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25回国会衆議院1956/11/30

外務委員会農林水産委員会連合審査会 第1号

発言数
176
登壇者
11
会派数
2
開催日
1956/11/30

会議録

前尾繁三郎自由民主党

○前尾委員長 これより外務委員会農林水産委員会連合審査会を開会いたします。  慣例によりまして私が委員長を勤めますから、さよう御了承願いたいと思います。  千九百五十六年の国際小麦協定の受諾について承認を求めるの件を議題といたします。     —————————————

前尾繁三郎自由民主党

○前尾委員長 質疑を許します。石坂繁君。

石坂繁自由民主党

○石坂委員 昨日の外務委員会でこの小麦協定につきましては、松本委員その他から各般にわたって詳細な質疑がありましたので、私は重複を避けまして、自余の二、三の問題についてお伺いいたしたいと思います。  従来輸出国が四ヵ国であったのが、今回の協定ではアルゼンチン、スウェーデンが加わって六ヵ国になっておる。輸入国については、これもまたキューバ、サウディ、アラビア二ヵ国が新たに参加しておりますが、全体としての買入保証数量の総額は、前回の協定よりもずっと減って、千七十四万九千トンが八百二十四万四千トンになっておりまして、約二百五十万トン減少しておるのであります。そうしてその理由は当局の説明によりましても、インド、南ア、ブラジル等の大口の輸入国の食糧増産計画が達成したためだ、こう言われております。そういたしますと、輸出国はふえたが、輸入国は減っている。保証数量も若干減っておりますけれども、このインド、南ア、ブラジル等の大口輸入国が食糧増産計画が著しく効果を上げている、こういう点からいたしますと、今後の食糧農産物の過剰傾向は一段と強くなってくるのではないかと思われます。これにつきましても、昨日外務当局から一応答弁があったかと思いますが、これについて農林省関係といたしましては、どういうふうにこの情勢を見ておられるのか、お伺いしておきたいと思います。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 今後の世界の小麦の事情の見通しでございますが、われわれといたしましては、アメリカの小麦につきましても、大体過剰のピークは過ぎた、こういう状況だと承知しております。それからその他の国におきましても、過剰傾向になりますれば、作付の制限その他の措置をとっておる国もありまして、全般的には過剰の傾向というものは、徐々におさまっていくというふうに考えております。そうかといってまた不足の事態になるかと申しますと、これも輸出国におきまして相当過剰の傾向にはなりましても、特別の天候状況その他の世界的な悪化と申しますか悪条件がそろわない限りは、不足の事態になるというように考えておりませんので、従来も御説明申しましたように大体安定価格帯の幅の中で落ちついた価格の推移を示すのではないか、このように考えております。

石坂繁自由民主党

○石坂委員 アメリカの生産状況等から、過剰のピークが過ぎた、こういう御答弁であります。なるほどアメリカにおきましては、本年からソイル・バンクの制度を設けて、二千五百万エカーの作付制限をやろう、こういう計画をやっておるようでありますが、アメリカがかような政策をとらなければならないようになったのは、御承知の通りCCCの手持ちの穀物で実は大へんに困っておる状況、一方においてサポート・プライスをやっておる。昨年の今ごろからのアメリカの大きな議論は、大統領を争ったスティーヴンソンなどもベンソン農務長官の農業政策が空虚である。つまりサポート・プライスを九〇%まで上げなければならないということを立候補の意思を表示した第一声にあげておるような状況でありまして、結局ソイル・バンクの方法によって農業生産を緩和した、こういう傾向になっておるようでありますが、今申し上げましたように、CCCの手持ちは相当まだかかえ込んでおりますから、一挙に過剰のピークが過ぎたとも思えないような事情があるのではないかと思います。重ねてこの点をお伺いいたします。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 CCCのストックについては、相当まだありますけれども、例の余剰農産物の措置におきまして、アメリカといたしましては、インド、パキスタン、インドネシア等に大量の輸出をする協定ができまして、こっちの方の見通しがずいぶん進んでおりますので、そういうことからアメリカの方といたしましても、ピークは過ぎた、このように申しております。

石坂繁自由民主党

○石坂委員 過剰のピークが過ぎたということになれば、それだけ生産が少くなったということでありますが、そうすると需要供給の関係から、価格の点に影響してくることは必至であります。その過剰のピークを過ぎたこの後においての価格の高騰というようなことについては懸念はないでしょうか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 大体小麦の大きな四大輸出国と申しますのは、御承知のようにアメリカ、カナダ、オーストラリア、アルゼンチン、この四ヵ国が大体主要輸出国でありますが、この四ヵ国それぞれのある程度の生産の規制と申しますか、国家的なそれぞれのニュアンスはありますが、規制を加えておることは事実でございまして大体見通しといたしましては、アメリカで過剰時代が過ぎましても、またその他の国で過剰時代が過ぎるという。パラレルな動きはございませんので、豪州等におきましては小麦の生産は、セミハードの小麦につきましては少いですけれども、ソフト小麦につきましては相当ある。いろいろな状況がからみ合いまして総体として考えますと過剰とは言えないけれども、そうかといって不足の状態がすぐ到来するというふうにはわれわれ考えておりません。

石坂繁自由民主党

○石坂委員 わが国に輸入する小麦のうち、相当部分がカナダ産の硬質小麦ではないかと思いますが、この輸入数量について昨日お答えがあったかと思いますけれども、聞き漏らしておりますので、もう一応念のために伺っておきたい。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 御参考のために本年度の買付計画の数字を申し上げたいと思います。総体で二百二十三万一千トンの予定であります。その内訳はアメリカがグラントの十万トンまで含めまして百二十一万七千トン、それから次にカナダが八十二万九千トン、オーストラリア十三万五千トン、アルゼンチン五万トンという計画で、今買付を進めている状況であります。

石坂繁自由民主党

○石坂委員 相当の数量になるのでありますが、外麦の輸入、ことに軟質小麦の輸入が内地産の小麦と競合し、従いまして内地産の小麦の生産を圧迫するような点が必ず出て参りますが、これらの調整についての対策を農林省としてはどういうふうにお考えになっておりますか。

武田誠三農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○武田説明員 ただいまのお尋ねの内地産の小麦と外麦産の、特にソフト系に属します小麦との内地市場においての競合問題でございますが、これにつきましては、御承知のように、現在輸入につきましては政府が一手に管理いたしているわけであります。ただいまの売り方といたしましては、内地麦と外国産小麦の間に一定の——必ずしも好ましいとは思いませんが、抱き合せ的な売却をいたしております。これは現在の食管法に基きます。パリティ価格というものによる買い入れ価格に対して実勢の小麦の売り渡し価格というものが、ややそれよりも低目の実勢にございます関係で、そういう形になっておりますが、これらにつきましては今後の内麦、特に小麦、大麦、裸麦、三麦共通のもとに立っての方針をきめていかなければいかぬ、こういうふうに考えておるのであります。現状ではともかく政府で買い入れ価格を一本に指示いたしておりますから、現在の形においては、特に圧迫をしておるという形ではないと思います。

石坂繁自由民主党

○石坂委員 三麦を総合して対策を立てなければならぬという御意見はごもっともだと思います。しかるに現在の農家経済からいたしまして、麦の生産費は買上価格を上回っておる、私どもはこう思っております。そこで本協定では百万トンの保証数量でありますが、毎年通常の取引分まで合せると、ただいまも二百二十三万一千トンという御説明があったのであります。かように多量の外麦を輸入いたすことによって一そう内地の麦の生産を圧迫してくる、これは必然のことであります。そこで農家経済の建前から、一体買上価格を上回るような生産費を投じて麦を作るべきかどうかということについては、これは大きく再検討を必要とすると思うのであります。現に終戦後何年であったかはっきり記憶いたしませんけれども、卜部何がしという人は、日本ではもう麦を作る必要はないのだ、安い良質の外麦を輸入するから作る必要はないということで、農村各地を講演して回ったようなこともあるのです。私の手元にパンフレットはありませんけれども、かつてそれを読んだことがあります。こういう意見もすでにあっておる、現に生産費は買上価格を上回っておる。そこでいろいろ考える人が農家のうちにも出て参りまして、今後なお麦を作っていくべきかどうかということで深刻な検討をしている向きもあるのです。つまり全然麦をやめて代作にかえる、たとえばウンタイ等を作る、こういうことがおいおい論議されておる。ただしかしながら、稲作の裏作として麦を惰性的に作っておるというような状況でないかと思います。こういうような今後の日本農業経営の観点からいたしまして、将来の日本農業における麦作の問題について転換するか、耕種改善をもっとやるか、価格を十分に引き上げるか、こういう点について農林省は現在どういう考えを持って対処しようとしておられるのか、この際伺っておきたいと思います。

武田誠三農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○武田説明員 麦作の将来の問題についてのお尋ねでございますが、現在の麦作につきましては、お話のように水田あるいは畑におきましてそれぞれ冬作物として非常に重要な地位を占めておるわけであります。これを一挙にほかの作物に転作をすると申しましても、これはおのずから限界のあることであると思うのであります。今の状況から見まして小麦なり大麦なり裸麦なり、この三麦の間におきます作付の振りかえ法というようなことも一つ考えていかなければならない道ではないかというふうに私は考えておるのでありますが、ともかくも畑作経営を中心といたしました生産費の低下というような方向への推進というものを一つ検討してはどうかというようにも思っておるのであります。御承知のように、大、裸麦につきましては、現在の外国から輸入いたしておりますものよりも、やはり内地におきます市場性としては国内の大、裸麦の方がはるかに優位にあるわけであります。逆に小麦につきましては、品質そのものの点から申しますと、やはり外麦の方が質としてはいいという形にあるわけであります。それらのことをすべて勘案をいたしまして、三麦の間に今後どのような転換をしていくかということについて十分検討を進めていきたい、こういうように思います。

石坂繁自由民主党

○石坂委員 今後の麦作対策につきましてはもっと掘り下げて実は論議をいたしたいのであります。私も多少の意見は持っておりますが、なお当面の協定につきまして社会党の方々で有力な方々が控えておられますので、私はこれ以上時間を費すことは心苦しく思いますのでこれをやめますが、しかしいずれか適当の機会にこの問題につきましてはもっと御意見も伺いたいし、私の意見も申し上げたいと思います。しかし今後の対策につきまして十分御検討をお願い申し上げておきます。  なお最後に、これは私の希望でありますが、ソ連圏内においての麦の生産状況、価格、輸出入等について、昨日外務委員会で松本委員から資料の要求がございまして、本日若干いただいたのでありますが、この点はぜひ一つ資料として至急におまとめを願いたいと思います。もっとも統計等の発表されておることが非常に少いソ連圏のことだと思いますので困難もあろうかと思いますが、お願い申し上げます。  これで私は終ります。

前尾繁三郎自由民主党

○前尾委員長 次に中村時雄君。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 まず今農林委員の方からお話が出ました売り渡し買入保証の数量の問題に関連して一つお尋ねを申し上げます。  先ほどのお話では二百五十万トンばかり減った、このようなお話があったわけです。買上数量が以前の第二次協定の千七十四万九千トンから今度は八百二十四万四千トン、すなわち二百五十万トンばかりの数量が減りましたというお話があったわけです。そこでお尋ねしたいのは、以前におきましては輸出国はアメリカ、カナダ、フランス、オーストラリアであった。それが今度はふえておるはずなんですが、どういう国がふえておるか、まず第一にお尋ねしておきます。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 輸出国でふえました国はアルゼンチンとスウェーデンであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それと相対的に輸入国がふえておるはずですが……。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 輸入国は、今までの輸入国の中で今度署名しなかった国が四ヵ国ございます。ふえてはおりません。ただ加入国はキューバ、サウディ・アラビアが予定されております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そこで先ほど言った二百五十万トンほど減っておるということを、農林省側の答えとしては、アメリカの小麦の過剰のピークが過ぎておるのじゃないか、こういう意味において一つの方針が成り立っていくというようなお答えをしていらっしゃいましたが、逆に一つの考え方を出した場合に、インドとかあるいは南アとかあるいはブラジルなんかは今生産増強を一生懸命やっておる。この間ブラジルなんかに行かれた方のお話を聞いてみますと、非常にその点に重点を置いて生産増強をやっておる、こういうところが現実にあるわけです。片一方でそれだけふえておる。しかし片一方でピークであると言っていることには私は非常に矛盾を感じているわけです。私の考えでは逆にその生産増強や、あるいはまたインドや南アやブラジル等においてこのような生産増強の結果が、国際市場においてはかえって過剰になるおそれがあるのじゃないかという考え方を持っているわけなのです。そういう考え方が基礎にあるからこそ、たとえばソイル・バンクのような状態がアメリカにおいても行われてこざるを得ないというような結果が世界で出てくるのじゃないかと思っているのですが、農林省の見解はどういう御見解か、承わっておきたい。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 大体四大輸出国の小麦の生産量によりまして、世界の小麦の総量というものは大きく動くものだと思います。従って御指摘のブラジルその他の国におきまして相当大きな増産をやっているというお話でございますが、さしあたり世界の国々の総量を支配するほど大きな動きは与えないのじゃないかと考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 あまり大きな影響を与えないということなのでしょうか。もう一度……。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 そのように考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると先ほどおっしゃっていたように、大体平均化されていくのじゃないか、そういう傾向にあるというお言葉と矛盾してきはしませんか。今の現状通り押し進めていくという考え方と、だんだんピークはなくなっていくという考え方には矛盾がありはしないか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 現在におきましては、大体世界の傾向といたしまして各国と申しますか、主要な小麦生産国におきましては、ある程度統制的な計画的な考え方で小麦の増産をやっておると思います。従って世界の小麦が過剰になるほどの大きな生産量の増加を来たすような増産計画というのは、各国ともおそらくとらないのじゃないか、このようにわれわれは推察いたしております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 各国で大きなところがそういう計画生産をやっているというふうにおっしゃるわけですが、それなら一つお聞きしたいのは、英国がこの協定に第二次以降ほとんど入っていないわけなのです。その理由はどこにあったわけですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 英国が今度の協定に参加しない理由として、表面上に言っておりますことは、過剰小麦の対策を講ずることについてこの協定は直接に触れていない、そういうことが入っていなければ意味がないということを主張しております。ただいろいろな報道によりますと、今まで——この前のに入っておりませんでしたので、これにまた新しく入ることによって何か国際的な拘束を受ける、あるいは政府の拘束が若干でも増すというようなことになるならば、イギリスの製粉業界としては好ましくないという意向があって、それが政府をして今まで——入っていれば続けるのは問題なかったのですが、新たに入るという措置をとることを控えさせたというふうに伝えられております。もっとも英国でも農民同盟などはこれに入るべきであるという主張をしておるようであります。また英国の場合は英連邦の国としてカナダとかオーストラリアとかいった、いざというときには普通の第三国よりはかなり助けになるような小麦生産国がありますので、そういった事情も勘案して、結局最後に入らなかった、こういう事情でございます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 今お答えになりましたように、あなたは一つにおきましては生産に対する規制をしているとおっしゃるけれども、今おっしゃったように英国の入っていないのは、生産に対する規制もできなければあるいは消費の促進対策も欠いている、最も大きなねらいは実際価格が高いということ、そういう理由によって英国は入っていないわけです。だから実際問題としてはそういう対策はできていないということなのです。ところが農林省のお答えはできているとおっしゃる、できているならどこどこができているとはっきりそこに明示していただきたい。四大国だけでもけっこうです、どんな生産率を立ててどんな生産をやっていき、そこの需給のバランスはどういう計画性を持っているということを、あなた方持っていらっしゃるならば出していただきたい。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 各国の的確な施策の内容につきましては手元に資料がありませんので、後ほど資料として御提出いたします。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 私はそういう傾向だというような概念的には常識的に考えられますけれども、今言ったように基本的な問題は、英国という国がこの中に入らないという現実をはっきりと打ち出しているところの基本条件はそういうものでないということにある。だから私は実際にないと見るのがほんとうじゃないかと見ておる。先ほど外務省から御答弁があったのもほんとうだと私は見ておる。あなたは資料をどういうふうに作られるか知らないけれども、それは至急に資料を作っていただきたいが、また同時にこういう重要なときには今になって資料を要求され、作らなければならぬという状態にならぬように以後は注意していただきたい。  次にアメリカの問題がピークが過ぎたとおっしゃいますが、そのピークが過ぎたという理由、たとえば本年度のソイル・バンクの問題なんかもありますが、ソイル・バンクと小麦との関連性というものをどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、お尋ねしたい。これは価格の面でもあるいは土地の問題からでもどちらでもいいですから。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 非常に恐縮ですが、数字的な資料を用意いたしておりませんので、数字的に申し上げかねますけれども、われわれが聞いております範囲では、そういう情勢だということであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 私はもっと的確に言ってもらいたいのです。たとえば土地の減収をどのようにしてやっていくのか、そこで生産量をなんぼ減らすのか、そのことは次に来るところの過剰農産物との関連が出てくるのですよ。そういう事柄をないがしろにして抽象的に持っていったらはっきりした線は出はしない、はっきりした施策は立ちはしないです。だから私は、小麦に対する条件をどのくらい減少さしていったのか、あるいはその結果数量をどのくらい減していこうと考えているのか、それによって日本に行われるところの余剰農産物というものも関連が出る、こういうことを聞いているわけです。——それではあとから資料を提出して下さい、それでいいですから……。  一言言っておきたいことは、そういうことが基礎になって、先ほど言った今後におけるところの余剰農産物の問題と日本との関連性の問題、あるいはそれが今度は大きな国の規制をやっているわけですから、農産物価格に与える影響はどうなってくるか、あるいはそれが基礎になって特に小麦価格がどういうふうになってくるかという大きなファクターを持っているわけです。私はそう考えるからお聞きしているわけです。だからその基礎さえできていないということになれば、ただばく然とあなた方は考えておるのかということをお聞きしたい。そういうふうに農林省自体においてさえできていない。おそらく外務省でもできていないと思うのです。そういうふうに基礎的な条件が整っていないにかかわらず、ばく然とこれに賛同をなさるというお考え方なんですか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 ここに主要作物の作付面積の数字がありますので、ちょっと申し上げたいと思います。一九五五年の小麦の作付面積が四千七百二十二万エーカー、それからその前年度五四年は五千四百二十八万エーカー、それから五六年を申しますと、だいぶふえておりますが、大体五千万エーカーになっております。大麦の方は、一九五五年が千四百五十五万エーカー、一九五六年におきましては千二百八十六万エーカーになっております。それからトウモロコシにつきましては、五五年が七千九百九十五万エーカーが、七千七百五十九万エーカー、それから米につきましては、百八十二万エーカーが百六十万エーカー、こういうふうに減っております。ただ小麦につきましては、ソイル・バンクその他の施策につきましては、今後の数字が大きく影響すると思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 おそらくそれだけ土地の利用度が出ておるならば、その生産量が出ていると思うのですが、それは出ていないのですか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 生産量は出ております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 生産量をそれに基いて言って下さい。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 小麦について申し上げますと、五五年が九億三千八百十六万ブッシェル、五六年が九億二千二百二十六万ブッシェル、こういうことになっております。大麦について申し上げますと、五五年が三億九千九十七万ブッシェル、五六年が三億四千七百七十万ブッシェル、こういう数字が出ております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それではそれを集約して小麦に対してだけ今の統計から見ますと、土地面積の減った割合に対してその比率を見てみますと、五五年と五六年とを比較してみても、生産量の方はほとんどあまり変っていないという状態なんです。ということは、あなたのおっしゃっておるように、これだけの生産量が出てきて、先ほど言った過剰のピークが過ぎておるという現象は、この統計の上からだけ考えた場合には出てこないのじゃないか。大体あまり変らないのですから……。そうするとこれに伴うところの価格の影響というものを将来どういうふうにお考えになっておるか、その点をお聞きしたい。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 ここにCCCの投資額の数字がありますから、申し上げますが、一九五五年の六月末の投資額を小麦について申しますと、数量で申しますと、九億九千万ブッシェル、それから一九五六年五月末ですが、これは十億ブッシェル、少し投資の対象の数量は多くなっておりますが、先ほど申し上げましたように、この数字にはその後の五月以降の余剰の大口でありますインド、パキスタン、インドネシア等の数字が入っておらないと思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると、一番最初に答えられたことと非常に矛盾が出てくる。今言ったように、生産量にしても価格にしても変らない。だから英国が価格の上でこの協定に入らなくたって安いものが買えるじゃないかという考え方になって、決してこれはピークになってある程度の生地立地が押えられ、ある程度の需給のバランスがとれるという意味ではなく、依然として過剰であるという考え方に私はなってくる。これに対してどうお考えになっておるか、先ほどの御答弁とこの実績の数字の上からいってだいぶ違ってくると思う。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 過剰の傾向が過ぎたということは、即下降傾向、不足の傾向と申しますか、ピークがこういう傾向になる、われわれといたしましては、大体行くところまで行ったのじゃないか、横ばいないし少し下るのじゃないか、こういう気持でおります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 わかったようなわからぬような御答弁ですが、一応了承——とまでいかないけれども、時間がありませんから次に移りましょう。

綱島正興自由民主党

○綱島委員 関連して。今の説明を伺って変に思うのですが、私が記憶しておるところによると、アメリカは両三年大体十三億ブッシェル以上の小麦ができておる。そこで世界の需要量ですが、そんなにないのですよ。需要量があまり下っていないようになってきたというような、何だかそういうお答えのようですが、アメリカでは非常に困っている。アメリカのやつを安く売られると豪州やカナダが非常に困るので、それで——最初は小麦が足らぬから小麦協定を作ったには違いない。その後アメリカの両三年内の十三億ブッシェル前後の大豊作から、非常な変なことになってきておることは御存じの通りでしょう。アメリカは大体二億六千万石くらいとれているのですよ。そして日本が輸入しているのは大体二千万石くらい、アメリカの自己消費が八千万石から一億万石。ヨーロッパの消費は三千四、五百万石。そうするとあまり過剰でなくなったという説明はどういうことですか。数字的に説明してごらんなさい。東洋では、日本以外はインドが少し要るだけで、別に不足はないのですよ。ヨーロッパは多い年で四千万石、少い年は三千五百万石しか需要がないのです。アメリカは二億六千万石とれて、アメリカ一国で過剰の小麦が大体一億四、五千万石に及ぶのですよ。それで大体需要が均等化してきたとかいうようなお答えであったが、それはどういう数字ですか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 手元に数字がありませんので、後ほどお答えいたしたいと思います。

綱島正興自由民主党

○綱島委員 私は最後に発言をしておきます。これは希望だが、やっぱり国際間の食糧はどういうふうに流れている、どこでどのくらいできてどのくらいの民族のところが不足している、大体こういうふうに流れているんだくらいは知っておらないといかぬですよ。そういうことをあなた方はよく知っておかなければならない。私どもはみんなよく知ってますよ。どこの食糧がどのくらいどこへ流れておるか、みな知っておる。あなた方も勉強しなければいかぬと思う。  それといま一つ僕はどうしても注意してもらわなければならぬことは、御承知の通りアメリカは食物を廃棄するくらいあるから、余剰物産の処理をております。これは何べんも僕は忠告しております。余剰物産の処理協会おいては、大体ネーサンという人が担当しておる。はなはだしきは、ビルマなどは、バターのようなものでも一ポンド一セントで売っておる。もっともこれはシカゴの倉庫渡しです。一ポンド一セントで売っておる。いろいろな方法でアメリカは農民保護の立場からたくさん余剰物を買っておるのです。非常に高く買っておる。生産原価でみな買っておる。アメリカは余りものをみな買っておる。おととしはたしか二千万ポンドを一セントずつで売りました。ずっとそうやって、その買う方の条件は、国で買えるのだ。それからアメリカで認められておる公共団体の救済団体はみな買える。たとえば日本のカトリック協会のようなものはみな買える。ですから物資の輸入については、もう少し注意をしてもらわなければいかぬと思う。日本はたしか脱脂綿を一ポンド五セントで買ったということが大自慢なんです。食糧を求めるにしても、もう少し注意してもらった方がいいと思う。ほんとうになさるなら、私ども御協議にあずかっていいのです。これだけ発言しておきます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 今の最後の締めくくりだけしておきますが、たとえばピークから非常に下ってくるという場合には、余剰農産物の価格の問題が一つ出てくる。またこれが今言ったように耕地の整理をやってある程度制約をするということになると価格が上ってくるに違いない。その場合の問題が出てくるわけだ。だからこれは基本的な問題になってくる。その問題をあなた方ないがしろにしておいて、この協定だけに調印をせよといってもそれはできるものではない。実際にはそうでしょう。そういう点をあなた方はよく資料を整えて勉強してきっちりしておかなくては、答弁にも何にもなりはしませんよ。一番基本的な問題ですよ。これは御注意をしておきます。  それではちょうど外務大臣がいらっしゃいましたから、話を飛ばしまして外務大臣に一応質問させていただきたいと思います。  外務大臣御存じのように、この小麦協定は一九四九年以来今度で三回目になるわけです。三回目に際しまして先ほどからも問題になったのですが、売り渡し保証数量というものが第二次協定の千七十四万九千トンから八百二十四万四千トンに減っていったわけです。そこでその減っていった現象がいろいろな問題を起しているわけです。その問題は事務当局と今後話し合いをつけていきたい、このように考えております。  そこで外務大臣にお尋ねしたいというのは、もはや日豪の貿易協定の改訂期に入ってきていると思うのです。豪州の方といたしましては最恵国にいたしたいという考え方がある。それで、最恵国にするためには今まであった二十三万トンくらいなものをぜひとも小麦の点で大きく数量を増加してもらいたいというお話し合いがあったかどうかお尋ねしたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 豪州側が小麦の買付を非常に希望しておるということは事実のようであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうしますと、今まで片方においてはアメリカからくる余剰農産物という問題があるわけです。それで余剰農産物という観点から見て、その資金の流用という観点が一つあるわけです。有明海の問題であるとか八代湾の問題であるとか、ひもつきの問題として大いに一つの方向の打ち出しを農林省は考えている。政府の中でも農林関係者はそれを重点的に考えている。そこで小麦も昨年度よりも本年度は多く輸入しようとしている。一体それとの競合をどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 農産物の買い入れの問題及び小麦協定によって入手する資金の問題等はむろんのことでありますが、それ以上に貿易全体のことについてよく調和をとって考えなければならぬと考えております。そこでその調和をどうとるかということにつきましては、今政府としては考究中でございます。これはただ一つの方面だけから処理していくわけにはいくまい、こう考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 この間アメリカのガーネット農業局長がいらっしゃったときに、第三次余剰農産物に対しては小麦を大体六十万トンくらいは買ってもらいたい、こういうことが出ているのです。一方におきましては、今言った最恵国待遇を与えるかわりに、中心はあくまでも小麦ですから小麦を余分に買ってもらいたい、これがやはり基本原則になる。あなたのお話ではそういうことはありますと言う。ありますからそれを調和するように目下研究していますとおっしゃる。研究しているのにこの協定に調印してくれというのはどういうお考えか、その基本的なあなたの考え方を承わりたい。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 これは小麦協定の問題とは直接関係はないと思います。余剰農産物協定と豪州の問題とはあるいは関係が生ずる問題かもしれません。小麦協定に入るか入らないかということは直接豪州の問題とは関係ございません。

稲富稜人日本社会党

○稲富委員 関連して。ただいまの中村委員の質問に対する答弁に対して、私聞き違いかもしれませんが、外務大臣にお尋ねしたい。この小麦協定は外交上の調和をとるために非常に必要である、こういうふうに御答弁なさったようでありますが、そこに一つの重点があるのであるか、その点を念のために承わっておきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 いや、私はそう申し上げたつもりはございません。今の小麦の問題は、豪州から日本が買い付けるということを豪州は希望しておるか、しかしてそれが最恵国待遇との問題について議論があるか、こういうお話でございましたから、豪州としてはそれを希望しておる、こう申したのでございます。私が広くこの問題を考えなければならぬというのは、そういう貿易の問題なども考えなければいかぬ、こういうことでございます。今の小麦協定に直接この問題が関係を持っておると申し上げたわけではございません。

稲富稜人日本社会党

○稲富委員 ただいまの外務大臣のお言葉は、小麦協定も外交貿易上の一端としての調和性がある、こういう意味なんですね。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 そういうことを申し上げたわけではないということを今釈明したわけでございます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 重光さんに小麦の質的な問題、技術的な問題を聞いてもおわかりにならないかもわかりませんが、アメリカからは余剰農産物の第二次の昨年度はおそらく二十万トンちょっとくらいあったと思うのです。それを今言ったように六十万トンからにふやしていく。それから豪州におきましては最恵国待遇を与えるという建前に立って数をふやしていく。この地方から出てくる小麦は軟質の小麦が多い。ところが日本でほんとうに必要な小麦はマニトバ・ノーザン一号を初め硬質の小麦、カナダ産なんです。ところが軟質の小麦が入ってきますと国内産と競合しなければならぬということになってくる、そういう状態になると私は思うのですが、あなたは一体これに対してこういう予定の通りに余剰農産物においても入れる、あるいは日豪の協定の関係においてもより以上のものを入れようという考えを基本的に持っていらっしゃるかどうかをお尋ねしておきたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私はそういう問題については、国内の需要を考えてやるべき問題だと基本的に考えております。そこでどういうふうにその需要がなるかということは、私は専門的知識を持っておる人の判断によりたい、こう考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 専門的知識を持っていらっしゃる人にお尋ねしたいのです。どの方が専門的知識を持っていらっしゃるかわかりませんけれども、農林省の方にお尋ねします。農林省は本年度にどれくらい余剰農産物として入れる考えを持っておりますか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 本年度と申しますのは第三次のものだと思いますが、この問題につきましてはまだ検討中で、正式な結論を持っておりません。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 どうですか。今お聞きになってもわかるでしょう。農林省においてすらも一体なんぼ入れていいのかまだわかっていない。まして最恵国ということも言われる。小麦協定で一体どのくらい向うから入ってくるかわからない。そういうわからない状態のときに、以前は五十万トンであったものを、今度の小麦協定では百万トンにしようとしている。そういうばかげたものになぜ調印しなくてはならないかを、外務大臣にお尋ねしたい。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 わが国の保証数量が以前は五十万トンだったのを今度百万トンにしたというお話でございましたが、これは今までの協定も百万トンであった。今度もそれを変更しないで同じ百万トンを続けたい、こういうことになっております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 最後にもう一つお尋ねをしておきたいのですが、英国がこの協定に入っていないのです。協定に入っていない原因を先ほどいろいろな面からお話しになったわけですが、そのおもなものは私は価格の点であると思う。しかし、この御答弁はなかった。ただ言われたのは、生産に関する対策があまり立っていない、こういうところに重点があったわけであります。しかし私は、価格が安くほかから買えるから入っていないのじゃないか、このように考えるわけです。これに対して外務大臣はどうお考えになり下すか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 今度の小麦会議にイギリスもずっと参加しておったのでありますが、価格の問題については全然特別の意見を発表しておりません。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 この間の英国のザ・タイムズというのにこういうことが書いてある。協定に入らなかった期間中安い小麦を買ったことは、すなわち小麦粉の価格が安くなったことを意味し、パン補助金の形において支払われる税負担者の負担は、何千万ポンドの軽減をする結果となったことを意味しております。このことは、おそらくパンを作る場合に、税負担というよりも何かの方法で補助金か何か出しているのじゃないかと思うのです。そういうような関係から結局税負担の問題がかかってきて、何千万ポンドの利益があった、こういうことを意味しているのだろうと思うのです。ということは、少くともそれだけ価格の点で助かっていることを意味しているのではないか。私たちは、英国において最高価格を二ドルにせよという話しかけをしたということを聞いておるわけなんです。あなたは価格の点は言わなかったけれども、昨年度二ドル五セントであったものを五セント下げて、最高二ドルにしてもらいたいという要望があったということを聞いておる。それに対してどう考えるか。それと同時に、今言ったようなことが新聞紙上にも発表されておりますが、そういうようなことを考えた場合に、やはり価格は一般市場から買うた方が安くなるのじゃないか、このように思うわけです。しかも裏づけは、ピークが下っているのではなくして、今の生産の立地条件からいっても、実際には並行しているかあるいはより以上上るというような現象が現われてきておる。そういうようなときに何を好んでこの協定に入らなくちゃならぬかという疑問が当然出てくるわけです。この点についてお答えを願いたい。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 この協定に入ったから一般市場から買えないというのではございませんので、そういう点はないと存じます。英国が安い小麦を買った。これは協定に入らなかったから安い小麦を買えたということは私はないと思います。というのは、旧協定の期間中に最高最低以上に価格が出たということはございませんでした。従って、小麦協定の現実の保証数量の買付義務あるいは売り渡し義務といったようなことはございませんでした。これに入っても入らなくても同じであったわけであります。また価格の点でイギリスが特に提起しなかったというのは、この協定を作りますときの小麦会議において何も提起しなかった。前の一九五三年のときには、イギリスは二ドル五セントを二ドルにしたらということを言ったのであります。それは前のときの話でありまして、今度の会議では、英国は価格のことについては一言も言わなかったのであります。

稲富稜人日本社会党

○稲富委員 先刻から中村委員との質問応答を承わっておりますと、この協定を結ばなければいけないという基本的な必要性というか、根拠というものがどうもはっきりしない。ことにこれが日本にとって大きな利益となるということを大げさに御説明なさっているが、その点がどうもはっきりしないのであります。その点もっとつまびらかに、なぜこの協定を結ばなければいけないかという根拠、並びにこれを結ぶことによって、どれほど日本に大きな利益を与えるかということを明示していただきたい。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 どれだけの小麦の輸入が年間必要であるか、あるいはそういった価格の推移、こういったことは農林省でいろいろ検討されたわけでありますが、私どもとしては、結局年間二百二十万トン程度の小麦の輸入が必要である、こういう前提を与えられまして、そうするならば小麦の価格、これは現在では大体最高、最低の価格の範囲内でいくだろうと思いますけれどう、しかし日本の小麦の輸入量も相当多いことでありますから、万一最高価格以上に上ったような場合には、二百二十万トンのうちの百万トンくらいまでは、この最高価格でもって買うことが必ずできるので、こういったふうにしておくことが有利である、そういう場合の一種の保険をつけるような意味で利益であると考えたわけであります。  もう一つは、この国際小麦協定には四十数ヵ国加入しておりまして、小麦に関していろいろ利害関係を持っている国が参加しているわけであります。そういう場でもっていろいろ日本の意見も述べたり、情報とか統計とかを得たり、またそういった関係者と知遇を得るということも日本のために有利である、こういう考えでこれに入った方がよい、こう考えた次第であります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 今経済的利点を一点言われた。もう一つは、そういう中に入っているといろいろな情報、国際社会への参加により一部が情報となって現われてくる、こういうことを言われた。そこで、どういうことをもってあなたは経済的利点と考えているのか、これが第一点。私はこう考えているのです。先ほど言ったように、日本は硬質小麦が必要なのである。すなわち、カナダが中心になっている。アメリカやあるいは豪州、あるいは小麦協定から入ってくるものは軟質が多いのです。軟質となると日本の小麦と競合しなくてはならぬという立場をとっている。しかも余剰農産物においては倍額以上のものを受け取ろうとしている。しかも、日豪の今度の協定では、最恵国待遇を与えるという建前をとって、この軟質小麦をより以上日本に持ってこようという考え方を打ち出されている。そういうような最も危険な状態の中で、日本が最も必要なものの価値と経済的効果がそこにあるのではない。硬質小麦なればまた話がわかる。かえってそのこと自身が、国内の小麦に大きな圧迫を加えるということをあなた方は考えているかどうか。私はあなたの考えている経済的利点、その点に対して疑義を持つわけです。その点をもっと釈明していただきたい。  それから、第二点として情報ということをおっしゃいましたけれども、たとえば海外にはインポーターもおります。あるいは国際連合への加盟も間近に迫っておる。また日本もFAOに参加している。そういうような状態から考えても、情報の交換というようなことは、それらの組織を通じても十分できる。何も小麦協定に入ったらという必要はない。そういうことを考えた場合に、あなたの特筆された経済的利点と情報というようなことは、利点にはならぬじゃないかというような考え方になる。そこで、それ以外に利点があれば、はっきり示していただきたい。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 余剰農産物を受け入れるかどうか、あるいは硬質小麦、軟質小麦、そういうものをどういう比率で入れたらよいかというような農業政策の問題については、いろいろな議論があるかと思いますが、ただ今問題になっております小麦協定とは直接その問題は関係がないと思います。というのは、この小麦協定にもちろんカナダも入っております。それから協定の加盟国は、どこでもこの協定に入るわけであります。従ってこの協定に入ることがただいまおっしゃったような不利益を招くこととはならないと思います。またこの小麦協定に入ることによって、各国の小麦の専門家の会合に列席して、理事会とか、執行委員会とかあるいは各諮問委員会とか、そういったいろいろな場で情報を交換したり、またそういったところの状況を目に見たり、いろいろな利点がある。やはりそれはほかでもある程度得られるじゃないかということでありますが、しかしせっかくこういう機関もあることでありますから、専門家も集まっておりますれば、情報ができるだけよく集められると思います。

稲富稜人日本社会党

○稲富委員 小麦の導入は、日本の農業にどういう影響を及ぼすかということについては、さらにまた農林省にお聞きしたいと思いますが、ただいまの御答弁によりますと、ただいま中村委員が言いましたように、情報の交換ということに非常に重点を置いておられるようであります。私がお聞きしたい点は、日本の外交はこういう小麦協定を結ばなければ情報をとることができないのであるか。それほど情報をとるためにこの協定が大切な役割をするとするならば、この協定に対してわれわれは考えなければいけない。この協定を結ぶことによらなければ国際的な情報がとれないというような、そんな貧弱な外交であるのか。この点非常に重点を置かれておるようでございますから、一つ外務省の御見解を承わっておきたい。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 情報はもちろんなるべく広く集める必要がございますが、この協定に入ることの利益というお話でございましたから、そういう利益もある。それが一番の主たる眼目の利益というわけではございませんが、しかし利益としてはそういう利益もある。情報はできるだけあらゆる機関を通じて広く集める方がいいということであります。

稲富稜人日本社会党

○稲富委員 それでは農林省にお尋ねしたいと思いますが、この小麦協定によって日本の農業、ことに日本の小麦生産というものにどういうような影響を与えるのであるか。ことに輸入されます小麦の性質等からいっても、この点からも合せまして、農林省はどういう考えでこの必要をお考えになっているか、これは農業生産に携わっておられる農林当局のこれに対する具体的な説明を承わりたい。農業生産面の方に聞きたいと思う。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 ちょっと生産面の問題を離れまして御説明したいと思いますが、小麦協定自体の立て方といたしますと、百万トンという数量はありますけれども、価格が二ドルと一ドル五十セントの間に落ちついている場合は、特別の規定が発動することにはならないことになっております。従って現在の価格は一ドル七十セントか七十五セントくらいに落ちついておりますので、その幅の間にある間は、取引は全部普通のコマーシャル・ベースで小麦の取引が行われることになっております。従って先ほど御指摘の小麦協定によって軟質の小麦を押しつけられるのじゃないかという場合には、直接小麦協定の関係は働きませんので、軟質の需要がとぎれればカナダからマニトバを買う。そういうことも自由にできる建前になっております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 建前はそうなっておりましても、現実には、あなたのお話でも、たとえば今までカナダから八十二万トン買っておる。今までの貿易の関連からいきましても、それを削減していくことはなかなか困難な状態だ。そうすると小麦協定の方を考えてみましても、大体余剰農産物からもそういう状態になり、あるいはまた日豪協定の中からもそういう状態になっておる。昨年度は豪州から十三万五千トン買っておるが、私の考えでは、おそらく二十万トン以上の状態にこれが現われてくるのではないか、あるいはまた余剰農産物の中におきましても、おそらく本年度は五十万トン以上買わされるような状態になるのではないか、このように推定されるわけです。しかも先ほど局長は、小麦協定の中にカナダも入っておるからいつでもとれますとおっしゃるが、しかしカナダからとるのは、現実にカナダからもとっておるのですから、別のワクでとっている方の分にほとんど硬質が入っているという状態になっておる。そうすると協定の中からくるものは、今言ったような状態が混合されてきまずから、ほとんどが軟質ではないかという決定的なものが出てくると思う。これに対してどういうお考えを持たれますか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 ただいまのカナダの硬質が買えなくなるのではないかということは、小麦協定に入ることによってちっともそういうことにならないということをお話し申し上げたのであります。カナダも協定国だから協定国から買うことは自由であります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 昨年度硬質をカナダから買ったのはどのくらいの数量ですか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 八十七万五千トンであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 八十七万五千トンは、小麦協定を通じて買ったものか、あるいはカナダから単独に買ったものですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 これは協定の収穫年次と日本の会計年度とに多少ズレがございます。昨年の会計年度の数字では八十七万五千トンということを農林省から今御説明がありましたが、そのうち協定の方に記録したものが四十四万九千トン記録しないで買ったものが四十二万六千トンであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると昨年と比較して会計年度の多少のズレは別として四十四万トン程度ですね。片一方の方で日本の必要量は八十七万程度に押えておるわけです。そうすると今言った日豪協定の中においてもあるいはまた今度の余剰農産物においても、入ってくるものは一体どちらを中心にして入ってくるのですか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 余剰農産物の協定がきまりました場合にも、われわれは従来ともできるだけアメリカからセミハード系を引きたいと考えております。ガルフ積みで買えばある程度引きますけれども、運賃の関係で太平洋岸から積み出すものを買うといたしますと、アメリカの余力が比較的限られておりますので、大体ソフトのものが多くなる程度であります。それからオーストラリアにつきましては、従来セミハード系の小麦を買っております。従いましてソフトが多くなるという御指摘の問題は、余剰農産物の関係と豪州の関係をどう調整するかというところから問題が起きてくる、このようにわれわれは見ております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 今のでおわかりになったと思うのですが、その豪州の問題と余剰農産物の調整ができた結果、私は、この小麦協定を云々される以前に、そういう基本的な問題の解決をはかっておいて、そうして出てくるなれば、まだ話はわかるのですけれども、まだその小麦がどのくらい入ってくるか、どういう状態になっているかわかりもしないうちに、こういう協定を結んでいくということは非常に危険性を持つ。なぜなれば、少くともそういうソフトが入ってきた場合に、先ほど言ったように、日本の小麦と実際には競合するわけです。競合する場合に、日本の裏作で、この小麦をどのように転換するかという一貫した農林省の政策がないと私は見ておる。ないときに、現状の中にそいつをほうり込まれてくれば、農家にとっては非常に大きな圧迫をこうむることはおわかりになったと思うのです。この点外務大臣は、政治的にどういうお考えを持っていらっしゃるか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 私は、その点は先ほど申し上げた通りに、国内の需要に見合って輸入するわけでありますから、十分その点は解決できると思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 事情に見合ってと言いますけれども、事情は今言ったように、入ってくるという過程ははっきりしてきたわけなんですね。ということは、もう一歩突っ込んでいけば、あなたがもしも日豪協定をする場合には、向うのおっしゃっているような二十万トン以上のそういうような事柄はやらないという心がまえを持っていらっしゃるかどうかということです。入ってくれば、今言ったように競合せざるを得ないということはおわかりになったと思うんです。そうすると、実際日本の農民にとっては非常に大きな影響が出てくるわけです。出てきてもいいですよ。たとえば裏作で小麦作物を転作しておるとか、あるいは牧草地という一つの前提をとって、大きな転換をさすとかいう基本方針があるならこれは別なんです。ところが農林省はそいつを持っておりません。先ほど御答弁があったように、その危険な状態の中にほうり込まれてくると、日本の農家経営というものは大きな打撃をこうむるわけなんです。こうむるという前提をここで打ち切らなければならないということになれば、その最も大きなファクターを持ってくるものは現在二つあるわけです。一つは日豪協定に基くところの問題と、もう一つは余剰農産物という問題、この二つが出てくるわけです。そこであなたがもしもその協定の折衝に入る場合に、昨年以上には大体は受け入れないんだというお考え方を持っていらっしゃるかどうかということをお聞きしたい。それは政治的な問題ですから、外務大臣にお尋ねしたいと思います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 いろいろさようなことも考究しなければならないと思います。そこで余剰農産物の問題、豪州の関係はまだ検討中でございますから、これをどう判断するということは、諸般の事情をもとにして判断しなければならないと思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 私の言うのは、検討中をお聞きしておるわけじゃないのです。それは見当違いの御答弁です。私の言うのは、基本的にこの実情がおわかりになったら、そのような努力をなさろうという心がまえを持っていらっしゃるかどうかということを伺っているわけです。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○重光国務大臣 それは持っております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それでは農林省にお聞きしますが、せっかく外務大臣はそのように努力をしようとしていらっしゃる。今言ったように、以前よりあまりふやさないような程度にお考えを持っていらっしゃるようです。ふえたら、私はもう外務大臣というものは、実際二元外交どころか、三元外交を通り越してしまうだろうと思うのです。そこで農林省の方は、あなた方にお聞きしても無理なことと思うのですが、今度の余剰農産物に対して、基本的にはどういうお考えを持っておるか。今までの現状で押えようとしておるのか、あるいはそれ以上にまだもらいたいというお考えを持っておるのか、そういうような基本的な問題をお尋ねしておきたい。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 御指摘の通りに、御指摘の方向で考えておるわけであります。と申しますのは、いろいろ米の事情その他麦の事情等を考え合せまして、通常輸入量、余剰の数量をできるだけ少くしたい、こういう基本的な考え方で、農林省は進んでおります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 外務大臣に対しましては、お忙しいからだですから——これはほんとうを言えば、これだけの重要な協定をしようということなんですから、終始お聞きを願いたいと思っていたのですけれども、私の質問は、外務大臣に対しては一応これで、私自身は終ります。あとは事務当局との問題に移していきますけれども、しかしこれに対する態度は、今言ったように、できれば——先ほどもはやそれに矛盾する一点がはっきり出ておるような状態ですから、できればこれからのもみんな聞いていただければけっこうだと思いますが、外務大臣に対する質問は一応……。

前尾繁三郎自由民主党

○前尾委員長 ほかの方は、外務大臣に対する質問はないそうですから、続けて下さい。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 一つ外務省の方にお尋ねしたいのですが、英国におきまして、ソヴィエトからも小麦を輸入しておるといううわさをよく聞くのです。もしもそれがおわかりでしたら、どの程度の数量であり、どの程度の価格でそれを輸入されておるかということをお聞きしたいのです。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 英国はソ連から、比較的少量でありますが、小麦を輸入しております。その実績を申し上げますと、一九五三年には二千百トン、一九五四年には五万九千四百トン、一九五五年には七万九千五百トン。これを金額で申しますと、五三年が二十万ドル、五四年が四百十万ドル、五五年が二百六十万ドル、こういうふうになっております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 五四年に五万九千四百トン買って四百十万ドル払い、五五年に七万九千五百トン買って二百六十万ドル、非常に安いのですね。これは一ブッシェルにしたらどのくらいになりますか。今のお話では、五万九千四百トン買って四百十万ドル払っておる。五五年はそれよりも二万トンふえて七万九千五百トン買っておるにかかわらず、価格は半分に減って、二百六十万ドルとなっておる。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 ただいまの金額と数量は、それぞれ申し上げた通りですが、実はこれは違うデータからとりましたので、その金額と数量が即見合っているものではないそうです。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 今言っておるのはあまりにもひどいのですよ。片一方で五四年には五万九千四百トン買っているのです。その価格は四百十万ドル支払っている。五五年には七万九千五百トン買っている。ところが金額はその半分になりまして、今度は二百六十万ドルになっているのです。こういうふうに、自分で発表して今ごろになって自分で気がつくのはおかしいので、一ブッシェル平均どれくらいになっているかということをお聞きしたい。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 この表はあるいは間違いかと思いますが、調べて間違っていたら御訂正いたしたいと思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 あなた方の外交では、そういう情報は的確につかめないのですか。先ほどあなたは、いかにも鬼の首でもとったように、小麦協定に入ったら情報が入ります。片方においては全然めくらと同じで、そういう情報を自分で発表して、つかれてから、間違いですと自分で気がつくような、そのようなことで外務省としての責任がとれるかどうか、実際疑わしい。これは非常に重要な問題が起ってくるのです。なぜなれば、今度の日ソ共同宣言をやって、いよいよこれから経済行為の問題にも一歩踏み入れなければならぬ、そういう重大な段階においてこういうあいまいもことした態度で、果して責任がとれるかどうか。月給さえもらったらいいというわけにいかぬぞ。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 ソ連の場合には統計の公表がございませんし、また小麦会議の直接のメンバーでもございませんので、なかなか正確なところがわからないわけでございます。しかし今後さらにできるだけ資料の整備に努めたいと思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 おそらくこれだけじゃないのですよ。たとえばポーランドの問題でもそうなんです。ポーランドで問題を起している。そのときにだって、発表は何もなかった。何もわからずにおいて日本からソ連に出ていった。そのあとでぽかんと起った。さあ大へんだという。そういうあなた方の情報なんです。今、日ソ共同宣言を発して、いよいよそういう貿易にも入らなければならぬという状態のときに、向うの生産立地もわからなければ価格もわからなければ、あるいは輸出入をどうして持っていくかわからなければ、そんなことで果してその基本的条件が整えられますか。これから勉強します、それだったら子供だってできますよ。現実の問題は現実に進んできているのです。今言ったように、英国においてもはや取引をしているのです。あなた方の情報がほんとうに的確であるならば、英国のだって情報の取り上げ方ができるでしょう。英国はあなた方の言っているように取引をしている。はっきり言っていらっしゃる。数量もわかっている。そうすれば価格だって当然わかってくるはずなんです。それをただ単にペーパー・プランでひょっと見ておいて、それを発表して、つっ込まれてみると、自分でも常識的に考えてみておかしいから、間違っているかもしれません。それでほんとうの責任がとれますか。あなたの良心に訴えて、自分自身の立場なり責任というものでなく、外務省としての考え方だけを私は聞きたい。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 今までもできるだけ資料を整備しようと努力していたつもりでございます。しかしなかなか十分な資料も持ち合せがなくて、まことに申しわけないのでありますが、今後さらに努力したいと思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 実際これ以上その責任を追及することは個々の問題になりますからいたしませんけれども、ほんとうに真剣に考えてもらいたいのですよ。たとえば先ほどからの答弁でも、武田さんじゃないけれども、ピークがこれ以上下りませんといって、数量を表わしてみると大体前年度と変らない。そういうでたらめ主義的な答弁はやめてもらいたい。私たちも真剣に討議しなくちゃならぬ。農家経営としては大きな問題なんです。あなた方は外交の何か調印をするだけが本職じゃないはずです。そういう意味において、その点は十分御反省を願い、御考慮を願いたいと思う。  次に、現在日本におきまして、オーストラリアの小麦あるいは南米諸地域の外米の輸入をさらに増加したいという希望が方々にあるわけですが、その意見に対して農林当局はどういうお考え方を持っているか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 米は、東南アジアでございますか、——米につきましては、内地米の豊作の影響を受けまして、どうしても輸入量を減らさざるを得ないというのが農林省の立場でございます。従って東南アジアからの米の輸入量も減少せざるを得ない、かように考えております。ただ東南アジアの二大輸出国でありますビルマ、タイでありますが、これにつきまして今日の情報では、ビルマにつきましては、特に共産圏地域とかとバーター取引の契約をやっておりまして、案外他国へ米が売れまして、日本が従来買っていたほどの米は輸出余力がない、そのように聞いております。またタイにつきましても、ことしはだいぶ豊作ではございますが、日本以外の国への輸出の引き合いも相当あるようでございまして、何とか輸入量は削減いたしましてもそのはね返りが貿易面で来ないという線で大体話がつくのではないか、そのようにわれわれは考えております。交渉は今後の問題になりますが、見通しとしてはそのように考えております。豪州の問題につきましては先ほどからお話がありますように、豪州は日本ヘソフトを売りたい、こういう申し入れをしております。この問題につきましては余剰農産物等の関係、また全体の小麦の需要傾向とのからみ合いにおきまして決定いたしたい、かように考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 非常に重要な問題なので、あなたにこの問題をお尋ねすることは少し無理かもしれませんけれども、たとえば豪州の小麦は今言ったように軟質なんです。ソフトなんです。これはあなたのおっしゃった通りです。それでソフトということを考えた場合に、農林省当局はおわかりのように、内地との競合点が出てくる。そういう建前に立ってこれを必要と認めるかどうかということを、農林当局はどういうお考えを持っておるか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 問題はソフトの需要量を幾らに見るかということが第一だと思います。これにつきましては売れ行き状況その他の需要傾向を見まして数字をはじきまして、総体が二百万トンなら二百万トンにきまりますれば、現在のところソフトの需要は大体四十五、六%ではないかと思いますが、この傾向が大体横ばいかあるいはむしろ少くなるのではないかというのがわれわれの見通しでございます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そんな抽象的なごまかしみたいなことを言われないで、はっきりすればいいんだ。二百万トンほどを輸入すると考えると、先ほど言ったように硬質の方を八十万トンと考えれば残りは百二十万トンしかないのですよ。そうでしょう。そこへもってきて実際の小麦協定のことを考え、それからもう一つ、今の豪州との関連性を考え、あるいは余剰農産物を考えたら、大体豪州の方においては幾らという線は出てくるわけです。そこへもってきて政治的に実際にソフトをあまり入れてくると困るという建前があるならば、大体どの線かということは農林省としては考えがついておるはずです。だからあなた方の考えはどうしてもらったがいいかということを聞いておる。豪州との問題に関してより多くのものを輸入した方がいいのか、あるいは少くした方がいいのか、そういう点をはっきりしてもらいたい。数量が言えなかったらその基本的な考え方だけでもはっきりしておいてもらいたい。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 農林省として豪州からどれだけ輸入するのが限界かという問題につきましては、先ほどから申し上げておりますように、第三次の余剰農産物の見通しがまだはっきり立っておりませんので、御指摘のようにソフトの需要量というものは、大体傾向としてきまっておりますので、アメリカと豪州を含めましてそれ以上にソフトがふえるということについては困るのだ、われわれはこういう立場に立っております。ソフトの総体の需要量というのは、大体の傾向として一定のワクがきまりますので、そのワク以上にもし豪州、アメリカの関係でふえるということは、農林省として困る。従って農林省のはじいた需要の数量から見たソフトの数量が、アメリカか豪州に振り分けられるというならよろしいと思いますが、両方から入ってきましてそのワクを超過するということになるのは、農林省としては困る、このように考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それは君常識論だよ。そんなことはわかっているんだ、言わなくとも……。だから大体あなた方の希望意見としては、どの程度のものを持っているのか、できれば豪州の方を削減していって、余剰農産物の費用を使おうということに専念しておるような状態に聞えるけれども、それが賛成であるか反対であるかは別として、大体そういう方針の考え方を持っていらっしゃるように承わる。そうすると、豪州の今までの数量の倍額近くのものを輸入されてくるのは困るんだという考え方が、数量の上においては出ると思う。そういう考え方なのかどうかということをお聞きしているわけです。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 もし第三次余剰の問題が、第二次程度にきまるといたしますれば、豪州からソフトを入れる余地は全然ない、こう申し上げられると思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると、第三次の余剰農産物の問題が今度出てくるわけですが、第二次余剰農産物の数量だけの契約ができれば、豪州からの輸入はできない、こういうことなのですか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 余剰農産物の問題については、御承知のように余剰農産物として受け入れる数量のほかに、通常輸入という問題がすぐ問題になりますので、余剰農産物とそれに伴うアメリカからの通常輸入量の総体の数字が、第二次協定並みあるいはそれより十万トンくらい少くなるという程度では、豪州からソフトを入れる余地は全然ないのであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それは何万トンですか、第二次は……。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 第二次は、通常輸入が七十五万トン、余剰が四十五万トン、合せて百二十万トンであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると、先ほどの話に返りまして、この間ガーネット農業局長が来たときに、第三次余剰農産物というものは、少くとも今度は六十万トンぐらいにしたいのだ、こういうお話があった。そうしますと、昨年度の第二次の余剰農産物は四十五万トンということですが、それより上回るということは考えられても、下回るということはなかなか考えにくいのじゃないか、このように考えられるわけです。もしも現状のままで、第二次と同様にいっても、少くとも今言ったように豪州の問題はゼロにしなくちゃならぬ、こういう結果が出てくるわけです。これに伴って外務省の方としては、この日豪協定ではおそらく最恵国待遇という建前に立って、豪州の方としては小麦をとってほしいということになっているに違いないと、常識的に考えて私はそう思うのです。その場合には、少くともそれを飛ばしていくだけのお考えを持っていらっしゃるかどうか、この点をお尋ねいたします。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 豪州とはまだ話し合い中でありますから、こういう席であまり詳細なことを申し上げることは、控えさしていただきますが、ただ先方としては、最恵国待遇を与えましょう。それから制限品目として三十五品目ほどやっている品目も、日本に対してはその制限をやめましょう。そのかわり日本の方でも、小麦の輸入等について相当考えてほしい、こういったようなことが話の骨子になっております。そこで通商関係だけからいえば、これはその結果日本の輸出も非常に伸びることになりますから、それは非常にいいことでありますが、ただしかし、今度またそのために必要以上の輸入をするというようなことは、むしろすべきではない。そこで、そういった問題をどう調整するかということが、関係国間で調整しなければならぬ問題だと思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 今のではっきりおわかりになったように、余剰農産物の問題は、おそらくふえても減るということはなかなかむずかしい状態になっているのです。そこで最恵国待遇を与えるという条件の中に、先ほど外務大臣は、小麦をふやしてもらいたいということを確かに要求されております、こういうことをおっしゃったわけであります。要求されておっても、最恵国の待遇を与えるという条件に、小麦をふやさなくてもいいという一つの考え方に基いて、最恵国待遇を与えられるということは考えられるのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 豪州としては、小麦を買ってもらうということについて、大きな関心を持っているということは事実でございます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると、これは余剰農産物からくるところの見返り資金というものが、非常に大きなファクターを持っている。それに基いていろいろなことをやっているわけです。しかも第三次になってきている。二次の継続が出ている。だから、でき得ればそれは行いたいというのが農林省の考え方だと思う。ところが片一方では、今あなたがおっしゃってやっとはっきりしたのですが、一つの基本条件としてどうしても小麦を買ってくれ、こういうことになっている。そうすると、何も協定を百万トンという限定を与える必要はないじゃないですか。小麦協定において百万トン購入するという限定を与えず、これを五十万トンなら五十万トンにしておけばよかった。こちらの方こそそれほど影響はないが、片一方は国内に大きな影響を及ぼしている。そうすれば、技術の上からいっても、こちらの方を削減しておく方が、より可能性を持つのじゃないですか。これはどういうお考えですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 ここにあります保証数量百万トンというのは、別に豪州から全部、アメリカから全部、カナダから全部買うということはないので、ただいまの日豪交渉と余剰農産物問題とは、直接関係はないと考えます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると、買っても買わなくてもいいのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 この値段が、最高と最低の価格帯である限りは、別に買わなければならぬということはないわけです。ただ値段が非常に下って、最低価格以下になったという場合には、輸出国が買ってくれといえば、この保証数量までは買わなくちゃならない。反対に価格が非常に高くなった場合、輸入国が要請して輸出国からそれだけ売らせるという、これだけのことであります。

稲富稜人日本社会党

○稲富委員 そうしますと、必要に迫られて買うのじゃないですか。協定だけしておこうというわけですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 先ほどお話申し上げましたように、大体この価格帯の中で価格が動いておれば、それは一番いいわけです。ただしかし、それから上ったりあるいは下ったりする場合に、輸出国あるいは輸入国として、そういった変動の場合の、一種の保険をかけておくといったような考え方のようであります。

稲富稜人日本社会党

○稲富委員 そうすると、農林省に聞きたいのですが、農林省としては、今日やっぱり麦を買わなくちゃいけないという必要は、どの程度に考えておられるのであるか、この点一つ明確にお答え願いたい。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 現在のところ、ここ二、三年は、二百万トン程度は小麦を輸入しなければならない、そのように考えております。

稲富稜人日本社会党

○稲富委員 ところが最近の日本の傾向は、小麦の生産というものは、第一回の小麦協定を結ばれた当時よりも上昇しているような状態にあるように承知いたしております。これは日本の小麦の生産の奨励によってはさらに上回るような傾向になると思っておるのですが、小麦の生産を増強するという点に対しては、農林省はどういうような考え方をお持ちになっていますか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 今のところ大体要輸入量は二百万トンというように推定いたしておりますが、もし麦作奨励といいますか畑作奨励と申しますか、そういう施策がはっきり打ち出されまして、小麦の生産高が上るということになりましても、おそらく二百万トンが百万トンにまで下り、輸入量が減るというふうには考えられませんので、二百万トンの半分の百万トンの程度ならば、そう日本の輸入量の面から申しまして日本に重圧になるということはないだろう、こういうように考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると問題は、この一ドル五十セントから二ドルという価格協定の中で、その中におけるコマーシャル・ベースは認める、以外のところは責任がある、こういうことなんですね。そうしますと実際の今の判断に基く考え方は、一般の動き方はこれ以上は小麦は上らぬだろうという判断だ。そうするとこれ以上上らないといったら下る方がより可能性が多いのじゃないか。たとえばここに持ってきて船賃の加算の問題なんかを考え、いろいろなことを考慮いたしますと、船賃は上っていく傾向である。そうでしょう。ところが日本の船舶が実際どの程度使われておるかという問題が次には出てくる。そういうことを考えてみれば、まあ上らないのじゃないかという考えの方が強い。そうしますと、そういう考え方が強いときは、一定のワクにはめるよりも、一定のワク外の貿易の方の取引でいく方が私はより有利であろうと思う。だから片方のワクを狭めておいて片方のワクをふやしていくような方法は考慮できるかできぬか、それを考えてみられたかどうかを一つお尋ねしておきます。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 片方の方というのはどっちの方ですか。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 要するに小麦協定のワクの方を減らしておいて、そうして片方の一般の貿易の方においての弾力性を持たしておいた方が利益になりはしないかということです。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 何か小麦協定に入りますと、保証数量は一定の国からあるいは一定の質のものをどうしても買わなければならないようにお話を伺っておるのですが、これはそういうことではなく、自由にどこからでも買えるわけであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 もっと具体的に言いますと、たとえば安いときには買わなくてもいいという条件があれば、国内の消費面から見たときの利益はかなり考えられる。ところがそれを買わなくちゃならぬ責任と義務を与えられる。一般の市場は下る傾向にあるのじゃないかという推定が成り立っているときに、そういう協定を結ぶ必要はないのじゃないか、こういうことなんです。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 価格の見通しについては、現在これの基準になっておりますマニトバ・ノーザン一号は一ドル七十五セント前後でございます。これから上って最高を越すこともないと思いますが、しかし一ドル五十セント以下に下るだろうという見通しもなくて、われわれとしては大体この範囲内で動くだろう、こう考えております。しかしそれを出た場合には百万トンだけは最高の価格で必ず獲得できるようにする、こういう趣旨でございます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 まあ上ることはない、上ることもないが下ることもない、そのまま横ばいだろう、あなたのお答えはこういう結論です。そうするとその場合、もしもという危険な状態を前提にとった協定を結ぶ必要はないじゃないか、私はこれを言うのです。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 輸出国と輸入国と双方の利害妥協でございますが、われわれとしては万一の場合の危険に対処してそうした対策を考えておきたい。輸出国からいえば万一の場合下ったときに対する対策を講ずる、こういうことにいろいろ議論の結果なって、こういう価格になったのであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 あなたのお考えはそうでしょう。大体横ばいだ、どうも経済利点もなければ、情報的な問題も、あなたが考えていらっしゃるような情報は自由主義諸国においては幾らでもとれる。そうすると大した問題ではない。大した問題でないものにそれほど義務づけられる必要もない。あるいはもっと安いものが諸外国から入るかもしれない。たとえばソ連との貿易によって入ってくるかもしれない。そうするとそれだけはプラス・アルファのファクターになって、二百二十万トンに押えておっても、そっちが安かったらそっちの方をとればいいということでプラス・アルファになってくれば、国内の農家経営はたまりませんよ。そこであなた方はこういうようにお考えになるかもしれない。それじゃプラス・アルファをせずとも、二百二十万トンのワク内において安いものを買えばいいとおっしゃるかもしれない。ところが新しい地域から入れようとしても在来のものに附帯条件がついておる。だからいきなり切りかえることができない。必然的にプラス・アルファとして出てくる。経済的に安いものを買いたいのは当りまえだ。そういう状態のときに何もこういう義務づけられる危険なものを置いておく必要はないじゃないかとお尋ねしておる。ところがあなたは危険だからこういうふうに何とか考えたいとおっしゃっております。そうなんでしょう。ところが今の情勢では、今まで出てきた資料なりあらゆる面を考えても、何もそういうようなファクターは出てこない。出てこないときにそういう危険な義務づけはやめた方がいいじゃないか、たとえば買わなければ買わぬでよいというなら別です。それはどうなんですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 小麦の価格が最低価格以上である場合においては、買わなければならぬということはございません。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 価格がこれより以下でかりに別の地域から入ってくるという条件が出たときに——英国あたりでも買付数量は年々ふえていっておる。というのは、価格が安いからふえていっておる。これはたとえば海上運賃と陸上からくるものとの勘案も出てくるでしょう。次の研究課題としてはそういうようなものを考えて、もしも安いものが入ってきた場合にそっちを買いたい。そのときにこの数量を削減する、あるいは買わなくてもいいかということなんです。それはどうなんですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 この最低価格以上に小麦の価格がある場合には、保証数量を買わなければならぬということはございません。安いものを買っていいのです。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると自由意思によって買っても買わぬでもいいのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 最高、最低の価格の範囲内で動いている場合はそうでございます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 だから最低の場合はこの小麦協定から買わなくていいのですね。一ドル四十セントで買えるとします。その場合にはこの百万トンというものは無視していいというわけですね。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 それは協定ではっきりしておるわけでございますが、最高と最低が二ドルと一ドル五十セント、価格がその範囲内で動いているときはどこからでも買えます。おそらくそういった状態が続くのではないかと思われますが、万一それ以上高くなったりあるいは安くなったりした場合には、それぞれ輸出国または輸入国の要請に応じて保証数量を遂行せねばならぬという義務になっていると思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 それが一番大事なことなんですよ。一ドル五十セントから二ドルの間でやる場合にはフリーに実際経済行為を伴ってもいいということなんです。それから上になっても下になっても保証するのがこの協定なんでしょう。そういう保証という前提を立てた場合に、先ほどからいろいろと農林省から話があったように、国際的にはこれ以上上るということはないと考えられます。あなたもそうおっしゃっている。ところが片一方において日ソ協定に基いて、あるいはそういう安いものがより以上勘案されますと、そういう場合には今言ったようなワク内ならば買うてはならぬということになるのです。そこでそういうような危険な見通しがあるにかかわらず、今の状態ではそういうような義務や責任を負わされる必要はないではないか、そういうことを私は言っているわけです。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 私どもとしては最低価格以下に下ることは、今の見通しとしてはそうたくさんないと思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 今現実に数量をあげていろいろな御説明があった。その数量から見てあなたもこれ以上上ることはないというお考え方が強い、上るということの見通しがない。上ることにわれわれは困っているわけなのですが、買う場合には下ることは大いに歓迎なんですよ。だから今上ることもないという見通しがあるときに、そういう状態でする必要はないじゃないか。まだあなたの情報でははっきりしないけれども、たとえばソ連からの英国の取引の状態を見ても年々数量は上っておる。上っておるという基本は私は価格であろうと思う。ところがこの価格も実際に四百十万ドルから二百六十万ドルに下ってきておるような情報になっておりますけれども、これはあなたもひょっとしたら間違いじゃないかと思いますという程度ではっきりはしないけれども、おそらく価格が安いからこそ数量がどんどんふえていくのだというふうに考えられる。そういうような状況のときに、またあなたもこれ以上上ることの危険性はないという見通しを持っていらっしゃるときに、何もこういう協定について承認する必要はないじゃないかと私は言いたい。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 上った場合にだけ買う権利があって、下った場合には買う義務はない、こういうことで買えれば一番いいのですが、これは結局輸出国と輸入国の妥協の所産でできるわけでありますから、両方とも一種の保険という意味で、やはり最低を下った場合には買うという保証をするのはやむを得ないと思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 将来価格がどうなるかという問題、それに対してあなた方がどういう見通しを持っていらっしゃるかということを聞いてみたところが、異口同音にみなこれ以上上らないのだという結論になってきておる。そういう状態になってきておる。あなた自身の答えも、これ以上上らないでしょうということで結論づけていらっしゃる。農林省もそう結論づけられていらっしゃる。(「上ることもあるという答弁をしたらよいじゃないか」と呼ぶ者あり)そうした場合に上ることがないのだったら、何もそれだけの義務づけをもって調印する必要はないのじゃないかというのが当りまえだと思う。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 絶対に最高価格よりも上ることはないという保証は、ちょっと私としてはつけられないと思います。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 委員が傍聴席から入れ知恵をされましてだいぶ迷答をやりましたけれども、あなた方は今言われたからそれを言っておるが、そうなったら実際に上るという諸条件と、下るという諸条件を検討しなければならぬということになる。それが将来へのわれわれのステップになっていくわけです。そうすると、将来のステップが生産量の上からこれははっきり出ておるのです。アメリカの土地の配分の状況あるいは全世界の量の上からいっても、はっきりと出てきておるのではないですか。それを入れ知恵をされて上るという条件をつけられたのですが、上るという条件は、その中でどこが上るという条件ですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 私の申し上げたのは、絶対に上ることはないという保証はいたしかねますということを申し上げたのであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 ですから、実際のところをいって、そんな中途半端な考え方でこの義務と責任だけを負わされる必要はないのではないか、私の言うのはこういうことなのです。しかも、この次に、私は問題に出していきますけれども、そういう問題を考えたら、なおさらそういうお考えになると思う。  そこで農林省にお尋ねをしたい。農林省の方でこの軟質小麦を輸入されてきたときに、国内との競合におけるところの農家への影響というものをどういうふうに把握し、どういうふうにお考えになっておりますか。

武田誠三農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○武田説明員 軟質小麦がどの程度入った場合にどういうふうになるかということについて、具体的にこういう影響が現われますということはちょっと申し上げかねますけれども、現在の状態でいけば、外麦の方が国内の小麦よりも品質的には、実際に製粉をしてみてよいという状態であります。従いまして、これについては御承知のように政府で一手に管理をしていく、こういう形になっておるわけなので、それによる政府の手持ち増加その他による圧迫がどういうふうに出てくるか、それがまた食管会計なり何なりにどういうふうに影響してくるかということによって、まず第一次の影響が出てくる。それに伴って国内における小麦の生産対策がどういうふうに転換されていかなければならないかという形になって出てくるものであろうと考えます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 実は小麦の作付面積の上からいいまして、小麦の方はだんだん圧迫されてきておることは事実です。そこで一つお尋ねしておきたいのは、昨年度食管会計においてこの差益金はどれだけありましたか。

武田誠三農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○武田説明員 今ちょっと資料を持ってきておりませんので、正確にお答えいたしかねますが、御質問は、外小麦の輸入による食管会計の益金、こういうことだと思います。数字をちょっと覚えておりませんが、今年度の予算上の益は一応百億以上を見込んでおったと思います。実績はまだ確かめておりませんが、百億ちょっとのものであったと思います。ただ、これは買付価格と売り渡し価格との差でありますから、その間の運賃、保険料その他の経費あるいは人件費、こういうものが入っておりませんが、それをやや下回る数字に現実的には出ておる、こういうことになっております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 そうすると百億前後が大体これによってまかない得る、こういうことになってきておるのですね。そこで一つお尋ねしたいのは、こういう結果から見まして、終戦前においては、大きな地主に対する独占資本が非常に大きな力を持っていた。ところが農地改革以後においては、食管あるいは食糧増産対策費を削ってみるとか、いろいろな面が現われてきておるわけです。その反面こういう輸入食糧やいろいろの面と組んで、いろいろな方式で圧迫を加えておる。こういう結果が出てきておるわけです。そういう立場に立って私たちは質問を続けていきたい。まず第一点としては、品質的にも価格の上でもこういう状態を続けていかれるならば、必然的には小麦の作付という裏作はだんだん減らざるを得ないという考え方になってくる。フリーな立場においては、少くとも常識的に経済行為として出てくる。そこでフリーな経済の立場においてお考えになった場合、一体この裏作の転換をどのようにお考えになっているか。農林省で統一されているかどうかお伺いしたい。

武田誠三農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○武田説明員 これは先ほどお話のありましたように、振興局との関連も非常に出てくる問題だと思います。従って農林省として現在こういうように考えておるというところまで私申し上げかねますが、現在の海外の小麦の価格あるいは輸入小麦の価格等を比較上、かつまた国内におきます消費者価格と申しますか、売り渡し価格といった関係から参りますと、品質的には外麦の方がよろしい。大裸については国内の大裸の方が品質的にはよいという形になると思います。そういう傾向もたどっておるということで、フリーな形に全くいたします場合に、これは関税の問題等も出てくると思いますが、やはり圧迫を受けますのは小麦であるというように思っております。従ってこれに対します生産費を大きく引き下げるとか、品質をよくしていくとかいうことの研究なり施策は、別途振興局の方で考えてもらう必要が十分にあろうというように思っております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 だから二つの問題だと思うのです。一つは、品質の向上をどのような角度において振興局はやっておるかということをお聞きしたい。一つは、価格構成において、今言ったように単なる保護政策になってこざるを得ないということになってくる。その保護政策に対する態度、もう一つ基本的な問題が出てくる。日本の農業としての転換、この裏作をどう持っていくかという最も大きな問題が出てくると思う。それに対して農林省が統一された一つの施策がない。農政面としては何もないと言っても私は過言でないと思う。あればこの裏作をどのように転換させてみようとするお考えを持っているか、その基本と裏づけがあってこそ、私はこれらの輸入計画なりあらゆる面が出てくると思う。ところがあなた方はそうではなくて、輸入の方を先決にしておいて、その圧迫をこうむってきてからこうしようああしようという。いつも後手へ回っていく農林行政がこのような状態を起していると私は思っている。それに対してどうお考えですか。

武田誠三農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○武田説明員 お話のように、これは将来農政上の大きな問題になることであろうと思います。現実に食糧の不足な時代から漸次これがゆるやかになってきたという形になって参りました。それにつれてそういう点のいろいろな問題が今出てきつつあるということであると思います。これは現在の食管法におけるパリティ価格の問題とか、そういった問題にも当然からんでくるものだろうと思いますが、その点については、現在の畑作をどう持っていくか、あるいは麦の作付そのものをどういう方向に転換をしていくか、三麦間のバランスをどういうふうに持っていくかということであろうと思います。この点については、今これこれこうこうという具体的なことを申し上げる段階にまで至っておりませんけれども、農林省としては、その点については真剣に取り組んでいかなければならぬということで進んでおります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 この小麦協定は今に始まったのではありません。余剰農産物も今に始まったのではない。第一次、第二次とはや今度は第三次です。その間において、その施策、方針は何一つ完成されていない。そこで私は、まずその基本的な農業政策が立てられた上で、流通過程の問題と取り組むべきであると考えておる。あなた方はそういう点を整えずして、流通過程のべースに引き込まれて、それで必然的に農家経済が大きな圧迫を受けているという点について反省がないということだと思う。そのベースに巻き込まれないで、ほんとうにそういうめどがつくまでは、今言ったような危険状態の方向には、農林当局としてあくまで反対してもらわなければならぬと思うが、あなた方はそれに対してどういうようなお考えですか。

武田誠三農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○武田説明員 この点につきましては、一方で食糧全体としての需給のバランスをとって参らねばなりませんし、こういったたとえば麦の価格の問題につきましてこういうような形が出てきている一つの問題としては、昨年の米の非常な豊作による麦の需要の減退という形が出ているわけであります。そういった問題から国内における小麦価格の問題なり、大裸の買い入れ価格と払い下げ価格との間に矛盾がある程度強く出ているという形であると思います。今後の食糧の生産の伸びなり何なりが、どういう形でどう進むべきかということによって左右されることなので、ただ単に輸入量だけがどうということがファクターではないというように考えております。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 ファクターではないと言うけれども、大きなファクターだと私は思う。昨年度あれだけの豊作であり、本年度も米作においてはかなりの豊作を伝えられているにもかかわらず、輸入数量はどんどんふえていくというところの矛盾が、ついには今言った主食に対する嗜好の問題もありますけれども、どちらかといえば、米の方がよかったから米の方に移行されていった一つの原因になったと思います。実際問題として行われているのは、小麦においてはもうけが少いということだ。だからどちらかというと、農家の労働価値からいう場合には、米の方がより重要な価値を持ってくるわけだ。そこで米作の方が進んでいく。これが逆に小麦がどんどん高い値段で売れるとなったら、おそらく米作をやめて小麦になると思う。商品価値としてはそうだと思う。あなたはそうでないとおっしゃるかもしれませんが、私はそうだと思う。そうなってくると、今の価格の問題と品質の問題、それから将来小麦はこれ以上上らないという推定が立っているからこそ、なおさら小麦の転換をしなければならぬという考え方が強く打ち出されてくるだろうと思います。先ほどの並木先生のように、戦争でも起って小麦が高くなるという場合なら別ですが、今の見通しとしては、これ以上高くならないのではないかという見通しが強いのではないか。この裏作に対する作付転換の問題が一つの大きなウエートを持って現われてくる。その場合に酪農の方向をとるとか、いろいろな問題についての常識的な判断、それに伴うところの総合的な態勢が、農業政策として農林省に一貫してないのじゃないか、そういうことを指摘しているわけです。私はないと思いますが、あればこれをこうするんだという見解をはっきり言ってもらいたい。このことは農民はほんとうに期待しておる。私は真剣にその点のお考え方を承わっておきたい。

武田誠三農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○武田説明員 食糧庁だけの狭い視野で必ずしも私からお答えができる問題でもないと思いますが、その点については、御指摘のように一つの体系立った形において今直ちにお示しできるようなものがあるかというお尋ねに対しては、必ずしも十分なお答えはできないじゃないかと思っておりますが、ともかくその点については、おしかりをこうむるかもしれませんが、漸次検討を進めておるところであります。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 最後に一点農林省に言っておきますけれども、これは全般がどうしても流通経済に巻き込まれているのです。そこで生産立地の問題ということは、ファクターとしては非常にないがしろになりやすい。事実協同組合が任意団体であって——団体ですよ。団体として会費をとりながらちゃんとしておっても、中央会においては御存じの通り生産の整え方ができず、購連、販連、信連が先に前進してしまう。こういうような状態になっておるのです。そこのところをよくあなた方考えてもらいたい。その基礎ができればこういう問題はおのずから簡単に解決ができる。わからないしろうとがこういうような問題を、調印すればいいんだとか、外交方針の舞台の中心だけじゃなくて、その生産立地に合ったところの農家経営の実態をほんとうに打ち出した進み方が私はできると思う。それができなかったら、いつまでたっても農林省は外部に支配をされて、流通過程の中から常に農家経営を圧迫していくような結果が出てくる。こういう点は真剣に考えて今後御研究を願いたい。これを私は心からお願いしておきまして、私の質問は一応終ります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 きのうの御答弁ときょうの御答弁でもう少しはっきりさしておきたい点があるのですが、それはきのうからきょうにかけて、最高価格以上に上ることはないだろうという御答弁だったのですが、さっき並木さんのあれから、必ずしも絶対に上らないとは保証できないという別な言い回しが出てきたわけです。その言い回しは別として、大体政府の御答弁は、安定価格帯にとどまっておるだろうという政府の見通しらしいですね。そうすると安定価格帯にとどまるだろうという見通しになれば、上ったときと下ったときの保証をきめるこの協定の意味というものはほとんどないと思うのです。安定価格にとどまるだろうという見通しに立つならば、そうでしょう。そこでやはり協定をする以上は、小麦を輸出する国と輸入する国の立場からこれは判断しなければならぬ。輸出国にしてみれば、上る可能性は少いけれども、下る可能性が幾分でも多いという見通しのもとには、なるべくこういう協定でもって、万一価格がうんと下ったときの買付保証をしておいた方がいいということになる。日本の場合は、上る見通しがあれば、やはり輸入国としてある程度この協定価格でもって買付保証をしておかないと危なくなる。ところが御答弁によれば大体安定価格でとどまるだろうという見通しらしい。まして三年間でしょう。三年の間に何か突発事故でもあって、うんと小麦が暴騰するという可能性があれば別ですよ。どうも今までの御答弁では、それがわれわれには考えられない。むしろ今の国際小麦の過剰生産状態から考えれば下る可能性の方が多い。ですから結局これは輸入国よりも、今の情勢から考えれば輸出国の保険になる可能性の方が多いと思う。だから日本の立場からいえば、やはりわずか三年間の見通しでやる以外にこれはないのです。その見通しからいうと、どうも今までの御答弁では、安定価格帯にとどまる可能性が一番多いようだし、どっちかといえば、上るよりも下る方の可能性があるということになれば、これは必ずしも日本には有利ではないという結論になるのではないかと思う。ですからそういうすれすれの場合は、やはり輸入国としての立場から、上った方の保証をやる必要のある情勢ならば、これを積極的に協定に入れる必要があると思う。むしろ下る可能性の方が幾分でもある情勢のときには、これは消極的な態度で臨むのが正しい態度じゃないかと思う。その面から見れば、ほかの情勢とか何かを考慮すれば別ですけれども、その面から見れば、私の今言うような結論にならざるを得ないと思うのですがいかがでしょうか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 これは三年間で、実際必ずこの価格帯の中にとどまっておるということは上る場合も下る場合もなかなか断言できないと思います。一種の保険でございますから、やはり万全を踏んでおいた方がいいと思います。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それからもう一つ、きのうの御答弁で——これは私の聞き違いかと思うのですけれども、この小麦をアメリカから一定量買わなければ余剰農産物を買うことができないというふうにきのう伺ったのですが、その関係はどうなんですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 余剰農産物とこの協定とは関係はございません。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 イギリスが小麦協定に参加してないということは、参加しない方が有利だから参加しないと考えるわけですが、そうすると参加しない方が有利だということは、安く買えるということがおもな原因ではないか、こういうふうに考える。このイギリスが参加しない方が有利であるか不利であるかという条件が、この問題を解決する場合に大きな参考になってくるのではないかと考えるわけです。そこで日本の場合、イギリスの参加しないという事情やら条件なりをどういうふうに御解釈になっておられるか、この点をお尋ねしておきたい。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 イギリスが参加しなかった理由でございますが、イギリスが参加しなかった理由につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、要するに表向きの理由としては、この協定の方式では過剰小麦を処理するような規定がない。また消費を増大させるような手段も格別この協定に講ぜられていない、そういったことを理由にいたしております。しかしいろいろな報道によりますと、イギリスは今まで入っておりませんでしたので、イギリスの製粉業界としては、長年の統制からようやく脱却した現在、もしもイギリスが入ることによって製粉業に多少なりとも政府の容喙をするような余地ができるということは好ましくない、こういうような意見がございまして、現在まで入っておればそのままあるいは受け継いだだろうと思うのですが、今まで入っておりませんでしたので、政府もそういった空気を押し切ってまで加入する理由を新たに発見することができなかったのじゃないかと考えております。そういう報道がございます。またイギリスの場合は英連邦、カナダ、豪州、こういった小麦生産国と同じ連邦関係にありますので、万一の場合にはそういうところからほかの国よりはよけい援助を得ることもできるだろう、こういうふうな考え方かと思います。イギリスの中でもいろいろ議論があるようでありまして、たとえば英国農民同盟といったような同盟はやはりイギリスも入るべきであるということを主張いたしております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 過剰小麦の処理に対する規定が明確になっていないこと、もう一つは製粉業との摩擦、こういうことが要点らしいですけれども、やはり日本の場合もこの協定の参加によって、日本の農村への影響というものが相当出てくることはいなみ得ないと思う。そういう点から今日盛んに議論されておるわけです。そこで小麦の価格が今後上る見通しが立つならば、これは確かに私は参加すべきだ、こう思うのですが、御答弁によっても、またわれわれがいろいろ諸要件を考えてみても、上るという条件は比較的少く、むしろ逆に下るのではないか。下らないまでも安定を続けていくのじゃないか。こういうふうに考えられる。またあなたの方の答弁も、そう上る見込み、公算というものは比較的少いのじゃないか、こういう答弁を聞いておる。そうするならば、これはそう進んで参加するというほどのことではないじゃないか、こう考えられる。そういう点で上る条件、下る条件というものは出てくるわけですけれども、私どもの調べたり、持っておった数字と当局の持っておる数字との違いはあるかもしれませんが、あらためてお聞きしたいのは、今の世界全体の生産と、それからその需要との関係、これをお知らせ願いたい。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 小麦の世界の総生産量を申し上げますと、大体二億トンであります。そのうち小麦のマーケットで取引される数量は、約二千二、三百万トン程度になっております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 いずれにしてもここ数年生産過剰の状況を続けていることは私間違いないと思う。そういう生産過剰の中で、日本がこれに進んで参加することの有利不利というものを考え、また日本の農村に与える影響というものを考えると、あえてこれに積極的に入らなくてもいいじゃないかという感じをきわめて強くするわけですけれども、今日生産過剰の状況じゃないのですか。

日比野健児農林事務官(食糧庁業務第二部輸入計画課長)

○日比野説明員 われわれといたしましては、世界的に見まして生産過剰のピークは頭打ちになったのではないか、このように考えております。

前尾繁三郎自由民主党

○前尾委員長 ほかに御質疑がなければ、これにて連合審査会を散会いたします。     午後一時十三分散会

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