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第25回国会衆議院1956/12/04

文教委員会 第3号

発言数
13 件
登壇者
6 名
会派数
2
開催日
1956/12/04

会議録

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤委員長 これより会議を開きます。  教育公務員特例法及び教育公務員特例法第三十二条の規定の適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。まず提案者よりその提案理由の説明を聴 取いたします。坂田道太君。

坂田道太自由民主党

○坂田委員 ただいま議題となりました教育公務員特例法及び教育公務員特例法第三十二条の規定の適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  この法律案は、題名の示します。通り、二つの法律を改正いたそうとするものでございまして、第一には、教育公務員特例法に一カ条を新設するものであり、第二には、昨年衆議院から提出いたしまして成立いたしました教育公務員特例法第三十二条の規定の適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律につきまして、その施行後の状況を見ますと多少の疑義がありますので、その点を明確にするために所要の改正を施そうといたすものでございます。  以下、その趣旨を御説明申し上げます。  第一条は、教育公務員特例法の一部改正でございますが、御承知のように、現行の教育公務員特例法が施行されましたときに、公立学校の職員は、すべて地方公務員となったのでございまして、本来はその身分の移転に伴いまして恩給法の適用がなくなるところなのでございますが、特例法第三十二条はこれに特例を設けまして、同法施行の際に恩給法上の公務員または準公務員である者が引き続き公立学校の職員となった場合には、恩給法が準用されることといたしておるのでございます。ところが、ここに養護助教諭の取扱いについて問題が残されていたのでございます。そもそも、養護助教諭の制度は、昭和二十三年十月七日に公立学校職員臨時設置制という政令に基いて初めて設けられたのでございまして、本来なら、その際直ちに当時の恩給法第二十二条第二項の「準教育職員トハ官立又ハ公立ノ学校ノ助教諭ヲ謂フ」という規定を改正して養護助教諭も準教育職員のうちに加える措置をとるべきであったのだろうと思われます。  しかし、これについて適当な措置がとられないでおりますうちに、約三カ月後に特例法が施行されてしまいましたので、これらの規定を形式的にのみ読みますと、その当時の養護助教諭は恩給法上の公務員でもなく、また準公務員でもなく、恩給法の準用を受けられないがごとくにも見えるのでございます。ところが、先ほど御説明申し上げました特例法第三十二条第二項及び第三項の規定を見ますと、特例法の施行後は、養護助教諭を恩給法上の公務員または準公務員として取り扱うことを明文で規定しているのでございまして、特例法の施行前と施行後とでは養護助教諭の取扱いについての規定の仕方が異なっておりますが、公平の観念に照らして考えますならば、特例法の施行の前後によって取扱いを異にすることは是正されなければならなかったのでございまして、現に、それらの者の恩給に関しましては、養護助教諭も助教諭の一種と考えられ、恩給法上の準公務員として取り扱っている実情でございます。しかし、この取扱いは、法文の上からは、必ずしも疑義なしとはいえません。そこで、この際、教育公務員特例法に第三十二条の二として一カ条を新設し、養護助教諭は当時の恩給法上の準教育職員の中に含まれるものであることを確認いたそうとする次第でございます。  次に、第二条の学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律の改正でございますが、この法律の成立後約一年間の実施上の経験に徴してみますと、この法律の審議の当時は予測されなかったような実情も判明いたしまして、その運用上多少の疑義がありますので、さきに御説明申し上げました教育公務員特例法の一部改正をいたします機会に、これにも次に申し上げますような所要の改正を施しまして、その運用の適正を期そうといたしたのでございます。  改正の第一点は、学校看護婦の定義についてでございます。現行法では、「昭和四年十月二十九日以後において学校看護婦、学校衛生婦、養護婦等の名称で児童、生徒等の養護に当っていたものをいう」と規定をいたしておるのでございますが、その後調査いたしましたところ、学校看護婦という名称を用いておりましても、実際には、日本赤十字社の看護婦の身分で学校に派遣され、日赤から俸給を受けておりました者や、父兄会から俸給を受けていた者などもありまして、昨年現行法を御審議いただきました際にも、このような者は含まれない趣旨であることを御説明申し上げましたのでございますが、この際、やはり明文で疑義なからしめる必要があると存じまして、第二条を新設いたしたのでございます。  改正の第二点は、官立または国立の学校の職員についての取扱いでございます。現行法では、学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなしておりまして、恩給法上は準教育職員が教育職員となった場合に準教育職員の勤続年月数の二分の一を通算するという規定だけになっておるのでございます。ところが、官立または国立の学校の養護訓導、養護教員または養護教諭は、恩給法上は文官とされておりまして、教育職員として取り扱われておりませんために、学校看護婦が官立または国立の養護訓導、養護教員または養護教諭となったときには、その学校看護婦としての勤続年月数の二分の一を通算することにつきまして疑義がございますので、これをも明文で規定いたす必要がありまして、第一条の第二項という規定を新設いたしたのでございます。  改正の第三点は、在外指定学校の学校看護婦に関してであります。戦争前満鉄や中国における居留民団が設置していました学校のうち、特に指定された学校は、在外指定学校として恩給法上内地の公立学校と同様の取扱いをしていたのでありまして、調査の結果、これらの学校に学校看護婦として勤務していた者が内地に引き揚げて参りまして引き続き在職しておる者のあることが判明いたしましたので、これも明文をもって在外指定学校当時の学校看護婦の在職を準教育職員の在職とみなすことといたし、第三条の規定を新設いたしたのでございます。  以上、本法律案の概要と理由を御説明申し上げた次第でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決賜わらんことを御願いいたします。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤委員長 これにて提案理由の説明を終りました。これより質疑に入ります。質疑があればこれを許します。辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 ただいま御提案のありました養護教員に対する恩給の継続措置についての法律案は、すでに法律八十五号として一応継続の措置がとられておったものでありますし、引き続き、それらの法律の施行に伴なって、なお継続措置の適用を受けられない若干の部分についての改正の措置でございますので、この点は長い間名称のいかんを問わず養護教職員の位置にありました方々に対する保障の方法としては、まことに機宜に適したものと考えておる次第でございます。ただ今回の改正法律案の中で、果してこういうケースがどういうふうに措置されるかということについて、若干の疑問のある点が三点ございますので、政府、提案者にその点を承わって、もしこの改正法律案の中で完全に措置することができないとなれば何らかの行政措置をとる必要があると思いますし、なお行政措置等でどうしても無理の場合にはすみやかにその点も是正をする必要があると思いますので、この機会に一つ承わっておきたいと思います。  第一点は、法律の三十二条によりましては、準教育職員として引き続きその職にある者について、恩給を継続するという趣旨になっておるのでありますが、たとえば従軍看護婦のような場合、すなわち法的にはどうしても当時の事情から一応退職をして従軍しなければならぬ。帰って来ましてから、引き続き教育職員としてその職にあるわけでありますけれども、一応やはり中間で切れておりますので、こういうのは引き続きという解釈の中には非常に解釈上含めることが困難なようにも承わっておりますが、これらの点果して継続が可能かどうか、これを承わっておきたいと思います。  それから第二点としましては、大体の法の趣旨は名称のいかんにかかわらず同一の教職員としての養護職員という、そういった職務内容を備えて今日まできた人には継続しようというのがその趣旨なのでありますが、その長い勤務の過程において任命権者が公共団体でないような場合があるようであります。それは過去における学校看護婦等の地位から見まして、地方公共団体が任用せずに、経費等の関係で、後援会その他当該の公共団体内の学校に対する援助団体等が経費を負担した建前で、発令は公共団体が行わずにそういった団体が雇用したというような場合もあるようであります。従って形式的に見れば、これは身分を有する学校看護婦とも称せられないし、また準教育職員ともいうことができない。そこで中断をせられているというような場合、勤務の内容は同じでありますけれども、形式的な面から見ますと、これも継続して適用することが若干困難なようにも法律上考えるのであります。その点はどういうことになるか。それが第二点であります。  それから第三点も大体同様なことでありますが、二十四年の一月十二日以前からずっと学校看護婦としての職務にありまして、その後特例法が設けられて以来もやはり同様その職にあるわけであります。ところがその場合に職名が変更になって、いわゆる養護教諭もしくは養護助教諭の形に定員等の関係から任用を受けられなかった人、これは主として経済的な理由に基くのでありますが、そういう場合正当な任用が行われていない。そのためにこれもまた準教育職員としていささか該当させるのに困難なような条件を持っていると思いますので、こういう場合これは法によって救済方法がとられるかないしは行政措置によってその救済が行われるか、その点を承わっておきたいと思うのであります。  以上三点について、一つ政府の方の見解を承わって、後に提案者の概括的な御意見を承わりたいと思います。

田中彰文部事務官(大臣官房人事参事官)

○田中説明員 お答えを申し上げます。第一点の御質問は、当時の事情によって引き続きという要件を満たさないものがあった場合に、これが本法の適用対象になるかどうか、こういう御質問だったと思いますが、この点につきましては、現行法に明瞭に「引き続き」と、こういうことを書いてありますので、この要件を満たさない限りは本法の適用対象にすることは困難であろうと考えます。  それから第二点は、任命権者が公共団体でない、たとえば後援会その他の、従って給与が公共団体から支払われておらない、かようなものはどうなるかという御質問であったと存じますが、この点につきましては、現行法のカッコの中におきましても「学校看護婦、学校衛生婦、養護婦等の名称で児童、生徒の養護に当っていたものをいう」この趣旨は、先ほどの提案理由の説明の中にもございます。また今回の改正案の中にも明瞭に、疑義を避けるための規定を置かれておるのであります。「国庫又は地方公共団体(もとの外地の地方公共団体を含む。)から俸給その他これに相当する給与を受ける」云々、この趣旨は、現行法におきましてもやはり同じでございまして、その点は現行法と改正法律案と趣旨は全く私は同じであろうかと思うのであります。従いまして、さようなものを本法の適用対象にするということは、これまた困難なことではないかと思います。  第三点に、任命手続その他についての御質問がございましたが、要するに恩給法の適用対象といたします限りは、やはり客観的な一定の要件が整っておりまする明瞭なものを恩給法の対象にいたしますことが、当該個人の恩給上の非常に大きな利害関係——恩給法の適用を受けるかどうかという問題になりまするので、形式的な要件というものをかような法律におきましては特に明瞭ならしめ、要求されるということもまたやむを得ないところであろうかと存ずるのであります。従いまして、形式的な要件、すなわち任命手続あるいはその俸給の出場所といったような関係が該当いたしません場合におきましては、本法の適用の対象にすることは困難であろうと考える次第でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 お聞きいたしますれば、お尋ねいたしました一、二、三点いずれもが、それぞれ法規の建前、それから改正法律案の中では適用していくことができないということでございました。で、当然そうなれば、われわれとしてもこの点について何らかの方法を考慮しなければならぬと思うのであります。詳しく申し上げるまでもなく、第一点の——例をあげました従軍看護婦等の例に至りましても、当然これは本人の責めに帰すべき問題ではございませんので、国家の命を受けてその職をほうって従軍をした。戦争が終って直ちにもとの職域に復帰してというような事例でもございまするので、これらは当然他の者が恩給法の適用を受けるということになれば、どうしても均衡の関係からも、適用されてしかるべきものであろうと思います。適用させるについて何ら支障のない問題だと思いまするから、これもすみやかに政府においても何らかの方法をおとり願いたいと思います。第二点の任命権者の相違の問題もやはり同様趣旨でありまして、これも本人のあずかり知らないことでありまして、ひとえに当該地方公共団体の経済的事情に基いて、そういう不自然な任用方法をとっておる関係から生じた問題でありまするから、これも私は当然措置すべきであろうと思います。第三点も同様でございまして、資格を持っておりながら、経済的な事情に基いて任用されない、これも御本人にとってはお気の毒な事柄でございます。本改正の趣旨に照しましてもすみやかにこれらも同様に継続せしめて適用すべきであると私は考えるのであります。その点提案者の方から概括的に御意見も承わっておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党

○赤城委員 辻原委員の御質疑あるいは希望は非常にごもっともに存じますが、第一点は、引き続き在職するということの中に、従軍した場合が入るか入らないかという解釈の問題にも相なろうかと思うのであります。これは一般的に引き続かない場合も含ませるというようなことにすることは、恩給法上の建前からどうかと思うのであります。従軍というような特殊の場合等につきましては、これは解釈上そういうふうにできるかできないかということは今後の研究に待つことでありますし、もし解釈ができないということでありますならば、また一応考えなければならない問題であろうかと思うのであります。こう考えております。  第二点の、任命権者が父兄会とかあるいは日赤というような場合で、国とか公共団体でない場合は含まないということは気の毒ではないかという御意見もごもっともだと思いますが、実はこの法律が施行されてから全国の養護教諭等の個別的な調査をいたしまして、辞令書などの写しを全部とってみたようであります。非常にまちまちなんで、どの辺に線を引くかということが非常に困難だ、結局国あるいは公共団体から俸給を受けておるということでないと線の引き方が困難だ、こういう事情がありまして、今度の改正案が出たような次第でございます。でありまするから、かりに父兄会等で任命してあったという形でも、俸給が公共団体を通じて出されたとか、そういうような事情であればともかく、単に任命権者が父兄会等であったということだけでは、ちょっとこの法律を適用することは困難ではないか、こういうふうにも考えられます。いろいろ総合いたしまして、御意見の点は法の不備というような点もあるかと考えるのでありますが、この法律そのものが非常に無理な法律で、御承知の通り去年恩給局などにおきましても、相当反対意見もあったようなわけであります。最小限度に疑義の少いような点で提案しようということでこういう提案になりましたので、御指摘のような点がまだ残っておるかとも考えますが、いずれ研究させていただきたいと考えております。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤委員長 これにて質疑は終局いたしました。  この際、本案に対する内閣の意見を聴取いたします。清瀬文部大臣。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○清瀬国務大臣 この案の国会における通過には、内閣においては異論はございません。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤委員長 これより討論に入ります。——別に討論の通告もないようでございますので、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  これより採決いたします。本案を、原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決するに決しました。  なおお諮りいたします。本案議決に伴う委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。本日はこれにて散会いたします。     午前十一時二十分散会      ————◇—————     〔参照〕 教育公務員特例法及び教育公務員特例法第三十二条の規定の適用を受ける公立学校職員等について学校看護婦としての在職を準教育職員としての在職とみなすことに関する法律の一部を改正する法律案に関する報告書     〔別冊附録に掲載〕

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