大蔵委員会 第6号
- 発言数
- 116 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/11/29
会議録
○松原委員長 これより会議を開きます。 金融に関する件について質疑を許します。奧村又十郎君。
○奧村委員 最近相互銀行や信用金庫の中には、たまたま不健全な経営が表面に現われております。たとえば常磐相互、あるいは東都信用金庫、その他二、三の事件を聞いてまことに残念に存じておるのでありますが、特にことしの六月発覚した第一相互銀行の不健全な経営ぶりは、新聞紙上による報道だけを見ても、まことに言語道断、われわれの常識では判断のできない事件であります。これについてはわれわれだけでなく、一般国民は非常な疑惑を持っておるものと思うのであります。 第一相互銀行は、申すまでもなく西村金融とか保全経済会のような町のやみ金融とは違いまして、正規の法律に基いた金融機関でありまして、厳重な免許制によって保護せられ、また税法上においても特別な恩典を受け、また政府の預託金も受け、一方には大蔵省の非常に厳重な監査、監督と行政指導を受けておるものであります。その相互銀行内に新聞紙上に現われたようないろいろな犯罪、不正不当な事件があって、新聞によりますと三十数億という焦げつきがあるということは、どうしても私どもに判断ができないのであります。 お尋ねする関係から、一応新聞紙上報道の事項をあらまし申し上げますと、第一相互銀行の堀口前社長、渡部常務その他役員及び社員において、背任、横領その他いろいろな犯罪の事実があるらしい。それから貸付については、架空名義の貸付、無担保の貸付、大口融資、情実貸付、とうてい常識で判断できない法律違反、あるいは政府の行政指導違反の事件が数限りなくあるようであります。しかもこの融資を受けた側においても、銀行内の役員あるいは社員と結託をして、金融を受けるために架空の会社を作るとか、いろいろな悪質なことをやって、その間にはいわゆる右翼、あるいは暴力団、あるいは政界、あるいは導入預金屋、悪質金融ブローカーなどが入って乱脈をきわめておる。それがために三十数億円の焦げつきがある。そこで一部の預金者に対しては、事実上預金の払い戻し停止でありますが、三分の一支払って、あとの三分の二はたな上げするという処置を行なって、しかも外部から二十億円の救済融資を出しておる、こういうことであります。これについてこの際検査監督、行政指導のお立場の政府の御所見をよく承わっておきたいと思うのであります。これにつきましては御答弁の御都合もありますから、あらかじめ私のお尋ねする要点を申し上げておきます。 新聞紙上にたびたび出ておるこれらの報道は果して事実であるかどうか、その真相を究明しておきたい。それからこれらの事実に対して大蔵省はいかなる検査監督をしておったか。次は第三点として、再建計画の方法について、これが妥当であるかどうか。私はこの払い戻し停止については、銀行法第十九条の違反であると思うのであるが、その解釈。それから救済融資二十億の融資の方法についても疑念がある。これを伺いたい。それから他の相互銀行に対する一般的な行政指導の方針、これに関連してお尋ねいたします。それから元大蔵省に勤めておられた官吏の方々が相互銀行へ入っておられる。それとの関係、それからその次に、こういう事件を起した政府の責任をお尋ねする。以上の項目を一つ一つ順序を追うてお尋ねいたしたいと思うのであります。 そこでまず第一点は、新聞紙上に報道されたこの事件を検査監督、行政指導の立場にある銀行局長はいかに確認しておられるかということであります。新聞紙上の報道が必ずしも事実とは思いませんけれども、申すまでもなく銀行内の事情は門外不出、法律に基いて非常な秘密になっております。おそらくこの事実は、銀行局長が一番よく知っておられる。しかも新聞紙上の報道で世間に大へんな疑惑を招いておるのでありますから、責任者である銀行局長がこの真相をどう確かめておられるか、その真相をお尋ねしておきたいと思うのであります。事柄の性質上、こういうお尋ねをするのはどうかと思いますけれども、すでに警視庁の方で捜査をいたしまして事件になりましたし、しかも新聞にたびたび報道されておるのでありますから、これをいたずらに秘密にしておくということはかえって疑惑をますます拡大するもとでありますので、特に私は公開の席上で局長の御答弁をわずらわしたいと存ずる次第であります。
○東條説明員 数項目に分けてのお尋ねでございますが、特にただいまは、第一相互銀行の新聞紙上に報道せられておる内容について、責任者としてどういうふうに事実関係を考えるか、こういうまず第一の問題にしぼりましてお答えいたします。 私ども金融機関の監督指導の衝に当っておる者といたしまして、第一相互銀行のごとき遺憾なる事態を生じましたことは、はなはだ遺憾に思います。第一相互銀行につきましては、本年四、五月ごろ定例の検査を行なった次第でございます。二月から着手をしております。その結果資産内容に相当の欠陥があるという事実が判明をいたしましたので、今日におきましては前社長になります当時の堀口社長に対しまして、責任者としてこの事態に対してどういうふうに考えるか、またその対策をどういうふうにするかという責任者としての立場の説明を求めたわけであります。堀口氏は私どもに対しまして、この事態を認めまして、再建についてのいろいろな具体的な案を持参いたし、またそれを実行に移すよう努力いたしたようでありますが、遺憾ながら所期の成果が上りません。その後銀行の資金繰りが窮迫をして参るという事態に立ち至りまして、堀口前社長としては、いろいろ努力はいたしましたが、何とも対策の立てようがない、また事態の責任はあげて自分がとるけれども、事ここに至ったならば、監督官庁として事態の収拾に努力してもらいたい、こういう申し入れがございましたので、事後善後対策に乗り出した次第でございます。 資産の内容につきまして、いわゆる不良貸付、固定貸付、これはいろいろ検査の内容をわれわれ検討いたしておるのでありますが、見方もございますけれども、先ほどお言葉のございました、三十数億の不良貸付があるということは、私必ずしもその数字はさように確認を申し上げません。ただ資産の内容が相当不始末であるということを側面的に申し上げる意味におきまして、検査の結果本数億の損失が見出されるということは申し上げられると思うのです。そういうことでありまして、もちろん前社長といたしましても、この責任を痛感いたしておって、いろいろ対策を講じましたが、今申し上げましたように、事態の収拾ができないということでありましたので、私どもといたしましては、さらにこれが対策を立てる意味におきまして、先ほど申し上げました二月から着手いたしました定例検査でなくて、精密検査を行う必要があるということで、再度の検査を行なった次第であります。そうしてその検査の結果に基きまして、先ほど奧村委員からもお言葉がございましたが、約二十億円の再建資金と申しますか、そういうものを片一方においては出す。それから預金者のうちで銀行側の帳簿その他を調べまして、いわゆる導入預金であるという認定のつきますものにつきましては、話し合いの上で、その預金の一部の払い戻しの猶予を求める。これは契約行為に基くわけでありまするが、そういうことで、導入預金につきましては双方話し合いの上で払い戻しは一部延期する、そういう措置をいたすということで善後対策に乗り出した、かようなことに相なったわけであります。 それから、これは大蔵省の直接の監督の問題ではございませんが、先ほどもお話がございましたように、警察当局、捜査当局の方におきまして、特別背任の容疑があるということで取調べを開始しておる。これは、私どもも事実であることは承知いたしております。あとまたいろいろとお尋ねがございましょうから、それに応じましてお答えを申し上げますが、大体の概略はさようなことでございます。 重ねて申し上げまするが、監督指導の衝に当っております私どもといたしまして、今回の第一相互の事件はきわめて遺憾に存じておりまして、今後一般に金融機関の監督につきましては、できる限りの微力を尽しまして遺漏なからしめたい、かような所存でおる次第であります。
○奧村委員 三十数億の焦げつきがある。それについて局長は、必ずしもそうとは言えぬ、しかし十数億の欠損があるという御答弁であります。本数億というぼかした言葉しか言えないのですか。銀行検査の場合には、つまり正常な貸付でない滞ったものは分類して数字を上げておられるでしょう。第一分類、第二分類、第三分類と分類して注意しておるという貸付総額は幾らですか。その点はっきりしておきませんと、新聞報道に対して、ただいまの御答弁では、これははっきり安心の行く答弁にはならぬと思いますので、その点、分類貸付は幾らになっておりますか。
○東條説明員 検査の場合におきましては、今のお話のように第一、第二、第三、第四の分類をいたします。これはお話しの通りであります。ただ債務者の事業の状況、資産の状況と申しますのは、経済状況に応じまして相当移動が生じますことは御承知の通りであります。従いましてある場合におきまして、たとえば第二分類と考えておったものが、さらに悪化いたしまして第三分類になるということもあるわけであります。また逆に、第四分類ないし第三分類と考えておったものが、以後の状況の変化によりまして第二分類になる。あるいは第一分類になるということはあるわけであります。従いまして、これは私どもの方からのお願いでありまするが、検査の結果の資産内容の分類額の内訳につきましては、できますれば御容赦をいただきたいと思います。ただそれでははっきりいたさないので、十数億ということでなくて、もう少し具体的に損失の見込額をぜひ話せということでございますれば、これは大蔵委員会のことでもございますから、できるだけのことは申し上げなければならぬと思いまするが、先ほどもお言葉のございましたように、事柄が金融機関の信用に関する問題でございますので、その辺のことをしかるべく御勘考いただければ幸いでございます。
○奧村委員 しかしこの点は、二十億の救済融資による再建計画が果して妥当かどうかということに関連してきますので、ぜひお尋ねしたいところでありまするけれども、事柄の性質上、ただいまのお話でありますから、いずれまた方法を変えて明らかにしていただきたい、かように存じます。 次に移りますが、銀行検査は二月にやられたというのですが、こういう悪質な事件というものは、もっと早くからあったはずであり、早くから発覚というか、特に銀行局においてはわかっておったはずである。そういう疑わしい、あるいは不安な金融機関に対しては、適宜適切な検査がありてしかるべきである。そこで二月の検査の前はいつ検査なさったか、前の検査から今年の二月までなぜ検査を放置してあったか。
○東條説明員 最初に一般的な方針についてお聞き取りをいただきたいと思うのでありまするが、ただいま御指摘のございましたよう一に、銀行の検査は、各金融機関の実態に応じまして、あるものは期間を相当置いてもよろしいし、あるものは比較的周期を詰める。こういういわゆる検査の周期につきまして、各金融機関の実態に応じました検査計画を立て、これを実行いたさなければならないことはお話の通りでございます。この第一相互の問題でありまするが、実は第一相互につきましては、前回検査いたしましてから三十一年二月、今年の二月までに二年半を経過いたしております。そこで、今どうしてこういう第一相互についてそんなに検査をのんびりしておったのだ、怠慢ではないかという趣旨のお尋ねでありまするが、大体検査の周期は、全金融機関について二年ということを検査計画の基礎にいたしておったわけであります。そこで第一相互につきましても、二年を経ましたので検査をしよう、こう思ったのでありまするが、これも実は別の問題に話を移して恐縮でありまするが、ちょうどそのときに常磐相互の問題が起ったわけであります。それで常磐相互の問題が起りますると、これも御承知の通り、いろいろの事後の処理を要しましたし、またこの常磐相互の事件が相互銀行界、あるいは関東地区の相互銀行に与えました有形無形の影響ということも、当時の情勢から見ますると軽視を許さないというふうに判断をいたしたわけであります。そこで私どもの当時の考え方は、とりあえず常磐相互の善後対策という問題に重点をあげる、同時にほかの相互銀行につきましては、常磐相互の例もありますので、導入預金の問題でありまするとか、あるいは貸し出しのやり方でありまするとか、そういうことにつきましては、同時に厳重な警告を各相互銀行には当時発したわけであります。そういたしまして、検査を近隣の相互銀行に実施いたすということは、常磐相互の事件がほかの相互銀行に影響を及ぼすことも軽視を許さないということから、しばらくは見送るのが適当ではあるまいかということで、検査はずらしまするとともに、今申し上げましたような警告を発したわけであります。当時、もちろんこの第一相互の堀口前社長に対しましても、常磐相互の例もあり、導入預金であるとか、あるいは貸し出しの方針等について十分遺憾ないと思っておるのだがということで、厳重に警告し、注意を喚起いたしましたに対しまして、当時の社長からは、御心配は要りませんという相当確信のある回答をもらったわけであります。そういうことで、本来でございますれば、二年の周期を経ましたので、第一相互銀行については検査をいたすというのが適当であったのでありまするが、実は、一つは常磐相互の問題から、一面においては警告を発しておくとともに、検査自体は時をずらせるという態度をとったわけであります。それから、これは非常に派生的なことでありまして、この席で私がお耳に入れるのもどうかと思いまするが、当時第一相互の店舗は、実は建物を建築中で、店内が相当検査に適していない、古い重要書類、あるいはその他関係書類が別途倉庫に入れてあるという実情があったわけであります。そういうことでもありましたので、かたがた今申し上げました常磐の関係もあるし、検査の時期をややずらそう、また責任者の話を聞きましても、導入預金その他について御当局に御心配をかけるようなことはありませんという明確な返事でありましたので、検査の時期をずらした、かような実情でございます。 これは当時の事情の御説明でありまして、後日になりまして、二月以降の検査の結果を今から振り返って考えてみますと、常磐の問題もあったが、やはり当時検査すればよかった。また二年をけみしたあとの検査といわず、検査の周期をもう少し繰り上げて検査すべきであったというお言葉を私は甘んじてちょうだいいたします。今申し上げましたようないろいろな事情はございまするけれども、第一相互につきましては、当然いま少しく早く、この二年という周期を繰り上げて、あるいは二年の期間が来たならば検査すべきであった、今から顧みますと、かように考えます。今後こういう点につきましては、全般的な金融行政、あるいは検査の実行につきまして十分私も戒心をいたして参りたい、かように存じております。
○奧村委員 要するに、ことしの二月の検査以前の検査は、それから二年半以前であって、その間に検査をしていないということは遺憾であった、しかし事情はこれこれ。しかしその事情というのは、どうも聞いておりますと、もっぱら言いわけだけで、それで政府の責任をのがれようとしても、それはのがれられぬ。それで、適切な指導が、あるいは手が打てなんだ。それがために前社長初め役員が私財を隠匿して、相互銀行あるいは預金者に迷惑を与えておる。なぜもう少し事前に手が打てなかったか。そこの点であります。 そこでお尋ねいたしますが、警視庁の捜査によっても、先ほど申し上げたように、非常にいろいろな犯罪事件がある。またわれわれの想像でも、つまりもうこれほどの不正不当なことがあれば、新聞紙上に出ていない犯罪事実はまだほかにも予想される。と申しますのは、御承知の通り、銀行法に基いて、監査役は監査書というものを銀行に備えておいて、随時これを銀行局が検査する。そこで、監査役がその銀行の財産を正直に調査して、ありのままに監査の結果を監査書に出しておるならば、もし銀行検査がおくれておっても、監査書を一目見ればこういう乱脈はわかる。そうすれば、監査書を見なかったのか、監査書に不実の記載、あるいは虚偽の記載がしてあったあるいは検査の場合に隠蔽をした、あるいは不実の申し立てをしたというふうなことがあるからこそ、十分の監督もできなかった。従ってこういう事実は、明らかに銀行法第三十四条の犯罪である。こういう犯罪がある。そこで、政府は事前に行政指導でいろいろな方法ができる。その警告を発したにもかかわらず、実際は社長は聞かなかった。それならば、いろいろな犯罪がある。その犯罪に対してなぜ適切な処置をとらなかったか。警視庁の調べは、これはたまたま外部からの聞き込みで調べるようになった。もし警視庁が調べなかったら、このままいまだにこういう犯罪がわからぬという手はない。銀行検査という絶大な権力を持って検査しておられる銀行局においては、警視庁の捜査の一年、二年も前からこの犯罪はわかっておるはずである。そこで刑事訴訟法に基いて、国家公務員は犯罪を承知したならば、これを告発しなければならぬ義務がある。これほどの事件を、警視庁が外部から捜査して摘発するまでに銀行局で警告し、注意をし、いろいろな指導をしたにもかかわらず、何ら聞き入れず、この乱脈まで放置しておいた。これが今度の事件の一番の原因であると私は思う。なぜこういう問題について、銀行局は適切な処置をとらなかったか。またこれらの犯罪を認めないのか。犯罪を知らなかったのか。知っておったが、手心を加えたのか。その点をはっきりさせていただきたい。
○東條説明員 前回の検査のときには、まだ今日のごとき、銀行の経営に不始末があるということにはなっていなかったわけであります。 それから、先ほどもちょっと申し上げましたように、今年二月の検査の着手前に、ほかの遺憾な事例もございましたので、責任者に対しまして、こういう遺憾な事例もあるので、十分注意をするようにといったときに、いや、私どもの方は、御当局に迷惑をかけるようなことはありませんということでありましたので、私どもはその言葉を実は信用しておったわけであります。 それから、なおこれはあるいは私の御説明が不十分であったかと思うのでありますが、本年二月の検査、あるいはその後もう一応行いました精密検査の場合におきましても、いろいろの貸付——この中には、先ほど奧村委員からお話がございましたような固定貸付、不良貸付があるわけであります。それにいたしましても、表面的には合法的な形をとっておったことは事実であります。さようなことでありまして、前回の検査以後今回の検査が行われますまでの間は、実は私どもは、銀行の当局者の言葉を信頼いたしまして、さような不始末のようなことはあるまい、かように考えておったわけであります。 そこで今回の検査を行なった場合に、いわゆる犯罪事実というものがお前たちはわかっておらなかったかという検査の内容について、検査の結果についての私たちの判断に関する問題でありますが、私ども検査をいたしまして第一に考えましたことは、ともかくも銀行検査の第一次の目的としては、大勢の預金者に迷惑をかけないように、何とかして第一相互銀行の再建というものをやり遂げたい。相当の困難がございますが、第一相互の再建ということに主眼を置きまして、それをまず……。(奧村委員「私のお尋ねの要点だけお答え願いたい、言いわけはよろしい」と呼ぶ)いや、率直に申し上げております。そういうことを考えたわけでございます。従いまして検査の結果といたしまして、犯人の問題、あるいは犯罪事実の確認ということには、私どもといたしましては十分の考慮を払う必要がある。ともかくも検査の結果に基いての第一相互銀行の再建ということをやって参りたいということで今日に立ち至りまして、そうしてその間に重役陣の変更も行われる、また再建資金の供給も行われるということで、ようやくこの再建の軌道に乗ったという時期になりまして、捜査当局の捜査が始まったというのが現状であります。私どもといたしましては、今回の検査までは、そういう犯罪事実があるというふうには考えておりませず、また検査の結果の処置といたしましては、今申し上げましたような次第であったわけであります。
○奧村委員 私どもとしては、大蔵省の銀行の検査監督というものに絶大な信頼を置いておったんです。われわれだけではない、つまり全国民が金融機関を信頼しておるというのは、大蔵省の検査監督を信頼しておることなんです。ところが今の御答弁によると、その検査監督というものは何とまあたよりないものか。今の御答弁によると、二月の検査までは、銀行当局を信頼して犯罪があるとは思わなんだ、こういうことですね。それじゃ二月の検査のときには、犯罪の事実を知ったのですか。どういう犯罪を知られたのですか。
○東條説明員 貸し出しの内容に相当固定的な不良貸し出しがあるという事実は、二月の検査のと遂にはっきりいたしました。しかし、それが犯罪を構成するかどうかということにつきましては、二月の場合においては確信を得られなかった、こういうのが実情でございます。
○奧村委員 監査役が正直に財産の状況を監査して監査書を提出しておれば、監査書を一目見ても、財産の状況はほぼつかめるはずであります。そうすると、二月のと遂にごらんになった監査書には、今明らかになった銀行の実態は書いてなかったですか。もし実態が書いてなければ、これは不実の記載である。また正直に書いてあれば、それを見のがした銀行局の責任である。この点どうですか。
○東條説明員 形式的には、事実の貸し出しが行われておるようになっておるわけであります。形式的には合法的に整っておりまするが、貸し出しの内容の実際の検査を進めて参りますと、不良な貸付がある、こういうことであります。
○奧村委員 銀行法及び相互銀行法に基いて、預金者保護の立場から、厳重に銀行、相互銀行を検査監督するという規定がずいぶん出ておるわけであります。その規定の中には、一口の貸し出しが一定の金額以上をこえてはならない、あるいは架空名義で貸付をしてはならないとか、いろいろな制限があるわけです。あるいは政府の行政指導の通達においても、ずいぶんいろいろ出ておる。二月の検査のときには、これに対する違反は全然なかったのですか。
○東條説明員 つまり帳簿を一目見ました形式的な形としては、合法のような姿をとっておるわけでありまするが、実態を調べていくと、同一人のところに金が出ておる。つまり貸付先は数十口に分れておりまして、すべて合法的になっておりまするが、その貸付の相手方の経済的な効果といたしましては、法規をくぐるようなことになっておるのが、二月の検査でわかりました。——大部分についてはそうでありますが、形式的に十七件違反の事実がわかりました。ちょっと訂正いたします。
○奧村委員 二月に犯罪の事実は認めたのですな。そのときになぜ適当な処置をとらなかったか。現在においても、一番の責任者である監査役の責任を追及しておられぬ。あるいは社長その他役員に対する責任を追及しておられぬ。警視庁は調べておりますよ。しかし直接の監督指導をする大蔵省が、まだこれらの責任者の責任を追及をしておられぬ。従って財産が隠匿されておる。そこで犯罪を二月に確認したけれども、その告発を当分猶予したのか、あるいは犯罪が確認できなかったのか。
○東條説明員 犯罪という言葉の解釈の問題でありますが、相互銀行法等に、規定のございます、同一の貸出先に一定限度以上の貸し出しをやってはならないというのは、私どもの考え方では、いわゆる指導的なものでありまして、これに違反したならば直ちに罰則の適用があるというものではないわけであります。そこで犯罪という言葉でありまするが、もしそういう指導的な内容の法規に違反しておるという意味でございますれば、先ほど申し上げましたように、二月に一部確認いたしております。しかし狭義に解釈いたしました場合の犯罪であるかとおっしゃいますと、私は、二月の検査においては、そういう狭い意味の犯罪というものは確認するに至らなかった、こう申し上げるわけであります。
○奧村委員 うわべの書類とか形式で事実の犯罪というものがわからぬ、そういうだらしのない銀行検査なのかどうかということを、私は調べたいのです。
○東條説明員 私の申し上げている趣旨は、こういうことであります。つまり、同一貸出先に対しては、一定限度以上の貸し出しをしてはならない。これは相互銀行法に規定がございます。それの違反という事実は、二月の検査において一部確認いたしました。しかし、犯罪を犯すという意思炉あり、しかも結果において、その行為に対して体刑が伴うとか罰金がいくという意味の、狭義の犯罪という言葉が成り立つかどうか知りままん。そういう意味の犯罪事実に、直ちに同一貸出先に対する制限違反ということがなるわけではございませんが、そういう意味においての犯罪事実の確認というまでには至らなかった。こういう趣旨で申し上げているであります。
○奧村委員 今銀行局長は言われたが、それでは、一定限度以上の貸付を同一人にしてはならぬということは、何か政府の指導といいますか——これは相互銀行法にはっきり規定してある。そこで法律違反はあった。しかし、犯意があるかどうかということを確かめないからということで、手心をしたように言うておられるが、そうではないでしょう。もうそういう犯罪があったら、これを告発するか——告発しなければどういう事情できょうまで放っておいたか。それから、それでは、現在相互銀行の前の監査役及び取締役に対して、責任の追及をやらしておりますか。
○東條説明員 少し私の申し上げたことが食い違っておるわけでありますが、相互銀行法の規定にあります、同一貸出先に対する制限違反があるのだ、そういう意味の法律違反があるのだということは、二月に確認しておったわけであります。ただ、私が少し話をそらせましたのは、現在いわゆる特別背任の容疑ということで捜査が開始されているわけであります。そういう狭い意味の言葉を使ったのはいけなかったかもしれませんが、本来の意味の、罰則を伴うような犯罪事実は、二月のときには確認するに至らなかった、こういう趣旨を申し上げたのであります。
○奧村委員 法律に違反して大口に、人によっては何億という——相互銀行というものは、中小企業に対する融資機関ですよ。一口五十万か百万の小口融資機関です。それを一人に十数億というような貸付をしたことは、明らかに法律違反である。法律に抵触した場合は罰則がちゃんとあるのだが、これを確認してなぜ告発しなかったか。
○東條説明員 これは第一相互銀行のみの問題ではございませんが、同一貸出人に対して一定限度以上の貸し出しを行うということは、相互銀行あるいは信用金庫においては、業務の運営上やるべきではない。これは法律なり事業報告できまっております。そういうことがあった場合に、告発を必ずしているかという問題でありますが、私ども従来のやり方は、これは警告をし、反省を求め、できるだけ早くこの事態を是正するように一般的にやっております。貸し出し限度に対する法規違反があったら直ちに告発するかということにつきましては、これは第一相互銀行のみではございません。私どもは従来も全般的にやっておりません。またこの問題につきましては、相当事業運営に対して政府の指導的な色彩の強い規定であるので、その程度にとどめるのがまず適当ではなかろうかという気持でおるわけです。
○奧村委員 私はここまで追及してお尋ねするのは、これほどの大きな事件を起した政府の責任を明確にせにゃならぬ。そうすると、すでに二月に犯罪を確認しながら、これは刑事訴訟法に基いて、国家公務員として告発すべき責任がある。それをしも履行しないで事ととこに至らして、重役の私財も隠匿されてしまったという、そこの政府の責任を追及する。どうして二月に犯罪を確認したが告発しなかったのか。告発をしなかったなら、どういう事情で告発しなかったか。
○東條説明員 今も申し上げましたように、同一貸し出し先に対する制限の超過の事実がある。そういう意味においての違法があるということは、二月に確認いたしたわけであります。しかしこの規定に違反しておるから直ちに告発をするかどうかという問題につきましては、これは第一相互銀行のみならず、一般的に、私どもはそこまでこの規定に違反しておるから直ちに告発するということは、この法規なり全体の銀行の運営上、そこまでには及ぶまいという方針をただいままでとっておりましたので、二月にこの貸し出し制限の超過がある、違反があるという事実を確認いたしましたけれども、その点に関しては告発の手続はとらなかった、かような次第でございます。
○奧村委員 そうすると、何のために銀行検査をするのかという新たに疑問がわくわけであります。ただいまのお話は、ただ一つの小さい問題ですが、ほかにもずいぶん犯罪があり、事実上は銀行局は知っておられる。知っておると言えぬから言わぬだけです。しかし数限りなくあるこういうような犯罪をそのまま見のがして、今日に至って世間に非常に迷惑をかけて、それで銀行検査というものは責任が勤まるかということであります。どうもただいまの答弁は私は不満足でありますが、もう少し別にお尋ねの仕方をかえてお尋ねしたいと思いますから、これは留保いたします。 次に、今度は再建の方法について私は非常な疑念を持っておりますので、お尋ねをいたしたいと思うのであります。事件が起って八月ごろに、これは銀行局長がはっきり声明書を出しております。新聞で私らも読みました。預金者の一部、つまりいわゆる導入預金と称しておりますが、約二十三億の預金者に対して、そのうちの三分の一は直ちに支払うが、あとの三分の二は十年間たな上げする、こういうことを相互銀行がやっておりますね。これは銀行法第十九条による払い戻し停止であるかどうか、この点をお尋ねいたします。
○東條説明員 私から申し上げるまでもなく、十九条の内容は御承知の通りですが、十九条の規定は、一つの銀行が一般的に、しかも話し合いによらずして預金の払い戻しを停止するという場合の規定であると思います。第一相互の場合におきましては、預金者の一部、いわゆる導入預金につきまして、その三割は即金で払う。あとの七割につきましては、二つの方法をとりまして、十年間の分割、あるいは三年据え置きまして、残りの七カ年に半年年賦で払うという二つの方法をとったわけであります。これは銀行の責任者と、いわゆる一部の預金者との話し合いに基きまして、銀行の再建のためにそういう預金の払い戻しの方法でがまんしてもらいたい。がまんいたしましょうという話し合い、契約によりまして行われておるものでありまして、十九条には該当しない、かように解釈いたしております。
○奧村委員 十九条に該当しないで、預金者と銀行との任意の契約なんだ、こういうことであります。これは一番重大な点でありますが、その二十三億の預金者のうち、話に聞くと、約三分の二はそれで話し合いに応じたそうですが、三分の一の約六億円ほどの預金者は、そういうばかなことはない。これは一覧払いの無記名定期でしょう。期日が来て払えませんということは、これは金融機関で許せるものではないから、当然支払え、いや支払わぬ、支払え、支払わぬということでいまだに騒いでおる。そこでこのときに、この検査監督の責任のある政府、銀行局がこれに対してどうなさるかということ、政府の責任をお尋ねするのですが、十九条の規定によらない、こういうこと。十九条の規定によらないというのならば、それならあくまでも預金者が即時全額払えという場合には、相互銀行の方へ全額払いなさいと銀行局は御指導なさいますか。
○東條説明員 先ほども申し上げましたように、一般の預金者でなくて、一部特定のいわゆる導入預金者について話し合いが銀行と預金者との間で行われておるわけであります。そうして第一相互銀行というものがりっぱに再建をいたしませんと、これはそういう一部の預金者以外の一般の預金者にも御迷惑をかけることになるわけであります。従いまして銀行局といたしましては、どうかそういう話し合いで、預金者にも御迷惑がかかることではある炉、納得をしてもらいたいと、円満な話し合いがつくことを希望するというのが銀行局の態度であります。
○奧村委員 私は、この法律の解釈をお尋ねするのですが、銀行局長に申し上げるまでもなく、この銀行法や相互銀行法というものは、すべて預金者保護の立場で大蔵省が指導、検査、監督するという厳重な規定が置いてある。つまり大衆の預金というものは迷惑をかけちゃならぬ。何どきでも期日が来たら全額払えるように、トラブルの起らないようにせにゃならぬ。これがために大衆にかわって政府が金融機関を監督する。そのための規定が銀行法であり、相互銀行法である。従って御承知の通りに、ほかの株式会社にはないような、銀行の営業は日曜、祭日以外は休んではならぬとか、あるいは特に災害等で休む場合は、地方長官に届け出にゃならぬ。つまりそういう特別の条件以外の場合は、期日が来て、営業時間の正当な取り立てであれば、必ず払わにゃならぬ、また払わさにゃならぬ。そのために大蔵省が監督しておる。こういうのが法律の精神でしょう。そこで、もしそれを払わない場合は、十九条によって大蔵省に届け出て払わぬことがある。払わぬ場合は、十九条によって払わぬことがある。その十九条を適用しないとすれば、当然これは払わにゃならぬ。あなたは、第一相互銀行でそういう話し合いでどうとかこうとか言いますが、ほかの金融機関で、一般預金者が取りに行って払いませんと言うた場合に、銀行局長に尋ねに来たら、払えということは当然でしょう。第一相互銀行の場合に、どうしてはっきりと相互銀行に払いなさいと、なぜ銀行局長は指導なさらぬのですか。そこの点をお尋ねします。
○東條説明員 第一相互銀行につきましても、一般の、何らいわゆる導入預金でない預金者につきましては、今お言葉のありましたように、何ら払い戻しは制限はいたしておりません。ただ一部特定のいわゆる導入預金につきましては、いろいろの事態を勘案し、またそういう話し合いが行われますことが、第一相互銀行の再建になる。従って、広く一般の預金者に御迷惑をかけないことになるのだという考え方のもとに、一部特定の預金者と銀行との間には、先ほど申し上げましたような条件で話し合いをぜひつけてもらうことが適当であるのだ、こういう考え方のもとに臨んでおるわけであります。
○奧村委員 そこで八月ころからきょうまでに預金者の三分の二は、まあ任意で話し合いがついた。あと三分の一はいまだに全額払えと交渉しておる。そこでもう三カ月も払えというておるものは、これはもう任意で話し合いがつかぬ。そうした預金者保護の立場から、銀行局長は払いなさいとなぜ言わぬのですか。その答弁がはっきりしませんと、私は今後法律上の解釈をお尋ねしますよ。
○東條説明員 いわゆる導入預金という特別の性質のものでもありますので、一般の預金とは何らか話し合いの上で区別がつきましても、両方の話し合いが、何とか成立することが望ましい、こういうことで、私ども終始一貫話し合いをつけて下さいということを申し上げて曲るわけであります。
○奧村委員 預金者保護という政府の一番大きな責任を政府が逃げようとする、政府が逃げようとするから、そういうあいまいな答弁をなさる。それなら私はお尋ねしますが、一体導入預金だから話し合いをしろと言うが、導入預金というものは法律上どんな規定ができておりますか。実態はあるでしょうが、法律上導入預金というものはどういうものですか。特に導入預金なんというものが起きるのは、預金者も一部悪いが、大体金融機関が悪い。しかし法律に基いて、たとえば裏利を預金者が受け取った、裏利の高利を受け取ったから法律違反ということはないはずだ。そこで善意の預金者が、無記名定期でかりに期日がきてとりにいった、払いませんということはあなたは法律上どこをもって言うのですか。法律上の解釈をお尋ねします。
○東條説明員 私はもっぱら経済的な効果に着目しまして、第一相互銀行の貸付の中に固定的な不良貸付が生じたわけでありますが、その貸付の一部には、今御質問のございます、この導入預金の利息の関係がまたぐるっと回りまして、第一相互銀行からの貸付の内容をなしているというような事実もございますし、もっぱら導入預金の経済的な効果ということに重点を置きまして、事実上の話し合いが行われることが第一相互銀行の再建に必要であるし、またそうすることが広く一般の第一相互銀行の預金者のために役立つのだ、こういう考え方のもとに、今申し上げましたような態度をとっているわけであります。
○奧村委員 どうぞ銀行局長、あまり政治的な言いわけめいたことではなしに、事実をはっきりおっしゃっていただきたいと思います。そこで、導入預金というものはどんなものかということをここで議論しなければならないことになりますけれども、時間の関係上あまり私もそれには触れないのですが、要するに導入預金というものは、いろいろな形があるのだが、そこで裏面にあっせん者があって、どんな事情で預金するか知らぬが、預金でたとえば無記名定期の証書を受け取った以上は、そのことにおいては法律上何らやましいところはないはずだ。裏で一定の利子のほかに裏利をもらってならぬという法律の規定がありますか。その規定がなければ、これは導入預金であるか導入預金でないかというようなことは、法律上は確かめる方法はないはずだ。そうでありますから、そういうものが取り立てた場合に、待てというようなことを言ったのでは、大蔵省の預金者保護ができないじゃないか。しかし、これをいかにお尋ねしても明確な御答弁はなさらないように思うが、それでは逆にお尋ねしますよ。もし無記名定期の一覧払いの証書で期日がきた。いよいよ払わなければ、民法に基いて——民法か何か知らぬが、銀行法以外の法律に基いて裁判所に差し押えの執行を申請するという方法があるわけであります。これは当然有効なんでしょうな。
○東條説明員 先ほど来のお尋ねで、導入預金がどういうことであり、また第一相互銀行の場合に時際どういうことになっているか、奧村先生もう御承知の通りでありますからくどくは申しませんが、そういうことでありますので、何とかここで導入預金者と銀行の間で話し合いが成立して、再建が軌道に乗って、導入預金者のみならず、第一相互銀行全体の預金者に迷惑がいかぬように、そういう大きな意味の預金者保護という目的が達成せられるということがぜひ必要なんであって、今のお話の一般の民事法関係、あるいは訴訟法関係の手続のようなことが起らぬように、円満に話し合いのつくということを私たちはどこまでも希望します。
○奧村委員 あなたは、しかし大衆預金者の側に立って、預金者保護の立場で金融機関を監督するお方ですよ。そこでその監督は法律に基いているし、また預金者と銀行との関係も法律に基いて規定してある。そこで払えと言う。払わぬと言う。そこで払えと言っておるのに払わぬという場合は、これは法律に基いて裁判所に強制執行を申し立てる。これは法律の当然の権利であるが、——それは当然でしょうね。それをはっきりさせておかぬと、預金者というものはどういう交渉ができるかね。
○東條説明員 それは、一般の民事法なり民事訴訟法に関しましては、それぞれ手続があるのですから、大蔵省の銀行局がどういう態度をとろうと、法が命ずることができるわけです。ただ私といたしましては、特定一部の預金者の利害が先であるか、全体の預金者ためを考えるべきか、そこのところを御勘考願いたい。そこで預金者も、そういう広い観点から銀行と円満に話し合いがつくようにしてもらいたい、こう申しているのです。
○奧村委員 あなたは、政府の責任をのがれようとするからあいまいな答弁をする。一般の零細な大衆預金者に迷惑をかけるからと言うが、それは政府の責任なんじゃないか。政府の監督が行き届かぬからそういうことになったのでしょう。その政府の責任をたな上げして、さあ預金者がお互いに話をしてくれ。そうして預金者の立場になってみると、期日がきて、一覧払いの定期預金の証書をなぜ払わぬか。なぜ払わぬかというと、事実は焦げつきがあり、欠損があって払わぬ。第一相互に焦げつきがあり欠損があって払えぬということは、だれがわかる。預金者にわかりますか。これは、法律に基いて銀行の内容は秘密になっておる。銀行の払えないという内容のわかるのは、日本中で大蔵省の銀行局長、検査部長でしょう。そうしたならば、銀行局長、検査部長が、第一相互銀行はこういう内容だから、預金者は待ってくれということになるならわかる。そうなさらぬのですか。
○東條説明員 この問題が起りましたときに、いわゆる導入預金、一部特定の預金者の方々、これは全部とは申せませんが、相当数の方が銀行その他に集まられまして、この問題についてどういう態度をとるべきか、相当回数の会合を持たれ、また御相談をなさったわけです。そういう場合におきましては、適当な方法で銀行の現状、そして御協力を願わないとこういうことになるのだということにつきまして、及ばずながら私どもできる限り支障のない限度において、そういう措置をとらざるを得ないゆえんのものを、その趣旨の徹底をはかったわけであります。従いまして、まだ全部の方々の御協力を得るに至ってないのは大へん遺憾でありますが、そういう銀行の現状でございますし、その事実につきましては、今回の場合は大体御承知願っておると私は思うのでありますので、銀行と預金者の間の話し合いが円満につくことをどこまでも希望する、こういう態度でおるわけです。
○奧村委員 それじゃ、導入預金だからそういう話し合いをするということですが、そこで導入預金の起るのは、まあ大部分金融機関が悪い。また金融機関を指導なさる銀行局が悪い。そこで預金者は、一定の利子のほかに裏利、つまり余分の利子をもらっても法律上何ら違反にならぬ。私はそういう解釈をしているのですが、違反になるようなことがあるならお尋ねいたします。たとえばそれがもし違反というなら、預金を預けろ、預けるかわりには団体旅行に御案内いたします、あるいは歌舞伎座に案内しますということもある。それも導入預金になるか。従って、これは法律上はっきりしておかなければならぬが、預金者はどこのどの法律を見ても、どれだけ利子を受け取ったから違反ということは全然ない。もしあるなら一つ言うて下さい。
○東條説明員 先ほどもお話がありましたように、導入預金の形態、その他いろいろ私ども検討をいたそうと思っておりますが、ごく大ざっぱに申し上げまして、多くの場合、現行法のもとにおきましては法規違反にならないと考えております。ただいろいろな形態がありまするし、中に御承知のようなブロ—カーが立っておる場合がありますので、相当検討は要すると思いますが、この席で私が申し上げ得ますことは、多くの場合、現行法のもとでは法規違反にはなるまいということであります。
○奧村委員 それでは、導入預金でも預金者の方は多くの場合法規違反になるまい。従って預金者が第一相互銀行に預金を支払えと言うた場合は、これは当然支払うべきである。しかしその銀行の内容上、話し合いを望むというなら話はわかるが、そこの法律解釈だけははっきりしたらどうですか。預金者があくまでも支払えと言えば、当然全額支払うべきである。これは預金者保護の立場からはっきりしておかなければならぬ。
○東條説明員 多くの場合、銀行は期日が参りますれば支払わなければならない義務があります。義務がありますが、今回の場合は、先ほど来申し上げたような事情でございますので、話し合いによって待ってもらう、新しい話し合いをしたい、こういうことをやっておるわけであります。
○奧村委員 その話し合いというのは、銀行法第十九条による話し合いでなければならぬと私は考えるのでありますけれども、これ以上言うたのでは、局長の答弁もお困りでしょうからやめておきます。 その次に、再建方法について私は非常に疑念を持つのであります。この八月に再建方法をお立てになったときに、これはあんまり甘過ぎる、そんなことで世間は通らぬということを、私は実は個人的には申し上げたのでありますが、現在でも私の考え方は変りません。つまり二十億の救済融資を富士銀行及びほかの相互銀行から出さしたというやり方、これは大蔵省の金融機関の行政指導上大きな誤まりであると私は考えております。これは窮余の一策としてやられたのかしらぬが、どうしてもこの考え方を明らかにしておいていただかねばならぬと思うのであります。 申すまでもなく、銀行や相互銀行は株式会社であり、従ってこれは一般の私企業である。法律の考え方からいえば、銀行が自主的に運営し、従ってまた責任も銀行自体が受ける、こういう普通一般の株式会社と何ら変るところはない。ただ、しかし預金者保護の公共的な立場から政府がこれを厳重に監督する、こういう立場になっておる。そこで、第一相互銀行があれほどの事件を起して焦げつき欠損を生じた場合に、この欠損の処理をどうするか。その会社の取締役、監査役が背任をし、あるいは怠慢をして会社に欠損をさせたならば、まず取締役、監査役が会社に責任を負わなければならぬ。その責任を追究しなければならぬ。会社もまたそれがため資本金、準備金をもって償いをしなければならぬ。これがもとであろうと思う。預金者との間は、いわば銀行法以前の一般の法規に基いて、双方の話し合いで破産とか、あるいは和議法などもあるでしょう。そういう建前のものを、全然縁もゆかりもないほかの相互銀行、あるいは富士銀行が、経営上何ら関係ない、連帯性のない第一相互銀行に二十億からの金を融資する。しかもそれは使い込んで、あるいは不正な貸付をやって欠損をしたからほかの金融機関がこれを救済するということは、どう考えても今までの銀行指導からいって私は納得がいかぬ。どういう考え方でそういうことをなさったのですか。
○東條説明員 第一相互銀行が不始末を起しましたにつきましては、もちろん第一相互銀行自体としても遺憾な大問題でありますが、同時にこのことは、相互銀行界あるいは相互銀行全体にとっても非常に大きな問題であるわけであります。御承知の相互保証協定というものができておりますのも、一つの相互銀行の不始末ということが相互銀行全体に及ぼす影響が大きいから、何とか同業連帯の思想でもって再建、援助をお互いにやろうじゃないかという精神でもって、でき上っておるわけであります。従いまして、二十億のうちの三億円は、この相互保証協定の一つとして行われたわけであります。残り十二億につきましては、今申し上げましたような、ある意味においては相互銀行界全体の問題である。相互銀行に金を預ける、あるいは契約をしたらひどい目にあったということでは、相互銀行全体の発展のためにとらない、こういう同業連帯の思想から、残り十二億円につきましては、相互銀行のいわば自発的、自主的な盛り上りとしてそういう措置がとられた、かような次第でございます。五億円の富士銀行の分につきましては、これは、富士銀行は長く第一相互銀行の手形交換代理取扱い銀行であります。そういう関係でありますので——もちろん経営に直接タッチしておるわけではありません。冷厳なことを申せば、富士銀行は何ら金を貸す必要はないという判断も成り立ちますが、さような代理交換の取扱いを長くやっておる銀行でもありますし、また富士銀行は、申すまでもなく資金量においても日本一の銀行であります。相互銀行界において、かような不祥事が生ずる、第一相互銀行がもし破綻するということになれば、相当金融界にも大きな影響がある。大きく見れば金融秩序にも響く問題であります。こういう判断も成り立つわけであります。そういう日本一の資金量を持っておる銀行でもあるし、たまたま代理交換を長くやっておるから、一つ金融界全体のために自分としても——これはもちろん採算に合わぬことではいけませんが、適当な条件でもって金を貸すということになったわけであります。
○奧村委員 局長の御答弁は、初めからしまいまでどうも言いわけが多いが、私はこういう大事件が起り、また将来にも大きな影響のあることは、なるべくやはり筋を通して、法律上許される答弁をしてもらわなければいかぬと思うのです。そこで、それでは甲の銀行で監査役や取締役や重役や社員が不当、不正な貸付をやって非常な欠損を起した。そうすると、乙の銀行が相互連帯の精神でそこの穴埋めに金を貸す。しかし、それは乙銀行のやはり非常に貴重な大衆預金ですよ。これは銀行局が検査監督して、その運営を厳重に守っていかなければならぬのに、片一方、使い込んだ穴を埋めるところに融資をさせる。そういう指導をやったら、今度は相互銀行全体が連帯して将棋倒しになる。要するに、甲の銀行が穴をあけて、乙の銀行が乙の銀行の預金者の金を持っていくという思想が連帯責任ですか、またそれは法律の何に基くのですか。
○東條説明員 そういう不始末を起しました銀行の経営者の責任というのは、これは別途の問題で、十分厳重な措置がとられると思います。しかし、その銀行が破綻をいたすということは、その銀行だけとってみましても、もちろん重大問題でありますが、同じように同業全体の信用の維持、あるいは向上という観点から非常に遺憾であるという問題、同業者間にそういう考え方が起りまして——そしてもちろん再建計画にのっとって金を出したが、それがまた倒れるというのでは問題になりません。一定の再建計画に基いていけば大丈夫成り立っていくという見通しがつく場合において、そういうお互いのある意味においては共通の問題である信用秩序維推のために、これは必要だ、金融秩序維持のために必要だということで、自主的にそういう考え方が盛り上ってくるという場合におきましては、これは、その場合われわれ行政当局としては判断をしなければならないのでありますが、そういう事態においては、ここの場合金を出さしても大丈夫だという判断がつきます場合においては、そういうことは私は歓迎していいことである、こういうふうに考えております。
○奧村委員 銀行局長は金融秩序の維持のためと言われるが、私は金融秩序の維持のためにこれが間違いだというのです。つまり、先ほどからのお話のように、これほどの大事件がなかなか銀行局の検査にわからない。わかっても適切な処置がとれぬ。ついに何十億という穴があいた。第一相互だけに限ればいいが、ほかの相互銀行もそういうのが——これほどひどいのはないとしても、多少のことがあるとすれば、そういう事件がまた今後起った場合、まじめなしっかりした銀行から、その大衆の預金を持っていって穴埋めをする。それが金融秩序になるのですか。そこで、少くとも今までの大蔵省の金融機関に対する金融秩序、行政指導は、すべて自主的な運営、そのかわりに自主的な責任、これが大原則でしょう。そこでもしその幹部が怠り、不正をしてつぶれれば、これはやむを得ぬ、こういうことが当然であると思う。今のお話によると、ほかの銀行が不始末をやってつぶれた場合は、健全な銀行から助けに行く。それでもって果して全国の金融機関の秩序が保てますか。そういう指導ぶりをなさるからして、このごろちまたにはこういううわさが出ておる。相互銀行でも信用金庫でも銀行でも、銀行の看板がかかっておるならば、どんなことをしても大蔵省はつぶさぬのだ。こういううわさが出ておる。そこで無条件に信頼する。ところがやってみると、第一相互銀行がこういうべらぼうなことをやる。私は公開の席上では言いにくいが、あとから秘密会で追及いたしますけれども、もう第一相互銀行というものは、おそらく意外な内容でしょう。そういう不正な不当な経営をやったものをほかの銀行が連帯で救うということを、今後ともそれじゃ指導なさるのですか。それに至るまでには、もっと銀行局の検査、監督が国民に信頼を持たれる事実上のことができて、初めてその連帯の言葉が出てくるのじゃないか。銀行局はそういうだらしない検査をやっておって、そうして連帯で救うんだ、そういうことで金融秩序を保てますか。今までの金融秩序の保ち方と今度は方針を変えたのですか。
○東條説明員 金融機関の経営責任者が、自分が自主的に責任をとってやっていかなければならぬ。問題が起れば、その経営者が全責任を持ってやっていかなければならぬ。場合によっては、その金融機関も不始末を起した以上、破綻を生ずるといういわゆる自己責任の原則ということは、これば仰せの通りであると思います。同時に金融機関は、大ぜいの預金を申すまでもなく預かっております。そういう意味の責任、信用を受けるという意味においての公共性ということがあるわけであります。そういう二つの原則をどういうふうに調和さすべきかということが、私はお話の問題点であろうと思います。従って、一般的には自己責任の原則ということは、どこまでも一つのプリンシプルとしてやって参らなければなりませんが、同時に大衆の預金というものの保護、金融機関のいわゆる信用を受ける意味の公共性というものも、十分尊重していかなければならぬのでありまして、個々の場合に応じまして、いかにそれをあんばい調整するかということはやっていかなければならぬ。これは何も最近に限ったことでなく、銀行なり金融機関というものの経営にずっと通ずる考え方じゃなかろうか、かように思います。検査のやり方にもう少し改善、考究を加うべき点があろうという御批判につきましては、十分その御批判をちょうだいいだしまして、今後努めて参ります。
○奧村委員 それでは法律上の責任をお尋ねいたします。各相互銀行から救済融資を出しておるというんですね。日本相互銀行からは三億、東京相互からは一億、平和相互が一億、全部で十三億ですか、それから富士銀行が五億。これは私は法律違反だと思うのであります。というのは、銀行法、相互銀行法に基いて、先ほどからくどく申し上げるように、預金者保護の立場から銀行の業務というものは非常に限定してある。つまり社長初め役員は他業に従事することを禁止するとか、あるいは銀行業以外の業務は銀行にはやらせない。これはみんな預金者保護でしょう。そこで、ほかの銀行がボロを出して穴をあけたから、別の銀行がその大衆の貴重な預金を持っていって穴をあけたところへ救済融資をするということは、銀行の業務の中にあるのですか。銀行業務のどの部門に入るのですか。一つ法律上の解釈をお尋ねします。
○東條説明員 他の金融機関に対する貸付ということであろうと思います。
○奧村委員 金融機関の貸付には、これは明らかに法律があります。たとえば日本相互銀行は三億貸しておりますが、日本相互銀行の資本金は幾らですか。日本相互銀行の資本金及び積立金の十分の一以上は同一人には貸してならぬという規則がある。これは明らかに違反である。その規則違反を銀行局は指導なさったのですか。
○東條説明員 お話のように、他の金融機関への貸付でございます。そこで、これは先ほど来申し上げておりますような考え方から、いわゆる同業連帯の思想ということでこの動機は発足いたしたものでありますし、また、これはいささか解釈の問題でありますが、御承知の第十三条の預金の支払い準備の規定で、他の銀行への預け金あるいは貸付金というものにつきましては、精神的に見ましても、若干特別の考慮も払えるという解釈もあり得ようかと思います。従いまして日本相互が、法律の第十条で定めておりますところの百分の十をこえて貸付をいたしておるというこの事実につきましては、先ほど来申し上げております本件の特別の事情等から、しかるべき御高配が望ましい、こう考えております。
○奧村委員 おかしいことを聞く。われわれは国政を運営するのに、法律をもって行なっております。その法律を、政府は厳重に守らねければならぬわけです。法律は違反でありますが、情状やむを得ません。そんなことで政府の責任は勤まるのですか。これは日本相互だけじゃない。東京相互も平和相互もみなそうです。今これから銀行検査をなさるのに、そういう大口貸し出しはしてならぬという検査をこれからやっていかれるのに、政府が強制して、あるいは指導してこの法律違反をやらしておいて、ほかの法律違反を押えることができますか。
○東條説明員 一般的には、大口貸し出しの規制ということにつきましては、仰せまでもなく厳重に警告をいたしております。ただ本件のごとき特別の場合において、その辺の事情、また同業者に関する第十三条の預け金、あるいは貸付金の規定というものから勘案をいたしまして、場合によって何らか特別の考慮をお払いいただくことも適当ではなかろうかという趣旨のことを申し上げたわけであります。
○奧村委員 あなたの答弁は一つ一つあいまいです。先ほどは、これらの救済融資は貸付金であると御答弁になった。貸付金ならば、資本金及び準備金の十分の一以上の大口貸付はしてならぬという法律規定が明文にはっきりあるのです。それでこれは法律違反でないかとお尋ねしているのです。ところが今の御答弁によると、ほかの銀行に対する預け金だということを言われる。それはどっちですか。私は法律違反であるかないかという法律解釈をお尋ねしておる。
○東條説明員 あるいは言葉が足りなかったかと思いますが、第十三条に、ほかの金融機関への預け金、あるいは貸付金という字句がありますので、そのところも貸付金と解釈上御勘案を願いたいと申し上げたのであります。貸付金でありますことを否定いたしておりません。
○奧村委員 貸付金ならば、一口これ以上は貸し付けてならぬという法律の制限がある。これに該当するのでしょう。
○東條説明員 形式上は該当いたします。
○奧村委員 形式上というのはどういうことですか。法律の違反というのは、形式も実質もないはずです。もっとはっきりとすなおに言われたらどうですか。
○東條説明員 私が申し上げております趣旨は、違反という場合に、その形式と、何がゆえにそういう事実を生ずるに至ったかということと二つ考えなければならぬだろうという意味で、形式という言葉を使ったわけでございます。
○奧村委員 先ほどの銀行局長の御答弁によっても、十数億円の欠損があると言われた。従って、それ以外にも不良貸付がある。そうすると、この二十億円の救済融資に対する担保はどういうものをとるのですか。担保に対しては、別に零細預金者の預金に対する担保の責任もありますよ。そうすると、預金者に対する担保と、この金融機関に対する救済融資の担保、その担保をどういうふうに使い分けておるのですか。
○東條説明員 先ほど申しました、役所が強制したとかなんとかいうことは決してありません。相互銀行の間で、いわば同業連帯という思想で盛り上った機運として話し合いが行われ、契約が行われたわけであります。従いまして、契約自体も当事者間で行なったのでありまするが、当事者間の話し合いで、従来第一相互の持っておりました資産、あるいは債権、今後生ずる債権、そういうようなものをできるだけ自主的に担保に提供するということで行われておる、私はこう了解しております。
○奧村委員 局長は、もっとすなおに責任を持って答弁していただかなければならぬ。あなたがすなおに答弁されれば、私の質問ももっとすらすらといき、時間もかからぬ。そういうことを言われると、私も言いたくないことも言います。ただいまの御答弁によると、この二十億の救済融資は、金融機関が自発的にやったのだ、大蔵省は責任がないような御答弁ですが、そうなのですか。私の聞きましたところでは、相当の相互銀行は、第一相互のような不良貸付をやって非常な不始末をやって欠損を出しておる、そんなところへ全国の優秀な相互銀行の預金をなぜ救済融資に持っていくのか、大反対をしておるということを聞いておる。それを、銀行局長が拝み倒して融資をさしたということを聞いておる。現にこの融資に関する契約証書に、その財源援助のため大蔵省が確認した協調融資を行うにつきと大蔵省が中へ入っておる。これば誤まりですか。
○東條説明員 相互銀行において、自発的に機運が盛り上ってきたということを申し上げたわけであります。大蔵省は、もちろんこの間にありましてあっせんはいたしております。またこういう協調融資が適当であろうかということにつきましては、これは適当であるということで確認もいたしております。従いまして、そういう意味の責任は持ちますが、役所からぜひこれをやれ、ぜひともやらなければならぬというような趣旨で話をしたのではないということを申し上げておきます。
○奧村委員 ある相互銀行では、この協調融資に非常な反対をしたということを聞いております。しかし、これは今お尋ねしようとは思いません。しかし、もしある相互銀行で反対した場合に、この協調融資は法律上有効になりますか。もしその相互銀行の株主総会が反対した場合には、そういう不当な協調融資は、明らかに今お話しのように法律違反ですよ。法律違反の協調融資をした場合には、その相互銀行の幹部は背任罪を犯すのじゃないですか。
○東條説明員 私は、すでに契約書が成立いたしておりますので、この契約自体は有効であると思います。それからお尋ねの、そのことが背任になるかどうかという御趣旨がちょっとはっきりいたしませんので、もう一度お願いします。
○奧村委員 たとえば日本相互の三億の協調融資ですね、これは銀行の業務には私はないと思う。しかし貸付金といえば、それはいいでしょう。しかし貸付金も法律違反ですね。そういう法律違反を日本相互銀行が犯して第一相互に金を渡した。もしこれを日本相互銀行の株主総会で重役の背任行為として、あるいは法律違反行為として追及されたら、重役はその責任は負いますか。
○東條説明員 私は、株主総会でそういう事実があったときにどうだということは、はなはだお答えいたしかねますが、事柄の性質が先ほど来申し上げておるようなことでありますので、株主総会でそういう問題が起りました場合には、責任者といたしましては、当然本件の特殊性というものを説明をして、株主の了解を得るということに努めるだろうし、また了解していただけるだろうと思います。
○奧村委員 それでは、第一相互銀行の監査役及び、取締役の法律上の責任を、第一相互は追及しておりますか。
○東條説明員 先般、御承知のように全役員がかわったわけであります。その後、御趣旨の法律上の責任の追及ということでありますが、私は、ただいまのところでは別段の措置をとっておらぬだろうと思っておりますが、必要がありますれば、後刻よく確認しておきたいと思います。別段訴訟その他の法律上の追及という措置はとっておらぬと了解しております。
○奧村委員 これはおかしいことですな。預金者にそれほどの迷惑をかけ、またほかの相互銀行にも連帯とかなんとかいうてずいぶん迷惑をかけながら、その不当な経営をやった責任者である取締役、監査役はただ辞任したというだけで、法律上の責任の追及をしておらぬのですか、しておるのですか。うわさに聞くと、ある取締役は、私財をすでに隠匿したといわれるのですが、その点はどうですか。
○東條説明員 法律上と申しましたので、私もちょっと説明が足りなかったのでありますが、一部の重役の私財は、新しい役員が提供せしめております。しかし、そのほかに別段現に法律上の責任を追及するという措置はとっておらぬと考えておりますが、もしなんでございますれば、よく確かめまして後日お答えいたします。私が今了解しておりますところでは、私財の提供をせしめたということ以外には、別段法律上の手続はとっておらぬと考えております。
○奧村委員 私が特にお尋ねしたいと思うことは、これほどの不始末事件を起し、預金者に迷惑をかけ、また金融秩序を乱した第一相互銀行の監督指導をする銀行局が、そういう不始末を犯した取締役や監査役の責任の追及をしておるのか、しておらぬのか。私財を出したというが、それは自発的に出したのでしょう。そうじゃなしに、第一相互銀行が預金者に迷惑をかけたならば、第一相互銀行そのものの責任が追及されねばならぬ。またその銀行の責任というものは、やはり取締役、監査役の責任を追及して初めて世間に明らかな問題となるわけです。その責任をまだ法律上追及しておらぬのですか、おるのですか。おらぬとすれば、まことにおかしいことになるのだが、銀行局は、それではそういう法律上の追及をせずともいいというのですか。そんなことで指導していかれるのですか。
○東條説明員 旧役員から私財の提供を受けた、これは事実であります。それ以上、私は現在承知いたしておりますところでは、第一相互銀行の新しい役員が旧役員に対しまして、いろいろな責任を追及するという法律上の手続はとっておらぬと考えております。
○奧村委員 ただいまの重役の私財を提供したというのは、法律に基いておらぬ。従って、ただ良心に基いて適当なものを出したのでしょう。しかし、それで取締役、監査役が第一相互銀行に対して責任が果せておるのか。あるいは預金者に対して果せておるのか。また銀行局の取締り、監督がそれでいいのですか。
○東條説明員 ただいままでのところでは、私どもは、旧役員といたしましても誠意をもって私財を提供したと考えております。従いまして物的な、いわゆる経済的な面におきましては、新しい役員がいろいろいたしましても、それ以上のことは期待できないのではないかと考えます。 それから、これは冒頭にお言葉をいただいた点でありますが、そういう問題になりました旧役員につきましては、現に捜査が始まっていることでありますので、その辺のところの結果を見るのが適当ではなかろうかと考えております。
○奧村委員 すでに財産を隠匿しておるといわれる。そこで警視庁が捜査しておるから、その捜査の結果を待つという。そんな捜査の確定するのは、まだ半年もあるいは一年も先になるでしょう。それまでの間に財産はみな隠匿されてしまう。重役は出したと言うが、それはごくわずかなものでしょう。あなたはすなおに答弁せぬから、私ははっきり申しますが、一億以上のものをある取締役はすでにもう隠匿したといわれておる。そういう数十億の欠損を相互銀行に与え、また従って相互銀行が預金者に迷惑をかけておるのに、法律上の責任を監査役、取締役に追及させないのか。そんなことで大蔵省銀行局の責任は全うできるのですか。
○東條説明員 今後さらに私財があるということが判明いたしますれば、従来提供いたしました私財のほかに新たに提供を勧める、また新しい銀行の役員からもそういう手続をとらしめるということは、必要であろうと思います。ただ私どもは、今までのところでは、旧役員といたしましては、誠意をもって私財の提供をはかったと考えております。 それからお前たち怠慢であるという冒頭のおしかりもありましたが、捜査当局の手にも移っておりますから、それらの事態を見て今回の場合はきめるのが適当であろうと考えております。
○奧村委員 それでは、重役が今までに出した私財の提供は幾らですか。
○東條説明員 提供いたしました私財は、不動産と株に分れております。不動産は、土地賃貸の評価でもって固定資産税の評価でもって千七百九十七万円、株は三万三千八百株ということであります。
○奧村委員 重役は相当りっぱな車に乗り、りっぱな邸宅に住み、相当豪奢な生活をしておったわけですが、そういう邸宅とか不動産などの差し押えなどはいたしておらぬのですね。そういう自発的な提供もないのですか。
○東條説明員 今申しました賃貸価格の千七百九十七万円というのが、住んでおりました家、持っておりました土地、建物、そういうものでございます。従いまして不動産と株の提供があった、こういうことを申し上げたのであります。
○奧村委員 それでは重役は何人ですか。
○東條説明員 不動産につきましては二名、株につきましては六名でございます。
○奧村委員 その取締役、監査役の中には、これから捜査が伸びれば明らかになると思いますが、銀行の財産をいろいろなことで、あるいは個人の私財として持ち出しておるかもわからぬ。従って相当の私財の提供はさせなければならぬ。しかし、これは自発的な提供では手ぬるい。すでに預金者に迷惑をかけておるのでしょう。そうしたら、そういう不当な経営を行なった取締役や監査役に対しては、法律上の損害賠償をさせなければならぬでしょうが、その法律上の損害賠償というものはさせないのですか。そこの方針をはっきり聞いておきたい。
○東條説明員 私といたしましては、今後の捜査当局の取調べの結果等を考えまして、そういうようなところはきめたいと思います。
○奧村委員 捜査当局は、銀行局ほど厳重な監督はできぬ。第一相互の内容は、銀行局が厳重に監督し監査しておる。捜査当局の捜査に待つということでは、銀行局として監査、監督という責任をのがれる。それじゃまことに心もとない態度ですが、これ以上は議論になりますからお尋ねいたしません。 私はずいぶん激してお尋ねして、ずいぶん困らすような格好になって申しわけないが、第二の第一相互、あるいは第三の第一相互が今後あってはならぬという建前から、この際厳重に警告を発しておかなければならぬという考えからお尋ねするのであります。大体銀行と相互銀行とを同じように銀行局は考えておられるが、申すまでもなく銀行というものは、昭和二年のあのパニック当時以来、全国の銀行の数を半分以下に整理淘汰して、今どうやら世間の信頼を受けるようになった。ところが相互銀行は、昭和二十六年にようやく町の無尽会社を相互銀行にしたのであります。これはわれわれ議員提案で法律にした。しかしそれを十ぱ一からげに、内容のいいのも悪いのも一本に包含して、これは全部どんなことをしてもつぶさぬのだ、そういう指導では、いかに銀行監査をやってもだめであって、こういう場合に、大蔵省も峻厳な立場で政府の責任を明らかにしてもらわなければならぬのであります。ただいままでの答弁では、とうてい私どもの納得のいくような御答弁がありません。そこで私は、一応質疑はこれでおいて、あと二、三はなはだあいまいな御答弁の分については重ねてお尋ねいたしたい。なお明日にでも大蔵大臣に一つ政府の責任をお尋ねしたい、かように考えておるのであります。その際に政府から資料を御提出願いたいと思うのであります。それは、現在の第一相互銀行の貸借対照表、つまり財産目録など、財産の実態を明らかにできるようなものを提出願いたい。もし秘密にしなければならない部分があれば、それはそのような処置をして、それをお出し願いたい。 それから第一相互銀行のこの事件について私どもまことに遺憾に思うのは、前社長の堀口、これは元の税務署長。あるいは渡部常務、あるいはその他ずっと調べてみると、この事件を犯した一番の責任者の三人は、税務署長あるいは銀行検査をやっておった男、あるいは大蔵省の銀行課におられて、こういうことをやっておられた人が中に入っておられる。そこでうわさに聞くと、これは第一相互ばかりではない。銀行局あるいは地方の財務局、要するに大蔵省の役人をしておられた人が、最近において全国の相互銀行に十数人入っておる、こういうことである。役所をやめられて入るのもけっこうでありますが、ややもすると、かつての大蔵省の役人が中に入って、今度は現役の銀行検査官が来て、かつての先輩でありますから、つい手を入れて検査をゆるめさせるとか、手心させることがあっては、これはゆゆしい問題になるので、そういうようなことは絶対にないように、こういう機会によほど厳重な警告を発していただかなければならぬと思うが、そういうように世間に疑惑を持たれておりますから、明日の委員会の際に、全国の相互銀行に、過去二年間に大蔵省の役人をしておられた方が何人就職なさったか、これを一つ資料としてお出し願いたい。かように存じ、最後に大蔵大臣の責任をお尋ねいたすということを留保いたしまして、私の本日の一質疑はこれをもって終ります。
○松原委員長 関連質問の申し出が横錢委員よりあります。これを許します。横銭君。
○横錢委員 今奧村委員から第一相互の問題について詳しく質問が行われたわけですが、常盤相互に続いて第一相互の問題が起って、この問題の処理をどういう方法で再建の軌道に乗せるか、このことを考えたときには、今大蔵省のとった態度以外には、おそらく再建の方法はないだろう、こういうふうに私は考えておるのであります。従ってその法的な解釈や、あるいはまたその他の点については若干の問題はあるかもしれないが、現行法のもとにおいては、これ以上の方法はおそらく行うことができないだろう、行うことができないということは、現在の制度にやはり何らかの欠陥があるのではないか、この欠陥に対して、銀行局あるいは大蔵省当局がどういうふうに考え、あるいはまた今後の問題をどう処理したらよいかというような点で、立法措置等を考えておるのであるかどうか。この点について質問をいたしたいと思います。
○東條説明員 まことに御趣旨のありがたいお尋ねでございます。実は常盤、第一相互銀行、あるいは若干の信用金庫の事例等を考えまして——もちろん現行法は長い間の制度でありまして、内容におきまして相当完備しておるとは思いまするが、最近のそういう事例を考えますと、必ずしも十分でないと思うのでありまして、目下金融制度調査会でこの問題を取り上げて検討を願っております点は、大きく分けまして三つに分れます。第一は、ある一つの金融機関がやむを得ず破綻せざるを得ないという場合になったときに小額の預金者については払い戻しを保証するというような預金保証の制度というものは、日本の現状においてどうであろうかということであります。それから第二の問題は、先ほど奧村委員からいろいろ御指摘になりました問題でありますが、非常に経営がむずかしくなっておるが、再建資金を出してやればりっぱに再建ができるという場合において、同業連帯の思想ということでは限度がある。そこで、何らかここで一つの基金のようなものを作りまして、そうして必要な援助資金というものは、その基金から金が出されるというような考え方はどうであろうか。事態によっては、第一の預金保険の基金というものと、第二の再建に必要な基金というものとを、一つの基金でもって二つの役割を果させるというような仕組みはどうであろうかということが、第一、第二の問題であります。それから第三の問題になりますが、多くの経営者は、もちろん真摯に、まじめな態度で経営してもらっておりますが、例外的に経営よろしきを得ないで、経営がむずかしくなったという場合におきまして、株主総会、あるいは総代会の決議、あるいは権限というものを、若干言葉は悪いのでありますが、たな上げしても、そういう経営者の交代を大蔵大臣として命ずることができるような道を開くことはどうであろうか。あるいは場合によりましては、現在の経営者の交代ということでなくて、経営者を全部たな上げさせまして、別の金融機関等に経営の管理をしてもらうというようなことはどうであろうかというような、経営に関する監督法規の強化というようなことが、どうも現在の銀行法、あるいは相互銀行法、あるいは信用金庫法では、十分じゃないようなうらみがあるというようなことで、監督行政の強化という点を、第三の問題ということで、ただいま金融制度調査会で実は取り上げて、審議をお願いしております。私個人の希望といたしましては、それらにつきまして、金融制度調査会でよく審議をしていただきまして、次の通常国会にぜひ法律案として御審議をいただきたい、かように考えております。
○横錢委員 今回の事例にかんがみて、新しく欠陥を補う立法措置ということに対しては、大体私どもの考えておるのと同じ方向なので、こういうふうなものが出てくるならば、現在の欠陥がある程度補えるのではないか、こういうふうに思うのです。ただ依然として欠陥のあるのば、一般銀行に対する場合と、相銀やそれから信金に対する場合とでは、大蔵省として差別待遇をする。従ってこれらの問題の処理にも、たとえば一般銀行が破綻を来たした場合にはこういう方法では指導なさらないであろう。この場合の資金量は一体どこから出てくるかというならば、この場合には、日本銀行が大きな役割を果すべきであろう、こう思うのです。ところがこういう中小企業関係の金融機関が破綻した場合には、日銀は何らの関係がない。そうすると、日本の中央銀行としての存在が、大蔵大臣の認証をしておる正規の金融機関が、破綻に瀕した場合、何ら援助の手も伸ばさない、何らの役割も果さない、こういうふうなことは、それ自体がきわめておかしい。従って、これらの改正をするのであったならば、ここにはやはり日銀をどういうふうに役立たせるか、このことがやはり中心になって考えられなければならないと思うのであります。従って、これらの点は、なお一つお考えを願って立法措置の中に加えていただきたい、こういうふうに申し上げておく次第であります。 それからさらにもう一つお尋ねしたいのは、第一相互等の問題にかんがみて、金融機関の容易ならない点が出てきておるわけですが、これ以上に日本の金融体系を乱し、それからまた金融問題の最大問題となっていますのは、高金利に対するところの大蔵省の態度は一体どうするのか。従来保全経済会を初めとして、一時やみ金融の旋風がありました。これは一応終ったわけでありまするが、依然として高金利横行というものが跡を断っていない。しかもここで行われているものは、日歩三十銭までのものを認めておる。ところが日歩三十銭の金利を許してこれで成り立つ事業とか、あるいは生活とか、こういうものはあり得ないわけです。従って、こういうふうなものを認めておるということ自体が、国民生活を破綻に導くところのものである。そういうふうなものを許しておるということ自体がおかしい。それからまたこれに対する取締りの立法というものは、これはきわめてあいまいであって、何ら形が整っていない。こういうようなことに対しては、先般新聞にも報道されました西村金融の例もあるわけでして、これは資金量もきわめて大きいし、その影響するところも、東京都内を中心として大きなものがあるわけですが、これらに対する考え方と、西村金融の手入れ、あるいはこの前後をめぐる問題について、どういう感想を持っておられるか、この際承わっておきたい。
○東條説明員 今後金融制度調査会で先ほど申し上げましたようなことを検討するにつきましては、日本銀行の役割というものが一つの点であるということは、御指摘の通りでありまして、私どもも研究問題の一つといたして、その点は十分今後検討いたして、また金融制度調査会でも十分審議してもらいたいと思っておる点でございます。 それから、一般的に金融は逐次正常化と申しますか、あるいは円滑化と申しますか、そういう大勢にはあると思います。また一般の貸金業者のいろいろの実態等及ばずながら調査いたしておりますが、それらの金利にいたしましても、逐次低下傾向にあることは、私は申し上げられると思います。まだお話しのように、現状においてまだまだいわゆる一般の貸金業者、あるいは貸金業者の高い金利というものが、相当の資金量を持って流通しているということも、また御指摘の通りでありまして、なかなか困難な問題でありまするし、また長い間の努力を積み重ねていかなければならぬ問題であると思いますが、こういう問題につきましても、今後できるだけの努力惜しんではならない、こう考えております。 西村金融の問題に具体的に触れてのお言葉でありますが、申すまでもなく貸金業者であります。問題の中心は、西村金融がやっておりました貸金業の資金の調達の源泉が、いわゆる預かり金類似の行為をやっておったのではないかという点であろうと思います。貸金業につきましては、御承知の通り政令ですべて府県知事に権限を委任しております。これは決して言いわけがましく申し上げておるわけではありませんが、そうなっておりますので、西村金融の問題につきましては、都の方でどの程度、どういう報告をとり、また調査いたしましてもどの程度に調査いたしておるか、さっそく実は打ち合せをいたしたのでありまするが、必ずしも問題の中心を把握するに足るような資料が、都におきましても持ち合せがないというのが偽わらざる実態でございます。しかしお言葉のように、一般の町の金融機関、貸金業者というものがまだまだ大きな役割を果しておりますので、今後これらの問題につきましても、私どもも十分検討を続けて参りたい、かように考えます。
○横錢委員 今金利の高いことが企業として成り立たない、それから生活として成り立たない、こういうふうな点についての質問に対して答弁がないのですが、これらに対してはいかがですか。
○東條説明員 最近調べましたところによりますと、町の金融機関の実態、貸し出しの中心が、大体二十銭から二十五銭というところになっておるというのが、実は私どもの方の財務局の——もちろんこれは全般の調査でありませんので、あまり責任のあることをこういう席で申し上げるのはどうかと思いますが、そういうのが中心になっております。健全な企業を経営していきます場合におきまして、二十銭あるいは二十五銭という金利が、金利負担として高過ぎるということは、仰せの通りであります。しかしながら、一面においてそういうのが現在における貸金業の金利の実態であるということは、申し上げざるを得ないわけであります。
○横錢委員 私どもは立場上、こういうような高金利に悩まされておる者にしばしば出会っておる。金融というものは、大体これを融通することによってその事業を助けていく、その生活を再建させる、そういうことに役立つために目的があるわけです。ところがこれを許しておく、あるいはこれを行うことによって、まずその事業というものは大てい破綻を来たす。銀行からとめられた者がこういうふうな高金利に寄っていく。高金利を利用した結果は、ますますその欠陥が大きくなって、ついには、この段階で中小企業や個人的な商売の面等はみな破綻を来たしておる。従って、この最終の段階におけるこれらが、法律上三十銭までの高金利が認められておるけれども、このこと自体に問題があると私は思う。これがもしも二十銭でありあるいは十五銭である、こういうように最高限度というものがもう少し下っておったならば、これを犯した場合には法律違反だとか、これ以下において行うということになるならば、今日の高金利に悩まされるということはなくなると思う。従って、これをこのまま野放しにしているところの大蔵当局の責任ということも、これまた免れないと思う。従ってこういう面から、高金利というものは、行うところの業者にとってはきわめて都合のよいものであるが、こういう業者がぱっとすることによって、国民生活というものは非常に破綻をされておる。これに対する当局の態度というものは、この際明確に出して改正をするべきではないか、こういうふうに考えておる。この点もう一度伺っておきたい。
○東條説明員 私から申し上げるまでもなく、利息制限法とそれから出資の受入に関する法律というものでもって、今貸金業、町の金融機関の金利というものは規制されておるわけであります。もちろん私どもといたしましても、出資の受入の第五条にきまっておりますように、三十銭をごえるようなものは一つの社会的悪である。従ってこれは処罰しなければならないという規定があるわけでありまして、経済の実際が伴うならば、この第五条の三十銭という率をできるだけ下げていく努力はいたさなければならぬと思うのでありますが、同時に、これらの規定はやはり経済の自主性と申しますか、あるいはそういう金融の実態と申しますか、そういうものを、つまり自主性を許した規定を作りましても、またその規定が守られずに、結局脱法行為と申し上げますか、裏口と申しますか、そういういろいろほかの名目でもって、実際的には金利の負担がとられるということもあろうかと思います。要は、今仰せのように一つの理想と申しますか、目標を持ち、しかも片一方においては、やはり実態というものも見きわめつつ、両者相待っていくのが実際ではなかろうかと思います。まことにごもっともな御趣旨でありますので、今後よく検討いたしたいと存じます。
○横錢委員 わかりました。
○松原委員長 横山君。
○横山委員 時間も非常におそくなりましたし、ただいま岸本課長に聞きますと、参議院の内閣委員会で、私が今これから質問しようとしておりますことについての質疑応答も、一応済んでおるようでありますから、簡単率直に政府側に一つただしたいと思います。 それは御存じのように、今官公労の労働者が年末闘争に入っています。そして聞くところによりますと、明日閣議が開かれるそうであります。新聞に伝うるところによれば、現業関係を持つ所管大臣が閣議において、この人事院の勧告なり、これに対応する官公労の労働者の二千円のアップの問題なり、あるいは年末手当の問題について発言をする由というふうに伝えられておるわけです。私は、今ここで政務次官にお伺いしたい焦点となりますことを簡単に申し上げますから七時間もありませんから、一つ率直に態度を鮮明にしてほしいと思います。 本委員会は大蔵委員会でございますから、国家公務員と、それから専売職員のような現業の職員も含んでおります。専売の職員について特にお伺いをしたいのは、たとえば年末手当について、労使の団交の幅を大蔵大臣としては認められておるのかどうかということが、私の聞きたいところであります。つまり予算というものがある。けれども一方において団体交渉権というものが付与されて、今一生懸命に団体交渉をしておるのであります。その団体交渉の結論を尊重されるかどうかという点であります。私の言わんとする意味はおわかりだと思いますが、その点について、簡明率直にお答えを願いたい。
○山手政府委員 専売のことについて特にお尋ねがございましたが、直接には公社の方でやっておることでございますけれども、給与総額、あるいは業績を見て決定をいたしまする給与等の定められたワクの範囲内におきまして、団交をいたし、妥結をいたした線で、公社の方で自主的にいくことについては、われわれの方も異論がないわけでございます。
○横山委員 それではお答えにならないのであります。現に今日まであなたの意味するところの、たとえば年度末手当のワクで解決したことはないのであります。ここに私の質問の焦点があります。例年あなたの言う意味の狭義のワクというものは、労使の団交の結果を尊重して、そうしてゆとりを持って妥結をし、それに対して了承を政府側は与えておるのです。そういう点について、今日までの経過を尊重されるかどうかということです。ことしに限って、今日までの経過を無視することがあり得るかどうかということを聞いておるのです。
○山手政府委員 その点は、非常にデリケートな点でございますけれども、公社自体と組合との間で団交が行われまして、その団交が大体財源の範囲内で行われ、妥結をしたということでありまするならば、もちろん私どもの方においては異論はないわけでございまするし、実際にその妥結をした結果を見て、われわれの方は考えたいと思っておるわけであります。
○横山委員 それではこういうふうに解釈してよろしゅうございますか。今日までの経過は、あなたのお話によれば、何といいますか、そのワクで解決しておると思うから、そのような今日までの経過でよろしいのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○山手政府委員 お示しの点は、先ほど私が申し上げましたように、いわゆる給与総額、あるいは業績賞与等のワクがございまして、そのワク内でこの妥結をした場合にはいいかというふうな御質問のようにも私は受け取ったのでありますけれども、そういうことでございますれば、もちろんわれわれの方では異存はないわけであります。
○横山委員 こまかいところへ入るのは本筋ではございません。しかし少くとも私の聞いているのは、今日までのあり方をこの際きつく締める意思はない、こういうふうに理解してよろしいかというんですよ。今日までいろいろ毎年々々なされておるこのことを、ことしに限ってきつくするという気持はない、こういうふうに理解してよろしいかというのです。
○山手政府委員 今年に限って特に例年に比べましてきつくしぼっていくんじゃないかというふうなお話でございますけれども、今年に限って特にきつくして窮屈に見ていくというふうな考えはございません。
○横山委員 わかりました。それでは、その点については、今日までの専売公社と組合との交渉の経過並びに結果について尊重する、こういう趣旨だと理解をいたします。次に、今内閣はここに瓦解しようとしておる。けれども労使の年末における紛争というものは、一つのタイム・リミットがあります。その点がわれわれとしては非常にたよりなく思っておるわけです。最近の政府の政策については、全くこんとんとしていつきまるかわかりませんが、しかし年末手当というものはタイム・リミットというものがある。労使の紛争というものは、同じように時期的な限界があります。その限界を踏みはずされるならば、これは大へんなことになるということが憂慮されるのです。かるがゆえに、たとい退陣まぎわの内閣であってすらも、タイム・リミットの問題については、責任をもって解決をしなければなりません。この責任性というものが、各委員会においても、本会議においても、今日の政府の中に現われておるとはわれわれは感じないのです。非常にこれは重大なことでありますが、政府としてはいかなる所信でこの官公労の給与の問題について対処しようとしておるのか、今まで私どもがうかがい知るところでは、ただ予算の関係がございますからふやせませんとか、そういうことで、真摯な態度というもの、積極的に解決しようという意思というものがないようでございますが、その点はいかがですか。
○山手政府委員 この内閣がこれから先どうなっていくかわからないわけでありますけれども、たとい鳩山内閣が近い将来にどういうふうになりましょうとも、政権を担当いたしております間は、もちろんこの内閣の責任において、時期的にも時期をはずさないように一つ一つ解決をし、善処をしていく所存でございます。ただ、ただいまのお話の点は、人事院の勧告等の関係もございますし、いろいろデリケートな問題も含んでおりますが、私どもは例年の例からいたしましても、大体の線でうまく妥結して、話がついていくものだ、こういうふうに考えております。
○横山委員 今のあなたのお話は、非常に興味を呼ぶ御答弁なんですけれども、例年のやり方で解決をすると私は信じておる。そういうふうにそのまま、なまのまま受け取ってよろしゅうございますか。
○山手政府委員 なまのままでというお話でございますが、ただいま申し上げましたように、私どもは公社当局と組合とがうまく話し合いをつけて、所定のワク内と申しますか、範囲内で話が片づいていくものと考えておるわけであります。
○横山委員 それでは先ほどのお話と違うのです。あなたの言う意味の所定のワク内で解決したことは、今日までないのですよ。ところがあなたは所定の——今までよりもきつくする気持はないとおっしゃっておるわけです。時間もございませんから、私は今ここでやり取りしようとは思いませんけれども、先ほどから与野党の間で、きょうは時間もないから、一つしぼって質問することにしようということになりましたから、また機会をあらためて私は法律論なり、いろいろなこまかい点については質問をいたしたいと思いますが、特にこの短かい時間を待ってあなたに質問しようとした趣旨のものは、冒頭に申しましたように、明日閣議でございますから、ぜひともこの問題については与野党ともきょうやってもらおうということになった趣旨を十分くんでいただいて、恐縮でございますが、本日大臣にこの本委員会の趣旨を御連絡下さって、明日他の大臣から給与問題についての発言もあろうけれども、必ずそのときに、十分に人事院の勧告を尊重するという鳩山内閣総理大臣の累次の答弁や、それから今日現業において、あるいは国家公務員において、いろいろと苦しんでおる諸君のために、できる限りの善処をしてもらいたい、こういうわれわれの希望を伝達していただきたいと思うのです。 本日はそれだけにとどめまして、その結果をもってあらためて本委員会で質問をいたしたいと思います。
○山手政府委員 このあと大蔵大臣と私お会いすることになっております。いろいろなほかのこともございまするし、御趣旨の点はよく伝えて、大臣の方にもできるだけのことはしていただくようにお話をいたします。 —————————————
○松原委員長 この際御報告いたします。過日委員長に一任されておりました税制に関する件についての参考人は、臨時税制調査会会長原安三郎君及び同副会長汐見三郎君の両名として、明三十日午前十時より御意見を聴取することといたしましたから、御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十二分散会