農林水産委員会風水害による農林漁業災害対策に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1956/11/21
会議録
○綱島小委員長 これより風水害による農林漁業災害対策に関する小委員会を開きます。 本年の農林漁業災害のうち風水害関係の災害について、その対策の進捗状況並びに立法措置その他について調査を進めます。 〔小委員長退席、田口小委員長代理着席〕
○田口小委員長 綱島正興君。
○綱島小委員 食糧庁に尋ねなければならぬことがありますが、経済局長、食糧庁等が見えておりませんので、その間大蔵省の考え方を伺いたいと思います。 前々から本委員会で問題になっております供出予約金二千円の予約をしておきながら供出ができなかった場合に対して、違約金と認められるような約款が規定されておるようでありますが、この利息支払いの義務、農協の代位弁済義務等の性質はどういう性質のものでありますか、これを伺っておきたい。
○大村説明員 お答え申し上げます。代位弁済ないしは利息の性質はどういう性質かという御質問でございますが、昨年度予約の概算金払い制度を新設するに当りまして代位弁済という制度を作ったのであります。これはなぜそういう制度を作ったかと申しますと、その前に実はこういう予約制度に伴いまして、概算金ということが果して制度的に成り立ち得るものかどうか、しかも何百万という農民を相手に概算金という制度が果して認められるかどうかということが実は制度的に問題になりました。それは、この制度をやるに当りましては概算金という制度は非常に問題であるけれども、もしこういうものができなかった場合には、概算金は確実に回収できるという措置をぜひともとらなければいかぬ、これは災害があっても必ず回収できるような仕組みにしておかなければいけないということで実は代位弁済という制度ができました。そうして各指定集荷業者ごとにこの代金の中から一部を別途積み立て預金をいたさせまして、それでもって代位弁済をさせていくということにしたわけでございます。 その場合に、予約の履行の確保をはかるという意味もございまして、それからこの概算金の性格等から考えまして、もし履行の確保ができなくて代位弁済ということになった場合には、日歩二銭五厘の利子をつけて返してもらうということになったわけでございます。 それから性質ということでありますと、いろいろの意味から性質という問題が出てくるかと思いますが、制度ができましたいきさつはこのような経緯でございます。
○綱島小委員 ただいまいきさつだけを伺いましたが、私が伺いたいのは法律上の性質でございまして、これは同時に経済局長にも聞いてもらいたいし、政務次官にもお尋ねしたいけれども、御承知の通りこれは純然たる法律論でございます。一応私の解釈を申し上げるが、私の解釈によれば、旧民法及び現行法のいずれにいたしましても、契約をいたしたなら、債務の履行を要する事項については債務履行の義務が当然ございます。その履行を怠った場合に対しては、履行請求及び損害賠償の規定がいずれも規定されてあります。本件における予約金二千円の履行債務は何であるかといえば、米の引き渡しであります。これ以外の引き渡した金を確保するための措置としては、本人が任意に引き渡し義務を履行しない場合に生ずる損害金もしくは損害に代位するものの弁済を求める権利だけが発生して、それ以外の権利は発生する事情が法律には許されておりません。これは大蔵省や食糧庁や農林省が法律違反のことを企てて契約しようが、内閣でどうきめようが、そんなものは一つも関係はない。法治国においては、契約においては民法に規定することが基本でありまして、立法措置によらずして脱法行為の契約を国家がいたしましても、何ら法律上の効果は発生しないのであります。そこで問題は、実に冷静なる判断のもとに進めなければならぬのでありまして、この二千円の予約金に対する債務支払いが任意に怠られました場合は、もちろん民法四百十四条の「債務者カ任意ニ債務ノ履行ヲ為ササルトキハ債権者ハ其強制履行を裁判所ニ請求スルコトヲ得」という規定が適用いたされます。従ってこれによって生じたる損害の請求ももちろんできるのであります。不可抗力によって債務が履行期に履行せられない、従ってその次に履行し得る最短期間に履行する義務が依然存在するけれども、履行期を法律に基かずして繰り上げてみたり、もしくは履行期に及ばぬうちに代位弁済をさせるような契約をいたしても、それは民法の規定に違反するのであるから何にもならぬ。しいて言えば損害補償の予見契約をいたしたものと解釈し得るのであります。この場合は先ほども申し上げますように、任意に履行を怠った場合にのみ生ずる約款でありますから、天災によって起ったものについての履行請求権というものは、次に履行し得る期間まで、期間は当然自動的に延長せられるのであると私どもは思います。従って明年度の米が満足にとれたらそのときに履行期が発生する、そのときからでなければつまり履行遅延の債務は発生しない、こう考えるのでありますが、政府ではこのたび履行期に及ばざるものについてまで代位弁済させてみたり、損害補償をさせたりする考えらしいが、どういう法律の根拠によるか、法律の根拠を、これは大蔵省も、農林経済局長も一つ明確に御答弁を願いたいと思います。
○大村説明員 利子の点についてお答え申し上げます。その利子がどういう性質のものかというその解釈いかんによって、結論がいろいろ変ってくると思います。その利子は特に履行、不履行による損害賠償という性格のものではございません。これは実は日歩二銭五厘と申しますと、末端の農協の貸し出し金利が年一割五分でございますので、それ以下の年九分くらいの金利でございます。なぜこれをつけているかと申しますと、実はその前に一体概算金というものはこういう場合に出し得るかどうかという問題にもなるわけでございまして、その議論につきましては、先ほども申し上げましたように、非常に問題がございまして、そういうものは払えないのじゃないかという問題もございます。しかし米の管理制度を維持する上におきましてどうしても予約制度をやらなければならぬ、予約制度をやる以上は何らかの格好で前渡金を出してやらなければいかぬじゃないかという点から、概算金制度というものが創設されたわけでありますが、米が出せなかったという場合に、概算金はもらった、ただそれだけを返したらいいのかどうか。その間に特に不当利得があってもいけない。もし農民がそれを納入した場合には、やはり運用益というものがもらえるわけでありますから、やはりそういう点を考慮して日歩二銭五厘程度の利子をつけて返させるべきではないか、それに多少の違約金的な性格のものも加味されましてできたものと存じますが、そこのところは法律解釈上むずかしいところだと思います。
○綱島小委員 これはあなたがどう思われようが、内閣がどう思おうが、契約当事者がどう思おうが、そんなことで影響がないんですよ。法律においては任意に変更されるものとされないものとある。これはしろうと議論ではいろいろなことを言うけれども、これは損害賠償金ではないとあなたが言っても、性質は利息と損害賠償よりほかにないんですよ。利息は金銭消費貸借に発生する義務であり、特定債務の履行に対しては利息はございません。そこで明らなことは、米は十一月末集荷するのですが、それに一カ月間を置いて十二月までに支払ったならば、これは何にも利息がつかないことになっておる。これは明らかに利息でない証拠です。損害金の性質です。名前はどう言うてもかまわない。三郎とつけようが、次郎とつけようが勝手ですよ。法律上の性格というものは名前では何も影響がございません。あなたはそうじゃないと言ってもそれでは影響がない。利息というものは、一定の金銭消費貸借によって生ずるものが利息であって、特定債務を履行するものについての利息というものはございません。そこでこれは損害予見金の契約とでも言えようか。損害予見金でありますと、損害は任意不履行の場合に生ずるのであって、不可抗力の場合は生じません。また重大なる過失の場合、従来旧民法においては損害賠償の義務にいたしておりましたが、ただいまの民法ではやはり任意不履行だけを取り上げておるのであります。昔よりはもっと狭くなっておる。ただ自己の責めによらずして損害賠償を支払うことは、アメリカに交通による無過失損害賠償というものがございます。日本でも今これを立法しようとしておりますが、それ以外には無過失損害賠償というようなものは世界中にございません。そこでこのものが利息であるか損害金であるかは、金銭消費貸借であるか消費貸借でないか、予約金の一部の支払いであるかどうかということできまるので、これが物を買うということでの予約金の性質のものでない、これはたまたま金だけ貸してやったのだ、こういう供出には何の関係もないというならばいいんですよ。あなた方が、これは供出にも何も関係がない、ただ二千円を貸してやったのだというなら別ですよ。どうですか、米に関係なしにお渡しになりましたか。その契約の金銭引き渡しの一部は代金の前渡支払いの意味であるかどうか。契約書で何と書こうがそんなことは法律上の解釈なんかには関係がないんですよ。どんなにうまく書いたって法律上の性質に合う通りに解釈されるので、幾ら詳しく書いても法律上の効果には影響はない。そこで問題は、米をとるために出した金か、何も関係なしに百姓に金を貸したのか、こういうことですが、それに対しての御説明をお願いいたします。
○大村説明員 お答え申し上げます。もちろんこれは米の予約売り渡しに関連しての概算払い契約でございます。
○田口小委員長代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○田口小委員長代理 速記を始めて下さい。
○綱島小委員 法制局の出頭がおくれるようですから、そこで食糧庁長官にお尋ねをいたします。石二千円の予約契約の性質は米穀供出を内容とする契約でありますかどうか、これをまずお尋ねをいたしておきます。
○小倉説明員 石二千円の概算金の趣旨でございますね。これは米を予約して政府に売り渡すということのための措置、こういうふうに解しております。
○綱島小委員 それだけ明らかになればあとはおのずから立て板に水を流すがごとく結論が出るのでありますが、これがたまたま金銭消費貸借であったならば、利息を付するべきものでございましょう。米を引き渡すという義務のもので、その米の引き渡しが不可抗力によって不可能になった場合にも、一定の利息を付して返還するがごときように見える約款のように見えるのでありますが、その約款は不可抗力によらざる任意違反の場合にのみ適用するのでありますか、不可抗力のときもこれを含んでさような約款をこしらえられたか。
○小倉説明員 政府に売りました米の代金が、概算金の額に達しませんでした場合には、その原因を問わないで達しない部分の金額に利息を付して返しているわけであります。こういうふうに解しております。
○綱島小委員 そういたしますと、民法の四百十四条には、債務者が債務履行をなすことについての不履行の場合に対する規定がしてございます。「債務者カ任意ニ債務ノ履行ヲ為ササルトキハ債権者ハ其強制履行ヲ裁判所ニ請求スルコト」ができるという規定がございます。これは任意と特にしてございます。旧民法においては重過失もしくは故意ということが原因になっておりましたが、新民法は積極的に任意という規定をいたしておるのであります。そこで今伺うところによると、任意にしなかった災害等の場合も含んで金銭賠償の一部を加えておられるようでありますが、それは相違ございませんか。
○小倉説明員 民法の四百十四条の規定との関係についてお尋ねでございますが、なるほどこの規定を見ますと、実は私も深く研究をいたさなかったのでございますが、御説のようなふうにも解されると思います。ただそうでない——御趣旨と違うような答えになるのでございますが、そうでないと思いますのは、米を政府に売り渡すという約束をいたしまして、ところが不可抗力でもちまして米がとれなかったという場合に、米を政府に売り渡すという予約に基く債務の履行を求めるということであれば、これはなるほど四百十四条の規定の趣旨に反すると思います。そうではなくて、その場合に米ではなくて金を貸していた、こういうことでございますので、四百十四条の趣旨には反しない、こういうように考えます。
○綱島小委員 さらにお尋ねをいたしますが、一体今の供出予約制度のうちで、食管制の基本法則を変更する御意思がありますかどうか。もっとくだいて申し上げれば、食管制には当然な、優先的に認められております自己保有米以外のものは、全部政府に売り渡さなければならぬ義務がある。従って任意にこれを売り渡さないことはできないのであります。しかるに、任意に売り渡すことができないのであるから、売り渡さない場合は必ず任意による売り渡しの拒否でなくて、不法行為かその他のものでなければならぬはずで、余地はございません。従ってこの条文によって予見さるることは、やみ行為等によって、政府に売り渡しをせずに他に転売して金で返す場合のみしか予見できないのであります。それ以外の場合が予見さるるかどうか。事実あるかもしれませんが、法律上の成文からお尋ねを申し上げます。
○小倉説明員 概算金の制度の立て方につきまして、食管法のやり方を変えるというつもりはございません。そのワク内での問題であるというふうに考えております。 それから第二段のお尋ねでございます政府に売らない場合どういう場合があるかということになるわけでございますが、その場合は、お話のように食管法に違反しておる、不法行為を伴っておる、こういう場合もございますし、そういう不法行為でなくて、合法的と申してよろしゅうございますか、法律事犯を伴わないで、しかも政府に売り渡すことができないといった場合、実際問題として作ができなかった、作ができなかった原因にはいろいろございましょうけれども、そういう場合もあると思います。
○綱島小委員 そこまでなってくると事態は非常にはっきりいたすのでありますが、作柄ができないで売り渡すことができないときは不可抗力であります。いわゆる任意に債務不履行をいたしたものではない、従って四百十四条の違反ではない、こういうことが明らかになるのであります。従ってその不履行の場合は必ず違法行為以外にはない、こういうことになります。天災等の不可抗力によらずしてしかも売り渡さなかった、こういう契約違反の場合は違法行為よりほかにないのであります。違法行為の場合の損害賠償として御決定になるならよろしいのですが、違法行為を認容するということは今食糧庁長官もできないのであります。違法行為を認容しておるのでなければ不法の内容を包蔵する条件の契約はできない。ちょっと法建上のむずかしい議論になりますが、おわかりでございますか。百三十二条には「不法ノ条件ヲ附シタル法律行為ハ無効トナス」とある。そこで不法の条件を認容して、お前さんやみ売ったときにはこうだという契約をされたら、その法律行為は無効なのである、やみ売りしたことを前提としての契約ならば、その法律行為である契約自身が無効なのです。そうすると局限は、これは不可抗力によっては債務の不履行が発生しないのだから、四百十四条の規定違反にはならない、債務履行が到着していないのです。それに一体損害賠償の条件になる内容を付して契約をされたということは、この契約それ自身が、その部分については無効ではないですか。
○小倉説明員 なかなか問題がむずかしゅうございまして、私ども自信があると申すと語弊がございますが、いろいろ検討いたしておるのでありますけれども、考えられることをちょっと申し上げます。もし間違っておれば訂正することをお許し願いたいと思いますが、一つは概算金を返納しなければならぬ場合として、先生は違法行為の場合しかないというふうに限定されるのでございますが、私どもは必ずしもそうは思いません、先生も今までおっしゃっていますように、不可抗力その他で作柄が悪い、こういう場合も入るわけでございます。 それから第二段目の違法行為の場合のお話でございますが、違法行為を前提とした契約は御説のように百三十二条でございますかによって無効である、これはもちろんその通りでございます。契約の相手方に違法行為を起させるということを内容とするようなことはこれによって無効でございますが、かりに違法行為をやったといたしました場合、その場合にこうだということを言うのは契約の無効にはならないというふうに私は思います。食糧管理法に基く供出をしなければ金をやるといったような行為があればこれは、無効であると私は思います。しかし食糧管理法によって供出ができなかった場合に、その違約金をもらいますということは私は無効ではないと思います。食糧管理法による供出ができるにかかわらずそれをしない場合に、お金を上げます、これは明らかに百三十二条によって無効になります。ただできなかった場合にどうするかということは、また別に合法な場合があると思います。
○綱島小委員 債務履行は予定したる適法なる時期にこれを履行することを本旨となし、そうすることによって義務を終るのであります。供出期間が予定されておるのでありますから、その予定されたる期間に予定した通りに供出すれば、これで義務の履行を終るのであります。しかるにその時期に履行することのできない不可抗力が発生いたしたならば、債務者はどういう義務を負うかといえば、その後の最短期間に適法にこれを履行し得る時期を選ぶのが期限の到来であります。もしそのことによって予約の目的を達し得なかったならば、債権者である食糧庁は契約の解除をする権利はございます。しかし履行期を特に早める権利はございませんけれども、それによって契約の本旨に反するとするならば、契約解除をする、契約解除したら元金を取り返す、これはいいでしょう。その際に責によらざる損害金の内容である利息という名目のものをつけることは、これは法律上どういう根拠でありますか。その根拠を伺いたい。こういうつもりとかなんとかいうことは要らない。法律上何条のこういうことで適法だ——これはちょっとあなたに無理かもしれぬが、こういうことをお答え願いたい。
○小倉説明員 御説のようにちょっと無理なんでございますが、非常に抽象的なことになりまして恐縮なんですが、米の供出の命令とは違いまして、政府に対する売り渡しについての概算金の処理の問題に関しての政府との契約の問題でございますので、一般的に申しますならばそれは自由に農家と契約ができるのだというふうに思います。そこで概算金を渡します場合に利息をとる、とらぬということも、これはやはり自由にできるはずのものであるというふうに思います。はなはだ現状を離れたことを申し上げまして恐縮ですが、たとえば米を供出した農家からも、政府に売り渡した農家からも、概算金に対して相当の利子をいただく。あるいはまた政府に売り渡しができなかった方からも一応幾らかの利息はもらう、こういう立て方もできると思いますが、実質論になって恐縮でございますけれども、政府に予約通り米を売り渡すということの奨励的な意味をもちまして、政府に米を売り渡した農家からは利子はいただかない、実はこういうふうに解しておるのでございます。
○綱島小委員 冒頭に申し上げましたように、法律でありますから食糧管理制度を食糧庁長官が変更することはできない。これをいろいろして勝手にやらすことができるというような錯覚を今あなたは持っておられるようだが、この変更はできないし、したらそれは不法になる。閣議できめたってこれは法律ですから、われわれがこれを変えぬ限りは、あなた方ではどうにもならない。その範囲の行為でなければ適法にならない。そこで、食糧管理制度にはどう書いてあるか。代金について、利息を付して受け取ることができるというような規定がありますか。そこで先ほど申し上げた、どういう根拠でこういうことを一体契約されたか、私が言ったのはそこなのです。管理法の何条に、あるいは民法の何条にそういうことを許される規定があるか、それを伺ったわけであります。
○小倉説明員 非常にむずかしい問題のようでございますが、食糧管理法によって米の生産者が政府に米を売るべしということでございますが、この売るべしという命令に基きまして御案内のように、一般の売買契約がそこで成立するというふうに考えられるわけであります。従いまして売買契約でございますれば、食糧管理法に、それについて格段の制約がない限りにおきましては、一般の売買契約と同じようにいろいろの契約ができる、こういうふうに考えるわけでございます。
○綱島小委員 そこに問題があるのです。売るべしという規定があるからどういうことをして売り買いしても——あれはちょうど昔の不良商人が百姓に金を貸してやる、そして米を受け取る、利息をつけて取る、こういうような式にやっていい、結局はこういう意味ですね。そこで供出者にも利息をつけてもいいんだということだが、これは利息ではありませんよ。本質はこれは損害賠償金です、不履行を原因とする。消費貸借ではありません。利息は消費貸借に生ずるもので、これは消費貸借ではありません。いわゆる予約金で売買代金の一部優先支払いであります。従ってこれに対する利子と解しておられるけれども、本質は法律的に言えばこれは損害金なのであります。消費貸借でございませんから、代金でございますから、これは損害金なのです。適法時期に対する、履行しないことによって生ずる損害金なのであります。損害金でございますと、先ほど申し上げたような議論で、不可抗力についての損害賠償義務はないはずであります。そういうことはどうでもできると思っておられると、ある程度では契約それ自身が無効になるおそれがある。食糧管理制度を根本からくつがえすような、やみ売りをしていいが、そのときは利息をつけて払え、こういうようならこれは契約は当初より無効、そうではなくて、食糧管理制度を維持するための範囲でやられたなら、一部の無効は決して全部の無効を引き起さぬでしょう。一部の無効は一部の無効にとどまる。けれども、不可抗力による場合でも損害金をとるという意味の契約であったとするなら、少くともその分については無効であることは間違いございません。そういう契約をしようたってできない。何となれば、民法の規定するところであるからです。民法の大原則は決してそれによって変更はできない。これをできるという論拠が何条のどこにあるか、それを一応承わりたい。しかしこれは無理だろうから法制局長官に聞きましょう。
○小倉説明員 お話のように、もっとしかるべき政府委員の方からお答えした方がよろしいと存じますが、なお御質問に対して今から研究してというのでははなはだ申しわけないのでございますけれども、これから研究したいと思いますが、先ほどお答えしましたように、食糧管理法にいう政府に対する売却、そういう範囲内におきましての契約でございますので、これは食糧管理法といったようなワクはございますが、その範囲で契約は自由にできると思うのであります。従いまして概算金の返納の場合の利息というものを、これを違約金と解釈するかあるいは損害賠償金と解釈するか、さらに利息と解釈するか、その辺の説はいろいろ分れると思いますが、私どもは利息というふうに解釈しております。
○綱島小委員 これは先ほど申した通り、利息は消費貸借、金銭消費貸借に発生するもので、債務の履行が米の引き渡しを目的とする、契約の内容が売買契約であれば、これは利息というものを別に付せるような契約はできないのです。それは幾ら契約したって利息はつかない。それは本質は賠償金だからです。賠償金だとこの不可抗力による免責規定が生きてくるのです。それを利息と考えてもよかろうなんていっても、それはあなたが考えるだけで、あるいは当事者同士考えるだけで、そういうことはできない。何というたって不履行によって生ずる債務は損害賠償に間違いない。それを法律上損害賠償というのです。そういう概念が法律上の概念ですからね。それだから、それを利息として契約してもよかろうといったって、それは損害賠償金です。予見契約にしかならない。利息という名前を用いようが何としようが、それは損害賠償の予見契約なんです。その予見契約といえども、いやしくも損害賠償である以上は、不可抗力によっては免責規定が成立する。そこであなたの御解釈は非常に無理でございます。だからこれ以上はもうあなたにお尋ねすることはちょっと無理かと思いますから、いずれ法制局長官にお尋ねして、おとなしく食糧庁はこれに服従してもらいたい。
○田口小委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもって御通知いたします。 午後三時十一分散会