外務委員会 第3号
- 発言数
- 135 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/11/29
会議録
○前尾委員長 これより会議を開きます。 千九百五十六年の国際小麦協定の受諾について承認を求めるの件を議題といたします。 —————————————
○前尾委員長 お諮りいたします。本件については農林水産委員会より連合審査会開会の申し出があります。この際この申し出を受諾いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前尾委員長 御異議がなければさように決定いたします。 なおこの連合審査会は明三十日午前十時より開会することといたしますから、さよう御了承願います。 —————————————
○前尾委員長 それではこれより本件に関し質疑を許します。松本七郎君。
○松本(七)委員 最初伺いたいのは、この国際小麦協定というものの最初にできた当時の国際事情と今日の事情は相当違っておると思うのです。今日のように世界的に小麦の過剰な状態になく、これが発足した当時は、むしろ小麦が足りない状態のときにこれができたと思うのですけれども、その客観情勢の相違によって日本の国としては、果してどういう態度でこれに臨むのが利益かということが当然変ってくると思うのです。そういうところからまず伺いたいのは、最初は四十九年でしたと、たとえば英国のごときは前回もうすでにこれに入っておらない。今回もこれに入っておらない。それは何を意味するかといえば、おそらく、こういう協定に縛られるよりも、無協定で自由に好きなところから好きな価格で小麦を買うことができる今日の状態なんだから、むしろ協定に縛られない方が長い目から見て利益がある、有利だということからきておるのだろうと私は思うのです。日本の問題はあとでいろいろ御質問しますけれども、英国の場合はそう判断をして聞違いないかどうか。外務省としてはどのようにこれを見ておられるか御説明を願いたい。
○湯川政府委員 確かに最近においては小麦が割合に潤沢にあることは事実でございます。しかしやはり価格の安定ということは輸入国にとっても利益である。ある一定の最高価額と最低価格のワク内でなるべく動くようにすることがいい。そういうことで今なおこの協定は意義があると思っております。英国の場合は初めから入っておりませんで、今回の会議には参加したのでありますが、結局署名まではいかなかったのでございます。しかしこれはこの小麦協定の趣旨そのものには必ずしも反対ではなかったようでございます。ただ過剰小麦の処理というようなことについてこの協定があまり触れていない、こういう点に表向きは入らなかった理由があるようでございます。ただしかしある程度そういったことを考慮しまして、今度の協定では、世界の小麦協定の理事会が世界の小麦事情のあらゆる面を調査して、情報の交換をしたり、また政府間の会議を主催する、そういうふうなことも入っております。英国が入らなかったということは、格別加入国にとって不利を来たすというようなことはありません。
○松本(七)委員 英国が入らなかったことが加入国に不利を来たすということを聞いておるのではないので、英国が入らなかった英国としての入らない理由、それはさっき言うように、すでに今日のような買手市場においては輸入国としてはこういうものに縛られない方がかえって有利な取引ができる、こういうことから入らなかったのではないか。この点を外務省はどう見ておられるかということです。
○湯川政府委員 この小麦協定の構想は、御承知の通り保証数量というものが輸出国と輸入国にありまして、小麦が非常に高くなった場合にその最高価格、今度の場合は二ドルということになっておりますが、二ドルをこえるような場合には輸入国は保証数量の額まで最高価格をもって買うことができる。それ以上高くなっても一ブッシェル当り二ドルで買える。また今度非常に下った場合、最低価格一ドル五十ということになっておりますから、一ドル五十以下に下った場合には輸出国は輸入国に対して、この最低価格で買ってくれと要求することができるわけでありまして、大体私どもも最高価格と最低価格の範囲内で当分動くという一応の予想はしておるわけでございますけれども、輸入国も輸出国も、高くなった場合、安くなった場合、それぞれ一種の保険を付するといったような、俗にいえばそういったような考えのものでございますから、従ってそういうことは絶対ない、保険をかけないという国もあるかもしれませんけれども、しかし日本の場合は相当量の輸入をしますので、そういった変化のあった場合に保証数量だけは最高価格をもって入手できるというようにしておく方がよいと考えております。
○松本(七)委員 今の御答弁によると、私の質問には答えられないで、日本の場合を中心にお答えになっておるようですけれども、外務省の判断によると、イギリスとしては、つまりそんな保険をかけないでも十分やれるという判断でこれに入らなかったのだ、そう外務省としてはイギリスの出方を解釈しておられると見ていいのですか。
○湯川政府委員 イギリスの場合は、これは表向きの理由としては、過剰小麦を処理する直接有効な規定がないということを一応の理論にしておるようでございますが、しかし実際の状況は、これはいろいろな報道に出ているところでありますが、イギリスの製粉業界というものが長年の統制から脱却した現在、こういう小麦取引に政府の容喙を受けるようなことがあるかもしれない国際協定に英国が加入することは、なるべく避けたい、こういうふうな製粉業界の希望から入らなかった。そしてそれがもし一九五三年のときに入っておれば、今度は出るというようなことはなかったのかと思いますが、今まで入っていなかったものだから、新たにこの際入るというようなことまでする必要はないじゃないか、こういった英国の製粉業界の意向が、結局態度をそういうふうにさせたのだというふうに伝えられております。もっとも英国でも、この協定に加入しないということについては、英国の農民同盟なんかは反対しております。入ったらいいじゃないかということを言っております。また英国の場合は、カナダとか豪州とか、やはり英連邦国と相当緊密な関係がありますので、万一の場合にはそういったところとは、全然ほかの第三国とは多少心理的に違った緊密感を持っておりますから、そういう点が、また特殊の点だと思います。
○松本(七)委員 それで、今御説明の中にあったように、今は買手市場で過剰だけれども、第一これがいつまで続くか、そこにも不安定な要素があるのだ、また少くなるということも考えられるし、それから価格の面でも、今過剰で安いといっても、このまま続くかどうかもわからない、従ってやはりこういう協定で保証されておった方がいいのだ、こういうお話のようだったですけれども、そうすると、今日のこの状態が続かないで、価格にも相当変動がくる可能性もあり、それから生産過剰が、必ずしもこのままの状態を持続しない可能性もあるというのは、どういうところからその可能性があると見ておられるのか、そのところをちょっと伺いたい。
○湯川政府委員 さしあたりそう大きな変化はないかと思いますが、しかし世界の小麦市場を支配する地位にありますアメリカは、例の支持価格制度を設けておりますから、そこでそうむやみに価格が下るというようなことはないだろう。また小麦の今後の生産量についてもアメリカではいろいろ作付制限なんかをやっておりますから、これから世界的に生産が大幅に増大するということはないだろう。またこれの基準になっておりますカナダのマニトバ小麦、これは需要が世界的に強いためにその価格が最近二年間ほとんど動かないでおります。そういった関係から、世界の小麦の市場価格が協定の最低価格を下回るというようなことはまずないというふうに考えます。
○戸叶委員 関連して。ただいまの松本委員の英国に関係のある質問でございますが、この協定の前身ともいうべきものが十六国会、二十八年にここで審議をされたと思います。そのときに私やはり英国がなぜ入らないかということを質問いたしましたときに、英国は非常に小麦の消費国である、そうして最高価格に非常に問題があった、英国が主張した最高価格は二ドルであった、ところがこの場合に二ドル五セントにきまってしまった、そこで毎年四百何十万トンも小麦を買うイギリスとしては、五セントでも違うということは何百万ドルも違うことになるから、そこでこの協定に入らなかった、こういうことをたしか政府委員の方がお答えになっているはずなんです。そうすると、今度の最高価格というものが二ドルになっているわけです。そうすると英国がこの前主張をしていたように二ドルになったのだから、当然入るべきではないかと思うのですが、そのときの御答弁と今日と少し違うように思いますけれども、その点はどうなっているか。やはり松本委員の言われるように、英国としてはもっとほかの国から自由に買った方がいいというような考えで入らないのではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
○湯川政府委員 私今の、前のときの英国が入らなかった事情は正確に記憶しておりませんが、おそらく英国としては、先ほどちょっと松本委員の御質問にもお答えしましたように、カナダとか豪州とか小麦の産出国と特殊の非常に親密な関係がありますから、従って無理に高い値段でなくても、どうしてもやむを得ない場合には、ほかの第三国よりも便宜な措置を受け得るという地位にあると思います。従って値段の点で若干高いからということで拘泥したのかもしれません。今回の会議には、会議の議論自体には英国もずっと参加しておったのでありまして、最後まで入るか入らないかきめないでいたわけでございますが、今回は価格の点については、英国は特別のことを主張しておりません。
○松本(七)委員 そこで、今度の協定によると、前回の協定のときよりも総体の買付量としては増大しておらないように思うのです。むしろ総体の買付量は減少している。その中でも特にインド、イタリア、メキシコ、フィリピン、南ア連邦、そういったところの国々は非常に減っているのですね。この前と比べて激減状態です。これは、これらの国がここ数年間のうちに農業事情がよほど好転しているためなのか、それとも余剰農産物等による一般買付が今度はうんと減ったために、これらの国の輸入量がずっと減ってきたのか、どっちかだろうと思うのです。何かほかに事情があれば、その間の事情を御説明願いたい。
○湯川政府委員 お説の通りに保証数量というのが減っております。輸入国の保証数量が主として減ったために、全体の輸出の方も減ったわけでございます。そのうちでたとえばインドとかブラジルとか南ア連邦、そういったところは新しい協定では相当保証数量を減らしております。こちらは食糧増産を相当積極的に行いまして、輸入の必要が相当に減じた。インドの場合なんかは特にそういう事情に基いておりまして、結局全部足しますと、相当いろいろな国が今までほど要らないということになりましたので、かなり減っております。
○松本(七)委員 そうすると、日本の場合の買付量は前回と同じになっているわけですが、わが国の農業事情も相当好転しているはずだと思いますし、そのほかに日本の場合は米の輸入量が相当増大しているのです。そういう事情から考えると、やはりわが国の場合もこの協定による義務買付をもう少し減らして、一般の国際市場で自由に買い付ける分をもっとふやした方が得策じゃなかろうか。先ほどイギリスの例を引いてお伺いしたのは、日本も協定に入らない方が得策かどうか、そこのところは検討を要するにしても、イギリスのいろいろな事情を勘案してみた場合でも、それから食糧事情の好転しておる事情、そういうことから考えても、国際市場の現状から考えてみても、やはりもう少し自由買付の余地を広げて、この協定による義務買付を減らしておくことが日本のためには必要ではないか、こういうふうな疑いが生ずるのですが、その点どういうふうに見ておられるのでしょうか。
○湯川政府委員 この協定に入っても自由買付はもちろんできるわけでございますが、百万トンという同じ数を出しましたのは、私どもとしては年間二百二十万トン程度の輸入は今後も必要であるということから、そのうち大体百万トン程度をば保証するようにするということで算定したのであります。なおもしそれで足りなければ農林省の方からも見えておりますから……。
○松本(七)委員 ここ数年来の人口増加率と、それからそれに見合ってどれだけの食糧の増加率を必要とし、また実際に行われたか、それを御説明していただきたい。
○日比野説明員 ちょっと今手元に人口増加その他資料がございませんので整えて……。
○松本(七)委員 それでは至急に出して下さい。 それから今二百二十万トンは輸入が必要だ、こういうお話だったのですが、ことしの小麦輸入量の全体の予定はどうなんですか。今大体二百二十万トンから二百三十万トンというふうに聞いているのですが、ことしやはり二百二十万トンを確定されておるのかどうか。
○日比野説明員 本年度の輸入計画といたしましては、年間二百二十三万トンの数字を出しております。
○松本(七)委員 昭和二十五年が百四十六万トン、二十六年が百五十三万トン、二十七年が百五十九万トン、二十八年が百五十七万トン、こうなっておるんですね。二十九年、三十年がちょっと私どもの方でわからないのですが、二十九年、三十年はどうなっておりましょうか。
○湯川政府委員 二十九年度と三十年度の輸入実績についての御質問でございますが、二十九年度は二百十三万六千トン、これはアライヴァル・ベーシスです。それから三十年度は二百二十三万六千トンであります。
○松本(七)委員 それで今言うように二十五年から計算してみると、二十五年が百四十六万、二十六年が百五十三万、二十七年が百五十九万、二十八年が百五十七万ですね。そうすると、今の御説明によると、二十九年に二百十三万六千から三十年には二百二十一千万、こうなっておるわけですね。そうしてことしの予定が二百二十三万トン。この数年間にどうしてこれほど二百二、三十万トンにも及ぶような輸入が急激に必要になったかという事情を承わりたい。
○湯川政府委員 ただいまの二十八年度の数字は、私どもの方の、この同じ、先ほど二十九年度と三十年度を申し上げたアライヴァル・ベーシスの統計によりますと、百八十九万四千トンになっております。
○松本(七)委員 それにしても相当ふえておる。
○湯川政府委員 あとの部分については農林省から……。
○日比野説明員 大体麦の輸入量の計算につきましては、毎年の国内の生産収穫高を推定いたしまして、それをもとにしまして先ほど御指摘の人口増その他の要素を加味いたしまして、要輸入量を算定しておるのでありまして、大体傾向といたしましては、パン食、粉食の奨励その他の面におきまして、小麦の需要がずっと伸びておりますので、輸入量も年々伸びている、こういうことでございます。
○松本(七)委員 そうすると参考のために伺いますが、米の輸入量はどうなっておるか、今の二十五年度からのをずっと——すぐわからなければ、どうせ小麦の方を知らせていただくのだから、さっきお願いした資料とともに、米の輸入量も、今申し上げた必要なのを出していただきたい。なぜお願いするかというと、いろいろ嗜好の話が出ましたけれども、ここにも問題があると思うのです。日本国民の体位向上その他あらゆる面、経済的な事情からいっても、やはり粉食にだんだん切りかえていくことがよろしいというような、ほんとうに日本国民の全般的な利益からそれをやっていくということなら、これはけっこうなことなのです。けれども嗜好その他を考えると、必ずしも日本の国民が今粉食の方に嗜好が急激に向いておるとは言えないと思う。そこで今のいろいろな輸入数量その他から考えて、どうも日本が小麦を必要以上に買わされているのじゃないか、そういうふうな疑いが持たれるので、そこを私どもは十分調べたいと思っているわけですが、そういうことから必要なのでございますから、これらの資料を至急出していただきたいのであります。 それから今の粉食奨励の問題なのですが、確かに日本人は米を食い過ぎるという傾向が強過ぎると思うのです。しかしこれは経済状態の改善を伴わないで、米を食い過ぎることがからだのために悪いから、粉食の方がよろしいのだ、こう言っても、なかなかそれだけの経済的な余裕ができない人にそういうことを言ってみても、これは実行できないと思う。だから今日から申しましても、たとえば粉食をやろうとすれば、どうしても経済的な重荷になっておる。粉食をやるには副食物とか、あるいは調味料が相当かかります。それから元来が非常に米に執着が強い。そういう嗜好の面からも、そう簡単に粉食に変ることはむずかしいのじゃないかと思うのです。そういう点から考えると、やはり無理な粉食をしないで、今の日本国民の経済状態その他の実情に合った粉食にとどめる方がいいのではないか。そういう点から見ますと、一方では綿製品なんかではすぐアメリカがこれを禁止だとか制限だとかいって騒ぎ立てる。そのかわり綿花の方は大量に対日輸出量というものを固執して、これは放さないように一生懸命になっておる。それとともに余剰農産物の処理によるところの小麦、それから今できようとしておる協定による小麦の買付というようなものを何とかして確保しようというような意図がわれわれには見えます。そういうふうなことを考えると、結局粉食奨励というような美名といっては語弊がありますけれども、そういうことで、日本の国民の今の実生活に合わない、無理な小麦の輸入がなされておるのではないか、こういう点を心配するわけです。そういう点からすると、今では東南アジア諸国で相当米も豊富にできておるし、輸入する力もあるのですから、むしろ粉食の方を少し控えてでも米を潤沢にするというような方策に切りかえることも必要ではないかという考えも起ってくるわけです。こういう点について農林省ではどういう考えを抱いておられるか、この際御説明願いたいし思います。
○日比野説明員 粉食奨励か粒食奨励かという問題につきましては、そのときどきの客観情勢によりまして重点の置き方が変ってくると思います。今確かに二年の豊作の影響が現われまして、小麦の需要もある程度減っておりますが、案外われわれの方で推定しております数字では、大体三十一年度の輸入計画を策定します場合の数字といたしましては、小麦粉の需要減というものは——これはデータの取り方はいろいろありますが、九六・四%であります。豊作と申しましても、二年に事いで三年目はどうなるかという問題よありますし、一時的な問題で粉食か粒食かという問題はそう簡単にはきまらぬのであります。大体農林省といたしましては、従来は粉食奨励の政策をとりまして、従って総合的な食糧の改善と申しますか、油脂蛋白の給源をふやす畜産振興その他いろいろ考えて策はとっているわけでありますが、なかなか所期の効果を上げるというところまでいっていないことは御指摘の通りでありますが、方向としてはそういう方向に進みたい。ただそれぞれの、そのときどきの事情によりまして、幾分そういうものが現実面で変更を受けていくということになるわけであります。
○松本(七)委員 どうも私の心配している点に対する御答弁としては、はなはだ不十分ですけれども、こういう問題は基本的な問題ですから、別に論ずるとして、また協定の方に移りますが、この協定では五セントずつ価格が下げられたわけですが、国際市場価格の方も下ってきているのではないかと思うのですが、国際市場価格はどうなっておりますか。
○日比野説明員 アメリカの小麦を例にとりますと、二十九年の四—九平均が六十一ドル九十五でございます。それから十—三の平均が六十一ドル二十六でございます。三十年の四—九が六十二ドル四十三、十—三が五十六ドル九十一、それから三十一年の四—九が五十六ドル二十六、こういう傾向になっております。単位はFOBであります。
○松本(七)委員 それから今度の協定では、新しくアルゼンチン、それからスウェーデンが売り渡し保証国になっているのですが、アルゼンチンは従来から農業国で小麦の生産が非常に多かったのですから、これはいいとしてスウェーデンは前回の協定ではむしろ少量ではあったけれども、買い入れ保証国の方であったわけです。これが売り渡し保証国になったということは、よほどここ数年来のうちに穀物事情でも好転しているのでしょうか、それともほかに何かスウェーデンについては理由があったのでしょうか。
○湯川政府委員 スウェーデンは前回の協定では初めちょっと入ったのであります。しかしすぐに輸入国ではなくて、むしろ輸出国の地位になったものですから、もうあとは入っておりません。今度輸出国として新たに加入したのであります。
○松本(七)委員 これは穀物事情がよくなったわけですか。
○湯川政府委員 その通りでございます。
○松本(七)委員 それから日本では硬質性の小麦と軟質性の小麦とどっちが多いのでしょうか。
○日比野説明員 軟質性が大体四五%くらいだと思います。残りが硬質性でございます。需要の傾向といたしましては、硬質小麦の方が伸びる傾向にあります。パンの需要、それから中華そばは硬質小麦、軟質小麦はうどん、菓子等でございます。
○松本(七)委員 アメリカの小麦は、主として軟質性ですか。
○日比野説明員 アメリカの小麦は、大部分軟質性でございます。ただ一部硬質の中の準硬質という部類に入ります小麦を、六、七万トンだと思いますが、日本は買っております。グラント分を入れると、十七、八万トンは日本向けに入っております。
○松本(七)委員 それからこの小麦の価格の算定ですが、これはいろいろに算定しておるようですけれども、一体どういう標準でこの価格が決定されるのかということです。
○日比野説明員 国内販売価格ですか、政府の売り渡し価格ですか。
○松本(七)委員 小麦の価格が算定されているでしょう。それが非常に多様性というか、標準がはっきりしないわけですよ。
○日比野説明員 売り渡し価格につきましては、国内産と外国産に分けまして、国内産につきましては普通小麦と強力小麦、こう分けております。それから外国産につきましてはアメリカ、カナダ、アルゼンチン、オーストラリアと大別しまして、アメリカを例にとりますと、ウエスタン・ホワイト、ソフト・ホワイトの二種類が同じ価格、レッド・ウインター、ウエスタン・レッド、こういうのが一つの価格、それからハード・ウインター、ダークハード・ウインター、イエロー・ハード・ウインター、こういう種類も一つの価格をきめております。カナダにつきましてはマニトバでございますが、マニトバ一号、二号、三号、四号、こういうふうにきめております。アルゼンチンは一種類、それからオーストラリアにつきましては、産地によりましてクインス・ランドのものと、ニューサウス・ウエールズのもの、こういうふうに分けております。これは歩どまりその他を計算しまして、いろいろ算定しております。
○松本(七)委員 この小麦協定で買い付ける小麦であるはずのものが、余剰農産物の、CCC倉庫の小麦が入ってくるというようなおそれはありませんでしょうか。
○日比野説明員 余剰農産物関係につきましては、この協定の範囲外という了解になっております。
○松本(七)委員 そういう建前になっておるにかかわらず、大体余剰農産物の小麦というのは質も悪い、こういうふうにいわれておる。アメリカの農民も、いいものは自由市場に出して、そして悪いものがこの余剰農産物に集中している傾向が非常に強いのですね。そういったいわゆるCCC倉庫の悪い小麦が、この協定の小麦という名目で、これが入ってくるおそれはないかということなんです。
○日比野説明員 それは、ことに九月から輸出制度が変りまして、輸出向けの小麦は、一般市場で手に入れまして、補助金分について余剰のものを現物でもらう、こういう制度に変りまして、そういう問題は、余剰と一般との区別はないと思います。それから、従来補助金を現金で出しておったときにも、必ずしも余剰だから、また一般だからといって、小麦の輸出制度が区別されておったわけではありませんで、その点は同じだと私たちは了解しております。
○松本(七)委員 どうもそこのところがそういう制度に変って、今後の何か保証があればいいのですが、何というか、汚職なんかの一つのあれになるのは、協定の小麦という名目で、そういった品質の悪い小麦が実際に入ってくるというようなことが、私どもいろいろなところで聞くところによると、非常な心配があるということをずいぶんいわれるわけです。だからそういうことのないように、ここのところを厳格にやってもらいたいというのがわれわれの希望です。だからここのところをお伺いしたわけです。 そこで次は、余剰農産物協定によるところの買い入れ価格をちょっとお知らせ願いたい。
○日比野説明員 十月の価格で大体五十八ドル程度です。それでちょっと申し上げますが、大体通常と余剰と、従来の買付方式といたしましては輸入の関係がありまして、輸入の関係と申しますのは、通常輸入の達成ということで、そして余剰は上積みだ、こういう話し合いになっております。だから輸入の達成ということをアメリカは非常にシリアスに考えるわけでありまして、そういう関係から、通常がまずある程度買い進みませんと、アメリカの方が余剰の許可をおろさないというような事情にございますので、やむを得ず私どもの方といたしましては、通常をまず買い進めまして、その目鼻がついてから余剰を買っておりますので、直接同時に買付をやっておりませんので、価格はちょっと直接の比較が無理だと思います。その点御了承願いたいと思います。時期がずれております。大体年度で申しますと、四月から六日までは通常の分を買い進めまして、それから七月になりまして、向うの許可がおりてから、大体十二月までに余剰の分を買う、こういう予定でおりますが、ちょっと今余剰の方は、向うの船腹の関係その他でおくれておりますが、予定では、十二月までに入る、こういう状況になっております。
○松本(七)委員 そうすると、さっきのアメリカの小麦の国際市場の御説明で、三十年度が五十六ドル九十一セント、三十一年度が五十六ドル二十六セント、これよりもだいぶ高くなっているのですね。
○日比野説明員 それはマーケット・プライスの関係もありますので、一概に余剰が高いという比較は、ちょっとできないということであります。
○松本(七)委員 しかし、さっきちょっと申しましたけれども、品質のことから考えると、これはだいぶ割高になるのじゃないでしょうか。
○日比野説明員 品質の面につきましては、こっちへ入ってから検査しまして通常で入れたものより余剰で入れたものが品質が悪い、こういう問題は従来起きておりません。
○松本(七)委員 それから、これは今すぐわからなければ、あと急いで出していただきたいのは、前回の協定分ですね、日本が買い付けた相手国、いわゆる買付国の国別及びその買い付けた量、それから価格、これがおわかりだったら一つお示し願いたい。
○日比野説明員 実は従来とも大体価格が協定できめた安定帯価格の中で動いておりますので、直接百万トンという数字について規定そのものを発動した事例が、第一回のときにはありましたけれども、二回目からはありませんので、年度ごとの数量と平均価格というものは出ておりますが——日本の会計年度の数字はありますが、小麦協定の面、八月、七月とこういう計算は実はやっておりませんので、もし御必要となりますと計算をやり直さなければいかぬということになりますが、会計年度でよかったら数字がありますが……。
○松本(七)委員 それを作っていただくのはよほど時間がかかるのでしょうか。
○日比野説明員 ちょっと時間がかかるかと思います。再更正しなければならぬ、拾って期間で切って七、八に修正しなければならぬものですから……。
○松本(七)委員 それではもし必要があったときにはまたお願いしなければならぬかと思うのですが、そんなに長くかかるものは特に今あれしません。 今回の分で買付国別の予定は立っておるのでしょうか。
○日比野説明員 買付計画の数字、買付ベースと申しますか、統計のとり方に輸入ベースと買付ベースとあるわけでございますが、買付ベースで申し上げますと、二百二十三万トンの内訳は、アメリカが百十一万七千トン、そのほかにグラントとしまして十万トン、これはアメリカ分でございます。それからカナダが八十二万九千トン、オーストラリアが今の予定では十三万五千トン、アルゼンチン五万トン、こういう計画で二百二十三万一千トンという数字ができておるわけであります。ただ買付の実際の問題といたしますと、この数字も実際には狂ってくると思います。輸出国の輸出余力その他の関係で変更があると思います。
○松本(七)委員 これは十一月十一日の読売新聞に出ておったのですが、例のオーストラリアの問題です。日豪通商会談において、日本側からは、日本の輸出商品に対して非常に高率の関税その他の差別がある、これを一つ何とか撤廃すべきであるという要求に対してオーストラリア側は小麦を日本がもっと輸入するような機会を与えるべきだという主張をしておるというのですが、この間の事情、それから政府はこれにどういうふうに対処されるか一々私はこの記事を読み上げませんが、経過を一つ御報告願いたいと思います。
○日比野説明員 オーストラリアの小麦の問題につきましてはこういうことであります。オーストラリアからは従来小麦も買っておったのでございますが、それは先ほど申しました準硬質の小麦を買っておったわけであります。今度問題になりましたのはソフト、軟質の小麦なのであります。従って端的に申しますと、第三次の余剰の問題が、政府といたしましては受け入れられるという方針はきまっておりますので、その方のある程度のめどがつきませんと、豪州の方から幾らソフトを買うかという見当も実はつきかねるので、農林省の方といたしましては、しばらく豪州の方も引き延ばしていただいてそちらの三次の方の見通しがある程度はっきりした上で態度をきめていただく方がいいのではないか、こういうことになっております。
○松本(七)委員 全体的に考えると、アメリカの方はばかにたくさんの余剰農産物でも出すし、この協定によっても日本がアメリカから買い付ける。しかも一方日本の輸出商品に対しては綿製品その他、不当な制限だとか禁止の処置をとってくる、こういう状態にある。ところがオーストラリアの方は、この話し合いによれば、日本の要求も相当いれよう、今後は日本の輸出商品に対する態度も緩和しよう、そのかわり一つ今言われたような軟質小麦についても、もっと日本は買ってもらえないか、こういうことになるわけなんですが、アメリカの今のいろいろな綿製品の制限その他の処置を考えると、オーストラリアからもう少し小麦を買えば、日本の輸出にもすぐ当面利益があるわけですから、そういう点から考えても——そうしてこの新聞によると、オーストラリア側は小麦の輸出を政府が所管しておる、従ってアメリカ小麦よりも安い価格で輸出ができる、こういうことを言っておる。それで少くとも年間三、四十万トンを日本に輸出したい希望を持っておる、こういうことを言っておるのですが、もし事実オーストラリアの小麦が、しかも軟質の小麦がアメリカの小麦よりも安いということになれば、この点にもっと考慮を払った方が日本には有利ではないかということが一応考えられると思うのですが、そういう点はどうですか。
○日比野説明員 オーストラリアの問題は、御指摘のようにそれ自体として考えれば、これは日本にとって重要な問題であります。また余剰の問題も重要な問題でございまして、これはわれわれ事務レベルで判断する問題でなく、最高首脳部の政治的判断ということになっておりますので、そういうふうな問題の処理の仕方をしたいとわれわれは考えておりますから、御了承願いたいと思います。
○松本(七)委員 その次は、いずれ明日連合審査で農林委員の方から詳しい御質問があると思いますが、一応われわれとしても関心のあることは、この協定による義務買付によってわが国の需給関係、それから国内産の価格との関係、日本国内の小麦生産者を圧迫するおそれはないか、これはいつも問題になるところなんですが、こういう疑問に対して政府はどういうふうな考えで今回臨まれようとしておるか。
○日比野説明員 先ほど湯川局長から申し上げましたように、年間二百万トン程度の小麦は大体輸入できるのじゃないか、また輸入する必要があるのじゃないか、こういう前提に立ちますと、その半分の百万トンという数字ですから協定、しかも協定と申しましても価格が二ドルから一ドル五十の間にある場合には、協定の規定は発動しませんので、普通の商業取引でやるという考え方になっておりますから、協定のために百万トンをつけられて困るという事情にはございません。 それからあとの、国内の生産者に対する影響はどうかという問題になりますと、従って二百万トンという外国小麦の輸入が直接どう響くかという問題になると思いますが、外麦につきましては、一応食管で全部買上制度をとっております。従って問題はその政府の払い下げ価格がどのようにきまるか、こういう問題になってくると思います。その問題につきましては、そのときどきの事情によりまして、従って最近の精麦、製粉の事情等を勘案しまして、そのつどつどの情勢に応じて払い下げ価格はきめられるものでありますので、直接農民に対する影響と申しますと、その外麦の払い下げ価格と内麦の買上価格の問題になってくると思います。これにつきましては、私直接所管を離れますので、あまり詳しいことを存じませんから、いずれ明日長官が出ると思いますので、長官がはっきりさせると思います。御了承願いたいと思います。
○松本(七)委員 それから前の協定の問題ですが、前回の分で日本が最高で購入した価格と、実際に購入した分の最低価格はどうなっておりますか。それからついでに、前回の分と比較して、国際市場で購入した分の最高の額と最低の額はどうですか。
○日比野説明員 前回の協定のときにも、価格は安定帯価格の幅にありましたので、そのときどきの買付価格は、すなわち国際価格で買っていた、こういうことになります。 それから価格の問題ですが、今手元に平均価格しかございませんので、平均価格で申し上げたいと思いますが、協定で買うと申しましても、これは安定帯価格の幅にある間は、ただいま申し上げましたように、普通の商業取引で買うということでありますので、ただそれを買ったつど小麦協定の事務局へ数字を登録する、そうすればそれが協定で買った数字になる、こういう制度になっておりますので、御承知願いたいと思います。 それで、国際小麦協定で買った平均価格は、二十八年が七十八ドル六十五、二十九年が七十一ドル三十三、三十年が六十八ドル六十四。それから非協定の価格をそれに合せますと、二十八年が七十六ドル七、二十九年が七十六ドル五十三、三十年が七十一ドル九十。アメリカだけを申し上げますと、こういうことになります。
○松本(七)委員 それからまた粉食問題に返りますが、粉食傾向は最近は一体増大傾向にあるでしょうか、それとも減少傾向にありましょうか。
○日比野説明員 先ほど申し上げましたように、われわれの試算では、小麦の需要は、平均して前年の九六・四%になっております。
○松本(七)委員 小麦協定による大量買い入れ国は日本とドイツでしょう。その買い入れ国である日本、ドイツがいずれも据え置きになっておるわけですが、ドイツは元来粉食の国で、しかも人口も増大しているでしょうから、これは据え置かれるのも当然だと思うのですけれども、わが国の場合は、さっきから言うように、元来が米食である上に、今御答弁のような状態にある。かりに人口増を見ましても、米食の傾向が増大するということになると、あらゆる事情から考えて、小麦の輸入はどうしてももっと減少してもいいのではないか。それに協定による小麦というものは、さっきから言う国際小麦市場その他から考えても、どうしてももっと少くしておいた方が日本の利益になるのじゃないかという先ほどの御答弁を聞いても、われわれはかねてから抱いているような結論に到達せざるを得ないような気がするわけであります。これは何度お聞きしても同じですけれども、もう一度その間における政府の考え方を御説明願いたいと思います。
○日比野説明員 規定の建前からいきますと、安定帯価格の間で価格が落ちついている場合には、必ずしも百万トンを日本が買う必要はないわけでございます。従って問題は、二百万トンのベースのうち百万トンですから、そう大した影響はない、われわれはこのように考えておりますが、協定に参加してもけっこう、しかも百万トンで従来通りでよろしい、こういう判断で百万トンという数字をきめたわけでございます。
○前尾委員長 戸叶里子君。
○戸叶委員 関連して二点ばかり伺いたいと思います。今回の国際小麦協定の署名国が四十カ国になっておりますが、この前のときはたしか四十五カ国だったと思います。その五カ国は、新しく入った国あるいはまた輸出国の方へ回ったとか、いろいろ事情があると思いますけれども、この協定から出た国と、その理由はどういうわけでございましょうか。
○湯川政府委員 前回署名して今度署名しなかった国は、セイロン、コロンビア、ハイチ、ジョルダンであります。しかしこれらは前回もあまり大きな数量をやっておったわけではありませんので、なぜ署名しなかったかということについては、あまり深く調べてございません。
○戸叶委員 私がそれを伺います理由は、先ほどから松本委員がたびたび指摘されますように、世界が無理にこういうような小麦の協定に入らなくても自由に買える方向に向いてきておるときに、日本が入らなくともいいじゃないかというような、その御意見と一致するからでございます。そこで去年四十五カ国署名していて、今度四十カ国になったというのは、そこに入っていた国でもこういうところに入らなくても、もっと自由に買付ができるからいいというふうに考えたからではないかというふうに私は考えたのですけれども、この点もう一度お考えがございましたら御意見をお伺いいたします。
○湯川政府委員 ただいま申し上げました四カ国は、比較的保証数量も少かった国でありますが、あるいはお説のように今度は入らなくても、何とかこのくらいの量ならば手に入れるにいいだろうということで入らなかったのではないかと思います。
○戸叶委員 そうしますと、日本はやはりこの協定に入らないと、日本に必要な小麦の買付ということは非常に不安である、こういうふうにお考えになるのでございましょうか。
○湯川政府委員 日本の場合は、私どもとしては食糧当局から二百二十万トンくらい要るという、そういったことを根拠にして輸入量を考えているわけでございますが、そうしますと相当な量である。そこでさしあたり価格もそう変動がないだろうけれども、またどういうことで変動があるかわからない。そのうち百万トンくらいはかりに非常に小麦の値が上っても、この価格帯の範囲内でもって買えるようにしておく。つまり百万トンについては一応必ず買えるという保険的なものをつけておいた方がいい、こういう考えでこれに入った方がいいと考えております。
○戸叶委員 今おっしゃったような考え方で小麦協定に再びお入りになるということはわかるのですけれども、今まで入っておりまして、特に二十八年の六月ですか、国会で審議されて、そしてこの協定に入られてから今おっしゃったような目的、つまり百万トンの買付保証をすることによって、百万トンの小麦を世界の需給市場の変化にかかわらず、安定した価格をもって買い入れすることができる。そういうこと以外に何か有利だと思われた点があったかどうか、この点を伺います。
○湯川政府委員 おもな利益と申しますのは、先ほど来申し上げております小麦の値段の変更があった場合に、百万トンだけは最高価格の範囲内で確保できるということにあるわけでございますが、しかしこういう四十数カ国の小麦に関心を持っている国の機関、そういうものに参加しておりますことによって、いろいろな小麦に関する情報といったものを得ることができますし、それを共通の場として小麦問題について議論する機会を得るという点はやはり利益と考えております。
○戸叶委員 何か外貨の方に影響はございますでしょうか。つまり幾らかでも外貨の節約になるとかなんとかいうことはあったでしょうか。あったとすれば大体どのくらいあったでしょうか。
○湯川政府委員 前回の協定におきましては、小麦の値段が価格帯の範囲内で移動しておりましたから、これによって特別の外貨の節約ということはございませんでしたが、その前の協定のときには、これは小麦の値段が上りましたので、相当外貨の節約になりました。年間千万ドルくらいの節約になったと思います。
○戸叶委員 それではこの間はなかったということがはっきりしたわけですが、そこでこの小麦の運搬は、利用し得る船は何でもいいということになっているようでございますが、これまで日本で入れた場合に日本の船をお使いになっていらしたかどうか、それからまた今後はどういうふうに運搬されようとしておるか伺いたい。
○湯川政府委員 この小麦協定による取引につきましては、別に船の制限はないわけでございます。日本としてはなるべく日本船を使いたいのであります。ただ日本船だけで運び切れないことがございますから、外国船も使っております。たとえば三十年におきましては、日本の全輸入量、これを日本船で運びましたのが六六%、外国船で運びましたのが三四%、そのうちで小麦協定関係の分で申しますと、日本船で運びましたものは八〇%、外国船を用いましたものは二〇%でございます。
○戸叶委員 ことしも大体この程度のパーセンテージの日本船の利用率を考えていらっしゃるか、それとももっと日本船を利用されようとしておるか、あるいはそういうことは日本船の船の関係で足りないと思われるかどうか、この点を伺いたい。
○湯川政府委員 なるべく日本船を使うことは望ましいことでございますが、それは日本船のアヴェイラビリティにもよるわけでございます。ただいま申し上げました数字は昨年度の数字でございますが、ことしの四月から九月までこれも大体小麦協定に関する分につきましては、同じようなパーセンテージが出ております。それから全輸入量の方につきましては、日本船が前年度に比してもっとよけいに使われております。
○戸叶委員 これは私もしかすると協定をよく読んでいないで、協定の中に書いてあるかどうかはちょっとわからないのですけれども、粗悪品がもし来た場合にはどういうふうにすることになっているのでしょうか。
○湯川政府委員 この協定で買いましても、それは実際の取引はコマーシャル・ベーシスで行われますから、悪いものについては、それが条件が合致していないということであれば、クレームの対象になり得るものでございます。
○戸叶委員 他の質問は松本委員が聞いておられますから、私はきょうはこれで終ります。
○前尾委員長 福田昌子君。
○福田(昌)委員 この小麦協定にはソビエト・ブロックはほとんど加入しておりませんけれども、ソビエト・ブロック側の小麦の生産状況とか、あるいはまた輸出入の状況はどういう状況にあるのか、おわかりになるならばお知らせ下さい。
○湯川政府委員 ソビエト・ブロック全般についてはちょっと手元に資料を持っておりませんが、ソ連の一九四五年から四九年の平均生産という数字が手元にございますが、それによりますと、ソ連は二千三百九十八万四千トンということになっております。
○福田(昌)委員 小麦に限ったわけではございませんけれども、今日世界は食糧生産の非常な過剰状況にありますし、そういった食糧の事情というものは買手市場に回っております。従いましてソ連ブロックの状況につきましてもう少し外務省においても詳細な御調査が私ども望ましいと思うのであります。そういう点でソ連ブロック側のそういった食糧生産状況というものを資料にして私どもに御提出をいただきたいと思います。この点委員長からお諮り願えればありがたいと思いますが、その点を要求いたしておきます。 ついでにお尋ねいたしたいのは、英国はこの協定に入っておりませんけれども、英国の小麦の輸出入状況はどういう状況にあるか、これまたおわかりであったらお知らせいただきたいと思います。
○前尾委員長 前段のあれはすぐにといってもむずかしいかもしれませんが、近いうちにできるだけ出してもらうことにしましょう。
○湯川政府委員 ソ連ブロックのは統計があまり出ていない関係上、なかなか正確なことはわかりませんが、できるだけ調べて資料として後日提出させていただきたいと思います。ただ直接この協定に関係します部分としては、ソ連がどのくらい輸出しているか、またどのくらい輸入しているかということになると思いますが、六、七十万トン輸出しておって、そして輸入の方はどうも正確につかめませんが、五、六十万トン輸入しておる。それですから大体輸出もしており、輸入もしている。従って非常に大きな輸出国でもないし、また大きな輸入国でもない、そういったようなことになっております。 それから英国の輸入は大体年間五百万トン前後であります。
○福田(昌)委員 その英国の輸入の状態を少しく詳しく御報告いただきたいと思ったのです。と申しますのは、英国はこの小麦協定に入っておりませんが、入っていないということは、それだけ有利な買付ができるということだろうと思います。その間の情勢を知りたいと思って御報告を願ったのですが、詳細な御説明を願いたいと思います。
○湯川政府委員 英国の輸入でございますが、一九五四年の七月から五五年の六月までの統計によりますと、小麦の輸入が四百六十五万七千トン、それから小麦粉の輸入が四十八万九千トンでございます。
○福田(昌)委員 英国がこの協定に入らないのは、価格の問題と、どういう点があってこの協定に入らないのですか。
○湯川政府委員 先ほど御質問があってお答えしたのでありますが、もう一ぺん繰り返しますと、イギリスは今度の協定を作る会議にもずっと出ておったわけでございます。ただ英国の参加しなかった表面の理由としては、この協定に過剰小麦対策というものが取り上げられていない、そういうことが不参加の理由であったようでございます。しかし実際は、今まで入っていなかった、そこで新たに入るという決定をするのに国内的にいろいろ、製粉業者等の意向なんかがあったようでございます。ただしかし英国の中でも、たとえば農民組合といったものは、なぜ入らなかったかといって、むしろ入った方がいいという意見を主張しておるようでございます。また英国の場合は豪州とかカナダとか、大きな小麦の生産国と、英連邦という関係で非常に緊密な関係を持っております。いざという場合にはそういった方からの協力ということもある程度期待し得る。従って無理に入らなくてもいい、こういうふうな見解に基いて入らなかったのだと思います。
○福田(昌)委員 英国は、聞くところによりますとソ連ブロックからも小麦を輸入しているそうでありますけれども、カナダや豪州といったような生産地を控えていながらソ連から輸入するということは、結局ソ連の小麦の価格の点も勘案されておるかと想像されますけれども、ソ連ブロックの小麦の価格というものは、この国際小麦協定の価格と比べましてどういう状況にあるのでございましょうか。
○湯川政府委員 ソ連の輸出価格というのはあまりはっきりした資料がつかめないのでございますが、本年の九月にエジプトとの間に約束ができた二十万トンというのは、英貨で五百八十九万四千ポンドで取引されたというふうに報道されております。これをトン当りに直しますと、八十一ドル三十一セント、ブッシェル当りにしますと二ドル十九セントということになります。
○福田(昌)委員 日ソ共同宣言の批准も衆議院は終りましたし、貿易協定もおそらく参議院もあわせて通過することでしょう。この際ソ連圏との貿易問題に道が開けるわけですが、こういった小麦の問題なんかも外務省ではもっと詳細な調査をされまして、ソ連圏との貿易の伸展ということを含めてお考え直し願いたいと思います。ソ連ブロックに対するもっと詳細な御調査をお願いいたしておきます。 次にお尋ねさせていただきたいのは、もしこの協定に入りません場合にはどういう不利があるのでございましょうか。この点をお伺いします。
○湯川政府委員 先ほど来繰り返して御説明しておりますように、入った場合には、もし小麦の値段が最高価格以上に上ってなかなか入手できないような場合でも、最高価格で百万トンの数量は確保できる。それからまた小麦会議というものを通じて小麦に関心を持っている参加国四十数カ国と意見の交換をしたり、そういった情報をば入手することができる、こういう利益があるわけでございます。入らない場合にはそういうことはできなくなるという不利益があると思います。
○福田(昌)委員 この協定に入りませんと、いろいろそういった情報の交換というものができなくなるのでございますか。その点を重ねてお伺いいたします。
○湯川政府委員 その会議に参加しておらなければ、それだけ情報の入手は困難になります。
○福田(昌)委員 今までこの会議に参加しておって、日本がどれだけの情報を得ておられるのでしょうか、それはこの会議に参加しなければ得られない情報であったかどうか。
○湯川政府委員 世界の小麦の需給とかいろいろなことに関して、理事会、執行委員会あるいは価格については相当価格諮問委員会といったようなものの情報は、割合に有益な情報でございます。そういったものを得ております。これに入らなければそういったものは絶対入手できないかどうかと言われますと、いろいろな手を尽してある程度は得ることができるかと思いますけれども、しかし入らぬでも必ず全部のものを同じ容易さをもって入手できるかどうかということになれば、それはできないと思います。
○福田(昌)委員 そういう情報がもし入らない場合には、日本の食糧事情に致命的な障害になりますか。
○湯川政府委員 なるべく詳細な情報を得たいと思っております。
○福田(昌)委員 今度の協定の売り渡し、買い入れの保証総量というものは、第二次協定の場合と、量においてどういうことになっておりますか。
○湯川政府委員 旧協定と新協定と比べますと、全体の保証数量につきましては、旧協定ではここにお配りしてある資料の通りでございますが、千万トン余りでございます。新しい協定では八百万トン余りということになっております。わが国の保証数量は、前回と今回は同じ保証数量でございます。
○福田(昌)委員 このたびの協定で全般の数量が減って参ったことは、どういうところに理由があるのでございますか。
○湯川政府委員 先般その点について御説明申し上げたのでございますが、繰り返しますと、たとえばインドとかブラジルとか南ア連邦とかいったような前回割合に大きな保証数量を持っていた国が、国内の食糧増産等の理由で保証数量が減りまして、それで全体としても減ったわけでございます。
○福田(昌)委員 それだけに、結局この協定に入らなくとも、食糧の需給状況というものは心配要らないということになるのじゃないですか。
○湯川政府委員 これは先ほど来申し上げておりますように、価格帯の中で価格が移動している限りは格別の支障はないのでございますが、ただ将来またどういうことになるかわからない、非常に高くなったような場合、そういう場合に、この価格の最高のところで買えるという利益があるわけでございます。
○福田(昌)委員 局長さんはここ二、三年内に食糧の非常な変動があって、今の買手市場にも変動が来て食糧飢饉があるかもしれないという懸念を持っておられるのでございましょうか。
○湯川政府委員 何べんも申し上げているのですが、別に今そういう危険がある、現実に予想されるということは考えておりません。ただしかしこれは一種の保険のようなものでありますから、そこで保険をつけておいた方が安全であると考えているわけでございます。
○福田(昌)委員 近い将来にそういう不安がなければ、わざわざこういうものにまたあらためて入る必要はないと私どもは考えておりますが、まあそれはさておきましてこの協定にはぜひやっぱり入っておきたいというお考えがあるのでございますか。
○湯川政府委員 ぜひ入っておきたいと思います。
○福田(昌)委員 ぜひ入っておきたいということであれば、十二月一日にぎりぎりの今日、昨日あたりからこういう協定を協議しなくて、なぜもっと早くおかけにならなかったか、その点をお伺いいたします。
○湯川政府委員 これの受諾書は寄託する前に国会の御承認を得なければなりません。臨時国会が今まで開かれませんでしたし、法案は開かれるとすぐ出したのでございます。きょう御審議をお願いしておるのであります。
○福田(昌)委員 臨時国会が開かれてからずいぶんたっておりますが、局長はそれほど御熱意があったのだったら、もう少し委員会を督促してこの法案を議題になさればよかったと思います。局長自身が非常に熱意がないように感じますが、なぜ早く委員会を開いてこれを御審議にならなかったか。
○前尾委員長 それは僕からお答えいたします。特別委員会と委員がダブっておりまして、それで外務委員会を開くことができなかったのです。それでこれは無理して提案理由の説明だけやっておいて、十分お調べ願って、二、三日の非常に短かい期間ですが、それで十分間に合うと思ったものですから、そういう運びになったので、決して外務省の方の問題じゃないですから、どうぞあしからず御了承願います。
○福田(昌)委員 オーストラリアとの貿易協定が問題になっておるそうですが、オーストラリアの小麦の輸入がある程度強要されておりますけれども、こういう点に関してこの協定との関係はどういうことになるのでしょうか。
○湯川政府委員 オーストラリアから小麦を買う、あるいは買わない、そういったこととこの小麦協定自体とは直接の関係はございません。
○戸叶委員 ちょっと一点。これはお聞きになったかもしれないのですが、旧協定と新協定と保証数量の総計が、今度の方が減っておるわけなんですが、これはどういうところに理由があるのでございましょうか。
○湯川政府委員 ただいまのは、要するにインドが今まで百万トンだったのが二十万トンになったり、ブラジルとか南ア連邦とか、そういう割合大口に持っていた国々が、食糧増産が進んだ結果保証数量が減りました。そういったものを集計したために減ったのであります。
○福田(昌)委員 この協定では価格が多少安くなっておりますけれども、品質が悪ければ安いのは当然ですが、品質との関係はどうでしょう。
○湯川政府委員 品質については、別に価格が下ったから悪くするということはございません。従来の基準でマニトバ一号を基準にいたしましてそのほかの小麦についてはそれぞれの品質差を考慮に入れてきめていくということに変りはございません。 —————————————
○前尾委員長 この際お諮りいたします。特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定の締結について承認を求めるの件に関し、科学技術振興対策特別委員会より連合審査会開会の申し出があります。この際この申し出を受諾いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前尾委員長 御異議がなければさように決定いたします。 この科学技術振興対策特別委員会との連合審査会は、明後十二月一日午前十時より開会することにいたしますから、さよう御了承を願います。
○前尾委員長 なおただいまの案件について学界等より参考人を招致し、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前尾委員長 御異議がなければさように決定いたします。なおこの参考人の人選につきましては、理事会に御一任願いたいと存じますので、さよう御了承を願います。 次会は公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会