地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/11/29
会議録
○大矢委員長 これより会議を開きます。 まず地方財政に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。中島巖君。
○中島委員 私、建設委員会の方でありますが、実は地財法の適用県と公共事業の関係に非常に関連がありますので、地財法の適用県に対する公共事業をどういうふうに考えておられるかというのが一点、さらにこの地財法の適用県が大体において農山村県であり、しかも農山村県は大体において電源県であるというような関係から、発電税の創設に対して政府の方針はどうであるか。この二つの点について本日お尋ねいたさんと考えるわけであります。 そこで本年度の建設省の予算と申しますか、大蔵省に対する要求額を見ますと、昨年度の要求額と本年度の要求額の比較におきましては、建設省関係におきまして三十一年度の予算要求額の三十二年度は二四四%を要求いたしておるようなわけであります。ことに道路関係などにおきましては、三十一年度におきまして三百四十七億三千万円要求いたしましたのが、本年度は九百四十六億六千八百万円、二七三%の要求額である、こういうような状況であります。そこで地財法の適用県につきましては、昭和二十八、二十九、三十年度の平均の一年の大体七五%に押えておると聞いておるのでありますが、この七五%の中には国の直轄事業も含まれておる。従って国の直轄事業を差し引きますと、私は長野県でありますけれども、長野県のごときは二十八、二十九、三十年度の約半額しか道路、河川などの公共事業ができないというのが現在の状況なのであります。しかもこれは予算が通ったわけではありませんが、要求額が道路関係におきまして二七三%というような大きな要求をしておる。それにもかかわらず昨年度の三カ年平均の半分に減額されるということでは、後進県がますます公共事業が立ちおくれ、そうして公共事業の進んでおる県がますます進むというような結果になって、これでは国の政治ではないと思うのであります。そこで建設省に対しましてこれを質問いたしましたところ、その点は非常に憂慮をしておるけれども、われわれの権限内ではないから自治庁の方と折衝するというような答弁なのでありますが、これに対しまして自治庁はどういうお答えであるか、その点承わりたいと思うのであります。
○早川政府委員 中島委員の公共事業と地財法適用団体、主として府県のお話のように承わりましたが、地財法自体の法律の本文によりますと、過去三年の平均の七五%という規定がございますが、自治庁が特に急激な、七五%という線ではいろいろ事業に差しつかえますので、最近これを大体内示額の八五%程度事業をやれるように修正をいたしまして、八五%程度であれば、大体各地方団体の要望に近い線まで出るであろうと考えております。ただ従来、それぞれの地方団体の財政能力を無視して、ただ公共事業をとればよいといういわゆる放漫財政的な傾向のございました県も若干ございます。そういうところは財政と事業の総合的な健全化という建前から、たとえば徳島県のような場合には、前の年度では能力に比して少しふやし過ぎておるのです。そういうところは非常に減っておりますけれども、全般といたしましては平均八五%程度やれる、こういうよに修正をいたしておるわけでございます。
○中島(巖)委員 ただいま政府の答弁といたしましては、八五%程度までやれるようにしてある、こういうお答えでありますけれども、ことに道路整備の関係などは、三十二年度は予算面におきまして躍進的な飛躍をいたしておるのでありまして、ただいま申し上げましたように要求額で三倍近いものを要求しておる。それを旧来の八五%に押えておくということは、他県との均衡もとれないのであります。言いかえますれば、公共事業費の予算は小さくなったり大きくなったりするわけでありますけれども、旧来の何%と押えるところに非常に矛盾がありはしないか、かように考えるわけであります。この点いかがでございましょう。
○小林政府委員 ちょっと私よりお答えいたします。今お尋ねの問題は、指定事業の問題でございますが、自治庁の考え方は、今政務次官から申されました通り、再建計画が成り立つ限り、これはできるだけ建設的な仕事をやった方がいいことでございまして、そういう考え方でわれわれも臨んでおるのじございます。ただそこにできた赤字の始末だけはつけざるを得ない。その始末をなさざるを得ない範囲内において、経費もある程度圧縮せざるを得ないのでありますが、でき得る限り建設事業をやるべきであるという考え方が基本でございます。そこで今お尋ねの指定事業の問題は、これは必ずしも事業の総量と関係がないのでありまして、あの法律の建前では特定の公共事業につきましては、一般の団体と違って再建団体は特に財政力がないから、補助金を二割だけかさ上げしてやる、こういう規定がございまして補助金を二割だけ歩増しをしてやるためには、やはり一応全体の総量は押えざるを得ぬじゃないか。そこでこれをどうきめるかというので、まあ大体七五%という数字が出たのでございます。結局再建団体と非再建団体とを問わず、公共事業が流れる分量は一緒にしようじゃないか、しかしながら流れるけれども、団体の財政力もあるから補助金を少し高くして、そうして仕事をやらしてやろう、まあそれがその七五%の問題になったわけでございまして、普通の補助金でやりたい、高率補助の適用が必要でないという自治体ならば、七五%のワクは初めからないわけでございます。普通並みにどれだけやってもいいという仕組みに実はなっております。その場合の基本的な考え方は、公共事業は、今仰せられました通り、これはだんだん伸びていきます。来年になったらまた伸びるに違いないと思うのであります、そこで公共事業が全般的に伸びれば、再建団体だって当然に伸ばすべきじゃないかというのが、われわれの考え方でございまして、単に過去の三年間の何%にくぎづけということになっては、まことに再建団体と非再建団体との仕事の伸び、ひずみが大きくなって、われわれもそういうことをしてはいかぬと思っております。全体が伸びればバランスをとって再建団体につきましてもやはり仕事を伸ばすことを考えぬといかぬのじゃないかという考え方に、自治庁としては基本的に立っております。明年度は、かりに公共事業がさらに全般的に伸びるということになれば、同じ割合で再建団体につきましても仕事を伸ばすようにわれわれとしては努力をいたすつもりでございます。大体の考え方は、大蔵省もこれはのんでおるわけでございます。 それともう一つ、直轄事業のお話がさっきちょっと出ましたが、直轄事業は補助事業と性質が違いまして、直轄事業は、国の必要で国の計画でやるのですから、補助とぶち込みで計算をしてはいかぬじゃないか、こういうので直轄は全然別扱いで考えることにいたしたのでございまして、そこで本年度でもおそらく直轄事業は、率からいえば一一〇何%やっておる計算になっておるはずだと思います。まあ直轄事業につきましては地方の負担があるのでございますが、これは御承知の通り交付公債で次年度以降で始末をつけることになっておりますので、これは仕事の性質からいっても特殊ですし、特別扱いという考え方で臨んでおります。要するに再建団体非再建団体を問わず、国の基本的な要求に基いて同じ扱いをすることを建前にして、それぞれの団体の財政力が許す限りは、できるだけ建設事業を伸ばそう、こういう考え方で今までもおりますし、今後もそういう方針で臨みたいと思っております。
○中島(巖)委員 ただいまの答弁を聞きますと、公共事業費が今後国全体として増額すればいわゆる地財法で示されておるところの七五%には押えずに、その公共事業費の伸びただけはやはり伸ばすという方針であるということが一点、それから第二点といたしましては国の直轄事業は、たとい県負担が含まれておってもこの七五%の中には含まないという、こういう二つに了解してよろしいでありましょうか。
○小林政府委員 基本的な考え方はそういうふうに御了解願っていいと思います。直轄と補助は分けるということは、政令を直しましたからこれははっきりしております。それから片一方の、全般的に伸びればこの率を上げるということは、それぞれまた個別的に大蔵省と折衝の問題があろうと思いますが、御承知の通りあれは七五%をこえる場合には自治庁長官が定める額まではやれるということになっておりまして、その自治庁長官が額を定める場合の基本的な考え方が、今仰せられました通りの考え方で、自治庁としては臨んでおります。それでこれにつきましてはそれぞれの個別的にまた大蔵省との折衝はあろうと思いますが、われわれといたしましてはあくまでもその基本の方針を貫いてやりたい、またそういうことで一つ御後援もお願いいたしたいと存じております。
○中島(巖)委員 大体自治庁の御方針はわかったのですが、現在地財法の適用県は、この公共事業などの非常におくれておる県でありまして、その県が地財法の適用を受けたために公共事業が著しく圧縮されるということになると、後進県がますます立ちおくれを来す、こういうような結果になって、これは全く一国の政治ではない、かように考えるのであります。地方財政の健全化という面から、自治庁といたしましても苦心して、こうした法案並びに制度を作ったとは思いますけれども、地方財政の健全化だけで、特殊の公共団体だけがただいま申し上げましたような結果になるということは、これは一国の政治ではないと考えますので、この点御考慮を願いたいと思うのであります。 そこで質問の第二点といたしまして、現在の地方の税制制度について根本的に欠陥がありはしないのか、こうした欠陥がある税制制度のもとに、この地財再建整備法などによって公共事業なんかを圧縮するということが非常に無理ではないか、こういうように考えるのであります。そこでこの地財法の適用県がおおむね山村県でありまして発電県である。これらの県より発電税の創設を、長野県その他六、七県だと思いましたが、政府に対して申請してあるわけだと思いますが、これに対する政府のお考え方を伺いたいと思います。
○早川政府委員 中島委員の御質問の電気税という問題につきましては、差し当り同じ目的を達するために水利の利用料率の引き上げを決定をいたしまして、そういった面で具体的にどれだけ発電関係のそういう利用料の引き上げで増収になるかということは、目下計算中でございますが、そういう措置をとりましたので、御了承願いたいと思います。
○中島(巖)委員 ただいまの御答弁では発電税のかわりに水利使用料の引き上げを考慮中だ、こういうようなお話でありますけれども、これは全然性質の違うものでありまして、水利使用料は大正十三年の六月十一日に創設されておるのでありまして、このとき当時の内務省の土木局長の通達によりましても、水利使用料の計算の基礎は、治水費を含まないということをいっておりますが、さらにその後の建設委員会における河川局長の答弁も、これは税ではない。公のものを占有するのだから占有料である、こういうようにいっておるのであります。そこでどういうわけで、この発電税を認めないというような今の御意向でありましたけれども、認めないというその理由を伺いたい、かように思うのであります。
○細郷説明員 発電税の新税が法定外普通税としておっしゃる通りあがっておるわけでございます。現在電気事業者に対しましてどういう税がかかっているかといいますと、所得の多寡に応じまして法人税がかかっておりまして、また地方団体といたしましては、道府県においては応益負担を求めるという意味において事業税が、収入金額を課税標準としてかかっております。また同様に市町村におきましても応益負担を求めるという観点から、国定資産税がかかっているわけであります。その場合固定資産税は、固定資産の所在の地方団体に収入されます。また事業税の収入金課税につきましても、できるだけ発電の行われております地方に有利になりますような分割の方法をとりまして、発電県に事業税収入として確保しておるわけであります。こういうふうに事業税なりあるいは固定資産税なりを応益負担として求めております際に、さらにそのほかに新規の税を起すといたしますと、どういう税として根拠があるのであろうかということが、やはり一つ問題になるだろうと思います。そういたしましたときにはやはり発電県に対しまして、その県内の水利を使っているという意味において、特殊な受益者負担的な思想がその根底にならないと、税として他の税と重複するおそれがあるのではないか、こういうふうに考えられるわけであります。そういたしましたときに、御指摘のような水利使用料というものが別途に公課としてあるわけであります。それはまさに特殊な受益者に対する負担を求めておるということになるわけでございます。そういう二つの公租公課があわせて認められていくということは、税制のみならず、財政面を通じまして適当でないのではなかろうか、こういうような考え方からむしろ水利使用料というものかあるいは発電税か、どちらか一本にまとめてしかるべきではないだろうか、こういうふうに考えるわけであります。たまたま水利使用料はおっしゃられましたように、大正十三年以来ずっと一キロワットを基礎にしてかかっておるわけでございます。その料率が現在一キロワットについて二百五十六円でございます。戦前一円でございましたので、物価の倍数その他を考えて参りますと、二百五十六円では必ずしも妥当な数字でないのではなかろうか、というふうに考えられますので、この際それを妥当な高にまで引き上げる、そういうことにいたしまして税制上の問題も解決いたしますと同時に、発電県の財政収入の確保もはかっていきたい、こういうふうに思っておるわけであります。
○中島(巖)委員 ただいまの答弁ではどうも了解できぬですな。いろいろと税目を並べましたけれども、それは各府県に対しての同じような国税でありまして、従って発電県に対してただいまお話のあったうちで、特別な税目はないわけです。それから水利使用料の件についてお話があったのでありますが、これは大正十三年に創設されたのでありますけれども、その後の変遷によってただいま御説明のあったような税額にはなっておる。しかしながら大正十三年に創設されたところの一キロ一円以内という、これの基礎計算の根拠というものがない、従いまして、一番最初に創設したところのこの基礎計算の根拠というものは、どういうところで額をきめたか、この点をお伺いしたい。
○細郷説明員 一円の基礎はどうしたらいいか、受益の度合いをどう見て金高に見積ったらいいか、いろいろ問題があるだろうと思います。水利使用料を戦後たびたび改訂しておるわけでございますが、そのつどそういった問題が繰り返されておるわけでございます。しかしながら戦後の河川工事費の値上りというものと、戦前の水利使用料に乗じます倍率というものとを比較いたしました場合に、現在の水利使用料の料率では十分なものとはいえない、非常に低い料率におさめられておるということから、少くとも、戦前と戦後の間におきます水利使用料の料率と、河川工事費の工事高の倍率、これは比例をとって伸びてもいいのではないだろうかというところに、一つの考えの基礎を置いて計算をいたそうといたしておるわけであります。
○中島(巖)委員 どうもお話を伺っても了解ができないのでありますけれども、自治庁の方で発電税に関する説明書とかいうものを出してあるのですが、これによりますと、発電税は結局水利使用料を増額して適当でない、こういうようなことをいっておる。それから建設省では、水利使用料は税ではないとはっきりいっておる。それからさらに大正十三年のときの土木局長の通達によりますれば、料金は一キロ当りにつき年間一円に相当する額以内としてある。次の項に、水利使用料の計算の基礎には治水費は含まない。ただし昭和七年六月七日に土木局長通達で、使用料は河川のために使用されたい、こういう通達が出ておるわけであります。そこで、自治庁の方では水利使用料はあたかも税のような回答であり、建設省の方では税ではないという、こういう回答であって、ここに建設、自治、いわゆる政府間に非常な意見の食い違いがあるわけであります。それから一番の基本的な問題といたしまして、最初大正十三年にこの水利使用料を創設したときのいわゆる基礎計算ともなるべき一キロワット一円というものの説明が建設省でもできない、ただいまそれについて私も質問したのでありますが、それに対して納得できるような御答弁を得られない、こういうような状態であります。そこで私の考えは、建設省のいう通り税ではないと思う。いわゆる公けの水を占有するのであるから、これは使用料だと思う。さらに使用料にプラスしまして、治水費というようなものを——各所でダムの建設のために非常に災害が起ったり何かしておる。こういうようなものも、大ざっぱに全国の統計から見て適当なプラス、アルフアをして、新しく水利使用料というもののはっきりした理論的説明のできるようにすべきである、こういうように私は考えるのでありますが、自治庁の御所見はいかがでありますか。
○細郷説明員 先ほど御説明したのがちょっと足りなかったと思いますが、私どもも、水利使用料は税でないということは確認をいたしております。ただ先ほど申しましたように、同じような受益者負担を求めるという意味において、一方で公租、一方で公課というのを同じ根拠において作るということはいかがなものであろうかというところから、どちらか一本にまとめてしかるべきではないだろうか、こういう考え方から、現在の水利使用料というものの料率の改訂によって問題を処理していこう、こういうふうに考えたわけでございます。従いまして、一方は公租であり、一方は公課であるということについては、私どももそれを別に同一視しておるということではございません。 それから一円の根拠でございますが、これはなかなか古いことでもございますし、いろいろ問題がございます。当時の手数料その他の使用料、そういったようなものとの間の均衡も考えられてできたものだと思っております。しかし現在の段階におきましては、先ほどお話し申し上げましたように、戦前対比の倍率の均衡をとるということがまず先決ではないだろうかというふうに考えて、そういう措置を思っておるわけでございます。もとより御指摘のように、使用料の料率は、ほんとうに正当なものをどういうふうにして算定すべきであるか、これにはなお議論が残ると思います。今回倍率を引き上げたといたしましても、そういった問題はなお残るものということは私どもも意識しております。
○中島(巖)委員 この発電税関係については、これはただいま質疑をいたしておりますところの水利使用料の問題、それから電気ガス税の問題、さらに現在の電力会社の決算の営業内容の問題、それから地方税法とどういう関連があるかという問題、この四つの問題——その他もありますけれども、まあこれらが一番大きな問題だと思うのであります。そこでただいまの御説明を聞いておりましても納得ができなくて発電県に特殊の税がないということが非常に私矛盾だと思うのです。これらにつきましては、あとで詳しくお尋ねいたすのでありますけれども、ただいま列挙いたしました四つの問題を逐次質問いたしまして、御説明を願いたいと思うのでございます。 そこでまず第一に電気ガス税の問題を取り上げますけれども、この電気ガス税の創設の趣旨についてどういうお考えであるか、御説明をいただきたい。
○細郷説明員 電気ガス税は市町村の税でございますが、これはたしか戦争中昭和十七年ごろからできたかと思います。やはり当時の戦時体制の財政収入を補うという意味もございましたでしょうし、また電気の消費ということについて、そこに担税力を見出していく、こういった理由もあったかと思うのであります。その後戦後にきまして、当時国税でありました電気ガス税が地方の税に移ったわけでございます。その戦後の当時におきましては、一般に熱量源と申しますか、燃料と申しますか、そういったようなものが非常に貧困を告げておったわけでございます。従いまして、電気の使用あるいはガスの使用ということには、より一そうそういった意味での担税力を見出すことができるのではないか、こういったような考え方もあったようであります。そういったような点から、現在電気ガス税というものは、消費者の担税力を側面から、消費の面から捕捉していこうというような考え方に立って、一種の消費税としてこれを観念しておるということになっておるわけでございます。
○中島(巖)委員 もう少し詳しく突っ込んでお聞きしたいのでありますが、あまり時間をかけてもあれですので、私の方から申し上げて御所信を承わりたいと思うのであります。 まずその前に一言申し上げたいことは、電源県が非常な災害をダム設置のために受けておるわけであります。それで防災治水費を非常にたくさん使っておるにもかかわらず、水利使用料なるものはわずかに全国で二十二億程度である。しかも電気ガス税は料金の約一割ということになっておりまして、現在百六十億程度が入っておるのではないかと思うのです。つまり電源県がわずかの水利使用料をもらっておるだけで、この電源によって都市が非常に恵まれ、工業力が旺盛になって、そして税負担力が増しておる。その税負担力がこの電気の恩恵によって増しておるのに、地方が腕をこまねいておって、一割の電気ガス税を取っておるということは、非常な矛盾だと思うわけであります。そこでそういうような考えの前提のもとに電気ガス税についての質問をいたしたい、かように思うわけであります。 電気ガス税は、昭和十七年に国税として創設されております。それで昭和二十一年に廃止されて、昭和二十三年に道府県税として誕生いたしておるのですが、そのときは第二国会でありまして、昭和二十三年六月二十二日、当時の自治庁担当の野溝国務大臣がこういうように説明しております。「電気ガス税は戦時中から昭和二十一年まで国税として存しておったのでありまして、その廃止後は多くの府県において法定外独立税として徴収して参ったものであります。この税を法定いたしまして、広く一般消費者に課することとすることは、相当無理な大衆課税であるとの論もあるようでありますが、地方財政の窮乏打開の一策としてやむを得ないものと考えております。賦課率は本税付加税を合わして百分の十といたしておりますが、要保護者等に対しまして、地方団体において適宜減免の措置をとることは望ましいことと考えております。なお重要産業が直接生産のため使用する電気に対しては、その製品の価格構成中に五%以上の電気料金を占むるものにつきましては、非課税とするように措置いたしますから、その生産を阻害することはないと考えております。電気ガス税新設による収入は約二十六億円に達する見込みであります。」こういうようにはっきりとこの税を創設することはいかがかと思う、非常に無理だと思う、けれども地方財政の窮乏打開の一策としてやむを得ない、こういうようにはっきりと電気ガス税創設の趣旨の説明をいたしておるのであります。その後昭和二十五年でありますが、当時の税制改革のときに道府県税から市町村税に移って、岡野国務大臣が説明いたしておりますけれども、やはりこの趣旨である。従って私どもはこれは地方財政窮乏打開のための一策としてやむを得ず創設したものだ。こういうように解釈いたしておるのでありますが、自治庁のお考えはいかがでありますか。
○細郷説明員 電気ガス税が地方税として昭和二十三年にできましたときの経緯は、今お読み上げになった通りだと思います。その後電気ガス税は、順次国民の電気消費量の増加もございまして、現在では百数十億、かれこれ二百億近い税収入になっておるのでございます。電気ガス税は当時地方財政の窮乏を打開するという意味においてできて、従って窮乏状態が変ってくれば、もう何か考えてもいいのではないかというような御質問のように受け取ったのでありますが、御承知のように二十三年以来各種の地方制度の改正等の影響もございまして、地方財政の状態は現状においてもなお十分でないような形になっているわけでございます。今市町村にございます二百億近くの収入を持っております電気ガス税をにわかに改めるというようなことは、困難でないだろうかというふうに思うわけであります。従いまして、当時とその意味においては若干の違いがあるかと思いますが、日本の情勢は依然として地方財政の窮乏のための一つの措置というふうに考えられるわけであります。なお電気ガス税が非常に都会地に多くていなかの方に少い、こういったようなお話もございましたが、そういった点につきましては、御承知のような交付金制度もございますので、その間の財源の調整は行われているというふうに私どもは考えております。
○中島(巖)委員 電気ガス税が地方財政窮乏のために創設した趣旨には間違いない、こういう御答弁だと私了解しているのでありますが、しからばこの地方財政の窮乏の打開の目的を現在電気ガス税は達しているかどうか、この点でありますけれども、この電気ガス税の収入順位を見ますと、東京都が三十何億になっておりまして一位、次が大阪市、三が福岡県、四が北海道、五が大阪府、六が兵庫県、次が静岡県、愛知県、神奈川県、神戸市、広島県、こういう順序になっているわけであります。この十数県のうちいわゆる財政困窮のために、地財法の適用を受けている県には兵庫県が一県人っているだけだ、従ってこの地方財政の窮乏打開のために創設したところの電気ガス税であるとしたなれば、最も財政困難な地方へ回るべきが当然のものを、最も富裕な府県へ大幅に行っている。この点についてはどういうお考えでありますか。
○細郷説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、都市的な部面にこの税の収入がある程度寄っているということは事実でございます。ただ電気ガス税は、御承知のように市町村の税収に現在なっておりますので、県内をまとめたものの収入だけで、その市町村の電気ガス税の収入状態を判断いたしますことも、若干無理があるのではないかと思います。今御指摘になりました再建整備団体と申しますか赤字団体、こういったようなものについて、もっと電気ガス税が入るような形ができないだろうかというような御趣旨のように承わったのでありますが、かりにそれが市町村の再建団体の整備の役に立たないからということであるといたしますと、御承知のように、再建団体につきましては、単に税収のみをもってその財源の確保をはかっているわけではございませんで、その他の収入、補助金の面でありますとか、あるいは借りかえ債の問題でありますとか、そういったようなことの収入の面でもいろいろとその再建を促進させるような方途を講じているわけでございます。従いまして電気ガス税だけによって再建法の適用云々ということも若干当らない面もあるのではないか、かように考えているわけでございます。なお交付税の制度がございますので、消費がだんだんとふえて参りますれば、自然とそこの県なり市町村に回ります交付税が減って参りますので、消費の少い方の県なり市町村の方へ収入が回ってくるというような交付税制度の問題もございますので、その間の調整はある程度自動的にとられておるというふうな建前になっておるわけでございます。
○中島(巖)委員 私の質問した要旨は、電気ガス税の創設の趣旨が、地方財政の窮乏を打開するためにやむを得ぬ措置である、こういうことをはっきりと政府は打ち出しておるのである。しかるにこの電気ガス税が、どこへ入っておるかということを見ると、富裕県へ大幅に——東京都なんか三十億くらい入っておる。そうして非常に発電所のために荒されておるところの長野県は、わずか二億しかない。それから再建整備団体は微々たるものである。富裕県へ大幅に入ってしまう。従いまして、この創設の趣旨とは、現在全く反対な状態になっておるじゃないか。この点を指摘いたしたわけでありまして、この問題についてはこれ以上御質問しても仕方がないのでやめたいと思いますが、この点十分お考えになって、電気ガス税というものの創設の趣旨と全く変っておるとしたなれば、それをある程度発電県の方へ振り向けるような財政的、技術的な措置を講ずべきではなかろうか、かように考えるわけであります。そこでさらに電気ガス税についてお尋ねすることは、二十九年度の下半期と三十年上半期、つまり一ヵ年間に九電力会社に入った電力料の総収入が、二千三百九十一億三千二百万円となっております。このほかに自家用が電力量といたしましては約一五%くらいでありますけれども、料金としては一〇%近くなっておるんじゃないかと思います。従いましてこれをかりに一〇%と見ますと、二千六百三十億四千五百万円というものが、いわゆる電気ガス税の対象になるところの電力料金であるのであります。従いまして二百六十三億円、電気ガス税が入ってしかるべきものである。しかるに二十九年度は、百八十六億四千一百万円しか電気ガス税が入っておらない。しかもこの中にはガスの料金も入っておる。こういうような状態でありますから、ガス税を約一割引いたといたしますれば——そういうような腰だめではないかということを聞いておるわけでありますが、そうすると電気ガス税の電気の分の税としては、百六十七億七千万円しか入っておらないということになる。そうすると二百六十三億四千五百万円との差し引きの九十五億六千万円というものがどこかへ行っておる。これは私が申し上げるまでもありませんけれども、すなわち非課税品目に入っておるわけであります。そこで非課税品目をどういうわけでこしらえたのかという点について、自治庁の御見解を承わりたい。
○奧野説明員 電気ガス税は消費税だと考えているわけであります。電気、ガスをたくさん使う人の方が、担税力があるじゃないか。だから、そのつど課税していく。しかし生産面に使われておりますものについても、なかなか税務行政上区分しがたい面につきましては、やむを得ず課税をしていかなければならぬ。しかし生産費の中で電気ガスの料金が非常に大きい割合を占めている。そういたしますと、その生産品の価格、その他にも悪影響を及ぼしていきまして、あるいは国際競争というふうな問題にも関連いたしますので、そういう部分については課税をしないという方式をとっているわけであります。
○中島(巖)委員 ただいまの答弁に対して、私は非常に不満でありますけれども、あとから質問いたします。その前に一応お聞きしておくことは、ただいま私の計算によりますと、いわゆる九十五億六千万円というものが、非課税品目で税をとれない状態におる。こういうように考えるのでございますが、この数字と大体自治庁の数字と間違いありませんか。
○奧野説明員 私たち非課税部分の電気が、大体三四、五%じゃないかというふうに考えています。(中島(巖)委員「金額は」と呼ぶ)大体そういうことでございましたら、そうなるんじゃないか、ちょっと正確なことは調べてみませんとわかりませんが、今申し上げましたように、三四%ぐらいが非課税になっておるというふうに考えております。
○中島(巖)委員 大体九十数億の非課税があるということが、ここではっきりいたしたわけであります。それから先ほどの御答弁によりますと、重要産業というか、そういうものに対しては減免の措置をとったがいい、こういうようなお話であります。そこでお尋ねすることは、電気事業は公益事業であるということをおっしゃっておる。公益事業ということは、国民大衆一般の、米のような必需品であるというところに重点が置かれて、初めて公益事業と言い得る。しかるに零細な要保護者のようなところまで全部課税しておいて、そうして大きな工場、会社を非課税にしておる。これは電気事業の公益性というものと全く矛盾した反対の課税方針である、かように考えるのでありますが、御意見はいかがでございますか。
○奧野説明員 電気ガス税は電気事業者が支払うのじゃなくて、電気ガスの消費者が支払うのである、こういうふうな建前になっておるわけでございます。なお生活困難な人については、できる限り負担をさせない、これは非常に望ましいことでございますけれども、消費税としていきますと、すべて全面的に課税をいたしませんと、税務行政上実際問題としてなかなかできないわけであります。従いまして消費税の面については、やむを得ず生活困難な人にも負担をしてもらう。そのかわり別途、生活困難者の救済問題は十分やっていかなければならぬだろうと思うわけでございます。しかしそうであっても、大体生活程度の低い人の電気の消費量というものは低く、生活程度の高い人の電気の消費量はそれだけ多いんじゃないか、そういう意味において担税力に大体マッチした負担になっていくのじゃないか、こういうことで電気ガス税として考えているわけであります。
○中島(巖)委員 どうも御答弁がピントをはずれておるのです。結局一般大衆が電気が必要であるから公益事業である。そのものに課税して大企業に対して課税しないということは、電気事業の公益性というものと非常に矛盾し、反対ではないか、こういうように私質問したのでありますけれども、これ以上答弁は要求いたしません。 そこで電気ガス税の非課税品目でありますが、これは地方税法第四百八十九条に二十五項目からなって載っております。それらを見ますと、亜鉛鉱であるとか、アルミニュウムであるとか、ニッケル地金であるとか、あるいはセメントであるとか、カーバイトであるとか、硫安であるとか、まあ読めばきりがなくなりますからやめますけれども、こういうものを非課税品目として取り扱っておるわけであります。そこでこの非課税品目のうちの大口消費者であるところの鉄鋼であるとか、セメントであるとか、あるいは肥料であるとか、カーバイトであるとか、そういうものの会社の状況が現在どうであるかということが具体的な一番重要な問題だと思うのであります。そこで私株式年鑑から拾って昭和三十年度の業績を見ますと、第一セメントは利益率が一六一%になって三割二分の配当をしている、秩父セメントは二四三%の利益率を上げて四割配当している、磐城セメントは二四七%の利益率を上げて同じく四割配当している、小野田セメントは二割配当をしている。昭和電工においては三〇%の利益率を上げて一割五分の配当、住友化学は三八%の利益率で二割配当、日本鋼管においては三五%の利益率で一割五分配当をしている、久保田鉄工においては二割配当をしておる。こういうように非課税品目の事業は非常な好況でもって三割、四割の配当をして、自己資産の消却積立金を非常に大きく盛ってやっている。これをなぜ非課税品目にしたのか。これらの利益追求本位の会社が莫大な利益を上げておるのに非課税品目にして課税をせずに、一般大衆の零細な者に対して課税をしている。これは電力の公共性と全く違った方向に向っておる、こういうように私考えるのでありますが、これに対する御所見はいかがでございますか。
○奧野説明員 電気ガス税をどういう性格の税にしていくかということについては、いろんな考え方があると思います。お説もやはり一部の人たちのおっしゃっているところでございます。電気ガス税は当初国税でございまして、国税時代におきましては工業用の電気に課税せず、家庭用の電気だけに課税しておったわけであります。つまり個人消費をねらった課税であり、消費が大体担税力に即応しているんじゃないだろうかというところを考えておったと思うのであります。地方税に移すに当りましては、そういうことでしぼっていったのでは、税務行政上非常に煩瑣になるのじゃないだろうかということから、多少家庭用という狭い範囲を抜けまして、生産面についても広げて参ったわけでありまして、そういう沿革から今日に至っているわけであります。企業の利潤はときによって違うわけでしょうけれども、できる限りコストを下げて、国際競争の問題にいたしましてもあるいは国内の必要な原材料確保の問題にいたしましても配慮をしていかなければならないという考え方に立っているわけでありまして、あくまでも消費税として純化していきたい、そういう考え方が現在消費税をもっていっております考え方の基本になっているわけでございます。
○中島(巖)委員 結局私は電気ガス税の成立の由来とかいった抽象論のようなものをお尋ねしておるのではなくて、三割、四割の高額配当をして、多量に電気を使っておる産業——これらの非課税品目を見ると、ほとんどは現在のいんしん産業のものばかりである。これらを非課税にしておいて一般大衆に課税しておることは全く大間違いである。なお根本的な問題といたしましては、先ほど申し上げましたように、地方財政の窮乏のためやむを得ないというので創設されたこの電気ガス税が富裕県のみに行って、現在地財再建整備の適用を受けているような府県には行っておらぬ。これも法律の趣旨と根本的に間違っておる。非課税品目においても、ただいま指摘したような状態になっておる。従って電気ガス税については新しい視野から——あるいは戦後においては物価統制でもって価格を押えてあったから、こういう産業を救わねばならぬというような立場でこういう制度をとったのかもしれぬと私は思うのでありますけれども、現在の情勢は全く変っておるのである。もう変った立場で新しい視野からこれを再検討しなければならぬ時期に来ておるのではなかろうかと私は考えるわけであります。しかしこれ以上政府を追究いたしましてもどうかと思いますので、この程度でこの問題はやめるのであります。 そこで第三といたしまして、発電税につきましては法的根拠がどこにあるかという問題について、自治庁はどういう御見解を持っておるかということをお伺いいたしたいのであります。これは地方税法の二百六十一条の「自治庁長官は、第二百五十九条の規定による申請を受理した場合において、当該申請に係る道府県法定外普通税について当該道府県にその税収入を確保できる税源があること及びその税収入を必要とする当該道府県の財政需要があることが明らかであるときは、これを許可しなければならない。」こういうふうにはっきりと許可しなければならぬということをうたってある。ただし書きにおいては、「但し、左に掲げる事由があると認める場合においては、その許可をすることができない。」こうして左に掲げるところにおいて「一国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、且つ、住民の負担が著しく過重となること。」「二地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること。」「三前二号に掲げるものを除く外、国の経済施策に照して適当でないこと。」こういうふうにはっきりうたってあるのでありますが、発電税を許可しない理由は、どの項に該当するのであるか、これを承わりたい。
○奧野説明員 あるいはただいま細郷課長からお話申し上げたところと重複するかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。 私たち、発電税という税はどういう税であろうか、発電事業というものに対する課税なら事業税というものがあるのじゃないだろうか、税という名前を変えればこれは幾つでも課税できるという性質のものではなかろう、遊興飲食税を特別遊興飲食税という名前に変えればまた取れるという筋合いのものでなかろう、こういうことを基本的には考えているわけであります。そういたしますと、今御指摘になりましたように、法律では課税標準を同じくしという言葉があがっておりましたが、事業税は収入金額が課税標準であります。発電税は発電量が課税標準であります。なるほど形式的には発電量であり、収入金額でありますけれども、実質的には変りがないのじゃなかろうかというふうに思っているわけであります。しかしそこは字句の上で違っているわけでありますが、あえて問題にいたしませんでも、さらに国の経済施策といたしまして電気事業に対しまして二重、三重の課税をしていくというここはいかがなものであろうか、事業に刑する課税としては事業税がありますし、固定資産に対する課税としては固定資産税があるのじゃなかろうか。そういたしますと、どう考えても府県が河川を維持管理をして水を集めてくる、その水を使っているから一種の受益者負担として何か発電施設に税源を求めたい、こういう府県の考え方になってきているのじゃないかというふうに私たち解釈しているわけであります。そういう意味において国の制度として水利使用料があるのでありますから、できる限り水利使用料について府県の不満とするところを解決していきたい、こういうことで、今まで努力して参っているわけであります。
○中島(巖)委員 私の質問をいたしましたのは、二百六十一条に規定されておるどういうことが一番の原因であるかというと、その一の国税又は他の地方税と課税標準を同じくする、この点が問題である、こういうことであります。
○奧野説明員 全体的に私たちが考えておりますことは、税の名前さえ変えればいいというわけにはいかぬだろうというふうに思っておるわけであります。そういう意味で、実質的には第一号に関連を持っておりますし、形式的には第三号に根拠を持って発電税を適当じゃないというふうに存じておるわけであります。
○中島(巖)委員 そうすると、ただいまの政府委員の答弁は、一と三の号に該当するから発電税に対しては許可をしがたい、こういうように了解していいわけですね。そこで、私の考えといたしましては、第一の問題は、あなた方のお考えは、発電してそれから売るまでを一貫した作業である、こういうようにお考えで、そういう第一の問題が起きると思うのです。これは数年前までは電力業者は日本発送電と配電会社と二つに分れていた。これはもちろん御存じだと思います。それで、発電税と申しますのは、ちょうど物品税のように水を電気のエネルギーに変えるところの一つの工程が発電である。その他送電線で輸送するのは物品を汽車やトラックで輸送するのと同じことだ。それから電力を供給するのは物品を売ると同じことだ。従いまして、この発電税は水を電力エネルギーに変えるところのいわゆる工作過程、物品税のごとき性質のもので工程にかける税金ですから、この第一に該当しない、こういうように考える。 それからただいまお話の第三の「国の経済施策に照して適当でないこと。」これにも該当する、こういうような御意見でありました。それでこの第三の「国の経済施策に照して適当でない」その理由を御説明願いたい。
○奧野説明員 前段の点につきましては、やはり御指摘になりましたように、現在発電事業に対して事業税を課しておるのでありますが、その事業税の一部であるとお考えになっているんじゃないだろうかというふうに考えるわけであります。 後段の方の問題につきましては、電気事業については御承知のように料金統制等も行なっておりますし、その他税制面についても若干の配慮をしておるわけでありますので、名前さえ変えればいろいろな税を課してよろしいんだ、こういう結論はちょっと出にくいのじゃなかろうかというふうに考えております。
○早川政府委員 中島委員の御質問、私は非常にごもっともな点があろうと思うのであります。御質問の要点は、いわゆる後進県の財政が非常に困っておる、ところが富裕県の方は電気ガス税その他でさらに裕福になっていくのをどうするかという問題を中心に、御質問が展開されておると私は理解しております。その点からいって、私たちの方針としては、自治体というものは自治でありますから、できるだけ豊かにして、事業をやりたいということから、法定外普通税はどんどん許す方針にしております。しかしそれは原則でありまするが、ただ今申しましたように、第一号のように地方税同士がダブるといったような、今の場合には、水利使用料と競合するというようなこと、また電気料金というような問題もございまするので、そういう問題が解決すれば、これは電気税というものにして後進県の財政を豊かにすることは私は異存はありません。御意見尊重いたしたいのであります。そうした場合に、電気ガス税というものを税率を減らして、そのかわりに電気税という発電県の方の税、それが減った分だけそれをとるというふうにすれば、別に料金には関係が出てこないわけであります。そういう一部の電気ガス税の税率を減らして電気税の方に新たに法定外として課する、こういう有力な意見もあるわけであります。十分そういう点もわれわれとしては尊重いたしまして、今後とも中島委員の御心配の後進県——この場合は農業県にも関係ございます。お米を作る県が、農家に課税できない、しかしだんだん財政が困っておる、そこで米の供出のときに、農家に負担させないで、農業施設税というものを都市の消費者が負担する。そういったことも、あるいは富裕県と貧乏県の間の財源調整の一つの道にもなる。今のお話を聞いて私もごもっともな点が多々ございますので、十分御意見を尊重して、そういった全般的な富裕県と後進県の調整をやっていくという点は十分検討いたしたい、かように思っておりますので、御了承願いたいと存じます。
○中島(巖)委員 今、政務次官が御指摘になったことは私と同じ考え方であって、きょうの政務次官は大政治家だと思って見直した。(笑声)この政務次官がいる限り私も安心するが、どうも政変も近くありそうで、政務次官がいつまでこの地位にとどまって私の期待にこたえていただけるか見通しがつきませんので、いま少し質問することをお許し願いたいと思います。(笑声) そこで、ただいま政府委員からの一の点について御説明があったが、これは私の見解と非常に違う。二百六十一条の三については具体的な御説明がなかったわけですが、これの具体的な御説明を願いたい。
○奧野説明員 御説明申し上げたつもりだったのですが、電気料金の統制まで行いまして、電気事業については国が関心を持っておるものでございますので、いろいろな税目を変えることによって、さらに負担を増していくというような施策はとるべきではない。現にまたそういう意味で税制面においていろいろな配慮を固定資産税その他について加えられておるということを申し上げた次第でございます。
○中島(巖)委員 奥野さんは有名な頭のいい方だと聞いておりますが、(笑声)話が非常に抽象的で回りくどいようですが、結局電気料金にはね返って国民経済に脅威を与えるからいけない、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○奧野説明員 そういう問題もあると考えております。
○中島(巖)委員 その他の問題は何ですか。
○奧野説明員 税制の問題としてたびたび申し上げますように、名前さえ変えればどんな税でも起していいということになりますと、税制自体が混乱してくるのではないかというふうに存じておるわけであります。やはりできるだけ国民に納得してもらうためには、すっきりした形の制度を維持していきたいというふうに存じておるわけであります。従いまして、政務次官もおっしゃったわけでありますが、私たちは発電税を許可しないということを言いっぱなしにしておるわけではございませんで、ただいまそれらを要望されておる団体の財源を水利使用料の形で確保する努力をしてきておるわけでありますが、大体それについても目鼻がついてきているわけであります。
○中島(巖)委員 非常に婉曲なことを言っておりまして、この三号に該当するということのお話が先ほどあったのでありますが、これに対してはっきりした具体的な御答弁がない。その中にただ電力料にはね返るということが含まれておる。その他は何であるかという質問に対しては抽象的な御答弁しかない。従いまして、電力料にはね返るということが一番大きな問題であると、私了解するのでありますが、ほかの委員の方もおそらくそうだろうと思います。そこで電力料金にはね返るということは、九電力会社が、現在長野県その他の地方公共団体で自治庁の方へ出願しておるのは、一キロを三銭か五銭か私は忘れましたが、三銭とすれば全国で十一億、五銭とすれば十八億という金額になるわけでございます。今の政府委員の御答弁の要点は、この十八億が電気料に直ちに反映するか、あるいは現在の電力会社が十分吸収する能力があるか、この一点に尽きておる、こう思うのです。私の考えとしましては、この発電税は、これはここに資料がありますし、写真もありますから、あとでごらんに入れたいと思いますけれども、これは税ではないと思う。これはコストだ、原価だと思うのです。これだけの損害は確かに治山治水なんかでこうむっておるのでありますから、そういう考えで、かりに電力料にはね返っても、この発電税は創設すべきである。これらについてははっきりした詳しい資料で御説明申し上げますけれども、私はこういう考えでおる。しかしながら百歩を譲って二百六十一条の第三号のいわゆる国の経済施策、すなわちただいま各申請しておりますところの発電税が通った場合において、電力料にはね返るか、はね返らぬか、そうして九電力会社が、それを吸収できるかできぬかということが一番の問題になるわけであります。そこで九電力会社の決算の内容、つまり営業の概況というものをここで検討せねばならぬと思うのです。そこで九電力会社が二十九年の下半期から三十年の上半期におきまして、その決算表で表わした利益金は八十四億六百万円を計上してあるのであります。この九電力会社の事業概況から見ても、十分これは吸収できるのであります。しかしこの八十四億六百万円は、どうかして利益を少くしようと思って、経理技術でさんざんこね回したあげくに、どうしてもこれだけ出たという数字でありまして、実際は三百数十億という利益金を上げておるのです。この資産内容をよく検討いたしますと、電力会社は、初めに一ヵ年間の大体の計画と申しますか、計画予想と申しますか、それを出しております。そうしてその実績との比較を見ますと、収入が一ヵ年の最初に立てた予想より百八十三億四千七百万円ふえておるのです。それから支出は亘二十八億八千六百万円支出の予想より減っておるのです。従いまして三百二十二億三千三百万円の利益が計上されなければいかぬわけなんです。はっきりとそういう数字になっておる。それをいろいろ経理上ごまかして、結局八十四億六百万円という数字になっておる。三百数十億の利益金の内訳はどうかと申しますと、結局収入予想より百八十億二千九百万円ふえまして、そして支出予想のうちの燃料費というもので百二十一億七千三百万円というものが減っておる。その他、他社間購入電力料が十二億八千九百万円、その他の支出が三億二千四百万円、こういうものを合計いたしまして百三十八億八千六百万円。従いまして、予想が百三十八億を上回っておりますから、三百二十二億三千三百万円という利益が計上されなければならぬ。ところがわずかに八十四億六百万円という数字になったのはどういうことかと申しますと、支出の方では、給与関係なんかで三百六十七億の予定を四百四十八億出して、八十一億三千八百万円をここに出しておる。退職給与金の計画が、三十七億のものを七十一億六千四百万円出して、ここで三十四憾一千四百万円を支出しておる。それから固定資産の償却でも、最初の十五億を三十八億出して、二十二億八百万円を余計に出しておる。それから渇水準備金などにおきましても、最初なかったものを四十七億出しておる。こういうわけで、三百数十億の利益の上がるものを、隠し場がなくて、渇水準備金であるとか、退職手当だとかなんとかいって積んでおる。従いまして現在発電税として要望しておるところの十八億ばかりの金なんかは、その十倍の金だって十分ここで吸収消化ができて、何ら電力料が国民大衆へはね返らぬことはこれではっきりいたしておるのであります。 私なお、先ほどの御答弁に対しまして了解できぬ事項もありますので、なお継続していずれ質問いたしたいのでありますが、先輩から、時間も来たし、午後続行して質問をしていいから、いいかげんに切れという御希望もありましたので、午前中は以上をもちまして質問を打ち切ることにいたします。
○大矢委員長 それでは午前中の会議はこの程度にして、午後二時まで休憩いたしたいと思います。それではこれで休憩します。 午後一時七分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕