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25回国会衆議院1956/12/04

大蔵委員会 第8号

発言数
125
登壇者
11
会派数
1
開催日
1956/12/04

会議録

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。横路委員より、昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案に関連して、開拓者融資について農林中央金庫の理事長の出席を求めて意見を聴取いたしたいとの要求がありますので、本日の委員会に参考人として出頭を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     ―――――――――――――

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 この際御報告いたします。当委員会において予備審査中の国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件につきまして、昨三日参議院において可決され、同日本院に送付されて、当委員会に本付託となりましたから御報告しておきます。     ―――――――――――――

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 次に去る十一月二十九日、当委員会に審査を付託されました石村英雄君外十二名提出にかかる昭和三十一年の年末の賞与等に対する所得税の臨時特例に関する法律案を議題として審査に入ります。まず提案者より提案理由の説明を聴取いたします。横山利秋君。     ―――――――――――――

横山利秋日本社会党

○横山委員 ただいま議題となりました昭和三十一年の年末の賞与等に対する所得税の臨時特例に関する法律案につきまして、その趣旨と内容について御説明申し上げます。  わが国の家庭生活の習慣は、冬季におきましては各種経費のかさむ事情にあり、特に年末、年始にはこの点著しいのでありまして、これを考慮され年末手当が支給されておりますが、いろいろの事情から十分な金額が支給されておりません。他方従来勤労者の税負担率が重いという声はちまたに満ちあふれ、その軽減の必要あることは今さら申すまでもないことと存じます。  そのため、全日本の給与所得者は声を大にしまして、年末手当の実質的向上を叫び続けて参りました。すでに今日まで数回にわたってこの種法案が提案されて参りましたが、種々の事情によりまして今日まで保留されて参りました。従って今回は、各方面の期待はきわめて強いものでございまして、各位にこの点について深甚なる考慮をわずらわしたく提案をするものでございます。  この法律の目的は、年末賞与ないし賃金等の給与所得のうち、せめて五千円までは免税にして、これらの人々の生活を幾らかでも潤したいというものでございます。この法律案により推算される減収額は、おおむね六十五億円程度と存じます。この程度の措置は、政府において何らかの措置を講じ得られるものと存じます。  以上がこの法律案を提出いたしました理由でございます。何とぞ御審議の上、御賛成あらんことをお願い申し上げます。

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 これにて提案理由の説明は終りました。本法律案に対する質疑は後日に譲ることといたします。

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 次に、在外仏貨公債の処理に関する法律案、昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案及び国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求める件の三案を一括議題として質疑を続行いたします。石村君。

石村英雄日本社会党

○石村委員 今までいろいろ質問してきたのでありますが、おもに法律論で、不可抗力による場合に利子を取るのが適当か適当でないかという点でございましたが、それでは一つ具体的に第二条について、政府の考え方をお尋ねしたいと思います。この第二条の冒頭に「政令で定める地域内に住所を有する米穀の生産者」とありますが、その政令で定める地域というのは、おそらく災害程度のことを問題にしているのではないかと思いますが、どの程度の災害について、この政令に定められる地域になるのでございましょうか、その点を明らかにしていただきたいと思います。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 地域指定の場合の災害の程度でございますが、これは平年作の三割以上ということが目安であります。ただこの三割以上といいます場合に、単位は大体町村ないし旧町村を考えておりますが、一応目安といたしましては、郡単位に二割の減収、そのうち三割以下の減収の町村ということを考えております。なお指定をいたしました郡に隣接している町村につきましては、二割の減収の郡に属さないでも、同じ条件でございますれば、すなわち三割以上の減収でありますれば、それも指定をするつもりであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 ちょっと聞き漏らしたのですが、最後の属さないというのはどういうことですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 農林省といたしましては、郡単位でございますれば、ほぼ減収の程度がわかるのでございますので、二割ということで郡を指定いたします。その中で三割以上の減収の町村を指定するわけであります。ところが郡単位では二割に達しない、しかしながら二割以上の減収の郡と同じ隣接の地帯になっている、こういうところもあろうかと存じまするので、そういうところにつきましては、郡単位で二割以上の減収でなくても、町村として三割以上の減収でありますれば指定する、こういうつもりであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうしますと、一応郡単位で二割以上のところ、こうきめるのだが、しかし二割以上にならなくても、隣の郡が二割以上であって、そうしてその当該郡は二割以上にならないが、そこに隣接して三割以上の町村があれば、その町村も指定の対象になる、こういう意味なんですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 その通りであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 もし隣接していないときはどうなるのですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 隣接していないときは、指定をいたしません。

石村英雄日本社会党

○石村委員 指定をいたさないのですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 いたさないのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 災害が起ってから、隣の関係でいいことになったり、悪くなったりするのはどういう理由ですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 指定の単位をどうするかということについては、これは御議論のように、農家単位で考える場合、町村単位で考える場合、あるいはもっと広い単位で考える場合といろいろございますが、個々の農家ということで着目するということは、なかなかむずかしゅうございますし、また大きな地域の中で、個々の部落なり、個々の農家ということについて非常な災害がございましても、これはその地方なり地方公共団体で適宜な処置も可能でございますので、やはり相当地域的な広がりをもって災害が起った、こういう場合措置をすることが相当ではないか、こう存じますので、そういう趣旨で、災害地が相当の地域に広がっておるということをどう現わすか、こういう工合に考えまして、それを先ほど申しましたように、郡ということを一つの基準と考えたわけであります。それを細目に申し上げますと、先ほどのようになるわけであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 非常に不公平が起るが、それもしょうがないという御説明かと思うのですが、郡を基準に考える。市はまた市として考えられるわけなんですか。市と郡は別になるのですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 大きな市は、これは郡に準じて考えたい、こう存じております。

石村英雄日本社会党

○石村委員 小さな市はどうなるのですか。大きなとか小さなとかいうことはどこで区別できるのですか。ただあなたの方で、大きいと見たというだけなのですか。市の大小なんというものは、どういうところでやられるわけですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 従来の市は、大体郡の区域の外でございます。ところが新しい市になりますと、郡の区域内に入れていろいろの行政をやっておるところもございますので、一律にはいきかねるかと思いますが、従来の観念で郡に入っておる、こう見られる市につきましては、新しく市になった分も郡の中に入れて考えますし、従来郡とは別に区画がきまっておるというふうな市につきましては、これは独立して郡に準じて考える、こういうことであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 準じてという意味は、結局市は市でやはり三割以上なら適用する、こういうことなんですね。それとも三割以上でも適用しない市があるのですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 三割以上でございますれば、もちろん適用になるわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 だから郡単位という御説明ですが、市及び郡単位、こう理解していいわけですね。そうして新市域の場合に、その新しく合併せられた旧町村は郡の方へくっつけても考える、こういう趣旨だ、こう理解してよろしゅうございますか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 大体さようなつもりでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 今度は次の政令ですが、三十一年度の冷害及びその他で政令で定める災害、こうあるのですが、これはどういう災害を考えているのですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 本年の冷害、それから台風九号、十二号、十五号、それから旱魃、こういうものでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうなりますと、今の二割、三割は相当問題になってくると思います。これは九号や十二号の台風は、もちろん災害として政令の中に入れてもらわなければならない災害ですが、九号、十二号の災害、特に山口県の災害の実情を申し上げますと、普通台風の災害ならば雨を伴って、そうして海岸堤防も河川の堤防も決壊させ、大きな被害を受ける、こういうことなんですが、今度の九号、十二号は、山口県においては雨を伴わなかった。従って潮風の被害を受けた。雨が降れば、その潮を洗い流して、比較的そういう潮風の災害というものは、雨によって打ち消されたわけなんですが、今度は雨が降らないために、潮風によって潮をかぶって被害を受けた。その結果海岸地帯が非常な災害を受けた。ところが市でも郡でも、海岸だけばかりでできておるわけではなくて、奥の方もくっついておる。そうなると、奥の方は潮風の関係は比較的少い。ずっと海岸に沿ったところが細長く被害を受けて全滅しておる。ところが奥を含めると三割にはならないというところが、海岸地帯には非常に多いのじゃないか。山の奥まで含めれば三割にならない。海岸をずっととっていけば、三割どころかもう全滅だ、それが長い距離にわたって被害を受けているというときに、こういう地域指定でそうしたところが救われますか。それはやむを得ない。救われぬでもしようがない、こういうお考えなのか、そういう救済策としてこういう法律をお考えになれば、もちろん完全にはいかないと思うのですが、地域を大字別に見るとかなんとかいうことも立法の配慮の中に入れないと、こういうことは無理じゃないか、こう思うのですが、やはり郡単位あるいは市単位、そういう大きな単位での三割以上というお考えは、特例なしに適用されるわけなんですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 これは実際問題として、お話しのようないろいろな問題があろうかと思います。従いまして私どもといたしましても、今のお話のような市全体、あるいは町村全体としてでなくて、海岸地帯でありますとか、あるいは山沿いの地帯が特にやられた、こういう場合に、それを無理に排除するというつもりではございませんで、むしろ相当の広がりを持っておる限りはできる限り入れる、こういうつもりで処理をしたいと思います。そういうつもりでございますので、町村単位の三割ということも、いわゆる合併の新町村ではなくて、合併促進による合併前の旧町村単位で三割を考えておるということでおりますので、お話のような点は大部分それで救われる、こういうふうに考えておる次第であります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 旧市町村でいけばそうしたところの大体救われる、具体的に山口県の潮害の例を申しましたが、瀬戸内海の沿岸は幅は広くはないが、ずっと狭く長い距離で災害を受けているわけなんです。決して小さな区域の災害とは常識上言えない災害だと思うのです。それが大体旧市、あるいは郡で見れば、あの山口県の瀬戸内海沿岸の潮害に対する措置は十分に行われておる、これは減収が幾らあるか存じませんが、食糧庁の方ではわかっていると思うのですが、それで適用地域に入るというお見込みなんですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 お話しのように、山口県だけではございませんが、山口県等につきまして、ただいまわれわれの手元にある材料で当りましたところ、問題のところは入る、こういう見当をつけております。もっとも、これは詳細な資料というものはなお今後に待たなければならぬと思いますけれども、今のところの資料によってやりますと、いろいろお話を承わっておる、問題のあるような地域は大体カバーできる、こういうことで先ほど申しましたような基準も実は作った次第であります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そうした点は十分配慮を加えて、場合によれば三割以上でなくてもやれるように政令を作っていただきたいと思います。具体的な例を言えば、山口市なんかは、海岸から奥までは四里も五里もある。大きな市というわけではないが、市の中心部は五里も奥にある。海岸地帯はずっと五里も先にあって、それが隣の村と比べれば同じような被害を受けているということにもなっている。その点の現実の問題について不公平の起らないように、十分配慮を加えていただきたいと思います。  それから、これは免除または軽減となっておりますが、この免除の場合はどの程度を一応考えられているか、また軽減とすれば、それには段階があって、どの段階についてはどの程度の軽減をするお考えか、それをお話し願いたいと思います。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 軽減、免除につきましては、三つに段階を分けております。一応全免をする農家、三分五厘にする農家、それから六分五厘にする農家、この三段階を考えております。形式的な順序から申しますと、一般的には先ほどお尋ねの適用地域にある農家でありまして、三割以上の稲の減収を受けている、そうして農林漁業収入が一割以上の収入減になっているという農家につきましては、原則的に六分五厘、こういうことにいたしております。その中でさらに農林漁業による総収入が半分以下になるという農家がございますが、そういう農家が、しかも相当まとまって一割以上もあるという町村、これにつきましては、そういう農家については三分五厘にいたします。それからなお稲の減収が七割以上になるもの、いわゆる三分作以下という農家につきましては、全免をする。なお三分作よりはちょっとこえておるけれども、しかしなお災害のために飯米に不足を生ずる、配給を受けなければならない、こういう農家についても、七割以上に準じて全免措置をとりたい、こう考えております。

石村英雄日本社会党

○石村委員 ただいまの最後の、天災の結果減収になって飯米しか残らないというものは、それが三分作でなくても全免する、従って、これは五分作でも七分作でもそういう場合には全免する、こういうことになるわけなんですか。今飯米しかないようになった場合には全免する、こういうお話なんですから、飯米しかなくなるということは、何も五分作だから飯米しかなくなるというはずのものではない。九割できても飯米しかなくなるということは、零細な生産者には起り得るのじゃないか。その分はどの点をどういうようにお考えになっておりますか。一切がっさいそういうものは全免するというお考えか、その方がいいと思いますが、どういうお考えですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 先ほど申しましたように、七割の減収、言葉をかえますと、三分作の農家、それについて利子を免除するという原則でございます。しかしながらちょうど七割の減収ということにならなくても、それに準じて考えてよろしいもの、それにつきましては、できるだけ同じような趣旨で考えたい、こういうことでございまして、それにつきまして減収をどう当てはめるかということについて申しますと、必ずしも今お話しのように、七分作あるいは六分作、こういう農家についてまで広げるというつもりはございませんので、七割を多少切ったけれども、やはり七割と同じように考えてしかるべきじゃないか、こういう農家について申し上げた次第であります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 確認いたしますが、そうすると、やはり七割以上の減収になったというところが基準であって、飯米しかない、供出量はなくなったというものでも、やはり原則とすれば三分作でなければ適用を受けない、しかし三分一厘とか三分二厘とかその境に近いところにおいては、そういう場合には、やはり少し超過したという場合でも、それには適用して飯米しかないものには全免する、こういう御趣旨なんですね。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 気持といたしましてはそういうつもりであります。ただ私どもとして、役人の手心でもって利子を全部負けたり、あるいは三分五厘にするというふうな境目いわば勝手にやるというようなことになってはいけませんので、その辺はちゃんとした基準を作らなければならぬと思いますけれども、ただいま考えております点は、少くとも半作ということを考えております。半作以下ではない、しかし飯米の事情等を考えてみますと、どうもやはり三分作の農家と同じように考えてしかるべきだ、こういう農家があると思いますので、そういう農家については、三分作農家と同様に全免をする、こういうことがよかろう、こういうふうに考えておる次第であります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 大体御趣旨はわかりましたが、そこは明確にせられなければしようがないと思います。大体三割作とか五割作とか、そういう考え方で規定せられるわけですが、そうして集団的でなければならぬ、こういう話ですが、一体なぜ集団的でない災害を受けたものについては利子を取るという考えになるわけですか、そこの区別ですね。これは集団だから利子は軽くしてやる、あるいは免除してやる、集団でないからこれは利子は取るという、その考えの割り切り方は一体どういうところにあるのですか。そういうところの人は、隣の人があまり減収をしていないから、そういう人から援助を受けろ、国の方では処置しなくてもいいという考え方なのですか。その根本の考え方を一つはっきりさしていただきたい。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 これは、お説のように根本の考え方の問題になると申しますか、関連があるわけでございます。これはいろいろ御議論がございまして、必ずしも御納得は得ていない。得ていない非常に有力な御議論もございますが、利子はいただくというのが実は建前になっております。従いまして、利子を軽減するというのは、いわば例外的措置というふうになることだろうと思います。従いまして、利子をいただく建前にかかわらず、それを軽減ないし免除するということでございますので、やはり相当の被害であるという必要がある。相当の被害という点から申しますと、やはり個々の農家でそれを考えるのか、あるいは被害の程度が低くても地域が非常に広ければ考える、こういったような被害の程度と広さという問題がございます。私どもはやはり両方、被害の程度も相当であるし、また地域も広がっておる、こういうことで初めて例外措置のものが是認されるのではないか、こう思うのであります。そういう意味で、今の被害の程度、それから地域的な広がり、こういう両点でしぼって例外措置を講じたい、こういうふうに考えておるわけでございます。もちろんお話もございましたように、非常に局部的と申しますか、被害が個々の農家にとりましては非常にひどいものでありましても、それがその地方といたしましてはまれな事例である、非常に局部的な事態である、こういうことでございますれば、先ほどの原則から照らしまして、そういう方々には、個々の農家の立場から見ますと公正を欠くといったようなきらいもないことでございませんけれども、先ほどの利子をいただくというのが原則であるという建前から、これはやむを得ない措置である、こういうふうに一つ御了承を願いたい、こう存ずるのであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 政府の考え方から言うとやむを得ないことになるかもしれぬが、個々の農家とすれば非常に困った政府の処置ということになるわけです。たくさんおれは救済策は講じてもらえるが、たった一人ならほうっておいて、お前死ぬなり何なりと好きにしろという精神というものは、おそらく個々の農民とすれば受け取りかねると思う。それはしようがないのだといって押し切られれば、あきらめるか、自殺するか何かになってしまうけれども、どうもそこの考え方がはっきりしないのです。大体少人数ならほうっておいてそんな者の救済はしない、多人数ならうるさいから救済してやる。結局話はそこに落ちつくわけです。大きなものなら社会的な不安になる、個々のものなら社会全体の不安にはならぬ、一部の者の問題で終る。範囲が広いことによって社会的な不安が大きく起るから、その分には処置をするのだ、小さなものは文句を言ってみたって、勢力が弱いから相手にせずに突っぱねたってよろしい。こういう考え方に結局立っている、こう判断せざるを得ないのですが、そうなんですか。何とかその点については別途の方法も考えるということなのですか、どうなのですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 個々の農家の立場から見れば、お話のような御議論ができると思います。ただ個々の農家であり、非常に局部的でありますれば、局地的な問題として当該町村なりあるいは組合なり、その辺でも処置できる問題でございますので、そういう意味でも、先ほど申しました例外という原則から申しまして、やはり除かざるを得ない、こういうつもりであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 これは結局一月末か何かで元は返さなければならぬということになるわけですが、それに対して天災法に準じた措置をとる、こういう御説明でしたが、それは法律には基かずにおやりになるわけですか、どうなんですか。何か特殊な立法でも考えていらっしゃるのか、それとも単なる行政措置でおやりになるのか、どちらかはっきりさしていただきたいと思います。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 北海道につきましては十二月末でございますが、これにつきましての利子の軽減の措置は、お話のように天災法の措置に準じて出すのでありますが、これは行政措置でただいまのところいきたい、こういうつもりであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 その行政措置の内容をこの前一部お聞きしたのですが、まとめて体系的にお話し願いたい。それがくっついていないと、この法律はあまり生きてこないと思う。一部のものにしても、あとの問題がはっきりしないと役に立たない法律だと思う。行政措置の具体的内容をきちんと御説明願いたい。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 北海道につきましては、先ほどの利子の軽減で申し上げましたように、二銭五厘の利子を三分五厘にするものにつきましては、三分五厘で農家が融資を受けられるような利子補給をする。それから六分五厘に軽減される農家につきましては、六分五厘で融資が受けられるに必要な利子の補給のための補助をするということであります。全免につきましては、これは三分五厘のクラスと同じように、三分五厘の利子が受けられるに必要な利子補給をする、こういうことであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 その融資の対象は個々の個人になるんですか。これは立てかえ払い、代位弁済を連合会か組合か、何かそんなものがやるようになっているのですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 融資の対象は、もちろん終局的には個々の農家であります。組合でありますれば、組合が、代位弁済いたしますが、組合が代位弁済すれば、個々の農家が組合に対してその分を利子をつけて払わなくちゃならぬということになりますので、その農家に対して必要な資金を融資しまして組合に対する債務を果すというふうにいたすつもりであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 その融資額というのは、この予約金の返納額に限定されるわけですか、それともこういう災害を受けて、今後の生産に大きな影響を受けていると思うのですが、そうした一般的な営農資金は天災法の方で処理をする、こういう二つに分けてお考えになっているのか。一応天災法に準じてというのは、概算金の返す金額に限定する、そうして一般的な営農的なものは天災法によってやる、こういうことになるのですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 お話のように、組合、あるいは性格には指定集荷業者ですが、集荷業者が代位弁済した分につきましては、やり方といたしましては、営農融資とは別の融資の措置を北海道について考えておるわけであります。ただ概算金のそういった返済部分以外にも農家が金が要る。こういう営農資金については、お説のように天災によりまする営農融資の関係の法律でもって所要の営農資金を融通する、こういうことであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 お話に再々北海道という言葉が出ますが、北海道について何か特別な処置が、今までのこの特例その他で北海道はこうするという、北海道というはっきりした特定地域に対する特別な措置があるなら、どの分が北海道だ、どの分は北海道以外の府県だ――災害程度ということを言えば、北海道だろうがどこだろうが、その程度に達すれば同じことだと思うのですが、それが北海道については、何かその程度以外についてもいろんな考え方があるのかどうか。これはたまたま北海道という言葉がしばしば出たから、その点をはっきりさしていただきたいと思うのです。ただ例として北海道という言葉をお使いになっただけだということなら、別に聞くこともありません。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 ただいま御審議願っております概算金の利子の二銭五厘の軽減、または免除ということにつきましては、北海道、それから府県、これは同じように取り扱うのであります。地域的な府県による限定はございません。ただ概算金が代位弁済された後の、すなわち北海道、東北等におきましては一月以降、それから西の方につきましては二月以降におきまして、概算金の返済についての融資、こういうことについては北海道だけに限りたい、こういうつもりでおるわけであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 確認したいのですが、そうすると、概算金を返納するのについての融資は北海道だけであって、他の都府県については概算金を返すための融資はやらないというように受け取ったのですが、その通りなんですか。(「そんなことはないだろう」と呼ぶ者あり)

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 代位弁済の額について特別に融資をするという措置は、北海道だけに限りたい、こういうつもりでおります。(「それはおかしい」「話が違う」と呼ぶ者あり)

石村英雄日本社会党

○石村委員 そういう考えは、どういうわけでそうなるのですか。北海道だけにそういう……。北海道だけを特定する理由を一つ聞かしていただきたい。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 もちろん制度の建前として、北海道だけに限るというふうに言う必要は必ずしもないのでございますが、何と申しますか、非常に抽象的に申しますれば、北海道と同様に相当ひどく、また広範な災害が起れば、北海道と同様に取り扱うのが順当であるというふうに考えます。しかし府県におきましては、普通の天災に基く営農融資とは別の融資の措置をしなければならぬ。こういう程度にはなっていない。そこで実際問題として二月以降の融資につきましては、北海道に限りたい、こういうつもりであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 関連して。食糧庁の長官にお尋ねしますが、今石村委員からお話がありました、利子の減免並びにこの法律にはうたっておりませんが、一月一日以降の代位弁済の問題については、予算委員会においてわが党の小平委員に対して一萬田大蔵大臣から、この点については九号、十二号、十五号も同様措置をすると答弁してある。あなたは今また話をもとへ戻して、代位弁済についての分は、九号、十二号、十五号は適用しないということになると、この委員会の審議は一番振り出しへ戻るんだ。そういうことはないはずなんだ。あなたは勘違いして答弁しているのじゃないのかね。その点はどうなんです。きっと勘違いなすったんだと思うんだ。その点やはり訂正されるなら――九号、十二号、十五号もやるように、ちゃんと初めからここで、だいぶ渋っておったけれども答弁したんだ。予算委員会でもそうなっておるのだから、話をもとへ戻すような答弁はやめてもらいたい。はっきりしてもらいたい。それじゃこの法案は通りませんよ。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 これは二銭五厘の利子の軽減、免除と、それから代位弁済をした後の、あるいはする後の融資と一緒になってお話がございますと、往往にしてそういうふうに、北海道と府県とのけじめがちょっとつきかねるようなことになるわけでございますが、私どもといたしましては、二銭五厘の軽減の措置と代位弁済の措置とは別途に考えておるのでありまして、今にわかに説を改めて先ほどのようなお答えをしたわけではございません。そういうことで御了承を得たいと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは問題を二つに分けてお尋ねしたいと思います。この法案は利子の全免並びに軽減の問題なんですが、この点は宮川主計局次長に聞いた方がいいと思うんだが、今食糧庁の長官からお話のありましたように、米穀の減収が平年収穫量の七割以上の農家、言いかえたならば三分作未満の農家に対しては、利子の全免の措置を講ずる。それからなおこれに該当しない農家でも、飯米を確保するに至らない農家に対してはこれに準じて同様の措置をする。今までの委員会において長官からそういう答弁があるんだが、それはその通りわれわれは受け取っていいですね。あなたの方は予算措置をするんだから、それはいいですね。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 ただいま食糧庁長官がお答えいたしましたように、原則といたしまして、三分作以下のものに対しまして利子を全免する、ただし三分作をこえましても、飯米に事欠くような農家に対しましては例外的に全免する。しかし飯米に事欠くと申しましても、七分作でも六分作でも飯米に事欠くということでは線が切れませんので、おおむね五分作以下であって三分作以上というような線の農家につきまして、例外としまして全免の措置をとりたい。食糧庁長官がお答えしたのはその通りだと思いますが、そのように考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今の、飯米を確保するに至らない農家というのは、耕地面積とそれから家族の構成等との関係がありまして、必ずしもあなたの方でお話しのように、五分なら五分できちっと割り切れるものじゃないはずです。だから、それはやはり飯米を確保するに至らない農家に対しては同様に利子の全免をする、こういうようにしておいた方が、あとであなたの方で政令を定める場合に、私は非常に柔軟があっていいと思う。その点いかがですか。あんまりややこしい答弁をしないようにしてもらいたい。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 政令の書き方につきましては、なかなか技術的に困難がありまして、今明確に飯米に事欠く農家というふうにいたしますと、範囲が広くなり過ぎる懸念もございます。従いまして、非常に抽象的ではございましたが、三分作ほどではないが、おおむね五分作以下であるというような農家に対しまして、適切に全免の措置を講じ得るように規定いたしたい、この辺のところはもう少し考えさせていただきたいと考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それから食糧庁の長官にお尋ねいたしますが、利子の全免並びに軽減の問題は、北海道の冷害並びに九号、十二号、十五号の台風の被害を受けた農家、それで間違いございませんね。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 お説の通りであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 長官にお尋ねしますが、この法律には出ておりませんが、これとうらはらになっている一月一日以降、北海道、東北を除いては二月一日以降の代位弁済の点について、これは天災融資法に準じてやる。従ってあなたからお話しのように、五分作未満のものについては三分五厘の適用、七分、五分のものについては六分五厘の適用、三分五厘については五年間によるところの年賦償還、六分五厘については三年間による年賦償還、そうしてこれに対しては、天災融資法の中では一応都道府県が負担するようになっているが、都道府県は負担しない、この点はどうです。間違いありませんね。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 道の負担分の問題でございますが、これは必要な補給額全額について国が助成をする。従いまして、道にいわゆる義務費的な意味での、あるいはそれに準ずるような意味での負担というものはございません。  それからお話の二銭五厘につきまして、三分五厘ないし全免する農家については三分五厘、期限は五年以内、それから六分五厘の適格の農家につきましては六分五厘、期限は三年以内、そうなるような融資をしたい、こう考えております。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そこで、先ほど石村委員から質問がありました点ですが、今の点も同様に、これは議題になっているところの昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律とうらはらになったのだから、従って、この特例に関する法律を北海道の冷害並びに九号、十二号、十五号の台風の被害を受けた農家に適用すると同様に、今の一月一日並びに二月一日以降の代位弁済の点についても、当然私は適用さるべきものだと思う。その点はっきりしてもらはないと、これはもとへ戻りますよ。あなたあまりいろいろな政治的な考慮をして答弁しないで、簡単にやってもらいたい。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 お話しのように、二銭五厘の軽減の措置と、それから後の融資の措置とは、ある程度うらはらになっております。そこでできるだけそういうふうに考えるのが至当である、これは御説なかなかごもっともな点があるのでございます。ただ私どもといたしまして考えておりますのは、お話しのように、実質的にはそういうことになることが望ましいし、またそうしたいと思いますが、府県につきましては、全体といたして見ますと災害の額が少いものがございます。そして天災融資等がそこに参りますので、その場合に、やはり概算金の返納額というものが融資の額を決定する場合に重要な考慮要素になりますので、農家といたしましては、やはり三分五厘なり六分五厘の融資が受けられる、こう期待していただくこともできますし、また制度の建前として、そういう場合には組合が代位弁済するという制度になっております。そこで特例を開かなくても、実際問題として災害を受けて二銭五厘の軽減の措置がある農家につきましては、同じような融資がいく、こう期待されてよろしいと思うのでございます。ところが北海道につきましては、その額が相当な額になりますので、営農融資額のワクでそれをまかなうということもなかなかむずかしい点がございますので、天災による営農融資の額とは別の額も用意をして十全を期する、こういうことにいたすつもりであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 どうもあなたは回りくどく答弁されるので、はっきりしてもらいたいのです。これはわれわれも、代位弁済の資金の融通は、天災融資法そのものではないが、準じてやる、その点ははっきりしている。そこで今お話しのように、この中には都道府県が負担をするようになっているが、都道府県の負担分については国がこれを見る、この点も前々の大蔵委員会ではっきりしている。きょう問題になっているのは、北海道の冷害についてはわかったが、九号、十二号、十五号の台風による被害を受けた農家についても同様の措置をされるものとわれわれは考えているが、そういうように解釈してよろしいか、こう聞いておる。それならそれでよろしいと言ってくれればいい。宮川次長どうなんです。その点がはっきりしなければ、この法案は進みませんよ。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 食糧庁長官が答弁申し上げましたように、代位弁済につきましても、御承知のように指定集荷業者が生産者にかわって代位弁済をする制度をとっております。特に困っておる農家に対しましては、天災融資法による融資もあるわけであります。従いまして、私どもの今回の措置は、二銭五厘の利子までとるというのは非常に酷であるから、これを減免しようとするわけでありまして、元金の概算金の支払いにつきましては、代位弁済の制度もあることでありますので、その方に依存して参りたい。ただ北海道と申して恐縮でございますが、北海道のように、被害が非常に広範な地域にわたりまして農家の減収が著しい、指定集荷業者による代位弁済の制度も円滑に参らない、こういうおそれのあるところに対しまして、特に別途の融資措置をとろうとするわけでございまして……(「差別待遇をしたらだめだぞ」と呼び、その他発言する者あり)お答えははなはだ御趣旨に反しますが、原則として、そういうふうな広範な被害の方々に適用しようとするものでありまして、内地につきましては、代位弁済制度が北海道のようにそういうふうに円滑に動かないというようなところは、そう考えられないのじゃないかということを原則的に考えておりますが、ただ実情に即しまして、局地的ではあったけれども、やはり相当地域が広くて、代位弁済制度も円滑にいかぬというところにつきましては、別途同様のことも考慮していいと思うのでありますが、ただいまここでお答えいたします範囲内におきましては、どの程度それが入るか明確に予測ができませんので、一応北海道というふうに、食糧庁長官が御答弁したような線で考えておる次第でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 この法律は、北海道の冷害並びに九号、十二号、十五号の台風による被害を受けた農家、それから今の代位弁済の問題も、これとうらはらの関係だ。そうすれば、この法律自体が九号、十二号、十五号を受けたものについても適用しているのに、代位弁済以降の問題について、何か政府の御説明では九号、十二号、十五号が原則的にはずれるようなお話なのだが、それは逆で、これは当然一緒に入るべきなんだ。だからその点を今ここでみなが論議をしている。あなたの方で、回りくどい説明でなしに、やはり原則としては、北海道の冷害も、九号、十二号、十五号の台風によって被害を受けたものについても、同様の措置ができるのだ、こういうように答弁されれば、それで済むことなのだ。それをあなたの方で、聞いていると、どこか違うような印象を受けたり、また原則的には同じような印象を受けたりするが、言葉の言い回し方でなしに、やはりこれははっきりとしてもらいたい。それぞれ関係の被害を受けた農家、それぞれの県からすると重大な問題なんですから、もう一度その点をはっきり答弁してもらいたい。大蔵大臣もそう答弁している。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川政府委員 先般予算委員会で小平委員から御質問がありました際に、私も列席いたしておりましたが、どうも横におりまして大蔵大臣の答弁が、どこまではっきり言われたのか、私もはっきり聞き取れなかったのであります。事務当局といたしましては、ただいま答弁申し上げましたように、二月以降の概算金の融資の方につきましては、天災融資法による融資を考えておりまして、準ずる、今回のただいま説明いたしましたうらはらになっておりまする融資の分については、原則としては考えていない、こう申し上げるよりいたし方ございません。

横路節雄日本社会党

○横路委員 これについては、私は委員長に善処方を要望したいと思うのです。この問題は、今のような話になると、この法案自体の扱いがまた違ってくる。だから、これは一つよく理事諸君の間で打ち合せをしてもらわなければならぬと思うのです。これはちょっと質問を保留しておいて、時間もありませんから、農林中金の理事にお尋ねしたいと思いますが……。     ―――――――――――――

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 この際お諮りいたしますが、先ほど決定いたしました参考人の農林中央金庫理事長は、都合により出席できかねるとのことでありますので、かわりに理事の多賀谷松雄君が出席するとのお返事がありまして、ただいまこの席に見えておりまするが、新たに多賀谷君を参考人とすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 御異議なしと認めます。それでは質疑を続行いたします。横路君。

横路節雄日本社会党

○横路委員 農林中金の多賀谷理事にお尋ねいます。実は北海道の冷害に対しまして、今予約米前渡金の全免の点が問題になっている。そこで具体的に金のことを申し上げるのですが、実は北海道の開拓農家に対しまして、あなたの方の農林中金から二十八年、二十九年、並びにことしの冷害に対する営農資金を、天災法によって十四億やる、こういうことになった。ところが現地の農林中金の支所では、開拓者は金を返すことができないから、十四億の金は貸すことができない。場合によると十四億のうち五億しか貸さない、あなたの方で金融ベースに乗らないから貸さない、こういうことで、十四億だったのを五億しかワクを与えていないというんだが、これは一体どういうことなんでしょうか。今、国会ではあげて、冷害対策に対して特別措置をしようというときに、農林中金のあなたの方だけが、金融ベースに乗らないから実際に金を貸さぬ、天災融資法によってやらぬというのはどういうことなんでしょうか。われわれの方が聞き違えているのか、どうなっているのか、ちょっとお尋ねいします。

多賀谷松雄農林中央金庫理事

○多賀谷参考人 ただいま北海道開拓者の関係につきましてお尋ねがございましたけれども、今お話がございましたような点につきましては、実は本所では支所との間に全然そういう話をしてございません。連絡がございません。それで初めて伺うことでございますけれども、私考えまするに、支所としても決してさようなつもりはないはずでございますし、またあってはならないことでございますので、さような言動があったといたしますれば、今後注意するように申し伝えておきたいと存じております。ただいまのところでは、われわれの方から全然そういう指令も出しておりませんし、またそういうことを申し上げたというような連絡も聞いておらないのでございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 多賀谷理事にお尋ねしますが、実は先週の土曜日に北海道から開拓者の団体がたくさん参りまして、あなたの方ではそう言うけれども、現地では十四億のうち五億しかワクを与えない、これは非常に困るという話なんです。その点ば、とりわけことしも今問題になっているように、予約金につきましても、普通からいくならば、来年の米を出したときに現物でということが建前でしょうが、これを五年間の長期にわたって返還することになった。われわれはそういう点を現地から聞いているんだが、あなたの方ではそういう考えがないということであれば、現地の方に、ぜひそういうことがないようにすべきだという点については、あなたの方では指示をなさることができるかどうか、その点をお尋ねしておきたいと思います。

多賀谷松雄農林中央金庫理事

○多賀谷参考人 さような誤解があってはまことに遺憾に存じますので、本所の方から支所に対しまして、あらかじめ十四億のものが五億しか融資できないというような言動のないように注意いたしたいと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 経済局の金融課長にお尋ねしますが、この問題の根本は、天災融資法によるところの五年あるいは三年というところに問題があるので、こういう災害を受けた場合には少くとも十年――開拓者資金融通法は別な法律ですけれども、あれでは二十年になっているのです。ですから私は、こういうところに天災融資法の不備があると思う。ことに開拓者に関しては、全国的に見て辺境の地に入っているんだから、私は、特別に十年とか、そういう立法措置を講ずべきだと思います。その点、そういう用意があるかどうかお尋ねしておきます。

和田正明農林事務官(農林経済局金融課長)

○和田説明員 お答え申し上げます。御質問の天災融資法は、昨年の国会で皆様の御協力によりできました法律でございますが、災害を受けました農家に対して翌年度の再生産の資金を貸し付けることを趣旨といたしております。言ってみれば、翌年度の再生産という非常に短期の必要資金の貸付という観点から、最高限度が五年ということに法律で定められております。被害の度合いに応じて、非常に激甚な地方に対しては、法律の許します最高限度の貸付になるように、五年という考え方でやっております。  なお開拓者の金融全般につきましては、私よりもここに農地局の担当部長がおりますから、立川部長から御答弁いたします。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今お話しのように、農林中金ではああいうふうに話をされて、善処されるようですが、問題は、短期では困る、長期にしてもらいたい、こういう点があるので、この点は、災害を受けた場合には、天災融資法ではなしに、別途開拓者に関しては特別に十年の年賦償還という道を講ずべきで、この点は立法措置が要ると思う。この点そういう考慮があるかどうか、答弁してもらいたい。

立川宗保農林事務官(農地局管理部長)

○立川説明員 ただいまお話しの通り、開拓者はまだ建設途上にありまして、完全な経営の域に達しておりません。その中途で災害をこうむりました場合には、一般の農家に比べますと、特別に考えなければならない問題があるわけであります。現在の天災融資法では最高五年という規定になっておりまして、その範囲内において、現在では一般農家よりも開拓者の方は期限を長く、こういう行政措置で参っておりますが、しかしその五年そのものもなお短かいではないかという問題が残ります。その点は、一般的に開拓者は全都五年ではだめなんだという規定もいたしかねると思いますが、五年で不十分であると思われるものについては、あるいは何らかの立法措置が必要ではなかろうかと思いまして、現在検討を加えておる段階でございます。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今お聞きのように、農地局の方は、天災融資法による五年ではなかなか返還できない場合等については、特におそらく十年くらいになるだろうと思いますが、十年等に関する特別立法措置がおそらく次の通常国会に出されるものと、今の答弁からして思われますので、先ほどのあなたのお話のように、十四億のワクをそのまま全部貸し付けるようにしてもらいたい。そうでないと、たとえば二十八年度には、あなたの方で五億のワクを与えたが、実際は二億七千万円しかやっていない、二十九年の災害に対して、六億のワクに対して四億しかやっていない。だからそういう点は農地局の方でそういう用意があるそうですから、特別に一つ考慮していただきたい。この点もう一ぺん確認しておきたいと思う。

多賀谷松雄農林中央金庫理事

○多賀谷参考人 私の方では、開拓融資につきましては、実は特別にいろいろ研究いたしまして、最近では開拓関係の営農資金のレートを引き上げるとか、あるいは県開通の経営につき場まして特に人的の援助をいたしますとか、積極的に不満足ながらもできるだけの御援助をする方法をとっておるわけでございます。従いまして、ただいま政府の方からお話しのありました点等につきましても、それが実現できますように、できるだけマッチする方法を考えて参りたいと存じます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 横路君の関連質問で途切れましたが、一つ横路君の質問等からはっきりしたことで、もう一度念を押しておきたいのですが、北海道については、この概算金の返納について別の措置をとって、他の都道府県についてはそれはとらないという御説明だと受け取ったのですが、そういう考え方は、結局北海道は非常に広範囲で、九州、四国、山口県、広島県とこう集まったほどの大きな区域であって、概算金の金額も十四億からある。従って、これに対しては政府としても特別な措置を講ぜざるを得ないが、他の都道府県は金額が小さいから、これは天災法による融資である程度まかなえるのではないか、こういう考え方から出ておるのではないか、こう私判断するですが、結局そういうことになるわけですか。天災法による融資について処理ができると、こう見ていらっしゃるのですか、どうです。天災法による融資は、あくまでその方に限定しておって、概算金の返納等についての分は全然考慮の中には入っていない。これははっきり入れるというわけにもいかないでしょうが、少くとも天災法の融資額を決定せられるに当って、他の北海道以外の都道府県については、この概算金の返納の要素も考えて、天災法による融資額の決定をするということではないか、こう推察するのですが、いかがですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 お話しのように、北海道と違いまして、府県の災害について概算金の処理のための特別の融資の措置を講じないという理由につきましては、一つは災害が比較的局地的であるということによりまして、組合あるいは指定集荷業者、その系統団体等で措置ができる部分が多いのではないかというのが一つでございます。  それからお話のように、天災融資の法律によりまして、融資の際には、そういう農家につきましては当然金繰りの状況等が他の農家とは違って参りますので、そういう点が融資の具体的な決定に当って当然考慮されてしかるべきである。また私どもといたしましても、行政的な指導方針といたしましても、概算金の要返納額ということを融資の決定の場合の考慮要素としたい、こういうことで御説明申し上げているわけでございます。

石村英雄日本社会党

○石村委員 そこで北海道だけに適用する、こうはっきり割り切らずに、よく準じて準じてという言葉が使われるのですから、一つ食糧庁としても、原則としては北海道であるが、ほかの県についても、概算金の返納金額が相当大きくて、そうして地方財政なんかも、再建整備の指定を受けておる団体等については、ある程度の考慮を北海道に準じて概算金の返納分についての融資をもする、こういうようにはならないものですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 これは一般論といたしましては、本年の北海道のような災害、あるいはそれに準ずるような災害がございました節には、北海道に準じた措置をするということは、これは御説の通りでございますが、本年度の現実の問題として、それでは北海道に準ずる災害地はどこかということになりますと、これはどうも北海道に準じておるところがあるというわけにはいかぬのではないか。しかしながらお説のように、地域によっては北海道の農家と違わない程度の、あるいはそれ以上の災害を受けておるところもあるわけでございまして、そういう農家につきましては、私どもの現在のいろいろの行政上の措置、あるいは予算等によってお認め願ういろいろな措置、それによってできるだけほぼ同様な効果が上るようにいたしたい、こういうつもりであります。

石村英雄日本社会党

○石村委員 私は何も来年や再来年の天災のことを聞いているわけではなくて、今の天災による問題を聞いているわけなんです。ただいまの答弁で、ある程度の措置は講じないでもないという趣旨に受け取ったのですが、どうか北海道だけにしかやらないという考え方でなしに、北海道ほど大きくなくてもかなりのところは、そこの地方団体の経済状態等を勘案して、やはり北海道に準じた措置を必ず講じるということにはっきりしていただきたい。具体的にはどうなるか、それはわかりませんが、少くとも農林省の配慮の中にはそうしたことがあってしかるべきだと思う。何も北海道だけに限らなければならぬというわけではないと思う。これは農民にとって金利負担が直接響いてくるわけなんです。金のやりくりは、あるいは地方の都道府県ではできるかもしれない。できるかもしれないが、現実の金利の問題が起ってくるわけなんです。そうして赤字の指定を受けている市町村府県は、こうしたことに対する影響は非常に大きいと思うのです。北海道ほど大きくもないが、同時に府県自体も北海道ほど大きくもないわけなんですから、余裕という点においては同じことになるわけなんです。もっとゆとりのある答弁をお願いしたい。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 北海道と同じ特別措置というわけには参りませんけれども、北海道の農家が受ける金利の軽減ということが現実にも府県の農家に及びますように、できるだけの措置は講じます。

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 これにて三案に対する質疑は終了いたしました。  これより昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案を議題とし、討論に入ります。石村君。

石村英雄日本社会党

○石村委員 社会党を代表いたしまして、賛成の意見を明らかにしたいと思います。  しかし社会党は、本来は金利をとるべきではないという見解に立っておることは全然変っていないわけでございます。それは、政府はしきりにこれは特約であるという御説明でございますが、特約と申しましても、契約者が双方自由な立場で契約ができる場合ならばそういう特約も有効だと思います。しかしながら、米の生産者は法律上政府に売る以外にはありません。従って売買条件というものを出されても、政府の一方的な売買条件をのまざるを得ない立場に生産者は置かれておるわけでございます。従って、こうした一方的な売買条件を押しつけて、特約であるから天災の場合にも金利をつけて払えという考え方は間違いであると社会党は考えておるものでございます。民法の規定その他から申しましても、不当利得でさえも悪意のものが初めて金利をつけて返すのでございます。まして悪意でない生産者が天災によって返さなければならぬということになった場合に、金利を払うということは、全く民法その他から見ても法律常識をはずれた過酷むざんな条件をつけて強要しておると言わざるを得ません。従ってわれわれは、金利をとらないという原則に政府は一日も早く立ってもらうことを期待するものでございます。さらにこういう法律は、国民が平等にその恩恵を受けることができない、一部の者だけで、少数者を除いてはこうした恩典を受けられないという点からも、こういう法律を問題にせざるを得ないのでございます。しかしながら、今国会の会期も非常に短かく、また現実に生産者は、一日も早くこの問題の解決を望んでおる事情もあることから考えまして、政府が今後こうした一部の者のみに特典を与えるということでなしに、なるべく広範囲に救済するという政令等の措置、またその運用についての措置を考えていただくことを希望いたしまして、やむを得ず賛成するわけでございます。  どうか政府は、われわれの意のあることろを十分おくみ下さいまして、この運用については問題の起らないように、広い範囲のものが救済されるように措置を講ぜられんことを希望いたしまして、私の賛成討論を終る次第でございます。

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採択をいたします。二法律案並びに一議決案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 御異議なしと認めます。よって二法律案並びに一議決案は全会一致原案の通り可決いたしました。  この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案に対し、附帯決議といたしまして、  昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案に対する附帯決議米穀の減収が平年収穫量の七割以上の農家に対して利息全免の措置を講ずることはもちろん、これに該当しないものでも飯米を確保するにいたらない農家に対しては、右に準じ措置すること。  右決議する。を付したいと存じますが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 なければ附帯決議を付することに決しました。  この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました二法律案並びに一議決案に関する委員会報告書の作成、提出手続等につきましては、先例によりまして委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     ―――――――――――――

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 次に、専売事業に関する件について質疑を許します。春日一幸君。

春日一幸日本社会党

○春日委員 昭和二十八年の九月第十三号台風によりまして、愛知県幡豆郡一帯の塩業施設がそれぞれ壊滅の状態に陥りました。それで、これに対しまして公社は当然これの災害復旧計画の樹立をいたしたわけでありましたが、この公社の方針、それから具体的計画の概要をまずこの際お伺いをいたしたいのであります。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 ただいまお尋ねのございました昭和二十八年の十三号台風の件でありますが、御承知のように、ちょうど愛知県の辺が台風の中心になりまして、そのためにお話のありましたように吉田塩田、塩津塩田が壊滅的な打撃を受けたわけであります。塩田全部が、提防が決壊したために水びたしになりまして、惨たんたる状況であったわけでありますが、この塩田をどうするかということにつきまして、公社といたしましても非常に頭を悩ませましたし、また地元地方局、それから塩業者側におきましても、いろいろと議論が出まして、なかなか結論が出なかった。と申しますのは、吉田及び塩津の塩田と申しますのは、全国的に見まして、率直に言って、当時としてはまことに能率の悪い塩田であったのであります。その主たる理由は、塩田の地理的の条件がすぐれていないということのほかに、当時の吉田の塩田をやっておりました塩業者は、御承知と思うのでありますが、専業として塩業に携わるという方々でなかったのでありまして、三分の一は塩をやり、三分の一は農業をやり、三分の一は漁業、特にノリを養殖するというような状況でありまして、従って塩田の単位面積当りの生産量をとりましても、全国的に見て非常に成績の悪い、従ってまた塩の生産費の高い塩田であったのであります。忌憚なく申しまして、公社として、非常な災害復旧の費用をかけて、この塩田をぜひとも復旧しなければならないという必要性は認めておらなかったのであります。それに対して地元側からは、この塩田を何とかして復旧したいという強い要望が出て参りました。そこで公社といたしましては、もしもこの塩田を復旧するのであれば、従来のような三分の一経営といったような中途半端な経営では、とうてい全国の塩業の中に伍して能率的な経営を行い、当時すでに、予想されておりましたその後に起る生産費の切り下げ、あるいは収納価格の引き下げといったような事態に対処できないのではないか。もしもこれを復旧するということであれば、ほんとうに専心塩業に携わるという熱心な方々を中心にして、新しい塩業組合を立て直して、その塩業組合を中心として塩田の復旧をはかり、またそれに結びつけて最新式の煎熬施設を整える。そして吉田が八十町歩、塩津が二十町歩、合計いたしまして百町歩ほどの塩田になりますので、それから取りまする鹹水を一カ所に集めて煎熬いたしますれば、少くとも一万トン程度の工場を作りまして、それを能率的に運営することによって、相当コストの切り下げもできるという見通しを立てるに至りました。その計画を中心にして、復旧計画を検討いたしました。ただ中途におきまして、塩津の方がどうしても塩田を復旧することに賛成でないということで、塩津が脱落いたしましたために、吉田にありまする塩田八十町歩を中心にして、復旧計画を作るということに変更をみたのでありまするが、真空式の最新式の工場を作って、これに結びつけるということで、そういう前提が確立したのであれば、それに対して農林漁業資金の援助をもいたそうということになりまして、復旧計画が確定したわけであります。その計画に基きまして、その後逐次塩田の復旧と流下式への改造を実現いたしました。煎熬工場の方も、すでに完成を見まして、操業を開始しておるような状況でございます。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そこで問題となりますのは、今御答弁によりますと、その塩田関係については、公社の指導よろしきを得て、必要資金は、それぞれの公庫から借入れにも成功されて、操業が再開されたというお話でありまするが、当然その場合、塩田と一体不可分の関係にありまする煎熬工場についても、当然再建整備計画とでも申しましょうか、あるいはまたただいま御説明のありました真空式の新設備との関連において、当然何らかその救済の措置と申しましょうか、あるいは当然過去の実績も尊重して、これの立場について相当の配慮が加えられてあったことと思うが、この関係について、すなわち煎熬会社の再建のための救済は、この再建整備計画の中において、どのような配慮が加えられておったのですか。この点についての御答弁を承わりたい。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 その点でありまするが、従来この愛知塩業組合の煎熬をやっておりましたのは、ただいまお話がありましたような会社が二つこれは一応組合とは別個の会社が二つありまして――従来三つあったのでありますが、そのうち一つやめまして、結局この二つの会社が、非常に旧式の能率の悪い設備で煎熬をした。従って吉田の製品はあまり良質のものでなかったというような状況であったのでありますが、その両方の煎熬施設も、やはり台風のために非常に被害を受けまして、そのままではとうてい役に立たないというような状況になったのであります。そこで、この新しい塩業組合を立て直して煎熬をするについては、そういう従来の旧式の能率の悪い煎熬施設を復旧して使ったのではとうていいけない。これは、やはり最も新しい新式の工場を組合自身が建設して、そうして塩田と結びつけた採鹹、煎熬一貫した経営形態にしていかなければいけないということになりまして、当時組合と両会社との間にも、その点につきましての円満な話し合いができまして、復旧計画としては、塩田の復旧と同時に、組合自身の煎熬工場の建設ということがきまったのであります。ただこの組合の煎熬工場が完成いたしますまでには多少の時日を要しまするが、その間に塩田は逐次できて参りまするので、工場が操業を開始するまでの暫定期間は一応従来の工場に最小限度の復旧を加えてそれを使っていこうという、暫定煎熬につきましてのはっきりした契約ができまして、工場が操業を開始いたしましたならば、両会社は操業をやめて、鹹水を全部組合の煎熬工場の方に送ることに承諾するということに了解が成立いたしまして、暫定煎熬という形で、しばらくの間両会社による煎熬が復活いたしました。それが本年の五月一ぱいで、六月から組合の工場が操業を開始いたしましたので、鹹水を組合の直営工場の方へ切りかえて、以来直営の形で煎熬をいたしておるような状態であります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 その真空式の煎窯ですが、これは当然専売公社の指導監督によりまして、また資金関係はそのあっせんによりまして、組合が着々とその緒についたわけでありまして、かつそれが進行して今日に至っておるわけであります。従いましてその煎熬会社のあり方、また将来の身の振り方、こういうような問題は、当然この専売公社の指導監督の中にあるべきものであって、公社はこの立場についても十分なる配慮を加えておったことは当然であろうと思うのであります。ただいまの御答弁によりますると、会社もそれについては賛成であって、かつ暫定的にその新工場が建設されるまでの間、旧二工場においてその煎熬を行なっていく、そうしてできてしまったならばそれを譲る、こういうことを了承しておったので、そういう形で暫定煎熬が行われておった。事態はその通りであろうと思うわけであります。ところが、一方この煎熬会社関係の主張するところによりますと、本委員会に対して陳情を寄せておるところによりますと、こういうことを言っております。地方局は、当初塩会社の立場は、塩業一体化の場合に十分その立場を重視して、そうして十分なる措置をする、決して不利なような取扱いをしないから万事を公社にまかせてもらいたいと契約をして参った。その相手方は福永部長、降旗次長、西堀当該地の出張所長、こういう人たちと会社との間においてそういう契約がなされ、そうしてこの二工場は、いずれも相手が公社のことであるから、公社も悪くはしないからまかせ、こういうことであるから、これを信頼して万事を委託して、その進行に協力していた、こういっておるわけであります。すなわち、悪くはしないということは、少くともこれら関係業者が納得できるような、関連いたしまする諸問題についての措置というものが並行的に行われるということが期待されておったことは、当然のことであろうと思うわけであります。しかるところ、陳情書によりますると、その万事をまかせ、決して不利なようにはしないからというようなことが言われておったというのであるけれども、何一つその工場の立場というものは認められてはいない。ほとんど野たれ死にをするような状態にしておるのみならず、むしろこれを虐殺するような事柄が随所に行われておる。これではたまらないからというので、いろいろと今日まで名古屋公社並びに本公社に対してもいろいろと陳情したが、問題が解決しない。窮余のあまり本委員会にこの陳情をするという形になって現われて参ったと思うのであります。私たちは公正なる立場に立って、もとよりあらゆる場合にそうでありまするが、この問題を、ただ不当な取扱いを受けることによって、下公正な取扱いによって正当な立場にある者がはなはだしく不利な取扱いを受けるというようなことは、これはやはり救済をしていかなければならぬ、こういう立場でこの論議を起しておるわけでありますが、一体客観的に見ても判断のできますことは、相当の資本をかけて、そうしてその煎熬会社を作ってきておる。われわれの調査によりますると、この両会社とも相当銀行からの借り入れがある。そしてこの工場は、塩を煎熬する以外に他に転用の道のない工場である。さらに暫定煎熬をするにいたしましても、当時相当の被害を受けたのでありますから、暫定煎熬を可能ならしめるためには、その災害状態を復旧するためには、相当の復旧工事をせねばならぬ、掲上いたしておりますところによりますと、それぞれ数百万をこえるところの改修工事をいたしておるわけであります。こういうような事柄は、すなわち、この新しい真空煎熬工場ができるということに対して承認を与えてきたということは、自分の既得権に対して当然何らかの補償措置が講じられるであろうという期待、それから新しく煎熬設備をやらなければ、浜で作った鹹水が何とも処理できないわけでありますから、その暫定煎熬を可能ならしめるための復旧工事、これ等についても後日直接の補償があるから、あるいは後日さらに発展的にこの真空煎熬に参画できるような機会をとらえて、これがもちろん間接的にさらにこの補償の道が講じられるか、こういうような事柄が期待されて初めてそういう再建計画に賛成をしてきたものである。客観的に見てもそのように判断ができるわけであります。自分が死んでしまう、自分が殺されてしまうということに対して、無条件で賛成するというばか者はない、すなわち自分が更生できるという場面があるということが期待された、かつそれは公社がまかせてくれと再三再四言われておるので、じゃおまかせしますから、こういうことでずっとこの仕事が進んできた、こう言われておるのであるが、この間のいきさつについて、一体どういう工合になっておるのか、この点をちょっと御説明を願います。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 お話がありましたように、新しい塩脳組合を復旧させまして、先ほど申し上げましたような採鹹、煎熬一貫経営という理想的な形に持っていきます場合には、直ちに従来煎熬をやっておりました両会社が仕事を失ってしまう。これを一体どうするのかということは、当然復旧計画の場合に問題になったわけであります。その点が解決されなければ円滑に復旧計画を実施するというようなこともとうてい見通しはつかないので、当時、公社といたしましては、復旧計画を承認することについて、その点の問題を組合は一体どうするのかということが、相当組合とはその点についての折衝を重ねたわけであります。直接この両会社と接触いたしております現地の所長等につきまして、いつだれがどういうふうに言ったというような点まで私ども突きとめることはできないのでありますけれども、われわれといたしましては、結局のところ、組合がその点については完全に両会社の承認を得て、復旧計画に両会社の調印をしてもらったので、これで円滑に復旧計画が遂行できるだろうということになりまして、これならやれるだろうという見通しを立てまして、その後復旧計画の実施を指導して参ってきたような状況であります。復旧計画自身の実施後の成績というものは、われわれが予想した以上に優秀でありますることは、先生もすでに御承知の通りでございまして、従来塩の主産地でありました瀬戸内海をめぐる十州地方の塩業者が、このごろでは愛知の塩業組合が非常に成績がいいということで、みな見学にやって参るというくらいの成功を見ているような状況なのであります。そういうことで、組合もりっぱに復旧でき、事業も軌道に乗って参る。現実に六月以後は、鹹水を両会社に送ることをやめて、両会社としては仕事を失ってしまったということで、いよいよ両会社に対して処置をしてやらなければいけないという時期になりまして、公社といたしましても、この組合と両会社との間柄を円満に話し合いをつけさせまして、両会社も、もちろん従来通りの仕事を継続できるわけではありませんので、何といいますか、満足して仕事をやめるというようなことはとうてい望めないにしても、まあ不満ながらも仕事をやるなり、あるいは新しい仕事に転換するなりの措置を完了したいということで、工場ができまするよほど前、ちょうど本年の正月ごろから、公社といたしましては、地方局を通じ、あるいは本社直接に、あらゆる両者間のあっせんに努めまして、あっせんに乗り出しまして話し合いを進めて参ったのであります。三会社のうちで、一会社の方は煎熬の仕事はやめますけれども、残った両社が苦汁利用の仕事を継続したいということが当初からの希望でありまして、この点につきましては、公社としても、そういう希望であれば苦汁工業を続けることは異存ない。また塩業組合の方も、それに対して積極的に協力しようという態勢でありましたので、そういう前提のもとに、組合から会社に対して、どういう措置をするかということにつきまして、いろいろと話し合いを続けたわけであります。ただ、これは非常に申し上げにくい問題なんでありますが、この両会社と塩業組合との間柄につきましては、従来も必ずしもすべて円滑に参っておったのではないのでありまして、この両会社の成立のときの事情、あるいは成立後の組合との折衝の模様などをしさいに見ておりますと、感情的なと申しますか、いろいろと問題がございまして、普通であればもっともっと円満な話し合いができるものが、なかなか公社が考えるように、あるいは地方局が指導いたしましても、その間に円満な話し合いができないといったような状況がございまして、その点、われわれの方もいろいろと努力はいたしましたけれども、必ずしも十分な努力の成果があったとは申せないような事情なんでありますが、この点につきましては、ぜひともこの事情につきまして、一つとくと御了承をいただきたいと思うのであります。そういうデリケートな事情はございますけれども、それにいたしましても、組合と会社と、とにかくこの問題でもっていがみ合ったり、よけいなごたごたを生じさせたりしては相済まないということで、われわれといたしましては、両者間のあっせんをできるだけやって参りました。このために名古屋の地方局の局長なり、相当の部長なりをたびたび東京にも呼びまして指示もいたし、あるいは電話で連絡する、直接御関係の方々にも、しばしば御上京願って御相談するといったような経過をたどっているのでありますが、組合といたしましては、組合の現在の能力、あるいは将来の見通しのもとで、可能である限りはできるだけの世話をしたいという気持は終始失っておりません。結局会社が現在までに設備を復旧させましたり、その他今日までの経営につきまして相当外部からの負債を持っておりますので、その負債の中で、当然組合自身に責任のある分につきましては、適当な形で組合が引き受けるという措置を第一にとること。それから組合の組合員と会社の役員なりあるいは株主なりとは相当部分が重複いたしているのでありますが、会社が借金をするについて、その会社側の役員、あるいは株主が保証をいたしておるというようなものにつきましては、できるだけ組合においてこれを肩がわりするなり、あるいは代位弁済するなりの措置をとることによりまして、実質的に会社側の負債をしょい込んでやるということにいたしたのが第二点。それからこれは名目はいかようにもつけられるかと思うのでありますが、いわばこの会社が事業をやめるについての補償金的なものを何らかの形でもって出さなければならない。その出し方といたしまして、先ほど申しました、従来の暫定煎熬を行なっておりました間の鹹水の分量を基準にいたしまして、一トンにつき幾らといったような適当な金を組合から会社に支出いたしまして、それによりまして、会社はその際のいろいろな対策費に充てるようにという、いわば補償金的な支出をいたしましたのが一点。そのほかに、会社側の従業員につきましては、できるだけ組合で引き受ける。その中には当然組合員の子弟等もありますし、これはできるだけ組合で引き受けて、その点会社側の負担を軽減する。それから会社側の持っておりました設備の中で、組合が引き受けて十分に利用できるものにつきましては、相当の価格でもってこれを組合で引き受けまして、その資金を会社としてはまた整理のために充てるといったような措置もあわせ考えるといったようなことにつきまして、一つ一つ会社側と組合側との間のあっせんに努めました。組合も、御承知のように組合自身が相当大きな借入金をいたしまして復旧計画をいたしましたわけであります。復旧計画の成績はよろしいとは申しながら、まだ、それが緒についた状況でありまして、決して組合の内容が安定をいたしていると申せる時期ではないのでありますが、現状並びに将来の組合の能力からいって、多少当初は組合側に非常に用心深いところがありまして、公社があっせんいたしましても、金の出し方等につきまして、公社自身がもう少し考えてやってもいいじゃないかといったような程度の線しか出してきておらなかったのでありますが、だんだんとあっせんをいたしております問に、多少組合側でもその点につきましての考えを修正いたしてきていると私ども考えております。現在まだ組合と会社側との話し合いは意見の一致を見ておりませんけれども、何とか公社といたしましてはあっせんを続けまして、会社として不満足ながらも、まあこの程度のものまで心配してもらえるのだったら、やむを得ないといったような線までこぎつけたいという期待であっせんを続けたいと思っておりますが、会社側の出して参りました希望額というものは、実は非常に大きいのであります。組合側が果してその希望額のどの程度まで応じ得るかということにつきましては、われわれとしては最後までの確信はないのであります。何とか両者歩み寄って円満な話し合いをつけさせることにいたしたいと思っておるのであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 実は二の問題は、非常に利害関係が錯綜いたしておる問題であり、さらにやはりこの問題の解決と問題点を明らかにしていくためには、私もなお相当質問しなければなりませんし、なお横山君も継続的に質問をされる通告が出ております。だから私も簡単に質問しますから、あなたも要点だけを一つ簡単に御答弁願って、計画的に全貌が明らかになり得るように、でき得るならば早く結論を得られるように質疑応答を進めたいと思います。  まず第一番にはっきりしておきたいことは、公社が煎熬会社に対して、この再建整備計画の立案並びにその進行の際不利な取扱いはしないから、とにかく公社にまかせろ、こういう約束をした事実があるかどうか、この点を明らかにしていただきたい。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 この点は、しばしば会社側からはそういう約束をしてもらったというお話がございます。しかし私ども本社の側といたしまして、その約束と申しますのは、どこまでも組合と会社側との間をあっせんして、何とか円満に話し合いをつけて措置をするという意味のあっせんをするということであったと思うのでありまして、公社自身が何らかの金を出すとか、あるいは組合に命令をして金を出させるとかいったようなことができないことは、もう会社側としても十分に了承しておることでありますので、その点誤解のないようにお願いしたいと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 その点はなお疑義のある問題であろうと思うのであります。この再建整備計画が組合独自の計画によってなされる、その企業というものが純経済的規模でなされるということでありますれば、第三者的あっせんというような御説明もあるいは成り立ち得るかもしれませんけれども、しかしこれは完全にあなたの方の管理下にある事業であって、かつまたその再建整備計画についても、全部あなた方の許可、認可を必要とすることであり、わけて必要なる資金の調達は、いずれも公社がそれぞれの金庫に対して助言をし、そういうことなくしては成立しない企業であるわけであります。従いまして、あなたの答弁を聞いておると、万事が組合の全責任であって、公社はそのらち外にあるような言動であります。けれども、これはそういうものであるのかどうか、この点はやはりものの実態を率直にとらえて御答弁を願わなければならぬ。最初そういう再建整備計画があるときには当然数億にまたがるところの大計画が一塩田の諸君だけで立てられるものでもないし、またこれをそうせよ、ああせよという指図は、当然公社の方針によって、また国の製塩計画、こういう国の施策として考えられたことであって、何も自由企業ではない限りにおいて、やはりこの煎熬会社をどうするか、塩田をどうするか、その間のいろいろな関係をどう調整していくかということは、これは当然公社の責任において処理すべき問題であって、その全責任が組合だけにあるという考え方は実情に沿わないのではないか、私はこう思うがどうですか。この点を明らかにしていただきたい。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 その点、冒頭に申し上げましたことをもう一ぺん繰り返さしていただきますと、この塩田を復旧するということは、実は公社としては初めには考えてなかった。むしろ災害を機にあの塩田はやめてもらうここが必要だということを、一応公社としては方針としてきめておった。それを、地元の方からは何とかして復旧してもらいたいということで話がありまして、それならこういう条件を満たすのだったならば、われわれの方としてはやむを得ず――やむを得ずということがわれわれの当時の偽わらぬ心境でありますけれども、公社としてもその計画を認めよう、つまり先ほど申しましたような、専業であるとか、あるいは一貫経営に移すとか、現実的な渋い条件をすべて満たしまして、それでもなおかつやるのであれば公社としても援助しようということになったわけなのであります。当然組合としては、従来の煎熬会社に対する措置も責任をもって処理して、一貫経営ができる順序を整えて持ってきたものとわれわれは了承しておるのでありまして、会社との関係は、公社が責任をもって処理してくれるのだからといったような状況でわれわれはこの復旧計画を承認したのではないのであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 われわれといえども、不当なる補償要求に対してはそれにくみするものではない。当然適切妥当なる線というものは、おのずから経済的にもまた常識的にも計算し得るものであるけれども、それが何一つ認められないこの陳情については、われわれも一掬の同情を禁じあたわないものがある、こういう立場に立ってこういう論議を行なっているわけでありますが、ただいまの御答弁によると、組合は当然会社の合意を得べく万全の措置を講じ話し合いを行なって、話し合いの中には、その補償の問題もあろうし、将来の事業計画に対して参画するか参画しないか等、いろいろの問題もあるでありましょう。そういう問題が組合と煎熬会社との間において円満に話し合いがつくということも、すなわち再建整備計画に対して公社が了承を与えた条件の一つの要素であろうと私は考えるわけです。そういうようなあらゆる条件を彼らがのみ、組合がのまれて、そうしてこの事業計画が進められてきたからには、これは当然あなたの方は、そういうことを前提条件として了承を与え協力してきた限りにおいては、現実に煎熬会社と組合との間においてこういうような相剋摩擦が激化してきているということは、最も重視しなければならぬ事柄であったと思う。そういう問題についてあなた方が知らぬということはないだろうと思う。     〔委員長退席、石村委員長代理着席〕  陳情書にうたわれているところによりますと、これはしばしば名古屋あるいは東京に彼らが足を運んで、結局組合との直接交渉においては問題の妥結が期し得られないので、当初あなた方のおっしゃった通り、すなわち公社が言った通り、われわれを不利のようにしないという結果が得られるように一つあっせんをしてくれ、すなわち公社の責任において処理してくれ、こういう陳情になって現われてきておるのです。私たちがこの際最も遺憾にたえないことは、これはあくまでも専売公社の指導監督、管理下にある仕事であるのであるから、従ってあなた方が誠意をもってこの会社の立場というもの、すなわち国民は法律の前に平等がなければならぬのであるから、一方が得をして一方が損をするというようなことは、公的機関があるあなた方としては厳に排除しなければならぬ。あくまでも公正な立場で最終処理をしなければならぬ。だからそういう立場に立って問題を処理するならば、幾多問題を解決せしめるための契機というものは、私はあったと思う。その具体的な措置としては、たとえば製塩事業に対する許可認可権はあなた方の方にあるのだし、現実にこの二つの煎熬会社が、その製塩事業としての許可を得ておる。それは言うならば一つの権利である。それを現にあなたの方は組合の方へも与えておるわけです。そういう申請があったときには、それは一方にそういう権利があるし、あるいは認められていないところの他の会社に対してもこれを認めておる。容認しておる。こういうわけで二重の許可になるのだから、これはちょっと工合が悪いだろう。従ってあなたの方が製塩の許可を与える条件としては、かつてすでに与えてあるところの製塩権というものとの関連において、これはやっぱり二重に許可を与えるわけにはいかぬ、こういう考え方があってしかるべきではありませんか。たとえば現在あなたの方は、専売公社全体として、たばこなんかも許可、認可事項であろうが、たばこの小売店の隣に小売店の申請があった場合には、これはやっぱり隣が廃止するか、円満にやめるか、何かそういう計画的の規模で許可、認可が行われておると思う。酒の販売だって同様です。こういう国の専売に関する事業というものについては、やはり両立し得る立場において、既特権というものが最も重視されて取扱いがなされてきておる。それで今あなたの方は、この二つの煎熬会社がすでに煎熬権を持っておるのに、さらにダブって他の者に与えるというようなことはあり得ないじゃありませんか。これは不公正ではありませんか。実情というものを無視したものではありませんか。この製塩のもとの塩水というものは、遠いところから買い入れることはできはしない。近接したところの塩田から出てくるものを対象として事業計画が行われておる。一方に許可しておいて、黙って同一地帯に同一量の製塩事業に対する許可を与えるという、そんなばかなことはあり得ないじゃないですか。そういう許可を出すときに、組合と既存の二会社との間の関係を調整せしめるために、責任のあるあなたの方の措置というものがあり得て私はよろしかろうと思う。この点を、この二つの会社は最も非難をしておる。その関係はどうですか。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 先ほど申し上げましたように、愛知塩業組合の復旧計画を承認するにつきましては、今先生が言われた従来の煎熬会社の煎熬ということをどうするかということが、第一の問題であることは申すまでもないところであります。その問題に対して、組合と両会社との間に、前に申しました暫定煎熬契約というものがはっきり成立いたしまして、両会社は組合の工場が完成するまでの間暫定的に煎熬を請け負う、これについてはどういう代金を組合は支払うといったような暫定煎熬契約というものが成立いたしました。暫定煎熬契約ということは、裏を返せば、工場ができるまでの間の煎熬でありますから、工場ができた場合には、煎熬はやめるということでありますので、その点を前提にいたしまして、工場が完成した後は組合が煎熬してもよろしいということを前提にして、組合側の出して参りました復旧計画を、公社としては取り上げて承認を与えたわけであります。従って、先生の問題にされております、重複して煎熬を認めたという関係は全然ないのであります。当時会社と組合との間には、その点につきましての円満な話し合いが成立したからこそ、われわれといたしましては組合の復旧計画を承認したのであります。ところが、これは人情から申してあるいは当然だとも思いますが、いよいよ六月になって、従来の会社側を締めなければならぬということになりますと、工場の経営者としては、それじゃ困る、これは何とかしてもらわなければならぬということになったわけでありまして、その気持はわれわれとしても無理はないと思いますし、またいわば一つの企業整備――相手の組合は、塩業の経営単位としては決して大企業ではありませんが、会社に対しては規模は大きいわけであります。そういう大きい企業が新しく生まれた場合の一つの企業整備といったようなことになりますので、これをただ見殺しにしてしまうというわけにはいかぬじゃないかということで、われわれといたしましては組合を説得して、いよいよ仕事をやめるについての措置を十分に考えさせなければならぬということで、あっせんをいたしてきたわけであります。前に暫定煎熬契約ができましたときの会社側の考え方と、いよいよ仕事を失って、あるいは失うに至ります直前から今日までの会社側の考えとは、多少その間に変化が起ったのじゃないかと私は思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 問題は何一つ了解に達しないのであります。たとえば、ただいま私の質問に対する、すなわち二重許可の問題に対する御答弁によりましても、暫定煎熬契約があったのだから、すなわち組合の工場が完成をしたのだから、従ってこれは自動的に許可を与えなければならない建前になったと言われておりますけれども、これは形式的にはそうでありましょう。しかし実質的には、これらの二つの会社というものは、新しい組合の煎熬会社ができ上るまで、すなわち再建整備のときに新しくスタートしたものじゃない。それぞれの会社の実績は、遠く十数カ年にまたがると聞いているわけでありますが、いずれにしても、ずっと以前からその仕事をやってきている。たまたま塩田と工場とがともに被害を受けて、そして煎熬会社がなければ作った塩の処置に困るから、わしの方も再建するから一つ工場も再建して下さい、そういうことで自費を投じて再建をして、そして当然そういうような煎熬契約というものが結ばれてきている。一方再建整備計画があるのであります。その再建整備計画の中には、これらの二つの工場が生きていける道を考えていただく、あるいは円満にそこから離脱できるような経済上の補償等の道が講じていただける、こういうことを条件にして、そして、それじゃそのときまで一つ暫定契約という形で、暫定条件としての契約が結ばれているわけであります。従いまして、今度いよいよ片方に実際的の仕事が移るときには、そういう形式の裏づけとなるところの実態に対する補償というものは、それはうらはらの関係において当然措置をされるということが、これは常識的に言ってもわかることです。ただあなたは再々、最近組会とそれから煎熬会社との関係が悪かったと言われているけれども、これらの二つの関係は、歴史的に見ると十数年の事業実績を持っている。犬猿ただならぬ間柄では、十何年間も事業ができるものじゃない。片方は塩水を作って片方はそれを製塩していく、一体不可分の関係ではありませんか。一体不可分の関係が、十何年間もただ続くわけがない。もしもそういうような非常に不仲な関係であるならば、それを調整することこそあなたの方の任務じゃありませんか。たとえば、煎熬会社を呼ぶなら呼んで、君の方はこういう点がいかぬならいかぬとか、あるいは組合の方に対して、この点は理解してやれとか、仲に立って、彼らがほんとうにもっと融和親睦して一つの事業に協力できるような、そういう態勢をあなたの方が作るのが、これは当然監督者としての責任じゃありませんか。私が申し上げたいことは、その補償措置についていろいろと措置を講ぜしめたと言っておられるけれども、二つの工場の言うことをそのまま取り上げますれば、たとえば塩田におけるいろいろな付属施設を会社とこの組合に買い取らしめたと言っておるけれども、それは、物件を購入してこれに対する対価を支払わしめるというようなことは当りまえのことじゃありませんか。こんなことは何も補償になりはしない。当然の処置なんです。そしてその金額も満足すべき金額ではないといっておる。だから、こういうような立場であなた方が不利にはしないんだと言うた以上は、やはり許可認可のあなたの方の行政権を通じてでも、いろいろいい影響力を及ぼすよう、問題を円満に終息せしめるための有効な措置というものがとれたと私は思う。それを何一つもやっていないのみならず、あなたは円満に話がついておるものとみなして云々ということを言っておるけれども、現実においては、これらの二つの組合が死活の重大問題として、しばしば中央・地方にこういう苦情の陳情を行なっておる。そういうあらゆる段階において、これが円満に話が進んでおるものとみなして許可を与えたとかどうとか、そういうような形式論理というものは許さるべき問題ではないと思う。私たち国会は、あなたの方の執行については、やはり塩専売法という法律の基準を与えており、そして不当なことがあるならば、国会としておのずから別個の監視責任というものもあるでありましょう。そういう不当なことばがやられておっては、国会はめくらかといわれて、やはり国会に対する権威というものも失墜されようとしておるので、事態を見のがすことができないとしてこういう論議を行なっておるのですよ。だから、私はもう少し実情に即した、弱い者が不当な取扱いを受けないように、こういう措置をもっと本腰を入れて、立ち入って問題を処理されるのでなければ、公的機関としても、またわれわれその所管の委員会としても職責を十分に果すという形にはならぬ。私はこの際申し上げておきたいのだが、ずっとここで幾つか要求事項があって、いずれこれは他の委員から通告がありますので、継続的に質疑されるのでありましょうけれども、これは、あなたの方はこういうふうになってしまったんだからという既成事実もありましょうが、そういうことでなくて、泣く子と地頭には勝てぬというか、この連中を泣かしてしまおうというのか、それとももう少し問題を取り上げて、真剣に合理的に問題を解決する意思があるのかないのか、この点もう少し具体的な、実体に触れての御答弁を願うのでなければ問題は解決しないと思う。一体腹がまえはどうなんですか、一つお伺いしたいと思います。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 本件につきましては、本年の初頭以来、私どもが終始誠意をもって両者のあっせんをいたしておるということは、私は確信を持って申し上げることができると思います。その点につきましては、おそらく実情をお調べ下さいますならば、先生も十分御納得がいくと思います。公社といたしまして、この問題につきまして、決して先生からおとがめを受けるような扱いはいたしておりません。ただ本件につきましての両社側の要求とそれから組合側の提出しておりまする条件とが、あまりにかけ離れておるところに問題の困難さがあるのであります。私は両会社が出しておりまする希望条件が適当であるか適当でないかということにつきましては申し上げませんが、少くとも組合側が納得していないことは事実なのです。また組合側の出しておりまする条件を現在のところ会社が納得していないことも事実であります。従って公社といたしましては、何とかして両方の円満な話し合いがつくようにあっせんをするということが、われわれに残された唯一の立場なので、公社自身がどちら側に命令して幾らか金を出させるとか、あるいは人を引き受けさせるとか、そのほかの措置をとらせるといったような、強制的に命令をしたり指示したりといったようなことは、公社といたしましては権限も持っておりません。またできることでもないのであります。どこまでも公社としては、両者のあっせんをする、何とかして両方が協調して、まあこの辺のところでもって手を握るはかなかろうというところに、一日も早く到達してもらいたい、このあっせんをわれわれといたしましてはどこまでも継続したいということを考えておるのであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういたしますと、この煎熬会社の要求も必ずしも当を得たものではないし、かつ現実に組合はこれを了承していない、それから組合側の態度、条件というものも必ずしも当を得たものではない、かつ現実に煎熬会社はこれに納得していない、そういう二つの立場を現実に認めておる。従って二つの対立する意見が妥結するために、やはり泣く子も自分の生んだ子でかわいいという立場から、専売公社は、今後もこの両者の間に立って、問題妥結のためにあくまでも誠意を傾けてあっせんを継続していく、こういう意向でございますのか、もう一ぺん再確認しておきたい。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 お言葉を返すようで大へん申しわけないのでございますが、私は会社の出しておりまする条件も、あるいは組合の出しておりまする条件も、適当であるかないかということは申しません。これはその立場に立てば、まさに適当な希望を出してきておられるのだと私は思います。しかしそれを第三者から見て、適当とか不適当とかいうこと、申し上げることのできない問題だと思うのであります。要は、両方の食い違っておりまする条件を何とかして円満に、いわばまん中のところでもって、あるいはどちらかに少し譲歩してもらって、適当な線でもって円満にまとめるということだと思っております。そのまとめ役を公社といたしましてはあくまでも努めたいということを考えておる次第であります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それで今後も継続的にその努力を行なっていくと言われることは、その通り現在の公社の方針として変りありませんか。この点をもう一ぺんお伺いてしておきます。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 変りありません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういたしますと、これは専売公社の本社の塩脳部長の責任においてそういう御答弁でありますから、ここに名古屋の塩脳部長もお見えになっておるが、陳情者たちの本委員会に対する陳情によりますと、名古屋地方局長から関係者に対しまして、九月二十五日付で本件についての回答が出ておる。それは、こういうような状態になった「ついて、今日愛知塩脳組合より譲歩し得る貴社に対する最終案を左記の通り提示させましたから御通知勇々御了承願います。当局としては、本案以上の譲歩を求めることは困難と認められるので、これをもって貴社の斡旋を打ち切ることにいたしましたから御承知を願います」云々とあるこの文書は、一つ御撤回を願いたいと思いますが、これに異存はありませんか。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 両方の非常にむずかしい間柄を、何とかして最後の妥協点に持って行かせなければなりませんので、われわれといたしましても、地方局といたしましてもいろいろの苦心をいたしておるのであります。その段階におきましては、今先生がお読み上げになりましたような、一応これが最後の線だといったようなところを出しまして、そうして両方の態度を見ると申しますか、そういうことも一つの行き方としてお許しをいただきたいと思います。名古屋の地方局としては、これ以上はあっせんできませんと場合によっては申したいと言っているのを、こちらは、まだいかぬ、もう少しやれというようなことで、地方局にさらに指示いたしまして、最後の線まで持って行かせるというようなことも努めておるのであります。今の書面は決して事実に反した書面でもないのでありまするが、なおその書面を乗り越えて、われわれといたしましては地方局にあっせんをさせるということで努力をいたしておる次第であります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それでは、塩脳部長の誠意あるかに見える御答弁を了といたしまして、私の質問はこれで終ります。相願わくば、国民は法律の前に平等である、専売公社の行政措置を通じて、不当な取扱いによって公正なる立場にある者が不当なる損失に泣くというようなことのないように、今後とも一そう精力的なごあっせんが広されまして、円満なる妥結に達することを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 関連して少しお伺いいたしたいのです。専売公社のあっせんとおっしゃる意味についてただしておきたいのですが、政府が企業合理化を推進するに際して、石炭合理化法案ができ、それから繊維設備の臨時措置法か出る、今また農林関係では製麦業界の合理化の問題が出る。あらゆる場合において続いていく企業とつぶれていく企業というのが出るわけなんです。これに対して常に行われていることは、存続していく業者からお金を出し、政府もその政策によってつぶれていく会社に対して補助金なり補償金なりを出す。これは天下周知の事実なんです。ことに専売公社の仕事というものは、独占的な、完全に専売公社の政策によって行われるものなんです。あなたが先ほどからいろいろ言っていらっしゃるのを聞いていると、私はどうもその点について、一般の政策のらち外にないという感じがしてならなかった。法律上のことは問題があるから触れませんが、あなたが、私はあっせんの立場ですと言っても、実質問題としてはあっせんじゃないのじゃないか。あっせんというのは、全く関係のない第三者が、全くフリーな立場で、けんかをしている両者の間のお世話をするのが、これが法律上にいうあっせんなんです。専売公社があっせんするというバック・グラウンドというものは、生殺与奪の権を握っており、あらゆる許可、認可権を持っておる。専売公社が単にあっせんをするといっても、これは普通のあっせんではないのですよ。これが、まず第一に今日の政治の全般の中で間違っておることではないか。  それから第二番目に指摘しなければならぬことは、あっせんをする、あるいは調停をする、あるいは自分が中へ入ってまとめるにしても、そのタイム・リミットというものがある。資金を貸す、あるいは組合に仕事をやらせる、それを決定する直前というものが、あっせんをするなりまとめるなりなどするにしても最も適当な時である。あなたの言葉によれば、片一方は今度はよくなっていくそうですが、片一方は、あなたはお聞きになっているかどうか知らぬけれども、うちの鶏まで差し押えるといっているのです。全く片一方は勝者の態度、片一方は敗者の態度ですよ。金が足りなくて、東京へ陳情に来る金もないと言っているそうです。そうしたところであなたが誠意を尽すといったって、向うは金を出しっこない立場にある、いばる立場にあるじゃありませんか。少くとも非常にむずかしい段階にある。なぜタイム・リミットを逸したのか、これが第二に指摘しなければならぬ点です。  第三番目には、春日さんも言ったようだけれども、ほかに方法がないのかということです。あなたは、組合にやらせるより方法がないと言うておるけれども、今日製塩事業なり、あるいは専売公社としてのいろんな仕事を持っている中で、片一方の身の立つような方法はないだろうか、もう少し広い角度から考えることはできないだろうということが、私の三井さんに広い角度で考え直してもらいたいという第三番目の点です。  時間がありませんから多くは言いませんけれども、もう一つ指摘しておきたいことがあります。あなたが、会社と組合とはあまり仲がよさそうじゃないとおっしゃることについては、私も承知をしておるのです。しかし承知をしている中でも、あなたが矛盾を犯しておるように見えるのは、そのような悪い仲で暫定煎熬の契約がまとまったんだから、円満に了解がついたと思われるという点です。明らかにあなたもその辺については、自分でも自己矛盾を持っておられると思う。ほんとうはまとまったのではないのですよ。現に今こういうような実情であるならば、まとまったという理解を持たれたのは間違いだと言わざるを得ないわけです。そう考えてみますと、先ほどのお話もあったようだが、この際一つ角度を変えて、もう一ぺん責任ある立場で――私はあっせんではいかぬのだというような意味は申しませんけれども、責任ある立場で、公社として一つの案を出すくらいの決意がなければならぬと思うのです。それは、会社の案なりあるいは組合の案なり議論があるでしょう。しかし専売公社は、客観的冷静な第三者ではないはずです。いやいやであったとおっしゃるけれども、少くとも組合を設立し、資金を投入し、そうして塩の一貫化について判を押し、責任を持ってそれを推進された立場であります。そうであるならば、それによって生ずべきもろもろの事態についての洞察がなかったというのは、おかしいではありませんか。すべての企業整備に伴なって当然起るべき一番複雑なやっかいな問題を解決することなく、見通しもつけることなく行なったことに問題がありはしませんか。そういう点について一体どういうふうにお考えなんですか。いろいろ申し上げましたけれども、一つあなたの御意見を伺いたいと思います。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 御質問に順次お答えいたしたいと思います。第一のあっせんの問題であります。私は先ほどからしばしばあっせんという言葉を用いて参ったのでありますが、先生の御意見によれば、専売公社は塩専売法によって生殺与奪の権限を持っているから、あっせんというような第三者の立場でなしに、何というか、もっと直接の立場をとってこの問題を処理すべきではないかという問題であります。先生の言われるように、塩専売については公社が権限を持って行なっております。塩専売法で認められました公社の権限は、相当広範囲に及んでおるのであります。しかし御承知の通り、専売公社の塩専売法上の権限は、つまり塩業者に対する権限というものは、塩専売法に規定された範囲にとどまらなければならないのでありまして、その規定を越えて塩業者を強制する、あるいは命令するということは実はできないのであります。私もこの問題について、塩業組合の幹部の方々ともしばしばお会いいたしております。こういうことを申し上げていいか悪いかは別でありますが、ずいぶん強い言葉で組合の幹部に対してこの問題の処理を望んでおります。しかし、これはどこまでも私の希望であり、つまりは先ほどから申しているあっせんなのでありまして、法律に基いた命令権が公社にあるわけでもなし、指示権があるわけでもない。組合が金は出しませんと言えば、組合に命令して金を出させる方法はないのであります。そういうことを言う組合には、ほかの何らかの対処手段を講ずべきであるということをあるいはお考えかもしれませんけれども、その点はよほど慎重に扱わなければならない問題であります。公社のあっせんに従わないから、一方で引き取らないでやらずにおくということをしてないことは、申すまでもないことであります。そういう意味で、私どもといたしましては、許された、法律に基かないあっせんの範囲において、公社といたしましては、どこまでも両者の間の取りなしを行いたいということを考えておるのであります。その点もう少し何らかの権限が許されておるならば、われわれももう少し組合に対して強いことが言えるだろうということは承知いたしておりますけれども、実情はそういうことであります。  それからタイム・リヒットの問題がありますが、私どもといたしましても、タイム・リヒットを十分に承知いたしておりまして、実は会社の方からは、六月の工場完成前からこの問題は提出されておりました。われわれもその点を十分に考えまして、年初以来できるだけの措置を構じて参ったのであります。その間まことに遺憾なことでありまするが、両者間の折り合いがつきませんで、ますます事態が悪化して今日に至るといったようなことになりました。今から御判断願いますれば、まことにタイム・リヒットを心得ないということになるのでありますけれども、私どもといたしましては、その点十分な努力をいたして参ったつもりでございます。  それからその次は、今考えておるような方法のほかに何か方法はないかというお尋ねであります。私どもといたしましても、もちろんあらゆる可能な方法を考えまして、いろいろと研究はいたしましたけれども、結局仕事を失って参りまする会社に対しましてやれることは、組合を説得して、組合から何らかの意味におきましての直接あるいは間接に金を出させる以外には、方法がないのであります。先ほどから申しておるように、もうだめだという事態に何べんも追い込まれておりますけれども、なおそれをあきらめずにあっせんを続けておるような次第なのであります。私どもの誠意を十分にお認めいただきたいと思うのであります。  それから最後のお話は、暫定煎熬に合意したということは、円満に合意がついたということのように考えているけれども、そういうことではないということでありました。なるほど会社と組合との問は、とかく円満を欠くようなこともあったのでありまするけれども、暫定煎熬ができることになったり、つまり工場が完成するまでの間会社の命が伸びたということで、当時会社の当事者は、非常に満足をしておったのであります。実はこの台風にやられて、会社としては壊滅的な打撃を受けた。そこでもう命が終ってしまうのをそれだけ命が伸びたということで、会社側としては非常に喜んでおったのであります。暫定煎熬につきましては、組合と会社側とは完全に話し合いが当時ついたのであります。私どももその実情を十分に承知いたしておりまして、当時の模様から申しまするならば、今日このような事態を起すということは、全然予想もできなかったのであります。先ほど申しましたように、いよいよ仕事を失う直前になってみますると、会社側からもいろいろと注文が出て参ったような次第なのであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 時間がありませんから、結論だけ申し上げておきます。私もとにかく会社の言い分ばかり正しいとは思っておりませんが、今のあなたの御意見は多くの異なった意見を持っております。三井さん、私が申し上げたように、各省のやっている企業整備のあり方について、一別の角度から研究してもらいたいと思う。私どもやったことについて、つぶれようが何だろうがそれは責任ありません、それは会社と組合の問題です、けんかが起ればあっせんはいたします。一言で言えばこういうような態度は、あらゆる企業整備の政府の施策と全く異った態度です。これはいけません。先ほどの春日委員に対する御答弁で解決したと思わないし、非常に残念だから、これから九月に出た案を乗り越えてやるという点については了といたしますが、その基盤となる考え方について、あらためてまた本委員会なり適当な機会にただしたいと思いますけれども、今日の紛争で唯一の鶏まで差し押えられている。こういうことで、整備される企業としてはあまりに手ひどい結果になっている。善処を強く要望いたしまして、私の質問は一応打ち切ることにいたします。

三井武夫日本専売公社理事(塩脳部長)

○三井説明員 一言だけ申し上げたいと思います。先生が言われたような、企業整備について私に間違った考えを持っているということがあれば、公社といたしまして、これ以上のごあっせんはお約束いたさないわけであります。私が今日この席でもって、これだけの言葉を尽して、さらにあっせんを継続して何とかして両者の円満な話し合いをつけさせたいと申しているのは、私が、やはり企業整備につきまして、先生と根本的に違った考えを持っておらないからであります。ただこの場合、従来ほかに例のあった場合もありますが、法律に基いて補償金を出すとかいったような措置がとれないので、われわれに許された範囲内において、できるだけの誠意をもってこの事態を処理したい、こう申し上げているわけでありまして、その点一つ御了承を得たいと思います。

石村英雄日本社会党

○石村委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は明五日水曜日午前十時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。     午後一時三十七分散会

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