地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/12/04
会議録
○大矢委員長 これより会議を開きます。 まず小委員会設置に関する件についてお諮りをいたします。本委員会に付託されておりまする請願の審査のために、請願審査小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大矢委員長 御異議なければ請願審査小委員会を設置することに決しました。 なお、右小委員の人数並びに小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大矢委員長 御異議がないものと認めまして、小委員の数を十一名とし、小委員には 木崎 茂男君 纐纈 彌三君 渡海元三郎君 徳田與吉郎君 永田 亮一君 丹羽 兵助君 吉田 重延君 加賀田 進君 五島 虎雄君 櫻井 奎夫君 門司 亮君を指名いたします。 なお小委員長には纐纈彌三君を指名いたします。 —————————————
○大矢委員長 次に消防に関する件について調査を進めることにいたします。質疑の通告がございますので、これを許します。亀山孝一君。
○亀山委員 先般国家消防本部より配られました「わが国の火災の実態と消防の現状」という印刷物を拝見いたしますと、非常に考えさせられることが多々あるのでございます。昨年、すなわち昭和三十年の火災につきましては、総計二万九千九百四十七件であります。そして毎日国内のいずこかに八十二件の火災が発生しておる。この三十年の火災の特色は死傷者の多かったということでありまして、昨年は火災のために死者六百九十四名、戦後の最高記録であるそうであります。また負傷者は六千七百六十四名、これまた戦後第二位という悲しむべき現象を示しておるのであります。この火災の損害額につきましては、前年度に比べまして約三%減っておるということでありますけれども、特殊火災は非常に顕著な損害を示しておりまして、特殊火災が件数はわずかであるけれども、損害の五〇%を占めておる、こういうことであります。また出火原因中で失火によるものが約九割を占めておる。こういうような報告を見まして、現在のわが国の火災問題、これに関連する消防力の問題につきまして、大いに考えさせられる問題でございます。 〔委員長退席、中井委員長代理着席〕 そこでこの際鈴木本部長に、こういうような事態に対処して、消防力並びに消火施設充実につきまして、来たるべき三十二年度にどういうようなお考えを持っておられるか、お伺いしたいと思うのであります。
○鈴木説明員 御指摘のごとくに、昨昭和三十年度の火災状況を見ますと、特殊火災が非常に多く、それに伴って死傷者が非常に増加しておる現状でございます。大体火災件数は今まで年々増加しておるような状況でございますが、損害額は金額にいたしますと少しずつ減っておる状況で、これはとりもなおさず消防施設、その他関係施設がよくなってきている一つの証左であるとは考えられるのでございますが、ただ三十年度の特異な現象といたしまして、ただいま御指摘のありましたように一特殊火災が非常に多くて、死傷者の数が戦後一番多いという結果を示しているわけでございます。この死傷者が非常に多かったのは、第一に横浜の聖母の園の死者が九十九名ございました。それから式場精神病院が十八名、それから厩橋のこれは火薬の爆発に伴う火災でございましたが、これの死者が十名というのが一番多い死者でございます。負傷者の方では新潟の大火が二百七十五名の負傷者を出した、これが一番数が多い。その他久留米の繊維工場の火事で、百名の負傷者を出したというようなことで、そういった特殊な建物の特殊火災が多かったために負傷者が多かったような状況になっております。またこれらの火災のみでなく、一般的に申しまして、不注意による失火が非常に多いということは御指摘の通りでございます。われわれといたしましては、特にそれらの問題を注意いたしているのでございますが、これを防止する方法といたしましては、この席でも申し上げましたように、まず第一に消防力を増強して対策を講ずるということ、またそれとからんで都市計画を実行していく、不燃都市を作る、さらに不燃の建物を作る、あるいは防火地帯を作るということ、これは建設省の所管になりますが、直接私の方の火災予防にも関連いたしますので、建設省とも十分連絡をとりまして、それら火災予防に対する万般の施策を講じていきたいというふうに考えているわけでございます。消防施設につきましても、来年度予算においては従来よりももっと徹底した施設の補助ができますように、いろいろと計画を進めているような状況でございます。 なお失火が非常に多かったということにつきましては、これは結局国民のあるいは市民の一人々々が火に対して注意をする、ことに多人数を収容しているような公共施設については、特にその管理者が十分それぞれ火元に対して注意をするという火に対する注意心を喚起するということが一番大事であると考えますので、それらの点については、それぞれその消防当局を通じまして十分注意を与えるとともに、消防当局の査察をしばしば行なって、指導に遺憾なきを期するように指示いたしているような状況でございます。
○亀山委員 次にお伺いしたいのですが、やはりお出しになった報告書によると、月別出火件数のうちに十二月の出火件数がトップになっている。これは戦後初めての現象であるといっているわけですが、これは一体どういう意味であるか。 もう一つは府県別出火率を拝見いたしますと、やはり出火率の高い府県は東京とか京都とか神奈川、大阪、山口、愛知というような順序になっているようです。五大都市のある府県の出火率が一番高い。出火率の低い県は滋賀、山梨、茨城、群馬という県をあげられているが、これは消防当局で何か特殊の努力をしておられるかどうか、もしおわかりであればお教え願いたい。
○鈴木説明員 三十年度の火災、特に十二月が多かったことにつきましては、特別の原因というものは指摘できるものがないのであります。大体十二月は火事の多い時期でございますが、特に十二月が一番多かったということについて、昨年度の特別な指摘できるという理由は見当らないのであります。 なお県別の火災状況でございますが、お話のように大都会のある府県は火災発生件数は非常に多いのですが、損害額と申しますか、火災の規模につきましては比較的大きな火事はない。これは大都会の消防施設が概してよくなっているために、火事はあってもみんな消火に成功しているということが指摘できると存じます。滋賀県その他の成績がいい県につきましては、特別これということはないと思いますが、概してそれらの府県が消防に熱心だ、あるいは消防施設がだんだんよくなってきているということは言えると存じます。
○亀山委員 結局火災を減少せしめることは、今お話のありましたように、消防力の充実と不燃建築物、耐火建築物の奨励と、各一般国民が火災というものに対して用心をするということ、この三つが要点だと思う。そこで私は特に消防当局にお願いしたいのは、耐火建築の奨励問題、現在政府がいろいろ補助等の予算をとってやっておられます学校建築あるいは公共の建築物等を見ますと、どうも易きについて、木造建築の方に重点を置かれているのじゃないか。この統計はまだよく見ておりませんけれども、火災が多く出るのは、学校とか、公共団体の持っている公共的の建物に多く火災が出る。病院等もその範疇に入ると思うのですけれども、そういうところを防火建築にする。ところがこれの補助が多くは木造を対象としている。防火建築はむしろ例外的に取り扱っている傾向がある。消防当局はもう少し建設省なり関係当局、ことに住宅金融公庫なり住宅公団というような方面、並びに他とよく連絡をとられて、建築するにしても、また補助助成するにしても防火建築というものを中心とし、これに重点を置かれることは私は当然だと思う。現在どうもそうでないようなきらいがあるのですが、その点どうお考えになりますか、お伺いしたい。
○鈴木説明員 学校等の公共施設の火災が多い。これは防火建築でないために火災が多いという状況は御指摘の通りでございます。最近特に小学校、中学校等の火災が全国的に多いことは、われわれも深く関心を持っていることでございまして、文部省とも十分連絡をとりまして、学校火災その他公共の建物の火災の防止につきましては、極力各省の御協力を得まして、これが防止に努めるように努力いたしております。その他一般の防火建築あるいは防火建築帯の問題でございますが、これは建設省とも十分連絡をとりまして、住宅金融公庫あるいは住宅公団等の施策をいたされます場合に、防火地帯の設定とかあるいは防火建築の奨励というような点を、火災予防の観点から施策を実行していただくように、住宅金融公庫なりあるいは住宅公団とも連絡をとっております。また建設省の防火帯の造成の施策も十分進めてもらうように建設省とも十分連絡をとっておるような状況でございます。現在住宅金融公庫あるいは住宅公団等にお願いいたしておりますのは、単に一点、二点のうちの防火建築ということでなしに、ことに中都市以上のまとまった市街地におきましては、つまり防火点でなしに防火帯を作ってもらいたいということ、点では十分な効果が上らないから防火帯を作るように指導を願いたいということを住宅金融公庫並びに住宅公団の方にお願いしておるわけでありまして、それぞれの公庫、公団におきまして十分われわれの意見を取り入れてくれまして、その方面に向って施策を進めておられる模様でございます。たとえば昨年火災のありました新潟市のその後の復興建築、あるいは熱海市あるいは最近も火災がありました大館、あるいは火災がありませんでも宇都宮とか沼津とか大垣等の都市につきましては、相当徹底した防火帯を作るように金融公庫等で努力をして、もらっておるような状況でございます。東京におきましても新聞等にも発表されておりますように、たとえば日本橋の横山町の問屋街を共同で改造して防火帯を作るというようなことが具体的に進められております。あるいは赤羽の駅前の防火帯といったようなものも、それぞれ金融公庫あるいは公団等の一つの事業としてやってもらっておりますので、これらの建設省の関係の施策が相当進んでいけば、だんだんと都市計画の実施が火災予防の面からも非常に大きな効果が上ってくるのではないかというふうに考えております。
○亀山委員 今伺いますと、かなり防火地帯、防火線についての非常な御努力はわかりますが、どうも私は少しもの足りない気がする。今の住宅金融公庫なり、あるいは住宅公団でやっておる施設を見ましても、多くは前に大火の経験がある。大火の経験のあるところはお話のように相当こういう施設ができつつある。そうでないどころに作るのにどうもやはり木造の建築を中心とする。学校建築にしてもその他国家の助成のうちに木造を中心としていないものは、ほとんどないのです。今あなたはおっしゃるけれども、耐火建築を中心として予算が組んでない。木造を原則として予算が組んであって、例外的に耐火建築ならば、ほんのわずかの分だけよけい助成をする。それもほんとうの耐火建築ができないような予算の組み方をしているのです。現在の火災の状況を見ましても、こういう点をもう少し強く消防本部としては努力をされる必要がある。私はどうも少しなまぬるいような気がするのですが、もっと強くやる方法はありませんか。(門司委員「金をうんと出せばできるんだ」と呼ぶ)
○鈴木説明員 学校を不燃化にする、あるいはまた都市の不燃化をもっと促進するということは、われわれ消防当局といたしましても一番熱望しておることでございますが、財政上の都合その他でなかなか思うように進行いたさないような状況でございまして、ただいまいろいろな例を申し上げたのでありますが、これではまだまことに遅々たるもので、満足できる状態がいつくるのかということは、まことに心配な状況でございますから、今後学校につきましては文部当局と十分折衝もいたし、またその他一般的な都市計画あるいは防火建築帯の造成というような点につきましては、建設省に強く意見を申し述べまして、連絡を密にして、少しでも早くこれらの実効が上っていくように努力をいたしたいと存じます。
○亀山委員 最後につかぬことをお伺いいたしますが、学校の火災の場合に教員の方の宿直につきましては、一応の見回りの責任というものがあるようですが、出火の責任というものは何か非常にあいまいだというようなことを実は聞くのです。これは宿直に発火の場合の責任をとらせるということの問題は、なかなか重大問題だと思いますけれども、同じ宿直をするのであれば、何かある程度の責任を課すべきではないかという声を、これはうわさですが、ちらちら耳にしたのです。最近各役所等を見ますと、それぞれ部屋に防火責任者の名前が書いてある。これはおおむね戦争中のなごりでそのままになっておるのだろうと思うのだが、責任者とそういうふうに書いてあるけれども、これは一体どの程度の責任か。自分が出勤しておるだけの責任なのか、跡始末の責任があるのか。その点を同じやるなら、もう少しはっきりとおやりになるならばよろしいし、やらぬのであればやめた方がいい。学校火災が多いということに対して、今のような宿直の方々の責任というか、職責なんかに何か多少欠くるところがあるのじゃないかといううわさを聞きましたが、その点はどんなものか。一つお伺いしたい。 私はこの質問を終るに当りまして、どうか——今同僚門司委員から金を出せばできるというお話がありましたが、これは確かに金を出せばできるでしょう。同じ金を出すにしても、焼けるものを三軒作るよりも焼けないものを一軒作る方がどのくらいいいかわからない。そのように一つ効率的なことを考えていただいてまあ非常に努力しておられるとは思いますけれども、これだけの火災の発生を見ておるのだから、消防本部として、もう少し事業計画か何かで、われわれにお漏らし願えることがあれば、この際あわせてお伺いして、私の質問を終りたいと思います。
○横山説明員 学校における宿直者の責任の問題でございますが、これは御指摘のように、必ずしも法規的に明瞭ではないという面があるようでございます。これはこうした文部省当局の会合等でも、たびたび出た問題でありますけれども、法規上こういう責任がある、防火上このような責任を持っておるのだというようなことは明確ではありません。ただ当日における宿直者あるいは学校全体の管理責任者として学校長、さらには全般の管理責任を帯びておる教育委員会という、この三者の責任の限界というような問題につきましては、従来たびたびわれわれとしても法律上の問題と道義上の問題と申しますか、そういう両方の観点から十分に責任がとれるような態勢に持っていきたいということで、打ち合せばいたしておるのでありますが、御指摘のように法規的には現在こうだということの明記はないようであります。法規の整備とともに指導と申しますか、心がまえの問題においても、十分今後とも善処すべきだということも、われわれとしては痛感しておるわけでございます。全般に防火責任者につきましては、消防法の中に防火責任者というものは、こういう程度の仕事をする責任を果すべきだという規定が一応はあります。これは置かれておる工場なり、建物なりあるいは学校の場合もそうでありますが、そうした施設における全体の防火訓練というものを作成いたしますことと、訓練計画を立てまして、その計画に基きまして防火の訓練をするという場合の計画樹立及び計画遂行という面の一応の責任者になっております。なお消防法で申します防火責任者のほかに、さらに大きい建物におきましては、個々の部屋においてあるいは火気使用個所におきまして、火元取締り責任者と申しますか、そういう責任を分割しましたものもあるわけであります。ただこれらの全体につきましても法規上は必ずしも罰則面において明確になっておるというわけでもありませんし、やはり宿直者の防火責任と同じような形において徹底をさせるためには、一段と工夫をする必要があるんじゃないかというようなことを痛感いたしております。現在いろいろ検討しておるような次第でございます。
○亀山委員 今伺うと、防火責任者には法的根拠があるのであれば、私は何も罰則とか制裁とかいう問題じゃないのです。何か適当に時々訓練をするなり、あるいは教育をするなりということが必要だと思います。今ほとんどやっていないでしょう。おそらくどの役所に行っても防火責任者とかなんとか書いてあるけれども、人を集めて訓練なりあるいは指導したことがありますか。国会議事堂でもありそうだけれども、これも何もやっていないでしょう。やはりある以上はこういうところからまず手をつけていかれることが必要だと思う。大きな問題もありましょうけれども、私は単なる戦争中からの遺物だと思っておったが、今伺うと法律に根拠があるようであります。それなら大いにそれを訓練する、制裁とか罰則とかいうことは何も言わぬけれども、一つそういうふうに消防本部がやられたらいいじゃないかと思うが、どんなものですか
○鈴木説明員 ただいま御指摘のありましたように、訓練の面で必ずしも十分に実行されていないという点がありますので、今後十分各方面に注意いたしたいと存じております。
○中井委員長代理 消防について他に質疑ありませんか。——北山愛郎君。
○北山委員 最初にこの前の国会で通過しました消防団員の公務災害補償基金、あれはその後どうなっておるか、御説明を願いたい。
○鈴木説明員 前会の国会で御決議をいただきました消防団員等公務災害補償費任共済基金法に基きます基金でございますが、その後関係政令その他の準備を整えまして、去る十一月二十日法人が正式に成立いたしまして登記も済ませて発足いたしました。
○北山委員 その本年度の予算がどうなっておるか、またあの当時本年度分として国費から四千万円出すということで、この委員会で大蔵省の主計局長を呼んで、たしか出すように努力するということが言明されたわけですが、本年度の予算と、それから大蔵省で四千万円出すという点は、どうなっておるか。それからもう一つは法人が発足をしたのですが、そういう各府県ごとにやっておる補償の組合との関係はどうなっておるのか。おそらくこの基金が仕事を始めると、府県単位のものはなくてもいいような格好になると思うのですが、それらの関係はどういうふうに進行しているのか、これをお伺いいたしたい。
○鈴木説明員 基金の本年度の事業計画は、途中からになりますが、事業計画としまして、本年度の収入予定が二千九百五十五万円余りになっております。支出の予定が三千七百二十七万円余りになっております。差引不足が七百七十一万円余りになっておりますが、これは当然国庫の補助金を予定しておるわけでございますが、前会の国会で大蔵省の言明のありました本年度四千万円程度の国庫補助を予定するということは、今日でも変りなく、大蔵省はそのつもりでおるわけでございますが、補正予算を組む時期がはっきりいたしませんので、いつこれを予算に組むということはまだ申し上げることができません。もしも本年度補正予算を組むような機会がなかったならば、今年度は借入金をもってまかなっておきまして、来年度において本年度分も合せて予算措置をするということを一応予定いたしております。その借入金につきましては、もちろんその元利ともに、国庫の補助でこれを見るということで計画を進めております。なお各府県に従来ありました一部事務組合並びに任意組合あるいは財団法人消防協会等で行なっておりました共済事業でございますが、今度できました共済基金におきましては、各府県の一部事務組合は、そのままこれを一つの単位の市町村とみなしまして、契約の対象にすることになっておりますから、一部事務組合につきましては、その点特に変ったことはありませんので、そのまま一部事務組合の事業として、この基金と契約を結ぶということになるわけでございます。その他の任意団体あるいは法人である日本消防協会等で経営しておりますことにつきましては直接契約の対象には、市町村でありませんからなりませんが、実際それぞれ各府県によってその態様が違っておりますので、それぞれ各府県の実情に応じて、直接契約の対象とはなりませんが、実際の仕事の上で便宜な取扱いのできるような方法があれば、それぞれの態様に応じて基金の契約並びに金の取扱いのめんどうを見るというようなことはできるんじゃないかというふうに考えております。各府県のそれぞれの団体の態様に応じて研究していきたい、さように考えております。
○北山委員 どうも今の状況をお聞きしますと、われわれがあの法案を審議した際の状況とは相当違うので納得できないのですが、あの法案を提案されたときには、本年度四千万円国の方から出さなければならぬという計画で、消防本部としてはあの法案をお出しになったと思う。われわれもこの四千万円を確保させるために大蔵省を引っぱり出していろいろ責め上げたわけです。ところが今の事業計画をお聞きすると、七百万円くらいで今年度はいいのだというようなことで、どうもその関係が——なぜ四千万円が七百万円に減ってしまったのか。それから当時大蔵省としてはとにかくそれを出すようにやるという言明だったのですが、法律があるのですから、やはり本年必要ならばそんな借入金というような方法ではなく、予備費というものもあるのですから、そこからなぜ出せないのですか。どうも私どもは変に思うのですが、一体四千万円がなぜ七百万円に減ったのか。それからまたその七百万円しか出せないということは大蔵省がそれを言うのか、そういうふうな借入金にしておけというのか。あるいはまたこのいわゆる掛金というものを消防団員一人当り幾らにしているのか。その団員当りの掛金が当初の計画より値上げになったのではないか、こういうふうにも思うですが、その間の関係を、もう少し詳しくお話を願いたいと思います。
○鈴木説明員 先ほど申し上げましたように、大蔵省が前回の国会で言明いたしました四千万円程度の国庫補助ということは、今日もその考え方は変らないわけでございまして、ただいま申し上げました本年度の計画上の不足金七百七十一万円を除いた四千万円との差額につきましては、準備積立金と申しますか、こういう基金でございますので、相当な準備の積立金が必要でございますので、その積立金に回す予定で計画を進めております。 なお掛金の問題でございますが、最初われわれ事務的に考えました際には、消防団員一人当り三十円で、全額一億二千万円のうち六千万円を掛金で、あとの半額は国庫補助ということで計画を最初進めたのでございますが、半額補助というのは、今日の状況で非常に困難になりまして、結局今年度大蔵省が言明いたしました四千万円程度の補助金というものを、平年度に四千万円ということにして、結果においては三分の一補助のような形になるわけでございますが、一億二千万円の事業計画に対して四千万円の国庫補助、残りの八千万円程度を掛金でもってまかなうということで、結果におきましては消防団員一人当り四十円の掛金ということに落ちついたわけでございます。
○北山委員 これは小さな問題なようでありますが、私どもとしてはあの法案を審議した当時の説明とはだんだん違ってきているので、まことに変だと思うのです。これは消防本部としては多分そういうふうにすることは本意ではなかったと思うので、おそらく大蔵省から押しつけられて、三十円じゃ安いから四十円取れというようにして、結局国から出す分を、四千万円という要求をだんだん切っていくというような結果になったのが、現在の御説明だと思うのです。従ってこれは委員長にもお願いいたしますが、この問題につきまして、一つ明日でも大蔵省の主計局を呼んでいただきまして、この消防団員の災害補償の基金につきまして、一体大蔵省はどういうことをやっているのか、どういう考えか、もう一ぺん追求しなければならない、こう思うのです。その点をお願いをいたしておきます。 それからなおただいまの御説明の中で、四千万円はやはり変らないのだ、七百七十万を引いた分は積み立てにするのだという御説明ですが、そうすると今年度その四千万円というものは補助金としては、一応この基金の予算の中には歳入として組み込んである。そうして七百七十万は補てん分に使い、あとの残りは積み立てに回すというような予算が組み込まれておると了解していいのかどうか。 それからもう一点は、一体現在の各地方の組合、これがどの程度の協力をしているのか、あるいはおれの方はそんなものには加わらぬで独自でやるのだというような非協力なところもあるかもしれません。この法案が出されましたときには、たしか町村会等との連絡が悪かったので、天下りにこんな法案を出してきてというので、町村会の方では大へん御不満だったはずなのです。従って一応法案が通ってこういう基金ができましても、各府県の市町村が非協力であれば、この仕事は進まないわけなんです。何おれの方では独自の組合で間に合っているのだから、何もこんな基金に加わらなくてもいいのだというようなことが、あるいは出てきておるのではないか、こういうふうに思うのですが、各府県の市町村組合との関係はどうなっておるのか、この点もあわせて御説明を願いたい。
○横山説明員 まず予算の組み方の問題でございますが、これは先ほど御説明申しましたように、三十一年度の基金に対する補助金の四千万円という点は、現在の四千万円をどの程度に縮めるとかどうとかいうような筋合いにはなっておりません。ただ先ほど基金の事業計画の概要の中で御説明申し上げましたように、年度が押し迫っております関係上、現実に収支のバランスを取った上のとりあえずの借入金は一千万円足らずの金額に相なるわけでありますが、その残の金額につきましては、積立金と申しますか、責任準備金と申しますか、そういう形において経理されることになるのであります。ただ法案を御審議いただきましたときにも御検討いただきましたように、この基金は法人ではございますけれども、用いました方式はいわゆる官庁会計のやり方でなくして、事業計画書によりますところの複式簿記の方法を採用いたす建前になっておるわけであります。従いまして残りのものにつきましては、昭和三十一年度の計画の中に残を立てるというのでなくして、現実に金額を付される段階において、その金を組んでいくという経理の仕方になって参りますので、予算経理上は普通の年度予算の立て方で申しますと、三十二年度分の現実に金が出されたところに組まれていくというやり方になると存じますので、現在用いております事業計画書の中では、その残金に関する措置は出てないのでございます。いずれ三十二年度において措置いたしましたその段階において、計画書の中に計上されるということに相なるかと思います。 次の、地方の一部事務組合あるいは任意体、さらには財団法人の強化による関係等でございますが、これはただいま北山委員の御指摘のように、法が提案されました当初におきましては、確かに一部事務組合等におきまして、相当いろいろ意見があったわけでございます。特にその意見は現在地方でやっておるものと基金との関連性ということももちろんでありますが、同時にぜひやってもらいたいと委嘱したのは、こうした特殊法人による方式でなく、市町村に対して二分の一なら二分の一の補助をしてもらいたいということが、われわれのねらいだというような意味合いもありまして、いろいろ問題があったのでありますが、自来、町村会のたび重なる会合に出て説明をして参りまして、先般も三十日に全国町村長大会の第三日目に、特にこの基金の問題について説明もいたしまして、当初よりはすっかり了解は行き届いておると思っておるのでございます。ただ、実際には、先ほど御説明申し上げましたように、それぞれ現在やってこられまた一部事務組合あるいはその他の任意団体等の歴史的な問題もありますし、また従来の保証の継続の関係等、いろいろ問題がありまして、各県によって今後の問題は、相当個々に十分なる折衝を遂げ、勧誘をし、われわれとして努力する必要があると思うのでございますが、了解は一応願いまして、今後の努力によって所期の目的は逐次達成していけるのではないかというつもりは持っておるのでございます。
○北山委員 どうもいろい状況をお伺いしますと、私どもが心配したような状況が出てくるのじゃないかというふうに思われるわけです。やはりこの案の準備というものが相当不十分であったのではないかというふうに考えられる。ことにこれができ上っても、また地方団体を啓蒙宣伝して納得させなければならぬというような段階では困るのであって、なお大蔵省としてもこの委員会で言明したことが、どうも文字通りに行われておらぬ、そういう面にも問題があろうかと思うのであります。大蔵省の方は一つあとで来てもらって、この前の四千万を何としてもとらなければならぬ、これは消防本部のためにとってあげなければならぬというような気がするのですが、さらに基金の今後の状況につきましては、なお十分な御努力を願いたいと思います。 次に消防財政の強化の問題です。金がなければ何もできないというお話なんですが、この資料を拝見いたしますと、市町村の消防費の予算、これは昭和二十九年度で二百二十億くらいになっておりますか、ところが交付税の算定の基礎になる基準財政需要額では、消防費は百二十億くらいのようであります。その間に相当な開きがある。もしも消防財政を強化するということであれば、やはり基準財政需要額というものを十分見込んでいかなければ、これは直接ひもつきではございませんけれども、やはり交付税の中でそれだけ消防費というものが軽く扱われておる、従って地方団体としてもやはり予算がとりにくいというような問題もあろうかと思うのですが、一体なぜそれだけの開きがあるのか。ことに私が変に思うのは、この単位費用が二十九年度から三十年度では、坪当りの単価が減っておるのですよ。百六十五円九十七銭と百五十五円上十何銭ですか、これは減らしておる。消防の財政を強化しなければならぬというときに、交付税の算定基礎になる消防費の単位費用を下げるがごときは、これは逆行ではないかと思うのですが、この問題について、財政部長がおられますから、小林さんから一つ御説明をお伺いしたい。
○小林政府委員 ちょっと今のお尋ねの問題、まことに申しわけないのですが、私よく知っておりませんので、調べて御報告申と上げたいと思います。
○北山委員 小林さんはまだ行政の方の仕事も残務が残っておるようでありまして、それではその点は研究をして、いただきますが、しかし財政部の方ではわからぬにしましても、消防本部はわかっておるはずなんです。こんなものを自治庁の言いなりに消防本部はのんだのであるか。消防財政を強化しなければならぬときに、消防の単位費用を減らすがごときはおかしな話なんです。しかもその理由とするところは、火災保険料の料率が下っておるとか、要するに火災の危険度が保険料の料率を下げたことで、その料率に従って単位費用を減らしておるというようなことは、一応何か理屈はつくようだけれども、まるで実際の実情に合っておらない。こういう点は自治庁から話があったときに、消防本部はそれでよろしゅうございますと、ただ引き下ったのかどうか。これは消防本部の方から聞きたい。
○鈴木説明員 御指摘のように、市町村の消防の実際の予算額は二百億内外でございますのに、基準財政需要額として見積られておりますのが百二十億余りという非常に大きな違いがございます。さらに交付税交付金の単位費用の問題につきましても、三十年度百六十五円余りにすぎませんのに、実際に予算から割り出してみますと、人口一人当り二百七十九円余りということになりますので、その点も非常に大きな開きがございますので、これらを適正な金額に是正していきますように、なお一そう自治庁と連絡をとって改めていきたい、かように考えます。
○北山委員 とにかくこういうふうに、政府自体が、どういう事情にもせよ、消防費の単位費用を引き下げるというような心がけであれば、市町村の消防費の予算をふやせといっても、これは無理なんです。そこで財政部長にお伺いいたしますが、交付税法の改正も通常国会にあると思うのですが、その際において消防費の単位費用については十分考慮するというように言明できますか。
○小林政府委員 この単位費用の問題につきましては、府県市町村全般につきまして再検討すべきものもあろうというので、今各県市町村につきまして調査中でございます。それで一つほんとうに市町村の実情に即するように、各費目の単位費用につきまして是正すべきものは是正いたしたい。消防費につきましても、もちろんその問題の一環として、考えるべきものは考えたい、かように考えております。
○北山委員 消防財源の問題は単に交付税だけの問題ではないので、再々この委員会でも言われておるのですが、消防本部としてもいろいろお考えがあるやに前から聞いておるわけです。そこで今計画をされておるのがどういうものがあるか。たとえば一つの例として消防施設税の問題があります。これは自治庁の税務部では大へん御熱心なわけなんです。これについて国家消防本部としては、その推進についてどういうふうな措置をおとりになっておるか。これをやれば、不十分ではあるけれども、千分の一として十三億くらいの消防財源が出るわけです。ところがこれには有力な反対があって、黙っておってはこの消防施設税はなかなか通りません。それで国家消防施設についてどういうふうな措置をとっておるか。またポンプやあるいは建物の耐火建築、あるいは消防水利そういうようなものにも相当な消防財源が必要でありますが、その起債額についても再々この委員会で問題になっております。起債の財源を引き受ける場所というのはないわけではないので、火災保険会社では六百三十億の積立金を持っておるのですから、その中から現在二、三億くらいの引き受けではあまりに少な過ぎる、これについてどういうふうな措置をとっておるか、これをお伺いしたい。
○鈴木説明員 消防施設税につきましては、国家消防本部といたしましても、消防財源の確保という点からぜひ実現していただきたいというふう考えております。自治庁がいろいろ案を練っておれますその案の諸般の材料、消防関係の材料は国家消防本部の方から自治庁に提供いたしまして、案作成の資料にしていただいておるような状況でございます。その他消防施設の強化のための一般財源の確保の問題につきましては、何とかして起債その他の恒久財源を確保いたしたいと考えていろいろ研究いたしておるのでございますが、いろいろ関係方面も多いことでございますので、打ち合せをいたしましていろいろと案を練っておる状況でございまして、どういう財源を求めてどういう施策を講ずるかということにつきまして、まだ具体的に申し上げるまでには至っておらない状況でございます。 それから損害保険協会の消防起債の引き受けにつきましては、ここ三年間ばかり、十分とは参りませんが、国家消防本部から損害保険協会に交渉いたしまして、一部起債の引き受けをやってもらっております。
○北山委員 火災保険会社は六百三十億の積み立てを持っておる。二百億以上の銀行予金、現なまを持っておる。それを数年来あれして二、三億じゃ、とてもそれは問題にならないのです。そこでちょっと関連してお伺いします、消防会館というものが東京にできるそうですが、あなたの方はその計画について知っておりますか。
○鈴木説明員 日本消防協会の会館設立計画でございますが、これは消防協会として独自の仕事としてやっておるわけでございます。私の聞いておるところによりますと、この日本消防協会の会館建設の問題は、全国の消防団員数年来の希望でございまして、本年になりましてからそれを具体化すべく消防協会の幹部の方々が寄り寄り集まって計画を進めておられまして、全国の消防団員の希望として自分たちの力で一つ会館を作ろうということで、全国の消防団員から寄付金を募って、その寄付金によって虎の門の日本消防協会の敷地内にビルディングを建てるという計画を進めておるということを聞いております。
○北山委員 その消防会館について、火災保険会社は一億円建設費に寄付をするということを聞いておりますか。
○鈴木説明員 大体全国二百万消防団員の寄付を中心にして建設資金を編み出し、不足の分については財界方面からの寄付も仰ぐというふうに私は聞いております。
○北山委員 横山さんはそれを知っていませんか。何でも三億か四億の建設費がかかるので、地方の消防団員は二人当り三十円ですか四十円ですか、こういうものが地方で多少問題になっておる。それから火災保険会社が一億円寄付すると言っている。私どもから考えると、そんな消防会館に二億円も寄付するくらいの熱意のある火災保険会社なのだから、消防のいろいろな施設について、もう少し消防本部が努力をすれば、金がとにかく銀行にうなるほどあるのですから、そのうちから三十億や五十億は消防起債財源としてとれるのじゃないか。私はまことにもって変だと思う。よく会館を作りたがるのですけれども、わざわざ地方の団員に対して、少しばかりの出動手当あたりからおそらく天引くでしょう。だから結局これは市町村の負担になるのです。消防会館建設に団員の寄付とは言うけれども、結局市町村から支給する手当の中から天引かれて、そしてこれを出していく。また火災保険会社は一億円という話ですが、これはうそだったから、幾らだか話を知っている方に御答弁願いたいと思う。そういうふうにして会館を作る仕事だけがどんどん進んでいって、肝心かなめの建築の近代化であるとか、あるいはほんとうの消防施設の整備であるとか、そういうものが一向進まない。そこに私は問題があると思う。消防協会というのは政府とは別の機関でありますけれども、おそらく消防本部はよくその事情を御存じになっておると思う。こういうやり方は一体いいと思うのですか。
○鈴木説明員 消防会館建設について一部の財界からの寄付に財源を求めるということは聞いておりますが、どの方面から幾ら寄付を求めるかという具体的な問題については聞いておりません。
○門司委員 ちょっとそれに関連して、問題を少しはっきりしておいてもらいたいのだが、あなた方では御存じないという話ですけれども、これは全然御存じないというわけにはいかぬのでありまして、全国の消防団に対するいろいろな問題等については、あなたの方からある程度指示がされていると思う。火を消す方法だとかあるいは予防の方法だとか……。従って全然関係がないとはいわれない。そこで問題になるのは、今北山委員から申し上げましたような財界からの問題は、政治的にはいろいろ問題がある。問題になるのは、団員が約二百万くらいでしょうか、個々から約八十円くらい見当で一億五千万くらいのものを集めたいという構想だということだけは、われわれ広聞しているのです。それが、今北山君から言いましたように、団員もなかなか自発的寄付ではまとまらない、どうしてもこの分は形を変えた姿で町村の負担にならざるを得ないと思う。町村長に聞いてみますと、それはとんでもないことだ、そんなことを言われたって、われわれの財政でそんなものを出す余裕はありませんと言っている。そうすると、今団員の出勤手当とか何とか当然団員に支給さるべきものが頭をはねられて、これがおそらく団員の自発的寄付ということでまかなわれる危険性を持っておる。私は、自治庁に一つはっきり腹をきめておいてもらいたいのだが、この問題に対していずれの形にしても町村負担であってはならないと思う。従って、一体自治庁は、もし町村がこれに対して寄付を出すということになりましたら、それに対してどういう処置をとられるのか。それからもう一つは、そういう自発的にあらざる寄付をし団員が八十円ずつ出したのはこれは別の話です、町村長が立てかえてまとめて出すというようなことがないように、要するに、町村財政から支出したというようなまぎらわしい行為のないようにするという指示が出せますか、この点を一つ自治庁からはっきり聞きたい。
○小林政府委員 今のお話の寄付が町村に転嫁されるということは、私も筋違いだと考えております。それで、今そういうための特別な指示を出す考えはないかということですが、これは寄付負担金につきましては、これに関する政令がありますので、私はその法律の趣旨の運用によって行われることを期待しておるわけでございまして、今すぐに指示を出す考えは持っておりません。今初めてこういう話も聞いたわけでありまして、すぐに指示をするかということにつきましては、まだ考えがまとまっておりません。
○北山委員 この点は私もうわさとして聞いておるのですが、こういうような会館も、それはいいでしょう。しかし消防としては、まだやらなければならぬ仕事がたくさんあるはずです。消防本部はそのことはよく御承知なはずなのです。こういうような素朴な仕事だけが進んで、しかも団員から少しの金を集めてやる。そして保険会社から寄付をもらうというようなことで、会館はりっぱにできるかもしれません。けれども消防の事業から見れば大したプラスじゃないのです。もっとがっちりした仕事をやってもらいたいと思います。 そこで自治庁長官もお見えになっておりますからお伺いしたいのですが、消防施設税の問題、これは去年の地方制度調査会でも答申案の中に入っておりますし、自治庁としても相当御熱心にやりたいという御希望があったはずです。ところが残念ながら一部の反対でもって三十一年度は取りやめになった。何でも聞くところによれば、それよりは二、三億くらいなら寄付をするからというような損保協会の御意向だったそうでありますが、その寄付が消防会館の方に回ったかどうか知りませんけれども、そんなことではいけないと思うのです。消防財源というものは、非常に貧弱で困っておる。この際消防施設税を断行する御意思があるかどうか、自治庁長官の御意見を伺いたい。 それからもう一つは、消防財源としてやはりポンプその他貯水槽、そういう施設のために、地方団体としては金を借りてでもやりたいという要望が強くあるはずです。ところがその起債のワクがなかなか少い——これは毎年問題になっておりますが、そこで火災保険会社の金の中から、三十億でも五十億でも大幅に消防起債のワクとしてお取りになる、そのために努力する御意思があるかどうか、これを太田自治庁長官からお伺いしたい。
○太田国務大臣 第一の消防施設税につきましては、お話の通りこの前自治庁としては強い要求を持っておりました一般税制の関係とからみまして、大蔵大臣とは相当に交渉したのですが、まとまらなかったのであります。しかし私としては消防施設税の正しいこと、これを目的税としてやることが、消防のために非常に必要だと思っておりますので、本年まだ全部の法制の関係はきまっておりませんが、自治庁としては出したい意向をもって、極力向うと交渉する考えでございます。 第二点の起債の問題につきましては、いろいろ財源関係等がございまして、十分ではございませんが、御趣意の点をくんでやっていきたいと考えております。
○北山委員 最後にお伺いしておきたいのは、消防庁としては危険物の取締りについての規定が非常に不十分だ、欠陥がある。これは市町村の条例できめるわけであります。しかも市町村が、危険物の取締りということをやる能力が、技術的な問題だとか何かでいろいろ不足な点がある。この点危険物の取締りの規定、取締法を作るとか、そういうようなことを、たしかお考えになっておるというふうに承わっておるのですが、これは次の国会では出るわけですか。その準備の状況等をお伺いしたい。
○鈴木説明員 危険物取締りの関係法規の改正の問題でございますが、先般来引き続きこの危険物取締りの内容について、それぞれ検討いたしておるのでありますが、何と申しましても消防責任を持っておる市町村の消防能力と申しましょうか、消防行政の能力が、大都会、中都会、小都会、あるいは小さな町村と非常にまちまちな状況でありますことと、それから危険物の種類がいろいろ複雑でございまして、関係方面が非常に広くて、国家消防本部だけできめかねる問題がたくさんございますので、それらの折衝等に相当の時間がかかりますので、極力検討いたしておりますが、できましたら次の国会に提出いたしまして、政令で改めるべきものは改める、また市町村の条例の準則で従来のもので改めるものは改めるという措置をとりたいと考えておりますが、現在先ほども申し上げましたような状況で、内容を事務的にそれぞれ検討中でございますので、次の国会までに間に合えば一つお願いいたしたいと考えまして、極力検討を進めているような状況であります。
○北山委員 これはむずかしく考えればその通りです。しかし危険物取締りを今のように市町村条例の準則でやっている。ところが問題はその内容が複雑で、むしろ小さな町村等ではそれをほんとうにやり得るような技術者を雇っていけない。従ってその点が非常に粗漏になるというようないろいろの問題があると思うのです。ですから、法の体系として別段その点にむずかしさがあるのではなくて、やろうとすればそんなに大したことはないのではないかと思う。それを今まで準則でやっているために、市町村では危険物取締りということについて、まことに危険な状態になっているのです。町村でもこのごろはガソリン・スタンドがたくさんできておりますから、油の取扱いについてちょっと見ても非常に危険な状態がある。それを役場としてはなかなかこれに合理的な規制を加えることができない。それを直せばいいのですから、これはやろうとすれば簡単にやれることなんで、ぜひともこれは次の国会あたりには取り上げて、ほんとうにしっかりとした規定を作ってもらいたい。これは今起った問題ではなく、もう数年前から出ているところの問題で、今まで放置しているのが怠慢なくらいなんですから、ぜひ上もこの次の国会までには出せるような目途でもって準備をするということで、一つはっきりとした御言明をいただきたいと思うのです。
○鈴木説明員 市町村の大きさによりまして、大都会等は危険物取締りの力もございます。またそれだけの人員も、技術者等がそろっておりますために、都市の自治権と申しますか、自治的にこれを行なっていく能力があるわけであります。ところが小さな町村に至りますと、ただいまお話のありましたように、技術者を雇うわけにもいかない、財政的にも十分いかぬということで、実際危険物の取締りの人を置くこともできない。予算を組むこともできない、こういうことで危険物の取締りが不徹底に過ごされている。これらを画一的に、法律あるいは政令できめるということは非常にむずかしいことでございまして、市町村の能力に応じてそれぞれ適切に行われるように、たとえば小さな町村で、それだけの人や技術者も置けない、能力もないというところでは、県でもってこれをまとめて、県の権限としてやるといったようなことに自然なるだろうと思うのですが、そうなりますと、市町村の自治体の扱い方が、大都市、中都市、小都市でそれぞれ違うようなことになって参りますので、法律の規定もよほどうまくやりませんと、ちぐはぐになるおそれがありますから、それらの点も十分検討していきたい、そう考えておるわけであります。
○中井委員長代理 それでは消防のことで、ちょっと最後に一つお尋ねしますが、この委員会では、いつも消防のことについては熱心な討議をやるのですけれども、結局大火がありましたときには問題になるが、一カ月くらいたちますと、文字通り火の消えたようなもので、問題がどっかへ行ってしまう。それでいつも、あなたの方と建設省、それから学校関係の文部省、自治庁あたりとの有機物な連絡の問題が出て参りているのです。そのことについて、何か消防委員会というふうなものでも作っておられるのか、何かそういう機構を作って進めておられるのかどうか。おられたらどういう内容のものか。おられないならば、今後そういうものを作って強力にやるというお考えがあるのかどうか。これはいつもこの委員会で問題になってそのままになっておりますので、この点だけをちょっとお尋ねいたしたいと思います。
○鈴木説明員 関係各省との連絡は常に緊密にとって打ち合せをするように努力いたしておりますが、特にまとまった連絡の定期的な会合というものは現在設けておりません。事実上は連絡を十分に緊密にとっているのでございますが、そういった特別な委員会のような制度を特に設ける心要があるかどうかは、一つ検討させていただきたいと存じます。 —————————————
○中井委員長代理 それでは次に地方財政に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。亀山孝一君。
○亀山委員 前国会において御質問を申し上げ、休会中の委員会においても御質問申し上げた点でございますが、その節は太田国務大臣もまた財政部長もお留守でありましたので、きょうあらためて御質問を申し上げまして、財政部長から明確な御答弁を得たいと思います。 それは前国会の際に、地方債の限度を七十万円に切る、こういうようなお話があった際に、簡易水道その他、地方の実情から見ると、七十万円以下のものは一切受けつけないということはよろしくないのじゃないか。だから特別のものについては、七十万円以下のものでも、これを例外的に許可してやることがいいのじゃないかということを申し上げたところが、当時の後藤財政部長は、それはけっこうだ、七十万円以下であってもこれを認めるというお話だった。通牒まで出せと申し上げたのですが、それは通牒でなくて、地方課長会議でこれを説明するということであった。ところがその後聞きますと、ほとんど七十万円以下の起債を認めていない。この点は前回の後藤財政部長の答弁と多少違う、こう思うことと、その後聞くところによりますと、今度百万円に地方債の限度を上げるような話だ。昨年は七十万円、また今年度は百万円、こういうように地方債の限度を上げられることは、私はよほど考慮を要すると思う。これは現在の市町村の実情から見ましても、一応の限度は限度として、それ以下のものでありましても、特別の事情があればこれを許す、こういうことでなければならぬと思うのですが、それにつきまして今度ははっきりと一つ大臣のおられる前で、新財政部長からお伺いしたい。
○小林政府委員 お尋ねの件につきましてお答え申し上げます。原則は今亀山委員のおっしゃいました通り百万円に上げております。これは町村の規模も大きくなりましたし、それから一般財源でやれるものは一般財源でやる、起債を認めるものはまとまった臨時的な大きな仕事に限りたい、こういう基本的な気持からでございます。しかしながら、今特にお尋ねのありました簡易水道のごときものは、もともと小規模のものが相当あるのでございまして、その原則を百パーセント貫くことはできかねる事例も少くないのでございます。これにつきましては、私は簡易水道にはまず補助のつけ方をはっきりさせたい。つまりもともと小さな規模のものでございますから、これをさらに次年度に二カ年に分けたりなどせずに、小さな仕事はまとめて効果的にやるという原則を確立することが一つと、それからもう一つは、つける以上はまともにつける、つけるべき補助金を値切って、そうしてあとで地方負担分を多くするようなことをしない、この二つの点をはっきりすることを、この間厚生省とも話をしまして、する以上はあとは必ず実施可能のように自治庁で責任をもって引き受ける、こういうことにいたしまして、現に本年度のものにつきましても、個別的に全部調べまして、そしてそれぞれ個別的にこの始末をすることにいたしております。それでございますから、その点はもう御心配はないだろうと存じております。なおほかの問題につきましても、たとえば災害、今度の北海道の冷害のようなときにこの仕事をやらなくちゃならぬのが、今の原則などではこれは動かぬ事例があるのでございまして、そういうものにつきましては、もう全部の仕事をまとめて、おまけに金額も五十万円くらいに低めて処置しようということで、現に始末をしております。あとは個別的に実情に即するようにワクをきめるごとによって、地方は動かなくては困るのでございますから、そういう点は一つ原則は原則としながら実態に合うように運営をはかりたい、こういうふうに考えております。
○亀山委員 そうすると結局は、原則は今度百万円だけれども、特別の場合は百万円以下でも認める、要点はこういうことですか。
○小林政府委員 はっきり申し上げます。つまり必ず簡易水道がまともについた限りに、その実施を可能ならしめるように自治庁としては責任を持ちます。それで起債の場合も百万円の限度をとります。ほかに起債事業があれば、そを合せて起債の始末をする。どうしても一件しかないという場合もあり得るのでありますが、一件しかない場合には、百万円を切っておりましても水道の起債を認めよう、こういう方針でおります。実際はどんな小さな簡易水道でも、そんなちっぽけな仕事はそうたくさんないのでありまして、大ていは二、三百万円の仕事でございます。しかしきわめて例外的ですが、部落などできわめて小さい場合があるのです。そういう場合には二、三十万円の仕事の場合もある。二、三十万円のものは場合によっては特別交付税なり何なりで始末をして、起債でやる以上は六、七十万円か八十万円だろうと思います。そういうものは、ほかに動きがつかぬ限りは起債で始末をしよう、こういう方針でおります。
○亀山委員 補助の問題を多少干渉するというか、つついて、そうして条件づきで認められるのではなくて、大体事情によっては百万円以下でも認める、こうあっさり了解していいですね。どうせあなた方は財政当局だから、申請したものをいろいろと吟味して、調査して、その結果とかくのことを言われぬで、まず大ざっぱに言って百万円以下の起債であってもできるだけ認める。そうなるとそのことも伺いたいのだが、同時に自治庁として昨年は七十万円、ことしは百万円というように上げられるその趣旨がどうも私はわからないのです。それは実際率直にいえば大蔵当局の圧迫だろうと思う。それは問題なんですよ、起債の限度を上げるという問題は。その点について七十万円を百万円に上げられたのは、私は自治庁はしぶしぶ上げられたと思うのだが、上げてしまったのは仕方がないが、今後上げないようにしてもらいたいと思うけれども、その点について伺いたい。
○小林政府委員 百万円を上げるという考えは現在のところ持っておりません。これは基本的には、起債はやはり町として相当大規模な事業に限るべきで、経常的な事業に対しては何ぼ建設事業でありましても私はつけるべきではない、ことに従来公債でまかなってきた事業は、できるだけ一般財源でやろうという建前を基礎にして考えるべきだろうと思います。そういうことでございますから、その大筋は一つ十分御了承を願いたいと思います。ただ簡易水道のごときものは、これはもともと水道料金でまかないをつけなくちゃならない、いわば独立採算的なものでございますから、こういうものは一般の財源でやるものと多少性質が違うだろうと思います。そういう意味で、かりに百万円を切りましてもいかぬという必要はないのでございまして、そこで実際差しつかえないようにしよう、あっさりといえば結論はそういうことです。しかしながら補助金だけでは筋を立ててもらわぬといかぬ、この点ははっきりしていただかぬと、小さな仕事をわざわざ二つに分けたり、幾年度にも分けたりするようなやり方をして、仕事をこま切れにしていただくことは厳に慎しんでもらいたい、この点だけは一つ御了承願いまして、仕事をやる以上はきちんと能率的にやるように仕組もう、そういうためにはわれわれも全幅の協力をいたそう、こういうことで御了承を願いたいと思います。
○亀山委員 今補助のこま切れという言葉があったのですが、実際上からいって、ある程度こま切れはしようがない、その点はあえて論議をいたそうとは思いませんが、あまりその点はこま切れとか何とか言われないで、初めの言葉のように、百万円以下の起債であっても十分これを認めるのだ——今度は通牒とは言いませんが、この前たしか太田大臣もおいでになっておったと思いますが、後藤財政部長ははっきり言っておきながら後任者には伝えておらない。それで僕は怒った。だから今度はよく周知徹底方を、内閣のみならず内外ともにやってもらいたい。 次にこれは太田長官に一つお伺いしたいのでありますが、この前の国会で地方起債の窓口が二本になる、財務局、財政部の問題が出まして、これはまことに困ると当時私が申し上げましたら、中井委員も賛成されまして非常に強調された問題です。そのときに、できればあの国会中に何とか一つ大蔵当局とお話し願いたいということを大臣に申し上げたのでありますけれども、いろいろお忙しい関係もあり、その後どの程度まで行ったかわかりませんけれども、これは大臣どういうふうにお考えになりますか、窓口一本ということを何とか大臣の御努力でおまとめ願えれば、何より喜ぶのは地方公共団体だろうと思いますので、この際一つお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 窓口が二つになりましたために手数がかかり、非常な御迷惑になっていることは私もよく知っております。それでここの委員会でしたか、参議院の地方行政委員会でしたか、一萬田君と並んでこの問題の御返事を申し上げました。結局は、事務をうまくやればいいのでございますが、どうも何回注意してもうまく行かない。そこで人の入れかえまでして大蔵大臣もこの点を苦心されました。根本問題といたしますと、二重になるという意味が本省における自治庁と大蔵省の二つの問題、また大蔵省からいうと財務局等との関係がございまして、私は行政組織とし機構といたしましては、これに対する一つの考えを持っておりますが、どうも複雑過ぎると思います。これはあまり言い切ることは、まだ大蔵省とも話しておりませんが、私はもっと簡素にすべきものと思っております。実際は財務局が予算の問題まで関係する、ことに起債には強く関係する、起債の仕事が相当大きな部分を占めておるということにつきまして、ここらあたりに問題の焦点があろうかと思います。いろいろ機構改革ということが言われますが、実質的な問題として私が取り上げて、自分で研究している問題があります。ただ政府とか何とか言うとえらそうになりますが、一萬田君とも話がついていませんので、この私の気持だけで大体の御想像が願えるかと思います。私は簡素にしなければならない、かように考えております。 もう一つ私の考え方は、たとえば財政金融ということは大蔵省がやるのに異議はありませんが、どこの川がどうの、どこどこでする起債がどうのということは、むしろ関係の実際の局にまかすべきが筋合いではないか、私はそういうような財政論を考えております。かたくななと思われるかもしれませんが、そうあるべきだと考えております。
○亀山委員 非常に力強い御賛成の御答弁をいただきましたが、ちょうど今お触れになりました起債の問題だけでなくて、予算の執行でも、一例をあげますと、簡易水道の補助を今年度予算でとっておきながら、県に指令を出したのはつい先月の末なんです。つまり大蔵当局との打ち合せが予算の執行でも非常にむずかしい、これは今お言葉がありましたからこれ以上申しませんが、これはぜひ一つ大臣としてよく今のお言葉のように、何とか適当に御努力をお願い申し上げまして私の質問を終ります。
○中井委員長代理 門司亮君
○門司委員 私は財政のことについて、あまり大きな問題を考えて大臣に聞こうとは思いませんが、ごく切実な問題だけを二、三聞いておきたいと思います。今北海道並びに東北振興に関する開発法案が出て、国土開発委員会で審議を進めております。ああした仕事がずっと進められて参りますと、どうしても地方の府県の協力を得ないわけには参りません。そこで問題になりますのは、この間の地方財政に対する国の援助方を、どういう方法でこれを行うかということが問題になって参ります。今日も新潟の知事と山形の安孫子知事と秋田の小畑知事に会いまして、いろいろ話を伺ったのですが、今のような計画で、かりに三十一年度行くということになりますと国費で約二百一億、地方費の持ち出しが約四十億、こういう話であります。これは国の施策に基く一つの仕事であって、これを拒むわけには参りませんし、また東北振興のためにはぜひ必要である。しかし必要であるといって、あの東北六県の貧弱県がこの四十億の負担をするということは、これは非常に大きな財政負担になってくる。そこでこれを今北海道開発に使っておりますような補助率に直してもらえないか、そうするとこれは大体半分くらいに減る、私の質問に対してはもそういうお答えでありましたが、こういう問題についてどういうようにお考えになっておるか、取り上げて検討されておりますかどうか、その点を一つお伺いしておきたいと思います。
○小林政府委員 ただいまお尋ねの東北開発法ですか、振興法ですか、実はまだ正式には案がまとまっておるわけではございませんが、いろいろ自民党の方で御研究になっておられることはわれわれも聞いております。中身はきまっておりませんが、われわれといたしましては、今門司委員がおっしゃいました通り、成案を得るからには当然地方財政として受け入れ得る態勢に持っていかなくてはならないのでございまして、またそういうことが可能なように法律も仕組まれなければならないと存じております。この点は十分考えまして、意見を述べて、そういうふうに案をまとめていきたいと思います。具体的にどういうお考えなのか、まだはっきりしておりませんが、北海道開発法のような方式をとろうという御意向もおありのようです。これならこれで一つの考え方で、北海道は御承知のように主要な仕事は全額国庫負担で国の仕事としてやっておるわけでございます。そこらはどういうようにお考えになりますか、当然特別の開発方式をやるとすれば、特別の国の負担を前提にしなければ成り立つものではないということだけは、はっきりと申し上げることができます。そういう点につきましては、こちらも十分留意して支障のないように成案を得るように、協力いたしたいと思っております。
○門司委員 今の御答弁ですが、必ずしも私はそういうことだけでなくて、これから来る財政負担の面も——今申し上げましたのは、ただ国がそういうことになれば、このくらいの費用が要るだろうという知事の話でありますが、従ってこれを半分くらい何とかしてくれぬかということであります。なお突き進んであの開発事業が行われた場合に、それが府県財政に及ぼす影響は一体どのくらいかということの検討はまだ十分なされておりませんが、しかしわれわれの考えで参りますると、県民の生活が安定されてきて、そうしてこれが財政負担を十分になし得る段階まで行くには、私は相当長い年月がかかると思う。そう急に東北財政がよくなるとは考えられません。そこで問題になりますのは、東北の地方に対する何らかの財政措置が一応講ぜらるべきであるということであります。この中に今一つの問題として起っておりまするのが、東北六県はいずれも米の県外移出県でございまして、これに対して一石当り百円ぐらいのものを食管会計の中から、消費者にも生産者にもあまり影響を及ぼさないようにして、食管会計の中から農業改良基金というような形で、一体各府県に配分はできないか。こういうことになりますと、出ておりまする米の石数から考えまして、十三億くらいのものが出て参りはしないか。こういうことが今よりより協議されているようでございますが、これらの問題は、これは農林省といたしましても食管会計から直ちに地方財政に持ってくるというわけには参らぬので、どうしてもこれは困難だと思う。従いまして今申しましたような形で、食管会計の中で一応農業改良基金ということになれば、これは町村にあるいは府県に配分ができると思います。こういう形の構想がもしこの際行われるとすれば、非常に財政上困っております東北地方の財政面は、幾らかプラスになりはしないかと一応考えられるのでありますが、こういうような点について、来年の県の財政計画を立てられる上において、こういうこともよく言われておりますので、大臣も十分御承知だと思いますが、もしお考えがあるとすれば、どの程度まで進んでおるか聞かしておいていただきたい。 〔中井委員長代理退席、委員長着席〕
○太田国務大臣 ごもっともなお言葉で、現在東北おしなべてと言ってよろしいでございましょうが、財政持ち直しに非常に苦しんでおりまして、近き将来に余力を持つということはできないと思います。お言葉通りと思います。従って今言った振興事業をするというような場合には、国家が何か考えなければできない。しからずんば第二の問題で申されました食管会計からの金等を考えるというような問題がございます。現にある知事が、それとは少しお考えも違うかと思いますが、米の予約について出す金の一部をそちらに向けていったらどうか、こういう説も農業施設税というような名前で主張されておる方もございますが、何にいたせ、食糧問題の一部に税をかけるとか、その金をやるということは非常に大きな問題で、農林省としても米の全体計画に関する問題でございますので、いろいろな点で——今私は逃げ口上のようになってしまいましたけれども、まじめにそれを研究しております。今のままで余力なしということはお言葉通りと思います。従ってこれをやる場合はどうするかということは、国家という立場から考えなければならぬ、かように考えております。しからば今言った食管会計はどうか、これはこちらの問題よりむしろ食糧管理特別会計の大きな問題であり、しかもからむところは、米の問題が一番主になって考えられ、一毛作である東北地方においては、特にまた考えるべき問題かと思います。私も勉強しておりますが、そういう意味において考えるよりほかない。東北に余力なしということは、今の東北の地方財政から言ってはお言葉の通りと思います。
○門司委員 こういう問題につきましては、今大臣からも農業施設税を設けるというお言葉がありまして、これは税制調査会などでもこういうことを、ときどき言っているようでありますが、とても東北地方などにこういうばかばかしい税金は考えられないのであります。もし考えるとすれば、食管から逆にこういう開発的のものを向うに送ってやるということ、補助というと少し悪いかもしれませんが、振興関係にからんで、やはり食管会計の中からこれだけぐらいのものは、これは東北の諸君がほんとうに米産地として一毛作である特殊な農業を営んでおりまする関係からいっても、多少食管会計の赤字が、あるいは大きくなるというか減らないというか、どっちかになると思いますが、そういう処置がとられれば、私は東北の農民諸君の労をねぎらいまする一つの方法であり、農民に負担をよけいかけないで、農業の改良等が行われることになりはしないかと思いますが、特にこの点を大臣から御検討願いまして、善処していただきたいと思います。 その次にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、来年度地方財政計画に対しまする補助金の算定の基礎でありますが、これはしばしばここでも申し上げておりまするので、十分御了承だと思いますが、どうしても補助金が実際の額に見合わないところに、さらに補助政策とからんで地方財政を赤字とするときわめて大きな原因がある。従って税制あるいは起債の対策と並んで補助単価の問題が非常に大きな問題だと思いますが、これについて自治庁は今何か特別のお考え——というと、そういうことはないと思いますが、来年度の財政計画に対する大蔵省その他との折衝の間においてお考えになっていることがございますか。もしありましたら、一つこの際発表していただきたいと思います。
○小林政府委員 今お尋ねの補助単価の是正の問題は全く同感でございます。本年度はだいぶん改善されましたが、なおわれわれから見れば不十分なことはございます。こういうものにつきましては、個別的に大蔵省にも申し入れをしておりまして、つける以上はまともにつけていただきたいということを主張いたしておるわけでございます。それとともに実施する場合に、先ほど亀山委員からも特にお話がありましたが、つける以上はまともにつけていただく、こういう予算の上と執行の上と二本立で、筋の通るようにしていただくことは、われわれとしても基本的な主張で、関係省にもそういうことを強く申しておる次第でございます。
○門司委員 もう一つさらに具体的に申し上げておきたいと思いますことは、ただいまの消防関係のときにも亀山委員から非常にやかましく言われた学校の建築の問題でありますが、学校の建築の問題は少くとも不燃焼建築でなければならないということは世上常識だと思う。と同時に最近の新しい学校、それから不正常教育を直そうとする都市の建築を見て参りますと、児童数はだんだんふえて参りますが、学校の敷地も新しい買収地はなかなか困難であります。老朽校舎を建て直す場合には、どうしても上に伸ばすより方法がない。そうする以外に都心地における不正常教育の解消は不可能だと思う。しかも木造建築はだめになっており、少くとも鉄筋コンクリートにならざるを得ない。そういたしますと、今の学校建築に対する国の補助というものは、大体木造を目安にして二万八千円ぐらいしか出しておらない。これを一応単価にしておる。これが鉄筋コンクリートになりますと、最小限度四万ないし四万五千円かかる。少しきれいなものを建てれば六万円かかる。そういたしますと、都心地の学校の不正常教育をなくするためには、鉄筋コンクリート以外に方法が考えられないとすると、どうしても補助単価というものが、ここに一応考えられる必要が出てくると思います。これを全国おしなべて坪二万八千でできるというようなばかばかしい考え方で、それだけの単価を出して、半分国が補助したなどと白ばくれているということは、あまりいいことではないと思う。もし自治庁がこういう補助単価等の改正を行おうとすれば、やはり実情に即して、都会のこれらの学校建築に対しては、不燃焼建築ということを目途にした国の財政援助というものが行われることが、私は当然だと思う。そういう点についての自治庁の心がまえはどうなんですか。これはあまり遠回しに言わないで、はっきりと言って下さい。もう一カ月もすると財政計画が出て参りますから、そのときにはっきりと数字が現われて参りますから、いいかげんな答弁でなしに頼みます。
○小林政府委員 これは全くわれわれ同感でございます。基本的には今の補助単価の問題でございまして、文部省の学校建築には鉄筋中心にぜひとってもらいたいというのがぼくらの主張でございます。そして今の補助単価の問題、たとえば敷地の問題などが常に補助対象になっておらぬものだから苦労しておる、こういう問題もあるわけでありまして、文部省に対しましてはそれを強く主張し、それに応ずるように自治庁としても受入れ態勢を考えたい。やはり学校は全体としてみますれば、そろそろ六・三制の整備が終りまして、むしろ学校のそうした実情をよくすることに力を向けていっていい段階で、市街地に作るのに防火地帯とか準防火地帯でないから木造でいいなどという考え方は、私はやはり基本的におかしいと思っております。これはしかし結局予算のワクというものに縛られるものだから、いろいろそういう制約がありますが、私は多少がまんをしてでも鉄筋で建てるという方向に、自治庁の立場からもぜひ推進して参りたい、こういう考えでおります。しかしわれわれの一存できまるわけじゃありませんので、できるだけそういう方向に推進するように力を注ぐことを、特と申し上げておきたいと思います。
○門司委員 これは文部省や大蔵省との関連性もございましょうが、一つぜひ実現をしていただきたい。そうしませんと都会、ことに都心地の不正常教育の解消はできないのであります。同時に最近学校における火災等が非常に多いのでありますから、ぜひそういう形で来年度の財政計画の上では、具体的に事実を現わしていただきたいということを強く私は要望しておく次第であります。 その次に、やはり財政計画の問題で問題になって参りますのが公債費の問題でありますが、公債費問題というより、むしろその前に聞いておきたいと思いますことは、公債の割り振りの問題でございます。来年度の財政規模が現状のままで大体どのくらいになるか、財政収入がどのくらいになるか、支出がどのくらいになるかということをずっと検討してくると、公債の発行額というものは、昨年と同じように七百億内外になりはしないかということが当然言えるのであります、その場合に最も問題となってくるのは、今までの公債費のいわゆる起債のつけ方が比較的消費的経費に多かったということは御承知の通りでございまして、これを改めて、新しく投資的経費に向けるというような声明を、一応自治庁がいたしておりますので、私は今度はその通りになるものと考えております。その投資的経費になるにいたしましても、問題になって参りますのは今も亀山委員からお話がございましたが、公共企業に対してどういう取扱いをするかということが、一つの大きな問題になってくると私は思うので、公共企業に多くの起債をつけられて参りますることが、地方が非常にたくさんな失業者をもっております場合に、多少なりともそれらの労力の吸収にもこれがなって参りまするし、また都市の発展の上にも、非常に大きなウエートを持ってくる一つの施策でありますので、来年度の起債のつけ方について、消費的経費と投資的経費、なかんずく公益事業に対してどのくらいの割合で、一体つけられるかということであります。これは今までの統計を見てみますると、べらぼうな話であって、一般のものについては申請になった五四%くらいの認可をしております。公共企業については大体二二、三%くらいから、多いときは二六%くらいしか許可しておらない。今までの地方財政が非常に逼迫しておったから、そういう誤ったことを知りつつやったのかもしれませんが、実際はそういうことで行われておる。この弊害はもうこの辺で改めなきゃならぬと思いますが、来年度のこれに対する自治庁のお考えは、今どういうことになっておるのか、それも合せて聞いておきたいと思います。
○小林政府委員 公債費に対する基本的な考え方は、今門司委員もおっしゃいましたが、過去の公債費の始末だけの問題ではなく、これからの出し方を規制しなければ、同じ累を将来に及ぼすわけでございまして、基本的には一般会計における公債費の財源は、一般財源の支出に即してできるだけ減らしていこう、それに来年は大体一般会計では六百億見当にしておるのでございます。しかし公営事業につきましてはできるだけ充実していきたい。上下水道その他耕地にしろ、あるいは住宅にしろ市場にしろ、これは自治体の事業としては最もプロパーな仕事であって、こういう仕事をできるだけ伸ばしていきたい。だから起債のワクは、一般会計のゆとりの生ずるものはみな公営事業の方に回して、公営事業でもなお国の方で許される限りこのワクを拡張していきたい。特に上下水道などというものはぜひ拡充することを考えたい、こういう基本的な考え方を持っておるのでございます。 それから一般会計の中におけるつけ方の問題につきましては、先ほど亀山委員から御議論もありましたが、まとまった仕事にはできるだけ充当率を課して、そして一般財源に振りかえられるものは一般財源を基礎にしてやるという運用方針だけは堅持していきたいと考えております。
○門司委員 大体来年度の財政計画の基礎となる起債と、それから例の補助金の問題等については、一応基本方針だけ伺いましたが、あとは今地方財政を最も大きく圧迫している公債費の問題になると思いますが、この問題は明日あらためて相当詳細に質問したいと思います。きょうは時間もあまりありませんので、この点だけは省いておきますが、もう一つの大きな問題として出てくる問題は、来年度の問題としては税制の改正に対する自治庁の心がまえですが、最近の税制調査会の意見を聞いてみますと、所得税を一千億減らして、そしてこれが地方財政に及ぼす影響は五百億くらい穴があく、それ以外に事業税を二%ずつ減らすということを、税制調査会できめたということですが、これに対して自治庁はどういうお考えですか。
○太田国務大臣 明年度の地方財政の輪郭と申しますか、またこれをどう実行するかということは予算問題としても今折衝中でございます。申し上げるまでもなく一方に相当な自然増収もございますが、他方にふえていく金は相当大きなものを考えなければならぬと思います。給与がふえていく、それから恩給費もふえて参ります。公債の元利払いの関係もふえて参ります。法令などに基く経費及び人口増に伴う経費、これも相当少くない。それから歳入是正による経費、すなわち借りかえでございますとか、退職手当、財務の関係もございます。道路、橋梁などの改良事業に必要な経費、こういうものを支出として見ていきますと、相当多額になります。これに見合う地方税の関係及び地方交付税の関係率を今と同じといたしましても、相当の増収があるということは世間の議論であり、また実際そうなるかと思います。けれどもなお未定な問題といたしまして給与問題の、あるいは国民健康保険の問題もあります。これがどうきまっていくかによってバランスを得る問題でありますが、決して楽な問題でないのでございます。その間におきまして地方税のあり方というものは、全体の地方財政の中において考うべき問題と存じます。臨時税制調査会がいろいろな意見を出しておりまして、これにはこちらからも係の者を出しております。けれども自治庁として最後の腹をきめるには、他方に御関係のあられる地方制度調査会の税制に関する意見もございますので、これを参考としてやっていきたいと思うのです。国税側から見ると、大へんな減税とかいろいろなはね返りはどうするのだとか、地方財政には十分大きな関係を持っておりますので、向うの言うままになるという考えは私は持っておりません。ことに私どもとしては地方制度調査会の意見も、われわれに対する諮問のお答えとして、もちろん尊重しなければならず、ただ多数できめるものですから、臨時税制調査会の意見は意見として、私どもも見なければなりませんし、これを取り上げるか取り上げぬかということは、地方制度調査会の方の税制に関する意見も入れて、そして自治庁としてのやるべき姿をきめたい、こう考えております。臨時税制調査会の意見に、すぐよりかかるという考えは持っておりません。しかし、有力なる御意見でしょうから、勉強はいたしますけれど、それに圧迫されるとか、それによって動くというような考え方は持っておりません。
○門司委員 もう少し、この際御意見を聞いておきたいのですが、財源措置の問題についていろいろ問題はあろうかと思いますが、来年度の予算における財政計画の規模は、大体どのくらい大きくなりそうにお考えになっておりますか。もしお考え等がございますならば伺いたい。もう大体まとまっていると思います。今大臣がお話になりましたようないろいろなものがたくさん必要になってくることはわかっておりますので、こういうものをずっと積み重ねて参りますと、本年度の一兆四百五十億から約一千億ないし一千四、五百億にふえはしないかという見当がつくのでありますが、大体どのくらいの財政規模とお考えになっておるか、数字がもし出ておるならば発表しておいていただきたい思います。
○太田国務大臣 数字としてはまだ固まっておりません。先ほど私が申し上げたような事項につきまして、どのくらい財政需要がふえていくか、またどのくらい財政収入が減るか未定事項が非常に多いのであります。けれど、自然増収等世間で相当やかましく申しますが、相当あるとしても私は足りないのではないかと思います。従って、国家財政とのからみ合いがここに起ってくるわけでございまして、全体としての輪郭は、ふえることは間違いないと思いますけれど、どのくらいになるというそろばんをここに申し上げるところまではまだ行っておりません。
○大矢委員長 それでは本日はこの程度にして散会します。次会は公報をもってお知らせいたします。 午後四時二十三分散会