外務委員会 第2号
- 発言数
- 178 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/11/28
会議録
○前尾委員長 これより会議を開きます。 在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑を許します。石坂繁君。
○石坂委員 共同宣言の批准が終ればモスクワに大使館が置かれることになりますが、この大使館設置につきましては大体相互主義によられることであろうと思いますが、その点について伺っておきます。
○森下政府委員 さようでございます。相互主義でございます。
○石坂委員 そこでこの在外公館、日ソ共同宣言第二項の規定によるソ連大使館の館員の数、外交官の行動制限等に関する細目の協定については、大体どういうことに用意しておられますか。
○木村政府委員 正式の国交が回復いたしましてから、外交機関を通じまして相互の勤務職員の数につきましては協議をいたしまして、合意に達したいと存じております。
○石坂委員 今日のところ、大体どういうお考えか、まだきまっておりませんのですか。
○木村政府委員 数につきましてはまだ研究中でございますので、結論に達しておりません。わが国といたしましては、多数の者を置く必要はないと考えております。先方は、ドイツ等に対しましては膨大な数を在勤せしめておるのでありますが、日本といたしましては、さような大きな数は必要ないと考えております。
○石坂委員 大体どのくらいの数が予想されるのですか。
○木村政府委員 わが国といたしましては、二十名ないし三十名くらいが適当な数字だろうと考えております。
○石坂委員 なお共同宣言に関しまして、共同宣言の発効の日でありますが、共同宣言の第十項によりますと、「この共同宣言は批准書の交換の日に効力を生ずる。」、こう書いてあります。しかるに漁業条約を見ますと、平和条約の成立の日もしくは平和条約の交渉の日となっておるのであります。その両者の効力発生の時期について私ども多少疑義を持っておるのでありますが、これはどういう解釈をされておりますか。
○下田政府委員 漁業条約の第八条には「平和条約の効力発生の日又は外交関係の回復の日に効力を生ずる。」とあります。平和条約は今回はできなかったのでございますが、外交関係の回復の日に効力を生ずるという規定が生きてくるわけでございます。そこで共同宣言の批准書が交換されますと、それはとりもなおさず両国の外交関係が再開されるという意味に相なりますので、結局漁業条約の効力発生と共同宣言の効力発生は、そこで一致するということに相なると思います。
○石坂委員 私の質問を終ります。
○前尾委員長 田中織之進君。
○田中(織)委員 当面問題になるのは、日ソ共同宣言の効力発生に伴うわが方のソ連大使館その他の公館の設置の問題でありますが、この点について御質問をいたしましたあとで在外公館の拡充の問題について、若干の質問をいたしたいことをあらかじめ断わっておきたいと思います。 そこでただいま石坂委員の質疑によりまして、在外公館の設置の問題は相互主義の原則の上に立って、わが方の対ソ関係の公館の設置を考えておられるということでありますが、その人員については大体二十名ないし三十名ということのようであります。われわれの聞いているところによりますると、ソ連側の方の日本へ設置する大使館並びに領事館等の関係の人員は、わが方が予定しているものよりも相当多数になるように聞いておるのでありますが、その関係は相互主義に立つ場合にその調整というか、それはどういうようになるのでしょうか。ソ連側が日本の国内に置く人員とわが方が向う側に置く人員は、わが方はわが方の必要に基いて大体三十名を限度として置こう、こういうのに対して、向う側がそれ以上の人員を置きたいという問題を提起した場合の調整は、具体的にはどういうようにやっていく御意向ですか。
○木村政府委員 両国の間に十分議を尽しまして、先方の必要性というものも十分聞かなければならぬと思います。しかし現実の問題としまして何名ということに意思が合致しない場合、これは入国の査証の際におきまして、これを断わるということになるのじゃないかと思います。
○田中(織)委員 その問題は、人員の食い違いができた場合に、わが国の立場とすれば入国の査証を拒絶する、こういう考え方は一応考えられますけれども、やはりその点については、官房長の御答弁も十分双方の協議を行うことが前提になっておるわけでありますが、やはり査証の拒絶というような事態のないような協議は、私は十分尽してもらいたいという点を強く希望するものであります。 それに関連をいたしまして、わが方がソビエトに設置いたしまする公館としては、もちろんモスクワに大使館を置くわけでありますが、これはソ連と他の国々との関係、特に共産国以外の国々のソ連国内における外国公館の設置に向うの方が同意しておる点と関連を持ちますけれども、それは大使館一本なんですか、それとも将来日本との漁業関係その他貿易関係等で、当然総領事館等を設置しなければならぬ、地区が日本海を隔ててきわめて近接しているだけに、そういう関係が他のヨーロッパの国々と違った事情に私はあると思うのですが、わが方が今回法律に基いて設置しようとする公館は、大体どの地域に設置しようと考えておるか、具体的には大使館のほかに総領事館あるいは領事館等を設置しなければならぬと思うのでありますが、そういう関係についてはどこまで構想が固まっておるのか、この際伺っておきたい。
○木村政府委員 ソ連と現在国交が開けておる国で大使館以外に領事館を置いておるのは中共のみでございます。アルマアタだと思います。そこでわが国はソ連との近接国としての漁業、貿易その他の緊密なる関係を考えまして、正式の外交再開後におきまして総領事館の設置ということは、当然題目になると思うのでありますが、今のところわれわれといたしましては、ウラジオに総領事館を設置することを要望したいと考えております。先方がそれに相互的にどういうところを申し入れてくるかは存じませんが、戦前その財産、公館の建物が函館にある関係上、函館を相互的に要望してくるのではないかと考えております。そのほかに敦賀、小樽、長崎等に総領事館を設置してもらいたいという陳情が国内的に外務省の方に参っておりますが、これはわが方の国の要望に基くものというよりは、むしろ先方の要望に基いて設置されることと相なると思いますので、国内がかような陳情をいたすことは、慎重にやってもらいたいという希望を持っております。
○田中(織)委員 ただいまの官房長の御答弁で明確になったのでありますが、ソ連と国交の回復をいたしておる国々のソ連国内における総領事館の設置というのは、中華人民共和国の関係だけだ、こういうことだといたしますと、特にこれは中華人民共和国とソ連邦との特殊な関係以外のところは、なかなかソ連の国内に総領事館を持つということは困難な事実を物語っておるものだと私は思う。しかしただいま官房長も認められておりますし、また私も主張いたしておりまするように、わが国はその意味から見れば政治形態を異にする国柄ではありますけれども、日ソの国交関係から申しますと、特に漁業関係あるいは貿易関係等の関係から見て、少くともやはりウラジオストックには総領事館の設置、それから将来の問題といたしますればやはりもっと交渉し、今度の漁業条約ではその点には触れていないのでありますが、かつてのようにカムチャッカあるいは沿海州等について共同の漁区の租借が可能になるというような情勢になりますれば、やはり国柄であるだけにそういう方面にも少くとも領事館程度の設置によって日本人の経済活動等の便宜が与えられるように、これはあるいは今後の問題になるかもしれませんけれども、その点はソ連側において中華人民共和国以外に総領事館の設置等を認めていないというような事情から、相当な困難が予想されると思うのでありますが、相互主義の原則の上に立うて十分の交渉をしていただきたい、かように考えるものであります。 次にこれは勢いわが方のソ連に駐在をいたします外交関係の諸君の活動にも影響してくる問題になりますけれども、私も昨年ソ連邦をわずかの期間でありますが旅行をいたしましたが、やはりああした日本とは政治形態の異なる国ではありますけれども、外交官の活動については相当広範な活動の自由というものは、国際法の観点から見ても当然認められているわけです。ところが日本の場合には、昨日の本会議等でもわが党の松本議員等から指摘をいたしました通りに、日ソ国交の回復を直ちにこれらのソ連側の在外公館を通じての日本の国内における共産主義の宣伝活動、こういうようなものに結びつけて、国際条約に基いて今後日本に駐在いたしますソ連の外交官を見る傾向は、私は否定できないと思うのです。そういうことにもしなりますれば、勢いわが方のソ連邦に駐在をいたしまする外交関係の諸君の活動にも、相対的にやはりいろいろな制約を受けることに私はなると思う。そういうようなことは、今度の日ソ共同宣言の前文にありまする両国の友好親善、こういう観点から見て、私はそういう趣旨にもとることに相なると思うのであります。そういう意味でこれはむしろ国内的な外務省の所管というよりは、あるいはいわゆる治安当局と呼ばれておる人たちの心がまえの問題に関連することではありまするけれども、私はやはり一たび両国の約束に従いまして設置いたしまするわが方の在外公館の職員の活動が完全にその目的が達せられるように、日本の国内に設置せられるソ連関係のいわゆる外交関係の使臣に対する、ともすれば外事警察というようなものを強化することすら日々の新聞に出ておることによって、それが反射的に日本の外交使臣の活動が制約を受けることのないように、一つこれは政府側として十分戒心しなければならぬ点であると思うのでありますが、今後の交渉の過程においてそういう点を十分留意せられる用意があるかどうか、この際伺っておきたいと思います。
○木村政府委員 今お説の点はごもっともでありまして、共同宣言にもうたってありまする通り友好親善関係の増進に力をいたしたいと存じます。しかし一方各国ともにソ連の外交官に対しましては、相互主義に基きまして、ある程度の活動の制限を設けておる現実をも考慮に入れなければならぬのじゃないかと考えております。
○田中(織)委員 直接日ソ共同宣言に伴ってソ連に設けまする在外公館に対する私の質問は以上で終りまするが、最初にお断わりいたしましたように、今度は日ソ共同宣言の批准の承認に基いて直接的に設置を必要とするソ連関係についての提案をなされておるわけでありますが、前々から日本の国際社会への復帰に伴いまして、また国際関係の緊密化に伴って、在外公館の拡充の問題が、外務省においても企図せられ、さらに国会側においても、わが国民の在外活動を円滑にし、伸張するためにもやはり在外公館の拡充について、その必要を認めて政府を鞭撻する立場に立っておるのであります。その関係からいたしまして、これは日ソ共同宣言の特別委員会でも取り上げられた点でありまするが、現在まだ国交の回復をしておらない東欧諸国、いわゆる東欧の共産圏との関係について、これは勢い日ソ国交の回復に伴ってこれらの国々との国交回復の問題がやはり次の議題となるわけでありますが、特に現在まだ国交は回復いたしておりませんけれども、今度のハンガリーを除いたその他の東欧諸国、ルーマニア、ブルガリア、チェコスロバキアあるいはポーランド、こういうような関係につきましては、これは国交が回復しなければその意味で正規の日本の在外公館の設置ができないと言えばそれまででありますけれども、現実に最近におきましては特に貿易関係あるいは文化交流等の関係から、彼我の交通が漸次活発になろうとしておるというような関係につきましては——今回はもちろんソ連関係だけでわれわれこれを認める方針でございまするが、それらの地域に対する在外公館の拡充の問題について、外務省として当然これは通常国会でも——先般重光外務大臣も昭和三十二年度における在外公館拡充の大体基本的な方針を示されておるので、それに含ましてこれらの国々への公館の設置、少くとも総領事館あるいは領事館の設置等について、外務省として今から準備をしなければならぬと思うのでありますが、この点についてはどういうようにお考えになっているか。
○木村政府委員 お説の通り、共産圏の諸国、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア等につきましては、事態の進展に伴いまして国交の再開を考えていかなければならないと存じております。これに伴いまして在外公館設置の予算的措置も来年度に講ずることを考えまして、目下大蔵省と折衝中でございます。
○田中(織)委員 もう一点、これもソ連以外の方面でありますが、先般これは二十四国会の終りであったと思うのでありますが、私、外務大臣に本委員会で質問を申し上げたのであります。アフリカ、特に北アフリカにおける——アルジェリアは、今フランスとの関係で独立問題も困難になってきておるのでありますが、モロッコ、チュニジアの関係につきましては、先般モロッコはもちろんのこと、チュニジアもすでに国連に加盟が認められたように承知いたしておるのでありますが、やはりこれらの国々への公館の設置の問題とか、これはかつてのフランスの植民地であった関係から、フランスの大使館より本省の方にもそれぞれ連絡があったことと思うのでありますが、先般の重光外務大臣の明年度における在外公館の拡充計画の中には、この点が触れてなかったと思うのであります。今年の春わが党の顧問で参議院議員の松本治一郎氏が北アフリカ三国を訪問いたしましたときに、特にチュニジア、モロッコ等から日本との国交回復の問題と同時に、日本の在外公館——実はチュニジアのチュニスにおきましては本年の十月に国際見本市が開催せられたのであります。それへの日本側の出品等の希望もあったわけですが、時間的に間に合いませんで本年はこれを見送らざるを得なかったのであります。その際外務大臣並びに高碕経企長官等は、これらの方面との経済外交の伸展の点からも調査団の派遣も考慮していいとまで御答弁になっておるのでありまして、今申されました明年度の予算的な措置の際には、少くともモロッコ、チュニジアも含ましていただきたいという希望を持っておるのでありますが、その点については外務省の方でどういう準備を進められておりますか、この際伺っておきたいと思うのであります。
○木村政府委員 お答え申します。アフリカに大公使館を設けるという点につきましては、モロッコにつきましては目下大蔵省と折衝いたしております。在外大公使館を来年度はマライとモロッコ、イスラエル、ノルウェー及びパナマを新設大公使館として要求する考えでおります。チュニジアにつきましてはなお事態の進展に伴いまして考えたいと考えております。
○田中(織)委員 ただいまの最後のチュニジアの関係につきましては、私の当初の希望としてはアルジェリアについてもという考えであったのでありますが、この北アフリカ三国はそれぞれ密接な関係を持っておりますので、ほかの地域では二つの国を公使館等の場合には兼任するというような形がとられておりますが、できるだけそういう形ではなしに、チュニジアについても——これもすでにわが国よりも一足先に国連に加盟が認められている国でありますから、明年度においてぜひ実現するようにしていただきたいと思うのであります。 もう一つの問題は、現在英国の保護領になっておるのでありますが、インド洋にセーシェル群島があるわけであります。これとマダガスカル島の東北地区で日本の漁業関係者の進出が最近相当ひんぱんになってきておるのであります。別途これはフランス並びにイギリス等との関係で民間において合弁の漁業会社の設立等の計画も実は進行いたしておるのであります。それで、できますればセーシェル島の中心地点に一これは日本の漁民等が燃料あるいい水の補給というような関係で年間相当の人員がこのセーシェル島に立ち寄っておるのであります。そういう関係から、ここに領事館設置を一つ計画していただきたいと思うのでありますが、この点は実情をお調べ願わないとあるいは直ちにはお答えできないかもしれませんが、この点は関係の漁民その他からの相当強い要望がございますので、調査の上御考慮願いたいということを申し上げたいと思います。
○前尾委員長 高岡大輔君。
○高岡委員 ただいま石坂、田中両委員の質問で大体了承したのでありますが、それによりますと、大使館の館員は二十名ないし三十名、それはこちらの大使館のことでありましょうが、ソ連の大使館は東京に一体どのくらい置く意向であったのか、交渉の際にそういう話が出たのかどうか、これは下田条約局長がおいでになったようでありますから、その点を伺っておきたいと思います。
○下田政府委員 交渉の際には将来設置すべき彼我の大使館の館員数につきましては全然話が出ておりません。
○穗積委員 ちょっと議事進行。この在外公館の議題の審議を促進するために私は言っておるのですが、こういう資料を至急取り寄せていただきたいのです。たとえば日本とアメリカとの間に大使館がありますね。イギリス、フランス、各国の、日本が大使館を交換している国を列挙して、そして日本の大使館はアメリカに何人館員がいるのか、アメリカの大使館は日本に館員が何人いるのか、その数字を出していただきたい。総領事館、領事館についても同様であります。なお念のためにお願いしておきたいのは、正式な館員以外に参与、顧問、または嘱託等の名義で働いておる人の数もわかりましたらお知らせいただきたい。たとえばアメリカの大使館のごときはきっと駐留軍の中で兼務で、嘱託または参与、顧問、どういう名義か知らぬが、そういうことで大使館の実務をとっておる者があろうかと思います。そういうような数字もわかりましたら至急お取り寄せいただきたいと思います。よろしゅうございますね。
○木村政府委員 御要求の資材は急いで調製いたします。
○穗積委員 今政府委員室へ連絡していただいて至急とっていただきたいのです。
○木村政府委員 至急といいましても、正確を期しますと午前中なんかには間に合わぬと思いますが。
○穗積委員 それでは逐次わかるだけでいいです。たとえばアメリカの大使館と日本の大使館との館員数というのは大体わかるでしょう。これは簡単にわかると思うのですよ。あと、今申しましたこまかいことにつきましては追ってでけっこうでございますけれども、わかり次第一つ。議事進行のために私は要望するのですから。途中でしたけれどもどうも失礼いたしました。
○高岡委員 そうしますと、今の下田条約局長のお話では交渉の間において人数等のことについては議題に上らなかったというのでありますが、先ほど官房長が言われましたように、西ドイツあるいはインドネシア等には相当数の方がソ連から行っておられるのです。インドネシアには五、六百人ということさえ聞くのでありますが、それと、先ほどおっしゃいました二、三十人では非常な差があるわけであります。これは何も話し合いがなかったということになりますと、今後は一体どういう形でその折衝をなさいますか、その点をお伺いしたい。
○木村政府委員 今後の折衝におきましては、両国の必要というものを基礎にいたしまして考慮していかなければならぬと思います。先方だけの必要をそのままうのみにするわけには参らないのでありまして、わが方から見ましてその必要が十分あるかどうかという点を検討いたしまして、でき得る限り円満に落ちつかせたいと思っております。
○高岡委員 そうなりますと私は一つ気づかう点が出てくるのであります。先ほど田中委員がおっしゃいましたときに、もしも大ぜい向うから見えるような場合には査証の拒絶をするかもしれないというような御答弁があったのでありますが、そもそも日ソ共同宣言は御承知のように相互理解と協力の上に云々とありますので、最初から人数のところから両方で対立するようなことになっては、せっかくの国交調整ということもいかがかと思うのであります。その点は一つ査証の拒絶をするというようなせっぱ詰まったところにいかないように、十分の御配慮を願いたいと思います。それで今の御答弁ではただ単に日本のモスクワにおける大使館の館員の数だけをおっしゃったようでありますが、東京に置かれるであろうソ連の大使館には駐在武官ないし経済関係の方々がおいでになるだろうと思います。そういうふうなのは来ないとおっしゃるかもしれませんが、私はおそらく駐在武官もいらっしゃるでありましょうし、それから経済関係の方も見えるだろうと思います。そういう駐在武官ないし経済関係の方というものは大使館員の中に含まれるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○木村政府委員 貿易関係は通商代表部というものが大使館と別個に置かれておる国がございますが、東京におきましては全部大使館一本というふうにただいまのところ考えております。駐在武官につきましては相互主義の問題でございます。目下その点につきましては政府部内において研究しております。
○高岡委員 相互主義といいますと、もしもモスクワの日本大使館に日本の自衛隊からだれも行かないということになってくると、ソ連もあれだけ軍隊を持っているのでありますが、その駐在武官も来れないということになるのですか。こっちから一人も自衛隊関係の、いわゆる防衛庁関係の方が参らなければ、向うからも駐在武官は来れないということになるのでありますか。それともそこには幅があって、今御答弁のうちにある必要云々ということから考えて、日本からはソ連に防衛庁関係の人は行かなくてもいいけれど、向うは必要があって来るのだという場合にこれを認めよう、こう解釈してよろしいのですか。
○木村政府委員 その点は相互主義によりまして考えていきたいと考えておりますので、こちらから置く必要がないという結論に達しましたならば、遺憾ながら先方の派遣を認めることはできないと思います。しかしこれはまだ決定したわけではございませんので、目下慎重に考慮中でございます。
○高岡委員 今審議中であるからあれでありますが、これはソ連としましては、当然私は駐在武官を必要とすると思います。それはただ単に日本における自衛隊の増強ぶりを見たいというだけでなくて、日本は日米安全保障条約その他一連の条約等によりまして、いろいろな軍事施設等がございます。これらについて世間では米ソの間には冷戦が続いておるというようなことが言われております今日でありますので、もちろんそれにはアメリカの大統領が基地をお互いに空中査察するとかなんとかいろいろなことを言っておりますけれど、一応ソ連としては、日本国内における日本の自衛隊はともかくとして、アメリカのいわゆる防衛ぶりといいましょうか、こういうものについては十分な情報等を調べなくちゃいけない。これは駐在武官たるものの任務であります。従って私は相当この点はソ連としては強いとでもいいましょうか、重大な要素を持った申し出があるものと想像せざるを得ないのであります。そういうわけでございますが、私ちょっと聞き漏らしたのでありますけれど、この駐在武官というものは、大使館員のうちに含まれるのでありますか、含まれないのでありますか。
○木村政府委員 駐在武官は大使館員の中に含まれるのでございます。今御指摘のような点もわれわれは十分にあり得ることと存じております。また駐在武官となりますと、御指摘のような点につきましても、日本。現在の立場、状況にかんがみまして考慮すべき点がたくさんあろうと思うのでございますので、この点は慎重に対処したいと存じております。
○高岡委員 この点は結局押し問答をしましても、審議中でいらっしゃいますのでしようがありませんから、次に総領事館並びに領事館の問題についてお伺いいたします。 先ほどこれも田中委員が御質問になったようでありますが、それに答えて官房長は、函館、小樽、長崎、敦賀でありますか、あちこちから外務省の方に陳情といいましょうか、要求があるというお話がございました。日本人というものはどうしてこうも物好きだろうと思っていつも私はあきれ返っておるのであります。陳情の世の中でありますからそれもいいかもしれませんし、民主主義だから何を陳情しようと勝手だと言ってしまえばそれまでですが、これはちょっと筋が違うのではないか。といいますことは、ソ連側でどこへ総領事館を置きたいとか領事館を置きたいということであって、日本がここへ置いてもらいたいというようなことは、しかもそれが民間側から何か名物にするような、工場誘致のようなつもりで陳情するというのは少しおかしいじゃないかという気がするのであります。話によりますと、チフヴィンスキー氏みずからが函館に行かれまして、函館の昔あった総領事館の修理を行われておるそうであります。長い間ほったらかされてありましたから、あるいは壁もきたなくなっておりましょうし、そういったようなことで、俗にいう塗りかえとでもいいましょうか、いろいろ修理をしておるというようなことを聞くのであります。今日本におられますやがて大使館になろうとする漁業代表部の方では、そういうことを逐次準備をしておられるように聞くのでありますが、そういう方々に対して、あそこへ置いてくれ、ここへ置いてくれ、ことに北海道のあまり遠からざる小樽と函館でもって奪い合いをするなんていうことは、どうもあまり芳ばしくないことだと私は思うのであります。しかもその趣旨たるやこれは外務省に陳情してできるものでないと思うのでありますが、そういうものに対して、外務省はどういう態度を持っておられますか。願わくば、この問題につきましては、陳情政治のあまりないように、外務省としては一つのはっきりした線を打ち出してきていただきたい。よけいなことでありますけれど、北海道からいろいろなことで中央に陳情されております。話に聞きますと、一カ年間の陳情費が三億円以上にも上るというようなことを聞くのでありますが、こういうことについて、一々飛行機に乗ったり、大ぜいの者が陳情して小樽と函館で競争するとか、長崎から上京してくるとかいうような、日本の端と端から盛んに陳情をやっていたのでは、国民の税金もはなはだむだに使われるわけでありまして、この意味からいたしましても、外務省としては、そういう陳情はだめなんだということを一つはっきりと全国に知らしめていただきたいと思いますが、その点について外務省御当局の御見解といいましょうか、御答弁を願います。
○木村政府委員 御指摘の通り、先方の要請に基きまして、わが政府としては、その必要を考えまして合意に達するというのが領事館設置のあり方だろうと存じます。各地から陳情に参っておりますのは、これまたお説の通り、まことにわれわれといたしましても奇異の感を抱くのでございます。そこで外務省といたしましては、かような問題については慎重に検討してもらいたいということを陳情者に対しては申し上げておるわけであります。
○高岡委員 ちょっと話が飛びまずけれど、この総領事館の館員数というものはどうなりますか。これもやはり一つの考え方といいましょうか、五人とか十人というようなものを頭に描いていらっしゃるのか。これは必要によっては何百人でもいいというようにお考えになるのですか。
○木村政府委員 総領事館、領事館の館員の数でございますが、国際通念といたしましては、ほぼ適当な数字というものは出ておるのでございまして、何十名とか何百名とかいうような総領事館はごくわずかでございます。大体外務省としまして今考えておるウラジオに総領事館を置きますればまず五、六名というような数字を考えております。従って先方の総領事館館員数も、その辺のところで折り合いたいと考えております。
○高岡委員 物事がすべて素朴な議論をし、すべて常識で事を判断するというのなら、それは決して大したことにはならないとは思いますけれど、さっきも言いましたように、西ドイツでありますとかインドネシアには何百人という人が行っておるが、一体それだけの用事があるのか。インドネシアにしてどれだけの用があるかということになってきますと、これはちょっと常識では判断できないのであります。特殊の考え方とでもいいましょうか、常識判断ではそういう数字は出て参りません。しかし現実にそういうことがありますので、官房長の常識的にとか、あるいは一般慣例によってということでは、私はどこか袋のすみから漏れるような感じがしますので、一つそういう点は十分にお考えを願いたいと思います。といいますことは函館にしろ小樽にしろ、そういうところに総領事館ができますと、漁業問題について私は、相当人数が要るのじゃないかという気がするのであります。もちろんその建物の大きさからいって、函館に今修理中の旧総領事館の建造物の中に何百人も入れないじゃないかと、こうおっしゃるかもしれませんけれども、それは考えようによって幾らでもふやせます。隣の家を借りてもようございますし、また目抜きのところを借りても、借りることは随意でありましょうから、そうなってきますと、そういう問題もよほど最初から話し合いをきめて参りませんと、その場になってからそうじゃないと拒絶するというようなことになりますと、せっかくスムーズにいっていることが、そういうところでつっかえてしまって、今の漁業問題等について、もしもそういうことが起きますれば、せっかく両国の間にできました漁業協定も、条約も、根本的にこわされ、今まで善意にお互いが交渉しておったものが、悪意をもって交渉するに至りましては、善意と悪意の解釈というものには、非常に大きな幅が出て参ります。従ってそういうことから日本の漁民諸君にとんでもない大きな影響が加わってくるというようなことになりますと、これは漁民諸君の生活にも影響して参ります。従いましてそういうことがないように、あらかじめ十分の御配慮が願いたいと思います。 大体外務省の御意向がわかりましたので、私の質問は以上をもって終りたいと思います。
○前尾委員長 細迫兼光君。
○細迫委員 私がお尋ねしようと思ったことは大使館付武官のことであったのでありますが、高岡さんが大体お触れになりましたから、主として残ったところだけお尋ねしたいと思います。 ただいまアメリカからの大使館付武官は何人ぐらいおられましょうか。たしか軍事顧問団も大使館員ということになっていると思いますが、これを除きましてどれくらいあるでしょうか。
○木村政府委員 軍事顧問団は大使館付武官ではございません。大使館付武官として職にある者は、確実ではございませんが五、六名——数名かと思います。
○細迫委員 それからアメリカ駐在の日本大使館に自衛隊の者が行っておるという話ですが、どれくらい行っておりましょうか。
○木村政府委員 ワシントンにある日本の大使館に自衛隊の者は三名行っております。
○細迫委員 そのほかの国の日本の大使館に派遣せられておる自衛隊の者があるでしょうか。
○木村政府委員 お答えいたします。防衛庁はその三名だけでございまして、ほかの在外大公使館には一名も行っておりません。
○細迫委員 私はこう思うのです。いろいろな必要から大使館付武官というものが派遣せられる従来の慣行になっておりますが、まあ慣行を尊重するといたしまして、アメリカの関係において見るに、御承知のように膨大なアメリカの駐留軍があり、なおまた−軍事顧問団というようなものもあるのでありまして、アメリカとして大使館付武官に寄せておるいろいろな使命、用事というものは、これらの者によって十分果されるのではないかと思うのであります。いわんや自衛隊の者が三人行っておるということでありますけれども、これも日本の軍隊を持たないという建前からいたしますれば、いわゆる正式な武官といえない性質のものでありますし、いわんや日本とアメリカの関係を具体的に考えますれば、何もこちらから自衛隊の者を駐在させておく必要はないと思うのであります。彼我かれこれの必要性、バランスから考えましても、アメリカ大使館付武官の駐在というものは必要はないのではないかと思うのであります。今まで上海にあったいろいろの悪いものがみな東京に移されておると言われておりまして、その一つはスパイ合戦などというものも東京が世界で一番大きな場面になっておると言われておるのでありますが、こういうことは決して日本の名誉ではないと思います。よってアメリカの駐在武官などもお断わりする方針で、そうしてまたソ連からの駐在武官も従ってお断わりするというような方針をここに立てるべきではないかと思う。もしアメリカの駐在武官を容認するとしますれば、国際情勢の均衡上またソ連の駐在武官を認めなければならないということもありますし、また認めるのが均衡上必要であるという議論も必ずや出てくると思うのでありまして、この際それの解決の一つの要因としては、アメリカの大使館駐在武官をやめてもらうということだと思うのであります。これらについての御所見を一つ承わりたい。
○木村政府委員 御説示の点は今ここでお答え申し上げかねるのでござい出すが、目下武官制度というものを各国がどういうふうに運営しておるか、その内容その他につきまして、せっかく研究中でございます。いずれ資料が十分集まりましたら、何らか今の御質問に対してお答えできるのではないかと考えております。
○細迫委員 一体大使館付、武官というのは、幼稚なようなことを聞きますが、普通の大使館員としての外交官の特権を持っておるというような程度の存在下でありますか、あるいは駐在武官ということによって、普通の外交官とは別の何か取扱い、処遇を受けているのでございますか、お教え願いたいと思います。
○下田政府委員 国際法上大使館付武官は、外交団のリストにもちゃんと載りますフルの特権を持った外交官として扱われております。
○前尾委員長 松本七郎君。
○松本(七)委員 さっき穗積さんから資料を要求いたしましたが、アメリカの現在の大使館の館員数はもう御答弁になったのですか。それはわかりますでしょうか。今一番多いのはアメリカだろうと思いますが、そのアメリカの館員数だけでもちょっと御答弁になっていただきたいと思います。
○木村政府委員 確かなことはちょっと申し上げかねますが、三十人から四十人程度だと思います。
○松本(七)委員 それから戦前の米国、英国、それから当時のソ連の大使館員数は今おわかりですか。その比較。
○木村政府委員 この点もなおあとで調べましてお答え申し上げます。
○松本(七)委員 それでは戦前の米、英、ソ、仏ぐらいの比較でいいと思いますが、もしできればある程度広げて戦前の比較を一つ表にして出していただきたいと思います。 それから、今後こういったソ連の国交回復を契機に、今の国際情勢からいっても、だんだんアジア・アラブ諸国との関係も深くなってくるだろうと思いますが、特殊語学の普及の問題です。外務省でも今日やはりこういった専門的な言葉が、旧来どっちかというと、英、独、仏に重点が置かれ過ぎて、こういった語学がちょっと穴になっているのじゃないか、非常に弱いのじゃないかと思いますが、そういう点を充実する特別な御計画はおありでしょうか。
○木村政府委員 お説の必要は非常にわれわれも痛感しております。従来ございました特殊語学の職員が漸次老朽化いたしまして、反面新諸国が独立いたしましたために、特殊語学の職員の必要というものを速急充実強化しなくちゃならぬと存じております。来年度の予算におきましても、留学生制度を拡充強化いたしまして、三十名は年々特殊語学のために留学するという制度を確立したいと考えております。
○松本(七)委員 その中でもソ連の留学は何かすでに計画がございますか。
○木村政府委員 ロシヤ語の留学生も考えております。ロシヤ語の職員も漸次老朽化しておることは事実でございますので、これを新しく養成したいと考えておりますが、何名ということは——数名考えております。
○松本(七)委員 今アメリカといろいろスカラシップなんかやられておりますね。ああいったことを今後ソ連とやられる御計画がすでにおありですか。
○木村政府委員 外務省といたしましては、アメリカとの間にもスカラシップという制度は実行しておりません。ロシヤとの関係におきましても、その点は今考慮しておりません。
○松本(七)委員 スカラシップを文部省あたりやっておるのでしょう。ああいうことを日本政府として、外務省は広い立場から自分のところだけの仕事でなしに、研究しなければならない。その必要があるとみれば、率先して文部省に働きかけるなり、あるいは内閣でそういう方針を打ち出してこれをやる必要がある。そういうことを外務省として少しでも考えておられるかどうかを聞いているのです。
○木村政府委員 お説の点はまことにごもっともであります。その点も漸次具体化していきたいと考えておりますが、今お示し申し上げるよう具体案は持っていないわけでございます。
○松本(七)委員 ロシヤ語一つとってみても、今すでに日本の国民の中にはロシヤ語の研究熱というものはだんだん高まってきているわけです。しかもこれもなかなか設備だとかあるいは放送の時間的な割り振りその他で制約がある。それでもやはりいろいろ運動をやって、やっとあれは短波放送で一ころごくわずかな時間、午前非常に早い時間基礎講座の放送が始まった。最近になってNHKではずいぶんいろいろな署名運動やなんかやっておったようですけれども、最近やっと、これはたしか十一月三日からでしたか、東郷さんのロシヤ語講座がNHKで始まった。それが始まる前は短波放送だけだった。今後は急速にロシヤ語の研究熱は上ってくると思う。これは非常に望ましいことであって、政府としてもある程度そういう普及策を考えるべきじゃないかと私は思うのですが、こういう点に何か御計画がございましょうか。
○木村政府委員 お説の点はごもっともでございます。しかし先ほど申しました通り、まだお示し申し上げるような具体案はないわけでございますが、十分考慮に入れまして研究を進めたいと存じます。
○松本(七)委員 それから駐ソ大使は新聞ではときどき門脇次官に白羽の矢が立っているような報道がなされているのですが、ああいう報道が出ているところを見ると、すでに内定でもしているのですか。
○森下政府委員 これは人事の問題ですから私から答弁いたしますが、今そういう具体的なことは上っておりません。
○松本(七)委員 新聞に出ているのは全然誤まりだというのですか。
○森下政府委員 これは新聞情報と申しましょうか、正確なものではございません。
○松本(七)委員 それからこれはソ連に限ったことではないのですが、私どもが今まで在外公館における各地のいろいろな活動ぶりを見ておって今後充実しなければならぬ一つの点は、経済関係が一つと、それから文化情報活動が今後非常に伸ばさなければならぬ一面じゃないかと思うのですが、その点に対する外務省当局の今のお考えと、それからそれは全般的なことですが、ソ連に対して今度大使館を設置するに当って特に直ちに文化アタッシェのようなものを派遣される気持はないかどうか。
○木村政府委員 お説の文化関係を強化せよとの御意見につきましては全く同感でございます。何と申しましても国家間の友好親善関係の基礎をなすものは両国の国民の感情の融和でございまして、その基礎をなすものは両国の文化に対する相互の十分なる認識から出発しなければならぬと存じております。来年度の予算におきましても、文化関係につきましては特段に重点を置きましてこれを経費の上に織り込んであるわけでございますので、この点は、来年度はぜひ文化部の新設、その他映画関係による日本の国情の紹介等につきまして、また文化センターを各地に新設するという点につきまして、諸先生の格段の御尽力を仰ぎたいと存じております。 文化アタッシェをソ連の大使館に置く考えはあるかどうかという点でございます。この点は目下研究しておるのでございますが、とにもかくにも国交が再開いたしまして、当分の間その必要を十分考慮し、これが具体的な実施方法も考えました上でその点は実現に持っていかなければならぬと考えております。
○松本(七)委員 今まではソ連の映画一つあれするにも、関税の問題から、あらゆる点でアメリカとの非常な差があったわけです。こういう点は今後は全くアメリカと同じになりますでしょうか。
○木村政府委員 アメリカの映画と全然同じ取扱いになるかという点は、今何とも保証いたしかねます。この点も研究を要することと存じております。
○松本(七)委員 今何とも保証ができないと言われるが、大蔵省との関係その他あるのでしょうけれども、予想される問題点はどういうところにあるのですか。
○木村政府委員 外務省といたしましては、でき得る限り健全なる他国の文化を吸収するという意味におきまして、ソ連といえどもその映画に対して根本的に差異を設けるという考えは持っておりません。しかしながら大蔵省関係、文部省関係におきましても、この問題につきましては意見があることと思いますので、その点につきましての調整はまだ十分ついていないわけでございます。これも研究中と申し上げるよりほかにないのでございます。
○松本(七)委員 その問題でいろいろ具体的にお聞きしたいことがあるのですが、これはどうせ大使館設置になってからいろいろ支障なく運営する努力をしなければなりませんから、そのつどお伺いしたいと思う。 それからさっきから問題になておる駐在武官に限らないことですけれども、相互主義といっても、日本とソ連との間がお互いに同じ状態にやっていくということでなかなか進まなくなる問題があると思うのです。さっき武官の問題でも出ましたように、アメリカと日本はどういう状態になっているかということが、今後日本とソ連で交渉する場合にはいつも必ずいろいろな面で出てくると思うのです。そこで日本としては、かりに駐在武官を例にとってみれば、ソ連に対して、ソ連の駐在武官を受け入れる必要を認めない、従ってこちらも自衛隊から大使館に派遣する必要はないからこれはやめましょう、こういうことを言っても、現にアメリカの駐在武官は来ておるし、アメリカには自衛隊の者が行っておるというようなことから、どうして一体これを区別するかという問題が出ると思うのです。そのときに、それは相互安全保障条約を結んでいるとか、そういうことが必ず理由になるのでしょうけれども、これが問題だと思うのです。安全保障条約に基くところのいろいろな軍人の交流とかいうことはその建前で許されるでしょう。先ほどの下田条約局長の御説明のように大使館員なのですからね。その大使館としての関係は対等でやってもらいたい、こういうことは、理屈として一応言えることであります。こういう問題は必ず起ってくると思うのです。そこで、たとえばさしあたり問題になるのは、大使館員の人数にしましても、アメリカの今の大使館員と同じような人数で折り合いがつけば、これは問題ないでしょう。ここにひどい差ができるというようなことになりますと、これはただ日本とソ連との間の問題というようなことでは、幾ら相互主義でも、片づいたとしても、おもしろくない結果になるおそれがあると思う。こういうところを十分考慮しながら今後は運営していただかなければならぬと思うのですが、これについての御見解を伺っておきたい。
○木村政府委員 御説示のような考慮は十分めぐらしまして対処したいと存じております。
○松本(七)委員 最後に、これは特別委員会でも問題になった例のいろいろな政府機関——内閣官房の調査室から出ている国際情勢資料とか、公安調査庁から出ている国際情勢展望、ああいうところでいろいろな誹謗ととられるおそれのあるものが報道されておりますね。こういうものは外務大臣も御存じなかったようでございますし、法務大臣さえ御存じなかったようですが、今後はこういうことについて外務大臣が十分注意していただきたい。外務省は、自分の管轄でない、法務省は法務省としての立場から資料を流すことについて、外務省としては文句の言えた筋合いじゃないというようなことを先方の役所からは言われるかもしれませんけれども、しかし、外務省がほんとうに日ソの友好を今後深めていこうという立場に立って事を処理されるならば、こういった不当な宣伝その他については十分目を張って監視をされ、そして、そういう動きがあるときは外務省から進んで注意を喚起するくらいのことをこれからする必要があると思うのです。これは、下手をすると逆にそういうことのためにそれを助長するようなことになっては困るのですが、特に各省のこういうことについての行き過ぎを戒める意味で、各省よく連絡して、外務省が率先してそういうことを扇動するようなことでなしに、逆にそういう行き過ぎをチェックする働きを外務省は今後果していただきたいと思うのです。何かこういうことについての具体的なお考えでもありましたら、一つ御説明願いたいと思います。
○木村政府委員 お説はごもっともでございますし、われわれといたしましては、外交の面の責任は外務省にあることを考えておりますから、各省がまちまちな印刷物を出してまちまちの意見を発表するということは、外務省は極力これを調整して参ってきましたし、また今後も参らなければならぬと存じております。それがために各省のもろもろの連絡会もあるわけでございますので、そういうものを活用いたしまして、十分政府としまして外交方針並びにそれに基く施策につきまして、統合調整を進めて参りたいと存じます。
○松本(七)委員 それではこの前特別委員会で問題になった、あの公安調査庁から出ておる資料の内容だとか、それからその他国際情勢資料に出ておるラストボロフのアメリカにおける証言その他のああいったもの全部について一通り外務省は目を通されて、従来のものについてはこれを間違いないと認定されておるのでしょうか。従来はどうなんです。
○木村政府委員 正直に申し上げまして目が届かない点もあるのでございます。事務当局も随時でなく、定期的に集まって思想統一をしておるのでございますが、その中で出たり入ったりする点は従来もあったことを認めまして、今後はできるだけ注意して参りたいと存じます。
○松本(七)委員 今後特にその点は注意していただくことを強く要望して質問を終ります。
○前尾委員長 戸叶里子君。
○戸叶委員 大使館の設置ということになりますと、さっそく予算が必要になると思いますけれども、臨時国会で補正予算をお組みになりますか、どうなさるのでしょうか。
○木村政府委員 補正予算を出す意図は持っておりません。既定の予算でまかなっていけると考えております。
○戸叶委員 既定の予算でなくて、予備費か何かからお出しにならないでも間に合うのですか。
○木村政府委員 予備費で出さなければならぬ費目も出てくると思います。それは初度調弁費でございます。それから在勤俸の点でございますが、この作業が十分な資料の不足のためにまだでき上らないのでございます。ルーブルの国際経済価値というような点につきまして、またモスクワにおける物価その他各国がどういうような支給方法をとっているかということにつきまして、十分調べなければならぬ段階でございますので、予備金支出になりますか、通常国会で予算をお願いするか、その点は今何とも申し上げかねるのでございます。
○戸叶委員 もう大使館もいよいよできることになっているのに、そういうことでは少し心もとないような気がするのですけれども……。もう少しはっきりとしたものを何かお持ちになっていらっしゃらないと、非常に私どもとしては心もとないように思うのですけれども……。
○木村政府委員 在勤俸の点につきまして、外務省といたしましてはある数字が出ておるのでございますが、これを査定する大蔵省といたしましても、まだ十分に資料が整っていないので議が合わないのでございますが、万一大使を派遣する時期になりましてその点がきまらない場合におきましては、出張の形におきまして経費をまかなっていきたいと考えております。
○戸叶委員 それはやはり予備費の方から十分とるということになるわけですか。
○木村政府委員 さようであります。
○戸叶委員 もう一つ伺いたいことは、引揚委員会でもたびたび決議されましたけれども、マリク名簿以外の人たちの行方不明者の人たちあるいは遺骨など、今後の問題として日ソの合同調査委員会を作るようにということを提唱して、それを全権の方にも何回か電報で打っているはずでございます。このことにつきましては先ごろの特別委員会におきましても、二、三の人が質問をいたしましたし、私もそれについて質問いたしましたのに対して、大使館ができればすぐその問題は取り上げられるというふうなお話がございました。そこで当然外務省としてもこの調査委員会のことを、大使館ができると同時にお考えになっていらっしゃると思いますが、この点はいかがでございますか。
○下田政府委員 その点は交渉中にも、委員会の設置まではございませんが、十分先方に伝えておるわけでございます。そこでモスクワに大使館ができました上は、この引き揚げの問題が大使館のさしあたりの最も重要な業務になると思うのでございます。仰せのように委員会の設置に先方が同意するかどうかわかりませんが、たとい委員会という形式のものでなくとも、常時大使館員がこれに相当の時間とまた精力を投じて解決すべき問題だと思います。
○戸叶委員 そうすると先ほどからお話がありましたように大体三十名ぐらいを向うに派遣するということでございますが、その中に専門家もお入れになるという御構想と思いますが、この点いかがでございますか。
○木村政府委員 専門家と申しますと厚生省関係を意味せられるのだと思いますが、これは外務省関係の職員で十分やれることと存じております。
○戸叶委員 ちょっと、これに関連したことで他にそれますけれども、ついでに申し上げておきたいのですが、いろいろな国を回りまして、そして日本から行っております大使館、公使館を回ってみますと、いろいろな問題がございますけれども、その中で特に私が気の毒に思いましたことは、大使公使の方々は何とかやっていかれるにしても、その末端に働いておられる方は、外地へいらっしゃいますと車とかいうものは日常の仕事をする上にはどうしても必要になってくる。そうしますと車を何とか無理して手に入れるために月賦で苦労をしてようやくお買いになる。しかもその間は非常に生活が苦しい。ようやく買って御自分のものになったころになると、もうそれを持ってこられなくなって、それを売るといってもなかなか売られないというので、向うで十分な活動ができないという場合を私はいろいろなところで見て参りましたが、そういうふうな問題を解決するにも、何とか大使館におられる館員の下の方の方で特に車を必要として歩かれる人たちには、備付の車を買っておいて、それを代々利用できるような方法を外務省は特に考えるべきだと思うのです。今度の在外公館の設置法の一部を改正する法案を審議するに当りまして、こういうこともぜひ考慮して、この予算の上に組んであげることが必要ではないかということを感じましたが、これについていかがお考えですか。
○木村政府委員 まことに御同情ある仰せでございまして、われわれといたしましては同感でございます。来年度の予算におきましてはこの種の経費を特に多額に盛ってございますので、何とぞ御尽力をお願いいたします。
○前尾委員長 森島守人君。
○森島委員 簡単に一、二問だけお尋ねしたいと思います。 日ソ国交回復になりますと、親善関係を増進する上からいたしましても、双方の国民が相手国の情勢、内外の事情について正確な認識を持つ必要がある、これは申すまでもないことであります。従って新聞記者の相互駐在という問題が必ず起ってくると思います。これに対してはどういう御方針でもっていかれるか、腹案でもございましたら承わりたいと思います。
○木村政府委員 御指摘の問題がぼつぼつ起っておるのでございます。この問題につきましてもやはり相互主義で考慮していきたい。わが国の方からの新聞特派員は、経費の関係もありまして希望する社はそうたくさんはないと見ております。そこで先方にもその少い数字を相互主義で認めてもらいまして相互主義で処理していきたい、かように考えております。
○森島委員 言葉の上では相互主義というのは非常に聞えがいいのですが、言論界の構成が日ソ両国で違いますから、必ずしも相互主義でいき得るものとは私は考えていないのです。たとえばソ連を例にとりますれば、タスとイズヴェスチア、プラウダ、これだけしかないのであります。日本には相当な大新聞もありまして、今経費の関係で出せぬというお言葉がございましたが、相当数派遣を希望する社があるのじゃないだろうか。そうしますとどういうところで相互主義を貫いていこうとせられるか、この点を一つ明確にお答え願いたいと思います。
○木村政府委員 特派員といたしましてわが国から行く者は、モスクワに長く駐在するものと、経費上その他の都合でそれができないので、時々刻々の必要のある場合出張するという形式と二つあると思うのでございます。そういたしますと、現実にある時期をとりますと何名かがモスクワに駐在しておることとなると思います。先方とも今申されましたタス以下のものの数字とまず見合った程度において合意に達したい、かように考えております。
○森島委員 一例を引きますと、重光さんなんかがモスクワに行った場合に、共同通信の特派員が入国を認められなかったというふうなことを聞いていますが、相互主義から割り出したということでございますけれども、これは何らか特殊な理由があったのでございましょうか。
○木村政府委員 この間重光大臣一行が参りましたのは相互主義というわけでございませんで、特に何名かを申請いたしまして先方の許可を得たわけであります。共同の場合には特殊の理由はないように私どもは了解しております。
○森島委員 そういたしますと、この問題については戦前にも日ソ間に非常な意見の食い違い等があってうるさい問題が相当あったのであります。その点については明確に了解をつけられる必要があると思うのです。 次に私お伺いしたいのは、少しそれますけれども、いつでしたか日付は忘れましたが、ネパールにインドの吉沢大使が兼任公使ですか、親任状奉呈に行かれたとか行かれなかったとかいう記事がありましたが、ネパールの関係はどうなっておりますか。
○木村政府委員 インド駐在の吉沢大使がネパールの大使を兼轄いたしまして、親任状奉呈に参りました。
○森島委員 そういたしますと、ネパールの大使館設置に関する予算措置、もしそれが必要でないとしますれば、これを設置した手続はどうなっておるのでございますか。私は今度の臨時国会に提出されて承認を求むべきものだと思いますが、この点に手落ちはございませんか。
○木村政府委員 ネパールにおけるわが大使館の設置は政令で行いました。在勤俸の問題等でも予算を伴わないので、最近の国会に提出する必要はないと考えまして、通常国会に提出しようと考えております。
○森島委員 私はその点少しお考え違いじゃないかと思います。政令で設置する以上は非常に緊急な必要がある場合だと思う。これは緊急な必要があったかないかは私ここで問題にいたしません。しかしなるべくすみやかに国会に承認を求めることが外務省の義務であると思う。幸いソ連大使館の設置について御承認を求めておられるのでありますから、これと一括してすでに処分済みのものを御承認を求められることは私は必要だと思う。この点に関する御見解はいかがなものですか。
○木村政府委員 御指摘の点は十分われわれとしましても考えたのでございますが、法制局とも相談いたしまして、今回の臨時国会はソ連関係にできるだけ限局するという建前もございまして、通常国会の方に回したわけでございます。法制的には手落ちはないと存じます。
○森島委員 私はその点については見解を異にしております。これは緊急な必要があっておやりになった以上は、なるべくすみやかに国会の承認を求められることが適当だ、法律の枝葉末節がどうだということは私は議論いたしませんが、政策的には外務省としてもっと親切に国会の承認を求められることが諸般の関係上いい、私は確かに手落ちだったということを断定するにやぶさかでない。 それからもう一つお聞きしたいのは、ハバロフスク方面から相当ソ連関係で勤務しておった方が帰ってきておられると思う。これらの方の外務省における受け入れと申しますか、これはどういうふうになっておりますか。
○木村政府委員 そういう職員は全部外務省の職員に復活して今フルに俸給を取っております。また病院に入院しておる者もございますので、私みずからお見舞申し上げております。
○森島委員 これらの方々の中には私の下で働いた人もいます。相当の年令に達しておられると思いますが、私の考えでは、ロシヤの関係の人が非常に少いようです。私はこれを十分外務省としても活用せられることが必要だ、こう存じております。これはまあソ連側でいわゆる戦犯になっておったのですから、これが再びソ連に入国して外務省関係者として勤務する上については何らかの支障があるかないか、これらの点についてもしおわかりなら一つお答え願いたい。
○木村政府委員 お説の職員につきましては、十分にその状況に同情をいたしまして考えていきたいと存じております。
○森島委員 よろしゅうございます。
○前尾委員長 穗積七郎君。
○穗積委員 前質疑者と重複いたしましたら御注意いただければあとで速記録で拝見いたしますから、簡潔に御質問いたしますので簡潔にお答えいただいてけっこうであります。 先ほどお願いいたしました資料は整いましたでしょうか。
○木村政府委員 まだ完結していないのでございますが、わが方の派遣定員は今申し上げることができるのでございます。わが方の予算定員は、米国に対しては六十一、英国に対しては三十七、フランスに対しては二十五、インドに対しては十七、ドイツに対しては十三、タイに対しては十四、おもだったところはかようになっております。
○穗積委員 向う側からこちらに来ている人は。
○木村政府委員 向う側からこちらに来ている人間の数字は目下調査中でありますので、しばらく御猶予願います。
○穗積委員 たとえば今おっしゃいました米、英、仏、印、独等は、正確な端数までは別として、ラウンド・ナンバーは大体おわかりだろうと思うのです。たとえばアメリカのごときは、われわれが聞くところでは膨大な館員がおられるようですが、それは大体わかるでしょう。ラウンド・ナンバーでもけっこうです。間違っておればあとで訂正してもらえばいいのです。一々そう端数までやかましいことは言いませんからね。
○木村政府委員 お答えいたします。在京外交団リストによりますと、米国四十一、カナダ十一、英国三十九、フランス十七、ドイツ十、イタリア六、インド六、タイ十三、中国二十二、かようになっております。
○穗積委員 そうすると、たとえばアメリカのごときが四十一なんということはちょっと想像がつかないのですが、われわれ仄聞しているところでも、あそこの旧大使館だけでは入り切れないで、A、B、C、D、Eくらいまであるのじゃないですか。五つか六つのやかたを使って、むしろ外務省の人数より多い人を使っているようですが、そういうのはもぐりですか。
○下田政府委員 アメリカは大使の官邸の下にございます霊南坂の事務所と、もう一つ旧満鉄ビルのところにあるわけでございます。A、B、C、D、Eというのは、むしろ宿舎の寝泊まりするところでしょう。
○穗積委員 それはA、B、C、D、Eは宿舎、事務所に使ってもいいわけです。とにかく大使館活動を中心として、駐留軍活動とは別に大使館活動に日常働いておる人々が四十一人や五十人どころではないはずなんです。二けたか三けた違うのじゃないか。それは結局もぐりですか。
○下田政府委員 外交団リストに載っておる以外のスタッフにつきましては実はわからないのでございまして、日本人も現地雇いで働いておるでしょうし、また商売で来たアメリカ人も現地雇いでおるでしょうし、運転手もありますし、実際いるのは四十一人ではないと思いますけれども、これは特権を要求いたしませんし、日本側に通告しておりませんから、その実態把握は困難でございます。
○穗積委員 そうすると軍の関係は、向うで兼務しておる人はわかりますね。
○下田政府委員 この四十一人と申しました中には、もちろん陸海空軍武官及びマーグの高級の八人でございますか、そういうものは全部入った数でございます。
○穗積委員 私の言うのは大使館付でない軍人ですね。そういうのが大使館の任務を果しておる。情報関係とか宣伝関係とか、あるいは調査活動とか、そういうのは少くともオフィシャルな人であるならば、大使館であろうと軍であろうと、オフィシャルな人は、全部登録してあるはずだろうと思うのですが、そういう人が勤務しておる数はわかりませんか。
○下田政府委員 行政協定に基きまして駐留しております軍人、これは全然これとは別ものでございますので、この中には入ってないわけであります。また駐留軍に要員として入った者は、大使館の仕事をするということはできない建前に相なっております。もちろん連絡はあるでございましょうけれども、大使館の仕事はできないことになっております。
○穗積委員 いや形式はそうであろうとも、実際やっておるものについては調査なすっておりませんかどうか。
○下田政府委員 その点は割合に画然としておりまして、同じアメリカの軍人でありながら、アメリカの武官と市ケ谷におるGHQのスタッフ、これとはちょっとわれわれから見ておかしいぐらいに他人行儀でありまして、その間の分け目は截然としておるようでございます。
○穗積委員 それではオフィシャルでなくても、しかし入るときは民間としてプライベートで入ったにしても大使館の活動に協力しておる人々の数というものは、大使館員として登録されてなくても、その活動に協力している人の実状くらいは調査しておるはずですが、その調査資材があったらこの際示していただきたい。
○木村政府委員 今手元にございませんのですが、日本側の在外大使館におる人間もローカル・エンプロイメント、現地雇用員というものはおるわけでございます。それと同様にこちらのアメリカの大使館も現地雇用員、アメリカ人の現地におる雇用員というものがあるはずでございます。
○穗積委員 そうしますと、政務次官にお尋ねいたします。日ソの国交が回復いたしますと、かの国の人とわが国の人が交流いたしますについては、これは自由にと申しますか、従来のような、こちらから渡航するにしても入るにしてもやかましい閣議決定だか何だか知らぬけれども、そういう制限を加えるのですか、アメリカと同様にお取り扱いになりますか。
○森下政府委員 アメリカと同様やはり成規の手続だけは踏みます。
○穗積委員 そういたしますと、従来ソビエト並びに中国関係の諸君が日本へ入る場合、またこちらからかの国へ招待または商用をもって行く場合に、アメリカヘの旅行とは非常に区別されてきびしい制限がございましたことは御承知の通りです。それは中国はしばらくおきまして、国交回復後のソビエトとの関係については、アメリカと同様に出入国の許可の基準を取り扱うと理解してよろしゅうございますか。
○森下政府委員 成規の手続を踏んでどこまでも参ります。
○穗積委員 成規の手続と申しますのはどういう意味かわかりません。ちょっとそこのところが不明確なので聞きたいのですが、密航者ではないのですよ。密航者でなければ成規の手続を踏んでヴィザをとり、パスポートをとって行ったり来たりする場合に、アメリカと同様に取り扱っていくという意味に伺ってよろしゅうございますか。それとは別にソビエトとの人の行き来については相変らず制限を付するつもりかどうか、それを伺っておきたい。
○森下政府委員 さようなことは考えておりません。
○穗積委員 それではよくわかりました。そうなりますと、そういうことで商用または文化的な用務を帯びて日本へ参りました者、これが大使館に勤務をいたしましても、これはローカル、エンプロイメントでよろしいわけですね。
○下田政府委員 すでに日本政府が入国を認めましたソ連人を、ソ連の大使館が自分のところで雇用するという場合に、これは日本側としては制限するわけにいかないわけであります。
○穗積委員 続いてお尋ねいたしますが、現在市兵衛町ですかに貿易代表部と称するものがありますね、あれは今どういう取扱いになっておりますか。
○下田政府委員 チフヴィンスキ氏以下の狸穴のスタッフは、漁業に関する公約の資格を認められておりますが、ハンガリジャン等の別のスタッフは、これはいまだ何らの公的資格を認めておりません。
○穗積委員 かの国は国営貿易でございますから、同様に貿易活動が活発になりましたときには、政府または政府に準ずる機関の代表が来る。それはちょうどアメリカの商社が日本に支店を持つ場合と同様だと思うのだが、そういう貿易活動については、東京に限らず全国至るところ自由に持たせるおつもりでございますか。さらにまたついでに伺っておけば、たとえば学校を設立する、病院を経営するという場合も、自由に取り扱うと理解してよろしゅうございますね。
○下田政府委員 ソ連は御承知のように国営貿易でございますので、ただいまおります者も実はソ連の公務員なわけでありますが、しかし仕事は日本の商社と取引しておりますので、それで公的資格を認めなかったわけでありますが、外交再開後彼らがどういうステータスになるのかチフヴィンスキーに聞いたのでありますが、チフヴィンスキーも大使館員になるかどうかわからぬと言っておりますし、これは未定ですが、かりに今後大使館の商務官式のものになるといたしますれば、これはやはり外交官としての特権を付与することに相なると思います。またその商務官等が日本国内に活動する場合にむろん工場施設、関係商社との往復のために旅行することはこれは当然なし得ることでありますけれども、国内の各所においてオフィスを持つというようなことは、これは慣例上、大使館の商務官はやはり東京の大使館で常時勤務すべきものであって、随時の旅行は許されまするけれども、国内の方々に事務所を持って活動するということは慣例上認められないと思います。
○穗積委員 たとえば今度中国の場合でも、民間協定によって貿易代表部を設置しよう、その場合にはいわゆるオフィシャルでなくてプライベートというか民間代表部の取扱いでよろしい、少くともアン・オフィシャルの取扱いでよろしい、こういうことになってくるわけですね。そういたしますと向うの輸出入公司が取引のために商品別によってあらゆる地域へ支店、ブランチを置かなければならぬ。支店というのは会社の支店というような印象を与えて工合が悪いが、出張所といってもけっこうですが、そういう場合には、アメリカの場合においてはまたわが国から向うに出した場合には支店という名義になるわけですが、そういうことは自由であるべきですね。国内法の一般の制限は受けますけれども、それ以外においては何ら特別の取扱いはしないわけでございましょうね。
○下田政府委員 ソ連の商工業関係の支店というものが設置されることはあまりないように聞いておりますが、しかし日本に造船の発注をする場合に、日本の造船所のあるところにやはり常におらなくちゃなりませんから、オフィスみたいなものを借りて、その必要な期間にそこで仕事をするということはこれは認めて差しつかえないことだと思います。
○穗積委員 学校、病院その他社会事業施設を設置する場合には、アメリカ同様に日本においても区別なしに取り扱うつもりでありますかどうか。
○下田政府委員 外国人が日本で学校を経営し、あるいは病院を設置するということにつきましては、それぞれ文部省、厚生省等の所管におきまして許可基準がございますので、その許可基準に照らしまして妥当と認めた場合には許可になり得ることだと思います。
○穗積委員 私のいうのはそういうことではございません。それは一般的な許可基準であって、アメリカなりイギリスの場合と区別をするかしないかということです。
○下田政府委員 この許可基準は国内法でありまして、国内法はどこの国を相手としてという差別待遇を規定いたしておりません。
○穗積委員 それから念のために伺いますが、大使館員の家族は員数の中にむろん入らないというのが慣例でございましょうね。
○木村政府委員 入りません。
○穗積委員 タイピスト、運転手、料理人等々はどうでございますか。これも向うの一般の人を連れてきても館員の員数の中に入りませんね。
○木村政府委員 外交団リストには入らないと思います。
○穗積委員 それらは入国は自由でございますね。
○木村政府委員 これも自由ではございませんので、協議の対象になりまして、政府としては相互主義でいきたいと思っております。
○穗積委員 次にお尋ねいたしますのは領事館でございますが、これも大体原則は相互主義ということになろうと思うが、相互主義の場合には両方が合意に達しないと相互主義にならない。たとえば日本の方で領事館を一つくらいウラジオかナホトカあたりに置けばよろしいということから、向う側からたとえば函館あるいは舞鶴あるいは九州のどこか、そういうところに置こうと思っても、こちらが一つだからお前の方も一つにカットしろということになっては、これは必ずしも平等ではない、要求が合理的であるならば平等ではない、こういうわけでありますが、領事館については、すでに日本国内におきましても、北方、日本海沿岸は特にそうでございましょうが、これらの諸君、特に中小企業の諸君は、今貿易上行き詰まっておりまして、いわゆる対ソ貿易よりは対岸貿易という言葉すら使われておるほどでございます。そうして各地において、ソビエト領事館を置いて貿易取引のために役立てたい、こういう陳情または要望が、もうすでに外務省にも出ておると思うのです。そういう場合に、もうそろそろ検討を始めていただくべきだと思うのだが、そういうことについて今後検討をなさる御方針なり、大体のお見込みでもよろしゅうございますが、それがありましたら一つお示しをいただきたい。
○木村政府委員 今の穗積委員の御質問でございますが、先ほど来高岡委員の御質問にお答えいたしましたので、その点は答弁済みでございます。
○穗積委員 了解いたします。 もう一つは、こまかいことでありますが、先ほどお話があった費用のことです。私ども旅行いたしまして、今、円とルーブルの換算レートがないものですから、ドルに直して両方がやるわけなのです。そうすると一ルーブル、九十円の比率になって、日本側に非常な不利になる。そして、物の値段から見ますと非常に高くついて、われわれの直観では、大目に見まして四分の一から三分の一見当が大体対々じゃないかという印象を持っておるが、これは早く調整をしなければいけないと思うのです。そうでないと、たとえば今度鳩山さんが旅行なさって七千万円か八千万円使ったといわれるが、それらもおそらくドルに換算を通じてやってきたからこういうことになってしまって、非常な支出になるわけです。そういう点は急速にやるべきだ。それを基本的に解決するためにはやはり貿易協定なり為替協定なり、あるいは通商航海条約というようなものをどんどん次次に積み重ねていかないと——今言った大使館を設置した後の支出くらいならまだ大したことはございませんが、為替決済の方法が、かの国とわが国と、事情が違いますから、多少方針が違うでしょう。そういうような場合にも、どうしても現金決済の、やるやらぬは別として、基準を作らなければならない。そういうことについて、当面は今言いましたような大使館の支出を合理的なものにするためから始まるわけでしょうが、いかような方針を持っておられるか。まだ未答弁でしたらこの際明らかにしておいていただきたい。
○木村政府委員 官房的な点は私から答えていいと思うのでありますが、あとの方の貿易決済等の問題になりますと経済局長がいいと思いますが、給与の点、出張費の点等につきましては御指摘のような不利がございまして、外国大公使館の例を当ってみますと、在勤俸の給与などは特別ルーブルというような言葉で特別の換算レートによっておるのでございます。そういう特別ルーブルがどこから入手されるものであるか等につきまして目下調査中でございますので、そういうレートの不公正といいますか、実情に合わない点の調整は漸次はかっていきたいと思っております。
○前尾委員長 松田竹千代君。
○松田(竹)委員 きわめて簡単でありますが、中南米の諸国のうち数カ国が近年わが国との通商、移民関係その他でいろいろ緊密化して、その数量もふえてきたということで、従来われわれから見れば、中南米を外務省は軽視し過ぎているものではないかとさえ思われるくらいに考えておったのでありますが、ようやく外務省でも認識を改められて、そのうち数カ国を現在の公使館を大使館に昇格せしめるの議がまとまったということを承わっておりますが、それは明年度の予算面にも現われるようになっておりますか、どうなっておりますか、お伺いしたい。
○木村政府委員 中南米におきまして、来年度の予算にドミニカ、チリー、コロンビア、ペルーを大使館に昇格することを考えております。
○松本(七)委員 今まで日本にいたソ連人が、商売をしておったりいろいろな人がおるようですけれども、国籍はどうなっておるのでしょうか。日本に今のソビエト共和国連邦の国籍を持った人で、民間人がおりますか。
○木村政府委員 私はそれは白系ロシヤじゃないかと思います。ソ連人の国籍を持っておる者が日本で商売をしておるということは考えられません。
○松本(七)委員 そうすると、白系ロシヤ人の扱いというものは、国交回復によっては何ら違いはないということでありますか。
○木村政府委員 何ら変りはないと思います。
○前尾委員長 他に御質疑はありませんか。——御質疑がなければ、これにて本案に関する質疑は終了いたしました。 本案につきましては、別に討論もないようでありますから、直ちに採決いたします。 在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前尾委員長 御異議なしと認めます。よって本案は原案の通り可決いたしました。 なお、本案に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前尾委員長 御異議がなければ、さよう決定をいたします。 次会は明二十九日午前十時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十三分散会 ————◇—————