外務委員会 第11号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/12/05
会議録
○委員長(小滝彬君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(森下國雄君) 在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案の提案理由及び内容を御説明いたします。 ただいま本国会において御審議を願っております日ソ共同宣言は、第二項におきまして、日ソ両国が大使の資格を有する外交使節を遅滞なく交換すべきことを定めております。従いまして、右の共同宣言が効力を発生いたしますと、日本政府としては直ちにソ連邦に大使館を設置する義務を負うこととなる次第であります。大使館を設置するためには、法律上の措置として、昭和二十七年法律第八十五号在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する必要がありますので、右法律を一部改正する趣旨の本法律案を本国会に提出する次第であります。以上が提案理由の説明でおります。 次に、本法律案の内容を説明いたします。本法律案は、本文におきまして在ソ連邦日本国大使館の名称及び位置を定めております。これによりまして在ソ連邦日本国大使館が法律上設置されることとなるわけであります。次に、付則でありますが、付則におきまして本法律の施行期日は日ソ共同宣言の効力発生の日とすることとしております。 以上をもちまして在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の説明を終ります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あられんことをお願いいたします。
○委員長(小滝彬君) 本法案に対し御質疑のおありの方は順次御発言願います。
○曾祢益君 非常に幼稚な質問なんですが、この在外公館の名称及び位置を定める法律は、領事館なんかも皆含んでおるのでしょうね、法律そのものは。だからソ連邦に対しては、領事館の問題は、あとで国交回復の外交交渉を通じて相談してから必要な法律改正をやる、こういう意味で今のところは大使館のことだけを法律の中に加えると、こういうことなんですか、その点はどうなんですか。
○政府委員(木村四郎七君) さようでございます。
○曾祢益君 これは法律と直接関係があるわけじゃないのですが、大体大使館の構成に関する構想とか、あるいは予算等に関する措置等についてはどうなっておるのでしょうか。
○政府委員(木村四郎七君) 当初発足に際しましては、大使館の人員はかなり少数にとどめたいと存じております。事態の進展に伴いまして増強いたしたいと存じます。予算につきましては、職員の問題と、その職員の在勤俸の問題と、庁費の問題がございます。職員の問題は既定経費で、少数のことでもありまするので、まかない得ると存じております。在勤俸の問題は、これ々算定する基礎資料がいまだ十分ととのいませんので、なお目下検討中でございます。庁費につきましては、在勤俸と共に研究が終りました際に、予備金支出、もしくは所要の財政的措置を講じたいと考えております。
○曾祢益君 そうすると、当面はこの規模も小さいし、人件費としてはまあ大体やって行ける。在勤俸の問題は、どう言うか、為替レートによって人員的な点その他から見てよく研究してからきめたい。それから庁費等については、これはさらに調査の上予備金でできるか、できなければ予算措置を講じたい、大体そういうような御趣旨ですか。
○政府委員(木村四郎七君) さようでございます。
○曾祢益君 ソ連邦における日本大使館の規模については、外務大臣の委員会における答弁等を見ても、総合主義でやって行くということを言っておられるけれども、これは大使館の規模だけでなくて、領事館の設置等に関連して、一般原則が総合主義、そうすると、最初のスタートにおいても、その小規模というようなことについて、その点についても、ソ連側とすでに大体の話し合いができておるのですか、それともそこはまだわからないから、とりあえず日本だけであまり大規模でない大使館らしいものを設置するという考えなんですか、一方的なのか、そこまで総合主義でスタートからやっているのかどうか。
○政府委員(木村四郎七君) ただいまの御質問でございますが、こちらは最小限度ということで、二十人もしくは三十人程度のところを考えておるのでありまして、この数字につきましては、まだソ連当局との間に話を進めておりません。
○曾祢益君 二十人、三十人というと、大体在外公館の規模からいうと、大使館としては小さい方なんですか、どうなんです。
○政府委員(木村四郎七君) まず中間程度でございます。
○曾祢益君 そうすると、最小限度といっても、初めから大体中間程度のことはまず必要であろう、また同時に、日本がそういうアイデアであるならば、ソ連の方の意向はわかりませんけれども、そのくらいのことをソ連が要求している場合には、当然にこれに応ずる、こういうお気持であるわけですね。
○政府委員(木村四郎七君) さように考えております。なお付言いたしまするが、共同宣言が施行されました直後は、現在ソ連におります数名の者をもって大使館員に充てたいと考えております。
○曾祢益君 そうすると、今の二段がまえですか、ごく最初は数名であって、それから大体二、三十人、第一団、こういうことですか。
○政府委員(木村四郎七君) さようでございます。
○曾祢益君 それから大使館の庁舎の問題ですね、官邸、それはあるいは一緒になるかもしれませんが、それについてはすでに相当な腹案がおありであろうと思う。僕はモスクワの状況はよく知りませんが、大体家屋、住宅ともに払底の状態だと思うので、何か適当な独立家屋等について、すでに物色して選定し得る状態にあるか、どの程度か伺いたい。
○政府委員(木村四郎七君) 庁舎及び公邸等につきましては、腹案はないわけなんでございます。現在モスコーにおります職員に命じまして調査を行なっておるのでありますが、具体的にこれというような目星はつかないのでございますが、ソ連当局はこの問題について協力を惜しまないということを約束してくれておるのでございます。
○加藤シヅエ君 戦争前の日本の在外公館はモスクワにはないのですか。
○政府委員(木村四郎七君) 戦争前のものは借家でございましたので、所有者に現在返しておる次第でございます。
○加藤シヅエ君 新聞によって見たのでございますけれども、ソビエトの方は非常にたくさんの人員を日本に置きたいという意図があるというようなことをちょっと読んだように思うのでございますけれども、今までそういうようなことについて、どういうような折衝がおありになったのでございましょうか。
○政府委員(木村四郎七君) 大使館の職員の数につきましては、今まで何ら折衝はございません。従って新聞に出ていることは根拠がないのでございます。
○加藤シヅエ君 ちょっと参考のために伺いたいのでございますけれども、いろいろ外交交渉をなさる場合に、ソビエトの場合には、日本側としての用語はどういう言葉をお使いになるのですか。
○政府委員(木村四郎七君) 用語はモスクワにおきまして、先般来、重光外相、鳩山代表が参りましたときは全部ロシヤ語で行いまして、通訳をつけてロシヤ語で行なったわけでございます。
○加藤シヅエ君 日本側に、ロシヤ語で通訳その他文書の取扱い、その他に対して今十分に御用意がおありになるのでございますか、ロシヤ語の堪能な人は。
○政府委員(木村四郎七君) ロシヤ話の要員は、戦前からの相当数が持ち越しがあるわけなんでございますが、戦後採用、訓練したものもございますので、当分の間は十分用に足り得るものだと考えております。
○津島壽一君 これは御参考までにお調べがあったらお聞きしたいのですが、ソ連の在外公館、ことに大使館等の場合、アジアの諸国では大体、どのくらいの規模、人員が置かれてあるか、そんなお調べはございましょうか。
○政府委員(木村四郎七君) これは直接お答えにならぬかもしれませんか、先般ドイツとの間におきましては、五十名という数字になっておるのでございます。この五十名はタイピスト、書記等を含むのでございますが、雇用人、すなわち女中、運転手、コック等は含んでいないのでございます。その他北京とか、インドにおきましての数字は、ちょっと今数字を持っておりませんでございます。あとから調べまして御報告申し上げます。
○津島壽一君 事実かどうかしりませんか、インドネシア大使館の双方の設置を認めたときは非常に多数の人数であった、そういうことも聞いておるのです。それに関連して、たとえば通商の事務を担当するもののごときは、向うは国営貿易というか、そういったような関係で、本来ならば日本では商社の出張といったような、駐在といったような形になるものが、大使館員というか、政府の役人がくるのであります。そういうものを加えて大使館員と見るか、これは相互主義の原則から行くと、いろいろ問題があると思うのです。その点からいって、ほかの国で在外公館、ソビエトの在外公館の構成、人数、それもついでにお調べになっていただいたらどうかと思うのです。これは戦前でしたが、ソビエトの大使館が英国に置かれたときに、やはり通商関係のものはみな外交官の取扱いをしたというような、いろいろ問題があったようでございますが、そういった点も、ほかの国におけるソビエト大使館、公使館の事例かどうなっておるかということは、参考になるんじゃないかと思ってお聞きするゆえんでございます。
○政府委員(木村四郎七君) 通商代表部の問題は、通商航海条約がきまりまして、その問題が取り扱われるだろうと存じます。従って外交特権のある通商代表というものは、当面の問題としては問題にならないと存じます。今こちらにあります漁業代表部は、大使館ができますならば、その中に吸収されるものと存じます。
○委員長(小滝彬君) 木村官房長に、質問ではなしに、ぜひ委員各位の参考までに説明をしていただきたいのですが、狸穴にはすでに地位のはっきりしないソ連の官吏もおるようだし、それから漁業代表部もすでに設けられておるようですが、その数は現在一体幾らぐらいになっておるのかということは、皆さんの参考になると思います。その点を伺いたいのが一点、もう一つは、先ほど曽祢君の御質問にあったモスクワにおける大使館の設置については、各国とも、ソ連政府の手でもちろんこちら側の希望のものを見つけるかもしれません。政府の手で取りはからうようになっており、あるいは聞くところによると、元の大使館というものは、大体そのまま使えるというような内意を漏らしておるように聞き及んでおりますが、一体その辺は、調べておるとおっしゃるが、一方的に調べておるものなのかどうか、日本の大使館の建物についても、もう少し説明できる点があったら、皆さんにお話を願いたいと存じます。
○政府委員(木村四郎七君) 現在狸穴のソ連代表部は五名でございます。及び、五名にその家族が参っておるわけでございます。御指摘のモスクワにおきます在外公館庁舎及び公邸の点でございますが、せっかく在モスクワの職員に訓令を発しまして調査を命じておるのでございますが、先ほど曽祢委員の御指摘の通り、非常に家屋が払底しておりますので、まだ具体的の成果はあがっていないのでございますが、なお先方にも、政府の方にもとくと依頼いたしまして、適当の家屋を早急に見つけたいと存じております。西独の大使館は、その入手がやはり非常に困難であったと聞いておりますので、その職員も合宿の制度をとっておるということを聞いております。相当困難と思いますが、なお努力したいと考えております。
○曾祢益君 津島委員の御質問は、非常に私は重要な点に触れられておったと思うのですが、今のところでは、通商代表部は設けざるを得ないと言いますか、それは通商航海条約ができてからというお話ですが、いわゆる相互主義の場合に、通商代表部の人間の数を含めておるのか、それとも、これは別ワクにしておるのかという点は、これはやはりソ連との関係においては、大体相互主義でやっておる国は、日本ばかりでなくて多いと思います。たとえばアメリカ、西ドイツなんかの例から見れば、相手国の方のこれに対する態度、やり方というものは、どうなんでしょうか、おわかりでしょうか。 それから戦前の日本、戦前というか、戦争前と言いますか、これは厳格な相互主義でやっているかどうか知りませんけれども、問題の一つとして確かにあり得たと思う。通商代表部だけ別ワクかどうか、これはやはり一つの主義の問題として非常に大きな、またそういう論争点の問題になりはしないかという、きわめて時宜に適した御質問だと思いますので、もう少しそういう一般の例、あるいは政府の方針等についてお話願いたいと思う。 それからもう一つ。これもお答えできるならお願いしたいのですが、なるほど一つの形式論としては、通商航海条約ができるまで通商代表部は認めない。しかしその議論で行くと、やはりお互いに不便があって、日本の商社等からも通商航海条約はいつできるかわからない。通商関係は今だって絶無じゃない。国交回復になったけれども、通商航海条約ができないから事実上通商代表部を認めない、そういうことをすると、日本政府が通商の拡充にかえって支障をわざわざ設けるインプレッションを与える、だから非常にまずい。それからそういう論法だけで押し切れるかどうか、また押し切るのが得策かどうかも一つ問題じゃないかと思う、そういう点についてよくお答え願いたいと思う。
○政府委員(木村四郎七君) 通商代表部が各国にはどういうふうなことになっているかという点につきましては、まことに遺憾でございますが、今手元に資料がございませんですか、後ほどお答えいたすことにいたします。 今、政府として考えております通商代表部の設置の問題は、別ワクということでなくて、こちらも通商の部門のものは大使館の中に設置するという建前で考えておりますので、相互主義に基きまして、大使館の中に通商部員を配置するということに両方が合意するように持って行きたいと存じております。しかしながら、貿易の進展を妨げることのないように、その点は御指摘の点、十分留意して行きたいと思います。 —————————————
○委員長(小滝彬君) ほかにただいま質問がなければ、これはしばらくあとに回しまして、できれば日ソ共同宣言の承認後、直ちにこれも承認していただきたいという関係もありますから、本日でも討論採決に入っていただきたいと思いますが、しばらくこの点をおきまして、この前の委員会で問題になっておりました特殊核物資の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題に供し、御質疑のおありの方は順次御発言を願いたいと思います。 ただ、この際お諮りいたしますが、政府側から特殊核物資についての説明、あるいは取りきめについての説明をしてもらったらどうかと思いますが、いかがでございますか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小滝彬君) それでは河崎国際協力局長から説明をしていただくことにいたします。
○政府委員(河崎一郎君) 特殊核物資の賃貸借協定でございまするが、これは昨年国会で御承認を得ました日米原子力協定に基きまして、アメリカ政府から実験用の原子炉を逆転するために必要な燃料であります濃縮ウラン二キロを今度賃借するについての協定でございます。日米協力協定に基きますと、全部で六キロの濃縮ウランをわが方に貸してもらうことになっておるのでございまするが、今度の協定によりますると、二キロ借りまして、あとの四キロは第二号炉CP5型に使用される予定でございます。今度の協定は、昨年の協定に基きまして賃貸借の条件等を定めておるものでございまするが、では何ゆえに今度の協定が政府間の協定になりましたかと申しますると、この協定の中に免責条項というのがございまして、アメリカから借りましたウランで日本で原子炉を運転いたしました際に事故が発生した場合には、アメリカ政府ないしアメリカの原子力委員会に対して責任を追及しないという約束があるために政府間の協定になったわけでございます。しかしながら、この免責条項というのは、アメリカが同様の協定を西ドイツ、スイスその他と結んでおりますが、こういう協定には必ず免責条項というのが一応あるわけでございます。いわゆるスタンダード・パターンになっているのでございまして、日本の場合だけに例外を求めるということはできないということにあったわけでございますが、わが方といたしましては、できるだけ免責条項を緩和いたしますると同時に、一応免責条項はありますが、日本でこの濃縮ウランを燃料として使って事故などが起らないということを確保するために、その検査分析の規定をこの条項の中に入れる、協定内に入れることに成功したのでございまして、それは濃縮ウランの引き渡しを受けまする際に、日米両方で代表者が立ち会いまして、アメリカから借り受けまするウランの量ないし質について、全然大丈夫だという太鼓判を押してもらった上で日本側は引き受ける、従って、日本へ持ってきてから後に事故が起るということは、全然まあ想像もできないことでございまして、従いまして、この免責条項というのは一応まあ形式的の条項にたっているわけでございます。なおこの二キロのウランを約四カ年にわたって使用するわけでございますが、二キロのウランをこの原子炉に一度挿入いたしますると、もうそのままずっと使えるわけでございまして、途中で取りかえる必要もないのでございまして、四年間に消耗される分量は四十グラム、最大限に原子炉を運転した場合にも六十グラム程度でございまして、ごく微量のものが燃焼するわけでございまして、従いまして、賃借料金等もごくわずかなものでございまして、大体今後三年間に毎年日本金で四十五万円程度の燃料費をアメリカに支払う、ただしこれはアメリカから濃縮ウランを借りるわけでございますから、用が済みましたらこれを返還しなければならないのでございまして、返還する際には、一応濃縮ウランになったものをさらに六弗化ウランに再生製をいたしまして、そうして、アメリカ政府に返還するわけでございますが、最後の段階におきまして、この再生製の費用がかかりまして、最後の年には大体六百万円程度の金が要るわけでございます。なお、その引き渡しを受けまする際にも一応加工の工程がございまして、向うは最初は六弗化ウランの形であったものを、それを濃縮ウランにアメリカの加工業者が加工いたしまして、それから日本政府に渡す、その加工業者は、日本政府との間に契約を結びまして加工を行うということになっておりまして、所要の費用、四年間のこの協定の有効期間中の費用全部合わせましても、大体三万ドル程度のものでございます。大体今度の協定の内容はそういうものでございまして、非常に技術的な専門的な部分が多うございます。従いまして、もしさらに技術的な詳しい点は、本日佐々木原子力局長もお見えになっておりまするから、御質問がございましたならば、私あるいは佐々木局長からお答えいたします。
○委員長(小滝彬君) どうですか、佐々木局長に一応話していただきますか。
○曾祢益君 一般的に説明していただきたい。
○政府委員(佐々木義武君) 協定の内容に関しましては、ただいま河崎局長からお話しのあった通りであります。ただ私から申し上げたいのは、なぜこの問題を急いでやらねばならないかという、臨時国会にかけました理由を御説明いたしたいと思います。 わが国の原子力開発状況は非常な必要性に、資源面から言いましても、あるいは産業機構の改善と申しますか、こういうことから申しましても、先進国に例のないほど緊迫性に迫られておるわけでありますが、一方開発のスケールと申しますか、こういう点は各国に比べますと非常におくれております。十数年おくれておると申しましても決して過言ではございません。そういう状況でございますので、どうしても早くこの開発を進めまして各国にも追いつき、あるいは日本の国内的な資源その他の要望にもこたえたいというので、これを急いでおったのでありますが、昨年、アメリカから研究用の濃縮ウランであれば貸与してもよろしいという申し出を受けまして、その結果、昨年の暮に本協定が締結されたわけでありますけれども、その締結に基きまして、わが国といたしましては、とりあえず日本原子力研究所、これはこの夏できた機関でありまするが、この機関で、茨城県の東海村というところを拠点にいたしまして、ここにいろいろな原子炉を作る計画をただいま進めております。その第一着手といたしまして、最も安全な、最も使いいい、初歩的なものをアメリカから買い取りまして、これはウォーター・ボイラー法と称するものでございますが、これを買い取りまして、その原子炉そのものに関しましては、全くコマーシャルなベーシスで売買でもってできますので、向うのNHKという会社と契約をいたしまして、部品その他はただいま到着しつつございます。来年の三月の末になりますと、その組立が一応終りまして試運転に入ります。自後、五月の末ころを目標といたしまして本運転に入るという予定でございます。容れ物はそういうふうに予定通りできるのでありまするけれども、肝心のそれに使う燃料である濃縮ウランに関しましては、ただいまの賃貸条約と申しますか、細目協定が締結いたしませんと向うからは入手できません。そこでこの濃縮ウランそのものの意味でございますが、これは燃料といたしましては、ただいまのところでは天燃ウランと濃縮ウランの両形態がございます。天燃ウランはウランの二三五と二三八と両成分を含んでおりまして、二三五というのが俗に言う燃える部分でございます。二三八というのは燃えないものでありまして、天燃ウランの中に百四十分の一しかこの二三五というものは含まれておりません。そこで先ほど申しましたウォーター・ボイラーに使用するのは、天燃ウランでは効果がないのでありまして、それをただいま申し上げました百四十分の一のコンデンスのものを二〇%まで濃縮いたしまして、そうして効率の商い燃料といたしましてこれを借りてくるわけでございます。その天然ウランから濃縮ウランにいたします過程と申しますのは、これは大へん膨大な組織と膨大な電気を所要するものでございまして、ただいまアメリカに三つの工場が現存しておりますが、この工場だけで使う電気の所要量そのものだけでも日本の全電力量、ただいま産業あるいは家庭等に使っております全電力量にほぼ近いぐらいの非常な膨大な電気を消費するものでございます。そういうことでございますので、濃縮ウランというものは、米国、ソ連、英国でも若干作っておりますが、それのみがやっと作れる段階でございまして、その以外の国はとうていこの製作というものはしばらくの間は不可能かと思います。そこでわが国といたしましては、ウォーター・ボイラーが、三月の末にできますので、どうしてもそれに間に合わすように早くこの濃縮ウランを手に入れたいということで、いろいろ米国側と折衝しておったのでありますが、濃縮ウランと申しましても、六弗化ウランというこれは気体でございますけれども、これをAECの方から加工工場に渡しまして、そうして硫酸ウラニウムという粉末のものにこれを加工いたしまして、そうしてわが国では借りるわけでございますが、その加工の段階が相当時間がかかります。それからできましたものを、ただいま河崎局長からお話しがありましたように、できる過程、あるいはできた後におきます量、あるいは質等の検査をいたすといったような時間もかかりまして、どうしてもそのスケジュールを時間的に踏んで参りますと、ただいまこの細目協定を締結いたしませんと、どうしても時期的にはおくれてしまうというふうな時間的な考慮もございまして、初めて日本でこの第三の火と称せられる原子炉並びにその運転が開始されるわけでございますので、何とかしてこれに間に合わすように手に入れたいというのが本件の趣旨でございます。
○委員長(小滝彬君) 御質問はございませんか。
○竹中勝男君 非常に幼稚な知識しか私は持ちません、ウランのことについては……。この日本で作ります実験用のウランの工場というのは、どういう規模のものですか、実際に産業に応用することをそこで実験できる程度のものなのですか、実際にこれを工業化される程度のものですか。
○政府委員(佐々木義武君) ただいま基本計画で私ども持っております原子炉の過程は、大体各国の進歩の過程とほぼ似ておりまして、各国ではどういう過程を原子力の開発に関しまして進んだかと申し上げますと、第一期はごく出力のゼロに近い小さいものを作りまして、そうしてそこで技術員の訓練、あるいは材料の実験、あるいはアイソトープを取り出したりというふうな試験をまずやりまして、これがある程度進みますと、次に第二期といたしまして相当大規模の、実験炉を作ります。たとえば出力といたしまして二万キロから四、五万キロの間の原子炉を作ります。これで基礎的な研究分野、原料面あるいは材料面等の試験をしっかり終えまして、第三期になりまして初めて動力用実験炉というものにかかります。その動力用の実験炉がほぼ経済的にも技術的にも、障害物等の面から見ましても、これであれば大丈夫だという段階になりまして、初めてコマーシャルの意味の発電炉に入るというのが各国の進む段階でありますが、わが国でも、ただいま入れますというのはウォター・ボイラーCP5という段階で、第一期の段階とお考え願ってけっこうだろうと思います。第二期といたしましては、昭和三十四年末を目標にいたしまして、純国産で、燃料、材料その他もできるだけ国産で作りまして、そうして第二期の実験炉を作りたいと考えております。第三期に至ります動力実験炉に関しましては、ただいまのところ英国あるいは米国等に調査団をそれぞれ出しまして、そうして最もわが国にふさわしい動力用実験炉を作りたいというふうな考えで、この方はできますれば輸入をいたしたいというような考え方で進むことにしています。 その原料と申しますか、その燃料の手当ての問題でありますが、CP5ウォター・ボイラーは、これは燃料は、先ほど申し上げましたように、濃縮ウランでございますので、ただいままでのところは、米国、あるいは国連かできますれば国連の機関、あるいはソビエトから手に入れる以外に方法はありません。ただいまのところでは米国に話がついておりますので、向うから入手したい。 それから第二番目の国産炉でありますが、これは天然ウランを燃料にいたしたものでございます。十トン天然ウランを使いますので、この十トンの天然ウランは日本の工場で、できますれば日本の鉱石で、これを作りたいという所存で、主として燃料公社、昨年できました原子力の燃料公社を中心にいたしまして、鉱石の採鉱あるいは精錬等を急ぎたいということを考えております。どうしても足らぬ場合には外国から鉱石を輸入いたしまして、そうして金属ウランだけは日本の公社で作りました金属ウランでやりたいというふうに考えております。 その次の段階にあります動力用原子炉のものでありますが、これは英国から輸入すると仮定いたしますれば、天然ウランの方は英国の方でも所要原料は全部提供してもよろしいということになっております。それから米国から輸入する場合には、これは米国は濃縮ウランの形態でやっておりますので、濃縮ウランはなかなかわが国の実力をもってしては短期間では無理でありますので、アメリカ、あるいはそのほかから貸与あるいは購入するというかっこうになるかと思います。その後も各電力会社で、それぞれコマーシャルの意味で発電炉を作る場合には、国産炉でございますので、できるだけ日本の、国産の燃料でもってやりたい、こういうふうな考えで進んでおります。
○竹中勝男君 第三期の実験動力炉ができるのはいつごろになりますか。
○政府委員(佐々木義武君) 動力実験炉、あるいは英国とはただいまの段階でかなり採算に合うというはっきりした、今度の調査団が資料を持って帰ってきておりますので、もし早くそういうことになって、それに基き実際の話し合いが進んで行きました場合に、興国では製作に大体三年半、それから操作、組み立て等が四年半から五年というふうに見ておるようでございます。米国の方では、濃縮ウランでございますので、規模は英国に比べまして比較的小さいものでございます。従いまして、あるいは同時に協定ができたとしますと、製作期間から言えば米国の方が早かろうと思います。
○竹中勝男君 国産炉で天然ウランを使うという計画は日本でも着々進められておりますが、またそういうウラン鉱が十トンなら十トン、今十トンほどでいいというお話があったと記憶しますが、日本にそういうウランの鉱石、ウランを含んでいるウラン鉱が日本で十分補給されるだけのものがあるわけですか、国産炉の計画というものは相当進んでおりますか。
○政府委員(佐々木義武君) 計画の進め方には大体二つあろうかと思います。一つは設計が一体、どの程度まで進んでおるかという問題と、設計しました以後の部品が国産でできるかどうかという問題と二つあろうかと思います。前者の設計の問題に関しましては、ただいまのところ各メーカーと申しますか、五つばかりのグループが日本でできておりまして、それぞれ参加団体をたくさん持って、総合プールでありますので、多方面の分野から検討しておりますが原子力研究所が中心になりまして、各設計をただいま検討中でございます。おそらく設計の分野に関しましては、日本独自でこの設計が近く可能かと考えております。それから材料関係でございますが、これは御承知のようにわずかではございますけれども、一昨年度から予算がつきまして、その予算外のほとんど全部といってもいいものは関連産業と申しますか、あるいは国立試験所等に依頼いたしまして、そしてあらゆる分野の研究を進めさしております。ただいまのところでは大体中間試験の段階まで大がいのものは進みつつあるという段階でありますから、ここ二年後、三年後において作る国産炉につきましては、大体国産のものでもって間に合う、ものによっては外国より進んだものがあるくらいにも見受けられますので、その点は大丈夫かと思います。 それから第二番目のウラン鉱石の問題でありますが、これは今までは国立の地質調査所が主体になりまして、大体三カ年計画で空からの調査を終りまして、大体日本ではどういうところが一番中心になるかという見定めをつけまして、そしてここら辺は大丈夫ということになりますと、カー・ボーンと称しまして、トラック島で検査を進めまして、あるいは歩行で、歩いて調べるという過程を経て行くわけでありますが、ただいまの段階では、中国、鳥取、岡山の附近に、量から申しましても、質から申しましても、もちろん国際的な水準というほどのものではございませんけれども、相当有望な資源が見つかりまして、燃料公社が精査しております。精査と申しますのは、ボーリングしたり、坑道を堀ったりして鉱量の検査を進めております。従いまして、来年度公社で精錬工場、中間工場を造りますが、これができますれば、国内産のウラニウムだけでやれるかどうか、これはまだ疑問でありますので、外国からも入れ得るように、ただいま外国と折衝を方々にせしめております。そういうものと合わせまして、大体十トンくらい自分の手で可能じゃないかというスケジュールを考えまして進んでおります。
○永野護君 燃料の問題でございますが、濃縮ウランを作るために非常に膨大な電力を使う、今の燃料を日本の国産で間に合わす計画が進みつつあるというのですが、日本の電力の開発計画に、この原子力工業がどの程度まで影響するかということについては、つまり原子力産業を発達さすために電力が非常に要る、それができると電力に非常に役に立つという相関関係があるのでありますが、将来の見通しについて、何かある程度の具体的の案でも立っておりますか。
○政府委員(佐々木義武君) ただいま説明がちょっと足りなかったかと思いますが、ただいま日本で来年度中間試験をすると申しておりますのは、天然ウランの段階まででございます。天然ウランの段階まででありますと、それほど電力は食いません。ほとんどゼロに近いと考えてよろしいかと思います。それを濃縮ウランにする際に、これは非常に電力を食うわけであります。濃縮ウラン一〇〇%にしたものは、これは爆弾になるわけでございますが、アメリカからちょうだいいたしましたのは二〇%程度のものでありまして、操業中に爆発を起すといったような危険性は全然ないわけでございます。そういうわけで、濃縮ウランまで国内で将来をおもんぱかって作るということになりますと、大へんな問題になります。そこでただいま考えておりますのは、将来の日本の発電炉等に対して、そういう濃紺ウランを使うような形式で行った方がいいのか、そうじゃなくて、英国あるいはフランス等で考えておりますように、天燃ウランの形式から出発いたしまして、そうしてブリーダーという御承知の通りのものがございまして、自分で消費した燃料を、その炉の中でまた別の燃料を自分で再生産するというふうな増殖炉と称するものができております。これはただいま研究の段階でございますが、将来は必ずこれが中心になると思います。その際に使う燃料は、ブリーダーの際には、トリウム系統から言いますと、ウラニウム二三三、あるいはさっき申しましたウラニウム二三八が転化しましたプラトニウムというものになります。これが主たる燃料になっているわけでございます。そういう形態を選ふといたしますと、日本などは非常に資源関係から申しましてベターでございますので、最終目標といたしましては、日本といたしましても、ぜひその型のものを完成いたしたいというのが私どもの念願でございます。従いまして、濃縮ウランでありますと、反面濃度が低いものであれば、あるいは今後の研究いかんによりましては、あまり電気も食わない、金もかからぬようなものができるかもしれませんけれども、ただいまの段階では、少くともやはり米国なり、あるいは国連の機関からこれをもらうよりしようがない。そこで国連の今度の国際機関の内容をみましても、ただいま米国で提供しようという濃縮ウランの量からいたしますれば、しばらくの間は日本で必要な濃縮ウランくらいは譲ってもらえそうな量に今なっておりますので、しばらくの間は濃紺ウランでなくても差しつかえないのではないかと思っております。
○永野護君 結論的に言って、日本の電力の需給計画に対しては、原子力発電の問題とか、その発電に至る過程及び今度原子力が実際動き始めた結果、それによって生ずる電力というようなことは、日本の具体的の電力需給対策にはまだ織り込まれてはいないと解していいんですか。
○政府委員(佐々木義武君) 燃料を使う場合の電力の需用量は、ただいま申しましたように、天然ウランのときにはほとんど要りませんので、もしかりに天燃ウランを英国からもらう、あるいは米国からもらうという計算になりますれば、日本で作りました電気は全部プラスの電力になるはずでございます。国内で天燃ウランを使ってやった場合でも、全部プラスの電気というふうに考えてよろしいのじゃないか、ただ濃縮ウランを作る際には、その濃縮ウランを原料にして電力を生産する場合には、プラス、マイナスの電力が多少出てくるかと考えております。その力の計算は十分まだできておりません。
○永野護君 いや、私の伺いたいのは、原子力による発電が何年ごろにできて、それが日本の電力の需給計画に具体的に織り込まれておりますかどうかということを伺っているのです。
○政府委員(佐々木義武君) ただいまの研究段階といたしましては、先ほど申しましたように、英国あるいは米国から、それぞれの発電実験炉を輸入いたしまして、それによりまして、経済的な面、あるいは技術的な面、あるいは傷等防止等の面を十分検討いたしまして、もうこれであれば大丈夫だというところで、本格的な電源開発の方向に向うわけでございますが、その後どのくらいこれが増して行くだろうかという見通しに関しましては、まだしっかりしたものを持っておりません。ただ需要面からいたしますと、どうしても石炭あるいは水の関係から、日本ではもう燃料的には行き詰まっておるという関係で、早く原子力にウエートをかけたいという希望は、業界並びに政府でも強く持っているわけでありますけれども、しからば、いつの段階から、十年目にはかりに百万キロワット、二十年目には四百万キロワットというふうな、電源開発そのものの計画をこれでもってすぐ是正して行く、その一部に、英国でやっておりますように原子力発地を具体的に織り込んで行くというふうになっておるかと申しますと、なっておりません。しかし漸次そういう方向に持って行きたいと思っております。
○永野護君 そうしますと、具体的の日本の将来の胆力需給対策にはまだ織り込まれてはおらないと解してよいわけですか、研究の段階で。量はあなたの言われた通りなんですが、計算上の価格はどうなりますか、発電量の原価です。
○政府委員(佐々木義武君) ただいま、英国から今度の調査団が持って帰りましたのは三円四十銭くらいになっております。そうして一キロワットの建設費が十二万円の計算でございますが、これを十万円くらいまで下げることは、近い将来にその可能性は多分にあるようでございます。従ってあるいは三円四十銭よりも安くなるかもわかりません。しかしこの中にはプルトニウムの買上値段が入っておりませんので、それを入れますと、もう少し下がる面もあるかと思っております。逆にふえる面といたしましては、輸送の量とかあるいは輸送の費用とかいう面がふえて参りますので、そういった関係でプラス、マイナスの面が出ておりますけれども、英国で出した資料で申しますと、ただいま申しました日本の四円あるいは六円という発電コストからいうと、十分ペイするような結果になっております。
○永野護君 それに関連することですけれども、日本の電力の見通し、いつごろになったら行き詰まるか、そうしたら、量と価格の問題ですからだんだん上るようですけれども、つまりそろばんを無視した量の増加ということは考えられないのですが、今の火力がいつごろで壁にぶつかるか、水力もいつごろになったら限度に達するというお見通しですか。
○政府委員(佐々木義武君) 最近通産省の合理化審議会で、私も委員の一人に入っておりますが、ある程度の資料がまとまりつつあります。ただその資料によらないで、今までの資源調査会とか、あるいは経済安定本部等でやりました過去の資料を基礎にしてお話し申し上げますと、常識的には大体水力が御承知のように二千二百万キロワットの包蔵水力しかない、その中でただいままで八百万キロくらい開発が済んで、千二百万キロに近くなっておりますが、これを今後開発いたしましても、だんだん経済的な資源もなくなって参りますので、やはり千六百万から千八百万くらいのところが限度じゃないか、そういたしますと、年間百万キロくらい開発をやりますと、その中で水力がおもでございますから、それをやって参りますと、どうしても十五年か二十年くらいになりますと、電力に使う水というものは日本ではなくなってくるのじゃなかろうかというのが常識のようでございます。 一方、火力発電の方でございますが、これは例の新鋭火力と申しますか、優秀な設備を輸入しておりますので、一時はそのコストは従来の古いのに比較いたしまして安くなっておりますけれども、一方、燃料源の石炭はそれでは安くなるかと申しますと、これはなかなか自然的な条件が悪くなっておりますので、安くなるという見通しはございません。そうこう合わせまして、大体まあ今まで私ども経済企画庁におきまして作業した当時には、五年後には一割ぐらいコストが上るのではなかろうか。両方平均いたしまして、今後におきましてはあるいはもっと上るかもしれない。このように、下るというよりはむしろ実質的には上って行く、従って資源的にも非常に窮屈になりますし、コストの面から見ましても逆になってくる。一方原子力の方は反対でありまして、将来資源的には非常にまあ世界的に豊富でありますし、無限といっていいほど豊富でありますし、反面価格の方は技術の改善に伴いまして逐次安くなるというものでございますので、非常に有利なものかと考えております。
○永野護君 そうすると、結論的に言いますと、原子力発電を考える以外に、日本の電力問題の打開策はないと解してもいいわけですか。
○政府委員(佐々木義武君) それには議論が二つございまして、一つは重油を輸入して、重油資源でもってまかなったらどうだろうかという議論がございます。重油と原子力の優劣の問題が非常にまあキイ・ポイントになるわけでございますけれども、原子炉の発展がかりにおくれるようでありますれば、そのつなぎとして重油を使うということも考えられますけれども、しかし将来長い目で考えますと、国際収支の問題あるいはタンカーの問題、あるいは港湾の補修の問題等いろいろございますし、それから値段そのものにいたしましても、大体将来になりますと、ほぼ半分の燃料費としては値段になるだろう。あるいはそれ以下になるのではないかというような見通しでございますので、どうしても原子力で行った方がいいじゃないかと、私たちはそう考えている次第であります。
○委員長(小滝彬君) ほかに御質問ございませんか。ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小滝彬君) それでは速記を始めて。 それではもとに返りまして、在外公館関係の質疑に移ります。 どなたかさらに御質問がございましたら御発言を願います。
○津島壽一君 この法律は日ソ共同宣言の効力発生と同時に施行されるという法律でございますね。それで、片方は批准交換をすれば日ソ共同宣言は発効すると、こういうふうに了解しておりますが、そうすると、批准交換と同時にこの法律は施行になると、こう了解してよろしゅうございますか。
○政府委員(木村四郎七君) その通りでございます。
○津島壽一君 そうすると、その日をもって現在のモスクワにおる日本の外務省の方、また事務所もあると思いますが、それが看板は在ソ連日本大使館という看板をあげよう、こういうことになるわけですか、人員の問題は別です。
○政府委員(木村四郎七君) さようでございます。
○津島壽一君 わかりました。
○政府委員(木村四郎七君) 先ほど津島委員及び曽祢委員から御質問がございました通商代表部につきまして、まだ十分資料は整っておりませんが、暫定的にお答えいたします。米国、英国、フランスにおきましては、米国には通商代表部はございません。英国とフランスには通商代表部と名乗るものがあるようでございますが、この両国とも外交官リストに載っておりまして、外交官と同様の待遇を受けておることが判明しております。それからアジア諸国におきますソ連の外交官の数でございますが、外交官リストによりますと、インドネシアは二十名程度、インドは四十二名、ビルマは十二、三名ということになっております。
○津島壽一君 今の数字なんですが、この英国の通商代表部、フランスの通商代表部は外交官の特権を持った者が来ている、こういう意味の通商代表部というのですね、今のは。
○政府委員(木村四郎七君) さようでございます。
○津島壽一君 これは私はまあ昔の話で何ですが、英国へ通商代表部を、初めて第一次大戦後にソ連が大使館を置き、双方に設置をするという場合に、通商代表部の外交官特権の問題が非常にやかましい問題になってきたのです。それで日本はコマーシャル・アタッシェという形式でモスクワに滞在する。向うは通商の事務をやる者が滞在するということであれば、これは外交官の特権を英仏のように持たせるということは、商社の代表のようなものですから、外交官の特権を与えるべきものではないと思うのですね。ここらのところを今後一つ折衝の上において十分御配慮願いたいと思います。相当人数がいると思います、向うは。それを英仏式の外交官の特権だ、こういうことになりますと非常にへんぱなものになる。日本側との関係においては、それらは人数の関係と関連もするし、またそういった人が財界と外交官のような特権を持って直接接触するということは、どういうものかと思いますから、まあ一つ御研究願いたい、こういう希望をいたしておきます。
○杉原荒太君 先ほどの津島さんの御質問に関連してちょっとお尋ねしたいのですが、共同宣言の批准の交換の時期、それがまた同時に今度の法律の効力発生の時期と私は予想しておったのは、共同宣言及び法律の発効によって条約上もまた国内法上も大使館を設置し得るという法律的の地位に立つのであって、現実に大使館の看板をかける時期はまだ多少異なるのじゃないか、実際上も異なるのじゃないかと思っておったら、今の御答弁によると、すぐあすこで看板を立てるということだが、別にそれがいかぬというのじゃないけれども、そうすると、ソ連側でもすぐその日にこちらで大使館のようなものができるのですか。
○政府委員(木村四郎七君) 同日にするというととが政策上いいと存じまして、さような段取りをいたしておるのでございます。ソ連もまたさようであると存じます。
○津島壽一君 今のに関連してですが、私が効力発生の日に、共同宣言の効力の発生の日から施行するという規定が非常に意義があると思って先ほど質問したのです。ほかの大使館の設置法においては、ただし書で、本法施行の日に政令をもってこれを定めるという規定があるものが相当あるのですね。大使館設置には。でありますから、この場合にも本法施行の日は、これはもう共同宣言の効力発生がなければ、こういった法律が有効でないということは当然でありますが、施行の期日を、ただし政令でもって定めるということになりますれば、この批准交換効力発生という、この共同宣言と同一日付で看板を掲げるという実際の取扱いをなさるということですが、それならば、ただいまのような通商代表部はどういう資格にするか、何というか、相互主義のもとに、何人ぐらい置くかとか、いろいろなことの交渉が、もう大使館設置をしてしまったのですね、日本は。初めは何人でいいということだけでスタートを切って、いろいろの細目の打ち合せができないうちに、大使館をもう設置したのだということになって、すべての準備、打ち合せというか、了解ができないうちから看板はできた、そうすると、向うは大使がすぐできるということはあり得るのですね。そういうことが全体の構成なり、いろいろな内容ですね、通商代表部の関係本ありましょう、そういうものができ上った後に、さてこれから初めのうちはこれだけの人数にしよう、あとはここまで行くのだという話し合いができて後に看板を掲げるのがいいんじゃないかと思うのですけれども、質問にはそういうことがあったのですか、今すぐ看板を掲げて、それから今度ぼつぼつ、一体何人行くのか、これは外交特権をどうするか、こういう交渉を大使館で、代理大使と言いますか、そういうところでやるのか、あらかじめ政府間においてそういうことをきめて、そして大使ができて、大使が外交問題を処理するというのであるか、いわゆるこの施行規定のただし書で、施行の期日については別に政令をもって定めるとかいうようなことにやられない理由は、一体どこにあるかということを聞きたかったのです。今、杉原さんからそういう質問がありましたので、時間をとることはいけないと思って私は遠慮したのですが、ちょっとそこのところを……。
○政府委員(木村四郎七君) 製政策上と先ほどお答え申し上げたのですが、最小限度の人数で出発いたしまして、さしあたり引揚問題、また漁業の問題等、差し迫った問題がございますので、直ちに少くとも代理大使をして、さような点について先方と交渉せしめる等の措置をとりたいと存じたので、即日ということに考えたのでございます。なお、通商代表部の点は、先ほども申しました通り、通商航海条約ないしはその他の合意によりましてきめることになっておりますので、漸次やって行きたいと存じます。
○加藤シヅエ君 さっき曽祢委員からちょっとお聞きになったかと思ったのですが、この新しく大使館を設置するについての予算措置というのは別に出るのでございますか。
○政府委員(木村四郎七君) 大使館の職員の俸給の問題と、そして在勤俸の問題と庁費の問題が、大使館の大小にかかわらず要るわけでございます。人数はごく少数でございますので、既定経費からまかないたいと存じております。在勤俸の点は、在勤俸の算定がモスコーの特殊事情によりまして非常に困難でございますので、慎重を期しまして、目下大蔵当局と交渉中でございますが、資料が十分でないので間に合わなかった次第でございます。庁費は当然要るのでございますが、それらを含めまして、予備金支出、もしくはその他の財政的措置をとって行きたい、かように考えておる次第でございます。
○加藤シヅエ君 新しく家屋を買うとか、あるいは借りるとか、そういうような費用はどこに入るのですか。
○政府委員(木村四郎七君) 最後に申しました庁費なんでございますが、その点は予備金支出もしくは通常国会において補正予算をお願いするということになるだろうと存じます。
○加藤シヅエ君 どのくらいの規模のものを考えていらっしゃるのですか。
○政府委員(木村四郎七君) モスコーの特殊事情によりまして、その点につきましては、まだ細目にわたる予算上の研究が行き届いていないのでございます。取り急いで進めて行きたいと思っておりますが、ごく少数のものでありますれば、出張の形式においてやり得ることも便法としてあるのでございます。在勤俸等につきましては、各国の例を見ますと、ワシントンの在勤俸の三倍以上というような数字が出ております。家の借料等につきましては、今ちょっとお答え申し上げる余裕がございません。
○加藤シヅエ君 念のため申し上げておきたいと思いますけれども、いつも在外公館の問題が出るとき、私ときどき申し上げるのでございますが、在外公館、ことにこういうような国の大使館の新しい庁舎をお作りになって、そして調度品などをそこにお備えになるときに、非常に特別な注意を払っていただきたいと思うのでございます。こういうようなものは相当な多額のお金を使って調達するようになるのでございますが、その選択でございますが、それはやはり何か特別のそういうような鑑識眼のおありになる方に一任して、十分に日本の美術工芸品というようなものが、そういうような場所に行って外国に十分にいいものを見せるというような御工夫が特になくてはならないと思います。ところが方々拝見いたしましたところ、その場その場で非常に間に合せ的なものであったり、あるいはお役所の全然そういう美術鑑識なんかできないというような方に、ただ予算を使わせるというような意味で買い求められる。従って非常に雑然としたものが、単に商品みたいなものがそこに並べられているということは非常にまずいことだと思いますが、日本の場合には非常にいい美術工芸品を持っている国でありますから、特に選択には十二分の注意をしていただきたい。これをいつも申し上げているのでございますが、今度のそういうような選択の場合にはどういう御用意があるか。
○政府委員(木村四郎七君) 御注意の点はまことにごもっともでございまして、先般来、査察使といたしまして中近東、アフリカ、欧州、南北アメリカに参りました査察使からも同様な御注意を受けているのでございます。今度の場合には、そういう御注意もありましたし、私も全く同感でございますので、日本でできるだけ調達いたしまして、これをシベリア経由等で送るということをやろうじゃないかということに議が上っているわけでございます。御指摘の点は十分注意してやって行きたいと考えております。
○加藤シヅエ君 私が特に申し上げたいのは、ただ日本から送るというのじゃなくて、それを選ぶときにはどういう方に選はせるかということか問題だと思います。それはどういうふうに御用意になっておりますか。
○政府委員(木村四郎七君) この点につきましても各方面から注意がございまして、若い者にそういう選択をまかせてはいかぬので、少くとも大公使をやった人たちの委員会でも設けて、これが選択をするようにすべきだということはきわめてごもっともでございますので、今度の場合にはできるだけ念を入れまして選択いたしたいと存じております。
○梶原茂嘉君 駐在武官については何か検討されているのですか、まだ全然検討もされていないのですか。
○政府委員(木村四郎七君) 防衞庁等におきまして駐在武官を置きたいという希望の表明は、すでに外務省に対してなされております。この点につきましても、日本の置かれました特殊事情もございますので、慎重目下考慮中でございます。
○梶原茂嘉君 ソ連側の駐在武官の問題はどうですか。
○政府委員(木村四郎七君) ちょっと聞き漏らしましたが……。
○梶原茂嘉君 ソ連側の日本における駐在武官、日本に駐在武官を置くかどうかということについて、何か話し合いがあるのですか、全然ないのですか。
○政府委員(木村四郎七君) その話し合いは全然今までございません。
○委員長(小滝彬君) 他に御発言ございませんか。……他に御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小滝彬君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小滝彬君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 本法律案全部を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小滝彬君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容及び議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続きにつきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますか、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小滝彬君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますので、本件を承認されました方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 川村 松助 杉原 荒太 曽祢 益 梶原 茂嘉 鹿島守之助 鶴見 祐輔 永野 護 野村吉三郎 加藤シヅエ 竹中 勝男
○委員長(小滝彬君) 明日は午前十時から本委員会を開会することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十一分散会