外務委員会 第12号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/12/06
会議録
○委員長(小滝彬君) ただいまより外務委員会を開会いたします。 特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定の締結について本誌を求めるの件を議題といたします。 昨日に引き続き、質疑を続行いたします。正力国務大臣も出席されましたが、どなたか御質問ございしましたら、順次御発言願います。
○曾祢益君 昨日、本委員会におきまして、同僚委員の御質問に答えて、原子力局長から、この問題だけでなくって、原子力の政策といいまするか、やや長期的な第一期の全くの実験炉の問題、第二期の国産実験炉の問題、第三期の動力実験炉の問題等についての一つの政策の展望の御説明があったんですが、これは非常に重要な点でございまするので、あらためて正力さんから大体の御方針を承わることができれば、幸いと存じます。
○国務大臣(正力松太郎君) お答えいたします。 昨日、佐々木局長から申し上げたと思いますが、つまり、原子力の大体の方針としましては、五カ年計画を立てまして、そうして、まず第一期に実験炉を入れる。それで最初はウォーター・ボイラー型を注文いたしまして、その次にCP5型を注文いたしまして、そうしてまず実験炉でよく研究をやると同時に、利用研究をやるようにさせておりました。ところが一面、これは私どもとして遺憾な話ですが、実は、私どもは、正月に原子力委員会ができますると、そのときにまず声明書を出そうということで、原子力委員会で声明書を出しました。ところが、その声明書ができ上ったものを私が見ますると、発電の問題に一つも触れていないんです。御承知のごとく、原子力をやるということはむろんアイソトープの利用も必要だが、何としても発電である。ことに日本のごとき電力に非常に困っている所は発電は何としてもやらなくちゃならないという考えを持ちましたから、その委員会で、今イギリスやアメリカはもう今年度から発電をしておるんたから、日本は十年のおくれがあるとはいえ、少くとも五年後には日本も発電をしたいということを声明しようじゃないか、ということを私は言いました。ところが、話をしましても、発電ということはほとんど夢のように考えられておる。従って、五年後に発電したいと思うなんて行き過ぎだということであります。結局それじゃ努力しようということで、五カ年後に発電するように努力する、という初めて発電の文句を入れたのであります。ところが、その声明書を出すと同時に私は郷里、選挙区へ帰りまして、そのとき車中談でその声明書の意味を話しました。ところが、新聞記者は、委員会としては五年後に発電に努力するとなっておるけれども、実は自分は五年後にどうしても発電しようと思うてるんだ、ということを言うたところが、新聞記者は、皆相談の結果、委員会は五年後に発電するんだということをぼくが言うたということで、新聞に大きく扱いました。それがために、たいへんな騒ぎが起りまして、どうも正力が独走したとか、原子力委員が辞表を出すということになった。辞表出す人が一人じゃなかったんです。そういうようなことであったんです。それはことしの一月。それほどことしの一月の状態においては発電ということは考られていなかった。従って、今の五年計画でも、まず実験炉のごく小さいウオーター・ボイラーじゃおもちゃです。ああいうものを注文して、そうしてCP5を注文するという状態であったのです。ことしのそれは一月の話である。ところが、三月、イギリスの前労働相ロイド卿が日本へやって来て、そうしてそのときにちょうど私が一緒になりましたから、ロイド卿に、今イギリスはたいへん発電のほうは進んでおるようであるし、ところがイギリスと日本は国情は非常に似ておるのたから、自分はひとつイギリスのほうに学びたいから、イギリスからコッククロフト、これは御承知のように、ノーベル賞を持っておる世界的の学者です、だから、コッククロフトを呼びたいと思うというような話をして、それからなお、いったいイギリスはことしの十月から発電をしたが、いつごろから経済ベースに合うか、そうしましたところが、ロイド卿は、いや、ことしの十月発電したが、それがもうすでに経済ベースに合う証明がついている、こう言うた。御承知のごとく、だれだって発電ということは十五年先と考えています。少くとも十年先。したがって、それがわれわれの五年計画のもとだったのです。ところが、もうことしからイギリスは合うと説明して、私は驚きました。しかし、自分だけ説明を聞いてもわからん。専門の人に、今こういうふうにロイド卿はおれに言うておるから、君ひとつよくロイド卿と話してくれんか。やりますと、話の結果、いや、あれはイギリスでああ言うておるけれども、日本と経済ベースの基礎が違いますから、とてもあんなことはだめですよ、こういうことを言われたんです。やっぱりそうかなあ、経済ベースに合うというのは夢かなぁと私は思いました。ところが、その際に、ロイド卿は、そんなコッククロフトのような学者を呼ぶよりか、イギリスの炉を作った、ほんとうの世界のナンバー・ワンとまで自分は思うから、ヒントン卿を呼ばんかということを言いまして、それじゃヒントンを呼ぼう。それで、今先生忙しいし健康も悪いのでなかなか来ないから、日本政府から君がぜひ来いと言や来るだろう、ということからそれで私は私の原子力委員長として呼ぼうと思いました。ところが、悲しいかな、予算がなかったんです、呼ぶだけの予算が。原子力局長を呼んで予算がないというから、それじゃ仕方なしに読売新聞にやらせようというて読売新聞でヒントン卿を呼んだようなわけであったんです。ところがヒントン卿が日本へ来たから尋ねました。ロイド卿がこういうことを言うたが、どうか。合うとやっぱり言うたんです。それからさらに、それが私に言うたのみならず、公開の席で堂々と日本でも経済ベースに合うと思うという演説をしました。それから私はヒントン卿を官邸に呼びまして、専門の学者立ち会いの上で、君はこういうことを発言したが、実際経済ベースに合うのか、おれは日本の担当大臣の責任者として、日本の政策に影響するところ非常に大きいのだから、これをひとつ君から聞きたい。そうしましたら、いや私責任をもって言います。それは日本のような電力の事情は、大体聞いて知っている、イギリスと非常に似ていると言いました。われわれはこれで非常に苦心してやってきたのだ。どうしてもイギリスの経済事情を救うのは電力でしかないのだと思って苦心してやったのです。日本もぜひおやりなさいと言われた。私そのときに嵯峨根博士とほかお二人にも立ち会わせているから、そのお二人の博士にも話しましたら皆会得しました。それで私はその話を聞きましたから、すぐヒントン卿に、君の方に調査団を送ろう、そのときの金が幾らかと聞くと百五十億と言われました。日本は御承知のようにウォーター・ボイラーは八千万円で注文した。そこを百五十億というのです。私はそのときにとっぴなようだけれども、経済ベースに合うということになれば、むしろこれは安いものだ、そんな金は政府としてはできないことはない、こう思いましたから、私はその場で、それじゃ君の方へ調査団をやって、間違いないということならば、場合によっては買うぞと言うたところが、ヒントン卿は、それはありがたい話だ、こういうことで、そこで一つ調査団を送ってくれ、送るということで、御承知のところの調査団を送ったのです。ところがイギリスへ調査団を送る、場合によっては買うということが、これは話は大きいようだが、非常な反響があった。アメリカばかりじゃありません、イギリスはもちろん、ドイツ、フランスまで影響を与えました。なぜならば、今まで原子力というものは、馬鹿げた、私のようなしろうとがおかしな話でしたが、何としてもアメリカが一番進んでいる、それからソ連とばかり思っていた。ところがイギリスが電力の事情が欠如しているということはわかっていた。それをほんとうにイギリスに調査団をやる。私も責任大臣ですから、これが非常にアメリカにセンセーションを巻き起しまして、アメリカの、ことにメーカーの方に非常にセンセーションを起こしまして、そこでアメリカのメーカーが非常に騒いだ。それでとうとう上院の問題になって、上院では、要するにアメリカの政府の原子力の政策は、軍事ということを非常に考えていた。つまり軍事費というものは、金はかまわぬ、よい物を作ればよいということで、経済を考えずにやっていた。それだから今まで日本のごときアメリカの唯一の得意先ですらもイギリスに奪われるようになったじゃないかということで、一つ上院から政府に警告を発しようというような問題を起し、それからなおまたアメリカから東京支局長がアメリカ人同伴で私のところに来まして、君は今まで日本は何でもアメリカから買っていたのに、どうしてイギリスから買うのかと言うから、私は言いました、日本は電力事情が困っている、それだからイギリスへ注文をするのだと言うたところが、それはまあ日本としてはやむを得ない話だということを言われました。言われましたのみならず、この話がドイツへ伝わったので、私が調査団を送るという準備をしたら、ドイツも調査団をイギリスへ送りました。それからアメリカのメーカーから来て、イギリスが経済ベースに合ったならアメリカだって経済ベースに合う、買わぬかということで二、三やってきました。ことにウオーター・ボイラを注文した会社からやってきました。経済ベースに合うかというと、イギリスだって合うし、アメリカも合う。ところが言うてきたってこちらは取り合わなかった。ところがたまたま御承知のようにアメリカのウェスティギハウス、これはGEと並んでアメリカの大きな会社で、原子力のことに関してはアメリカで一番やっております。その会社の社長が日本へやってきまして、そうして私に会いたいというので私は会いまして、君の方で今まで何でも原力炉その他アメリカに注文していたのに、どういうわけでイギリスへやったのたという話をやっぱり言われました。それで君のところでは経済ベースが合わぬじゃないかと言うたところが、いやアメリカだって経済ベースに合うのだと言われた。だから私は宴会の席で会ったものですから、官邸へ尋ねるから、詳細に説明をするということで、日を約して私の官邸に来ました。私はこと重大と思ったから、嵯峨根博士ほか二人の博士を立ち会わせてやらせました。ところが向うからも専門家を三人連れてきまして、果して経済ベースに合うかどうか、いろいろ論議させました。ところが論議してみると、アメリカの専門家が案外はっきりしなかった。どうも経済ベースに合うということはまだはっきり言えぬ、このことはなお調査した上ではっきりした返事をするということを言うて帰りました。それから一月たって私の方へ書面を送ってきました。アメリカへ帰っていろいろ論議したところが、アメリカでも経済ベースに合う、そうして設計図を、このくらい分厚の英文のものです、その設計図をつけて送ってきました。それで私は経済ベースの調査団の報告を受けないけれども、これは経済ベースに合うことは間違いない、要するにアメリカの専門家がいろいろ論議をしてきまらぬやつが、国へ帰って調査の結果言ってきたものですから。そうするとイギリスからもきました。イギリスも調査の結果経済ベースに合う、一本松副団長から公式の書面として私のところへきました。そうして詳しく計算書を送ってきました。石川団長はこれからアメリカへ回るが、取りあえず報告はこうだということで、それでもう経済ベースに合うということは何人も否認することができなくなってきました。かって夢のように思われていた、ところが偶然に夢でないということで、本当に原子力に対する明るい見通しができたのです。従って、今度は今それをイギリスから買うことについて、どの方から買うかということについては、なおよく石川団長に相談いたしますが、いずれにしても原子力というものは、もう電力にかわり得るということになります。この間衆議院の委員会でも、日本発送電では、つまり五カ年電力発電計画を立てて千五百億と計算した、あれについても考慮しなくちゃならぬじゃないかということを、ある委員から質問されました。また事実千五百億かけて発電をやっても大へんなことでありますし、御承知のごとく、今経済ベースに合っても、今後少くとももっと火力は上りぎみにある。なぜならば石炭は昨年までは七百万トンでした、今年は八百万トン、来年は千二百万トン、再来年はもっと千四百万トン、こういうふうに石炭が要る。それだからだんだん上りぎみにある。水力は御承知の通りもう大体先が見えてきておる。そうして水力は御承知の通りに送電線を作らなければならない、これは大へんな費用である、火力であるとすれば石炭の量は今言った通り何百万トンか要る。それが原子力になると、ほんの小さいもので済むというような、いろいろな点から考えても、日本としては大きくこの原子力を取りつけねばならぬということになります。従って、われわれの原子力の五カ年計画も、これによって大分修正を加えなければならぬと思っておりますが、いずれにしても夢のように思われた、しかも委員の辞表騒ぎまで起ったことが、今日私どもの考えで想像以上に進んできた、実用の道具になってきたということは事実であります。従って、あの今まで作った五カ年計画は、私どもも多少それに修正を加えますし、相当日本の経済事情に大きなプラスを加えるということを申し上げる次第であります。こういうふうな事情で、原子力の事情はまことに明るいのであります。
○曾祢益君 非常に積極的なかつ明るいお見通しであり、また重要な日本の燃料政策及び電力政策に関連しての非常なキイ・ポイントになるお話たったのですが、そこで大体そういうふうな事情で、正力さんの積極政策が生んだ一つの結果かも知れませんが、そうすると、イギリスの方ではもう現に経済ベースに乗るという確信ができた、そのことは日本の専門家も承認する。アメリカの方は結局少くともウェスティングハウスの調査団が来て帰った報告を見れば、これまたアメリカ式でも経済ベースに乗るということが、日本側としても承認できる。こういう段階になったわけです。
○国務大臣(正力松太郎君) そうでございます。ことにもう一つ、電力政策について重大なことがありまして、アメリカはいかにあわてたかということは、私どもでイギリスに注文するということになりますと、原子力の動力協定については秘密条項になっておったわけですが、アメリカはすぐ秘密条項を解放しました。石川委員長も非常に喜びまして、今まで協定をやろうとしても一番障害になるのは秘密条項で、日本の根本政策に反することでしたが、その秘密をアメリカは解除しました。イギリスも解除しました。だから今意外な収穫物がでてきた、私どもは来議会には動力の協定を出したいと思っております。通常国会に。
○曾祢益君 そういうなわけで、原子力発電については、今までみたいな態度でなくて、今までの五カ年計画も根本的に再検討する。すなわち、むしろ手っとり早くいえば今までの計画よりもスピード・アップして、そうしてこの原子力発電の方になるべく早くとっかかりたい、かように考えていく必要があると、こういうお考えですか。
○国務大臣(正力松太郎君) そうです。
○曾祢益君 それらのことについては、結局今の調査団が帰ってこられて、そうして原子力委員会において政策を検討した結果きまってくる。今までのところでは、そうすると動力実験炉というものは、やはり第三期すなわち五カ年ですか、三カ年の後から……。
○国務大臣(正力松太郎君) それも実験炉だったのです。
○曾祢益君 今度は実験じゃないのです……。
○国務大臣(正力松太郎君) 実験ではないのです。いきなりいこう、こういう議論が原子力委員会で協議されていたわけです。それが実際イギリスのヒントン卿の話のように、今は実験炉ではなくて、イギリスのコールダーホールでは千億円もかけております。それだから日本は幾らかパテントをとられますけれども、それを日本に持ってきて学者に研究を大いにやらせる。ただそれを買ってきて、そのまま単に応用するというのじゃなく、一面応用もするが、学者の研究は盛んにやらせる。そういうものを持ってくると、学者においては研究しないという心配があるが、研究は盛んにやらせる。これは断言できる。御承知の通り、日本の科学技術が進歩せんということは、研究費の足らんことです。それは外国の例を見ても、コールダーホールへ行ってきた専門家は、みな驚いて参りました。コールダーホールだけでも千億かけておる。日本はかけていないのです。ことに原子力は十年も遅れておりますけれども、今こういうことが出てきたから十年の遅れはとり返す。応用方面に出てきたわけです。むしろ実験炉よりも進んだ動力をやったらどうだというのが、一本松副団長の報告です。一本松副団長などもイギリスのコールダーホールを見ない前は、とてもアメリカに及ばんと思っておったのですが、ところがイギリスに行ってきて、全く一本松副団長の頭も違ってきたわけです。 —————————————
○委員長(小滝彬君) ちょっと質疑の途中ですが、委員の異動について御報告申し上げます。山下義信君が辞任せられ、その補欠として海野三朗君が委員になられましたので、御報告申し上げます。 —————————————
○曾祢益君 これはアメリカ、イギリスの売り込み競争というような形になってきているわけです。これは見方によっては、日本がそれに振り回されてはいかんという見方もあるし、それから積極的に見ればそういうバイヤーの立場をうまくやって、正力さんのお話にあったような、なるべく有利な条件を両方から出させる、競争させるということもできると思うのです。そこで根本は、今までの何と申しますか、研究積み上げ方式といいますか、ウオーター・ボイラーとCP5、これを買って、それから日本の国産実験炉、さらには発電にいく前に発電実験炉を、多分イギリスから、あるいは場合によってはアメリカから買っていく、最後にそこらの形勢を見て、さて本格的な動力炉について考えていく、四段構えですね。それは四段構えはまだるこしい、簡単にいえばもちろんウオーター・ボイラーとCP5、それがきて、私が想像すれば、研究の費用、施設等についてもいろいろやっていくけれども、今のステップを一つ飛び越えて、今腹をきめて、第一段階としては少くとも発電炉を買ってしまう、多分イギリスから……。アメリカの問題も考えるが、そこでそれだけステップを乗り越えて、いきなり動力炉に入ったらどうかというような、積極的な気持が正力大臣のお考えではないかと思う。それに対して、むしろ学者さんの方では非常に心配をもっている、そこが今一つのポイント、中心になっていると思う、その通りですか。
○国務大臣(正力松太郎君) その通りです。
○永野護君 それに関連してちょっと一言伺いたいのですが、きのう佐々木局長に私が電力問題に関して、日本の需給の見通しを伺ったのは、実はこの点があるから伺ったのであります。私はさらにもう一歩、直接それに関係がないから、きのう伺わなかったのですけれども、この原子力発電をどう扱うかという問題を考えますときには、日本の産業の一番基本の問題であるエネルギー全体の供給源に関する総括的の研究が、まず基礎的にあって、それに基いて原子力発電をどういうふうに扱うかという結論が出てくるのじゃないかと思うのでありますが、幸いにその方面に最も明るい局長がおられるのでありますから、大体日本のエネルギー源というものは、どうなるのだという現状及び見通し、それに対してどう対処するということを、ごくあっさりでよろしゅうございますから御説明願いたい。と申しますのは、実は私は、大きな資源が外国に比べて乏しい日本に、さらに大きなまとまった資源だと思うものが放任されているのは、天然ガスだと思う、驚くべく天然ガスに関する日本人の知識が薄いのであります。これは外国の表なんかごらんになっても、大ていのところに石炭、石油とあれがあるけれども、日本の発表文書には天然ガスというのは未定とかというような数字が出ていることがよくあるのです。ところが現実の問題としますと、きわめて最近に実現しているのは、東京都に供給するガスに、東京の地下で堀った天然ガスをタウン・ガスに供給するのを現にやっている。石炭で燃すのじゃなくて、今度の拡張計画は、東京都の地下にある天然ガスを堀って供給する。ことにもうタンクもできている、パイプも引いている。けれども一般市民は、地下にある天然ガスでわれわれのタウン・ガスを供給できるというようなことは、ほとんど常識にない。さらに遊んで、イタリアではっきりわかっているのですけれども、その下には石油がある、はっきりあると専門家が認めている。東京都の下に石油があるということを言ったら、昔ならまゆつばものであると言われたでありましょう、天然ガスは千メートル、今は大体浅く出ております、六、七百メートルで非常に出ている。江戸川の向うには出ないと言われておったのが、六、七百メートルで非常にりっぱなものが出ている。東京の深川はもちろんありますけれども、これからずっと千葉へかけて出ている。天然ガスの非常に豊富な埋蔵量があるということがわかっている。その下には石油がある、イタリアなんかへ吉田技師が研究に行かれたわけでありますが、これは四千メートル堀らなければならない。ペイしないだろうと言っていたけれども、イタリアの実績はペイしている。東京都の地下に石油があるというようなことは、ほとんど夢物語であったのが、夢物語ではなくなっているのであります。こういうようなことを日本のエネルギー源全体の問題を考えますときに、もう少し真剣に考えてみられたらどうかと思う。そうしてそれに基いて日本のエネルギーがこういうふうになるから、これはどうしてもそれに間に合うように、原子力の発電をしなければならない、という具体的な問題に関する意見も一体立つと思うのであります。実はこれはきのうの質問のときにお伺いするつもりであったのですけれども、直接この問題にあまり基本的な問題になるものだから、きのうは質問しなかったのでありますけれども、ほんとうはそれが伺いたかったのであります。これは正力国務大臣よりは佐々木局長の方が専門的によく御存じですから、一応常識として皆さんに知っておいていただきたいと思いますから佐々木局長の説明をお願いいたします。
○政府委員(佐々木義武君) それでは私からその点申し上げてみたいと思います。 水力資源に関しましては、きのう申し上げました通りほぼ日本では十年あるいは十五年で使い果してしまうということは、常識論として正しいと信じております。石炭資源も自然条件は悪くなりだんだん値が上ってきているのもほぼ自明のことかと思います。そこで残された問題は、重油かあるいは天然ガスかあるいは原子力という問題になるわけでありますが、今の御指摘になりました天然ガスに関しまして、私専門家でありませんが、できるだけお話してみたいと思いますけれども、外国ではお話のありましたように、米国では天然ガスの発電が非常に大きなウエートをもってどんどん伸長してございます。イタリアでも、私もイタリアに参りました際に、やはり従来の地熱発電というものはほとんどストップいたしまして、そして北イタリアで発見されました天然ガスを主体に、今まで輸入した石炭で発電したものを天然ガスに切りかえるという方向にどんどん向っていくことは事実でございます。 カナダにおきましても大へん天然ガスが出だしまして、アメリカに長い距離を送ってそして向うで発電をしたいという計画を持っておったことも事実でございます。また世界銀行に、ワシントンに参りました際、向うの極東部長が私にぜひ会いたいというのでお会いしましたら、国連の年度報告に日本に関しては天然ガスの調査をなぜもっとやらぬかということを特筆大書してあるけれども、お前の方はどうしておるのだという御指摘があったことも事実でございます。日本の天然ガスに関しましては、石油の方はいざしらず、今後調査いかんによりましては非常に利用価値の高いものではなかろうか、という点につきましては全然同感でございます。ただ、ただいまの段階では調査があまり行き届いておりませんので、量の問題も果してどの程度あるかという点に対しては、まだ未解決の問題かと思います。そこでそれでは各国でそういうふうに天然ガスの豊富なるところで、たとえば米国とかイタリアのようなところで、それのみにたよって原子力の問題を研究しないかと申しますと、そうではないのでありまして、天然ガスはあるけれどもやはり原子力発電に関しましては非常に積極的な研究を近めつつある。そのゆえんのものは少くとも天然ガスでやりました際に、キロワット当りのコスト計算では、ただいまの段階ではどのくらいになっておるか、その点はつまびらかにいたしませんけれども、石油にあまり多い差異のないということで、計算いたしますと、大体将来は、ウラン二三五と申しますかこれを燃料にして、あるいは濃縮ウランを燃料にいたしますと半分、あるいは半分以下になろうかと思います。ただいまの日本のキロワット当りの燃料のコストは大体二円前後になりまして、原子力でやりますと一円あるいは一円以下になるのが大体の常識になっておりますので、そういう面から考えましてもちろん水力もありませんし、石炭も高くなるという場合には、極力国内の天然資源等を開発しまして、これにたよるのは賢明な道かと思いますが、先ほど申しましたように量の問題にはまだ不安な点がございますので、少くともこれと並行的に研究を進めまして、そして地下の資源として両方とも伸ばしていくという方が賢明じゃなかろうかという考えでおります。
○永野護君 ちょっとそれについて申し上げます。量の問題が不安だ、まだはっきりわからないという御説明があったのですが、これは数年来からたえず起っておる問題であって、この量をほんとうに研究したらどうかということをアメリカさんが非常に熱心に日本にすすめたのであります。日本にきておるスキャップの人も言っておりましたし、そうしてアメリカの世界銀行からも言っておるのに、日本の天然ガスの量がどのくらいあるかということに関する具体的の研究調査が一つも実行されてない。ないというのじゃない、わからないとこう言う。ところが現実の問題としてそれを完全にやったのが、これはもうしろうとだからやったというのでみんなに笑われたのでありますけれども、政治家の三木武吉が堀った。そして出たのであります。これは最初のうちは開発銀行が金を貸さない。三木武吉が堀ったってろくなものは出やしないだろうと言っておった。ところがいろいろ何しまして、とうとうあれがめちゃくちゃに高利の金であれを堀った。それが現実に出ておる。現に東京都の東京ガスも最初はまじめに扱わなかった。そんなものを買うとか何とかというようなものはばかげた話で、政治家の寝言だと言っておったけれども、今日行ってごらんなさい、どんどん出ている。そうして東京ガスは千住に受け入れの大きなタンクをこしらえ、われわれ都民に供給しておる、せんとしつつある。まだパイプはつなぎませんけれども。でありますから、あの三木武吉が高利貸しから借りたような金でやった、天燃ガスの研究をなぜ国家がやらなかったか。そしてその後不安だ不安だというので堀ったらみんな出ております。だからこれは東京都でやっているのだから、皆さん方の常識としてどんなものが出ておるかということを、一ぺんごらんになったらいい。実際しろうとのむちゃくちゃなことが……。そのかわり三木武吉はあれで文化賞をもらいました。三木武吉の言うのにはこれは金鵄勲章をもらったよりうれしいと言っている。学術の文化賞というものは、毎日新聞の科学の功労者に対するあれを三木武吉はもらったのであります。そういう三木武吉は思わぬ拾いものをしましたけれども、国家がやっておれば三木は高利貸しの金で堀るような冒険はしなかったのでありますけれども、それを現にやっている。だから量が未定だなんということをおっしゃらないで、そうしてどんどんとお堀りになって下さい。アメリカが言っている。日本のことをアメリカに教えてもらった。イタリアもそうです。イタリアは全然天然ガスがあるなんて知らなかった。アメリカが教えてイタリアはすぐ堀った。非常に膨大なエネルギー源に今なっていることは佐々木さん行って現場を見てこられたから御存じの通り、ポー河の河畔にあるのです。だからそれと同じような理屈で東京の場合は膨大なる天然ガスのスポットがあると言っているのでありますから、少しどんどんお堀りになったらどうかということを、この問題とは直接じゃないのでありますけれども、そうしてこんなことを言うのはいたずらに時間をとりますけれども、あまりにこの現実と世間の常識がかけ離れておりますから申し上げておきます。どうぞ政府としては大いに堀ってやってもらいたいと思います。
○国務大臣(正力松太郎君) ちょっと今永野委員のお話に関連してお話申し上げますが、ガスについての調査、これは先ほど申し上げた研究とか調査に日本は金をかけないのです。これがもう日本のつまり進歩を非常に阻害していると思います。それですから今度科学技術庁ができましたのも非常にけっこうだと思っておりますが、これなど科学技術庁ができましてから私どもの仕事としてまず調べたのは研究所の調査です。ところが外国より研究所が非常に貧弱で、しかもそれは各省なわ張りで分轄されており調査研究をやっております。だから何にもできないのです。今永野委員が申しました通りガスだってそうです。一ぱいそういうことがある。だからどうしてもここで一つ何ですね、研究費、調査費というのですか、それについては私ども今度内閣の政策にしてもらいたいと思っているのは、科学技術の振興と科学技術の普及ということです。これはどうしても科学技術をもろと普及しなければならない。そうして科学技術を小学校の児童にまで指導しなければならない。そうすれば日本の経済事情、日本の独立というもののために非常に寄与することが大きいと、こう思っておるわけであります。 それから先ほど、なおエネルギーのことを永野委員が言われましたけれども、今毎年百万キロワット足らぬそうです、つまり需要に合せると百万キロワット。今度はイギリスからだいぶ原子炉を、今コールダホールと申しますと、二十八万キロ、十四万の二つです、これは二十八万キロできます。だからその機を逸せず、どうしてもここで一つ原子力に何してもらわなくちゃならない。それについてはなかなか大蔵省は予算にびっくりしちゃって、昨年、実は今年度分としてわれわれは原子力で三十六億の予算をとっておりましたが、これも十三億と言ってなかなか大蔵省は聞かないのです。それをまあ原子力関係機関の諸君の応援によって、われわれようやく三十六億とりました。ところがそれを今度は百二十億要求した。これは大へんだ、百二十億といっても小さい。だけれども、どうしても理解してくれない。ですからどうぞもう少し科学技術の予算をふやすようにお願いしたいと思います。
○委員長(小滝彬君) 審議を急いでおりますから、特にやむを得ざる必要があればですけれども、政府側は質問に応じて答弁していただきたい。
○海野三朗君 ただいま永野委員から言及されましたが、事実私も実に同感です。今実際のことをちょっと申し上げますが、山形県におきましては、安楽城村というあの地方一帯が天然ガスの噴出で、たんぼの中から、川の中から、水の流れておる所からぶくぶく全体的に出ている。これは天然ガスですよ。これがきのうきょう出たものではありません。ずっとおじいさんの代からと土地の者が言う。天然ガスがこれ一面なんです。それをこのころ調査し始めたかもしれませんが、さらに問題にされていない。私はこれを実地に踏査して知っております。何里という間、もうぶくぶく天然ガスがたくさん出ている、たんぼの中まで。私はこれについてはもっと政府がはっきりこのエネルギー資源という立場からしても、このガスのことをやらなければならないのじゃないかと、こう思います。 それから濃縮ウランのことについて、国務大臣は非常に御熱心であって、その点については私は深甚の敬意を表するものでありまするが、今まで四つの段階を御計画になっておりまするが、少しあまり遠い先をお考え過ぎるのじゃないかというふうに私は思うのです。それよりもまず現実の状態、すなわち、この山形県のごときは、温泉の数が五十四カ所ございます。五十四カ所、おそらく日本一でしょう。それで三朝温泉のような性質のものもたくさんある。もう少しあの辺を調査なさったらどうか。まず国内の調査にもう少し金をかけておやりになったらどうか。ただいま百二十億なんとおっしゃったけれども、私は一千二百億くらいにしなければいけない。(笑声)実際ですよ。一千二百億くらいでもアメリカの一兆的以上使っているところから見ましたら、それでもまだ実に貧弱なものです。調査がまず第一できていない。ただ人形峠のウランについて、この間私も行って見ましたが、やっとあそこだけであって、それが何かというと、飛行機の上からやっている。飛行機の上からやっているというような、そんなことじゃなしに、もっとしっかり地に足をつけて調査する必要があるんじゃないかということを思いまするのと、それから発電炉を将来買う。その発電炉は一年、二年ではできないから、早く注文しておくというようなことに対しては、私は賛意を急に表しがたいのです。なぜそう言うのであるかと申しますると、日本人の頭というものは、決して欧米人に劣る頭の持主じゃないということを私は思います。それですから、たとえば一例を申しますと、電気洗たく機のようなもの、今電気洗たく機を盛んにやっておりますが、日本ではそれ以上のものを考えてもう売り出しておりましょう。圧力を利用することを考えておる。これには実に私も驚いたのですが、電気洗たく機に圧力を利用する。圧力というものは、粉石けんをお湯に入れますとあわが出る。そのあわの出たものを密閉しておきますと、内部の圧力がだんだん高まってくる。そうすると洗たくは、もまなくてもきれいに洗たくができる。ちょうど蒸発がまというものがありまして、あの圧力を利用するということを考えた、アメリカ人以上のことをやっております。私は実にこの点については、日本の研究心と申しましょうか、日本人の頭というものはおそろしいものだと、こう思うんです。で、私はこの試験炉を買うというようなことは、これはもうけっこうなことで、とにかく早く向うのまねしなければいけないから、これはいいんだが、それを第一期、二期、三期、四期、動力炉をどっちから買うなんということは、ちょっと私は行き過ぎておりはせんか。国務大臣の頭は確かに進歩しております。(笑声)この点については私は非常な敬意を持っておるものでありまするが、しかしそれに至る段階を思うんです。年一年と、時々刻々世の中が変っておる。それでありますから、少し将来を考えるのもいいが、まず今である。今予算を千億ももらって、そうして調査をやる。これから取り急いで原子炉を入れるということにならないと、あまり先のお見通しになって、そうしてこれから濃縮ウランの協定にしてもそうです。これにしばられてはならないと思う。おそらくこの条文で見ますというと、どうも私はふに落ちない点がたくさんございます。貸すなり貸与するなり、向うではほかにやられると困るから貸与するということでありましょうが、それよりもまず国内です。早急に全力をあげて国内を捜査して、この濃縮ウラニウムについての研究をいたすことについて、できないのであるならば技術者を向うから学者を雇ってきたらいい。そうして高い金を払ってでもいいから、この国内のウラニウムというものを濃縮ウランにどの程度できるかと、いうことに力をお注ぎになる方がほんとうじゃないか。でき上ったものをそっくり買うのはそれは便利です。便利ですけれども、昔私の郷里の方から学校の先生が上京いたしまして、東京見物に来ました。そうして帰って行っての話に、どこにもああいうランプの掃除をしている家は一軒もない、電気は便利なものであるといって電球を買って帰って、そうして電気をつけてみせるからといって、柱にぶら下げたけれども、電気がつかない、(笑声)私はそういうふうなおそれなしとしないのではないかと、こう思います。で、発電炉を買いましても、材料の問題から操作の問題から、始終故障が起って参るのでありまして、私の専門のことを申し上げて、はなはだ相済まないのでありますが、八幡製鉄所を作るために、あの溶鉱炉、平炉を作るときに、初めにドイツに留学せしめて、まる三年の間職工をさせたのです。そうしてその人たちが帰って来ると同時に、国内ではもう設計をしておって、そうして溶鉱炉を作って、そうして火を点じたわけです。ところが火を点じていきましても湯が出ない。ところが肝心かなめのワン・ポイント忘れている。それからあわててドイツ人を呼んで湯を出したのはいいんですけれども、ところが鋼を作る段になりましても、これは平炉でやりましたところが、れんがも何も向うのものをそっくり持ってきてやったのですが、その裏付においてちょっと抜けた点がありまするために、百トンほどの、火を入れたなべの底がちょっと漏れて、その漏れた所から湯が流れ出て、一大音響とともに立ちどころに工員七名のからだがどこにふっ飛んだかわからないという大珍事を引き起しました。それから向うの人間をまた高い給料を出して雇ってきて、そうして材料も今度また向うから持ってきてというので、そうしてようやく数年後に鉄ができるようになってきて、その後もまたいろいろな故障が出てきておりますが、今日ではこの製鉄は地についておる。日本は製鉄技術が進歩しておるから困ってはいないのでありまするが、ちょうどそういうことを私思いますると、この発電炉を入れてみても、それまでの受け入れ態勢ができていなければだめなんです。受け入れ態勢とは何であるかと申しますると、ウランならウラン、その鉱石についてまず国内でもってこれを作る。そうしてこの操作について、あるいはこれにかりに従事する人たちの教育において、あるいは材料において、そういうことのまず準備が、受け入れ態勢がはっきりできていなければならないのじゃないか。そこに全力を注がれることが必要であって、遠い五年後、六年後のことは少し早過ぎていらっしゃるのではないかと私は思うのでございますが、国務大臣いかようにお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(正力松太郎君) ただいまの御注意はまことにごもっともで、まことに同感であります。御承知の通りに、日本人は頭が非常にいいのです。欧米人に比して決して頭は負けない。ただし一番大事なことは研究心がないことです。そのためにみなおくれてきておるわけであります。従って今度、先ほど申したように、私どもはまず科学技術、まず第一に研究所を何とかしなければならないということを考えております。それと同時に、受け入れ態勢をお話の通りに十分やらなければなりません。ただ、イギリスからかりに入れるにしても、これは三年半か四年かかる。それですから、受け入れ態勢は十分できます。ですから、いずれにしてもこのイギリスのあの千億円もかけてした研究は、これはこの技術は早く日本に入れてみたい。そうしてまた実験炉でありますと、実は非常に不経済になるのです。実はイギリスへの調査団は、日本におけるエネルーギーに関するエキスパートばかり十人選んでやったのであります。燃料の方面、機械の方面、すべての方面のほんとうのエキスパートを選抜してやったのであります。それの一致した意見が、どうしてもこれを買った方がいい、ただ大きいのにするか、小さいのにするかだけ研究する余地がある。ところが小さいやつは経済ベースに合わないのです。安いかわりにその点があるので……。しかしこれは非常に重要な問題でありますから、石川団長が帰ってきたら、よく一つ日本の学者の意見も聞きまして、いろいろ慎重に研究の上いたしますが、いずれにしても科学技術庁は金の足らぬことが一つの欠点ですから、どうぞよろしお願いいたします。
○海野三朗君 もう一つ。 今のお話承わりまして、まあ私は異存はないのでありまするが、このお買いになるときに、ことに気をつけていただかなければならないのは、この貸与の問題ですね、貸すというようなことで、一体どうして売らないのですか。どういうわけですか。
○政府委員(佐々木義武君) この協定は御承知のように、去年の暮れに本協定が成立したわけでございますが、ことしの、たしか六月頃と記憶しておりますけれども、アメリカから売却してもよろしいという話がございまして、私どもも従来の協定を変えて、貸与から、売却方式に切りかえようかという議論もずいぶんしたのであります。ところが貸与から売却にかえます際には、アメリカの協定の問題もありまして、アメリカ自体の国会にもう一度かけなければならぬ。そういたしますと、アメリカの国会は御承知のように今年度の一月から七月までございまして、その間はないわけでございますから、どうしても改訂するとなると時間がおそくなる。その間、この前にも申し上げましたようにウオーター・ボイラーの設備はこの三月までに全部整えまして、組み立てが終りますので、どうしてもそれに濃縮ウランを食わせなければならない。そうするとそれまでに濃縮ウランにはいろいろ製作する工程がございまして、ぎりぎりのスケジュールを組んでおりますので、もしそれを延ばして貸与から売却の方式に変えますと、自然発動するのがおそくなってしまうという関係がございましたので、とりあえず今回は貸与方式でいきまして、そうして今後のCP五なりそれからその他の炉に必要な濃縮ウランに関しましては、売却方式に切りかえたいというので、プルトニウムをもらう問題とか六キロ以上はこの条約ではくれんことになっておりますが、それをもっとふやしてもらいたい。あるいは免責条項の問題とかいろいろございまして、本協定の方を変えたい。今度の通常国会にはぜひ変えたものを提出したいというふうなつもりで、まあ急ぐあまり、貸与ではありますけれども、やむを得ず去年締結いたしました条約のままでこの際実施に移したいと考えております。
○国務大臣(正力松太郎君) 補足しておきますが、貸与の問題ですが、なぜこういうむずかしいことをしたかというお話がありましたが、何でもアメリカはむずかしいことを言っていたのです。それを今度イギリスの問題ですっかりがらっと変ってしまった。それで秘密はほとんどなくなった。それで非常に楽になった。 それからなお、今まで原子炉とかいうと大へんむずかしく思っていたらしい。現に日本からイギリスに視察に行ったってアメリカに行ったって見せなかったのです。それを今度イギリスはすっかり見せた。行ってみて専門家は、何だこんなものかと思った。それを見せなかったのです。ことにイギリスは日本人に対する気持が非常に悪い。工場を見に行こうとすると職工がストライキを起すというくらいに日本がきらわれておったのです。ところがそれを買うということになると、みんな見せる。非常に一大進歩になった。アメリカは去年まで貸与とかむずかしかったが、今はそれがなくなった。それで全く原子力に関する開発というものは非常に明るくなりました。
○佐多忠隆君 今の正力大臣のお話によると、この貸与協定あるいはその前の本協定を作るときの状態とは、まるっきり変っておるということになるのですが、そうだとすれば、その変った事態に応じてこの協定自体、あるいはこのもとの本協定、そういうものが相当変えられていかなければならないのではないか。あるいは現在の状態においてはこのままにしておいて、将来変えられるのか。そこいらの関連をもう少しはっきりしていただきたい。
○国務大臣(正力松太郎君) それは先ほど局長が答弁いたしましたごとく、アメリカで一体議会で議決しておるから、それを今変えるのはめんどうだということになっておるのでありますから、将来まただんだん変えていきます。またそれに応ずると思っております。
○佐多忠隆君 今の点をもっと具体的に局長に御説明をお願いいたします。
○政府委員(佐々木義武君) ただいまの大臣の御説明をもう少し補足いたして申し上げます。本来でありまするならば、ただいま佐多委員の御指摘のありましたように、売却の方式等に変えまして、そうしてこの臨時国会に出し得れば最善でありましたのですけれども、条約を変えて出すということになりますと、こちらばかりではなくて相手国の関係もございまして、アメリカの方ではどうしても国会の開くのが今年度に入ってしまうわけでございます。今年度と申しますのは来年の一月に入るわけでございます。来年の一月からになるわけでございまして、それを待って改訂いたしますと、濃縮ウランがかりに売却ということになりますれば、おそらく入手時期が六月か七月、あるいはもっとおそくなるかもしれません。早くいたしましても。そういたしますと三月から入手したいと思いましても、若干ギャップが出てきますので、その間日子ばかりでなしに、技術の進歩その他にも差がございますので、とりあえずわずかな量、金にいたしまして今年度は三百万円ぐらいのものでございます。しかし濃縮ウランそのものは非常に貴重なものでありまして、大変工程その他にも時間がかかり、金も食うものでございますから、米国、ソ連、英国でも若干作ってはおるという程度でありまして、ほとんどその以外の国では作っておりません。各国のこのところの現状では作れないような貴重なものでございますので、この際は貸与のままでも、とりあえず借りまして、そうして大事なものを延ばしたい。そして引き続いて米国側の議会の進捗にもテンポを合せまして、そうして本協定を変えて、はっきりした形態で将来に進みたい、こういうふうに考えております。
○佐多忠隆君 そうすると、今直ちには事態は変えられないが、若干変えていかなければならないというのはどういう点か。考え方なり、基本的な態度として、本協定、あるいはさらにはこの協定自体も考え方としてはどういうふうに変えられていかなければならないか、方向として。その辺を一つ。
○政府委員(佐々木義武君) 私から主として技術的な問題を御説明申し上げます。あるいは法律的な面からの御質疑かと思いますが、技術的な面から申しますと三点ございます。 一つは、この協定によりますと、ウエストというものが炉の中から出て参りますが、これを化学処理いたしまして、ウラン二三五あるいはプルトニウム、あるいはその他のラジオ・アイソトープといったようなものに分解いたしまして、それをまたその次の炉に燃料として再生いたしまして使うわけでございますが、その化学処理は日本でやらないで全部アメリカに返すというふうなことになっております。これは一つには、プルトニウムそのものは非常に危険なものでございますので、日本でそういう処刑工場ができない間は日本にまかしておけない、あるいは軍事的な意味をもあろうかと思います。そういう関係もありまして、日本で化学処理工場ができるまではアメリカに返してもらいたいという条項になっておりますので、こういう点は将来日本で化学処理工場を作りました際には、こちらに処理をおまかせ願いたいというふうな点、あるいはプルトニウムを向うでその後ことしの中ごろでございましたか日本に提供したい、プルトニウムあるいはウラニウム二三五といったものを、日本で研究用であるならばやってもよろしいという話がございまして、それもこの条約を改訂しないともらえないような状況にございます。その点が第一でございます。 第二点は、この協定によりますと、濃縮ウランが六キロしかもらえないことになっておりますが、六キロだけではただいま予定しておりますウォーター・ボイラー、あるいはCPの二つの炉で一ぱいになりまして、大学に近く作りたいと考えておりますスウィミング・プール等の燃料が不足になりますので、そういうための用意といたしまして六キロをもう少し増してもらいたいという、量をますという方法を考慮しております。 それからもう一点は、先ほどから御指摘がありましたように、貸与じゃなくて、はっきり、売ってもらいたいという売却方式に変えていただきたいという点が第三点でございます。 その他法律的な条項でいろいろ外務省方面からお話があるかと思いますが、私の方で技術的に考えておりますのは、そういう点が主たる点でございます。
○佐多忠隆君 特に今大臣がおっしゃたような事態が非常にこの一年間くらいの間に変ってきている、特に日本側の認識が非常に変ってきている、それに関連して本協定を、どういう考え方なり態度として、どういうふうに変えていかなければならないか、いこうとされるのか、その点はどうなんですか。
○政府委員(河崎一郎君) 松井説明員から説明いたさせます。
○説明員(松井佐七郎君) 御説明申し上げます。 濃縮ウランを貸与方式から購入方式に変えることに関しましては、米側も原則的に了解しております。その方法といたしましては、本協定の貸与となっている個所を購入に変えるという技術的修正のほか、ただいま御審議を願っております濃紺ウラン賃貸借協定第四条のような免責条項は、購入の場合にはなくなることが判明しております。なお、購入の場合の被照射燃料の取扱いに関しましてはどうなるかと申しますと、この点に関しましては、将来日本に化学再処理に関する施設ができ上りましたならば、米側としては日本側に被照射燃料の取扱いを許してもよいとの考えを持っているようであります。なおその他技術的にどう条文ないしどの事項を修正するかに関しましては、さきに米側から申し出があった九〇%に濃縮したウラン二三五百グラム、プルトニウム及びウラン二三三各十グラムの売却に伴う本協定の改訂とあわせて考慮することになるかと考えております。なお後者の場合には、先刻申し上げました免責条項はなくなるのみならず、被照射燃料の取り扱いに関しては、日本原子力協定第三条C項に定めたような返還の義務もなく、また同協定第七条に定める報告ないし観察の義務もなくなることが判明しております。
○佐多忠隆君 それらの点は一応わかったのですが、もっと大きく、さっき大臣が言われた非常に事態は急変しているのだと、あるいは急変したというか、日本の認識が非常に変ってきたんだと、それに関連をして本協定なり何なりは変える必要はないものか、変えるとすればどういうふうに変るえのか、それとの関連において変更をどう考えておられるか。
○国務大臣(正力松太郎君) 私が事態が変ったというふうに申し上げましたのは、動力協定の問題なんです。今までの考えでは動力協定はできなかったのです。たとえ結んでも日本にはそういう力がなかった。ところが、今申し上げように、イギリスもアメリカも秘密をなくしてしまったことです。日本の一番の障害は秘密ということです。公開というのは原子力基本法の原則でありますから、それがなくなったということ、それと今の経済ベースに合うことになったから、そうすれば日本も金を準備できるということが、それが非常に事態がだいぶ変ったということであります。従ってその意味において今までは動力協定は結べなかった。御承知の通り一昨年大へん騒ぎが起ったのですが、今度はああいうひどい騒ぎは起らぬかと思っております。
○佐多忠隆君 それから先ほど天然ガスの問題が出たのですが、天然ガスのそういう企業化といいますか、そういうものに対する政府の所管はどこなんですか。それから同時にそれの研究をやるのはどこなんですか。
○政府委員(佐々木義武君) この点あるいは齋藤政務次官の方が一番お詳しいかと思いますが、私の承知しておる範囲では、通産省の鉱山局が所管いたしまして、実際の調査は地質調査所、あるいは帝石でございますか、こういうところが主になってやっておるわけでございます。
○鹿島守之助君 だいぶ情勢が変ったにつきましては、前に新聞報道ですけれども、アメリカがアジアの原子力センターをフィリピンのマニラに置くということになったのですが、日本の方が産業が非常に発達しておる、それからまた学者もそういう研究も日本の方が進んでおるから、それをマニラでなしに東京に置いてもらうことはできないものでしょうか。東京に置くと非常に大きな便宜があると思うのですが、これは、どういうふうになっておりましょうか。
○国務大臣(正力松太郎君) 実はマニラに置くとか、あるいはコロンボに置くとかいうときに、やはり東京に持ってきた方がいいという考えを初め持ったのです。ところがアメリカは日本に原子力を持ってきても、日本は原子力はまだだめだ、こういうことで問題にしなかったのです。こういう状態では、今なら大丈夫、日本にきます。だからせめてわれわれは実質的な原子力センターは日本にしましょう、形式はマニラであっても実質は日本で……。
○鹿島守之助君 ぜひそういうふうにお願いしたいのです。
○国務大臣(正力松太郎君) そういうつもりでおります。
○鹿島守之助君 ぜひ御尽力をお願いします。
○佐多忠隆君 今のに関連して、原子力センターを日本に置くのはだめだという、その関係においては日本はまだだめだ、マニラなりコロンボとの比較において日本がそんなにだめだという実情なんですか。
○国務大臣(正力松太郎君) つまり昨年の状態はそうだったんで、あれは昨年の十一月にきまったんです。何しろこちらは日本原子力基本法もできていない、委員会もできていない。そうして日本へいくとビキニだ何だといって騒ぎばかり起っているというわけだから、日本は問題にしなかった。ところがいかに変ったかという情勢は、この間国際連合の理事会が七十票の投票を集めました。これは全く日本の実情を見直したわけです。七十票……。去年は七十票どころか五票くらい。それほどこの一年に変ったわけです。
○海野三朗君 この協定において、日本が将来縛られる、いわゆる今後制限を受けるというようなことはございませんか。
○政府委員(河崎一郎君) お答えいたします。この細目協定を結びまして縛られる点は全然ないと思います。濃縮ウランをこの協定に受け入れた以上、もうその受け入れたとたんに責任は日本側に移るのでございまして、そのウランを燃料といたしまして原子炉を運転する場合に、これは全然日本側でやる。それからアメリカから検査官が来るとか、そういうことは全然予想されておりません。
○海野三朗君 それで、私は正力国務大臣に一つ伺いたいのですが、今濃縮ウランを使ってやる、あるいはものによってはハイドロゼンのアイソトープを使う、あるいはコバルト六〇を使うというふうに、この原子炉のエネルギー源に使うものがいろいろあるので、そういうことに対しての実地研究については、国務大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(正力松太郎君) アイソトープの利用については非常に力を入れておりますが、御承知のように大衆に一番この原子炉をわからせるのはアイソトープの利用です。従ってことに医学の方面それから農業の方面、工業の方面、漁業の方面も研究所に盛んにやらしております。アメリカでは現に小麦のごときは二毛作の所が試験的にできたそうですから、これがみんな日本でもアイソトープによって二毛作ができるということになったら、大へんこれは人心に影響すると思いまして、その点を今研究所にやらしております。 それからまた合成樹脂、合成繊維なんかには、これは非常にきくそうです。合成樹脂のごときは鉄板より固くなるのです、アイソトープで。そういうようなことももう少し研究をし、また大衆に知らしめたいと、こう思っておるわけであります。
○海野三朗君 そういう方面に対しては、どれくらいの予算を組んでいらっしゃるか。
○政府委員(佐々木義武君) アイソトープの利用面に関しましては、ただいまのところ二つの方向を主として考えております。一つは日本原子力研究所、これは東海村に建設中でございますが、ここをアイソトープ・センターにいたしたいというつもりで、こちらにはたしか来年度六億近くのアイソトープ・センターの費用を予算に組んでおります。それからもう一つは国立の各試験機関でございまして、通産省あるいは農林省あるいは厚生省、運輸省、もうあらゆる各省に全部またがった問題でございまして、その各省でやります研究は、全部一括して原子力局の方へ持って参りまして、原子力委員会で一応査定いたしまして、ただいま大蔵省へ提出いたしてございます。来年度の予算としましては研究に要する費用を大体十億と見ております。
○海野三朗君 その十億で十分ですか。
○政府委員(佐々木義武君) この点は私どもの考えからいたしますと、必ずしも十分だとは思えません。ただこのアイソトープの研究上におきましては、御承知のように危険物でございまますので、必ず遮蔽あるいは扱いに対する被覆一切のものが整いませんと危険で許可できないようなものでございます。そこで、小さいものをやるにいたしましても、そういう設備が要るわけでございますが、さらにこれを大きいものを考えますと、なおさらそういう設備が非常にたくさん要りますので、まあ考え方としては初年度と申しますか、来年度は順序を追うて重点的にやっていきたいというので、ただいま工業方面で考えておりますのは、名古屋の工業試験所あるいは東京の工業試験所、農林省でいいますと、中央農林試験所でございますか、あるいは林業等それぞれ各省で一番その分野におきまして中心になるところにまず第一期として金をつける、第二期といたしましては、第一期で小さく出発したところをさらにインラージをしまして、そうしてそこに順次金を注ぎ込んでいきたい、大体三カ年あるいは四カ年いたしますれば、ほぼ各研究所のそういう研究設備と申しますか、そういうものが完成するようになるのじゃなかろうかというふうに考えております。
○海野三朗君 わかりました。もう一つ伺いたいのですが、一九五六年十一月二十三日日本国大使谷正之、これがハロルド・エス・バーンズ副委員長にあてた書簡をよく読んでみますと、ここに賃借した濃縮ウラン云々ということが書いてありますが、これを買うということになると、この書簡の中に約束された、了解された事項はふっ飛んでしまうわけですか、訂正されるわけですか。
○政府委員(河崎一郎君) お答えいたします。賃借から買却に切りかえる場合には、この細目協定自体の内容が改訂されるわけでございまして、ただいま御指摘の書簡は、今度の細目協定の内容についての了解事項でございます。
○海野三朗君 そうすると、つまり買うということにいつごろ交渉なさるお考えですか。
○政府委員(河崎一郎君) できるだけ早く、現に今までも先方の意向を確かめておったのでございますが、今後できるだけ早い機会にその方向に努力をいたしたいと思っております。
○委員長(小滝彬君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小滝彬君) 速記々始めて。 他に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小滝彬君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○海野三朗君 私、日本社会党を代表いたしまして、討論をいたしたいと存じます。 この濃縮ウランの協定につきましては、将来ともわが日本がこの原子力の応用につきましては、地についたものでなければならない、日本の地についたものでなくちゃならないのである。そのときを考えますると、それを縛られるようなことがあってはならないと思います。ところが、ただいま政府当局の答弁によっては、これは縛られることがないんだという答弁でありました。国務大臣の前で答弁されたのであるから、縛られることが確かにないということを私も信じておりまするが、そういう将来日本の国土の、地についた原子力の研究に対して、多少とも縛られるような、手かせ足かせとなるような事項があってはならない。で、こういう点を私は十分考えまして、この上ともそういうことがないように十分注意してやっていただきたいということを要望いたしまして、この協定案に賛意を表するものであります。
○委員長(小滝彬君) ほかに御意見もたないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小滝彬君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小滝彬君) 全会一致でございます。よって、本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容及び議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続に関しましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小滝彬君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますので、本件を承認されました方は、順次御署名を願います。 多数意見者署名 川村 松助 杉原 荒太 曽祢 益 梶原 茂嘉 鹿島守之助 小林 武治 津島 壽一 鶴見 祐輔 永野 護 野村吉三郎 海野 三朗 佐多 忠隆 竹中 勝男 石黒 忠篤
○委員長(小滝彬君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小滝彬君) 速記を起して。 次に、沖繩の復帰に関する請願外九件を議題といたします。専門員から説明いたさせます。
○専門員(渡辺信雄君) 委員長の指名によりまして、簡単に御報告申し上げます。 ここに初め掲げましたのは、沖繩及び択捉、国後に関する復帰の問題でございます。御了察願えると思います。 次は、中国渡航制限の緩和に関するもので、これは、ことに今後の通商発展なんかにかんがみて、従来の制限措置を緩和してくれというごもっともなものが出ております。 次のものにつきましては、ちょっと御説明申し上げます。これは、板付におきまして極東空軍司令部からして、このような強力な航空機というものの持ち込みが伝えられておりますに対して、現地におきまして、従来においてもこのエンジンの音が高いので、学校の勉強が非常にじゃまされておる。さらにこういうものが来てはますます困る。のみならず、この航空機は原水爆を搭載するおそれがある。福岡市が原水爆の基地となり、ひいては原水爆の爆撃の災いをこうむるようなことでは困るから、この際このF一〇〇型の板付飛地持ち込みには反対である、こういう請願でございます。 それから次の新潟市にソ連の領事館を設けることにつきましては、すでに皆様御承知の通り、新潟とソ連とは密接な関係があり、今後交易は非常にふえるというような考えからして、新潟にソ連の領事館を設置するように考えてもらいたい、こういう申し出でございます。 それから最後にございます名古屋郵政局の庁舎の返還のは、元郵政局庁舎の建物が、米国空軍の病院になって接収されておる趣きでありまして、ただいま千人ほどの郵政従業員は、別の場所、すなわち元愛知県商工館の所において仮庁舎で勤務しておるために、採光通風に非常に困っておられる由でございます。健康その他の点にかんがみて、早急にこの元郵政局庁舎の接収解除をしてもらいたい、こういう請願でございます。 以上をもって、簡単でございますが御説明といたします。
○佐多忠隆君 ただいま御報告を聞きましたが、特に中国渡航制限緩和に関する件、あるいは中国渡航制限解除に関する請願、これらは、今御説明がありました通りに、むしろ当然なことと思うという御説明があった通りのものだと思いますし、ことに、提案者もそれから紹介議員も、自民党の方々であります。ことに、たとえば西郷君のごときは、自民党の国会対策委員長でもあるようでありますから、どうか一つ、請願をし、さらに紹介をされた方々は、その点も責任を持って、ほんのおざなりなものでなくて、責任を持ってこういう請願をさらに実現をするんだという努力をしていただきたいと、特にこれは自民党のお方々にお願いをしたい。と申し上げますのは、これらの問題は、今は事務当局の制限基準なり制限規制もあることながら、むしろ問題は、いつもその問題が問題になるときには、これは党の問題でありますからということで、党の人が党の責任においてこれを許可したりあるいは不許可にしたりということを指示しておられる実情がありますから、特にその点を一つ自民党としてもはっきり責任を持って、これをお出し下さる以上は、責任を持って処理をしていただくように特にお願いをしておきます。
○委員長(小滝彬君) ただいまの佐多君の発言はよく伝えておきます。
○竹中勝男君 この請願に関係してですけれども、沖繩に関する請願書が三つ出ておるわけでありますが、二つまではやはり自民党の紹介議員が出ておりますが、今佐多君が言われたような意味におきまして、この点においても十分党においても委員会として御配慮願いたいと思いますが、特に沖繩については、せっかくわれわれは調査の権利を持っておるわけでありますし、国会としてはずっと以前に沖繩に派遣したことがあるかと思いますけれども、なかなか沖繩の調査ということはめんどうな事情があるかと思いますけれども、一度そういう点について、委員長においてお調べ願いたいと思います。できれば委員会から、沖繩の事情を、将来に備えるために、調査しておく必要があると私は思っております。
○委員長(小滝彬君) 今の最後のお話は、予算の関係もありますので、よく事務の方とも打ち合せまして、また理事等でも話し合いしたらしかるべきじゃなかろうかと思います。 また最初の点は、先ほど佐多君にお話し申しました通り、党の方へ連絡いたしまして善処いたします。 どうですか、これは議院の会議に付して内閣に送付することに決したいと存じますが、御異議ございませんか。
○杉原荒太君 今の四十番ですね、これは請願の理由はどうなんですか。簡単に要点だけ……。
○専門員(渡辺信雄君) 要点は板付基地に持ち込まれることは反対である、反対の意思を表明したわけでございます。
○委員長(小滝彬君) 理由は……。
○専門員(渡辺信雄君) 理由は先ほど申し上げましたように、一つは従来の関係におきましても非常に地方の勉学に妨げがあったということと、原水爆搭載能力を持っておる飛行機が持ち込まれては、福岡が原水爆基地となり、ひいては原水爆の災いにさらされる危険を冒すおそれがある、こういっておられるわけであります。
○委員長(小滝彬君) ただいまお諮りいたしましたように、これら十件は議院の会議に付し、内閣に送付することに決したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小滝彬君) 御異議なしと認め、さよう決します。
○杉原荒太君 これは決すると宣言されましたが、政府側はどうなんですか、差しつかえないのですか。
○委員長(小滝彬君) 政府側は政府側として見解があるでしょうが、しかしこれに対して特に留保しようという杉原君のお考えであって、皆さんに御異議がなければそういうように取り計らってもけっこうですが…−。
○海野三朗君 杉原委員はどういう理由で保留しようというお考えなんですか。
○杉原荒太君 これは行政協定や安保条約の関係からしてちょっと……。
○委員長(小滝彬君) 私どもの方から諮りましたのは……。
○曾祢益君 議事進行について申し上げるならば、これは一応決定しておるわけです。だから懇談でいろいろお話しになるなら別ですけれども……。
○委員長(小滝彬君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小滝彬君) それでは速記をつけて。 次に、国際情勢等に関する調査についてでありますが、これは重要案件が控えておりました関係で、まだ手をつけるに至っておりませんので、閉会中調査を継続することとし、その手続等につきましては、会期の点が未定でございますので、これを委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小滝彬君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十三分散会