから大祭等の宗教的な儀式を行なって、そうしてさらにはお礼等の頒布というふうな宗教的な活動をいたしておられる現在の状態でございますと、やはり一宗教団体ということになり、宗教的行為ということに相なるわけでございまして、そういう点でその宗教的な活動、あるいは行為に関することを国がいたすというふうなわけには参らないのではないか、こういうような考え方でございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 わかりました。靖国神社が、たとえば靖国社、あるいは靖国廟というごときものになって、宗教的日常行事、宗教的な行為というものがさらになくなってしまって、博物館か宝物館のような形になればともかくであるが、今のようにいろいろ神殿、拝殿等の……建造物になるのはいいけれども、それによっていろいろ拝神の礼を行なったり、いろいろお礼が出たり、いろいろ祭祀の行事が行われておる間は、やはり宗教団体の範疇を免れることができないのであって、どのように払拭しよう、払拭しようとしても、するとしても、やはりそれ自体が宗教行為なんで、現憲法下においてはいかんともすることができない、こういう見解ですね。

北岡健二文部省調査局長

○説明員(北岡健二君) 大体さように考えておる次第でございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 宗教法人法の改正の問題は、現在の段階ではどういうふうになっておりますか。これは次の通常国会には宗教法人法の改正案が出せるという見通しでありますか。どういうふうになっておりますか。

北岡健二文部省調査局長

○説明員(北岡健二君) 宗教法人法の改正の点につきましては、その宗教法人法の認証、あるいは認証の取り消しというふうな点につきまして、宗教法人審議会に現在諮問いたしております。その審議会においては慎重に検討を始められておりますが、その結論を得た上、さらになお宗教の問題でございますので、関係方面の意見等も十分聴取して行動に移りたいというふうな考えでございます。次の、今度の通常国会までに、そういう段階までに至るかどうか、今のところはっきりお答え申し上げかねる状況でございますが、検討を宗教法人審議会において始めておりますことは事実であります。

山下義信日本社会党

○山下義信君 大臣の御出席がないので私がお尋ねしようとすることはできませんが、今のようなお答えでございますから、どうすることもできん。まあ審議会やその他に、この改正点その他についての諮問をしておる。それらの検討がいつ終るとも、いつごろまでに済みそうなとも、とんと見当がつかんというような御答弁ではしようがない。そういう御答弁なら聞く必要もないのです。それでそれは事務当局の全く事務的の御答弁でありまして、急いで検討させようとか、通常国会の会期中に、来年五月までには改正案が出し得る見込みがあるかどうかというような見通しでも承われると思ったのですが、それも今のような御答弁ではどうすることもできません。これは非常な重大な問題でありますから、いずれあらためて質問をするとしまして、私の質疑は終ることにいたします。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にいたしまして、次に移りたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。     —————————————

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 次に国立療養所の給食に関する件を問題に供します。御質疑を願います。御出席されております方は、厚生大臣のほか、小澤医務局長、安田社会局長、及び説明員として尾崎国立療養所課長、大蔵省からは小熊主計官が出席しております。順次御質疑を願います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 国立病院並びに国立療養所の給食費のことにつきまして議題に上っておりますが、これはかなりこれ自身はこまかい問題でございますけれども、その前に大臣に三点、この給食費の問題を解決する基本的な点におきまして三点お伺いいたしたいと思います。  その第一は、御承知の通り国立病院、国立療養所というものは、これは、戦争のいわば産物でございます。陸海軍病院から移ってきた、転換された国立病院、それから傷痍軍人療養所から移ってきた国立療養所、これらのものが今日の国立医療機関の中心をなしているのであります。ところでその戦争の産物でありますけれども、今日ではもはや戦後の時期ではないと思うのであります。従ってこの辺でもうはっきりと今の国立医療機関のあり方というものを、一つ根本的に検討していただきたい、そう思うのであります。  で、どうも一般に国立と言いますと、すぐに社会党の政策かと言われるのであります。社会党はすぐに何か医療制度を国立でやっていこうというふうに言われますが、日本社会党の方針は、この国費中心主義的な医療の社会化、社会保険化、これが社会党の方針であって、別に国立病院というものは、社会党の方針とは何も直接結びついたものじゃないということだけはお断わりしておいて、にもかかわらず、この国立ということを一つ十分検討すべき時期だと思うのであります。  そこで私自身は、この国立というものは、その地区における基幹病院、基になる病院ですね、親病院といいますか、あるいはこの模範病院、教育病院、研究病院、こういった性格を私は持つべきだと実は思っているのであります。実際にこの国立病院のあるものはそういう性格を確かに持ちつつあります。それからまた国立療養所につきまして申し上げますと、日本の結核……世界の結核治療の指導的な役割を日本の国立療養所というものは果してきておるのであります。昔の胸郭成形術から今日の肺切除に至るまで、この国立療養所というものの占めてきた役割というものは非常に大きくて、この点で厚生大臣はもっともっとそれを自慢にして誇っていただいてもいいと思うのであります。ところで、こういうふうに国立療養所というものは名実ともに基幹病院であり、模範病院でなければならない、そして営利を度外視して、そうして使命を果すべきだと、これが私は厚生省の一つの大きな使命じゃないかということをまず大臣にお尋ねしまして、大臣はそういう考えに御異議、私はなかろうと思うのでありますけれども、一つ大臣の御意見を承わりたい、これが第一であります。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 坂本さんのお尋ねになりましたように、結核療養所はただいま数は坂本さん専門家でいらっしゃいますから、私が申し上げるまでもなくよく御存じと思いますが、百八十二ヵ所ばかり結核療養所がございまして、これはわが国におきまする結核対策の有力な一翼として活躍をいたしておるものでありまして、国民に対しまして比較的低廉に、しかも効果的な結核医療を普及する目的で国立があるわけでありますし、また坂本さんが今おっしゃいましたように、国立病院といたしましても全国に七十四ヵ所ございまするが、これはいわゆるメディカル・センターといたしまして、仰せの通りに指導的な、基幹病院として指導的な、模範的な立場にあらなくてはならぬと考えております。従いまして今仰せの通りに、今後さらに進んでそういうふうな役割を果すように、政府といたしましても極力整備して参るべきものであると、こういうふうに考えておる次第であります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 大へん明確な御答弁いただきましてありがとうございます。今大臣おっしゃったように、この模範的な、基準的な医療を国立の医療機関はしなければならない、私もその通りだと思いますし、たとえば建物におきましても、また病院の管理におきましても、あるいはこの定員の面においても、またきょう議題に上っております給食の面においても一つの模範的なものでなければならない。ところで、実はこの今までの厚生省のとっておられることはいささかそういう目標は持っておられますが、まだ戦後という、何かこう心理的な影響を非常に強く受けてきたのではないかと思うのであります。もう今日は戦後じゃありませんし、特にことしは何といいますか、今までにない恵まれた最良の年だといわれておりますが、私はここで一つ賢明なる厚生大臣の御判断に基いて、福祉国家として、近代文化国家にふさわしい立場におきまして、いかに病人を扱っていくかという、その基本的な考えを打ち出していただきたい。たとえば諸外国においては病人を非常に大事にするのであります。これは私も戦争のときに南方で捕虜になって、英国軍でございましたけれども、いろいろな給食を受けましたけれども、一番カロリーのいい給食の対象になるのは病人であります。その次は重労働者、それから中等労働者、軽労働者、非労働者、こういうふうに病人を非常に大事にするという考え、この考えを一つ私は厚生大臣に、一九五七年の年頭に当って、そのときも厚生大臣であられることを希望するのでございますが、一つはっきり表明していただきたい。もうそういう時期だと思うのであります。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 坂本さんから今御意見のありましたように私は向うべきものと考えております。私も厚生大臣に就任いたしましてから、結核療養所にいたしましても、あるいはその他の国立病院、あるいは民間病院等につきましても相当たくさんな数の視察をいたしまして、いろいろ勉強もしてみたのでございますが、最近できました病院施設等につきましては、相当世界に恥じないような施設も見受けられるのでありますが、なお国立の療養所にいたしましても、また国立病院にいたしましても、相当整備されていない部分もたくさん見受けられるのであります。私どもは今坂本さんのおっしゃったような方針によりまして、今後もできるだけその方面に財政の許す限り整備をいたしまして、そうして病人を大切にし、病人をかわいがるような方向に向っていきたいと考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 大へんけっこうな御答弁をいただきまして、甘木全国の療養中の患者さん諸君は、非常な喜びを感ずるだろうと思うのであります。  ところで給食のことに関連いたしまして、大臣は大へんお忙しいようでございますので、あとでまた問題になってきますけれども、医療扶助の点についてちょっともう一つ三番目にお伺いして、これで私の大臣への御質問を終りたいと思います。  ただいまのように大へん大臣はいいお考えを持っておられますし、政府は、国民皆保険ということを目標にして進んでおられますが、御承知の通り今日では大体健康保険の関係、共済組合まで含んでおりますが、三千万の人たちが昭和三十年度で医療費として九百二十億くらい使っております。それから国民健康保険、これはやはり大体三千万で、この人たちが三百八十億くらい使っております。さらに取り残された人々、私はこの点をきょう特に大臣の御意見を聞きたいのでありますが、健康保険にも、国民健康保険にも入っていない残りの二千八百万から三千万の人たち、この人たちは結局病気になった場合には医療扶助を受けざるを得ない。その医療扶助を受ける人たちの昭和三十年度の金額は二百三十億であります。こうして大体三千万の三つのグループを作ってみますと、健康保険は非常に高い医療費を使う。国民健康保険がそれに次ぎ、それから一番低いのは医療扶助です。この日本の貧困な低額所得層の人たちで、一番困っておられるのが健康保険、国民健康保険に恵まれていないところの残りの人たちである。従ってもし大臣がこの病人に対して、一つ大いにこれからやっていこうという決意をお持ちになるならば、この医療扶助の適用を受けている人々に対して、もっともっとあたたかい思いやりのある政策をやっていただきたい。ただ残念なことに、ことしになって以来、生活保護法の医療扶助を受けている人たちに対して、適正という名のもとにおいて、何かだんだん引き締めが行われている。このことについてはあとでまた社会局長さんに細部について御質問いたしますが、はなはだこの点は厚生大臣のお考えになっていらっしゃる現在のお気持、決意と違っているように私は思うのであります。どうかその点明確に大臣の御意図を表明していただきたいのであります。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 結核の問題というものは、坂本さん御専門でございまするから、私よりもよく御存じでございますが、これは今日非常に死亡率が減っておりますけれども、まだ二百八、九十万程度の患者がおりまして、そうしてなかなか結核対策というものが今日の日本といたしましては、大きな問題の一つであるのでございます。それが健康保険等にも非常に大きな重圧を加えていることは事実でございます。しかし今仰せのような、非常に医療扶助を受けるような階層の人たち、そういうふうな人たちに今後十分手を伸ばしていくということは、もちろん必要でありまして、私どもは三十一年度の、今年度の予算につきましても、公的医療扶助という問題につきまして、相当これで従来よりも進出をして参りたい、こういうことで努力をして参ったのであります。来年度の予算につきましても、今までの、患者が半分持っているということを、さらに公的扶助を増強いたしまして、これをできるだけ少くして、そしてその残りの部分につきましても、地方の公共団体の財政的逼迫も幸えまして、その残りの負担は、国家がよけい持ち、地方の都道府県等にはできるだけ少くしていこうと、そうして、これを、われわれのこの方針を推進して参りたい、こういうふうに考えているのでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 大臣に対する質問は、一応私終りますが、大臣が、医療扶助を適正に行う上において、決して患者を苦しめたりしないという一つのお約束をいただいたと思いまして、私は感謝の気持を持ってお聞きいたします。  それから、次には、それでは給食費の細部につきまして、少しこまかい問題になりますので、医務局長さんに、まず現在国立病院が九十四円十銭、それから国立療養所が九十六円十銭の、一日の給食費の単価をつけておられますが、この根拠について一つお伺いいたしたいと思います。

小澤龍厚生省医務局長

○政府委員(小澤龍君) 結核療養所について申し上げますと、一日九十六円十銭、その内訳は、主食といたしまして、三一六円五十五銭、副食物といたしまして、五十二円五十銭、それから調味料といたしまして七円五銭、こういう内訳になっております。なお、国立病院につきましては、この中から主食の加配と、かつて、結核患者に油の特配がございましたので、その分を二円だけ差し引いたものが国立病院のまかない実費、ということになっております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 私の伺ったのは、そういうことではなくて、こういう、この九十六円十銭という計算的な根拠が出てきたその理論をお伺しているのであります。実は、これは、私はそういう方面に長くおりましたので、こまかい点については、むしろ御説明は要らないのであります。ただ、一番最初に、昭和二十四年の春から翌年の五月までの間の調査で、その当時材料費として五十八円十七銭というものが出たのであります。その五十八円十七銭というものが、その後の物価の指数のスライド・アップによって、九十一円十銭になり、さらに九十三円三十四銭になり、そしてだんだんと今日のものができてきたのです。ところで私が一番疑問に思うのは、昭和二十四年にさかのぼりますが、そのときに、五十八円十七銭という一つの数値を出した理論的な根拠が、果して正しいかどうか、これが間違っておれば、今日ずっとスライド・アップされてきた九十六円十銭というものが、やはり間違っているということになるのです。で、一体一番最初に、五十八円十七銭というものを出した根拠はどこにあったか、これは一体だれが作ったかということをお聞きしたいのです。

小澤龍厚生省医務局長

○政府委員(小澤龍君) 見当違いなお答えを申し上げて恐縮でございました。ただいま御質問の、昭和二十四年のまかない費の五十八円十七銭なるものの算出根拠のお尋ねでございますが、これは私の記憶によりますと、当時、保険局が入院料をきめる必要上、適当な調査をいたしました。で、この数字が出たように記憶しておるのでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 そうしますと、きょうは保険局長さんおられませんが、この根拠がもし誤まっておるようなことが指摘されたような場合には、当然九十六円十銭というようなものも、少くとも全国の模範病院として国立病院、療養所を経営しておられる医務局長さんとせられては、訂正の御意向はおありなんでございますか。

小澤龍厚生省医務局長

○政府委員(小澤龍君) 昭和二十四年と申しますと、今から七年も前の数字でありまするので、これを当時にさかのぼって、再調査をすることは、事実上非常に困難だと思います。しかしながら、ここに大きな誤まりがあるとするならば、これは財政の許す限りは誤まりを正さなければならないものだと、かように考えております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 実は私、その点では厚生省ちょっと怠慢じゃないかと思うのであります。非常に古いものを計算の根拠としてずっと今まではじいてきている、ところが実際は、今日では、たとえば、今保険局の話が出ましたから、これは実は保険局の方へ追及しましたら、保険局としては、この数字については大本あまり正確じゃない、だからこれは正式に取り上げてもらいたくないということでございましたが、一応これは社会保険旬報にも載ったものでございますから申し上げますけれども、ことしになって四十二ヵ所の施設を調べて、そうしてその平均が百二十円三十四銭という材料費が出てきているのであります。百二十円三十四銭、そうしてこれがカロリーが二千四百九十一カロリーというのが出ております。で、保険局の方では、どうも百二十円三十四銭は、もっと正確に検討しなければ、純材料費として正確な数とは言えないということで、一応お断わりしておられました。ただ一応こういう百二十円という材料費が出たので、公衆衛生局の栄養課の方にはかって、大体百二十円で栄養的に理想的なものを作るとすればどういったものができるかということの調査をやってもらったそうであります。そうしますと、これはやっぱり厚生省の所管の栄養課で作られたもので私は正しいと思うのですが、百二十円二十七銭で、カロリー二千四百カロリー、蛋白九十一・一グラム、それから脂肪四十三グラム、これが栄養課で出したところの数であります。ところがもうすでに御承知の通り公衆衛生局の栄養課では、結核の患者に対してはどういう基準でこの給食しなくてはならないかという基準が示されています。それはカロリーが二千四百カロリー、蛋白九十五グラム、脂肪五十グラム、この基準と今の百二十円二十七銭で作った基準と比べますと、カロリーは二千四百カロリー、ところが脂肪は九十五グラム、九十一・一グラムで、つまり所定の基準に達しないんです。百二十円でさえも達しない、これは私は重大なことだと思うのですね。この同じ厚生省の栄養課で作ったこの二千四百カロリーという基準が、基準に達するためには百二十円でもまだ不足だということになる。そうしてこの統計は何も保険局や公衆衛生局だけではなくて、前に東京都で、すでに何といいますか、東京都だけではなくて、岡山でも昭和二十六年ごろに、患者の給食費は百二十円以上を使わなければならない。そうしてそういう何といいますか、計算的な根拠として、その当時は十三点に完全給食の三点を足しまして十六点になります。十六点に十二円五十銭をかけて純材料費はその六四%、六割四分ということを、これはたしか診療報酬算定協議会で出された数だと思います。それを今計算しますと百二十八円になる。ですから私はこのすでに数年前に東京都で出されたものにおいても、またことしになってこの保険局並びに栄養課で出されたものでも、少くとも百二十円以上でなければこれはだめじゃないか、にもかかわらず昭和二十四年の五十八円十七銭から、いまだ恋々としてこのスライド・アップした数にいつまでもとらわれているということはいささか怠慢であって、もちろん医務局長さんが、この国民経済の非常な困難な折柄であるから、九十六円十銭で各療養所の人たちに、乏しい人員とそれから悪い施設、設備を持ちながら一生懸命やらして、今日では複数献立制度とか、あるいは保温の点において非常に発達をしております。していますけれども九十六円十銭には限度があります。そういう点で私はこれは九十六円十銭でよろしいということは、これははなはだ不都合ではないかという点を一つ御検討していただきたいのであります。

小澤龍厚生省医務局長

○政府委員(小澤龍君) ただいま専門家の坂本先生から非常な御適切な事項についての御指摘を受けたのであります。仰せの通りでございまして、現在の国立病院の給食費は他のいろいろな病院に比べて安いのであります。従いまして私どもはこれを多少でも上げたいという気持は心の底に持っております。しかしながら国立療養所全般の運営といたしまして二割五分強の一般財政からの実は援助を受けておりますという経営実況でございます。国といたしましても財政が非常に逼迫しているときでもございますので、従いまして私どもは第一の仕事はこの九十六円十銭の材料費を最高度に働かせることであると、かように考えたのでございます。坂本先生すでに御承知の通り、国立療養所についても残飯量のごときは従来は二割以上である。しかしながら私どもは御指摘の通り努力いたしました結果といたしましてだんだんよくなって参りまして、今は全療養所を通じまして残飯壁は一割前後に低下して参りました。最も成績の上っている療養所におきましてはわずか五%程度になっております。一割をよくするということは九十六円の約一割増しの実効を上げたということではなかろうか。しかしながらまだわれわれは努力の途中でございまして、まだ不十分な点が多々ございます。ある療養所におきましてはかなりの成績を上げておりますけれども、またある療養所におきましては旧態依然たるものがございます。そこでなおわれわれはこれに対する努力を傾注いたしまして全国立療養所を通じてむだのない給食をするという体制を確立をいたしていきたい。  それから次に物の買い方の問題でございます。なるほど御指摘の通りに国立療養所は給食の実費は安いのでございますけれども、比較的大量のものを安く買っているのではないか。今年の七月に東京都内外の病院におきまして、療養所におきまして、いろいろ比較してみたのでございますが、たとえば国立療養所におきましては一円当りカロリーが二十二・九カロリー、他の私立、公立等に比べまして大体一割程度のカロリーを一円当りよけい出している。つまり物の買い方がいいのではないか。蛋白質にいたしましても同様に一円当りが〇・八四グラムでありまして、他の療養所に比べて一割方よけいな蛋白を提供することができておるのであります。しかしながらこれまた御承知の通りに単にカロリーの数字、蛋白のグラムだけで食料としての質がいいか悪いかを論ずることは非常に危険だと思います。いずれにいたしましても、私どもは当面の任務といたしまして二割五分も一般財政からの受け入れを受けておるという現状にかんがみまして、第一歩はわれわれ大いに反省して質のいい、予算の最高限度まで活用いたした給食体制を作り上げると、しかもなお及ばざる場合におきましては財政当局とも相談いたしまして予算の増額ということを考えていかなければならないことではなかろうか、目下その努力の段階にあると、さよう御了承願いたいと存じます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 その努力は十分了承いたしますが、もう一つちょっとおかしな点があるのですけれどもね。それは国立病院の方は完全給食なので十三点プラス三点で十六点とっております。国立療養所の方は十三点でやっておりますね。そうして点数は国立病院の方が高くて、給食の内容は一方は九十四円十銭で、一方は九十六円十銭で値段が逆なんですね。これなどは少しおかしいと思うのですね。これはいかがですか。

小澤龍厚生省医務局長

○政府委員(小澤龍君) 入院料につきましては、看護の方が十四点、一般入院費が十四点、まかない雑費が十三点と別々にきめられておりますけれども、病院の実態を見ますと、ほとんど大部分の病院はそういうふうにしかくこまかく分けないで、ほとんど九〇%以上の患者に給食しております事実から、やはり入院料は二十七点ということにいたしまして、大体それに値するところの給食並びに看護その他のサービスをやっているというのが現状でございます。病院によりましては特に給食に力を入れましてそこに特徴を発揮している病院もある。あるいは給食の方にはあまり金を使わぬけれども、その他の看護サービスの方に金を入れて、そして効果を発揮している病院もあるのであります。少しこれは言いわけ的になっておそれ入るのでございますけれども、国立病院におきましては、全体合せまして、特に看護その他のサービスにおいて非常な特徴を持っておるのではないか。その方に十分力を入れて、人手もたくさん使っておるという点も御了承願いたいと存じます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 どうもしかし今の件は少しおかしいのじゃないでしょうか。国立の病院、療養所ははっきりと人件費は人件費で別に出ておりますしね、給食費は給食費でぴっちりきますからね。ですから、国立病院が十六点の給食費を使っているならば、やはりそれに見合ったサービスをしなければ、先ほどの大臣の患者に対するあたたかい思いやりを実現するとは言えないと思うのです。ですから、この矛盾を解決する一番のことは、ほんとうにかなりおいしいものを食べていれば、患者さんも文句を言わないと思いますし、私も長年国立に勤務しまして、実際あの食事を見ると、われながらさびしく思ったのです。そうして患者さんもこうはっきり言いますよ。国立の方は食事がうまいから来るのじゃない、建物がいいから来るのじゃないのだ、来たくないのだ、率直に言って。ただし国立病院には乏しい給料で一生懸命働くいい医者がおる、すぐれた医者がおるから来るのだ、これが患者さんの率直な意見なんです。それにあまり建物が悪かったり食いものが悪かったら、人がよりつかないのです。そうしてだんだんと空床もできてきているのです。私はこの国立関係の空床につきましては、国がサービスを怠っていると思うのです。そうしてそのサービスを怠っているという中ではいろいろな面があります。人の数の面において、あるいは建物の面においてもありますけれども、この食事の面のサービスが、これは一番怠っているのじゃないか。だからそういう点では今の国立病院、療養所のこのたしか二十七点の中から適当に使っていけばいいのですけれども、一番の基本の食事の内容がまずいということは、これはもう病院たる資格がないのですよ。御承知のように、ホスピタルというのはホテルの転用ですね。だから病院というのは宿屋でなくちゃいけないのです。宿屋に行けばうまいものを食わせてもらえる、そういうふうにするためには、私は今日の九十六円十銭ということは、これは確かに悪いサービスだと思うのです。きょうはまた医務局長さんの決意を一つ促すと同時に、大蔵省の小熊さん、来ていらっしゃいますか。一つ大蔵省の方の御意見を承わりとうございます。

小熊孝次大蔵省主計局主計官

○説明員(小熊孝次君) 結核療養所の給食費の問題でございますが、ただいま詳細な、むしろ教えられるような点、御教示にあずかったわけなのでございます。われわれとしましては、いわゆる結核療養所、あるいは国立病院にしても同様でございますが、国の直接経営する病院施設といたしまして、それが必ずしも直ちにうんと給食費が高くなければいかぬというようなふうには、実は考えておらぬのでございまして、まあそこはやはり一応全般を通じて、しかも単価としては中庸なものであって、しかもそれが最も効率的に病人に摂取される、こういうような状態が一番望ましいのではないか、このように考えておる次第でございます。この九十四円十銭、あるいは九十六円十銭というものが果してどうかという点でございますが、まあこれにつきましてはわれわれも検討するにやぶさかではないのでございますが、従来もこれでやってきておりまするし、またその後医務局の方でも種々改善を加えられておりまして、われわれとしても若干の病院等、あるいは療養所等を拝見いたしました際に、残飯量なんかは非常に少くなっておる、複数献立をやるというように努力いたしておりまして、患者さんからも非常に喜ばれておるという実情を実は聞いておるのでありまして、まあ将来の問題としては、いろいろ十分検討しなければならぬ問題だと存じておりますが、現在のところ直ちにこれを改めなければならぬ状態かどうかということについては、実は考えておらぬというような現状でございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 いろいろとお答えいただきましてありがとうございました。確かにこれは、医務局長さんにしても、大蔵省当局にせられましても、給食費の改定という問題は給食だけの問題じゃないのです。実際清瀬地区なんかに行きますと、国立の病院と、それ以外の病院がありますが、それぞれ食事を持ってきて見比べたら非常に差があるのです。何なら大蔵省の方御案内いたしますが、非常に違いがあるのですね。そして確かに国立の方は悪いのですよ、確かに悪い。それだけは間違いない。ただ、国立が一つの基準でありますから、給食の内容を変えてくるということは、今度はさらにいろんな健康保険の一点単価の問題から何から全部伸びてくるのです。実は医師会の方ではしばらく一点単価のことを出しておりませんが、私はもうそろそろこういう問題を検討してもいい時期じゃないかと思うのです。でありますから、きょうは給食費につきましてはかなりこまかい点を申し上げまして、今日の医務局の出している単価というものは不合理なものである、もう少し少くともこれにプラスアルファしなければならぬ、それにつれて、入院の給食を十六点とするならば、結局それを十六で割れば一点単価が出てくるわけです。もし給食を百三十円にしなければならぬとすれば、一点単価が上ってこざるを得ないのですね。こういうことを、同時に私は考えていただくべき時期だということを強く皆さんに要請しまして、少くとも医務局長さんには今日の九十六円十銭で甘んじていただいてはいけないということを強く要求しておきます。

榊原亨自由民主党

○榊原亨君 一点だけ、ただいまの御答弁について私御考慮をお願いいたしたいと思います。健康保険の食費の計算につきましては、実質内容主義でなしに価格の計算であるようなふうに御指導があるように私は思っておるのでありますが、ただいま医務局長のお話でありますと、実質内容主義の御計算、たとえば残飯量が多くなれば食べる給食の費用はその残飯量から差し引くというような御計算のように承わっておりますが、それらの点については非常にデリケートな問題がありますので、保険局と十分御連絡の上一つ御意見をおまとめになって御答弁を願いたいと思います。

小澤龍厚生省医務局長

○政府委員(小澤龍君) それは中身さえよければ価格はどうでもいいのだという意味で私は申したわけではございませんのです。他の病院に比べまして確かにまかない材料費は安いのであります。安いけれどもだんだん努力して参りまして、この程度までこぎつけて参ったという例として申し上げたのでございまして、御了承願いたいと存じます。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 本件に関する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。     —————————————

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) それでは次に請願の審査を行います。  請願第百七十六号、百七十七号、二百七十一号及び二百七十九号等につきましては、生活保護法による医療扶助の適正に関する請願であります。この件について政府委員の方から厚生省の通達の内容についてまず最初御説明をお願いしたいと思います。

安田巌厚生省社会局長

○説明員(安田巌君) 五月でございましたか、六月でございましたか、医療扶助の実施につきまして担当者を集めまして、打合会を開いたことがあるのでございますが、そのときに口頭で指示をいたしたことがございます。その口頭の指示をいたします場合に、前々からそれらのことにつきましては相談をいたしておりまして、いろいろ私どもが相談いたしましたときの資料もございましたのでありますが、それを従来ならばそういうものをこまかく示すほどのこともなかろうということでございましたが、しかしやはり会議を開きます場合に、いろいろ打ち合せをいたすのにそういうメモ程度のものがあった方がよかろうということで資料を出したことがございます。それがここにございます指示だろうと思うのでございます。この内容につきましては、医療扶助につきまして問題になっておりました県外の指定医療機関に対する入院の取扱いでありますとか、あるいは有床診療所への入所の取扱いでありますとか、あるいは大学付属病院等の指定を受けていない医療機関への入院の取扱い、それから国立療養所への入所について、それから医学的に入院を必要としないが、住宅事情のために入院継続中の患者の取扱いをどうするかというようなこと、それから一般的に指定医療機関に対する指導等、あるいは結核性疾患の入院及び入院継続の決定、完全看護、完全給食の医療機関に対する入院について、そういう事項につきまして、そのほかに国立療養所における作業療法、それからつき添い看護の取扱い、これだけの事項について打ち合せをいたしたのでございます。私どもは生活保護の医療扶助の建前から、そのとき打ち合せをいたしましたことにつきましては妥当なものであるというふうに実は考えておるのでございまして、この指示を全部取り消せということにつきましては、まだそういうふうな結論に達しておらぬわけでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 ただいまの局長さんの御指示は口頭でございますか、かなりこまかい点がありましたから文書もあるのじゃございませんですか、その文書を一つ御提出願いたいと思います。

安田巌厚生省社会局長

○説明員(安田巌君) 先ほどから申し上げましたように係長の会議でございます、打合会でございます。そのときに口頭で指示をいたしましたけれども、口頭で指示をいたします場合に、そういった書いたものがあった方が話の都合がよろしかろうということで出したものがございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 それを一つ出していただきたい、いただけますか。

安田巌厚生省社会局長

○説明員(安田巌君) 承わりました。出します。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 速記を始めて。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の指示は取り消さないという、なかなか局長さん明確な御決意を漏らされましたけれども、どうも厚生大臣の御決意とやや違うように思いまして、厚生大臣の方がなかなかこの思いやりがおありのように思いましたのですが、社会局長さんの方はどうも少し厳格過ぎるのじゃないかと思うのであります。で、実際はこういう事柄が各地において実際に行われております。つまり局長さんの御指示がかなり明確に行われておるという、そういう点ではなかなかけっこうでございますけれども、たとえば九州では長崎県に入院しておる大分県の患者さんが、大分県の県立病院でなければ医療扶助を認めてもらえない、そういうようなことも私長崎県で見聞いたしましたし、そういう資料はあちこちあるのであります。で、こういうことは一番最初私厚生大臣に……、今日一番残されておるのは二千八百万の健康保険、国民健康保険に外されておる人たちである。だからこの人たちを追い込まないということ、他の言葉でいいますと私はやはり安物買いの銭失いだと思うのであります。この前のときに大臣に私質問したことがありますが、今日結核の空床の問題で、清瀬などの例をあげますと非常にいいのですが、清瀬にある健康保険、特に組合管掌の健康保険の委託病床ですね、これはなかなか……、あきなんですよ、ということは健康保険の中でも組合管掌が一番保険料の率や、給付内容がいいし、また組合が非常に職員に対して、つまり患者さんに対してサービスがいい。だものですからどんどんどんどん患者が入院してしまって結局もう入る患者がなくなってしまった、つまり十分な医療給付を与えることによって、患者というものはふえるのじゃなくてなくなるということですね、生活保護法の場合も引き締めることによってどんどんどんどんむしろ患者はふえております。先ほど私は健康保険は三千万で九百二十億、それから国民健康保険は三千万で三戸八十億、医療扶助は大体三千万で二百三十億、同じように三千万のグループでありながら非常に金額が高低があるのです。それで健康保険の方ほどそこにはまあ患者が減ってきておる、医療扶助の方でこれをけちればけちるほど患者がふえていく。ですから安物買いの銭失いで、一つこれは社会局長さんとしてほんとうにこの患者をなくして、低額所得層のボーダー・ライン及びそれ以下の生活扶助を受けておる人たちの貧困と病気、これはもう悪循環になりますが、この人たちの病気を救うということが、確かにまた今度はそういう低い人たちの経済的な立場をよくするということにもなるのであります。で、私は特に一方的に自分の県で呼び戻したり、あるいは先ほど指摘された中にありましたけれども、嘱託医が非常に権力をこのごろふるっているのじゃないかと思うのであります。医療扶助審議会というものがありながら、その医療扶助審議会に全部かけないで嘱託医の権限でもう全部押えてしまう、処置してしまうというようなものも私は若干出てきているように思うのであります。また一部負担、これは健康保険も一部負担が今出始めておりますけれども、生活保護法の医療扶助の一部負担、こういう点が前よりもことしになってだんだんときつくなった、こういうことは私実際に患者をなくしたい、病人をなくしたいと考えるものからしますときわめて不満とするところなんであります。もし局長さんが与えられた予算の中でやらなければならない立場だからだとおっしゃるならば、これは政治の立場にあるわれわれの義務だと思うのであります。われわれがこの予算を超党派的に一つふやしていくという点で、私たちもそういう決意を固めているのでありますけれども、こういうふうに局長さんが厚生大臣の思いやりある意図も無視して、こういう指示を取り消さない、これを強行していくということを言われるのは、はなはだ心外である、そう思うものでございます。

安田巌厚生省社会局長

○説明員(安田巌君) 私実は坂本先生が先ほど大臣に御質問になっておりましたときに、いろいろ医療の問題について御見解をお述べになっておりましたことを、全くその通りだと思って承わっておったのであります。今またいろいろ御同情ある御発言をいただきまして大へんありがたく存じます。ただ医療扶助というのは、御承知のようにこれは公的扶助制度の一つの種類でございますから、そこに公的扶助制度としての制約があることはこれは当然だと思います。今お話のように、現在全国民のうちで健康保険でありますとか国民健康保険でありますとか、その他の医療保険と全然縁のないものが大体三五%だと思います。ところが私どもの方で昨年の六月に医療扶助の実態調査をいたしましたところが、医療扶助を受けておりますところの人の八二%というものは、今の医療保険に何ら縁のない人だという数字が出ておるわけです。そういたしますというと、今いろいろ国民健康保険等につきましても、給付内容がああだこうだという批判はありますけれども、しかしそれはそれなりに国民の医療というものについて貢献をしておるということがはっきりわかるわけでございますから、そこでやはり国民全部を対象にしたところの医療保険の制度ができるということになりますれば、これは根本的に問題が解決できる。ところが遺憾ながら生活保護の方の医療扶助というものには、先生御承知のようにミーンズ・テストがあるわけでございますから、どういう者でも病気で困っているならば医療扶助をかけるというわけにいかない。そこでたとえば最近のように医療費というものがだんだん高額化いたしまして、ある場合には月に三万円も要るような人もございましょう。そういった場合に、医療費に困るような世帯というものは、われわれが考えているところの生活保護の基準の生活をしている人たちに比べれば相当高い生活をしている人すら実は医療費に困るという問題が出てくるわけです。その場合に私たちはこれに対して医療扶助を適用する場合にはその人たちの今の高い生活というものを生活保護の基準まで下げることを要求しなければならぬ。それをかりにいたしませんで、気の毒だからといってそれにも補助をかけますというと、国が一方におきましては四人世帯、五人世帯でまあ八千円か九千円の生活を保障しておるにかかわらず、その人については二千円か三千円の生活を保障するということになるのでございますから、これは公的な扶助制度としてはどうしてもできないわけです。そこで、実はほかの決算委員会等におきましては、医療の単給患者についての収入認定が実はでたらめである、甘過ぎるということで批難事項になっておるわけで、そういうようなこともございまして、今の先生のお気持はよくわかりますけれども、この医療に恵まれない低額所得者を全部医療扶助の制度のワク内で解決しようということはどうしても無理がある、まあこういう点も一つおくみ取り願いたいと思うのであります。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の局長さんの説明の中で、一番私大事な点は、確かに三万円の扶助を受けているそれは、一方においては八、九千円で四、五人の人が暮しを立てているそれに比べて非常にバランスを欠いている。ただ、そういう例は、一番多いのは、やっぱし結核だと思うんです。で、局長さんが、生活保護という一つの制度の中でこの経済的なアンバランスというものをお考えになるその立場は正しいと思いますが、しかし、これの一番基礎に横たわるものは、やはり結核の問題であって、この問題を医療扶助とか、生活保護という概念の中からはずすということ、私はそうしていけば、局長さんの今の矛盾は解けていくと思うんです。そういう努力を私はしていただきたいと思うんです。で、今日では、これは大臣もうおられませんが、公衆衛生局、医務局、それから保険局、社会局が、何かこうちょっとばらばらすぎると思うんです。もっと統合された形で、現実に患者をなくしていくという面で、もう少し協力をしていただきたい。その点は、十分局長さんお含みの上で今のようなことをおっしゃったと思うんでございますけれども、患者の面からいえば、これは社会局にも属すれば、医務局にも、公衆衛生局にも、保険局にも属するんですから、一つ局長さんだけの立場であまり固執せられても困るのであります。で、社会局長さんとしては、もちろん結核の面ではアフター・ケアなどは、局長さんの面では扱っておられますけれども、そういう面を通して、治療の面に対する御意見を省議の中においては出していただきたい。その点は一つ御要求しておきます。

安田巌厚生省社会局長

○説明員(安田巌君) 大へんごもっともなお話でございまして、私が申し上げましたのは、生活保護の運用という面から申し上げたのであります。ただ、社会保険でありますとか、あるいはイギリスのような国民保険事業というふうな形でいかないで、ただ病気であるからして全部困った人には出してやるということになりますというと、やはり何かの形で資力調査ということ、ミーンズ・テストをやらなきゃならぬ。そういたしますというと、現在併給患者にやはり医療扶助というものがございます。生活保護を受けております者が病気になれば、当然これは医療にかかるわけでございますから、その者との比較の問題が必ず出てくる、制度的に。まあ私も先生と全く同感でございまして、これを生活保護からはずしまして別な制度にしたいのでございますけれども、これは一社会局長という立場からでなく考えた場合におきましても、その問題に今申し上げましたような理由で非常に困難があるということだと思うのであります。できますならば、全国民を対象といたしました何らかの医療事業というものが一日も早くできますならば、そういう問題は一朝にして解決するんじゃないか。できるだけ、そういう方向に私ども持って行かなきゃならぬ、こういうふうに思っております。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 局長さんの御意図を善意に解釈しまして、私たちとしても多くの患者さんが生活保護法の引き締めのために困ることのないように、非常に努力をするつもりでおります。どうかその点でいたずらに官僚的な圧政——と言うと、言葉が悪いですが、そういうことにのみ終始することのないように局長さんにお願いしまして、私の質問を打ち切ります。

竹中恒夫無所属クラブ

○竹中恒夫君 関連してちょっと局長にお聞きしますが、今、係長会議で、生活保護法による医療扶助の適正実施について、口頭で指示をし、あわせて説明の必要上メモを作る、というようなことがございましたが、その医療扶助の適正実施の中に歯科医療に関しては何らか御指示なさったことがあるでしょうか。

安田巌厚生省社会局長

○説明員(安田巌君) 先ほど申しました題目だけでございますので、別にいたしておりません。

竹中恒夫無所属クラブ

○竹中恒夫君 その歯科医療に指示がなかったということは、歯科医療に関しましては適正な実施が行われている、あるいはケースが少い、というようなことで御指示がなかったのでしょうか。

安田巌厚生省社会局長

○説明員(安田巌君) そこで主として議論をいたしましたのは、前々からいろいろ問題になっておる事項がございますので、時間もございませんから大きい問題だけを、ということでいたしたような記憶をいたしております。私も、当日は係長の会議でございますので、朝ちょっと顔を出してあいさつをいたしましてすぐ帰ったようなわけでございますけれども、私の記憶ではそういうふうにいたしたと存じております。

竹中恒夫無所属クラブ

○竹中恒夫君 それで一つお願いがあるのですが、実は歯科医療の問題なんですが、末端に参りますと、必ずしも適正な実施が行われておらない。局長あたりの耳にあるいは入っていないかわかりませんが、一昨年あたりの東京都の例なんですが、非常に生活に困っておられる方が入れ歯を入れなきゃいかん、健康を回復するのにはどうしても総義歯を入れなきゃいかんというような内科医の診断もありまして、歯科医がもちろん診断をして、これを行う手続を踏ました。ところが、東京都のある場所ですが、七十才になるおじいさんに、どうせ死ぬんだから入れなくていいじゃないかというような実に極端なことを言うてそれをはばんだ例がございました。これは問題になったのですが、そういうような事柄に対する不適正といいますか、法律の精神を忘却したような取扱い方が末端にあるわけです。そういうことの御記憶を願いまして、将来そういう会議がございましたときには運営の面で歯科医療に関します関心を高めていただくような方法を講じていただきたいということだけ申し上げておきます。

勝俣稔自由民主党

○勝俣稔君 この問題は、この前会議が八月の十五日にあったときのお話、これを地方においては少しく強くおとりになって、今安田局長は取り消す考えは毛頭ないというようなお話でしたけれども、現場では割合に強く取り扱っているためにこういう問題が諸方で起きているのじゃなかろうかと私は思っておるのであります。この点も一つあまり強く取り扱わんように何らかの措置ができれば、非常に幸いだと私は思っております。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 速記を始めて。  他に質疑もございませんようですから、ただいま審査をしました四件も含めまして、当委員会に付託されました請願は総計七十九件でございますが、先ほど申し上げましたように、昨日の理事打合会におきまして下審査を願いました結果、採択すべきものと協議決定を見ましたものは、次の通りでございます。  すなわち、厚生省公衆衛生局関係におきましては第四十二号、第百六十八号、第四十三号、第四十四号、第七十八号、医務局の関係におきましては第百三十二号、第百三十四号、第百五十五号、第百六十六号、第二百二十二号、第二百四十四号、第二百四十五号、第二百七十七号、第百三十三号、第二百二十一号、第二百四十二号、第二百四十三号、第二百七十六号、第二百四十一号、第二百七十三号、第二百六十九号、社会局関係におきましてはただいまの四件を除き、第二百二十七号、第二百七十二号、第二百一号、第二百八十号、第二百八十一号、児童局におきましては第四十六号、第八十六号、第八十七号、保険局関係第百七十二号、第二百七号、第二百二十号、第二百七十五号、引揚援護局の関係につきましては第百九十二号、第三百七号、労働基準局関係第三百十五号、職業安定局関係におきましては第八十五号、第百十号、第百五十四号、第百五十七号、第百六十九号、第二百二十六号、第二百三十七号、第二百七十四号、以上になっております。これらの請願は本院の議決を要し内閣へ送付を要するものと本委員会において決定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  なお御決定を願いました採択すべき請願以外の請願はこれを保留とすることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。それではさよう決定いたします。  これをもって休憩いたしまして、午後二時半から再開いたしたいと存じます。    午後一時二十二分休憩      —————・—————    午後三時一分開会

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) それでは、休憩前に引き続き社会労働委員会を再開いたします。  労働情勢に関する調査を議題といたします。  それでは政府委員の方の準備の都合がありますから、駐留軍労務者の労働問題に関する件を問題に供します。出席されておりますのは、中西労政局長、小里調達庁労務部長でございます。御質疑を願います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 駐留軍の労働者の給与の問題、それから解雇をめぐっての問題、いろいろ問題は調達庁に非常に関係があるわけであります。この問題を追及していきますと、何といいましても、このような所沢の問題、その他自動車修理を主にしているのですけれども、ここで起きている問題は間接雇用ではありますけれども、肝心の使っている軍当局の無計画な点やそういう点が解雇の問題の主体をなしているという工合に受け取れるわけなんですけれども、何といっても年末を控えて次から次へと勝手に首が切られるという根本的な問題について、調達庁はどういう工合に今までこの問題について取り組んでこられたかということをまず第一にお聞きしたいのです。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) 軍の人員整理が年末にかけまして集中的に起っております。この人員整理が軍の無計画な雇用計画に基いておるのではないか、これに対しては調達庁はどういうふうに取り組んできたかというお尋ねでございますが、確かにこの年末にかけまして人員整理が集中的に起っておりますことば、その通りでございます。これはこの前の委員会のときにも若干御説明を申し上げましたのでございますが、米国の会計年度の関係で、ちょうど予算がはっきりいたしまして、人員の雇用計画を立てまして、それが具体化しますのが、この十月以降というような季節になっております関係上、十月、十一月、十二月というようなときに人員整理がたくさん起っておるのでございます。調達庁といたしましては、年末あるいは年始にかけて整理が行われますことは、労務者の家庭に非常な打撃を与えることにもなりますし、日本の慣習からいいましても、望ましくないというようなことで、できれば、この整理がやむを得ないものとすれば延期をすることができないか、あるいは年間の米国の会計年度でありまする七月から来年の六月までにわたりまする年間の雇用計画を立てて、その計画に基いて希望退職等とにらみ合わせてこの雇用計画を立てて、もっと合理的に整理を行うことができないかというようなことで対軍折衝等をいたして参ったのでございます。なかなか私ども政府の希望通りには参りませんが、特に年末にかけましての整理が年末手当の支給というような問題とからみまして年末手当を払わずに解雇するというようなことになりますると非常に労働者を刺激する面もございまするので、やむを得ず解雇をいたしまする場合にも年末手当を払ってやってもらいたいというような要求も出したのでございます。こういうようなことで年末手当を払って、特に十一月の半ば以降に解雇になりまする者につきましては、これを十二月の十五日まで解雇を延ばしてもらいまして、その延期をされた者に対して年末手当を支給をする、支給した上で解雇をするというような措置もとってもらったわけでございます。そういうふうにいたしまして私どもといたしましてはこの整理をもっと計画的に、そうしてできればただいま御指摘のございましたような所沢に起っておりまするトラブルがなしに整理が行われますようにということで従来までそういう方針で努力をして参ってきておるような状態でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ところが今のたとえば所沢における三百七十六名ですか、この中で配置転換が可能な人員が幾らであるとか、また新特需と言われているビクター・オートや日鋼武蔵ですか、そういうところでは同じような業務でありながら再採用という問題が出てきている。そういうことから考えてみて、首は一時都合が悪くなったらすぽっと切る、そして切り捨てごめんだということで、あとの方になってきて同じような仕事でありながら違うところで採用の問題が生まれてくる、こういうことになりますとこれは働いている労働者としては非常に不安な状態といいますか、まああくる日から食が絶たれるわけですから、そこらの調整、その他の問題について触れられたことはないのですか。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) 所沢の問題につきましては、これは一般的な人員整理が行われまする理由の予算の削減、予算の減少という理由によって起ったのではなくて、この所沢の整理問題は軍の使命変更といいますか、軍の仕事が今までの仕事と変ったということが原因になっておるのでございます。今まで所沢の兵器廠で車両の修理をやっておったのでありまするが、その今までやっておりました修理が終りまして、この十月一日から新しい使命をもって発足をするということになったのでございます。ところがたまたま時を同じくいたしましてと申しまするか、時を同じくいたしておりまするが、遠因はずっと前でございまして、今年の三月ごろアメリカの議会におきまして、いわゆる相互防衛援助計画という計画に基いて欧州とそれから日本で、韓国あるいはカンボジアその他から参ります車の修理をするというようなことが実施に移されることになったのでございます。そういたしまして相互防衛援助計画に基いて相当多数の車両の修理を民間業者をしてやらせるというようなことになって参りまして、所沢の基地でビクター・オートがその仕事を請け負うことになったのであります。そうして近く仕事を具体的に始めることになっているのでございまするが、先ほど申し上げましたように、軍のL・S・O労務者としては三百七十六名の解雇が軍の使命の変更ということで行われることになったのでありまするが、相互防衛援助計画に基いて新しく民間で仕事を始めるということになりました関係上、ビクター・オートでこの新しい仕事のために府中と所沢と合せて約五百三十数名の新しい雇用をする必要が出て参ったのでございます。そういたしまして、L・S・O労務者が解雇になりまするその労務者の中から相当の数のものがそちらの方に、まあ転職可能であり、また所沢の三百七十六名の職場以外のところで相当な配置転換によってこの解雇になる人たちを救済する道があるというようなことで、今日現在までわかっておりまするところでは、三百七十六名のうち配置転換、軍の内部で配置換転の可能の数字が約百三十一名、それからビクター・オートで採用可能の数が八十三名、それから民間企業特に日本鋼管への採用可能というのが十七名、計二百三十一名のものが失職のうき目をみることがなしに過ごせるのではないかというふうになっております。従って残り百四十五名というのがまだ今後の就職先がきまっておらない数字でございまするけれども、政府といたしましても県あるいは第一線の労務管理機関と協力いたしまして配置転換あるいは民間への雇用ということの促進について一そうの努力を重ねたい、かように考えておる次第であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 たとえば所沢の問題を一つとりましても、百四十五名という人が首切りの問題の対象に今直ちに上ってきているわけです。たとえば輸送関係の東京、埼玉地区におきまする点を一つ取り上げてみましても、百九十六名の人員整理の問題が出ている。これは一時十二月十五日まで延期して、今の年末のこのときに首を切られるという悲しい状況をどうして話し合いを進めるかということで話を進めている。だからこの当時の交渉といいますか、当時の話し合いの中では百九十五名以上に整理の人は出さないということを言いながら、ずんずんついてゆくと、次にはこの七十八名の首切りがまた出てくると、次にはさらに第三次整理として、十五名の首切りが出てくる、こういうことになって、その中をもう一つ突っ込んでこの問題を追及していきますと、軍の方との話し合いでは首を切らないというのであるけれども、もう一つ突っ込んでいくと輸送関係において、そういう問題を持ち上げておるのではないかという印象を受ける。もう一つは国際興業バスというものを、この軍人軍属の輸送のために入れこんで、そうして今までおる人を首を切って、これに代替をしようとしておる。こういうことになってくると、たとえば労務の提供というような関係において、職安法との関係が出てこないのかどうかということが、ここで問題になるわけですが、むしろ前に返って、百九十六名、七十八名、十五名という工合に、労務者を、むろん調達庁の関係においては話がついたのであろうと思いますけれども、こういうものが次から次へと真を裏切って、こういう首切りの問題が出てくる、こういうことについて調達庁に御質問したいのです。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) 輸送部関係で、ただいまお話の第一次の整理があり、その第一次の整理の者については解雇の期日が延長されまして、十二月の十五日になった。しかも当時もう人員整理は行わないというような約束であったのに、第二次、あるいは第三次という工合に整理者が出ておるというお話でございますが、この点は実は第一次の整理のときは、ちょうど十一月の十四日に人員整理が発効する日になっておったのであります。この十一月の十四日に整理が行われますと、年末手当がもらえないということで、それが十二月の十五日まで折衝の結果延期をされまして、年末手当をもらって解雇が行われるということになったのであります。ところが調達庁で受取っております報告は、第二次整理として東京で輸送関係の中で、東京が六十九名、埼玉が十四名、計八十三名というのが、一月の七日に整理になる通知を受取っておるのであります。しかもその整理が十一月の解雇を十二月に延期をした、そういうことによって予算が足らなくなったというような理由が付せられておるのでありまして、この点につきましては、最初に、第一回の整理が延期になったときに、軍の内部の予算のことでございますが、予算をそれだけ延期になった分だけ追加するというような措置も別にとられておらなかったように私どもは聞いておるのであります。従ってその部隊その部隊でやりくりをして、何とか年末手当を支給して解雇をするという温情的な措置をとるということになっておったようでありまするが、ところが各部隊、部隊によりまして予算の状態が違うことはもちろんでございますが、この輸送部関係ではそういう予算が、解雇の期日を延期した措置をとった結果、足らなくなったというようなことで、第三次整理を年を越してから行わざるを得ないというような情勢になったようでございますが、この点につきましては、せっかく年末手当を払って解雇をしようという、非常なアメリカ軍側の温情的な措置によって、経済的に労務者は非常に喜んだわけでございますが、そのしわ寄せが、また多くの労働者を年が明けてから解雇をしなければならないというような非常な、私どもとしても、何といいますか、まことにお気の毒な結果になったのでございまして、この点軍の予算関係でございまするので、政府といたしましても、これを完全に撤回というようなことを要求するのもいかがかと思いまするが、こういうふうにならざるを得なかった理由等について、軍によく説明を聞き、また今度の第二次整理の数字等につきましても、こんなに多くの整理をしなくてもいいのじゃないかというようなことも、考えられる部面もございますので、私どもといたしましては、今後この問題をもっと軍の方と折衝いたしまして、これの縮減、あるいは最初に私が触れましたように、年間の雇用計画というようなものを立てまして、そうして希望退職者をもって当てていく、そういう措置がとれないものかどうかというような点について、折衝を重ねていきたい、かように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、これは労働省関係になるのかわかりませんけれども、私が先ほど申し上げましたように、国際興業バスによって輸送を受持って、専属にそこに入っていくという関係ですね、そういうことになった場合に、職安法の関係、たとえば四条の関係なんかにおいて、これは労働省にお伺いするのがいいのですかね、そういう点についてお聞かせを願いたい。どうですか、その点は職安法の疑いが、ないかどうか。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) この輸送部の関係で、国際興業バスがバスを提供して、その運転関係、それから簡単な修理関係はL・S・O労務者がするというようなことになっているようでございまして、この点につきましては、調達庁としまして、これが職安法違反であるというようには考えておりません。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 これは国際興業バスの雇用関係が軍直接の雇用関係みたいなことになるのだが、調達庁は関係しておられるのですか。この国際興業バスに今までおる人を切りかえていくということは、調達庁が関係してこういうことになっているのですか。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) 調達庁が関係したといいますか、軍の方では予算の節約というような面から、今まで自分で、軍自体で単を運転し、修理し、全部一切やっておったわけですね、それを車だけを国際興業バスから提供させて、そうしてそれの運転、それから簡単な修理というようなことば、従来通りL・S・Oの労務者でやる、こういうふうになっておるのでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこのところがちょっと違うと思うのです。私の聞いた範囲では、それだけの人が、労務者が全部中へ入って、自動車も運転も世話する人も、一切が国際興業バスから派遣される契約が結ばれている、こういうことなんです。それは違うのですか。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) 私どものとっております情報では、そうではないようであります。運転手は相変らずL・S・Oの労務者がやっておる、車だけを提供しておる、こういうことになっているのです。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうですか。それは一つよく調べていただきたいと思います。私の言っているのは、車だけということになると、雇用の関係はもちろんありませんから、職安法の問題は出てこないけれども、そのまま首を切り、こっちの方から持ってきて勝手に、雇用契約といいますか、輸送の任務を国際興業に勝手に担当さすということになると、職安法の問題が出てきやせんかということをお尋ねしたわけです。あなたの今おっしゃったことで間違いないわけですね。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) それは私の今までの聞いているところは、私の申し上げた通りであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 それはよく調べていただきたいのですが……。それから横浜の扇町に、これは米国軍八〇〇一部隊というのですか、警備員の十九名の解雇、こういう問題が出てきていること、御存じですね。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) 存じております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 これはどういう工合に現在なっているか、ちょっとお聞かせ願いたい。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) この問題は、川崎の八〇〇一部隊というのでございますが、そこの憲兵隊が、八〇〇一部隊も含めました全体の憲兵隊として、八十七名の整理を通告してきたわけでございます。その八十七名の整理、これは警備員でございまするが、この警備員八十七名のうちで八〇〇一部隊に属しておりまする警備員が十九名あるわけであります。それでこの十九名の警備員の解雇をめぐって、組合が反対を、整理の撤回を要求しておるわけであります。  組合の反対理由といたしましては、今までと警備の区域が変っていない。相変らず同じ区域で同じ労働軍があるのに、十九名を解雇するということは労働強化になる。それからちょっと技術的なことになりますけれども、警備員の中で三級とか二級とか四級というガードの種類がございますが、四級ガードを対象として整理を通告してきたのでありまするが、これは労務者のねらい撃ちだというような疑念があるということで、整理が不明朗だ、こういうような理由で反対をしておるのであります。  まあこういうことで、組合としてはきょう十二月の午前八時から三十六時間ストに入るということで、現在もストに入っておる次第でございまするが、果して組合の言うような労働強化になるとか、あるいはねらい撃ちだということが、その通り言われるかどうかという点について、私の方でも事情を調査中であります。本日午前中も、現地の神奈川県とそれから組合側と折衝をいたしておりまするが、今までの通り、十九名の中で約八名が希望退職に切りかえられて、残った十一名が強制的に解雇になるというような情勢になっておりまして、まあ軍としては組合の言うことを否定をし、整理の撤回あるいは延期ということは不可能だということで突っぱっておるわけでありまするが、まあ人数もわずかでございまして、私どもとしてはもっと事情をよく調べまして、これがほかの所への配置転換等が可能であるかどうかというような点について今後努力をしていきたいと、かように考えておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 これ、ずっと、今三つの問題だけですけれども、十二月の解雇の問題を見てみますと、二千名以上の解雇の問題が出てきているようであります。問題は、私はやはり、間接雇用の形で駐留軍に調達庁の手を通じて労務者の提供をしている。労働者が納得しないような、無計画の中でと感じられるような格好で、首は簡単に切られる。先ほど例があったように、同じような仕事でありながら、ほかの所では採用の問題が出ている、そこでは首が切られると、こういうことは私はなかなか納得がいかない問題だと思う。いずれ調達調整委員会ですか、そういうところでいろいろな問題が考えられていると思うのですけれども、しかしこういう工合にして出てくる問題は、解雇される人々の今後の就職の問題なんです。これは調達庁として、政府として一番大事な問題だと思うのです。だから、個々には配置転換や、または他の企業に就職という問題もその一部にはあるようですけれども、どうしてもいけない人の就職、特に年末から年始にかけてのこの状態の中で、調達庁としては根本的にどういう処置をとられるかどうか、これをお聞きしておきたい。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) 年末にかけまする多量の人員整理の問題、今までのところ、調達庁としましては、できるだけこの整理の数を圧縮し、あるいはそれを延期をする、あるいは年間の雇用契約を立てて、その全体の中でもっと合理的な整理を実施していくというようなことで、対軍折衝等に努力をして参ったのでございまして、やむを得ず整理をされる者についてできる限りの配置転換、あるいは民間への就職ということで努力をしているのでありまするが、根本的には、ただいま御指摘のように、首を切られていく労働者の就職をいかにするかという大きな問題になってくるわけであります。とりあえずの問題として、配置転換とか、あるいはすぐに特需関係への転換というようなことをいたしまするけれども、最終的にはやはり相当な人が街頭にあふれるというような結果にならざるを得ないのでありまして、こういった人の就職をいかにするかという大きな失業問題になって参るのであります。  この点につきまして、政府全体として、私ども、それから特に内閣を中心として関係の各省が全部集まりまして、特需等対策連絡協議会というものも設置されております。ここで全般的なこの駐留軍労務者の失業対策の問題、また個々具体的に起きましたその土地、その時における失業救済の問題、こういった問題について、関係各省力を合せて、まあ恒久策として政府全体の問題として努力を重ねてきておるわけでございまするが、今後もその線で努力をして参りたいと、かように考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 もう一つだけ聞いておきたいと思うのですが、十一月うちにやめられた四百名の方には、年末手当を支給されるのですかどうですか、ということです。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) 十一月の前半に解雇になりました駐留軍の労務者に対しましては、年末手当は支給はいたしません。と申しますのは、公務員と同じように、十二月の十五日現在の在職者に年末手当を支給するという年末手当支給規則になっておる関係でございます。

山本經勝日本社会党

○山本經勝君 私はただいま議題になっております駐留軍労務者の解雇問題に関しまして、失業対策についての動議を提出いたします。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 山本君提案の動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。よって駐留軍関係労務者の離職対策に関する件を議題といたします。

山本經勝日本社会党

○山本經勝君 ただいまの動議につきまして一応趣旨の御説明を申し上げたいと思います。  実は昨年の四月、本委員会におきまして、駐留軍関係労務者の頻出する失業対策について、その他関係する労働基本権等の問題を含めまして、決議をいたしたことは記録に明らかなところでございまするが、その後今日まで、さらに二万になんなんとする失業者が出て参っております。これらの首切り問題、つまり解雇——名前は合理化であれ、あるいは人員整理であれ、ともかく働いておった労務者が、特に国の雇用にかかるL・S・Oの労働者が、次から次へと職場を失っていく、こういう実情につきましては、私とも全く労働者の立場を擁護せざるを得ん実情であると思うのであります。そういう意味におきまして、前国会におきまする決議も採択されたと思いますが、遺憾ながら、その後における政府が、この駐留軍労務者に対する失業対策に関しましても、その他労働基本権の問題等、幾多懸案を十分に解決する状態になっておりません。そういう状態から考えまして、本日再びこの委員会の決議を求めているわけでございますが、この中で何はおいても強調されねばならんのは、現在大体、大ざっぱに見まして、駐留軍関係労務者は全国を通して十四万見当と言われております。これは増員をされることはほとんどあり得ない。逐次減少の一途をたどっていくでありましょうが、しかもそれが国の雇用にかかっておるのでありますから、勢いこれの離職ということは、駐留軍が撤退もしくは規模を縮小するという必然的な状態に置かれまして、この雇用関係をさらに何らかの方法で職業安定、生活を安定させる方向に指導させていかなければならんことは申すまでもございませんので、ここで私どもはとりあえず年間におけるこの駐留軍関係労務者の雇用計画——というと、新しく採用するという意味ではなくて、漸減するであろう状態がおよそ想像がつくので、もっと責任のある失業対策、転職なり、あるいは新しい職業をあっせんするなり、あるいは生活に必要な資金の供給をするなり、具体的な措置が計画的に講じられなければならんと考えるのであります。  こういう点に特に留意をしていただきたいことを政府当局に要求するわけでございますが、またここには本日出ておりませんけれども、いわゆる労働基本権と言われるもの、軍の雇用によって不当な取扱いを受けた事例が幾他あります。最近になりまして青森における新しい事態も発生した。かっては裁判所が不当労働行為ではないという認定をした事件がある。これが不当労働行為であるというので、復職させられたような問題も出てきておる。この問題はあらためて次の国会等において十分審議するといたしまして、とりあえず申し上げたような事態でありますので、ここに三点をあげて決議案の内容を御説明申し上げまして、御協力をお願いいたしたい、かように考える次第でございます。    駐留軍関係労務者の離職対策に関する決議案   政府は駐留軍関係労務者の離職に関して左記事項について善処することを要望する。  一、人員整理に当っては自然減耗等の活用によつて離職者の発生を極力防止すると共に特に年末年始の解雇を避けること。  二、尚やむを得ず解雇される者に対しては再就職、転業を斡旋する等その生活再建の措置を講ずること。  右決議する。  以上でございまして、御検討の上御決定を願いたい、かように考えるものでございます。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) ただいまの山本君の決議案並びにその提案趣旨について御質疑のある方は、順次御発言を願います。

榊原亨自由民主党

○榊原亨君 ただいま山本君が提案せられました決議案につきましては、その決議案の中にあります二つの項目について政府が努力善処されることを要望されることにつきましては、民主自由党は賛成いたします。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 私は、今山本君の提出されましたこの駐留軍関係労務者の離職対策に関する決議案に賛成いたします。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 他に御質疑がなければ、委員会の決議とする本案を採決いたします。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) それでは、駐留軍関係労務者の離職対策に関する決議案を本委員会の決議とすることに御賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 全会一致と認めます。よって駐留軍関係労務者の離職対策に関する決議案は、本委員会の決議とすることに決定いたしました。  本決議は、内閣総理大臣、調達庁長官あて、委員長から後刻通知することにいたします。

片岡文重日本社会党

○片岡文重君 今出されました決議案は離職対策に関する内容を主としておりますけれども、問題はこの離職せしめないことに根本がなけりゃならんと思う。で、二十二国会であったと思うのですが、その際、時の労働大臣西田君ですかは、この特需問題に関する労務関係は非常に困難な問題を多数含んでおるので、とうてい調達庁だけ、あるいは労働省だけというようなことで解決をすることは困難である。従って、この問題は外交交渉に移して、極力今の直接契約等はやめて、北大西洋条約等の諸国でやっておるような間接契約にもしたいというような具体的なことまで述べて、この問題の根本的な対策を立てることを約束しておるはずです。その後政府は、この問題についてどういう具体的な方策を立てられたのか、これをまずお聞きしたいと思うのです。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) ただいまのような、駐留軍労務者を調達庁が、日本の政府が法律上の雇用主として、軍に労務者を提供して、軍でこれを使用する、実際の法律上の責任は日本政府が負うという現在の間接調達、労務の間接調達の方式は、いろいろな経過をたどりまして、今日あるような姿になって参っておるのだと承知しておりまして、この方式を変更するというようなことは、調達庁としては考えておりません。

片岡文重日本社会党

○片岡文重君 契約の形の上ではどういうことに解釈されるかわかりませんけれども、実際の姿を見れば、今藤田君からも質疑がなされておりました通り、軍の一方的な意思によって労務者はいとも簡単に整理されております。まるでボルトかナットのように、首切られたり使われたり、人間としての扱いを受けないようなやり方で、しかもこれは米軍の一方的な措置によってなされておる。これは間接契約として、日本の政府がその中に介在して、労務者の擁護をなし得るような姿ではない。こういう姿ではなしに、日本の政府がその雇用についても、その労務者の生活についても、完全に責任が持て、米軍との間に対等の立場で交渉ができる姿でなければ、これは直接契約とは言えないでしょう。そういう姿に私どもはすべきであるということは、衆参両院で二十二国会でもかなり主張しており、西田労相もその趣旨を了として、これは社労の委員会速記録をお調べ下されば明瞭です、約束されておる。外交問題に移すということも言い、各省間で強力な機関を持ってこの問題に対処したいということも述べておる。その約束をどう具体化されたかを私は伺っておる。

小里玲調達庁労務部長

○政府委員(小里玲君) 御指摘のように、従来まで——従来までといいまするか、現在まで軍の一方的な意思で、たとい法律上の雇用主が日本政府であっても、ほとんど日本政府の意思におかまいなしに整理が行われ、その他の人事措置等が行われておる。これを改むべしということにつきましては、これは以前の何回かの国会で問題になっておりまして、これは一口に申しますると、新契約の問題ということになかると思います。  平和が発効いたしまして日本が独立国になったのでありまするから、従来占領下におけるような姿を一日も早く脱却すべきであるという意図のもとに、新労務基本契約の基本的なものは、日本の政府とアメリカ軍との間に仮調印が行われておるのであります。ところが、この基本契約が全体として発効するためには、それに関係をいたしまする付属協定あるいは労働政策指令というようなものが全体として成立をして、その上で新契約全体が発効するというような形になっておりまする関係上、基本的な部面だけはすでに調印済みでありまするが、その付属書、付属協定あるいは労働政策指令などがいまだ調印になっていない。従って、現在行われておりまする日本政府とアメリカ軍との間の契約は、占領下における契約がそのまま続いておるというような始末でございます。従って、新契約を一日も早く軌道に乗せて、法律上の雇用主、それから実際に使うアメリカ軍、これが共同の立場で、いわゆる共同管理といいまするが、お互いに立場は違いまするけれども、共同管理という原則に立って、日本の駐留軍労務者に対する諸般の措置をきめていくべきであるということにつきまして、政府といたしましても、基本労務契約が仮調印を見ました一九五三年以来、努力を重ねてきたのであります。いろいろその間に事情がございまして、日の目を見ずに今日に至っておりまするが、ようやく、先般来問題になりました駐留軍労務者の制裁規定をめぐりまする軍、日本政府、労働組合の紛争を契機として、とりあえず新契約の部分発効として、制裁規定を共同管理原則のもとに打ち立てようということで、過去二ヵ月余の間、軍、組合、調達庁の間で折衝を重ねて参りました。十二月の八日すぐ直前でございまするが、十二月の八日にこの三者間の意見が一致を見まして、新契約の部分発効、すなわち共同管理の原則のもとに立って、アメリカ軍の一方的な意思で労務者に対する制裁措置が行われないという、その基本原則の上に立って、新しい制裁規定がようやく成立の運びになったのであります。これがただいまの予定では、来年の一月一日から実施に移される運びになっております。これが新契約のはしりでございまするが、今後、軍側におきましても非常な熱意をもって新契約の発効ということに対して努力をしていきたいという意向を持っております。私ども調達庁としましても、あらゆる努力を傾倒して、この共同管理原則の上に立った新契約の実施の実現に邁進をして参りたいと、そうしてそれのできまするときは、まあいろいろたくさんの規定がございますから、相当期間もかかると思いますが、期間がかかればそれなりに、部分発効その他の処置をとって逐次実施に移していきたい、かように考えた次第であります。

片岡文重日本社会党

○片岡文重君 まだ質問ありますけれども、時間の関係もあるようですから、特にきょうは大臣もお見えになっておりませんから、後日この問題についてなお大臣に対して質疑をすることにして、きょうは留保しておきます。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。     —————————————

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 次に、医師等の免許及び試験の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題にいたします。  提案理由を御説明願います。

藤本捨助自由民主党

○衆議院議員(藤本捨助君) ただいま議題となりました医師等の免許及び試験の特例に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。  終戦前に満州国、朝鮮、台湾、樺太等の地において、その地の制度によって、医師、歯科医師の免許を得て開業していた者に対しましては、従来より医師法、歯科医師法の付則等により特例をもって内地で開業する免許が与えられ、または国家試験の予備試験を受験する資格が与えられておりました。  もとよりこれらの特例措置は、あくまで終戦後の特殊事情に基く暫定的措置として行われたものでありましたが、この期限が切れようとする昭和二十八年に至って中共地区よりの大量引き揚げが再開されるに至りましたので、これに伴う措置として同年八月新たにこの医師等の免許及び試験の特例に関する法律が制定され、同年三月以降の引揚者に対しましては、同法によって従来とほぼ同様の特例を設けてきたのであります。  この特例のうち、選考または特例試験による免許授与の措置は昨年末をもって期限が切れ、国家試験の予備試験の受験資格を与える措置も本年末をもって期限が切れることになっております。  しかるに日ソ交渉の妥結に伴いまして、なお当分の間はソ連または中央地区よりの引き揚げが行われることが予想される状況にありますので、従来の措置との均衡をはかる必要が生じて参りました。  以上の理由により、選考及び特例試験受験の期限を昭和三十四年末まで、予備試験受験の期限を昭和三十五年末まで延長しようとするものであります。  なお、診療エックス線技師及び看護婦の業務を行なっていた引揚者に対しましても、同様の理由により、それぞれエックス線技師の特例試験、准看護婦試験を受験し得る期限を昭和三十五年末まで延長しようとするものであります。  以上が本法改正の趣旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられるようお願い申し上げます。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 本件に関する御質疑を願います。なお山下政務次官、小澤医務局長が出席されております。順次御発言を願います。

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 ちょっとお伺いしておきたいのは、従来もあったことですが、引き揚げてきた人が果して向うで医師の免許証を持っておったかどうかということがあいまいなことが起り得るわけです。そういう場合にこれからどういう処置をとられるかということだけを、一つお伺いしておきたいと思います。

小澤龍厚生省医務局長

○政府委員(小澤龍君) お答え申し上げます。適当な信頼すべき機関の証明書により、あるいは朝鮮総督府等が免許の発行者であれば、当時の朝鮮総督府の官報等によりまして本人が有資格者であることを確認した上でやっております。

山本經勝日本社会党

○山本經勝君 ただいま議題になっております医師等の免許及び試験の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、質疑を打ち切り、討論を省略して、直ちに採決せられんことの動議を提出いたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) ただいま山本君が提出いたしました、質疑を打ち切り、討論を省略して、採決せられたいとの動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。  それでは、質疑を打ち切り、討論を省略して、採決いたします。医師等の免許及び試験の特例に関する法律の一部を改正する法律案を原案の通り可決することに賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 全会一致でございます。よって本案は、原案の通り可決すべきものと決定をいたしました。  なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成その他の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。  それから報告書は多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。     —————————————

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 次に戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、社会福祉事業等の施設に関する措置法案、調理改善法案、食品衛生法の一部を改正する法律案、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案、慰老年金法案、健康保険法等の一部を改正する法律案(参第一号)、以上の案件は、今期開会中には審査を完了することは困難でありますので、継続審査要求書を議長あて提出することとし、その手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。     —————————————

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 次に、労働情勢に関する調査案件を議題といたします。昭和飛行機株式会社の労働問題に関する件を問題に供します。  順次御質疑を願います。出席されております方は、中西労政局長、内閣官房審議室長賀屋正雄君、通産省企業局特需課長伊東隆清君、以上が出席されております。御質疑願います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 昭和飛行機の問題は御承知の通り千三百名の首切り、九百三十名が残る、まあざっくばらんに言うと、半分以下にこの年末においてなるという首切りの問題の重要な問題でございます。そこでこの問題の追及を行なっていきますと、昭和飛行機というのは会社組織である。そうして作業は軍が行なっている。こういう形で先ほどの所沢の問題と非常に関係があって、特需、要するに軍の予算削減云々ということで、この問題も首切りの問題が出ているわけでございますけれども、しかし一方においては、たとえば先ほど議題のときに出ましたように、ビクター・オート並びに日鋼武蔵、そういうところで新特需といわれている東南アジアのちょうど同じような業務の問題が人員採用のために人を集めている、こういう状態であります。私は考えるときに、この問題はそれだけ人が要らなくなったというなら、その昭和飛行機に工場を返す、そうしてその会社自身が従業員の生活の問題または新しい事業を起してそこに就職の機会を作るとか、こういう問題がまず第一に出てこようと思う。もう一つは、今のビクター・オートやその他の関連において、特需の軍の方における計画性がないために、この犠牲に労働者がなる、こういう問題が関連して出てこようと思うのであります。こういう点の今日の状態、それから調達調整委員会が行われて、きのうですか行われて、今後の新特需といわれている問題について検討されているということでございますので、こういう問題についても、少し詳しくお聞かせを願いたいと思うのであります。これは通産省と調達庁と、それから首切りの問題は労働省ということになりますので、適宜一つわかるように説明をしていただきたいと思います。

賀屋正雄内閣総理大臣官房審議室長

○政府委員(賀屋正雄君) 昭和飛行機の人員整理の問題につきましては、会社の組合の方からもお話を承わりまして、非常な深刻な問題であるというふうに承わっておるのでありまして、これは昭和飛行機一社の問題にとどまりませんで、同様の問題が今後も起ることが予想せられるのでございまして、まず全般的な問題といたしましては、先ほど駐留軍関係労務者の問題について、調達庁の不動産部長がお話しになりましたように、駐留軍労務者の問題と同時に、この特需の減少に伴って労務者が解雇される、それに対する対策の問題と、この二つを合せまして内閣におきまして特需等対策連合会議という会議を設けまして、関係各省の方々にお集りをいただきまして種々検討をいたしておるのでございまして、そこでまあお話し合いをいたしました結果、とにかく特需を発注いたしまする米側に対しまして、この発注が突発的に減ったりふえたりするというようなことのないように、なだらかな形で行われるように、日本側におきましても、政府におきましても、会社におきましても、対策の樹立しやすいように、年間の計画等についても、なるべく事前に情報をこちらに流していただきまして、これに対処し得るような措置をとってほしいということを、常々外務省を通じまして合同委員会等適当な機関に対しまして折衝を行なっておったのでございます。ところが最近におきまして、合同委員会の下部機構と考えられます調達調整委員会におきまして、この問題をさらに具体的に取り上げようという米側の意向もはっきりいたしましたので、この昭和飛行機の問題につきましてもこれに持ち出しまして、実はお話しにございましたように昨日委員会が開かれたようなわけでございまして、日本側といたしましては、一方において大量に解雇しながら、他方においてまたこれを採用するというようなことのないように、この発注等につきましても、日本政府側の意向を尊重してほしいということを強く申し入れている次第でございます。  それからこの昭和飛行機の例にとってみますると、施設等が相当大きく接収せられておりまして、だんだんこういうふうに発注が減って参りますと、全部接収しっぽなしでなくてもいいのではないか、その一部分をなるべく早期に返還してもらいまして、一般の民間の需要、あるいは自衛隊の需要といったようなものに応じて会社が仕事を続けていくことができるように、そうすれば特需が減っても、労務者を従来通りかかえておくということができるわけでございますので、そういった点につきましても確かにこの接収の解除、あるいは解除ができない場合におきましては、共同使用というようなことにつきまして、米側に要求するという必要があろうと考えまして、この問題もやはりただいま調達調整委員会に持ち出しまして研究をしていただくことになっておる次第でございます。まあ、それにいたしましても、会社当局がどのような考えでおられるかという点がまず先決問題であると思われるのでございまして、会社が将来の需要の見通し等についてどういうふうに考えておられるか、それに応じまして、どの部分とどの部分の返還が望ましいと、こういうような将来に対する計画ができませんと、向う側に申し入れるにいたしましても、なかなか強く主張しにくいというようなことも考えられますので、政府といたしましては、できるだけ早い機会に会社の責任者の方々からも、そういった点についての御意向等も承わりまして善処をいたしたい、かように考えておるわけでございます。  なお、これは全般的なことでございますが、新特需その他、昨日の調整委員会の模様等につきましては、通産省の方からお答えすることにいたします。

伊東隆清通商産業省企業局特需課長

○説明員(伊東隆清君) ただいま委員長並びに賀屋参事官から言及されました特別調達調整委員会というのは、ここ二、三年前から実存していたブロキアメント・コーデネーション・サブ・コミッティの下部組織として実存していたことは、御承知の通りと思いますが、ただ、その機能が、日本経済に不当の影響を及ぼすような調達をする場合、たとえば非常に石炭が欠乏しつつあるときに、米駐留軍が膨大な石炭の量を購買するというような場合には、日本経済に不当の混乱を生ぜしめるので、必ず日本政府と協調して、この意見を聞くと、そういうような重要な量の、希少物資の購買に関して、日米両方が相談し合うという趣旨のもとに置かれていた委員会であります。  しかし、今年の初めあたりから特需産業の中で、特に労務関係が、一方においては非常に減少を見つつある、一方においてはいわゆる新特需と称する新しい購買量ができましたので、非常にそのアンバランスな状態になってきましたから、このプロキアメント・コーデネーション・サブコミッティで、そういった問題を取り上げたいということを、日米合同委員会において、外務省を代表しまして欧米局長が第百四十九回のプロキアメント・コーデネーション・サブ・コミッティで発言しました。米側はこれに対して三週間ほどの猶予を組みまして、その後にこれを承認いたして参りました。委員長には海軍少将のハーバードという方が就任いたしましたが、日本側の委員長は外務省の欧米局長でありますが、ハーバード少将はこういう特別な知識を要する技術的な問題はむしろコマンダー・レーに委任した方がいいだろう、自分は出席はしないという通知を、欧米局長に電話で申し入れて参りましたので、急遽日本側もこれに対応する委員に組みかえまして、きのう第一回を開きました。陸軍大佐以下中佐、大佐クラスの人が六人参りました。陸海空用を網羅しております。わが方では非常に長時間にわたって外務省、通産省、調達庁、労働省のところで、この昭和飛行機の問題を含めまして特需全般について、主としてその新特需がいかなる形でいっどういう工合に行われるか、また、この新特需が巷間伝えられるところによると、もちろんマクルダ声明以来、一億ドルあるとか、八千万ドルあるとか、種々雑多なうわさが流布されておる点を指摘いたしまして、この膨大な仕事の量が、めどさえつけば、現在の特需の問題については相当の解決を見出せるので、軍側のはっきりした態度を示してもらいたいと申し入れたのであります。陸海空軍は、ともにわからない、というのが結論でございました。それで幾ら長時間にわたって合議をいたしましても、結論はわからない、自分たちではいかんともできない、米本国の方ではどうかというと、これもわからぬというのが、きのうの会議の結論でございました。それで幾ら何しましても、軍としては、また一ヵ月間調査して、一ヵ月間の余裕の後に、わかった分をもう一ぺん連絡するからというので……。はしょりますと、結論はこうで、何らこれといったものはありませんでした。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 昨年の五月に富士モーターの大量の首切りがあったときに、石橋通産大臣は、民需に転換するために、政府として最大の努力をする、また、西田労働大臣は、間接調達にしなければ、特需の問題の矛盾の解決ができないから、これについて努力するとか、根本的にはアメリカの外務省との直接交渉によって、この問題を解決する、または、今日の状態では今直ちにというのは問題であるけれども、根本的の問題というのは、政府としては十分にこの関連の労働者の身分、その他の関係について努力すると言われてから、もうこれで一年以上たっている。ところが実際に、またまた特需等、今の現実の形とすれば、特需と新特需というような格好で、一方的に労働者だけが犠牲になるというような状態になってきておる。今お話を承わっていると、調達調整委員会がきのうようやく第一回を開いて、それも何か雲をつかむような状態で、出発はしたけれども、終ったというようなことになってきている。こういうことになってくると、今日の新特需の、片一方ではどんどん人を採用している、片一方では首切り、それでいて工場が余るけれども、その工場は民間の会社に返さない。こういうことになってくると、何といっても、今日会社と組合との間では、今年中の労務契約の問題については、今直ちにきょう首切り、というような状態ではありませんけれども、年があければ直ちにその首切りの問題が具体化するという状態にあるわけなんです。だからこの点は、私はやはり何といっても、そういう今のような無計画性という問題が、私はやっぱり非難されてもしようがない、こう思うわけです。だからその点は単に言いっぱなし、切りっぱなし、という問題じゃなしに、実際に、具体的に首切り、生活困難ということで現われてくる。現実的問題から考えましても、もっと確信のある、どうやって行くんだという、この問題の処理について、どうするんだということを、明確に一つお教えを願いたいと思うのです。

伊東隆清通商産業省企業局特需課長

○説明員(伊東隆清君) 根本的な解決は今のところ軍とコントラクターとの直接調達になっておりますために、政府が、いわゆる関係省庁に介入する余地がございませんし、向うはこれを好みません。それで私たちの方からかえってお教えを請いたいと思いますが……。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 委員外議員山田節男君から発言を求められていますが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。山田節男君。

山田節男日本社会党

○委員外議員(山田節男君) それでは簡単に今の藤田君の質問に関連して、きょうは大臣も見えておりませんし、外務省関係が見えておらないようであります。ただ労働省の中西君が見えておるし、これは政府委員であるから……。で、この今の藤田君の質問、これは古い問題であって、結局結論をどうするか。これは一つの占領軍政下の宿命的な所産であって、今、特需課長が言われるようにいかんともしがたいと言われるが、これは私はむしろ労働省は雇用安定という意味からこれは強く主張せにゃならぬじゃないか。そこで今特需課長がむしろお教えを請いたいというような答弁ですが、幸い外務省が委員になっておる日米合同委員会の例の調達調整委員会の第一回が開かれておる。これはどうしてもやっぱりトップ・レベルで話をしないと、問題は政治的なんです。そこで与党の自民党に特需対策に対してのちゃんと委員会ができている。しかしながらこれは労働省、調達庁、通産省という工合にいろいろ各方面の諸君が、官庁の代表が出ております。なかなか一体化した意見がまとまらない。これはどうしてもやはり労働省外務省が主になって、政治的に折衝しなければ簡単に片がつかぬのじゃないか。これは私、たとえばアメリカがこういう占領軍政下にあって特需というような一種の制度を設けて、そしてたたいて安くやらせる、こういうようなことが、今日独立国家になっても、依然として残っておるというところに、私は非常な問題の根幹があると思うのです。で、アメリカでは、一体この事業者にしても、こういう特需のようなものは不安定なものですから注文を受けない。しかし、日本ではまだ占領軍政下、ことに基地を提供しているという安保条約の建前から、民間企業者を特需というもので縛り上げて、民需はやらせない、防衛庁の仕事もやらせない、特需ばかりをやらせる。こういうようなやり方はこれは非常に日本の外交関係をもうそのまま現わしている姿である。日本がやはり植民地的な支配を受けていると言われてもしようがないと思う。ですから、これは私は特に中西君にお願いしておきますが、雇用の安定ということ、それから日米行政協定、安保条約に基く従属外交というものを、これを是正しなければ、この問題はどうしても私は解決つかないと思う。そこでこれは私、お願いになりますが、願わくば中西君もおられますから雇用の安定という立場、それから外務省の関係、やはりそういう特需産業でもって縛り上げて、企業そのものが成り立っていかない、しかも従業員には雇用の不安感というものを非常に持たしている。こういう問題を是正すべく、ぜひ次の調達調整委員会があれば、これは労働省が主になって言うてもらわなければいかぬ。これは外務省にもそうでありますが、また、調達庁あるいは通産省の係も見えておるが、これは実際問題としてお気の毒な立場にありますが、しかし駐留軍労務者、特需労務者は非常に類似点が多いのでありますが、過去のあなた方が持っておられる深い経験等をもって労働省、外務省に一つ十分自信の持てるような資料を与えると同時に、企画していただいて、そしてできればこれは大臣が、外務大臣あるいは労働大臣のレベルでもって政治的な交渉をするというほかには、私はこの問題に対する根本対策というものはないのじゃないかと思う。  それからもう一つ、これはお願いになりまするけれども、駐留軍の労務者の離職に対する決議案というものを、本委員会で本日ここで全会一致御採択になっておるようでありますが、と同時に、この駐留策の労務者、特需労務者というものは、占領軍政下に起きた一種の片輪な従業員でありますから、国家に責任がないとは言えない。でありまするから、今日ここで採択していただいたこの決議案というものは、当然特需の労務者に対しても、私は敷衍して解釈していくべきものだと思う。労働省としましても、監督官庁はやはりこの趣旨は特需労務者にも適用するものである。離職者の対策は、やはりこれに準じたものを一つ労働省が主体になってやってもらうべきものだと思うのです。ですから、私は重ねて申し上げておきますが、幸い今まで開かれなかった日米合同委員会の調達調整委員会というものが昨日糸口ができて、今後回を重ねるということになりますれば、労働省が主になって外務省と一つタイアップしていただいて、今のような従属的な特需産業の雇用関係を、これは日本の産業政策からいっても、私は非常に遺憾なことだと思うので、一つ労働省と外務省が主体になって合同委員会の調整委員会に強くこの意思を伝えてもらいたい、お願い申し上げておきます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで今山田委員から御発言がありましたこの問題は、差し迫った問題と思うのです。年が明けた早々千三十名の首切りの問題を控えておりながら、具体的には昨年の五月にこの特需の計画的な問題が論ぜられてきている。当局としては今後そういう工合の悪くないようにすると言いながら、今日の状態になってきているわけであります。私はやはりここで何といっても、その半分以下になったら、それだけの工場施設を返還する、いかなければ、共同使用をするとかいうような問題、または新特需との関係をどう処理して、今の首切りを起さないという問題、こういう問題について私はやはり通産省、主として通産省になると思いますが、調達庁も非常に関係が深いと思います。この点を十分にやっていただきたいということと、今までにお話がありましたように、何といっても労働省が、こういう日本の国全体が卑屈な状態に置かれているという、やはり人並みに日本も独立国といわれているのでありますから、こういう人権に関する問題ですから、ほんとうにアメリカと堂々と交渉して労働者を守ってもらいたいという工合いに私はお願いをしたいのです。だから労働省としては、こういう問題についてどうお考えになっているか、この際聞いておきたいと思うのです。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 先ほど山田委員の言われました御趣旨、われわれとしても同感でございます。ただ非常にむずかしい問題でございますので、果してそのトップ・レベルで話し合いましても、うまく解決するかどうかはっきりいたしませんけれども、われわれといたしましては労働問題からも非常に処理に苦慮いたしております。毎回同じようなことを繰り返しているので、われわれもほとほと困惑いたしておりますが、御趣意の点はわれわれの方でも積極的に十分に考えて参りたいという考えであります。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 本件に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと思いますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。     —————————————

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 次に、日雇労務者の年末手当に関する件を問題に供します。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 労働省の方にお伺いいたしたいと思いますが、日雇労務者の年末手当の件につきまして、先般の委員会のときの席上においても労務者の代表の方が来られて切々として訴えられておりましたこの点について、労働省は今年末手当を何日分考えておられるか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 私直接の担当でございませんが、本件につきましては、昨日衆議院での社会労働委員会におきまして労働大臣が答弁をいたしまして、日雇労務者の年末手当につきましては、昨年が六日分でございましたが、今年はそれにもう一日加えて七日分にするということでございます。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 これはえらいけちったものですね、(笑声)一般公務員は〇・一五の線が確定されましたのですが、そういうことと関連しまして、どういうふうに労働省はお考えになっておられるのですか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 別に、特にその関連ということもございませんが、公務員の方が〇・一五ふえたのでございます。これは日数に換算いたしますと、〇・六日分になるのでございます。六・六日というのも妙なことになるので、思い切って端数をあげまして七日と、こういうことであるようでありまして、別にそれが特に関連があるということじゃございませんけれども、つり合いからすれば、十分にこれでとれるということでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 関連。その日雇労働者の今の就業状態は、全国では二十一日であるといわれているのですが、これは地方偏在をしているわけですね。たとえば悪いところでは十五日の仕事もないという状態、たとえば二十一日あったとしたところで、三百円のものを平均二十日やっても六千円だ。そういう状態の中でこの年の瀬を越すのに、今のように一日ふやしたというようなことで、実際問題として生活ができると、労働省は、どうなんですか、思っておられるのですか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 私、直接担当でないので詳しくお答えするのもどうかと思いますけれども、この日雇労務者の趣旨からいいますると、こういった手当は出すことに全然理由はないのであります。が、しかしそういうことの理屈は別といたしまして、とにかくやはり一時的に手当を出そうというので、数年前から始められたのでございますが、そこで、もちろんそれは十分な金じゃございませんけれども、それはまた生活保護その他の方面の問題でございまして、日雇労務といたしましては、そういった金を出すこと自体に理屈はないのでございますが、それは理屈抜きで出しているということでございますので、その点は御了承願いたい。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 出す理由がないというのはどういうわけですか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 日雇労務は、これは本来の労務に就くまでつなぎとして一応政府が専業を起して就労させているというものでございますので、従って年末に出すという、つまり継続雇用を前提とした、そういう制度的なものを考えるのは、理屈としては合わないということでございます。(「了承」と呼ぶ者あり)

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いや、了承じゃない。そうぬけぬけと言われるのだが、だけど僕は、中西さんの立場上より言われるのか……、きょうは政府の代表として来ているのだからね。今日たくさんの失業者がおり、潜在失業者がたくさんおる中で、根本的な失業対策も立てずに、これはこれで、緊急対策事業で、この法律によるから、これはこうだと、それは単なる足どめの、次の就職を得るまでの足どめなんだから、それには関係がないということじゃ、それじゃ根本的な失業対策はどうするのだということになってくる。今の失業者をどうしてそれじゃ救済するかという問題に発展してくるわけなんで、だからここで中西さん答えにくかったら、今度大臣とその話しをしますけれども、しかしそれは労働省としても現実の問題としては、三百円足らずの日給で、せいぜい働いて二十日分だ。そういう状態の中で、ちょっと言い方が気に食わんですな、それは。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) ちょっと理屈に走ったのでございますけれども、確かにそれは日雇労務者は非常にお気の毒でございます。しかしながら、まあこの年末はとにかく去年よりは奮発して、一日ふやしたということでございますので、一つ御了承をいただきたい。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 今の、日雇労務者はただつなぎに働いているというような考え方、どうも少し変だと思うのですけれども、実際つなぎだったら、日雇労務者に対する健康保険だとか、ああいったような制度などおそらく考えないで、放つといていいだろうということになる。やはりそういうことを考えるということは、今日の世の中において日雇労務者の地位というものは、これはきわめて気の毒な地位だけれども、やはりそれを何とか見てやろう。そして一つの、何といいますか、立場を社会も認めているわけだから、だからもうちっと年末手当に関しても、もちろん公務員じゃないですよ、しかしやっぱり世の中のために働いているのですからね。今のように言われるのはちと冷淡過ぎると思いますね。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 本件につきましては、きょうは大臣の出席もございませんし、答弁の責任者たる所管局長の出席もございませんので、本日の質疑はこの程度にしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。     —————————————

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) この際、お諮りいたします。社会保障制度に関する調査、労働情勢に関する調査、右の調査案件は、今期国会開会中には調査を完了することが困難でありますので、継続調査要求書を議長あて提出することとし、その手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君  そういう事情にあると思いますけれども、一つだけ、懸案になっておった千葉新聞の問題をちょっとだけ聞いておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

千葉信日本社会党

○委員長(千葉信君) 速記をつけて。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十六分散会

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