内閣委員会 第5号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/12/05
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 まず、旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律案を議題といたします。 本法律案に対する質疑はすでに尽されており、その通告もありませんので、これをもって質疑は終局いたしました。 本法律案は予算を伴う法律案でありますから、国会法第五十七条の三の規定に基きまして、内閣に対し意見を述べる機会を与えることといたします。田中政府委員。
○田中政府委員 本法案は、太平洋戦争中内地等において負傷し、または疾病にかかり、これによって死没した旧軍人等の遺族で、特別弔慰金を受けた者についても、公務死亡者の遺族に準じて、これより一段と低い遺族年金または扶助料を支給しようとするものであります。恩給費の増額を来たすような措置を講ずることは、原則としてさらに慎重な検討を必要とするものと思われますが、本件については諸般の事情にかんがみ、特にやむを得ないものと思われます。
○山本委員長 これにて内閣の意見の開陳は終りました。 引き続き本法律案について討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんので、この際討論を省略して直ちに採決いたすに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 これより採決に入ります。本法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○山本委員長 起立総員。よって本法律案は原案の通り可決いたしました。(拍手) 委員全員より提出の本法律案に対する附帯決議について、受田君より発言を求められております。これを許します。受田君。
○受田委員 この法律の委員会通過に当りまして、委員全員の御了承を得まして決議案を提出いたします。 決議案の案文を朗読いたします。 旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律案に対する附帯決議 過般の太平洋戦争は近代的科学戦であり、国を挙げての総力戦体制のもとに、国内も戦場化するに至った実情を考慮し、旧軍人等と同様の立場でその犠牲となった者の遺族に対しても、政府は、本法律案の趣旨にかんがみ、速かに適切なる措置を講ずべきである。 これが案文であります。すなわち、この旧軍人等と同等の立場でその犠牲となった方々というのは、恩給法上の軍属、もとの陸軍または海軍部内の有給の嘱託員、雇員、用員、工員または鉱員、あるいは旧国家総動員法に基いて設立された船舶運営会の運航する船舶の乗り組み船員、旧国家総動員法に基いて徴用せられ、または総動員業務に協力をさせられた者、もとの陸軍または海軍の要請に基いて戦闘に参加した者、満州開拓青年義勇隊の隊員及びその隊員であった者、特別未帰還者、これらの方々のほかにもなおあげ切れない多数の軍人等と同等の犠牲を受けられた方々が、まだ国家の保護を受けられないままで取り残されておるのであります。こういう方々に対して国家が責任を持ってその遺族を処遇するということは、最初に申し上げたところの大東亜戦争の性格からいいましても、その犠牲のあまりにも広範囲にわたった点から見ましても、当然であると考えるのであります。よってこの決議案を提出した次第でございます。 以上簡単に決議案提案の説明を終ります。
○山本委員長 これより、委員全員から提出の附帯決議について採決いたします。本附帯決議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○山本委員長 起立総員。よって本附帯決議は可決いたしました。(拍手) なお、本法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 —————————————
○山本委員長 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
○山本委員長 本法案は、御承知の通り前国会から継続している議案であり、提案理由の説明は前国会においてすでに聴取いたしておりますので、この際提案理由の説明はこれを省略したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 この際、質疑の通告がありますので、これを許します。受田君。
○受田委員 この給与法案には、高学歴の者に対する優遇措置が講ぜられておるのでありますけれども、ここで特に提案者にお尋ね申し上げ、また委員長に善処を要望したい点があるのであります。 それは、かつてこの給与法案がいわゆる給与三本立法律として実施されました昭和二十九年一月一日現在に、高学歴者である高校教職員の有資格者が中、小学校に勤務していた場合に、その人々は、同じ資格を持って高校に勤務した方々よりも一号低位に置かれるという現象が起ったのであります。こうしたことにかんがみまして、当時高校に勤務すべき立場にあった人が、免許状も高校に勤務する免許状を有した者が、たまたま中、小学校に勤務したという事由だけで今日勤務学校別の差別待遇を受けている七当時この方々は、その法律ができることを知らずして、高校へ勤務しても中学校へ勤務しても同じだという指導を受けた。また国立大学の方においては、国立大学の高等学校と付属中学校と付属小学校に、学校の都合で適当に人材を配置したという関係もありまして、高校、中、小学の差別を作るのにはなはだ困難であった事情の方々も多数あるのであります。従ってこの法律施行当時、法律の施行されることを知らずして中、小学校に勤務した高校有資格を、この際救済する措置をあわせ講ずべきであると考えておるのでありますが、提案者である赤城さんとしては、これらの方々を救済することについての原則論においては共鳴をせられておるとお聞きしておるのでありますけれども、さように了解してよろしゅうございますか。
○赤城宗徳君 ただいま御指摘の通り、二十九年一月一日に三本立法律が施行されましたが、そのときに中、小学校と高等学校及び大学等の給与に差ができたのでありますが、これは中小学校が一号下げられたということではなくて、高等学校の方が一号上ったということでありまするから、既存の権利を迫害したというわけではありません。けれども、お話のように、高い資格を持ちながら、こういう法律ができることを知らずして中、小学校等に勤務しておったという事情に対しては、何らかの措置を講じなければならぬということは考えておったのであります。そこで原案といたしましても、高学歴の者が中、小学校におりましても一号ないし二号を上げる、学歴及び資格の高い者に対しては、単に高等学校ばかりでなく、中、小学校におっても一号ないし二号上がるという原案でありますので、特に二十九年一月一日に中学校、小学校教職員として、高学歴あるいは資格のあった者だけではありませんけれども、一応それをも含んで、原案が通過すれば救済されるだろうと思います。しかしそれだけではそのときの差を救済できないじゃないかというような御議論だと思いますので、これに対しましてもし原案が通過するということにより、人事院等において給与の措置をとる場合におきましては、そのことも十分考慮してしかるべきではないかというふうに考えております。
○受田委員 提案者としては特別措置を講ずべきであるという原則を確認されておられることに対して敬意を表するものであります。委員長におかれまして御見解を伺いたいのでありますが、この法案には、今私が指摘しまして赤城議員より御共鳴に相なった二十九年一月一日現在の有資格者の中小学校勤務者に対する特別措置について、この法案がこのまま通った場合において、この方々はいかなる措置によってこれを救おうとせられるのか、委員長としてのお考えを確認申し上げたいと思います。
○山本委員長 ただいまの御意見の趣旨はまことにごもっともでありますので、よくこれを了承いたしました。よってその通り適当な処置を講ずるよう委員長はその責任を持って、政府に対し次期国会を待たないでも実現されるよう強く要望いたし、その実現を期する覚悟でありますから、右御了承願いたいと存じます。
○受田委員 委員長よりきわめて懇切なる、誠意ある御答弁をいただいたのであります。私はこの法案に対しましては今申し上げましたる点の修正案を用意し、さらに大学等に勤務する助手等で、学歴資格等の高い人々に対して、何らかの措置をすべきであるという要望を重ねて参ったのでありまするが、いま一点提案者におかれましては、大学等に勤務する助手等で、学歴資格の高い人々に対する措置はいかようにされるべきであるとお考えになられるか、御答弁を願いたいのであります。
○赤城宗徳君 学歴及び資格の高い者に対しての措置の法律案でありますから、当然それと均衡をとって、大学等の助手等についても、均衡上適当な措置がとられなくてはならない、こう考えております。
○受田委員 大学等の助手等に関する学歴、資格等の高い人々に対する措置を同等にすべきであるという本法案通過後における措置についても、提案者より誠意ある発言があったことを私了承いたします。この問題につきましては、いずれわれわれの方より、あらためて見解を表明する機会があると思いますので、一応質問を終りたいと思います。
○山本委員長 本法律案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 本法律案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣に対し意見を述べる機会を与えることといたします。田中政府委員。
○田中政府委員 内閣の意見を申し上げます。 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対しまして、次の財政上及び制度上の理由により反対であります。 第一は、高等学校、中学校、小学校等の教育職員のうちの高学歴者に対し、本法案による俸給調整を完全に実施することにした場合、その所要額は、国及び地方公共団体を通じて年間約十数億円と推定される。本年度予算にはこれに見合う財源がございません。かりにこれを既定予算の範囲内で行うとすれば、財政事情の異なる国及び各地方公共団体の間並びにそれぞれの教育職員の間に実施上不均衡を生ぜしめるので適当でありません。 第二の理由としましては、高等学校、中学校、小学校等の教育職員の初任給は、現在大学の教育職員及びその他の一般職員のそれに比較しまして一般的に高く定められております。かつその決定に当っては、学歴相互間の均衡も一応考慮されておりますので、前記教育職員のうち高学歴者のみについて、さらに俸給の調整及びこれに伴う初任給の引き上げを行うことは、他の職員との間に著しい不均衡を招来いたします。そこで本案に対しましては適当でないと考えております。
○山本委員長 これにて内閣の意見の開陳は終りました。 これより討論に入るのでありますが、別に討論の通告がありませんので、これを省略するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 異議なきものと認めます。よってさよう決しました。 引き続き採決に入ります。本法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○山本委員長 起立総員。よって本法律案は全会一致をもって原案の通り可決いたしました。 この際委員全員より提出の附帯決議について受田委員より発言を求められておりますので、これを許します。受田君。
○受田委員 附帯決議案を提出いたすに当り、委員各位の御了承を得ましたので案文を朗読いたします。 一般職の職員の給与に関する法 律の一部を改正する法律の一部 を改正する法律案に対する附帯 本法の実施に当っては、政府は、 昭和二十九年一月一日において中学 校、小学校等教育職員紋別俸給表の 四級から九級までの職務の級に属す ることとなった教育職員並びに大学 等の教育職員のうちで学歴、資格の 高いものについても、適切なる措置 を講ずること。 右決議する。 以上でございます。
○山本委員長 これより委員全員より提出の附帯決議について採決いたします。本附帯決議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○山本委員長 起立総員。よって委員全員より提出の附帯決議は可決いたしました。 なお本法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○山本委員長 異議なしと認めます。よってさよう決しました。 次会は明六日午後一時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十八分散会