P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
25回国会衆議院1956/12/12

商工委員会 第6号

発言数
82
登壇者
14
会派数
2
開催日
1956/12/12

会議録

神田博自由民主党

○神田委員長 これより会議を開きます。  本日公報に掲載いたしました請願三十五件を一括議題とし、審査に入ります。まず請願審査小委員長の報告を求めます。請願審査小委員長代理鹿野彦吉君。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 ただいま議題となりました請願三十五件につきまして小委員会の審査の経過並びに結果について簡単に御報告申し上げたいと思います。  各請願の要旨は、電気事業の公営復元に関するもの、総合開発促進に関するもの、ココム制限緩和に関するものなど、その他各般にわたっておりますけれども、本小委員会において十分検討の結果、次の通り決定いたした次第でございます。  すなわち請願日程中第二二の請願を除く各請願は、いずれもその趣旨妥当と認められますので、採択の上、内閣に送付すべきものと決しました。日程第二二の請願はなお検討の余地ありと認められますので、採否の決定を留保いたした次第でございます。  以上簡単でありますが、御報告申し上げます。

神田博自由民主党

○神田委員長 採決いたします。ただいまの小委員長の報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なおただいま議決いたしました各請願の委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なおすでに御承知の通り、本委員会に参考のため送付された陳情書は、中国における日本商品展開催助成金交付に関する陳情書外三十五件であります。右念のため御報告いたします。     ―――――――――――――

神田博自由民主党

○神田委員長 この際理事会の協議により、石炭、石油及び電力の需給並びに価格に関し調査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認めます。よって石炭、石油及び電力の需給並びに価格に関し調査を進めます。質疑の通告があります。順次これを許します。中崎敏君。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 最近における日本経済の飛躍的な増進によりまして鉱工業を初めとする各般の経済活動が予想外に活況を呈していることは喜ばしいことであるのであります。ところが、こうした急速な進展に伴いまして各産業分野、ことに重要基幹産業の面において需給のアンバランスが予想されるようになりまして、またこれらのことが一つの大きな原因となって物価高騰といいますか、インフレの前兆になるのではないかというふうな懸念が強く出てくるようになったのであります。ことに政府の関係しておりまする鉄道の運賃の値上げが予想されるのでありますが、それを初めといたしまして、電力の面においても、すでにある一部において、値上げをされるのでなないかというふうな懸念も生じて参っておりまするし、鉄鋼の面においても相当に値上りがありまして、国民経済の上にある程度の悪影響を来たしておるということもまた見のがすことはできないのであります。ことに最近におきましては、石油の価格、ことにガソリンを中心とするところの価格が相当に値上げになりまして、いわば売り惜しみ、買いだめ等の現象も手伝って相当に混乱を来たしておるというふうな事態もあるのでありまして前途大いに憂慮すべきものがあるのであります。しかもまた間接税の増徴などをもあわせてうたわれておるのでありましてこれらの一連の関係を顧みてみますと、政府の関連しておるところの政策に深いつながりのあるところの事業、ことにこれが基幹産業的な分野において値上りが激しいのでありまして、これらの点を考えてみたときに、今後これらに対するところの対策を適切にやらない限りにおいて、日本の経済に一面また好ましくないような憂うべきインフレなどの現象が来るのではないかということを考えるのでありますが、これらの点について川野政務次官は一体どういうふうに考えておられるか、またこれが対策を一体どういうふうにやろうとするのか、これを商工業者の面において一つお聞きしたいのであります。

川野芳滿自由民主党通商産業政務次官

○川野政府委員 お答え申し上げます。わが国の経済の好況に伴いまして、昨年末来非常に石炭界の需要の面において好況を来たしたような次第であります。なおまた生産の面においても増産を来たしまして予定の四千三百万トンからさらに上回る予想でございましたが、昨年末のスト等の関係から、四千二百五十万トン、かような数字に、予定よりも若干の下回りを見た次第でございますが、さらに今年になりまして四千六百数十万トンの目標を実は立てたのでありますが、すでにその目標を突破する、こういうような好況でございまして、生産の面におきましても目標の総額を若干上回るようなことで、今その数字の検討中でございます。かように石炭の生産面において好況を来たしておりますので、ただいまお説のように各方面の鉄道の運賃とか、その他の面において値上げの問題等が論議されておるのでございますが、石炭界におきましては、石炭価格を若干下げよう、かような考えのもとに、すでに大手筋との話し合いもまとまりまして若干石炭を下げる、かような情勢下にあるわけでございます。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 ただいま主として石炭に関する答弁があったのでありますが、この石炭につきましても昨年石炭鉱業合理化法が通過しました前後におきましては、大きな炭鉱といわず、あるいは中小の炭鉱といわず、相当に経済的にも企業の内部において困難な事情が見受けられたのでありますが、その後こうした炭鉱の合理化法の実施があり、さらに予想以上の経済界の活況などがあって今政務次官が言われるように、相当石炭の生産高並びに価格の面においても、値上げなどの事情も手伝って、ことに非常なブームに恵まれて、企業の内部におけるところの収支の勘定、言いかえると膨大な利益を企業の内部に蓄積といいますか包蔵といいますか知りませんが、それを持つようになったのであります。かりに株価のごときを見ましても、三井鉱山のごときは現在無配だというのにかかわらず、百四十円も五十円もしておる。こういうようなわれわれが想像できないような実情にあるのでありますが、この最近におけるところの石炭鉱業のいわゆる大資本系列のものと、それから中小炭鉱のものと、およそ類別して二つに分けて、一体これが大体概観的に見てどういうふうな状態にあるのか、そして石炭の価格についてもある程度の炭価の値下げを今業者との間にも話し合いをしているということでありますが、これは石炭鉱業合理化法によっても明らかな通り、政府が標準炭価を定めるということになっておるのであります。従いまして最近におけるところの需要の増加並びに今後においてもより大きな需要の増加というものから、勢い増産による炭価の切り下げも考えられる。企業の合理化というものも、当然これに関連して考えられるのであります。そうして石炭の値下げをするというのが合理化法の本来のねらいであった。それを逆に合理化法ができてどんどん値上げになっている。多少値下げをこれからするといっても、それは当初のねらいよりもはるかに高い価格において現在取引されておるのであってこれは私たちが考えておったことよりも違った方向にある。言いかえますと炭鉱の資本家というものはどんどん莫大な利益をむさぼる。しかも石炭の値が上っているというのであるから、国民と日本の経済の犠牲の上において一部の大きな資本家を中心とするところの石炭鉱業というものが、不当といいますか、莫大な利益をむさぼっている。こういうような事情について、一体どういうように考えるか、ただわずかばかり値段を下げて、そうして一時を糊塗するというような考え方というものが、私たちは石炭鉱業合理化法という法律のできた趣旨並びに日本経済の上において大きな役割を果す石炭に背負わされているところの使命から考えてみて、問題を大きく一つ方向転換の方向に考えるべきじゃないかと思うのであります。それらについての御答弁をお願いしたいと思います。

讚岐喜八通商産業事務官(石炭局長)

○讚岐政府委員 お答え申し上げます。ただいまお尋ねのような石炭鉱業合理化臨時措置法が制定されましてから、石炭の価格を下げまして重油と輸入燃料に負けないような燃料にして参るというのが根本の問題でございましてその趣旨にもかかわらず、最近の石炭の値上りがひどいという御意見のようでございます。私ども調査いたしておりますところで、確かに昨年あるいは一昨年に比べまして、今日の炭価は相当の値上りを示したと申しますことは事実でございます。しかしながら取引によりまして多少のニュアンスはございますが、たとえば国鉄とか鉄鋼とかガス、電力等の大口の取引におきましては、国鉄では上期五十円上げ、下期百円上げ、鉄鋼におきましては上期二百円上げ、下期三百円上げということになっております。これらの値上げされました結果の石炭価格と申しますのは、これは今きめました標準炭価と比べてまだ低いのでございます。事実昨年、一昨年よりも上りましたことは事実でございますけれども、昨年、一昨年の炭価というのは不当に乱売された値段でございまして、今日におきましてようやく標準のと申しますか、正常な価格に回復したのではないか、こういうように考えておる次第でございます。なお市中におきます暖房あるいは厨房用炭等については、価格におきまして多少標準価格をオーバーしているような向きもございますが、これらにつきましては、今後できるだけ抑制に努めて参りたいというふうに考えている次第であります。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 私お尋ねしましたのは、そのほかに近年、こうした法律の実施と、さらに経済界におけるところの好況などが手伝って、大きな石炭資本家の収益が相当に好転しておるその実情、言いかえればバランス面から見たところの実情を一つ御説明願いたい。  それから、標準炭価は、以前は乱売であったけれども、それがノーマルな状態に返したようなふうにして標準炭価を一応きめた。それから見れば必ずしも、まだ今は高くはないのだというふうなことでありますが、標準炭価というものがこの際、非常に増産になっておる実情、言いかえれば前は売り込み等の莫大な費用とか、あるいはストックをどんどん持っておることによって金利などの負担も莫大なものだ、そのほか、これに関連する合理化等の問題を考えた場合に、相当に値下げになるのは当然のことであるにかかわらず、標準炭価というものが、しかも以前よりもずっと値上り状態にあるということになれば、これらの要素がどういうふうにからみ合って現在における標準炭価になっておるのか。こういう標準炭価を続ける限りにおいて、今後増産がさらにされる情勢にあるんだから、さらに今度は企業の利益というものが著しく増大するのじゃないか。それだけ今度は国民経済生活の上に大きな犠牲と負担の上において、これがなされるのじゃないかということを質問しておるのでありましてこの点を一つ御説明願いたいと思う。

讚岐喜八通商産業事務官(石炭局長)

○讚岐政府委員 お答えの言葉が足りませんで恐縮でございます。炭鉱資本が大へんな利益を上げているんじゃないかということでございますが、各社が相当の復配をしているという事実も御指摘になったわけでございます。事実炭鉱会社が復配をいたしまして、私の記憶いたすところでは、三井、日本炭鋼、大正鉱業以外は、ほとんど一割二分ないし一割五分の配当をいたしておると存じます。しかしながら、これが大へんな利益を上げているかどうかということにつきましては、相当問題でございましてたとえば本年度の標準炭価をきめるに際しまして、いろいろ業界とも折衝を重ねたわけでございますが、業界としては昨年度の標準炭価の決定につきましても、非常に不満であったということを申しております。本年度につきましても、実はわれわれがきめました標準炭価に対しまして、二百円余りの増額を要求したような事実もございます。これを原価について申しますと、昨年度の標準炭価と比べまして、生産費の問題でございますが、昨年度は御承知のように、生産費を三千九百五十八円と押えましてそれに付加分1これは利潤のようなものでございますが、付加分等を加えまして四千九十三円という標準炭価をきめたのでございます。これを本年度は物品費の値上り、労務費の値上り等があるにもかかわりませず、三千八百六十一円というふうにきめたわけでございます。御承知のように、昨年来鉄鋼、坑木その他炭鉱における資材費が非常な値上りを示しているのでございます。これは日銀の卸売物価指数をごらんになりましても十分御推察いただけるのではないかと存じます。一方昨年度の生産量四千二百数十万トンに比べて、今年度は四千八百万トンということになっておりまして非常な増産をいたしておりますので、そのために非常にコストが下るのではないかというお考えのようでございますが、事実生産量の増加によりましてコストの引き下げられる額も相当な額でございます。しかしながら合理化法が実施されましてからなお時間的に申しまして一年余りでございます。自来炭鉱の合理化につきましては、政府におきましても業界におきましても非常な努力を傾けてはおりますが、合理化の効果が出てくるにはまだ時期的になお来年あるいは再来年に期待しなければならないという事情でございまして、必ずしも今すぐには合理化の効果が出ておらぬ。そこで生産量の増加によりまして相当のコストの引き下げが可能でありましたが、一方労務費なり物品費なりその他の値上りがございまして、結局三千八百六十一円という原価を認めた次第でございます。これを労務費なりあるいは物品費なりもし値上りがなかったとすれば、昨年度と比べてどういうことになったであろうかという仮定の数字があるわけでございます。これは昨年度の物価ベースで考えました場合には、コストにおきまして二百十九円の引き下げということになっておるのでございます。これは相当の引き下げでございましてその上利潤の計算方式なりいろいろ考え合せますと、相当の引き下げが行われたわけでございます。しかるに石炭鉱業におきましては、目下別途問題にいたしておりますが、追加投資の税制上の取扱いの問題、また利潤計算方式等の関係からも申しまして、利潤の幅が相当認めらるべきであるという一般の議論もあるのでございます。ここらの点につきまして、標準炭価の決定の上におきましては相当苦慮した問題がたくさんあるのでございますが、ともかくも昨年度に比べまして相当の引き下げをすることができたということは、私どもひそかに満足しているような次第でございます。  そのような事情でございまして、この標準炭価と申すものは市場におきまする取引を規制すると申しますか、公定価格のようなものではございません、これは御承知の通りでございますが、この標準の炭価を基準としまして正常な取引を促進すると申しますか、そういう取引を期待するというのが法律制定の趣旨でございまして、少量の石炭につきましては多少の高いものも出ているかと存じますが、一般的に申しまして、そのように昨年度に比べまして相当の値下げが行われておる、実質上相当の値下りが行われておるというふうにお考えいただきまして御了承いただけるのじゃないかと存じます。お答えになりましたかどうか何でございますが、そういうような事情でございます。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 一昨年の上期か下期かはっきりしませんが、その時分に、たとえば三井鉱山のごとき、一期におきまして四十王、六億程度の赤字を計上したことを記憶しておるのでございますが、そういうふうに企業の内容というものは当時はよくなかった。そうしたものがこの合理法ができてから一年余りの間に今度は一躍、たとえばその株が百五十円にもなっている。その配当はまだ無配だと思うのです。配当のない株がそれだけあるということは、内容がそれだけもう急速にもうかってよくなった、改善された。たとえば造船のごとき例を見ると、相当数年にわたってブームが続いておる。その造船の株を見ても百円内外のものである。これは大体一割二分から一割五分程度の配当をしておる。そういう安定の状況にある。これはノルマルの姿だと思う。石炭の場合においては急速な株価などにおける変化はどこにあるかというと、やはり大きい資本を擁したところの石炭鉱業についてことに甘みが多いということが言える。そこで私がお聞きしたいのは、いわゆる中小炭鉱の場合は一体どうなのか、そして大資本を擁しておる炭鉱がどうなのかということを二つに分けて大よその説明をしてもらいたいと思ったのですが、いずれにしても、標準炭価の決定の上においても、たとえば大炭鉱が産業合理化等の名前において低利の資金を豊富に回されておるような事実、あるいは税金が免税になっておる、そのほか縦坑というような形において助成措置が講ぜられておるようなことをも含めて考えてみたときに、これらの大きな資本家があまりに国家の恩恵に浴するのが厚いのじゃないか。それにもかかわらず、企業の内部の蓄積が多過ぎるのじゃないかというような感じがしておるのでありまして、この点は、せっかくこの法律のもとに政府で標準価格などの方法等によって適正にこれらの鉱業を指導していくという、そしてまた調整をはかっていくという立場にあるんだから、そういう点を十分に考慮されて、今後一つ大局的に、あまり国民をして納得がいかないような、温床の中に育つということは適当でないというふうにも考えますので、この点御考慮をわずらわしたいと思うのであります。  時間の関係がありますので、石炭についてはこの程度にしまして今度は石油の問題でありますが、ちょっと先ほど触れたのでありますけれども、スエズのああしたような問題も相当日本の石油業界にも影響があるということは当然予想されるのであります。そうした問題とも関連し、そうして政府の方で来年度ガソリン税をさらに倍額程度、キロ当り一万一千円というのを二万二千円程度に引き上げるというふうなことも伝えられている。これなどと関連して相当ガソリンの価格が上って、いわば売り惜しみ、買いだめの事実なども手伝って、相当に混乱を来たしておる。従いまして輸送の増強ということが近来飛躍的に躍進しておるところの日本の経済の至上命令であるようにも考えるのでありますが、そうした大きな面に一翼をになうところの道路運送の面に相当大きな悪影響を及ぼしておるという事実について、私たちは非常に憂慮しておるのでありますけれども、一体これに対するところの実情はどうであるか。政府としてはこれに対してどういうふうな対策を考えておるかを一つ御説明願いたいと思います。

森誓夫通商産業事務官(鉱山局長)

○森説明員 お答えを申し上げます。スエズ紛争がわが国の石油の需給にどういう影響を及ぼしておるかということをまず申し上げますと、中東にわれわれが毎年期待しております量は、日本の所要原油のおおむね八割程度でございまして、その意味から中東はわが国の石油にとっては非常に重大なソースでございます。しかしこの紛争によりましてたとえば英仏等に対しては積み出しを原地が拒否するというようなこと、あるいはスエズ運河の閉塞あるいはパイプ・ラインの破壊というようなことで、欧州方面に参ります油はその動きが大規模に阻止されておるという状態でありますが、日本に対しては積み出しを拒否するということもございませんし、問題はもっぱらその輸送手段でありまするタンカーの確保の一点にあるわけであります。ところでこのタンカーの確保の現状はどうであるかと申しますと、私の方で各社から個々の船についての契約の状況を調査いたしました。それを積み上げた結果を申し上げますと、一月から三月間のタンカーの確保、状況について申し上げますと、既契約のものがおおむね八六%、未契約のものが一四%という状態であります。そうして問題は、この未契約の分にあるわけであります。未契約と申しましても全然契約ができていないものを言っておるのではありませんで、船の特定化はできておるが、ただ運賃の契約が確定していないというものを含めております。従ってほんとうの意味の未契約というものはその一四%よりももう少し少いわけであります。たとえばシェル系統の船は大体きまっておりますが、慣習上輸送の後に運賃をきめるという状態でございますので、それらを考えますと、実際未契約の状態のものはまず五%内外、これらが特にいわゆるスポットものに期待しておるという状態でありましてそういうほんとうに不安定の状態にありますのは数パーセントということでございます。しかしながら既契約のものでも外国船を期待しておるものは、今後情勢のいかんによってはこの契約の破棄ないしそれに近い履行の停滞という事態が起ってくるかもしれませんし、また未契約の分で、先ほど申しましたような英国系の船には今後とも必ずしも保証はできないという状態でございます。現在のところでは大体そういうふうな状態になっております。従ってわれわれとしては、現在の状態ではわが国の石油の需給上重大な影響が起るということはそう予想いたしておりません。ただ政府としては、念のためにいろいろ十分な手を打ってきておるつもりでございます。たとえば十月早々からそういうタンカーの確保を容易にするために、外貨払いのいろいろな制限を緩和して契約を非常に促進させるようなことをいたしましたし、あるいは買付先の転換にいたしましても所要の外貨増について特別にその割当をするという方針を示しました。その結果ですか、たとえばカナダあるいはスマトラ等から新しく買付をしようとする契約がすでにきまったものもございます。なおまた国内の価格あるいは出荷等につきましての指導をして、早くから精製元売り業者に対しまして、そういう点で不当なことのないようにという自粛を重ね重ね要望して参っておりましたが、さらに最近はときどき需要家の側から販売の末端において多少将来憂慮せられる事柄があるようなことを聞きましたので、いわゆる特約店の段階に対しましても同様の出荷と販売価格において適正なものを守るようにということを警告しておきました。今後のやり方としましては、一応そういう行政指導でもってできるだけのことをやっていきたい。情勢がさらに変化しました場合には、またそれに応じた強いことも考えたいと思っておりますが、現在のところではそういう行政指導の程度で、元売りと特約店を十分押えて指導していくという方針をとっております。なおまた灯油等のごとく家庭消費のもので、非常にこまかい需要者がありましてまた販売者も薪炭業者が兼業でやっているというようなものにつきましては、国家的なことを考えないで、不当な売り惜しみとかあるいは高い価格を要求するという向きも心配されますので、これらに対しましては、そういうものの小売業者に協定価格を作らせまして、これを店頭に指示させるということを措置いたしております。大体紛争が悪化しましてから今日までわれわれがとってきた対策はそのようなことでございまして、今後はまた情勢の推移によって適当な対策を考えていきたいと思っております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 そういたしますと、スエズ問題の紛争があるにもかかわらず、日本国内における石油の需給の見通しについては不安はない、手配も相当かれこれやっているし、それがために大きな影響を受けていないというふうに解釈していいのでありますか、お尋ねいたします。

森誓夫通商産業事務官(鉱山局長)

○森説明員 お答えいたします。現在のところではそういろいろこれを大きく取り立てて騒ぎ立てるほどの状態でないということを申し上げたのでございます。将来のことにつきましては、いろいろわれわれも対策を考えておりますが、少くとも現状では、いろいろ需要家の間に声もございますけれども、まず現状の程度であれば大したことはあるまいと考えております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 そういたしますと、最近におけるところの経済的に一番大きな影響があるのはガソリンだと思いますが、それが相当に値上りになっているという事実もそれとなくお認めのようでございます。そういたしますと、国内的にいろいろな影響があって、それが日本のガソリンの市場を混乱せしめておるということになるのでありますが、それについての一番大きな原因は、私が先ほど申し上げましたように、ガソリン消費税の引き上げが大幅に予定されているというところに大きな原因があると思うのでありますが、これをどういうふうに見ておられるか、そうしてこれに対するところの見通しと対策は一体どうなのかをお尋ねしたいのであります。

森誓夫通商産業事務官(鉱山局長)

○森説明員 お答えいたします。ガソリンにつきまして最近いろいろ買いだめと申しますか、需要家があせって買っているということの大きい原因として、近い将来に揮発油の消費税が増加されるということが働いているのではないかというお話でありますが、その原因の分析につきましては、われわれ正確なことを申し上げることはできませんが、需要家の中には、将来の品不足を憂慮して、必要量を確保するという意味で、若干必要以上のものを買うという動きがないでもございません。またお話のようなガソリンの消費税の増徴の予想ということもあるいは心理的に働いているかもしれないと存じます。これはどちらが強い力かということにつきまして断定することはできません。しかしこれらの動きに対しまして、元売りあるいは特約店を通じて、大体出荷量を従来の正常な量にとどめるということで指導いたしておりまして、特約店等の方も大体従来の販売実績を基礎にして相手方との取引をしているようでございます。そういうようなやり方でいきまして、不当な買いだめ等を抑止していきたいというふうに考えております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 このガソリンの消費税の値上げを予定されておることが、市場の混乱を来たしておる原因になっておるということはお認めのようでありますが、今申したように、国の経済の非常に大きな役割を持っておるところの運送が非常に不足であるということで大騒ぎしておるのが、現在の国鉄を中心とするところの関係当局の動きである。そうしたやさきに陸上輸送の運賃値上げの原動力となるようなガソリン税の大幅な引き上げをすることについて通産省としてはどういうふうな態度を持ってきたのであるか、今後一体これに対してどうしようとしておるのかということをここで一つ御説明願いたいと思います。

森誓夫通商産業事務官(鉱山局長)

○森説明員 ガソリン消費税の引き上げにつきましては、通産省としてはまだ最終的な態度をきめておりません。これはいろいろな財政事情あるいはそのほか通産政策全般の問題とからみ合せてきまるべき事柄でございますので、ただいま省としての方針を申し上げる段階には至っておりません。われわれ石油の関係を担当しておる面といたしましては、いろいろ関係者の陳情等を聞きますと、石油の関係の業界あるいは消費者も含めまして相当強い反対をいたしております。石油だけの関係からいいますと、そういうものはないに越したことはないと思っておりますが、これは省全体の政策あるいは財政問題等々とからみ合せて決定されるべき問題であると存じますので、最終的な点を申し上げることができないのを遺憾に思います。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 売り惜しみ買いだめの問題が現にガソリンにだいぶ強く出てきておるのでありますが、これが措置として元売り並びに特約店ともある程度連絡をとって、そこで適正な扱いをするような措置を講じておるということでありましたが、一面そうした面にも原因があると思うのでありますが、また一つの大きな原因は、いわゆる末端における小売商といいますか、そういうところにおいてこういう事実が相当にあるのでありまして、これについてはきわめて間接的に元売り、特約店を押えることによってその効果をねらっておられるようでありますが、この問題はきわめて重要な問題でありまして勢いこのガソリンの一角からインフレ助長の一つの大きな原因を作り、ガソリンから火がつくということもまた考えられるのでありましてたとえば重油の場合においては、ボイラー等の制限に関する法律があって重油の消費を規正しております。現在石炭がどんどん増産になってああした実情にあるときにおいて、どの程度これを運用するのが適正であるかという問題はあるとしても、必要に応じてそういうような法律ができておってこれが運用されておる実情にあるので、従ってガソリンについてもそれより以上の重要な意義を持つものだと思うのであるが、ことにこの数量において国民経済に及ぼす影響がはるかに広範であるという意味においても、私たちはこのガソリンに関する問題を大きく考えておるのでありますが、これについてもう少し突っ込んで消費規正もしくはこれに準ずるような強力な措置を何らか一つ考慮しておる、あるいは何らか対策を練っておるというような実情にあるのかどうかを一つお聞きしたいのであります。

森誓夫通商産業事務官(鉱山局長)

○森説明員 ガソリンの消費規正について法的な処置を考えておるかどうかという御質問でございますが、現在の段階では、消費を規正するというよりも、むしろ供給を増加する方に手を打つべきであるとわれわれは考えておりまして、そういうふうな方向でただいまいろいろな施策を練っておるわけでございます。法的規正につきましては、よく情勢を見きわめてやるべきものだとわれわれは考えております。あまりに需要あるいは供給両面に刺激を与え、かえって経済の運行を停滞せしめるということは極力避けるべきであると考えておりますので、現在の段階ではそういうことを実施するということはまず必要があるまいと考えております。もちろんわれわれとしましては最悪の場合に備えまして、事務的にはそういうふうな研究を進めております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 ガソリンの消費規正に関する問題でありますが、たとえば今日におけるところの東京都の交通事情を見たときに、いわゆる交通地獄とでもいうべきと思いますが、最近においては非常な勢いで自動車などの数もふえる。従って、道路を今の二倍、三倍に拡張でもしなければまるっきりやれないんじゃないかというふうなことを感じさせるくらい、交通というものが極度に達しておると思うのであります。従ってこうしたような問題についても、これは道路行政全般から検討しなければならぬ問題であることはもちろんでありますけれども、ある意味においては必要以上にこうした交通量が――たとえば円タクのごとき実際において無軌道にどんどん走っておる。一面、ガソリンのむだな消耗なども出つつある。これが交通地獄の大きなるガンとなっておると思うのでありますが、そうしたような問題を含めて、ガソリンに適正な処置を講ずるということを考えられたことがあるのかないのか、これを一つお尋ねしたいのであります。

森誓夫通商産業事務官(鉱山局長)

○森説明員 ただいまのお話の点は、先生もおっしゃいましたごとく、道路運送全般の見地から検討せらるべき問題だと存ずるのであります。これは通産省としてどうこう意見を言うよりも、まず道路運送の面からの政策が決定されて、しかる後、われわれが検討するという事柄のものであろうかと存じます。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 経済の躍進の時期において、そしてまた相当に大きなる経済的、社会的変化が激しく出てくる時期において現状維持的な、きわめて微温的な考え方に終始されておる点は、こうした非常時に対処する方法ではないと思うのでありまして、もう一歩突っ込んで、こうした問題を高い角度から一つ大いに検討されることを要望して石油に関する質問を終りたいと思うのであります。  次は電力に関する問題でありますが、これも、最近において電力需給の予想外のアンバランスが予定されるに至りまして、ここに電力に関する対策も相当新しい角度から検討されなければならぬという事態についてはよくわかるのでありますが、しかし、私たちは、ただ電力をふやすという問題もさることながら、電力行政全体を一体どういうふうにしていくのかという問題についても、さらに一つ検討を加えられるべきではないかと思うのであります。ことに電力全般に関するところの新しいといいますか、時勢に即した基本的な法律をここに作り上げるというふうなことは、もう数年前からいわれておるのでありますけれども、これがいまだに実現していないのでありますが、一体この問題についてはどういうふうに進んでおるのか、その点について一つ御説明願いたいと思うのであります。

川野芳滿自由民主党通商産業政務次官

○川野政府委員 電気の重要なことはただいま御説の通りでございまして、これに関連いたします電気事業法という法律を次の国会に出したいと考えまして、今検討中でございます。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 それでは、いずれその問題は次の国会まで待つといたしまして、当面の問題についてお尋ねしたいのでありますが、電源開発に関する問題につきまして、電源開発会社では最近、只見川と東京間に超高圧の送電線の計画を進めたいというふうな発表をしておるのであります。これは電源開発会社ができた当時において、すでに、電源開発会社がそうした設備まで持つのかどうなのか、あるいはさらに、この電力を卸売するというふうなことを自分でやるのか、やらぬのか、こうしたような問題なども含めたかねての懸案であったのでありますが、これがはからずも、そうした問題が九電力会社との間に相当食い違いがあるようにわれわれとしてもうかがい知ることができるようなわけでありまして、これについて政府の態度必ずしもまだきまっていないという状態であるとするならば、その点についても私はきわめて遺憾であると考えるのであります。これは佐久間ダムの開発を初めとして、只見川もすでにもう相当に工事が進捗しておるという現在の段階において、こうした基本的な問題がいまだ解決しないでもたもたしているということは、経済五カ年計画、六カ年計画を持っておる政府として、この大きなるところの電力をどうするのかという方針さえもきまっていないということは遺憾であるのでありますが、一体その実情はどうなのかということをこの際一つ明らかにしてもらいたいと思うのであります。

岩武照彦通商産業事務官(公益事業局長)

○岩武政府委員 電力一般に関する基本方針がきまっていないということでありますが、これは見方の問題だと思います。私たちはきまっておると存じております。お話しありました電気の卸売供給あるいはそれに必要な送電線の問題等も、御承知のようにもうすでに自分で送電線を持って電気業者に卸売をやっております。方向としましては、基本方針は、すでに事実が示しておりますように、きまっておるものと存じております。ただ具体的な問題につきまして、お話しありました只見系統の電気送電について送電線をどうするかという問題は、これは今後技術的な見地から検討すべきものだと考えております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 この問題については多少意見の違いもあるのでありますが、時間の関係もありますから、これだけにしておきます。  さて、この電力の急速なる需用増加によって、政府の方でこの電源の開発を新しく考えられてそして予定の計画の変更も進められておるように聞いておるのであります。いろいろあるのでありますが、その中で特に私がこの際質問したいのは、三江線に関するところの江ノ川の電源開発に関する問題なのであります。そこで、御承知の通りにこの中間電力の管下にあるところの電力というものは、全国的に見ても地域差が今非常に高いというので、関係の県民は非常に困っておるのであります。そうしたような問題等もあるのはさることながら、三江線、江ノ川のこれを急速にやられることに通産省では腹をきめておるというのでありますが、その計画によると、まず当初九万キロの発電を一応予定しておるということになるのであります。ところで、この程度の発電のために、地方においては非常に大きな問題が今起っておるのでありますが、まず私がお聞きしたいのは、最近の事情において相当コストが高くかかると予定されておるところの水力発電をやる前に、火力発電という問題を考えてみられたことがあるか、江ノ川の開発をやるということを考える前に、火力発電というものをこの地区において考えてみたことがあるかどうかをお尋ねしたいのであります。

岩武照彦通商産業事務官(公益事業局長)

○岩武政府委員 中国地区の火力の問題は、現在小野田及び宇部に新鋭火力それぞれ一基を建設しております。なお引き続きまして宇部にたしか第二基目のものを計画中であります。その他、ああいうふうに営業区域が細長い地区でございますから、もう少し東の方に火力発電所を持ったらどうかということで、これも寄り寄り検討中でございます。  それから江ノ川のお尋がございましたが、これにつきましては、私たちはざっくばらんに申しまして、中国地区におきまして残されている大きな電源といたしましては、江ノ川のあの地点以外には、そう大きなものはないのではないかと思っております。ただ、御指摘のように三江線の敷設決定も見ておりますし、それから相当多数の水没戸数も予定されておりますので、その関係から電気のコストはそう安いものではないだろうと思っております。この辺は、御指摘のように火力料金との見合せの問題だと思っておりますが、現在までの研究段階では、これは鉄道関係の補償とか、あるいは水没補償等、具体的な結果を見ないとよくわかりませんが、火力に匹敵する程度の電気になるのではないだろうか、特に火力よりも高いということにはならないだろうと思っております。なお、出力のお話がございましたが、これはそういう意味をもちまして、できるだけ昼間あるいは夜のピーク時におきます価値の高い電気の発電に重点を置くように――お話がございましたような九万キロというような小さいものではなくて、あの地点はせめて十五万キロ前後というふうに、もう少し大きく出力をとりまして、もつぱらピークに使うというようにした方が、高い原価をまかない得るのではないか、こういうふうに思って検討中であります。ただ、お話がございましたように、通産省があそこを早期開発をきめたということはございません。これは御承知のように鉄道の関係もありますから――過日の鉄道建設審議会におきまして電源開発の計画もあるようだが、この計画と鉄道敷設の計画とがうまく調整できるものかどうか、事務当局において検討の上次回において所要の手続をとるべしというふうな決定を見ております。目下それによりまして、両立し得る方法があるかどうかというような点を事務当局間で検討を続けております。かりに両立するとしましてその結果果してそれだけの犠牲を払って電源開発をやった方がいいかどうかということは、もう少し高いレベルから検討しなければならぬと思っております。なお将来の問題でありますから、いろいろな点から検討いたしまして、万遺漏のないように慎重な措置を講じたい、こう思っております。

中崎敏日本社会党

○中崎委員 大体趣旨がわかりましたので、きわめて簡単に所見を述べてみたいと思うのであります。大体今言われた程度の発電に対しまして約一千戸になんなんとするところの水没家屋が予定されておるのであります。九万キロか十五万キロかの発電に対して一千戸の水没家屋が出ておる、それに関連するところの町村というものが、そのために結局において残りのものさえも立ち行かぬというようなその状況を考えてみたときに、相当に影響力が大きいということが考えられるのであります。従いまして、それだけのものであるから、なかなか土地の買収などをやるにしても、簡単に一年や二年や三年で解決がつくとも考えられません。一面においてあの三江線の貫通というのは、この地方民のもう六十年の長い間にわたってのほんとうの念願である、これがここ何年かの間にようやく完成貫通するであろうというふうな計画が進められておるときにおいてそれを今度は中断してしまって他の方向にこれを持っていくということは、四十億、五十億以上の金が新しくかかるということがいわれておるのでありますが、そうなってくれば解決がつかなくなるのじゃないかというふうに心配されておる。いわゆる地方開発の上に非常に大きいとことの期待を持たれておるところのこの鉄道を犠牲にしてそうして九万キロ程度あるいは今言われた十五万キロ程度の電力をかりに出したとしても、これによるところの水没家屋並びにそれと関連するところの何千戸の民家などを含めて考えてみたときに、その犠牲と被害がいかにも大きい、この点については慎重に検討をされて――ことに原子力発電も一応十年先だなどと考えられておったものが、もう何年かのうちに実現できるのではないかというふうに考えられておる。また何十億の金がかかる、こういうことを計算したら、火力よりもはるかに高いじゃないかということも考えられる。こうしたような問題の起っておるときでありますから、慎重にこの問題を検討されて、地方民もなるほどこれならば納得して協力ができるというふうな、そういう状況下において進められるようにということを要望して、私の質問を終りたいと思います。     ―――――――――――――

神田博自由民主党

○神田委員長 この際閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。閉会中も適宜調査を進めることのできますよう、理事会の協議により次の各件について議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じます。  日本経済の総合的基本施策に関する件、国土の総合的利用並びに開発等の基本施策に関する件、電気及びガスに関する件、工業、鉄鋼業、繊維工業、化学工業、機械工業、その他一般鉱工業及び特許に関する件、通商に関する件、中小企業に関する件、私的独占禁止及び公正取引に関する件、以上各件につきまして閉会中審査の申し出をすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお本会期中設置いたしました八小委員会のうち、請願審査小委員会を除く小委員会につきましては、閉会中審査案件が本委員会に付託されましたならば、閉会中も随時調査を続行せしめたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお閉会中に理事、小委員、及び小委員長より辞任の申し出がありました際の許可、並びに理事、小委員及び小委員長に欠員を生じた際の補欠選任につきましては、すべて委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

神田博自由民主党

○神田委員長 なお参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。この際各小委員長より、閉会中審査案件が本委員会に付託され、小委員会が調査を続行し得ることになった際に、小委員会において閉会中参考人より意見を聴取いたしたい旨の申し出がありましたならば、小委員長の申し出の通り参考人の出頭を求むることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお日時及び参考人の選定につきましては、委員長において小委員長とも協議の上決定いたしたいと存じますが、委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

神田博自由民主党

○神田委員長 なお特に緊急を要する場合において委員派遣の必要がありと認められます際には、委員長において議長に委員派遣の承認申請をいたしたいと存じますが、この場合の手続等は委員長にすべて御一任願うことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

神田博自由民主党

○神田委員長 なおこの際鉱害賠償及び鉱害復旧に関する問題について特に福岡県副知事山本兼弘君より参考人として意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

神田博自由民主党

○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  それでは山本参考人より鉱害賠償及び鉱害復旧に関し、御意見を承わります。山本参考人。

山本兼弘福岡県副知事

○山本参考人 本日のこの商工常任委員会において発言の機会をお与えいただきました皆様方の御厚意に対しまして衷心から御礼申し上げます。  本日は九州、山口各県知事会の会長をいたしております福岡県の土屋知事が出かけて参りましてお願いを申し上げるのが本来でございますが、ただいま年末を控えましていろいろ問題がございまして、県を離れがたい実情にございますので、あしからず御了承をお願い申し上げます。  本年の五月、鉱害賠償並びに鉱害復旧制度の強化に関しまして、当国会、特に当商工常任委員会の皆様方に対しまして請願を申し上げた次第でございます。その内容といたしましては、御承知の通り、鉱害紛争に関しますところの制度の改正の問題、並びに家屋復旧に対しますところの国庫助成の問題、さらに鉱害引当金の問題、それから最後に地方財政の窮乏下におきますところの鉱害復旧実施に伴います地方負担軽減の問題、四点を中心といたしまして請願を申し上げた次第でございます。その後当商工常任委員会におかれましては、さっそくこの問題をお取り上げいただきまして、特に八月の炎天下、神田委員長を初めといたしまして、小笠先生、笹本先生、秋田先生、地元福岡県御選出の淵上先生、伊藤先生、多賀谷先生の各先生が、連日にわたりましてつぶさに鉱害の現状を御視察いただきまして、地元民といたしましては非常に感謝感激をいたした次第でございます。その後当商工常任委員会におかれましては、この現地調査の結果に基かれまして、直ちに私どもが請願を申し上げました四点をお取り上げいただきまして、商工常任委員会としての決議をちょうだいをいたした次第でございます。この点につきましては私ども鉱害地元関係者といたしまして、皆様方の御同情あるこの御措置に対しまして衷心から感謝をいたしておるところでございます。なお政府におかれましても直ちにこの商工常任委員会の御決議の線に沿われまして、いろいろ目下御措置をいただいているようでございます。しかしながら漏れ承わるところによりますといろいろ問題があるようでございます。特に家屋復旧の問題に関連いたしましては、府県に対しますところの国庫助成というふうな点でいろいろ困難があるようでございます。しかしながら現地の鉱害を受けておりますところの被害者といたしましては、例年雨期を控えまして、石炭採掘によりまして家屋が陥落いたしまして、軒下まで浸水する、暴風に見舞われるのみならず、そのような陥落によりますところの浸水被害を絶えずこうむり、戦々きょうきょうといたしておるというような状況下にございまして、特に鉱害補償を求めますところの鉱業権者が行方不明になりましたとか、あるいは補償要求をいたしましても、補償能力がないというふうなことになりまして、全然取りつく島がないというふうなみじめな状態に置かれているのでございます。ひどいのになりますと、夜間眠っている際に家屋が陥落するというふうな状況でございまして、生命の危険に絶えず脅かされているというふうな状況でございます。このように鉱業権者が行方不明になりましたりあるいはまた補償するだけの資力がないというふうな場合におきましては、結局国家にこの措置をお願いする以外には救われる道はないというのが今日の現状でございまするので、戦争中の乱掘に伴いまするところの鉱害復旧に関しましては、皆様方の御好意によりまして特別鉱害復旧臨時措置法の力によりまして今日では特に農地等はかつて不毛化いたしておりましたものが、見事なる水田に復旧いたしまして、年々実りの秋には農民が非常に感謝をいたしている状況でございます。どうかさらに一歩お進め下さいまして、これらのさんたんたる地元鉱害の被害者の現状にかんがみまして、かねてお願い申し上げておりますところの請願の趣旨四点につきましては、来たるべき通常国会におきましてぜひとも御解決下さいまするように重ねてお願いを申し上げまして、私参考人といたしましてお許しいただきました意見の開陳を終らしていただく次第であります。何分ともよろしくお願いいたします。

神田博自由民主党

○神田委員長 それでは質疑を継続いたします。多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は経済五カ年計画が現在においてその修正を余儀なくされておる、いな飛躍的経済の拡大によりまして、そうして計画を変えていかなければならぬ。あるものについては昭和三十五年度の目標を突破し、あるものについては三十四年度まできておる、こういうようなうれしい状態でございますけれども、ここに大きな問題としてやはりその経済の基盤が一回り大きくなりましたので、その鉱工業地帯の整備ということがきわめて必要ではないかと思うのであります。これにつきまして一体政府はどのようにお考えであるか、まずその点から御答弁願いたい。

松尾金藏通商産業事務官(大臣官房長)

○松尾(金)政府委員 ただいま多賀谷委員の御指摘になりましたように、現在の日本経済全体の予想以上の拡大に対しまして、その基盤となるべき、たとえば鉱工業地帯の整備その他の問題が、非常に大きな問題としてわれわれの前に現われておることは御指摘の通りでございます。この問題は日本の鉱工業の行政責任を負っております通産省といたしましても、従来からすでにこの点は検討いたしおるところでありますが、御承知のようにわが国の鉱工業地帯の立地条件を見てみますと、従来すでに鉱工業地帯として既存しておりましたものは、最近の状況はその条件が非常に劣悪化しておることは御承知の通りであります。それにもかかわらず、また新しい鉱工業地帯の造成ということにつきましても、従来のいろいろな施策の面で不十分であったこともまた御承知の通りであります。     〔委員長退席鹿野委員長代理着席〕 その点は、たとえてみますれば港湾施設が不十分でありますとか、あるいは陸上輸送の設備が不十分であり、そのために陸上の小運送等についても円滑を欠くというような問題でありますとか、さらにまた工業用水の逼迫の問題でありますとか、あるいは全体として鉱工業地帯の用地がだんだん狭隘化してくる現状にありますような点でありますとか、このような点につきましては、全くただいま多賀谷委員の御指摘の通りであります。通産省といたしましてもこれらの点は従来から御承知の公共事業の予算のワク内においてできるだけ鉱工業の立場からの鉱工業地帯整備の要望をして参ったのであります。あるいはまた御承知のように、産業関連施設の整備といたしまして、合理化法の施行の一端として実施をいたして参りました。さらにまた工業用水の問題につきましては、先般の国会で特別の立法をしていただいておりますので、その線に沿って着手いたしたのでございます。しかし現在のところではまだ不十分でありまして御指摘のように日本経済の拡大に対しましてはきわめて不十分であるということは御指摘の通りでございますので、今後はさらに公共事業費の運用等につきましても、産業政策上の要求をさらに強く反映をし、公共事業費の使い方につきましても、総合的な見地からの運用をやっていかなければならないということで、特に現在来年度の予算要求という点につきましても、関係各省と十分な連絡をとってやっていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 今官房長から話がありましたように、日本の鉱工業地帯の立地条件というものは、これは大正年間にほとんど完成をしておって、いわばその後あまり発展をしていない。このことは企業局長がお見えになりましたが、企業局長がある雑誌に書かれておる通りだと思う。ですから先輩がせっかく開発されたその上に、いわば居眠りをしておった、こういう状態だったと思うのです。もっとも日本の国自体があるいは満州に、あるいはその他にそういう開発をしなければならぬというような間違った方向をたどったから、そういう面も出てきたと思うのですが、鉱工業地帯の整備というものはほとんど放置されておる。ですから経済を拡大しようとすると、港湾の問題に行き詰まり、あるいは道路の問題に行き詰まり、交通の問題に行き詰まり、工業用水の問題に行き詰まり、あるいは工業用地の造成の問題に行き詰まる、こういう状態になってきたのであります。そこで経済が二倍ほど今から飛躍しようというときでありますから、当然これらの施策について総合的な政策が必要ではないか、かように考えるのであります。そういう点が果して現在のように港湾関係は運輸省でやり、あるいは道路関係は建設省でやり、あるいは工業用水になるとこれは通産省でやる、あるいは厚生省も関係するというようなことでは、どうもばらばらで、果して調整がうまくいくかどうかわからない。そこで機構の問題は別としても、少くとも法律によってここに大きく網をかぶせる必要がありはしないかと思うのです。この点について企業局長はどういうようにお考えであるかお聞かせ願いたい。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永説明員 鉱工業地帯の整備の問題は、今までは手抜かりになっておったのでございますが、これを本格的に取り上げようといたしますと、結局物事を総合的に見なければならぬ、ある地帯々々に着目して、その工業地帯をある理想型に育て上げる、あるいは理想型にまでいかないにしても、目先困っている問題を片づけるにしても、それ自身はやはり総合的でなければならない、そういう性質の事柄でございますので、それをどうやって確保したらよろしいだろうかと、実はいろいろと関係者とも相談しながら苦労もいたしておるわけでございますが、実はまだはっきりした解決点まできていないというのが率直な現状でございます。ただ今話を進めております状況を申し上げまして御参考に供したいと思います。  一つは、今お尋ねがございました、何らか特殊立法をいたしましてその特殊立法の裏づけで、総合的な計画が予算も裏づけされるというような仕組みを作るという構想があり得るわけであります。ただこの問題になりますと、御承知のように、港湾であれば運輸省、道路であれば建設省、工業用水は通産省というふうに、いろいろ施設官庁が分れておりまして各省間の権限争議を起す、――これは政府の仲間同士でそんなくだらぬけんかはしなければいいじゃないかと一口に言ってしまえばそれまででございますけれども、ともかく事実問題として権限争議がうるさくなるということも容易に想像できることでありますので、私どもけんかするのが能ではないし、いい計画をみんなで協力して立てて、それをいかにして実現するかということが根本でございますので、関係の各省次官で相談してもらいまして、それぞれ特殊立法を出すということはやめようじゃないかということに実はいたしたわけであります。そこでそういうことをしないで、経済企画庁をおざしきにいたしまして関係の各省が集まってある地帯々々について総合的な計画を立てようじゃないかということになりまして、実は今その方式で進んでおります。私の方から、産業関係から見ましたこれこれの施設をしてもらいたいという、今それらの地帯々々ごとの工業の現状及び近い将来における発展の見通しを背景にしました、地についた計画からの要請を出しまして、それに対しまして施設官庁の方から施工する工事計画を予算化してもらうという、その作業も実は重ねておるわけであります。そういうことで各省非常に相協力し合いながらやっておるのでありますが、ただ現在私ども若干の不安を持っておりますのは、それに対します締めくくりが実はまだはっきりついておりません。計画は企画庁で立てるけれども、予算は各省ばらばらで出して、予算の査定の際に総合的な計画をベースにして、それを一体として見ながらどの程度の査定がなされるか、そうして査定がなされた結果、それに基きまして実行も総合的になされるということが必要でございます。それがなければ現状通りばらばらになるおそれがあるわけでございます。そこの点何らかの締めくくりをつける方法がないだろうか。これは予算のテクニックで言いますと、徹底した考えで言いますれば、鉱工業地帯整備という一つの大きな予算項目を起すという考え方もございますし、あるいは各省々々の中に項を起して、それぞれの中に、道路は道路だけれども、そのうち鉱工業地帯の整備の分が幾らというような項を起してもらう手もありますし、あるいはもう少上弱い形で、離島振興というような形でなされております事項指定――予算のテクニックではそういう言葉を使っておりますが……。     〔鹿野委員長代理退席、中崎委員長代理着席〕 こうなりますと、予算上は流用がきかない。事項指定であれば法律的には流用はきくのだが、実質的には拘束力があるというような仕組み、そういう仕組みもあるようであります。何らかそういう形で、せっかくみなで一緒に立てた計画の要求が一体的になされ、査定も総合的、一体的になされるというふうにしてもらいたいものだということを各省に実は相談しておりますが、まだそうしようというところまで実はまとまっておりませんので、私ども一年来さんざん苦労して、一生懸命若い者を鞭撻して勉強させておりますけれども、そこのところがまだぴんとしないところがあります。しかしいろいろと折衝を重ねておるうちに、物事の性質からおのずから了解が得られるのではなかろうかということで、まだあきらめずに各省と折衝を重ねつつあるというような現状でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 今はからずも局長がお話しになったように、総合的な計画ベースの締めくくりがやはり不安だ、こういうことでございますが、私もそうであろうと思う。このままで推移いたしますならば、その矛盾がだんだん拡大すると私は思う。とにかく各工場は五カ年計画あるいは第二次合理化計画、こういってお互いに百鬼夜行の姿で計画をしておる、工場立地なんか考えておられぬ、こういうような状態です。あるいはまた工業用水が確保されるかどうかによって、工場をそこに建設するか、あるいは他に持っていくか、こういう心配もなさっておる。ですから企業家の方は、もう経済五カ年計画の域を脱して、さらにいわば十カ年計画で二倍にも飛躍的な計画をされておる。そうすると鉱工業地帯の整備の方が全然おくれる、こういうことになりますと、無計画にある地帯には工場が蝟集する、せっかくこういうような工場立地の得があるけれども、ここにはあまりこない、あるいはせっかくきたけれども、水その他の要件が備わらなかった、こういうことで、これは先にやっておくべきものがあとになっておるのですから、私はこれは早急にやらなければならないと考えるわけです。そうしなければ、日本経済の矛盾がさらに大きくなって、どんどん上り坂である場合はいいでしょうけれども、国際競争において下り坂になるような場合になりますと、この矛盾あるいはその基盤の劣悪化が国際貿易において非常に支障を来たす、かように考えるわけです。ですから、私はこの問題については、官庁のことは言いませんけれども、一つ何か一方大きく網をかぶせて、あるいはその中の施行は別としても、これは、特殊立法と言えば何ですけれども、総合立法の必要があるのではなかろうか、こう考えるわけです。なるほど国土総合開発法という法律があって、その第二条には、「産業の適正な立地に関する事項」と、こういうようなことがありますけれども、いわば国土総合開発法というのは、どちらかといえば未開発地域の開発が主とされておると思う。日本はこれは私が申し上げるまでもないのですが、北海道や東北のような未開発地域の開発ということも必要でありますけれども、イギリスのように非常に工業の発達した地点、こういう地点には、やはり白い地図に新しいものを書いていくだけではなくて、やはり古い地図を直して新しく塗りかえる必要がある、こういうように考えるわけです。ですからその点私は総合的な計画をしてもらいたい、そうしませんと非常な矛盾があっちこっちに出てきておるわけです。たとえば今度十一月の二十二日に失業対策審議会、これは内閣にありますが、この審議会において出されている答申を見ますと、これは地域的に集中する失業に対する対策の総合的実施、こういう中で、たとえば国連軍引き揚げによる呉地区の問題、あるいは石炭鉱業の不況に続く合理化法その他の実施による大量の失業者が集中しておる北九州の問題、こういう問題が出されて、特にかような失業多発地域においては、産業立地を考えて失業者の再就職を与えることを促進しなければならぬ、こういうことが書いてある。そうして高額な国庫補助によってそういう失業対策をやらなければならぬといろいろ書いてありますが、産業立地の方がうまくいかなければ、いかにお題目を唱えてもだめだと思うのです。これは日本だけでなくて各国にそういうような矛盾が出て参りまして、現在アメリカのように、いわば超完全雇用の関係にあります地域においても、やはり慢性的な失業地域が出ておる。それはすなわち天然資源の枯渇、要するに鉱山とかあるいは炭鉱のように掘っていけばなくなる地域、これは非常な失業地域を現出しておるのです。あるいは一産業が全般的に衰微する、これは木綿産業でありますが、繊維産業においてそういうような状態を見ておる。あるいは軍需工場が閉鎖する。こういうようにやはりアメリカにおいてすらも慢性的な失業地域というものが出てきておる。これについて現在アメリカの方では国防省においてそういう地域内にある工場にはなるべく多くの注文をするとか、あるいはコストが同じであるならばそういうところに大量の調達をするとか、あるいは減税をしてやるとか、こういう、立法ではありませんけれども行政処置でしておる。それでも不満であるというので、アメリカでは不況地域法というものを作ってそして広範な政策をしよう、こうアメリカでも言っておる。御存じのようにイギリスにおいてはすでに一九三四年から特定地域の開発並びに改良法案というものが出され、一九四五年には工業配置法が出されて五十年に改正になっていることは御存じの通りであります。これも単に産業の配置という面からだけではなくて、これは失業者が非常に地域的に偏在をする、そしてことに天然資源の枯渇によって労働力の移動がかなわない場合には、どうしても新産業の誘致をしなければならぬ、こういうような状態から、レグザム地域を初めとしてそういう政策がなされ、国において工場の建設をしてやっておる、あるいは工場施設の工場用地の造成を国がやっておる、こういうような政策がなければ、私は日本においてもこのままで推移するならば、非常な社会問題を惹起すると考えるわけです。せっかく各地域において工場が誘致されようとしておりますけれども、無計画において行われておる。みなわが田に水を引こうとして一生懸命になっておる。こういう状態では私はいけない、かように考えるのですが、官房長の方ではこういうやはり総合的な政策を法律に盛って、そうして産業配置ということをやられることをお考えになってはいないかどうか、今企業局長の方では一回考えたけれども挫折したということでありますけれども、私は今日日本が各工場がおのおの合理化計画を出して拡大をしようとするときに、政府がそれを単に話し合い程度で放置しておくということになると、今後私は非常な支障を来たすと考えるわけですが、この点についてどういうようにお考えであるか、官房長から一つお答え願いたい。

松尾金藏通商産業事務官(大臣官房長)

○松尾(金)政府委員 ただいまのお話の立法化の問題につきましては、先ほど企業局長から御説明いたしましたような経過をたどって参ったのであります。われわれといたしましても、もしこれを特別立法で制度としてはっきりすることができますれば、それは一そういい状態になると思いますけれども、御承知のように、また先ほど企業局長からも御説明いたしましたように、この問題に関しましては、少くとも現状では施設官庁の権限と申しますか、実力というもの、従来の経緯その他から考えまして非常に大きな実力――言葉は語弊があるかもしれませんが、大きな実力を持ってやっているということは御承知の通りであります。通産省といたしまして、そのような計画の実施まで通産省関係でやるということは、現状でそうたやすいことではないわけでありまして、この際そのような現実に施設をやってもらっております各官庁と、立法問題でこまかなところでいろいろ紛議を起してまでこのような立法をやるよりは、むしろ話し合いで十分その実際上の効果を上げ得る。その考え方の基本に狂いさえなければ、その考え方でよく施設官庁の計画の中に織り込んでいただいて、そこに思想的に一貫して実施されますれば、実際上の効果においてはむしろ手っとり早いのではないか、また将来ともそれは実際上の差しつかえはないだろうというような考え方から、この際しいて立法化を進めることを一応断念する、しかし先ほど企業局長からも申し上げましたように、もしこの問題についてそのような話し合いで締めくくりがつかないというようなことがはっきりいたして参りますれば、これはやはりもう一回前に戻しましてどうしても無理をしてでも立法化を考えなければならない、こういうような考えでいる次第であります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 話し合いがまとまればそれに越したことはないというような話ですけれども、私はものの考え方がそういうことではだめだと考えるのです。一年放置すればそれだけ日本としては劣悪の地帯において工場を建設しなければならぬというはめになるわけですから、今ものすごく拡大をしようという時期に、この時期を逃がして三年後に法律ができたのでは私は意味がないと思う。ですから今日この段階においてこういう法律を作ってそうしていわばかなりの権限を持って、どこの官庁とは言いませんけれども、やらなければ――官庁がなければ官庁を作るなり、あるいは経済企画庁にやらせるなり、経済企画庁はただ企画だけで実施はできないのだということならば、あるいは官庁の設置法を変えるなり、あるいはそういうことまでしなくて、実施は各関係の官庁でやるというならやる、企画だけは経済企画庁でやるんだ、こういうか、どちらかを早く私はしなければならないと思います。たとえば地域的に多発する失業者の対策としての産業配置の問題なんというのは、これはできませんよ。現在どこがやろうといったって、労働省は、まあ失業対策の補助金ぐらいは出し得るでしょうけれども、一つ工場来てくれぬかというような話をする、あるいは工場の来るためには一つ工場用地を造成してやろう、こういうことは労働省ではできないと思う。これはやはり通産省でやらなければならぬ。あるいは通産省でやらなければ建設省でやらなければならぬ、どこかでやらなければならぬ問題です。少くとも労働省ではできない。ところが今申しましたように、幾多そういう総合調整の必要が起きているわけです。ですから私はその点について今の時期に今の段階でやらなければ非常に今後ますます劣悪化の地帯において工場が建設され、そうして日本経済にとって非常なマイナスになる、かように考えるわけです。そこでこの点につきましては、どうせ時間があまりありませんからこれ以上この点につきましては質問いたしませんけれども、私は次の通常国会までに一つ案を出してもらいたい、かように考えるわけです。少くとも通産省の官房長の方で、現在五カ年計画並びに五カ年計画を修正するなら修正する場合における産業立地の条件の整備について、各省はどういう計画を持っておるか、あなた方の方で資料を取りまとめて出していただきたいと思う。果してそれがほんとうに産業立地として整備し、新しい産業立地を作る状態にあるのかどうか、われわれはこれを検討してもらいたいと思いますから、その資料の御提出をお願いいたしたい、かように考えるわけであります。  そこで先ほど福岡県の副知事から鉱害問題について意見が述べられたわけでありますが、私は官房長に重ねてお尋ねいたしたいのですが、あの筑豊炭田に行ってみますると、御存じのように、鉱害で非常な悲惨な状態にある。ところがこれが二十年もする――二十年待たないでも、十年もすると、私はかなり様相が違ってくると思うのです。単に悲惨というだけでなくて、全く町は病院はあり、鉄道が敷かれておる、あるいは電鉄は通っておる、住宅はある、町は形成されておる。しかし炭鉱は資源が枯渇して全部失業しておる。こういう状態にならないとも限らない。ですからこれを一体どうするかという問題、今のうちに手を打っておかなければこれはできないと思うのです。今のままでは産業誘致は不可能であると思うのです。そこで私はお尋ねいたしますが、少くともそれだけの労働者が蝟集しておってそれが移動できない段階においては、ここに新しい産業誘致の問題を真剣に考えなければならぬと思いますが、これについてどういうお考えであるか、お聞かせ願いたい。

松尾金藏通商産業事務官(大臣官房長)

○松尾(金)政府委員 ただいま多賀谷委員が御指摘になりました点は、長期的に見て非常に重大な問題であるわけでございますが、現在の通産省の施策としましては、御承知のように、まず鉱害復旧ということに全力を注いでおるわけであります。しかし鉱害復旧をして、将来その地域に石炭資源等がなくなった場合に、その地域にまた別の新しい産業を誘致できるかどうかという点になりますと、これはまた先ほど来多賀谷委員がいろいろな機会に御指摘になっておりますように、鉱工業地帯の整備をやりまするには、人力だけでは及ばないいろんな自然的な条件があるわけであります。もっともそれはそのような自然的の条件が許す産業なり工場を誘致すればいいという考え方もありますけれども、やはり基本的に自然的な条件が必要なわけであります。そのような全般的な広い意味の国土総合開発の見地からの自然条件、さらに必要な人的条件をどの程度そこに加え得るかというような、将来長い目で見た、また経済的にも合理的な観点から見、工場立地の条件を考えて工場誘致等も考えなければならぬと思います。もちろんそのような条件が許します限りは、遠いといいますか、若干近い将来の問題といたしましてそういう工場立地を加味した工場誘致を考えなければならないと思いますが、現在のところ、まだそこまでの十分な計画というところまで具体化したものをわれわれは持っておりませんが、今後検討を進めて参りたいというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は単に合理的な鉱工業地帯の整備ということだけでは、そういう地点には新しい産業の誘致というのは、なかなか困難であろうと思う。やはり社会政策的な面が入らなければ、そういうところに工場を誘致するということはきわめて困難である、かように考えるわけです。ですから自然条件をできるだけ整備してやるということは必要です。しかしイギリスの工業配置法などは、むしろあとの社会政策的な面からいわば出てきておる。一地域に一産業によって立っておる地点は、一産業の衰微によって非常な目にあう。あるいは港湾とか、あるいは鉄鋼とか、あるいは炭鉱とか、こういうような地点は非常な打撃を受けた。こういうところから産業配置法というのが、第二次大戦後いち早くできたんです。ですから私はそういう社会政策的な面も加味して行わなければならない、かように考えておるわけです。ことに今指摘いたしました失業多発地域というのはその尤なるものでありましてやはり社会政策的な面でそれを考えなければできない。自由企業にまかせたら、工場は来ません。来ないことはわかっておる。ですから私はその点は、たとえば工場用地の造成その他は政府がしてやらなければならない、こういうように考えるわけです。そこでこういう問題について政府はどういうようにお考えであるのか。これは長期的というお話がありましたけれども、トータルから見ますと、筑豊炭田の労働者というのはだんだん失業しておる。今石炭は若干景気がいいんですけれども、数字全般からいいますと、失業者はどんどんふえておる。こういう状態にある。それから合理化法案によってあるいは五百名とか千名とか、一度に集団解雇がありますから、これがふえておる。これを一体どうするんだろうか、私たちはかように考えておるのですが、この点について私は政府として一つ対策を持っていただきたい。そこまで手が届かない、こう言えばそれきりですけれども、手が届かないじゃ済まない。かように考えるわけです。石炭局長もおられますけれども、それは失対の方で何とかやるんだ、こういうことだけでは、たとえば今度起りました田川郡の上添田の問題でも、あの地域に三千名の人間がおるのです。そうすると、あのへんぴな所に三千名の人間がおって、これは失対事業なんてそうありませんよ。仕事がないんです。それからあれを移動さすといったって住宅はないし、一体どうするんだという問題に突き当る。これは市町村は非常にお困りであり、あるいは県知事あたりも非常にお困りですけれども、何ともいたし方がないのです。そういう点は政府で将来どういうふうにやるんだというはっきりした計画をお立てになる必要があると考える。この点石炭局長はどういうふうにお考えですか。

讚岐喜八通商産業事務官(石炭局長)

○讚岐政府委員 上添田炭鉱の事業団買い上げの問題につきましては、いろいろ多賀谷さんには御迷惑をかけ、御厄介になりまして恐縮に存ずる次第であります。あの炭鉱の買い上げ問題は目下事業団と炭鉱の間に話し合いが続いておるわけでしてまだ決定的な段階には参っておりませんのではっきりしたことを申し上げるわけに参らないのでございますが、ともかく八百二十人の従業員がおりましてこれが今後どうやっていくかという点は、大へんな問題でございます。地元の福岡県におかれましても大へん心配しておられます。また町長さん初め皆さん御心配をいただいておるわけでございますが、今後の大きな方針と申しますか、そういうことにつきましては、今後の問題といたしまして、労働省初め各省と相談を進めたいというふうに考えております。今そういう方針についてここでこういたしますということをお答えできませんのは、きわめて残念でございますが、さしあたりの問題といたしましては、その八百二十名の中からどれだけ要対策者が出るかということをはっきりつかみたいということが、まず第一でございます。これは福岡通産局に連絡をいたしまして、刻々の数字をもらっておるわけでございますが、こういうことを申してはおしかりを受けるかもしれませんけれども、ちょうど川崎線の工事がそのころとタイミングが合うように考えておりまして、そこで何とかならないかというのが現在の状態でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私はどうも政府の政策はお先まっくらである、かように考えざるを得ないのです。行きあたりばったりだ。天然資源が枯渇すれば労働者はどこかに移っていくだろう、こういうような考えとしか受け取れない。ですから私はもう少し政府も――国土だって広い国土じゃないのですから、どこかに行くだろうと言ったって、そういったことがしわ寄せになるのです。また現在の状態では移動もできません。イタリアあたりもやはり総合開発計画によって法律を作ってどしどしやっている。イギリスも今申しましたように、工業配置法によって社会政策的な面をかなり大きく入れて新しい町作りをやっている。また今申しましたように、アメリカですら非常に問題になっておる、こういう状態です。これは日本のような小さな国土に新しい色を塗ろうというときですから、古い地図を変えて新しい地図にしようというときですから、私はこれからは産業配置については総合的に考える必要があると思うのです。この点一つ次の通常国会に成案までいかなくても案を考えてもらいたいと思うのです。各国の状態もよくあなたの方は御存じでしょうし、あらゆる国がどういう政策をやっておるかということもよく御存じですから、そういう点も勘案して、一つ中間報告でもいいですからやってもらいたいと、かように希望しておきます。  次に例の呉の問題ですが、これは企業局長にお尋ねいたしたいのですが、現在御存じのように、呉は一万名から失業者をかかえておる。さらに国連軍が引き揚げることによってまた一万名ふえてくる。二万名の失業者をかかえるわけです。二万名といいますと、あそこは二十万とすると、家族が五人ですと、二人に一人失業者が出る、こういう形になる。二人歩いておると、その一人は失業者及び失業者の家族だ、こういうことになるのです。一体この問題は産業立地上どういうようにお考えであるのか。しかも大蔵省はかつての海軍の用地である国有地を持っておるのですから、この国有地を利用して産業誘致ができないはずがない、かように考えるのですが、現在企業局ではどの程度お考えであるのか。いろいろ各省寄ってその問題についてな対策を練っておられるようでありますけれども、あなたの方で、たとえば強制的に土地の買い上げをするとか、あるいはその企業に対していわば補助金をやるような政策は今のところできないと思うのですが、ただ一つどこかの産業に来てもらえないでしょうか、こういうようなことでは私はとてもこういうような失業地帯、しかも工業用水が十分なわけではないし、港湾の関係がいいというだけで、しかも背景がないということでは、これは社会政策的な産業立地の計画に待つ以外に方法はないと考えるのですが、一体どういうお考えであるか、お聞かせ願いたい。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永説明員 呉地区の問題は、お話のような特殊な事情で一時に大量の失業者が出るというような事態になっておりますが、この問題につきましては、ずっと前から政府全体としまして、内閣を中心に総合対策をきめようじゃないかということになりましたが、政府ばかりでもやれない、産業人のお知恵もお借りしてというようなことで、産業人の調査もお願いしまして、一応の段取りをつけたようなことになっております。失業者の発生状況も見合いながら公共事業としての道路等の整備も予想よりもずっと歩をよくしましてやるとか、それからかりに工場のために国有財産を払い下げるというようなことにつきましても、特別な計らいをするとか、あるいは新しい工場を誘致し、工業の発展をはかって、新しい雇用の道を開くというネックになっておりますのは、これは私どももいろいろ調べてみたのですが、水が非常に大きなネックになっておりますので、この問題をほぐさなければ発展の余地がないということで、さしあたりの措置として本年度すでに着手したのですが、資金運用部の安い金を回しまして、工業用水をとりあえず増強するということにいたしてはおりました。しかしそれだけでも足りませんので、実は私の方の所管となります事項としまして、工業用水水道を少し大がかりなことも考える必要があるし、またその可能性も持っておる。またそれによって水を使いまする産業が来る見込みもありそうでもあります。そういうようなことで、実は来年度の問題としましても、引き続き工業用水路の設置助成の項目に上げもいたしておるような状況でございます。  なおこまかいことといたしましては、失業者が新しいお仕事をお始めになるために、国連軍の持っておりますいろいろな自動車類とか、その他の払い下げ等につきましても、従来の一般原則から特例を設けまして、安い代価で転換用の設備類が手に入るようなことも、これは省内で特例を開きまして便宜を計ろうというようなことも実はいたしてもおります。さようなことで目先的な問題は、ある程度の解決はつくかと思うのですが、不十分ながら精一ぱいの努力はしておりますが、しかし基本的には、先ほどちょっと触れました工業の発展を期待するということになりますので、その問題で地元に縁の深い産業人及び関係の広い産業界の一流の方々からも、あの地帯の工業診断、誘致もお願いするということもいたしておりますし、またその誘致する前提条件の整備、先ほど申し上げましたように工業用水の確保をはかり、工場が来得るような場所にしてあげるということを考えておりまして、来年度の要求も出しておるような状況でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 この問題もあっせん程度を出ないので、私は、何らかもう少し権限のある政策が必要ではないか、かように考えるわけです。これは非常に努力されておりますけれども、果してそれが実を結ぶかどうか、私自身も非常に疑問に考えておるわけです。  それで今工業用水の問題が出ましたから、ついでといっては語弊がありますが、明年度は工業用水の補助金はどの程度に考えられておるか、また地域はどういう点をお考えになっておるのか。たとえば八幡地域のごときは、住友金属にいたしましても、三菱化成にいたしましても、水の問題で非常に悩んでおる。だから工業用水の問題が解決しなければ工場の拡大ができて、高炉の新設ができない、こういう状態になっておるわけですが、こういう点をあわせて一つ御答弁願いたいと思うのです。

徳永久次通商産業事務官(企業局長)

○徳永説明員 工業用水の問題につきましては、御承知のように前国会で地盤沈下地帯と申しますか、そういう地帯の対策の分としての工業用水路の設置助成というのが、全部ではございませんが、ことしは第一年度でございますので、三カ地点だけが手をかけられたということになります。ただ先ほどお話がございましたように、広く日本の鉱工業が全般に伸びていく、またそれに即応するいろいろな立地条件というものを政府が考えなければならぬ、これが日本の産業を発展させるもとであると考えますが、そういう前提として見ました場合に、水が工業生産に非常に大きなウエートを持っております。ところで場所によりましては水の状況の非常によろしいところもございますので、それらのところは政府は格別の措置をしなくても、民間の力あるいは地方の公共団体の力だけでけっこう措置ができるということになりまするが、しかしある地方によりましては、自然の条件の悪さのために、国の補助がなければ非常に割高の水になってしまって、それでは工業的に意味がないといいますか、そういうようなことになる場所があります。ただいま御指摘のございましたような北九州なんかさような例にも該当するものと私どもは考えております。そういう地につきましては、従来の地盤沈下地帯ということでなしに、新しい日本の工業発展の大きなにない手になる場所に、スムーズに工業が発展しますための条件といたしまして、ある程度国からも補助し、それから地元の協力等を得まして、安い工業用水が得られるような対策を考えるということを当然になすべきものであろうというふうに考えております。同時にそれは先ほど来お話が出ました北九州でいいますれば、たまたま失業者の多発地帯でありまするし、さような面から見ましても格好の事業項目であるということも言えまするし、さような点でぜひ実現したいというふうに考えております。これの全貌につきましては、ただいま予算要求いたしておりまする段階でございまして、まだ来年度どれだけということは、財政当局の予算編成の全体のワクとかいろいろなこともございますし、まだ最後的にまとまる段階でもございませんので、私ども各地々々の実態、事情を説明しながらやっておるというような段階でございます。この点につきましては、先ほど鉱工業地帯整備全体の資料を出せというお話もございました。その一環としてあるいは工業用水等について詳細な資料も作っておりますが、別途の機会に資料として御提出申し上げて御了解を得たいと思っておるわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 工業用水法ができましたときに、私はこれで工業用水の問題は解決する、かように考えておりましたところが、これは取締り法規であっていわば井戸を掘ってはならぬ。それは地盤が沈下するからだ。いわば側面から制定された法律でありまして、井戸を掘ろうにも水がないという地点にはこの工業用水法はかからぬというような、いわばごまかしの法律にならざるを得なかった事情もわかるのですけれども、やはり私は工業用水法というものは正面から工業用水の確保のために、なるほど確保はするのですが、地盤沈下という条件がなければならない、こういう変則的な法律でなくて、真正面から取り組んだ内容を持った法律によってやらなければならない。かように考える。それらについてはいろいろ紆余曲折があってああいう事情になったことはわかるわけですけれども、やはり私は単なる地盤沈下の地域だけでなく、初めから水がなくて、しかも工業地帯としてはその他の条件は全部整うておる、こういうような状態の中で工業用水を確保しなければならぬという問題につきましては、この法律の適用の地帯と同じように扱っていただきたい、こういうことを希望いたしまして次の問題に移りたいと思います。  先ほど福岡県の副知事から鉱害について陳情がありましたが、石炭局長、一つ現在までの概況を御説明願いたいと思います。

讚岐喜八通商産業事務官(石炭局長)

○讚岐政府委員 鉱害問題につきましては、ただいまも福岡県の副知事さんからお話がございましたが、先般商工委員会でも決議をいただきましたのみならず、日ごろ常に御鞭撻をいただいておりまして、私ども関係者といたしまして感謝もいたし、一面恐縮に存じておる次第であります。過般の商工委員会で御決議願いました問題につきましては、早速その御決議を尊重いたしまして、その線で努力を重ねて参っておる次第でございます。ほとんど問題が予算事項でありまして、目下大蔵省に予算を要求いたしまして、その実現に努力しておる段階でございます。ただいまの状況でこういうふうになりましたと御説明できないのでございますが、これは通産省の中での石炭局の立場といたしまして、どういう予算要求をしておるか、こういうことになるかと思いますが、簡単に申し上げます。  この前決議をいただきました問題の順序について申し上げますと、第一は、「鉱業権者の所在不明または無資力にかかる鉱害を早急に復旧する」という問題でございます。これは予算の問題ともう一つ臨鉱法の施行令の問題がございまして、現在のところこういう場合におきましては、地方公共団体で鉱業権者の負担に属する分は、全部負担してもらうということになっております。これでは地方財政の困窮の折柄困るということで、できるだけ地方公共団体の負担を軽くし、国の負担をそれだけ多くするというような趣旨で目下相談を進めております。多分政令の改正ができるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。  次に家屋復旧の問題でございますが、これも地元でも非常に強い御要望があるのでございますが、非常にむずかしい問題でございまして、大蔵省とも相談をいたしておりますが、私どもといたしましては、家屋の復旧を実質的にできるような方向で何とかならないかということで、予算の要求といたしましては、公共施設の復旧に随伴するものというような形で、何とか家屋復旧ができるようにいたしたいということで相談を進めておるような次第でございます。  次に「鉱害の適正かつ早急な復旧をはかるため、鉱業権者の鉱害賠償資金の確保について、適切な措置を講ずることとし、これに伴い税法上供託金及び鉱害賠償費引当金等の損金処理を容認すること。」ということでございますが、これにつきましては通産省内でも――ここに企業局長おられますが、ずいぶんいろいろと御援助を得まして、税制調査会にもこの問題を正式に取り上げてもらい、大蔵省にも交渉を進めておる次第でございます。これにつきましては、すでに発生した鉱害の処理の未払金の問題、今後発生する鉱害の賠償のために引当金を設けるという二つの問題があるのでございますが、これについても、ある程度大蔵省方面の了解を得られたというふうに考えておる次第でございますが、なお今後その実現について相談を進めたいと存じております。供託金の問題は、これは鉱業法に規定されておりますので、あるいは鉱山局長から御説明になった方がいいのじゃないかと思いますが、目下鉱山局と相談を進めておりまして、供託金の限度を相当程度引き上げるということで相談を進めております。  次に「鉱害紛争の円滑な処理を図るため、紛争処理に関する必要な措置を強化し、これに伴う十分な予算措置を講ずること。」これにつきましては、いろいろ地元の御要望もあり、議論のあるところでございますが、現在のところ鉱害紛争の処理につきましては、通産局で特に鉱害部というものを設けまして、この処理に当っているわけでございます。その上、鉱業法の中に和解の仲介制度というものがございます。この和解の仲介制度が今日まで十分な働きをせずにおるということも指摘されておるのでございます。これにつきましては、従来十分な予算が――十分と申しますか、ほとんど予算がついてなかった。そのために仲介員の方も活動が制限されるということで、その成果が上っていなかったのでございますが、来年度からはこれに十分な予算をつけまして、仲介員の方も十分に活動できるということにして参りたい。それから仲介員の選定に当りましては、地方の公共団体と十分な連絡をとりまして、この人ならば大丈夫というような人を選んでやって参りたい、こういうふうにすれば相当の効果は期待できるんじゃないかというふうに考えて、目下その予算の問題について大蔵省と折衝している次第でございます。  次に「鉱害紛争中、鉱害の認否に関するものが大部分を占める実情にかんがみ、その迅速的確な判定を行うため、鉱害測量に関する予算の充実をはかる」ということでございます。これにつきましても目下予算を要求しているわけでございます。従来やっておりました鉱害測量を来年度からは飛躍的に拡充いたしまして、予算面でも約十倍の要求をいたしておるような次第でございます。  次に「特別鉱害復旧臨時措置法に基き認定された物件については、特にその復旧に遺憾なきを期すること。」ということが最後に出ておりますが、これにつきましては、目下残事業量がどうなのかということを調査をいたしておりまして、本年度一ぱいにその事業を完了することは困難な事情にございます。これは法律の存続期間内に、いやすでにその期限を延長していただきまして、今日に至っておるのでございますが、その期間内に全部の仕事を完了することができなかったのはきわめて残念でございますが、残事業がございます関係から申しまして、どうしてもこれを何とか解決しなければいかぬというふうに考えておりまして、目下のところ、目下のところでございますが、私どもとしましては臨鉱法の存続期間をさらに一年程度延ばしていただいて、その間に完全なる残事業の処置をやって参りたいと考えておるような次第でございます。  簡単でございますが、ほとんど大蔵省との相談を進めている段階でございまして、はっきりしたことを申し上げられないのは申しわけないと思いますが、以上のような次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 紛争処理の問題につきましても私は異論を持っているのですが、時間がありませんので、私は主として家屋について質問いたしたいと思います。公共施設という概念を入れなければ補助というのがむずかしいのですか。これはもう私企業であれば、公益性を持っている私企業に、政府として政策的に社会問題という点をあわせて考慮して補助金を出しておるのですから、一歩踏み切っておるのだから、何も対象のものが変ることによって、その適用から除外するという時期ではないと思うのです。あくまでも公共施設という概念が入らなければ困難だ、かようにお考えであるのか、伺いたい。

讚岐喜八通商産業事務官(石炭局長)

○讚岐政府委員 お答えいたします。非常にむずかしい問題でございまして、臨鉱法そのものの立て方も、私、昔のことはあまり詳しく存じないのでございますが、家屋というものは非常に峻別された形で法律にも書かれておる。また台風、洪水等の災害等の場合の復旧のやり方等におきましても、従来、一応でき上っておる考え方というものがあるのでございまして、公共でない家屋につきまして、政府の補助を出して復旧することは新しい問題になってくるわけであります。被害者の立場から申しますれば何ら区別すべきものでないでありましょうが、今日まで政府のとって参りました政策から申しまして、この扱いが非常にむずかしい。実際被害を受けた被者者の困っている事情、あるいは公共施設がすでに復旧されて民家だけが残されている状況等がきわめて不自然な状態で、妙な形になっていることは確かでありますが、そんなような事情で家屋は非常にむずかしいのでありますが、何とか大蔵省と今後も協議を続けて、いい結論になるようにと期待している次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 通産省としては――省というわけではないが、内閣としては法律の提案権があるわけですから、もう少し飛躍して、従来の概念にとらわれることなくやられたらどうかと思うのです。と申しますのは、公共施設でありましょうとも、私企業が鉱害を起したということには変りない。ですから、その私企業が行なった――私企業といいましても、純然たる私企業でなくして公益性を帯びた私企業であり、あるいは標準炭価その他の問題があり、あるいはかつては統制経済下にあった、こういう事情で、社会問題としては、むしろ今食より住ということで、住宅政策の方が大きいわけですね。ですから、私はこういう点を峻別する必要はない、もうここで社会問題として一つ踏み切る必要があるのではなかろうか、こういうふうに考えるわけです。今までの法律をいらわないで、法律の条文だけでなくて法律概念をいらわないであなたの方は解決されようとしておるところに、若干の無理があるのではなかろうか。やはりこの際は踏み切るべきではなかろうかと考えるわけですが、その点は局長はどういうようにお考えですか。

讚岐喜八通商産業事務官(石炭局長)

○讚岐政府委員 いろいろ苦慮しておるわけでございます。ここでこまかいいろいろな議論をするのはどうかと思いますが、御意見を尊重いたしまして、できるだけ御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 大蔵省の主計局ではどういうようにお考えですか。

鳩山威一郎大蔵事務官(主計官)

○鳩山説明員 ただいま家屋の復旧につきまして、直接公共事業と同じような補助金を出すように踏み切るべきではないかという御趣旨でございましたが、被害者の方から見ますと、当然国が何か考えてやるべきだというふうな意見も多数の皆様から承わっておるのであります。私どもとして従来の一般鉱害あるいは特別鉱害におきます家屋の問題の考え方が、たとえば先ほど石炭局長が申し上げましたように、災害の場合あるいは火災で焼けた場合、こういうような方々に対しましても、やはり住宅につきましては融資で処理していきたい、ただ住宅政策の上から、住の問題が非常に重要ではないかということでございますが、住宅政策として住宅を建てていくということにつきましては、一般の住宅政策によりますところの家屋をやはり鉱害地においても建てるということは、もちろん可能なわけでございます。ただ、そういうたとえば公団住宅とか、あるいは金融公庫の融資による住宅ということでなしに、従来からの、やはり先祖代々の家屋をそのまま復旧したいのだということでございますと、やはり火事で燃えた場合もそういうものは同じなんではないかという議論が、主計局と申しますか、大蔵省の非常に伝統的な考え方でございまして、そこまで踏み切るというのには、非常に大きな決心を要する問題だと思っております。ただ、私ども特別鉱害におきまして住宅が相当復旧されると思いますが、特別鉱害では住宅は復旧したが、一般鉱害になりますと住宅復旧がなかなかはかどらないというような点につきましては、今後通産省当局といろいろ御相談いたしまして、従来の法律観念と申しますか、あるいは家屋に対する火災や何かの例と矛盾しないような点を発見いたすことに努めまして、鉱業権者の方々の御協力も得て、一般鉱害におきましても住宅自体の復旧がどんどん進むような、そういう制度を何とか研究してやっていくべきではないかというふうに考えております。来年度予算をどういうように組まれるかということにつきましては、まだ、内部で事務的に検討いたしておる段階でございまして、予算の編成方針というものがまだきまらないものでございますから、何とも申し上げられないのでありますが、今後関係当局と十分連絡を密にいたしまして、できるだけの努力をいたしたいと考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 農地の場合に――これは何を言いましても私有財産ですが、農地の場合には補助政策がとられておる、家屋の場合にはとられないという点も、やはり私は矛盾があると思う。もっとも、農地も戦前はとられなかったのだということになるかもしれませんが、戦後の食糧政策という面から、農地が入ってきたのだというように考えられるわけです。ですから、住宅の問題も今まではなかったでしょうけれども、政策としてはもう住宅もそういうように扱うべき段階にきているのではなかろうかというわけで、なぜ住宅と農地を区別するか、これは私有財産ではないかという議論をされると、われわれもそれはそうであるということを被害者の人々に言わざるを得ないのです。農地も食糧の確保という面あるいは国土の保全という面から取り上げられたのだ、それがまた必要であったから取り上げられたのだ、家屋もそういう状態に現時点においてはきておるのではなかろうか、かように考えるわけです。ここで議論をしても、まだきまっておりませんので十分な御答弁を得られないかと思いますが、そういう点を考慮していただいて、今副知事からお話がありました点を十分実現できるように御配慮を願いたい、かように希望して私の質問を終ります。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 関連して……。ただいま広範にわたってのお話でございまして、要するに日本の経済をいかに立てるかという大きな問題だと思うのです。たとえば工業施設の問題、農地の問題、失業問題、そして日本の工業力をいかに伸張させるかということであります。御承知のように、エネルギーというものが原則的にこれらの工業というものに必要だということも明らかであります。ところがエネルギーの問題は、御承知のように大体充足できる点に立っている、そこで申し上げたような諸施設を実現しようとするのには、もう一つ大きな欠陥がある。それはつまり工業用水の問題だと思う。そこで大蔵省の考え方はいかにあろうとも、何としても日本の工業力というものを伸張させなければ、日本の九千万もおる人間がよりよい生活を営むわけには参らない。日本が農業立国として立てるならばいざ知らず、農業立国として立てないことは明らかな事案であります。どうしても日本が工業立国として立たなければならないということになるならば、工業用水というものがエネルギーと並行しなければ、今多賀谷君のお話のようなものは実現不可能になってきておる。いかに日本が巨額の設備をしようとも、どんなに高水準の技術者を入れようとしても、工業用水がなかったら不可能です。ですから、私の方から、ことしは特に工業用水の問題で大蔵省に向ってこれだけの金額を何とかしてもらいたいということを要求しておりますから、主計官はその辺を御考慮に入れられまして、御協力下さいまして、日本の工業が一日も早く伸張されるようにお願いを申し上げておきます。これは私のお願いでございますから、答弁は要りません。

中崎敏日本社会党

○中崎委員長代理 次に繊維に関する問題について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。長谷川四郎君。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 繊維局長さんに人絹の問題で二、三だけ伺わせていただきます。人絹糸が今年六月清算取引市場において一部仕手関係の暗躍によって非常な価格の高騰を示してきた、こういう状態であっては中小商工業者といえ、またこれに関係する機屋さんが容易でないだろうというので、局長がお骨折り下さった、このために中小機業が幾分か救われてきたような面がありますけれども、事実は全く思うようにはいっておらなかったわけであります。中小企業である織物生産業者は、原糸高製品安、採算割れの現状を呈しまして、日絹工業会からもいろいろな陳情等がお宅の方へ参っておった。しかし一時はそれでどうやらと思ったかはしれませんけれども、なかなかうまいわけにはいかなくなって現在いかなる大きな悩みを持っておるかということを一つ考えてもらわなければならないと思うのでございます。そこでどうやったならば糸価の安定を保つことができるだろうか、機屋がどうして安定した業につくことができ得るか、こういうことをおそらく局長さんも考えておるだろうと思うのですが、私たちも常にこれが悩みの種となっているわけでございます。そこで糸価の安定を保つのには、まず取引市場というものをどういうふうに考えておるか。ことしは局長の方から取引市場へ向って自粛勧告を促したとか、人絹メーカーに対しましては値のつり上げを厳重に警告したという、あらゆる手は打ったと私は思います。実に名局長だと驚いておったわけでありますけれども、事実は全く思うようにはいっておらない。こういうことで清算取引市場というものをどういうふうにすればいいか、ただこのままの野放しの状態に清算取引というものを置いてそれがためにいたずらに糸価の高騰を見るという現実のような問題が惹起してくるのではないか、こういうふうにも私は考えるのですが、そういう点は局長さんはどういうようにお考えになっておりますか。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室説明員 御指摘の通り、人絹糸の相場は、清算取引市場においてもまた取引所外の実物市場においても、非常に投機、思惑が加味されて高騰いたしましたし、輸出の面にも悪影響を及ぼすような事態が生じたわけでございます。しかしながら人絹糸の価格は究極的にはやはり需給関係によってきまる。この供給の面で見ますると、最近人絹糸の生産はかなり顕著な増加傾向を示しておりましてこれは生産設備がふえて参っておる、あるいは合理化によって従来の生産設備の生産が増強されて参っておるというようなことでありまして、たとえばことしの三月に大体日産二百四十トン・ベースであったものが、来年の三月になりますと、三百三十トンぐらいまでふえるというような状況で、これは大勢的に見ますと、人絹糸の不足というものは私は解消する方向に向っておると思うのであります。一時的にはおっしゃるような価格の高騰も生じましたし、その原因としては、これは輸出の面で申しますと、人絹糸もたとえば本年一月で申しますと昨年の人絹糸の輸出よりも若干ふえております。また人絹織物は昨年も輸出は相当好調であったのでありますが、今の期間においては二割以上数量が増加しております。それからまた国内的に見ますると、生産体制がだんだん整備されていくというか、いわゆる系列化が進みまして、自由市場において売買される人絹糸が非常に少くなったというような事情、それに加えて実は織機の方が非常に過剰である、こういうような事情のために、一時的に価格が非常に高騰し、ことに取引市場においてはそういう状況を背景にいたしまして、思惑的な活動も行われて意外なる価格が出ておったりする、そういうわけでありますので、私ども人絹糸全体の生産が上って参り、また機屋さんの方の過剰な設備を、これは漸次的ではありますけれども、漸次処理して参る、また生産の調節についても、従来も自主的には行なっておるのでありますが、これをもう少し強化して参る、そういうような諸般の手段を講ずるならば、私はやや長期的に見れば人絹糸の価格は安定して参ると思いますし、またそういう背景のもとにおそらく取引市場における思惑的な活動というものもよほど鎮静するだろう、現に最近そういう兆候が見えております。でありますから、ただいまの状況において前途を非常に悲観するには当らないと思うのでありますが、一方取引所でもって上場する品物、天然繊維のほかにこういうような化学繊維を上場することが適当であるかどうかというようなことは、もしこれから取引所に化学繊維を上場するとかいうような問題でもありますれば、これはまたいろいろな角度から議論を進めなければなりませんし、またいろいろな議論があり得ると思いますが、ただいま取引所において化学繊維もすでに上場されておりますし、また大勢的な見通しとして人絹糸について価格が非常に奔騰するということは、少くとも大勢的にはそういうことはないのじゃないか、こういうふうに思っておりますので、さしあたりのところ直ちに人絹糸を取引所において上場することはやめるとか、あるいは立ち会いを停止するとか、そういうようなことは考えておりません。しかし一つの理想的な議論と申しますか、そういう現実的な問題を離れての議論としては、人絹糸のようなものは建値制をとるべきである、そういうことによって長期的な安定策がとれるのじゃないかというような議論には傾聴すべきものがあるとは思います。しかし現実の問題としてはただいまの取引所において直ちに人絹糸についてどうこうということは全然考えておりません。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 少し私と考え方が違うのでございますけれども、この需給のバランスがこのごろ非常によくとれてきているというお話もあなたから聞いておるのでございます。たとえば先日来の暴騰をしたときに、あなたがやむを得ないからイタリアの人絹を入れるぞと言った。いろいろの人絹メーカーから批判はあったけれども、そういうような一つのあなたの言葉によってさえもある程度価格の抑制はできた。これは先ほど申し上げた通り、あなたの英断でこれをやろうという気持がそこにあったということがそういうふうに現われたと思うのですが、そこで系列を見ましても、系列に入っている方はいいけれども、入っておらない方ということになると、たとえば群馬県の桐生あたりですと系列に入っているという方がほんとうに少い。一番人絹を大きく取り扱っておる福井においても、二百五十社の中に入っているのは大体五十くらいじゃないかというくらいのことになっている。そうすると、そういうようなある部分的な人だけが、たとえば人絹糸をあなたの方できめてくれた二百二十五円程度のもので使うことができる。それ以外のものは二百七十円なり二百八十円を出さなければ買うことができない。こういうところに私は大きな不満もあり、また採算が合わなくなっていく点があると思うのです。でございますから、こういう面をどういうふうにバランスをとっていくか、たとえば系列に入っているものはどういうのかというと、系列といえば体裁がいいかもしれないけれども、これは大会社の自家用のようなものなんですから、大会社、大メーカーだけが利益を得ることになっていって依然として犠牲になるものは中小商工業者であるということに決定されるわすです。ですからこういう点にもう少し何とかお考えを向けてもらうわけにはいかないだろうか、こう私は思うのでございます。従ってこういうことは独禁法との関係はどういうふうになっているものでしょうか、あわせてその点を一つ伺ってみたいのです。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室説明員 御指摘の通り大メーカーあるいは大商社が中に入っての系列関係というものは、人絹糸の非常に出回ります数量から申しますと非常に大きなウエートを占めるのでありますが、何分今一千軒の絹、人絹の機屋さんがあり、それではその中で系列の中に入っている数はどのくらいになるかといえば、これは頭数からいえば少くなると思います。従って系列外の機屋さんが安定した操業を続けるように、また安定した価格でもって人絹糸が手に入るように努力するということは、私ども中小企業対策上からいっても、また繊維の対策からいってもぜひとも必要であると考えておりまして、実はなかなかむずかしいのではありますけれども、先般来小さい機屋さんに寄り集まってもらって、受け入れの態勢を整えて、今の二百二十五円見当と申しますか、安定した安い方の価格でこれを手に入れることができるような話し合いを関係者の間で進めさしておるのであります。もちろん小さな機屋さんが安い人絹糸を買ってすぐまた転売してしまったのでは何にもならないのでありまして、その辺の保証ということも必要でございます。また支払いの確保、支払い条件等の打ち合せというようなことも必要でございます。なかなか困難な問題はたくさんあるのでございますが、何とかしてその問題を解決して局面を打開して参りたい、こういうことで私どもは努力して参っておるわけでございます。  独禁法との関係でございますが、小さい機屋さんが寄り集まってそういうふうな仕組みをやるということは、独禁法全体の構想からいえば別に何にも問題になるべきものじゃない。ただ具体的にどういう仕組みでそれをやっていくか、今の中小企業安定法の系統に基く組織を利用していくか、あるいはそれとはまた別個に緊密な連絡をとっていくような共同体ができるか、この辺についてはある程度具体的な問題でございますから、具体的な問題として関係者の間で相談さしてもらいたい、こういうふうに考えております。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 私は他の繊維産業から見ても、人絹糸というものは非常に高いのじゃないかと考えておるし、また会社も相当の利益を上げておるではないか。たとえば一万六千円台のものが、現在市中で機屋の手には二万七、八千円の価格のものが入っておる、こういうような矛盾が非常に私はありはしないかと思うのです。しかし実際の糸が不足して需要と供給のバランスがとれないというならばともかくも、全般から見た上に立ってはそれほどではないと私は思う。どういう点から見てもそうだし、たとえば市中取引の糸玉というものがきわめて少量であるという点において、取引所の清算市場というものが投機的なものになっているのではないか。これは局長にも気づいてもらうことができると思うのです。この辺を何とか考えていけばいいのではないかと思うのです。従ってただいまのお話のように系列に流すものが全生産の七五%強でございましょう。それで系列外に流すものが一五%、非常に少数なことになっていく。こういうところに不満が現われていっていると思うのでございます。小さい機屋が、たとえば一つの安定した価格でやって転売をすることは困るというような気持もただいまお話がありましたけれども、安定した価格になっていけば、その上に立っての転売というものはできるものでないと私は思います。ですからそういうことは心配しなくてもいいのじゃないかと思う。要するに清算市場へ出るものの数量が非常に少い。その少いものに対してのみ価格が毎日高騰するとか下るとか自由にさせられてそれにつられたところの系列外の人たちはそういう高いものを買っていっている。その高いものを買っていっているものが九〇%あるということになると、これは社会問題ではないかと私は思う。こういう点を、先日来あなたが行なったような英断と手腕をもって何とか解決の道を開いてもらいたい。私たちの考えでいくならば、要は人絹糸が一万六千円台の価格にあるのだから――会社というものはもうけなければならぬわけです。会社とは何ぞや、利潤を追求するものだ、これは当然でなければならぬのだから、それにりっぱな利益を与えて、それ以上のものは安定した価格をもって市販をさせる。こういうふうになっていったならば、日本の貿易もより以上伸張することができるであろう。それは当然のことである。私が申し上げなくてもあなたは御承知のように、たとえば外国から日本へ来た人に私たちが聞いてみても、日本は価格が常に浮動して困るのだという。この一言に尽きるということ。もう一つは、国内の小さな織物屋であっても、価格の安定したものであるならば、原糸が安定しているならば、安定した生産ができていく。必ずもうかるというばかりではないと思う。六カ月なり七カ月なりあるいは四カ月なり、一つの計画の上に立った生産というものが成り立っていくのだ、私はこういうふうに考えるのです。ですからどうしても糸価の安定をさせる、これよりほかに何ものもないのではないか。先日来あなたがあれほどまでにやったものも、一つのこうやくばりとしてはまだまだ上等だったと思うのです。そういう点から考えて、何か糸価の安定の方法についてあなたにお考えはございませんか。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室説明員 現在だいぶ人絹糸価格が一時よりは落ちついておりますが、それでもなお非常に高い水準にあるということは事実でありまして、私どもは人絹織物の輸出を今後とも伸ばしていきたいと思うのですが、今の高い価格の水準はその面でもやはり障害になるという感じは持っております。それから人絹糸の価格を合理的なところに安定させる態勢的な措置としては、今の増産の問題もありますが、同時に受け入れる側の、織物の方の必要な生産調節あるいは過剰品の処理というようなことについてもできるだけの措置を進めていかなければならぬ。また、それにもかかわらず取引所において過当な投機が行われるということでありますれば、従来からそういうことをやっておるのでありますが、証拠金を思い切って引き上げるとかあるいはふところの金まで吐き出させて証拠金を取り立てる、一種のこうやくばりですが、そういういろいろな処置も今後もとっていかなければならぬと思うのであります。また今の小さなたくさんの機屋さんが安定操業ができるような方策、これはなかなかむずかしいのでありますけれども、これも関係業界の原則的な方向については一致しておりませんので、何とかこれを具体的に軌道に乗せていくように努力して参りたい。まことにおっしゃるようにこうやくばり的なことが今まで多いのでありまして、今後もそう抜本的な措置が十分講じられるかどうかはなはだ自信がございませんけれども、そういう方向に向ってできるだけ努力して参りたいと思っております。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 系列化というものが全部が全部私は悪いというのではないのです。しかし系列の中に入っている部分というものは全般的にパーセントから見た場合は非常に少いのじゃないか。糸価の安定をすることは統制でも何でもないと思うのです。要するに、日本の産業をどういうふうにしていかなければならないか。繊維が輸出産業の中で最も優位にあることは御承知の通りなんで、その輸出産業の優位にあるものをより以上安定させて、もう一そう高度に輸出産業を高めてもらいたい。それと同時に、国内の産業においても、安定した糸価を与えて、いつでも人絹糸は二万二千円なら二万二千円なんだ、これだけの生産をすればこれが二万三千五百円になるのだ、そういう安定した価格において業を営ませたい、こういうことなんです。私はあなたのお考えもわかる、これは容易でないということは私もしかりだと思う面もありますが、人絹会社そのもの、メーカーそのものはどうお考えになっていらっしゃるでしょう。たとえば、今のようなあり方でいえば、人絹会社だけが非常に有利になっていることも明らかなんで、人絹会社だけが有利になっていって余の機屋はどうでもいいということでも私はないと思う。また、日本の原糸を全部輸出してしまえばいいのだ、そういえば話はそれまでであるけれども、そうでなく、もっと掘り下げた、メーカーと人絹業者を一体とした恒常策をはかることは、糸価の安定より何ものもないのだと私は考えているわけでございます。そこで、糸価を二万二千円なら二万二千円にして、一万六千何百円台でできる原価のものを二万二千円で買った、出したということになるなら、私は相当の利潤が得られると思う。ですから、そういう方向に向って何か方法を考えてもらいたいと思うのです。ですから、一つの統制を行おうというのではなく、人絹の原糸はいつでも原価が二万二千円なんだと考えさせて方法をとりたいと思うのですが、もう少し何か具体的な考えはないですか。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室説明員 七月の初めに人絹糸の価格の対策をいろいろ相談しまして、人絹会社にも参加してもらって、いわゆる五者会談も行なったのであります。その節に、五月下旬の価格の水準に今後人絹会社の人絹糸の出し値を安定させる、そういうことに申し合せができたわけでございます。その後大体その精神に即して人絹会社は人絹糸を出しておると思うのです。その当時、幾らという話も話題に上ったのでありますけれども、幾らということをいうと、建値はおろか、ちょっと統制価格みたいな感じになりますので、五月下旬の価格の水準――これは各社多少ずつ出し値は違っておりましたけれども、そこにおおむね落ちつけるということで参って、人絹会社にもおおむねその線で協力してきてもらっているわけであります。市中の実物の相場あるいは取引所における清算市場の価格はそれとは遊離していることは御承知の通りでありますけれども、これはいろいろとこれから背景になる事態を是正していくことによってだんだん安定した価格で糸が出回るような方向に持っていきたいと考えておるわけでございます。なかなか価格の問題であるだけに、扱いがむずかしいのです。人絹糸会社にも相当程度協力はしてもらっていると私ども考えております。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 結論として私は、何としても人絹糸の取引所の上場を禁止する、これはあなたのお考えをお聞きしたいことなんですが、こういうばかげた高騰ぶりはないと思うのですけれども、この点はどうですか。これは上場禁止するわけにいきませんか。

小室恒夫通商産業事務官(繊維局長)

○小室説明員 取引所の問題でありますから、私一存でとやかく申すわけにも参りません。私の感じだけ申しますと、冒頭にも申し上げましたが、結論から言うとただいま上場禁止ということは全然考えておりません。五月か六月ごろに非常に人絹糸が高騰いたしまして、その後にも一時そういう場面がございました。そういう際には、こういうことをほんとうに続けていると、人絹糸の上場無用論ということは当然常識としては出てくるんだということは、当時取引所の方々にも申したことがあります。実を申しますと、人絹糸のみならず、他に商品取引所の上場の対象になっているもので、ずいぶん思惑の対象になっているものもございます。また株式市場でも、ときによっては相当の思惑の活動が行われるわけでありまして、その辺全体をにらみ合せて取引所の機能のいい方と悪い方と比較考量して考えることが必要と思うのでありますが、冒頭に申したように、これから人絹糸を上場するというような問題について是非を判断するのであれば、これはまた多少違った立場に相なるかとも思いますが、現状において直ちに人絹糸の上場停止、上場禁止ということになりますれば、それはやはり考えておりませんと申さざるを得ません。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 これは困った問題で、僕らのところは、ほとんどこの日本全国をあげて好景気に恵まれておる今日、実にあわれむべき状態に機屋が陥っている、この寄って来たる原因というものは、糸価が暴騰をした、これに尽きるわけです。糸が非常に高くなって、生産されたものがまだその糸だけの高さには販売ができないという、そういうバランスがとれていないというところに、その苦しみがあるわけであります。でございますので、私は糸価の、つまりたとえば取引所で上場させるものの非常な少数のものによって、数量を少くして、それを上場させておいて、その価格が高くなったから一般の全国の糸は高くなるんだという、これは非常に不合理ではないか、こう思うのでございます。上場を禁止することができないとするならば、これらを系列下であろうと何であろうと、全部をその取引所にかけていく、こういうことも考えられなければならないようにも思います。しかし私は先ほど申し上げたように、系列下が悪いというのではないけれども、系列下に二万二千五百円で出すとするならば、やはり一般にもそれと相ひとしい価格によって糸価の安定を早急に考えてやらなければ、いかに局長さんが御苦労なさっても、たとえば日本の繊維メーカーはいいか知らないけれども、一般の機屋さんはほとんどあと余命幾ばくという状態にあることだけは知ってもらわなければならぬと思います。ここに阿左美さんもいらっしゃいますが、経済界全般から見ましても、実に今の機屋というものはこれだけ好景気のときにどうしてこういう状態だろう、この窮境がどこから来ているかということを見ると、一に人絹糸というものの糸価が高過ぎた、暴騰したためで、みな自分みずからの手足を食ってしまったということにその苦しみ、悩みのもとがあるのでありますから、その糸価の安定というものをきょうあすに作れということにもなかなか参りませんが、一つこれはあなたによくお考えになってもらってどうやったならば機屋さんを救えるか、機屋さんを救うことがすなわち大メーカーを救うことだと私は思いますから、その点十分考慮に入れてもらって、来週までに何かいいあなたのお知恵を拝借して、あなたの抜本的な施策を施していただきたいことをお願い申し上げましてきょうはおそいので、質問をこんなにたくさんしょうと思って持ってきたのでございますけれども、質問するひまがございませんが、その一事に尽きるのでありますから、来週の来たる通常国会までには、あなたの抜本的な施策を現わしてもらいたいということをお願いして、それを大いに期待いたしまして私の質問を終らしていただきたいと思います。

中崎敏日本社会党

○中崎委員長代理 それでは本日はこの程度にとどめます。  これにて散会いたします。     午後一時五十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗