運輸委員会 第4号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/12/03
会議録
○山本(友)委員長代理 ただいまより運輸委員会を開会いたします。 委員長が御病気でいまだ回復をいたしませんので、御指名によりまして私が委員長の職務を行います。 これよりガソリン税増徴の問題に関しまして質疑を許します。中居君。
○中居委員 私は揮発油税の増徴問題について、ごく簡単に質問を申し上げたいと考えているわけでございます。この問題については過去二度にわたって、すでに相当程度の論議が尽されたわけでございまして、しかも先ほどの理事会の申し合せによりまして、本日決議案が出るというような取り運びにもなっているようでございますから、私は先般大蔵省から提出を願いました資料に基いて、要点だけを一、二お伺い申し上げたいと思うわけでございます。 大蔵省が税制調査会に諮問中のこのガソリン税の増徴の問題について、大蔵省からわれわれに提出せられました資料に基きますと、ガソリン税増徴の賛成論として大蔵省が述べております理由は、世界各国に比してわが国の税率がきわめて低いということを第一番に述べておられます。さらに第二番目の理由として、道路整備によって受けるところの自動車業界の利益が、増税によって業者に負わされるところの負担よりももっと大きい、二倍以上の利益があるのだ、こういうことが第二の理由になっているようでございますが、今までの質疑応答の過程を通じまして、大蔵当局はなおこれらのあなた方があげておられる賛成の理由が正しいと思っておられるかどうか、あらためてお伺いしたいわけでございます。
○原政府委員 差し上げました資料の中身のことは、私どもこういう賛成の理由の筋合いはあると思っております。
○中居委員 質問が重複するようでございますが、あなたがそう答弁なさるなら、私もあえてお伺いしなければならないと思うわけでございます。第一の外国に比してわが国の税率がきわめて低い、こういうあなたの論拠ほど幼稚な論拠はないと私は思っております。その国の国民所得であるとか、あるいは経済上の客観性を無視して、ただ数字だけを検討して高いとか安いとかいうことの論拠とすることは、私は子供だましの理論であると思います。もしも数字だけをもって高い安いということを論断するならば、わが国の所得税の税率はどうですか、外国に比して安いのですよ。そしてまたわが国の税率をながめてみましても、たとえば一ヶ月一万円の所得者が一〇%の所得税を取られている、そして一ヶ月十万円の所得者が三〇%の税率を納めている、一〇%の税率が三〇%に比して安いという理論と同じなんですよ。私は国民の所得あるいは経済情勢というものを勘案しないで、税率というものを論断することは間違いであると思うのですが、それでもあなた方はなおかつ外国と比してわが国の税率が安いと言われますか。
○原政府委員 私は安いと思います。それはなるほど所得に対する課税の場合は、所得の絶対額の大きさに比べて負担がどうかというふうに比較する、つまり日本で五十万円の人とアメリカで五十万円の人とを比べて、その所得税負担というものはどうかという比較をいたします。その間アメリカにおける五十万円が日本の五十万円と同じ購買力があるかどうかという問題は一応ありますが、まあ大体そういう形で並べます。間接税の場合におきましても、ガソリン一キロリットルについて税が幾らかかり、そして値段が幾らになるかという比較をいたします。そういたしますれば日本のは西欧諸国等に比べますると、負担は相対的には低いということが言えると思います。
○中居委員 西欧諸国に比して日本が低い、こういうことは、諸国というのは複数でございますが、国民所得と勘案して計算して、どことどこが日本より高くなっておりますか。
○原政府委員 私どもは国民所得が高い国の間接税は、その高い比例で高くあるべきだとは思いません。そうでありましたならば、たとえばアメリカのような国は国民所得が日本の一人当りにして十倍であります。従ってその議論でアメリカではガソリン税が十倍になってよろしいということになりますれば、アメリカの経済を構成していきます燃料原価あるいは動力原価というものが、その限りにおいて十倍になってしまうということでは、一ドル三百六十円という為替相場では、国際経済の中で競争していくことがとてもできないことになるわけであります。そういう意味でやはり税負担の比較はそのものずばり、一キロリットルに幾らかかり、その絶対額を比較して重いか軽いかということをやらなければいかぬというふうに思います。
○中居委員 御承知のようにわが国のガソリン税の税率というものは、国民所得と比べてみますと、イタリアに次いで第二番目になっております。アメリカに比較しますと、実に十五倍の税金がわが国のガソリン税として徴収されておるわけでございますが、しかし今あなたは、あなたの考え方で諸外国に比してわが国のガソリン税はなおかつ安い、こう言われたのでございます。そこでこの今論議されておる一万円ないし一万二千円の増徴があったとしても、わが国の自動車業界は十分にこの価格を消化できるのだ、こういう主張があなた方の今までの主張のおもなものでございました。しかしわが国の自動車業界というのは、あなたも御承知だと思いますが、非常な統制事業でございます。免許事業でございます。そしてこの免許事業、統制事業である限り、公的なものであるということによって、運賃というものが非常に厳正に策定されておるのです。昭和二十六年わが国の自動車運賃が確定する場合におけるところのわが国のガソリンの税金というのは、一万一千円ですよ。一万一千円のガソリンを消化するという原価計算に基きまして、今日のわが国の自動車業界の運賃というものが決定しておるのです。それを伝えられるような、二万五千円というような高率な税金をもって、ガソリンの価格というものがもしも今後行われるとしましたならば、私はこの昭和二十六年に決定しました原価計算に狂いが出てくるのだ、当然現在の運賃では営業というものを継続していくことは、できない、こう思うのですが、あなたはいかがですか。
○原政府委員 どうも私どもが一万円なり一万二千円上げる意見だというふうにおっしゃられますが、先般来申し上げておるように、ガソリン税の問題は税だけの問題でなく、道路の問題とからみ、従って税制調査会においてもそういう角度で資料の要求といいますか、考慮の要点を計算をして出さなければいかぬという筋合いになって、ガソリン税を増徴することによる犠牲と苦しみと、それからそれによって道路ができる——道路をよくしなければならぬというのは、これはもうだれしも認めることだろうと思うのでありますが、それによる受益との関係を比較し、かつ現在のガソリン税負担が国際的に見て、あるいは過去との比較でどうなっているかというような資料を出したわけであります。その際、受益の計算をいたしますのに、一応ある数字を入れて計算するということをいたしたものでありますから、まず第一に私どもが一万円なり一万二千円なり必ず取れということを申しておるのではないということを、はっきりお断わりしておきたいと思います。ただし、重ねて申しますが、道路をよくするということは、これはだれしもやりたいことでありますから、そうならば税をあずかる者として、たまたまこれが目的税にもなっており、再検討の機会だから十分その辺の、増徴による犠牲と受益との関係を計算したいということで出したものであります。その犠牲と受益との関係では、資料にもあります通り、長年にわたって見ますれば、非常に控え目な計算をしても利益が総額で倍になる。それは道路がよくなることによる自動車交通、自動車輸送の増ということを全然無視してそうなる。それらを入れて考えますと膨大なる利益になると思います。そういうような意味で、自動車運賃にどういう影響があるか、短期的な影響と長期的な影響とあると思いますが、長きにわたって考えれば、私どもはむしろ国民経済全体において輸送のコストを減らしていくということになる。もちろん最初の間はなかなかそうもいかぬだろうと思いますが、それらは少し長い目でごらんいただきますれば、結局運賃も安くなり、自動車輸送もふえる、それから日本の経済における諸般のコストも下るというふうな考えをいたしております。
○中居委員 私があなたにお伺いしたいのは、たとえば明年なら明年、一万円ないし一万二千円、ガソリン税がさらに増徴されると仮定しまして明年なり明後年なりのわが国の自動車業者が、現在の運賃体系で営業ができるかどうかということを聞いているのです。五年先、十年先の理論は、あるいはあなたの理論が正しいかもしれぬ、しかし五年先、十年先の話よりも明年、明後年、当面の問題が私は業界にとっては一番大きな問題だと思うのです。そのことの見解をあなたにはっきり承わっておきたいと思うわけです。
○原政府委員 その点は非常にむずかしい問題だと思います。十分関係の方面とも打ち合せてやらなければならぬと思いますが、どれだけ長期に見るかということあたりがこの政策的な判断に入ることだろうと思います。十分検討してみたいと思います。
○中居委員 先ほど話題がそれたから私は伺うことを忘れてしまったのですが、わが国のガソリン税が諸外国に比して安い、こういうあなたの主張でございました。そういう主張に立って、もう一つそれならあなたに御答弁願いたいことは、わが国のたばこ消費税はどうですか。わが国のたばこの消費税は世界で第四位です。もしもあなたの理論の通り、ガソリン税が国民所得に比してイタリアに次いで世界で第二番目である、こういう数字が出ているにもかかわらず、なおかつわが国のガソリン税が安い、こういう理論であるならば、世界で第四番目の税率を納めているこのタバコの消費税をあなたはどうお考えですか。たばこの消費税が高いという国民の世論、そしてあなた方も高いと言われて、漸次これを軽減する方向に進んでいるのじゃないですか。しかもたばこは嗜好品です。ガソリンは国民の経済にとってなくてはならないエネルギーですよ。
○原政府委員 たばこにおきましては、日本は大体総体ひっくるめて小売価格の六割五分くらいが税に当るものになっております。世界の各国と大体伍しておるという格好でありますが、ただいまお話のように国民所得に応じてというお話になりますれば、国民所得が十倍の米国に対しては、こっちは十分の一なんだから、同じ負担ということは十倍の負担だということにお話の通りならばなるわけです。そうすると、そういうお話なら、たばこは、日本は米国の十倍以上になる、十三倍ぐらいになりましょう。そういう系列でおやりになって揮発油税をやったわけでありますが、私どもは先ほど申したように、たばこをのむのに国民所得が十倍だから十倍の税負担をしてよろしい、それが公平な税なんだというふうには考えません。そうすれば、ちょっとアメリカの弁護をするような言い方になって変なんですが、十倍の国民所得があっても税金に関する限りは全然低い国と同じ消費しかできない、そしてたとえばガソリン税あたりでありましたならば、国際競争の場合に為替相場はその面ではたちまちくずれるファクターが働くということでありますから、私どもはそういろ比較の方法は間接税の負担の場合にはよろしくない。やはり一キロリットルについて幾らの税がかかるか、それから小売価格の何割の税がかかっているかというものをそのものずばり比較して参る、そういうふうにして参りますれば、日本は米国よりも御承知の通り若干高いいですが、世界の各国に比べますと、まだ高い部類というのじゃなくて、安いいグループであるというふうに申し上げておるのであります。
○中居委員 たばこ論議はこの辺で煙に巻いてやめておきましょう。 大蔵省からいただきましたガソリン税増徴による負担の増額と受益との関係という資料を拝見したのですが、これはあなた方は有料道路の資料と間違って出しておるのじゃないですか。
○原政府委員 いや、そういうことはございません。
○中居委員 そうすると局長にお伺いしますが、私の手元にある資料によって調べますと——これば運輸省の資料です、政府機関の資料です。たとえばかりにガソリン税が新たに三百億円増徴になったと仮定しまして、この財源を一〇〇%道路整備のために投入されたと仮定いたしますと、五年後に完成する道路というのは、舗装道路の三千七百二十キロを含めて一万二千三百キロです。一体あなたは今日のわが国のガソリン消費者、すなわち自動車が何キロの路面にわたって営業を行なっておるかということを御存じですか。三万キロですよ。三十万キロの路面にわたって自動車というものは営業を続けております。五年間かかって一万二千三百キロの道路が、たとえばこの計画通りでたとしましても、三十万キロにわたって営業路線を持っておる自動車業界がどのような恩典を受けますか。こういう常識的なものを考えてみましても、あなた方が受益と負担との関係について出しておる数字というものは、これはただ単なる机上論であると私は言いたい。世の山に攻撃は最大の防御策という言葉がございますが、あなた方の態度はまさにその通りなんです。居直り強盗という言葉を私は知っておりますが、まさに大蔵省の態度は居直り強盗の態度であると私は思っております。三十万キロの営業路線を持っておる自動車業界が、一万二千キロ程度の道路が完成したことによってどれだけの好影響を受けるかということを、あなた方は真剣に考えてもらいたいと思います。この点はいかがですか。
○原政府委員 おっしゃる通り、全体の道路は非常に長いことを承知しておりますが、その中で金をつぎ込んでいくとすれば、大事な道路、交通量の非常に多い道路からやるというようなことは当然だろうと思います。現に五カ年計画において取り上げております道路も、一万二、三千キロであるように承知をいたしております。これでもちろん十分なものではないということにはなっておりますが、日本経済に相当の改善がくるということでやっておりますものが、そのくらいの大きさで一応プランになっておるわけでありますから、私ども多々ますます弁ずではありますけれども、一番大事な交通量の多いところからやって参りますれば、一万キロなり二方キロなり、その辺の建設、改良、補修というようなことが、相当国民経済には大きな稗益をするのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○中居委員 いや、私は道路の整備されることが国民経済に利益するということは、これは賛成なんですよ。国民経済に利益になる、従って私どもは受益者は国全体であるのだから、一般財源でこの道路の費用というものをまかなうべきが当然であるということを再三申しておるのです。私がさっきあなたに申し上げたことは、あなた方は三百億の増税になっても、この負担よりも倍も三倍もの利益があるのだ、こういう主張をやっておるから、私はさっき三十万キロと一万二千キロの数字を申し上げたのですよ。これに対しては、あなたは弁解の余地はないでしょう。どうですか。この数字でも明らかなごとく、国家の五ヵ年計画なり十ヵ年計画によって利益を受ける者は一部分ですよ。部分的な問題なんですよ。それをあたかもガソリン消費者全体の利益になるかのごとき印象を持って、この問題を押し通そうとする態度は、あなた方はさっき申し上げた居直り強盗であると私は申し上げたいのです。
○原政府委員 私どもももろんこの道路が改良されて受益するのは、自動車だけだとは思いません。ほかもあると思います。しかしながら直観的にいって、非常に自動車交通が発達して、道路、特に整備計画の対象となる道路、そういう角度から問題になる道路は、自動車のレールのようなものだというような感じが一つある。従って受益の関係は自動車の関係が一番大きいというふうにまず考えるのと、もう一つお聞き願いたいのはガソリン税が今目的税になって、そうして道路につぎ込まれる、これは非常にけっこうなことでありますが、負担論からいえば、ガソリンから税を取る、それを全部道路につぎ込むという前に、やはり一応それは一般財源として国の歳出に向けられるということが必要なわけであります。そういうものとしてガソリン税はずっとあったわけでありますが、数年前からこれを目的税にされた。その際その前の段階を考えていただきますと、ガソリン税の全部というのは語弊があろうと思いますが、相当部分については一般の歳出に充てなければならぬという問題があるわけであります。それを道路が大事だから一応待ちなさいといって道路につぎ込んでおる。つまり一般の歳出によって利益を受けるほかの人たちはそれを犠牲にして、道路に全部つぎ込むということに相なっておるわけですから、そういう受益の関係は改めてほかの人は払わないということにしましても、ガソリン税の中から一般財源に向けて、ほかの人にずっと回っていく金が回っていかないというようなことにおいて、いわばほかの人がそういう形で負担している格好にもなるわけであります。そういう点もお考えいただき、全般の国民経済的観点における受益と犠牲というよう観点からいろいろお考え願うことだと思いますが、私どもこの問題についてそういうふうに考えておるということを申し上げたいと思います。
○中居委員 そうすると受益者負担、受益者負担と今日まで申してきたあなた方の考え方は間違いですね、そうでしょう。受益者が当然負担すべきだというあなた方の今日までの主張は間違いですね。
○原政府委員 間違っておるとは思いません。それがあるからガソリン税を目的税にされているので、受益者が負担していないというのは現在の制度においてもそういうふうになっておる。現在の制度ではそれが一般財源に充てられるべきといいますか、一般財源に充てられておった分が、道路に充てられているという意味で、非常に強くそういうふうに相なっておる。これは何も自動車業者だけが負担しているとお考え願わないでもよろしいということを言うておるわけであります。
○中居委員 その問題はあとでまた伺いますが、あなた方は資料の中で、たとえば道路が整備せられると一キロ当り七円ないし十八円の利益がある、経費の節減がある、こう申しております。そして結論的には負担を償なってさらに一、九八倍の利益になるのだ、こういう資料でございますが、しかし運輸省から出ておる資料によってこれを検討してみますと、あなた方の資料がいかに誤まっておるかということが如実に証明されております。運輸省は専門家です。あなた方は自動車に関してはしろうとなんです。運輸省は専門家、さすが専門家は正確な資料を出しております。今トン当り一万円の増徴を行うと仮定しまして、昭和三十二年度はガソリン消費者が負担する税金は三百二十二億八千万、そして明年でき上る道路は二千百四十五キロ、一日三百台の自動車が通ると仮定しまして、一キロ当り十円の利益があったとしても、業界の受ける利益は二十三億四千八百万、十五円の利益があると仮定しましても三十五億二千三百万、優に十倍以上の負担増です。これは五ヵ年間の統計をとって見ますと、五ヵ年間にガソリン消費者が納めるところの負担は千八百五十一億円、でき上る道路は一万二千二百九十一キロ、キロ当り十円の利益があったと仮定しましても、受ける利益は三百八十六億円、十五円と仮定しましても五百八十億円、まさに三倍ないし二倍半の負担増という数字が運輸当局の資料ではっきり出ております。あなた方はこの資料を見てどうお思いになりますか。それでもなおかつ二倍以上の利益があるということを主張なさいますか。
○原政府委員 その計数にはいろいろ議論があるだろうと思います。私ども運輸省の資料もいただいておりますが、もちろん私ども専門家ではありませんから、運輸省にも資料をいただき、また道路をやる建設省にもいろいろ見ていただきました。計算の基礎が若干違っておりますが、ただいまおっしゃる通り、大きく見れば一年で三十五億というのは、私どもの言う三十九億幾らというのとはかなり近いということで、あまり私どもがそうめちゃなことを言っておるのでないということはおわかりいただけるだろうと思います。ただ私どもは、道路はできたら一年でだめになってしまうものではないから、内輪に見ても平均して十五年間は持つ。そうすると四十億の十五年間というと六百億になる。これは道路がよくなって自動車輸送がぐんぐん盛んになって、貨物、旅客の数がふえる、それによる利益を見てないわけですから、それを見ますれば六百億がもっと大きくなるだろうと思います。先般申し上げた鮎川さんの調査会では大体はっきりしたそういう計算はしておられませんが、それから推算していくと、四倍ぐらいの数字にはなっていくのではなかろうかというふうに思います。おっしゃる通り、初めの年度に三百億円程度の額を一年で増徴されたとして、その道路で受ける一年目の受益というものはそれの何分の一である、私どもの計算でも七分の一くらいになりますか、でありますけれども、とにかくそれが何年も持つわけですから、結局それによって一定の期間の間にはどう少く見ても倍だ、交通の伸びを考えればまあ三倍、四倍で、それらから受ける間接的な利益まで考えますと、膨大な受益があると言っておるわけであります。運輸省の数字とは、運転台数等が食い違いがありますから若干違いますが、それで、そういう意味で判断、見解の相違は若干あると思いますけれども、そう大きく非常識と言われるほどの差異はないのじゃないかというふうに思っております。
○中居委員 それは十年先、十五年先の話では、あなたの言われる通りかもしれぬ。しかし十年先、十五年先の話を今持ち出したって、鬼が笑いようがなくて困っているのです。来年のことを言うと鬼が笑うといいますけれども、十年先、十五年先のことを言ってこれだけの利益があると言ったって、それは絵にかいたもちにしかすぎないのです。その十年先、十五年先までの間、業界が一体これだけの負担にたえることができるかどうかということをあなたに検討してもらいたいのです。一ヵ年間に自動車の業界が上げておる利益というものを、あなたは幾らだと思っております。せいぜい三十五億——四十億ですよ。三十五億から四十億というのが、自動車事業界における年間の収入の総額ですよ。この一年間にガソリン税が増徴になって負担する金額が三百二十二億円、受ける利益が二十三億ないし三十五億円、優に二百五十億以上の負担増になっておりますよ。二十億か三十億しか利益を上げていない自動車業界が、二百五十億という負担にどうしてたえることができますか。五年先、十年先を待たないで、もうこのガソリン税の増徴が決定したその年から業界は混乱しますよ。そして二年目には崩解するのです。そのことをあなた方は考えてもらわなければならぬと思うのです。目的税ではあるが、しかし道路整備のために一般租税的な意味も持っておるということを、あなたはしきりに言っておられます。もしもそうだとすれば、こういう担税力を無視した税金というものが、いかに無謀な税金であるか、ということは、あなた方もよく了解がつくと思うのですよ。こういうことを考えて、そしてこのガソリン税の税率の問題を論議してもらいたい、こう私は考えておるのです。十年先、十五年先のことはあなた方に言われなくても、だれにもわかっておるのです。問題は一年先、二年先の問題ですよ。局長の見解を承わりたいと思います。
○原政府委員 今おっしゃる通りのところもありますが、十年先、十五年先生言われますと少し話が長くなり過ぎるので、私どもの計算でも最低四十億回収して参りますれば、七年半で回収するわけですから、七年半で元はとってしまうということになるわけです。あとはまるもうけだということになるわけです。そういう計算をいたしますと、——今のは道路交通が伸びないと仮定してそうなんですが、猛烈な勢いで伸びていくということはだれもが自信を持って言っていい。そういう伸びを考えますと、そういう伸びによる利益等も入れて参りますれば、三、四年たてばそのときに増徴されるのに比べて、この一連の計画がもしできるとして、それによってできる道路からの受益の額というものは、三、四年たてばその年の犠牲の半分以上になっていくだろう、当分苦しいかもしれませんが、結局そう十年、十五年とおっしゃらないでも、割合に、五年もたてば非常に明るいことになりはせぬかというふうに思いますので、あまり長い先だとおっしゃらないでいただきたいと思います。
○中居委員 五年といいますと千八百日ですよ。その間あなたは自動車業界を保証してくれますか。営業保証をしてくれますか。収支のバランスを保証してくれますか。それなら待ちましょう。千八百日でも二千日でも待ちましょう。その間をどうしてくれます。政府が欠損に対して保証してくれますか。
○原政府委員 保証などということはできないと思いますが、しかしその間先ほど申した受益がおくれるというようなことから、運賃の問題にもからんでくると思いますが、要するに私ども何も酔狂に上げろ上げろと言っておるのじゃないので、道路は最高のものであるというふうに思うものですから、もし道路をしっかり整備しなければならぬとする場合に、こういうことも考えられる。そうするとその業界の収支といいますか、そういうものを当初の間どうするかということは、当然先ほどお話のありました運賃の問題も出てくると思います。それらを総合勘案してどう御判断になるかという問題だろうと思います。結局この道路整備をしっかりやるのにどうしたらいいかということについて、やはりガソリン税が目的税となっておるという関係から、こういう計算をして、そうして当座の運賃問題というものを検討して、どういう判断に達するかという問題じゃないかと思います。
○中居委員 当委員会の第一日目に大蔵省から出席されました税制第一課長ですか、あの方はこういうことを言っておりました。たとえば一万円なら一万円の増徴が今日の自動車経営にたえ得るものであるならば——こういうことを私どもに申しておったのですよ。今のあなたのお話ではついに運賃の問題を検討せざるを得ないだろう、こういうことを言ったのですが、そうすると大蔵省ではどういうことなんですか。たえ得るという前提は、たえ得ないということに変ったのですか。
○原政府委員 それば先ほど申したように、長期に見れば運賃は下げていけるというのです。長期にそうだから短期にそのままいけということが言えるかどうかということは、冒頭にもお答えした通り検討しなければならぬ問題だということを申し上げているわけです。
○中居委員 この問題は大体わかりましたから、この程度で結論を申し上げたいと思いますが、先般政府で招聘しましたワトキンス調査団の結論にこういうことを申しておりますよ。工業国でこれほど完全に道路が閑却されてきた国は世界のどこにもない。そしてこの粗悪な道路への無関心さが、日本経済に非常に重いコストの負掛を課して、ひいては経済的な発展を阻害しておる、こういうことを述べておりますね。そうしてコストが高いということは、決してわが国の自動車運賃が道路が悪いから高いということではないのです。わが国の自動車の運賃は、世界各国に比して二分の一ですよ。あるいは四分の一ぐらいにしか相当していないですよ。自動車の運賃は決してわが国のコスト高の原因にはなっていない。ただ道路が悪いということが、輸送量の少いこと、あるいは資源の開発をおくらしておる。従いましてこういう理論を前提にして考えまするならば、道路を整備してコスト・ダウンをするということは、決して運賃の問題じゃない。道路を整備することが経済の向上であり、わが国経済の発展であるということがはっきりしておる以上、道路整備ということの受益者は国全体である。国民全体が受益者であるという結論になると思うのです。従いまして道路整備のための財源的な措置というものは、政府の責任において、一般財源からこれを投入するのが当然の理論なんです。しかも自動車業界といわずすべての産業、すべての国民は、そういった趣旨で政府が租税を課するならば、公正なものについてはだれもこれを拒否しない。ところが今までのあなた方の理論は、道路を整備することによって利益を受けるものは自動車である、一万円値上げしても倍以上の利益があるのだ、こういう理論で担税力というものを無視して、今回の大幅増徴というものをしゃにむに強行しようとしておるところに、問題の困難さがあると私は思っております。あなた方の理論の矛盾があると思っておる。こういうことをよく考えて、この問題の処理に誤まりなからんことを私はあなた方に重ねて申し上げまして、私の質問を終ることにいたします。
○原政府委員 道路が大事だという点では、もうだれも異論がない、もう当然のことであります。ただたびたび申し上げるように、目的税になっているということで、ガソリン税は道路のために相当役に立っている。そうしてそれを通して、いわば一般国民が道路に、奉仕しておるということになっておるわけです。あと道路整備をさらに相当な幅でふやそうという場合に、やはりガソリン税を増して、そういう計画をやるというのは、決してこれはそう非常識なことではないのではないか、各国とも、非常に多数の国がそういうことをやっております。御承知でしょうが、アメリカなどはことし相当大幅な増税をやって、大道路計画をやるというようなこともいっておりますので、これはやはり道路と自動車との緊密な関係からくるのだろうと思うのであります。私ども別段他意なく、こういう負担と受益との関係を研究し、その問題についてのデータを突っ込んで検討しているということでございますので、御了承願いたいと思います。
○中居委員 私はあなたに言明してもらいたいことは、あなたが今言われたように、道路と自動車との関係というものは、魚と水のような関係なんですよ。従いまして国の方針で道路を整備するというに当っては、自動車業界が応分の負担をするということは、だれもこれは否定していないのです。ただ課税に当っては、担税力を無視した課税というものはあり得ないのだ、そういうことを申し上げておるのですよ。従ってあなたにはっきりしてもらいたいことは、担税力を無視した税というものはあり得ないのだ、こういうことを言明してもらいたいと思います。
○原政府委員 担税力を無視してはいかぬというのはおっしゃる通りだと思います。それの具体的な検討を十分慎重にいたさなければならぬと思いますが、そのデータについていろいろ御研究いただきたいと思います。
○山本(友)委員長代理 青野武一君。
○青野委員 大体三回にまたがってこのガソリン税増徴の問題はかなり具体的に、詳細に質問が行われておりますので、私はきわめて簡単に重要だと考えておる点をお尋ねしたいと思います。 それは私どもが質問する根本的理念が、日本の道路を完備するということは、日本産業の基礎になるのだ。同時に交通網を完備する、いわゆる道路以外にあるいは私鉄、国鉄、そういったものの旅客あるいは貨物の輸送等の完備、こういうものが並行して、日本経済あるいは産業の土台をなすものである。従ってこういった道路の完備のために必要な予算は、これは原則として一般国費からまかなうのが当然だ。こういう道路整備の財源は原則として国費から支弁する、こういう立場に立って私どもの同僚ないしほかの委員諸君も引き続き御質問がなされたと思いますし、私もまたそういう考えのもとに残されておる問題についてお尋ね申し上げたいと思います。 それは今中居委員からもお話がありましたように、政府が数千万円の金を投じて日本に招きましたワトキンスの報告書の内容を読んでみますと、大体国民総生産の二%以上を道路整備のために使うことが、一番正しいのであるといったような勧告がなされております。昭和三十年の国民総生産が、経済企画庁の計算によりますると、大体七兆九千億円と称せられております。いろいろな客観情勢が退歩しておりませんから、おそらく本年度あたりは一〇%くらい増加の見込みであると考えられるのであります。従って昭和三十二年度は国民総生産が十兆くらいになる見込みであるということは常識的に、ばかでない限りは判断がつくと思います。そうすると昭和三十二年度で十兆、その二%、二千億円程度を道路の完備の予算に回せというような勧告がなされておることは、もっともだと私ども思います。であるから、ガソリン税を増徴するのに、直接関係のある自動車業者その他の諸君に全部道路完備の費用をひっかぶせてしまうというような行き方は、妥当でないという考え方を私どもは持つのです。従って私の手元に参りまして資料によりますと、自動車関係諸税、大体いろいろな税金をかけております項目と、一年間どの程度に税金を納めておるかということが大ざっぱに資料の中にありますが、ここで主税局長にお尋ねするのは、この揮発油税の一万三千円を一万二千円増徴するということが問題になっておりますときに、どのような種類の税金を自動車関係の人たちにかけておるか。大体おわかりになりますれば、それはどの程度の税金であるか、種類と額をお尋ねしたいと思います。私のところにありますのは、揮発油税、地方道路税、軽油引収税、地方によっては自動車税というものをかけておるところもあると聞いております。自動車物品税、自動車取得税、道路損害負担金、道路受益者負担金、それから有料道路使用料、近くまた主税局長が中心になって自動車タイヤ税といったような、わけのわからぬ税金をかけるというようなうわさも聞いておる。おそらくあなたのことでありますから、そういう税金が次々に出てくると思います。これは私は御参考までに申し上げましたが、どのような種類で、そしてどういう税金がどの程度の額かかっておるか。それによって自動車関係者がガソリン税の増徴に、担税力の上からいって非常に苦しんでいるか、おそらく数年を出ずして破産の運命にあるように思いますが、一つそれを御説明願いたい。
○原政府委員 私どもの調べでは国税で揮発油税が三百七億、地方道路税が、これは国税で取って地方に譲与するわけですが、約五十六億、それから自動車関係の物品税が四十四億、合計四百七億、地方税で軽油引取税が二十四億、自動車税が八十六億、それから自動車取得税というのが、これは四、五千万でございますが、それが自動車関係の税である。地方の方はそれだけ合せますと、百十一億ぐらいになると思います。合計して五百十八億ぐらいになると思います。
○青野委員 こういうような大幅なガソリン税の増徴によって、果して運転関係、運輸事業をやっておる人たちが、現状のままでその税金が負担されるかどうか、こういうことが私は疑問だと思います。もし私どもが、心配しておるようなところに参りますと、労働条件は低下してくる。車両は使えるだけ使わなければ税金に追い回されるから、車両の老朽化を来たす。運賃は認可制でございますから、上げるわけにはいかない。そういったことで公益性が非常に減少せられると同時に、一方においては働く労働者の賃金低下を来たす。それから使えるだけ使う。ちょうど今のところ国鉄が赤字で困っておるので、機関車の耐用年数は、安全性を保つ上からいきましても蒸気機関車は二十五年ときまっております。それが、いなかの方を走っている機関車を調べてごらんなさい、五十年はざらにある。おそらく四割五分は五十年使っておる。そういうものを使っておるから、参宮線みたいにころりとひつくり返ってしまう。あれは運転手だけが悪いのじゃない。そういうように無理な使い方をするのです。そうすると、この一万三千円のガソリン関係の税金をまた一万二千円上げて、合計二万五千円の税金を取るというようなやり力をすれば、勢い労働者を減らし、労働賃金を低下する。国鉄の蒸気機関車が、五十年使えるのなら、うちのトラックはつ六十年使うてやろう、そういうような考え方——これはまあ冗談でございますが、そういうことになれば、安全性を確保して輸送の完璧を期することはできなくなる。そうすると自動車の老朽化のために起る事故というものは、結局大蔵省が今度は事故を製造することになる。こういう筆法で参りますと、自動車関係者は税金の負担にたえられぬ。担税能力がぎりぎり一ぱいですよ。それに持っていって、ほとんど十割近い増税をするということは——佐倉宗五郎を作ったのは、その当時の大名か代官か知りませんが、天びん棒一本について何ぼ、みのかさについて何ぼ、すきにくわにかま、台所に据えてあるおけに対してでも税金を取ったから、ああいうような事件が起った。ところが私は九州の方でこまい鉄工所をやっておるのですが、鉄工所大別いたしますと所得税と営業税がかかっておる。それを、今ガソリン税増徴、自動車関係の税金をお答え願いましたが、こういうように多種類の税金を無理押しで取る。その筆法でいくと、かりに鉄工所で関係いたしますると、鉄工所を作っただけで税金を取る。営業税と所得税は別個に取られている。機械を運転するから機械運転税、鉄工所を設備するから設備税、くず鉄を古金屋に売ったからくず鉄売り払い税、付近の人には、機械を回すために非常に大きな音を立てて迷惑をかけるから付近騒音税、鉄工所は油だらけできたない、煙突もある、油ばかりで仕事をするのすでから、見た目にはきたないだから鉄工所外観目ざわり税、こういうものをあなたたちは作ってごらんなさい。日本の鉄鋼業者は、八幡製鉄所を初め、ばたばた倒れてしまう。そういうものはない。自動車関係者だけにこういった種類の税金をかけると、同じ筆法なんですよ。これは口ではお体裁よく、ああだこうだと言っているけれども、道路というものは総合的な計画のもとに完成しなければ、北海道の方に一里ばかり室蘭の近辺にできた、東京の郊外に一里か二里ばかりの道路かできた、中国にも四国にも九州にもできたって、へにもなりはしない。それをつないで総合的な道路網が完成しなければ、自動車関係者の諸君が幾ら努力しても、税金に追い回されて、結局は営業が成り立たないということになる。そこで結局今度のガソリンの増徴について、どんなに節約しても、燃料の節約であるとか、タイヤの寿命の延長であるとか、修繕費の節約であるとか、輸送時間の短縮であるとかいわれておるけれども、そういうことですぐに目に見えて私はガソリン税の増徴にたえ得るとは信じられません。こういう点について、ワトキンス報告書の中には相当ひどい勧告もありますが、大体この点についての当局のお考えを聞きたい。道路は日本産業の基礎である、国民の全体の負担でこの道路の完備をやる、こういう考え方からはずれて、税金の種類をたくさんに、そして無理な取り方をするということは、牛の角をためて牛を殺すような結果になると私は考えますが、そういう点についてのお考え方をこの際一つ承わっておきたい。
○原政府委員 道路は大事なものであるから、国全体あげてこれをよくしなければならぬというのは、今おっしゃる通りだと思います。その意味において、ガソリン税は目的税になっているのです。いいですか。ガソリンから取れる税を道路に全部つぎ込むということは、これはもう相当国民全体が道路に力を入れているということになるのです。いろいろな税の収入が、このガソリン税から取れるから、ガソリンを使う人たちに戻せということになりますと、綿花から取れる関税、あるいは機械の輸入から取れる関税、それらはそれぞれ機械の業者に返せ、綿花をやる人たちに返せというようなことになってしまいます。そういたしますと、国の一般の行政というものをやる財源がなくなってしまうわけです。それではとてもいかぬというので、目的税というのは、財政の原則としてそういう意味で非常にここには問題があるというのを、全部道路に使おうということにしているわけであります。従いましてその趣旨は今の制度で相当強く出ておると私どもは思います。もちろんこう言ましても、ガソリン税だけでやっていくということに非常に固執していっているわけじゃありません。もちろん財源にゆとりがあり、他の各般の政策と対比してそれが必要ならば、一般財源に使うということも十分考えられることだと思いますが、ただいますでにそういう意味では相当道路には力を入れる関係になっておるというふうに考えております。なお先ほどいろいろ税を言われましたが、ガソリンの場合と、ただいま申されたような税とは全然違うので、利益の関係はもっともっとはっきりしていると思います。何といいますか、現在すでに相当力を入れる状態になっている、さらに力を入れようという場合に、だれでもこういうことを一つの方法として考えるのではなかろうかと思うので、いろいろ資料を作り、検討しているわけであります。
○青野委員 これはちょっと横へそれますが、運輸省の自動車局長にお尋ねしたいと思います。今主税局長に私がお尋ねいたします言葉の中にもあったと思いますが、このような大幅な増徴をやる場合に、自動車関係の業者というものは、結局あらゆる面で経費を節約して、そうしてその税金が払えるかどうか。一年間の利益がはっきりわかっている。そうして増徴される税率がはっきりわかってきている。とうていたえ得ない。大学を出てかりに一ヵ月一万五千円の月給をもらうものから、一万二、三千円の所得税を毎月取ったら、一体何で食っていくのですか。そういうふうな極端な例を申しますが、そういうやり方をして、なぜ自動車関係の諸君だけにこういうふうな税金をかけるのか。理屈は何とでもつきますけれども、道路は、今申しましたように総合的施策が完成しなければ役に立たないのです。早くて五年、おそくて十年、中をとって八年から九年くらいに道路がででき上って、君たちも利益を受けているのだ、一年一万三千円のガソリン税をもう一万二千円負担してもらって、合計二万五千円の税金を出してもらいたいというのならわかる。東京都の場合はややかなり道路ができておりますから、これは例外としても、外国の観光客が日本に来て驚くのは、道路の悪いことです。あの人たちは、ヘビに食いつかれるよりもまだ、観光バスに乗って、うしろを向いてもうもうたる砂煙が立っていることを、国民性からみて、一番いやがる。たとえば松島の付近とか京都とか、いろいろな方面の観光をやります場合にも、日本人だけじゃない、外国人は特に道路のきたないのにあきれて帰っていくというような状態ですから、道路を早く整備するということの必要は私どもも考えるけれども、それを自動車関係業者のみに負担せしめるという行き方は、これは先ほど私が申しましたように、自動車業界から三人も五人も佐倉宗五郎を出すような事件が起ってこないとは限らない。あなたは主税局長をやめたらそれでいいでしょうが、こういうものが国会を通過してしまいますと、非常な問題が残るのです。あなたは日本からどこか、好きなアメリカヘでも行ってくれれば、それだけ食糧も助かるし、よけな税金をかける人が政府部内から消えてなくなれば、それは自動車関係の諸君は喜ぶでしょう。とんでもない人に主税局長をしてもらったように私は考えるのですが、こういうことを考えてみると、燃料費の節約とか、タイヤの寿命の延長とか、あるいは修繕費の節約、それから輸送時間の短縮だとか、直ちに道路の予算によって、大蔵省の方針によって税金が増徴せられるからといって、私はこういうようなことが直ちに増税負担を補うことにはならぬと思う。それで自動車局長に、お隣同士にすわってまことにお気の毒ですが、私は個人的に私と同意見だと思っておる。だから、右にすわっておる主税局長に、それはあなたの方が無理ですよ、運輸省の専門家が資料を各代議士にやっております点からいきますと、青野さんの質問はごもっともですよという考え方のもとに立って、一つ率直なことを言って下さい。今そういう四項目をあげましたけれども、これは増税負担を補うことはできないと思う。結局は労働者の首切り、賃金の切り捨て、そして車両の老朽化、事故の頻発、いつも事故を起しておる。今のような東京でさえも、一日に一人か二人、四、五十人くらいは、自動車事故で死んだり、けがをしたりしているときに、こういうものが通ったら大へんです。東京都だけでも四、五十人は死ななければならぬといったようなことになる。そういう点についてのお考え方を承わりたい。
○山内説明員 今青野委員の御質問は、現状のままでガソリン税を増徴した場合に、自動車関係業界が、そのまま経営ができるかどうかということに要約されると思われるのでありますが、運輸省の御要求によりまして出しました資料、それは大体鮎川調査会の資料によりまして利益を出しておるわけであります。現在道路につきますこういう調査といたしましては、研究が十分できておりませんで、大体各省とも、大蔵省におきましてもそれを使っておるわけでございますが、問題は全部の道路が一挙に直るわけではないわけでございまして、先ほど中居委員からお話がありましたように、そのうちの一部分が直る。そういたしますと、理論的に砂利道が舗装道路になった場合に、その数子でも大蔵省当局の調書とわれわれの調書とは幾分違いがありますが、理論的にはわれわれの方も利益であるということになっております。今後われわれも研究してみたいと思いますことは、たとえば二十キロ走ります道路のうちで、その一部分がこのように利益が出るといたしましても、果してこういう理論的な計算通り出るものかどうかということにつきましては、確信がないわけでございます。かりにあるといたしまして、われわれの方の調書ができておるわけであるということを、まず運輸省の調書につきまして御了解を得たいと思います。 次に、それでは理論的に利益をあげました場合に、先ほどから主税局長も言われておりますように、初年度におきましては業界のガソリン税の負担の方が、利益を受ける部分よりも、非常に多いということはもちろんでございます。これは長い期間におきまして大体利益が還元されるということは、数字の違いはありますが、考えられるわけでございますが、資料といたしましてそう長い期間を、われわれ見ていくわけにはいかない。そうしますと、その利益の部分がどう吸収されるかという問題であります。結局現在のままの運賃でやれるかどうかという問題に帰着することになると思います。そうしますと、一応かりに一万円増徴いたしました場合に、われわれの方といたしましては、それが運賃なり収益なりにどのくらい響いてくるかということが問題になるわけでございますが、われわれの方で非常に大ざっぱな計算をいたしまして、現実に当って十分まだやっておりませんので、最終的な率とは言えないかもしれませんが、バスにおきましてはディーゼルを使っている部分も相当ありますので、響き方は大体二・八九、約三%程度に響いてくるという計算になっております。ただいま申し上げましたのはバスの賃率に響くことでございますが、トラックにつきましては賃率までこまかく計算をいたしませんで、百キロ当りではどれくらい響いていくかと申しますと四・四キロとなりまして、賃率はもっと大きく響くのじゃないかと思っております。それからハイヤーにつきましては、大体これも経費に八・一七%という数字が——これはこまかい数字が出ませんので、東京都の普通車につきまして計算いたしますと八・一七%、タクシーにつきましては、空車で走る率も相当多いので九・二四%、大体ハイヤー、タクシーにつきましては、百キロ当りの経費でございますので、賃率に直しますとはっきりいたしませんが、大体一割程度響いてくるのではないかというふうに考えられるわけでございます。それではこれを業界が吸収できるかといいますと、運賃につきましては、御承知の通り、大体二十六年ごろ算定いたしました運賃が今まで続きまして、すでにバスにおきましては、地方では今のままではやっていけないということで、ケース・バイ・ケースで直しておる状態もあります。われわれの見ているところでは、業界がこのままスムーズにこの一万円の支出を経費の中で支弁でるというふうには考えておりませんので、運賃を変えなければならないという状態も、もしもこのまま増徴したならば起り得るのではなかろうか。そうしますと、運賃面でもう一ぺん考えなければなりませんのは、たとえばハイ・タクの場合に一割上げればそれで済むかといいますと、なかなかそうはいきませんので、先ほどもお話がありましたように、日本の道路運送が非常に安いという宿命は、結局独占事業でなく、半独占の事業であり、国鉄の運賃というものに対して調整的にでき上っておりますし、国鉄の運賃が一般の運賃に比べて相当低目であるということの余波をずっと受けておりますために、このままではなかなかいかないわけでございます。たとえばハイ・タクを例にとりますと、ただ、今までのお客さんがそのまま乗るかという利用減という問題も、相当慎重に考えなければなりませんので、運賃面に響くものが、ただ数字だけで議論できるかどうかわからないわけでございます。私の答えもはっきり申し上げられないわけでございますが、とにかく今までの運賃の状態だけでは困難であろうということは、はっきり申し上げることができるわけでございます。
○青野委員 自動車局長に私の質問に対して御答弁を願って、運賃制度の再検討が行われなければ、どうしても問題の解決がつかない。なおかつそれでも自動車の公共性という性格から見て、運賃制度を再検討しても、そう目の玉の飛び出るような増税をされたからといって、むちゃくちゃに上げるわけにいかないです。そこでその点について重ねて質問をしたいと思いましたら、私の質問にないところに、わざわざ御答弁をしていただきましたが、この道路整備に、自動車を使用しておる人たちに、頭から増徴を迫っておるといったようなことが、いかに暴挙であるか、いかに乱暴な課税方針であるかということは、もう自動車関係の人たちだけじゃありません。相当広い範囲で反対の意見があることは御承知の通りであります。これは御存じになりながら、しらばくれていろいろな御答弁をやっておられる。主税局長はそういう態度で御答弁になっておると私は思いますが、大体道路が整備計画後十ヵ年を経て、ようやく経済効果が上ってきたとかりに仮定いたしまして、そのとき自動車関係の諸君の利益はどの程度であるか、自動車の総合経費の節約がどの程度に行われるか。総合的道路が整備したあとですよ。それを考えてみますと、鮎川道路調査会あたりの資料によりますと、国民の一般的利益として荷作り梱包費の節約、道路短縮による運賃の節約、新鮮食料品の質的低下を防止する、速度向上による節約時間の生産化、あるいは待ち合せ時間減少による節約時間の生産化、疲労軽減による利益等を合せますと、大体一〇〇%のうちに三四%程度の利益がある、こういうことを発表されておりますが、そういう点から考えると、やはり私が最初に申しましたように、この道路整備の財源というものは、原則として一般国費から支出するのが当然であるという、私どもの根本的態度が正しいということを証明しております。こういう点について、私ども運輸委員会としては重大なる決意をいたしまして、次に質問が終りますと、ここに自民党も社会党も一切をあげて、重大な決議をしたいと思っておるわけでありますが、こういう点についてもう一ぺん一つ考慮をし直す必要があると思いますが、主税局長はどのようにお考えになっておるか。
○原政府委員 おっしゃる通り、この鮎川さんの調査あたりでも、直接の自動車業者の利益のほか、荷主あるいはその他沿道の人たちの利益まで計算しておられることは承知しております。そういう面における間接的な利益も相当あろうと思いますが、そういう点は、たとえば公共事業建設の各般の場合に言えることで、もちろん各場合にそれらをよく算定して経費の総体の効率を考えるということは必要だと思いますが、何分ガソリン税は全体の税収が道路に行くという強い目的税になっているわけでありますから、そういう際にはやはり受益者負担という関係では、その道路を直接使用する自動車業者の利益というものが、一番大きなアイテムとして対比されるということではないかと思って、そういうものを中心にして私どもの数字が出ておるということで、国民経済全般としてははるかに大きな利益があるということはおっしゃる通りでありますが、具体的な税の問題というようなことになりますと、自動車業者の利益と犠牲を対比するということにならざるを得ないというふうに思います。
○山本(友)委員長代理 小山亮君。
○小山(亮)委員 先ほどからの主税局長の御答弁で、結論的にもう明確になったと思いますが、一点伺いたいと思いますのは、主税局長は、今回の値上げに対して、現在の業界の状態はどんな状態か、負担にたえるとお考えですか、これは少し重過ぎるとお考えですか、どちらですか。簡単にお答え願いたい。
○原政府委員 ガソリン税は間接税でありますから、本来転嫁されるというのが大前提だと思います。従いまして一転嫁の対象になる、従って運賃の引き上げというものが第一の問題として出ると思います。ただ長い将来、それもそう十年も十五年もならぬでも、五、六年たてば相当利益が戻って、運賃は下げられると思います。
○小山(亮)委員 現在の税金でも今のトラック業者の窮乏状態というものは、実にわれわれが察するに余りある。トラック業者は現在ほとんど生死の関頭に立っておると言ってもいいくらいな窮乏状態だ。ここで税金が上げられますと、業者は仕事をやめるか、あるいは他に収入の道を求めるか、どっちかでなければならないのですが、今のトラック業者の状態をどういうふうに大蔵省では思っておりますか。
○原政府委員 今日本経済は非常に好調のときであります。私も非常に具体的にトラック業界の実情を知っておるわけではございませんけれども、今経済全体としてこれだけ好調にあるときでありますから、トラック輸送もどんどん伸びつつあるのではなかろうか。もちろん各業態とも、だんだん労働力その他も豊富になってきておりますから、競争も多いと思いますけれども、全体としては明るい時期ではないかというふうに思っておるわけであります。
○小山(亮)委員 それは数字的に御調査になった基礎資料がおありですか、それとも主税局長の感じだけですか、どちらですか。
○原政府委員 もちろん各産業の収益率、その中での運輸業の収益というものは私ども及ばずながら調べてはおります。
○小山(亮)委員 運輸業者の中で、現在トラック業者間の収益率はどうなんですか。それを御調査になっておいでになるならば伺いたい。
○原政府委員 私どもの資料によりますと、これは大蔵省理財局の法人企業統計業種別損益の調べでありますが、三十年の下期の利益割合は、貨物自動車運送業において三・七八九%、これは営業収入に対する利益率であります。ちなみに全産業の利益率は三・七六二、ほぼそれに匹敵しておる。上期はだいぶそれよりも下でありまして、二・四六九という数字に相なっております。
○小山(亮)委員 山内自動車局長に、今のトラック業者の収益状態について伺いたい。
○山内説明員 御指摘の通りわれわれの担当しておりますトラック事業におきましては、一番恐い状態でございます。これは三十年度の年間一車当りの数字でございますが、収支は〇・九六四三でありまして、大体三%ちょっとの収益を上げております。これはトラック業界全体の御説明もあわせてしなければならぬと思うわけでございますが、現在一万ちょっとの業者の数があるわけでございますが、しかし大多数が十両以下のいわゆる中小企業に属する、そういう企業形態でありますために、非常に収益というか、利益率が低くて困っておる状態の業者が相当あります。そういう関係でいろいろ問題が多いわけでありますが、端的にいいまして、大体一年くらい前は——利子を申し上げた方がはっきりすると思いますが、現在まだ三銭九厘くらいの利子を払っておる状態でございまして、結局一般の銀行の取引にならない状態でありますために、われわれといたしましては、そういった面からもトラック業界の経営をどうするかということを問題にしておるわけでございます。
○小山(亮)委員 これは大蔵省の方にこの点をさよう御調査願いたいいと思いますのは、現在のトラック業者は、今山内局長が、言われるまでもなく、きわめて小規模の経営です。大体トラックを買うにしても月賦で買って、高利を払いながらやっている。そういう状態で、ほとんど生きるか死ぬかの関頭に立っておるのが非常に多い。その場合に、こういう課税をやったらその業者がどうして立っていくか。それから今の主税局長のお話の中でおのずから私ども感じますことは、今の負担力では今度の課税は非常に重い、しかし五年たったら、その先にいったら楽になるのだ、そうすれば料金も次第に下げてもいい状態になるのだ、こういうことを言われた。そうしますと、今は苦しいのだ、苦しいならば破産するか、運賃を上げるか、収入を増すか、どっちかでなければならぬでしょう。ガソリン税が転嫁されるといいますけれども、転嫁されるというのはどこへ転嫁されるか、運賃へ転嫁される。そうするとどうしても料金を上げなければならぬということが前提ですね。そして五年後から下っていく、こういうことになる。今のところでは負担に耐えないだけの重税を負わせられるのですから、どうしても料金を上げなければならぬ。そうすると大蔵省の方のご意向では、現在の自動車運賃を上げるということが前提である。そして道が直ってきたら下げる、その間だけは今の税金を課する、こういうふうに結論がなったのですか、お考えはそうなんですか。
○原政府委員 自動車運賃はなるべく上げないでいきたいということはだれしも思うわけですが、画期的に道路を整備しようということになって、そのために必要ならば、場合によってはそういうことも仕方がないのじゃないかというふうに思います。上げる程度にもよりますけれども、相当程度上げて、そうして運賃を上げずにいけということは、これはできぬだろうと思います。ただそれによって画期的な道路の整備ができる、そうして将来は必ずコストが下って下げていけるということであれば、その辺を総体的に考えて判断するという問題だろうと思います。
○小山(亮)委員 そうしますとこれは非常に重大なことになるので、自動車業者の料金を値上げするということは、一自動車業界の料金値上げにとどまりません。やはり関連するところは、あらゆる輸送機関の料金が全部上る。そして物価の値上りになりますから、国民生活全般に及ぼす影響は、賃上げとかなんとか非常に大きな問題になる。そういうことをお考えになって、そうした全般の物価の騰貴ということを御承知になっておやりになるおつもりなんですか、ちょっと伺いたい。
○原政府委員 冒頭から二度ばかり申し上げました通り、私どもはこれをやれということを言うておるのではありません。ただ目的税になっていることであるから、受益と犠牲との比較をはっきりすべきだということで出しているわけです。こういう問題は、たとえば三、四年前の電電料金の引き上げの際にもありましたし、ただいま国鉄の運賃値上げという問題もあります。本件はそれに類した問題であろうと思います。もちろん上ることは、それだけとってみれば好ましくない。しかし同時に国民経済全体を円滑に動かしていくために、この道路の整備なり、あるいは通信の整備なり、あるいは鉄道輸送の増強なりというようなことが必要な場合に、それを総体的にどう考えるかという問題だろうと思っております。
○小山(亮)委員 これは主税局長の御答弁と先般の第一課長の御答弁とは違うのです。第一課長の方は、現在の料金の値上げをしない範囲でどうしても増税をやりたい。あなたの方は増税をやむを得ない、料金の増加というのはやむを得ないという前提ですからお話が違う。その点が私は非常に大蔵省内で御意見がいろいろ違っているのではないかと思う。それは私が本案に対して賛否を決定するのに重要な自分の参考資料になりますからお考え願っているのですが、今の道路の修理費というものを、自動車を利用してガソリンを使用するものだけが道路の修理をするのだというようになると、日本の道路の補修費というものは全部ガソリンを使用しているものに一任をする、その請負でやらせるというように感ずるのです。そうしますと今の道路を修復するのは、現在ガソリンを使用しておる自動車業者である。言いかえれば自動車業者が日本の道路の修復を全部請け負うのだ、そういうことになれば修復された道路の通行料というものは、新たに自動車業者が取ってもいいわけでしょう。政府はこれに口出しができないのだから……。私が今言う通り、道路の修理費を利用するものだけが払うのだということ、これは私は実におかしいと思う。さっきから同僚委員が言われるように、一般会計からこれは出すべきものですよ。なぜならば船舶はどうですか。船舶は港湾の設備あるいは灯台であるとか航路の新設であるとか、一切のものを船舶業者が負担しておりません。これを利用するものは船舶業者だけです。船の航路について、港の設備であるとか、これは船舶業者がほとんど専用なんです。ほかの人は使わないのです。それにもかかわらず灯台であるとかなんとかいうふうなものは、国家が国費でもって支弁してくれるじゃないですか。なぜ自動車業者だけが道路の修復費の全額負担をしなければならないか。航空業もそうです。世界じゅうの航空業者で空を利用するものが、空港の設備であるとか、あるいはいろいろな信号の設備であるとかいうようなものを全部負担しておるのじゃないのです。これは一般会計で負担しておる。これをもしそういうふうに業者だけに負担さしたならば、日本の海運産業はつぶれてしまう。航空事業もつぶれてしまう。と同様に今の自動車業者もそうなんです。すでに国鉄の貨物が渋滞してしまって輸送ができないという状態にあって、輸送業というものは多々ますます発展させなければならぬときに、あなた方のおやりになることはこれに対してチェックをすることになる。これはひいては日本の産業を麻痺させることになる。それからまたお話の順序から私どもが判断するのは、料金の増徴ということを予期しておられる。それならばそれが日本全体に及ぼす影響ということもお考えにならなければならぬが、それまで調査しておいでにならないとすると、私は大蔵省の調査というものはすこぶる不徹底だと感じますが、御意見があったらお伺いしたい。
○原政府委員 道路に要する財政費用とそれの負担ということでいきますと、なるほどただいまガソリン税全部をつぎ込んでおる非常に特異な制度ですが、それだけではありませんので、その系統のが四百四、五十億、そのほかで三百億以上の財源を出して、そして道路の整備の費用は全体では七百六十五億円となっております。これは主として地方財政の方から出ておるのが多いわけですが、そういうことになっておる。従って道路の費用全部をやっておるというのじゃありません。それから公共事業で、たとえばおっしゃる通り港湾というようなもので、一般財政から出しておるのももちろんありますが、同時に受益者負担というか、地元の負担もある。また特定の工場の水先を浚渫するというような場合には、特別にその工場自体に負担してもらうというような制度もはっきりとございいます。要するにガソリン税を全部道路に充てるということは非常に特殊な制度であって、おっしゃる通り一般財源から出せということになると、ガソリン税も一般財源に入れて、全体の中で道路、港湾その他の財政需要との重要性というものを比べてやるということになるわけですが、ガソリン税は道路につぎ込むという、こういう非常に特殊な制度になっている。国の財政をまかなうという見地からいえば、ガソリン税も一般の歳出に充てなければ困るわけです。それを遠慮しておる関係において、相当つぎ込んでいるというようなことがある点をちょっと申し上げておきたいと思います。
○小山(亮)委員 非常に不満足な答弁ですが、これはここで論議してもしようがないからやめます。
○山本(友)委員長代理 關谷君より発言を求められておりますので、この際これを許します。關谷君。
○關谷委員 あまりほかの委員諸君が長らく時間をとって、私の時間がなくなってしまいましたが、簡単に私申し上げてみたいと思います。主税局長のお話を聞いておりますと、何といいますか、何でもかでもこれを取り切らなければならないのだ、どんなに無理をしてでもやらなければならぬのだ、こういうふうな気持がありありと現われております。私もいろいろと指摘をいたしまして、大蔵省が提出をせられましたこの資料について御質問を申し上げたいと思っておったのでありますが、時間の関係で一、二点だけで省略をしてみたいと思います。 あなた方が提出をせられました大蔵省の主税局というこの資料の十二ページでありますが、これをごらんになっていただきたいのであります。これによりますと、未改良道路と改良舗装済み道路というので比較をしてもらいたいと思うのでありますが、これを見ておりますと、維持修繕費、燃料費、油脂費、タイヤ・チューブ費というようなものから、営業費というようなものの比較が出ております。一日平均の走行キロが八十キロから百五十キロになる、こういうふうなことが出ておるのであります。これを基礎としていろいろ計算をせられたためにこういうふうなものが出たのだろうと思いますが、維持修繕費、燃料費、油脂費、タイヤ・チューブというものの費用、これはある場合、十分納得はいたしませんけれども、私たち認めなければならないと思います。しかしながらこの営業費の点であります。あなた方は、一日の走行キロが八十キロから百五十キロになるのだ、だから営業費が減ってくるのだ、こういうふうな簡単な考え方をしておられるようであります。あなた方は実際に実業界におったことのない人でありますので、こういうことを言っても恥かしくはないのでありますが、私たちが資料を出すのだったたらば、こんな資料は出しません。世間の物笑いになります。あなた方いろいろ統計を出されますが、日本の統計は昔から魔物である、こういうふうにいわれております。あなた方大学で習ったときも、その通り教えられておるはずであります。あなた方がみんな自分たちの勝手なように資料を作りますために、日本の統計は魔物であるというふうにいわれております。またそうであるためとも思われますが、主税局長が答弁をしておられますその答弁は、前提に必ず私たちの調査によりますと、私たちの資料によりますと、まことに用心深く言っておられる。まさに私は、みずからこの数字の魔物であるということを前提として言われておると思うのでありますが、営業費がなぜ減るかということについてはよくお考えを願いたいのであります。これはこの営業費が未改良道路の場合には十七円五十銭、これが九円三十三銭になるのであります。八円十七銭、これが低くなってくるというのでありますが、未改良道路はいなかに多いのであります。今の大都会を除いてのいなかでは、需要というものが大体わかっておるのであります。道路がよくなったから、今まで自動車に乗らない者が自動車に乗るというような現象は起きてこないのであります。道路がよくなれば、むしろ自動車に乗らないで歩いていってもいいということになる、自転車でいってもいいということになってくるのでありまして、いなかにおきます自動車の需要がふえてくるということは、現実には考えられません。道路がよくなったからといって、いなかの走行キロが延びるのではないのであります。早く行ってきたからといって、今まで一日に十人乗り手があったのが、二十人になるということはない。自動車が走ることは走れるにしても、それだけの需要がないのであります。決して走行キロが延びて営業費が安くなるということは考えられないのであります。大都会の東京その他を中心としたところを考えますと、今は延び切って走っておるのであります。タクシーあたりは三百五十キロから走っておるので、たとい道路がこれ以上直るにいたしましても、大したことにはなりません。これ以上走るということでありましたならば、今でさえ神風といわれるタクシーが今度はどういうふうに、神風よりもう一つ上は何というのかわかりませんが、もう一つひどいことになる。そんなことはとてもできるものではないのであります。走行キロが延びるというふうなこと、ことに自家用を含めて統計を出しているようでありますが、自家用あたりの走行キロが延びることはないと思う。用もないのに、道路がよくなったから一つ行ってこようかということは考えられないのであります。実際にあなた方、事業をやってみたことがない人が出す統計でありますので、この営業費が安くなるということは、あなた方がこういうふうな魔物の数字を出して、そうして安くなるということでやっているのでありますが、この統計一つ見ましても八円十七銭というふうなものが下り得るという考え方をしておられますが、こういうふうなことは、実際の営業としては成り立たぬ。これは事業をやったことのないあなた方のような、官庁のただの自動車ばかり乗ってきておる、ガソリンもただ、税金も払ったことのないというような人が考えることであって、実際には決して営業費が、それだけのものが安くならない。これだけキロ当り八円のものが計算で全部違ってくるということになりますと、この統計自体全部が空になってくるのであります。間違いだらけの基礎によってできた、こういうふうなものによって議論すること自体がおかしいということになってくるのでありまして、私はいろいろ主税局長にお尋ねをしようと思っておったのでありますが、こんな資料で委員会をごまかそうといたしましても、そうやすやすとごまかせるものではありません。事業を実際にやってみた場合には、こういうふうなことはばかげた話じゃ、これが役人の考え方かというふうなことで、これを世間では笑っておる。この笑いものを資料にしてあなた方がこれを強行する、これが今までの官僚のやり方であります。実にもってのほかといわなければならないのであります。 なおまた先ほどから、道路を直したならば、その道路でやがて将来においては受ける利益が大きくなって、それでコストも下げることができるようになってくるが、ただいまのところは運賃の値上げをしなければならぬという事態も起るのだというふうに、主税局長も認めておられるのでありますが、先に税金を取って、それで道路を直して、あとでお前たちよくなるというふうな、これが税の取り方でありましょうか。こんな税金の取り方はないと思います。お前、先に金を払っておけ、やがてよくなるかもわからぬというのは、これは国家として、為政者としてとるべき策ではないのでありまして、まず政府が道路を直してやる。そうして恩恵を受けてそこで収益が上ってくる。コストを下げていい事態になったならば、それを下げる必要がなければ、そのときにそれだけのものを、恩恵を受けることになったから税金をかけるというのが建前であろうと思います。まず払っておいて、その間は苦しかろう、倒れることも仕方がない、倒れてしまえ、そしてあとよくなるだろうからそれを希望に——希望は持てるかもわかりませんが、希望を持っておる間に、よくなったらそのときには死んでしまうかもわからないということになるのでありまして、私はこういうことは筋が立っておるかもわかりませんが、考え方自体がよくないと思うのであります。頭がいいのかもわかりませんが、血のけがないということであります。人情味がないということであります。こういうふうな税のかけ方はすべきものではない、こういうふうに私たちは考えます。これについてでも、あるいは主税局長は、それはそうじゃないと強弁されるかもわかりませんが、もしそうじゃない、お前の言うことは間違っておるのだというのなら御答弁を願いたいと思います。間違うてないということなら、けっこうであります。
○原政府委員 第一の計算の基礎の問題ですが、もちろん私ども、運輸建設という方面の資料もいただき、お話もお聞きして作ったものでありまして、そうめちゃくちゃだとは思いません。また現に鮎川さんが中心の鮎川調査会においても、私どものこの費用の逓減の数字と、そう遠くない数字を出しておられるというふうに承知しております。それからこういうふうにやることについて、業界も御心配になるのはよくわかるのでありますが、非常に非常識だと言われますと、必ずしもそうじゃない。やはりそういうやり方も、現にアメリカはこの七月に五割の増税をやって、道路の建設改良を始めております。あまりひどいというお話なんで、そういうことはどこにも例はあるということを申し上げたいと思います。
○關谷委員 どうも局長は何といいますか——アメリカは何ぼ取られましても、日本のあなた方の月給と違うのですよ。税金を半分取られても、あと半分でゆっくり生活できるのですよ。自動車業者がそういうような状態で生き延びられるものならば、恩恵を受けることになるのだからという前提のもとに先取りせられてもいいのでありますが、それまでにたえ切れないようになって、息が切れてしまいます。死んで後に何ぼよくなっても何にもなりません。あなた方もよくそういうことをお考えにならなければなりません。あなたはよその資料も集められたから、それで資料は間違うておるとは思わないと言いますが、この営業費の問題あたりは間違い切っておるのです。私がはっきり申し上げる。私は実業界で今まで五十年やってきた自信がある。事業というものはあなた方の言うようなものでない。あなた方の言うように事業ができるのだったら、何も破産する者もなければ倒産する者もない。こんなばかげた数字を出して、これは間違っておらないというのはまさに強弁である、こういうふうに言わなければなりません。それ以上あなたと押し問答してたってあなたの頭が麻痺してしまっておるから、これ以上言う必要はないと思います。 そこで私は各位の御同意を得まして揮発油税に関する件につきましての決議案の動議を提出いたしたいと思います。案文を朗読いたします。 現在わが国における道路は未だ発達の過程にあり、これが整備拡充の極めて緊要なるは論を俟ないが、これが経費は原則として国費をもつて支弁すべきである。しかるに政府は、道路整備費の多くを揮発油税等に求め、逐年これが増徴をはかり、現在既に税負担の限界に達したものと認められる。 今回政府において揮発油税増徴の計画あるやに聞くが、この上の増徴は税負担の均衡を失し、自動車運送事業その他に甚大なる影響を及ぼすものと認め、揮発油税増徴に対し絶対反対する。 右決議する。 委員諸君の御同意を得たいと思います。
○山本(友)委員長代理 ただいま關谷氏より動議が提出されました。討論の通告がありますのでこれを許します。中居君。
○中居委員 ただいま議題になりました揮発油税増徴反対に関する決議案に対しまして、私は日本社会党を代表いたしまして心から賛意を表したいと思います。 政府は明年度の予算編成の根幹をなす税制改革について、目下税制調査会にその方針を諮問中であると伝えられております。しかもこの税制調査会はすでに審議の段階を経まして、答申の段階にきておるということを私どもは聞いておるわけでございます。従いまして政府はこの税制調査会の答申に基きまして、おそらく各種の税法改正案を来たるべき通常国会に提出するであろうということは、当然に私どもの予想するところであるのであります。私どもの党はこのような政府の動きに対しまして、これらの問題についてすでにいろいろな検討を加え、討議を加えて参りました。また機会あるたびごとに私どもの態度も表明して参りましたし、今次の国会を通じましても、あらゆる委員会でわれわれの見解を表明して参ったことは、各位御承知の通りだと思うのでございます。しかも今回のこのようなガソリン税増税の問題は、ただ単に私どもだけがその態度を表明しておるだけではないのでありまして、このような無謀な増徴計画がいかに業界の混乱と、ひいてはわが国産業の発展に大きな悪影響を与えるかということは、今日まで論議し尽して参りましたことでも御承知と思うのでありまして、私どものみならず与党の中におきましても、このような無謀な計画に対しましては大きな強い反対があるということは、このような反対決議案が与党の提案によって今日ここでなされておる、こういうことによっても了解できると思うのであります。このことを与党が提案しまして、国会をあげて反対をしておるというこのことを、運輸大臣も大蔵政務次官も、そして主税局長もよく認識してもらいたいと思うのであります。私どもの委員会は過去において、二度、三度関係官の出席を求めましてこの問題を論議して参りました。このことは決して私どもが観念的に頭からガソリン税の増徴はまかりならぬ、こういうような片意地の考え方を持ってなしておるのではないのです。でき得るものならばわれわれの理解を深めて参りたい、でき得るものならば大蔵省の考えている案に歩み寄る余地はないであろうか、こういうような期待を私どもは持って今日まで審議をして参ったのであります。これは事実です。なぜかならば今日までの経緯を見ましてもおわかりであるように、ガソリン税の税額そのものが、わが国の道路整備に直接関係を持っておるからであります。私どもはそういう謙虚な気持を持って今日までこの問題の論議を進めて参りました。しかし遺憾ながらわれわれは、われわれの当初抱いておった期待を満足することができなかったのであります。非常に遺憾に思っておるわけでございます。大蔵省は今日まで私どもに、わが国の税率が外国に比して安いという一点張りでありました。あるいは増徴してもその金額で道路整備が完成するならば、これによって受ける利益は増税による負担を十分に償えると主張して参りました。償えるばかりではなく、二倍以上の利益が将来は出るのだ、こういう主張を終始頑強に主張して参っておるのであります。しかしこのような大蔵省の理論的な数字というものが、いかに現状に沿わないものであるかということは、今日までの論議を通じても主税局長も十分におわかりになったと思うのであります。こういう増税がもしも強行されるならば、その結果が利用者に転嫁されて、当然運賃の値上げという問題を招来するであろうということが今日の結論でした。もしもそういう事態になったら大へんです。あるいはまた十年先、十五年先業界の受ける利益は、あなた方の資料の通り正しいかもしれないのであります。しかしながら業界というものは十年先、十五年先の問題を論じておるのではないのです。明年、明後年の業界をどうしていこうかを真剣に考えておるのです。絵にかいたもちよりも、むしろ今日一合の麦の方を欲しておるのです。こういうことをよくお考えになって、担税力を無視するような暴挙をあえてやめてもらいたい、こういうことが私どもが本案に賛成するところの大きな理由でございます。 さらにもう一つ申し添えたいことは、今日わが国のおくれた道路の整備を急がなければならないということは、これは国家的な世論です。そして道路の整備によってわが国産業開発の基礎を作って、そしてわが国の生産コスト・ダウンをはかって、国民経済の発展を期さなければならないということは、これは政治の大きな目的です。そして道路整備がこのように国民経済発展の基礎になって、コスト・ダウンの原因になるということが明らかである以上、道路整備によるところの受益は、ただ単に自動車業界ではない、国であり国民全体であるということが明らかであろうと思うのであります。このことが明らかである以上、政府は道路整備のための財源を一般財源から思い切って投入して、このおくれた道路整備をはかることによって、もろもろの経済上の問題の解決の糸口にしなければならないと思うのであります。従いまして自動車業界におきましても、最も道路というものに関係を持っておる自動車業界は、もちろん分に応じた負担をすべきでありましょう。また国民各層各界も、そのような趣旨で組まれる予算についての負担を拒否するものは一人もないと思います。従いまして主税局長は、私どもに大局々々ということをよく申しましたが、私が大蔵省に申し上げたいことは、大局的見地に立ってこの問題の処理について誤まりなからぬことをお願い申し上げまして、賛成の討論にかえる次第であります。
○山本(友)委員長代理 小山君。
○小山(亮)委員 私は小会派クラブを代表いたしまして、ただいま民主自由党から提出されました決議案に対して賛成をいたします。 その賛成の理由は、各党の議員からるるすでにお述べになりましたので、きわめて簡単に申し上げますが、私はガソリン軽油税の増税というものに対しては、その時期にあらずということが結論であります。なるほどただいままでの政府の御答弁を伺いますと、五年後、十年後には収益があるのだということを言われておる。五年後、十年、後に収益があるのだから今から負担をしろということは、事業計画としてはそういうことは成り立つでしょう。しかしながら政府が税金を徴収するということは、あくまでも現在の対象となったところの人々に担税力があるかないかということが、一番大事な要件でなければならぬと私は思う。今までの政府側の答弁によりますと、大蔵省のこの問題に対する御意見と運輸省当局の御意見というものは、全く反対であります。運輸省はこの税金の増収には全然同意をいたしておりません。また大蔵省の主計局長と第一課長との間の御意見を伺いますと、一方は課税を前提として料金の増徴を考え、一方は税金の増徴に反対し、望んでおらない、こういうように答弁をしておられる点から見まして、大蔵省内の意見も必ずしも一致しておらない、こういうふうに私どもははっきりと認識をする。そういう点から見まして、本案はただいまの場合に増税をするということは理由が成り立たない。どの面から考えましても、政府の答弁あるいは政府の考えておられることは、支離滅裂なんです。従ってかような問題がもし強行されるような場合には、業界には料金の値上げということが必ず行われる。その場合に、自動車業者の料金の値上げというものは、他産業に全部累を及ぼし、ひいてはそのはね返りは一般国民生活の上に非常に大きな影響を来たす問題でありますから、軽々にここで賛成をするということはできない。従いましてただいまの決議案はまことに妥当なものである。われわれは最も正しい決議案をこの委員会が出したものと考えまして、自民党の提出されました決議案に対しては全面的に賛成をいたします。
○關谷委員 今小山委員あるいは中居委員あたりから、自民党提出のと言われましたが、これは自民党の提出ではなくして、運輸委員關谷勝利の提出であることを申し上げておきます。まだ与党の党議は確定はいたしておりませんので、これは党議決定の上で出ておるのではないのでありまして、私は委員關谷勝利として提出をいたしておりますことを申し上げておきます。
○山本(友)委員長代理 それではただいま提出されました動議を採決いたします。 關谷君提出の決議案を委員会の決議案といたしますのに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本(友)委員長代理 それではさよう決定いたしました。 なおただいま可決されました決議の取扱いにつきましては、委員長に御一任をいただきたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本(友)委員長代理 御異議なしと認めます。 この際運輸大臣及び大蔵政務次官より発言を求められております。これを許します。
○吉野国務大臣 揮発油税の増徴は自動車運送事業に甚大な影響を及ぼすことは、御決議の趣旨の通りでございますから、御決議の趣旨はとくと考慮したいと思います。
○山手政府委員 御決議の点につきましては、御承知の臨時税制調査会等において種々研究をいたし、鋭意その結論を急いでもらっておるところでございます。いろいろ御議論もただいま拝聴をいたしておりまして、片一方において、最近大型のトラック等を中心に陸上輸送が非常に多くなりまして、ために道路を特に大型のトラック等がひんぱんに通るようになりまして、道路等がとても現在の状態では間に合わないような格好に踏み荒されておるような実情でございます。これに対処いたしますために、来年度の予算の編成に際しましても、何らか画期的な手を打って、長い目で見て運輸業界の皆様方等にも非常に喜んでいだけるような施策をしたいというのが、政府の意図であるわけでございます。しかしながら予算の編成の全般を見ていただきますと、皆さん御承知のように既定経費が積み重なっておりまして、そういう方面に大幅な財源を振り向けるということもなかなか困難でございますので、直接に関係のある皆さん方にはあるいは御迷惑な点もあろうかと思いますけれども、長い目で見ると運輸業界にも非常なプラスになることでありますから、何か目的税でも創設いたしまして、画期的な道路対策を打ち立てて今後に対処していこうという議論が持ち上りまして、この点について税制調査会において御議論を願い、研究を願っておりまして、近く結論が出ることを期待しておるわけでございます。御決議の趣旨につきましては、いろいろごもっともの点もございます。大蔵省としては、調査会の答申を得ました上でさらに研究もし、できるだけこういう面においても新機軸を出しつつ、積極的に予算そのほかにも対処をいたしていきたいと思いますが、本日の御決議につきましてはわれわれの方においてもとくと研究をし、対処をしていきたいと思います。 —————————————
○山本(友)委員長代理 これより陸運行政に対して調査を進めますが、質疑の通告がありますので、これを許します。井手以誠君。
○井手委員 バス事業について大臣と自動車局長にお尋ねをいたしたいと思います。他の小さな都市では市内十円均一でありますのに、私の佐賀県における一バス業者のところでは、市内の一区間でも十五円を取っておるのであります。郊外になりますと、さほど山間部ではありませんのに、一キロ当り五円から五円四、五十銭を取っておるのであります。しかも汽車の連絡はできないように時間表を組んである。しかも最近バス料金の値上げが計画されておるのであります。この事実を前提にいたしまして、私は大臣と局長にお尋ねをいたしたい。民間バス会社の横暴な点、あるいはこれに関連する陸運行政の不明朗な点については、しばしば本委員会でも同僚委員から指摘されておりますが、一向改善の跡を見ないのであります。現在の道路運送法が改正される昭和二十八年の国会においても、公益性が特に強調される改正案において、いろいろな御意見が持ち上っておりますけれども、改正されておらない。 そこで私は大臣にお尋ねいたしますが、道路運送法の第一条にいわれてお、る公正な競争並びに第二十条にいわれておりまする運輸に関する協定、この協定は他の業者との設備の共用、連絡運輸または共同経営に関する協定だと考えておりますが、これは次の第二十一条によって独禁法の適用を除外されておるのであります。従ってこの道路運送法はあくまでも独禁法の私的独占を排除するものでなくてはならぬと思うのであります。従って第一条とただいまの関連から申しますならば、バス事業は原則として独占であってはならない、複数でなくてはならないと考えますが、大臣の所見を伺いたいと思います。
○吉野国務大臣 私はそうも考えておりません。というのは、この道路運送法に適正なる運営及び公正なる競争の確保云々と書いてありまして、いかなる場合にも公正な競争といいますか、二つ会社がなくちゃならぬという建前にはなっていないのです。場合によりまして、小さいところでは実際問題を申し上げれば、どうしても一つでなければ成り立たぬ場合がある。そういうことがありますから、もし二つ許したのでは適正な運営がいかれないという場合には、やはり一つの場合に許すこともあり得るのですから、お話のように自動車事業の通常というものはいかなる場合にも独占はいかぬのだ、いかなる場合にも二つ以上許さなければならぬのだという建前には法律はなっていないと私は思います。
○井手委員 もちろん適正な運営ということはうたってあります。しかし複数であっても経営が成り立つ場合には、私は複数であることが正しいと思う。ところが現在は既設線があります場合には、なかなか他の業者が割り込むことが現実的には困難でございます。関所が多過ぎるのであります。私はその路線において他の業者が入っても成り立つという場合には当然複数でなくてはならぬと思いますが、その点はいかがでありましょう。
○吉野国務大臣 理論的に言えば、大体私はそういうことだろうと思っております。ただ率直に申し上げますと、実際の自動車事業の免許といいますか、そういうものの運営というものが、全国にわたってみなその通りいっているかどうがということになりますと、私はここではっきりその通りいっているのだという断言をするだけの勇気はございません。当初許すときの事情によって、初め許してから年月がたちますと経済上の実情によっていろいろ変って参りますから、当初許したときには法律に基いて許しましても、あと何年かたってこれを見たときに、法律の運営からいってどんなふうであるかということはあり得ると思います。さればといって、行政をやりますときに、やはり今までの既成事実というようなものもある程度認めなければならぬという場合もあろうと思いますから、そこに理論通りはっきりいっていない面が実際問題においてあることは私も認めます。従って道路運送法というものについては、この点もう少し私も考えまして、あるいは法律というものでもう少しその点をはっきりしておいた方がいいのじゃないかというふうにも考えております。
○井手委員 既設路線において他の業者が割り込むという場合には、割り込んで競争しても経営は成り立つということでなくては、民間業者は申し込まぬのです。合わぬところ、需要量が少いところに申し込むはずがございません。そういうことを考えますと需要量が多い場合、あくまでも既設路線業者一業者だけに独占させるということは誤まりであろうと考えております。もしそれがいけない、この路線は一業者でなくてはならないというような場合には、その料金については私は厳正な監督をしなければならぬと思います。いかがでございますか。
○吉野国務大臣 後段についてはお話の通りでございます。
○井手委員 それは私が先刻例をあげましたが、市内で一区間でも十五円、隣の小さな都市においては十円均一だ、独占しておる一市内においては十五円、しかもさほど山間部でもないところにキロ当り五円以上を取っておるという、この料金に対して、果して適正なものであるかどうか、これは自動車局長でもかまいませんが、お答え願いたいと思います。
○山内説明員 現在のバス料金につきましては、東京あるいは大阪というようなところでは十五円を取っております。しかし全国的に見ますと大ていが十円でございまして、自後の運賃は十円あるいは五円運賃を取っておるのが状態でございます。それで運賃制度からいいますと、対キロ区間制というような体系になると思います。と申しますのは計算をいたしまして、そのあとで四捨五入するわけでございますが、非常に短かい区間をとりますれば四捨五入の関係で加える、あるいは減るかもしれませんが、全国的に見ましてはそういう運賃制度をとったわけであります。
○井手委員 私が申し上げておりますのは、同じ程度の都市において、競争路線のある市内においては十円均一であります。それよりもっと小さいような都市において、一業者が独占をしておるところにおいては十五円取っておる。しかも近郊のさほど山間部でもない路線においては、キロ当り五円も五円数十銭も取っておるのであります。これは私は明らかに独占企業の横暴だと思う。しかもその地帯に他の業者を入れようとしても、実際には入れることができないのです。だから私は具体的に先刻申し上げましたこういう事実があるから、これがどうかと私は尋ねておるわけであります。
○山内説明員 ただいまちょっと全国的な運賃の体系を持っておりませんので、どこの区間をさしておられるか私ちょっとわからないので、後刻御指摘願いたいと思いますが、ただ基礎賃率のほかに割増制度というものを認めております。ということは原価計算上からくるわけでございますが、山間地とかあるいは積雪地とかいうところでは割増運賃というものがございますので、基礎賃率より高くなるということはあり得ると思っております。
○井手委員 市内に山間部ということはないのであります。事実をあげて申し上げますが、佐賀県の唐津市においては旧市内十五円でございます。佐賀市においては競争路線でありますために十円である、その唐津市で十五円を取っておる会社が、佐賀市内になりますと十円を取っております。この事実は明らかに独占企業であるために、私は料金のつり上げが行われておるということを申し上げたいのであります。しかも三割増す、山間路線に対しましても五円数十銭ということはあり得ないのであります。唐津——呼子間は十三キロのところを七十円取っておる。莇原——武雄間は十四キロのところを七十円取っておるのであります。さほど山間部ではございません。重要府県道でございます。私は事実をあげて申し上げておりますので、そうあまり抽象的におっしゃらぬようにお願いしたい。なるほど道路運送法には、適正な原価であるとかあるいは適正な利潤を織り込むとか申されております。それではそういう料金を許可なさる時分に、どのようにその会社の経営を監査なさっておりますか、その点をお尋ねいたします。
○山内説明員 料金の改訂をいたします際には、支出の要素を全部検討いたしましてやることはもちろんでございます。これは原価主義をとっておりますためにそうするわけでございます。しかし会社が放漫経営をしたために支出が多くなるということを避けますために、現在全国的に大体やっておりますのは、四十数社の会社から資料の提供を求めまして、各業者について検討いたしております。その上で、会社の支出のそういう計算がスタンダードに達していないところは、大体そのまま支出を正当と見ますが、たとえば非常に放漫で、ほかの会社に比べて支出が多いというところは切って計算をいたしまして、その上で大体一割の配当をできるように原価を計算いたしまして、賃率の決定をいたしているわけであります。
○井手委員 残念ですが、今本会議が開かれたようであります。このバス業者の独占による横暴あるいは陸運行政の不明朗な点については、幾多の事実をもって私は、尋ねているわけであります。何といってもこれは利用者、乗客の利便が主体でなくてはならぬと考えております。その意味において十分当局の意向もただし、論及いたしたいと存じておりますので、委員長にお願いいたしますが、ごく近い日に本日の質問を続行する機会を与えていただきたいと存じますが、いかがでございましょう。
○山本(友)委員長代理 承知いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。次会は、公報をもってお知らせいたします。 午後一時十二分散会