外務・農林水産委員会連合審査会 第2号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/12/01
会議録
○委員長(小滝彬君) ただいまから外務・農林水産連合審査会を開会いたします。 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言の批准について承認を求めるの件、貿易の発展及び最恵国待遇の相互許与に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の議定書の批准について承認を求めるの件、海上において遭難した人の救助のための協力に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件、北西太平洋の公海における漁業に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題に供します。 昨日に引き続いて質疑を願うわけでございますが、本日の審査会については午前中に終了することに、昨三十日本審査会散会後の外務委員長理事打合せ会にて決定し、これについては農林水産委員長の御了承も得ておる次第であります。右御報告申し上げます。
○東隆君 私は十二時までに済みますけれども、しかしだいぶ時間も遅くなっておりますし、首相もお見えになっておりませんので、秋山さんの方から質疑があるそうですから、少しおやり下すって、それから私全般の問題、首相から質問を続けていきたいと思いますので、そのようにお取り計らい願いたいと思います。
○委員長(小滝彬君) 首相は十時半に見えることになっておりますが……。 それでは秋山君。
○秋山俊一郎君 昨日お尋ねしたんですが、農林大臣にもう一点お尋ねしたいのは、今度きめられるべき条約区域内における総漁獲量は、締約国の漁推量をきめるはずでありまして、非締約国の漁獲量についてはおそらく含まれていないと思いますが、この今後出てくる可能性のある締約国に対しては、きめられた漁獲量はどういうふうにあんばいされるお考えでありますか。たとえばカナダであるとか、あるいはアメリカであるとか、さらに北鮮、南鮮、この海に出漁し得べき非締約国である諸国がありますが、そういうものが出てくる場合には、漁獲高はどういうふうに決定されるお考えであるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(河野一郎君) 御承知の通り日米加三国の協定がございますから、あの境界線を越えて米加が出てくることは、これはないと思います。残る問題は南鮮、北鮮の問題であります。ところが御承知の通り、沖取り漁業はそうだれでも簡単にできるものじゃないんでございます。非常に技術を要する漁業でございますので、その漁業をそうにわかに計画をしてきてやるということはほとんど私は不可能じゃないかと思っております。しかしそういう事態はまだ想定しておりません。そういう事態が起ってくれば、そのとき別途考えなければならぬと思っております。
○秋山俊一郎君 今のところはそういう気配はないかと思いますが、ソ連の方はいかがでございますか。ソ連が近々に出でくるような気配はないのですか。
○国務大臣(河野一郎君) ソ連は出てくる気配はございません。ソ連とはその点については話し合う余地はあると思います。
○委員長(小滝彬君) 千田君御質問があるそうですが……。
○千田正君 昨日外務大臣に質問しまして、外務当局からのお答えがありましたが、この際、農林大臣からはっきりしていただきたい点があるのであります。それは各締約国の領域内における漁業の規則措置に関する交換公文が途中において引っ込められた。当初これは相当われわれとしましては、領海の問題あるいは距岸の問題を通じまして、特に魚族、魚種の資源保護という問題を原則として、このたびの日ソ間の漁業条約がきめられているという点から考えまして、この各条約国内の領域内における漁業の制限、不制限という問題に対しての問題は、相当重要視しなければならない問題であります。それが途中において引っ込められたという点に、いささか私は不満を感ずるものでありまして、この経緯はどういうために引っ込められたのか、それによって生じますところの将来の日本の利害に相当関係する問題だと思いますので、この際、農林大臣からこの問題の経緯を明らかにしていただきたいと思うのであります。
○国務大臣(河野一郎君) 少し誤解があるようでございますが、これは撤回することに、私もやめた方がよろしいという意見でやめたわけでございますが、この条約は公海における取りきめをしておるわけでございます。従って今両国間の専門委員の間でそういう話が出ましたが、それを私も見まして、将来こういう取りきめはむしろない方がよろしいということで、私どももこれをやめることにいたしたわけでございます。
○千田正君 公海の漁業のこのたびの制限に対して一つの材料としましては、その関係国内における領域内におけるところの資源保護という問題は当然出てくる問題である、私はそう考えます。しかもわれわれはソ連の領内におけるところの資源保護の状況というものは皆目私自身はわかりません。また日本政府も果してどの程度その真相をキャッチしておるかということはわからない。これは将来の問題ではありますが、両国間において徹底的にこういう問題については研究しなければならない問題であると思います。同時にまたそれを材料にしなければ、ほんとうの公海におけるところの漁業の制限というものは成り立たない、私はかように考えますので、たとえばソ連の領土内においてもどの程度一体資源の保護をやっているのか、木材はあるいは乱伐するかもしれない、あるいは製紙工場ができるかもしれない、石油資源の発堀によって漁業資源というものが侵されるかもしれない、こういう幾多の材料をはらんでいるところのソ連領土内の問題については、どういうふうに農林大臣はお考えになっておられるのか、その点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野一郎君) その点については非常に誤解がございます。と申しますのは、御承知の通りすでに昨年あたりからソ連側からわが方に対して、お互いに漁業に関する調査団の交換をしようという申し入れが先方からあったわけであります。これについて、これは同意をせずして参ったのは日本側でございます。ソ連側としましては、終始漁場保護、これらによる調査団の交換ということは、かねてそういう要望をいたしておりましたし、今回の交渉におきましても、交渉締結、条約締結後は、自由にあらゆる機会を双方与えて、そうして徹底的に調査研究をしようということになっておりますので、従って今お話のように、ソ連側の方のことは事情がわからないとおっしゃいますことは、先方は決してわからなくいたしておろうという考えはないのであります。これは今お話の通り、陸上における諸般の情勢をお互いに知り合って、その上で委員会で妥当な点をきめるということは、当然必要なことでございますから、これはこの条約締結後におきましては、なるべくわが方といたしましても、専門家を派遣いたしまして、そしてカムチャッカその他における状況は十分に調査をする必要があるだろうと思います。これについてはソ連側においても十分協力をするという約束はいたしておりますから、これらの点については欠けるところはないつもりでおります。かたがた今お話でございますが、むしろ北海道その他におきまする日本側の鮭鱒漁業の保護に対するいろんな点について、私はむしろこれから大いに日本政府としても施設もし、これらについて助長をするようにしていかなければならぬだろう。この点についていろいろな取りきめをするのは、まだ時期尚早であるというような考えをいたしましたので、この交換公文につきましては私も突は反対してこれをやめることにいたしたのでございまして、決してソ連側の一方的要望によってこれをやめたということではないのでありまして、その点を誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
○千田正君 最後に私は一点だけただしておきたいと思いますのは、昨日以来、問題となりましたのは、領海の問題並びに距岸四十海里、これはきのう農林大臣から御答弁がありました通り、これはサケ・マス漁業に限ると、りてれでサケ・マス漁業以外のその他の漁業、たとえばカニであるとか、ニシンであるとか、あるいはタラであるというような北洋を中心として漁獲でき得るその他の漁業に対しては、ソ連が主張するところの十二海里の領海を侵さない限りにおいては漁業しても差しつかえない、こういう了解は当然であるものと思いますが、その点はいかがでございます。
○国務大臣(河野一郎君) 差しつかえないと思います。
○委員長(小滝彬君) 総理大臣は十時二十五分に国際スタジアムを出て、十時三十分には少しおくれて、十心四十分には必ず登院の見込みであるということであります。それまでお持ちになりますか。
○千田正君 それではもう一点聞きたい、その町があったら。 きのう外務大臣から御説明がありましたが、たとえば千島のうちでも領土問題についてはペンディングになっておる。その間日本側の漁業の伸展ということを考えられまして、たとえば択捉、国後あるいはその北位になっておりますところの北千島等において、あの近海において日本が進出して漁業をやる場合においての漁業基地で、あるとか、あるいは主要港への寄港、その他についての何らかの要望を日本側がやっておられるかどうか。特に農林大臣に伺いたいのは、とかくあの辺は風浪が非常に激しい。よく遭難船が出る。こういう幾多の悪条件がありますので、そういう際に接岸し、あるいは港に寄るという問題に対しては、一歩前進してそういう了解を御ておられるかどうか、 この点いかがでございますか。
○国務大臣(河野一郎君) そういう場合は、海難救助協定の運用によりまして安全を期するということになるものと思います。しかし漁業の見地からはそういう話はいたしておりません。
○千田正君 将来そういう問題について協議する御意向を持っておられるかどうか。たとえば領土問題が解決しない限りにおいて、日本側はどうしてもいろいろな困難が伴うと思います。自然的な条件からいいましても、いろいろな困難が伴うと思うのでありますが、領土の問題が解決しない間は、ソ連側としてもいろいろなことを主張されると思いますので、その間におけるところの漁業に関する限りにおいて、何らかの両国の間に了解に基くところの御定置を講ずる意図があるかどうか、そういう点を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(河野一郎君) 私はその点についても多少誤解がありはせぬかと思いますことは、領土問題が解決しない間は、そういう点について両国の間に友好的な話し合いが困難であるというようなふうには考えておりません。そういうふうな産業の助長、協力という点から参りまして、これは私は相当友好的な話し合いができる。ただし先方に、たとえば軍事基地があるとか、何があるとか、あま要らぬ言葉かもしれませんが、特定の場合はともかくとしまして、一般通常の場合におきましては、相当の話し合いができる。現に南子烏、四十八度線以南の漁業につきましては、かねて申し上げました通りに、大衆の漁業であるというような意味合いから、一般の規定を緩和して、これらについては相当に協力をし、そうしてソ連側としても寛大な取締り方法で臨むというようなこと等についての話し合いは、円滑に進んでおるわけでございますから、そういう点については、必要の場合には今後十分話し合う余地があるというふうに考えております。
○清澤俊英君 私大体お伺いしたいと思うことは、同僚委員がいろいろ御質問しておりまして大体了解しておりますが、その中で一つお聞きしておきたいことは、昨年度の、五十五年一度の船団の編成並びに漁区の設定等をなされていかれまするその際は、ソ連等から何かいうてきておったのかどうか。日本が昨年の船団を組みます際には、公海における漁業の自由を原則にして、何らどこからの拘束も受けないで自主的にそういうものをきめてゆかれたのかどうか、その点をまず第一番にお伺いしておきたい。
○国務大臣(河野一郎君) もちろん国交がございませんから、何もいうて参っておりません。
○清澤俊英君 五十六年度の当初の計画は五十五年度と同じ立場に立って計画をせられたと、こう考えて差しつかえないと思いますが、その際、問題になりますのは、そうやって日本がやって参りました際に、突如としてソ連が一方的な漁区の制限並びに公海における漁獲の制限等を一方的に通達をして参った、こういうことは、本案の提案の説明の序説の一番最初に述べていられますので、従ってこれを受けて立ちました際に、私は、第二番目に書いてありますのは、直ちに日本の国としましては、出漁準備を着々と整えつつあったわが国としては、右措置の影響するところがきわめて大きいので、直ちにロンドンで日ソ国交回復の交渉をしておられる松本さんに通達をして、そうしてこれが解決をするために、魚族保護の措置をとるような交渉を始めるようにということを通達して、それから問題の交渉に入った、こういうふうに説明をしておられますのですが、その際、私は公海の自由を強く主張せられて、あの時分の雰囲気でありまするならば、もしソ連がこの協調がうまくいかぬならば、船団が全部拿捕せられても公海の自由を守るんだ、こういうふうなことも新聞等で伝えられておりましたし、また政府当局等にお伺いした際も、その点は始終強調しておられましたのが、たまたまそういう事情で、この交渉に入ります際には、一番先にどういうふうな順序で入られたのか、たとえてみまするならば、この交渉に入られまする際には、少くとも公海の自由、区画というものを中心にせられたとき、こういう制限が出て参りまするならば、一応は抗議的な立場で話に入るという建前をとられたのか。結局しまするならば、まあ船団の準備もついておるのだしするから、これは大へんだというのでもって、それを中心にただ話し合いをしていこうという筋道をとられたのか。どういう前提に立って松本さんのところへ訓令がいって話し合いの一番先が開かれたのか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(重光葵君) むろんこれは抗議から始まったのでございます。こちらは強い抗議をいたしまして、それから話し合いをする、こういうことになりまして話し合いをしたわけでございます。
○清澤俊英君 その抗議はどういう形式でなさったのですか、抗議の形式は……。われわれがあの当時の新聞などを見ますと、抗議のさきにまず通告してその次に交渉に入る、こういう形式が国民には知らされておりません。従ってあれから見まする全般の空気としては、昨日千田君が質問いたしました通り、何か屈辱的な、押しつけられた、こういう感じが非常に強くなっているのでありますが、その点は将来における国民感情上やはりはっきりしてもらいたい。私は抗議しなかったらしなかったでよろしいと思う。結局国交は回復していない、戦争状態にあるのでありまするから、従って一方的に強国は無理をいうてくる、こういう場合もあると思うのです。それはそれでよろしいと思うのです。そういうことは率直に国民に知らしていった方がいいじゃないかと思うのですから、ごまかさないでお知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 一応抗議をして話し合いにいった、順序はそうなっております。抗議をしたということは、国会でも御説明申し上げました。それから新聞にも当時は出ておるのであります。その点の順序についてあまり誤解はなかろうかと思うのでございますから、実際はそういう順序で始まったのでございます。
○清澤俊英君 それはそれとして了承しておきますが、そこで交渉に入りました際に、結局しまするならば、われわれ国民が受けまする感情は、この第二に描いてありまする通り、当吟出漁の準備も着々整いつつあったわが国としては、右措置の影響するところは非常に重大だ、こういうので非常にその点で弱気になった、弱気で種々ものを強いられておった、こういうことが感じられますが、その点はどうなんですか。
○国務大臣(重光葵君) そういう切迫した状況にあったことは事実でございます。これは決して交渉上こちらに有利ではございませんでした。しかしながら交渉としてはわが方の立場を十分に主張をいたしまして、そうして結局妥結を見たわけでございます。
○清澤俊英君 外務大臣はそういう答えをしておられますけれども、きのうやはりこれは下田君の質問で、出て参りましたが、結局千田君は平等の立場で、五分で何でもどんどんやっていったのか、こういう質問をされましたところが、外務大臣も総理大臣もこれは平等の立場でやっておったと、こう言われておる。そのあとで小林旭が例の抑留問題に対していろいろ御質問をして参りまして、そうして河野農林大臣の御答弁は、結局それは国交回復前のソ連と国交回復後のソ連とでは事情が違うのだ、こういう御答弁がありましたのですが、なるほど原則としては平等の立場で話したかしれないが、初めの河野農林大臣が行かれて、そうして暫定協定を結んで来られるまでの間は、私は日本の船団は準備ができて、そうして漁獲直前にあるということと、国交の回復の見込みがないということの二つが中心になって非常な追い込みを受けて、不平等な立場に立っての強圧があったのではないかと思う。それはあなた方両者の御答弁の中にはっきり出ていると思うのですが、その点どうごんらになります。
○国務大臣(河野一郎君) ちょっと誤解があるといけませんから、私からお答えいたします。私が参りました使命は、最初は今年度の漁業をどういう、ふうにして暫定的にきめるかということを大体目的に私は参りましたが、もちろん漁業条約の締結についても準備はして参りました。 会議の経過を申し上げますと、先方は漁業条約、海難協定、この二つをこの際取りきめをしようということを提案して参りました。従って今御審議を願っておりまする漁業条約、海難協定の審議に入ったわけでございます。で、先方は、よく私が申しますように、この条約、協定が発効するためには、両国の国交の正常化もしくは平和条約の締結をすれば、それでよろしいのであるから、暫定取りきめの必要はないのじゃないかという建前をとっておったわけであります。従いまして、この漁業条約、海難救助協定の条約案の交渉、協議を先にいたしまして、これらは双方平等の立場に立って審議せられたわけであります。ところがそれが大体成案を得まして、そこで私はブルガーニンと会談をいたしたわけであります。すなわち今年度の漁業をどうするか、私の方は平和条約を決めるとか、暫定取りきめをするとかいうことは私の使命でございませんから、そこで私はいつも申しますように、ブルガーニンと会いました際に、そういうことは私の使命じゃない、私は暫定的に本年度の漁業をどうするかということをきめてもらうことが私の使命であるということで、私は参りました際に、暫定取りきめの話をソ連側の了承を得てやった。その暫定取りきめの交渉に当りましては、先ほど申しましたように、六万五千トンというような数字が出た。もしくはその前後の状況、今年度の暫定出漁に関する取りきめについては事情が切迫しておりますので、こういう経過でやりましたということを昨日私は小林さんに御説明申し上げたわけであります。従いまして、ただいま御審議願っております海難救助協定にいたしましても、これはちょっと忘れましたが、ソ連とスエーデン、ノルウェーとかの間にきめたものを大体モデルにしてやっておる、大体それと同じだ、決してこれは不平等だとか、圧迫感を感じて得た結果ということじゃない。もしくはこの漁業条約にいたしましても、日米加三間のものを基礎にいたしまして、大体それを標準にいたしまして、こちらから案を持って出まして、それから先方からも出た案を、両方まぜ合わして得たものでありまして、これらの案の審議に当りましては、少しも、圧迫感を感じておるとか、もしくは不平等的な立場にあるということではないということを御了承いただきたいと思うのであります。
○清澤俊英君 そういう公平の立場で、五分で話し合ったという御答弁になっておりますが、昨日河野農林大臣は、いろいろまだこまかい取りきめができておらなかった理由は、御承知の通り、当時はまだ国交も回復しておらぬし、いろいろな事情で、そういうこまかしいことまでできなかった。だから結局国交回復して、そうしてこの条約を使っていくならば、そういうこまかしいものは全部別な立場でうめられるであろうと、こういう御説明があったのであります。それから推測してみますると、結局当時の事情は、国交も回復しておらなかったし、同時に日本としましては、船団を、今現在ある船団というものをどうするか、本年の漁獲をどうするか、こういう立場に追い込められて、非常な、まあごくこまかしいところまでの取りきめをしないで、まあまあそういうことは全部国交回復後一つやろうじゃないか、こういう建前で、非常な粗相なお取りきめが――粗相ということは、これははなはだ言い過ぎかもしれませんが、結局すれば、どういう意味合いになりますか、粗相でないが、こまかしいところは投げるとでも言いますか、そういったような、非常に大ざっぱなお取りきめをなさった。こういうことをわれわれは感知しておりますが、その点はどう考えておられますか。
○国務大臣(河野一郎君) ただいまも申し上げます通りに、日米加三国の漁業協定をモデルにいたしてやりましたので、これが大体委員会を中心にして、その委員会が各国に勧告をするということに建前がなっておるわけであります。それと同様なケースをもって、この条約の基本にいたしておりますので、そういう建前でいっておる、従って、両国の委員会が中心になってやっておる、そうしてそういう点の取りきめは、委員会が、今後双方の事情を十分調査した上でやるという建前になっておりまして、これは決してそういう点を、これにいうておるということは、先ほども千田さんのお話しがありました通りに、向うの事情がわからぬじゃないかというようなことで、向うも、ソ連といたしましても、日本の事情をまだよくわからぬ点もありますし、こちらとしても、向うの事情がわからぬ点がありますから、それらは順次この委員会を中心としてやっていこうということでありまして、決して私はやっておかなければならぬことをあとまわしに、情勢が情勢であったから、やむを得ずしたということではないのであります。むしろこういうふうにしておいた方が、合理的に必要な処置がとれるという建前をとったわけでございます。しいて申せば、ソ連側がああいう条件のときに、少しでもよけい自分の方に有利にものをきめておいて、そうしてそれを押し付けて将来を拘束しようという立場をとらずに、すべて双方公平な平等な立場もしくは事情を十分了承したときに、きめていこうという立場にきめてある方が、双方のため、将来のために合理的である、こう考えておるわけ、であります。
○清澤俊英君 そこで国民として割り切れないものは、公海における漁獲高を双方できめる、こうなっているのでありますが、日本だけのものはきめられる、ソ連のものは一つもわからない、幾らとるとか……。そうしまして、双方の、かりにこの新しい条約によって漁獲高をきめる際に、昨日の御答弁によりまするならば、ソ連内の領海における漁獲高というものを日本がきめるというのは、協定できめるということはどうもおかしいじゃないか、こういう向うの考え方がある、こういうことになりますると、これを外から客観的に見ますと、結局公海における漁獲高は、日本だけが制限せられて、そうして領海に、ソ連領の内川における漁獲というものは、これは何らそれならば制限が加えられない、結局ソ連から見まするならば、沖合いでとらぬでいい、結局すれば、ササやマスは領海かあるいは河川で十分間に合いまするから、公海だけのものを制限しておって、そちらで幾らでもとったら問題にならない。こういうものが残るのです。そうすると、これは一方的に何か押し付けられているのじゃないか、こういう感じが非常に強くなるのでありますが、今言われたように、平等の立場で平等の漁獲というものをきめて、ほんとうに世界の漁業資源を確保していく、こういう建前がとられるならば、その線もやはり何らかの形で打ち出されるべきものだと思うが、その点はどうなっておりますか。
○国務大臣(河野一郎君) その点は明瞭に約束いたしてあるわけであります。これはたびたび私が申し上げました通りに、海上における漁獲高の決定は、ソ連の陸上における漁業計画とにらみ合せてきめるということにいたしてあるわけであります。陸上でどのくらいとる、今までどういうふうにとっているか、それがどういうふうに制限されているかというものと、海の上で日本が今までどういうふうなものをとっておったかというものとをにらみ合せて、海の上でどのくらいとる、陸上でどのくらいとる、どういう計画でとるということは、双方委員会において、これを資料にしてきめるということの約束は、ちゃんといたしてあるわけであります。
○清澤俊英君 よろしいです。
○委員長(小滝彬君) それでは東君。
○東隆君 私は外交その他のことについては、あまり承知いたしませんが、北海道から出ておりますので、従って根室を中心にしていろいろ起されているところの問題その他について、実は十分に承知をいたしているわけであります。国後島におけるところのソ連の探海灯でありますか、探照灯は、対岸の標津の漁家その他の窓を明るくして、そうして中まで光線が入る、こういうような状況におかれております。また拿捕されたところの漁家が向うの方で扱われた待遇というものは、純粋の漁業者でありますと、きわめて寛大に扱って、そうして適当なときに返しているようであります。しかし、漁家はなかなか向うに行かない、向うに行くのはおそろしい、こういうような状況であります。こういうものが実は非常に膨大な数を占めておる。北海道には、千島、樺太その他の者が大部分北海道に残留をしているわけであります。こういうような人々の強い要請があります。従って、この人たちの強い要請というものは、今度の日ソの国交回復によって、実は要求はこれではかなえられておりません。こういう問題、歯舞村等はいち早く日ソの関係がモスクワでもってきまった場合にも、ちょうちん行列までやって喜びましたけれども、しかし、ちょうちん行列をやった効果は実はないのであります。そういうような状態がありますので、私はそういう感情的なものがございますから、だいぶ乱暴な質問もするかもしれません。また私も北辺防備のために、明治の初年に行ったも屯田兵のせがれでありまして、感情的な質問をするかもしれない。しかしお答えは淡々と一つお答えを願いたいと、こう思うわけであります。大へんぶしつけなことをいうようでありますけれども、そういうような気持がございますので、一つそういう点でお答えを願いたい、こう思うわけであります。 第一点にお伺いをいたしますのは、公海の自由をソ連が先に破ったのか、アメリカが先に破ったのか、この問題なのであります。北洋漁業の問題が起ったときに、一番先に北洋漁業の、サケ・マス、その他についての制限が問題になりましたときに、公海の自由を破ったのはソ連である、こういうふうに強く言われたと、こう思います。しかししさいに日ソの外交交渉の経過をずっとたどって参りますると、アメリカの方が先に公海の自由を破っておるために、従ってソ連も、米ソの冷戦の関係から、逆に手を打ち、そうしてそれが日本に大きな影響を及ぼしておると、こういうふうに私は考えるのであります。原爆、その他の関係や、あるいは日米加の漁業条約の問題、こういうようなものを通して、その点をはっきりとどういうふうにお考えになっておるか、これは総理大臣から、あるいは外務大臣からお伺いをいたしたいわけであります。どちらが一体化に公海の自由を破っておるのか、この点を一つお答えを願いたいと思うわけであります。
○国務大臣(重光葵君) 公海の自由の原則を日本は絶えず主張して参りまして、日本は公海の自由の原則を犯したことはないのでございます。漁業の制限等は、ソ連から持ち出したということは、御承知の通りでございます。それで交渉が始まったわけでございます。そのほか公海に対する問題も、そのほかの国に対してもございます。それは問題が起ったときに、これを処理しておるわけ、でございます。
○東隆君 私は、実はアメリカが光に公海自由の原則を破ったのか、ソ連が公海自由の原則を破ったのか、どっちが先なんだ、こういうことをお聞きしておるわけです。
○国務大臣(重光葵君) それは条約局長に御説明いたさせたいと思います。
○政府委員(下田武三君) 国際法的観点から申しますと、米国の原爆実験の問題は、つまり二つの公海の使用の自由がかち合っておるという問題でございます。つまり公海において漁業する自由が他方においてあり、また公海において、艦砲射撃、その他の軍事訓練をする自由があるということも、伝統的に認められたことであります。ただ科学があまりにも発達いたしまして、原爆の実験は非常に広範囲にわたって迷惑を及ぼす。そうしていかに公海使用の自由といっても、原爆を公海で実験するのは行き過ぎじゃないかという、二つの公海使用の自由の原則の抵触の問題でございます。ソ連のやりましたように、公海の真中にブルガーニン・ラインというものを一方的に引くということは、これは一方的にまさに公海の使用の自由を禁ずるということでございまして、比較にならない性質のものだと思います。
○東隆君 今条約局長のお話で、比較にならないと、こういうお話でありますけれども、今度の日ソの平和回復に関するいろいろな問題、あるいは漁業条約、その前の河野さんが行かれて取りきめたものについても、これは非常に関係がある。それは、ソ連が北洋におけるところの漁業の制限を加える心組みをやったしたのは、アメリカが原子爆弾の実験を南西の太平洋でもってやろうということを日本に通告をしたときに始まっている。それと同時に始まっている。そうして米国が日本に対していろいろな、たとえば実験をやる、しかしその実験に対しては損害を与えないように禁止区域をするとか、いろいろなことをやって、損害のないようにしてやるのだ、こういうふうに具体的に返答をしてから、ただちに漁業の制限についての問題を進めているのであります。具体的に進めてきている。これは明らかにアメリカが公海の自由の原則を破ったから、それをたてにソ連があの問題を大きく持ってきている。これと同時に、河野さんがいろいろな事情でもってたくさん船団をふやして、そうして北洋に漁業を進められましたから、そういうような関係から、こういうようなものが合わさって、そうしてあの大きな問題になってきた。従って、アメリカが公海の自由の原則を破ったことがこの問題を引き起している大きな原因になっていると私は思う。従って、比較をする問題ではありませんけれども、公海の自由の原則を破ったということにおいては、アメリカが先にやっているのじゃないか。比較にならないのじゃない。当然そういうものを前提においてやらなければならない。この点は私は、総理大臣はどちらが先に破ったかということをはっきりとお考えになる必要があると思う。どちらをどういうふうにお考えになるか、お答えを願いたい。アメリカが先に破ったのか、ソ連が先に破ったのか、これを一つお答えを願いたいと思う。
○政府委員(下田武三君) ソ連のブルガーニン・ラインの設定の動機を推察いたしますと、アメリカが太平洋で原爆の実験をやりましたために、それでおれの方もブルガーニン・ラインを引こうというような動機においての関連性は、私は全然ないと思います。ソ連側の動機は、日本側の船がだんだん沖合で、公海でサケを取ってしまいますと、川に遡上してくるサケがだんだん減ってゆくという心配から、純粋に漁族保護の見地から、ああいう措置をとったのだと、私どもは思うのでございます。でございますから、アメリカが先に原爆実験をやったから、それじゃおれの方ではブルガーニン・ラインを引こう、そういう動機においての関連性もこれまた全然ないものと見ております。
○東隆君 私の説明が不足をしているから、条約局長は関係がないように説明をされております。しかし日ソ交渉の過程と、特に漁業関係の問題と、それから原爆実験に関するいろいろな日本とアメリカとの間の関係、これをしさいに月日を合してお考えになりますと、ソ連が打った手というものは、アメリカが公海の自由の原則を破ったことをきわめて大きくたてにして、そして北洋漁業の制限についての問題を持ち出してきておると思う。その過程は外交方面に携わっておる人は十分におわかりになると思う、日付けを十分に考えてくると。今考えてみましても、ソ連は二月の四日にもうすでに発表しております。制限を。そのころにはアメリカは原爆の実験をやるということをはっきり声明をしておる。そして日本はこれはあとでお聞きをしようと思っておりますが、原爆の実験を禁止することを要請をしないで、外務大臣は要請をしないで、損害の補償であるとか、その他のことを要請しておる。それがそれに対するところの御返答が参りますると、ソ連の方では今度は何をやっておるかというと、具体的に北洋漁業の制限について進めてきておる。その関係をよくお調べになりますれば、私は北洋漁業とそれからアメリカの原爆実験の経過との間にきわめて関係の深いものがある。私はそれを関係がないとこういうふうに言われるのは非常に心外なんです。私は十分にあると思うので、そこで総理大臣はどういうふうにお考えになりますか。条約局長さんの何はそういうようなあいまいなことを言われておるけれども、私は最初に申しましたように、感情的になるかもしれませんけれども、淡々と一つこの点については総理大臣からお答えをしていただきたいと、こう思うわけであります。
○国務大臣(鳩山一郎君) ただいまの条約局長の説明のごとくに、ソ連が公海の自由の制限というか、これは漁族保護のために制限を行うというのでありまして、アメリカは条約局長がいうごとくに公海の自由によって原爆を、軍事上の実験を行う、全くその間に関係がないのでありますから、ソ連がアメリカの公海の自由を破ったことを理由として、ソ連が公海の自由の制限を行うという希望を持ったのじゃないとこう思います。
○東隆君 お答えが、私の考えておることとは違ったお答えになっておるわけでありますが、私はもう一つ別な角度から進めて参りますが、実は原爆の実験の問題については、これは今年の一月の十三日でありますか、閣議でもつて決定をされておるはずであります。それで原爆実験でもって外相が米国に申し入れをしておる。その中に、というのはこれは閣議の中にだろうと思うのでありますが、牧野法相から原爆実験は国際公法違反である、従って実験中止を米国に申し入れるべきである、こういう提案を閣議で御提案になっておる。ところがこれに対して重光外相は、米国が自己の領域または他国に属しない領域で原爆実験を行うのは国際法違反ではない、二大陣営対立の現状では、一方的な実験中止を要望することはできない、こういうふうに説明をされておる。そうして今のことを提案をしてこれを米国に要請をするのにどういうことをされたかというと、対案として一つ災害予防、それから第二として十分な補償、この二点を内容とした申し入れをされたのであります。これは多分間違いないと思います。私どももお聞きをいたしたのでありますから、このことには間違いがないだろうと思いますが、外務大臣はこれについて一つその通りと、こういうお答えを願いたいと思うのです。
○国務大臣(重光葵君) 大体そういうことだったと思います。その当時すべて発表いたしまして、はっきりと国会でも説明をいたしております。そのお話の点以外に被害のないように万全の措置を講じてくれということも付け加えてあったと思います。
○東隆君 私はその後に衆参両院でもって決議をしておることを御承知だろうと思いますが、原爆禁止に関する要請を衆参両院で決議をされておるわけであります。これは私ここに持っておりますから、読み上げても差しつかえございませんけれども、十分御承知だろうと思いますから申しませんが、これは明らかに米国に対して原爆の実験をやめてもらいたい、こういうことを決議をされておるわけであります。これに対して政府は、どういうようなその後経過をとられたか、また今度の条約改訂について先方の草案の中には、明らかに原爆実験禁止に関する規定も入っておった、そういうふうに聞いておりますし、私ははなはだもってその後におけるところの国会両院におけるところの決議に対する政府のやり方が、はなはだ弱腰でもっておやりになったために、今度の場合においても、そういう問題について一番被害を受けた国民として、強力に主張をしなければならぬものができなくなったのじゃないかと、こういうことを考えますので、衆参両院において原爆実験の禁止を決議をした、その決議に対してどういう措置を講ぜられてきたか、これを一つお聞きをいたしたいと思います。
○委員長(小滝彬君) 東さん、まだたくさん……、原爆関係は本案にも関係はあると思うのですけれども、なるべく一つ……。
○東隆君 それは私はまだこの問題をもう少しお聞きをいたしたい。
○委員長(小滝彬君) なるべく日ソ交渉の直接の点にいっていただきたいと希望を申し述べておきます。
○東隆君 これは今回の草案の中にあって、そうして削除されておりますから、関係が非常にあると思います。
○委員長(小滝彬君) 関係がないと言ったわけじゃないのですが、なるべく直接的な……。
○国務大臣(重光葵君) 原爆実験禁止、原爆の使用はむろんのこと、実験禁止を実現をしたい、国際的にそういう決定をしてもらいたい、合意をしてもらいたいということは、政府としてもその方針で進んでおるのであります。そして衆参両院で決議をされたことは、よく政府もその趣旨を体して、その実現に努力をして参ったのでございます。どういうことをやったかというその後の経過については、相当詳しく国会に対しても私は御説明申し上げてきておりますから、御存じの通りでありましょうと思いますが、しかし簡単に申し上げれば、まず関係国にこれは納得せしめなければなりません。そこで関係国と申しますれば、原爆を持っておる国、すなわちソ連、アメリカ、イギリスということになります。これらの三国にはとくとその趣旨を申し入れ、これに対して賛成を求めたのでございます。それについてはそれぞれその国の立場に応じて返答は参っております。参っておりますが、まだ国際的にさような原水爆の実験禁止という合意はできませんので、国際連合に対しても、日本は加盟しておらないのでありますけれども、その問題を国際連合に要請をしたのであります。そして国際連合でも相当この問題がやかましくなりまして、そして日本の主張もだんだんと明らかになり了解を得つつあるような状況と思います。これを一そう今後も推進して行って、日本側の意向が実現するように努力をいたしたいと、こう考えております。
○東隆君 衆議院の決議は二月九日やっておりますし、参議院は二月十日に決議をしております。従って私はこの決議をたてに、アメリカが原爆の実験をやったことに対して、私は相当強い抗議文くらいは政府はぶっつけてもいいんじゃないか、こう考えるのですが、これはどんなふうな形でもってアメリカに対してなされたか、この中身をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(重光葵君) これも前に御説明したと思いますが、抗議をいたしました。相当、何と申すか、あなたの言われる強い言葉でもって文書でやったのでございます。しかし米国としては、まず軍縮の方の問題としてこれを取り上げておるものですから、結論的に申し上げれば、国際的にすべて禁止をするというところまでは参っておらないことは、先ほど申し上げた通りであります。それをやるためには、今後の発展に待つよりほかにしようがございません。これは国際的にやらなければならぬ問題と思っております。そこでこれはまあ日ソの国交回復の問題とは筋が違うのでありますから、これはこちらの方で有効に施策をし努力をしていこう、こう考えておる次第でございます。
○東隆君 外務大臣は筋が違うようにお話しになっておりますが、私はこれは漁業に非常に関係がある問題で、特に北方になぜあれほど船団をふやして行かなければならなかったか、こういうような背後には、私は南方における漁業がこの実験によって阻止されております。航行の自由も実は阻止されておる。そんなような関係で、従って南方の方のも一のがしわ寄せをして、そうして北方の方に出て行かなければならぬ、こういう問題は常識的にもわかる問題です。従ってきわめてこれは関係がある問題であります。それでこれに対して非常に弱腰であるために、私は今度の条約関係の場合でも困難をされたと思うのであります。原爆のいろいな実験によって漁業関係のものが阻害をされた点、それから航行の自由が阻害された点など非常にたくさんありますが、これは私は一月の十三日ですかの、米国に対して対案として重光外相が送られた要請の中の損害の補償であるとか、万全を期する云々の、そういうような問題、そういう点から見てくると、私はたくさん大きな被害が起きておると思う。そういうようなものに対して、アメリカは何らの問題を持ち出しておりません。それに対して要求したことも私は聞いておりません。しかし私どもはあの三十九年のビキニの実験ののちにおいて、マグロの問題であるとか、その他いろいろな問題でもって、だいぶ大きな被害が起きましたが、その後においてああいう問題を一つも、市場関係でもってああいう関係を一つもお調べにもなっておりませんし発表もいたしておりません。しかし学者から聞くと、放射能関係のものはきはめて危険な状態のものがあると、こういうことも聞かされておるわけであります。従ってこの関係はもう少しお考えになって、そうして強硬に、今後の問題もありますから、強硬に私はぶつかる必要があると思う。私は政府としてこの問題について、あの当時、特にアメリカに対して、ああいう禁止じゃなくて、実験をしてもいいという前提のもとにああいう弱いところの要求をされたことは、これは今後もそういう態度でもってずっとのぞむつもりか、それともあくまで禁止でもって一本やりでいくというのか、こいつを態度を一つはっきりさせてもらわぬと、これは今後においても非常に問題だろうと思う。また国連の会合に出られて、そうしてまっ先に主張してもらわなければならぬ問題は、これはやはりこの点だろうと思うのです。そういう点で、きわめて弱腰なこの態度を一つ改めてほしい、こういう考え方を持ちますので、私はあえて政府に関係の問題としてお伺いをしたわけであります。この点はどっちをお取りになるのですか、軍縮に関連をしての原爆の実験はこれは認めんければならない、それは補償さえしてもらえばよろしいのだ、こういうような態度で今後臨むつもりですか。それともあの態度は間違っておった、今後は原爆禁止一本でいくのだ、こういうお考えか、これを一つお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) この問題は先ほど申し上げました通りに、日本政府としても、また衆参両院によって代表される国民の意向としてもきまっておる問題でございます。それを実現したい、こういうような政府の考え方でございます。そこでそういう方針は、日本側の望むところの事態、すなわちこの禁止を実現したいというのが方針でございます。これはもうそれであくまで行くのであります。なぜそれが必要であるかという、それが日本の主張する世界の平和、平和外交である。これは外交としてとらなければならぬ筋だと思ってやっておるのでございます。それはこの軍縮の問題についてもむろんそういうこと、同じ態度でございます。しかしながらこれは法律的に公海において実験をすることができるとかできぬとかいう法理的の問題等に至っては、なかなかこれは複雑なものでございまして、今国際連合でもこの問題は非常に調査いたしておるようなわけでございます。そうであるから、こちらの希望通りにすぐこれができないといっても、これは何も今それを放棄する必要も何もございません。世界の世論等もありますので、だんだん実現の時期が来るだろうと思います。しかしそれ自身は相当これは複雑な問題であるということは、これは争われぬことであります。そうでありますから、すぐその希望が実現するということを今申し上げるわけにはいきません。また希望がすぐ達成しなくても、主張はあくまでする、こういうことを申し上げておきたいと思います。
○東隆君 はっきりと私は態度を表明されておいた方がいいと思うのですが、この問題は実験をするのに対して賠償さえしてもらえばいいのだ、こんなような考え方でもってやっても、これはなかなか、実験は進められるでありましょうし、従ってまた実験が行われたときに強く賠償を要求するという線も、私は禁止の立場に立たなければできてきない。従って弱腰、弱腰でもって、この問題を処理されていったのでは、これは迷惑しごくなのは日本の国民だろう、こういう考え方になります。そこで私は複雑な問題でありますけれども、一刀両断的にこの問題、立場を明らかにされた方がいいのじゃないか、こう思うのですが。それから前の、提案をされたあの考え方は、これは間違っておった、こういうふうにお考えになった方がいいのじゃないかと私は思いますが、この点はどうですか。
○国務大臣(重光葵君) 先ほどから御説明した通りでございます。これはもう先ほど御説明した方針であくまで進んでいきたい、こう考えております。
○東隆君 私は原爆関係と、それから公海の自由の関係から、今回の条約をとりきめる場合に、非常にこちらが弱くならなければならん条件が、政府によって作られておった、こういうような観点から質問をいたしたのでありますけれども、それに対する明快な答えが得られなかったの、であります。しかし今後の問題がございますから一つ十分にこの点はお考えになる必要があると、こう考えますので、そのことを申し上げておきます。 次に、私は領海関係の問題についてお話を申し上げるのですが、最初にこれは昨年の二月の選挙の当時でありますが、これは選挙のこともあったんでありましょうが、外務省が発表されておる中には、どういう中身かと申しますと、千島、南樺太を要求するのは、これは正当である、こういうことを外務省の方が昨年の二月のちょうど選挙のときでありますが、そのころに発表をされておりますが、この考え方は今日もお変りになりませんか。
○国務大臣(重光葵君) 私はそれは正当であると思います。日本の領土であった、少くとも戦争前の領土の回復ということを要請することは正当であると考えます。
○東隆君 その点について実は昨日も御説明がございましたが、曾祢君の質問に対して外務大臣が、北千島あるいは南樺太を放棄するのが当然のようなことが新聞紙上に出ております。従ってこれは大きな新聞に全部出ておると思うのでございますが、私どももこれはとんでもないことを言われたと、こういうふうにみておりますが、これは一つ大きく取り消しをしておく必要があろうと思いますが、こういうことが今後のいろいろな領土問題を解決する場合に問題になる。その意思がございますか。
○国務大臣(重光葵君) 昨日も一昨日も一この問題は出ました。そのときに御説明をした通りでございます。
○東隆君 実は私はこういう問題が今後問題になることをおそれるのは、北千島を含むところのクリール・アイランドでありますか、その中には明らかに国後、択捉は入っておらんはずなんであります。ところがサンフランシスコの条約批准の場合に、外務省の方で説明をされるときに国後、択捉を実のところを申しますと、クリール・アイランドの中に入っているように説明をされている。従ってこの問題は非常にむずかしい問題になって、その後において展開をして参っております。今回の場合にもその問題は非常に困難でなかったかと思います。この関係はどういうふうにお考えになっているか。また今回の会談の場合にどういうふうに交渉をされたか。私はこれを松本全権あるいは河野さんがもし触れられればでありますが、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 私がお答えをしましょう。その問題はずいぶんもう国会の御討議に上りましたので、サンフランシスコ条約締結後に千島のうちには南千島も入っておる、こういう説明を当時の条約局長がいたしたのは事実のようでございます。その条約局長は今、在仏大使になっておりますが、私が渡欧のときにもよくその事情を直接会って聞いてみました。その説明によりますと、それは千島のうちには南千島も入っておる。日本の当時の地図の行政区画にもみんな入っている。そういう普通の観念でそう説明したのであります。しかしながら、条約関係がどうなっておるかということで説明したのではないと、こういうことなのでございます。そこでこんぐらがって参りましたが、南千島、国後、択捉というものは、私もキューライルのうちには入っていないと、こう信じて、それをその解釈のもとに交渉を進めていったわけでございます。そうして国後、択捉は、アメリカも、なるほど日本の言う通り主張は正しいようだという解釈をアメリカ側もしておることは御承知の通りでございます。
○東隆君 この問題は、私は古い話を蒸し返すようでありますけれども、今回の場合においても、重光さんの言われたことが新聞その他でああいうふうに大きく出ますと、私どもは忙しいものでありますから大きなトピックだけしか見ませんが、ほかの人もそうだろうと思う。従って大きな誤解を生むわけで、条約局長さんがそういう説明をされたことが、これは大きなその後において影響を及ぼしておると思う。私どもは、はなはだ心外に考えておるわけでありますが、それで簡単な条文ですけれども、神奈川条約、これは一八五四年にロシヤと締結をした下田条約と言われているこの中に、第一条として「今より後両国末永く真実懇にして各其所領に於て互に保護し人命は勿論什物に於ても損害なかるべし」、それから第二条に、ここが大切なのでありますが、「今より後日本国と魯西亜国との境「エトロプ」島と「ウルップ」島との間に在るへし「エトロプ」全島は日本に属し「ウルップ」全島夫より北の方「クリルー」諸島は魯西亜に属す「カラフト」島に至りては日本国と魯西亜国との間に於て界を分たす是迄仕来の通たるへし」、こういうこれはだいぶ古いころの条約でありますが、こういうふうになっている。ここでもって明らかに国後、択捉が日本の領土だということがはっきりなっている。その後も明治八年の千島と樺太を交換した条約でもって、千島の中部、それから北部の千島を日本が領有し、そうして樺太を帝政ロシヤが領有する、こういうことになっておるわけであります。従ってその間には戦争をやったわけでもありませんし、平和なうちに進められておりますから、私はこれをたてに十分に進めることができると思う。こういう問題があって、そうしてしかも歯樺太は、日露戦争の結果問題になったのでありますけれども、しかし明治八年ごろにおけるところの状態を考えたときに、私は北方からの圧力が日本に非常に加わったと思う。従ってああいう条約が取り結ばれたのではないかと思う。両方ともこれはそんなに共有のような状態に置かれておった樺太でありますから、あの程度の問題もそんなにロシヤでもって主張をする必要はない。ソ連が今回の場合そう強力に主張する根拠はないと思う。そういうような形で千島、それから南樺太は私は主張をする根拠が十分にあると思います。これは非常に今後の問題に関係をいたしますから、先ほどお答えになった通り、千島と南樺太は、これは日本の当然の領土である、こういうふうに一つ強力に主張をされる必要があるのじゃないか、こう思いますので、この点を一つ、北千島、南樺太は放棄するのだというようなことが伝えられておりますから、そうではなくて、千島と南樺太は、これははっきり日本の領土だといって主張をするのだ、こういうことを表明される必要があろうと思いますが、この点お答えを願いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) それらの点についていろいろ問題や、新聞記事もございました。ございましたけれども私はその点についてはもう少くとも識者の間、また、ソ連に対しては少しも誤解はないと考えております。今お話の下田条約、樺太、千島交換条約等の御指摘がございました。お話の通りです。それで私は南千島、すなわち、いわゆる国後、択捉は日本の固有の領土である。いまだかってだれも日本の領土でないと言った者はないという議論であくまで終始してきたわけでございます。今後もそういうわけでございます。今お話の南樺太、北千島、すなわちキューライル、これは少し趣きを異にしております。というのはサンフランシスコ条約でもこれは放棄しておるということがはっきりあるのであります。しかしながら、ソ連はサンフランシスコ条約に入っておらないから、ソ連に対しては私は領土問題を処理する場合に、これらの南樺太、北千局、すなわちキューライル、これは戦争前の状態に返してくれ、こういうことは当然日本としては言い得ると思います。しかしこれらの領土はサンフランシスコ条約において日本はすでに放棄しているという条約関係にあることは、これは顧慮しなければならぬ、こう考えるのであります。それらのことはもう言い尽されたことで、私は関係者に誤解はないと考えております。
○東隆君 言い尽されたことで誤解はないというお話でありますけれども、私は特に、国連の会議に行かれますので、立場をはっきりさして、そうしてお臨みになった方がいいと、こう由心いますので、私は質問をしたわけであります。 私は、河野農林大臣にお聞きをいたしますが、この漁業条約を通して考えてみましたときに、河野農林大臣の血道を上げておやりになったのは、北洋漁業に関係をしていることのみなんであります。従って、はなはだ残念なことに、根室の付近にだいぶ千島その他から来た者がおるので、ありますが、これらの人たちは、昨日もありましたように、拿捕をされたり、いろいろなことでもって困難な状態に圏かれておる。カニの問題について、昨日雌ガニをとるからそんなのはけしからぬと、こういうふうにもうすでに向うから横やりが入ってきておる。従ってあすこへおいでになればすぐおわかりになりますけれども、歯舞は納沙布のみさきから三海里ないところ、三海里離れておらない、歯舞諸島の一番日本に近いところは。従ってあすこの通行、それから漁業、そういうようなものは、これはことごとく向こうが十二海里を主張されれば、これはいつでも拿捕される状態に置かれておる。その反面、根室の方に住んでおる漁業者は、国後、択捉の漁場であるとか、それからどこに魚がいるか、コンブがどこにあるか、こういうようなことはよく承知しておる。従ってこの問題こそが先に解決されなければならぬ問題でなかったかと、こう思うのであります。この問題は、実のところを申しますと、歯舞、色丹の引き渡しの問題が、平和条約の締結というまで、こういうことによってずっと延ばされてしまった。一つも沿岸の漁業者はこの条約によって曙光を見出しておりません。この問題は今後どういうふうに取り運んでいかれるのか、河野農林大臣はもうすぐ手を引かれるというようなことも考えられますけれども、しかし、この問題を先にやらなければ、私はほんとうの日本におけるところの日本国民の生活に関係をした問題として、私は解決しなければならぬ問題だと思う。これは、先に大資本の、大企業によるところの漁業ばかりに血道を上げたのであって、この点は私は大きな政治上におけるところの問題があろうと思う。この点は河野農相はどういうふうにお考えになるか、この点を一つお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(河野一郎君) ちょっとこの機会に、先ほどお答えいたそうかと思いましたけれども、例の原爆と北洋との関係を、蛇足かもしれませんが、つけ加えておきます。原爆の実験によりまして、マグロ漁業に影響のありますることは、私が申し上げるまでもないと思います。しかし、それなるがゆえに、このマグロ漁業の転換というような意味で、北洋の方面に転換という意味で北洋に船を増強するというようなことは、全然考えたことはございませんし、マグロの新漁場によって、一応影響はありますけれども、解決はされておるということに御了承を願いたいと思います。 しかして鮭鱒漁業の北洋をどうして急激に増加したかということになりますと、これは御承知の通り、一昨年オホーツクの方面に試験船を出しまして、従来千島の東側で漁業を営んでおりましたものを、それを初めて昨年からオホーツクの漁場における試験操業をいたしました。ところが、非常に成績がよろしい。しかも、この方面で漁業ができるということの実験の結果、今年は昨年の試験の結果として、さらにオホーツク海における船団の増加をいたしたのでございます。 そこでもう一点申し上げておきたいと思いますことは、急激に北洋漁業に船団の数をふやして、この鮭鱒漁業を活発にして参ったということについて、あまりそれに力を入れ過ぎたのじゃないか、あまりこの方面に漁船をふやし過ぎたから、ソ連側の苦情が出たのじゃないかというような御意見もあったのでございますが、これは東君ではございませんが、つけ加えてこの際お答えいたしたいと思います。 これについては実は私は、戦前におきまする沖取り漁業と陸上漁業との関係からいたしまして、すでに戦争の始まる前、北洋漁業の末期におきまして、沖取り漁業が陸上漁業に対して非常に効率的である。しかも、この漁業の将来性が非常に有望であるということは、当時すでにわかっておったわけであります。従って当時すでに陸上漁業と沖取り漁業との間にいろいろの意見の不一致等もあったのでございます。そういう関係からいたしまして、沖取り漁業と陸上漁業との間に将来いろいろな問題があり、必然的にこの間に漁獲制限、もしくは漁業の協定が結ばれるべき運命にあるものと私は想定をいたしておりました。日米加三国の漁業協定とにらみ合せまして、当然日ソの間にもこれらの漁業協定が提唱されるということを、私は実は、自分では自分なりに考えておったわけであります。そのことあるを私といたしましては考えつつ、実は日本のこれらの漁業に対する実績、もしくは地位というようなものを、ソ連の陸上の漁獲、漁携方法がわかりませんでしたから、わが方として海上における漁獲、漁携は、わが方の許される限り、採算の合う限り最大限に進めるということが適当であろうというような意味合いで、実はオホーツクの試験漁業をいたし、その漁業の結果等も一判明いたしましたので、今年度の出漁計画を立てたわけであります。ところが、それがたまたま今ソ連側では、ソ連側といろいろ打合せをいたしてみますると、陸士におけるところの漁掛が沖取りの影響を受けて、非常にソ連側としてはここ一両年、陸上の漁獲が減ってきたということを、われわれが参りましたときに先方も説明いたしたわけであります。この点も私は、水上におけるところの沖取り漁業と陸上漁業との関係等を勘案いたしてやっておりましたことが、先方と話し合ってみますると、同様に先方からも意見が出まして、当然これは水陸両面における漁業の調整をするという事態が早く出たか、もう少しこちらがそこまで進出しなければおくれたかもしれませんけれども、しかし、いずれにしても、来たるべきものが来たというようなふうに私は考えられるわけでございます。そういうことでこの漁業の条約となり、今後の公海における漁業の保存という処置を、両国平等の立場に立って取りきめしていくということは、魚族保存の上に私は妥当な処置である、こう考えておったのでございます。 今、御指摘になりました沿岸漁業、もしくは南千島漁業、資本漁業とは別個に、これらの漁業についてもっと積極的に、もしくは優先的に解決すべきじゃなかったかというお話でございますが、これらにつきましては、公海の漁業、もしくはそれと、ソ連との影響のある漁業と違いまして、これは両国間の領土の問題もありましょうし、その他、国際関係が主になりまして、漁業を中心にして話し合うといたしましても、国交未回復の関係におきましては、なかなか困難な事情もあることでございますし、また私がこれに出かけて いってやるというような事態になっておりませんでしたのでございますが、 たまたま今回この条約、協定を作るに当りまして、四十八度線以南の漁業につきましては、先般来たびたび申します通りに、鮭鱒漁業を中心にして、これは沖取り、つまり独航船の四十八度以北の取り扱いと、以南の取り扱いとは別個にソ連側におきましても考えようということにまで、この漁業に関する限り了解を得ておりますので、今後国交調整されました後におきましては、ただいまお話の歯舞、色丹、国後、択捉、政府はこれらの沿岸漁業の問題につきましては、ソ連側の意見も十分聴取いたしました上で、この点については、なお別個了解を得つつ話し合う余地はこれは残されておると思うのであります。 しかも、こういうところで申してどうかと思いますが、イシコフ漁業大臣と私は、たびたび会談いたしましたときに、ソ連の漁業大臣は、私と違いまして、択捉、国後辺の現地の事情も、一夏あそこで過ごして十分知っておるそうであります。むしろこれらについていろいろ税明も聞き、そういう了解をしている人が漁業大臣をしているのでございますから、漁業交渉委員会の際には、これらについてわが方の沿岸漁民等の漁業についても相当の理解ある交渉をいたして、先方の事情の許す限り了解を得ることは、友好的立場に立ってものを進める意味において、私は考え方が甘いかもしれませんが、ある程度交渉してみれば結果が生まれてくるのじゃなかろうかというような気持も実はいたしておるのであります。これもこういうところで申してどうかと思いますけれども、わが方の引揚者の問題にいたしましても、チフヴィンスキー氏の言によりましても、将来の友好的立場に立って一切ソ連としては考えておるということだけ申し上げられるというような昨日も話がありましたくらいでございまして、先方がすべて今後の国交調整の上において友好的にすべての問題を考えていこうという立場をとってくれる限り、こういう問題についても積極的に話してみる方がよかろう、みたら効果があるだろうという気持を現在私は持っておるわけであります。
○東隆君 南方の漁業が北洋の方に変ったと、こういうことはないと、こういうお話でありますが、私はしわ番せを北洋にしておると、こう申し上げたので、表作と裏作とで、いろいろな関係でもって北洋の方にしわ寄せをしたことは私は十分にあると思う。 それからことに沿海州その他の方面でやっておった底曳なんかも、たくさんいろいろな事情がありますから、私はもう北洋漁業に殺到していく理由はよくわかるわけであります。そういう点を申し上げたので、ただ国後、択捉を中心にした方面における漁業というものが一つも進みませんし、それから魚族の保護を強力に主張されますならば、千島その他において孵化事業なんかも日本は十分にやっておったのでありますから、そういうような点、あるいは安全操業を小さな船がやり得るための寄港をする基地といいますか、何といいますか、そういうようなものを決定をする問題であるとか、いろいろな問題が私はたくさんあると思う。そういうような問題を取り上げてやることが先決問題でないかと、こういうことなんであります。私は全権として行かれた点ではなくて、農林大臣としてお考えになる本筋は、私は沿岸の漁業を振興することを考えることが中心でなけりゃならん、こういう点を申し上げたので、この点をお考えにならなければ。私は大資本家企業だけに血道をあげて河野農林大臣がやられたことは、これは鼓を鳴らして私はやはりこの点を一つ究明をしなければならぬ、この点を私は、はなはだ相済まないけれども、そういうようなことになったのだ、こういうふうに答えてしかるべきだ、この点はどうなんですか。
○国務大臣(河野一郎君) 今、お話しの転換漁業は、むしろ以西底曳き等の転換をするとか、ないしはまた沿岸漁業、もしくは近海漁業で一部この方面に新しい漁場、有利な漁業が起って参りましたので、御承知の通り独航船としてこれに従事するということでございまして、これはまあよく御承知のことと思いますから、もう深くは申し上げません。 今お話のことでございますが、資本漁業について私がひどく熱心に考えておる、これは資本漁業と申しますか、独航船と工船との関係は御承知の通りであります。で、あれだけの以北の漁業者がそれぞれの計算で独航船を持って従事しておる漁業でございまして、これは単に鯨の漁業とは同日なものではなかろうと私は思うのでありまして、もしそれこの北洋漁業を数社の資本家のみの利害関係にあるものだということでございますならば、決してこの問題はこれだけ重大な問題になるべき性質のものじゃ私はなかろうと思うのでございまして、その点が以北の数万に上る独航船の乗組員、もしくはこれに従事しておる関係者に非常に影響があるという点について、私は御考慮をわずらわしたい。その点は東さんが北海道の漁業を熱心に主張されますことも、よく私はわかりますけれども、少くとも富山、こちらで申せば千葉以北の沿岸の漁業者が、それぞれ宮城あたり特に多いのでございますが、これらの人たちが非常に熱心な立場をとっておられることは決して無視するわけには参らん、こう私は思うのであります。 で、ただ別に、今御指摘になります南千島のこれらの沿岸漁業の点につきましては、非常に領海の関係等においてもめんどうな問題もございますし、またこれらの沿岸漁業者が、従来自分の漁場として、自分の田畑と同様につちかってきたものが、今日立ち入り禁止というようなことになっております立場等について十分に考えなければならぬということは御説の通りでありまして、しかしこれらにつきましては、従来の国交関係、それが今後国交が正常化されました後においてわが方が了解を求めるという立場に立って十分やっていくということの段階を経ていくべきものだと、私は実は考えておったわけでございます。
○委員長(小滝彬君) ちょっとお願いいたします。 きょうは十二時で済むということでありましたけれども、御承知のように開会が少しおくれましたので、二十分まではやりたいと思います。まだこのあと通告者の方が三人ございますので、なるべく……。
○東隆君 ふえたのですか。
○委員長(小滝彬君) 簡単な質問だそうですが、ちょっと時間を……。
○東隆君 私もそれでは一点だけお伺いしますが、お伺いするよりも、これは希望になります。私の質問に対して河野農林大臣はお答えをそらされたので、しかも沿岸漁業のうちの、たとえばサンマ漁一つ取り上げてみましても、水揚げの量は鮭鱒の水揚量よりもきわめて大きいはずであります。場合によったら十分の一くらいになるのじゃないかと思うのですが、こういう点ですね、しかも新農村建設その他でもって主張されております問題、酪農その他の動物蛋白、あるいは脂肪、そういうようなものの給源関係を考えたときに、沿岸でとったところの魚を、これを食糧に転換させなければならぬ。ところが、さんま漁一つ取り上げてみましても、それがどんなような状態になっておるかということは、これはよく御承知だろうと思う。食生活の改善は粉食にありと、こういうことを申しましても、これはほんとうの食生活の改善にはならぬと思う。やはり動物蛋白をどれだけ取り入れるかというところに、脂肪をどれだけ取り入れるかというところに食生活の改善が出てくると思う。そういう点から考えてきたときに、北洋でもってとられたところの鮭鱒というものは、これはカン詰になって、そして外国に行った分は、これは外貨の獲得に非常に効果を上げます。しかし、その残った部分で国内に入ってきたものは、これは実のところを申しますと、沿岸漁場で苦労をしてとったところの魚の値段をこれはこわしております。価格をこわしております。 私は昨年築地の市場に参りましたが、あすこにある冷蔵庫の中には北洋漁業でもってとったところの鮭鱒が冷蔵されております。満庫になっております。そうして調節用の冷蔵庫というものが効果を発揮しておりません。従って、それだけ沿洋でとったところの魚の値段というものは、調節がつきませんから、生産者の方は価格の問題で非常に苦労をしておる。こういう問題一つ取り上げてみましても、北洋漁業というものが沿岸の漁民に与えておるところのものは、これは非常にマイナスの面が大きいのであります。従って、北洋漁業一点ばりでもって私は進められておったことが、非常に大きな沿岸漁民に困難なことを起しておりますから、私はこれと少くとも併行して、沿岸漁民の更生策について急速に施策をしなければならぬ、それはたくさんあると思うのです。それを考えないで一方的にやられたんでは、これはもう大へんなことになりますから、私はこの点は今までお留守になっておった点がそこにあると思うので、私は政府が主張されておる新農村の建設や新生活運動、こういうようなものの基本的な立場からも、当然沿岸漁業というものを振興させなければならぬ、これに対する施策というものはほとんどないのであります。農業方面のいろいろな施策に比較をしますと、きわめて貧弱なものになっておりますけれども、私はこの点は一ついろいろな点でもって三十二年度の予算の編成その他の方面において当然考えなければならぬ問題であるから、農相として御奉公する最後の御奉公になると思いますが、最後といったってこれからまたあと違った形でもって御奉公の機会はたくさんあると思いますが、今の内閣として私は予算の編成をされる立場として、十分にお考えになる必要があると、こう思うのであります。この点は一つ強力にお考えになると、こういうことを一つこの席でお答えをしていただきたいと思います。
○委員長(小滝彬君) なるべく簡潔に願います。
○国務大臣(河野一郎君) ただいまお話の点は、私も全く同感でございますが、ただ、この地位にありまして非常に実は遺憾に考えておりますことは、北海道の漁業の水産組合、いわゆる道連と申しますが、この方々等も御承知の通り北洋の船団を実はもっと強化せい、もっと強化せいといって、そうして北洋の鮭鱒漁業に非常に熱心なのであります。一船団も二船団も出されたことは御承知の通りであります。この方面に相当の沿岸漁業を中心にして、今お話のような施設についてもっと積極的にお考え願って、それに対して政府の方も協力しなければならぬ立場にあるにもかかわらず、今のようなことが、たとえばことしのサンマにいたしましても、サンマの漁期、これが相当に、千葉県から北にかけてどうするかというようなことで、いろいろ意見のやかましい問題があったというようなときに、これが地元の沿岸漁民の方々、これらの代表として主張されまする立場、それらが、もちろんことしのサンマがそれだけとは決して申しません。運輸上の関係その他について非常に、せっかくとれたサンマが肥料にしなければならぬようなことになったというようなこと等も、いろいろ私も聞いてもおりますし、考えなければならぬと思いますけれども、どうも実際、直接に水産者の沿岸漁民の代表者、代表の紹介というようなものの指導面において私は欠けておる点がある。これも決して私に責任がないとは申しません。責任がないとは申しませんけれども、この間においてどうも遺憾な点が種々ある。これらにつきましても、沿岸漁民の組合の代表の方々と今後十分に緊密な連絡をとりつつ、ただいま御指摘のような点について遺憾なきを期していかなければならぬということは、私全く同感でございます。 しかし、事情は今申し上げましたようなことでございまして、北洋において資本漁業資本漁業と仰せになりますけれども、決して、北洋漁業を盛んにする立場は、先ほど申しました意味合いにおいて私は積極的にやった。しかしその船団を許可するに当りましては、道連等についても二件――二つの船団を許すとか、事情の許す限り地元の要望にこたえて、私はおやりなさいということを言わざるを得ぬ立場になりましてやりました。やった結果は、失敗いたしましたというような点で、はなはだ遺憾なことで、私は自分で考えていたことが考え通りいかなかったとか、もしくは、これらの代表の方々に十分指導力が足りなかったという点は、顧みて私はないと思いますが、しかし、今後の運営としましては、今後の方針といたしましては、ただいま東さんの仰せになりました通りに強力にやっていかなければいかぬ、こういう点については全く私は同感でございます。
○青山正一君 外務大臣に三点ばかりまとめてお伺いをしたいと思います。このソ連との平和条約あるいは漁業条約がまとまるとなると、必然的に中国なり、あるいは北鮮との関連性も生まれてきはしないかと思うのでありますが、日本においても、たとえば小樽とか冨山、函館、高岡、あるいは七尾、敦賀、舞鶴、新潟、この各都市の市長なりあるいは市会議長、商工会議所の会頭、あるいは全国の市長会議において、対岸のソ連とか中国あるいは北鮮との貿易、漁業を促進しなければならぬと、前後八回にわたって決議しているわけであります。この日本の世論というものは、ソ連ばかりではない、中国なり、あるいは北鮮ともすみやかに国交を結べというような、つまり貿易、漁業を促進せよとの声が非常に多いわけであります。この決議に対して政府はいかようなお考えを持っているか、それを第一点に承りたいと思います。 第二に、昨日の安部委員の質問に関連する問題でありますが、たとえば韓国に抑留されている八百人の漁業者を帰してもらう、この問題にいたしましても、これは対韓国だけの問題ではない。私は十月に北鮮へ参りましたのですが、韓国に拿捕されているのは、これは日本だけではない、北鮮においても二百人から三百人の漁業者が拿捕されている。船も百数十隻拿捕されている、中国においても同様である。そこで北鮮の赤十字の方におきましては、一応韓国の赤十字を認めよう、そこで韓国の赤十字と北鮮の赤十字と日本の赤十字、あるいは漁業の関係におきましては、日本の漁業代表、あるいは北鮮の漁業代表、あるいは韓国の漁業代表、お互いに寄り合うて、こういった問題を研究しようじゃないか、解決しようじゃないかというような論に進んでいるわけであります。この三カ国の赤十字なりあるいは漁業代表が寄り合うてこういった問題を解決していかなければ、たとえば、韓国の李承晩は、あくまでこのスローガンには排日という線を掲げているのであります。こういったお方では、現在のところの問題を解決いたし決しても、将来またそういった拿捕の問題が出てくるだろうと思いますから、その点をこの三国の赤十字なり、あるいは漁業代表に命令し合って、この問題を解決させるというような意図があるかどうかというような問題、この問題について承わりたいと思います。 第三の問題は、現在中国に対して第三次の貿易協定が結はれ、漁業問題におきましても第二次の漁業協定という問題がもうすでにはっきりと締結されておるのであります。で、この漁業条約が締結されることによって日本は相当の利益を受けておる。たとえば一例でもって申し上げますと、第六号台風あるいは第十二号台風、あるいは第十三号、第十四号、こういった台風に日本の漁船が中国の港に入りまして、二百数十隻も助けられておるのであります。これが韓国であるならばどうでありましょう。おそらく拿捕されておるに違いないのであります。こういった意味合いに対してこの貿易協定にいたしましても、あるいは第二次漁業協定の問題にいたしましても、これはほとんど民間同士の協定であります。この民間の協定を政府間の協定に移行する必要はないかどうか、そういった問題について、この三点を承わりたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 御質問は三点ございましたが、全部共産国との関係はいろいろ制約があるが、それを実際的に貿易なり漁業なりで解決していく方法はないかという意味で御質問があったと思われます。そういう御趣旨にはむろん異存はございません。御承知のように、今これらの諸国との間に政治的に関係を復活するということは、まだその時期には来ておらぬという状況でございますから、貿易を国際関係の規約の範囲内においてできるだけ進めていきたい、また漁業の問題についても、そういう一般的の規制に触れない限りにおいてやる方法があり得ると思いますから、まあ民間の方でこれは進んでやってもらっていいと思っております。これは要は実益を進めたいと、こう考えております。ただそれがために全般のことを害するわけにいきませんから、そこに規約と申しますか、規制がございますので、それをよく、まあいえばさばきたいと、こう考えております。
○青山正一君 ただいま外務大臣からお答えがありましたが、それならば北鮮との民間の貿易協定とか漁業協定を結んでもいいわけですか、どうですか、その点を一つ承わりたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) その点は実際問題について具体的に一つ考究をしたい、こう考えております。
○千田正君 私はこの際、特に重大な問題としてお尋ねしたいと思いますのは、外務大臣が日ソ交渉の途中にして、やむを得ずあのモスクワ会談が中絶された、そのとき、あたかも不幸にもスエズの問題が突如として起きて参りまして、そうしてロンドンに集まった各国の外交代表者の間に日本も参加して協議された、あのスエズ問題の際におきましては、当時十八カ国か、あるいは二十カ国のいわゆる英仏側についた立場において日本も参加したごとくわれわれは印象づけられたのであります。その後御承知の通り非常な不幸な事態が今日においてはできておりますが、現在においてはどういうふうにお考えになっておられるか。このたび聞くところによりますると、外務大臣は、国連に参加のいろいろな条件を持って渡米なさるというお話も承わっております。私がいうまでもなく、第一次大戦後における当時の国際連盟と、今日あるところの国際連合は、おのずからそこに趣きを異にしておると同時に、いわゆる武力というものに対しては非常な問題が起きておる今日において、日本はどういう立場で行かなくちゃならないか。この質問をあえていたしますのは、このスエズ問題に本来日本が介入するかしないか、あるいはどういう立場に立っていくかということは、日本の国内におきましては、燃料政策その他に非常な影響を及ぼす。ことにわれわれ水産関係に属しておる者からいいますると、水産燃料関係におきましては非常な影響を及ぼすのでありまして、また外に向いましては、日本の国際的な立場が、今日の状況下に立って、一体どういう立場で国際連合に参加するかということも、われわれは含めて考えなければならない、かような重大な立場において大臣が御渡航なさるとするならば、この際御所信を明らかにしていただきたい、この一点だけを特にお伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(重光葵君) 非常に大きな問題で、日本の対外政策の全般に関係するわけでございますのが、しかし特にお話がございましたスエズ問題は、今日非常にこんがらがってきたということは、これは私も他の機会において御説明申し上げた通りでございます。日本といたしましては、どうしても灘河の問題については、第一に考えなければならぬ問題は、日本が世界的の通商経済国であるということを考えなければならぬと思います。そこで運河の自由航行、国際的に保障されておりますこの自由航行というものが現実に実行されるということが一番大切な問題であると思います。しかるにその運河のためにいろいろ政治的に紛争が起っております。戦争行為まで起り、また起らんとしたようなわけで、これには日本は政策の根本として、平和政策、平和外交の根本として、他国の紛争には巻き込まれない、あくまでこの紛争には巻き込まれないという政策がここに立てられなければならない。また、その考え方をもって運河の会議にも列席したわけであります。運河の会議が英仏側だけのようだと、こういうお考えもございました。これはイギリス政府が招請をしたのでございます。従いまして、イギリス政府側の見る運河関係国ということになっております。それは運河を利用する利用度によって、利用度の濃い国だけを集めたものであるそうでございます。そこで日本もこれには列席した方がいいと思って列席したわけであります。しかし政治的の紛争には巻き込まれない。ただし運河の自由航行ということについては、これを確保する方面に努力をしよう、こういう大体の建前で参りました。そこで今日までその方針は変っておりません。 そこで政治的態度はどういう態度であるかと申しますれば、運河を中心とする、もしくは運河に関連をする中東方面の争い、これにはむろん日本は介入は絶対に避けますが、その政治的の国際間の緊張、争いというものが平和的に解決をし、緊張緩和の方向に向くということに、日本ができ得るだけの貢献をしなければならぬと、こういう立場をもって進んでおります。そういうわけでございますから、まあこれは実際的に申しまするならば、英仏とエジプトとの間において、英仏がともに極端な手段に訴えることはよくないことだということで、双方ともに態度を緩和するように常に働きかけておるような次第でございます。さような点は、大体米国もそういう同じような態度で、これは実力者として先頭に立っておるようなわけであります。さような方式を進めていくためには、すべて日本としては国際連合を通じてやった方がいいという考え方で進んでおるわけでございます。
○千田正君 今、非常に要領のいい御答弁でありますが、最初は、運河を利用するところの関係国、当事者の会談に、日本側も運河を利用する国際的なウエートからいえば当然参加する義務と責任を感じて御参加になられた、その通りだと私は思います。ところが、その運河を利用する立場においてどうしても武力で訴えなければこの運河の問題は解決しない、こういう立場から英仏が武力をもって訴えておる。しかし現在は世界の世論は、武力をもってかような問題を解決するということは、国際連合の趣旨には反対である。同時にまた、今日平和を要望するところの世界各国の世論にも反対な行動をとっておるところの英仏の現在の行動に対しては、断固として反対しなければならないというのが、英国内でさえもそういう問題が起きて、かような実態に即しまして、日本側としましては、ただいま外務大臣の御説明にありました通り、政治的には巻き込まれたくない、しかし運河を利用する権利は確保しなければならない、かように私はくみ取ったのでありますが、しかしながら、現実の問題は戦争状態にある。国連が今、ただいまその調和政策として警察隊を派遣するという状況にありますが、あくまで日本は第三者の立場において、早く言えば傍観的な立場、そういう立場を堅持するという、こういうお気持で国連の問題に参加するというようなお考えで現在はおられるのかどうか、この点もはっきりしていただきたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 今、運河を中心とする、今武力行使という言葉を使われましたが、もうその階段は大体済んだようでございます。これはまあ国際連合で武力的の介入はいかないという決議がございまして、そうしてその決議はアメリカも入って、主張者でございます。そうしてその圧力もございましたし、そうして国際連合の警察軍が英仏軍にかわろうという趣向でもって非常にどんどん始めて、今はもう四千名くらい行っておるようでございます、イスラエルとエジプトに……。そこでその武力行使の事態は過ぎて、英仏軍も遠からず撤退を完了する形勢でございます。しかしその後に来るものはまだございます。これは運河のほんとうに改修等をやらなければならない。それらのことはすべて国際連合を通じ、もしくは国際連合を中心として今進んで動いておるわけでございますから、これは日本側としてはあくまで国際連合を中心として、ごく、何と申しますか、きわめて公平なる立場に立っていったらよかろうと、こう考えております。それで国際連合によってやられておるのでありますから、連合に入りますれば、対等に今日参加し得るのでありますし、その方針は先ほど申し上げました通りの平和的の政策を進めていく、こういうことでいったらよかろうと、こう考えております。
○安部キミ子君 時間が過ぎまして、まことに恐縮でございますが、一点だけお答えいただきたいと思います。北西太平洋の公海における漁業に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の条約という第一条で、「1この条約が適用される区域(以下「条約区域」という。)は、日本海、オホーツク海及びベーリング海を含む北西太平洋の全水域(領海を除く。)とする。」と、こう書いてあります。この日本海ということが書いてありますが、この日本海と申しましても、ただいま私どもの通念としては、日本海の中には北鮮の領海もあれば、李承晩の領海もあるという形になっております。そうしますと、この日本海の解釈でございますが、北鮮の領海と李承晩ラインとの境界線についての関係ですね、それはどういうふうに考えておられますか。
○国務大臣(重光葵君) 条約局長から御説明申し上げます。
○政府委員(下田武三君) 第一条では御指摘のように条約区域といたしまして、要するに太平洋の西北の方面をあげておりまして、従い、験して、太平洋の西北と申しますと、日本海、オホーツク海、ベーリング海となるわけでございますが、しかし具体的には付属書の方で規制区域というものを定めております。網目はどういうものを使ってはいかぬとか、移動漁具その他具体的の地域につきましては、はっきりきまっておるわけでございますが、北緯何度、東経何度と、緯度、経度をもってきまっておりますが、第一条は、ただ漠然と北西太平洋ということを説明するために三つの海をあげておる次第でございます。
○安部キミ子君 先ほど青山委員からもお話しがありましたように、この李承晩ラインを中心にいろいろ各国の犠牲が出ておるわけなんですが、そういうふうな解釈の仕方で十分この問題が解決できると、りっぱに解決できると、以後被害をこうむる国々の漁船や漁夫はないという御自信がありますか。そういう問題の対策は十分立てての上でこの条約を結ばれるお考えで交渉されたと思うのですが、どうでございますか。
○政府委員(下田武三君) 御質問の要点がはっきりつかめませんでしたが、韓国はいわゆる李承晩ライン等というものを日本海で保護しておって、こちらの条約との関係がうまくいくかという御質問だと考えますが、それは同じ海域におきまして、魚の種類により、あるいは当事国の違いによりまして、いろいろな条約が同じ海についてダブるということはあり得るわけであります。ところが韓国のは、きわめて漠然としておりまして、一体何の魚を対象とするのかということもはっきりしておりません。日ソ間の条約ではこれはサケ、ニシン、カニと三つに限っております。でございまするから、韓国との間の問題はどっちみち将来日韓の間で語をしまして、日韓漁業条約というものを設けまして、その漁業条約の規制はどこに適用するか、また、どういう魚種について規制をするかということをはっきり定めることによって、その点ははっきりなって参る、そういうふうに考えております。
○安部キミ子君 この問題はまだ賢明がありますけれども、きょうはこれでやめておきます。
○委員長(小滝彬君) 通告者の質疑はこれにて全部終了いたしました。 よって外務、農林水産委員会連合審査会は、これをもって終了いたすこととし、これにて散会いたします。 午後零時四十一分散会