国土総合開発特別委員会 第5号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/11/28
会議録
○廣川委員長 これより会議を開きます。 本日は東北開発に関する件について、参考人各位より御意見を伺うことにいたします。御出席の参考人は、岩手県知事阿部千一君、宮城県知事大沼康君、福島県知事大竹作摩君、東北電力株式会社社長内ケ崎贇五郎君、東北興業株式会社総裁蓮池公咲君であります。なお、青森県知事は所用のため御出席できないとのことで、副知事横山武夫君が出席されておるのであります。この際参考人として意見を聞きたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○廣川委員長 では、さよう決します。 この際一言申し上げます。参考人の方々には、御多用中のところ、本委員会に御出席下さいまして、厚くお礼を申し上げます。本委員会では、ただいま東北開発に関する問題について調査中でありますが、この際、皆様方の忌憚のない御意見を承わり、調査の参考にいたしたいと考えておる次第でございます。 なお、御意見開陳の時間は、おおむね二十分程度といたし、東北開発に関し、参考人各自の関係について、概括的かつ重点的に御説明を願います。その順序は、大沼君、横山君、阿部君、大竹君、内ケ崎君、蓮池君の順序でお願いいたします。なお御意見発表の後、委員側から種々質疑があろうかと存じますので、お含みの上、お願いいたします。大沼参考人が所用のため急ぎますので、最初に、大沼参考人に御意見をお伺いいたします。なお大沼参考人は途中退席いたしまするので、質疑をこの際特に継続して行なっても差しつかえないかと存ずるのでございます。では大沼参考人。
○大沼参考人 ただいま委員長さんのごあいさつにありました通り、私ども東北六県は、皆さんの総合開発につきまして、大きな期待を寄せておるのでございまするが、連日御研究、御調査をなさって下さいまするその御労苦に対しまして、心から御礼を申し上げたいと思います。 私の宮城県の総合開発構想を簡単に申し上げてみたいと思うのであります。私ども宮城県といたしまして、総合開発の究極の目的をどこに置くかというのでありまするが、第一には、増加人口の吸収と雇用の拡大に置きまして、第二点といたしましては、所得水準の引き上げ、第三点といたしましては、各種資源の開発によりまして、植民地的な経済から脱却いたしまして、各種産業の経済循環を改善することの三点に置いておるのであります。 さて計画の概要でありまするが、そのうちの第一次産業振興については、とりあえず農業を第一に考えなければならないと思うのであります。本県は、御承知の通り北上、阿武隈等の河川流域の沃野に恵まれ、現在約水田十万町歩、畑四万町歩を持っておるのでございます。ところが、水田の七割は用排水不良地であること、及び農家の大部分は零細な単作経営形態で、稲作に対する依存度が非常に強いのでございます。その上、東北特有の頻発する風水害、周期的冷害等のため、きわめて不安定な経営形態にあるわけであります。従って、農業の振興のためには、畜産の導入、特に集約酪農の振興及び土地利用の高度化、並びにテンサイ、果樹等、適地商品作物の奨励により現金収入をはかるとともに、これらの農産物の加工工業を振興することにより、農家経営を合理的に多角化し、農家の所得水準を向上させる対策が、第一の重点施策と考えるのであります。現在実施中の私どもの具体的事業としては、土地改良なり、集約酪農地域の計画を促進するなり、大規模開墾干拓の促進等を目ざしておるのでありまするが、なお後ほど申し上げるように、多目的ダムにも私どもは大きな使命を考えておるのであります。 第二には林業でございまするが、奥地未開発森林資源を活用して、総合的木材加工工業による高度利用をはかることを目途とし、このため林道網の整備をいたし、同時に林種転換の促進をいたしますとともに、広葉樹利用の木材総合利用工業の推進、重要水源地帯における林野保全事業の推進等に、私どもは重点的な計画を進めておるわけでございます。 さて、第三には、水産業をあげなければなりません。御承知の通り、宮城県は三陸漁場を控えておりまして、全国的にも有数の水揚げを誇っておるのでありまするが、漁場が遠距離になって参りますことと同時に、大漁貧乏と申し上げていいかどうかわかりませんけれども、大へん心配な点がありますので、そのためには、私どもとして、とりあえず第三種漁港を中心とする漁港の整備事業を促進するとともに、魚価の安定を期するための輸送の改善なり、あるいは冷凍貯蔵施設の整備をはかりたいと考えておるのであります。同時に、漁船の整備に関する融資の円滑化も考えなければならぬと思っております。 次に、この第一次産業の振興に並行をいたしまして、臨海工業地帯の立地条件を整備することに、重点を置いておるのであります。御承知の通り、宮城県の産業構成上、第二次産業が、人口におきましても、あるいはまた所得の面におきましても、きわめて低い地位にあることは、統計資料等に明瞭に表現されておるのであります。従って、これを均衡のとれた産業構成に改善をいたしまして、経済力の伸張を期することが基本目標だと存ずるのであります。特に本県が、東北地方におきまして、地理的に中心的地位を占めておるのみならず、気象、港湾、平野等におきましても、東北地方経済交流の中心たるべき条件に恵まれておりますので、高度加工業を中心として、各種工業の広い集積をはかる方針のもとに、港湾、工業用水、工業用地、交通運輸等、各般にわたりまして、仙台、塩釜地域を中核とする臨海工業地帯の立地条件整備を第二の重点施策と考えておるのでございます。特に仙塩総合計画におきましては、ただいま大きな岸壁を計画いたしておりまするが、特に一万トン岸壁一バースは、目下事業の実施中でございまして、昭和三十二年度におきまして必ず完成すること、及び東北ドックの前面の浚渫を特にお願いいたしたいのでございます。 また工業用水は、従来最大の宮城県の欠陥とされておったのでございまするが、多目的大倉ダムから一日十万トン程度の給水が計画されまして、応急的には、岩切近辺の地下水を約一万トン程度でありますけれども、導入いたしまして、用水を確保いたしたいものと思っておるのであります。 工業用地につきましては、工業道守入計画に対応いたしまして、仙塩、石巻地区、気仙沼等におきまする埋め立て及び整地、並びに多賀城、苦竹、船岡等の旧軍用地の活用によりまして、所要の用地を確保する方針でございます。 なお、産業振興の基礎的条件としての交通運輸条件の改善につきましては、東北本線及び常磐線の複線電化はもとより、特に三陸鉄道の建設を継続施行すること、及び鉱山、工業地等と幹線道路を結ぶいわゆる産業道路の整備を計画しておる次第でございます。 次に、多目的ダムの建設を促進することを私どもは考えておるのであります。御承知の通り、本県は非常に風水害の多いところでございます。従いまして、災害による被害を最小限度に食いとめまして、国土を保全することが重大な課題であり、ここに治山治水対策の根幹をなすダム建設の促進が、第三の重点施策と考えられるのであります。現在実施の段階に入っておりまするダムは、鳴子、花山、玉山、大倉の四カ所でありまするが、おかげさまで、鳴子、花山等は順調に進みまして、明年度までには完成する予定でございまするけれども、玉山ダムは昭和二十五年、最も早く着工いたしましたが、遅々として事業が進んでいないのであります。迫川治水の根本対策といたしまして、また下流に対する用水補給源としての大きな役割を考えますとき、玉山ダムも鳴子、花山と歩調を合せまして促進するように、先生方に特にお願いをいたしたいのでございます。また大倉ダムは、仙台、塩釜臨海工業地帯に対する工業用水供給という任務を持っておりますので、工業導入計画に対応するような事業の促進をはかっていきたいと考えておるのであります。 次に、普遍的な基盤造成事業でありまするが、治山治水、交通運輸改善等、普遍的な産業基盤造成事業、及び民生安定事業につきましても、前記三項目と並行いたしまして、少くとも全国平均の水準まではどうしても達したいものだ、かように考えておるのでございます。 第三といたしましては、地方財政の問題があるわけでございます。特に申し上げたいのは、私どもとして最も重要な課題と考えられておる児の財政問題でございます。御承知のように、宮城県は全国でも有数の赤字県でございまして、地方財政再建整備促進法の施行に伴いまして、再建団体の指定を受けまして、現在再建計画のもとに県財政を運営しておるのでございます。ただいままでに申し上げました重点施策を実施するに必要な事業費は、昭和三十二年度において概算十九億九千八百十三万円、そのうち県費の負担が実に六億六千七百四十六万円となるのでございます。しかも、昭和三十一年度におきまするこれら事業の実施に要しました事業費は三億三千万円でございますので、そのうち県費負担が八千六百八十四万円でございますると、県費負担額におきまする差額というものは、実に五億八千万円の多額に上るのでございます。財政再建計画におきまして、このような県費負担の増加はきわめて至難な状況でございますので、これが対策といたしまして、政府においてはぜひとも次のような措置をとっていただきたいのであります。第一には、東北開発の重要性にかんがみまして、根幹となる開発事業に対する国庫負担及び補助率は、少くとも北海道と同等のものにしていただきたいのであります。第二点といたしましては、この開発事業にかかわりまする地方負担分につきましては、地方交付税法において財源措置を講じていただきたいのであります。第三点といたしましては、すでに知事会議から御要望を申し上げておりまする移出米の奨励金制度を確立していただきたいのであります。 最後に第四番目といたしまして、私どもの意見を申し上げ、同時に要望もいたしたいと思うのであります。その一は、公共事業費の配分についてでございます。当地方の後進性を私どもが分析してみますると、もちろん施設の不備もございますが、それと、産業の展開不能というような悪循環からくることは御承知の通りでございまするけれども、もう一つ考えられることは、公共事業費の問題でございます。すなわち、公共事業費の配分に当りましては、単に従来の実績主義によりまする予算編成を改めていただきまして、実績にかかわらない、産業の可能性に立ちました事業投資と、その資金、機構にわたりまする実施方法を確立していただきたいのであります。第二点は、東北開発推進のための基本的な事項についての立法措置でございまするが、この立法措置もぜひ早くお願いいたしたいと思いますることと、今予算の編成途上でございまするが、明年度予算を早く組み立てていただきたいのであります。第三点といたしましては、特に明年度東北開発庁業の地方費負担について特別措置を講じていただきたい。第四点といたしましては、仙台・塩釜地域を特定地域に指定していただきまして、同時に三陸地域の北上特定地域への編入につきましても、特にお願いをいたしたいのでございます。 まことに粗雑な早弁で申し上げましたが、宮城県の総合開発に関する構想を申し上げた次第でございます。
○廣川委員長 先ほど申し上げました通り、大沼参考人は途中で退席される予定でありますので、大沼君に対する御質疑がございますれば、ここで続行を願いたいと思います。ございませんか。——なければ、次に移ります。次は横山参考人にお願いいたします。
○横山参考人 お手元に差し上げてございます「青森県の開発事業の概要について」という刷りものに基きまして申し上げます。四ページのところからかいつまんで申し上げます。開発の構想を大まかに申し上げますと、四つに分れてございますが、その第一点は、中軸産業の生産確保とその活用ということであります。これはその前に述べてございますが、原始産業県でございまして中軸産業と申しますと、農林水産業のことに相なるのでございます。第二点は、産業構造の改善高度化という問題であります。これは原始産業県の特質として、所得が非常に低いので、やはり産業の構造を第二次産業を中軸にしたものに改善をしていって、県民所得の充実をはかりたいというのが策二点でございます。第三点は、資源開発と国土保全ということであります。この問題は、以上の基本的開発の構想を補完する性質のものでありますが、生産拡充の基盤である農林畜産、水産、地下資源、電力資源などの開発促進と、これか促進をはばむ県主の荒廃、ないしは災害に対する復旧、防止、保全などの諸対策を行おうとするものであります。第四点は、社会、文化施設の改善同上ということであります。これは木県のような後進県の特徴として、衛生、厚生、文教、住宅、観光などのいわゆる社会、文化施設の整備充実というものが非常におくれておるので、この改善を期そうとするものであります。以上のような四つの構想に基きまして、開発のおもなる事業を次に申し述べたいと存じます。 七ページでございます。まず農林水産部門について申し上げます。第一は開拓事業の推進に関するものであります。本県におきましては、すでに国営事業として着手されているものには、三本木開拓建設事業、十三湖干拓建設事業、世界銀行融資によります上北機械開墾事業の三事業がありますが、三木木及び十三湖の両事業については、事業費増額によって早期にこれを完成することを念願しておるものであります。また上北機械開墾事業につきましては、その早期完成並びに県財政の実情から、これに対する県費負担と入植者の負担の過重である点を解決促進いたしたいと考えておるものであります。さらに国営として新規に君王希望のものとして岩木山麓開拓事業がありますが、地区面積四万三千町歩、開墾予定面積五千八百町歩の有望地区でありますので、大規模開拓を前提とする基本調査のすみやかならんことを期待する次第であります。 第二は土地改良事案でありますが、本県の土地改良事業は非常におくれておりまして、土地改良を要する水田はその六六%にも達し、そのすみやかなる推進が要請されるのでありますが、本県の大規模な土地改良事業といたしましては、既着工のものに、国営として西津軽農業水利事業があり、また新規に国営として着工希望のものとしては、岩木川右岸農業水利事業、中部上北土地改良事業、天間林土地改良事業がありますが、これら土地改良事業の早期完成は、県の総合開発上必要でありますので、その促進を要望いたす次第であります。 第三は長業経営の改善に関するものであります。本県は御承知のように積雪寒冷単作地帯に属し、絶えず冷害による凶作の危険にさらされておりまして、このため農業経営の改善が緊急な問題となっているのであります。このため、本県としましては一、テンサイ栽培試験費の助成、二、水稲及び畑作物の増収をはかるための試験研究機関の整備、特に現存の藤坂冷害試験地の拡充、三、農村工業指導所の設置、四、農業改良資金の拡充強化、五、積雪寒冷期間における農村労働力利用施設費の補助などをさしあたり要望いたすものであります。テンサイについては、酪農と関連いたしまして、畑作地帯すなわち冷害地帯の農業経営上重要課題でありまして、本年度県内九カ所に試験地を設置いたしまして試作を行なった結果、平均反収八百貫、糖分二〇%で、北海道における実績に比較して同等の成績をおさめている次第でありますので、県といたしましても、三十二年度もさらにこれを拡充して研究を進めていく予定でおります。 第四はリンゴ産業についてであります。御承知の通り、本県のリンゴの地位は、全国リンゴ生産の七割以上を占めておりまして、三十一年度の生産量は三千万箱に達しております。最近の全国的なくだものの増産と経済界の動向などのため、本県リンゴ産業においては、その生産、販売、輸送、加工の面におきまして、非常に多くの問題が起きているのであります。従いまして、これが解決のため、特に病害虫共同防除施設、傾斜地リンゴ園貯水タンク施設、リンゴ集積倉庫及び冷蔵倉庫、加工事業などに対する国庫補助並びに融資、輸送力増強のための五能線各駅の有効長延長、在貨保護のため五能線及び東北線リンゴ地帯各駅の貨物上屋の整備などの促進方が要望されるのであります。 第五は畜産であります。しばしば冷害の襲来を受けております本県農業の安定経営確立のために、畜産を導入することはきわめて緊急な問題とされ、しかも草地が十一万町歩もある恵まれた条件を持っているのであります。本県の畜産は、有畜農家創設並びに集約酪農地域建設などにより、酪農を中心に急激な発展を見つつありますが、より一そうの推進のために、すでに農林省から指定を受けました十和田集約酪農地域の事業の促進、並びに三八地区集約酪農地域の新規指定促進、牧野改良事業の強力な実施、国有林野と民有牧野の交換整備促進、国有乳牛貸付事業の促進、モデル有畜農家設置事業の推進などを要望するものであります。 次に林業についてでありますが、本県の林野面積六十二万町歩のうち、国有林が面積において七割、蓄積において八割を占めておるのでございます。従いまして、民有林は国有林に対してきわめて少い状況でございます。資源維持のために、森林資源造成事業の高率補助による強力な実施、林道綱の整備、治山事業の全額国費による推進などが要望いたされるのであります。特に海岸砂地造林の造成事業につきましては、県土保全、食糧増産などの見地から、きわめて重要な問題であると考えられるのであります。 第七は水産についてであります。本県は三面海に囲まれておりまして、その漁獲高は年間約五千万貫に達する全国屈指の水産県であります。しこうして近年の沿岸漁業の不振に対処しまして、浅海増殖事業の拡充と沖合い遠洋漁業への転換をはかるため、漁船の大型化が促進せられ、漁港の整備拡充が焦眉の問題とされているのであります。本県における漁港法の指定による漁港数は七十九港でありますが、このうち、漁港法による整備計画に採用されているものは十六港でありまして、そのうち、着工中のものは十港にすぎないのであります。しかも現在の予算規模をもってしては、いずれも早くて五年、その他はいずれも十カ年以上を要する状況にあるのでありますので、これらの事柄を一日も早く改善いたしますように、国庫負担の増額をお願い申し上げたいのであります。そうして青森、八戸、大畑、小泊、白糠漁港修築工事を強力に推進いたしたいのでございます。また漁政関係につきましては、沖合い遠洋漁業への転換を推進することは申すまでもありませんが、沿岸漁業対策を強化いたし、特にそのために浅海増殖事業に対する国庫補助の大幅な増額と、補助率の引き上げが要望されるのでございます。 次に鉱工業関係でありますが、まず鉱工業振興の基本条件であります電力について、県内の事情を申し上げますと、三十一年度需用は約九億キロワット・アワーを見込まれておるのでありますが、これに対する供給は約六億九千万キロワット・アワーでありまして、二四%の不足が予想されるのでございます。これは本県の砂鉄利用工業を初めとする第二次産業の振興を非常に阻害しているものでございまして、この電力の不足を解決するために、県が最も期待を寄せておりますところのものは、現在進行中の目屋ダム発電所の建設、八戸市における火力発電所の建設と、付帯工事としての盛岡・八戸間十五万ボルト送電線の建設、十和田・奥入瀬水系電源の増強並びに今後開発を予想されます十和田電源大規模開発並びに下北電源の開発などでございます。このうち目屋ダム発電所は、国直轄工事である目屋ダム建設事業に付属するものでありますが、現在におきましては補償問題も全部解決をしておりますので、国費の増額による早期完成を心から熱望いたしておるものでございます。 次に鉱業について申し上げますが、これにつきましては、地下資源の開発調査及び鉱山道路について特にお願いいたしたいのでございます。本県の有望な地下資源の筆頭は砂鉄でございますが、これにつきましては、国の援助により目下調査試掘を続けております。今回八戸市に新たに日曹製鋼株式会社の砂鉄利用工場の建設が決定、工事に着手し、また既設工場もそれぞれ設備拡充工事を施行中でありまして、砂鉄の大幅活用が大きく期待されております。さらに石油については、本県は古くから油田層の徴候が見られ、最近におきましては、石油開発公社による県内の油田調査、試掘が実施される運びとなっております。これらの問題につきまして特に国家予算の増額と、その早期着手をお願いいたしたいのでございます。また、これらの資源の開発に付随いたしまして、産業道路の整備の重要なことは申し上げるまでもありません。特に本県は冬季間の積雪という自然条件にもよりますが、その道路の荒廃が著しく鉱業生産物の輸送の降路となっておるのでございます。従いまして、これらの産業道路の整備充実ということは、特に要望される点でございます。 次に、県内の新規誘致適種工業の二、三について申し上げますが、ただいまも申し上げました通り、本県の豊富な地下資源は、砂鉄、石灰石、硫化鉱等でございます。本県の工業発展の方向も、この三つの資源がその中心であります。従いまして、誘致を予想せられる工業といたしましても、当然これらの資源の利用ということが考えられるのでございまして、その関連工業をも含めまして、非常に高度な化学工業と密接に結びついているのでございます。またこれらの資源の賦存が立地条件に恵まれ、また臨海工業地区であります八戸、下北の両地帯の背後地にありますことは、開発上、非常に有利であると考えられるのでございます。現在県が考えております誘致希望適種工業といたしましては、砂鉄、石灰石の利用工業を初め、ソーダ、硫酸工業、天然ガス化学工業、また県内に豊富に存在いたします広葉樹林を活用する木材糖化工業、さら本県特産のリンゴ加工の総合工場及びテンサイを原料とする製糖工場などでございます。 次に建設交通部門について申し上げます。 第一は砂防についてであります。本県といたしましては、昭和八年から治山治水計画を立ててやって参りましたが、県の財政の都合もございまして、遅々としてその仕事が進んでおりません。昭和二十四年から総合治水対策に基いて砂防計画を立て、植林と山地崩壊の復旧に努めて参ったのであります。しかしながら、昭和三十年までの実績は計画のわずかに一〇%でございます。従いまして、これらの大幅な国費の増額と、これによる早急な完成が望まれる次第でございます。 第二は河川改修であります。本県の県費支弁の改修河川は、総数七十三河川、五湖沼でありまして、今まで改修に着手しておるものは、国直轄河川としましては岩木川、馬渕川の二河川、県工事のおもなものとしては、平川、相坂川など、九河川にすぎないのでございます。これらのうちで完成に近づいているものもございますが、四十年の長きにわたっても、まだ完成していないものもございます。そういう直轄河川などの早期完成、さらに岩木川につきましては、右岸囲繞堤と中流部、弘前−板柳間の築堤の早期完成、同じく馬渕川につきましては、中流の夏季出水時の災害が非常に大きいので、三戸町外四カ村の改修完成に引き続いて、新たに国直轄事業として実施されることを、要望いたします。 第三は河水統制事業でありますが、これは先ほど申し上げました目屋ダムの建設事業があげられるのであります。これは長年にわたる県民の念願でありました。年々岩木川の水害に悩まされている災害を防除するために、西目屋村にダムを建設して、同時に米七千六百十石の増産と、一万三千五百キロワットの発電を計ろうとする多目的ダムでございます。現在、補償も全部地元との間には解決しておりますので、国費の大幅な増額と、国費の予算割当の大幅な実施を希望いたす次第でございます。 第四は道路であります。本県の道路の根幹をなしているものは一、二級国道と、これに準ずる八戸−田名部−大間線でありますが、これに主要地方道と一般府県道とを加えまして、道路は八〇%以上が未改良になっております。従いまして、さしあたり一、一級国道七号、四号の二線、これらの全線を舗装、全橋梁を永久橋にかけかえること、二、二級国道五線、特に県内横断幹線道路と見られる八戸−弘前間、三戸−大舘間の整備、これらは特に重点的な事業でございます。三、県道につきましては、そのうち八。%以上が要改良の道路でございますが、これらも早急に補修の必要に迫られておるものでございます。四、八戸−田名部−大間線は木県の根幹道路であり、さらに砂鉄開発道路として重要度が高いものであります。五、青森−十和田線は、国際的な観光道路として重要なものでございますので、その全線舗装が希望されるのであります。なお特に宮城、岩手の両県とともに、山岳地帯の森林資源、地下資源の開発を目標として、奥羽中部山岳を縦断する産業開発道路の建設を計画いたしておりますが、その開発効果はきわめて大きいものと考えられます。 第五は鉄道関係でありますが、これは主として国鉄計画に対する要望であります。その第一は、新線の建設として目下工事中の津軽環状線、特に蟹田−三厩間を早期に完成させること、また砂鉄事業の開発と関連いたしまして、下北地方の大畑から大間に至る大畑線の延長工事と、石灰資源開発のために、田名部から尻屋に至る伊屋線を早期に荒工できるよう要望いたします。また新線の建設とともに、幹線の強化、すなわち、本県の東北、奥羽両線と八戸線の複線電化についても、すみやかに実施いたされんことを要望申し上げます。また私鉄計画につきましては、林産及び砂鉄、鉛、亜鉛等の地下資源の開発上、重要なものといたしまして、弘前電鉄株式会社の目屋線、南部縦貫鉄道株式会社の千曳——三本木間の二線について、特に建設資金の融資措置を講ぜられたいとお願いするものであります。 第六は港湾についてであります。現在国の直轄工事として施行中の青森、八戸の両軍要港及び尻屋、深浦の避難港、そのほか大間、大湊、野辺地、川内の各港につきましても、国費による早期完成をそれぞれ要望されるのでございます。ことに八戸港につきましては、本県のみならず、東北における工業、貿易の基盤として、八戸臨海工業地帯建設計画の核心ともいうべきものでありますので、ぜひとも早期完成を希望いたさざるを得ないのでございます。さらに本県工業港の整備状況を見ますと、大型船の岸壁が非常に少く、八戸港につきましても、一万トンバースの岸壁というものを早急に、私どもといたしましては、要望しておる次第でございます。ことに同地区には、東北電力火力発電所、日曹製鋼工場などが、三十三年度操業を目途として鋭意建設を急いでおり、これに見合う三千トン船舶の航行に必要な港内の浚渫、護岸、防波堤の築造、引込線の新設等のことが緊急に要望されておりますので、これらにつきましては、特に公共事業費の増額をお願いいたしたいのでございます。次に青森港でありますが、同港は北海道の連絡港として、また北洋漁業の拠点として、最もその重要度が増しつつあるところでございますので、本年度着工の一万トン岸壁、堤川地区の桟橋改造については、積極的な国のお力をお願いいたしたいのでございます。 その次は第七、都市計画案についてでございますが、詳細はその中に書いてありますので、青森市の戦災復興事業について、特に国費の増額による早期完成ということを希望いたしたいのでございます。 次に厚生部門でありますが、その第一は住宅の建設でございます。現在約四万戸の住宅が不足をいたしております。また、これは年間不足数の増加約四千戸に対しまして、建設量は二千五百戸前後にすぎないのでございます。この早期完成をお願いいたしたいのでございます。 第二に結核病床の増設でございます。本県の三十年度における結核死亡率は五九・九%という高率でございます。これに対しまして、病床数は全国の中で下位を示しておりまして、入床待機者が四百八十名に達しておりますので、これらの解消をいたしたいものと考えておる次第でございます。 第三は文教施設の整備についてでございます。教育の内容充実の振興策の一つとして学力の向上、教職員の資質の向上等とともに、老朽校舎の改築、僻地集会室の整備等が必要でございまするので、これらを完成いたしたいと念願いたしているのでございます。 以上、きわめて簡単に、早口に、本県関係の重点事業について申し上げたのでありますが、これらを含む全要望事業の総一業費は、農林水産部門におきまして四百二十四億余万円、建設交通部門におきまして三百五十四億余万円に及び、その他のものを入れますと、合計八百六十八億余万円に達するのであります。県財政の現状から申しまして、とうていこれらのことを実施できかねますので、先ほどの宮城県知事と同様に、北海道並みの補助率の引き上げ、公共事業の大幅実施ということを要望せざるを得ないのでございます。 なお、財政投融資による事業について申し上げますと、おもなものでは、農業半日で、リンゴの病害虫防除共同施設、貯水タンクの施設及び集約酪農地域における中心工場の建設があり、林業平門では、木材糖化工場の建設、水産部門では、冷凍、冷蔵、製氷施設があげられ、鉱工業部門では、砂鉄製練を中心とする各種金属工場の新設あるいは整備拡充、及びリンゴの加工施設の整備拡充、私設鉄道の新線建設などがあげられるのでございます。 以上、非常にあちこちかいつまんで申し上げましたが、私の説明を終らせていただきます。
○廣川委員長 ありがとうございました。 次は阿部参考人にお願いいたします。
○阿部参考人 私は岩手県知事でございます。 お手元に「国土総合開発事業推進に関する要望書」という印刷物を差し上げてありますが、私のところは国土総合開発法によって昭和二十七年中に中央の審議会を通過しまして、その計画が昭和二十八年の二月に閣議の決定を受けて、十カ年計画として、総ワクは政府の責任においてきめられておるという経過をたどっております。ところが、今日までの四カ年間のその実施の実績は、全体計画の二〇・二%にすぎません。それは、電力開発等の資金による事業まで入れてのパーセンテージですから、公共事業について見まするならば、わずかに四カ年間一四・五%しか進んでいない状況であります。 そこで、先般行政管理庁から、地方の総合開発事業の監査と申しますか、何だか民間の方々の、河合良成さんを委員長にする査察委員のようなのが十数人でおいでいただきまして、その方々に指摘せられたいろいろな事項は、いずれは政府に正式に御答申があるものと思いますが、その中に、やはりかようなりっぱな計画が、十カ年計画として全部が、しかも閣議で決定せられておるにかかわらず、年次割の年次計画というものが何も保障せられておらぬということは、民間の事業等に携わっておられる方々から言えば、まことにこれはナンセンスであるというふうな酷評もあったくらいなのです。年次計画を立てていただくことが、これを推進するために一番必要であることは、その通りでございますが、しかしながら、今日の政府のやり方等によって、これは相当困難だと私どもも考えております。 そこで第二にあげてあります調整費の問題が、これも御承知と思いますが、ことしの三十一年度から新たに政府予算の中に盛り込まれまして、たしか二十億から要求したのに対して、たった五億しかつかなかったという経過になっているのです。これらの特定地域等の何年間にもわたる大きな事業の、その年々の推進に必要な調整の予算を持つべきであるというので、ことしから、そういうふうにして出していただきましたが、たった五億では、いわば焼け石に水で、とんと意味をなさぬのです。ことに年次割なしに、各省ごとに、勝手にそれぞれの御必要に応じた進み方をいたしていただいているわけですから、そこで、その間にタイミングが合わない、非常に跛行的になっている。そこで、その結果、いわゆる総合開発なんだから、総合的な効果を上げしむるために、必要な調整の予算をというので、ついたのが、たった五億、これは一つ何とか今後は何十億か大きなものをつけて、そうして、その年々に必要なタイミングを合せるための調整をお願いいたしたい、さように存じておるわけでございます。 そこで、この一と二の問題をかみ合せれば、必ずしも年次計画がなくても、実際上はそれぞれ適切なる進み方ができるのではないか、さように存じております。 第三にあげてあります総合開発事業実施に伴う地方財政の特別措置の問題、先ほど宮城県知事もその点をお話しになっておられたようですが、ここに書き上げてありますように、実は国土総合開発法には十三条二項において、別に単行法を出して、国と地方の負担割合を、この特別地域に関する限り、きめる法律的措置ができるという規定がありますけれども、今もって、何年もたっておる今日、その措置をいたしていただいておらないわけです。私のところの北上特定地域について、数字的に割り出したところを申し上げまするならば、ここに書いてあります通り、全体の計画についての国と地方の投資割合、金をかける比率を出してみますと、全体の計画では、国が六三%の金をかけることになっておる。県は三三・二%、市町村は三・八%、それぞれの現行の補助率その他の法律による負担割合が、そういうことで現われているのです。ところが、今日まで四年間やったのについての実際の効果等から割り出してみていますが、岩手県のごときは、実は農林省関係の灌漑排水事業あるいは土地改良中業は相当大幅にやっていただいておりますから、そのおかげで、戦後七、八年間に米の収量が五〇%増というふうな、非常に大きな効果を上げさしていただいておりまして、この点は確かに総合開発計画の目に現われた実績でございますけれども、それからの現われた実績から割り出してみまして、それらの開発の効果というものが国の財政にはね返る方が——これは主として税の関係になると思います。その方が、先ほど申します通り、投資率の六三%の事業について、国にはね返る効果が八二・一%というような、主として国にのみ効果が帰せられるような成績を示しております。県には三三%も負担しておるにかかわらず、二一・六%しかはね返らないというふうな、きわめておかしな、これはシャープ勧告の税制の結果でもありますが、市町村は三・八%の投資率に対して、六・三%の、これは効果のはね返りがある。一番工合の悪いのは県だけでございます。ことにこの事業の主要な内容は、ここにも書いてあります通り、国土保全事業あるいは食糧その他の増産事業、農産開発事業と、ここに表わしておりますが、それに主体が置かれておりますから、それで国土保全事業が総事業費の四九%、それから農産開発事業費は二三%で、これを合せますと、七二%という非常に大きなパーセンテージが、この二つの事業に集中せられておるわけでございますから、そこで、どう考えても、現在国土総合開発法によってきめられております事業の内容は、やはり国本位である。国の開発のためにやられておる。また、そういう趣旨でそれはけっこうだと思います。国の開発のために特定地域を指定して、そこの開発が即国の開発であるという、そういう行き方にはもちろんわれわれ大賛成でございますが、それならそれなりに、その結果、抱き合せになる地方の負担というものと経済効果のはね返りというようなことも、もう少ししさいに検討を加えて、先ほど来申しますような不合理な、おかしな結果にならないように、御勘案をいただく必要があるのじゃないか、さように存じております。 そこで、ここに三つばかり対策みたいなものをあげておりますが、閣議決定の開発計画事業については、北海道に施行せられております公共事業費と同様に、国直轄事業の地方負担分を廃止していただきたい、北海道は百パーセント国がやっておるのですから。それでまた、国庫補助事業に対しても補助率を上げてほしい。そうすれば、だんだんさっき申したような不合理が緩和せられるということになります。 さらに、これも先ほど宮城県の知事もおっしゃっておられましたが、地方交付税の算定に当っては、やっぱりこういう点を考えないといかぬ。今の地方交付税の算定の単位費用の出し方は、現状のデータ本位でやっておって、開発を目的にする、開発後の効果をねらっての算定方法というものがないような現状になっておる。ことしの春以来、多少未開発補正というもので、補正をしていただくようなやり方を自治庁で出しておりますから、何ぼかは改善せられましたが、大体基本的に、少くとも国土保全事業あるいは農産開発事業というものを基準財政需要額に算入して、開発事業に対する地方財政の裏づけとするという、そういう線が原則として出されなければならぬと思うのに、そういうことが現在行われておりません。それをやっていくということによって、負担関係が非常に違ってくると思います。 それから第三番には、閣議決定事業については地方財政再建促進特別措置法による指定事業——実はわれわれ東北は、青森県だけは自主再建ですけれども、ほかは全部再建団体になって、この法律を受けて、そして指定事業のワクを七五%に切り下げるというふうな、そういう建前で進められておるのでございます。これをぜひ、この特定地域については、開発に関係のある公共事業は、かりに再建団体になって、再建法の適用を受けましても、このいわゆる七五%の別ワクとして、高率補助の適用を受け得るようにしていただくということが、これまた非常に重要な問題であると考えます。こういうことさえやっていただければ、今日まで遅々として進まぬこの開発の結果というものの、基本的な欠陥は除かれる、さように存ずるのでございます。 それから第四には、総合開発行政機構がうまくない、そういうことが災いしておりまして、先ほど申しましたような、事業々々のタイミングが合わない。進むものは進んでおる、進まぬものはずっとおくれておる、というふうな跛行的状態に陥っておるということになっておりますので、それらを調整するために、現在の経済企画庁も、国土総合開発法の規定によりますと、いわゆる各省の予算を調整することができる、総合開発事業の建前においては、調整権もあるやに認められるような規定もありますから、もう少し経済企画庁なり、あるいは国土総合開発審議会なりというものの組織権限を、あるいは多少立法の必要もあるのかもしれませんが、現在の制度においても、これを完全に発揮することができますように、これは相当御考究をお願いする必要がある、さように存ずるのでございます。 それから第五番目には、未開発地域における鉱工業開発促進対策の確立の問題でございます。これはその(1)にあります鉱工業立地促進法の問題は、たしか数年前から国会においても、それぞれ御関係の方々によって御検討をいただいておる、さように存じておりますが、今もってこれは何ら立法化せられておらない。こういうふうなことが、まず法によって打ち出されて、さらに第二にありますように、たとえば奥地林道あるいは鉱山開発道路というようなものは現在やっていただいてはおりますけれども、それは要求に応じるほどの大ワクのものでないので、きわめて遅々として進まぬような状況でございますが、これらを非常に大きく建設していただく、あるいは工場敷地の造成とか、工業用水道の建設というふうな、こういう絶対に必要なことは、今の政府予算、公共事業のワクだけでやらないで、あとに書いてありますように、これらのために、たとえば開発公社のような制度を設ける、あるいはそれに必要な開発金融公庫を設置するというふうな、この開発に関する限りは、現在の政府予算だけによらぬで、何かこういうふうな別途の、これも立法措置等を一つお考えをいただくことが必要じゃないか。ことに、ここに東北電力の社長さんもおいでで、まことに申しにくいのですが、送電線の新設のごときは、やはりある需用がまとまらぬと、なかなか電力会社さんの方でやっていただけないもんですから、そこで需用を促進するために、まず送電線を先に作るというふうなことは、これは採算を旨とせられる電力会社さんに無理にお願いすることはできないと思いますので、こういうことをやるための公社が必要じゃないか。現在の国鉄が、独立採算制でペイしないところは、鉄道の新設にかかろうといたしません。また、それは当然でしょうから、やはり公社でやるのは無理かもしれませんが、これは国鉄の独立採算制の問題のほかに、そういうふうな開発鉄道に関する限りは、公私設を問わず、別途の方法によって、あるいは政府予算なり何なりによって、鉄道をまず敷く、送電線をまず先に作る。こういうふうなことは、やはり成り行きにまかせておったのでは、とてもできない。そういうようなことをお考えいただかなければ、今日までのように、総合開発が遅々として進まないという結果を招くのは、当然であるというふうな気がいたすのであります。従って、こういう従来の行き方を改めていただきたい、さように存ずるのでございます。 最後に、集約酪農地帯の育成の問題でございます。これも数年前から、酪農に適地である広大なる草地を有する全国三十一県でございますかで、通観を組織して、ここに書いてありますような草地を開発するために必要なる——名前は何でもいいのですが、たしか草地農業改良法ですか、そういう法律を出していただきたいという要望をいたしておるのですが、今もって行われておらない。ところが、最近農林省で酪農振興法というような、それに対する暫定措置として、一部すでに集約酪農としての実績を有するところにだけ適用するような法律を出していただいて、今それぞれ集約酪農地帯などの指定をいただいておりますが、そういう一部の実績を有するものというのも、現状本位だけでいったんでは、開発にならない。やはり開発するためには、今何でもないところで、草地に適する標高四百なり四百五十のところをさっと洗ってみれば、全国に何でも四百万町歩もあるという、そういう草地についての開発計画を立てる。また、今まで米に対して土地改良事業法があるのに対応して、草地改良事業法というふうなものがあっても当然であろう。今のように米麦本位で、米ばかり食っているから、年々外国食糧に相当の金を払って入れておる。そのようなばかげた状態は、なるべく早く清算しなければならぬ。そのためには、酪農による乳製品の食生活というものを新たに始められるような態勢を作るために、これもまた政府の施策としては、国民に一歩先んじて、そういうふうなまだ手の入っていない草地の改良事業を起すべきじゃないか。そういう適地は、いわば、ほらを吹けば、岩手県などは何十万町歩もございます。それを、今のように世界銀行などまで連れてきて、何か青森県、北海道あたりからぼつぼつやってはおりますけれども、政府としては公共事業として打ち出すべきじゃないか。今もって草地改良事業を、土地改良事業に対応するがごとき重点において、公共事業として打ち出すという方針を聞いたことがない。これは打ち出すべきである、さように私は存じておるのでございますが、そういう点をぜひお考えいただいて、日本の食糧問題を思い切ってやるなら、五年や十年で外国食糧などは要らなくなると思う。しかし、私ここで皆さんに御勘案をいただきたいことは、農林省の人的構成が、少くとも膨大な技術陣容に関する限り、大部分米の技術屋ばかりです。それではだめだ。四百億もの食糧増産対策費を年々払っていて、それで畜産局の予算は二十億か三十億しかない。これはおかしい。そういう点を基本的に国会の御先生方が御検討いただいて、国策を転換していただきたい。これらのことが完成せられれば、先ほど来私が訴えておる、計画の半分も進まない国土開発事業というものは、もう直ちに解決しますから、どうぞお考えをいただきたい。
○廣川委員長 ありがとうございました。 次は大竹参考人にお願いいたします。
○大竹参考人 私福島県知事の大竹作摩であります。 ただいままで青森、宮城、岩手の各県知事さんから、東北開発に対して諸先生方にお願いを申し上げたのでありますが、都島県としても、東北開発に関する要望事項としてお手元に差し上げておきましたので、これをよくごらん願いたいと思うのであります。 私は、まず東北開発の問題に対する概要を申し上げて、お願いをいたしたいと思うのでございます。われわれ東北民は、明治の御一新以来、九十年の長い間、非常に不遇な立場に置かれたのです。明治維新の政府を完成したそのときの人の力によって、東京を中心として、政治なり産業なり文化なりというものは、南へ南へと参った。ために、北方というものは取り残された。従って、まだ未開発の資源もまことに膨大なるものがあります。これはただいままでの参考人から申し述べました通りであります。この際、私は皆様にぜひお願いをいたしたいことは、この東北開発というものは、われわれ東北民を救済していただく、そういうものでは断じてない。国家再建のために、未開発の資源をどうしても国の大きな力で開発をしていただかねばならない、こういう考えであります。 今、東北がいかに後進性であったかということを証左いたしますることは、ただいままでの参考人の方から申し述べられましたように、第一に、膨大なる資源を開発するところの原動力となる電力が東北は今どういう事情にあるか。これは東北電力の社長さんがあとに申し述べられることと思いますが、終戦後五、六年の間に、東北電力で開発されました電源は膨大なものでございます。本県の例をとってみましても、四年前には十二万五千キロの消費電力であったものが、現在は二十五万キロの電力を使っております。なお電気を今必要とされるのが約二十万キロ、これは二十万キロの電気があれば、明日にも工場が誘致されるというような実情であります。これは非常に大きい問題でありまして、現在の近代化学工業は、電気が基盤でありますとともに、いわゆる電力というものは間接に輸出される。あるいはマンガン鉄であり、あるいは珪素鉄であり、あるいはアルミであり、ニッケルであり、かようなる工業に要するところの電力は輸出されるものである。従って、特に大切なのは、東北のような未開発地帯の電力で、これこそが、国家再建のための生産的な電力である。東京に使うところの電力は、概して消費電力である。これはいわゆる電気を原料とするものである。すべてのものが今申し上げましたような実情でありますので、東北開発の一番大切なものは、電力の開発、電力の確保であります。今後只見川の電源開発が完成されまして、これは国家に配分について、どういうお考えがあるか知りませんが、少くとも只見川の電力なり今後東北で開発されるところの電力は、これを全部東北で使わねばならぬ。それが国家の大きなる問題である、私はかように信じております。 その次に、東北としては港湾の整備が必要である。交通網の整備が必要である。東北線の電化、縦貫道路、横断道路の建設が必要である。今、東北に事業を計画される人は、マンガンなり鉄鉱石なりその他の物資を外国から輸入して、港の近くでこれを工業化して、その製品を外国にまた輸出するのであります。そういう観点から、港湾の整備こそ、東北開発に最も大切なものである。と同時に、鉄道というものは、遠距離の旅客と小荷物の輸送で、近くのものは、バスなりトラックなりで輸送しなければならぬ。今申し上げました諸条件によって、東北は非常に不遇でありましたために、ごらんのように道路も非常にみじめな状態でありまするので、東北線の電化とともに、交通網を整備することを大きくお考え願わなければならぬ。 なおまた、今まで各参考人からも申されましたように、未開発の資源が膨大である。本県にいたしましても、南会津の住友の八総鉱山、これは銅山でありますが、これは一鉱床で五百億の鉱物があると私は聞いておるのであります。あるいはその他亜鉛、鉛等、非常に豊富な地下資源があります。これは本県だけでなく、岩手県なり青森県なり、各県共通でありまするから、こうした地下資源を開発するためにも、先に申し上げました港湾並びに道路の整備をお願いせんければならぬ。 もう一つ、われわれ東北民として非常に大きな問題は、国有林の問題であります。さきに国有林が東北では非常に多いというところから、国有林の整備促進法が時限法で出ましたが、これはその使命を果さなかった。即金で納金しなければならぬために、町村が、払い下げても、これを他に転売せんければならぬ。国有林は県なり町村なりに大幅に開放して、そうして、これを全部緑化していく。これが非常に大きな問題である。この国有林の問題に対して、整備促進をいま一度お考え願いたいと思います。 今申しましたように、東北の交通の問題としては、縦貫道路、横断道路、これはどこ県どこ県というようなことは申し上げませんが、国土保全の上から、太平洋と日本海を横断する最もよい地点に、りっぱな道路を建設していただきたい、かように考える次第であります。 今申し上げましたように、地下資源を開発いたしまして、港の近くに工場を作りますためにも、工業用水の問題が非常に大きいのであります。さきの参考人からも申されましたように、この工業用水の整備を強力にお考え願いたい。これは福島県の場合にいたしますれば、小名浜港が、おかげさまで一万トンの船が出入りできることになりまして、小名浜をさして工場建設を考えておられるようでありますが、遺憾ながら、工業用水が十分でない。これは各県共通の問題でありますが、かような観点から、工業用水の整備をお考え願いたい。 それから、これも各参考人から申されましたが、漁港の問題。われわれは今領土を失って、九千何百万という人口が、この四つの島で、お互いに助け合って生きていかねばならぬ。一番大きい問題は食生活の問題である。主食の増産あるいは食生活の根本的な改革、また米なり麦なり今までの主食とともに、漁獲の確保、これがためには、漁港を整備していただかねばならぬと思うのであります。日本のように、非常に人口が多く、領土の狭い国は、やはり海洋に向って進出を考えねばならぬ。そういう点から、漁港の整備に特段の御配慮を願いたいと思うのであります。 なお、岩手県知事から特に強く御要請のありました酪農の問題。われわれは食生活を根本的に改めて、栄養価のあるものをお互いに取り入れていかねばならぬ。そのために、酪農事業を真剣に考えて参らねばならない。そういう観点から、畜産業の振興を、特に東北としてお考え願いたいと思うのであります。 かようないろいろな問題がありますが、要はこれに対する財政上の問題であります。各県とも、地方税財政制度が現在の形においてよいものであるかどうか。こういう点、その責任者の放漫なることもあるかもしれませんが、大体自治体に対する観念が間違っておるのであります。こういう観点から、地方財政の今申し上げましたことを考えまするにも、地方税財政制度を根本的にお考えいただきたい。公共事業費をかりに増額いたしましても、現在の自治体の財政から考えましては、どうにもならぬ実情でありますので、今申しました国家の基本的なものに対しましては、国の責任においておやりをいただくように願いたいと思うのであります。そうでなければ、公共事業としてそのワクが増大いたしましても、これができないのが、現在地方財政の実情であるということを、よくおわかりを願いたいと思うのであります。 以上、各県から申し上げましたのと大同小異でありますが、要は、東北というものは今まで不遇であっただけに、埋蔵しておるところの膨大なる資源を、国家の力で、国家再建のためにこれを世の中に出していただきたい、かような観点から、お願いを申し上げた次第であります。
○廣川委員長 ありがとうございました。 次は内ケ崎参考人にお願いいたします。
○内ケ崎参考人 東北電力社長の内ケ崎であります。どうぞよろしくお願いいたします。 私の方はお手元に「東北の開発と電力」という。パンフレットと、それからもう一冊、当社の最近の概況を書いたものを差し上げてありますから、それをごらんいただきたいと存じます。 これから東北の開発と電力という問題につきまして意見を申し上げますが、中には前の参考人からお述べになったこともありまして、重複するかもしれませんが、一応申し上げてみたいと存じます。 従来東北地方の開発振興のため、先輩が幾多の努力を払われたのでありますが、とかく東北地方の振興とか開発というと、すぐに東北地方の貧窮を救済するというように、きわめて消極的な印象を与えてきたきらいがありまして、その成果も、そのつど龍頭蛇尾に終った感が深いのであります。 今日私どもが唱えている東北の開発は、日本の将来の産業の構造のあり方、ひいては日本の都市人口の解決策にも関連を有するものでありまして、究極的には、日本の経済自立方策にも連なる積極的な性格を持つものであると考えておるのであります。今日東北地方を開発し、広く産業振興をはかることは、すでに国土経営上の大きな要請であろうと思います。すなわち、東北地方の資源を開発し、国土を整備し、ここに大きく工業の振興をはかることは、一つには、すでに社会悪的種々の問題を派生しつつある大都市の人口問題の解決のかぎともなり、また一面には、わが国経済自立助長の一因ともなると考える次第であります。 東北地方の賦存資源につきましては、すでに御承知の通りでありまして、あらためて御説明をいたすまでもありませんが、米穀の産出にしろ、海産物の水揚げにしろ、森林資源にしろ、また各種地下資源につきましても、その種類も数量もきわめて豊富にあるのであります。なおまた干拓適地や、土地改良適地も全国の二〇%程度を擁しておるのでございます。しかしながら、これらの資源は、なお十分に開発されていない現状であるのであります。 私はここ数年、これら東北地方の産業振興上の基礎的な条件である港湾、地下資源、特に石灰石、チタン、砂鉄あるいは農産と肥料、工業用水あるいは電力利用産業等の調査をいろいろやりまして、あるいは官庁の調査にも協力して、そのつど報告書を上梓して、広く御参考に供してきたのでありますが、この東北の資源を活用して工業化をはかることが、新しい意味での東北開発であろうと信じて疑わぬのであります。最近は青森地方に賦存する砂鉄が盛んに採取されるようになって参りましたが、これを大々的にやるならば、今後二十年間くらい鉄鉱を海外から輸入しなくてもよいといわれているくらいで、このことは、直ちに外貨の節約を意味するものであります。 日本の経済再建は、もちろん国際貿易の好転に待たなければならないのでありまするが、今までは、とかくいわゆるドルかぜきに片寄り、輸入の防遏という点に関心が薄いきらいがあったようで、電力の面からいいましても、低廉な電力を、いわゆる出血輸出に引き当てるようなことは、果して当を得ていることかどうか、再考する必要があろうと存ずる次第であります。たとえば、わが国の綿花輸入はなお四億ドルに達しております。これを東北地方賦存の地下資源と電力とを利用して、繊維品の生産に充てるならば、年々相当額の綿花輸入を防ぎ、わが国経済に大きく貢献できるものと考えています。低廉な電力を出血輸出のために消費し、国内資源の開発をゆるがせにしつつ、海外から高価な原材料の輸入をはかるような現在の方針を一変して、東北の電力は、国内資源の開発及びその工濃化に振り向け、国際貿易の重点をあくまで輸入の防遏に向けていくことが、絶対必要と私は考える次第であります。この意味から、東北地方はこの施策に適する残された唯一の地区であり、この観点から、東北の開発をもう一度見直していただきたいと存ずるのであります。 また都市人口の集中、特に東京都の人口の過剰は、年々東北からのおびただしい流入にもよるのであります。これらの大部分は、いわゆるサービス部門に奉仕し、直接生産に貢献している者はきわめて少いようでございます。この過大人口を擁する東京都が、これに対処するために費消する経費の一部に相当する額でも、東北開発に投ずるならば、まさに一石二鳥となるのでございます。すなわち、東北地方に工業地帯が確立せられるならば、東京都への人口の流入を防ぐのみならず、その分散をも助ける要因となり、同時に、わが国の自給度の向上により、国際収支の改善にもなるものと考える次第であります。 さて、東北地方の産業立地条件でありますが、賦存資源は申すまでもなく、土地についても、労働力についても、他地区に劣らぬものであります。工業用水についても、施設さえ加えれば、その量、質とも申し分のないところが多いのであります。港湾も、地理的には米国と最短距離にあるのでありますので、その整備をはかることにより、利用度の高い良港となることが期待される次第であります。 さらにエネルギー源としての電力であります。東北の包蔵水力は五百五十万キロワットといわれておりますが、すでに二百二十万キロワット開発されておりますけれども、なお三百万キロワット余は残されておる次第であります。東北電力も、再編成後すでに四十万キロワットの水力を開発し、供給能力は、会社発足当初の一五〇%、百二十万キロワットに及んでおり、現在は水力地帯の特色として、その料金も全国の最低位にあります。しかも、料金制度も率先して一本料金制とし、産業振興に最も適する形態としてあるのであります。その結果、最近における産業用電力需用は激増を来たすに至り、今年上期においては、対前年同期の一三〇%で、三〇%増加いたしております。全国の増加一二二%よりはるかに多いのであります。このため電力の需給は相当窮屈になって参っておりまするが、新たに五カ年計画を立てて、前述のごとき産業需用に対応する処置を講じつつある次第であります。この電力需用の激増は、一つには東北電力の遂行してきた東北の水資源の早期開発にかかっており、この点から東北振興の一契機をなしたものと言い得ますが、今後とも残された水力資源の開発とあわせて、これらの電力を、利用産業の負荷に調和させるため、新たに新鋭の大火力発電所も計画いたしまして、将来とも東北地方の電力の優位性を維持したいと考えておる次第であります。幸い、すでに水力発電所においては、他地区に見られぬ大きな調整力を有しておりますので、今後新鋭火力をベース・ロードに挿入しても、燃料費は北海道に近く、他地区より割安な発電原価で、能率的な運営ができるようになっておるのでございます。従いまして、電力料金問題についても、東北開発の趣旨に沿って、振興に寄与するように解決していきたいと存じておる次第であります。 以上、東北総合開発についての私の考えを申し述べさせていただきましたが、電力拡充計画の推進につきましても、資金調達を初め、いろいろ御理解、御援助をいただかねばなりませんので、何とぞよろしくお願い申し上げまして、終りたいと思います。
○廣川委員長 ありがとうございました。 次に蓮池参考人にお願いいたします。
○蓮池参考人 私は東北興業の蓮池であります。お手元に「会社の現況」という大型の薄い印刷物と、もう一冊黄色い表紙の「東北開発殖産興業企画概要」というのを差し上げてございます。どうぞごらんいただきたいと思います。 私は、前々国会から前国会にかけまして、当会社のことについて、国会におかれましてもいろいろ御審議、御検討をいただき、多大の御支援をいただいておることを、重ねて御礼申し上げなければならないのであります。おかげさまで、社業は目に日に建ち直りまして、現在闊達に動いております上に、御計画を御了承いただきましたセメント事業につきましても、ドイツとのしさいの協定が進みまして、主要機械は来年の六、七月に輸入にかかりますので、それに歩調を合せて仕事を進行しつつある次第であります。 今回お呼び出しになりまして、東北開発についての意見を申し述べろということでございますが、それにつきまして私の立場から御説明申し上げるわけでございますが、もうすでに御存じの通り、東北開発の問題は、しばしば歴史上問題になってきたところでありまして、各県知肝さんからもいろいろその経過を端的にお話になりましたから、私がちょうちょうと繰り返すまでもないところでありますが、昭和九年の大冷害を契機として、東北救済ということが政治上の大きな問題になり、その実を結んだのが東北救済案でなくして、むしろ東北開発案であったということも、事実であると申し上げても過言でないと思うのでございます。当時非常に大きな角・度として、電源開発、電力確保の問題で、東北振興電力株式会社が創設せられ、それが現在の東北電力に相なっていることも御存じの通りでありまするが、それと両立いたしまする両翼の会社として、できましたのが、東北興業株式会社でございまして、創立後十年間、戦時経済の中で闊達に仕事をして参りました。 そういうことから、東北開発のスケールが、その当時どういうふうになっておっただろうということを検討してみておるのでありますが、東北興業株式会社だけの窓から東北開発がどうなってるかということを見ますと、終戦の当時、当会社が投資をし、育成しておった東北地方における会社の数は、約百に近いのであります。九十九まで数えております。そうして投資いたしました金額は、大体当時の資金で一億でございます。ただいまの資金の換算率から申しますと、七、八百億になると思います。それだけの資金の事業投資をして仕事を進め、甘に近い関連事業を起して参っておったのでありますが、御案内の通り、戦時経済の推進過程において活動して参りました当社の業績としては、戦時経済の転換と同時に、いずれもが苦難の道に立ち至ったのでございます。その間、もちろん中には、有力な会社として、東北開発の、東北における事業体として、決して遜色のない大会社もたくさん現在存続しておるものもございますけれども、数多くの中では、ことに戦時経済の中に入り込んでおる程度が深いほど、立ち上りが困難に相なったわけでございます。それに加えて、占領政策の影響等もございまして、いるいろ東北興業の存在それ自体についても批判を加えられました。集中排除法の適用、企業再建整備法の適用ということで、これらの関連する会社のつながりは、ほとんど分断せられたのでございまして、ただいま私どもの方において、その当時からつながっておる会社で、現に活動しておりますものは、ようやく十を数える程度でございます。しかも当時二億、現在八百億と換算せられまする資金が、御案内の通り、政府の法人に対する財政援助の制限に関する法律が占領政策過程において制定公布せられたのでありますが、あの法律によりまして、この開発計画を進めるために必要な当社の資金源は、ことごとく遮断されたのでございます。当社は、資本金の五倍に達する社債を発行いたしまして、その発行社債について、は、政府が元本も、利息についても、支払い保証をしていただいてきておったのでありますから、その当時それだけの資金源が獲得せられて、投資の機能を十分に果して参ったのでございます。それが完全に遮断されてしまったのでありますから、関連する各会社を資金をもって支援するということは、とうてい不可能な状態になりましたのみならず、直営しておりました二十数種の事業も、これまた集中排除法等の関係もあり、企業整備の関係もありまして、手を放したものが多いのみならず、それらの事業について、新しい観点から資金を補給して事業を推し進めるということも、不可能に相なった次第でございます。 そういうことで、長いこと占領政策当時は、東北興業を何とかしなければならないという問題は、東北の声でございました。私も東北に職を奉じまして、地方の行政に携わった経験もございますが、その当時この東北興業の問題は、これを何とかしなければならないというよりは、資金源がとまったという大きな丸山は十分承知しておりながらも、東北興業というものを、むしろ資金上推してくれないということで、怨嗟の的にするという傾向さえ生じて参っておったのでございます。しかし、東北の開発をこの現状に置くことは、どうしても忍びないというので、必ず国がある程度手を伸ばしてくれることをわれわれは待つ、時を待つよりほかないということで、東北興業株式会社は現在に至っておるのでございます。当時発行しておりました当社の社債は、一億三千万円でありますが、この間十年間非常な無理をし、苦心惨たんをして、代々、各責任者が悩んで参ったところでございますけれども、幸いにして、現在においては、国の元利保証に基いて、社債の八割方を期限通り完済いたしまして、あと明年度一ばいで、残りの二割程度が完済せられる運びに相なったわけでございます。その岡、直覚しております事業を、新しい体制で固めて今日に参っておりまして、この現況にありますように、木友亜炭鉱業にいたしましても、福島の肥料工場にいたしましても、経営の基本線はようやくコマーシャル・ベースを確保いたしまして、経営の安定線にようやくたどりついておるというのが、現状でございます。 私が前提として、かようなことを申し上げて大へん恐縮でありましたが、こういうことから、東北開発の問題をよく考えてみますと、各県知事さん、それから東北電力の社長さんの御意見がありましたように、私どもは道路、鉄道、港湾、河川等の交通網を整備する問題や、発電、潅漑、砂防、工業用水等の水資源利用の些末問題や、それから土地改良、水面の埋め立て、もしくは干拓、林野の開墾もしくは林野の事業化等の大きな問題、こういう問題につきましては、どこまでも国の一般施策が促進せられるということが前提となって、東北開発政策が立っておった。特にその中で、国直接よりは、事業体にやらせる方がいいということで、電源開発確保の問題と殖産興業の問題とが、特殊の会社を設けて、国がうしろだてとなって仕事をさしていくという体制になっておったのでございます。そういうことから申しますると、私どもが今ここで申し上げるのは、殖産興業の問題に要約せられると思うのでございますが、その殖産興業計画につきましては、この過去の十年間におきまして、各県知事会議で寄り合いますと、いつ、でもこの問題を何とか具体化していかなければならないということで、長年検討して参りました。低迷する十年間、検討いたしました結果が、二十九年に知事及び各県の議長さんの合同会議で、殖産興業企画は当面かくあるべしという結論をお出しになり、それを政府にも御提出に相なって、これらの仕毎の具体化をはかってもらいたいということに相なっておるのでございます。その意図を受けまして私どもとしては、その事業化をはかるべく、年々現在持っておりまする会社の力で、可能な限りにおいて、計画を進めて参っておるのでございまして、現在はセメントの事業は、すでに御承認を得て具体化に入りましたが、本年度においては、新たなる計画として、政府にぜひお願いしなければならないと申し上げておりますことは、木材の利用工業の推進と、それから水産倉庫事業の問題と、それから肥料工業の拡充、既存事業で基礎になりまする亜炭事業の問題等でございます。これらの仕事は、現在当面取り上げていかなければならない仕事でございます。しかし、この東北開発の大きな問題を、一体殖産興業企画を孤かります当社で、いかに考えるかということになりますると、どうしてもこれは、一つは、いかに東北が半ば開発せられた地帯でありましても、公共施設だけでなくて、殖産興業企画もあわせて進めなければならぬことになるのでありますが、しかし、この公共中業の推進、基本条件の解決ということが、殖産興業企画とやはり結び合って進めなければならぬ部分も多々ございます。そういう意味からして、東北の公共施設の現状、それに立脚して、殖産興業企画というものは、どの程度取り上げ得るかということを問題にしたのが、この殖産興業企画の第一次五カ年計画でございます。 それから公共施設、広い意味の公共施設は、総合計画を進められていきます過程において、五年後にいかにあるべきか、いかなるところまでいくべきか、その状態をにらみ合せて、次の五カ年計画を勘案しなければならないという構想でできておりますのが、この第二次五カ年計画で、大体十年間の殖産興業企画を意見としてお出し申し上げておるわけであります。この中で今年度取り上げておりますものは、木材利用工業でございます。東北の森林資源と木材との関係を調べてみまして、日本の森林の生長量を検討いたしますと、九州と東北、東北と北海道では生長する比率が違っておるそうであります。ところが伐採されておる現状から申しますと、東北においても、針葉樹はほとんど全国平均の伐採率に匹敵するのでございます。ところが広葉樹になりますと、この伐採率は全国比率よりはるかに低いのであります。それほど東北においては広葉樹資源が非常に多いのでありますけれども、広葉樹資源の利用は非常に進んでおりません。もちろんこれには道路の関係もございますけれども、しかし殖産興業の企画が進んでおらないことも、その一つの大きな理由に相なっておるかと思うのであります。治山治水の問題から考えましても、東北の針葉樹の伐採率を、九州、中国地方と同率にまで進めておるということが、これが治山治水の根本問題からいっても、非常に大きな問題であろうと存ずるのであります。そこで広葉樹というものを、針葉樹と同じ用途に使う化学工業を興したらいいではないかということで進められて参りましたのが、今目ぼしいものとして、は、名古屋、東京、それから計画せられておるものとしては、秋田、福島等にいわゆるハード・ボード計画があります。しかしこれらの事業はきわめて伸びがおそいのでありまして、しかも用途から考えますと、非常に大きな用途が予想せられるにもかかわらず、生産量は今のところでは一万トン、計画で二万、五千トン、実績で大体一万四、五千トンが予想せられておる次第でございます。かようなことでございますから、東北地方の広葉樹を、この上利用し得る限度がどれほどであるか、現在の基本施設で活用し得る限度がどれだけあるか、その限度で事業を興してみたいというのが、木材利用工業計画であります。 水産倉庫事業計画の大体の冊子は、三陸の漁場をほんとうにわれわれ国民経済のものにしてみたいということであります。御存じの通り、先ほど宮城県の知事さんからの御説明がありましたが、いわゆる三陸漁業の豊漁に関連する大漁貧乏の問題でございます。昭和二十九年度と三十年度の比率を見ますと、さんまの漁獲だけ比較いたしましても、その単価と、とれた分量をかけ合せますと、昭和二十九年度と三十年度とでは非常に大きな漁獲高の相違があります。三十年度が非常に大漁でございました。しかし、大漁でとれた全数量を、その年の単価にかけますと、非常にとれなかった年の数量を、その年の単価にかけたよりも、はるかに総金額は少いのでございます。この一事でも、いわゆる大漁貧乏がどれだけ農漁村にこたえているか、わからないのでございます。また、その漁獲資源は、われわれの栄養食の食ぜんにも上らなければ、また工業原料にもなりません。これをとれるだけとって、とったものを、あるいは硬化油等にして工業原料にする、また適切なものについては、加工を加えて食ぜんに上せ、いわゆる大衆食糧にこれを加工していくということを実行いたしまするならば、沿岸における漁業組合、その他中小企業でやっておりまする加工工業というものに、原料を補給して続けていくことができますから、この三陸漁場が、東北の力で、完全に日本の国富に直接つながるものになる。こういうことをぜひ実況させていただきたいという事業を取り上げておる次第でございます。 その他化学肥料の問題になりますると、東北では、化学肥料の資源は多々あるわけでございますが、単に資源があるから、化学肥料をこれ以上進めたいというのではございません。御案内の通り、米の品種の改良ということでも藤坂五号が非常に問題になるのでありますが、藤坂五号の品種がどういうことででき上っているかということを検討してみますと、従来は適地適作、気候、風土、土壌に合わした品種を選んでいくのが観点でございます。しかし、藤坂五号が取り上げられて、大きな価値ある状態になっておるゆえんのものは、あれは化学肥料の進歩に合せて品種を選んだということでございます。それほど日本の農業は、土地が改良せられ、また品種が改良せられ、そうして収獲がふえていったということもありますけれども、化学肥料の進歩、化学肥料の施用方法の進歩ということが、農業生産上大きな効果を持っていることも、見のがすことができないのでありまして、品種の改良それ自体が、すでに化学肥料とマッチした品種を選ぶということまで、農業の技術が進んで参ったという現状を見ますと、どうしても適期適配の必要な肥料を東北において確保するということが、これまた東北の農業推進のための一大重点であると考える次第でございます。もちろん、この化学肥料は、燐酸系肥料と尿素系肥料になるわけでございまして、その他の工業は東北においてもある程度実現せられております。当社においても、石灰窒素をやっておるような状態でありまして、むしろ非常に片手落ちになっておりますのが、燐酸系肥料と尿素系肥料であると存ずるのでございます。しかし、この実現は、先ほど来問題になっておる電力との関係もございますので、来年からすぐにこれに飛びついていくというわけには参りません。しかし第一次五カ年計画が推進される間に、これはぜひ具体化していただきたいという考えで、実行をいたしておるわけであります。 この殖産興業企画の全部をごらん願いますと、ディテールをおわかり願えると思うのでございますが、先生方に対してどういうことをお願いするのかと申しますと、これは法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律によって閉ざされておる当会社のいわゆる法律上の特権と申しますか、そういうものを、どうしても復元していただかないと、これだけの興業企画をお預かりして推進するということが、非常に至難なことになりまするので、その点を、ぜひこの際、東北開発を進めるして、具体的に取り上げて御検討をいただきたいということが、この小冊子の十六ページ以降に詳細に載せてございます。また事業の計画についても、資金措置その他について具体的な計数もあげておりますので、御高覧いただければ、大へん仕合せと思う次第でございます。 かくいたしまして、東北では、この五カ年計画に盛っております事業は、ほとんど知事、議長合同会議の結論になるものを当社が直営で取り上げるものと、しからずして、地方計画、民間計画というものの援助を盛り立てるべきことも、計画の中に織り込んでございますので、その点も一つ御了解をいただいておきたいと存ずるのでございます。知事会議で集約せられました十八種目の事業というのは、当面取り上げていくために、各県で一致した一つの事業計画でございまして、各県になりますれば、まだまだ事業計画はたくさんおありになるわけであります。私どもも、その問題に目をおおって進んでいくわけには参りません。やはりそれに取り組んで、進んでいかなければならぬと存じておる次第でございます。 当社は殖産興業を目的として進んでいく会社でございまするが、この事業の推進に当りまして、政府が東北開発のために、こういう事業をやることが必要であると認められた場合には、必ずしも東北興業がコマーシャル・ベースでやっている仕事でなくても、政府の御命令によって事業を具体化して、いかなければならない使命を持っておりますので、その点もお含みの上で、一つ全体の企画を御勘案いただくことを、この東北開発をになっていく一翼として、ぜひ御考慮いただきたいとお願い申し上げる次第でございます。 大へんかいつまんで、しかも当社のことが中心になりましたが、立場上さような御説明になりましたことを御了承願いたい思います。なお興業企画案は、こまかく御説明申し上げることは、むしろ御遠慮いたしましたが、御高構覧いただけば、大へん仕合せと存じます。
○廣川委員長 以上で参考人の意見の開陳は終りました。 次に、委員より質問したいとの希望がありますので、順次これを許します。松田委員。
○松田(鐵)委員 青森県の副知事にちょっとお伺いいたしますが、あなたの県の水田はどのくらいですか。それから果樹を除いた畑地が幾ら、それから、これから開拓さるべき面積はどのくらいあるか、これをお知らせ願いたいと思います。
○横山参考人 水田は七万町歩でございますが、そのほかの資料は今手元に持ってきておりませんので……。
○松田(鐵)委員 大体でよろしゅうございます。
○横山参考人 それでは、今すぐ調べさせまして、御報告申し上げたいと思います。
○松田(鐵)委員 それから、先ほどちょっと聞き漏らしたのですが、ビートの試験地を何カ所作っておりますか。
○横山参考人 九カ所作っております。
○松田(鐵)委員 反収はどのくらい……。
○横山参考人 一反歩で八百貫。
○松田(鐵)委員 糖分はどのくらい……。
○横山参考人 二〇%でございます。これは北海道大学の教授の御指導でやりまして、つい先ごろその結果を集計いたしたのでありますが、北海道と大体同一であるということを承わっております。
○松田(鐵)委員 そうしますと、これでビート工場でもできると、どのくらい作付が可能でございますか。
○横山参考人 大体上北の辺を中心として、四万町歩くらいはあるということであります。
○松田(鐵)委員 もう一つ、砂鉄が非常にたくさんあるということですが、これは図面にもあるのでありますけれども、この埋蔵鉱量は大体どのくらいあるのですか。
○横山参考人 埋蔵鉱量は今までいたした調査だけでは約四千万トンと言っていたのてすが、最近は少くとも一億トン——御承知のごとく先ごろの調査団の店では、四億トン以上あるというようなことでございました。
○松田(鐵)委員 そうすると、現在の層の深さはどのくらいのものが多いのですか。
○横山参考人 私ちょっと詳細なことを承知しておりませんですが、もし必要でございましたら、あとで書面でお答え申し上げます。
○松田(鐵)委員 それからもう一つは、これは東北興業株式会社にお尋ねいたしますが、ここの中に亜炭鉱業というのがありますが、亜炭がどのくらい各県に埋蔵量があって、どういうものに使われておりますか。
○蓮池参考人 御説明申し上げます。亜炭の分布を申しますと、私どもが今手をつけております山形が、品質の点からいいますと、一番まとまっておって、高いのでありますが、裏日本各県がありますほかに、岩手、福島等も相当量ある見込みでございます。
○松田(鐵)委員 それはどういうものに利用されて、おるのですか。
○蓮池参考人 ただいまは亜炭の選別と申しますか、いわゆる製錬の技術が進みまして、非常に用途が多角的になっておりまして、主として工業用燃料に回しております。私どもの抱負としては、これをセメントに生かしたいと思います。セメントですでに生かしておるのは、オーストラリアがそのまま生亜炭を使っておりますが、まだ日本では使った例がございません。それからもう一つは、亜炭を地下埋蔵のままでガス化する方法であります。この二つを今取り上げて、研究調査をいたしております。それから東北の埋蔵量で一応調査したものを申し上げますと、八億一千万トンと出ております。
○松田(鐵)委員 それから、先ほど来各知事さん方が非常に力説されております、電力が非常に不足であって開発がおくれておるという御意見でありますが、電力は東北が一番安いし、二百万もできておるのですが、これは全部東北でお使いになっておるのですか。
○内ケ崎参考人 お答えいたします。ほとんど全部東北で使っております。もっとも今東京電力との契約がありまして、一カ年に一億六千万キロワットというものを東京電力に送っております。この一億六千万というのは、全体の中から言えば、わずかなものであります。
○松田(鐵)委員 これからの計画はどのようになっておりますか。
○内ケ崎参考人 先ほど申し上げましたように、水力をこれから手をつけますと、どうしても三年やそこらかかります。そこで、水力では、とても間に合わないということで、現在計画いたしておりますのは、青森県の八戸火力に十五万キロワットの計画を立てております。最初、そういう計画はもっとおそくやるつもりでおったのですが、需用がとても伸びまして、どうしても追いつきません。それで、水力では間に合わない、すでに計画された発電所工事も進捗しないというようなことから、八戸を急速にやることになった。これは三十三年七月から七万五千キロワット、それから十一月から七万五千キロワット、合計十五万キロ、それだけ出力が増加するわけでございます。
○松田(鐵)委員 現在二百万ですと、二百十五万くらいにしかならないのですか。
○内ケ崎参考人 現在のロードといたしましては、百万キロワットがロードです。水力は百二十万キロワットあるのですが、水力は御承知のように、年がら年じゅう出ないので、水が減りますと、発電力が減退するということで、そのほか買電を合せまして、百万キロワットくらいの需用に応じて、多いときには百七、八万キロワット、百十万キロワットくらい出たこともあり、需用が非常に伸びております。と申すのは、結局東北の富力が安いのです。安いものだから、ほかの地区でやるよりも、ここへ集まっておるのですが、先ほど来皆さんからお話がありましたように、ほかの立地条件はあまりよくない。それにもかかわらず、需用がほかの地区以上に伸びておるということは、電気が安いということが原因をなしておるわけで、皆さん方は御要望をその通りに述べられておるのだから、どんどんと電力を開発して、もっと供給力を増してくれという先ほど来の御要請に沿うべく、われわれといたしましては、てきるだけ手を打ってすみやかに開発を進める、こういうことで、八戸火力もやります。しかし、三十四年度にはまたすぐ足りなくなるのです。それで、その分として第二火力を近くやろうとして、今計画を進めております。そういうようなことで、一応の五カ年計画というものは立てておりますが、そのときの情勢に従って、時々刻々それに対応するような計画を進めて参りたい、こういうふうに考えております。
○松田(鐵)委員 北海道も終戦後非常に足りなかったのですが、努力によって、どうにかこうにか今やっておる。それでもまだ三十万やそこら足りないのですが、しかしあなたの方の内地の方、東北は北海道よりずいぶんよかったのですけれども、どうしてそういう工合に足りないのですかねえ。どんどん開発されたらどうですか。金ならば幾らでもあげますが、どうですか。
○内ケ崎参考人 大へんけっこうなお話でありますが、ただいま申し上げたように、どんどんやっておるわけでありますけれども、私の方はやはり非常に足りなかったのです。再編成直後は、おそらく制限を加えた一番筆頭だったでしょう。それを、先ほど申し上げたように、全力をあげて、主として只見川の地点を開発いたしまして、ようやく三十年のころに追っつくはずだったのです。ところが別の条件が現われたのです。ということは、電力料金が非常に安いということで、よその地域でやってもよい仕事を、安いがゆえに、東北に集中してきたわけです。それですから、計画をどうしても変えざるを得なくなったわけで、東北に来ていただくのは大へんありがたいのて、一つどんどんとやるつもりでありますから、ぜひとも御援助いただきまして、金をどっさり集中していただきたいと思います。
○松田(鐵)委員 委員長は、今年の夏東北の方を調査に行かれまして、こういう結論を出しておったようです。東北の開発で何よりも大事なのは電源の開発だ、電源の開発なくして、東北の開発なんかできるものではない、電源の開発会社が一番サボっておるのだ、東北の開発なんてあれは二、三年後だよというようなことを言っておりましたが、これは率直な話だったのです。一年かかって各知事さんがこうして努力されておることについても、委員長の意見からいけば、一番の責任はあなたの方にある。これは大へんな責任ですね。東北興業だって、あなたの方の電力が豊富になれば、先ほどの抱負もどんどん生きていくことだろうと思いますけれども、総裁一つしっかりやってもらえませんか。理屈さえ立ってくれれば……。
○内ケ崎参考人 電力の開発はどんどんやりますから、一つ援助の方はよろしくお願いいたします。
○横山参考人 今手元にあります資料だけでは、あるいは多少違っておるかと思いますが、青森県の耕地面積が、田は七万町歩、畑の方は四万七千町歩、それから開拓の選定地が二十九年の統計では四万九千町歩、砂鉄は大体先ほど申し上げました通りであります。
○松田(鐵)委員 よろしゅうございます。
○廣川委員長 それでは竹谷君。
○竹谷委員 今松田委員から質問がありましたが、テンサイ、いわゆる砂糖大根のことをちょっと伺いたいと思います。それは東北四県の知事がきょうはお見えになって、各県ともテンサイの試験を熱心におやりになっておるようであります。今、青森県のお述べになりましたところによると、反収が八百貫で糖分が約二〇%、こういう試験の結果であり、将来有望である、こういうお話でありますが、この夏委員長と私でお伺いいたしました際に、試験地等を見たのでありますけれども、そのときの様子では、一千五百貫くらいとれるのではないか、このように、八月の中旬でありましたが、見受けられた。これは青森県だったと思いますが、フジ精糖ですか、静岡県のその精糖会社の試験地のテンサイの発育状況はすばらしくよかった。それが病気もつかず、うまくいったとすれば、八百貫くらいの反収ではないのじゃないかと思うのですが、この点どうでありましたか。なおまた福島県、岩手県等の知事さんにも、このテンサイの試験の結果はどうであるか、また東北の将来の重要な産業として、この砂糖大根の栽培はどういう見通しであるか、今までの試験の結果に基いて、またそれに基く研究によりまして、どういうお考えであるか、それぞれお伺いいたしたいと思います。
○廣川委員長 ちょっと横山参考人に申し上げますが、あなたの資料は古いのではないですか。われわれが聞いておりますフジ精糖の本年の作柄の資料は、もっと上回っておるように聞いておりますが……。
○横山参考人 あるいはお話の通りかと存じます。技術的に非常にかたく、私どもの方の技術陣が考えた資料を私によこしたかとも思います。その点は、ただいまの委員長のお話の方が、あるいはほんとうかとも存じますが、北海道並みであるというので、自信を持ってやってもいいのじゃないかというような気持が、現在技術陣の間にも出ていることは確かであります。そのことを申し上げて、褐斑病その他につきましてもさしたる心配はなかった、こういう報告を受けております。
○大竹参考人 テンサイの栽培の問題でありますが、福島県もこの出題に非常な熱意を持って今研究いたしております。特に那須山麓、矢吹、白河を中心とするところの阿武隈山系、そういう地点にテンサイを栽培して、今研究しております。
○阿部参考人 岩手県は、今年初めて農林省から配付になりましたものを二町歩くらいしかまだ耕しておりませんから、試験の結果が出ていると申し上げかねます。
○竹谷委員 福島県知事にもう一言質問したいのですが、先ほど申し上げたフジ精糖が、青森県ではなかなか成績がよろしい、病虫害もなかった、こういう結果を得たが、宮城県の蔵王山麓ではちょっと問題がある、こういう報告を、電話ですけれども、フジ精糖の本社から受けたのであります。これは来てもらってそのうち詳しく事情を聴取するつもりでありますが、宮城県の蔵王山麓と同じか、それよりもなお暖かいであろう福島県の阿武隈山脈筋等における試験は、もっと褐斑病等の病気の危険があるように思うのですが、その点について知事さんは試験場からどういう報告を受けておられるか、もしわかったら、お述べを願いたい。
○大竹参考人 ただいまの御質問でありますが、その試験の結果は、まだここに用意しておりませんので、文書でお答えいたします。
○竹谷委員 それでは知事さんの参考人の方々にお願いしたいのでありますが、今までのテンサイに関する試験の結果を、当委員会の委員に印刷物にでもして届けて下さるように、委員長から御高配をお願いいたします。
○廣川委員長 参考人の方にお願いをいたします。
○鈴木(周)委員 ただいまテンサイに関するオーソリティのお話を聞き、大へん心強いと思いますが、これに対して各県の知事さんにお願いいたしたいのです。昨年から東北六県の各知事さんにお願いし、種を上げたり、あるいは試作をお願いしたりしておったのですが、その報告がまだ私の手元に参っておりません。来月の半ばに、この前も集まっていただいた技術者の二、三人の方々においでを願って、基本的な連絡をしてみたいと思っておりますが、その場合においては資料を二、三十部ずつ、委員の方にも差し上げなければなりませんし、その他の各製糖会社にも参考として上げてみたいと思いますから、ぜひそれをいただきたいと思います。 その次に、テンサイを栽培し、増産する意味において、皆さんがどういうことをお考えになっておるか知りませんが、私どもの手元に集まっておりましたのでは、北海道のテンサイの大体の平均反当りは六百十八貫、それから砂糖が大体七十八貫目とれると思います。そうすると、テンサイの一貫目当りが十九円七十銭、こういうことから、農家の手取りが、一反歩当り一万二千百七十五円になっておる。ところが消費税が非常にかかって、一貫目当り百七十五円。それで消費税が一反歩当りどのくらいかかっておるかというと、一万三千六百五十円という数字になる。こういうように消費税がかかっておるのは食品としては非常に珍しい。澱粉の砂糖などにはかかっていない。しかるに、これだけに一万二千百七十五円の収穫量に対して、政府が一万三千六百五十円という金をとっておるのでは、テンサイというものは、ほんとうに天災をこうむる。北海道農民は困ると私は思うのだが、知事さんあたりは、そういうことをどうお考えになっているか。これを還元する方法は、国家の財政資金としては二十五、六億だ。これをやりますれば、輸入は少くても済むし、農家経済にとっても、私は悪い土地がよくなると思うのであります。こういうことを実は私は長年考えて、酪農を続けておるのですが、こういうことを皆さん考えてみたことがあるかどうか。この消費税の問題を解決すれば、テンサイというものは相当よくなるのではないか。手元にはございませんが、税金を貫当りにしますと、テンサイ糖は米国では十五円九十四銭、英国では十七円、それから西独では八十五円六銭、仏国はゼロ、日本では百七十五円、こういうように、海外のものを見ておると、東北六県は高率ではないかと思いますので、これは一つ御研究をお願いしたらどうか。それには第一に、土地の当面の利用ということを東北開発で一番考えなければならぬ。港湾であるとか、電力という基礎のものは、当然公共的事業でやらなければならないけれども、人口の移動を防ぎ、あるいは中央に集中するものを土地に残す上において、また土地の利用からいって、こういうことを一番先に考えてみたらどうか。これに対する御研究をお願いしたい。これを一つ申し上げます。お願いかたがた、自分の意見を加えてまことに済みませんが、その点御了承願っておきます。なお酪農その他の問題に対しては、おわかりのことと思いますから、質問もいたしませんが、この点については、そう御配慮を願うようにお願いしておきます。
○竹谷委員 私もその点は、東北各県の知事におかれて、特に百万トンも輸入しておる砂糖でございますので、これを国内で自給ができれば、国際収支に資するところ非常に大きいから、大いに研究をされて、このテンサイ栽培を進めていただきたいと思います。 次に岩手県知事にお伺いしたいのですが、ただいまお述べになりました中に、公共事業の国家の投資比率に比べて、財政のはね返りが国庫に多くて、県なり市町村には少い、だから、もっと国庫の負担割合は多くしてよろしい、こういう陳述がありました。投資比率が国が六三%形であるのに、財政上のはね返りは八二・一%になる、このように国家の方が大いに得するのだ、こういうお話でありますが、この財政上のはね返りが国庫に非常に大きくくるというのは、どういう資料に基いたのであるか、あるいは御県において調査研究の結果、こういう比率が出てきたのであるか、それを伺いたい。
○阿部参考人 これは岩手県だけの実績で調べた結果、出たのであります。それから、ただいま御指摘のはね返り八〇%というふうなお話でございますが、それは、ごらんいただけば、少し違うのですけれども、国土保全事業と、それから食糧増産事業というものが、大体国本位のものであるというときには、先ほど申し上げましたように七〇%、そういう見地で計算ができる。それからはね返りの方は、それほど多くはないのです。これは主として、固定資産税なり、あるいは所得税なり、事業税なりという、そういう増産から上るものが、国に収入する金額として計算した場合のパーセントであります。主として税です。そのはね返りの方は、ここに出ております通り、八二%です。これは主として税だけで、勘定しております。どこもそうとは申しませんが、岩手県で過去四年間の実績から調べ上げたものが、こういうパーセンテージが出ておるということであります。
○竹谷委員 これは岩手県だけの調査のようでありますが、このお配り下さった御県の要望書の第二ページにあります財政へのはね返り、国へ八二・一%、県に二一・六%、市町村へ六・三%の比率となる、この根拠となった数字をあとでいただきたいと思います。
○阿部参考人 それでは、内訳をあとで詳細にお送りいたしましょう。
○竹谷委員 次に、東北電力の内ケ崎さんにお伺いしたいのであります。お述べになりました中に、今まで日本は低廉な電力の出血輸出によってどうにか国際収支を償ってきた、こういうのであります。確かにその通りであろうかと思いますが、われわれはそれと同時に、また、それよりも、低賃金による労力の出血輸出が非常に大きかった、こう思うのであります。例にお出しになりました繊維品の輸出で、国際収支に非常に寄与してきた、それを今度は、東北の電力資源等を用いて、化学繊維でこれを補えば、低廉なる電力の出血輸出というようなことでなくて、金がもうかるじゃないか、こういうお話でありましたが、それならば、一歩進めて、国内における需要を増大して、すなわち、それには労働者や農民や中小企業者の生活を豊かにして、その購買力の増大による国内産業の飛躍的発展をさす方が、一層合理的ではないか、こう思われるのですけれども、実業家としての内ケ崎さんの御意見を拝聴したい。
○内ケ崎参考人 先ほど出血輸出と申し上げましたのは、ただいまの御意見の通りに、安い電力と日本の安い労働力、この二つをいわゆる出血輸出といったようなものに充てておる、こういうように私も考えております。これは同意見であります。 それからもう一つの問題は、現在の日本の産業構造は、羊毛なりあるいは綿のようなものを非常に輸入しておる。これをやめて、それにかわるに、日本に賦存するところの石灰石と電力とを使って、日本の繊維製品の大部分——全部とは申しませんが、大部分をそれに置換するのだ、そういう方向に持っていくことが、今後の国策としては最もよかろうということを申し上げたのは、戦争前でありますれば、綿、羊毛の輸入は割方安く手に入った、しかも、それに加工を加えた製品は、割方高く売ることができた、その間に利ざやが相当なものがあった。日本の明治以来の復興の大きな部分は、おそらくその繊維工業に負うところが非常に多かっただろうと思います。ところが、現在の状態はさような状態ではない、すっかり逆である。原料の輸入は非常に高く売りつけられ、製品の方は逆に安く買いたたかれる。かような状態で、利ざやがない。利ざやがないから、さような方面にあまり力を入れずに、別な方面に転換すべきときではないか、こういうことを申し上げておるわけであります。 それからもう一つ、日本の一般大衆の生活レベルを向上させて、大いに需要を喚起して、産業を興す方がいいじゃないかというお話、これは今の問題とは離れまして、全然同感であります。日本民族の生活の向上をはかる、これは非常に必要なことでありますから、ぜひともさような方向に進むように私どもは全力をあげて努力するつもりであります。
○竹谷委員 東北——これには新潟県が入ってなくて、六県だけの統計でありますが、その統計によると、全国の人口に対して東北は一〇・八%、一割強の人口を有しておるにもかかわらず、工業の方面では、その生産額がわずかに三・九一%、四%以下であります。人口は一〇%以上あるのに、工業は三・九%という非常に程度の低い工業化の状況である。しかしながら、最近東北地方も非常に電力を需用するような工業が多くなりつつありまして、むしろ電力が不足を告げつつあるようであり、統計を見ましても、電力の供給量が工業生産品の生産量よりも少いくらいで、跛行状態になっておるので、今、東北地方各県の工場誘致というような声に誘われて、東北で作業をやろうとしても、電力が足らぬという現状じゃないかと思う。電気は全国で一番安いようで、大口電力は一円九十銭くらいですか、東京は二円七十銭、北陸でも二円こえておる。そのように安い電力の上からいうと、東北で事業をやると非常に有利だという状況であるにもかかわらず、それが電力の理由によるか、どうか知りませんが、どうも東北の工業は非常におくれているのであります。私の県で、工学博士の宮城音五郎という方が、過去四年間知事をやりまして、消費県を生産県にする、ことに工場の誘致あるいは新設をスローガンにして当選もし、また、そのために相当の努力をしてきたはずでありまするが、その実績が上らない。その理由はどこにあったか、東北の重要な電力部面を受け持つ内ケ崎さんの御意見なり、御観察を承わりたいと思うのでございます。従来東北には、なぜ工業が発達しないかというその理由としてあげられるところは、日本の経済中心地から非常に遠隔であって、不便だということ、また鉄道、道路、港湾等の交通上の不便があって、資材、原料等の輸送、あるいは製品の販売等にも非常に支障があったというようなことがいわれ、それに加えて、電力が足りないというようなことをいわれてきたのであります。以上の二つは、その通りであろうと思うが、今だんだん承わってみると、電力は安いし、今後開発するというのでありますけれども、東北の工業がなかなか進展しないのは一体どこにあるか、一つ内ケ崎さんの観察を承わりたい。
○内ケ崎参考人 お答えいたします。これは私見を交えることに当然なろうと思いますから、御承知を願いたいと思います。東北が後進地帯だということは、どなたもおっしゃることで、先ほど皆さんがお述べになったように、数字的に雄弁に物語っておることと思いますが、そこへきました原因として、私が第一に考えますことは、東北、北海道のような北の方の地帯は、第一気候がよろしくない、いろいろな産業を興すにも、この気候の悪い点を克服してやるだけに、技術の方が進歩しない、それゆえに、立地条件としては、北の方がどうしても悪かったということが数え得ると思います。しかし今後はそれがだんだん克服し得るような事態になってくるのじゃないか、かように期待いたしております。 それからもう一つの大きな条件は、人為的の条件であって、東北の方は、明治維新の際に、朝敵に回ったといったようなことが原因となりまして、政府の投資が非常に少かった、これはいろいろ資料をお調べになったら、非常にはっきりすると思いますが、私どもの方でも、そういったような数字を実は調べようと思って、手を尽してみましたけれども、なかなか膨大なもので、一カ年の国の予算の内容を検討するだけでも、とてもこれはわれわれの手には負えないことなのでございます。それでも、一年や二年くらいのものをいろいろ調べてみましたところによっても、東北に対する政府投資が非常に少い、大部分は大都市あるいは薩長土肥の方にみな散布されておる。御承知のように、幾ら不毛の土地でも、ある程度大資本を投下しますと、非常に金もうけの要因になる。たとえば大阪郊外の宝塚、あれが昔は不毛の地であったのに対して、阪急の小林社長があの当時相当の大きな金を導入したために、あの地帯が非常に発展した。それにつれて、大阪も一緒に繁栄した。お互いによくなるようなことでやったわけでありますが、あのようにあまり顧みられぬ土地でも、相当の投資をやると、収益率が増してくる。そういったようなことがあり得るわけでありますが、遺憾ながら東北に対しては、今までの政府投資が非常にわずかであったということが、最も大きな要因であろうと私は考えております。それで、私どもが昨今大いに皆さんにお願いをいたしまして、東北の総合開発をどうしても取り上げていただかぬといかぬ、しかもこれは東北の救済のためではなしに、先ほど福島の知事さんからもるるお述べになっておりましたが、これは日本再建のためにやらなければならぬ問題である。どうしてもやってもらわなければいかぬ。問題は、今まで投資が非常に少かったのだから、少しでも埋め合せをしてもらわなければならぬし、そんな埋め合せどころの話ではなしに、さらにそれに輪をかけて、一そう大きな資本を投下してやらなければ、日本の再建は今できないような状態になっておる。それであるから、縦貫自動車道路のようなものをかりに作るとしても、東京−神戸間などというものは二の次に回して、青森−上野間を第一に取り上げてやる。そういったようなことに方策を大きく転換していただかなければいかぬ。こういったようなことに考えられるのであります。今後、東北と北海道の開発をあわせ振興させるならば、日本の再建は期して待つべきものがある。こういうふうに考えておるわけであります。ただ、従来のように、政府がすでに開発された方に、収益力の割方大きくなっておる方に、さらに投資をするという方針をやったならば、日本はつぶれてしまう、日本の再建はとうていできない。人口問題の解決もできないし、九千万の人口をだんだんふやすことができないような状態に縮まってしまう。日本は四等国、五等国になり下ってしまう。そういうように考えておるわけでありますから、ぜひとも皆様方のお力によりまして、東北の総合開発、北海道の総合開発を大いに進めていただきたいと思います。
○廣川委員長 質疑継続中でございますが、先ほど問題になりましたフジ精糖の三本木試験地におけるテンサイの収穫状況が電話で報告されて参りましたから、御報告いたします。五月播種が八千斤、千二百八十貫反当、六月播き種が三千斤、四百八十貫という報告がきております。御報告申し上げます。
○竹谷委員 ただいま内ケ崎さんの意見をお伺いすると、国家の大幅な財政融投資が東北に対して必要であり、それには交通の便宜を増すためにも、東京−神戸間の縦貫の中央自動車道より先に、東北自動車道でもやって、そうして開発を進めれば、日本の経済自立に大いに役立つ、こういう御意見のようであるが、そうであるかどうか。また、それがためには動力が必要であり、東北における電力開発も同時に関連して推し進めなければならないし、また山岳地帯に縦貫自動車道路を作れば、低廉なる水力発電ができるようになるわけでありますが、そういう意味でありますかどうか。いろいろお述べになりましたから、要点がはっきりしないので、再度お伺いいたします。
○内ケ崎参考人 ただいま竹谷さんのおっしゃった通りであります。
○竹谷委員 次に、東北興業の蓮池さんにお伺いいたします。先ほどの御陳述では、初めには東北興業の関係をした事業は百もあったが、今は十指を数える程度である、十分の一に減った、こういうお話でございましたが、現在あります十というのは、直営事業だけですか。それとも関連事業も加えての数字であるかどうか。それを別々に御説明を願います。
○蓮池参考人 直営事業は、概況でも申し上げたように、大体三つになります。一つが山形の木友の亜炭鉱業、一つが福島の肥料工業、もう一つは岩手で、今創設を急いでおりますセメント事業でありますが、あと大して大きいものはございません。
○竹谷委員 関連の七つは。
○蓮池参考人 あとの七つでございますが、最初十指に足りないと申し上げましたのは、関連会社でございます。投資育成をしている会社の数で、いわゆる子会社であります。
○竹谷委員 子会社はどういうのがありますか。
○蓮池参考人 北から申しますと、山形にあります日本絨毯、盛岡にあります北日本機械、それから福島にあります東北窯業、秋田にあります東北亜鉛、青森にあります東北合板、酒田にあります日新電化、宮城にあります気仙沼内燃機、福島にあります東北硅長石、新庄にあります東北窯業、岩手にあります東興石灰、それから塩釜にあります東北船渠であります。
○竹谷委員 最後に読み上げました東北船渠、これは事実上閉鎖休業の状態であります。最近これを再建するという新聞報道等を聞いておりますが、この再建の問題はどうなっているか。御関係のある宮城県知事お留守でありますから、福島県知事と総裁の両方にお伺いいたしたいと思います。
○蓮池参考人 東北船渠株式会社は、発足当時は、地元二、それから親会社であります東北興業が一。一対二の割合の持ち株で出発をいたしまして、だんだん事業が東北の事態にマッチして伸びていったものでございますが、だんだん戦時経済が激しくなって、戦時の仕事を承わるようになりましてから、急速に資本増加をして、仕事も軍需産業部面に相当深入りをいたしたわけであります。昭和十九年に軍需会社の指定を受けるに当りまして、当時東北興業としては、四千万そこそこの資本額のうちから、さらに一千万をさいて、東北船渠に出資をいたしましたために、東北船渠の持ち株全体としては、九三%ほどを東北興業が持っておったというような形になっているわけでございます。ところが、この東北船渠の置かれている条件を考えてみますと、当時軍需会社に指定になりましたころの機構では、駆逐艦の製造まで進むということで、設備が進められているのでありますから、相当大規模のものを扱う施設も一部ございます。しかし、おおむね設備の内容は、三千トン級以上を扱うことは無理な設備になっているわけでございます。しかも、その施設の進められるに当りましては、やはり塩釜のドックの環境の、工業施設的な整備がこれにマッチしておりません。従いまして終戦と同時に、これを完全なドックの事業として、平和産業に切りかえてスタートするということに、非常に困難がございました。一面、増資ということも、そういった跛行的な持ち株形式になっておりますから、東北興業に資金源がない限り、増資による再建ということが、なかなか困難でございます。それが事業運営に当った幹部が、非常に悪戦苦闘してつないできたところであると思われるのでございます。この再建に当りましては、事業のスケールをある程度見通しをつけて考えなければならぬことでありますけれども、いかんせん東北興業それ自体としては、資金源の確保に関する国の対策としての復原をお願いすることが、まず前提になりますので、東北興業自体の資金力をもってこれを再建するということに、至難な過程が今日までまだ続いているわけであります。それかといって、一方あのドックの東北における使命というものは、単に物資の交流のみならず、三陸漁場を控えてのあそこにドックがありながら、しかも資金的に動かないという状態でありますから、そこでやはり地元としては、どうしてもあれを急速に復興しなければならないという問題もございますし、一面また、多くの従業員が賃金を獲得することができなくて、しかも仕事がなかなか思うように進まぬということで、従業員それ自体の苦痛もただならぬものがございます。そうしておりますうちに、事業上一つの蹉跌もございまして、ついに事業場は一時閉鎖をするのやむなきに至って、今日に至っているわけであります。その間、宮城県知事、福富県知事、両々中心におなりいただいて私どもにもお話があり、東北興業の資金源のないことも承知の上だから、再建計画は別途の方法で考えなければならぬのじゃないか、情勢が変れば、別だけれども、現状においては、地元の有力な方々が再建計画を立て、そしてその御意見に従って措置をつけることがいいのじゃないかということでありまして、私どもとしては、この両県知事に再建の方途をお選びいただくためにお願いをし、両県知事にせっかく御尽力をいただきまして、だんだん話が進みつつありますが、まだ結論的な段階に至っておりませんので、一時も早く何らかの方法でこれを具体化しなければならぬということを望んでおるのであります。他面私どもとしては、殖産興業企画におきましては、資金源の確保さえできれば、また構想を進めて、ドックの再建に当らねばならぬということも、両々相待って考えて、ただいま研究をいたしておるわけでございます。
○大竹参考人 ただいま東北船渠の再建につきまして、蓮池参考人からお述べになられましたが、御承知のように、昨年東北船渠の工場経営が不能になりまして、閉鎖のやむなきに至ったのであります。われわれは、ただいま蓮池参考人から申し述べられましたように、東北において、ただ一つのドックであるから、これはどうしても再建せんければならぬ、かように考えまして、関係銀行、内ケ崎東北電力社長さん方と、両県が数次にわたって協議いたしまして、再建のためには、まず一番先には、日本鋼管に再建の道を立ててほしいと要請して、日本鋼管も、東北の開発のために真剣に考慮をされたのでありますが、いろいろ検討いたしました結果、これを引き受けることができないということに相なりました。その後川崎重工業にお願いいたしましたところ、川重さんも再三現地を視察、調査をされ、十分検討されたが、これも引き受けて再建をするということが不可能に相なったのであります。この間に非常な長い時間を要しましたが、最後に、ただいま東北興業会社の総裁から申されましたように、どうしても他の企業に切りかえられるような性質のものでない、とにかく鶴見から函館までの間のただ一つのドックであるから、これはどうしてもわれわれ東北民として再建せんければならぬというので、ただいま志村化工に再建の計画を協議中であります。たまたま皆さんの御配慮によって、ただいま真剣に御研究、御協力をいただいております東北開発の問題、この東北開発として、最も資金を投入せしめるところの好個なるものである。そして東北の開発に最も必要なものが、東北船渠であるということから、ただいま監督の責めにある建設省に対して、今折衝をいたしておるわけであります。近くこの東北開発の予算的具現とともに、この東北船渠の再建をはかって参りたいというのが実情でございます。
○竹谷委員 お二人からいろいろと今までの事情等を拝聴いたしましたが、実は、これはもう今から七、八年前、終戦後、これをうまく再建するのにどうしたらいいかということは、地元の塩釜の人たちも考えておったようであります。そこで、あそこの実業家の人たちから、これは一つ株を開放して、われわれに譲ってくれないか、われわれの手でこれを再建してやっていきたいというようなお話があったのでございます。その当時の話では、借金も何億あるが、資産もあるので、プラス・マイナスすると、まあプラスになるかもしれぬ、こういう話でございました。それがだんだん営業の状況が悪くなって、ついに閉鎖に至ったようでありますが、その話を聞いたときに、日本鋼管が最大の責任者である、こういうようなお話なので、私は日本鋼管の重役に、一つ東北のために骨折ってくれないかということを交渉いたしました。ところが、日本鋼管としてこれをりっぱに再建するためには、ここに新たに五億の資本が要る、そうなると、今日の日本鋼管としての会社の状況からいっても、これを引き受けて、東北のため、国家のためになるように、うまくやれるかどうか、なかなか自信が出てこない、ペイもしないし、将来の見通しもっかないので、どうも引き受けるわけには参らぬというのが、今から五、六年くらい前の話であったのでございます。ところが、その後閉鎖というようなことで、お話のように北海道から関東の間にただ一つのドック会社であり、しかも最近、運輸省が造船工場やあるいは船会社に対しまして、国内航路あるいは近海航路のために、三千トン前後の中型船も大いに建造してやるべきであるということを通達したということを、新聞が伝えておるのでありまして、このドック会社をうまく再建すれば、現在の見通しとしては、造船工場として十分やっていけるという見通しがつくわけでございます。 そこで、さっき聞くところによると、志村と福島県知事がおっしゃいましたが、再建に当ろうとする会社が、その株の九〇何%を持っておる東北興業に対しまして、無償提供というような話があったということでありますけれども、一体東北船渠は、現在の時価で資産はいかほど持っておるか、それに対して債務はどれほどであったのか、それを一つ東北興業の総裁なり、あるいは建設省の東北興業の監理官にお尋ねしたいと思います。
○蓮池参考人 お答え申し上げます。資産の面を御説明申し上げますと、資産の評価方法でありますが、会社の帳簿価額によって計算をするということで参りますと、資産は大体九千三百万ほどになります。負債の面は、現実負債でありますから、そのままの集計でいくわけでありますが、合計三億ほどになります。差引いたしますと、この資産不足が二億ほどに相なるわけであります。ところが、その資産面の時価評価の問題でございますが、これはこの会社の経営それ自体、しかも資本の額等から申しまして、課税等の問題もありまして、資産の再評価を的確にやらずに今日に至っておりますので、従いまして、資産の評価それ自体、非常にむずかしいことになるのでありますけれども、あのドックをある程度の線で生かして活用しているという面になりますと、資産の評価ははるかに大きくなると思います。しかし、あれがあのままの資産であって、事業として一貫した設備となっていかない他の評価ということになりますと、評価額はおのずから変って参りますので、あるいは一億と言い、あるいは一億五千万と言うのが常識的な線であろう、こういうふうに言われております。
○竹谷委員 これは福島にも工場があるのでございますね。
○蓮池参考人 さようでございます。
○竹谷委員 私は志村の方しか知りませんが、たしか二万五千坪ほどの敷地があの海っぶちにあると聞いておるのです。坪一万に評価しても、土地だけで二億五千万くらいのものがあるように思います。今一億とか一億五千万というお話ですが、かりにその土地を細分して分譲しても、二億以上のお金になるのじゃないかと思うのですが、その点いかがですか。
○蓮池参考人 お答え申し上げます。会社自体で昨年工場閉鎖の善後措置といたしまして、会社の総会で報告をした資産状況の報告によりますと、負債面は別として、資産面だけ計算をしまして四億七千万という数字を報告いた目しております。しかし、この点は主観的に自分の立場から見た計算でありますから、かような数字が出ておるかと存じます。
○竹谷委員 実は数年前に地元の人たちが、株を自分たちが引き受けて、このドックを大いに盛んにしたい、こういう地元の人たちの要望がありまして、私、当時の東北興業の幹部に話をいたしましたところ、民間に株を開放すると、現状ではこれはなかなかむずかしい、うっかりすると、会社がうまくいかないというので、これを解散して、ばらして売り飛ばす、それでもプラスになる、こういうことになるのではないか、そういうようなことでは、せっかく東北唯一のドックがなくなってしまう、これは国家的に見て、どうも許せない、そういう観点から、株を開放するというようなことはできないということでした。これはもっともな話だと、私賛成をいたしました。責任をもって引き受けて、必ずこのドックを再建する、そういう信用の置けるところでなければ、これはまかせられないと、私もつくづく思っており、現在はなおさらであろうと思う。 そこで、この点については建設省の監理官の御意見を承わりたいのでございます。ある会社にこれを経営さしてうまくいかないからといって、ばらしたり、あるいは一部でちっぽけな造船工場をやって、他は現在自分のやっている仕事なり、あるいはほかの有利な事業の方面にこれを使うというようなことになっては、せっかく東北船渠を再建しようという趣旨に反することになるのでありますが、東北興業の監督の任に当る建設省としては、どういうお考えであるか、承わりたい。
○沢田説明員 お答えいたします。資本金千五百万円の九三%を東北興業が現在所有いたしております東北船渠の再建の問題につきましては、建設省といたしましてかねて苦慮いたしておるところでございます。先ほどからたびたびお話がありましたように、京浜地区から北海道の函館地区に至ります間の、唯一のドック施設でございます。かつ、先ほど来いろいろお話が出ております将来の東北地方振興の立場からいたしましても、一日も早くこれが再建をはかるということが大切であろうかと存ずるわけであります。また債権者を初め、かねていろいろ御迷惑をかけて参りました地元の熾烈な御要望もございますので、私どもといたしましても、何とかしてこれを再建いたしたいと念願いたしておるわけでございます。昨年来東北興業株式会社より、地元の宮城、福島両県知事にも、これが再建計画につきましてお願いをいたして参ったわけでございますが、先ほど来お話がありますようにいろいろの曲折を経まして、現在のところ、東京都の板橋にあります志村化工株式会社を主体とする新会社によりまして、東北船渠の施設を譲り受けて、ドック事業を再開する案が考えられておるようでございます。これにつきましては、一昨日宮城、福島両県知事においでをいただきまして、建設省といたしましては、初めて具体的な再建計画の煮につきましての御説明を実は承わったばかりでございます。現在この案につきまして、建設省としましては慎重に検討をいたしておるわけでございます。ただ、今申されますように、東北振興に将来とも役立つようなドック事業として、再建をはかっていくということがどうしても大切なことであるとわれわれは強く考えております。それともう一つ、先ほど申し上げましたように、地元両県の御意向というものも一つ十二分に考慮して、将来の再建計画を考えて参りたい、かように考えておるわけでございます。
○竹谷委員 この再建のプランを、ごく概要でけっこうですから、簡単に御説明を願いたい。
○沢田説明員 お答えいたします。実は一応のお話は、一昨日両県知事においでをいただきまして、お考えの概要につきましてはお話いただいたわけでございますが、具体的の詳細な計画案につきましては、まだお聞きいたしておりませんし、正式に東北興業株式会社を通じまして私の方に書類も出て参っておりませんので、承知いたしておりません。ただ先ほど申し上げましたように、志村化工を中心としまする新会社でドック施設を譲り受けて、そうして新たにドック事業として再開するということにつきまして、概要を承わっておる程度でございまして、詳細につきましては御説明いたしかねるわけでございます。
○竹谷委員 巷間伝えるところによれば、東北興業の持っておる株を無償で提供してもらう、それから今承わると、債務が三億くらいというのでありますが、これを一億くらいに切ってもらう、そして再建をはかる、こういうようなお話でありますけれども、これはわれわれ、こういう会社経営に全く無経験の者が聞いても、非常にふに落ちない点が多い。大体債権者に対して、しからば三億の三分の一の一億に切り捨てるということについて一体そんなことが可能かどうかということについても、全然まだ折衝も行われていないし、債権者は全然知らぬのであります。一体そんなことは可能であるか。それから東北興業としては、九〇%持っているかもしれません。ことに、また東北船渠の株主があるわけです。その人たちが一体言うことを聞くのかどうか。それから再建のために、先ほど蓮池さんの話によると、これは駆逐艦を作るためのような、非常に一般性のない造船工場であるがゆえに、相当新たな設備投資が必要であるようである。そのために何億の金を要するのか、これらの点について、そのプランの具体的なものがないというので、お尋ねしても御返事を得られないと思いますが、疑問の節が非常に多いのでありますから、それらの点について、おわかりのことがあれば、一つお話し願いたい。もう一つは、一体造船工場としてりっぱにやっていくというためには、借金を返すのは別として、新たな設備投資あるいは融通資金というものが、どれほど要るお見込みであるか、これがわかれば、御答弁を願いたい。
○蓮池参考人 せっかくのお尋ねでありますから、私ども内部だけで検討しております概略のことを申し上げます。 あの船渠の再建の方法によりますと、やはり先ほど申し上げたように、設備をどうしても精密なものに置きかえなければならない。従いまして、設備資金が相当かかる。日本鋼管の御意見として、先ほどお話がございました五億ほどの資金が要るであろう、設備投資が要るであろうということも、私ども業界として当然であろうと考えるわけであります。ただいまあの船渠の今までの経営形態を申し上げますと、いわゆる船舶の新造、それから修理その他、それだけで立っていけるかどうかという問題がございます。福島に工場がありますのは、陸上のものを扱う設備でございます。そこで陸上ものの門扉、橋梁その他の陸上施設の仕事をやるのでありますが、そういったものと兼ね合せて、両々相待って、この会社の採算がとれていくという態勢、これはまた、将来磐石の基礎を置くということになると、そういうことが当然問題になってくると思います。そこでドック事業の再建と申しますと、でこぼこのある設備の点を、精密なものをやるようにしていくということで、設備資金が要るのであります。 そのほかに、もう一つ私どもが非常に重点を置いておりますのは、ほかの造船会社と違いまして、関連工場がございません。関連工場でたよるべきものが非常に少い。いわゆるゆうゆうとやっておりますドック事業は、ほとんどドック事業それ自体として、そう大きなスケールのものではないと存じております。むしろ関連産業が近隣地帯に相当関連してありまして、それとの相互依存関係において成り立っていくのでございます。その点は、ちょうど東北船渠は函館ドックにやや似た孤立の状態で経営していかなければならない性質の会社であると存じております。従いまして、関連産業に依存していい部分までも、孤立でありますから、みずからかかえた設備をもってスタートを切らなければなりません。そういうことで、設備資金を相当量考えなければならぬというわけであります。私ども、ただいま内部で検討しております案によりましても、四億五千万ないしは五億は必要になるという、一応の見通しを持っておる次第でございます。
○竹谷委員 債務のほかにですね。
○蓮池参考人 さようでございます。
○竹谷委員 東北の開発振興の先駆となるものは、交通の整備であろうと思う。その一翼を買う造船工業であり、しかも地元として、東北六県のうちでも宮城県は工業が貧弱であります。そういうところの重要な産業でございますので、いかなる見地からも、この再建を早急に、そうしてりっぱになし遂げることが、建設省なり、あるいは東北興業なり、あるいは関係県の重大な責務であろうと思うのであります。十分慎重に御検討の上、すみやかにこれを再建せられるように御努力あらんことを希望する次第でございます。
○廣川委員長 鈴木君、関連ですね。
○鈴木(周)委員 青森県知事にちょっとお聞きしたいと思う。せんだって八戸工場で伺いましたが、あの港湾設備を見ますと、一万トン級の船のものだということでありますけれども、今後あそこは工場地帯として、特に太平洋岸として非常に注目される場所と私は考えております。この場合における設備としては、あれだけで間に合うでしょうかどうかを、第一に伺います。
○横山参考人 八戸につきましては、とりあえずのところは一万トンということでありますが、それぞれ専門家の御意見では、あの程度ではあまりに小さくないかというような御意見と承わっております。またそうであろうかと思います。
○鈴木(周)委員 その次に、あそこの工場敷地の区割りその他を見ますと、あるいは今後の埋め立て等から見ますと、大工場にいくのに少しく小さいような気がいたします。その点の敷地の割当等、あるいは道路の整備等に対して、どんな御計画があるかを伺いたい。
○横山参考人 現在のところ持っております三角地帯につきましては、東北電力と日曹製鋼と両者が入りまして、現在大体一ぱい一ぽいになるのでございます。それに対しまして道路、鉄道は、三角地帯の周辺を縫うように現在計画がなっております。そうして新たに浚渫をいたしまして、あの地帯の地先の方に、さらに数万坪の新しい土地を造成する計画で現在進んでおる次第でございます。
○鈴木(周)委員 今度は東北電力さんに一つ伺います。東北電力としては、現在も建設され、今後電力を急に増すのには火力発電に待つほかないということで、大体において八戸に十五万キロ及び勿来地帯において今七、八万キロのものを御計画及び工事中と存じております。この間のわれわれの調査会においても、十五万キロ程度のものが至急東北に必要だ。この場合において、敷地の選定その他に対して各地で争奪戦が行われておる、こういうことを私は耳にしておりますが、そういうことでなく、私たちは、日ソ交渉もここに円満にきまり、また日本の内地における火力発電所が相当ふえますと、一年に使うところの石炭が、現在の鉄道で使っている千六百万トン以上になり、千五、六百万トンあるいは二千万トンまでも必要であろうと考える。こういう場合において、日本の石炭の埋蔵というものは、ある程度保有すべきが、国家の将来のために必要だと思う。それに対しては、向う岸の朝鮮炭であるとか、あるいはシベリア炭であるとか、あるいは華北炭であるとか、こういうものを使うべき時期に到達しておると思う。その場合に、秋田であるとか、あるいは酒田であるとか、あるいは新潟であるとか、こういう場所に、小さいながらも火力発電所の設備を持つ計画があるかどうか。ただ宮城県が港湾があるからと称して、あそこに船で石炭を持ってき、あるいは陸上運送で持ってくるということになりますと、往復の船賃あるいはその労力というものに対して、非常に不便を感ずると、こういうように私たちは事業的に考えておるのだが、そういう計画もしたことがあるかどうかを一つ聞いておきたいと思う。
○内ケ崎参考人 ただいまのお話のように、八戸火力七万五千キロ二台、これはすでに工事中であります。ところで、ただいまのお話にもありましたように、石炭だけでは今後いろいろな面から制約を受けることもあるであろうということで、重油も燃焼し得るような施設、両様の施設をつけることに相なっております。それからもう一つ、設備の問題としては、それだけでは足りないから、もっとやるのだということを、先ほど私から申し上げまして、それについて、そのことを仙台あたりとかいうお話でございましたが、第二地点の火力も、ぜひやらなければ、間に合いません。ところが、これは非常に急速を要するということでありますから、日ソ国交が回復し、あるいは中共との貿易が再開されるということになりましても、そう急速には進み得ない。一方は非常に急速を要する需用を控えております。それに対する供給力の確保という、これは責任のある問題でありますし、あまりにまだ当てにならぬところを、当てにしてやるということはいけないという見地から、どうしてもやはり現在考えているような方式において行わざるを得ないのではないか。これは急速を要するからであります。ところが、これが七、八年先あるいは十年先の問題ということになりますれば、ただいまの御発言は非常に重要な御発言でありまして、私どももそれをよく考えております。いずれは樺太の重油の消費というようなことも考えざるを得ぬでしょうし、またシベリア方面の大パルプ資源、こういったようなものの活用ということもあろうかと思います。ということになりますと、船の便や何かの方は、どうしても裏日本が適当であるという時代は、いずれ遠からずくるのではないかと考えておりますので、そういう方面に対しましても、準備はおさおさ怠らずに整えて参るといったようなことで、今考えておるのであります。ただ遺憾ながら、ただいまの焦眉の急務には、とてもソビエト、中共相手のものでは間に合いません。どうしても確実なものでいかなければいけないというような、われわれは責任を負わされておりますので、今第二地点の火力として考えておるものを、裏日本に持っていかなければならぬというふうには考えておりません。しかし今後の第三地点、第四地点というようなこととしては、当然考慮に入れなければならない、こういうふうに考えております。
○鈴木(周)委員 かりに石炭が宇部炭を使う場合、あるいは九州炭を使う場合において、酒田港対塩釜港とかりに仮定した場合の船の距離いかん。それから室蘭港を発送地とした石炭の場合には、酒田港なら酒田港と塩釜港における船の距離及び運賃等、どんなふうになっているか、御見解を伺いたい。
○内ケ崎参考人 ただいま私ども火力発電を計画するに当りましては、九州炭、宇部炭というものを、ほとんど考慮に入れておりません。というのは、九州炭の出炭はだんだん減りつつある。今後はどうしても北海道の炭の開発計画というものに重点が注がれざるを得ない。九州は御承知の通り、非常に老衰期に入っております。もっとも海の底の方には、まだ埋蔵量が相当あるということをいわれておりますが、まだそこは的確につかまれておらない。今当てにし得る最大のものは、九州炭ではなく、北海道炭であるというふうに考えまして、北海道の炭を相手にする。それから宇部の炭の方は、これは非常に低品位炭でありまして、なかなかああいうものを持ってきてやるということは、設備が非常に高くつく、電力の原価が非常に高くなるといったことから、ああいうものは考えておりません。従って、九州なり、あるいは宇部炭のことは、計算など直接の比較はやっていませんが、かりにそういうものを持ってくるにしましても、海上輸送賃などの面からいいましても、やはり太平洋岸の方が有利であると考えております。しかし、それは今問題にはなりませんので、特にここでいろいろ御議論をしても仕方がない問題でありますから、申し上げませんが、ただいま私どもの方で考えておりますのは、北海道炭であります。ことに北海道炭を持ってくるに当りましても、小樽港の積み出しは考えておりません。室蘭あるいは釧路港の積み出しを考えております。小樽の積み出し港のことを考えますと、日本海の方と太平洋の方につきましては、これは大いに比較検討を要する問題と考えますが、小樽港は、御承知の通り積み出しの施設もあまり大きなものはありません。それから冬は、いわゆる北海でありまして非常に波が来ますから、なかなか荷役が困難であるといったようなことでありますので、小樽港の積み出しというものを私の方は考えておりません。ことに小樽港は、北海道の出炭地とは相当の距離が離れております。あの付近には昔は相当量があったのでありますが、だんだんあの地帯は老衰期に入っている。もっと新しいところは、室蘭あるいは釧路方面に接近しているというようなことのようでありますから、その方を考えているわけであります。そういうことになりますと、単に船積みあるいは石炭の荷役といったような点だけからしても、太平洋岸が有利であるといったのが現状であります。ところで、火力発電の地点の選定に当りましては、ひとり石炭の荷役だけではありません。ほかの条件がどっさりある。というのは、一番需用の中心地に接近したところに置くということが、ロスを少くするということから一番大事なことになる。その問題は、工業用水、つまり汽罐に入れるフィード・ウォーターの問題、それから循環水の問題、そういったようないろいろな問題がどっさりあります。そういったようなものを総合的に考えまして、そうして地点を選定しなければいかぬということになっておりますので、そういう観点から、ただいま地点の選定を急ぎつつあるわけでありますから、御了承願います。
○廣川委員長 鈴木君、時間も迫っているようでありますから、簡単に願います。
○鈴木(周)委員 先ほど来お話のあった、東北興業でやっている東北ドックの問題であります。この問題は、今年の議会でもだいぶ問題になっている。私から質問して、セメント問題は抜きにしましたので、これは政府としては何とかするというお話があったのが、最近におきまして、両知事さんが別な方向に持っていくという事態に立ち至ったのは、政府が資金を出さないからというような意味に聞えるのだが、一方今日までの東北興業の状況を見ますと、九三%持っておって、事実自分の会社と同じような状況にあった。しかし、これも軍需産業のために痛手をこうむったので、技術者はむろん逃げ出した、あるいは技術者がいなくなったりして、職工だけになってしまったり、設計も東京に頼んで、その設計もうまくできなかったというようなことによって、そこに立ち至った。これは同情に値しますが、今後両知事さんの発言によって、あるいは新しい会社ができる場合に、東北興業として出資し得るかどうかの見通しを一つお聞きしておきたいと思います。私としては、金はどうでも、事業が成り立つことによって人が働き得る場所ができる、それに関連して、要するに消費流通がよくできる、こういうふうに考えていますが、出すだけの考えがあるかどうか。まず東北興業の定款といたしますれば、建設大臣が認可さえすれば、勝手に金は幾らでも使われることになっておる。セメント工業をやめても、片方は使われることになっておる。議会の承認も要らない、実に便宜になっておるのだが、そういう考えを持ったことがあるかどうか。またその点増資すれば、借金は幾らでもできるし、借金したものが払えなければ、政府で払うという考えも持っているようですから、一つその点を度胸よく考えていただきたい。御意見を承わっておきたい。
○蓮池参考人 お答え申し上げます。東北ドックの問題について、ただいま両県知事さんが中心になっていろいろと御配慮をいただいておることは、先ほど申し上げた通りでありますが、その問題は、私どもの念願するところは、むしろ私どもの直営に近い東北ドックのことでありますから、でき得るならは、私どもを通して資金源を得て、再建をしなければならないという責任感には十分打たれておるのでありまして、その資金源の打開について、いろいろと当局にお願いもして、今日に至っておるのであります。ただいまのところも、殖産興業企画の中の重点の一つに取り上げて、お願いをしておる状態でありまして、決して私どもがでざることをやらずにおるわけではございません。ただいまいただいておりますセメントの建設資金は、あれは事業計画に基いて、必要最小限度の資金を政府で予算総則で元利保証をしていたたくことにきまっておりますので、あり資金を、ある程度お役所の内々の御了解で、他の方面に投資をする、あるいは資金援助をする、こういうことに回しますと、本来の仕事それ自体に支障を来たしますので、ただいまきめていただいている仕事については、もう準備した資金を十分活用してやって参りたいということで、いろいろやっている次第であります。どうか東北開発の進められる全貌の中で、必ずこの東北ドックの問題も解決できるように、御配慮をいただくようにお願い申し上げる次第でございます。
○鈴木(周)委員 そうしますと、やる決心があるが、金の出どころがないというように承わっておきます。また能力がないというようにも承わっておきますから、その点御了承を願います。
○廣川委員長 ほかに質問はございませんか。——御質疑がなければ、これにて参考人の意見聴取を終ります。 参考人各位には、長時間にわたりまして非常に貴重なる御意見を承わり、本件調査の上にきわめて参考になると考えます。この際厚くお礼を申し上げます。
○廣川委員長 この際お諮りいたします。この問題はきわめて重大でありますので、さらに残りの新潟、山形、秋田各県の金融関係、地方産業等について、参考人を招き意見を聞きたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○廣川委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決しました。なお日時、人選等については理事と協議の上決定いたしますので、御一任を願います。 —————————————
○廣川委員長 次会は明二十九日午後一時より、北海道開発公庫に関する問題について開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会