運輸委員会 第5号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/12/05
会議録
○松山委員長 これより運輸委員会を開会いたします。 この際お諮りいたします。会期終了も間近でありますので、閉会中も委員会が運営できまするよう、閉会中の審査案件として一、陸運、海運及び空運に関する事項、二、観光に関する事項を議長に申し入れたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松山委員長 御異議がありませんので、さよう決定いたします。 —————————————
○松山委員長 この際お諮りいたします。小委員会の設置についてでありますが、本委員会に付託されました請願は今日まで三十七件であります。この審査をいたすために請願審査小委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松山委員長 それではさよう決定いたしました。 なおお諮りいたします。この小委員会の員数、小委員の指名、小委員長の選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと思います、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松山委員長 それではさよう決定いたします。 それでは理事の 今松 治郎君 臼井 莊一君 木村 俊夫君 畠山 鶴吉君 山本 友一君 青野 武一君 中居英太郎君 を小委員に指名いたします。なお小委員長には畠山鶴吉君を指名いたします。 —————————————
○松山委員長 それでは前会に引さ続き、陸運及び海運について調査を進めます。井手以誠君。
○井手委員 前会、民営バスの独占に伴う弊害と、陸運行政の不明朗について若干質問いたしましたが、それに続いて自動車局長にお尋ねをいたしたいと思います。あとで大臣に承わりたいと思いますので、なるべく早く出席をされるよう委員長において御配慮を願いたいと思います。 前会私は例をあげまして、佐賀県の小さな一市内において、市内バスの料金が十五円均一であるという不当性を指摘したわけでありますが、この点については陸運行政、陸運監督の不行き届きから、運賃区界が定められていない結果ではないかと思うのであります。同じ会社のバスが、他の市内へ入れば市内十円均一になるというこの不合理、これは早急に改められなければならぬと存じておりますが、これに対する局長の御見解を承わりたいと思います。
○山内説明員 現行のバスの運賃の体系につきましては、物価統制令の時代にきめられたものを、物価統制令が廃止になりましたあと、そのまま運輸省のそれぞれの所管の法律に引き継がれた関係がございまして、大体現在のバスの運賃というものが、物価統制令の最高価格によりましてきまったものがまだ大部分の状態でございます。それで先般御指摘のありました、店津市内の十五円という運賃がどうしてできたかということでございますが、当時の物価庁の運賃に対する認可が、あの当時のいろいろな物価を算定いたしますために割合に簡略な制度をとっておりまして、大体キロ当り賃率と各種の割増し制度というものを認可の基準にきめておりまして、具体的なその適用につきましては届出をもって足りるというふうになっておったわけであります。先般御指摘の唐津を起点といたします運行系統を事務的に調べましたところ、二十三線あるわけであります。そのうち唐津、唐房入口というところを通過する系統は、ただ九系統でございます。それで唐津、唐房入口のキロが四・一キロということになっておりまして、唐津と、その次の運賃区界が唐房入口ということになっておりますので、この唐津、唐房間に乗降する客からは全部十五円を取るということになっているわけでございます。これは合法的にそういう運賃制度になっているわけでございますが、その後運輸省におきましては、ケース・バイ・ケースで運賃の改訂を赤字の会社に対してはやっているということは、先般の当委員会でもお話し申し上げたわけでございますが、現在運輸省でとっております運賃体系といたしましては、単にそういう賃率をきめるだけでなくて、こういう不合理の起らないように、二キロないし三キロの間には必ず運賃区界となる停留所を作らなければならないというふうにしておりますので、この会社の運賃が改正をされるということになりますと、唐津、唐房間が一区間である、運賃区界がそれ以外にないというようなことは、われわれの方の基準から認められないわけでございまして、その間にあるいは一つ、あるいは二つの運賃区界ができることとなると思いますので、他の都市、あるいは全体的なそういう一般的な運賃体系に変えれば、初乗り——初めて乗って十五円、何でもかでも、短かい区間でも十五円払うという不合理はなくなることと思います。
○井手委員 十五円制の不合理に対しましては当局もお認めになりましたが、その不合理を是正するには、陸運局に対して一個の通達で私は直ちに実行できるものだと考えております。最低一週間か十日間くらいで実行できるかと思いますが、一応余裕を見まして、年内に実行なさる、こういう不合理を是正される決意があるかどうか、その点を承わりたい。
○山内説明員 これは不合理といいましても、そういう運賃制度が正式に認められているわけでございまして、御承知のように、運賃は申請主義をとっております関係上、これが公益に違反するというまでにはなりませんので、命令で直すよりは、やはり会社にそういうふうに話をいたしまして、その間行政的に不合理をなくす方がいいのじゃないかというように考えております。
○井手委員 その市内には市営バスを作れという要望がきわめて強いのであります。と申しますのは、十五円の均一制が非常に高いという面からでありまして、そのためにお互いの生計に重大な影響を与えるとは申しませんけれども、こういう不合理がわかりましたら、すみやかに直させることが陸運行政の眼目であろうと思います。すみやかに会社の申請を待たずに、一つ勧告をなさっていただきたい、これを要望いたしておきます。 続いて、先会も指摘いたしました唐津−呼子間あるいは莇原−武雄間、これは建設省の調査によりますと、前者は十二キロ九、後者は十四キロ若干であります。これがともに七十円取っております。その会社の認可料金はキロ当り三円三十銭であるにかかわらず、五円ないし五円四、五十銭に当っておるのであります。そこで私はお尋ねいたしまするが、山間料金割増し、坂路割増し料金、それがどうも全線にわたって取られている。しかも三割増しでもなお高いのでありますがこの山間部割増しとか坂路割増しというのは、その坂路の部分だけでありますか、全線に適用されるものでございますか、その点をまず伺っておきたい。
○山内説明員 坂路割増しはいろいろこまかい基準を物価庁の当時に指令をいたしておるわけでございますが、大体の原則といたしましては、坂路区間の距離が運転系統全区間の二分の一以上あり、かつその坂路の平均勾配が六十分の一以上あることを条件といたしておりまして、その坂路の部分だけ坂路割増しの適用をする原則に物価庁当時きめております。
○井手委員 そういたしますと、ごく一部に坂路があった。そういうときには坂路が全線の二分の一に達しませんので、その部分の割増しだけでも徴収できないと考えるのであります。かりにそうでありましても、三円三十銭の認可料金に対して、わずか十三キロあるいは十四キロのものに七十円の料金を徴収することは、私は少し高運ぎはせぬかと思うのでありますが、いかがでありましょうか。私はずっとその線に乗っておりますので事実を知っております。これは建設省の距離でもございます。もし距離や料金に不審な点がありますならば、運輸省では進んでこれを調査して是正される必要があると存じますが、いかがでございますか。
○山内説明員 われわれといいますか、当時の物価庁で算定した基準を御説明申し上げたいと思います。一例をとりますと、ただいまお話のありました武雄莇原間は十七キロ二分とわれわれの方は計算をいたしております。この十七キロ二分と申しますのは、道路現況調査による数字でございます。それでこの運賃計算の基礎を申し上げますと、莇原−大崎間が山間の三割増しの賃率を適用いたしておるわけでございます。それに三円三十銭の平坦部の運賃といたしましては六キロ分を取っております。残りの十一キロ二分が三割増しの運賃になっておりまして、トタールして七十一円という運賃が出ておりまして、これを四捨五入して七十円となっておるわけであります。
○井手委員 その計算の基礎に私は大きな誤まりがあると思う。けさも聞きましたが、建設省の里程とはだいぶ違うのであります。しかも坂路は、あなたはただいま莇原から大崎までとおっしゃいましたが、そのごく一部分だけが坂であって、両方は平坦部でございます。そういう点は一つ誤まりのないように、この委員会で指摘された以上はすみやかに御調査を願いたいと思います。正しい坂路の長さであるのか、正しい里程であるのか、一つ御調査を願いたいと存ずるのであります。 続いてお尋ねをいたしますが、これは団体貸し切りの問題であります。例をあげて申し上げた方がわかりやすいと存じますので、申し上げますが、武雄一嬉野間には現在国鉄バスが運転されております。大体十三キロであります。その沿線は大体三ヵ町村くらいでございますが、その沿線の人が、あるいは嬉野温泉に来られた観光客が、近くの民間会社に貸し切りバスを申し込みますと、なかなか間に合わぬのでございましようか、簡単にできないという返事であります。しようがありませんので、目の前にあるところの国鉄バスの団体貸し切りを申し込みますと、今日まで何回申し込んでも一回として認可になったためしがないのであります。これはもうすでに御存じでありましょうが、門司の自動車部でございますか、協議会でございますか、そこに連絡がいく、陸運局に回り、そこから陸運事務所に回りますと、陸運事務所から民間会社に知らせがあって、ほんとうにないのかという注意があると、何とかいたしましょうといって、日にちがたってから回ってくる。従ってその間非常な不便をみな痛感しておるのであります。沿線の住民は非常に不便を感じておる。しかも民間から回って参りますその貸し切りのバスには千円、二千円の回送料がつくのであります。私は、この乗合自動車なりあるいは貸し切りバスなどというものは、まず利用者の便が第一でなければならぬと存じております。公共の福祉という道路運送法の第一条の精神から考えても、まず公共の福祉、利用者の便利を考えなければならぬと思っております。しかるにこういう結果にいつもなっております。従って結果から申し上げますれば、陸運事務所なり陸運局というものは、会社の御用を承わっておるような感もいたすのであります。従って私がお尋ねいたしたいと思いますことは、民間バスと国鉄バスの調整の問題がいろいろあることは承知しておりますが、少くともその国鉄バスの走っておる沿線の町村からの申し込み、沿線の町村に発着する団体バスの申し込みに対しましては、国鉄バスも簡易な方法によってこれに応ずるだけの用意を願いたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。
○山内説明員 ただいま御指摘のありましたように、国鉄バスと民間バスの調整は、バス業界において非常に重要な問題の一つになっておることは御承知の通りでございますが、国鉄バスは、国鉄の関連の事業としてやっておるわけでございます。この点につきましても、しばしば当委員会でも御説明いたしましたように、鉄道の先行、代行、短絡、培養というような使命のために国鉄のバスがあるわけでございます。団体貸し切りとなりますと、その点相当縁が遠くなるということで、本来的な業務とは考えられないわけでございますが、ただいま御指摘のありましたように、その地方に国鉄の営業所があって、ほかにそれれを経営する業者のない場合に、それまで不便をして国鉄バスを使わしてはいけないということでも、実際の時宜に適さないということで、ほかの民間会社の営業所のない地区には、国鉄バスの団体貸し切りも認めるということにいたしておるわけでございます。またほかのバス会社の営業所がありました場合におきましては、これは繁忙時になりますと、団体貸し切りバスというものは、どこでも非常に少くなるわけでございまして、そういう場合に、今国鉄バスがあいていて使えるという状態であれば、できるだけ簡易な手続で地方の需要に応じられるようにということで、元来言いますと、国鉄バスにつきましては本省で処理することになっておりますが、地方の事務所が電話でそれを指示するという建前にいたしておりまして、上級官庁につきましては事後の報告でよろしいということにいたしておるわけでございまして、御指摘のような場合には、できるだけそういう地方の御要望に対応し得るように、事務所あるいは陸運局といたしましては簡易なそういう臨時免許の処置をとらなければならないものである、かように考えております。
○井手委員 貸し切りバスについての御答弁は、答弁だけとしてはけっこうなものだと思っておりますが、そういうお話はいつも聞くのであります。直接参りましても、そういうけっこうな話を聞くのでありますけれども、実際はそれが実行されておりません。何べんとなくそれを相談しておりますけれども、それが陸運局なり陸運事務所でとめられている。しかも沿線の住民は回送料は取られるし、日数がかかるというようなことで、今日でも非常に不便をなめさせられております。この点は、時間の関係もあり、同じ問題を長くは申し上げませんけれども、他の会社の営業所がありましても、その営業所ではそういった車の貸し切りその他についての権限を持ちませんので、らちがあきません。従って少くとも沿線の住民は、沿線に発着するものだけについてはすみやかに一つ国鉄バスでも利用できるように、格段の御配慮を願いたいとわれわれは要望申し上げる次第でございます。 そこで続いてお尋ね申し上げますが、最近各民間、バス会社の間に事業区域というものが設けられているようであります。地元の新聞を読み上げますと、一部業者に便宜か、こういう表題が載っておるのであります。続いてほかのあとの新聞には、協定に不満の声、くすぶるバス会社のなわ張り問題、こういう表題のもとに大々的に報道されておるのであります。この事業区域の設定のために、従来の縁故なり、あるいは好みの会社に団体バスの借り切りができないという不便を多くの人が持っておるという事実。なるほど不当な競争はいけないでありましょう。ダンピングによる経営の不振ということも悪いでございましょう。それは調整しなくてはなりませんけれども、一部の業者を有利にするような事業協定。一般のものが自分の希望するバスを求めるためには、汽車やバスやその他の便によってわざわざ他の地に行ってから貸し切りのバスを求めるというような不便、これは私は改めなければならないと考えておるのでありますが、この事業区域、これに対する自動車局長の御見解を承わりたいのであります。
○山内説明員 御指摘の通り観光バスにつきましては非常に競争が激しいために、何と申しますか経営に無理をいたしまして、事故の原因になるというととも間々あることでございます。その点、激しく競争したためにそういう不測の事故を起さないように、各陸運局におきましては心配をいたしまして、監督を厳重にしておることは事実でありますが、佐賀県に例をとってお答え申し上げますと、佐賀市の交通部の事業区域といたしましては、佐賀県、福岡県、熊本県、大分県一円ということになっておりまして、また祐徳自動車につきましては福岡県、長崎県、大分県、佐賀県一円、昭和自動車におきましては佐賀県、福岡、長崎、大分、熊本県一円、こういうふうに事業区域が相当広いと考えられるわけでありますが、御質問の趣旨がちょっとのみ込めない点があるわけでございます。
○井手委員 私が申し上げますのは、各会社ごとに、自分のなわ張りはこの市とこの郡の何村と何村というふうに、市町村別に詳細に区切ってあるわけであります。従ってそれ以外の地区からは団体貸し切りバスの申し込みができない、こういうふうになっておるのであります。事業区域と申しますと、おっしゃるように福岡、佐賀一円とかというようなことになっておりますが、私が申し上げますのは、各民間バスの事業区域を市町村ごとにこまかく割ってある。従って隣の者はほかの会社のバスを借り切ることができないという不便が非常に多いのでありますが、こういう事業区域についての見解でございます。
○山内説明員 それは会社の営業のやり方のことではないかと思われるのであります。役所といたしましては、こういう免許をいたしますれば事業区域はこれだけでございまして、会社が単独で、お互いにそういうことをするということは関知をしないわけでございます。ただ遠方の会社を利用いたしますときには、回送料をとられるというような問題があると思いますが、利用される方がそれも御承知で利用される分には一つも差しつかえないわけでございます。ちょっと現地の具体的な事情になると思いますので、時間もちょうだいいたしまして、調査をさしていただきたいと思います。
○井手委員 それではこの問題は後日に譲りますけれども、ともかく各市町村ごとに、自分の扱う申し込みの範囲がきめられておるのであります。このために一般の住民に不満の声が高いという新聞の報道でございますが、この点は後日に譲りましょう。 そこでこの際、料金の問題についてお尋ねをいたします。最近各地ともバス料金の値上げが行われておるようであります。政府は、物価は横ばいと申しておりますが、もちろん現在国鉄の運賃については上ってはおりません。ところが各陸運局ではすでに値上げを許可しつつあるようなうわさも承わっておりますが、どういう根拠で料金の値上げを許可なさるのか、その点を承わりたい。
○山内説明員 先ほど申し上げましたように、バス運賃は二十六年、物価庁時代に改正をいたしたままでございます。その後一般的な物価の上昇があるわけでございますが、特に当時の交通情勢と非常に変って参った点が多いわけでございます。と申しますのは、当時は買い出しの非常に盛んな時代でございまして、いなかのバスにおきます平均乗車効率が非常に高かったわけでありますが、経済が安定して参りますと、乗車効率が非常に下って参りまして、地方におきますそういった業界の赤字の問題が相当大きく取り上げられて参ったわけでございます。それで道路運送事業法によりますと、この運賃料金につきましては、申請によりまして、原価計算により、適正な利潤を加えて免許しなければならないということが、私どもに与えられました使命でございます。個々の会社につきまして、どうしても現行運賃ではやっていけないというものにつきましては、詳細にその原価の内容を調査いたしまして改訂をしておるわけでございます。これは最近は少し多いわけでございますが、常時行なっておる運賃改訂の方針でございます。
○井手委員 バス会社の経営の状況については、よほど詳細に検討しなくてはならぬと考えております。適正な原価、適正な利潤を加えるという問題については、よほど会社の経理の内容を検討しなくてはならぬのであります。そこで、このバス事業は公益事業でございまして、若干会社の経営に支障を来たす場合でも、こういう公益事業に対しましては、政府が物価の値上げを押えておくという方針と同一の方針をもって、簡単に値上げの認可をすべきではないと私は考えております。適正な原価にしなければならぬとか、適正な利潤を含まねければならぬというような簡単な考えではなくして、物価は横ばいだという政府の確固たる信念はこの公益事業に厳として貫かねばならぬと考えておりますが、それでもなおあなたは値上げを認めようとなさるのでございましょうか。
○山内説明員 仰せはよくわかるのでございますが、バス会社は公益事業でありまた営利の事業であるという性格を持っておるわけでございまして、その赤字の状態が会社をある程度維持し得る状態か、あるいは赤字の状態が非常に進みますと、それが修繕費に響いて参るのが一番顕著になるわけでございますが、そういたしますと事故の原因にもなりますし、また労賃に響いて参りますと結局従業員を苛酷に使いまして、これまた安全の問題にも響いて参るというわけでございます。私どもといたしましてもこの運賃の改訂につきましては非常に慎重な態度をとっておるわけであります。それで運賃を改訂いたしますのに、放漫に経営をいたしまして赤字を出した場合には絶対に運賃の改訂をしないわけでございますが、そのためには非常に健全に経営しておると思われる会社を四十数社ピック・アップいたしまして、その原価の構成を詳細に調べまして、あるいは修繕費あるいは燃料費というような各要素に分けまして、通常に非常に健全にやっていけば燃料費はこれくらいで済む、修繕費はこれくらいで済むというスタンダードを作りまして、次に会社の申請がありましたならばその一つ一つに照らし合せまして、非常に多いというものはそれまで切って捨てまして、その切って捨てて調整したあとの残った原価で、果して会社がやっていけるかどうかということを審査いたしまして、それでできないという場合に運賃の改訂をいたしておるわけでございます。この運賃の改訂につきましては、ただいまの御指示にありましたように物価その他に非常に響くものと考えておりますので、慎重の上にも慎重にやっておるつもりでございますが、先ほど申しましたように現在輸送の情勢が非常に変って参りましたことと、二十六年以来、一、二の会社につきましては調整をいたしましたが、ほとんど大部分の会社の運賃を上げておりませんために、相当経営に困難を感じておる会社がたくさん出て参りました。その個々につきまして詳細審査の上決定をいたしておる次第でございます。
○井手委員 おっしゃることはなるほどもっともなように聞えますけれども、実際はそうではないようであります。私はここで会社の内部についていろいろ申し上げようとは思いませんが、交際費などそう窮屈なものではないように私どもは存じております。一昨日か本委員会でもガソリン税の値上げについていろいろ論議されましたが、そのとき明らかにされましたように、道路の舗装も進んでおるのでありまして、従ってその費用が従来よりもさらにふえておるとは感ぜられないのであります。舗装はどんどん進んでおります。従ってコストが下るはずであります。それなのに次々に料金の値上げを認めようとする態度は私どもはどうも了解しかねるのでございます。 そこでさらにお尋ねいたしますことは、どうして会社別に違うのか、同じ県内の業者の中である会社は三円、ある会社は三円三十銭、ある会社は三円四十銭というようにどうして料金が違うのか。本来ならば料金は路線ごとにきむべきではないかと私は思うのであります。会社の経理になりますと、いかに有能な陸運局の公務員がおりましても、簡単にこれを詳細にすることはできないのであります。やはり私は路線できむべきだと思いますがいかがでありましょうか。また会社の経理についてどのように監査なさっておるのか。全国で四十数社を見本にしてやっておるとおっしゃいましたけれども、ただどこかの考課表を持ってきて、これがいいだろうというようなことだけでは済まされない問題です。会社の経理は、会社を経営した人でないとわからぬものですから、あなたにはわからぬかもしれませんけれども、そう簡単にわかるものではございません。
○山内説明員 運賃は自動車につきましては、御指摘のように路線別の運賃を作るということはわれわれも理想にいたしておるわけでございますが、現在バス路線と申しますのは、自動車の通れるところはほとんどバスが走っておるというような状態でございまして、これを一路線ごとに運賃をはじくということは、とうていわれわれの事務能力では期せられないのであります。将来そういう点につきましても研究を進めて参りたいと思っておるわけでございますが、ただいまやっておりますのは会社ごとの経理内容によります運賃の算定をいたしておるわけでございます。それで概括的に申しますと、大体同一の経済地域におきましては、同一の賃率が出ることが通常でございますが、一、二の特殊の会社におきましては、賃率の違うところもあり得るわけでありまして、どうして違うとなりますと、個々の具体的な会社の内容になりますので、個々に詳細に御説明ができかねるわけでございます。一つ一つの会社につきまして、先ほども申し上げましたように相当慎重に調べておりまして、四十数社の、たとえば典型的な会社の考課表を見たというだけではないのでありまして、それらの燃料費ならば燃料費というものの平均をとるとか、あるいは最高最低をとるとかというふうな分析をいたしまして標準原価をきめておるわけでございます。
○井手委員 路線ごとにできないとするならば会社ごとにも、同じ県内の業者に差のあるわけはないはずでございます。どこの会社にも山間部はあるでありましょう。また坂路割増しもできるでありましょう。そういったことを考えましたならば会社ごとに料金の違うはずはないと思う。同じ努力をもって経営に当りますならば、そう会社ごとに料金の違うはずはないと思う。どうして会社ごとに違うのか、その点もう少し納得いくように御説明願いたいと思います。
○山内説明員 よく起ることでございますが、たとえば具体的な地域を指定して申し上げられないのでございますが、われわれ審査をいたしておりまして、たとえば定期の割引率でございますとか、あるいは乗車効率というようなものを、大体総体的にいろいろ会社ごとの違いが出てくる場合に、そういう現象が起り得るわけでございまして、具体的にどの会社となりますと少しあれでございますが、一がいにはなかなか言えないのでございます。たとえば乗車効率であるとかあるいは燃料費であるとか、そういったようないろいろな要素につきまして、総体的に高い費用がどうしてもかかるという会社ができ額すと、同じ地域でどうしてそういう情勢が起るのかということで、その会社については特に再調をいたしまして審査をしておるという現状でございます。
○井手委員 少しこんがらがったようでございますから整理してお尋ねいたします。同じ県内に幾つかのバス会社があるのであります。どの会社も山間部を持っておるのであります。従ってその山間部の路線には坂路割増しということができるでありましょう。そういうようなことを考えて参りますならば、会社ごとにAの会社は一キロ当り三円三十銭、Bの会社は三円、ある私営バスは三円二十銭などというように、会社ごとに料金の違うはずは私はないと思っております。会社の経営云云は、会社の経営に当っておる人の手腕や努力に関係するものでございまして、その会社の経営云々から、その地区の利用乗客が高い料金を払ったり安い料金で済むような差はつけるべきものではないと私は考えております。しかも各府県の例を見ておりますと、その路線を独占しておるような会社が特に料金が高くきめられておる。これは偶然の一致かもしれませんよ。従って私がお聞きしたいことは、何ゆえに会社ごとに料金を違わせて認可なさるのか、この点を私はあなたのはっきりした御方針を承わっておきたいと思う。もう一度重ねて……。各地においても路線はだんだんと改良されております。先刻申しますように舗装も進んでおるのであります。従ってある会社が特に悪い道路だけを持って、ある会社がいい道路だけを持っておるという差はないのであります。こういうことを念頭に置かれて御答弁願いたい。
○山内説明員 会社ごとになぜ違うかということでございますが、結局、同一地域であります場合には、大体同じような運賃制度になるというのが大多数の場合でございますが、同一地域でありましても人口配分がやはり同じであるということもございませんし、またその地域の特性上、たとえばサラリーマン階級のおられるところと農漁村というところでは、乗車回数も違って参るわけでございまして、結局そういったような違いが出ますと、たとえば一車に必ず二十人ずつ乗っておるというところと、十五人ずつ乗っておるというような状態になりますと、差が出てくることもあるわけでございますから、それで同一地域であるから必ず同じでなければならないということにもならない場合もあるということを御説明申し上げておるわけでございます。
○井手委員 なるほどおっしゃる通りに、水田と同じようにいい田を持った農民と悪い田を多く持っている農民との違いは若干はあるでしょう。しかし私どもが九州において聞きますところでは、有力な人が経営しておる会社、特に独占の路線を持っておる会社の料金が、他の会社よりも高いということであります。これが公益事業でありますならば、そのように一々、お前の路線は乗客が少いようだとか、そういったことまであまりにも親切に考えてなさる必要は、私はないと思う。そうなさるからいろいろな疑惑が地方において起っておる。私はこの機会に特に要望したいことは、若干その地域によって乗客のよしあしもあるでありましょう、同じ県内であってもそれは逆である場合もあるかもしれません。そういうおっしやる通りの場合もあるでありましょうけれども、それはやはり会社の経営でございますから、会社はそう悪いことばかりは考えておりません。やはり生きる道は考えております。この際疑惑を一掃するためにも、公営といわず民営といわず、九州北部あるいは南部くらいに大きく分けてもかまいませんけれども、同じ地帯の会社に対しましては同一の料金を設定すべきである、これが私は公共の福祉第一条に沿う道であると考えておりますが、御方針をあらためて承わりたい。
○山内説明員 稼働乗客数が違っても同じ運賃というわけには運賃計算上参らないわけでありまして、客の数というものが収入の源泉になりますので、支出を計算いたしまして、それでそういう乗車密度というものを計算して、われわれの方では賃率というものがはじかれてくるわけでございます。それで客の数の多いところと少いところを同じような賃率ではじきますれば、やはり赤字の会社はいつまででも赤字になりますので、むずかしいということになります。たとえばそれでは公営企業が非常に安くなるかということになりますが、最近やりました例におきましても、公営企業は大体定期の割引率をほかの民間事業より高くするという現象があるわけでございます。そういたしますと、われわれの方はその割引の減収率というものを見まして、結局収入がそれだけ減って参りますから、減ったのと支出というものを比べ合せて賃率をきめますと、結局定期の方では割引率が高いのでありますけれども、そういう計算をいたしますと、賃率では高い。定期の割引率は高いけれども、賃率ではほかの民間業者よりも高いというような結果も出ざるを得ないわけでございまして、この辺はその公営企業というものの性質といろいろ考えあわせて決定しなければならないわけでございますが、そういいますより、乗車係数でございますとか、あるいは割引減収率というようなものはやはり収入の源泉になりますので、支出との見合いによりまして賃率がきまりますから、そう一がいに九州一円全部同じ運賃でいくということは、現状ではなかなか困難ではなかろうかと考えております。
○松山委員長 井手委員に申し上げますが、大臣が本会議中でございまして、今政務次官がちょっと席をはずして来ておりますから……。
○井手委員 時間の制約もありますので、そう長くは申し上げたくないと考えておりますが、どうも今の御答弁では納得いたしかねるのであります。 〔委員長退席、木村(俊)委員長代理着席〕 多くの会社のバスが重複して競争路線を走っておる、そういう状態の今日のバス事業において、会社ごとになぜ料金を違えなければならないのか。何月何日はどの路線には乗客が少かった、そこまで陸運局で調査なさってもおりますまいし、あの路線は少し引き合わぬかもしれぬと、そこまで一々陸運局が温情ある調査をなさっておると私は考えておりません。公益事業でありますならば、やはりどの地帯にありましても大体一キロ当り同じような料金を払ったらいいわけであります。山間部でありますならば、三割増しの料金を払えばいいのであります。もしあなたのおっしゃるように料金を違えて参りますならば、そこに妙なととが起きないでしょうか。ある会社はうんと高く取らせてもよろしい、ある会社は高く取らせない、こういうことになると、ある会社にだけその経営に対して特別温情ある態度をとっておるという疑いが出て参るのであります。バス事業についてやはり私は料金というものは統一しなくちゃならぬと考えておりますが、基本的な態度をこの際政務次官から承わりたいと存じます。
○伊能政府委員 ただいまお話のありました基本的な方針としては、私も井出先生の意見に賛成であり、また運輸省としても、そういう考え方で、従来申請のありました運賃について査定をいたしておるわけでございます。ただただいま政府委員から御説明申し上げましたように、いわゆる北九州等の同一経済地帯と申しますか、そういう地域において交通量によって一部運賃に差等が設けられておるというような点につきましては、将来理想的には完全に同一地域同一運賃、いわゆる同一地域と申しましても同一経済地域、特に御指摘のように同一路線において競争路線というようなものがあります際には、これはあるいは同一路線について同じバス事業、あるいはバス事業と鉄道事業というようなものについても運賃の調整を行なっておりますので、バス事業については、同一路線を公正な競争をして認可を受けておる路線については、大体同一運賃の認可を与えるということが建前になっておるわけであります。個々の場合においてその会社の経理状況また交通量によって一部運賃の差等があるということも、現在の運賃政策として運輸省はやむを得ない措置としてとっておりますが、さいぜん御指摘のありましたような有力会社なるがゆえに運賃が高いとかいうようなことについては、私ども万さような措置はいたしておりませんので、幕本的には同一経済地域においてはできるだけ同一運賃、しかし御承知のように、運賃についても地域的に六段階というような措置をとっておりますので、具体的には御指摘のようなものが起り得ることはあり得ますが、基本的には御指摘のような方針で進んでおる次第であります。
○井手委員 御方針はわかりましたが、現実に陸運局がやっておる行政は、当委員会やその他の機会に中央でお述べになるようなものではないのであります。私はここに行政管理庁から出ました運輸事務次官あての監察結果の報告書を持っておるのでありますが、それにも幾多の陸運局に対する行政の不当が指摘されておる。一、二申し上げますならば、許可認可事項等の中には、処理に相当長期間を要しておるということ、免許の基準適用に当っても種々妥当性を欠くと認められる事例を生じているから、この際免許基準自体の具体的妥当性を再検討するとともに、その適用に当っての具体的指針をより明確にならしめ、免許事務処理の適正を期すべきである、その他にもたくさんの事項が陸運局に対して指摘されております。私はただいままで貸し切りバスの事業区域について、あるいは里程と坂路を含めた料金があまりに高過ぎるということの問題等、具体的に幾多の矛盾や不当性を局長に尋ねて参りました。この委員会においても何回となく陸運行政についての不当が指摘されて参りました。ところが当委員会が何回申し上げましても実行されておりません。また私はここでお答えをもらおうと思っておりませんけれども、タクシー業者の権利貸しがずっと行われておる。これは調査して取り消すものは取り消さなければならぬのじゃないかというような注意も陸運局にいたしたこともございますが、今日まで調査された跡もございません。いかに私どもが注意いたしましても、馬耳東風であります。従って多くの住民からは、あれはバス会社の出先機関じゃないか、こう言われておる。そのような非難を受けておる陸運局に対して、運輸省はもっと厳格なる監査なりあるいは行政指導を行うべきであると私は考えております。 そこで続いてお尋ねをいたしますが、先日申し上げましたように、事業の免許であります。昭和二十八年に改正になりましたときに、時の局長は次のようなことを申されました。今回の改正は免許基準に公益上必要であるということを強調するものである。公益性の強い公共事業は安全と正確と迅速と低廉でなくてはならぬ、しかもさらに言葉を続けて、独占による弊害のある場合には、それを是正するために複数が必要であると、ここでお答えになっておるのであります。ところが非常に乗客の多い路線におきましても、ほかの会社が申請いたしましてもこれが簡単に許可になりません。今何とかいう審議会ができておるようでありますがこの審議会が一つの関所、第二の関所は陸運局長で、今日までの許可の事例の統計も私は持っておりますが、すでに民間バスの走っておる路線、相当乗客の多い、少くとも二会社くらいは入って運行していい路線に対して、なかなか割り込むことができません。今日まで処理されたものも、私どもはここに記録を持っておりますが、運輸協定をしなくては、相手に相当の利益を与えなくては許可されないもの、そういうものや、あるいはあなたの方で却下されたものが非常に多いのであります。なぜ複数制が簡単に取り上げられないのか。道路運送法の第一条によりますと、「適正な運営及び公正な競争」とあります。従って私はこの第一条の精神、公共の福祉のためにという最高目的のためには、ある程度の乗客がありますれば、当然運輸協定とかあるいは何とかというような打ち合せは必要なくして、複数にすべきであると考えるのでございます。先回も申し上げましたように、この第二一条によりますると、路線の免許については当然独禁法の適用を受けるべきものであると私は考えるのであります。なるほど他の事業主との設備の共用とか連絡運輸、共同経営などについては独禁法が排除されておりますけれども、この精神は、私は独禁法の適用を受けると思う。そういうことを考えますならば、当然ある程度の乗客がある路線につきましては複数制が正しいと考えますが、いかがでありましょうか。
○山内説明員 道路運送法第一条の適正な運営、公正な競争、この原則を目的に行政をやっておりますことはもちろんでありますが、この差し示しております目的は、適正な運営、これは申すまでもなく経営者が健全な経営をやらなくてはならないということであり、公正な競争ということは、不公正な競争をさせてはいけない、不当競争があってはいけないということで、この適正な運営及び公正な競争ということを総合的に考慮いたしまして、免許基準の第六条の諸要件について審査をいたしたわけであります。もちろん一つの業者がやりまして、その結果経営状態が非常に民衆に不便を及ぼしておるという状態であるならば、われわれ行政をやっております者は、まずそれを是正する措置をとることが必要でありますとともに、それに第三者的な申請があれば、これもまた免許をしなければならないというふうに考えております。
○井手委員 公正な競争は不公正な競争をさせないという解釈であります。が、そういった意味ではございません。競争ということは独占はいけないという意味である。私は複数が建前でなければならぬ、しかし乗客の少いところに何社も入って経営が不振になるようでは困る、業界が不振になるようでは困るという配慮から、私はこういう文章ができたと考えております。従って一路線で一日十往復か十五往復以上の乗客がある路線には、私は当然二つの会社くらいは入るべきだと思う。また引き合わない会社に他の会社が割り込もうなどとは、営利上当然考えないことであります。従って営業の協定をしなくては免許ができないとか、いろいろな関所を設けるというようなことではなくして、他の会社が申し込んで、かなりの乗客があると思われる場合にはどしどし免許すべきであると思うが、かように改める御意思はありませんか。
○山内説明員 その場合に、その路線におきます乗車効率が問題になると思うわけでございます。もちろん利用者 といたしましては、できるだけたくさん走るということは望ましいと考えるわけでありますが結局そういたしますと、その会社がそれだけ収入が減りまして、全体的にまた運賃が上るということも考慮しなければならないわけです。そういう点も十分考慮しつつ、この乗車効率というものは考えなければならないこととわれわれは考えております。
○井手委員 私は陸連事業について陸運局の認定の幅が広過ぎると思う。いかに多数の乗客、利用者があると思っても、さほどない、これは一会社以上には経営が困難だと思えば却下することができるでありましょう。私はあまりにも権限が広過ぎると思います。しかも先刻申し上げました行政管理庁の指摘によりましても、道路運送協議会の運営について、「陸運局の措置等から見て既存業者側の意見がより強く反映するきらいがあり、その運営については、なお検討を必要とする。」と述べておるのであります。このように考えますと、いかにも関所が多過ぎて、新たに割り込もうとしても現実にはできません。既存の業者には別に新たな利益を与えなくては、営業協定を行わなくては、免許にならないのであります。こういうことではなくして、一日十五回くらいの運行ができるような利用者があるような路線に対しましては、そういういろいろな関所を設けずにどんどん免許する必要があると思う。これが公共の福祉のためだと思いますがいかがでございましょうか。
○山内説明員 繰り返して同じような答弁をすることとなりまして恐縮でございますが、私どもはこの第一条の精神は、複数制をとったものであるとも、一路線一営業主義をとったものであるとも解釈いたしておりません。それは先ほど申し上げましたように事業経営を適正に行われなければならないということと、公正な競争が確保されなければならない、言いかえれば一業者でやっておりましても十分その地方の交通を満足せしめるに足るところへ、もう一業者を入れまして不当な競争を誘致するという場合には、やはり第一条としましては、それは公正な競争を確保することにならない、不公正な競争を誘致するということになるのではなかろうか。これは具体的な事実問題において判断していかなければならないわけでございまして、ただいま十五往復と申されましたが、十五往復くらいあれば必ず複数にしなければならぬというものでもないので、その十五往復に乗っておる民衆の乗車効率、たとえばこれが六〇%以上にも達するような状態でございますと、相当乗り残しの起るような経営をやっておるという証左にもなりますので、その場合にはさらに他の業者を認可する余地があるわけでございますが、これが三〇%程度あるいは四〇%程度ということになりますならば、それで一応その付近の交通需要は満たされておるのだ、それ以上輸送力を導入することは、輸送力の供給過多になるおそれがあるということにも考えられますので、この場合にはそういう免許につきましては、相当慎重にしなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○井手委員 私はもう時間が長くなりますので結論的に申し上げますが、幾ら御答弁なさっても、現実には路線が、あるいは道路運送協議会あるいは陸運局において、既存業者がきわめて保護されている。独占路線はあくまでも守られて、しかも先刻来指摘いたしますように、一キロ当り五円も五円数十銭もなる料金を取る。そのために通学者は、千円以上の料金になりますから通学はできずに、自転車で高等学校に通学をしておる。非常に迷惑になっております。市内では十五円の料金を取られている。こういうことが今日の陸運行政にあっていいはずはないと思うのです。幾ら申し上げましても、あなたの方で、これは悪うございましたということには参なぬでしょう。私はその点をも配慮いたしまして、これ以上は追及いたしませんけれども、今日の陸運行政については英断をもっていろいろな批判や、あるいはいろいろな文句に対して、これにとたえるだけの態勢にすみやかに直していただきたい。これを私は切望するものであります。ほかにいろいろ申し上げたいこともありますが、時間がありませんのでとの程度にとどめておきますが、最近国会には国鉄バスをぜひ設置してくれという請願なり陳情がきわめて多い。と申しますことは、その反面において、いかに民営バスが地方において横暴をきわめておるかという証左にもなって参るでありましょう。横暴でなくても、やはり営利中心のために利便がもたらされないという不便が多くあるでありましょう。一例をあげますならば、目の前に汽車が来ておっても、途中でとめて汽車に連絡できないような措置すらしておるバスもあるのであります。必ず列車には連絡できないように組んである。どこに陸運行政がございますか。それを黙認しておるところに今日陸運行政の欠陥があると思う。そういう陸運局の職員はどしどしかえなさい。これ以上申し上げません。一つこの機会に陸運行政について画期的な刷新を切望いたして質問を打ち切ります。
○山本(友)委員 ちょっと関連いたしまして、一、二お伺いしてみたいと思います。私は陸運行政の万般につきましては適当な機会に質問いたしたいと存じますが、きょう関連いたしまして、ここでつくづく感じました一、二を申し上げて、当局の御見解を伺っておきたいと思います。先ほど政務次官から独占の弊というような質問に対しまして、大会社があるがゆえにどうこうというようなことはないという話でございましたが、当局といたしまして当然のことだと思いますが、現実はこれに反した面がありますことを私はよく知っております。でありますから、この際一つ、井出さんが今御指摘されましたものは、必ずしもあなた方が平面図の上から見られた通りでないということだけを私は指摘したい。同時に運賃行政等におきましては、非常に矛盾があることを、私自身が解決いたしかねる面がございますのでお伺いしたい。その一点は、御案内のように定期運賃というものは基準が定まっておりますから、これはどこへ行きましても違わないものと思います。ただ坂路割増しというようなものは立地条件によりましてのことでございますので、あながち変えろと言うわけにもいかぬと思いますが、私は一つの疑問が起りますことは、急行料の問題です。私の調べました範囲では全国で三百四十一社バス会社がある。その三百四十一社のバス会社の中で、急行料というものを取っている会社が全国に七つある。その七つの会社を調べてみると、先ほど申しました独占会社は、これはおそろしいものであります。独占会社は独占の上にあぐらをかいて、逆のサービスを行なっているという証拠がそこにはっきり出ているわけであります。さように考えておりますので、運賃制度は御案内のように申請制度でありますから、あなた方は申請が出ました場合にこれを許可されるという建前をとっておられるわけでありますが、こういうものがいかに実態に沿わないかということを調べて許可するのか、申請さえあれば、料金がとっぴに高くてもこれを申請通りに許可するのか、私はそこの辺の点がちっともわからないのであります。われわれの通念から申しますれば、交通事業というものは、早く安全に着けるということがサービスの根本でなければならない。いずれの会社を見ましても、三百四十一社ある中に急行をやっていない会社はほとんどない。これはいわゆる民衆に対する交通業者としての当然のサービスだと心得ている。それが独占会社がこの行為をやった場合には急行料を取っている。また同一の会社でありながら絶対の独占区域には急行料を取って、他の並行線のところは同じ行為をやっても取っていない、こういうような矛盾のありますことを私は現実に知っております。これを監督行政上、あなた方はどういうような御判断のもとにこういうへんぱな行政をしたか。独占のところは民衆にいかに苛斂誅求を行なってもよいという監督行政はないと思う。そうしてまた七つの会社で取っている料金を分析してみますと、たとえた例が、七十キロあるところを単位にいたしまして考えてみますと、ほかの取っている会社が四十円、ある会社が百円取っている。十五割取るにいたしましても高く取っているという事例がある。こういうようなことが監督行政上許されるかというようなことに、私は非常に矛盾を自分で感じておりますが、この点はいかに高うても何でも申請さえしたら、そういうようなことは周囲を勘案をしないで許すということになるのかどうか、この辺の非常にあいまいなあなた方の行政の定義というものを私は知らないわけであります。この点を一つ知らしていただきたいと思います。
○山内説明員 自動車におきます急行料というものは、鉄道におきます急行料というものと、同一の性格もあり、また違った性格もあるわけであります。といいますのは、急行といいますことは結局中間駅にとまらない、その面では同じでございますが、そのほかに座席は定員以上の人を乗せないということを、自動車ではやっておるわけであります。その点で乗車効率の面では一ぱいになるということにならない場合もあり得るわけであります。それともう一つ、申請主義でありますことは事実でございますが、その申請をまるのみいたしまして、そのままいいと言っておるわけじゃないのでございます。やはりそれぞれ審査をいたしまして、認可をいたしておる実情でございます。
○山本(友)委員 無定見で、審査なしで、申請をまるのみとは私も思っておりませんが、監督上の立場にありますあなた方といたしまして、そういうような同じ会社が、右の方角のところは純独占である、左の地域はいわゆる並行線があるというようなことを考えましたときに、独占たるがゆえに同じ行為でありながら、取るということに対しましての監督上のあなた方の責任というものは、あるかないかということについて、私は伺ってみたいと思うのです。
○山内説明員 独占であるから認可をするということはないわけでございます。そういう申請がありますと、そういう交通の必要があるかないかということを審査いたしまして必要があるとなれば、そういう急行料の設定をするということになります。その内容はそれぞれ要素を分析いたしまして審査の上、申請の料金が適当であれば認可になる、それが高ければ減額をいたしまして認可をするという行政の考えであります。
○山本(友)委員 分析いたしました場合に、妥当を欠くということになりますれば、かりに現在行なっておるものといたしますれば、これを訂正さすあなた方にいわゆる職制上の権能とでも申しまするか、行政上の処置はとられますかどうですか。
○山内説明員 現に今行われておりますことにつきましては、具体的によく存じないのでございますが、そのときにやはり審査をいたしまして、正当であるということで認可をしたものではないかと考えます。
○山本(友)委員 正当でなかった場合には、どういう処置をとられるかということを問うておるわけでございます。
○山内説明員 どうも具体的な場合もよくわかりませんので、その事案がわかりませんが、もしもそれが法律上違反をしてやっております場合には、訂正をしなければならないわけでございます。
○山本(友)委員 法律上の違反ということは、私はちょっと聞き取れぬわけでございますが、あなたの方の認可範囲であって、その認可があなた方の査定において妥当なりという認定のもとにそれを許可されておるが、かりに今客観的に見ました場合に、その路線がゆうゆうたる営業上の余裕を持ち、またさっきあなたは会社を中心とした運賃の査定ということを言われましたが、これも見方によりますればけっこうなことでありまするけれども、その会社がしゃくしゃくたる余裕を持っておりまする場合には、それは民衆に苛斂誅求を行なっておるという結果になるわけでありますから、私どもは国民の正義の上から、こういうことは看過できない。いわゆる独占の上にあぐらをかいて、並行線のあるところは同じ行為をやっても取らない、独占のところはそれだけ民衆を圧迫し取り上げるというこの精神は、公共の福祉に全く反したことをやっているのじゃないか。それを監督行政の立場にあられますあなた方が、法律上差しつかえなかったらということは、私は当てはまらないと思う。あなた方の常識の範囲においてこれは認定を下すべきものであって、法律上どこにどういう——あなた方が申請を免許された以上、これは法律に適法でございましょう。ですけれども、あなた方が認定の範囲を誤まって、そんなことをしなくてもこの会社はやれるのだという事実が起りました場合には、これは不当であります。言葉の表現は変でありますけれども、不当なことを国民にしいる必要はないはずです。これは不合理です。そういうような例はたくさんあります。私は今井出さんが言われました運賃行政のみ申し上げますが、そういうことを独占会社に許すということが、さっき申しましたようないろいろの疑惑を生んでおるということは避けられぬ事実であります。こういうことが指摘されました以上、直ちに調査をされて、あなた方の認定の範囲が間違っておるかいないかということをあらためて検討を願いたい。そういう民衆に無理をしいるような運輸行政であってはならない。それがこういう免許制度、認可制度というものが設けられたゆえんであると思います。あとで具体的に問題を、あなた方が調査上必要ならば私は直ちに申し上げる用意がありますが、公開の席上ではそういう個所とか何とかいうことは控えますが、さようなことを調べてもろうて、ほんとうに民衆のための行政をやっていただきたい。国民のための政治をやっていただきたい。バス会社の行政であってはならないという感じを深く持っておりますので、運賃問題のみあなた方のお気持を承わりましたが、悪ければ、あなた方の認定が誤っておれば直ちに直すということを、ここで言明をしていただきたいと思います。
○山内説明員 認可がありますと、それを行政措置といたしまして、訂正いたします場合には、公益をそれが阻害しておる事実があるかどうか、また認可を取り消す法律上の規定がないと、行政事務は取り消しでありますとか改めるということはできないわけであります。法律上にそういう権限が与えられております事業に妥当いたしますれば、もちろんそういう事実を発生すればやるわけでございますが、当不当の問題あるいは自由裁量の問題といいますことは、果して公益上阻害しておる事実があるかどうかということも問題になりますので、その辺どうも軽々にここで、そういうものはすぐ取り消しになるかどうかということは御説明できませんので、非常に形式的な法律の御説明になって申しわけないわけでありますが、そういう事実がありますれば取り消しができます。もう少し説明させていただきますと、三十三条に事業改善の命令というのがございます。「運輸大臣は、自動車運送事業者の事業について公共の福祉を阻害している事実があると認めるときは、自動車運送事業者に対し、左に掲げる事項を命ずることができる。」とありまして、その第二号に「運賃、料金又は運送約款を変更すること。」と書いてありますが、これに該当する事案であると思います。そういたしますと、この公共の福祉を阻害している事実があるかどうかということが問題になるわけでございます。それで公共の福祉を阻害している事実があると客観的に認められますと、この事業改善命令ができるわけでありますので、その辺が問題の焦点になると思います。
○伊能政府委員 さいぜんは井出先生から、ただいまは山本先生から、陸運行政の欠陥と申しますか、十分でない点についていろいろ御指摘がありましたことについては、われわれ今後十分監督を厳にして、その適正な運用を期したい、かように考えております。 ただいま山本先生の御指摘になりました急行料金等につきましても、すでに御承知のように運賃、料金が申請主義でありますので、あるいは時日を経過し、あるいはそのときの状況に応じて判断せらたものが現在の状況においては不適正であるというような試案がかりにあるといたします際には、これはわれわれといたしましてもいろいろと行政指導上研究をして参らなければならぬと存じますので、御指摘では三百数十社のうち急行料金を取っているものが七社ということでありますが、御指摘の点については全般的に調査をいたしまして、その適否を私どもとしても十分検討いたしてみたいと思います。 —————————————
○木村(俊)委員長代理 青野武一君。
○青野委員 先ほど運輸委員会が開会せられる前に、松山委員長主宰のもとに理事会がありまして、大体理事会の御了承は求めておいたのでありますが、運輸委員会の御承認を得まして、私と下平委員の二人は、もちろん本省の港湾局長以下関係者が多数現地においでになりましたが、この委員会を通じて二日間にまたがって問題になりました横浜港における米軍貨入札制度についての調査と視察を委託されましたので、去る十二月一日に、十一時半から晩の六時までその調査に出向いたのであります。そこで、ぜひこれに関しては国会を通じて米軍の反省を求めたい、そういう意味で委託されて現地に調査と視察に参りました関係で、ごく簡単に要点のみを委員会を通じて御報告申し上げます。 ちょうど十二月の一日に、先ほど申しましたように午前中にあちらに参りまして午後六時まで調査に当ったのでありますが、そのときに関東海運局長の部屋で会合を開いたのであります。その席上においでを願いましたのは、荷役の元請業者、それから下請業者の代表、労働組合の代表の方々でありますが、その人たちからいろいろの報告を聞き、また意見を聴取いたしまして、最後に一時間にわたって横浜港を視察して帰ってきたわけであります。 これが問題になりましたのは、日本には港湾運送事業法という法律が現存しておるにもかかわらず、独立国である日本と独立という点については対等でありまする米軍が、軍貨を荷揚げするときに日本の法律をほとんど無視して、ダンピング契約をやって業界の混乱を招くと同時に、港湾労働者の賃下げあるいは首切り等を慫慂するような結果を招くおそれがあるというので、運輸委員会で問題になったのでありますが、この運送業者が約二十社ほどございまする中で、三十二年度の米軍貨の荷役に関する作業契約が四つほどすでに決定をしておりました。三井倉庫、住友倉庫、宇徳運輸、京浜港運の四社が入札の結果、契約を取り結んだということを現地で御報告を受けたのでございますが、この中で、京浜港運のごときは一人の労働者も常時かかえておらない。そうしていろいろな米軍との取引上でダンピングのごとき結果を招いて、それがために業界が混乱しておりまするが、この京浜港運に対しては、本省の港湾局も現地の関東海運局も今厳重に調査を進めているわけでございますが、問題になりまするのは大部分京浜港運から始まっているようであります。 試みに見てみますると、米軍との契約で雑貨一トンについて三井倉庫は三十三・五セント、住友倉庫は同じく三十三・五セント、宇徳運輸はずっとおくれて妥協して威圧に屈服したのでございましょうか、三十一・五セント、今問題になっておりまする京浜港運が三十二セントであるが、実際に適正価格と目せられるものは三十九セントから四十セントであります。雑貨一トンの荷揚げ価格が約四十セントである。日本の公示料金からいきまするならば、邦貨百四十円が正当である。ところが米軍が当て馬を作って、特別な港運会社を作って、非常にダンピング的な契約をさせるために、ほかの会社が非常に迷惑をしているというのが現状でございまして、私どもが参りますると、十一月の二十九日から三十日と、越えて十二月一日と三日間、港湾労働者の諸君が、組織された労働組合を通じて米軍の反省を求める目的のためにストライキを行われておりました。ところが労働組合に加入していないところの京浜港運という港運会社では、米軍の援助を求めて、そうしてアメリカの兵隊が多数まじって軍貨の荷揚げを各所で行なっているのを私どもは目撃して帰ったのでございますが、この三井、住友、宇徳、京浜の四社で三十二年度の荷揚げの契約ができました中で、京浜港運というのは常時一人の港湾労働者も持っておらない。大体有資格者と目せられるものは、説明によりますと、常時百人以上の港湾労働者をかかえて、荷役に必要なるあらゆる器具、それが価格にして一千万円以上の器具を持っているものが大体有資格者と目せられているが、この京浜港運というのはそういうものは一切持たない。ただ名前だけである。労働組合の諸君の意見を聞くと、悪く申しますると、虎ノ門からちょっと離れておりまするそこのアメリカ大使館に、台所からこそこそと御用商人のように出入りしている者が中心になってこういう会社を作っているのであって、港運会社としては何らの設備も器具も持っておらない。それと米軍との間で非常に安い価格で荷揚げの価格をきめるものですから、ほかがみな飛ばっちりを受けて、安い価格で荷揚げをしなければならないようになったのが業界の混乱である。その摩擦であり、感情の対立であり、ひいてはそれが港湾労働者の賃下げとなり、あるいは年末にこのまま押し迫っていきますれば、おそらく数百人の港湾労働者の首切りが行われるでしょう。これは大体せんじ詰めますと、アメリカが日本の港湾運送事業法をまるっきり無視しておる。そうして政府の反対にもかかわらず、この入札制度というものを一方的に行なっている。そこに私は原因があると思っております。大体雑貨一トンについては三九セントから四十セントが適正な料金であろう。しかも荷役をやっております労働者一人当りが大体突っ込んで平均十二トン、働いておる労働者全体で大体一日二万六千トン程度の荷役をやっておるわけでありますが、日本の会社に働いております諸君なら、これは夜の七時から晩の十一時までの四時間は給料の五割増し、それから十一時から翌朝の六時までの七時間が、大体深夜作業でありますから十割増し、それが米軍の貨物の荷揚げに従事しております労働者はこういうことを無視されておるから、夜であろうと宵の口であろうと、労働をやったって一銭の歩増しもない。こういうような不合理な点が関係者から指摘されておりました。大体京浜港運というのは、前、東海と称しておったそうでありますけれども、そういう人たちが米軍との間に密接な関係を持ってから、こういう問題が引き起ってきたと思います。大体アメリカとしての方針もそうであったでしょうが、そのために昨年も一昨年も、横浜のこういった運送業界が非常に混乱をして、そうしてこういう会社ができたために必要のない摩擦が激化しておるということも私どもは認めざるを得ないのであります。現実に雑貨一トンについて、アメリカの貨幣価値からいきますと、八セントから十セント程度の差がある安い荷揚げ料金を押しつけられているということであります。大体公示料金いうものは、厳格に決定はしていませんけれども、現地の下田局長から開きますと、一トン百四十円くらいなところが適正である。しかもアメリカの荷役は、向うさんからウインチであるとか、あるいはそれに類するようなものを借りてやりますから、一トンについて百四十円は、二十円くらいの差額がついておるということも聞いて参りました。 私どもが現地に参りましたのは、結局目的はどこにあるかと申しますと、先ほども申しましたように米軍の反省を求める、公示料金を厳守させ、入札制度を廃止させる。そのためには政府当局の御努力を待って、日米合同委員会に提訴して、そして日本の内地における荷役の場合はあくまでも港湾運送事業法を守らせる、こういうことを目的にして、委員会で問題になり現地に調査に行なったわけでありますが、運輸当局なり現地の海運局なり、それから下請業者、元請業者、党から申しますと自民党、社会党、国会から申しますと参議院がその前日に行ったそうですが、参議院、衆議院、そういう一切の関係者が統一的意見を持って、しかも米軍の行為に対して反省を求めるという考えのもとに行ったのでありますが、不幸にしてそういう目的を理解せずに、現地の警察官が——この不適格者とみなされております京浜港運に籍を置いて専務か何かをやっておる、前の名前が東海といったときには労務主任をやっておった人で、自分たちの労働組合に入ってないところの労働者を使っているものに、労働組合の諸君の代表が、こういう事情だ、米軍の横暴に反省を求めるためにやっておるストライキであるから、日本人である限りはぜひ協力してくれといって各所に説得のために行ったときに、不幸にして水上方面では警察官が、はしけは荷物を運搬するのに、労働組合の諸君が何十人も乗って、そうして荷役をしておる京浜港運の諸君にそういった行為をすることは不都合であるといったようなことで、各所にピケが張られておるものを、とにかく結果的にいえばこれを破られる、いろいろな関係で圧迫を加えられたということを、私どもが現地に参りましたときに承わったのであります。また特に問題になるのは、そういう京浜港運といったような無資格者であるのではなかろうかという疑いの起きておるところの重役の一人が、現地に出てきて総指揮官のごとき態度をとって、横浜特有の風太郎、それからグレン隊と目されるような人を二百人ほど動員して、四台のトラックに満載して労働者の諸君がたまっておるところに来て、そうして一人々々がハンマーに一尺五寸ぐらいの柄のついたものを腰にぶち込んで、その指揮者の命令のもとにトラックから飛びおりてきて、労働者の諸君が三十人、五十人たまっておるところにハンマーを握りながら挑発的な行為をしたということを聞きましたので、私はすぐに警察庁の第一警備課長をお呼びしてその真相を確かめたのでありますが、多少その点には、対立しておる関係もあって、食い違っておる点もありますが、大体大同小異で、確かに警察の諸君が行き過ぎた点は認めざるを得ないのであります。こういうふうに問題が非常に複雑になって、私が行ったときは——ストライキは三日まででしたが、いまだに争議は続いておる。これは港運業者と労働者の対立じゃない。政府のやり方が悪いからといってすわり込んでおるわけじゃない。アメリカの入札制度をやめさせろ、資格のない運送業者はとにかく政府の手によって適当な処置をとれ、そうして日本の港湾運送事業法を守らせろ、こういう目標のもとにストライキが起っておるということは、全同的に、相当長い年数を振り返ってみましても、非常に特殊な事情があると思います。 〔木村(俊)委員長代理退席、委員長着席〕 そこで先ほど私は、松山委員長が主宰者になってお開きになりました理事会で、その内容は申しませんが、事が重大である、指をくわえてじっと見ておるわけにはいかない。日米合同委員会に提訴して、一方的なアメリカの横暴を是正しようとすれば、勢い、どういう真相であるかということを把握しなければ問題を処理することができないから、もし国会が、今うわさに上っておりますように何日か延長されるようなことがあった場合は、横浜の元請業者、それから下請業者を入れて大体二十社ありますが、このうち二、三社、関係の深い人を会社代表でお呼びになっていただきたい。三井、住友、宇徳、京浜——ことに問題になるのが京浜です。これが日本人放れをした行動をとっておるのが混乱の中心になっておりますが、それと、港湾労働組合の代表者を、横浜から一人、神戸から一人、関東海運局の適当な人を一人、そして問題を引き起しました現地の取締り警察官の責任者を一人、他日運輸委員会が開かれますときには、公聴会のごとく、大体意見の開陳、報告、質疑応答を通じて、正しい世論を喚起して、国会論議を重ねて日米合同委員会に提訴し、そして米軍の入札制度を廃止するように、それから米軍の一方的な、公示料金を無視したこうしたやり方を一つ是正して、そしてもとのように横浜及び神戸の業界が平穏に、港湾労働者の諸君もみずから進んで労働意欲に燃えて荷役作業に従事するように、私は解決の方法を立ててもらいたいと思いますから、来たるべき委員会なりあるいは理事会を通じてこういうことを決定した場合は、委員諸君の御了承のもとに、この解決のために私どもの全力をあげて戦っていきたいと思います。それをつけ加えまして、この間下平委員と私の二人が現地に参りました重点的なあらましの御報告を申し上げた次第でありますので、この問題について、もし政府当局の方で御意見がございますれば、一つ伺っておきたいと思います。 以上、まことに内容が空疎であったかもしれませんが、大体の御報告を申し上げた次第であります。
○伊能政府委員 ただいま青野先生から御報告かたがた御指摘がありました点については、全くその通りでございまして、私どもとしても京浜港運の適格性ということにつきましては、ただいまお話の衆議院からの御調査、また参議院からの御調査等と相合わせまして、現地の海運局としても厳正に調査中でございます。しかしながら、何分にも調査の内容が具体的な労働に関係いたしており、各般の適正条件にわたっておりますもので、まだその内容について的確なものはつかめませんので、至急この点については調査を督励いたしたいと考えております。また公定料金の問題につきましても、御指摘のように、米軍側においては予算の都合あるいはその他の関係から、公定料金を割るような入札制度によって、単に安くしよう——それがひいては港湾運送事業の安定を欠き、さらに労働者諸君の給与の低下まで来たすというようなことに相なってはならないと私ども考えておりますので、この点についてもすでに御承知かと存じますが、去る十二月一日には政府から日米合同委員会にこの問題を付議して、至急解決をしていただくようにということを私ども外務省にも申し入れをいたしておりまして、これが督促をいたしておる次第でございます。一方政府部内としては、さような措置をとりますと同時に、現地の海運局をも督励して京浜港運の実情その他も十分調査した上で、適正な措置をとり、今後でき得る限り公定料金によってすべてが処理され、また資格、信用の十分な業者がこれに当るという方向に進めたい、かように存じておる次第であります。
○青野委員 伊能政務次官から大へん御理解あるお答えをいただきまして、心から感謝いたしますが、もう一言つけ加えて申し上げます。私が行きましたときにはいろいろな関係者とお話をしておりますし、政府当局からも多数非常に長い時間御出席下さいまして、感謝しておりますが、そのときにハンマーを持ってトラックから飛びおりた連中が約二百名、しかもそういう諸君を労働組合の諸君がつかまえて話を聞くと、どこに連れていかれるかわからない、指揮をする者の命令を聞いて、大体荷役作業をするのだということだけはあらましわかっておるが、きょうはどういう風の吹き回しか、われわれのような風太郎のルンペンのようなもの、グレン隊のようなものに日給が二千円出されると約束をして来ているのだ——二百名で一人二千円の日当付、それを指揮するのが問題になっている京浜という会社のいわゆる専務ということを明瞭に承わっておりますが、こういうことが事実であるかどうか。現地の局長に、次官の方からある程度の調査をしていただきたい。あるいは来ていただくことになりますから、そのときには委員各位から御質問があると思いますが、そういうように米軍との取引では、あるいは契約では、非常に安い荷揚げ料金で押えつけられて、甘んじてそれに服従していけば、一方においては自分の会社が不利になる、軍貨の荷揚げに支障を来たすといえば——一日二千円の給料をもらっておるルンペンが、日本国中どこにおりますか。そういうときには、とにかく経理を無視したような金を出す。何のために一尺五寸の柄をつけたハンマーを一人々々腰にささせるのですか。荷揚げをするのにハンマーが一人々々要りますか。労働者の群れの中に飛び込んでいってなぐり合うときに、ハンマーを抜いてたたき合うという目的が初めからわかっておる。京浜という会社の専務の飛びおりろ、ハンマーを握れ、なぐれ、そういう指揮を、幾らアメリカの軍隊が背景だからといって、政府は無視するわけにいかない。われわれも黙って見ているわけにいかない。こういうことが問題の中心になっている。港運会社というようなものは、その認可を取り消して、資格がないのですが、何の御用商人か知りませんけれども、特別にアメリカの軍隊のある責任を持っておる人にかわいがられておるだけで、先ほどから言いましたように、アメリカ大使館の便所のすみか、とにかく商人の出入口からこそこそ行ったり来たりしておる者が、こういう名義の会社を作って、アメリカ軍隊の背景で日本の政府に干渉させないようにしておる。男をおとりに使って当て馬にして、雑貨一トン荷揚げ料四十セント——三十一・五セントくらいで片づけている、ここに表が出ておる、三井倉庫が三十三・五セント、住友が同じくそうです。宇徳というものはこれは腰抜けです。大体重役に日本人はおらぬのでしょう。これは三十一・五セントですよ。京浜という問題のインチキ会本社が三十二セントです。四十セントもらわなければ引き合わぬというのに、三十二セントとは何事です。それが業界に混乱を起し、業者を倒れさせておる、働いておる労働者は賃金も下げられ、首も切られる。だから日本の政府も、衆議院も、参議院も、政党もみな一緒になってこういう不当なことを指をくわえて傍観しておるわけにいかない。アメリカの軍隊に反省を求めるといったら、向うは挑戦的にきました。そういうことなら歩兵操典を改正して、荷揚げは兵隊だけにやらせるのだというなら、やらしてごらんなさい。たとえば日本の労働者が三千人荷役をやっておる。それを十倍の三万人おったって、アメリカの兵隊なんかばからしくてやらない。現にやつらのやり方をどんなことをしておるかと思ってランチに乗って視察すると、朝からチュウインガムばかり口をもぐもぐやったり、口笛を吹いたり、手を振って喜んでおる。向うの軍部の頭株の連中が、日本人がストライキをするのか、おれたちのかわいがっておる会社にそっぽを向くなら、これから将来の荷役はアメリカの兵隊にやらせるのだ、何らの痛痒を感じない、こういう挑戦的な態度に出るなら、日本の港に来させないようにしようではありませんか。李承晩政権のフリゲート艦なんか、横須賀に一年間に八はい無断で来ておる。佐世保の港には、日本政府の許可なしに李承晩政権のフリゲート艦が二十四はいも来ておる。そうして日本の漁船をうしろから突っかけて沈めて、損害賠償を外交交渉でいっても、日本の法律は頭から認めない、お前の方が悪いのだという。人間は二十三人も殺しておいて、船を沈めておいて、することをごらんなさい。日本人が、日本の政府がぼやっとしておったら、何をされるかわからない。だからこういうストライキをやっておるこのチャンスをつかまえて、自民党も、社会党も、衆議院も、参議院も、政府も、現地の労働者の諸君も、元請業者も、下請業者も一つにまとまって、統一行動がとれるようになっておるのですから、この機会に必ずやってのける。あなた方の努力する舞台は日米合同委員会でありましょう。なまやさしいことでは日本人の要求をすなおに聞く動物じゃないのです、サルに近い。日本人に比べて何ぼか落ちておる連中です。約束なんか実行したり、正しいことを理解するような男はおりません。しっかりやってもらいたい。私どももまた委員会として努力いたします。なまやさしいことでは目的達成はできないから、一緒に力を合わせてやっていくということを一つお考えになっていただきたいということを私は特に希望いたしまして、この報告につけ加えておきます。答弁は要りません。
○松山委員長 井岡君。
○井岡委員 今横須賀の港の問題について、青野委員から詳しい御報告がありました。今港湾運送事業法違反の件は、各港湾にかなりたくさんあるわけです。従ってこの問題についての質問なり、あるいは運輸当局の御見解なりは後日承わることにいたしますが、幸いいろいろな問題で御調査をなさるということをお願いされておりましたので、私も一件だけお願いをしておきたいと思います。このことはすでに御存じであろうと思いますが、神戸港において港湾業者の現場員が作業員を撲殺した事件があります。この問題は現場では隠蔽をして、業務死にして隠そうといたしましたけれども、隠せなくなって今日非常に問題になっております。しかしこれは単に一つだけ現われただけであって、その後も依然としてこういう問題が起っておるわけです。こういうような事件が各港湾にたくさんございますので、十分この種の問題について調査をすると同時に警告をしていただきたい。しかもこれらの業者は、いわゆる現在の港湾事業法が届出制によって許可されているというこの法の裏をくぐって、実体のない港湾業者が多いということをわれわれは十分承知しているわけなんです。従ってこの点は十分調査をすると同時に、今申し上げたように警告をしていただきたいということをつけ加えておきます。
○松山委員長 この際門司亮君より、委員外でありますが、発言をしたいとの申し出がありますので、これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松山委員長 では門司亮君。
○門司亮君 ただいま委員外発言を許していただきましたことについては、委員長初め、委員各位に対しまして深甚の敬意と感謝の意を表する次第でございます。 私が当局にお聞きしたいと思いますことは、すでに青野委員その他から非常に熱心に御質問がされております横浜における港湾荷役の争議の問題でございます。これは横浜にとりましては非常に大きな問題であります。港をもって立っております横浜にこういう不祥事件が起りましたことは、横浜の市民といたしましては非常に迷惑をいたしておりますと同時に、関心を持っております。そこで私は政府に聞いておきたいと思いますことは、あの事態の発生の原因その他のことについては、すでに青野委員その他から十分申されておりますので、申し上げませんが、この問題を解決することについて政府は一体どういう見通しをお持ちになっておるか、この点をこの際はっきり聞いておきたいと思います。
○伊能政府委員 重大な問題でありますことは、先ほど来いろいろお話がございました。ただいま門司先生の争議解決についての政府の方針、こういうお話でございましたが、この点は非常にむずかしいと申しますか、政府がどういう態度でおるかということについて申し上げてみたいと存じます。基本的には御承知のように、米軍の軍貨の処理について法律に定められた公定料金以下で入札をさせるというような事態から、いろいろな問題が派生をしている。従ってそれが港湾運送事業の発展、安定を害し、ひいては労働者諸君の給与にまで非常な影響を及ぼすということで、私どもこの点については非常に憂慮いたしまして、現在軍貨処理の港湾運送業者については、将来の問題としてはできる限り公定料金で米軍側と折衝するということ、その前提としては、さいぜんも御報告申し上げましたが、日米合同委員会においてこの問題を取り上げてもらって、日本の法規に従って港湾運送事業に関する軍貨の荷役の処理をしていただくということが根本だろうと存じますので、第一段階として目下その問題の処理に当っております。現実の当面の問題といたしましては、港湾荷役業者また米軍の方へもその折衝をして、将来かようなことの起らぬようにという解決に努力をいたしておりますと同時に、ダンピングの一番大きな対象となりました京浜港運についても、さいぜん青野先生から御指摘がございましたように、すでに港湾運送事業者として適格性を欠いているということが明らかになりましたので、海運局において今厳正なる調査をいたしておりまして、明らかに適性を欠いている社員の処分の問題についても、調査と同時に実は研究中でございます。従って根本的には日米合同委員会において日本の法律による公定料金に基く契約をしていただくということを、まず一番重大な問題として進めますと同時に、当面の問題としては、港湾運送事業の円滑適正な運営と、軍貨の処理にも適正になるようにということで、目下あっせんをいたしておりますが、なかなか片づかぬので、私どもこの点については今後極力努力いたしたい、かように考えております。
○門司亮君 もとより労使の問題に政府が介入せよということを私は申し上げておるわけでもない。またそれによって解決しようとも考えておりません。問題は港湾運送業法が適正に守られていないということにあるのでありまして、政府は今何か調べておるということを言われておりますけれども、これは認可制であります限りにおいては、おそらく登録制だと思いますが、結局その範疇以外の人であるということは明確だと思う。もう調査する必要はないので、ただ日本の法律に照らして、これをどう処断することができるかどうかということに残された一つの問題があるかもしれません。しかしこの問題については政府は政府として、日本の国内における業者がたといアメリカとの契約でございましょうとも、なるほど行政協定の十二条には、軍は適当に契約を結ぶことができるという規定があります。ありますがしかし同じ十二条の二項には、日本の経済に影響を及ぼす場合には、やはり日本政府と合議をしなければならぬということがはっきり書いてある。そこで今までの会議録を読んでみますと、政府の言明では十六条の規定だけをおとりになっておるのでありますが、この場合は十六条は当らないのであります。もし行政協定をたてにとるというのなら、やはり役務その他を提供いたします十二条に該当する問題であるということになって参りますと、その処置として当然今日米合同委員会が開かれておるという言いわけがされるとは思いますが、しかし問題はこういう形になっておりますので、必ずしも十六条がものを言うわけではございませんし、同時に日本の国内における日本の法律に違反したものを、日本の政府が処断をすることについては、日米行政協定に私は何ら触れる条項はないと言える。日本政府は日本政府として、日本の犯罪に触れたものは処断されればいいのであって、それでアメリカがぐずぐず言うなら、それから先は日米合同委員会に持ち込まれればいい。アメリカが言ったからといって、日本の法律を犯しているものをそのまま認めるということはございますか。ここまでは制限をされておりません。制限がないということは、さっき申し上げました十二条の軍が調達する場合にはそういうものにかかわらず、いわゆる日本できめたもの以外のものとも契約ができると規定してあるわけです。しかし法律を犯してまでもそれがいいという規定はどこにもない。従って私は日本の法律に従って、間違ったものはこれを処断していくことがこの際正しい政府のやり力だと考えておりますが、この点についてのお考えがあるならば御答弁願いたい。
○伊能政府委員 私が答弁申し上げましたのは、この種の問題の根本的な解決をはかるためには、御指摘のように私どもも第十二条へ挿入をしようということで努力をいたしております。と同時に具体的には京浜港運でございますが、これの処分については御指摘の通り、国内で適格性を欠いているものはあるいは取り消し、あるいは停止処分をやることは少しも差しつかえない問題でございまして、われわれもこの点について処分をする必要がありやいなや——もちろん御指摘のように、当然はっきりしておるのだから、すみやかに処分をしろというお話でございましたが、相手方もいろいろと抗弁の材料を提出いたしましたりしてやっておりますものですから、われわれとしては十分な資料を整えた上で処分をしようということで、目下現地の海軍局で調査中でございます。
○門司亮君 さらにもう一つ、二つ聞いておきたいと思いますことは、政府の心がまえとしては十二条にあります規定そのものを持って参りましても、十二条の二項は、こういう約束をする場合に、問題が起ってから処置するというのではございません。こういう経済的な大きな影響を持つものは、あらかじめ政府の権威ある者と相談をしなければならないという規定なのです。問題が起ってから相談するというのではない。だから私どもの解釈からいいますと、こういう事態は、日本の政府では、この法律できめられておるのであるから、それ以外の者にアメリカが契約してもらったら困るということは当然言えるのです。また契約の当時にこういうものがなければならないはずなんです。ところがこれを横浜の港湾局が怠っていたかどうかということは私ども疑問があるのです。これは行政協定の条文の上からいっても差しつかえがあるようなないようなことに御解釈になるかもしれませんけれども、われわれが今まで取り扱って参りましたことにつきましては、荷役の関係は経済行為でありますから、こういうものについては当然日本側に経済的に非常に大きな影響を持つものであります。従ってそういうことがなされないで協定の十二条の前段だけで処置されることについては、私ども非常に大きな疑問を持っております。これらについてはここであなたと今議論いたしましても、私は大して効果はないと思います。従って日本政府のとるべき処置というのは、こういう問題をもう少しはっきりきめてもらうということ、そうして港湾運送の円滑と、同時に労働者に迷惑をかけない方針を一つぜひ打ち出してもらいたい。争議の問題がこういうふうに長引いておりまして、結果としてもたらされるものは何であるかというと、労働者が安い賃金が得られるか、あるいは賃金が得られないかということが、全部労働者にしわ寄せが来ている。だから——労使の間には介入しないという政府の方針はわかります。しかし結果は労使の紛争が労働者だけにしわ寄せされておる。従って労働者だけにしわ寄せされているということになりますと、やはり政府の処置は労働紛争の解決に一番大きなかぎなんです。これ以外にほとんどかぎがないのです。そこで最悪の場合といたしましても、一体政府は労働賃金にしわ寄せをしないように——会社が安くとったということは、そうかもしれないけれども、しかし正常に払わるべき賃金というものは、やはり労働者に支払わるべきが私は当然であろうと思う。これがやはり値段をきめられます場合に、それが織り込まれて値段がきめられておる。会社の場合は幾らである、労働者の方に支払わるべきものは幾らであるということがきめられておる。そういたしますと、会社の損得は別といたしまして、働く労働者の賃金というものはカットさるべき筋合いのものではないと私は思う。労働者の賃金をカットして、会社だけが利益を得ようというようなばかばかしいことが許されるとするならば、これは今度の争議を長引かせる原因であり、解決しないことになる。従って政府の態度としては、そういう処置がとれるかどうか。労働者には絶対に賃金カットをしないということを、この料金をきめられた精神に基いてそういうことが行われるかどうか、この点をもう一応聞いておきたいと思います。
○天埜説明員 ただいまの行政協定十二条二項の問題でございます。この点はあらかじめ設定され、公示された運賃及び料金というものを、十二条二項にまた別にリストがございますので、その中へ入れておきまして、そうして設定し、公示されたものでなければ困るということがこの折衝の眼目でございます。そういたしませんと、現在までのようにすぐまぎわになって参りまして、まぎわになってきてからネゴシエーションをやってたたくということになっては困りますので、あらかじめ設定したもので公示したものでなければならないということを、この中へ入れようというのが趣旨でございます。それでその料金の公示に当りましては、これは原価計算をして適当な利潤を含むものでなければなりませんが、そういう意味で今おっしゃったように、労働者の賃金カットがあるというように考えられる場合には、これは受け付けられないということであります。
○門司亮君 ちょっともう一つお聞きしておきます。今の十一条の規定はそういう御趣旨であると思いますが、後段に申し上げましたどんなに安く請負者が受けても、労働賃金をカットするということになると困る。ここまで影響がきてはストライキが起きるわけです。ストライキの種をまくことになってくる。私はこの問題はちょうどその通りだと思います。たといこれが不適格者でありましても、やっておることについて一体労働省は労働者の賃金をカットする、安くしてはならない。いわゆる協定に認められておる通り払えという指示をされる御意志がございますか。
○天埜説明員 その通りでございます。届け出てきた賃金、料金でもってはできないというような判定ができれば、そういう料金は受け付けられない。届け出てきてもこれは却下しなければならないわけであります。 —————————————
○松山委員長 井岡委員。
○井岡委員 私は鉄道監督局長に、先般大阪の南海電車が運賃値上げをしたわけですが、沿線の住民あるいは市議会、町村会こぞってこの値上げに反対をされておるわけなんです。と申しますことは、この運賃値上げが全くやみ討ちに行われた。これはあるいは運輸省の中に南海電車と特定な取引があったのではないか、こういうようなことで非常に大きな憤激と反対の決議をことごとくしておるわけなんです。従ってこの運賃値上げに関してどういうような経緯でなされたか。この点を一つまずお聞きをいたしたいと思います。
○権田説明員 お答え申し上げます。すでに御承知の通り、地方鉄道軌道の運賃は、個々のものの申請を待ちまして、審査をいたす建前に相なっております。ただいま御指摘の南海電気鉄道の運賃申請は、九月二十四日に正式に受理をいたしております。これを受理いたしますと、御承知の通り正常な手続によりましてこれを運輸審議会に諮問をいたします。この事業は諮問をいたしましたのが十月五日になっております。運輸審議会は諮問を受けますと、件名表に登載をいたしまして、官報でもって一般に公告をいたします。この公告後二週間を経ないと審議が完了できないということになっておりまして、この公告期間中に利害関係者のいろいろな公聴会の申請なり何なりのお申し出を待っておるわけであります。この南海の申請事案につきましては、お申し出がないために運輸審議会の方では聴問会の必要を認めまして、その職権によりまして十月十六日に関係者の聴問会をやっております。その結果十月二十三日に答申をいたしております。これまた御承知のように運輸大臣は、運賃申請事案の認可の可否及びその内容を処分いたしますには、運輸審議会の答申を尊重いたさなければなりませんので、この答申を尊重いたしまして十月二十五日に認可をいたしております。それに基きましてさらに実際は法律上一週間の公示を要しますので、その手続を了しまして十一月五日から運賃値上げが実施になっておる。いわゆる一般の地方鉄道軌道の運賃申請事案と全く同じ手続、正常の手続によって処理いたしたものでございます。
○井岡委員 官報で公示をいたしてあるから、その官報を見なかった者が悪いということになるわけでございますが、現実には官報を十分すみからすみまでみんなが見ておるということではありません。同時にまたその官報をとっておるという方々も、非常に限られた方々だけであります。従って官報で公聴会を申し込む、こういうことをやらなかったために、運輸省は聴問会をお開きになられたということは、一応措置としては適切な措置だ、こう思うのですが、この聴問会をお開きになられたメンバー等は、どういう方々をお呼びになられたか、この点お尋ねをいたしたいと思います。
○権田説明員 ただいま御説明いたしました聴問会は、運輸審議会がやりました聴問会でありまして、運輸省の事務当局といたしましてはこれと並行して、下調べと申しますか審査をいたしておるわけでありまして、運輸審議会がやります聴問会は大体当事者を呼ぶのが通例でございます。
○井岡委員 当事者を呼べば、申請をしておるわけですからわかると思うのですが、そこで当事者に運輸審議会あるいは運輸省の方から、今回値上げをするから沿線の市町村、特に南海の場合はいろいろあるわけです。バスを堺市が動かすといったときに、これは南海でまかなっていますから、一つ南海でやらしていただきたいということを南海が堺市の市会に申し込んでこれを了承しておる。あるいは貝塚の市会においても同様の措置をとっておる。従って各沿線の市町村と、南海の経営自体というものは、非常に密接な関係を持っておる。同時にその人々の意見を聞かなければ、南海の経営自体も成り立っていかないという組織になっておるわけです。ところが今回の南海は一向にこれをやっていないわけです。そこでこの聴問会について、あるいはこういうことは聞けないのかもわかりませんが、運輸当局としては十分そういう関係市町村に対して値上げをするということを話をし、納得をさせるような措置をとったかどうか、お尋ねになったかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○権田説明員 先ほど御説明いたしました通り、地方鉄道軌道の運賃は申請主義によって、個々の申請を待って審査を開始いたしておりますので、御案内の通りに非常に膨大な会社がそれぞれの判断に基いて申請をして参りますので、申請事案も数多くございます。このたびに、運輸省として関係地方自治団体等に一々通告をいたしまして、その意見をとらなければ処理できないという制度には相なっておりませんので、従いまして法律的にはそういったことを義務づけられるととは、実際上の問題として困難だと思いますが、先ほど御説明いたしました通り、そのために官報で公示をいたしまして二週間余裕がありまして、その間にお申し出があればこれは公聴会を開くという制度に法律的にはなっております。従いまして法律的なやり方としては、今のやり方以外に方法はないかと存じますが、御指摘の通りこういつたような問題は地方の非常に大きな問題でありますし、特に免許事業でありまして公共事業でありまするから、利用者各位あるいは関係地方自治団体との十分なお話し合いということは事実上望ましいことであります。こういうことは当該会社においてしかるべく善処いたすべきことでありまして、私どもの方が法律上の手続としてこれをやりますことは、事実上困難でございまするけれども、事実上そういう重大な使命にかんがみて、そういう措置をとることは望ましいことと考えおります。
○井岡委員 法律上の手続の問題でなくて、運輸行政の監督の立場、指導の立場から、南海電車それ自体に十分各利用者並びに関係公共団体等に内意をして、相談をするようにという指導はされなかったかどうか、こういうことなんです。
○権田説明員 ただいまお答え申し上げましたように、運輸省当局が直接法律上で関係地方団体の意見を聴取することを義務づけられることは実際上困難だと思いますが、御指摘の通りに関係会社がいろいろ自発的にそういう連絡を保つことは望ましいことでございます。今回の場合につきましては運輸省の事務当局といたしましては、先ほど申し上げましたように、時間を大分かけましていろいろこまかい資料について厳正に吟味しておりますが、当該会社を通じていろいろ沿線との関係あるいは利用者に与える影響は調査しておりますが、運輸省自体が自分から関係地方自治団体をお呼びして、その意見を聞いたということはいたしておりません。これは在来とも一般の事案についてもいたしておりませんので、通常の扱いで処理いたした次第であります。
○井岡委員 私の尋ねておることと局長の御答弁になっておることと食い違いがある。ピントが合わない。私は法律上の立場あるいは運輸省の立場としては、今回とられた措置について間違いがない、このように認定をしております。ただ行政指導をする立場から、あるいは会社が、いわゆる公聴会の申し出がないというこの事実に徴して、会社に一度やはり関係の地方公共団体等に十分それを伝えたかどうか、こういうことをお尋ねになり指導されたかどうか、こういうことなんです。
○権田説明員 事案の審査の過程におきましては、関係会社から御利用になる住民への影響あるいはその他の影響というものを聴取しております。
○井岡委員 この問題はこの程度にいたしまして、大阪における新聞では、南海電車の値上げは戦災とジェーン台風による損害が非常にひどい。従って復旧その他について非常に金が要るから今回値上げをするのだ、こういうお話しになっておるわけなんです。ところが今回の値上げを見てみますと、部分的には非常に高い値上げをしておるところもあります。しかもその部分的というのは、大体乗客密度が非常に高いところにおいては一割八分といっておりまするけれども、現実には倍あるいは倍半というような高い値上げをしているわけなんです。従って前段の南海電車の施設の拡充強化あるいは改善にこれを使うというのであれば、全体的な負担において行わるべきであると思います。しかるにこれが行われておらない。和歌山まで行きますと、以前の料金そのままで同じであります。こういうことではこれは住民が了解しないのは当然だと思うのですが、この点はどういうかげんで、こういうことになったのですか。
○権田説明員 では値上げの内容について簡単に御説明いたします。南海電気鉄道が値上げをいたしましたのは二十八年一月でありまして、自来小さな修正はありますが、値上げをしておらない。今回申請がありまして、内容を吟味いたしたのでありますが、その間の給与の改訂、人件費の問題、それから電力料金の引き上げ、動力費の問題、それから今までに輸送施設の増強に投下いたしました資本の減価償却費、その負担すべき減価償却費の増の問題、それから借り入れ資金の利子の増加、これらによる営業費の膨脹を認定し得ましたので、その結果見てみますと、特に今御指摘がありましたように、風水害の被害は相当大きくありますが、この復旧費は資本にかかることでありますから、経費としては認められないのでありますが、しかし利子、減価償却費の増によって、補修の関係費が非常に圧縮されておりまして、正常なる補修費の支出が行われておらない。ことに老朽施設の取りかえ、あるいは改良費でまかなうべき輸送施設の関係費の増、こういうものを認定いたしまして、大体収支の差額を詰めてみたわけであります。しかしこの差額を詰めました結果、今御指摘のような全般の収入に対する率が出たのでありまするけれども、御指摘は南海本線だと思いますが、いろいろな運賃制度をとっておりますが、本線につきましては、この会社は区間制をとっております。御承知の通り運賃には一本運賃、区間制、距離比例制とありますが、本線については区間制をとっておりまして、この区間制をいろいろ見たのでありますが、現行の区間制が二十二区でありまするのを、二十七区に今回改訂をいたしたわけであります。区間制でありまするから、区間々々によりましては、値上げ率が、全体の収支を見た率とはどうしても技術的に合わないわけであります。上らない区間もあれば、十円から十五円になって、五割上る区間もある。これは区間制の技術的にやむを得ざる点でございますが、これの総収入として区間的交通量から厳密に計算いたしますと、今言ったような収支に見合いまして、この収支も、鉄道に関する収入、鉄道事業に関する支出だけに厳密に査定をいたしております。この結果、なお支出に若干の赤字は認めますが、この程度の赤字は今後の経営合理化によって補わせることとして、最低限度の値上げにいたしたわけでございます。区間の値上り率が違いますのは、そういった区間制の問題でありまして、もう一つは、全区間にわたります難波から和歌山までの運賃の問題でありますが、これにつきましては実は特定運賃を認可いたしております。御案内の通りに鉄道運賃は、今申し上げましたように原価からいろいろ厳密に計算いたしますると同時に、バスでありますとか、国鉄でありますとか、並行の競争機関との関係において不当な競争が起らないように措置をいたしておりまして、交通調整上の判断をいたしておる。起終点を同じくし、経過地も似通っておって、全く同一目的の競争交通機関に対しては、同一運賃を調整運賃として採用させておりますので、その意味において特定運賃を認可しておる関係上、難波和歌山間においては値上り率がこういう格好に相なったわけでございます。
○井岡委員 その特定運賃の問題でありますが、たとえば大阪市内で国鉄阪和線と南海電車の阪堺線における問題は、非常に大きな開きを持っておるわけなのです。そのために最近阪和線が混乱をして、全くもう収拾のつかないような状態になっておる。これは当然ここで特定運賃を設定することが必要であろうと思うのです。しかしこの問題は、運賃を値上げする限りにおいては若干そういうぎこちないところも出てくる、これはやむを得ないと思うのです。ただ今度の場合は、この特定運賃を考慮に入れないで、いわゆる密度の高いところだけをべらぼうに上げておる。十円のところを十五円にしたというのであれば、これはまあ話はわかるのですが、十円のところを三十円にしておる。こういうのがたくさんあるわけなのです。こういう点で非常に住民は怒っておる。しかも先ほどから申し上げたように、運輸当局として、法の手続そのものにあやまちがなかったとしても、特に関係のある公共団体の住民に全くやみ討ち的にこれをやった、こういうことになって参りますと、これは独占企業でありますから、高くなったから乗らない、こういうわけにはいかない、学校に行く限りはやはり乗らなければ行けない、こういうことで非常に問題が起っておるわけです。特に高野線のごときに至っては、べらぼうな運賃の作定をやっておる。われわれとしては、今回のこの運賃作定に当っては、まことに了解に苦しむところが非常に多いわけです。そこで私は今後この問題をここで論争してみても、これはなかなか結論が出ない問題だと思いまするので、御伺いをいたしたいことは、なるほど先ほど監督局長が御説明になったように、法の建前としては公聴会の申し出がなければ、公聴会を開くことができないということになっておるから、ない場合はやむを得ないじゃほいか、こういうことになるわけでありますが、交通事業というものは概して独占企業でありまするから、幾ら文句を言ってみたところでどうにもならないという結果になっている。従って十分関係者の意見を聞くような方法を、もっと合理的に講ずるような考えがあるかどうか、この点を一つお伺いをいたしたいと思います。
○権田説明員 その点は先ほどお答え申し上げましたように、かたく申しますと、法律的な措置と申しますか、規則ずくめの措置においては、私は今の申請制度をとり、またあれほどの数もある事案については、現在の制度がやむを得ないのではないかと存じております。この制度を十分周知徹底して、皆様に御利用いただくようにいたしたいと思いますが、事実上のいろいろな問題としては、これは役所の問題ではございませんが、そういう関係者に非常に利害関係のある公共機関は、事業者といえどもその点に今後大いに留意すべきだと考えておりますので、地帯地帯によりまして、数がたくさんございますから、事実上各会社によっていろいろ事情は違うと思いますがなるたけよく沿線の御利用の皆様あるいは地方団体と融和をはかるようにしていくことは非常に望ましいことだと存じております。
○井岡委員 そこで、公示徹底をせしめると言っておるわけですが、法律的な手続としてはこれだけでよろしいわけですが、たとえば各地方の当該の陸運局等で、南海電車の値上げの申請があったとか、あるいは何々会社の申請があった、従って公聴会を希望する者は何月何日までに申し込んでもらいたい、こういうような方法が行政的な立場からできないものかどうか、この点お尋ねをいたします。
○権田説明員 その点につきましては、あらゆるものが申請主義になっておりまして、陸運局が窓口で、最初陸運局に持って参りまするが、すべてのものをそういうふうにやるということは、行政事務の都合上事案によってはなかなかできかねると思うのでございます。たとえば、こまかい認可申請が運賃以外にございます。工事の施行認可でありますとか、運転度数でありますとか、非常に申請がたくさんございます。従ってどうしても私どもとしては、その以前において申請者の方でいろいろ判断して、適切また親切な手を打つべきであると考えまして、こちらの方でこういう事案を振り分けまして、一々御通知申し上げるということは実際問題として、事務としてできないのじゃないかと思っております。
○井岡委員 すでに監督局長は御存じだろうと思いますが、関西の私鉄は運賃値上げを南海がやったことによって、すでに申請をしたとか準備をしておるとかいわれております。そうなって参りますと、いわゆる運賃というものは国民経済に非常に大きな影響を持つことは、時間がございせんから省略します。従ってこの問題がスムーズに運営されないとするならば、今後非常に大きな問題が起ってこようと思うのです。先ほども自動車の話を聞いておりましたが、一にかかって今日のいわゆる運輸業者というものが、果して運輸道徳を持っておるのかどうか、こう疑われる点が非常にたくさんございます。そのつどこういう問題で不祥事件が起る。たとえば御承知のように阪急電車の岡町の駅で非常に大きな傷害事件が起ったことは、監督局長は十分御存じであろうと思うのです。従ってもし不祥事が起ってしまってから、これはどうであったとか、こうであったとかと言ってみたところで間に合わないこで、事件が起らないようにすることが、指導監督行政にある者の立場としてとるべきであろうと思うのです。そこで会社当局はもちろんのこと、十分沿線の住民の福祉の立場に立って、いわゆる公共事業というものを自覚してやる立場から留意することは当然ではございますけれども、運輸当局としても入札の問題であるとかどうであるとか、そんなものまでやれとは私は言っておらないわけで、いわゆる運賃の値上げというような国民生活に非常に影響を持つ問題は、できるだけ親切に取り扱ってやるということが今日必要でないかと思うのです。この点御見解を承わりたいと思います。
○権田説明員 お答え申し上げます。成規の手続といたしましては、私どもの方は申請事案を受理いたしますれば、官報に運輸審議会の方の件名表登載で公示いたしますから、ぜひこれで御了承に相なるようにいたしていただきたいと思うのでありまして、なお他の関東地方あるいは関西地方あるいは九州地方の大会社からの運賃値上げの申請は、その後まだ一件もございません。申請がありますれば、直ちに成規の手続によりまして官報に公示いたしますから、それによって御承知願いたいと存じます。
○松山委員長 先刻の青野君の御意見に対しましては、先ほど理事会でも大体了承いたしておりますので、委員長において善処いたしたいと思います。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時二十五分散会