決算委員会 第6号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/12/04
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 昭和二十九年度決算を議題といたします。まず厚生省所管につきまして審査を進めます。それでは昭和二十九年度決算検査報告一一七ページより一三一ページに至る報告番号七八七ないし八四一につきまして、一括してまず会計検査院当局より説明を聴取いたします。石渡第三局長。
○石渡会計検査院説明員 七八七号について御説明申し上げます。国立帯広療養所、国立療養所刀根山病院におきまして、二十六年四月から三十年三月までの病院収入につきまして徴収決定をしなかったものが五百六十八万三千円あった。そのうち百三万三千円は一年以上も経過している古いものであったのであります。これを検査の結果注意しまして、この全部につきまして三十年七月までに徴収決定を了したわけであります。このように徴収決定をしなかったのは担当者の不注意によるものでありますが、そのうちには病院収入の収納成績をよくするようなことを考えまして、故意に徴収決定をしないで、それによって収納率がよくなるような一つの形をとったものもありまして、こうしたことはよくありませんので注意したのでありますが、厚生省におきましても今後は十分注意するということを言っております。 次は国庫補助金等の経理当を得ないもの、その(一)の七八八号から八〇七号まででありますが、これは結核、性病等の予防事業に対する国庫補助金に関するものでございますが、この予防事業につきまして、検査院におきましては三十年中に北海道外二十一都道府県、その二千七百五十ヵ所のうち二百五十一カ所を検査したものでありますが、この国庫補助金の補助の計算におきまして、当然その事業主体に収入があった場合には収入を引くのを漏らしてみる、あるいは国庫補助の基本額の中に補助の対象にならないものを加えている、あるいは精算におきまして事業主体が水増しをしているといったようなことがありまして、補助の対象がよけいに行き過ぎているという事態で、九百五十一万九千円の補助をよけいにし過ぎて、返納を要するという事態になっております。このような事態につきましては毎年検査報告で指摘しているのでありますが、そしてまた厚生省におきましてもこうした問題につきまして努力の跡が見られますけれども、なお一部においては依然としてこういう事態がある。これは今申しましたように補助を受ける事業主体の側にも落度はありますが、また厚生省の指導監督も十分ではなくて、今後なお一層の指導監督の強化が望ましい次第でございます。このうち結核予防補助金につきましては七八八から七九二までに掲げてありますが、大体のケースは各事業主体とも大同小異でありまして、定期の健康診断あるいは予防接種、これ以外の、結核予防法の対象以外の健康診断、予防接種をひっくるめて補助の対象にしていたという事態が大部分でございます。それから(2)の療養所運営費補助金、これが七九三から八〇〇号まであがっておりますが、これにつきましても補助対象外の経費を精算の中に組み入れて精算を出していた。それに対して十分な審査が届かないで、補助が行き過ぎたというケースであります。 次の性病予病費補助金につきまして八〇一号から八〇三号まであげてございますが、これも対象外の材料費を含めたり、あるいは対象外の工事費を含めたりしたようなケースでございます。 次に精神衛生費補助金、八〇四号と八〇五号でありますが、これも補助対象外の道路改良工事をしたもの、あるいは精神病院の入院措置費の計上につきまして計算方法が正しくなかったもの、こういうようなケースでございます。 次の(5)の保健所運営費補助金、これが一件あがっておりますが、補助対象外の人件費を含めていたのでございます。それから次に優生手術交付金、これは補助の対象にならない道職員の旅費を含めていたものであります。以上のような次第でございます。 それから(ニ)の地方病予防施設費補助金の交付当を得ないもの、これは山梨県の甲府市ほか百五十四町村が施行しました日本住血吸虫病、地方病の予防のためにコンクリートのみぞを作る工事でありますが、この工事を各事業主体が四千五百万円ばかりの経費でやっております。これに対して国が千五百十七万二千円の補助を出しておりますが、この補助の対象となりました工事を会計検査院で検査したのでありますが、その補助の積算の内容が実態と合っておらない。これは従来のみぞをコンクリートでもって工事をするのでありますが、そのみぞを掘る土量の計算が適当でない。これは従来の普通のみぞをそのまま利用して、それにコンクリートを張るような部分が相当あるのでございます。そういう部分につきましては土を掘る必要がない。その土量が一万九千立米ばかりよけいに積算されておった。その工事費が百四十一万円。それからコンクリートの配合比は一・三・六のセメントでやるというふうになっております。一・三・六セメントの標準のセメント量は四・五袋で間に合う。それを積算には四・八袋となっております。これは標準の四・五袋で十分だ、そういう計算で計算しますと、セメントが百十六万円ばかり行き過ぎておる。こういう経費が二百五十七万円含まれております。それに相当する国庫補助金が八十五万八千円行き過ぎになっておるという事態であります。 次の水道関係補助金の精算当を得ないもの、これは八〇九号から一一号まで三件あがっております。これは国がかかった経費の二分の一ないし四分の一を補助するものでありますが、初めの愛知県の場合には、愛知県の田口町で勤労奉仕をやっているのでありますが、その勤労奉仕の夫役の換算を過大に換算しているというケースであります。それから次の福岡の場合には、請負金額をつけ増して補助対象外の工事費としている。こういうためにこの三件で合計国庫補助が七十七万四千円ばかり行き過ぎになっております。ほかにに鉱害復旧特別会計の方から出しておりますものが四十五万二千円ばかり行き過ぎになっております。 次は生活保護費の負担金の交付でありますが、これは最近生活保護の支出額が非常に増加する傾向にございまして、特にそのうち被保護者の増加等によりまして特に著しく医療扶助が増加しているというような傾向にかんがみまして、会計検査院におきましてこの生活保護費の適否につきまして相当広範囲に検査をしたのであります。この検査対象約三百件を二十八年度に見ましたところが、そのうち約一割について超過交付が見られましたので、三十年度におきましてはさらに広範に三百二十五福祉事務所のうち五三%に当る百七十二福祉事務所について検査をしましたところが、ここに上っておりますように多数の超過交付が見られた次第であります。家族が保護を受けておりますのは、おもに六ヵ月以上の入院をして、そのために医療扶助を受けておるのですが、その世帯のある者が常勤的に収入を受けている、その収入がいいか悪いかという検査をしたのであります。ところがその収入を寡少に申請しているというような事態がありまして、このために合計にしまして一千七百七十四万九千円ばかりの生活保護費の超過交付になっておる事態を発見したのであります。このような事態を生じましたのは、生活保護を受けておる世帯でありますから非常に困っている世帯には間違いない。しかしながらこの医療扶助だけを受けておる世帯は、従来は相当の生活をしていた、それが急に病気になって入院をするというような場合には、その世帯の収入から厚生省がきめております最低生活基準額を引きまして、その引いた差額は医療についての自己負担というふうに見られまして、その差額を国の医療扶助として補助をすることになっております。そのために生活を厚生省のきめた最低生活基準額に引き下げるように余儀なくされる。収入が多ければ多いだけ自己負担がふえるという関係がありまして、できるだけ収入を低く申請したいという気持もある。それからまた福祉事務所におきましても、そうした気の毒な事情によりまして、そういう場合に強く実態をつかむ努力が十分にされていない。こういうような事態がありまして、こうした相当な金額の超過交付を見ているのであります。この保護を受けております家庭はいずれも気の毒な家庭であるのですが、現在二百万人ばかりの生活保護を受けておる人々がいる。なおこのほかにも相当困って生活保護を受けてもしかるべき人が相当ありまして、そういう人が保護を受けられない。そうしてまた当然保護が受けられる対象の人たちについても、特に二十九年度は予算の関係が非常に窮屈でありまして、二十九年度において負担不足が二億六千万円も出ておる。そのほかさらに予算の都合で、当然保護すべき場合につきまして翌年度への繰り延べで三十年度予算で保護をするような措置をとっているものが七億七千万円ばかりある。こういうように予算上非常に窮乏している場合でもありますから、できるだけ実態をつかんで、ほんとうに保護を要する対象の人に公平に扶助が行くように努力をする必要があると思います。 次は児童保護費負担金の精算当を得ないもの、これは児童福祉法によりまして児童福祉施設の児童保護に要した費用として都道府県または市町村が支弁した金額に対して国が負担するのでありますが、これは厚生省で国庫負担基本額を定めまして、実際の支弁額がこの基本額を上回る場合には限度額で交付を決定する、また実支弁額が基本額を下回る場合には実支弁額で国庫負担の計算をするというふうになっております。それをそういう基準に基きまして会計検査院で検査をしたのでありますが、その結果実支弁額がこの限度額以下であるにかかわらず、この限度額をそのまま国庫負担の基本額として補助の精算を了したものがあります。これが八二七から八三〇に上っておるケースでありますが、これはいずれも事業主体が正当交付額以上に交付を受けようという気持がありますほかに、厚生省におきましてもよく実態を検討しなかったという結果によるものであります。 それから次に八三一号から八四〇号まで国民健康保険助成交付金の交付に当り処置当を得ないもの、これが上っております。三十年度中におきまして、北海道外十五県におきまして二十八年または二十九年に助成交付金を交付した千六百十七保険者のうち百八十二保険者にいって見たのでありますが、これは厚生省で非常に厳格な交付条件あるいは算定方式をきめておられまして、これによって交付をしておられます。その交付条件及び算定方式を検査院がそのまま適用しまして精算の結果を見たのでありますが、この結果超過交付になっておりますものが宮城県外九県で七百六十七万円ばかりあります。このような事態につきましては、二十八年度も検査報告で指摘したところでありまして、その後監督官庁における交付の際の審査及び保険者に対する指導監督がかなり行き届きまして、改善の跡が見受けられますが、なお依然こういう正当交付額以上に交付をしたものがありまして、なお一そうの努力が要望される次第であります。 前に申し上げました七百六十七万円のうち一事項ニ十万円以上のものをあげますと、ここに上っておりますように十二件六百六十三万円ばかりございます。この中で八三一、八三七、八三八、これはいずれも正当交付額がゼロになっておりますが、これは厚生省のきめました交付条件に該当しないから、初めから補助金を交付すべきではないというケースになっております。ほかのケースにつきましては保険料の収納額とか、あるいは保険給付の費用とか、こういうものの計算が間違っているというような次第でございます。 次に、厚生保険特別会計について申し上げます。厚生保険特別会計は、二十九年度におきましては約四十億の損失になっております。このほかに貸借対照表におきまして資産に計上された保険料の未収金の中には、すっかりもう保険者が解散をしまして、全喪事業と申しますか、もう保険料が取れないのではないかというような見込みのもの、すなわち不納欠損になるおそれのものが十一億円含まれておりまして、こうしたものを考慮すると、この四十億はさらに大きな損失になりまして留意を要するところであります。 このように損失が生じましたのは、二十六年度以降結核対策の強化等によって受診率が増加したこと、数次にわたる入院料の点数の引き上げ、あるいは療養給付の内容改善というふうなものによりまして保険給付費が激増したのでありますが、それに対応して保険料収入につきまして適当な措置をとるのが諸般の事情で遅延したというのが根本的な事情のように思われますが、なおそれはそれとしてもう少し努力をすれば幾分でも改善されたのではないかという点がございます。それは保険料の徴収不足、当然適用事業として保険料を取るべきものを保険料を取れなかった、あるいは保険料の計算が間違って取り不足があるというものでございまして、二十九年度は東京都ほか二県の五十四事業所におきましてこれはほんの一部でありますが、試みに検査したわけでありますが、それによって百四十八万円ばかりが徴収不足になっております。また損益には関係はありませんけれども、一たん徴収決定をしたものについての保険料の収納についても努力がなお十分でないと思われる点がありまして、既往のこうした未収金を合計しますと三十五億になりまして、そのうち二十九年度分の徴収決定に対する未収金が約十八億余万円ばかりに上っております。こうした点につきましては、法の改正とは別問題として一つ厚生省の努力をお願いしたい点であります。 次に、国立病院の特別会計について申し上げます。国立病院におきましては損益計算上では利益、損失の差引が十一億六千七百万円ばかりになりまして、利益になっておりまして、二十八年度の利益が三億五千万円であったのに比べてだいぶ損益状況は好転しております。しかしながらこの損益計算書の中から病院本来の努力ではない、たとえば看護婦養生所の収入とか経費、あるいは一般会計の繰入金、そうしたものを除いて、純粋の病院の稼働による損益を計算しますと、欠損が一億千六百万円ばかりになるので、なお一そうの努力をお願いしたいと存じます。 次に八四一号の診療料金の徴収決定漏でありますが、これは国立病院の弘前、山中の両病院におきまして、注射薬品、レントゲンフィルム、こういうものを患者のために使用しておきながら料金カードに記載するのを脱漏していた、こういう原因で当然徴収決定すべきものを決定が漏れておる、これが七十七万六千九百八十五円ございます。これは伝票制度を採用していなかったために、料金カードに記載するのを脱漏したというものもございますし、また伝票制度はあるけれども、その運用が十分できていないというような事態もございまして、こうした点につきましては今後十分の改善をお願いしたい次第でございます。
○上林委員長 次に厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。小林厚生大臣。
○小林国務大臣 ただいま昭和二十九年度の厚生省所管事項につきまして決算検査報告があったのであります。 この批難されましたるものは、補助金等の不当経費及び徴収決定に対しまする不当事項についてでございまするが、これらはいずれも会計検査院の御指摘の通りでありまして、まことに私どもといたしまして遺憾千万に思っておるのであります。補助金等の効果的使用と精算の的確な処理につきましては極力努力いたして参ったのでありますが、今後とも一そう指導監督に努力しまして、このような指摘を受けることのないように十分注意いたしたいと存じます。 また、徴収決定に関しまする不当事項の処理につきましては、従来とも機会あるごとに厳粛に注意を与えまして、その指導監督に留意して参ったのでございまするが、はからずもこういう事態が発生いたしましたことは、まことに遺憾に存じております。今後は一そう指導監督を厳にいたしまするとともに、会計監査を励行いたしまして、この種の事項の絶滅に極力努力いたす所存でございます。 なお厚生保険特別会計及び国立病院特別会計に対しまする財政の健全化につきましては、御要望の趣旨にかんがみまして適切な対策を講ずるようにいたしたいと存じます。
○上林委員長 以上にて説明は終りました。これより質疑に入ります。通告順にこれを許します。まず吉田賢一君、御発言を願います。
○吉田(賢)委員 検査院の御説明を伺いましたが、一般的に二十九年度決算予算執行について検査院は大体どういう方針で検査せられたのですか、ちょっと具体的な方針を伺っておきたいのです。
○石渡会計検査院説明員 方針としましては、ここに上っておりまするように、まず補助金が相当大きなウエートを持っておりますから、補助金の交付が適正かどうかということを大きな方針としてやったのであります。 それから厚生保険特別会計の健康勘定でありますが、これにつきましては二十八年度までは黒字になっております。二十九年度に初めて大きな赤字が出たのでありますが、この赤字がどういう理由で出たかということも一つの検査対象にしまして、われわれとしましては徴収決定すべきものの決定漏れがあるのではないかということを念頭に置きまして、徴収決定漏れの調査をしたのであります。しかし二十九年度におきましては、この徴収決定漏れの調査はまだその緒についたばかりでありまして、ここにあがっておりますように、わずかのケースにつきましてきわめて少数の徴収決定漏れだけは出ております。
○吉田(賢)委員 大臣、参議院がお急ぎのようでありますから、簡単にあなたに伺っておきます。なおきょうはあなたが御不在になるので、やむを得ずあすに譲りたいのですが、黄変米に関しても少し聞かなければいけませんのであすの午後にいたします。農林省の決算の調査をいたしますので、ぜひあしたは繰り合せてお出ましを願いたい、これは希望を申し上げておきます。 補助金の問題はずいぶんいろいろとたくさんありますが、御承知の通りに補助金につきましては新しく適正化法ができたくらいで、これの適正使用につきましては大きな関心を国会は持っているわけであります。つきましてあなたに一つ伺っておきたいことは、この場合は結核予防補助金の問題、一一九ページ七七八ないし七九二であります。この対象は、補助団体はそれぞれ都道府県なのであります。しかしながらこの都道府県は、全国で検査院が検査した対象は北海道の外二十一部県、そしてそのうち約九・一%にすぎないのです。全国のうちの二十一部県のうちの九%が調査されておるのでありますから、従って大部分が調査の対象になっておらぬのであります。こういうことであります。でありますので、こういうことに対しまして、第一、あなたの方では残された大部分についての内部の監査をやったかどうか、これが一点と、第二の点は、たとえば府県の場合あなたの方の本日提出した資料によると、七八八の千葉県の分は金額わずかに七十四万一千円にすぎない。これは当然国庫に返納しなければならぬ。ほかはその後収納したらしく報告しておりますけれども、千葉県はまだしておらぬ。こういうようなわずかな金すら今日まだ決済がついておらぬということは、これは行政が怠慢ではないかと思う。この点について一つ御答弁願いたいと思います。
○小林国務大臣 会計検査院の御報告になりました、今の厚生省の事項につきまして批難されております点につきましての今後のわれわれの決意と申しますか、十分にこういうことのないようにいたしたいということは私がただいま申し上げた通りでありますが、今御指摘になりました問題につきましては、むしろ会計課長から詳しく答弁させていただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 会計課長の説明の前に、やはり検査院は全体のうちの半分に足りない都県のうちの約九%しか調査対象にしておらぬのであります。このような場合に、このたくさんの不当経理が発見されたのでありますから、これは課長の問題ではなしに、省全体としまして、厚生省の一つの大きな方針として、自余の大部分であります内部の監査をしなければなるまいと私は思うのであります。これは課長の責任ではなしに、あなたはまあ、当時大臣でおありでなかったのだけれども、きょうは答弁しなければならぬ立場にあるのだが、厚生大臣としてこのような場合には内部調査をしなければいかぬ。これは個々の、たとえば生活保護法による被保護者の不実の申告、雇い主の不実の申告の調査不十分等々の問題とは性質が違うと私は思います。この中には富裕県もあります。また都なんかも入るかもわかりません。いずれにしても地方の最大の自治団体である都府県が調査対象になっておるのでありますから、これはやはり省全体として、大きな方針として、内部監査をしなければならぬと思うのだが、これは会計課長に当の責任をゆだねることはどうかと思います。やはりあなたのお立場で、もししなかったらさせなければいけません。過去の、私の在任中でなかったのだからということでは、きょうは過すわけには参りませんから、あらかじめ伺っておるのであります。
○小林国務大臣 ただいまの御質問はごもっともと存じます。一局部の検査の中で相当数そういう不当なものが出たということにつきましては、今後われわれ厚生省といたしまして十分に監査を行うべきものであると思っております。 後段の御質問に対しましては会計課長からお答えすることにいたします。
○堀岡説明員 検査の問題は今御指摘の通りでありまして、実は人員も十分でありませんので、御指摘のような全期間にわたっての検査は実はいたしかねておるところであります。率直に申し上げますとそういう事情でありますが、できる限りのことは検査いたすつもりでおります。 それから千葉県の方は御指摘のようにまだ返納いたしておりませんが、これは目下極力督促中であります。
○吉田(賢)委員 千葉県の問題は、あなたの方の資料によれば、本年の一月十二日に返納指令を出しておる。もう十二月ですよ。目下極力とか、近くとかいうそんなことではないと思います。これが小さな団体なら私は申しません。けれども県ともあろうものが七十万そこそこの問題を一年近くなるまで解決しないということは、どこか欠けておるのではないかと思う。それで聞くのです。はっきり言って下さい。
○山口(正)政府委員 結核予防費補助につきましては公衆衛生局所管でございますので、ただいま御指摘の千葉県につきましては本年の一月に返納指令を出しまして、その後督促をいたしておるのでございますが、県の方で予算の計上が遅れまして、近く予算を計上してそうして返納するということになっております。本件につきましては千葉県だけ非常におくれておりますことはまことに申しわけないのでございますが、私ども所管の事務当局といたしましても、早く返納させるようにということを再三督促しているわけでございます。
○吉田(賢)委員 これはやはりずいぶん古い案件でありまして、二十九年度の予算の執行の問題でありますので、このような大県のわずかな金の問題は即刻片をつけねばいかぬと思うのです。これが地方の末端の小さな事業団体ならこんなことを申しませんけれども、さりとて私の根本的な考え方は、地方財政の今日の赤字の状況をもほんとうはしんしゃくしてほしいと思うのです。しかしけじめだけははっきりつけておきたい。ことにこんな百万足らずの問題で一年もほったらかしているというこうことは確かに怠慢です。予算がなかったとかあったとかそんなこどは私は言えないと思うのです。わずか七十万くらいの金は知事を呼び出したらいい。呼び出して、もしそういうようなことであれば今後の厚生省との補助の各般の問題についても検討を要することにでもなれば、一ぺんに解決してしまうと思う。そうしたら他に対しても私はよいじゃないかと思う。ほかの方はすでに四月ごろ全部終了しております。こういう点はもっとしっかりやっていただきたいと思います。わずかの対象しか検査院は検査しなかった。大多数はしておらぬというくらいなんですが、私ども読んでみますると、これだけで金額にして三百万円が当然不当交付になっております。小さいようでありますけれども、全体として見ると、この割合で進めていったならずっと大きな金額になるのではないかと思うのですが、あなたの方でその後御調査になったのでは、結核予防費の補助金については、内部的には新たにこのような案件を発見されたことはなかったのでしょうか。
○山口(正)政府委員 各府県に対します監査の状況を先ほど会計課長からお答え申し上げましたように、できるだけ広い範囲にわたって順次こちらから係官が出向いて監査をやっているのでございます。具体的な、どういう例が一つ一つございましたかということは、ただいま資料を持ち合せていないのでございますが、事務的に欠陥を発見いたしたものにつきましては、そのつど指摘して訂正させて処理いたしておるような状態でございます。一つ一つどの県でどういう事故、間違いがあったという資料はただいま手元に資料を持ち合せておりませんので、お答え申し上げかねます。まことに申しわけないと存じます。
○神近委員 関連して。性病予防費の補助金についてちょっと伺いたいのですが、八〇二号のところに兵庫県の尼崎市の事項が出ております。尼崎市は、いろいろな理由から、私どもの知っている範囲内では性病が非常に蔓延しやしないかという危険の多いところなんですが、その補助額の百二十五万という金が控除すべき額と同額になっているのです。これは全額控除されるように見えますけれども、これは一体何を建てようとしてほかの費目に使ったのですか。
○山口(正)政府委員 性病病院に対する建設補助費は当初はあったのでありますが、昭和二十八年ごろになくなっておりました。建設に対する補助費がなくなっておりましたのに、事業費を補助いたしましたのを建設費の方に使いました分を全部返還させるという措置をとっております。
○吉田(賢)委員 もとに戻って一一七ページの七八七番の案件ですが、資料によれば、これはその後徴収済みになっているような報告でありますが、刀恨山病院の方については全額収納したか、帯広療養所は未収の状態にあるらしいということになるのですが、収納さすべき相手方はどこになるのですか。未収の分を御説明願いたい。
○小澤政府委員 今回の未収分は生活保護法の対象でありまして、ただいま福祉事務所等と連絡をとりましてこれが調整並びに収納に努力させているさい中でございます。
○吉田(賢)委員 つまり国立療養所に直接支払いする相手方はだれかということを聞いておるのです。
○小澤政府委員 自費患者でありますれば患者自身でありますし、生活保護法の患者であれば福祉事務所、健康保険の患者でありますれば基金事務所となっております。
○吉田(賢)委員 帯広療養所が医者として取り立てる相手方ははっきりしないのですか。
○小澤政府委員 金額の上においてははっきりしております。一人々々の数、名前等は病院について調査いたしますればはっきりいたしますが、ただいま私どもの手元におきましては金額の上ではそれぞれはっきりしております。
○吉田(賢)委員 これは一々の療養所の患者から取り立てるということなんですか。
○小澤政府委員 自費患者でありますれば、入院患者一人々々それぞれから入院料を取ります。生活保護法の患者であれば、それぞれの患者の医療費を調定してその患者の医療費を福祉事務所に請求することになっております。
○吉田(賢)委員 患者は福祉事務所と自費患者の個人と両方になるような御説明であるように伺いました。そうすると徴収ができておらぬというのは個人の分なんですか、福祉事務所の分なんですか。
○小澤政府委員 帯広におきましては、調定未済金額は約二百万円でございます。このうち自費の分、個人の分が五十六万円、大体四分の一程度になっております。その他のものは現物給付として、それぞれの生活保護法であれば福祉事務所、健康保険であれば基金事務所の方に個人々々の医療費を請求するわけでございます。
○吉田(賢)委員 そういたしますると、ちょっと今聞き漏しましたのですが、督促、請求して、支払い能力がある——福祉事務所なら当然あるわけでございますね。あるけれども、そのような場合にこちら側の、請求する側の分がまだ整理されないので完了しないと、こういうことになっておるのですか。それとも向うの払うべき債務者の方の事情からおくれておるのか。どっちなんですか。
○小澤政府委員 この点におきましては、会計の係員等の異動がありまして、事務不なれのために調定が非常におくれまして、請求事務が遅延したということになっております。なお帯広におきましても、大部分のものはすでに徴収済みでまだ一部残りのものを引き続き徴収するように努力しておる最中でございます。
○吉田(賢)委員 この生活保護負担金の交付に当り処置当を得ないという一二四ページ八一二番から八二六番までのこの案件でありますが、この説明によりますると、一二五ページの最後から二行目以下、これによりますると、二十九年度において負担不足が二億六千二百万円に上っておる。さらに被保護世帯に対する医療扶助費の国庫負担分を財政上の都合によって翌年度に繰り延べたものが七億七千四百万円ある。こういうような結果を来たしておるのでありまするが、こういうのはやはり一つ生活保護法によって保険給付を受ける、正当に給付を受ける人々が不当な影響を受けるんじゃないかと、こういうふうに思うのでありまするが、こういうような財政上の事情などによってこのような不足を来たしまするときは、ただ財政上の関係だけにとどまるのでありまするか、給付自体に、あるいは生活保護法の運営自体に、生活保護を受ける人の実際に、その実情に直接悪い影響をするという結果を生ずるんじゃないかと思うのですが、それはどんなものでありますか。
○堀岡説明員 答弁いたします。二十九年度の今の御指摘の問題は、財政上の都合によりまして検査院御指摘のように七億七千余万円を翌年度に繰り延べておりますが、これの支払い相手は、全部国立の療養所、そこに対する支払いを次の年度まで待ってくれということにいたしたのであります。従いまして、実際問題としての生活保護を受けられる方々、あるいは一般の民間の医療機関に対する支払いというふうなものには、御迷惑をかけないような措置で二十九年度は過ごしましたのであります。
○吉田(賢)委員 翌年にこれは影響することはないですか。
○堀岡説明員 翌年度におきましては、この分を見積りまして予算を計上いたしまして、年度当初早々に支払いを済ましたということにいたしてあるのであります。
○吉田(賢)委員 予算が不足しております場合は、やはり物の調達におきましても手控えになるだろうし、必要なものを必要なときに準備するということにおいても欠けるところが生ずるだろうし、そういう影響が必然的に生ずるようにも考えるのですが、いかがですか。
○堀岡説明員 冒頭申し上げましたごとく、この金額の相手方は国の国立療養所でございますので、まことに申しわけない話でございますが、療養所の歳入におきまして、二十九年度には故意にといいますか、財政上の都合によりまして七億何千万円の歳入欠陥といいますか、そういうものが生じた。国立療養所におきましては、歳出の方は別段そのことによって押えるとか押えぬとかいうことはいたしておりませんので、その点は運営上は支障はない、こう存じております。
○神近委員 今、御存じかどうか知りませんが、簡易水道に対する御婦人方の要求が非常に猛烈に出てきている。それできょうは時間もございませんので、あとでまた詳しくお伺いするとして、予算がただいままでどのくらいずつ出て、補助金が出ていたかということが、おわかりであったら承りたい。もしきょうございませんでしたら、あとで出していただきたい。
○山口(正)政府委員 簡易水道に対します国庫補助金は、昭和二十七年度から開始されたのでございますが、最初は一億二千五百万円でございました。これは四分の一補助でございます。従いまして事業量はその四倍になるわけでございます。その後逐年増加されまして、各年ごとの予算をあとで資料としてお届け申し上げたいと存じますが、昭和三十一年度は八億四千万円補助金として計上していただいております。従いまして事業量といたしましては、三十数億円の事業量があるわけでございます。しかしただいま神近先生からも御指摘がございましたように、各地方からの要望が非常に熾烈でございますので、この補助金だけでも、なかなか各地からの要望にはおこたえできないような状況でございます。
○神近委員 今おっしゃった予算の面のほかに何をお出しになるのですか。
○山口(正)政府委員 補助金は一億二千五百万円、四分の一補助でございますから、事業量がその四倍になるということを申し上げたのであります。
○吉田(賢)委員 八〇番の山梨県の日本住血吸虫病予防の問題でありますが、これは本病の中間宿主である宮入貝を根本的に駆除してしまう目的を達する施設なのでありますか。その点はいかがでございますか。
○山口(正)政府委員 日本住血吸虫は、御承知のように病原体が患者のからだから出まして、一たん宮入貝という中間宿主に入って、そこで一定の発育を受けて、それから人間の体内に入って、その人間に疾病を起すものであります。従ってその宮入貝さえ撲滅してしまえばこの病気は発生しないというのが、現在の学界の見通しでございます。その宮入貝の撲滅の方法としましては、従来は毎年一定の時期に薬剤を散布して、その宮入貝を殺すという方法でやっておったのでございますが、それがなかなか徹底的に撲滅することができない。そこで昭和二十五年から宮入貝の発生状況は、大体灌漑用水を通しております細いみぞの草のたれ下った水ぎわのところに発生いたしますので、そういう発生するような状況をなくしてしまえばいいんじゃないかという考えから、その草の生えておりますみぞをコンクリートで固めて、コンクリートのみぞにしてしまって草が生えないようにするわけでございます。そういたしますとそこで宮入貝が発生しなくなるわけでございます。それを昭和二十五年まず試みに五千間だけこの流行地区にやってみましたところが、その地区には宮入貝は探しましてもみつからないような状況になって参りました。しかし非常に広範な地域のうちのごく一部でございますので、疾病の発生状況にそう影響するというところまでは参りませんが、その後逐年この工事をしますための予算を計上して各地方で実施いたしておりますが、そのコンクリート化いたしました地区では宮入貝を発見するということが非常に困難で、ほとんど絶無に近いというような状況でございますので、この病気の対策としては根本的な方策の一つである、そういうふうに考えておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 これは山梨県のみの地方病でございますか。ほかにもあるのですか。
○山口(正)政府委員 山梨県、広島県、佐賀県、福岡県というような地方に蔓延しております。
○吉田(賢)委員 山梨県だけは一応出ておるわけですが、そうするとこの地方病の撲滅のためには年間相当補助金が出されておるかと思いますが、これに投じた国費は総計どのくらいになっておるのでしょうか。ずっとさかのぼるわけではありませんけれども、その辺の数字はわかりますか。
○山口(正)政府委員 二十五年から三十一年まで、三十一年は現在実施中でございますが、実施いたしました間数が十三万六千四百九十六間でございます。そして事業量が三億八百九十七万六千円、これは補助率が三分の一で、地元市町村が三分の一、県が三分の一、国が三分の一でございまので、国庫補助額としましては合計一億二百九十九万二千円、そういう状況でございます。
○吉田(賢)委員 それは三十一年ですね。
○山口(正)政府委員 三十一年度までの累計でございます。
○吉田(賢)委員 やはり国庫補助は一面において事業の目的達成という点に今後の研究の一つのねらいを持ちたい、この思うのでございます。地方病でありますので、なかなかこういうものは一朝一夕に撲滅の目的は達しないかも存じませんけれども、さりとて毎年繰り返すというようなことにならぬように私はすべきでないかと思いますが、今御説明によりますと、これを実施した地区におきましては病気の発生はほとんどなかったというようなことで大へんいいと思いますが、それならばほんとうに抜本的に大規模に全国のそれを撲滅するという雄大な構想で事業計画をする必要があるのではないか、こう思うのでありますがこれは批難事項に対する直接の批判ではありませんけれども、やはりこの種の問題をほんとうに抜本的にやるということであるならば、一定の年限を切って撲滅する、従って予算についてもどのくらいの経費を出すというくらいの、それまでの計画をしてやるべきではないか、毎年毎年出して、毎年あちらも若干効果があった、こちらも若干効果があったけれども、しかしこれは何年でも続いていくのである、こういうふうなことでは私はこの種の補助事業の目的に当っては欠くるところがあるのではないか、こう思うのであります。これはその道の御専門であるから十分に研究せられていると思いますけれども、やはり思い切って抜本的なほんとうに撲滅を期するということを、今お述べになりましたごとき山梨、岡山、広島等を全部駆除してはどうかと思うのであります。この病気にかかった人の話を若干聞いたこともあるのでありますけれども、何か人間の背たけが大きくならぬとかいうようなことも聞くのでありますが、そういうような特殊な病気のことでありますから、これは希望でありますけれども、毎年繰り返すことがないような方針を一つ立てていただきたい、こう思います。そういたしましたらこういう小さな批難事項といいますか、わずかな資材をごまかすというようなこともなくなるのではないだろうか、こう思います。やはりそこは大がかりに国の力をここに投じて、ほんとうに撲滅するのだということになると、受入れの地方におきましてもその態勢が整えられておるのではないか、こういうことも考えられるのであります。積極的に一つお考え願いたいものであります。
○山口(正)政府委員 ただいま吉田先生から御指摘の通りでございますので、先般本臨時国会で議員提案で寄生虫予防法の一部改正をされましたが、大体全国百万間実施しなければならないところがあるわけでございますが、それを十年計画で実施するというふうに法律を改正していただきまして、従いまして明年度の予算におきましても非常に大幅な増額の要求をいたしております。それから地方の負担もできるだけ軽減したいという意味で、現在三分の一、三分の一の補助率でございますが、この補助率は今度の法律改正によりまして政令で定めるということになっております。現在厚生省といたしましては大蔵省に対して地元市町村が四分の一、府県が四分の一、国が二分の一というような補助率に変えたいという希望で予算を要求中でございます。ただいま吉田先生の御指摘の通りに年次計画をもって、一定の期間の間にこれを徹底的に撲滅するような方策を講じたい、そういうふうに考えているわけでございます。
○上林委員長 それでは以上をもって厚生省関係につきましての審議は、本日のところは一応終了といたします。 —————————————
○上林委員長 なおお諮りいたすことがあります。すなわち病変米の輸入、保管及び処分等に関する件につきまして調査のため、明五日午後一時より日綿実業株式会社常務取締役松岡啓一君、同石橋鎮雄君を参考人として出頭を求め、実情を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 この際暫時休憩いたします。午後一時三十分より再開し、農林省所管について審査を進めます。 午後零時三十九分休憩 ————◇————— 午後二時九分開議
○上林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 それでは昭和二十九年度決算中農林省所管について審査を進めます。 昭和二十九年度決算検査報告、一三一ページより二七〇ページに至る報告番号八四二ないし一九七九につきまして、一括してまず会計検査院当局より説明を聴取いたします。中川第四局長
○中川会計検査院説明員 昭和二十九年度の決算検査報告のうち、農林省所管の分について簡単に御説明申し上げます。 昭和二十九年度の農林省で一般会計予算で支出いたしました額は、千百十七億余万円でございますが、その中で国が直轄で、または都道府県に委託して、土地改良、開拓、干拓などの工事を施行いたしまして費しました額が、百三十九億余万円でございます。その他本体をなしますものは、地方公共団体等に補助金を交付いたしまして、土地改良、地盤変動対策あるいは林道の開設、漁港の修築その他災害復旧の工事を施行いたしましたものが四百六億余万円に達しております。それから公共事業を除きまして、一般的な補助、たとえば農産物の増産助成とか、蚕種の確保あるいは救農土木というような一般補助に要しましたものが五十六億余万円でございます。非常に広範にわたっておりますので、こまかに説明いたすわけにも参りませんが、簡単に各項目につきまてし検査の結果を申し上げたいと思います。 第一にあげております案件は、一三六ページ以降の直轄工事の関係でございます。八四二と八四三は直轄工事の経理過程において人夫賃、材料購入費等に付掛をいたしまして、資金を捻出してこれを人夫賃とか材料購入費または接待費等に使用いたしたものでございまして、この内容を洗ってみますと、必ずしも不当支出とは言えないものもございますけれども、経理の厳正を確保するという意味から申しますと、はなはだ遺憾な事例でございまして、 〔委員長退席、本名委員長代理着席〕 かねがね架空経理のことにつきましては、会計検査院といたしましても検査を徹底いたしていたわけでございますが、最近におきましては、ほとんど根絶されたかとも考えられますが、ここに二件掲載されましたことは、はなはだ遺憾に存ずる次第でございます。 それから直轄工事の施行に当って、十四、五件ばかりの指摘事項がございますが、直轄工事は国が直接に技術者を擁して施行し、監督いたすものでございますから、遺憾のないようにできていなければならぬわけでありますが、終戦後の混乱、予算、人員の不足というようなことも影響いたしましたか、満足のいける状態ではなかったわけでございます。会計検査院といたしましては、従来農林関係の補助金経理が非常に乱れていたために、その方に人員能力を集中いたしました反面、直轄工事においてはある程度信頼をいたしたわけでありますが、二十八年度に検査を徹底いたしてみましたところ、意外に芳ばしくないので驚いたわけでございます。それを受けて二十九年度は非常にと申しますか、相当に改善されております。でございますが、ここに現われておりますものを見ますと、部分的にはまだ遺憾なものがございます。この八四四号、八四五号などを見ますと、あるいは干拓堤塘の石がきの土どめコンクリートが不足しているとか、その練りまぜが非常に粗雑であるとかというような、干拓堤塘としては特に留意しなければならない工事が、その目的を達しているとは言えないようなものもございます。 それからそれぞれの工事について検査をいたしましたところ、工事が完全にできたものとして検収を了し請負業者に代金の全額を交付したものにつきまして、出来高が不足しておるという内容のものが八件ございました。これなど概括して申しますと、たとえば石がきの築造に当って控をつらに使う、すなわち、控と申しますと、奥行の長いものでありますが、その奥行の長い部分を表に出して石の節約をはかるとか、あるいは三面張りの水路などで、コンクリートの厚さが不足しておる。底厚で見ても半分程度で間に合わしておるというようなもの、あるいは隧道の巻立量が不足しておる。そんな内容のものが数件見受けられました。それからさらに工事費の積算内容を検討いたしてみますと、当初機械は請負人持ちという計算で、それの修理、償却等費用を積算しておりましたが、官の、国の機械を貸与したものがございまして、当然それに該当する分は減額処理しなければならないものを、そのままとしていたとか、道路を開設するに当りまして、土砂の切り取りに、硬岩とか軟岩とか軽石まじりの土砂の数量の振り分けにおいて、開設に困難である硬岩あたりに多く数量を見込むというような結果となりまして、実際と合わない積算がなされていたとか、それからパワー・ショベルの稼働時間の問題で、当初一定の計算を立てたけれども、途中工事が困難で、相当稼働時間を増加させなければならぬといって、増加させましたけれども、結果から見て、当初の稼働時間よりはさらに下回って工事ができていたというような、現地に適合しない処理がなされていたものでございます。直轄工事はこのようにして一応指摘はいたしましたけれども、さすがに国で施行する工事でございまして、二十八年度の決算検査報告と対照いたしましても、著しく改善されておりますし、現在審議中の三十年度の決算検査の状況から見ましても、驚くべき改善の成績を上げております。 それから次に一四二ページの八五八号から九三二号に及びます代行工事の関係について御説明申し上げます。この代行工事というのは、前の直轄工事と性質上あまり変りがないものでございまして、規模によって分けられるといっていいかと思いますが、全額国費支弁で施行いたします開墾干拓等の工事で、直轄工事とならない、小規模といいますか、大体造成農地五十町歩以上の開拓を対象とするものでございますが、全額国費支弁で施行する工事でございます。国の能力の関係からでもありましょうが、都道府県に委託して、都道府県の責任において工事を施行いたすのでございますが、この工事の歴史が、終戦後食糧難の時代に、少しでも農地を開拓するという政策にのっとりまして取り上げました緊急開拓農地建設委託事業の流れを引いておりまして、それが二十三年の五月に代行工事に切りかえられましたが、その切りかえの行われましたときに、完全な配慮がなされなかったために、従来全額国費支弁でなかったもの、国庫が六割、地元が四割負担の工事のようなもの、たとえば畑を田にするというような地目変換の工事のようなものも、そのまま代行工事に横すべりしたために、従来四割の地元負担がなされる運びであったものが、全額国費支弁となったというようなものもございますし、それから農地造成として現在の客観情勢から見てどうかと思われるような、たとえば高冷な山地を開墾するというようなもの、それから面積の小さいところに多額の国費を投入するというような不経済にわたる事態のものもございます。それから全額国費支弁でありますので、どうも便乗的な工事が多いように見受けられます。たとえば開墾地に通ずる道路、農作物を搬出する道路を必要とするわけでございますが、開墾地には県道あるいは市町村道のいいものが連絡できて、営農上支障がないと認められるものに、それにほとんど並行して開拓道路を建設するとか、あるいは幅員も十分あるのに、この際この代行工事によって幅員を拡張するとかいうようなものもございまして、結果からみてはなはだ遺憾な事態だと考えます。 代行工事の検査は、先ほど直轄工事のところで申し上げましたと同じような理由で、会計検査院といたしましては、従来検査の手が回らなかったのでございますが、二十九年度に初めて人員の増加、機構の拡充などもございまして、これに着手いたしましたところ、意外に事態が悪いので、二十九年度の検査未施行地区につきましては、未確認の処理をいたしまして、本年においても徹底的に検査いたしましたわけでございます。ただ、その結果は相当遺憾な事例がございますが、農林当局といたしましては、われわれの検査の結果等にもかんがみられまして、できるだけ是正の措置をとる方向に向っておられるようでございまして、最近においては著しく改まりつつあると見受けられますが、この代行工事につきましては、代行工事として施工することが適当でないもの、それから代行工事として施工することは適当であるけれども、工事の内容が思わしくないというようなものの代表的なものをここに数件掲載いたしてございます。 それから一五四ページの九三三号から二八五二号にわたります公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないものの案件でございますが、これは二十六年度の決算検査報告以来、毎年検査を徹底して施行した結果の集大成でございますが、逐年内容が是正改善されつつはありますけれども、ここには十万円以上のものでも千五百十六工事、四億六千余万円の不当事項を掲載いたしております。これを内容別に大観いたしますと、改良工事と見られるようなものを災害復旧に名をかって、いわゆる便乗工事を施工しているもの、それから工事の施工が疎漏でその目的を達していないもの、内容的に見て出来高が不足しておるもの、積算が過大となっておるというようなものでございます。その内容も農業施設、林道施設、漁港施設と分けて記述いたしておりますが、時間の関係上、一応省略させていただきます。 それから一七一ページの一六五三号から一六六三号、これは昭和二十八年及び二十九年の発生災害復旧工事の査定額について早期検査を実施した結果を記述したものでございますが、国庫補助工事の事後検査にかんがみまして、いろいろ指摘事項が発生いたしますが、これは指摘しっぱなしでは意味がなくて、是正してもらわねばならぬのでありますが、事後検査の結果の是正では十分目的を達することができないので、工事施工前に査定が確定いたしました結果について検査いたしまして、当局に考慮を促すという方針でこの早期検査を実施いたしたのでございます。それによりますと、農林省所管と建設省所管の査定が重複していたとか、あるいは農林省部内で重複していたというようなものもございますし、それから災害復旧工事として採択すべきものでないもの、すなわち改良または新設であるものに災害復旧事業費の査定がなされているもの、その他工事計画を見ますと積算が著しく過大であるというような内容のものがございまして、農林当局に対してこれについて注意を促しまして、農林当局で減額是正されましたものが十六億余万円ございます。これは二十八年度は災害も多うございましたが、たしか八十七億円ばかり減額処理されたのでございますが、昭和二十九年度は十六億円でございます。 それから一七八ページの一六六四号から一七九六号にわたります案件は、農林関係の一般補助でございます。これは県その他の団体を通じて末端の事業施行者に交付されます補助金を特に選んで、農村振興、農産物増産助成費、畜産、蚕糸または水産業振興費等の各種補助金について検査いたしたのでございますが、その結果によりますと、事業主体は計画通り事業を実施したように処理はたしておりますけれども、内容を調査いたしますと、あるいは補助金をそのまま使用しないで団体が保有しておる、あるいは事業の内容を確認しないで、たとえば耕作の面積割で配分したとかいうような不適当な配分がなされているもの、それから目的に使わないで他の事業に使用したり、あるいは団体の一般経費に使われておるというような内容のものが多いのでございます。ただこの中で救農土木の補助の関係につきましては、地元の人に労賃収入を得させる意味で工事を選定し、補助金を交付したのでございますが、内容を検討してみますと、非常に低額な労賃が支払われておるとか、あるいは団体で保有しておるというようなもの、それから工事自体につきましても、出来高が不足しておって、工事の初期の目的を十分達していないというようなものも相当見受けられます。 以上で農林省一般会計の分の説明を終ります。
○本名委員長代理 この際、農林政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。大石農林政務次官。
○大石政府委員 農林省といたしまして、一言申し上げます。 ただいま検査院の御指摘の通り、農林省関係の不当事項は、一般会計におきまして各農地事務局の施行いたしました農業水利、開拓、干拓等の直轄工事並びに国営土地改良事業の一部を都道府県に委託して施行させる代行工事につきまして、粗漏工事、出来高不足、経理不適切等のため多数の指摘を受け、また公共事業及び公共事業関係以外の国庫補助事業について、粗漏工事、出来高または事業量の不足、目的外使用等、八百六十五件という多数の不当事項の指摘を受けております。また特別会計におきましては食糧管理特別会計において、処置の当を得なかった事項及び国有林野事業において、林野及び産物の売り払い等について評価及び処置に当を得なかったものがあり、農業共済保険事業においては運営が適切でなかったものがあり、以上全体で千百三十八件という多数の指摘を受けましたことは、まことに遺憾であり、申わけない次第でございます。 これらの指摘事項につきましては、それぞれ是正の措置を講じますとともに、今後は同様の不当事項を未然に防止するように注意を払っております。また不当事項に対する責任者につきましては、それぞれ処分または厳重な注意を行なっております。なお個々の指摘事項については、それぞれ主管の者からお答えいたさせたいと存じます。
○本名委員長代理 それでは以上で説明は終りました。 これより質疑に入ります。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 まずこの検査院批難事項としてあげられている千百三十八件でありますが、これは昭和二十九年度決算検査報告書の総計が二千二百四十七件でございますので、五〇%以上が農林省だけで占めているのであります。のみならず、検査院の検査対象になったものはその多くがそれぞれの事業等の五〇%以内であります。こういうことを考えてみますと、実に農林省の予算執行の不当は膨大な件数に上るものと推定せざるを得ないのであります。こういう場合に、反面近時世上農林省は疑獄の本尊のように国民は疑惑を抱いているのであります。あれこれ考えますときに、平凡なおざなりの御答弁だけではなくして、農林省といたしましてはこれに対して相当重大な決意を持ってこの種の案件に対しましても政府の責任ある御答弁がなければならぬと思うのでてります。このように私は考えておりますが、あなたの方におきましては、特に二十九年度が初めて当委員会にかかりまするに際して、何か格段の御発言があるべきだと思いますが、その点については御用意はありませんか。
○大石政府委員 ただいまの吉田委員の発言はまことにごもっともでございます。私どもといたしましても、このような多数の不当事項を出しましたことについては、まことに申しわけないと心から恐縮いたしておる次第でございます。どういう理由で二十九年度にこのような多数の不当事項が起りましたかの原因を調査いたしておるわけでございますが、原因はいずれにせよ、このような不当事項を引き起したということは、まことに国民に対して申しわけない次第でございます。私どもといたしましてもそれぞれ十分に責任を追及いたしまして、今後ともこのような不当事項がなるべく起らないように、——全然起らないと申し上げたいのでございますが、これは申し上げるだけのことで実行できないと思いますので、できるだけこのような不当事項を未然に防ぐようにという決心で、努力しておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 一三一ページによると農林省関係国庫補助は百九十二費目、その額二十九年度で五百五十九億八千四百万円に上っております。国庫補助の費目はそれぞれ整理の方向に向って進みつつあります。農林政策の国家財政上、もっと強力な投資が必要でありますことは、これは私もその通りと信じております。ただし事実上きわめて零細にして、手数料にも足りないような補助があるという実際上の批難にもかんがみて、この補助金の費目というものも一応問題になっておることは申し上げるまでもありません。そこでその後この費目は、どのように数字は移動しておるのでありましょうか、ちょっと参考までに伺っておきます。農林省当局でもよし、あるいは都合で会計検査院の御説明でもよろしゅうございます。即答ができなくてお調べになるなら、あとにしましょうか。
○中川会計検査院説明員 あとでお願いいたします。
○吉田(賢)委員 あとで答弁して下さい。
○大石政府委員 お答えいたします。ただいまのお説の通り、農林省には補助金の種類の数が非常に多いのでございます。これは日本の零細農業の実態を考えますると、このように補助金の費目の種類が多いことはやむを得なかったと思うのでございますけれども、やはりわれわれはこのような不当事項の続発することを避けるために、あるいは今後の農業あるいは農家経営の発展のためにも、できる限り零細な補助というものは整理いたしまして、有効適切な補助あるいは融資に変えて参りたいという考えを持っておる次第でございます。それでたとえば三十一年度の農林省の予算におきましても、新農村建設という事業であるとかあるいは農業改良資金という補助金をやめまして、融資に変える制度をとりまして、でき得る限り零細なそうして時代に沿わなくなった補助金を廃止いたしまして、できるだけ融資という方針をとっておる次第でございます。 なお詳しいことは係官よりお答えいたさせたいと思います。
○中川会計検査院説明員 昭和二十九年度が百九十二費目でございます。それから三十年度が百四十六費目でございます。三十一年度はちょっと今わかっておりません。
○吉田(賢)委員 その点は一応金額、費目、いずれも資料として農林省から提出するようにお願い申しておきます。 それからさっき中川第四局長の御説明は直轄工事の経理不当がなくなっている、こういうような御説明に聞いたのでありますが、直轄工事のすべてを検査院は検査しておられるのでしょうか、その点いかがでしょうか。
○中川会計検査院説明員 お答えいたします。ただいまのお話、ちょっと私の説明が不十分であったかとも考えますが、経理不当が絶滅したというわけではございませんで、いわゆる架空経理の事態は、絶滅という言葉が過ぎますならばほとんどなくなったであろうということでございまして、直轄工事の検査におきましては、やはり依然として不当事項が発見されております。二十九年度では十六件で四千七百万円の批難金額となっておりますが、現在審議中の三十年度の状況を見ましても十二件、千四百万円となる予定でございます。
○吉田(賢)委員 直轄工事のすべての事業所を検査院は検査されておりますか、すなわち二十九年及び三十年、三十一年にまたがりまして、どのくらいの割合で検査しておるのですか。割合だけ言って下さい。
○中川会計検査院説明員 二十九年度が八十三事業所のうち六十六事業所、七九%でございます。それから三十年度決算となるべきもので、八十二事業所のうち五十三事業所であります。
○吉田(賢)委員 三十一年はどうです。
○中川会計検査院説明員 ただいまのは三十年度決算の関係で、三十一年の四月以降の検査実績でございます。
○吉田(賢)委員 そこで本年も年度末が近づいておりますので、大体どのくらい検査しておられますか。
○中川会計検査院説明員 ただいま申しました八十二事業所のうち五十三事業所を検査いたしました。 〔本名委員長代理退席、山本猛委員長代理着席〕
○吉田(賢)委員 それは三十年度ですか。
○中川会計検査院説明員 三十年度決算に関係する三十一年の実績でございます。
○吉田(賢)委員 ですけれども、やはりこの種のものは事業進行の過程において、実地検査なさるのが至当だろうと思います。そうしないと、でき上ってしまってからというわけにはいきますまい。実際に実地検査を全部やっておいでになるのだろうと思いますが、三十一年四月一日以降大体どれくらい検査をしておられますか。これを尋ねるゆえんは、やはり私は直轄工事というものは一番厳正に検査しなければいかぬと思っているのです。直轄工事に不正が出るなんということはとんでもないことです。少しなくなっているとかよくなっているとか、そんなことは言えた義理ではありません。だから直轄工事はたとえ小さいといえどもやはり不正不当は絶滅しなければいかぬ。もし直轄工事の不正不当が絶滅できないならば、そのほかの代行工事あるいは補助工事というものの批難事項がなくなるということは夢ですよ。それを思いまするので、直轄工事につきまして検査院が特段の検査の努力をしていただきたいと思うのです。そういう意味におきまして、実際どのくらいお調べになっておるのであろうか、こう思うのであります。だから四月以降どのくらいということだけおっしゃっていただけばよろしいのでございます。
○中川会計検査院説明員 繰り返して申し上げますが、……(吉田(賢)委員「繰り返してならいいですよ」と呼ぶ)同じ数字でございます。
○吉田(賢)委員 三十年度の予算の執行の状況は、工事に限ってはどんどん進んでおりますから、途中で実地検査をおやりになっておるでしょう。それをどのくらい現場を調べておいでになるのかということをちょっとつかんでおきたいのです。これは来年の四月以降になってから調べるということであれば、それぞれ事業がみんな完成してしまいます。ところが仕事の性質から、ぶち壊したりいろいろしなければほんとうはよくわからないのじゃないかと私思うのです。そこで、九州で二十八年度に百億円近く是正をされた不当工事もあったのですから、途中の進行過程における実地検査というものはわれわれは非常に重きをなすものと見ておりますので、そういう意味でこの四月以降の三十一年度予算執行の状況につきまして実施検査をおやりになっておるだろうけれども、それがあるんなら、一つその数を、どのくらいになっておりますかお聞きしたい。全然ないんならよろしゅうございます。
○中川会計検査院説明員 三十一年度の検査は、三十年度決算検査と並行して検査いたしておりますので、さっき申し上げました八十二事業所のうち五十三事業所を検査いたしました。その際現在進行中の三十一年度工事についても検査をいたしますけれども、吉田先生の御着眼とはちょっと違いまして、やはり結了したものに主力を注いでおります。
○吉田(賢)委員 私自身がしろうとですから、そこは適切な意見かどうかわかりませんが、やはりたとえばコンクリートが粗悪であるとか、あるいは手抜きができておるとか、出来高が不足であるとかいうことを仕事が完成した後になってからこれを調べていくということよりも、仕事の途中で調べるということは不可能なものでしょうか。あるいは手が足りないということになるでしょうかもしそういうふうにできましたら、私は非常に効果も早く上げ得るのじゃないかと思うのであります。これはあなた方の調査なさる方針に関することだから、何も私は最終的にどういうのではありませんけれども、特に直轄工事みたいなものは政府みずからが予算を使って一切やっている仕事なんですから、ことに批難をされた事実がある以上は私は当然じゃないかと思うのです。これはそんなことをやられた仕事をやる方はいやでしょうけれども、ある程度はそうするのが至当じゃないかと思うのですが、これはどんなものですか。都合で今御即答願えませんでもよろしゅうございますが、私は提議いたしますから御検討願っていただきたい。
○中川会計検査院説明員 検査現場に臨んで気づいた場合は注意もいたさせますが、何しろ農林当局の専門の監督員がいても手抜きをするような事態がございますので、われわれの検査のときに手抜きなどの不当を発見するということはごくまれでございます。それでやはり会計検査院といたしましては現場で検査する人が厳正に検査する、また工事完成に際して検収受領するときには徹底的に検査して受領する、場合によったら破壊検査もして受領するということでありたいと思うわけでございます。
○吉田(賢)委員 これは農林当局に伺いますが、政務次官がいませんので農地局長から御答弁願いたいのですが、私はさきに述べた通り政府の直轄工事は絶対に不正はないようにしてもらわなければ困ると思うのです。専門家が直接監督をしておっても手抜きするようなそんなばかなことは私はあり得ないと思うのです。どうしてそういうことになるのでしょうか。果してそうして日本の官庁の営繕といいまするか、官庁の直轄工事がそういうような乱脈であるといたしましたならば、綱紀がゆるんでおるといたしましたならば、これは大へんなことだと思います。もし一般の、たとえばビルの建築等の営繕等に関しましてもそういうことが隠れておるのでないかとさえ想像をたくましゅうするのであります。一体どこにその原因があるのか。たとえば八四四番ないし八五三は直轄工事の不当処置であります。いずれも請負人は株式会社何々組というのであります。全部が全部そうです。この中には日本で有数なものも入っております。そこで今おっしゃるような粗漏な工事ができたり、あるいはいろいろと批難される事項がそれぞれ区別されておりまするが、こういうようなのは、その会社自身がそういうことがあったらどういう大会社であろうと懲罰の意味において、もう直接請負はささぬというくらい強く出られないものであろうか。そもそもそういうことは百年河清を待つというのであろうか、こういうふうに考えるのでありまするが、これらの点につきましては、どこに一番重要な原因があったでありましょうか。三十年度の検査報告書をまだ見ておらぬので、その跡を断っているかもしれませんけれども、おそらくはそうでないと思う。どこに一番大きな原因があったでありましょうか。その請負人が悪いのか、下請でもさしておったのか、監督が悪いのか、全体に何かゆるんだり抜けたりしておるのがあるのか、その点はどういうふうに御判断になっておりましょうか。
○安田説明員 政府の直轄工事につきまして、特に農地局関係の工事の施工及びその貴重な国の予算執行に当りまして、会計検査院から不当事項として御指摘をいただいておりますものがありますることはまことに恐縮に存じております。吉田委員の御指摘になりましたように、どこに原因があるかにつきましては、私ここ数ヵ月の経験でございますが、特に会計検査院あるいは行政官庁の御指摘にも即しまして、経理に当を得ないもの、疎漏工事の結果を来たしておるもの、出来高不足の結果を来たしておるもの、積算過大のものその他に分けまして、検討の上できる限り絶無に持っていく方向の努力をしたいと思っておりますが、私の見解ではやはり吉田先生が御指摘になりましたことの外ではございませんで、やはり会計検査院の指摘事項のうちでございますが、職員の責任感が少くて、やむを得ざるに出ても、不当の経理支出をした分があるのでございます。それにつきましては厳重に責任分野を明確にしまして、また公務員でありますが、相互チェックで仕事をできるようなことにも考えまして、配置転換、信賞必罰のよろしきを得まして、特に綱紀の粛正に努めておる次第でございます。また疎漏工事、出来高不足、積算過大の中には職員の判断力が十分でないものもありまして、意識せずに請負業者は意識しておったかもわかりませんが、それは発見できなくてわからなかったことがある。最終のできに至るまでの期間に随時検査をし、事前には設計、着工の指導をいたしましてもわからなかったものがあること等の例がないわけではございませんので、これらにつきましては工事を採択着工いたします際には、特に本省におきましても、地方の事務局、もちろん現場の事業所におきましても、実施設計の厳正、言いかえますと設計通りセメントを流し込みますればそれでできる、設計がはっきりよくできておる、こういうふうなことを非常に励行に努めておるのでございます。特に三十年度以降につきましては特段の努力を払っておるつもりでございます。 この直轄工事と申しますか、ここにあげてあります直轄工事の中には、狭い意味の直轄と、業者に競争入札など所定の適法な方式に従って請負をさせる工業と実はございます。技術、定員数その他の関係からいたしまして、また工事の性質からいたしまして、職員において直轄できないものは請負に、むしろ数は多く行っておるわけでございますが、請負によっては、たとえば採択後二年たったがいかにも成績は悪かった、いい業者であったけれども、三年目には他の会社の事業のために悪くなったようなのは直轄に切りかえておるところもあります。しかしおのずから限度がございますので、自分で事業をするほかに、監督よろしきを得ますように、特に最近では技術員と経理職員とにつきまして初級、中等、専門の三分野に分けまして、年数百人の研修を行うようにいたしております。 もともと不正の行為をしようと思ってする場合とそうでないものとがございますが、少くとも意職的に不正の行為をするような役人はございませんように、そうなりませんように、もしありましたら必罰を厳重にもいたしますように、意識しない場合は今まで申し上げましたように努力をしておるのでございます。
○吉田(賢)委員 農林省の方針を一つ聞いておきたいんだが、大臣、次官が不在ですから、官房を代表してだれかに言ってもらいたいんだが、私は農林省の一切の不当もしくは不正事件をなくするためには、やはりできるだけ中枢部の方に責任を厳正に負っていただきたいと思うのです。そこでたとえば、今の場合もそうでありますが、こういう八四四ないし八五三番の事実、それから八四二、八四三と、非常に大きく不正が指摘されております事実、こういうときに、当該地方農地事務局の局長は相当責任を追及せられ、事件の原因を明らかにして、そうしてその根絶を期するというふうに持っていくことが必要ではないかと思うが、そういう処置はとっておるのですか、いかがです。
○川戸説明員 今度の指摘された問題についての処置といたしましては、文書によって厳重な注意を与えるという処置をとっております。それ以外のことは……
○吉田(賢)委員 それはまたどういうわけです。これはたとえば八四三、農林省の霧島開拓建設事務所では、二十八年から三十年の四月まで、つまり数年間にわたって、架空な人夫賃などの名義で支払いがせられて、二千三百二十一万九千余円の資金を捻出する、こういうものの上へさらに請負業者から寄付金をとっておる。こういうようなことをいたしまして経理が行われておるのでありますから、よしんばそれが私的な飲み食い等の消費に充てられなかった場合におきましても、これは経理の紊乱の極なるものであります。そういうような場合に、文書の何か注意を与えるということで、一体こんなことの跡が断ち得るのでしょうか。あなたの説明が足りないのならまた聞いてもよいのですが、直轄工事というものは一体そんななまやさしいことで済むのでしょうか。私の工事の場合でもなかなかそう簡単には解決できません。国の予算をこういうふうに乱費いたしました場合には文書で責任を問われるのみ、民間の場合ならば、手がうしろに回って刑務所に行かなければならぬという、そんなばかなことはあり得ないと思うのです。どうしてそういうような簡単な処置をしたのです。
○川戸説明員 ただいまのを補足して申し上げますが、局長に対しては先ほど申し上げましたように、書面による厳重な注意を与えましたが、その下の、直接この事業の責任に当っておりました事業所長に対しては降任の処置と合せて公務員法上の戒告の処分をしております。
○吉田(賢)委員 そういう処分をいたしておりますということを聞いておるのじゃなしに、なぜそういう簡単な処置で相済みになるのですかというのです。第一、二十八年から三十年の四月まで数年の間、この経理の紊乱はわからなかったということだけでもこれは大へんな上司の失態ではないかと思うのです。それを上司には何の責任も負わせないで、文書の戒告だけで済むというのはどういうことですか。そのものさしはどこに置いておられますか。あなたは事務上の答弁しかできないのならそれでよろしいけれども、農林省というのはそんなところなんですか。どうなんです。
○川戸説明員 先ほど申し上げた通りでございます。
○吉田(賢)委員 だから私は何ゆえそういうことになるのかということを聞きよるのです。なぜそんなことをなさるのか。と言いますのは、千件以上といったところが、特別会計というのはごくわずかです。一般会計が大部分なんです。だから千件も批難をされておる場合には、やはり直轄工事の不当というようなものを縮小することが私は大事だと思うのです。その縮小が大事だと思えば、相当厳重に処置をしなければ私はいかぬと思う。何も直ちにこの農地局長に責任があると私は申しません。けれどもよってきたるところ、原因のあるところ等々、やはり厳重に一つ一つについて調査をなさって、そしてそれぞれさきに述べられたことくに信賞必罰があってしかるべきだと思う。だからここをいいかげんにしておいたら、何年たちましても、農林省の予算というものの乱費の跡は断たぬじゃないかということを私は案じるのです。だからその重要な工事におきましては、直轄工事を厳重に監督する。それはこのような問題が起ったときには、一つ一つの案件について、よってきたるところをやはり十分に精査するというくらいな厳正な態度がないと、うまくいくまいと思って伺っておるのですけれども、あなたは事務上のこうなりましたということ以上には述べないから、あなたと問答しても役に立ちません。 そこで突っ込んで聞くようですけれども、八四三番事件は、数年間ほうっておいた原因はどこにあるのでしょう。
○安田説明員 事農地局のことでございますので、おしかりを受けますのは私でございますが、事態は御指摘を受けまして批難をされまして以来、よく反省をいたしまして、ただいま経理厚生課長が申し上げましたような措置を職員に対してはとりましたが、局長はその後自発的に退職をいたしましたので、局長としてはそのままにしたのであります。
○吉田(賢)委員 私の伺ったのは、数年間放置しておいたのは何ゆえですかという点を伺っておったのですが、それはよろしい。次に進みます。 直轄工事と代行工事の区別のものさしはどこに置くのですか。
○安田説明員 第一の規模は工事の大小でございます。第二には他のこれに関連した事業、たとえば県において相当仕事をしていただくもの、干拓、開墾がそれでございます。その道路を付したり堤防を作ったりするような仕事をしますことは、事の性質上から考えまして、国が直接経費を負担いたしましてやるのが適当な仕事と思っておるのでありますけれども、その開拓地、干拓地の整地、入植、営農、そういうようなことにつきましては、補助事業をもちまして県知事にこの行政を行なっていただくことが適当なものが多いのでございます。かたがたもちまして第三点として国の職員が十分定員がない。また技術的にも兼務できそうだ、こういうものを、性格と実行と規模とをあわせ、あわせて行う行政とを考えまして、区分をいたして実行いたしておるのであります。その中の規模について端的に申し上げますと、開墾では直轄は三百町歩以上、干拓は三千町歩以上を直轄いたしております。
○吉田(賢)委員 ちょっともとに戻るのですが、この直轄工事のその後の状況について、最終の確定には至っておらぬかもしれませんが、直轄工事はその後批難事項は減っておるのですか。検査院の中川第四局長に伺います。
○中川会計検査院説明員 先ほどちょっと申し上げたわけですが、現在の状況では、検査個所、検査の進捗度は昨年とあまり変らない。八百二十二所に対して五百三十二所を検査いたしました結果、十二件の不当事項が発見されておりますけれども、規模においては小さく、不当金額千四百万円の予定でございます。
○吉田(賢)委員 非常に不当件数は減っているようであります。喜ぶべき傾向と思いますが、この一三七ページの直轄工事であります。これは各事業請負人がそれぞれあるようでありますが、これはどこに原因があったという判断に達したでありましょうか。原因はいろいろ重なっているかもしれませんが、私がちょっと気になるのは、工事が請負会社そのものに相当な責任があるのではないかというふうに思われることであります。そこで請負会社の方にも何らか責任を負わすようなことでもしたのかどうかも知りたいのでありますが、その辺に相当責めを負うべき事由があったかなかったのか、その辺は検査院としてどういうふうに御判断なさっておりましょうか、概括してお聞きいたします。一々でなくてよろしゅうございます。
○中川会計検査院説明員 ただいまの点でございますが、この干拓工事は潮の動いているときに工事をやられるいわゆる潮待ち工事といいますか、潮が満ちては工事ができないので潮の引いている瞬間をねらって工事をするのでありまして、その工事の最盛期には現場監督員も注意を払っておられるであろうと思いますけれども、潮のくる直前などに十分な監督をしないなどの事由であと継続工事ができない。今のうちに片づけようという事態ではないかと思います。従って潮の引いておるときの工事でありますので、夜陰においても行われますし、請負人の不誠意のしからしむるところであって、かつ現場監督員としても夜昼をおかず監督を厳重にするということも事実上不可能であったのではないかと考えます。
○吉田(賢)委員 これらの請負建設会社に対しては相当損害の賠償請求ないしは工事の追加完成といいますか、それぞれに損害補填の責任をとらしたのですかどうです。
○安田説明員 八四四番の方の件につきましては、最終検査をいたしました結果、適当でないので、それに対する措置としまして、業者をしてコンクリートの全面巻き立て及び押え捨て石等を行わせまして、三十年十二月三十日に最終的に完了をせしめたのであります。 八四五番のものにつきましても、適正な手直し工事を行わせまして、三十年十一月十五日に完了をいたしました。
○吉田(賢)委員 以下、出来高不足等あるいは積算過大等につきまして、これは積算過大というのは原因は、責任はやはり農地局にあるかと思いますけれども、これらの関連におきまして、やはりこの建設会社側は相当な責任を負うという最終処置があったのでしょうか、その必要はなかったのでしょうか。一括して述べていただけばよろしい。
○安田説明員 会計検査院の御指摘になりました本報告等に関しましては、検査院の御指摘妥当と認めまして、漏れなく手直し工事その他適切な方法をもちまして工事の適正な計画通り、請負通り請負に責任を持たして完了せしめた次第であります。
○吉田(賢)委員 代行工事につきまして、私のこれもあるいは理解不足かもわかりませんけれども、地方の都道府県が国の工事を委託せられたというような場合は、個人もしくはその他の組合などが工事をしたよりも、もっと国家の直接的な工事方式であろうと考えるのであります。ことに土地改良法の八十九条によって都道府県知事が国の機関として工事をする、こういうことになる限りは、さらにそういう趣旨が強くなると思うのです。そういたしました場合に、事業費が国から出る。これは全額国庫負担というのが建前であろうと思いますから……。それから人件費が出る、事務費が出る。これらの人件費、事務費などは代行料という名前で都通府県知事が交付を受ける。そして事業費自身は国から交付を受けて、都道府県の収入にプールするのではありませんか。一般歳入のうちに繰り入れるということになって、そして請負人に対して支払いが遅延する事実がある。私はやはりここは非常に重大に考えるのであります。国の事業であり、国の機関として都道府県知事がこれを執行する。そして国から受け取る事業費その他の経費を自己の自治体の用に供する。そして国の事業の代金の支払いはしない、もしくは遅延するということは、これは一体どういうものでありますか。もしそういう制度に欠陥があるとするならば、これはとんでもないことであったはずであります。精神は、制度のいかんにかかわらず厘毛たりともほかへ流用すべき筋じゃないと私は思うのです。国会はほかへ流用してもらうという余地を認めて予算を議決したのではないのでありますから、こういうものは直ちにその都道府県知事の行為の当否が批判されてなければならぬ。法律上も批判されて、また実際上も批判されなければならぬと思う。こういうことがあると、やはり請負人としては支払いがおくれればそれだけ手抜きのことも考えようし、材料の売り飛ばしのことも考えようし、いろいろと不正三脚の原因を作るのではないかと思う。この点今改まっておるかも存じませんが、当時直ちにとって当該執行者である都道府県知事の行為を私は究明せにゃならぬと思う。政府並びに会計検査院当局のその点についての御所見を伺っておきたい。
○中川会計検査院説明員 ただいまの点まことにごもっともでございます。あたかも地方財政窮迫の際、特に赤字のはなはだしい府県においてこういう事態があったのでございますが、その他都道府県を通じてその下部団体に流れる補助金等につきまして一時停滞する事態が相当あるように見受けられまして、会計検査院といたしましても今年は特に県の財政の流れを検査いたしまして、これは所管は第一局の大蔵検査課でございますが、大蔵検査課で農林関係に限らず国費の流れを検査いたしまして、それぞれ具体的な事項について注意を喚起し、是正を促しております。今後は著しく改警されるであろうと考えられます。
○安田説明員 御指摘の点は御意見の通りだと思います。代行工事そのものについて改善の最終的具体案というものを目下検討中で、成案を完全に得ておりませんが、府県の財政事情がいかようにあろうとも、やはり代行工事は国の代行工事として的確に適正に支出すべきものでございます。過去については、会計検査院の局長から申されたように厳重にその後指導し、また話し合いを申し上げましたり、今後におきましては府県の予算に一ぺん計上することが適当であるかどうか、代行料は別途府県に渡すというふうにした方がいいじゃないかと思って、私は目下研究をしております。
○吉田(賢)委員 これは中川局長に聞きますが、地方財政法との関係はどうなっているのですか。私は、これは補助金とは性格が違うと思うのです。国の機関として行政を執行するのでありまするから、補助金とは本質が違うと思います。そこで国から出る予算を地方公共団体の経費に流用するということと、地方財政法との関連はどういうふうになっておりますか。これをあなたに伺うのは、ちょっと所管外かもわかりません。お答えできぬならよろしゅうございますけれども、あなたのお立場からしましても、やっぱり農林省の工事事業の予算執行のある段階の事柄でございまするし、ことにその予算が全く当初想像もしないことに使われてしまうというようなことは重大なことであります。それは所管のいかんにかかわらず、その点について御所見あってしかるべきでないかと思いますが、いかがでしょうか。
○中川会計検査院説明員 ただいまの地方財政法との関連、研究はいたしておりませんが、地方財政法の違反に直ちになるとは考えませんが、工事代金の遅延ということになりますと、国の関係におきましては政府の契約の支払い遅延防止法といいますか、支払いを遅延したものについてはそれぞれ処罰の規定もあったと思います。国に類する県で工事請負代金などを停滞するということは、そうした法の精神から見ても遺憾な次第であります。
○吉田(賢)委員 ちょっと今の問題について、安田局長のお考えをもう一ぺん重ねて聞いておきたい。
○安田説明員 代行工事について、そのやり方とか、指摘されましたような事項が起ることは適当でございませんので、起らないようにすることが第一でありますが、国の行うべき工事を県の方と委託の契約をいたしまして行い、その事業の代行料は、もちろん県の費用に計上して、それを県において使う。事業費は県に計上して使うのであるが、その使い方が適正でない。国の代行事業のように進捗しておらぬ。こういう問題でありますので、これについては必ずしも地方財政法上違法でないという御意見が有力にありますが、運営が適切でないという点もございますので、両社をもって最終結論には到達いたしておりませんが、検討すべきものと思って検討中でございます。その一つとしましては、こういうような代行事業は、国が県知事を機関委任として仕事をさしているものであるから、事業費の方は府県の予算に、もう一度組み直す要はないのではないだろうかということが一つであります。また組み入れた方がいい場合のことも実際上はあるようでございますので、その点は研究しております。なお先ほど申し上げなかった例でございますが、多少の特殊性がございますけれども、同様の性質を持っている委託代行の工事につきまして、千葉県等では、その事業については特別会計を県に置いてもらいまして、そして他に流用したりおくれて支払ったりしないように、この間きめていただきました。それらを種々勘案して、批難事項として摘記されておりますようなことがないように、早く適正を期したいと考えている次第であります。
○吉田(賢)委員 ちょっと私どもの領域外でありますので、しろうとくさい御質問になって恐縮ですけれども、地方自治法の二百十六条以下には、地方公共団体の収入という規定があるようでございますが、この収入というものは支出とにらみ合すべきものでございましょうし、また予算につきましても、やはり国の事業を直接行なって、国が総額を負担する事業で、その執行の機関として知事が委任を受けている委任工事とかいうことに、土地改良法の八十九条にはなっているようでありますが、そういうふうに見ますと、やはりその点は地方赤字財政に藉口して、そういう客観的な実情から、寛大な考え方から、あるいは適法論が出るかもしれませんけれども、やはり国家財政の建前から見ると、たとえば国が予算を審議する際におきましても、おそらく政府も国会も、これが県のある厚生費に回るとか、ある給与に回るとか、ある他の目的に使用されるとか、そんなことは夢想もいたしません。そういうようなきわめて常識的な角度から観察いたしましても、私はこれはやはり厳重に区別してもらわなければいかぬと思います。千葉県の例は、そういうふうな一つの方法が発生したことはよいことでありますけれども、これはやはり長く研究すべきことではなくして、少し筋を勇敢に通す腹さえきまっておれば、こういう問題は即刻解決できるべき筋じゃないかと私は思います。そういうふうに考えて参りましたら、代行工事の批難事項がまた根本的に減る原因が生ずると思う。やはり直轄工事といい代行工事といい、いずれもが国が直接に工事事業をやるものだという観念に立って、かりにも政府みずからの事業をやって、会計検査院に数十項目の不正を指摘せられて、それで来年は少しよくします、よくしますというようなことじゃ、これは何回繰り返してもだめです。だからやはりそれを抜本的になくしようと思うならば、ただいまのような点につきましても、法律上から、また制度の上から、財政の精神から、あらゆる角度から直ちに取り組んで解決してもらわなければならぬと思います。私は詳しく地方自治法並びに地方財政法は存じませんけれども、どう考えても補助金とは性質が違うと思う。だからこれを歳入に入れて、そしてほかへ使ってしまって、工事の代金を支払わずにほったらかしておく、そんなことは天人ともに許しませんよ。国民が聞いたらびっくりしますわ。知らぬのは国民だけです。そういうふうに思いますので、これは一つ、あなたとしては最終結論は得ないかもわからぬけれども、大臣でもかわればすぐにこの仕事に取りかかってもらわなければいかぬと思うのです。こんな問答は繰り返さずに解決しなさい。これが直轄工事、代行工事の不正不当をなくする有力な要件になるだろうと私は思うのであります。ぜひ一つこれは要望いたしておきます。よく御相談していただきたいと思います。そうしてでき得るならは適当な機会に、その問題については過去の法律の解釈、制度の解釈はかくかくであった、今こういう方針に決定した、こういうふうな御報告あらんことを一つお願いいたしておきますし時間がだんだん迫りましたので、若干補助金に触れまして、私はきょうの質問を終りたいと思います。 補助金の事業でありますが、これまた農林省の一番大きなきたないものを背負い込んだ案件でございまして、まことに私どもも残念にたえません。そこでこういうことはどうですか。一体いろいろな施設、たとえば農業施設、漁業施設、山林施設ですか、施設というような表現の仕方で分類せられておりますが、これらの内容が工事である場合、その工事の設計に一定の経費を必ず納めなくちゃならぬところがあるということが従来伝えられておる。このことは先年山口県へ私ども参りまして調査をしたときにも、副知事が明らかにこのことをおっしゃっておりました。その後農地事務局長からの御報告がありましたのにも、大体そういう趣旨が現われておるのであります。そこで伺うのでありますが、工事の内容をなすところの施設の設計をするような場合にも、設計の経費という名目でいろいろな団体に向って寄付金をしたり、会費をとられたり、そういうようなことがあり、これが事業費の内容をなして、そういうものが相当な率に上るというふうに聞き及んでおるのですが、そういうことにつきましてはどうですか。御承知でありますか、いかがなものでございましょう。
○安田説明員 私農地局長に就任いたしまして以来、ふびんにしてそういうことは存じません。
○吉田(賢)委員 しろうとが設計図面を作ったりすることは容易にできません。町の設計屋さんに作ってもらうことは指導官庁はなかなか許しません。そういうわけでありますので、それぞれする人、する個所はきまっております。私は何もその団体に利害対立とか敵意を持つという意味ではないのでありまして、やはりいろいろな経費が抜けていくということが補助金の不正乱脈の大きな原因であるというふうに思うのであります。この点はいろいろな集計もされておるの事で大体常識になっておると思うのだが、この点中川局長の御所見はいかがですか。
○中川会計検査院説明員 ただいまの点、ひとり農業施設に限らずいろいろな関係で、協会費とかなんとかいう名目で吸い上げられる事態があるようでございます。農業施設にも県単位でありましたか土地改良協会というのがございまして、大きな率ではございません。二%から四%くらいの負担金といいますか、設計料類似のものをとっておるようでございます。しかしわれわれの検査の立場から申しますと、その程度の設計料を払っても設計が的確に行われて、従って工事もよくできるということであればむしろプラスではないかとも考えまして、四%程度の負担金は雑費の中に認めて計算いたしておりまして、この中で出来高不足というような指摘もたくさんございますが、その出来高不足の金額の計算などでも、そうした雑費は必要経費として認めております。ただ著しく高率の適正額をこえるものについては否認するという態度をとっております。
○吉田(賢)委員 そこで地方の土地改良協会に対する四%のほかに、中央に対しましてもやはり何パーセントかあって、結局工事費の一割くらいはその方面に吸い上げられる、こういうことが常識だとも聞くのですが、それはどうですか。
○中川会計検査院説明員 中央の関係は私存じませんが、検査を担当しておる者の言によりますと、現地でそうしたいわゆる吸い上げの事態について大きく否認したということを聞いておりませんので、そうはなはだしいものはここにあげてあります公共事業の工事についてはないのではないか、中央で吸い上げるものは地方の土地改良協会からまた一定額を吸い上げておるであろう、そういうふうに考えます。
○吉田(賢)委員 それはそうではなしに、地方は地方、中央は中央というふうに私は聞いております。そこでそういうようなものはたとえば当初の設計に伴う予算の内容にやはり明記するのでしょうか、そういうものは明記しないのですか。
○安田説明員 事業費の何パーセントというのを県の土地改良協会が経費としてかつてとっておるということを私聞いておりますが、私が農地局長になりましてから調べましたところ、そういうふうにはやっておりません。これは全国においてもちろんその通りでございます。ただ実情にかんがみまして、最近団体営の灌排事業の実施設計につきましては、三十一年度からその実情に即しますように——実情と申しますのは、中川局長がおっしゃいましたかえっていいこともあるという部分の長所を伸ばす意味で、間違いなきを期するつもりでございますが、三十一年度からは設計費の五〇%の補助費を専業施行団体に交付しておりますが、この団体が設計を県の土地改良協会に委託をいたしておる、こういうことは私も確認いたしております。例を申し上げますと、愛知県など割合りっぱにやっておると聞いております。また他方全国土地改良協会の方々からも、今はやってないから間違いなく実行できるように土地改良法の中の土地改良区その他団体に関する法制化をはかってくれ、また必要な分は経費も国で補助してくれという御要望が私のもとへ最近も数多く参っておりますので、その都度間違いはないであろうなということを確認しておりますとともに、研究いたしておりますので今後御指摘のような事項はないと思います。
○吉田(賢)委員 その点につきましては、あなたは就任後日が浅いのでまだよく御承知ないかもしれませんけれども、私は、すべてを改善して土地改良協会がいいというならば、経費も稔出し得るような方法を考えてやればいいと思いますので、やはりその点についてあいまいなことのないようにしたいというのが趣意でありまするから、一つもっとよく具体的に調査研究しておいて下さい。適当な機会に一つまた聞きたいと思います。本日はこの程度にいたします。
○山本(猛)委員長代理 それでは農林省所管につきましての質疑は本日のところは一応この程度にとどめ、林野庁、食糧庁、水産庁等の関係につきましては、次会に譲ることとし、次会は公報をもって御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時一分散会