建設委員会 第4号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/12/05
会議録
○徳安委員長 これより会議を開きます。 閉会中審査案件申し出の件につきましてお諮りいたします。 本会期も数日後をもって終了することになっておりますが、閉会中におきましても、当委員会の所管事項につきまして引き続き調査を進めたいと存じます。つきましては国土開発縦貫自動車道建設法案、国土計画に関する件、都市計画に関する件、道路に関する件、河川に関する件、住宅に関する件、以上の案件につきまして、本委員会は閉会中審査をいたしたい旨議長に申し出たいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○徳安委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 —————————————
○徳安委員長 次に、本日の請願日程全部を議題といたします。 本日の請願日程全部につきまして、先ほどの理事会におきまして慎重に御協議願ったのでありますが、日程第四七を除いては全部これを議院の会議に付するを要するものとし、採択の上内閣に送付すべきものと決しました。この理事会の決定通りこれを決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○徳安委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 次に、本日新たに当委員会に付託されました請願四件につきましてお諮りいたします。これら請願四件につきましても、先ほど理事会において御相談願ったのでありますが、いずれもその趣旨は適切妥当なものと認められますので、これら四件も議院の会議に付するを要するものとし、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○徳安委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 なお、以上の各請願に関する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○徳安委員長 御異議なしと認一、さよう決します。 なおまた当委員会には御存じの通り陳情書が四十九件参考送付になっておりますので、この際御報告いたしておきます。 —————————————
○徳安委員長 中島君より緊急発言を求められております。これを許します。中島巖君。
○中島委員 本日道路費の関係とガソリン税の関係につきまして建設大臣並びに大蔵当局、運輸当局に対して質問をいたしたい、かような考えで委員長に申し入れたのでありますけれども、いろいろ本日の日程の関係で建設大臣に対しては約十五分程度、それから大蔵並びに運輸当局に対しては十分程度にして、そして休会中継続審議をするからというような委員長の要請がありましたので、ごく簡単に要点をまとめまして、委員長の要請の御趣旨に沿いたい、かように考えるわけであります。そこで本年度の建設省の道路行政に対しまする所見を休会中に御説明願ったのでありますが、それによりますと、本年度の道路の大蔵省に対する要求額が約三十年度の二七四%、すなわち金額にして九百六十四億程度を計上いたしてあったのであります。われわれは現在の道路状況より見て人に時宜を得たるところの予算編成である、かように考えておったのであります。ところがその財源措置につきまして最近に至りましてガソリン税の増徴によってこれをまかなうというような説を聞いておるのであります。これに対しまして当建設委員会に対して建設省としてはっきりしたところの内容の御明示がない、さらに二日ばかり前におきましては、運輸委員会におきまして揮発油税増徴反対に関する件として決議案が満場一致で議決されておるという、かような状況でございます。そこで十六国会でありましたか道路整備の財源等に関する臨時措置法なるものが衆議院全員の賛成によりまして通過いたしております。この法案はガソリン税をはっきり目的物とはしてありませんけれども、目的税的性格のものにいたしまして、さらにこれにプラス・アルファしてこの道路整備を緊急にやらねばならぬというところに立法の趣旨があるわけであります。そこでこの法律の建前からいたしまして、ガソリン税に対するところの立案の責任官庁はどこであるかという問題でありますけれども、これはおそらく大蔵省であると思うのであります。従いましてその立案の責任官庁の所在を明確にして、そしてその後において質問すべきが当然である、かように考えるのでありますけれども、時間の関係もありますので、建設大臣に対しましてこの九百四十六億の予算要求に対するところの財源措置に対して御所見を伺いたい、かように考える次第であります務大臣 追跡整備の急を要しますることは今さら申し上げるまでもないところでありまして、議会における御要求並びに一般国民のこれに対する要望、ひとしく道路の整備を急いでおるのであります。承われば近く衆参両院におきましても道路の整備を急ぐように格段の財源措置をはかるようにという強い決議を行われるやに承わっておるのであります。そこで建設省におきましては、従来御承知の通り五カ年計画をもって整備を急いで参ったのでありますが、この計画をもっていたしましてはとうてい現在の強き道路整備の要求にこたえるには十分でない、かように考えましてさきに御説明申し上げました通りの長期計画を立て、さしあたりの十年計画というものを樹立いたしまして、これに要する予算を請求する、こういう態度をとっておるのであります。問題はこの九百数十億の道路予算、その財源をどこに求めるか、ガソリン税増徴のうわさもあるが真実であるか、こういうお尋ねであったように承わりました。ガソリン税は御承知のように、道路整備特別措置法等の基盤をなしておりまする財源でありまして、先ほども御指摘に相なりましたように、いわゆる目的税的な性格を持っておる税金なのであります。これをもちまして道路整備五カ年計画を遂行して参っておることは御承知の通りであります。今度十年計画を立てまして、その初年度でありまする昭和三十二年度の所要予算として九百六十幾億円を計上いたしておるのでありまするが、この予算をまかなって参りまする財源といたしましては、これをどこに求むべきか、これが問題の焦点なのであります。ただいま税制審議会においても行われておることは御承知の通りでありますが、これらの意見も十分尊重しながらガソリン税をさらに増徴いたして参りたい、かように実は考えましてせっかくただいま関係当局と折衝をいたしておるところであります。何といたしましてもこれだけの予算を切り盛りして参りまする場合におきましては、でき得るならば増徴にまたずしてやって参るのが一番好ましいことであるかもわかりませんけれども、現在の実情から参りまして、ガソリン税の増徴もまたやむを得ざるものである、かように考えてせっかく検討をいたしておる次第であります。
○中島委員 大蔵省が見えたようでありますからこれと関連して大蔵省に質問いたしますが、このガソリン税の関係でありますが、これは先ほども申し上げましたように、十六国会で成立しておるあの法律に基くものと思うのであります。けれども目的税の性格を有しておるけれどもはっきりした目的税ではない、従って予算の編成権と申しますか、その所管の官庁は大蔵省であると考えるが、この点についての御所県はいかがであるか。第二点といたしまして今回のガソリン税の増徴に関する立案は、建設省の要請によってなしたものであるかあるいは大蔵省が自発的になしたものであるか。この二点について御所見を承わりたい。
○吉國説明員 お答え申し上げます。ただいま御質問の第一点は、ガソリン税、揮発油税は厳密な意味においての目的税ではなくて、道路整備の財源等に関する臨時措置法によりまして道路財源に充てるということが定められているというところから、その所管は大蔵省に属するかという御質問であります。これは現在さように考えております。それから第二点は、今回の揮発油税引き上げの立案は大蔵省でやったものか、建設省からの要請によってやったものかという御質問でございます。実はただいまいろいろお話があったようでございますが、私おりませんで承わっておりませんけれども、ガソリン税の増徴という問題につきましては、大蔵省が現在立案しておるというような形ではございませんで、目下御承知のように臨時税制調査会が開かれておりまして、臨時税制調査会で三十二年度の税制改正を審議しているわけでございます。大蔵省といたしましては、現在の調査会の進行中はできるだけ大蔵省の意見を表明するということを避けて参りまして、もっぱら調査会の議事にいろいろ協力をいたしておるという段階であります。従いまして、現在いろいろお話が出ております揮発油税の増徴という問題は、いわば調査会の審議の過程においていろいろ問題が出ておるというふうに、大蔵省の中では理解をしておりますが、もちろん事務当局としての研究はしておりますにしましても、最終的な結論は調査会の答申を待ってなすべきものであるというふうに考えております。現在調査会は御承知のように起草の段階に入っておりまして、まだ答申を出すまでに至っておりません。大体その時期はいずれ近く参ることと思いますけれども、そういう段階であることを御了承願いたいと思います。
○中島委員 ただいまの大蔵当局の説明によると、現在税制審議会でもって案をまとめ中である。その案の出次第決定しなければならぬ、こういうようないきさつの説明があったわけであります。そこで私のお尋ねすることは、すでに建設省といたしましては、昨年の約三割近いところの九百六十四億円の道路費を計上しまして、そして大蔵省と折衝中である、こういう先ほどの大臣よりの御答弁を得ておるのであります。従いまして建設省と大蔵省の予算折衝の過程におきまして、この九百四十六億の財源に対してガソリン税を増徴するというような意向が大蔵省に話があったかどうか、もし話があったとすれば、増徴するとすれば、キロリッター当り何円程度を増徴するという話があったか、その間の交渉の経過を大蔵当局にお伺いしたい。
○松永説明員 お答えいたします。建設省から九百余億円の道路予算の要求をただいま受けております。建設省としては財源についてどうしろということの要求ではございません。歳出予算についての要求として参っておるわけであります。特にその財源を何に求めるかということについては、建設省と正式の議論としてはなって参っておりません。
○中島委員 そういたしますと、今までの大蔵当局の御所信を伺っておりますと、ガソリン税に対しては増徴する意思があるかないかというようなことが、非常に焦点がぼやけてきておる。税制審議会の答申を待つまでもなくして、ある程度の大蔵当局として腹案があるはずだ、かように考えるわけであります。そこでガソリン税増徴の御意思が大蔵省にあるのかないのか、これが第一点。意思があるとするならばキロリッター当りどのくらいの増徴をするというお考えであるか、これが一点。この二点についてお伺いいたしたい。
○吉國説明員 ただいまお尋ねがございまして大蔵省は一体どう思うかというご質問でございます。これは先ほども申し上げましたように、大蔵省としてももちろんいろいろの検討はいたしておりますけれども、現在内閣といたしまして税制調査会に来年度の税制改正についての意見を求めておる段階でございますので、大蔵省としての意見を現在表明するということは、従来からも慎しんで参るという形になっておりますので、その点を御了承願います。
○楯委員 私は過日運輸委員会においてガソリン税増徴の反対決議がなされているところに出席をいたしておりました。ところが本日当委員会において大蔵当局のお答えになる言葉と、当日運輸委員会においてガソリン税が論議されたのとはだいぶ違っている。あの運輸委員会には主税局長が出席されまして、最後決定ではないけれども、道路整備をするためにはガソリン税の増徴やむを得ないという考え方の上に立って論議がかわされているのです。従って今あなたが税制調査会の答申によって最後決定をする、これはもちろんですが、あなた方の省内にガソリン税増徴の考え方が固まっておらないということは、私は言えないと思います。従いまして最後決定ではないのであるけれども、道路整備の財源捻出のために大蔵省としては増徴を考えている、そういう答弁をなさっても、私は越権行為でも何でもないと思う。だからそういう大蔵省の考えを率直にここで述べていただいて、その上に立って一つ論議をしてもらいたいと思う。片方の委員会では当然やるんだ、やらなくてはならない、そういうことを言明しながら、片方の委員会ではそんなことは知らない、これではあなた方の意見が統一されておらない。しかも局長がはっきりそういうことを言明しているのです。これは速記録を見てごらんなさい、はっきりしている。そういう言明から論議を展開していただきたいと思います。
○吉國説明員 ただいまおしかりを受けましたが、運輸委員会で主税局長から御答弁いたしておりますことも、大蔵省としてはというふうに局長が申したかどうか、私も実はその場におりませんので存じませんが、ただいま私が申し上げましたように、事務的にはいろいろ検討はしておりますけれども、最終的に大蔵省としての態度として、税制調査会の答申が出る前に、これはやるものだということを申しては、これは税制調査会との関係から申して、なかなかむずかしいところがあるという意味でございまして決してわれわれが白紙状態にあるとか、あるいは全く出たとこ勝負だというような意味では決してないわけでございます。その点は大体おくみ取り願えたかと思いますので、その辺で御了承願います。
○中島委員 どうも時間を制限されているので、非常に飛躍的に話が出て、大臣に対して失礼かとも思いますが、その点はお許し願って、政府で何とおっしゃっておっても、ガソリン税の増徴の意図があるということは大体伺われるのでありますが、事務官僚といたしましては、遺憾ながらただいま大蔵当局のお話の要点以外に出られないということもごもっともと思いますが、建設大臣としてはどの程度現在ガソリン税を増徴するという御意向であるか、その点一つ率直な御所見を承わりたい。
○馬場国務大臣 道路の所要予算をいかなる財源によってまかなうということにつきましては、大蔵当局と十分検討を加えなければならぬ問題でありますが、御承知のように、昭和三十一年度の予算におきましては道路予算に対する一般財源はきわめて微々たるものでございました。私の考えはなるべく多くの一般財源を獲得いたしたい、かように実は考えておるのでございます。従いまして、一般財源の額がどういうことに相なりますか、それにつれましてガソリン税の増徴の問題も考慮をいたさなければならぬ問題でありますので、ただいまのところはガソリン税をどれだけ上げるということの決定は、もちろんいたしかねておる事情でございます。なるべく一般財源によりたい、しこうしてガソリン税をも増徴することによって道路財源を多く確保いたしたい、かように考えている次第であります。
○中島委員 また休会中の継続審議あるいは会期が延長にでもなればゆっくり御質問できると思いますので、時間が制限されておりますから非常に飛躍的な質問に入るわけでありますけれども、十六国会において、例の法案の成立いたしたときは、ガソリン税を目的税性格のものにしてこれにプラス・アルファをして一般財源を出す、こういうわけだったのです。ところが昭和二十九年度におきましては、道路費として——これは国費ですが、百五十八億四千五百万円出しておる。さらに三十年においては二百五十四億五千一百万円、三十一年度は三百四十三億二千一百円というのを出しておる。しからば一般財源からどれだけ出ておるかと申しますと、三十一年度においてはガソリン税で九八・八%出して、一般財源からは一・二%しか出ておらぬという状態である。ことに三十一年度におきましては例の失業対策関係で六十九億か七十億の金を出し、さらに道路公団に対して二十億の金を出しておるというようなわけで、ガソリン税そのものすらも道路整備の単一な目的のみでなく、その他へ出しておる、こういう状況であってこれはおそらく大蔵省の強い干渉によってこういう結果になったのである、こういうように考えておるわけです。 そこで例のガソリン税の問題でありますが、大蔵当局などの見解は、欧米に比べて——米国は日本より安いのですが、欧州方面にはこれ以上ガソリン税が高い国があるじゃないか、こういうことを一つの根拠としておるようでありますけれども、これは税負担力の問題を一番大きく考慮に入れなければいけないと思うのです。税負担力というのは、各国の国民所得がどうであるかという問題なんです。そこでこの国民所得の問題につきましてごく簡単に申し上げますと、日本は五万九千七百六十円、英国においては二十五万九千五百六十円、スイスにおいては三十六万七千円である、あるいはスエーデンにおいては三十六万二千百六十円である、アメリカにおきましては六十六万九千六百円、カナダにおいては四十六万八千円である、こういうように外国の国民所得というものは非常に高いのです。従って税負担力に問題のあることが一点。 第二点といたしまして、現在の自動車はどれだけ税金を払っておるかと申しますと、これは道路利用者会議の統計でありますから間違いないと思いますが、一年間に一台当り六十五万五千円を現在いろいろな税で取られておる。こういうような数字になっておるわけであります。 第三点として申し上げることは、アメリカなどでは乗用車が八〇%を占めていて、トラック、バスというものは一五%か二〇%である。しかるに日本では国民生活に最も重大な関連のあるトラック、バスが八〇%以上を占めておる。そうして乗用車はわずかに一七、八%である。こういう観点から見て、国民生活に及ぼす影響が非常に甚大だ。いずれにいたしましても、現在のガソリン税なるものは自動車界の税負担の限界点に達しておるという、こういうような事実であります。従ってこういうような状況下においてガソリン程の増税ということは弱い者にしわ寄せするところのとうてい無理な相談である。かりにわが国のガソリン税を、この無理を押し切って増徴したところで、わが国の現在の道路状態においてはなかなか完全な整備はできないと思うのです。そこで国及び都道府県を問わずに、今まで自動車がどれだけの負担をしておるかというような点についてごく簡単に申し上げますれば、昭和二十八年度におきましては都道府県を合せまして全国の道路費は五百十一億を使っております。その中で自動車が負担した分は四七・九%である。二十九年度においては五百八十八億使っておるが、自動車の負担した分は五一・九%である。しかるに昭和三十一年度になりますと、七百十七億八千万円全国の道路費を使っておりまして、自動車負担分は七三・七%という、こういう高率を示しておるわけであります。従ってこれ以上自動車にガソリン税を増徴するということは、とうてい自動車業者の負担のできないところの限界までに立ち至っておる。こういうことをはっきり申し上げることができるのであります。そうしてこの日本の道路費というものは非常に額が少いのであります。これは国連の統計による一九五三年の統計でありますけれども、アメリカにおきましては、あれだけ完全に道路整備のできておるところにおきましても、二兆五千八百億円を道路整備に使っております。そうして国民一人当りが一万五千六百円の負担をしておる。カナダにおきましては二千百六十億使っておる、国民一人当り一万四千六百円の負担をしておる。わが国におきましては三百四十七億で、国の予算としましては国民一人当りが四百二十円しか負担をしておらぬわけであります。県市町村を合せても五百三十七億で、国民一人当り六百三十円しか負担しておらぬ、こういう情勢でありまして、現在政府の意図しておるところの道路を急速に整備しなければならぬというこの御趣旨に対してはわれわれも賛成でありますけれども、ガソリン税にかけるところの限界というものはもう完全に尽きておる。従ってかつての立法の趣旨のように、ガソリン税に対するプラス・アルファとして一般から財源を出すことを考えなければいけないし、そうしてまたその以外の方法として公債に待つべきものであると思うのです。一般の公債ということについてはインフレ助長の懸念もありますけれども、道路整備に対する公債は——時間がありませんのでその理由を説明するわけにはいきませんけれども、決してインフレの懸念はない。従いましてこれは事務官僚にいろいろ話したところでできるものではない。これはどうしても政治力のある馬場建設大臣がここで画期的な道路計画を樹立して、そうしてガソリン税はこのままに据え置いて、一般財源からプラス・アルファして、さらに道路公債を求める。このごろのワトキンスの報告書にもあるように、日本の道路は、これはワトキンスの報告を見なくたってだれもわかっていることですが、四十年も遅れておる。これだけ道路の悪いところはない。どうしても日本の道路を整備するのには年間千八百億要る、こういう報告をしてあります。これはワトキンスでなくてもわれわれとして十分わかっているところである。従ってこの道路につきましては、ここはもう画期的な政策を樹立せねばならぬ、こういう段階に立ち至っておる。従いまして弱い者いじめでガソリン税を少しばかり増徴するというような、そういう負担力の限界に達しておる者をいじめるというような考えでなしに、もっと根本的に一般財源より、さらに道路公債を発行するというような大きな計画を樹立してそうして大蔵大臣、総理大臣の方へ御折衝願って、わが国の道路行政に画期的な一歩を踏み出すように、一つ建設大臣として御努力を願いたい、かように希望いたしまして私の持ち時間をもう十分も過ぎておりますのでやめますが、建設大臣の御所見を伺いたい、かように思うわけであります。
○馬場国務大臣 ガソリン税の税収入のうちに六十九億を臨時就労対策事業あるいは特別失対事業等に使っておる。さらに道路公団にも二十億出しておる。それは道路以外に使っておるのじゃないか、かような意味であるやに私ただいま承わったのでありますが、そのガソリン税の税収のうちの六十九億円の臨時就労並びに特別失対、これらの事業は全部道路に使用されるのでありまして、ただその道路の整備をなすにあたりまして、これに特別失業対策あるいは臨時就労対策というそういう特殊の目的を持たしめて道路整備に使っておる、かような意味でありますので、あるいは私の聞き違いかと思いますが、もしそうでなければ誤解のないようにしていただきたい、かように考えます。 〔委員長退席、荻野委員長代理着席〕 なお道路公団に御承知のように二十億出しておること、これは御指摘の通りでありますが、これまた有料道路の整備のために用いますので、道路以外に使っておる次第ではございません。ございませんが、その点はよろしく御了承を願いたいと思います。 ただいま中島委員から列国の例をお示しになり、国民所得の問題も考えなければならぬし、自動車業者の負担の限界の問題も考えなければならぬじゃないかという御意見がありました。一々ごもっともであります。私どもといたしましてもそれらの点につきましては、諸外国の実例もよく調査をいたし、わが国の道路事情からかんがみまして、この際はガソリン税の増徴もまたやむを得ざるものである、かような考えに達しておる次第であります。もとより御指摘のようにガソリン税だけに道路の整備を依存せしめるということは毛頭考えておりませんので、先ほども申し上げました通りに、一般財源をこれにできるだけ多く投入いたすということはもとよりのこと、さらに進みましては、ただいま御意見のありました通りに公債を発行いたすことによりまして、財源を取得いたしたい、かように考えておるのであります。従いまして私の考えておりまする道路整備の計画、これに要する財源、先ほどから御議論のありましたいわゆるガソリン税の増徴によるものと一般財源の投入と、さらに進んで必要なる程度の公債の発行、かような三本建で進んで参りたい、かように考えております。しばしば御指摘を受けておりまする通りに、日本の道路の実情は何としても黙過することができません。あらゆる面からいたしまして道路の整備がきわめて急を要する実情でありますので、できるだけ多くの予算を獲得いたしまして、一級、二級の幹線国道はもちろんのこと、地方の主要道路あるいは町村道に至るまで、できるだけ整備をしなければならぬ。しかも急いでこれを実行することが急務である、かように考えますので、財源の点につきましてもいろいろ苦慮をいたしまして、でき得れば税の増徴はこれを避けたいのがやまやまでありますけれども、何分にも一般の財政状態も御承知の通りでありますので、この際ガソリン税の増徴もまたやむを得ざるものである。一面一般財源もできるだけ多くこれに投入する、さらに公債の発行をも考えまして、この三本建で十年計画をみごとに達成をいたして参りたい。道路整備を急がなければならぬという悲願からかような計画を立てておる次第でありまして通産省方面にはいろいろ御議論もあるかと思いますが、私どもにおきましても、この結論を出しますにつきましては慎重に検討もいたし、考慮いたしました結果、道路予算はこの程度なければどうしても日本の現在の急に応ずることができない、かような結論に到達いたしましたので、ただいまさきに御説明をいたしました九百数十億の財源を獲得する方法といたしましてかような方法によるよりほかにあるまい、かように考えておる次第であります。一般財源の獲得あるいは公債の問題につきましては、今後御趣旨を体しましてできるだけの努力をいたしたい、かように考えておる次第であります。
○楯委員 私も若干質問をいたしたいと思っておりましたが時間がないそうでありますのでやめます。やめますが、私は大臣に特に要望をしたいのは、道路整備の点についてはわれわれも賛成です。反対をする人はおらないと思います。しかし自動車業界の担税能力というものを考慮に入れてやってもらわなくてはならない、こう思います。過日の委員会においてはいろいろ論議をされましたけれども、今日の自動車業界は認可制をとっております。運賃は、現在のガソリン税が原価計算の要素となって設定をされておるということ、許可制をとっておる。それから道路の整備によって受ける利益というものは、政府あたりの言明を聞きましても三〇%である、こういうことになっております。従って道路整備によって利益を受けるのは、一般国民が大多数の利益を受けることになりますので、自動車業界の担税力というものを十分考慮してやっていただきたいと思います。 それから大蔵省の方に私申し上げたいと思いますが、過日あなた方の、ガソリン税増徴のいろいろ理論的の根拠を拝聴したわけですが、大蔵省の、ガソリン税の増徴に対する整備の理論構成は、これは今建設委員会で継続審議で問題になっておる有料自動車道の理論です。私はこまかい点は申し上げませんけれども、有料自動車道の整備ということが大蔵省のガソリン税増徴の根拠になっておると思いますので、この点を一つよく御研究を願いたいと思います。たとえば五カ年間で一万キロの国道を整備して、今日自動車が利用しておる三十万キロの道路が、全体にあなた方が考えておられるような利益を受けるということはないのです。従って大蔵省の理論でやって参りますれば、有料自動車道を整備をして、その上を通って利用する人から料金をとっていくというやり方でなくては私はならないと思いますが、この点だけ一つよく御研究を願いたいと思います。 —————————————
○荻野委員長代理 次に住宅に関する件につきまして調査を進めます。議事を進める前に一言参考人の方に申し上げます。 本日は御多用中にかかわらず、当委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございました。委員一同にかわりまして厚く御礼を申し上げます。 それではまず住宅金融の問題につきまして御説明をお伺いすることにいたします。住宅金融公庫総裁鈴木敬一君。
○鈴木参考人 それでは住宅金融公庫の業務の状況につきまして概要を申し上げます。 御承知の通り昭和二十五年度から公庫が開設されまして今日に至りまするまで、大体事業の計画として戸数において三十五万戸の計画を持っておるのであります。そのうちで三十一年度について申し上げますと、三十一年度については例年のごとく、個人住宅、賃貸住宅、産業住宅並びに土地取得造成並びに増築等合計いたしまして、新築が二万八千戸余りでありまして、計画としては新築の四万七千戸の計画を持っておりまして、九月末日現在での進捗状況を申し上げますと、四万七千戸の新築に対して二万七千三百八十三戸の貸付契約ができたところであります。今年度は割合順調に進行しておったのでありますが、この春以来鉄鋼等の値上りのために若干鉄鋼を要する建築の種類におきまして進捗工合が割合すみやかでないという状況が見受けられるのであります。そのほかに増築の分といたしまして三万戸、坪数にいたしまして十三万五千坪の計画を持っておりまして、これに対して現在までのところ、戸数において一万三千戸余り、坪数において五万八千七百六十一坪だけの契約が成立した次第でありまして、特別の問題はないのでありまして、割に順調に進みつつある、一般問題としてはさように申し上げて差しつかえないと思います。ただただいま申し上げたような鉄鋼等を要する、たとえば鉄筋コンクリートなどの建築その他におきまして若干の影響を受けておることは事実であると思います。 なお宅地造成は、今年度、金額におきまして五億二千六百万円の計画を持っておりますが、現在のところ三億一千万円の契約を済ましたところであります。今年度の一つの問題といたしましては、われわれの予算でちょうだいしております政府出資金が三十年度においては七億だけに減ったのでありまするが、これはそのうちの三億円は新しく三十年度から始まった住宅融資保険の基金としてちょうだいし、一般の貸付資金には四億の政府出資をいただいたにすぎなかったのでありますが、三十一年度におきましては、政府出資金は皆無に相なったのでありまして、現在御承知のごとく一般に貸し出して収入いたしまする利息は、年五分五厘がほとんど大部分を占めておるのでありまして、いわゆる逆ざやの状況に相なっておりますので、貸付に要する事務経費等を要しまするので、この三十一年度中はどうやら破綻を来さずにほぼ経理し得るかと思いまするが、このままの状況で、いわゆる資金構成の状況がこのままで三十二年度以降にわたりまするならば、安全な経営を約束するのがむずかしいというような状況にも立ち入っておるのでありまして、せっかく健全経営に向って多大の努力をいたしておる次第であります。 なお業務の全般のうちで、貸し付けた資金の回収状況の現況を一言申し上げたいと思いまするが、これは三十年度までの状況におきまして、年間の回収率は九七・九%程度に相なっているのでありまして、たとえば二十六年度等におきましては九二・八%程度の回収率でありましたが、幸い委託先の金融機関等の非常な努力と債務者の理解と両々相待ちまして年々回収率の向上を来たしつつありまして、現年度たる三十一年度は資料が九月末現在までしか正確なものがございません。これは年度途中でありますから、三十一年度分についてはまだ九五・五%という程度に相なっておりまして、例年年末を期して回収状況の向上強調月間を設けまして金融機関と公庫の従事員と相協力して回収率の向上に努力中でありまして、今年もおそらくは年度末に達します間においては九七・九程度の成績を上げ得るものと確信をしているような次第でございます。 なお三十年度から法律改正によりまして任務を受けております市中金融機関から一般住宅建設のために融資をした場合において保険をつけて融資をする、もし事故があった場合には八〇%だけ金融機関に対して保証するという制度が開始せられたのであります。これは各金融機関と住宅金融公庫とが保証の最大ワクを契約いたしまして、その範囲内において各金融機関が公庫の希望する条件において希望者に融資をする。これに保険料を若干払ってもらって貸付をしてもらう、こういうのでございます。現在のところ市中金融機関から保険付の貸出しをしてもらっております金額は思うように伸びておりませんが、総額九億二千三百万円程度の保険付の貸出しができている、こういうことを申し上げておきます。 大体概要について一応申し上げたつもりであります。
○荻野委員長代理 参考人の方々並びに政府当局に対する質疑の通告がございます。これを許します。前田榮之助君。
○前田(榮)委員 どうも今の御説明ではっきりせぬのですが、三十年度の貸付による住宅建設が三十年度一ぱいに貸付契約を終ったという数字は、本年三月三十一日までに幾らくらいになるのですか。契約は全部計画通り行っておりますか。
○鈴木参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。 三十年度におきまして公庫の新築貸し出しに対します九月三十日までの現在において戸数において四万一千六百三十一戸というのが契約完了の戸数でございます。これに対する計画は四万七千戸であります。
○前田(榮)委員 増築計画は三万戸の計画の中に一万三千戸ほど契約が成り立っているという御説明がございましたが、これは半数に満たないきわめて不成績な状態のようでありますが、不成績な状態というのはどういうところに基因しているのか。たとえば増築を要求する方として大体この標準でいきますと四坪半程度が標準になっているようですが、この四坪半というのはあんまり小さ過ぎるのじゃないか、貸付額が少な過ぎるのじゃないか、それで利用価値が少いのじゃないか。しかも四坪半程度のものをかりに坪三万円だとしますと、ちょっと十五万円程度、それで頭金という自分持ちのものを考えますと、十万円か十二、三万円借りるのにまためんどうくさい手続等をやらなければならない。一般大衆というものはそういうことを非常にきらうものなんですが、そんなことまでして借りるのはいやだということがあるのじゃないか。そういうことは公庫の方でわかっておりますか。どういう原因から希望者が少いのか、その点お聞かせを願いたい。
○鈴木参考人 ただいまの増築に関する御質問の中に含まれた御意見も敬承いたしましたが、確かに仰せのような状況も十分あるようでございます。それでなるべくたくさんの資金をお貸し出しできるように、公庫としても努力はいたしておるのでありますが、三十年度は建設見積額の五〇%を貸すことになっておりましたけれども、三十一年度の予算において国会で六〇%まで貸すことをせめてお認め願ったのでありまして、この点幾分か緩和はしたと存じます。ただ予算上一つの増築についての貸出しの単価が広さにおいて四坪半という積算になっておりますので、これにつきましてはただいま仰せのような批評もあるかと思います。で実際の申込み並びに契約の結果から申しますと、増築一つ当りの坪数はほぼ七坪くらいになっております。それから申しましても、同じ借りて増築すならばもう少し大きなものを建てたい、こういう希望が明らかにうかがわれると思います。 〔荻野委員長代理退席、委員長着席〕 それと、正確な原因をいうことも申し上げられませんが、一つはやはり今仰せの御意見の中にあったような点ですが、大体住宅金融公庫の新築の場合に借りて建てた坪数は、一棟三十坪以内の住宅という制限がございます。それでこの増築の場合も、金を借りて増築した結果が三十坪をこえるような結果になってはいけない。それから公庫で借りて新築いたしまして、これは御承知のように二十坪以内しか貸さないということになっておりますが、その公庫から借りて新築したものに増築をする、その増築の願い出をする場合、その増築の結果が前後合せて公庫から二十坪以上借りたという程度に至ってはいけない、こういう二つの坪数においての制限があるわけでございまして、これらもどうも現在の法律を基礎にした解釈としては、いろいろ研究はいたしますし、折衝もいたしましたが、現行の法令を根拠にしてはそれ以上はむずかしい、こういうことに現在なっておりますので、あるいはこれらも一般大衆の方々の希望としては、もう少しでき上った坪数の制限を緩和してもらいたいというような御希望もあるのではあるまいか、これが増築申込み不振の一つの原因をなしておりはしないかというふうにも想像しておるのであります。さらにまた想像力を働かせますと、これも不正確なことしか申し上げられませんが、戦災等の跡でバラック的の住宅が現在建っておる、それに増築をしたいというような場合に、現在家屋の部分につきまして、やみ建築というと語弊があるかもしれませんが、あるいは固定資産税の関係の坪数とか、いろんなことで、公庫から増築貸付を受けるとすると既成部分が明るみに出る、正確な坪数がわかる、そういうことは非常に困るというようなことも、あるいは想像をたくましくすると世間としてはあるのではあるまいか、そういう声も若干聞くものですから、こういう想像もしておるわけであります。お話のように大体増築貸付がふるわないということはわれわれも非常に遺憾に考えておるのでございまして、ただいま申し上げたような観察もいたしておりますし、これが貸付の改善改良に向っては今後とも研究を怠らないつもりでございます。一応お答えいたします。
○前田(榮)委員 それから増築の場合のほかに、今住宅難の中の一つの問題として修繕の問題があるのでありますが、今の法規の上では修繕には貸すことはできないことになっておるわけであります。そこでこれはむしろ住宅局長に御意見を伺った方が適当だと思うのですが、戦時中軍需産業を盛んにやった地方、たとえば広島県の呉付近に、住宅営団が建てた家がある。大体十ヵ年を目途として、バラックに類する住宅を建てておる。従っていわゆる地上石というものはきわめて間に合せ的なものであって、最近われわれが見ておるところによりますと、ほとんど腐って壁が落ち、屋根は曲って雨漏りがするというようなことになって、非常に住むにたえられないようなところもだんだんできてきております。これをこのままほっておきますと、数年ならずしてこのような住宅は廃棄しなければならぬ状態なのであります。これを全部個人に払い下げをいたしております。従って価格は坪なんぼということでなく、一戸全体で、敷地と加えて三万円そこそこで払い下げておる実情なのであります。これらはずいぶん数がありますが、これに修繕を加えますならまだ十年や十五年は維持できる、ほっておけば二、三年のうちにはどうにもならぬことになるだろう、こういうことなんですが、三万円そこそこで買う程度の資産しか持たない連中でありますから、自己資金でこれの大修繕をやる力はもちろんない。そこで金融公庫で借りる法はないかという相談を受けたのでありますが、私は今の法規の上で修繕についてはいかんともすることができない、将来法律を改正すればいざ知らずであるが、どうにもできないという回答をいたしておいたわけでありますけれども、何か法律を改正しているゆる住宅の緩和をはかる意思がおありかどうか、これはむしろ局長にお答えしていただきたいと思います。
○鎌田説明員 私ども住宅調査をいろいろやりましてその実態を把握いたしておりますが、ただいまお話のありました老朽住宅あるいは要修理の住宅戸数、これは全国で非常に多くございます。今統計面に表われましたところをちょっと御紹介申し上げますと、老朽住宅といいますのは、もうほとんど修理のきかないような状態になっておる、むしろ危険に属するような住宅、技術的にいいまして、修理をするのと取り払って新築をするのと同じくらい金がかかるというようなもの、そういうものが約数十万戸と申し上げていいかと思いますが、かなりの数があります。住宅対策としましては、私どもはこれは新しく新築に置きかえなければならぬというような考え方で、今後の住宅建設計画の要新築戸数の中にそれを加えていく。それからただいま御指摘になりました、要修理の住宅、修理をすればまだかなり持っていけるというような住宅は、いろいろ調査をいたしておりますが、ある一つの調査によりますれば二、三百万戸あるかと思います。これも非常に数が多いのであります。これは確かにほうっておきますれば今の老朽住宅の危険なものに逐次繰り入れられていくべきものでございますが、何とか今のうちに修理をしたい、これを持っていらっしゃる個人は当然そういうふうに考えておられるでしょうし、また住宅政策全般を考えますれば、何とか手を加えてできるだけ維持していくようにしなければならぬ、この問題は非常に大きな問題でございます。 そこでこの修繕対策はいろいろ検討を加えておるのでございますが、いろいろむずかしい点がございます。一つは、それはこの増築融資のときにも現われたのでございますが、こういう小口金融でしかも修繕の程度、度合い、どういうふうに修繕したらいいかというようなことで非常に手間がかかる、つまり貸し出します金の割合に調査する費用の方が非常にかかってしまうというような問題がありまして、どういうふうに貸していったらいいかというような技術的な問題について検討を要する点があります。そこで少し乱暴な方法で、むしろあまり調査をしないで、修繕をするという事実だけあれば一口五万円を貸すあるいは二口十万円を貸すという非常に簡易な方法でもとらなければ、この金融はやはりうまくいかぬのではないかというような感じを持っておりますが、そういう点とか、修繕につきましても、修繕と改良が同時に行われます点、実は今そういう点につきましていろいろ検討を加えておるのでございます。将来の問題としましては、この修繕対策を何らかの形でぜひ打ち出したい、こういうように考えておる次第でございます。
○前田(榮)委員 私の質問はこれで終りますが、希望を申し上げておきます。一般住宅で、老朽住宅といたしまして腐朽の程度が何パーセントであるかということは、お説のように非常に調査困難、認定困難だと思う。しかも個々のいろいろな形に現われておる住宅を認定することは一そう困難だと思う。ただ前に申し上げましたように、戦時中住宅営団が作ったものは、そのときすでに十ヵ年計画あるいは十五ヵ年という計画のもとに、全部資材もそういう建前で作った。しかしながら木材そのものは、普通の場合は十ヵ年や十五ヵ年で腐朽するものじゃないのであって、ただ手を加えて地上石をしっかりする、それから屋根をやりかえる、こういうことを行いますならば、十五ヵ年や二十ヵ年は使用できるわけなんです。これはもうすでに建築の当初からはっきりしておると思う。これはあまり認定に困難を感じないものではないか、御承知のようにこの数は相当あるわけなんで、この点を特に一つ御考慮の中に入れて御研究下さいますようお願い申し上げておきます。私の質問はこれで終ります。
○二階堂委員 関連して。ちょっと総裁にお伺いしてみたいと思うのですが、増築融資が不振に終っているということでございますが、これは私もその通りだろうと思っております。不振の原因についてはいろいろ総裁からもお話があったのでございますが、これはいろいろな原因があろうと思っております。その一つは、増築融資を受ける際に非常に煩雑な手続が要る、また借りる方からいいますと、やれ保証人が要るとか、あるいはその他いろいろな条件がたくさんあるようでありまして、私も詳しくは知りませんが、借りたい人が実際申し込みをしても借りられなかったので、いろいろ不満を漏らしておる者が多いようでございますが、これは具体的には手続はどういうふうになされておるのか、あるいは借りる場合には実際保証人が要るのか要らぬのか、何人要るのかといったようなこまかいことについて一応説明をしていただきたいと思います。
○岩永参考人 個人の申し込み手続を簡単に申し上げますと、個人が申込書を銀行の窓口に出しまして、そこで審査をいたしまして貸付の事務が進むわけでございますが、新築の場合には、銀行で受け付けましたものは数が多うございますので、一応抽せんにかけまして、銀行で審査いたしましてから公庫に持って参りまして、この人に貸してよろしいかという公庫の承認を受けてから銀行が貸し出しの通知を発して、それから設計書を府県庁に出して審査を受けて設計の許可をとってもらう、こういうことになっております。ところが増築の場合には、簡単にいたしまして、金融機関に申し込みましたならば、もう公庫の承認を受けないで、金融機関の独自の判断で貸し付けてよろしいと思うものは貸し付けてよろしい、こういうふうにいたしておるわけでございます。そういたしますと、今まで公庫に持って参りまして、公庫の承認を受けておった日数がそれだけ簡略になります。それから設計の審査におきましても、新築の場合よりもずっと簡単にいたしまして、大体建築基準法の確認に必要な書類程度しか要求はいたしておりません。どうせ三坪以上の場合になりますけれども、増築をするのは建築基準法の確認の手続はいやおうなしにとらなければならない、その程度の書類を出していただいて、それによって公庫としてきわめて簡略な審査をする、こういう二つの方面において非常に簡略にいたしております。 それから保証人の問題でございますが、新築の場合には、住宅を担保にとりまして、さらに保証人をつけるという二重のやり方をいたしておりますけれども、増築の場合には、十五万円以下——大ていは十五万円以下で済むように存じますが、十五万円以下の場合には人的な保証人一人でよろしい、こういう建前にいたしております。従いまして住宅に抵当権をつけるという手続に日数がかかるというようなことはおおむねなしに済ませておる状態でございます。
○二階堂委員 よくわかりましたが、借りたいという人はとにかく貧乏人が多いわけなのです。そうしますと、金融機関にその書類を持っていきますと、金融機関は、返済能力があるのかどうか、あるいはその人の担保能力があるかどうかといったようなことを主に考えて許可をするようなことにこれはなると思うのです。そうすると、住宅政策の政策の面からいいますと、なるべく貧乏な家に困っている人に家を建てさせたい、増築をさせてやりたいという趣旨でこの法律ができておるにかかわらず、申し込むところが金融機関になっておれば、一体保証人はどういう担保能力がある人かとか、あるいは返済能力がどうかというようなことを主にして考えてくるのは、これは当然だと思うのです。そうなりますと、われわれが法律を作った趣旨とは逆な結果が出てくるということに私は現実においてなってきておると思う。これはわれわれもこの法律をある程度考えなければいかぬというふうには考えますが、実際問題として相当たくさん人が借りたいと考えておっても、今申し上げたように、現実に窓口に書類を持っていきますと、そういうようなことが出てくる。そうして金融機関の方でこれはどうもできないとかいうような結果になってくる。そこに私は非常な矛盾を感じ、また陳情を受ける立場にある私どもといたしましては、苦しい面があるわけであります。そういう点について私どもは国会の立場において、改正をすべき法律上の点があるならば、これを改正していかなければならぬと思うのですが、そういうことについては、実際に実務に当っておられる立場の理事として、あるいは総裁としてどういうふうにお考えですか。これは金を貸す方ですから、むやみに金を貸してとれないということになったら困る。これは貸す方の立場になってみると、実際はそうなんです。今申しましたような担保能力の非常に弱い、しかも困っておる人が家を作りたい、増築したい、こういうわけですが、実際は逆なことが現実として出てきておる。こういうように私は考えるのですが、実務に携わっておられるあなた方の立場として、何かそこに改正をするような面があるとお考えになるかどうか。この点を率直に一つお聞かせ願いたいと思います。
○岩永参考人 お答え申しますが、実情を申し上げますと、さっき申しました新築の場合の手続といたしまして、抽せんに当った者について金融機関が審査をして、公庫の承認を受けるという場合におきまして、公庫で審査いたします場合に、どちらかと申しますと、金融機関は信用金庫でも相互銀行でも、従来取引関係のあった人が非常に多い。なかった人ももちろん受付をいたしておりますが、あった人が非常に多い。そういたしますと私どもの方は、償還能力等は納税証明書で、これだけの納税をしておれば、確かにこれだけの収入はあるということの認定をいたします。ところが個人営業者等におきましては、本人が収入ありとおっしゃる程度に納税をなさっておらないという例が非常に多いということからいたしまして、公庫ではどうもこの人の納税証明書が少いから、償還能力がちょっと足りないから、貸し付ける金額を減らすべきではないかということを公庫から申し上げる。そうすると銀行の方では、いや、取引しておって非常に営業が盛んであるから、この人は税は多少少いけれども、十分収入はあるんです、というようなことで折衝をして、それじゃよかろうということになったり、あるいはあまり税が少いから何ぼ何でもということで、ちょっと減らしてもらったということがございまして、そういう限りにおきましては、金融機関はどちらかと申しますと、申込者の肩を持つといいますか、申込者が金を借りるという目的を貫徹できるように、申込者の弁護をするという傾向も、むしろ私は新築の方の経験から申しますと、あると思います。従いまして、金融機関の窓口で非常に何か厳格なことを言うておるといたしますれば、それは公庫の方針をそのまま機械的にやっているという場合もございましょうし、あるいは公庫の方針そのものについて反省しなければならぬという場合もあるかもしれませんけれども、金融機関が独自の立場において審査を非常に厳重にしておるということは、公庫の貸付金の延滞の責任を直接に金融機関に負わしておりませんので、その意味からいいまして、金融機関が独自に厳格にしておるということは少いのではないか。従ってそういう声が出る場合には、やはり公庫みずからの責任の問題として、公庫が反省すべき場合じゃなかろうか、こういうふうな立場で仕事をやっておるつもりでございます。そういうことからいたしまして、償還能力も、公庫ができました当座は、毎月の償還金の七倍以上の月収がなければいけないときめておりましたのが、最近はそれを六倍程度でよろしいというふうに標準を下げて実行いたしております。
○二階堂委員 私の考えておりますこととやや食い違った御答弁をいただいたのですが、なおよく勉強してみたいと思っておりますが、この増築の際の設計、これは大体都会における増築の設計とか、いなかにおける増築設計というような一つの基準をあなたの方でお示しになってその設計に沿わなければいけない、こういう一つのかたいワクをはめて、受け付けておられるのか、またそれによって認可をしておられるのか、あるいは地域とかその住宅環境と申しますか、これは非常に広い意味になりますが、幾分弾力性を持った、ゆとりを持った計画でもってお認めになっておるのか、この点をお伺いしたい。
○岩永参考人 新築におきましては柱の寸法なり、土台の高さなり、幅なりということは、一応この程度までやっていただかなければならないという基準を持っております。ところが増築につきましては、既存の建物が程度がいろいろでございますので、大してよくない程度のものに増築の部分だけいい程度のものをくっつけてもしようがございませんので、増築につきましては既存の建物の程度でよろしいとして、特別の基準は設けておりません。
○二階堂委員 よくわかりました。それからもう一つお尋ねいたしたいことは、住宅融資保険法に基く貸し出しの問題でございますが、これは私は再三この委員会においても住宅局長にもお尋ねしたことがあるし、大蔵省にもいろいろ申したことがあるのですが、先ほどお伺いいたしますと、昭和三十年度ですか、大体九億二千三百万円程度の貸し出しをしているということでございますが、この個所はどこどこに貸し付けられておるのか、また申し込みが実際どの程度あったのか、その申し込みについてその全額の幾らくらいに当るのか、もしおわかりになりましたら、その点を説明していただきたい。 それから私はこの融資保険の法律につきましても、実際たびたび国会でも不平を言っているんですが、これは私はそう役立たぬ法律だと思う。これは私ども委員会において審査したのでありますから、あまり文句も言えないわけでありますが、実際金を借りる場合になりますと、一番問題になりますのは銀行当局なんです。これがなかなか協力してくれない。これは保険法に基いて八〇%ですか保証はしてあるのですが、いざ金を借りる場合に銀行に持っていきますと、なかなか銀行はおいそれと貸してくれない場合があるわけです。私は二十二号台風の直後、あれは鹿児島がひどかったですが、鹿児島銀行その他知事等を交えて話しましたが、なかなか銀行が引き受けてくれない。銀行が引き受けてくれなければ、こういう法律があっても金を借りることができない。そこで私はやかましく大蔵省当局に文句を言ったんですが、ある程度法律の改正も必要ではないかと思っておる。また実際役立たぬような法律であれば、これを変えて行かなければならぬと思っておりますが、先ほどお尋ねいたしました点について九億二千三百万くらい貸し出しておられると言われましたが、全国で何カ所許可になっておるのか、あるいはどのくらい実際は申し込みがあったのかという点、おわかりになりましたらお聞かせ願いたい。
○岩永参考人 件数といたしましては、差し上げました資料の九億二千三百万円の上の欄にございます。全国で千七百四十九件でございます。これの府県別の内訳なり、あるいは市中銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合別という資料がございますれば必要な限りにおきましてあとで御提出いたしたいと思いますが、ただいまそこまでのこまかい資料を持っておりません。件数は千七百四十九件でございます。これが十月末の、契約をいたしております総数になっております。そうしてお申し出のございました金融機関が協力いたさないという問題は、まことにお申し出の通りでございます。ただこの法律の建前といたしましては、金融機関が住宅融資をいたす場合にこういう保険をするということでございまして、そのために住宅融資をしやすくしてなるべくよけいするようにということを目的といたしておるのでございますけれども、やはり金融機関の取扱い当局といたしましては、貸し倒れ等になりました場合に、かりに八割返っても、その貸し出し当事者の業績としては、それそのものが貸し倒れになったということが、やはりその人、その銀行の貸し出しに関する業績になる、そういうようなことがあるようでございます。従いまして、保険的な貸付をする場合にも、保険のない貸付をするのと同じような慎重さをもってやるというような傾向がどうしても今のところ抜け切れないというような情勢がございまして、遅々としてこの保険が進まないのはまことに私どもも残念に思っております。
○二階堂委員 もうあまりお尋ねいたしたくないのですが、実際は、たとえば鹿児島市とか新潟市とかいう都会で大火があったとか、あるいはそういうところで大きな住宅を建てなければいかぬというような場合が起ったとか、こういうときには金融機関も、これはいろいろな条件がよろしいから貸そうというわけです。ところが農村地帯に参りますと、百姓の人は担保能力がないとかなんとかいってなかなか金を貸さないのです。私はこれは非常に矛盾しておると思ってずいぶんけんかもしましたが、都会地では、たとえば新潟の大火の際などは、こういう保険ですぐ大蔵省の方もよろしいといって銀行も喜んで金を貸す。ところが農村でたくさん家が倒れた場合などには、これは実際貧乏人が多いから、担保能力がないとか、償還できるとかできぬとかいうことで渋って金を貸し出さない。こういう保険があって、あと八〇%程度は保証しているのだから貸し出したらいいじゃないかといっても、金融機関はなかなか協力しないのです。この点については将来法律の改正をするか、あるいはもっと金融機関が協力できるようなことを考えていかなければならぬと私どもは思っておるのです。実際あなた方にこういうことを申しあげてはどうかと思うのですけれども、これはやはり大蔵省の方に文句を言って、そうして協力できるならば協力させるようにしなければいかぬ。また法律を改正してやらなければいけないといえば法律を改正しなければいかぬと思っておりますが、こういう問題もあるということをお考え下さいまして、まだ何かいい知恵があったらわれわれの方にも教えていただきたい。 以上であります。
○徳安委員長 総裁の方に私からちょっと最後に申し上げますが、実際の運営に当られましてこうもしたらあるいはもっと一般の希望者に沿い得るというような点、そういうものがありましたら、この際記録の上に載せておいてもいいと思いますからお話し願いたいと思います。
○鈴木参考人 広範なお尋ねでありますが、ただいま私が思っておりますことの一、二を申し上げて御要求に応じようと思いますが、一般の新築の貸付につきましては、いろいろの建築の構造、貸付の方法等がございまするが、私どもが実際に行なっての現在の感想から申しますと、三十年度、三十一年度の両年度につきましては、貸付の条件が昭和二十九年度以前より悪くなっておるのでございます。すなわち何坪まで貸すかというと、法律には三十坪中の二十坪まで貸すことになっておりますけれども、実際は十三坪半という予算の平均になっております。従いまして御承知のように、個人住宅等の融資貸付につきましては、すでにある程度まで審査いたしましてそれ以上は抽せんにしておりますが、その抽せん率を定める定め方を、十五坪をこえて二十坪までの分と、十三坪をこえて十五坪までと、それから十二坪以下という三種類に分けまして、それで抽せんの率を変えておりまして、平均十三坪半程度に落ちつくように当選者が得られることを目途として抽せんをするといったようなことです。そこで、実際は少くも十五坪以上ぐらいは借りて建てたいという希望が多いようでありまするが、実際はそういうことにならざるを得ないということが一つ。 それから、構造と貸付の坪数とによりまして、御承知の標準建設費をかけ合せまして総体の建設貸付金を算出するわけでありますが、法律ではその総額の八〇%まで貸し付け得る、ことに鉄筋コンクリートは八五%、その他の構造においては八〇%まで貸し付け得ることになっております。ことにその八〇%まで貸し付け得るということは、最初御議決になりました法律が数年後に改正されて八〇%まで上げてあるのであります。これが予算の上においては、あるいは七五%まで、七〇%までというような段階で金高をしぼることになっております。 それから、住宅の敷地の買収取得についての費用も、法律においては百坪までは貸し得ることになっておりますが、今の予算の現実においては、これは種類によって違いますが、五十坪ないし六十坪というようなふうに貸付の土地の坪数も少くなっております。 かれこれすべてを通じまして、先ほど申し上げたように貸付の条件が悪くなっております。従ってその結果としては、個人の場合すべて借り受けた昔が建てるときに自己負担金が多くなる、やむを得ず金高を自分で吐き出さなければ予定の家屋が建たない、こういうようなことになりますので、実際借り受ける大衆から申しますと、こういう点を、もう少し楽に建てられるように、つまり自己資金が少くてできるようにしてもらいたいという希望が確かにあると存じます。 それから増築の貸付につきましては、先刻申し上げたような制約がありまするほかに、大体一つの件についての貸出金が結局は少い、だから、手数をかける割合に少ししか金が借りられないというところに大衆の希望に十分に沿わない点があるかと思います。 それからもう一つ一番大きい点としましては、先ほども概要御報告の中で申し上げましたが、最近は資金構成が悪くなっております。これは公庫の経営上の問題でございますが、初年度の二十五年度は、政府出資五十億、それから対日米国見返り資金から百億、合計百五十億のただの金を出資もしくは交付を受けておったんでありますが、二十六年度以降は大体が借入金が多くて、出資金は少かったんでありますが、少くとも五十億ないし七十億程度の出資金、すなわちただの金をいただいておったんであります。借入金は全部年六分五厘の利息をつけて政府にお返しするのでありますが、このただでいただいておる金と混合して経営いたしますので、何とか経営できたのでありますが、先ほども申し上げたように三十一年度においては、政府出資金は一文もいただけないということになりましたので、いわゆる逆ざやの経営貸付をしなければならぬということが、経営上の困難さを非常に深く強くしておるという事情に迫られておりますから、これを特に申し添えまして、先ほどの委員長からの御要求に大体応じたかと思います。
○徳安委員長 住宅に関する件につきましてはこの程度にとどめます。参考人の方には長時間ありがとうございました。お引き取り願います。 では、本日はこれをもって散会いたします。 午後零時三十二分散会