大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1956/12/19
会議録
○古川小委員長 これより金融に関する小委員会を開会いたします。 金融に関する件について調査を進めます。奧村委員より質疑の通告がありますので、これを許します。奧村君。
○奧村小委員 当委員会で質疑続行中の第一相互銀行の件について、銀行局長にお尋ねを申し上げます。 去る十二月十五日、警視庁の方で前第一相互銀行常務取締役渡部虎雄、前第一相互銀行営業部貸付課長前田彦、この二人に対して、商法違反、特別背任罪として起訴が行われております。その起訴の事実を読んでみますると、その中に、ことしの一月十二日から六月十五日までに、第一相互銀行からスチール工業株式会社に対して、十四億六千六百万円貸し付けてあり、これに対しては十分な担保も差し入れてないということで、これが犯罪として起訴の事実になっておるわけでありますが、検査、監督の立場の銀行局長におかれては、事実第一相互銀行からそういう厖大な大口貸付がスチール工業になされておるかどうか、実際は幾らなのであるか、これを一つ銀行局長のお調べの結果をお尋ねいたします。 なおそれにつけ加えて、担保保証関係が果して警視庁の起訴通りであるか、具体的に担保保証が幾らになっておるかということをお尋ねいたします。
○東條説明員 お答え申し上げます。第一相互銀行からいわゆるスチール工業株式会社関係に巨額の貸付が行われておりますことは、ただいま御指摘の通りでございます。ただ私どもの検査によりますると、計数がただいまお示しのございましたものと異なっておりまして、スチール関係は口数が相当多数に分れておりますが、全部を合せまして、融資の残高は十五億三千五百万ということに相なっております。もっともこの十五億三千五百万円の中には、二千万円の保証を含んでおります。またお尋ねのこの融資の見合いになっております担保の金額でございまするが、これは、銀行局の検査当時の検査官の認定によりますと、四億二千八百万円という評価をいたしております。検査当時におきます銀行の担保の評価額は、九億一千六百万円と相なっております。この間に相当の違いがございますのは、銀行局の検査の方針といたしまして、担保につきましては、手固い評価をいたしまして、銀行の資産の評価を堅実に見ていく方針にのっとって担保関係の評価をいたしますのが、相当の違いを生じました原因であると存じます。一応お尋ねに対しまして以上申し上げまして、さらに私の言葉で足りませんことがございますれば、検査部長がおりますので、重ねてお答えいたさせます。
○奧村小委員 そこで、これらの貸付は今年の一月から六月までに行われた。ところが銀行局の検査は、今年の二月から始まっておる。従って、当の銀行局の検査しておる最中に、こういう不当な貸付が行われておるということ、ここにまことに疑いを持つわけであります。そこで、これに対してもちろん銀行局では、こういう不当な貸付はすでにそのときおわかりであったろうと思うが、これに対して適切な処置——法律違反であれば告発その他いろいろな方法があろうと思いますが、これに対しての適切な処置をおとりになったのかどうか、またとれなかったとすれば、どういう事情でその適切な処置がとれなかったか。導入預金その他の事情もあろうかと思いますので、その当時の適切な処置についての、当局としての立場からの事情を承わっておきたいと思います。
○東條説明員 私から一応その間の事情を申し上げまして、なお足らぬ点は検査部長から補足させますので、御了承いただきたいと思います。 スチール関係につきましては、先ほどの十五億三千五百万という融資額は、仰せの通りに本年の一月から六月十五日までの間に貸付が行われたもののみではございません。従来の取引がございまして、そういうものの残高がこの十五億三千五百万に相なっておるわけであります。検査当時に、スチール工業関係への貸し出しが相当多額に上っていることが判明をいたしましたので、担保関係から見ましても十分ではございませんので、検査の途中におきましても、もちろん検査の結果によってでございますが、このスチール関係の新たなる貸し増しということは、これは極力控えるように指示いたしましたわけであります。ただ奧村先生からもお話しがありましたように、実はこのスチール工業株式会社が、第一相互銀行の導入預金の太宗を占めておるわけであります。総額約二十三億のうち、約十九億円見当はこのスチール関係のあっせんによります導入預金であります。その導入預金の裏利を払いますためには、第一相互銀行からこのスチール株式会社に貸し増しをいたしまして、そしてスチールから導入預金者に裏利が払われるという仕組みに相なっておりますので、新しい貸し増しをいたしませんと、その裏利が払えない。従って導入預金の引き出しが直ちに起る、あるいは新たなる導入預金が入って参らない、こういう状況であったわけであります。私ども当時の考え方といたしまして、預金者のことを考えますと、第一相互銀行の再建ということをぜひはかって参ることが必要であろう、この点につきましては、先般来いろいろと御批判をいただいておるわけでありますが、そういう観点から、確固たる再建の方途がつくまでは、はなはだ遺憾なことではありまするが、導入預金の裏利を払って参る、そうして当面の導入預金の関係の資金の繰り回しをつけていくということがやむを得ないような事情である、こういうふうに判断をいたしまして、はなはだ遺憾なことではありましたが、そういう必要な部門に限っては、引き続いてこのスチール工業関係への貸し増しをせざるを得なかったということが、六月までこの貸し出しが行われたおもなる原因でございます。 いま一つは、スチール工業関係の貸付は、相当たくさんの口数にわたっておりまするので、ある一つの貸し出しの回収が行われますると、他のところに貸し出しを行いまして、実際上その間の資金の融通を債務者側においてつけざるを得ない、さようないわゆる借りかえの関係もございまして、新たな貸し出しが行われた結果に相なっておる、かようなのが実情であります。御了承をいただきたいと思います。
○古川小委員長 本日はこれをもって散会いたします。 午後零時十分散会