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25回国会衆議院1956/12/04

建設委員会 第3号

発言数
81
登壇者
12
会派数
2
開催日
1956/12/04

会議録

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 これより会議を開きます。  住宅に関する件につきまして調査を進めます。  この際お諮りいたします。先ほどの理事会におきまして御協議願ったのでありますが、住宅に関する件につきまして、住宅公団総裁加納久朗君及び副総裁河野一之君の両名を参考人として本日の委員会に招致いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 御異議なしと認め、さように決します。  なお同件につきまして、明日の委員会に、住宅金融公庫総裁鈴木敬一君、同理事岩永賢一君の両名を参考人として招致し、意見を聴取いたしたいと存じますが、これも御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 御異議なしと認め、さように決します。  これより参考人の方より御意見を承わりますが、その前に一言あいさつ申し上げます。  参考人の方には、御多忙中にかかわらず本委員会のためにわざわざ御出席いただきましてまことにありがとうございます。委員一同を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。  それではまず日本住宅公団の業務概要、事業計画等につきまして、説明を聴取することにいたします。日本住宅公団総裁加納久朗君。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 今日はここにお呼びいただきまして説明を申し上げる機会を与えていただきましたことを深くお礼申し上げます。  日本住宅公団が発足いたしましたのは昨年の七月の二十五日でございまして、それから今日まで一年四ヵ月たっております。発足いたしましてから機構を整備いたしまして、それから人員を充実いたしまして、しかる後に仕事に着手いたしたわけでございますが、非常に急ぎましたために機構を作ること、それから人員を充実することのかたわら仕事を進めていった次第でございます。発足いたしましたときの仕事は二つございまして、一つは三年間に三百万坪の区画整理をして宅地を造成するということでございます。第二は住宅を二万戸建設するということであります。その二万戸は分譲する住宅と賃貸する住宅と二つでございます。今日までにすでに第一の宅地造成につきましては三百万六千坪の地面を確保いたしまして、十五団地の造成に従事いたしております。これはお手元に差し上げました第二の表に書いてございます。東京におきましては松戸、日野、川崎、鎌倉、所沢、大阪におきましては池田、芦屋、堺、枚方、舞子、それから名古屋の地域におきましては猪高、西方、福岡の地域におきましては足立、藤松、山ノ田、この十五ヵ所でございます。大体一番小さいのが十万坪、大きいところで五十万坪の新都市を作るという計画で進んでおります。  次に住宅でございまするが、昨年の三月三十一日までに二万戸を目標といたしたのでございますが、幸いにして二千八百九十一戸だけ余分に作りまして、次年度の分に食い入ったわけでございます。約二万三千戸を作りあげたわけでございます。従って三十一年度の計画であります二万三千戸のうちの約三千戸が前の年度にできておりますので、ただいま三十一年度の分に着手いたしまして発注いたしましたものが、すでに八千二百三十八戸になっております。従ってまだあと一万二千戸の発注をしなければならないのでございまするが、東京地区を除くのほか、名古屋、大阪、福岡の支所におきまする手当は大体済んでおりますので、東京だけが非常におくれております。これは東京地区における土地の取得が非常にむずかしかったということのためにおくれたのでございまするが、これも今日大体手当を終りまして、予定通り三十一年度の二万三千戸は本年度じゅうに発注を完了するつもりでおります。もう一つおくれました理由は、御承知の通り鋼材が値上りをいたしまして、初めの積算とだいぶ違って参りましたので、もう少し鋼材か安くに入るのではないだろうかというようなことで少し足踏みをやったということか原因でございまするが、幸いにして鋼材におきましては応急の手当といたしましては鋼材斡旋所のプール計算による約トン六万一千円の取得というものであっせんをしてもらいましたのが少量手に入ることができましたのと、もう一つは六千トンだけは外国から直接輸入するということで六万五本円の鋼材を取得することを計画いたしまして契約を了しました。もう一つは長期計画といたしまして八幡、富士、日本鋼管という三大メーカーと契約いたしまして、来年の四月からロールにかける分を一千五十トンずつ一年間にわたって供給してもらうという約束をいたしました。これで公団の所要額の約三分の一を確保することができたわけでございます。こういうふうにめどがつきましたので、住宅建設の方も予定通り進んでいくことと存じております。  ついでに二つのことをつけ加えて御説明申し上げたいのでございまするが、すでに市街地の地面というものは権利がついておりますし、地主がなかなか手を放しませんので、取得が困難でございますが、どうしても市街地の店舗の上に住宅を建てていくということにしなければならないので、相当努力をいたしました。大阪、名古屋においてはすでに十数カ所の場所で一ブロックずつ地主及びそこの店舗を所有している人の承諾を得て店舗付の住宅を建設しております。東京が一番むずかしいのでございまして、東京では今芝に一ヵ所、ある会社の本社が建ちますので、その本社の三階までを本社が使って、あとその上の四、五、六の三階を公団が賃貸住宅を建てるという設計をして着手いたしております。  一番店舗付住宅で成功いたしましたのが、不幸にして新潟の大火のあとでございまして、新潟の大火のあと、あそこの店舖を持っておる方と地主の方が公団の協力を求められましたので、四ブロック柾谷小路に公団が店舗付の住宅を建てまして、非常にいい成績を上げまして、できたあとの成績は大火前の売り上げの二割方上進したということで大へん喜ばれております。こういうことが一つのモデル・ケースになりまして、漸次全国に普及していってくれるのではないかと思っております。なお大火のあと能代、大館、魚津いずれも公団から人を出しまして、市に協力いたしましていずれも店舗付の住宅を建てていくことを計画いたしております。  それから大きな団地を作りました場合に、どうしても学校が必要なのでございまして、学校のないところには移っていかないものでございますから、従って市の方で急にそういう大きな団地を作られても学校を作る費用がないから困るではないかというような苦情もありますので、これは文部省の方と建設省の方とにお話いたしまして、ただいま全国四ヵ所だけは学校を公団が作って年賦で市に校舎を売るということを約束いたしたわけでございます。団地の中におきましてはできるだけ集団生活を快適に便利にして上げねばならないという趣旨から、五百戸以上のところでは市場を作り、それから集会場を作り、託児所を作り、公園及び児童遊園地等を作って、衛生のためにもいろいろ考えておるのでございます。ただ、買物でございまするが、これは商魂たくましい連中がたくさんおりますので、大きな団地ができますと、周囲の土地をどんどん買いまして、そして店を作りまして市価をずいぶん上げているような次第でございますが、しかしそのために団地に住まわれる方の生活のためには大へんに便宜になっておると思うのでございます。病院等も新しいものが相当方々でできております。  大体ただいままでの業務の概要をお話いたしまして、なお詳しいことにつきましてはここに副総裁もおりますし、それから計画部長の曾田君も参っておりますので、どうぞ詳細に御質問願いまして、また御意見も伺いたいと思います。ありがとうございました。

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 この際参考人並びに政府当局に対して質疑の通告がございますのでこれを許します。前田榮之助君。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 ただいまの公団の事業経過を承わって大へん堅実に施行されておる点については敬意を払う次第であります。  ただこの際お尋ね申し上げておきたいのは、住宅公団に対する不満や不平の意味ではないことを御理解を願っておきたいのですが、三十年度二万戸建てるという計画を立てられたことは、鳩山内閣が四十二万戸の住宅を建設するという国民に対する公約が具体化されたものの一部なのであります。その公約について公団は直接責任はないのですから、そのことを私は問おうとするのではないのでありますが、住宅というものは発注すればそれでよいのではないのでありまして、発注をして住宅が完成を見て人が居住しなければ住宅の値打はないのであります。そこでこれは主として建設大臣に問うべき性格のものなんですが、政府は三十年度に建設をするというふうに国民に公約をしている。その公約に基いて公団が二万戸建設しようと非常に努力された。しかし国民の方の側からいいますと、発注を見ておっても住宅へ住まうことができなければ何もならない。三十年度、すなわち三十一年三月三十一日までに住まえるようになったのはおそらく半数程度ではないかと思いますが、その点はいかがなものでしょうか。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 三十年度の分として発注いたしましたものは、完成いたしましたのが九二%になっておりますので、今年中にはあとの八%を終って入居できるようになります。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 私が聞いているのは、三十一年三月三十一日に国民に公約した点を申し上げておるのであって、現在を言っているのじゃないのですよ。三月三十一日までに国民に公約して住まえるようにしたのは何戸であるか、こういうことをお尋ねしているのです。

河野一之日本住宅公団副総裁

○河野参考人 お答え申し上げます。いろいろ考え方ごもっともな点がありますが、実際を申しますと、三十一年三月末日までには二万戸できておりません。これは私どもといたしましては、もちろんできるだけ多くのものをその期間内に作って住居していただいて喜んでいただこうと思ったのでありますが、何しろ私ども、繰り言を申すわけではございませんが、年度の半ばにおいて公団が発足し、ことに私どもの住宅でありますと堅牢な鉄筋コンクリート耐火性のものでありまして、相当時間がかかります。土地の取得及びその建設のために相当日子を要しまして、ほとんど大部分が三十一年度になって完成した、完成しつつある、こういう状況であるということを御了承願いたいと思います。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 最初に申し上げた通りに、そこを私はついているのでもなんでもないのです。また公団の努力、それから公団は、公団の任務として計画通りに、むしろ計画以上な成績をおさめられつつあることをよく私はよく認識している。従って私は三月三十一日に何戸住まえるように現実にできたかということをお尋ねして、その数字がわかりましたら、それから先はあなた方を責めるのでもなければあなた方に文句を言うのでもない。それから先は政府に対して、そういう国民に約束したことが現実にできておらなかったことはどうするのかと言うのであって、あなた方に言うのではない。それから先のことなのですから、あなた方はただ私のお問いに答えていただければもう十分なのですから……。

河野一之日本住宅公団副総裁

○河野参考人 率直にお答え申し上げますが、三十一日までにはできておりません。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 半数くらいだと私は想像しておるのですが、住まわれるようになったのは、八、九千戸じゃないかと思いますが、その程度じゃないですか。

河野一之日本住宅公団副総裁

○河野参考人 三月三十一日までにはでき上ったのは一戸もございません。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 それはおかしいですね。三十一年の三月三十一日までに一戸も入れないということはないはずだと思います。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 何しろこれができましたのが七月二十五日なんでございます。そして私が辞令をいただきましたのもそのときでございます。それから事務所を定め、機構を作り、人員を充実し、それをしながら家を建てていった、こういうわけでございますので、どうしても完成が三十一年度に入った、こういうわけでございます。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 大へんごもっともな話だと思います。そこで今度は、大臣がおられないので堀川政務次官に一つお尋ねしておきたいと思いますが、政府は三十年度四十二万戸建てると国民に公約した。それからそのうちで、これは金融公庫の住宅も、その他府県の庶民住宅も同じだと思いますが、今ちょうど問題になったから公団住宅のことを申し上げるのです。公団住宅を四十二万戸のうちの二万戸建設するということで、その計画は着実に行われておることを私は承認するのですが、四十二万戸建てると言いながら、実質において四十二万戸建てておらない。しかも住宅というものは、計画を立てて発注したとかあるいは宅地を地ならししたというようなことで住宅ができたというわけじゃない。にもかかわらず、鳩山内閣は四十二万戸建てると言ってうそをついたことになる。実際四十二万戸建てておらない。それは建てておらないということをはっきりと申し上げてもさしつかえないかどうか。それに何か政府として言いわけがあるのかどうか。それを聞いておきたいと思う。

堀川恭平自由民主党建設政務次官

○堀川政府委員 お答えいたします。前川委員の言われる通り、四十二万戸のうち二万戸を公団の名において建てるということになっておりましたが、今総裁から御答弁があったように、三十年の七月何日かに発足いたしておるのであります。その三十年度の予算で、三十年度には建っていなかったことは事実であります。しかし三十一年度にまたがって、これは建設いたしておるはずであります。その点御了承願いたいと思います。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 それは三十年度が三十一年度へまたがって、約束の数は結局において完成した、こういうことであろうと思う。それは三十一年度がまた三十二年度へまたがり、三十二年度が三十三年度へまたがるのであって、結局はやっぱり三十年度は間違いなく約束通りの戸数はできておらなかった、こういうことでなければならぬはずです。だんだん三十一年度は三十二年度へ、三十二年度は三十三年度へ、あるいは半年かかるか一年かかるか、それを加えればできたということになるだろうけれども、そうすると国民に対する公約というものは、正しい意味では果されておらないということなんです。従ってただ予算の施行に対して私は無理があるとは思わない。これは順序よく運びつつあるということは言われると思う。けれども国民に対しては、三十年度四十二万戸、三十一年度は四十三万戸建てることを公約されたんです。公約されたことを実行せねばならぬ責任が建設省にはあるのですが今後どうするのですか。それを年度内に建てることができると思いますかどうですか。

堀川恭平自由民主党建設政務次官

○堀川政府委員 前田さんの言われる通りでありまして、次年度にまたがって建てておりますが、三十一年度の住宅に対しましては発注は全部済んでおります。そこで三十二年の三月三十一日までに入れるようになるかというとなかなかそこまでいかない、こういうことであります。それが前申し上げましたように発足が七月——大方八月になっておったかと思いますが、それの取り戻しに一、二年苦労するのではなかろうか、こういうことであります。できるだけやっておりまして発注は済んでおりますので、その点御了承願いたいと思います。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 大体御説明の点は了承いたします。それで今度は今後の問題ですが、三十一年度も大方三分の二ほど済んだことですから、今後かりに三十二年度に四十三万戸なり、四十四万戸建てるという計画を立てられたら、今度はその年度内に建つ見込みがありますか。建てられますか。建てられるということなら大へんいいことだと思いますが、その点はいかがですか。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田説明員 住宅建設計画は確かにお話のようにその年度内の予算をもって年度内に完成することを目的に事業を執行せねばならぬとは考えておりますが、ただ現実の問題としましては、従来から——かなり前からでございますが、年間にいろいろな事件が出ております。と申しますのは、二十五、六年のころは途中で朝鮮動乱が起りまして、資材が非常に値上りをしてしまった、あるいは予算の成立がいろいろな関係で若干おくれましたり、いろいろの事件のために毎年度その年度の事業を三月三十一日までに完成しようと思って努力はいたしておるのでございますが、年々完成が次の年度に繰り越されていくような傾向にございます。そこで私どもこの事業をお預かりしておるものといたしましては、ぜひこのおくれを取り戻したいということで、幸いにこの三十一年度事業は、予算成立も非常に早くできましたし順調に事を運んでいったのでございますが、またこの三十一年度事業につきましても、実は途中で鋼材の値上りその他で多少手間取りました。そこで私どもが考えておりますような順調な工事の進捗を見ていないことははなはだ遺憾でございますけれども、私どもとしましては今後ぜひ取り戻しましてその年度の事業は年度内に完成する目途をもって事業をやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 副総裁は大蔵省におられたので会計のことは一番よく御存じですが、会計閉鎖期までには大体仕事を済まさなければならぬ性質のものなんですが、そのころまでには四十二万戸が全面的にでき上りますか、その点はいかがですか。私は三十年度の過去の分は言わない、三十一年度の分は五月一ぱいぐらいにはできますか。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田説明員 地方公共団体の会計閉鎖期間と申しますか、その期日の五月の末日くらいには全部でかしたいと思っております。

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 次は中島巖君。

中島巖日本社会党

○中島委員 実は臨時国会もあす、あさっての一両日しかないのですが、現在非常に問題になっておる道路整備と関連してガソリン税の問題、それから目下建設省と通産省、自治庁の間で協議してかなり進行しておるところの水利使用料並びに発電税の問題をお伺いいたしたいと思いますので、今住宅問題をいろいろお伺いするよりは、それらが先決問題ではないかと思いますから、住宅問題はごく簡単にお尋ねいたしたいと思います。  ただいま前田委員からの質問に対しまして、昭和三十年度の分は、年度の昭和三十一年三月三十一日までに一戸もできておらぬというような御答弁のようでありましたが、事実そうでありますか。この点はっきりお伺いしたいと思います。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 三十一年の三月三十一日までには完成いたしておりません。一つも完成いたしてはおりません。しかしただいま申し上げましたように、すでに九二%まで工事が進行いたしておりますので、あともうわずかでもって、三十一年のうちに三十年度の分の家を全部完成して入居することができると思います。

中島巖日本社会党

○中島委員 住宅局長にお尋ねしますが、国の機関や地方庁においては、結局三月三十一日が会計年度であって、大体五月末日でもって打ち切るというのが現在の制度なのでありますが、住宅公団に対してはこの制度をそのまま適用しておらぬのでありますか、その点をお伺いしたいと思います。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田説明員 ただいまお尋ねの点は、制度としてはそういうふうに、地方公共団体や国の機関のような会計年度を持っておるわけではございませんが、実際の気持といたしましては、なるべく同じように、その年度内に会計が終るようにいたしたいと考えております。制度としては別にそうなっておるわけではございません。

中島巖日本社会党

○中島委員 そこで、ただいまの加納総裁のお話を聞くと、三十年度はおそらく五月三十一日までに打ち切るというようなことはできなかったと思うのですが、そういう場合にはどういう処置をとるか。それから公団の予算を五月三十一日までにどの程度支出して、どの程度残になっておるかということを、大ざつぱでいいからお伺いしたいと思います。

河野一之日本住宅公団副総裁

○河野参考人 公団の予算制度は、国の予算制度、会計制度と多少違っておりまして、発生主義で、月三十一日で切るということになっております。債権債務の発生主義で、国のような現金主義ではございません。債権債務で行く。そしてその予算というものは翌年度にそのまま繰り越すことができる、こういう制度になっておりまして、契約のペースで参りますと、三十年度の発注、つまり契約になりますが、これは約二百十億ばかりの予算でありますが、大体ほとんど全額を契約いたしております。しかし実際の現金の支出は、工事が進行いたしますにつきまして払っていきますので、現金の支出高で行きますと、大体半額ほど出ておるような状態でございます。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 私から、さっきの御質疑に対してちょっと補充いたしておきたいと思うのでございますが、三十年度の分が三十一年の三月には完全に完了しておらなかったのでございます。しかし三十一年度の分は、三十二年の三月には五千戸は完了いたすつもりであります。従って三十二年度の分を今度やる場合には、おそらく三十三年の三月には一万戸以上の完了を見ると思うのでございます。そうしますと、三十三年度を始めたときに、三十四年の三月にはすっかり完了し得るというような計画に乗っていくと私は存じております。

中島巖日本社会党

○中島委員 どうもはっきりしないのですが、この公団とすれば、昨年公団法が成立して、先ほど総裁からお話があったように、それから入るところも建てんならぬ、人員も整備せんならぬということで、三十年度としては、われわれとしても、政府の責任は別として、公団がとられた処置については宥恕すべきと申しますか、了承せねばならぬ、こういうように考えるわけであります。しかし現在は、もうあなたの方の態勢も整っておるのだから、先ほど局長から話のあったように、三十年度の予算は、三十一年の三月にこなされないにいたしましても、三十一年度の予算は三月末日までにはこなせぬにしても、五月末日までにはこなさなければいけない、こう思うわけであります。さらに来年度予算なんかは、やはり年度内においてこなすべきである、こういうようにわれわれ考えるわけでありますが、あなたの方のお話では、三十一年、三十二年はなかなかそう行かぬというような話だったのですが、その理由を一つお聞かせ願いたいと思います。  それから三十年度予算におきまして、三十一年三月三十日に総額の予算がどれだけあって、どれだけを三月三十一日以降に繰り越して現金で持っておられるか、この二つの点をお伺いしたいと思います。

河野一之日本住宅公団副総裁

○河野参考人 先ほど申し上げました点でありますが、公団の予算は国の予算と違いまして、計上せられておる予算を全額その支出にするという建前でできておるのではないのでございまして、契約ベースで、その期間内において幾ら契約する、現金支出はまた別というふうな建前になっております。これは一般の会社、公社なんかと同じようなやり方になっておるわけであります。先ほどちょっと数字を間違えましたが、昭和三十年度の予算におきまして計上せられております資金の総額は百六十億でございます。三十一年度が二百十億ばかりでございますが、そのうち契約といたしましては全部契約いたしておるわけであります。ただし現金の支出は、工事が進捗いたしますにつきまして払うものでありますから、資金の調達は、それに応じていたすわけであります。国の方でありますと、その間に現金の支出を全部了するわけでありますから、財源の方もその間に調達しておかなければならぬのでありますが、われわれの方におきましては、契約をいたして、そうして現金支払いが出るごとに、政府の出資、地方団体の出資、あるいは低利資金、それから民間から借入れをいたす、こういうような制度になっておりまして、百六十億の契約のところ、契約をしてその全額がその期間に支出されればこれすなわち進行なんでありますが、契約は百六十億いたしておるが、現金の支出はまだその半分程度である、こういう事態になっておる次第であります。

中島巖日本社会党

○中島委員 ただいまのお話をお伺いしますと、百六十億のうち、年度末までに約半額くらい支出して、半額ぐらいは残っておる、こういうような御説明でありましたが、昭和三十一年度に対してのはっきりした、三月三十一日までに五千戸というようなことをお聞きしましたが、金の方の支出はどの程度であるか、この点、総裁からお伺いしたいと思います。  それから政務次官に、この点は前田委員からも指摘しましたけれども、昨年二月の鳩山内閣の五大政策の一つがこの住宅政策四十二万戸建設。四十二万戸建設と申しましても、その内容はたしか十七万五千戸で、ことにそのうちの三万戸というものは二階一部屋改造する分というようなものも入っておって、実際は十四万戸ぐらいのものだと思っておったのです。そこでこの住宅政策の骨格の一番大きな問題は、この公団の設立ということで、これについては相当反対があって、本会議でも討論しておった。強行採決をして法案が成立をしたというようないきさつがあるわけであります。従ってこの公団に対しては、鳩山内閣は相当の責任をもってめんどうを見んならぬことになっておる。それが昭和三十年は三月三十一日の年度末に一戸もできておらぬ。さらに昭和三十一年度の予算に対しては、二万何千戸と思いましたが、五千戸程度しかできぬ、こういうようなことになると、私きょういろいろ研究してきませんので、はっきりしたデータで申し上げるわけにもいきませんけれども、これは政府の重大な責任じゃないかと思うのです。これに対して政務次官はどういうお考えであるか、その点をお伺いいたしたい。

河野一之日本住宅公団副総裁

○河野参考人 まず初めに私に対する御質問にお答え申し上げます。昨年七月に発足いたしまして、去年の十二月三十一日現在において発注いたしたものは約三千戸でございます。発注を完了いたしております。その後一、二、三の三ヵ月間において二万戸やっつけたわけであります。今年は十一月——先月末現在で約八千戸発注いたしております。その点からいいますと、去年に比べまして約五千戸進行いたしておるということになります。これから非常に努力いたしまして、年度内にぜひとも二万三千戸の発注を了する、これを必ず達成するという覚悟で現在やっております。従って三十一年度中には二万三千戸の発注は全部できると思いますし、またやらなければならぬと思っております。しかし現実に完成いたしますものにつきましては、これはただいま私お約束いたしましても、鋼材の関係、その他土地の関係等もありまして、なかなかちょっと確たる見通しを申し上げにくいのでありますが、少くとも全体の計画の半数近いものは完成して納入させたいというふうに考えております。そうして資金の関係で申しますと、ただいま申し上げましたように、契約は全部いたしまして、つまり予算権といいますか、予算を支出し得る権能は全部使い得ると思いますが、実際の現金の支出といたしましては、おそらくその半額、あるいはもう少し、七、八十億くらいが残るのじゃないか、こういうような見当を立てておるわけであります。できるだけ努力しまして、御要請に沿いたいと考えておる次第でございます。

堀川恭平自由民主党建設政務次官

○堀川政府委員 今河野副総裁から言われたので尽きたと思いますが、鳩山内閣が声明した通りに、鳩山内閣としては責任があるのであります。しかし前から申し上げましたように、設立がおそかったために去年度のやつがおくれてきた。そこで、その完成を取り戻すためには一、二年かかるのじゃなかろうか、大体はこういうことなんであります。三十一年度の発注に対しましては、年度内に全部終る、しかし三十一年度には入居はできないのだ、こういうことでありますので、三十二年度、三年度にこれは取り戻すようにいたしたい、こういうことを前の総裁が言っておるような次第であります。かような意味で一つ御了承願います。

中島巖日本社会党

○中島委員 今お話しの向きはよくわかりましたが、三十年度がまだ残っておる。三十一年度が今御説明のようで、堀川政務次官のお話では、もう二、三年たてば取り戻して常道に戻る、こういうようなお話でありますが、どうも鳩山内閣がまだ二、三年たって命があるかどうかということも、だいぶ怪しいのですが、極力一つやってもらいたいと思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 今伺っておりますと、最初三十年度は八千戸ですね。それから三十一年度は二万三千戸ですか、計画としては……。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 いや、初めが二万戸、それから三十一年度が二万三千戸であります。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 その実績を、私は会計のやり方については詳しいことはわかりませんけれども、現実に今日までかかって発注が大体半数でしょう。これをあと三ヵ月で全部を発注したいということは、実際は無理じゃないですか。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 先ほど副総裁から御説明申し上げましたように、昨年の二万戸発注の場合に一、二、三月でもって二万戸の発注を終えたのであります。ことしは二万三千戸の予定のうち、すでに八千戸以上を発注してございます。残るところは一万五千戸でございます。これは三月三十一日までに必ずやりつけます。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 私どもが聞いておりますと、相当無理が伴うのじゃないかと思いますが、三十二年度の計画はどのくらいのお考えですか。これは通常国会へ入って予算とのにらみ合せにもよりますが、非常に押していって、相当私は無理があると思うのです。それで、なるほど計画を相当強力に消化していくということも当然のような気がいたしますが、しかし、発注の時期から考えて、相当無理があると思うのですが、こういう現状に立って、三十二年度はどういう計画をされておるのですか。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田説明員 三十二年度の計画につきましては、ただいま予算を要求いたしております数字は二万五千戸であります。本年の数字を二千戸上回りまして、二万五千戸お願いしてあります。これは、今までの実績からして、そうふやしていくのは無理ではないかというお話でありますが、こういうものの建設計画といいますのは、やはり発注したという現実の面の底には、それまでの準備というものが非常に重なっている。たとえば土地を探します場合、それからあるいは設計をやりますものとか、設計の基準を積み上げるとか、そういうようなその発注の段階に達しますまでの下工作といいますか、そういうものが非常に積み立てられておりますので、そういうものが逐次整備されていきます後段におきまして、今後大体その無理がなくなっていくのではないか、こういうふうに考えるわけであります。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 そうしますと、私たちも不勉強で申しわけないですが、鳩山内閣もあと幾日もないと思いますけれども、鳩山内閣の四十二万戸、四十五万戸という内容について、だいぶ大いなる疑惑を持たざるを待ないと思うのです。従って、私がここでお伺いをしておきたいのは、こまかい点は別として、三十年度四十二万戸ですか、それから四十五万戸ですか、その実績の内訳を簡単に一つ説明していただけませんか。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田説明員 三十年度の建設計面は、ただいまお話のように、四十二万戸といいますのは、民間自力建設をも含めまして四十二万戸の目標を立てたわけであります。その内訳といたしましては、公営住宅で五万戸、住宅金融公庫の融資にかかります住宅で七万七千戸、それからただいまの日本の住宅公団で二万戸、これが政府の直接施策の三つの大きな施策でありますが、そのほかに国家公務員住宅でありますとか、厚生省が行なっております厚生年金の還元融資によります住宅の建設でありますとか、そういうような政府の資金が大なり小なり入りまして作られる住宅が約三万戸、そのほかあと民間自力建設の年間行われております実績を加味いたしまして、四十二万戸の計画を立てたわけであります。これに対しまして実際の実績は、前の委員会でも御報告申し上げたと思いますが、四十万何がしでありまして、四十二万にはちょっと達しなかったのであります。その一番大きな理由は、住宅金融公庫融資の七万七千戸のうち、三万戸の増築がありましたが、これが初年度の関係もありまして、その増築融資が意外に伸びませんで、三万戸のうち一万戸こなしたにすぎなかったのであります。それで二万戸分余ったのであります。これが三十一年度に繰り越されまして、三十一年度に契約をされたというような事態になりましたので、実績としましては四十万戸という線にとどまったのでありますが、これは先ほどからいろいろ論議がありましたような、それでは四十万戸の基礎計画が年度内に全部予算を消化されて、家として完成して入居ができたのかというお話に対しましては、これは少し違うのでありまして、着工統計と申しますか、契約をしまして工事にかかったというものが含まれまして四十万戸の実績であります。ただし、その前の年度の契約のものがやはり三十年度に流れ込んでおります。毎年々々そういうふうに完成いたしますのが少しずれております。そういうような関係もありますので、今までの統計が、大体民間の自力建設も着工統計になっておりますので、私今申し上げましたのは、着工統計として申し上げたわけであります。ただ三十一年度の計画としましては、四十三万戸の建設がされることを目標として、ただいまできる限りの努力を費しているわけであります。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 そうしますと、国民の受ける感じと建設省が考えている住宅建設の内容とは、だいぶ違うと思うのです。今局長のお話を聞けば、先ほど来各委員からの質疑応答でも明らかになったように、着手はしておるけれども、この住宅公団の住宅については入居できない。だから人が入れるのか入れないのかという考え方をすれば、これはゼロである。それは発足がおそいとかいろいろな事情があったでしょう。しかし国民の側から見れば、そういうことは別に理由にはならないと思う。ところが今局長の説明を聞いても、まだ一人もはいれない。この住宅公団の住宅が当初の二万戸計画通りに完成され、入居できたものであるという印象を国民に与えて、二万戸少いけれども四十万戸はできておる、こういうような説明をされるということは、説明の仕方も非常におかしいのじゃないか。これは住宅公団の住宅についてのみここでわれわれ聞いたのではありまするが、ほかの種別の住宅についても、こういう要素がきわめて私は多いという気がするわけです。ほかの、たとえば公営住宅その他についても、こういう例がたくさんあるかどうか、お伺いしたいと思います。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田説明員 この住宅公団について、先ほどその年度内に完成したのは一戸もないというお話がありましたが、ほかの公営住宅につきましては、そういうことはございません。地方公共団体の出納閉鎖期まで、五月末とか六月末までに、多少完成がおくれたというのはございまするが、そういう全然できなかったという事態はもちろんございません。それから三月三十一日までに発注せられますと、鉄筋コンクリート造のようなものは、一番状況の悪いところで八ヶ月くらい工期を要しますので、一番おくれました場合には半年ちょっとぐらいその完成はかかるわけでありますが、木造のごときは着手しまして、早いものは二、三ヶ月でできるわけでございます。従いまして、その三月三十一日までに完成することは、これはもちろん私どもの任務でございまして、そういうふうにやりたいとは思っておるのでございまするが、いろんな事情でそこまでなかなかいきませんでした場合でも、三月三十一日までにぜひ着工しまして、着工すれば何ヶ月かあとにはできるという明るい見通しができるわけでございます。そこまで努力をいたしまして、そういう実績になっておる、こういうふうに申し上げたわけでございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 実情はそういうことで、説明を聞けばある程度納得できると思うのです。ところがそういう説明をされるのは、本委員会くらいなものでしょう。実際は公約に対して、四十二万戸のが四十万戸完成したという印象を国民に与えている。そういう仕方がいけないのではないかということを言っておるわけです。だから率直にそのような発表の仕方を、あらゆる機会にしていただければいい、こういうことを私は言っておるわけです。民間の自力建設によるのを政府の方で統計の数の中へ入れているということもどうかと思うのです。国民の方に鳩山内閣が四十万戸建設をした、三十年度に入居できた、こういう印象を与える。だからそういうごまかし——と言っては語弊があるかもしれませんが、発表の仕方をしなくて、本委員会でやっておられるような発表の仕方をしていただきたい、こういふうに思うのです。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 住宅問題に関連いたしまして、住宅公団を新設してこの対策を進めていくという政府の熱意そのものに対しましては、私たちは心から賛意を表しておったのでございますが、今楯委員から御質問になったような問題は、すでにその住宅対策あるいは公団問題の審議の過程におきまして、与党の委員からも私自体からも本会議、委員会等におきまして政府にこの問題の誤解を招くおそれのある点を追及しておったのでございますが、一般の国民は、四十二万戸建設するというたら四十二万戸が建てられて、そうしてその年度内に入られるものである、これはだれが聞いたって常識的な判断であると思うのであります。ところが実際やってみると三十年度はあの法案の成立はずっとおくれましたし、土地の取得その他の関係からなかなか困難であるということは、私たちはまた当事者もよくわかっておった点であります。しかし四十二万戸は建てるのだ、こういう工合に鳩山さんは答弁されますし、政府の方もそのように答弁しておられた。そこに問題があると思うのです。楯委員の言ったのは、今後もそういうごまかしでなくて、やはりほんとうに国民からいっても、四十二万戸なら四十二万戸、十万戸なら十万戸を建ててもらったら大へんありがたい、こういったすっきりしたところでやるべきであるというのがその質問の趣旨であったと思いますし、私もそのように感ずるのであります。しかしそういうことに私たちは何もこだわるわけではないのです。よくできればいいのであります。そこでやはり民間自力建設といったような問題も含めて四十二万戸、四十三万戸、あるいは四十五万戸、こう言われますと、国民にぬか喜びをさせる。そういう住宅対策では私はやはり政治というものに対する国民の信頼を薄くしていくのではないか。こういうことをはっきりして、そうしてこれが精一ぱいなんだ、こういうところをやはりはっきりと国民にわからせるような対策を今後もとっていただかなければならない、このように考えるのであります。  以上私の意見でありますが、総裁もお見えになっておりますから一点お尋ねいたしたいのでございます。何といいましても土地の造成、取得に非常に御苦労なさっている、このように考えるのでありますが、私がときたま電車あるいは自動車で通っていつも異様に感ずる地点が一つあるのであります。それは青山御所の焼けた膨大な敷地なのでありますが、あれは宮内庁の方で将来何かを建てる、あるいは何かに利用される、そういう目途があってあのまま放置されておるのであったならば、これは私何もここで意見を申し述べる筋合いでないのでありますが、とにかく終戦後十一年もたちましてもそのままになっている。あそこを通る国民感情からいいますと、これほどみな住宅に困っているのに、そうして宅地に困っているのに、宮内庁の所管であるとかなんとかいうことを別問題にして、ああこの土地が何とかならないもんだろうかなといったことを感ずるのは、これは人間の自然の情であると思うのです。今私青山御所の焼け跡の土地の問題を取り上げたのでありますが、そういった公共的なものでそのまま放置されて前途の見通しのないままに荒れ果てているという土地が東京都内でも相当にあるのではないか、先ほども申し上げました青山の御所の敷地でありますが、これらに対しまして一体宮内庁の方ではどのような計画を持っておられるか、住宅公団として土地取得に非常に困窮しておられるという立場から、ああいう土地の問題に対して何か関心を持ち、これに対する対策を向うと折衝されたことがあるかどうか、今後こういう東京都内になお存在しておる公共的な土地に対してどういう見解でどういう努力をされようとするのか、これを一つお聞きしたいと思うのです。一番お困りになっておると思いますから、もし国会におきまして御援助することができれば相協力して次々と解決していくべき問題じゃないか、このように考えますので御所見を承わりたいと思います。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 青山御所の問題についてはどういうことになっておりますか、私一向存じません。住宅公団といたしましては、東京都内にできるだけ地面を探そうと思いまして、実は、飛行機でとりました地図でございますが、東京都内をすっかり全部飛行機でとりまして、緑地を物色してはそれぞれのところへ行って交渉しておるのでありますが、なかなかその土地の取得がむずかしい。それでも常に六ヵ所、七ヵ所くらいは候補に上って、そこへ行くのでございますけれども、値段が高かったり、地主さんがなかなか因業で売らなかったりということで、東京が一番むずかしいのであります。これが大阪、名古屋、九州の方でございますと、土地の取得が楽でございまして、大阪地区のごときはもう来年度の分まで土地の手当が済んでおるわけであります。東京だけがむずかしいので、その点では一つ御協力を願いまして、やはり法律で、いつまでも土地をあけておくところは強制的に賃貸なり売り渡しをするとかいうようなことをきめていただかないと、いつまでもむだに地面が東京都内に残るのじゃないか、こういうように思っております。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 私、お尋ねしたのは、青山御所の焼け跡の敷地に対して公団が何か折衝されたことがあるかないかということをお聞きしておるのであります。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 それは宮内庁にそのことを申し上げたことはございません。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 それは総裁はそこまでこまかいことは御存じないかもしれませんが、あなたの部下はやはり苦心して当っているのですよ。(笑声)当っているのだけれども、なかなか雲の上のことは——今は雲の上でないわけなんだけれども、一つ遠慮なしにやられた方がいいと思う。何か御計画があってやられるのだったら、これは論議の外なんですが、ただああやって膨大な敷地をそのままに十年も十五年もほってあるとすると、国民感情からやはりすっきりせぬものがあるわけなんですよ。これは総裁、一つお帰りになったら、もう一ぺん係の方と御相談なさいまして、やっていただきたいと思うのです。私、いつもあそこを通って目につくところを今取り上げたわけなんですが、まだほかにもあると思いますので、しっかりとやっていただきたい、こういうわけなんです。  それからこのようにいたしまして、あなたが一番御苦心なさっておられるのは東京都内の敷地であることは初めからわかっておる。その対策として店舗付の住宅を建てておられる。それ以外は四十分か一時間程度で通勤できるところの郊外——ところが郊外へ行くとまた入居者がその県に在住しているとかしていないとかといったようなむずかしい問題がいろいろありまして、大へん御苦労だと思うのでありますが、この上ともしっかりとがんばっていただきまして、私どももちょいちょいと御苦心の跡をお伺いしたりまた御要望したりいたしまして、相協力してやはり公約した以上はこれを実現して、そうして国民から信頼されるそういう住宅対策を立てていきたい、このように考えておりますから、どうかこの上とも御苦労ですけれども一つしっかりがんばっていただきたい。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 関連して……。今同僚委員の御質問によって三十一年度、三十年度の実施の進行状況はほぼ明らかになりましたが、要するに鳩山内閣が大きな看板として国民に訴えてきた四十二万戸あるいは四十三万戸の内容が、国民には大きな失望を与える結果を生んでいることは明らかなんです。それはそれとしましても、先般の大臣の明年度予算に関する説明を伺った際にも、本年度及び前年度において計画が十分に実行されないのに、さらに明年度は四十五万戸の建設をはかりたいと言っておる。実際にその通り実行されるものならばけっこうですけれども、ここでもまた大きなふろしきを広げて、国民に期待だけを持たせて、結果において失望を与えることになりはしないかということを私は心配せざるを得ないのです、今までの経過から見まして。そこで私は内容について少し承わりたいのですが、政府の住宅政策は、自力で住宅を建てられない勤労階級また多額の金を出して、家賃の高い普通一般の貸家を借りることのできない、勤労階級のうちでも比較的下層といいますか、収入の少い者を入居させるというところにほんとうのねらいがあるはずだと思うのです。またそうでなければならないと思うのです。しかるに今日まで曲りなりにも建っておる住宅公団の住宅は家賃が概して高い。勤労者のうちでも高給者、つまり上層の者でなければ入ることができないというのが実態だと思うのです。たしか九州だったと思いますが、若松その他においては、今はどういうふうになっておるか、これはお聞きしなければわかりませんが、当初は申込者が少なかった、入居者が少なかったという話も聞いておる。これが東京都であれば四千四百円でも、あるいは四千七百円でも、申込者は実際の家の数よりも多いと思いますけれども、地方へ参りますと四千円も五千円も、電燈代、ガス代などを入れて六千円も払うということになるとなかなか容易でない。これは建設費が高いのでどうしてもそういう家賃になるのかもしれませんが、住宅で困っておる勤労者に利用させるというその目的からしますれば、家賃が高額であるというために地方において入居者が予想通りないという事実にかんがみて、もっと低家賃の住宅を建てるということが考えられなければならないのではないか、こう思うのです。そういう点に対して何か今後御計画があるかどうか承わりたいと思います。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田説明員 住宅政策全般の非常に大事な御質問でございますので、私からお答え申し上げたいと思います。確かにただいまお話しのように、住宅政策の根幹といいますか、これはもう少し社会政策的な見地から、家を自力でもって求め得ない人に対し住宅を供給するということが第一点だろうと思います。そこでそういう政策としましては、従来からもずっと一貫しまして、公営住宅という制度をとってきておるわけであります。これは御承知のように国が財政資金の中から一部補助をいたしまして、家賃を——建設費補助ではありますけれども、実質的には家賃補助になるような形の住宅建設をいたしておるわけでございます。これに対しましては逐年戸数も増加いたして参りまして、政府としましてもかなり力を入れておるわけでございます。しかし、またその上にさらによけい住宅を建設したいという意欲から、もちろん補助住宅をふやすというのがベターかもしれぬのですが、やはり政府の資金にも限りのあることでありますので、民間資金も活用して戸数をもう少しよけいにしたいという意図から、今までの政策に付加しまして、住宅公団ができ上ったようなわけでございます。住宅公団の資金構成は、御承知のように政府資金はわずかでございまして、政府の低利資金であります資金運用部資金と、それからかなりの民間資金が入っております。こういう資金構成で、住宅公団の住宅としましては、恒久的な住宅を都心部になるべく残していきたい、それから住宅の数をなるべくよけいにしたい、主としてそういう観点から今までの政策に付加されてできたのでございます。従来の低家賃住宅たる公営住宅につきましては、もう住宅公団ができたからいいというわけではありませんので、これも将来やはり増加をしていかなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。従いまして、三十二年度の住宅対策につきましても、われわれの計画としましては、公営住宅もかなり増加をして今予算要求をいたしておるような次第でございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 公営住宅がいわゆる低家賃住宅として比較的収入が少い勤労者が利用できるように考えておるということはわかりますが、今建設省が明年度予算の要求として出しておるところを見ましても、公営住宅の数は五万九千戸になっている。そうしますと、来年度四十五万戸、こう大きくふろしきを広げてはおるけれども、実際家に因っておる勤労者が利用できるものはそのうちの九分の一ということになる。私どもは公団の住宅が資金関係等からして家賃が高くつくやむを得ない事情があることは了解できないことはないけれども、しかし、せっかく四十五万戸の家を建てる、こう大きな目標を立てておるのですから、この中で低家賃住宅をもっとふやす方法を考えていただきませんと、表向きは非常に格好はいいけれども、中身は、収入の少い勤労者が実際に利用できるのは九分の一であるということでは、言葉が少し強過ぎるかもしれませんが、国民を欺瞞するというような結果になってしまうのです。そこで私は、明年度は五万九千戸ということになっておりますがこれはぜひ実現してほしいし、今後は住宅政策の根幹として、低家賃の、つまり収入の少い勤労者の利用できる住宅の数をもっとふやすというところに力点を置いてほしいと思うのです。それからまた、公庫の住宅にしましても公団の住宅にしましても、もっと政府資金をたくさん入れるとかあるいは償還年限を長くするとかいうような方法を講じて、家賃が安く、ほんとうに住宅に困っておる人が利用できるような方法を考えていただかなければ、真の住宅政策にならぬのではないか、こう思うわけです。  そこで、さらにもう少し具体的に伺いたいのは、増築融資が、初年度であったせいも多少あるかもしれませんが、比較的不成績であった。初年度も不成績であったが、私はおそらく次の年度においても当初予定した通りは貸し出されていないと思うのです。これは一体どこに原因があるかというと、他にもいろいろ原因があろうと思うけれども、やはり増築に対する貸し出しの率が比較的低い、それから坪数が少いといったようなことがやはり一つの原因になっておるのではないか。坪数をもう少しふやすとか貸し出しの率をもっと引き上げるとかいうことを考慮されなければ、増築融資も当初予定しているように十分効果的な利用にならぬのじゃないかという気がしますが、その点に対してはどのようにお考えになっていますか。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田説明員 増築融資につきましては、確かにお話の通りでございまして、初年度三万戸に対しまして一万戸少々でございます。二年度たる今年度の事業につきましては、ただいまお話のありましたような点その他いろいろな点につきまして改善をはかりまして、たとえば基準坪数従来四・五坪でありましたのを六坪くらいまで引き上げるというような措置を講じましてかなり改善をいたしましたこともありますし、また一般の方々にも増築融資のあるということがかなり浸透したというせいもありましょうが、本年度は昨年度に比較しましてかなり伸びております。今日のところでは、今年度のものが二万戸程度まで行っております。しかし、まだ十分ではございませんので、ただいまお話のような点いろいろ改善をはかってこの増築融資の問題も伸ばしていきたい、こういうように考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 これも大臣の説明の中にあることですが、宅地の高度利用をはかるため市街地の再開発、都市の不燃化、高層化を促進したいと考えております。このために公営、公庫、公団住宅においても特にこの点を考慮して建築させるとともに、民間における高層の共同建築を容易ならしむるための措置をもあわせ講じたい、こう言っております。そこで、民間における高層の共同建築を容易ならしむるための措置というのは、具体的にはどのような構想をお考えになっておりますか伺いたい。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田説明員 ただいま来年度の住宅政策につきまして予算的また法律的にいろいろ検討いたしておりますが、ただいまお尋ねの高層化をはかるという方針に基きまして私ども今作業をしております範囲で申し上げますと、まず民間の建設を見ておりますと、大資本によるビルディングのようなものはどんどん建っていきます。ただ、中小の企業といいますか、割合に小さな土地を持つ小さな資本の人が建てようにもなかなか建てられないというような実態にあるように考えます。そこで、こういう人たちに建てやすくするために、まず共同建築組合といいますか、そういうような共同でビルディングを建設するような組織を作ってみたらどうかというようなことを考えております。地域的な共同建築の組合でございます。そういうこと、それから、そういう組合に対しましては住宅でない部分の建築物に対する融資を行う。そういうビルディングも、ただ事務所、店舗だけではちょっと今日の時勢としては何でありますので、約半分くらい住宅が入り、半分くらい店舗、事務所というような、高層の建築物を建てる場合その住宅に融資しますのは当然でありますが、住宅以外の部分に対しても融資できるような道、つまり市街地高層化のための建築融資特別措置といいますか、そういうような措置を今検討しておるところでありますが、民間の商店、事務所の建築と同時に、また公営なり公団なりの住宅の共同の建築ができますように、そういうようなことも考えましていろいろ案を練っておるところであります。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 構想としては私どももけっこうだと思いますが、今お答えがあったように、大資本によるビルディングのようなもの、あるいはアパートのようなものは相当建ちますけれども、資本力のない、そうして市街地で、マッチ箱のような古くなった家で、修理あるいは改築をしなければならぬような必要に迫られておりながらも、資本がないためにどうすることもできないで、またバラックのマッチ箱のようなものを建てるというようなことが行われておりますので、ぜひ資本力のない人たちが共同して土地を効率的に利用して、不燃住宅を建てられるような方法を一つ早急に、かつ具体的に結論を出すようにしてほしいと思います。  それからもう一つ住宅公団の方にこの機会に伺っておきますが、実は二、三回前のこの委員会で伺いましたが、そのとき住宅公団の方がお見えにならなかったので、公団の方から伺うことができなかったのです。それは御承知だと思いますが、十月二十七日の朝日新聞に「〃住宅公団の看板にいつわり〃」「法外な頭金を要求」「神奈川県で応募者怒る」こういう見出しででかでかに出たことがあります。建設省からはいきさつをほぼ承わりましたけれども、公団の当事者からこれについてその事情を承わりたいと思います。新聞はお読みになったと思いますが、その要点は、入居希望者に対して県内に居住する者、あるいは県内に勤務場所がある者に限るというような条件をつけたこと、これはわからぬことはありませんけれども、もう一つは、分譲を希望した者に対して抽せんの前の日になってから建設費の全額百万円か、もしくは頭金三十万円を払ってもらいたい、そう言ってきた。これに対して申込者は、初めからそういうことであるならばそのつもりで申し込んだけれども、そうでないのに、抽せんの前日になってからそういうことを言ってきて、その力のない者は資格がないのだ、応募資格を失った、こういってあっさり断わられてしまった。応募者が非常に怒って、これでは住宅に困っている勤労者を入居させるという住宅公団の目的に反するではないかといって、何か応募者大会をやって抗議をしたといったような記事が出ておるのであります。そうして今言ったように新聞の見出しには「〃住宅公団の看板にいつわり〃」こう大きく出ておる。もしこうであるとするならば大へんな問題でもありまするし、あるいは事実が多少相違があるならば、この際明確にしておくが方が公団のためにもいいのではないか、どういういきさつであり、その後どういうふうに結末をつけたかを明らかにしておいてもらいたい。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 ただいまの、公団の看板に偽わりありという記事は、あれは全く誤解でございまして、事実無根でございます。私の方では三十年賦で分譲するということが原則になっております。ただし民間から借りた金が高いのが先にきておりますから、その分だけを自分の貯蓄でもって二〇何%なり五〇%なり払うという方にはいただいておりますけれども、別にその方が優遇されるというようなことはいたしておりません。それで今のは全く事実無根の記事でございます。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 それはこの前の委員会の建設省の方の答弁と少し違いますよ。私はそのときの速記録をここに持っていないからですけれども、それに似たような事実はある。新聞が書いているほどではないけれども、それに近いような事実があった。そして何らかの方法で解決したといった答弁だったように記憶しております。とにかくこの新聞によると、今あなたが答弁したように、当せんして入居のきまった者が、自分が幾分力があるから払おうというならこれはそれほど問題にならぬので、抽せんする前日になってから、百万円全部かもしくは三十万円払えるか、いやそれはとても払う力はない、それじゃあなたは応募資格はない、失格だといって、そういう者を抽せんから除外してしまった、こういうことになっておる。これはあなたの答弁と大へん事実が違うのです。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 今の、そういう事実は、ほんとうにございません。

河野一之日本住宅公団副総裁

○河野参考人 誤解をいただきますと、私も非常に恐縮なのでございますが、公団の普通分譲というか、いわゆるレデイメイドを買っていただく場合に、十四坪くらいのものになりますと百二、三十万円いたします。これは公団の分譲の方は二十年でございますが、最初の七年間は大体一万三、四千円というものを払っていただかなければならぬ。そうしますと、相当収入のある方でございませんと、これは根本問題がございますが、少くとも月五、六万円の収入の方でございませんと、毎月一万三千円ないし一万五、六千円負担していただくのは非常にむずかしいのではないか。私ども募集に当りまして、三万円程度の月収以上の方を一応念頭に置いたのでございますが、三万円程度御収入の方ですと、一万三千円出すということは、とても困難である。もちろんほかの方に親戚なりあるいは親元から送金があって、それができるということが確実であればまた別でございますが、そうでなければ非常に御困難ではないだろうか。従ってまず一時金と申しますか、頭金という意味ではございませんが、一時に民間資金の分、これは全体の五四%になりますが、その分を払っていただきますと、毎月四千円くらいの家賃になります、二七%ですと八千円くらいになります、そういうふうな方法をおとり願えないだろうか、今の三万円のままで一万三千円出すということになると、私どもとしても民間から金を借りてやつておりますので、これが確保できないということになると非常に困るので、もし、どうしてもとおっしゃるのでしたならば、そういった方法をお考え願えぬだろうか、こう言いました点が、一時金を要求したとか、あるいは頭金云云とかいうことに誤伝されたわけでございます。われわれの現在の立場といたしましては、それだからといって、もちろん収入というか、われわれは分譲代金を確保されるということが第一で、たとえば売っても分譲代金を滞納されますと、これは非常に損になりますので、それを第一ということにいたしておりますが、通俗な言葉でございますが、頭金といいますか、一部を繰り上げて払っていただきたい、こういうふうに実は言っておるわけでございます。つまり百二十万円のうち何%かを繰り上げて払っていただけないだろうか、こういう言い方をしておるわけでございます。それが頭金というふうなお言葉にとられますと、ごもっともなことでありますが、私どもの現在の立場といたしましては、それによってこの方はいけないとか、そういうことをいたしませんで、抽せんは平等にいたしております。ただ収入確保の点で、こういうふうにお考え願えぬだろうか。そうでありませんと、私の力としては当せんの中に入れて御契約を申し上げることは困難ではないか、こういう言い方をいたしておるわけであります。その点多少徹底を欠いて、実は分譲住宅自体についていろいろ問題があるのでございますが、最初係員も相当ふなれでございまして、趣旨が徹底しない点で、お申し込みの方に多少御迷惑を与え、あるいは誤解をされるようなことをまことに申しわけないと思っております。事実はさようなことでございますので御了承いただきたいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 まあ言い方が悪かったり、あるいは取りようが悪かったりした点もあるかもしれませんが、とにかく応募者に対して抽せんをする際には、当初の条件が満たされておれば平等に扱うべきものであって、抽せんの直前になってそういうことを言うと、おれはその資格がなくて除外されたんだという感じを持たせるので、今言ったような誤解が起ると思うのです。ですから抽せんしてきまってから、月々一万円以上も払うのは大へんだから、何か親戚からでも借りてきて、あるいは自分の預金でも出してその一部を払おうという人があるなら、それは話し合いで、幾らかでも一時に払うならそれだけ楽ですからけっこうな話ですが、抽せんの前にそういうことを言うと、言い方によってはかなり強く響いてこういう誤解を止むと思うのです。こういう点は今後一つ十分に注意してほしいと思います。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 注意いたします。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 私はよく勉強をいたしておりませんので、あるいは焦点のはずれたことをお尋ねするかもしれませんが、首都圏整備委員会ができておりまして、東京都を中心とする区域の道路、住宅あるいは緑地帯といったものの整備計画を、いろいろお考えになっているようでございます。その中でも私はこの東京都の住宅整備、あるいは土地の高度利用といったようなことが積極的に取り上げられなければならないと思っております。道路にいたしましても、相当な予算を持って整備をしていかなければ大へんなことになる。また東京都の住宅建設の問題にいたしましても、公団の方でもいろいろ土地の造成等にも苦労なさっておるように承わったのでございますが、この住宅の建設並びに商店街の整備といったようなものも、これはどうしても早急に計画をされて整備していかなければ、これまた大へんなことになると考えております。そこで住宅公団の方とも、いろいろ計画をお立てになる上におきまして関連のあることが相当出てくると思うのでございますが、この首都圏整備の方との間に、何か計画をお立てになる上においていろいろ御相談になっておるかどうか、そういう点をちょっと教えていただきたいと思うのです。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 われわれの方の住宅建設計画が、首都圏整備計画とマッチしてやらねばならぬことは仰せの通りでありまして、私の方の吉田理事が首都圏整備委員会の小委員で、随時そういう連絡をいたしております。そしてそのお申し込みを受けまして、この地域は除外してほしいとか、あるいはわれわれの立場でいえばこの地域についてはお考え願いたいということで時々具体的な案について——全体の計画についてはもちろんでございますが、法的なものについても随時連絡をいたして、その間の計画がそごいたさないように配意いたしておる次第でございます。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 当然よく連絡をとって計画を充実していただかなければならぬと思っておりますが、土地の造成については東京都が一番むずかしいというお話でございますけれども、まさにその通りであろうと思っております。また探せば——さっき社会党の三鍋君の御意見にもありましたが、まだあっちこっちにあるのではなかろうか、——これはきわめて小規模な団地になるのではなかろうかと思いますが、あると思っております。しかしこの狭いところにあれだけ多くの人間を収容するといたしますと、やはり土地の高度利用という問題が当然起ってくるわけであります。これはそういうことをお考えになっておってもなかなか前進しないということも、私どもは常に考えておりますが、これに対しましてはある程度の法的な裏づけをしてなければいかぬと思います。そういう土地の高度利用について、一体総裁はどういうふうにお考えになっておるか。また住宅局長は、住宅対策の上から何か法的な裏づけを考えておられるかどうか。もちろんこれは私どもの委員会において、そういう問題が出てくれば、当然審議をしなければならぬと思っておりますが、これを強力に推し進めていかなければ、道路といい、住宅といい、大東京の整備は一年おくれればおくれるほどますます金がかかることになるし、収拾がつかないことになると思いますが、こういう点についてどういうふうにお考えになっておるか、総裁の御意見と、住宅局長は対策について何かお考えになっておれば伺いたいと思います。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 先ほど御説明申し上げましたように、土地の取得が非常に困難でありまして、写真等でもってあき地を見つけましてその地主に交渉いたしましても、なかなかうんと言ってくれませんし、地所の値上りを待っておるというようなわけでありまして、全く公共に対する精神がないわけでございます。ですからこれは、何年間あき地にしておいたら強制的に借り上げるとか、買い上げるというような法的な処置がないと、土地の取得はますます困難になるのではないかと私は考えております。

鎌田隆男建設技官(住宅局長)

○鎌田説明員 市街地の高度利用につきましては、さっきお話がございましたが、大都市特に東京が一番ひどうございますが、大都市の市街地を高度に利用しませんければ、住宅建設もうまくいかない。今いなかの方にどんどん持っていって、農地をつぶしたり、いろいろな障害が起っておることは事実でございます。そこで私ども来年の住宅建設に伴う方策の一つといたしまして、ぜひ市街地の高層化に努めたいというので、いろいろな角度から今検討いたしております。そこでさらにお話のありました首都圏整備委員会との関係でございますが、たとえば東京都の二十三区のようなものは、どこの区はどのくらいの高さ、どこの区はどのくらいの高さというふうに、地域を限りまして高層化の計画を首都圏整備委員会が立てておりますが、それは全く私どもほとんど共同作業のような形で、いろいろ相談をしながらその計画を立てておるわけであります。その計画の実現方法といたしましては、これは建設省の分野でございますので、私どもは首都圏整備委員会とよく相談しながら、こういう方法でやろうということで、今いろいろ案を練っておるわけでございます。首都圏整備委員会の関係は、そういうふうにしまして、緊密な連絡のもとに方策を練っておるわけでございますが、その方法といたしましては、先ほども島上委員の御質問に対してお答え申し上げたのもその一つでございますけれども、なるべく高い建築物ができますような方策をとりたいということが一点でございます。  それからもう一つは、多分二階堂委員の御質問の趣旨は、宅地政策の方ではなかろうかと思うのでございますが、市街地の中の宅地政策につきましては、これはいろいろの問題を含んでおりますので、今にわかに非常にぎごちない方法をとるのがいいかどうか、これはいろいろ検討はいたしておりますが、今まだその成案は得ておりません。ただ事実上の問題としましては、先ほど来お話の出ました国有地を高度に利用する。ただ国有地も普通その辺に余っているものはございません。そこでなるべく行政財産と申しますか、どこか各省に所属しておりますようなものでも、有効に使われていないものがありはしないだろうかというような観点まで掘り下げまして、今関係各省と調査をいたしております。そういう国有財産を高度に利用するというような方法、それから民有地につきましては、その所有者あるいは借地権者との共同の建築ができやすいような措置、そういう方法をとりたいと思う次第でございます。ただもう一つの問題としましては、これは研究中のものとしましては、高度地区の指定をするかどうかという問題でございます。これは首都建設委員会あるいは計画局ともいろいろ相談中でございますが、ある地域を限りまして高度地区を指定いたします。そうしますと、その地区の中には何階以下のものは建築することができない、何階以上のものでなければできないというような制度が、都市計画法に基きます指定をいたしますればできるわけでございます。そういうような点につきましてもいろいろ検討をいたしておるようなわけでございます。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 時間もお昼を過ぎましたので、最後に簡単に公団の総裁と住宅局長さんにお願いしておきたい点があります。  私たちの考え方は、たとえば三十年度に四十二万戸を建設するといったならば、四十二万戸が建って、そうしてその中へ住まいすることができる、こういうのが本筋でないか、このように考えまして、先ほどもちょっと触れたのでございますが、このようにして私たちが公約を実行せよということを強く政府に対していろいろ意見を申し上げるわけであります。そこで何とかしなければうるさいから、早く計画通りにやらなければならぬといった気持になりまして、計画に粗漏があったり、急ぐがためにあとで悔いを残すことのないような対策を——私は追及はいたしますが、結局はやはりりっぱな住宅を建てることが目的ですから、その点お手抜かりもありませんでしょうけれども、慎重にやっていただきたいということが一つ。それからもう一つは、住宅を計画通りに進捗して建設するのに、隘路の一つとしまして、鉄鋼材の値上りの問題があるわけでございますが、この値上りに対する対策といたしまして、何か設計の変更、鋼材をできるだけ節約するといったようなこともお考えになっておるようですが、私はこれはちょっとおかしいと思うのです。それでちゃんとりっぱなものができるのだったら、初めからなぜその単価でそういう構造でやられなかったのか。そういうものができるのだったら、値上りしてからそれをやるというのはおかしいと思う。しかしそれはそう深く追及する必要もないことだと思いますが、私の申し上げたいのは、ほんとうにこれをやりたいのだ、しかしながら値上りのために建たない、だから少し手を抜いて建てるのだ、こうなりますと、十年か十五年たってあとから、これは大へんなことになった、もう一ぺんやり直す、大きな修理をせねばならぬといったようなことになることを心配するのでありますが、この点一つ自信を持って、節約はけっこうでありますが、あとに悔いを残すことのないように、これもやはりりっぱな住宅対策として特にお願いしておきたいと思います。

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 最後に委員長からちょっと総裁にお伺いいたしますが、住宅建設等につきまして、政府の方のいろいろな施策も行われることになっておるわけでありますが、おやりになりました体験から考えて、今後はこうした方がいいと思うとか、あるいはこういう点は失敗であったからこういう工合に直したらいいということがありましたら、この際簡単に承わりたいと思います。なければけっこうですけれども、ありましたらお話し願います。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 全くのしろうとが公団をやっておるものでございまして、こんな大きな計画を日本で始めたことはないものですから、率直に申し上げまして、いろいろやってみますとこうした方がよかったのだというようなことはございます。われわれ一番感じましたのは、資材の点でございまして、これは鋼材の値上りで大へんに困ったわけでございます。こういうような点も、今後は公団の場合には建値でもって供給を受ける、建値より下ることもあるのだから、建値の約束をしておくのをよそうということを考えないで、表玄関から建値でもってやるということにした方がいい。建値より上ってえらい損をして、住宅建設がおくれるということがあっては申しわけないというようなことを、今度は一番強く感じたわけでございます。  なお小さい点ではいろいろ経験いたしましたが、来年度は一年の経験に基いてできるだけへまをやらないように、皆さんの御期待に沿いたいと存じておるわけでございます。

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 普通分譲住宅等に対する希望者と実際の募集戸数との表などを見せていただきますと、お建てになって一般に募集なさっております戸数に対して、希望者が半分ぐらいの数字しか出ていないようですが、こうした問題に対しては、大体成功とお思いになりますか、あるいはこういうものは不成功だから将来は考えなければならぬというようにお考えになりますか。

加納久朗日本住宅公団総裁

○加納参考人 これは私の方が全く見当を間違って、この地域ならば売れるだろうと思って建てましたところが、やはり賃貸なら入るけれども、いよいよ自分のものとして買うということになれば、あの地域は好ましくないというようなことで、普通分譲住宅の場合には売れなかった。しかしこれを賃貸住宅に変えましたので、全部入ってしまった、こういうわけでございます。今後はやはり商品価値という言葉はおかしいですけれども、売るということになりますと、その周囲の事情、交通事情、そういうようなことを考えてやっていかなければならぬと思いまして、この点は大へんに失敗したので、今後注意しようと思います。しかし今までふさがらずにあるところはございません。全部もう入ってしまっております。  それから九州地区の問題がさっき出たのでございますが、九州の方は御承知のように大工業が北九州にございまして、そうしてみんな社宅を持っておるのでございます。それでございますから、課長とかそれ以上の人は社宅に入ってしまって、下の方が社宅に入れずにおる。従ってそういう人の要求する家は公営住宅だというようなわけから、公団の家が九州では成績が悪かった、こういうことを申し上げることができるのでございます。しかし公団としてもそのままにしておくわけではございませんで、北九州におきましては、二階建てのテラス・ハウスと申しまして、ややコストの安い不燃性の家を作って、そうして低家賃にしていこう、こういうふうに考えております。

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 ほかに御質疑はございませんか。——なければ住宅題題につきましては本日はこの程度にとどめます。参考人の方には長時間ありがとうございました。お引き取り願いたいと思います。     —————————————

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 この際高円寺駅前区画整理の問題につきまして建設省計画局長より発言を求められておりますから、これを許します。町田計画局長。

町田稔建設事務官(計画局長)

○町田説明員 先日御視察いただきました高円寺駅を中心といたします区画整理の施行の経過につきまして御報告を申し上げます。  御視察をいただきました地区は高円寺駅を中心とする鉄道線路両側の杉並区高円寺六、七丁目の全部及び三丁目、五丁目、馬橋二丁目、三丁目、それから中野区大和町の各一部を包含する一帯の地域でございまして、地区の面積は十六万坪、事業費の総額で四億二千一百万円余の事業を現在実施中でございます。当初本地区の区画整理につきましては大へん猛烈な地元の反対がございましたが、その後都の方におきまして各種の了解のための運動をいたしまして、現在では反対をいたしておる人たちは比較的少数になったのでございますが、なお一部には反対を続けておる方があるわけでございます。ちょうど三十一年度の事業を実施する地区に当りまして、この反対をいたしておる人がありましたので、事業実施上どうしても強制執行をすることを必要といたしましたので、本年の十一月二十日に強制執行をいたしたのでございますが、この執行いたしますにつきましては昨年の十二月十九日付をもって土地区画整理法第七十七条第二項の規定による移転通知を発送するのを手初めに、法律で求められておりまする各種の手続を全部終了いたし、合法的にこの手続をいたしたのでございます。本件につきましては東京都知事の措置は法律上は何らの瑕疵がないということを建設省におきましても確認をいたしておるのでございます。しかし今後もこれらの反対をいたしておる方々の地区につきまして、区画整理をいたします際には十分注意をいたしますように都知事を監督いたして参りたいと思っておるのでございます。御承知のように、区画整理はもっぱら都知事の権限に属しておりますので、法規に違反いたしました手続をいたしました際にだけ建設大臣が監督できるような仕組みになっておりますが、法規に違反するようなことのないように将来も十分注意をいたして参りたいと思います。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 今、高円寺の経過を御説明あったのですが、それは大へん違いますよ。今の説明では、最初は相当反対者があったけれども今は反対者が非常に減ったようなことを言っておられますが、最初の反対よりも今の反対が強いくらいです。それはちょうど都の方からわれわれにいただいた書類が今御説明になった書類と同じ書類なんです。実はその都の説明なんかは実際は大インチキなんです。行ってみると、いわゆる賛成者と称する連中は、駅前に大きい土地を持っておるいわばあの辺での大地主のグループが賛成なんであって、問題点は区画整理委員会の委員を選任するときに納得ずくで選任しておらぬ。これは区画整理委員を選挙するのだからその委任状をもらいたい、こういうことを率直に述べて委任状をとらずに、ここの道路をどうすると言わぬで、いい工合にしてこの地方が繁華になるようにするのだから一つ印をくれ、こういうようなことで印をとって、それで委任されたものとして区画整理委員ができた。その委員がいわばそういう利害関係者で、その関係者が立てた案で、最初土地計画で立てた都市計画路線というものとは変更されておる。最初に立てられた土市計画路線ならば反対しない、こういうことを言っておるのです。だから今でも大多数が反対者で、二千何戸ある中で約二千戸は反対、四百くらいは利害関係とは別だということで賛成とも反対ともつかぬというようなことらしい。それをいかにも反対者は少いものような宣伝をしておる。現実にわれわれは委員長ともどもに現地へ行って見たのですが、それは大へんな違いなのです。ただ法規上違反があるかどうかということになりますと、やはりそれは行政庁がやっておるのだから法規上違反のないようなことはでっち上げておりますから、われわれは今違反があるとは思わない。ただ区画整理委員を作るときからの一つの陰謀的行動がちゃんとそういうふうに作り上げておるところに非常に不純なものがある。従ってあれはなかなか簡単にいかない。問題点の中心はもちろん利害関係の問題でありますから、反対者も利害関係の上にはわが田に水を引くような感情的なものがあることはわれわれも認めておる。商店街と称する繁華街、これは御承知の通り五メートルとか六メートルくらいのところに狭い一種の通路みたいな道路がある、これを広げようとされておる。この点はわれわれもあまり狭いということは認める。けれども商店街と称するものは道路の幅員があまり広ければ商売のためにはあまりよくないということは各地で起る問題だ。そこで商店街のものはその商店街を離れたしもた家の駅前の通りを拡張してほしい、ここの人はかりに移転してほかの地域に行くにいたしましても、商売でないから住居さえ確保できればよろしいという関係がある。商店街のものは位置が変ったのでは商売にならぬということなので、この点はいろいろの角度から検討しなければならぬ。われわれも一がいに道路を広げるななんということは申し上げぬのでありますが、やはりあの地域の商店を持っておる反対者の立場、生活保護、こういうことを考えないで、ただ商売も何もしておらぬ一部の地主どもが土地の値上りなんかの画策が中心で動いておるような格好のものを、それをよいこととしてやれやれなんということはわれわれも言えない。その点はもっとよく都の責任者によって私は聞かなければならぬと思いますし、また委員長の方でも一つ都の責任者を呼んでもらって、都の責任者とわれわれとの間に論議を重ねるべく、今局長の言われる点はただ公式的な答弁として承わることにされたらどうかと思います。

徳安實藏自由民主党

○徳安委員長 本日はこれにて散会し、次会は明五日午前十時より開会いたします。    午後零時四十一分散会

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