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25回国会衆議院1956/11/28

地方行政委員会 第1号

発言数
47
登壇者
6
会派数
2
開催日
1956/11/28

会議録

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 これより会議を開きます。  まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りをいたします。衆議院規則第九十四条によりまして、常任委員会は会期中に限り、議長の承認を得て、その所管に属する事項について国政に関する調査をすることができることになっておりますので、本委員会といたしましては、地方行政の実情を調査して、その健全な発達に資するために、地方自治、地方財政、警察、及び消防に関する事項について、議長に対し国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。  なお国政調査承認要求書の作成及び提出の手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 御異議なければ、さよう取り計らいます。  この際、太田自治庁長官から発言を求められておりますからこれを許します。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 再び臨時国会におきまして継続審議になりました、地方公務員法等一部改正法案につきまして、御審議を仰ぎたいと存じ上げます。この前にすでにごあいさつ申し上げたと存じますが、行政部長が藤井君にかわり、財政部長に小林前行政部長がなりましたので、どうぞよろしく今後ともお引き立て願いたいと存じます。  地方公務員法の改正につきましては、私から改めて申し上げるまでもなく、参議院の御審議を経ましてこちらへ回ったものであり、また私としても御質問等に対しでき得る限りの御答弁を申し上げたつもりでございます。その後におきまして、六団体の代表の方々がこの問題について非常な熱心を持って、私どもに再三、再四といっていいほど、どうかこの法案をまとめてくれというお話があったことは、ただいまも友末さんが申された通りでございます。本日もただいま開かれております全国町村会におきまして同様に重要なる三項目の要求の一つといたしまして、本問題を取り上げておるような次第でございます。もちろん全国ということはできませんが、私もでき得る限り、各地方に参りましたときに、この問題を当務者から詳しく聞きまして、その切実なる訴えを承知しておるような次第でございます。提案の理由等は今さら申し上げる必要もございませんが、なおすぐ引き続きまして行政部長から一応のお話を申し上げたいと存じ上げます。  どうかこういう意味で、本国会におきまして皆様方の御審議によりまして地方公務員法等の一部改正法案につきましてすみやかなる御可決あらんことを、切にお願い申し上げる次第でございます。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それでは次に地方公務員法等の一部を改正する法律案を議題として、提案の理由の説明を聴取いたします。藤井行政部長。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政部長)

○藤井(貞)政府委員 提案理由の説明はすでに先般長官から申し上げておりますので、私から内容の概略につきまして御説明を申し上げておきたいと思います。  今回の地方公務員法の改正の内容は、大まかに申しまして四点ございます。その第一点は、市村町の公平委員会の廃止の問題でございますが、現在置かれております市町村の公平委員会はこれを廃止いたしまして、その事務を都道府県の人事委員会に処理せしめるという点でございます。この公平委員会の制度は、御承知のように昭和二十六年から実施せられたのでございます。ただ同委員会の過去の実績等をも見まするに、その処理件数というものはきわめて少いのであります。また市町村の中には、すでに開かれております方法に従いまして事務処理を都道府県の人事委員会にやらせておるという例もあるのであります。この際一般の市町村の公平事務につきましては、組織、能力ともにきわめて充実をいたしておりまする府県の人事委員会に処理せしめますことが、事件の処理自体にもきわめて適切でありましょうし、また一面市町村の行政機構の簡素化の要求にも合致するのではないか、かように考えておる次第でございます。  改正の第二点は、地方団体におきまして、条例で職員の定年制を設ける道を開こうということでございます。地方公務員法の施行前におきましては、地方団体において停年制を設けていた例がかなり多かったのでございますが、現行の法律のもとにおきましては、停年制を設けるということ自体に解釈上の疑義があるのであります。その結果、各地方団体におきましては、職員の新陳代謝ということが非常にうまく参りませんで、そのために人事行政自体が渋滞を示すというような傾向が強く現われて参りましたので、かねてその道を開いていくということについて要望が寄せられて参ったのであります。かたがた地方制度調査会の答申におきましても、この旨が述べられておるという事態もございますので、この際職員の職務の特殊性を勘案し、かつ退職年金制度等との関連を十分に考慮いたしまして、各地方団体が自主的に適宜この制度を採用できるようにいたす必要があると考えられるのでございます。  第三の改正点は、臨時待命制度の問題でございまして、臨時待命制度は昭和二十九年以来実施をせられておるのでございますが、引き続いて当分の間実施することができるようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。各地方団体におきましてはいろいろ創意工夫をこらしまして行財政の運営の合理化をはかっておるのでございますが、その際定数の改廃あるいは予算の減少等によりまして、廃職になったり、あるいは過員となった職員につきましては、それぞれの地方団体の実情に応じまして、一定の期間臨時待命を命ずることができる、そういうふうな道をなお存置をいたしておきますることが、職員の側から申しましても、その利益を保障することになろう、また人事運営の合理化を円滑に実施できるゆえんである、かように考えておる次第でございます。  第四の点といたしましては、任用候補者名簿の提示方法の簡素化をはかりますること、並びに採用試験についてかなり地方々々で経費がかかっております。受験料の徴収に関しまして規定を設けることにいたしますとともに、従来規定上整備を欠いておりました退職年金、並びに退職一時金、並びに退職手当の支給について、異議申し立ての制度を整備することにいたしたのでございます。  以上簡単でございますが、改正案の内容について概略の御説明を終りたいと思います。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それではこれから質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許すことにいたします。亀山孝一君。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 地方公務員法の一部の改正、すなわち俗に言う地方公務員の停年制の問題につきまして前国会におきましても、太田自治庁長官よりきわめて切実なるこれが提案の理由の御説明がございました。本日もまた同様な御説明がございましたが、私がまず第一にお伺いしたいと思いますことは、この停年制の問題の理由として当時太田自治庁長官のお述べになりました点は、一つは地方の官界に清新なる気風を注入するということ、いま一つはこれによって財政的の面を考慮しておるということ、この二つの点がおもな理由であったと思います。第一の点については、あとでまたお伺いをするといたしまして、第二の地方財政の問題につきましては、その後政府の施策によりましてだいぶん好転してきたように思います。従ってその面におけるこれの理由は消滅したのではないか、消滅と極端に申し上げるほどでもありませんが、幾分緩和されてきたのではないか。そうすると単に清新なる気風を地方公務員に入れるという点であると思いますが、その点どういうふうにお考えになりますか、この際お伺いしたいと思います。まずいろいろの点から見まして現在継続審議になっておりますけれども、これをこの際どうしても通過させたいというその点の大臣の御希望を、いま一度率直にお話し願いたい。先ほど六団体を代表しまして友末茨城県知事がるる申し述べられましたが、そういう点も一つお含み下さいまして、はっきりとお話を伺いたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 御質問の点は二つに分けまして、一つは私の申し上げる新陳代謝、今亀山委員の言われました清新なる行政体にしようという問題でございます。第二の点は地方財政の現状において、だいぶんよくなったのであるから、その意味における公務員制度の改正、停年制の実行ということは意義が薄らいできたのではないか、こう二つの御質問と存じます。  第一の点につきましては、申し上げるまでもなく第二と関連を持たない意味におきまして、いわゆる新しい人がかわっていって、そうして年々出てくるこれらの人を吸収していくようにしなければならぬ。一般的に見ましてだいぶん長い間仕事に関係した人が多うございまするので、一般の公務員のうちでも、特に町村等におきましてはかような状況が見られるのでございます。私は首切りというような忌わしい意味においてこれを考えるのでなく、ことに行政整理というような意味でなく、ほんとうに新市町村が生まれるに当りまして、各地に行って見ましてもこれを実際に行うにつきましては、相当な力のある方がやり遂げていかなければこの事業はできない、かように感じておる次第であります。しかも先ほど部長が申された通り、かつてこの法律はあった、条例もあった、しかるにこのなき後におきまして新陳代謝の実が行われなかったという事実を考えてみますると、この点は私がこの前に申し上げた以上に、ことに町村合併等の問題が進んでくるにつれまして必要性が加わってくる、私はそう思うのでございます。  第二点につきまして、地方財政の現状を率直に申しまして、非常に御批判もございましたが、涙の出るような態度をもって地方行政、財政の整理に当られておる当務者に対して、私は感謝にたえないのでございますが、その結果どうなったかと申しますと、三十年度の決算が先般出まして、発表いたしましたときのことを申し上げたいのでございます。なるほど赤字は減りましたが、赤字がなくなったのではございません。赤字の増加の程度が鈍った、赤字増加の鈍化の状況にございまして、よく地方が非常に熱心に人事あるいは一般の経費等につきまして整理したからよくなったということをすぐ早のみ込みすると、黒字にでもなったように感じられますが、断じてさような状況ではございません。今もし従来のやり方がこのままに行くものといたしましたならば、だんだん進んで行く地方状況に通じてのいろいろな事業の点その他を考えてみますれば、今こそやってきた仕事を完成すべくかたくやっていかなければならぬときでございまして、この意味におきまして総合的に、一般的に歳入歳出も加えましてかたくしていく、この方法においては寸分今までの手をゆるめることができないと私は思うのでございます。私の総合という中におきましては、人件費の整理という問題もあり、また新陳代謝を意味する地方公務員制度の改正という問題も含んでおることは、あらためて申し上げるまでもございません。さよう御了承願いたいと思います。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 大体一応の御説明はわかりましたが、そこで、この地方公務員の停年制につきまして、最もわれわれが批判しなければならぬ問題の点は、従来自治庁においても太田国務大臣も、大体地方公務員というものは国家公務員に準ずるものであるということを絶えず言っておられますが、前国会におきましても御質問申し上げたのでありますけれども、国家公務員に対する停年制もしかれざる今日、地方公務員の停年制をそれより早く、しかも準ずべき地方公務員の方から停年制をしくということはどんなものであろうか、これは非常に論議されておる問題であり、本案の審議については重要問題だと思っております。前国会後、新聞の発表によりますと、政府は国家公務員の停年制の問題を、次の国会に提案するかのごとき新聞の記事があったのであります。それならばそれを待って地方公務員の停年制を出すべきではないか、こういうような気もいたします。そこでお伺いした値のは、国家公務員の停年の問題を、政府はどういうようにお考えになっておるか、それと関連して今回御提案の地方公務員の停年制をどう考えておられるか、その点を一つお答え願いたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 その点もこの前の国会で御答弁申し上げたことでございます。私が常に言う、たとえば年末手当についてあるいは給与の増額について、国家公務員にありますならば必ずこれに準ずべきであり、自分の立場からしてこれを除外したような給与の問題は取り上げることができないということは、私が今の立場にある限りはかたくその通りやっていくつもりでございます。公務員の停年制問題につきましては、この同じ問題を二回にわたりまして、地方制度調査会におきまして国家公務員の立場と地方公務員の立場とを区別されて答申されたのでございます。すなわち現状は国家公務員の方は何と申しましてもだんだん新陳代謝が行われておるのでございます。しかるに地方自治体の方におきましてはこれが行われぬという現実をつかまえまして、この前の答申におきましてもまず地方公務員から始むべきものである、こういう建前のもとに立てておるのでございます。しこうして政府が次の国会におきまして給与の問題及び国家公務員の停年制の問題をどうするか、こういう問題につきましては、今閣議に出る段階になっておりません。しかし問題は順序から申しましても給与の点が先になって参りまして、公務員の停年制問題はその次になると私は了解しております。現状におきましてはまだその点は確定しておりません。けれども事実が国家公務員の場合と地方公務員の場合とかような状況にあるということは、私がこの前の国会におきまして申し上げた通りの事情でございます。さよう御了承願いたいと存じます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 そうしますと、結局は筋としては、国家公務員に準ずべき地方公務員の問題であるから、これは当然統一歩調がいいけれども、現実の問題として地方公務員の停年制をしく方が切実の問題であるからというお話でございますが、その点をもう一つ具体的にお話しを願いたいと存じます。これに関連して、私は国家公務員の停年制というものは言うべくしてなかなかできないと思うのです。その点の見通しをもう少し大臣からお伺いしたい。  それから現実の問題ということにつきましては、これはわれわれの聞いておるところでは、各府県市町村等においてその長がしっかりした腹がまえをすれば、法制がなくともこれを実行し得る、停年制に近いことが勧誘によって実行し得るというような話も聞きますし、また事実そういうこともわれわれはその通りと思いますが、そういう点に対して、現実の地方公務員のあり方について、どうしても法制を持たなければならぬという理由を、いま少しわれわれが納得できるように御説明を願いたい。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 第一の国家公務員と地方公務員との停年制の現状がどうなっているかという数字的説明につきましては、五十五才以上、六十才以上に分けまして、都道府県と市と町村に分け、地方教職員についてはなお団体別に分けて、さらに小学校、中学校、高等学校までに分けて御説明いたします。それに対して国家一般職員がいかなる状況にあるかという比較を申し添えますが、数字のことですから、すぐあとで申し上げます。  第二の点につきましてそんな法律を作らずとも、実際においてそういうことがやり得るではないか、やっておるところもあるではないか、その通りでございます。全国におきまして、大まかに言って二十府県と思いますが、話し合いによりましてことに労働組合等との話し合いによりまして行われているところがございます。しかしかようなことが行われるといたしましても、その年のそのときの問題の処理にすぎません。筋としてどうあるべきかということ、また停年制というものの意味が、新陳代謝としてこの日本国民のうちのお互いの生活の将来というものを考えた場合に、どうあるかという建前から申しますると、今二十数府県においてかりに処理されたものがあるとしても、それをもって水準とすることは私はむずかしいと存じます。またかりに二十数府県に行われたといっても、条例もなく法律もないようなところで、これを行うといっても何にもできないのです。行おうとすれば、それこそ法律に関する問題になって参ります。従って、私といたしましては停年制というものの本来の意味を御了解願いまして、筋としてこの制度を設けなければならぬ、かように考える次第であります。第一の問題については、藤井行政部長から数字的にお話し申し上げます。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政部長)

○藤井(貞)政府委員 地方公務員の年令構成の問題でございますが、五十五才以上の点につきまして、御参考までに申し述べてみますると、一般職員に一つきましては都道府県において四・五%、市において六%、町村において八・三%、かように相なっております。それから教育職員について申しますと、都道府県が三・八、市が一・四、町村が〇・八、また学校種別で申しますと、小学校が〇・九、中学校が一・三、高等学校が三・七、また学校の事務職員について見ますと一七・四、かようなパーセンテージに相なっている次第でございます。ちなみに国家の一般職員について見ますと、これは四%、かように相なっている次第でございます。  以上によって明確でございますように、特に一般職員等についてこれを見ますと、市なり町村の職員構成というものにつきましては高年令者が相当の比重を占めているのでございます。もちろん話し合い等によって実質上の停年制というようなことが行われている例もあるようにわれわれも承知をいたしておるのでございますけれども、一面におきまして、その話し合いということ自体、これは終局的には職員自体を拘束するものでもございません。また町村におきまして、特に年令構成の刷新等を行いたいというような切実な要求を持っておりまするところにおきまして、その道を全然閉ざしているというようなことは現実の姿に合わないのではないか、そういう事態に即応いたしまして、停年制をしこうと思えば、その団体々々の実情に適してこれをしき得る道を開いていくのが適当ではないか、かような考え方をいたしている次第でございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 非常に具体的な御説明で、数字の点は満足いたしましたが、その話し合いの場合、多くの場合あとの生活ができるものならばあえて固執せぬだろうと私は思う。多くの人はその話し合いの場合に結局これを拒否するのは、その生活の保障がないからだ。この問題はやはり停年制をしかれると如実に現われてくるのです。今度は法の規定によってやめざるを得ない、その生活保障はない、こういう点を考えますと、むしろわれわれの考えでは話し合いも一つの方法じゃないか、こういう気がいたすのでありますが、その点国務大臣として自治庁長官はどういうようにお考えになりますか。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 いかなる立場にありましても、その職を離れるということは、その人にとりましては非常に痛切なる、またわれわれとしても深く考えなければならぬ点でございます。退職金によって将来の生活全部をカバーするというようなことができ得ざることも考えねばなりませんが、こういう点につきまして、一時金なりあるいは恩給あるいは共済組合関係の一時的の手当等によりまして、その場の問題は防ぐことができると思いますけれど、一般的の生活保障という問題になれば、一般的の場合におけるも同様な問題でございましてこれは国家として考えなければならぬ問題と考えております。この問題は私はもっと幅の広い問題と考えております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 あと少し具体的な問題に一ついてお伺いしたいと思います。  第一は、かりにこの法律がねらっている年令の問題、これは前回にも御質問申し上げましてお答えをいただいたのでありますが、もう一度確認しておきたいと思います。それは多くの人の説は五十五才見当が停年制のねらいであろうと言っておりますが、しかし前国会で参考人として来られました新潟県知事は四十五才というようなことを言われまして、実は非常に問題になったのであります。そこで、大体この停年制は各府県、市町村それぞれの条例できめる、各団体の意思によってきめると思いますが、大体年令はどういうところを適当と思われますか、その点をお伺いしたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 問題の根核にわたる点でございます。ある知事が四十五才と言われたというようなことは、私の常識ではどうも受け入れることはできません。私の知る範囲におきまして、また私の信ずる範囲において申し上げまするならば、財界等が大体五十五才かと記憶しております。それから一般の官界におきましては、裁判官でございますとか、あるいは防衛庁関係の役人といったものにもずっと低い三十何才かというような停年の制度もあるかのように思いますが、しかしこういう特別の場合を除いてみますれば、一般財界の場合その他におきまして五十五というのが一つ目安ではございますまいか。これはなお十分考えなければならぬ点もございます。なぜ十分考えなければならぬかといえば、医学の進歩も考えなければなりませず、生活の問題も考えなければならず、あらゆる点から見まして、まず五十五というのが今日の状況じゃなかろうか。人生五十というのが実際にはもう六十以上にもなる、こういうような実態もありまするので、医学という点も私は尊重して考えるべき点かと思います。ただ現状におきまして、常識的に申しますると、四十五才というのではいかにも若老人ができ過ぎると思います。五十五才見当が常識的な、また日本国民の一般的に考えているところじゃないか、私はそう思うのでございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 大臣のようにお年の割に非常にお元気でお若くお見えになる方もありますが、それでは五十五才が適当かどうか。大体常識としては五十五才でございましょう。そこで私はきょう陳情を受けたのでありますけれども、高等学校の先生方の例をとりますと、現在は、師範学校を出た人とかあるいは高等師範を出た人、いわゆる大学を出た人あるいはさらにそのほかの教育を受けた人たち、そういう人は、学校を出てからの勤続年数によって判断されて五十五という停年で切られると非常に困る、学校に行った年数だけはこれから差し引いてもらいたい、こういうような陳情を受けまして、五十五という停年を切るとそういう方が学校に行っただけは悪く言えばむだになる、退職金の例もありまして、なるほどごもっともと思ったのです。これは五十五才という一応の目安であって、そういう点はしかるべく自治庁の方でかりにこの法案が実施される場合には、適当にしんしゃくされますかどうですか、その点を一つお伺いしておきます。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政部長)

○藤井(貞)政府委員 停年の最低年限をどの程度にすべきかということにつきましては、ただいま長官から御答弁申し上げた通りでありまして、大体社会的な常識から見ましても、あるいは公務員のいろいろな面の実態から見ましても、五十五才程度、これを下るということは適当ではないのではないかという考え方をいたしておるのであります。そういうような点を基準として示しまするために、法案におきましても退職年金及び退職一時金との関連において適切な考慮が加えられなければならない、このような規定のいたし方をいたしておるのでございます。ただ五十五才というような点を一律に出しますることはむしろいかがであろう、地方の実情によりますると、あるいは五十五才よりも若干上回った線が適当であるというような考え方が出て参る地方団体もあろうかと思います。さらに今亀山委員からお述べになりましたような職員の職の特殊性ということから見まして、いろいろ実態があって、必ず停年というものが一律一ペんに教員も一般職員もその他の単純労務者も全部含めて五十五才なら五十五才にしなければならぬという筋合いのものではないわけであります。その点、実情に合った配慮をして参ることは当然のことでございます。公務員法自体におきましても当然そのような余裕のある規定をいたしておりまして、われわれといたしましては、それぞれ各地方団体の実情に合った適切な措置が講ぜられることを期待をいたしておるような次第でございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 ただいま行政部長が触れられました普通労務者、単純労務者の問題は、前国会でも申し上げたのですが、特にこの年令を切ることについては十分考慮しなければならぬ、またその際申し上げましたが、海外からの引揚者も当然考えてやらなければならぬ。それから、子供を抱いている母の問題、いわゆる母子、こういう人たちのことを考えますと、今お話のように十分取捨はできるというものの、特にその点をこの法制を作る以上は考えなければならぬではないかと思う。今お話にありましたが、五十五才以上になることは、ある意味においていろいろ事情もありましょうが、まさか五十五才未満——新潟県知事のように四十五才でやるようなことはないと思いますが、あった場合はどうされますか、その点を一つお伺いしたい。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政部長)

○藤井(貞)政府委員 先刻長官からも申されましたように、新潟県知事の発言が今非常に問題にされておるのでございますが、われわれといたしましては、率直に申して四十五才というようなことは常識で考えられないことではないか、かように考えておるのであります。私から新潟県知事を弁護するわけではございませんけれども、おそらく四十五才という考え方を述べましたのは、あるいは一般のわれわれの人生に処する態度と申しまするか、そういう点から、第二の人生に移っていくような場合は、五十になってはおそい、むしろ四十あるいは四十五才をめどにして、次の第二の人生に入るという決意をするならばそういう時期が一番いいのじゃないかという意味合いで言われたのじゃないかというふうに考えております。まさかほんとうに本心から、停年を考えた場合に、これを四十五才にすべきだというようなお考えはないのではないか、かように考えておるのであります。ただ、そのような事例が具体的に出て参りますることは、われわれとうていないと思います。これは条例でもって規定をいたすのでございますし、条例の段階におきましてはそれぞれ原案作成において、組合側の御意見等も十分に聞き得る余地もございます。また、条例自体が議会に提案されまして審議の対象になるのでございますので、そのような没常識、非常識な案はわれわれは考えられないのじゃないかと思いまするが、もしかりに四十五才というようなものが出て参ったといたしまする増合におきましては、われわれといたしましては自治庁長官の権限を発動いたしまして、これに対しまして適切なる助言、勧告の措置を講じたい、こう考えております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 お話のように、非常識という言葉は悪いですけれども、多少いろいろな事情で今のようなことがないとはいえないと私は思う。ことに、最も懸念されるのは、先般も同僚五島議員ですかおっしゃられましたが、静岡の例を一部とられ、それに関連しておったと思いますが、婦人に対して多少停年制の年令制限を変えるのじゃないか、こういう懸念が多分にある。そういうような問題もあわせて今勧告をされるということですが、これは相当に自治庁におかれても、そういう問題に対してははっきりした標準を、この法案をお出しになる以上は持っておられますかどうですか。大体大事な問題であるだけに、非常識というわけではないけれども、今のような四十五とかあるいは男女を区別するとか、そういうようなことの場合には、適当に今の勧告等をなさるはっきりした御決意があるかどうか。その点をもう一度繰り返して、これは大臣からお伺いしたい。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 年令の問題を条例事項にするか法律事項にするかという問題にも関連するかと思います。ただいま部長が言いました通り、各地の良識によりましての、また情勢に合った年令制というものが条例として現われることを信じ、かつこれに対して間違った場合には勧告もいたしたいと思います。参議院における附帯決議にあったと記憶いたしておりますが、いろいろな場合、先ほどお示しになったようなあるいは引揚者の場合、あるいは婦人の場合、こういったような問題は全面的に考えまして善処をしなければならぬと思います。大まかな線としては五十五才、こういうところで行きたいと思います。先ほど学校の生徒として学校におる年限が長いから、こういう問題でございますが、学者としていきます場合におきましては、学校の教授等においては特別なる年限がございます。ただ一般に職を得るために学校へ通ったということになりますと、一般の労働関係から出た方々との関係がございますので、これによっての区別ということは私は少し納得しかねる。そういうものじゃない、かように考えるのでございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員 最後に申し上げたいと思いますことは、この法案がいよいよ継続審議が始まるということになりますと、いろいろと各方面から陳情がございます。私はその陳情の趣旨もごもっともと思っておる点もありますので、それをまとめまして、明日もう一度私はまとめた上で質問を申し上げたいと思いますので、質問を保留して、一応私の質問はこれで終ります。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 次に鈴木直人君。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 この停年制の問題を考える場合に、二つの立場からこれをわれわれは検討しなければならぬと考えております。  第一は、先ほどから議論になっておりまする地方自治体の運営の能率化とか、あるいは新陳代謝による能率化というようなこと、財政の負担を軽減するというような、地方団体、いわゆる使用者側という立場からこれを検討するということは、これは一つの点であります。しかしながらもう一つの点は、やはり地方団体に一生をささげておるところの地方公務員の立場ということも、対等の考え方をもって検討しなければならない。この二つの検討が納得いった場合に、私たちは確信を持ってこれの結論に達することができる、こういうふうに考えておるわけであります。地方公共団体の立場におきましては十分了解いたしておるのでありますが、地方公共団体に勤めている地方公務員の方々が非常にこの停年制におびえておるというのが現実でございます。  そこで第一点は、先ほど大臣は停年制をしかれているものがある、自衛隊、それから大学の先生とかあるいは裁判官とかというものは、すでにそういうふうなのがしかれておるのでありますが、これらの方々は法律にあらかじめ規定されておりまして、その法律を承認しつつ勤めておるわけであります。この地方公務員と地方公共団体との関係は、おそらく公法上の雇用契約だと思います。そうしますと一方は雇う、一方は雇われる、こういう自由意思による契約ということになると思うのであります。この自由意思による契約をする際に、停年制というものが法制的にしかれておらなかったという場合には、停年制がないという考え方のもとに自由契約、雇用契約が結ばれてきているのだろうと思うのであります。多くの地方公務員はそういう考え方で現在きておるのでありますが、この際に法律的に条例をもって停年制をしくことができる。そうして条例が地方団体の意思によってしかれる。これはもちろん地方団体は議会の議決を経てやるのでありますから、地方団体の住民の意思も加えられるわけでありますけれども、その条例は少くとも新しくしかれることになるのであります。こういうふうに条例がない前に自由契約によって行われてきたところの雇用関係の人たちが、突然そういう新しく停年制によって、かりに五十五才あるいは六十才になるならばやめなければならぬという法律を作るというところに、自治体に入る人の考え方との差異があるのではないかというふうに思うのであります。この点についてこの停年制を実施しようとする政府といたしましては、どういうふうな考え方と解釈をしておられるか、その点をまずお聞きしたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 地方団体と地方公務員との関係は雇用関係と私も思います。すわなち自由意思による雇う、雇われるの関係かと思います。その現実におきまして現在の公務員の雇われ、雇っておる関係がこのままではいけないというところに、公務員制度の改正をして停年制をしこう、それをやることが——もちろん法律事項でございますので、条例にまかすにしても、法律としてこれを制限していく場合におきましては国会にかけて、その正しさを十分御審議願わなければならず、われわれ提案者といたしましては地方制度調査会等の学識経験者などの御意見も十分入れまして、これが法律事項として条例によって定むべきものである、こう考えたのでございまして、制限ということにおきましては法律によらなければできないと思います。自由意思によって雇用関係にあるということは、御指摘のように私は考えます。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 自由意思で契約されているのを法律によって後に自由意思の一部分を停止するということは、それは法律的には可能であることはもちろんであります。しかしながら自由意思によって今までに職に奉じていた人たちが、突然そういう法律を規定されることによって、将来に対するところの一定の制限が加えられるということになるわけであります。こういう条例ができた後に、その条例を承認しつつ入ってくる者にはそう異議はないでありましょうが、ここにやはり反対し、あるいはショックを受けるところの理由があるのではないかと思うのであります。法制的にこれをやるということは可能であり、法律によって委任された条例でやっていくことも可能でありますが、こういう制度を実施するという場合に、もっと強い理由がないものかということを考えて今御質問をしたような次第であります。  次にこの停年制によって起る結果であります。停年制を実施することによって、さしあたりたとえば五十五才以上の職にある者があるわけでありまして、それは過渡的に退職しなければならぬという結果になるわけであります。おそらく赤字財政を解消するという必要があるという点も、その五十五才以上の者に退職してもらって新しい人を入れることによって財政の解決もし、また新陳代謝もしたいというところにねらいがあると思います。とりあえずたとえば五十五才以上の者に全国府県、市町村で停年制がしかれたと仮定した場合に、どの程度の人数の者がそれにひっかかるのか、調査がありましたらお示しを願いたいと思います。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 その点は最も私の心配した点でございまして、この法律がかりに通ったとして、条例がかりに設けられたとしても、全国一律一ペんに行われるということは、私はやり得ることであるかもしれませんが、それを期待しているという意味はございません。しかしやった場合にどうなるかという数字は、御参考までに申し上げることができます。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政部長)

○藤井(貞)政府委員 かりに五十五才以上の方々について全部停年によってやめるというような事態が生じたと仮定いたしました場合の数字でございますが、地方の一般職員につきましては、都道府県が一万二千九百六十四人、市が一万五千七百六十七人、町村が一万四千八百三十二人でございまして、一般職員の合計は四万三千五百六十三人、かように相なるわけでございます。それから今度は教育職員でございまするが、都道府県が三千五百五十一、市が三千三百五十六、町村が二千三百五十一、計九千二百五十八人、それに学校の事務職員がございますが、学校事務職員は性格上非常に高年令の方が多いのでございまして一万五千十二人、以上のようになっておる次第であります。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 ただいま申し上げた数字は参考資料として差し上げたいと思いますが……。  それから一方にかりにこれをやっても、片一方でまた埋めていく問題がございますので、つまり行政整理と違った意味で御了解願わなければならぬと思います。一方を切るということだけで見ていきますと、こういう数字が出てきますが、その点につきましては私としては十分注意しなければならぬと思います。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 私の申し上げているのは、それらの人たちが非常に気の毒だという考え方であって、それにかわる人を考えているわけではありません。それらの方々が停年制をしくことによって職を失うという結果になるわけであります。これは全体のためにいわば今まで考えておらなかった退職ということがこの法律によって強制されるということになるわけでありますから、過渡的にはそれらの方々に対するところのいわば犠牲といってもいいかもしれませんが、そういう方々が非常正気の毒だという考え方を持って、何人くらいそれにひっかかる人があるかということをお聞きしているのであります。そのためにあとかわるという人については、あまり同情の問題も……。従ってこれらの方々が、この停年制を実施することによって職を失うことになるのですが、若い人は停年制ということを知って五十五才なり六十才になれば、その後にどういう人生設計をするかということが、もう明らかになっておりますから、その後におけるところの考え方もあらかじめ計画を立てておると思いますけれども、現在当面ひっかかる人、あるいは二、三年後にひっかかる人たちに非常に気の毒であるという感じがするわけであります。従いましてこれを実施するということに非常に決意が鈍るというのが私の心情であります。これらの方々に対しましてはどんなふうな処置をやるか、これはそれぞれ地方公共団体において退職金をやるとか、あるいはいろいろな考え方があると思うのでありますが、この法律の改正のうちに待命制度があるのでありますが、待命制度を実施するところの要件としては停年制にひっかかる者を待命制度によって救うということがこの法律に列挙した規定にはないのであります。従いましてたとえば五十五才の停年制を条例でしいたという場合には、一年なら一年、五十六才まで待命制度でもってそれを過渡的に救うということがこの改正法でできますかどうか、それをお聞きしたい。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政部長)

○藤井(貞)政府委員 停年制と待命制度の関連の問題でございますが、停年制は、これは申すまでもなく職員が一定の年令に達した場合にやめていただくという制度でございます。そのかわり新しく若い職員を採用するということを前提にしておるのでありまして、こういう点から見ますると、今までも屡次関係者から申し上げておりますように、行政整理自体とは直接の関連はないのであります。理論的には行政整理と停年制とは無関係であると考えておるわけであります。しかしながら現実の問題として考えて参りました場合に、これまでは事実上新陳代謝が十分行われておらなかったというような地方団体におきましては、高年令者が相当たまっております。そういうようなことで停年制によって退職をさせました後において、必ずしも退職させた者と同数の者を新規採用するということにはならない、そういうような場合が出て参りまして、停年制と行政整理がそれらの場合におきましてはたまたま相伴うという現象が起り得るわけであります。臨時待命と申しますのは、御承知のように行政整理を行いまする場合に、職員の立場に立って猶予期間を設定をいたしまして、との期間中においては給与は支給するけれども勤務はしなくてもいいという建前を持っておる制度であります。従いましてその限りでは停年制とは理論的にはすぐに結びつくというものではないわけでございます。ただ停年制と行政整理が先刻申しましたように相伴って行われるという場合におきましては、停年退職者は同時に行政整理による退職者であるというふうにも言い得るわけであります。すなわちその際には定数の削減なりあるいは予算の減少というような措置が同時に行われることに相なりますので、これが同時に起り得る可能性も出てくるわけでございます。そういうような意味におきまして、行政整理の一つの方法でございまする臨時待命制度というものと関連をつけて行い得る場合におきましては、停年制の場合におきましても同様の措置が行われるという関係が出て参ると思うのであります。いずれにいたしましても、先刻来お話がございましたように、急に予測しない停年制というものがしかれるために、近々停年に達する、あるいはすでに停年に達しておられる方々のお立場というものは、まことにお気の毒なお立場であろうということはわれわれも万々推察をいたすのでありまして、そのような場合におきましては、臨時的、過渡的な方策といたしまして、一種の猶予期間を持つ臨時待命制度に準じた措置を講ずるとか、あるいは待命制度自体を活用するとか、あるいはその他の方式をあわせ考えることによりまして、それらの方々の生活保障等につきまして、できるだけの措置を講じていくという方向に物事を考えて参りたい、かように考えております。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 ただいまの説明によりますと、臨時待命制度は行政整理をやるとき以外には適用にならない、こういう規定になっております。そうしますと、たとえばある町村役場で百名の定員があった、そのうちにたとえば三名なら三名が停年制にひっかかる者があるという場合に、それを九十七名に定員を減らすという場合には行政整理になるのでありますから、その三人は臨時待命制度を適用することはできる、しかしながら百名の定員はそのままにしておいて、そうして停年制だけをしくというような場合においては臨時待命制度の適用はない、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政部長)

○藤井(貞)政府委員 お述べになりましたような事例においてはその通りでございます。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 従いまして行政整理、いわゆる定数を減らすということを同時にして、その余った部分を停年にひっかかる人に退職してもらうという場合には、その範囲内において一年なり二年の待命制度が実施されるけれども、行政整理というものを全然やらない、ただ単に停年制だけをしくという場合には、臨時待命制度によるところの救済方法はない、こういうことがはっきりいたしておるわけでありますが、そういうように行政整理を伴わないような場合において、何らか対策がありますかどうか。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政部長)

○藤井(貞)政府委員 ただいまのような場合におきましては、臨時過渡的な方法といたしまして、現在の制度として認められておるものに有給休暇制度というのがございます。これを活用いたしますことによって、実質は臨時待命制度と同様な効果が上げ得られるのではなかろうか、かように考えております。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 次に、私は福島県でありますが、福島県あたりの実際の状態を見ますと、中、小学校の先生は大体五十二、三ぐらいで一番高給者になったということで退職しております。従いまして五十五まで先生でおるというようなことは非常に少いという実情であります。かりにそういう県で五十五才の待命制度をしいたという場合においては、地方公務員の権利として、五十五才までは職を奪われないという裏の方面の権利といいますか、要求のようなものが出てきやしないかと思うわけなんです。停年制にひっかかる者は大体市町村の合併されたところが多いのであります。県によって違うと思うのでありますが、どうも学校の教員などは五十五才の停年制をしかぬでも、私の県では現実にひっかかる者が非常に少いように思うのです。従ってそういうところにおいては、五十五才の停年制をしくことによって、五十五才になればこれは当然職をやめなければならぬ、しかしながら五十五才までは自分たちは安定して職についていくことができるという、その法律を作ったために逆にそこまではやっていけるんだというような期待権がそこに生まれてくるのではないか。大学の先生とか判事なども停年制がありますが、現実に見ますと、六十なら六十になるまではやめない、そうして停年になった場合には、当然これはやむを得ないことと思ってやめていくという現実があるのでありますが、そういうようなことになりましたならば地方財政の解決にはならない。むしろ地方財政の負担が非常に多くなるという結果になるのじゃないかと思うのです。そういう点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政部長)

○藤井(貞)政府委員 停年制の目的なり効果というものは、まさしく今お述べになりましたそういう点にあるわけでございまして、たとえば五十五才なら五十五才にきめました場合におきましては、それぞれ職員自体がいつやめさせられるかわからないというような不安な状況から脱しまして、それぞれ一つの目途を持って第二の生活設計を立てられる、また退職後の生活設計が立てられるという状況になるわけでございます。従いまして、その反面五十五才以下であるという場合におきましては、地方公共団体の実情において、実際問題としては五十五才まではおらないというような実態がございますところにおいては、地方団体自体においても客観的な情勢から判断をいたしまして、その採否についていろいろ慎重な考慮をめぐらすでございましょうし、また停年制をしく限りにおきましては、従来五十才でやめておったというような人もそこに落ちつきができて、五十五才までは安心してやれるというめどがついて参ることは、当然のことでございます。この限りにおきまして、もしそれをやれば財政的な負担という面から見てどうかというような点でございますが、これは停年制自体がいろいろお話を申し上げておりますように、財政的な面だけを考慮しておる制度ではございません。もともと本来的には人事管理の面から申しまして、新陳代謝の渋滞を打開して、清新の気を行政に注入しようということが本来の目的でございますので、そういうような点はやむを得ないのではないか、かように考えております。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 ただいまの政府の説明によりますれば、この停年制の問題は、現在停年制にひっかかっておる人たち、あるいは近くひっかかるだろうというところの人たちには非常にお気の毒な制度ではあるが、まだ前途洋々たる地方公務員に対しては、停年制の最高限度までは安定して職につくことができるという期待権が持たれるということであるならば、これは地方公務員のほとんど大多数のあるいは望むところであるかもしれないというふうに考えられるわけであります。  次にお伺いしたいのは、この条文の中に例外的な、適当な考慮を払わなければならないというようなところの中に、「職員の職の特殊性」ということが言葉としてありますが、これは具体的にはどういうものを考えておるのか、自治庁の立案者としては何らかの考え方を持ってこういう言葉を使っているのか、あるいは職の特殊性というものは、それぞれの地方団体の自主的な決定に待つ、こういう考え方で規定しているのか、その点をお聞きしたい。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政部長)

○藤井(貞)政府委員 「職員の職の特殊性」というのは、どういうことかという問題でございますが、これは地方団体自体でいろいろ職員の種類がございます。職の種類もきわめて雑多に及んでおるのでありまして、一がいにはどういうものであるというふうに規定いたすことはむずかしい問題でございますが、われわれ考えておりますのは、たとえば単純労務者のような方々、先刻学校事務職員につきまして申し上げましたように、これは高年令者が占める率が非常に高いのであります。この高いというのは、反面から見ますと、停年制というものをしがなければならない必要性が多分にあるという意味ではなくて、むしろ実態が高年令者でなければ適当でない、またこういう人でなければなり手がないというようなことも、反面からいえば見得るのであります。そういうような点で実態によってみますと、今申し上げましたように清掃夫あるいは小使さんというような単純労務の方々というものは、職の特殊性の中に考えていっていい問題ではあるまいか、かように考えるのであります。またその他特に技術的あるいは専門的な事柄に関係を持った職、たとえば非常に高度の技術を要します工業技術研究所といったような技師の方々、そのついておられる職務の特殊性というものも考えられるのではないかというふうに思うのでありまして、われわれといたしましては、以上申し上げたような例をこの職の特殊性の範疇において考えておるのでありますが、ただ一般的、一律的に申し上げることはきわめて困難でございまして、非常に雑多な内容を持っております凡百の地方公共団体でありますので、その法律の精神というものにかんがみながら、それぞれ具体的に実情に適した取扱いがなされることが望ましい、かように考えております。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 社会党の方で四時から何か用事があるそうで、きょうは質問を打ち切ってくれ、社会党の方からも質問をちょっとやりたいという申し入れがありましたので、きょうは私は打ち切りまして、後日質問することにして保留しておきます

北山愛郎日本社会党

○北山委員 関連して。きょうは実は地方財政の問題の方が、いろいろ重大な問題が当面あると私どもは考えておりましたので、財政問題をやろうかと思っておりましたが、先刻来公務員法の質疑を聞いておりますと、これは非常に容易でない問題だ。今までも公務員法の改正についてはいろいろな疑問を持っておりましたが、その疑問がただいまの質疑によって部分的に明らかにもされないで、むしろそのいろんな疑問がますます増大するばかりであります。それでこの点についてはいずれまた時間を十分いただきまして、わが党の委員諸君も徹底的に究明したい、こういう気持でおりますが、ただ一点、ただいまの質疑の中で感じたことについて、太田長官にお伺いしておきたいのです。  それは、この案件は前国会からの継続審査の問題でありますが、しかし今の御説明のように、一つの恒久的な公務員制度の重要な部分を占めるような制度の改正なのであります。従って一つの政策的な意味もそこにあると思う。ところが鳩山内閣は、今の政府は、もはや今年の暮れにはやめるであろうというような、もうその点が明らかになっておって次の総裁が生まれようとしてなかなか生まれないでおるような事態で、だれが見てもこの鳩山内閣はもうやめるということが、大体予定されておるのです。ですから、こういう公務員法の改正というような重要な問題を、しかも将来においてこの法の運営についていろいろ考えなければならぬようなものを、この国会で通さなければならぬということは、私はおかしいのではないかと思うのです。ただいまそれでお伺いするのですが、太田長官はこの法の運営について行き過ぎがあれば勧告もするのだというようなことを言っておりますが、そういうことをほんとうの確信を持って、政治的な信念と良心を持って将来に向って言えるのですか。鳩山内閣がやめても太田自治庁長官は長官でおられるのですか。その点はなはだ疑問でありますから、その点についてお伺いしておきたい。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 政治的の運行につきましては私は申し上げません。継続審議ということで与えられた法律を、国会法のもとにおきまして当然処理すべき国会の立場からであると思っております。私自身もしくは政府自体の今後の措置という問題は、政治論としては私も席を改めて申し上げたいこともございますが、この席で私から申し上げる段ではございません。いわんや私の一身上のことなどについては、何ら申し上げることはできないと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 私は政治論としてお伺いしたわけなんで、従ってかりにこの法律ができ上った場合の解釈論として政府が御答弁になるならいいと思うのです。しかし今後の運用とかあるいはこの法に基く勧告をするとか、そんなことまで言われると、こういう質問が言いたくなってくるわけなんです。その点はおわかりになると思うのですが、先ほど申し上げたように、この法律についてはいろいろな疑問点がたくさんございますので、いずれまた時間をいただきまして申し上げます。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それでは本日はこの程度にして、次会は公報をもってお知らせいたします。    午後四時十九分散会

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