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25回国会衆議院1956/11/20

大蔵委員会 第3号

発言数
77
登壇者
6
会派数
2
開催日
1956/11/20

会議録

石村英雄日本社会党

○石村委員長代理 これより会議を開きます。  委員長に差しつかえがありますので、指名により私が委員長の職務を行います。  在外仏貨公債の処理に関する法律案、昭和三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案及び国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件の三案を一括議題として質疑に入ります。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 三十一年度の食糧管理特別会計の借入限度等の特例に関する法律案について、いささか質問いたしたいと思います。  これによりますと、本年度の証券、借入金及び資金一時借入金の現行の限度額を一千億増加するということになっていますが、第一に一千億どうして増加しなければならぬのか、その内容はどんなところにあるのかということをお伺いいたします。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 御承知の通り、食糧管理特別会計の収支見込みから申しまして、大体十二月末がピークになりますので、十二月末の実行見込みを当ててみたわけでございます。そういたしますと、歳入で約三千六百七十億、歳出で約七千九百二十億円ということになりまして、十二月末の借り入れの現在高は、四千二百五十億円ということになる見込みでございます。現在の借り入れ限度三千五百億と比べまして約七百五十億増加するのでございます。一応そういう見込みが立てられるのでございますが、米等の買い入れ数量がやはり時期的にもそのつど変動することがございますので、若干の異同があるということは、当然予想されるわけでございます。そこで、資金繰りに支障が生ずるというおそれがありますので、約二百五十億の余裕を見まして、一千億というふうに引き上げる必要がある、こういうふうに存ずるのであります。  そこで歳出の増加、歳入の減少という点から見まして、差引七百五十億の増加になっていることを先ほど申し上げましたが、そのうちの歳出の増加と歳入の減少ということのおもなものを申しますと、三十一年産米の買い入れでありますが、それは、当初予算におきましては二千百二十万石の予算であったが、実行見込みによりますと、二千七百七十万石ということになりまして、六百五十万石の増となっております。これで約六百七十億の歳出の増に相なったのであります。他方三十年産米は三十年産米で、本会計年度で買う予定にしておりました量が減るという面がございまして、これによりまして百十五億の減となります。その他農産物の買い入れその他の減少を合せ、増減合せて百五十九億、以上総合いたしますと、歳出増が約三百九十六億ということに相なるのであります。一方歳入の減少の方から申しますと、食糧の売り払い見込み数量が減少したということなどによりまして、約二百九十億の歳入の減、それから食糧以外の農産物の売り払いの減少その他によります減少が六十四億、以上によりまして歳入の減少が三百五十四億ということになりまして、歳出の増が三百九十六億、歳入減少三百五十四億、これを合せ七百五十億、こういうことに見込みを立てております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そうしますと、約四百億ばかりの歳出の増、それから三百五十億ばかりの歳入の減、合せて七百五十億のものは十二月末において出る数字ですか。それとも来年三月までの予想を入れての数字ですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 十二月末までの見込みであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あと一月、二月、三月までの余裕を二百五十億置くことによって、この借入金の必要とする額については満たし得るという確信を持っていらっしゃるわけですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 先ほど申し上げましたように、特別会計の借り入れのピークは、例年の例によりましても十二月末になりますので、十二月が越せればあとは大丈夫ということでございます。若干の余裕を見込みますのは、一月、二月、三月におきまして、十二月のピークよりさらに越えるという心配ではなくて、むしろ十二月末におきましての予想の狂いということが一つでございます。それからなお精細に調べますと、必ずしも十二月末ぴったりがピークではございませんで、たとえば十二月の二十日とか、十五日がピークになります。その予想を十二月二十日、そういうところを押えますと、なお少し越えるということもございまして、そこをいつで押えるかということは非常にむずかしいのでありますが、十二月末ということが一番はっきりいたしますので、そこを押えているわけですけれども、そこで若干の余裕を見る。なお十二月末までに収入になるというふうに見込んだものが一月にずれるということがあります。一月になってからの歳出ということで見込んだものが、十二月にずれるということもあり得ますので、余裕をお願いしたい、かように考えておるのであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 この法案それ自体は、借入金の限度額をきめるものでありますから、面接に関連があるわけではありませんが、この機会に、私は食糧管理特別会計の収支に関する問題について、いささかあなたにお伺いをしたいと思うわけです。  この点は、ただに食糧庁の問題ばかりでなく、大蔵省自身の重大な問題でもございますから、あとで政務次官なり法規課長にもお伺いをしておきたいと思うのですが、最近巷間伝えるところによりますと、一つには消費者米価が上るのではないか、政府でそういうことを考えているのではないかという問題があります。それからいま一つは、精麦業界が重大なる浮沈に立っておるから、この際政府は麦価を引き下げろという国民の非常な強い意見に対して、麦価が引き下げられるのではないかという二つの相対照した見方があるわけです。原因は一つといえば一つということになるわけですが、この点について、一つ政務次官並びに長官の概括的な意見をまずお伺いをいたしたい。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○山手政府委員 ただいまお尋ねがございました点については、本年度におきましても、食管特別会計のしりが相当な赤字になる見通しでもございますし、ことに豊作で従来とは違った様相も出ておりますので、政府の中において、特に農林省の方において種々御検討を願っておることでございます。ただこの食糧の問題につきましては、国民生活にも非常に重大な影響を与えることでございまするから、ただその年豊作であって食糧が余っておるから、すぐ根本的に制度をこういうふうに変える、そういうふうなことでは、やはり不測の事態が起きる関係もございまするので、輸入食糧そのほかのこと等もあわせ考えまして、慎重にこの問題は取っ組む必要があろうと考え、いろいろ議論もいたし、研究も重ねておるところでございますけれども、なおよく事態を見きわめて善処をいたしたいと思います。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 特別会計の損益、それから麦の価格等についてのお尋ねでございましたが、今政務次官から御答弁がありましたように、すでに先刻御承知のような各種の理由によりまして、特別会計の損益の状況は、収支の均衡をとることに非常に困難をする状況でございまして、御承知の通り、三十年度におきましても相当の損が出ております。三十一年度につきましては、まだ確たる見込みが立てにくい状態でありますが、やはり相当の損失が出るのではないか、かように存じております。これらの問題についても、処理の方針、仕方につきましては、ただいま政務次官からお答えをした通りでございます。  なお麦価につきましての引き下げにつきましては、これは、私どもとして最近の食糧事情、また精麦業の経営の状況その他の事情から申しまして、麦価につきましては、政府の売却価格を引き下げる必要がある、こういう方針で、そういうつもりでただいま検討を進めております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 概括的な意見として求めたところ、山手さんは、これからよく検討したいという大蔵省を代表してのお話であります。それから小倉さんは、麦価の引き下げをする立場に立っての検討をしておるというお話です。これは、明らかに政府内部において二つの意見があるということを裏書きしているようなものでありまして、私が質問したように、消費者米価を引き上げる、それによって麦価と米価との均衡をはかろうとする意見があるということが感じられますし、小倉さんの方は、麦価を引き下げることによって米とのつり合いをはかろうというお話が明らかになったわけであります。私は、結論に入る前にもう少し両者に意見を求めたいと思いますのは、事の原因というものは、今日の二年続きの豊作がまず直接原因としてあるわけでありますが、ちまたに現われている重大な問題は、精麦業界における重大な浮沈の問題です。たとえばここに一つの表がございます。精麦の加工数量を検討してみますと、去年とことしと比べてみますと、七月では八%の増であったのが、八月になりますと一八%の減、九月になりますと何と二五%の精麦の加工数量減になっておるわけであります。一方小売関係の販売数量を調べてみますと、七月では二二%の減、八月では三〇%の減、九月では三二%の減となって、精麦の販売数量、加工数量ともども、この夏の初めから全く急激な驚くべき変化をいたしておるわけです。これがために、業界はすでに操業率が三割、著しいところは二割というわけで、倒産が相続き、全く赤字経営を続出しておるわけです。これらのことは、一つの業界の問題であるといってしまえばいえるものでありますけれども、しかし御存じのように、麦の値段というものは、今日政府が間接統制以上のような格好になっておりまして、一定の価格で無制限に買っておるのでありますから、結局政府の財布の口を締めることによってこの問題が出てきた。お米の値段は実質価格がずっと下っておるのに、麦の価格はそこでしぼっておるから、こういう結果になってくる。かつて池田さんが、貧乏人は麦を食えと言ったのですが、今では、貧乏人が麦を食う段階ではなくて、薬に麦を食え、病人が麦を食えというような格好に実際の政治としてはなっておるわけです。従って、この精麦業界における重大な問題をどういうふうにするかということは、政府の施策——もちろん豊作も原因であろうが、それによって手を打った政府のお米の政策が重点になっておる、お米に偏向しておる政策によって麦が非常な打撃を受けておるわけです。この精麦業界の希望なりあるいは要求なりに対して、今二つの意見があって、それなら一つお米の値段を消費者米価を上げて、そうしてお米と麦とのつり合いをはかって麦が売れるようにするという意見と、それはいかぬから麦の値段を下げて、そうしてつり合いをはかって麦が売れるようにするという二つの意見がある。私がまず山手さんに伺いたいのは、あなたはいささかあいまいな言葉をされたが、少くとも消費者米価を上げるという気持が少しでもあるのかないのか、この点をまずあなたにお伺いをいたしたいと思うわけです。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○山手政府委員 大蔵省の方では、もっぱら財政的な見地に立って食管の特別会計のしりを見ておるわけでございまして、そういう見地だけからいたしますと、今お尋ねがありましたように、消費者価格を上げるのか、あるいは買い入れ価格を引き下げるのか、何か手を打って健全に特別会計の運営をしていきたいという考え方でいろいろ研究を重ねておることは当然でございます。ただしかし、そういう財政的な見地からだけでは、この問題を割り切ることは少し問題でございまするし、いろいろな関係がございますから、農林省の方の御研究を待ち、大蔵省は受けて立つという立場でいろいろ考えておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたはあいまいにおっしゃるけれども、もう少しはっきりしてもらわなければ困ります。私が聞いておるのは、消費者米価を上げるのか上げないのか。これによって少しでも解決をしようという気持があるのか。これは一たん火を吹いて、国民の中に非常な不安があるのです。これから内閣もお変りになるでしょうけれども、どうもたらい回しに保守党が内閣をおやりになるでしょうから、あなたの内閣にも差しさわりがある問題ですから、この際明らかにしてもらわなければならない。あなたは食管の会計上から健全な財政をはかりたいという、それはわからぬではないけれども、それは実際のお話としては、世間に通らないと私は思うのです。今食管の赤字を解消するためにという議論がまともに世間に通るのか。米の値段を上げてよろしいという意見がまともに通るのかお考えになったらわかるところで、もう一回恐縮ですけれども、少しでも引き上げる気持がおありになるのかないのか。あなたは最後に農林省の意見を受けて立つ、こうおっしゃいました。ところが農林省に行ってみると、大蔵省の腹がどうもわからぬので立ちようがないと言っておるのです。それはどっちがタヌキかキツネか知りませんけれども、ここにちょうどきょう並んでおられるので、いい都合ですから、あなたの態度がはっきりされれば小倉さんの返事もまた違ってこようと思う。私は、最低線としてまず消費者米価を少しでも上げるのか、それを聞いてその次の話を始めたい。その第一の問題をあいまいにされては食い違うばかりですから、もう一ぺん恐縮ですがはっきり言ってもらいたい。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○山手政府委員 大蔵省は、御承知のように財政的な見地からいろいろ政策を考え立案しておるわけでございまして、食管のしりに大きな赤字が出るということは、好ましいことではないと考えております。従って、何とかそういう赤字が出るという実情でございますならば、それを解消して特別会計を健全にやっていきたい、単に一般会計から年々この膨大な金を繰り入れるだけというわけでなしに、いろいろ、たとえて言えば、食管の中に諸経費や何かを合理化する道がさらにないかどうか、あるいは買い入れ価格をもっと引き下げる処置ができるかどうか、あるいは消費者米価をもっと引き上げていく、そして麦価とのつり合い等についてもさらに考慮をする必要がないかどうか、あらゆる場面を検討し、できれば、さきに申し上げましたように、食管の赤字をできるだけなくしたい、こういう努力をいたしておることは先ほど申し上げた通りであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大蔵省としては、財政のつじつまさえ合えばそれでよろしい、一言で言えばあなたの話はそういうことなんですよ。それは農林省と大蔵省と多少のニュアンスが違う役所であることはわからぬわけではないのです。けれども大蔵省として財政のつじつまというのは、ほんとうの目で見る勘定収支を合せればそれで済むということではなかろうと思うわけです。いわんや国民生活にきわめて重大なものでありますから、今まで食糧管理特別会計に大蔵省が投入した金の総額を考えるならば、今ここで精麦業者を救うためだといって国民にすべて負担を転嫁する、そして大蔵省は財政のつじつまが合いました、これでは私は済まないと思うのです。すでに農林委員会においては、十月三十日ですか、麦類売渡し価格に関する件という点について決議をしています。簡単に朗読してみますと、  麦類売渡し価格に関する件  最近の食糧事情に伴い、麦類の売渡し価格は、歩留り、対米比価との関係において適正を欠くものと認められ、そのため、実需者たる加工業者は、倒産相次ぐ実情にあり、その窮状は、誠に寒心にたえないところである。  仍って政府は、速かに所定の手続を経て生産者価格に影響をあたえない方途を以って、売渡し価格を適正に設定すべきである。右決議する。これは農林水産委員会において決議せられたものなんです。もうすでにこれは十月三十日に決議をせられております。きのう農林大臣はある大会かどこかで、麦の値段の売り渡し価格を少し下げねばなるまいということも正式に言っておるようであります。それじゃ一体河野さんは、勝手に閣僚の一人として言っておるのであるかどうか、大蔵省としては、それに対して関知しないという態度を持って今なおおられるものかどうか、その点をもう一回明瞭に答えてもらいたい。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○山手政府委員 農林大臣はどういう発言をされたか私はよく知りませんけれども、御承知のように、国内産の麦の買い入れ価格が輸入麦に比べまして非常に割高であり、そのために、市中には麦がほとんど出回っておらないで、全部食管の中に入ってき、しかも米が非常な豊作でありますために、麦がそう好んで食膳に上っていかないというふうな事態が起きておりまして、そういう面から非常に困難な問題を生じております。片一方、それだからというので、今お話がありましたように、麦の買い入れ価格を引き下げればいいというふうな議論も成り立ちますけれども、これは畑作農家へのはね返り等を考えますと、なかなか重大な農業政策の改訂でございますし、むずかしい問題になってきます。ただしかし、もう買い入れ価格も引き下げないし、それから売り渡しの価格を下げるということになると、ますます食管の会計に赤字が累増してくるということになって参ります。そういう立場をとられることがいいのかどうか。大蔵省として、そういうことに対して単純に賛成できるかどうかということになりますと、財政的な見地に立ちまして、それには簡単に御賛成を申し上げるわけには参りません。従って、こういうものをどういうふうに処理をするか。これは総合的に勘案をいたしまして、内閣の最高政策としてこういう方針でいくのだというふうに、予算の編成等にもからみまして、断を下されるべきでございましょうし、私が今すぐここで麦の買い入れ価格をどうするとか、あるいは消費者米価をどうするとかいうふうに割り切って申し上げることは必ずしも適当ではあるまい、こういうふうに考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それは話が少しおかしいと思うんです。なぜそれじゃあなたの認めておられる精麦業界が重大な不振にあるか。これは精麦業界が何か勝手なことをやったのか、何かぼろもうけでもしたのか、何か政府にとっておもしろからざる勝手なことをやってそうなったということが一つでもあれば、おれらの知らぬことだとあなたは言えるかもしれません。しかしこの麦の問題については、ことごとくが今日政府の施策によって生じたことだと思うのです。現に農林省においても、その責任を感じておられると思うのです。私は、あとでその点について長官に少し伺いたいと思うのですけれども、あなたの認識が少し間違っておるように思うわけであります。たとえば二年続いた豊作によって生じた問題である。これが直接の原因でもあろうけれども、それでは豊作によってお米の値段は下った。やみ米が百七十円であったものが百十九円、場所によっては、百円を切って九十円、八十円というところもある。そういうふうに米の値段がずっと下っていくやつを政府は明らかに促進をした。促進をしておきながら、米の値段について放置をしておったということが根本的な原因ですよ。米と麦とのつり合いというものを考えた政策をとっておったならば、かかることはなかったということが言えるのです。それからまたこういう意見もある。それは精麦業者が設備を勝手に増加した。それによって操業率が非常に高まってうまくいかなくなったんだという説もある。しかしこれとても、終戦直後のあの混乱のときから、盛んに政府が設備の改善なり何なりを奨励したものです。聞くところによりますと、二十八年の凶作のときに、政府が大量の委託加工をして凶作に備える措置をとったという。ところが、それが俗に政治凶作ということになって、案外のことだった。余っちゃった。それを農林省は精麦業者に押しつけた。精麦業者は泣く泣く引き取って、これで数十億の損害を受けたけれども、しかしそれはひもつきのものであったからやむなくそれを受け取った、こう言う。それもまた政府の施策によって生じた問題なんです。  こういうふうに考えてみますと、この施策のまにまにあった精麦業界に対して、今これは食管特別会計の会計上困るというあなたの方の立場というのは、これは大蔵省としても責任を感じなければならぬ問題ではないか、こういうのです。それを、じゃあ精麦業者を救ってやろうとかりにあなたの方でお達しになって、おらの方はしわ寄せは受けぬ、それは消費者に対してしわ寄せしてもらいたい、ないしは生産者に対してしわ寄せしてもらいたいということを、もしそろばんだけでお考えになるとするならば、これは政府に対する信頼感というものは失墜する問題ではなかろうか、私はこう思うわけです。今あなたは、ちょっとそんなむずかしい話は簡単に答弁できぬ、こう言わぬばかりのお話でありますけれども、そうはいきませんよ、あなたは政務次官です。大臣のおかわりになってここに立っておられるのですからね。もう農林省としても、そういう発言を公式の場合にされておるし、農林大臣もさる大会で、きのうだったかおとといだったか、発表されておるわけです。もう大蔵省としても、この辺で腹の中にあるものをさらけ出して、そうして調整をとって、つまらぬ心配をほかの方に拡大しないようになさる義務と責任が私はあると思うのです。もう一ぺんここで政務次官の政治力のあるところを一つ示していただきたい。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○山手政府委員 大蔵省といたしましては、さきにも申し上げましたように、赤字が出ないように、財政的な見地から間違いないように運営をしてもらいたいというのが考え方でございまして、それはもう大臣以下だれも変ったことはありませんが、ただこれは今申し上げましたように、ただ単に財政的な見地だけからこういう問題を割り切って結論するわけにはいきませんし、主として所管をしておられます農林省のお立場もございますし、全国の農民、特に畑作農家の立場等も、いろいろ困難な問題がございましょうし、大蔵省だけでなしに、農林省そのほか内閣全体で、こういう重大な政策については、最終的な断を下すことが適当であろう、こういう考えを申しておるわけでございます。もちろん大蔵省といたしましては、一貫いたしまして、特別会計に赤字などができないように、一時も早くこれを解消したいという念願でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 政務次官は、妙なところへ問題をそらして、生産者価格に影響があれば、お百姓が怒るぞというお話をされるのですが、私は、消費者米価を上げるのではないかという心配から出発しておるのですよ。とんでもないところへ話を持っていって、お百姓の方へすりかえてあなたが言われるのはまことに心外であって、あなたの考えてもいないようなことをそこでおっしゃっているのですが、それは答弁になっておりません。技術の問題ではありません。誠意の問題です。少くともここで今解決をしなければならぬ麦価の問題がある。この解決のほこ先を、政府がしようか、それとも消費者がしようか、それとも生産者——あなたが今言っておるのは、心にもないことを言っていると思うのですけれども、もしそういうことをあなたほんとうに思っておるならば、この辺の人は決して承知しませんからね。心にもない、生産者の方にしわ寄せされるか、こんな問題のそらし方では解決になりませんよ。かりにあなたがその三つのケースをお考えになっておったところで、あなたは結局この麦価を切り下げて、そうして消費者麦価にも、麦の生産者価格にも影響を与えない方法で、方向は僕はいくと信じているのです。あなたもそう思っていると私は思っているのです。そうであるならば、もうこの時期で、農林水産委員会は十月の終りに決議しておるのを、農林省だって、私が聞いてみますとよいと言うておる。ところが農林大臣もかわるかもしれぬ、大蔵大臣もかわるかもしれぬというわけで、下僚の皆さんはどうもはっきりしないというわけで、結局はサボタージュの方向にあるらしい。これでは精麦業者は全くどうなるか。何か業界の話を聞いてみますと、まことに気の毒にたえぬ話でありますが、こういうことを言っておる。もちろんわれわれ業界も深く反省し、現下の不況を克服するため自主的に可能な事項、たとえば企業の整備合理化、不当競争の緩和策、宣伝対策、卸小売商に対する対策等に一そう努力いたすべく重大な決意を持っております。こう言っておるのであります。こんな、わしの方も企業合理化を自主的にやる、調整なんかは、二十九条ですか、先月発動されたのであります。それももちろんですが、企業整備もわしら進んでやると言っておるのであります。自分たち自身で、もうつぶれるところはつぶすという決意までしておるものを、一体何を農林省と大蔵省はおたおたして、こんな重大な問題が早く腹がきまらないのか。これは政変があるからと言うても、新内閣でといって看過できない問題ではないかと思うわけです。私は山手さんにもう一ぺん聞きますけれども、一体それではいつごろこの話をきめるつもりです。鳩山さんがかわらなければきまらない問題ですか。新内閣に譲るつもりですか。あなたが政務次官の在職中に一つ花を咲かせるべき問題ではないかと私は思うのです。もう一ぺん聞きますけれども、今きまらぬというなら、一体いつごろ大蔵省は腹をきめて、農林省と協議をして話を進めるつもりですか。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○山手政府委員 この問題は非常に重要な問題であるばかりでなく、いろいろ複雑な問題を包蔵しておりますので、これは慎重の上にも慎重にということで、現在大蔵省、農林省関係者が集まって、いろいろ折衝し、話し合いをして対策を講じつつあるわけでございまして、いっときも早く、できるだけ早くこういう問題については最終的な決定を下し、農民の皆さん、もちろん消費者の皆さんにも御安心が願えるようにいたしたいと思っておりますけれども、残念ながら、それではいつまでに、すぐきめるかというふうなことについて、今確とした時期を申し上げる段階ではないわけであります。もちろんできるだけ急いで最終的に政府の態度を決定するわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 まことに私は政務次官の答弁に納得できません。あなたがそれ以上答弁を前進しないというならば、失礼ではありますが、私は大蔵大臣にお伺いするよりほかはないと思うのであります。しかしどうも聞いてみますと、山手さんは通産をもやっておられて、この問題については、おそらく業界の問題についてはよく承知をしておられると私は信じておるのであります。勉強不足か何かの事情によって、きょうはどうも答弁ができないような雰囲気がほのかに見えるわけであります。従って一つ次回の委員会に、あらためて私は大蔵省に対して見解を問いただしたいと思いますから、次会あなたが出ていらっしゃるならば、きょうの答弁では絶対私は納得できませんから、一つまず一歩前進した形において出てきてほしいのです。そうでなければ、前進がないというならば、一つ大臣に出てもらって、私は責任ある答弁を承わりたいと存じています。  次に長官の方にお伺いをいたしますが、あなたは買入れ価格を下げるという立場を言明されました。しからば一体どのくらい下げるつもりですか。今麦価はどのくらいの損失があるか、政府の政策によって業界にしわ寄せがいっておるか、どういうふうにあなたは計算上お考えでございましょうか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 麦価の売却価格につきましては、精麦業の現況なりあるいは精麦の消費の現況から見て下げる必要があろう、そういう認識でもって下げる方向でいろいろ検討を実はいたしております。従いまして検討中でございますので、どの程度下げることが妥当であるかどうかということについては、まだここで申し上げる段階に至っておりません。業界の損益の事情等についてもいろいろ調べておりますけれども、何しろ操業度が非常に低いという現実がございますし、それからまた先ほどもお話がございましたが、歩どまり等の点から見ましても、なかなか採算に合わないということが容易に看取できるところでございます。ただどの程度下げるかという再度のお尋ねでございますが、この点につきましては、先ほど政務次官からもお答えがございましたように、食糧のいろいろの重要問題に直接間接に非常に関係があることでございます。その辺との関連ももちろん考えなくてはなりませんが、そういう点についてもお考えをめぐらしつつ、当面の問題である麦価の引き下げということについて検討を実は重ねておるのであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あまりはっきりしたことをおっしゃらないのですが、私も率直に言うと、麦価については必ずしもくろうとじゃございません。けれどもこの機会にいろいろ調べたり聞いたりしてみますと、農林省がやっております麦価の算定については、極端に言いますと、少からぬインチキがあるようであります。たとえば三十一年度の内地麦の政府売り渡し価格の算定方式は、大麦についてみると、標準では三類三等に基礎を置いて、五七・三%の歩どまりで搗精した押麦が一キロ五十七円四十銭に売れるという計算をしておるそうです。ところが三類三等の大麦は、全生産数量の〇・七%にすぎない。わずかに九州に見られるだけであって、このようなものは市場価格に少しも反映をしておらぬ。こういうような悪い原料をどういうふうに工夫して加工してみても、消費者価格五十七円に売れる品物はできない。しかも一類三等の原料で作った松級の上等品でも、現在はさような価格では売れない、こう言っているわけであります。こういうような点から、ずっと一通りのそろばんを置いてみますと、あなたの方は多少大蔵省に気がねをしたせいか知りませんけれども、麦価の算定について、ちょっと言うならばインチキをして、標準的な算定をしないように私どもは考えられるわけです。それからまた先ほどちょっと話をしました、二十八年のよくいわれた政治凶作の実情を見ましても、あなたの方としても、相当精麦協会をかわいがっておったから、この際あなたの方もげたを持ってもらいたいということをおやりになったように見受けるわけであります。そうしてみますと、今回この麦の値下げの点については、かなり思い切った救済方策をこの際とらなければ本質的な解決にならぬではないかという気がするわけであります。従って麦類の値段を下げるという点について、一体あなたの方はほんとうに大蔵省と話し合っておるのであるかどうか。先ほど私がほのかに言ったように、大蔵省の腹がわからなければ相談しても仕方がないという立場で、腹がきまるのを待っておるのであるかどうか。それから精麦協会が自主的に企業の整備合理化をやろう、こう言っていることについて、大体行政的にどういうふうなことをやろうとしておるのであるか、その点をあわせて御答弁を願いたいと思うわけです。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 麦価の問題につきましては、まだ農林省内部におきましても具体案ができておりません。先ほど申し上げましたような方針で案ができますれば、直ちに大蔵省と事務的な折衝にも入りたい、このように存じております。  なお企業整備の点につきましては、これは麦価引下げも関連しますが、業界の再検討という点から見ましても必要性を感じております。自主的な企業整備ということを建前にしながら、農林省といたしましても必要な援助をしたいということで、予算的な措置も講じて参る、こういうつもりで案を練りつつあるのであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 案を練りつつあるとおっしゃるが、たとえば企業整備をして、今の精麦業者を相当多数倒してしまうということになるわけですが、それについて、一体農林省はいかなる法律をもって、いかなる補償をしようとしておるのかということを聞いているのです。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 企業整備につきましては、整備自体といたしましては、戦後のような直接的な法律をバックにいたしましてやるというふうには考えておりません。先ほどもお話に出ましたように、中小企業の安定法に基く調整組合が近々できますので、この調整組合等が主体になりまして、新設の抑制また既存設備の整理ということを推し進めて参るわけでございます。その場合に整理される企業の補償の問題が出て参るわけでございますが、この補償の問題について必要な援助をしたい、こういうことでございます。そのほかに法律的な措置ということはただいまのところ考えておらないのであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そんな中小企業安定法によって新規設備はやめる、それから現行設備もある程度抑制するということだけでは、この問題は解決しないということで、精麦協会は自主的な企業整備もやってしまう、こう言っているのです。あなたの方としては、それに対して別に特別な法律も作らないで何とかしたいと言っているのだけれども、そんなことで一体できるでしょうか。少くとも今協会の考えているところによりますと、膨大なことなんです。それはたといあなたの方が全額補償するか半額補償するか知りませんけれども、半額としても、私の計算でいきますと、二、三十億はかかるでしょう。そういう補償を、あなたの方としてはほんとうに責任を持ってやるという決意があるのですか。またその点を法律によらずしてやれるのですか。またそれは大蔵省に相談しているのですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 制度といたしまして、厳密に申しますと、これは法律があった方がよろしいということになろうかと思います。ただ法律がなくてはやれないかと申しますと、なくてもやっていけるように思うのでありまして、私どもといたしましては、ただいまのところ法律を作らないでやっていきたいと思っております。もちろん法律を絶対に作らないということで決定をしたわけではございませんけれども、今のところ法律なしでやっていけると申しますのは、精麦企業、これも大体中小企業でございますけれども、御案内の通りその中にもいろいろ態様がございまして、私どものねらいとするところ、また業界のねらいとするところを見ましても、政府の原麦の売却の対象になっている工場、これが中心になってこようかと思います。従いまして、政府との関係は、普通の行政の関係よりも密接な関係でございます。業界の自主的な措置、それから私どもの食糧、特に原麦の処理のやり方といったようなこととにらみ合せまして、必要な助成的な措置も講ずれば、十分法律なくしてやっていけるというふうに思うのであります。それに伴いまする必要な予算は、ただいま、少しおくれておりますけれども、農林省といたしましての予算を作りまして、近く大蔵省に提出するという段取りにいたしております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私はこの問題の解決としては、敏速、果敢を要すると思っているのであります。それが主でありますから、立法化をして、そのために非常におくれるということであるならば、あなたのおっしゃるような——どういう法律に基礎を置かれるのか、あなたはおっしゃらぬけれども、現行法律のワク内でおやりになる方法があるならば、それもまたけっこうだと思うのであります。ただ問題は、今言ったように、事は敏速、果敢を要すると思う。その点についての大蔵省との話し合いがどうも進んでいないように見えるわけです。山手さんには次の機会にもう一ぺんお伺いすることになっていますから、もうこれ以上言いませんけれども、その所管が違うからというて、立場が違うからというて、けんかばかりしておって、そうして当面の急務である問題について時期を失うようなことがあってはならぬと、強く私は申し上げておきたいと思います。  それからもう一つだけ長官にお伺いをしておきたいのは、先ほどちょっと私が言った消費者米価に対する不安が、国民の中に最近ずいぶんあるわけであります。国民は、それよりも余裕米をなぜ正規のルートに乗せないか、また米屋さんもそれを言っておるわけであります。そこで概括的な数字だけでいいのですけれどもお伺いしたいのは、当初本年度産米であなたの方が予想した数字はどれだけであったかということが第一、それから実際の収穫高はどれだけであったか、それから予約供出はどれだけであったか、それから予約以上に供出されたものはどれだけであったか、差し引き農家の飯米はどれだけであるか、またそれによって最後的に余剰米をどれだけと見ておるのであるか、今ここでおわかりであったら、以上の数字について一つ御説明を願いたい。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 今ここで今のお答えになるような数字を持ち合せませんが、三十一年産米のことでなくて、おそらく三十年産米のお尋ねだと思うのであります。三十年産米につきましては、御案内のように、統計調査部の統計によりますと、七千九百万石の収穫になっております。それから予約でございますが、これは当初の目標は二千三百五十万石であったのでありますが、予約ができまして、実際の予約された数量は三千万石を——三千二百万石程度に実は予想したのでありますが、実際の収買は三千万石をちょっとこえた程度でございます。農家の保有につきましては、自家保有等を入れまして三千五、六百万石程度と見ておりますが、去年の豊作の関係上、それになお三百万石ないし五百万石手持ちが例年よりも多いのではなかろうか、こういうふうに見ております。それがいわば余剰米の一つの供給源になるわけでありますけれども、その上に、例年やみ米に流れておるような部分がございます。これがいろいろ推算の基礎によって違いますけれども、数百万石から、多く見る方によりましては一千万石近くのものがある、こういう見方もありますが、かたく踏んで数百万石はあろうか、こういうふうに考えられるのであります。いずれも、統計調査部の資料を除きましては、ごくラフな推算をする以外にはございませんので、確たるお答えはいずれにしてもいたしかねますが、大よそのところはそういうところでないかというふうに思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 先ほど山手さんが、米が余っておる、こうおっしゃいました。今の長官の話を聞いて感ずることは、今度は立場を逆にして、農林省と大蔵省との間で、アメリカからの余剰農産物をことしどうするかという議論が対立しているような話を聞くわけであります。この二年の豊作のあとで、またアメリカと余剰農産物の買い入れをするということについて、どういう関連を持ってわれわれは了解していったらいいでしょうか。両方の立場を一つお伺いをいたしたいと思います。意見が一致しているならばそれでけっこうです。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 余剰農産物についてのお尋ねでございますが、第三次の余剰農産物の受け入れにつきましては、農林省といたしましては、受け入れるべし、こういうことで各省と話し合いを進めております。来年の需給の関係、特に麦でございますが、そういうことの計画とも関連いたしまして、まだ政府といたしましての決定はいたしておりません。農林省といたしましては、受け入れたい、こういうことで話し合いを進めております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大蔵省もそうですか。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○山手政府委員 大蔵省の方としても、受け入れることには必ずしも異議はないのでありますが、諸般の食糧事情等も考えていただきまして、できるだけ数量等も実情に即したように最低限度にとどめたい、こういうふうな希望を持っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 調子を少し合せておられるように思われるのですけれども、多少ニュアンスは違うように思います。私は、昨年この余剰農産物について、受け入れ面とそれからそれによる金の使用面について重大な異議を差しはさんだわけであります。本年この二年の豊作が続いたあとで、しかも豊作によって相当な問題がある中で、農林省が依然として去年と同様だというようなお考えを持っておられるのはいかがかと思うのでありますが、なぜそういうふうなお考えを農林省がお持ちなんでしょうか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 去年の豊作、またことしの作柄等からみまして、食糧事情に非常にゆとりが出て参りまして、輸入食糧は相当削減し得るし、また削減しなければならぬ、こういうことは御説の通りでございますが、それにいたしましても、なおかつ、特に麦におきましては、相当量のものがやはり輸入される必要がございます。そういたしますれば、そのうちの相当部分と申しますか、一部分を余剰農産物の購入に充てまして、国内の農業その他の産業開発に充てるということができますれば仕合せだ、こういうことで考えております。従いまして、私どもの下心と申しますか、腹づもりといたしましては、量的には昨年と申しますか、第二次の余剰農産物よりは相当下回るのではないか、こう思います。なおこちらの作況等の関係もございますし、その他の関係もございますので、輸入条件等につきましても、二次よりは相当日本側に有利な条件をつけて参りたい、こういうつもりでおるわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 世界的にこの食糧の値段は下っておるのであります。下っておるときに、依然として去年のような態度——今お話を聞きますと、多少有利な条件にはなれるとおっしゃっておるのだけれども、そういう世界的な状況の中で、いや買いたい買いたいという気持を示すことはいかがかと思うということが第一。それから第二番目には、国内の需給状態から考えて、一体ほんとうに今でもやはり必要を痛感しておられるのであるかどうかということに疑念を持つことが第二点。第三番目は、私は農林省を疑うわけではないけれども、実は農産物それ自体がほしいのではなくして、農産物を売って得る見返り円を使いたいということが実はねらいではないか、こんな気がするわけです。その疑問が第三点です。その第三の問題について、昨年強くこれを指摘をいたしました。とんでもない生産性向上本部のところへ全くトンネルで二千五百万円銭をやったり、あるいは妙な政治的な考えをそこへ秘めて、思いもかけないことをやってみようとする、そういう農林省の、政府の政治的な金に使いたいというところに問題があるような気がして仕方がないのであります。そういうことであるならば、この際私は余剰農産物の点について、根本的に農林省のお考えを直してもらわなければ困る。ただにそれは国内の農家なり一般国民に対して影響を与えるのみならず、政治を毒するものではないか、こんな感じを私は持つわけです。従って私はこの点については、大蔵省の見解を支持をいたしたいと思うわけでありまして、この交渉については慎重を期せられることを特に要望をいたしておきたいと思います。  本論から少しはずれたようでありますが、しかしこの法律案に関連をして食糧管理特別会計の赤字問題は、歴年当委員会においても農林委員会においても重大な問題でありますから、この際一つ麦価の引き下げの問題について、あらためて次の委員会で大蔵省の見解を問いただすことにいたしまして、私の質問を終りたいと思います。

石村英雄日本社会党

○石村委員長代理 井手以誠君。

井手以誠日本社会党

○井手委員 概算払いの利子減免に関する特例法案の第二条についてお尋ねをいたします。数点お尋ねいたしたいと思いますが、第一は「三十一年の冷害その他政令で定める災害」ということになっておるのであります。「その他政令で定める災害」とはどういうものをさすのか、この点を第一にお伺いをいたしたいのであります。もともとこの利子減免の話が出ましたのは、九号台風の災害以来でありまして、もちろん北海道の冷害がきわめてひどいことは、私どもは十分承知いたしております。この法案を正面から見ますならば、九州、四国、中国を襲いました九号、十二号台風に対する概算払いの利子減免については、端的には受け取りがたいのであります。どのようにお考えになっておるのであるか、付録としてでもお考えになっておるのであるか、その点、方針を承わりたいと思います。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 この二条によります天災、政令で指定する天災でありますが、それはお尋ねのように冷害のほか、台風等大きな災害を入れるつもりでおります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 入れるつもりなら、なぜ冷害並びに風害とお書きになりませんか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 そういうふうに表現いたす方が簡明直截でないかという御趣旨だと思うのでありますが、なお冷害のほかに早害といったこともございますので、これは政令におまかせ願った方がよくはないか、こういうつもりでやったことであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 法は公平でなければならぬと思う。ところが最近までの情報では、北海道の冷害に対しては利子の減免をするけれども、台風に対してはしないという、誤まった情報かどうか知りませんけれども、そういう話が九号台風地帯や十二号台風地帯に伝わりまして大きな衝撃を与えていることは、食糧庁長官あるいは御存じないかもしれません。そういうことは政府のとるべきことではないと私は思う。こういう書き出しだからそういう誤解を生ずると思う。九号台風や十二号台風の被害が甚大である、利子減免の必要があると当初からお考えになっておれば、何ゆえお書きになりませんか。書くことが法の趣旨に適するのではございませんか。従来災害に関するものは多く列挙したのがならわしであります。もし冷害その他政令で定めるものということになりますれば、台風のものはなかったのかという誤解を受けるのは当然でしょう。食糧庁長官が九州、四国が日本の国内でないとはお考えにならぬと思う。(「そこまで言うな」と呼ぶ者あり)いいえ、言いたくなるのですよ。お書きなさいよ。訂正しなさい。もう少しはっきりした説明を聞きたい。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 お尋ねでございますが、御趣旨のことと全く変っていないのでありまして、具体的な災害について一つ一つ……。(井手委員「書かなかった根拠、理由」と呼ぶ)政令で指定する方が、おまかせ願った方がよくはないかということでありまして、特別大した理由といったことはもちろんございませんけれども、いろいろ災害に種類もございますので、結局はやはりある程度政令におまかせ願うということになりますので、全部政令で指定するということにして、法律の上では軽重をつけないということの方がよくはないかと思いまして、こういうことにいたしたのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは九号、十二号という台風の被害は、その他さまざまの小さな災害というふうにお考えになっておりますか。大体利子の減免の声があったのは九号台風ではございませんか。農林委員会で利子の減免の話が出ましたのは、九号台風ではございませんか。あなたはそのときに出席されなかったかもしれませんが、そのときからの問題です。その後北海道の冷害がきわめてひどいことがみんなにわかりまして、これは救わなければならぬという声が起ったことは、私も承知しております。当然北海道の冷害に対してはしなければならぬのでありますが、同時にまた九州、四国を被害地とする九号、十二号台風に対しては、当然最初に冷害と台風の被害は列挙すべきだと思う。私は簡単な説明では納得できません。九州の、あるいは四国の被害者は非常に衝撃を受けている。もっと納得のいく御説明を願いたい。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 政令で指定された天災、こうなっておりまして、その指定の内容としましては、お話しの台風、それから冷害は当然入る、こういうふうに御了解願いたいのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 また、その点はあらためて別な機会にお尋ねをいたします。  それでは、ただいま食糧庁が予定をされておる適用災害はいかなるものでありますか。何号と何号の台風、あるいは早害であるか、こういうことを一つお示し願いたいと思います。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 九号、十二号等の大きな災害はもちろんでございますが、例の天災融資がございますので、これを適用する災害と歩調を合せたい、こう思っております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 十号と最近襲いました山口の潮害はいかがでございますか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 山口の潮害も入れるつもりであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 十号は……。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 十号も入ります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 それでは利息減免の前提となる延納の基準をお尋ねいたしたいと思います。概算払いの延納はいつまで認められるのか、さらに延期されるものはどの程度のものか、その程度と申しますのは、予約の二割、それは当然延納になりましょうが、被害の多いところで三割、四割程度が予定の販売数量となるというような場合に、二割の分を差引きますと、農家の手取りになるものはごくわずかでございます。二割はなるほど延納になりましょう、助かりはしましょうけれども、あと一割のもので一カ年の生計を営まなくてはならないという農家の苦しい立場から考えますと、その端境にある被害農家に対する措置はどのようにお考えになっておるのか。たとえば百俵予約して二十俵分の概算払いを受けておるとすれば、その二十俵分はもちろん延納になるでありましょう。ところが被害のために実際は二十五俵しか販売ができなかった。こういう場合には、農家は五俵分しか現金を受け取ることができないのであります。そういう端境にある農家に対する救済はどのようにお考えになっておるのか。そういうものに対しては、半分だけは延納を認めるというような措置もお考えになっておるのかどうか、その程度のことをあわせてお尋ねいたしたいと思います。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 この特例によります第二条は、米の予約したものにつきまして、政府に売り渡し期限までのものについて申しておるのでございます。この期限までに概算金等に見合う米が政府に売り渡されなかった、こういう農家につきましては、金でもって概算金相当額を返納してもらう、こういうことに相なるのでありますが、この返納につきまして二銭五厘の利子がつくわけであります。この二銭五厘の利子、要約して申しますと、概算金返納に見合う金額に対する二銭五厘につきまして、これを減免をする、こういうことでございます。従いまして、お話は百隻の農家につきまして例をとられての御質問ですが、二十五俵を政府に売り渡すというと、そのうち二十俵は概算金相当分で現金が手元に入ってこない、手元に入ってくるのは五俵分だ、そういう農家についての措置いかん、こういうことでございますが、この法律案では、そこのところは実は考えておらないのであります。そこは一般の営農融資で一つお考え願うというふうに考えております。それからもう一つ蛇足でございますが申し上げておきますと、北海道等でございますれば十二月末、西の方に参りますと一月末になりますが、それまでの二銭五厘の問題が第二条でございますので、その以降の措置はこの法律には入っていないのであります。その以降の措置をどうするかという点についてちょっと御説明を申し上げたいと思います。この措置につきましては、農家は米でもっては概算金は返せない、従って金で返さなければならぬ。そうしますと、非常に災害を受けた農家につきましては手元に余裕がない。概算金の制度の建前から申しますと、組合関係で申しますれば、単位組合が農家にかわって払うということになっておるのであります。単位農協が農家にかわって払うのでありますから、農家としては単協との話し合いというか、契約をもちまして、単協が代位弁済したものをどうやって払っていくか、その利子をどうするかということは、単協と農家の間の問題になるわけでありますが、その場合の金融がうまく行くように、また利子が相当程度減免されるような措置が必要になるのではないか、こういうことに相なろうかと思います。その点につきましては、北海道につきまして、天災の営農融資に準じた方法で、ちょうど代位弁済相当額についての融資が円滑に行き、また利子が軽減されるようなことを考えたい、かようなつもりでおります。府県につきましては、全体といたしますと、県によって若干事情は違いますけれども、北海道に比べますれば被害の程度が低いということもございますので、一般の営農融資等によってそういう金融の措置、利子軽減の措置が大体まかなえる、こういうつもりでおるのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 もちろんこの法律案は、米穀の売り渡し期限までの利子補給の分であると私も承知をいたしております。ただ農業に関する冷災害に対する政府の対策は、この法律案に大体集中されておると私は思いますからお尋ねをいたしておるわけであります。従って各方面から熱望されておる概算払いの延納、あるいは利子減免についての全般的な政府の方針を私はこの機会に承わっておきたいと思いますので、お尋ねをいたしておるわけであります。そのつもりで一つ御答弁を願いたい。延納の方針はどのようにお考えになっておるのか、ただいまは、冷害については営農資金で考慮したいということでありますが、営農資金は別途に考慮するということが、すでに農林委員会において政府からも答弁がなされておるのであります。わずかな営農資金に食い込ませるということは非常に無理であるということを認め、別途に措置するということを言明されておる。従って営農資金で救済できるとは私は考えないのであります。そこで延納はいつまで、どういう災害に認められるのか。その利子補給はどのようにお考えになっておるのか。ただいまも若干お触れにはなりましたけれども、非常に重要な点でありますので、一つあらためて政府の御方針をはっきり御言明願いたいと存じます。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 延納についてのお話でございますが、延納をという御要望に対して私どもとして考えておりますところは、食糧管理特別会計といたしましては延納はしない、米の最終の売り渡し期限が来ますれば、そのときにお金でもって返していただく、こういう方針であります。従って特別会計でもって延納をやっていくということは考えておりません。ただそうは申しましても、結局農家が金を払えなければ、指定集荷業者、協同組合が払うということになりますので、その間の農家と協同組合等との関係におきまする金融の関係が円滑に、また農家の負担が軽減されますように、北海道につきましては、被害の程度の高いところは三分五厘で償還期限が五年になります。それから被害がその程度に達しない地帯におきましては、利子が六分五厘になりまして、償還期限は三年になりますように、必要な利子補給、損失補償をする、こういう方針でおります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 今のものは、北海道の冷害のひどいものに限って利子補給をなさるようであります。そういたしますと、たとえば例をあげますと、佐賀県の干拓地のように家も流され、水田も今なお一日二回も海水におおわれておる、あの惨状目をおおうような農家に対しては、どのようにお考えになっておるのか。この地帯に対して、さきに農協から利子を早く返してくれという非人道的な無情きわまる通告がいっておることは、あなたもお聞きになっておるかもしれません。そういう悲惨な災害地帯に対しましては、どのようにお考えになっておるか。これでも災害は軽いとお考えになりますか。ただいまの御答弁ではそのように聞えますが、そういう干拓地帯の災害についてはどのようにお考えになっておりますか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 佐賀県の干拓地の例をあげてのお尋ねでございますが、佐賀県のほかにも、干拓地ではございませんが、相当被害の激しい、収穫皆無に近い、あるいは収穫皆無のような町村が相当ございます。これにつきましてやはり何らか利子負担の軽減の措置が必要である、こういう御趣旨もいかにもごもっともであると私も存じます。ただ全体の作柄が、県別に見ましても、府県といたしましてはそう悪くない作柄のところがほとんど大部分でございますので、そのために特に別途の融資措置をしなくとも、一般の天災融資をする場合に、概算金を金で払わなければならぬような農家の実情につきましては、特に考慮するということで、先ほど北海道についてお話し申し上げたと同じように、災害のひどいところは実質的には利子の軽減ができ、また必要な融資がいくように措置をしたい、こういうつもりでおるのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 干拓地に限らず、非常に被害のひどいところには、実質的には北海道と同様な営農資金その他の措置によって利子補給のようなことをやるという御答弁でございます。はっきり申しますが、どのような措置でございますか、私はこの機会に、食管特別会計の立場ということではなくて、政府の御答弁を願いたいのであります。大蔵省の見解を承わりましょう。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川説明員 ただいま井手委員と食糧庁長官との間に問答がありました点につきましては、最終的に政府として決定しておるものではございませんが、おおむね食糧庁長官がお答えしたような線で処置いたしたいと、大蔵省としても考えておる次第であります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 そういたしますと、収穫皆無というような台風による被害地帯に対しては、来年の概算払い延納による利子補給、これを具体的にはまだきめてないようでありますが、どうなんですか。これは九号、十二号台風はどうでもいいとおっしゃるのですか。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川説明員 北海道の冷害につきましては、御承知のように非常に広範な地域にわたりまして災害があったのでありまして、利息の減免、あるいは営農資金の融資についても特段の考慮を要すると思われるのでございますが、一方内地の方におきましては、ただいま御指摘になりました有明干拓地の問題、私もこれは具体的に利息の減免なり天災融資法に準ずる何らかの金融措置が必要かと存ずるのであります。一般的に申し上げまして、御承知のように概算金の納付に備えまして、農林省といたしましてはよく指導いたしまして、各地区ごとに積立金をいたしますとか、あるいは指定業者に代位弁済をいたさせますとか、あるいは場合によりましては、全国の販売組合連合会でございますか、これに弁済をいたさせますとかいうような、いわば相互共助の建前で進んでおりますので、ある特定の地域が災害によりまして相当減収になったけれども、もう少し広範な地域をとりますと、相当豊作に近いような状態である、こういうような場合には、必ずしも天災融資法に準ずるような金融措置をいたさなくとも済ませ得るところがあるのじゃないか、その辺のところも考えまして、実情に即して、ただいま井手委員の御指摘のありました有明干拓地のようなところとか、もう少し具体的に実情を調査いたしまして、その分に対しましては北海道に適用いたしましたような融資措置を講ずる、こういうふうにやって参りたいというような大体の考えで進んでおるわけでございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 私はそういうお考えには絶対に承服いたしません。それはなるほど北海道の冷害がひどいことは承知しております。当然の措置だと思うのです。しかしそのほかの収穫皆無などというひどい地帯に特別の措置を講じていない。何とか実質的には、そういうふうに同じ結果になるような措置を考慮したいという程度では、それでは政府の対策とは言えませんよ。なぜこの法律案のように、その他の政令でもかまいません、同様な措置ができないのか、おそらく関係地方の議員は承知しないであろうことを私ははっきり申し上げておきます。利子を払えとおっしゃいますけれども、家も流され、収穫は皆無になっておる、海水は一日に二回も襲っておる現状で、利子を戻せといったって戻せるものではございません。少し考えてごらんなさい。今から調査しようと言うけれども、大蔵省も農林省も調査ははっきりしておるではありませんか。

宮川新一郎大蔵事務官(主計局次長)

○宮川説明員 私は井手委員が初めにお述べになりましたように、全体についての構想を聞きたいということで、全体について申し上げたのでございまして、概算金を返納する場合に、返納ができなくなった人たちが納めねばならぬ二銭五厘の減免につきましては、これは北海道といわず、先ほど御指摘のありましたような地域に対しましても同様に措置いたしたい、これはかように考えております。  ただ元金の方の融資でございますが、この方につきましては、災害地域の非常に広範にわたっておるところとそうでないところとで、おのずから感覚を異にして処理してもいいのではないかということを申し上げたのでございまして、具体的には、北海道以外のところにも、天災融資法による融資が行われるようなところもあるのではないかと思いますけれども、全般論として私が申し上げましたのは、非常に局地的であって、その所管と申しますか、その当該部落当り、その所属する市町村単位で見ますと、非常な豊作であって——そういうことがあるかどうかはよくわかりませんけれども、かりにそういう事態がありますれば、平素災害に対する積立金もあることでありましょうし、当該農協あたりの金融もそう困っていないというようなところにまで利子補給をしての融資をする必要はないのではないかという考えを申し上げた次第でございます。

井手以誠日本社会党

○井手委員 結局同じではございませんか。利子補給ということが一番大事な点であります。利子補給というその突っかい棒があればこそ、延納ということがやはり代位弁済の点で現われてくると思うのです。  それでは確かめておきますが、農協などの機関が来年の出来秋まで代位弁済した概算払いについては、北海道といわず、内地においても台風被害によって非常な損害を受けた農家に対しましては、利子補給を同様になさる御意思であるかどうか、その点をはっきり承わっておきたいと思います。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 先ほどもお答えをいたしました通り、ただいま私どもの考えておりますところは、まだ最終的な決定というわけではございませんけれども、そういう意味でお聞き取り願いたいのです。北海道につきましては、一月以降代位弁済された分について、利子と期限が天災並みになるような措置をとりたい、こういうことであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 そういうことであれば、私は反対であります。絶対に承服いたしません。  それでは続いてお尋ねをいたします。減免の措置でありますが、利子減免の基準は大体どのようにお考えになっておりますか。私は免除ばかり考えておりましたが、軽減ということもあるようであります。どの程度以上は免除して、どの程度以下は軽減するという、その基準をお示し願いたいと思います。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 利子の二銭五厘の軽減につきましては、大体かように考えておるのであります。天災融資につきまして三分五厘と六分五厘にする基準がございますが、ほぼそれにのっとって措置したい。天災融資で三分五厘になるところは三分五厘、六分五厘になるところは六分五厘。ただ、私どもといたしましては、概算金処理の問題でございますから、米の出来柄が相当関係いたしますので、町村といたしましてほぼ三割の減収ということを大ワクにしたいと思っております。概算金でございますから、予約の二割以下しか米の売却ができないということも一つの基準になります。そういう範囲でほぼ天災融資の例に準じて措置をしたい。  なおそのほかに、三分五厘の地帯におきまして、収穫皆無ないしはこれに準ずるような農家につきましては、二銭五厘の利子の全免をしたい、かように考えております。

井手以誠日本社会党

○井手委員 小倉長官のお考えは、農林省の経済局長あるいはその他の局長を勤められたあなたのお言葉としては、私は受け取りがたい。もともとこの利子と申しますのは、横流しその他悪意による予約の破棄というものに対する懲罰のための利子であると私は考えておるのであります。しかし災害によって予定の販売ができないという農家に対して利子を取るということは、私は立法の当初から考えていなかった問題であります。悪意の農家に対してこれを懲罰するための利子である。自分の意思でない、自分の不心得でない、自分の不努力でない天災によって災害を受け、そのために予定の数量を販売し得ない農家に対して、たとい五割の減収であろうと七割の減収であろうと、軽減して利子を取ろうなどという考えは私は間違いだと思う。かつて地主制度のもとにおいても、そういう凶作の場合には、傲慢だと言われた地主ですら、小作人に対していろいろな保護をした事実がたくさんあることは、あなたも御承知であろうと思う。収穫皆無でなくては免除しない、そんな冷たい話がどこにございますか。あなたは本心からこういう基準をお考えになっておるんですか。農林委員会でもあなたはお聞きでございましょう。本年も豊作だと、苦労した農家が喜んでおったやさきに、被害を受けて半作になっておる、飯米もないというような状態のときに、収穫皆無でなくては免除しないなどという冷たい免除規定がどこにございますか。一つあなたの根本的な免除に関する考え方をお示し願いたい。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 これは私からお答えするまでもないと思うのですが、飯米も事欠くような収穫皆無になった農家につきましての経済的な負担については、格段の措置を講じなければならぬという御趣旨は、その通りでございまして、そういう筋で私どもも考えなければならぬ、こう思っております。そういう意味で実は利子の軽減もしたいというつもりで、その点についてはお考えと変らないと思うのでありますが、その措置といたしまして、概算金の利子につきましてはその考え方にたるわけでございます。やはり一種の前渡しであり、考え方によりますと、奨励的な意味で米を出される方はその利子を全部免除する、こういうふうにできておるのではないかと思うのであります。そういたしますと、その利子も、別に利子の額自体としては必ずしも安い金利ではありませんが、農村の金利といたしましては、二銭五厘は必ずしもそう高い金利でない、出さない方に罰則をかけるのだ、こういう意味での非常に違約金的な性格が強いものとは必ずしも思えないのでございますが、いずれにいたしましても、そういう意味で、米を出した方には奨励的な意味で利子を免除する。従いまして逆に言いますと、米を出されなかった方につきましては、その原因を問わず、利子をつけて一つお返しを願うという考え方でできておるのであります。従いまして、これが出せない原因のうち、いわば不可抗力的な方にとっては非常にお気の毒な制度の立て方に実はなっております。そういう場合の特別な措置として、特別の法律までお作り願って減免をしよう、こういうことでございますので、できるだけ御趣旨の点も入れながら考えたところが先ほど申しましたようなことになりますので、もちろん必ずしも十分とは申しにくいかもしれませんが、一種の金融を受けたということで考えていただければ、今までのいろいろな措置のうち、農村に対する一般の経営資金的なものとしては、最低の利子だけは一ついただこう、しかし収穫皆無というような顕著な農家に対しては、利子を全部免除する、こういう立て方にいたしたのであります。

井手以誠日本社会党

○井手委員 長官も一つ冷静にお考えを願いたいと思いますが、商取引なら商取引でけっこうでございます。しかしかりに高利貸しであっても質屋であっても、むずかしい条件はついておりましても、相手が気の毒な立場に立ったときには涙をもって措置しておるのが私は例だと考えております。いかに商取引といえども、約束は約束だからというようなことで、たとい軽減しても取り上げようという私は心がまえが気に食わないのであります。先刻もお話ししましたように、予約概算払いの場合は、一名青田売りともいわれておる、非常に困っておる農村が出来秋まで食いつなぐことができませんので前払い、借金をして予約をするのであります。その場合に、それでは気の毒な農家に対して貸してあげよう、概算払いをしよう、しかし悪いことをしては困るという予防措置のために利子をつけるということが設けられておることは、御承知だろうと思う。ところが今回は、先刻来申し上げるように予想しない天災のために被害を受けておる。そうでありますならば、進んで利子だけは免除しましょう、延納は認めましょうというのが私は政治ではないかと思う。よく私の方は商取引だ、食糧特別会計は商売だとおっしゃっておる、私はその言葉が気に食わないのですが、しかしここで法律案として出された以上は、これは政治です。  山手大蔵政務次官にお尋ねいたしますが、今まで私が申し上げたことをお聞きでございましょう。ただいまの小倉長官の御答弁によりますと、収穫皆無のところは免除する、しかしそうでないところは、被害のひどいものは三分五厘の利子を取る、やや軽いものは六分五厘の利子をつけて戻してもらう。飯米にも事欠く農家に対して利子を取ることができますか、それが政治といえますか。鳩山内閣を代表して、そういう農家に対する政府の利子減免に関する御方針を承わりたい。非常に人情内閣とも一名いわれている——実際はどうであるか知りません、間もなく倒れるでございましょうから、これ以上申し上げませんが、近く去られる鳩山内閣の最後のみやげとして、これはあまりにもひどいことではございませんか、これが公約ですか、承わりたい。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○山手政府委員 ただいま井手委員のいろいろお示しにつきましては、私どもいろいろ考えさせられる問題でございます。お話の点についてはよくわかるわけであります。ただ、食糧庁長官の先ほど来の説明にもいろいろございましたように、それにどういうふうに手心を加え、どういうふうにこれを処理していくかということは、種々雑多なケースがありますので、非常に取扱いとしてむずかしい問題が出てくるだろうと私は思います。お話のように、収穫皆無のところについては非常にお気の毒であり、その実情についても万般の状態があろうと思いますし、よく今後も相談をし、事態を取調べ研究をさしていただきたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員 この法律案は急を要するものではありますけれども、いろいろな意味においても慎重に検討しなければならないものも含んでいると思うのであります。一たん出された以上、原案を固執される意思は私もわかりますけれども、しかし幸いなことには、そういう基準についてはこの法律案には示してないのであります。山手政務次官は百姓をなさったかどうか知りませんけれども、米は農家収入の七割くらいが普通だと思っております。特に今度被害を受けた地帯は、ほとんど米作一本である。野菜も買わなければならぬ、燃料も買わなければならぬ地帯が非常に多いのであります。百パーセント米に依存している地帯が、自家保有米にも欠くものに対して利子を取るなどという過酷な政治は、とうてい行うことはできません。もし取ろうとおっしゃいますならば、私はあくまでも反対をいたします。  そこでただいま申し上げましたように、幸いにはっきり書いてございません、基準に書いてございませんから、営農資金を借りることができなかった地帯には、軽減もいいでしょう、営農資金を借りられるような被害のかなりある地帯に対しては、全免することも私はできると思うのであります。大蔵省も食糧庁長官もその基準を再検討される御意思があるかどうか。さらにまた北海道に限らず、被害のひどい地帯に対しましても、法は公平であるという立場から、あわせて再検討なさる御用意があるかどうか、その点を最後に承わっておきたいと思います。

山手滿男自由民主党大蔵政務次官

○山手政府委員 先ほど私が申し上げましたように、これは食糧供出の問題、いろいろな問題にも関連いたして参りますので、今後いろいろなケースをよく検討して研究をした方がよろしいと思いますから、検討さしていただきたいと思います。     —————————————

石村英雄日本社会党

○石村委員長代理 参考人招致の件についてお諮りいたします。税制に関する件について、臨時税制調査会の代表者を参考人として出頭を求め、同調査会の審議状況等について説明を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石村英雄日本社会党

○石村委員長代理 御異議なしと認めます。よってさように決しました。なお、参考人の選定及び日時等につきましては、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石村英雄日本社会党

○石村委員長代理 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  本日はこの程度にとどめ、次会は明後二十二日木曜日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時四十二分散会

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