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25回国会衆議院1956/11/30

運輸委員会 第3号

発言数
41
登壇者
6
会派数
2
開催日
1956/11/30

会議録

木村俊夫自由民主党

○木村(俊)委員長代理 ただいまから運輸委員会を開会いたします。  前会同様、委員長が御病気のために御指名によりまして私が委員長の職務を行います。  陸運に関して調査を進めます。最初に陸運関係の免許の問題に関して質疑を許します。原健三郎君。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 私は道路運送行政について二、三運輸当局に所見を伺いたいのであります。こまかいことはまた逐次御質問いたしますが、きょうは時間の制限がありますので、ごく簡単にお尋ねいたしたいと思います。  まず道路運送行政の根本理念でございますが、理念から申し上げますと、道路運送法の第一条に「この法律は、道路運送事業の適正な運営及び公正な競争を確保するとともに、道路運送に関する秩序を確立することにより、道路運送の総合的な発達を図り、もって公共の福祉を増進することを目的とする。」と書いてある。これがいわゆる道路運送行政の根本理念であるかどうか、まずこれからお伺いいたしたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 仰せの通りであります。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 昭和二十六年本法施行以来、約五年間たっております。その間運輸当局はこの指導理念をどういうふうに具現してきたかということが問題なんです。法律にはそう書いてあるし、それを認めておられるのであるが、どういうふうにこれを実際に現わしてきたか。私は本法を貫く精神は、一言で尽せば公共の福祉を増進することである、こういうふうに思っている。自動車運送事業は一面において種種の義務が負わされていると同時に、国の免許事業として非常な手厚い保護を受けている。この事業が国民生活に密接な関係を持ち、国民の福祉に重大な影響を及ぼすものであるから、こういうふうに免許事業になっているのだと思います。だからこの第一条に書いてあるように、事業の適正な運営とか、あるいは公正な競争の確保とか、運送の秩序をどうするとか、さらにまた道路運送の総合的発達を云々してありますが、結論は「もって公共の福祉を増進することを目的とする。」と書いてあるから一言に尽せば公共の福祉増進のためにこういう行政をやっている、この意はいかがでございましょうか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 この第一条に書いてありますように、ただいま御質問のございましたように、適正な運営、公正な競争の確保、運営秩序の確立並びに道路運送の総合的な発達をはかることが、公共の福祉に合致することになるわけでございます。この道路運送法は第一条の目的を達するために貫かれているものとわれわれは考えております。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 それはちょっと私と違う。適正な運営をやったり、公正な競争をやったり、運送の秩序を確立することももちろん必要であるが、これを要約すると、私のいうのは、公共の福祉を増進するためにこういう法律があって、公共の福祉を増進することは、たとえば今申し上げたように、こういう事業の適正な運営とか、公正な競争とか、こういうことも勘案してやるというので、一言に尽せば、これの立法の趣旨は公共の福祉を増進することになると思うのですが、この点はいかがでしょうか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 この第一条によりまして、道路運送事業を公益事業として取り上げる目的を示しているのでございます。それで公益事業の本質として、公共の福祉を増進するということが最も大きな目的であることは、御質問の通りであります。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 そこであえてお尋ねするのであるが、運輸当局はその公共の福祉ということをどういうふうにお考えになっているか。戦後の多くの法律を見ますと、その目的を示す条項において、公共の福祉ということを各所にうたっている。道路運送法においてもこれを単にならってつけたのではないと私は考える。だから念のためにあえてお尋ねするのであるが、公共の福祉を増進するということをどういうふうに理解になっているか、もう少しお聞きしたい。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 これは各法律におきます公益事業はことごとく目的が合致しているのでございまして、公益事業を一般自由営業にしないで免許事業にするということは、国が特別の監督をいたしまして、国民の利益を守ろうという趣旨でございます。たとえば具体的に申し上げますと、この法律におきましても特に国民の身体、財産の安全、あるいは国民の生活に直結いたします運賃、その他免許というような点について、詳細な規定を設けているわけであります。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 私は国民の福祉を増進するために道路運送事業を指導育成して、健全な発達をはかる必安があることは当然であることを認めるのであるが、指導育成するということが排他的な意味を持ったり、あるいは既得権の擁護に堕する結果となったり、そして業者はまた特権の庇護のもとに長期の眠りをむさぼるようなことになっては、公共の福祉ということは第二義的、第三義的なものに置かれると考えるのである。この道路運送法というものは、既存業者保護のための法律であるという批評が今日日本全国にみなぎっている。私ははなはだ遺憾なこととこの点を認めるのであるが、そういう点について運輸省はどういうふうに考えているか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 この第一条の目的によりまして免許を受けた事業者は、行政法上国の特権を与えられているのでございまして、その意味から一般営業にない特別の監督に服する義務が出るわけでございます。また事業そのものの運営が適正に行われることが国民の利益に合致するという意味における保護も受けるわけでございまして、この免許事業は常に国によって保護と監督を受けるということになるわけであります。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 こまかいことは逐次お尋ねしますが、次に法律の第六条を見ると、免許の基準についてこれを規定いたしておる。この免許の基準についてお伺いいたしたいのであるが、この基準というのは、第六条に五点にわたってこれを述べてあります。一と二とは、運送の需要供給のことを書いてある。三は計画はどうかということ、四においては能力がどうである、五においてはこれを総括して公益上必要でありかつ適切なものであるかということをいうておるのでありますが、この中で今申したように一般大衆の利益に合致するかせぬかという第一条の精神を、この第六条の免許の基準において、もっとはっきりと具体的に五つの基準を示してきておるが、五つの中で最も実のある中核をなす基準というのは、いわゆる需要供給の均衡がとれておるかどうかという点であろうと思う。第一と二であります。一体この方針によって運輸省は免許をやっておるかどうか、これをお聞きいたしたいのであります。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 この法律にありますように、「左の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。」とあるわけでございまして、この第六条全部を総合的に考えまして免許の可否を決しておるわけであります。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 総合的というのは非常に上手な言葉であるが、たとえばこの五の「公益上必要であり、且つ、適切なものであること。」というがごときは、第一条にうたってあるようなこういう法律の条文がだんだん進んできて、具体的にこまかくなってきたときにおいては、これはもう重複しておるので言わずもがなの規定である。それは今申したように、一、二、三、四とある中で、少くとも計画、能力ということもさることながら、一番大切な点は需要供給のバランスがとれているかどうかということを、一と二と二号にわたって強調いたしておる。この法律の趣旨はここにあると思うが、この点はどういうふうに考えるか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 その点は、どの項目に重点があるということは、なかなか言い切ることはむずかしいと思いますが、具体的な事案の審査に当りましては、御指摘の通り第一号、第二号というものが問題になる場合が多いということは申し上げておいていいと思います。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 問題になるのは、この五つの点全部が問題になるのは当然のことであるが、問題というよりも、公共の福祉を増進するという点から見るならば、単に計画の書類がちょっと不足であるとか、能力でそれが失格しても、国民大衆に大して不利になるわけでもない。計画の書類が足らぬから、一般国民大衆の利益に何の影響があるか。第四点の能力に至っても、それを運輸省が一々、そういうことが全部が必ずしもわかるわけでもなし、十年、二十年先の経済情勢などがわかるはずも一ないし、むろん必要であろうが、さっきも申した公共の福祉増進という点からいうならば、一番大事な一点と二点、需給関係がしっくりいっているかいないかという点が、すなわち公共の福祉に合致するかしないかという立法精神にぴったりはまるきわめて重大な点で、それを第一条の目的から、免許基準というもとにこういう五つの点をあげてある。だからこの一点と二点がきわめて重大であると思える。これが少くともほかのものよりは重大な点である、こう思うのですがいかがでしょうか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 免許の法律の解釈といたしましては、一点二点が重要であると言い切ることは非常にむずかしいのではなかろうか。この法律に差し示してありますことは、この五号全部を審査して免許の可否をきめなければならないというふうに私たち読んでおるわけでございますが、私の申し上げておりますのは、その場合にやはりそういう点で審査の対象として論議の的になりますのは、第一点、第二点であるということは御説の通りであります。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 当局においても一番重要な問題として第一点、第二点が、論議の中心になっておるということを今申しされたのであります。それで過去の運輸省の免許した実例をもって示しますと、残念ながら第一点及び二点についてはこれを考えていない。三、四、五に向って全力をあげておる。計画がいかぬといってすぐ却下する。これは書類でやるのだから最も簡単に却下をやっておる。やれ能力がないから却下する。能力があるかないかということはその行政官の判定だ。これもさっと却下をやっておる。だからあなたのいうことは間違っておる。一点と二点というのは重要視いたしておらぬ。これを数字をもって示したならば、昭和二十九年度において不許可、却下処分となったもののうち、一点、二点の需給関係を検討して不許可にしたものは、わずかに一〇%にすぎない。あとの九〇%というものはやれ二と三とか、三と四とか、どれかこれか三つか四つをこね合わせて、そうして不許可にしたり却下にしたりやっておる。だから実際はあなたのいう通りやっていない。なぜそういうことをやられるのであるか。ただ計画の書類が足らぬからといってすぐ却下したり不許可にしたり、能力がないからというので却下にしたり不許可にする。それが一と二と三だというようなあいまいもこたることによって、免許をしたりしなかったりしておる。今いうような公共の福祉の増進ということには、需給関係が一歩大事だ。車がないところへは車を許可してやるし、車が余っているようなところへ許可しては困るということは、当りまえのことだ、そういう子供でもわかるようなことを少しもやっていない。昭和二十九年度の統計を調べてみるとやっていません。一番大事なところで一番めんどうなことは私も認めます。めんどうであっても、法律が示し、これが大事であればやらなければならぬ。ところがこれをやっていない、これはどういうふうにお考えになるか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 私はその一点、二点が重要であると申し上げたわけではないのでありまして、免許をされます場合に、いろいろ問題が起るのが一点、二点に多いと申し上げたのであります。当初申し上げましたように第一、第二、第三、第四、第五というものを個別に審査して、総合的に判断するということを申し上げたわけでございます。具体的な事案につきましては無数にございますので、ちょっと御説明いたしかねるわけでございますが、たとえば第四号について、御質問がありましたので申し上げますと、第四号のことにつきましては、この条文が、前国会におきまして特定自動車運送事業にも入れていただいたと思うわけでございますが、非常に経営者の管理能力というものが事故に関係があるということで、前国会におきましてこういう条文が特定自動車運送免許の場合にも加えられたわけでございまして、そういう事故を起さないような業者にやはりやらなければいかぬという意味からも、第四号も重要視いたして、審査いたしておるわけでございまして、一、二という場合に判定をするのになかなか問題が多いということを申し上げたわけでございます。その免許を審査をする場合におきまして、一、二が一番重要であるかどうかということは、この法律の順番であるいはそうお読みになることもできるかもしれませんが、われわれといたしましてはこの法律では五号全部に適合するものを免許するというふうにしてありますので、全部にわたりましてわれわれといたしましては審査をいたしておるわけでございます。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 それでは言いますが、一、二をよくしておるというが、一、二をよくしていない証拠がある。こういうものをもって不許可及び却下をやっていない。もっと詳しいことはあとで申し上げるが、そういう一番大事な公共の福祉を増進するという点から見るならば、この五つの中で五番目が公共の福祉ということをうたってあるのは、もちろんこれは問題ない。その一、二、三、四の四つを比べれてみるならば、これは単なる計画がどうというようなことよりも、福祉増進に一番重要であるのは一、二であると私は思う。それは一般国民が自動車を多数必要としておるところにこれを許可してやる。これが国民の福祉増進になる。あり余って倒れそうなところに許可してみたり、これは困る。そういう需給関係をよくやるということが国民の一審公共の福祉に合致するかしないか、そこなんです。計画がどうだとか、能力がどうだとか、それも互大でしょうが、それが直接的に積極的に公共の福祉にそう影響があるかどうか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 その事業計画が不適正でありますときには、事業の運営がうまくいかない、あるいはその地方の交通の需要に応じないということもあるわけであります。そういう点もやはり審査といたしましては十分慎重に審査しなければならないとわれわれは考えております。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 それでそれは計画とか能力とかが必要なためにこの法律にうたってあるのだが、それはいろいろ申されるが、まず需給関係を一番考えなければならないのに、運輸省当局の今までの不許可だとか却下しておるものを見ましても、一、二のことをあまり調べていない。これは非常に重大な、これはもちろん一番めんどうなことである。このめんどうであるが、一番大事なことを地方の陸運局などはなおざりにしておいて、そうして中央へ来て運輸審議会でやって、あるいは地方の陸運局だけでやる場合もあるが、この大事なことをゆるがせにして、簡単な計画や能力や、運輸行政の末端におる行が裁量できるようなことだけでしばしばこれをやっておる。遺憾千万なりといわなければなりません。こまかいことはさらにいうとしまして、この法律の第六条第二項にはこういうふうに書いてある。運輸大臣は前項の規定により審査する場合に当該申請につき前項各号に掲げる共準を適用するに当って、形式的画一的適用に流れることなく、当該路線または事業区域の実情に応ずるように努めなければならない、こう規定してある。六条の一項に基準を示して、さらに二項においてこういうことをうたっている。この一項は昭和二十八年の第十六国会において道路運送法の一部が改正された際に、新たに追加せられたものであるが、実際は第十五国会において運輸委員会提出の改正案の重要な部分をなすものであって、第十五国会が解散せられたため成立に至らず、第十六回国会にそのまま政府案の一部として拠出されたものであることは、運輸当局といえども記憶になお新たなところであります。  そこで私はお尋ねしたいのであるが、何ゆえにこういうきわめて入念なる項目を一項加えたか、かかる行政方針とでもいうべき一項が特に立法化されて、追加されたかということであります。免許基準は抽象的であるというきらいはあるが、法の体制としてはほとんど異論を差しはさむことがないように、至れり尽せりのところまでいたしてある。私どもは法律改正のときにだいぶ研究してみたが、なかなか入念に至れり尽せりのことをやっておる。そこでなぜ今日のように免許制度が公正を欠き、妥当を欠ぎ、国民の福祉増進にぴしゃっと合っていないか。これは一にかかって立法の問題ではなくして、自動車関係の行政官がその立法の精神を、一言にして尽すならばしっかり把握してやっていないからである。それをやっているというならば、やっていないという証拠が山ほどあるから幾らでもいうが、私はそういうことを一々騒ぎ出すのははなはだ快しとしないから申しません。だから免許基準が法文の示すがごとく適確に実行に移されていたならば、新たに第二項を追加するような必要はなかったはずである。こんなわかり切ったようなことがまた重ねていうてある。私は第二項が追加されたことは、一面において運輸当局に対する立法府の不信の現われであると思う。それをつけ加えてあるのに——そのときの議事録をまだ調べておりませんから、調べようと思っておりますが、それ以後における運輸行政を見ると、少くとも自動車に関する免許等においてははなはだその趣旨に相反しておる。この第二項を追加したことは、今も申したように、一面において運輸当局に対する不信の現われではないかと考えるのである。運輸当局がすでにみずから反省したたらばけっこうであるが——されたかどうか知りませんが、実際のやり方を見ると、反省しておるというふうには私どもは考えられないのであるが、この点について一つ当局の御意見を承わりたいので、あます。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 御質問の趣旨が十分把握されておりませんが、その二項をどういうふうに運用しておるかということに理解をいたしまして御答弁申し上げたいと思います。この二項のできました趣旨は、第六条の免許基準は自動車運送作業の全般にわたる免許の基準を示したものでございまして、この自動車運送事業はバス、ハイヤー、トラックというふうに多種多様であります。その中で路線事業あるいは区域事業というふうに種類も多く、また交通の実態から申しまして、地域的な特殊性も多いので、この六条の免許基準を業種につきまして実情に適するよう、画一的、形式に流れて解釈しないように、十分実情に適合したような運営をしなければならないというのが、この第二項の条文であろうと解釈いたしておりまして、われわれもその点に沿って十分努力をいたしておるつもりでございます。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 あなたはどういう趣旨であったかわからぬというようなことをおっしゃられるが、今言ったように、こういう一項目をあらためて立法府において追加したというのは、運輸省の自動車行政がうまくいかないからわざわざこんなことを追加したので、必要がなければそんなことをする必要はなかった。その点をよく認識してやっておるかどうか聞いておる。それをあなたはやっているというようなことをいうのだが、そういうことをいうくらいだから、運輸省の自動車行政においては、そういう立法の、趣旨なんかを少しも考えてやっていないと私は断定せざるを得ない。反省もしていないし、十分その立法の趣旨をくんでいない。こう考えるのであるが、それはどうですか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 個々の事業に対しましても、全体の方針に対しましても、御趣旨のようにこの第三項の趣旨をくんでやっておるつもりでございます。非常に事案が多いものでございまして、あるいは御批判の点もあると思いますが、われわれといたしましてはこの三項の趣旨に沿うべく努力をいたしておるつもりであります。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 これはやっていないのではなく、やっておるとおっしゃられるが、自動車局長も最近局長になったばかりであるし、幹部がかわるしというようにいろいろあるでしょうが、末端にいくと——私は自動車局長や運輸省当局の幹部がそういうことを理解していないというのではなくて、私のいうのは、全国の地方陸運局あるいは陸運事務所——行政に携わっておるたくさんの人にまで、そういう趣旨が徹底していないということをはなはだうらみとしておる。たとえばことしの夏われわれ運輸委員会から国政調査に行って、近畿地方、中国、四国なんかを回ってみた。そのときわれわれに陳情してきたことは何かというと、既存のバス、トラック、ハイヤーの業者が独占の弊をむさぼっていて、新たなものが免許を申請しても断じて許可しない、これを何とか打破してくれ、地方の陸運事務所や陸運局の連中が、既存業者、独占業者と結托して、幾ら申請を出しても許可してくれない、幾ら自動車が不足しておっても、交通が不便であっても、そんなことはもう眼中にない、何とか運輸委員会において取り上げてやってくれという陳情を至るところで聞いた。そのことは本委員会にも報告してあります。あなた方のような上の人はそう思っているが、もっと下情を調べて、その実情を把握してやりなさいということを、私はこの委員会でなくても会うたびごとにいうておる。そうした自動車の免許制度については、もっと立法の精神にのっとって公正にやらなければならぬ。私は東京の運輸省の本省の力は知りませんが、地方の陸運事務所や地力の陸運局の役人が今何をやっておるか。そういう連中は、常に既存業者の利益ばかり考えて、大衆の利益や便宜のことを考えていない。幾ら新たな者が免許してほしいと中請しても、既存業者が陰から回って自分の日ごろ懇意にしておる、手なづけておる役人と結託して、猛烈な反対運動をやる。地方の陸運事務所や陸運局の連中は、既存業者たちと年がら年じゅう飲み食いしておる。私自身も大阪の陸運局でそういう苦い経験をしておる。これについては、あなた方が知らぬというのなら、材料を十分提供して、この委員会でお示ししてもいいが、あえてそんなことをしたくないが、現実にそういう事態があるということを知っておいてもらいたい。  それから免許を与える場合においても、申請してから長いのは五年間もかかっている例が最近においてある。バスなどを調べてみると、平均大体二年くらいになっておる。二年もかかっておるというのは、一体審査しておるのか、していないのか、一体どういう理由でこれほど遅延しておるのか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 現在たとえばバスの免許事案について申し上げますと、まず本省で受け付けて、軽微な事案でございますと一週間ないし十日くらいで処理をしております。また重要事案でございますと、運輸審議会に諮問して、公聴会の申請がございませんと、大体二カ月くらいで事案の審議ができるわけでございますが、最近そういう公聴会申請の事案が非常に多くなっておりますために、そういう重要事案については、まず事務局で調査いたしまして、それから公聴会の申請がございますと、また全体的な公聴会を開くという意味で、一年以内くらいでそれを処理できますものが、大体半数くらいでございますが、一年以上になるものがやはり四十数%ございます。今申しました三カ月以内でできるものは大体七%くらいになっておりまして、どちらかと申しますと、そういう重要事案が非常に多くなってきております。それから、もう一つ、これは人員とか、そういうものを拡張したいというつもりはございませんが、大体私どもで現在処理としているのが、月平均大体百三十件くらい、申請事案の方は非常にふえていて、平均して大体百五十数件、そこでわれとしても審議をより急がなければならぬと思って、目下免許の審査に毎日多くの時間をさいてやっておるわけでありますが、実情はそういうことであります。しかし今後もこの事案の急速処理については、さらに一そう努力いたしたいと思っております。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 四年も五年もほうってある。四年間も五年間も毎日審議しているはずがない。これは審議せずにそのままほうってあるに違いない。文字通りほうってある。事業によっては勝手にはうっておく。運輸省の役人はイエス、ノーをきめなければならないのに、運輸審議会にも諮問しないで、なぜほうっておくのか、それを伺いたい。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 個々の事案については、そう長いのはごくまれの事案だろうと思いますが、結論を出す前においていろいろ調べなければならない、あるいは他にいろいろ考慮すべき点も多いために遅延するものが多いと思いますが、そういうものは特別な事案ではなかろうか、かように考えておりまして、実は御指摘の通り私就任して一年にならないのでありますが、できるだけそういう処理のおくれている古い事案については、私のいる間に処理をいたしたいということで、ほうっておるわけではないでありまして、やはり審議を続けておるわけでございます。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 あなたが局長になって一年足らずで促進しておるのは、まことにけっこうだと思ますが、しかしそれは、もっと促進を続けて早めてもらいたい。慎重に研究をしておるのだと今言われたけれども、これはほうってあることは明らかです。すべからく公正に早くやってもらわなければ困る。このことを強く要望するものである。この法律によりますと、既存の業者に許可を与えても、この事業運営が明らかに不良であって、利用者の新しい不満になっておるとか、あるいはそういう許可を与えても業者においてその責任を果さない場合においては、運輸省当局から適当な措置をやることになっておるが、その措置を一体今までやっておるか、やっておらないか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 もちろんそういう監督の措置はとっております。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 とっておるなら、一体至るところでそんなのがあるのか。私は数にしてごく少いと聞いておるが、どのくらい事案があるか。許可したのは幾らあって、それを監督してそういう措置をしたのはどのくらいあるか、お教え願いたい。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 全国的な数字は今持っていないわけでございますが、たとえば最近ありましたそういう監督措置といたしましては、事業停止処分を三カ月いたしましたのが二十八年に一件ございます。それから本年度事業改善命令を本省で出しましたのが一件、東京陸運局の資料だけここに手持ちがありますが、東京陸運局におきまして車両の使用停止を十四日間やりましたのが一件、それから警告いたしましたのが十三件、その数字が今手元にございます。

原健三郎自由民主党

○原(健)委員 今の事例を見てもたった一件ほどじゃないか。少くとも免許した以上は、運輸当局がこれを監督し、指導する責任があると法律には書いてあるが、免許しておいて、適当でなかったものに対する処分というものはほとんどやっていない。もっとびしびしやられることをここに一つ要望いたしておきたい。  こまかいことは、この次もう少し具体的に話を進めたいと思います。本日はこれで終ります。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 関連して。原君がだいぶがたがたやったあとでやるのは適当でないかもわかりませんが、私は最近の自動車行政といいますか、これを見ておりますと、どうも納得のいきかねることが多いのでございます。運輸省は何をしておるのであろうか、寝ておるのであろうかという気持がするのであります。先般行政管理庁から運輸省の免許というふうなことについては、あまりにも日数がかかり過ぎておる、怠慢であるという警告を受けておるというふうに聞いておるのでありますが、先般行政管理庁が運輸省に対しまして勧告をしたことがあるのかないのか。もしあるのならばいつごろそういう勧告があったのか。自動車行政についての内容はどんなものであったかということを、大づかみにちょっというていただきたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 行政管理庁の次長から運輸次官あてに、昭和三十一年八月二十日運輸省所管の許可認可等行政事務運営状況監査結果についてという書類が参っておりまして、自動車行政につきましては、ただいま御指摘のように、だいぶ時間がかかるが、それはどういうことであるかということ、免許基準をもう少し明確化することができないのであろうかというような点が、大体おもな点であろうと思っております。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 その行政管理庁の勧告の写しを、自動車に関する部分だけでけっこうでありますので、一つ次の委員会の際に御提出を願いたいと思います。見ておりますと、何か少しむずかしい案件になってきますとむずかしいというのでありますが、決して判断に苦しむというのではないと思います。賢明な山内自動車局長が判断に苦しむような事業が、そう自動車にあろうとは考えられぬのでありますが、免許申請をして以来数年たっておるという事例はたくさんあるのであります。こういうふうなことは、私いずれまた次の機会に一度、自動車行政全般について御質問申し上げ、また私たちの希望も申し上げたいと思っておったのでありますが、幸いきょう原君からそういう質問が出ておりましたので、関連して一、二だけ申し上げてみたいと思うのであります。  どうもこのごろは、少し複雑な問題になってきますと、自動車局は一切これをたな上げにしておいて、何にも省みないというのが、今の状態であろうと私は思います。なおまた、これは役人としては利口なやり方かもわかりませんが、従来の方針通りを踏襲をして、情勢の変化というふうなことをいささかも考慮に入れていない、こういうふうなことが私たちには感ぜられるのでありまして、私たち具体的な例に当りましても、ひしひしとそれが私たちにこたえてくるようなこともあるのであります。きょうはガソリン税の関係あたりでやりますので、そういうふうなことは私多くを申し上げませんが、現在長距離輸送等につきまして、貨物あたりにつきましても、やはり以前と問じような考え方で処理をしておられるが、今は鉄道の輸送が限度に達しておる。海上経由もできないのだ。自動車にたよる以外にないのだ。それを知っておられるはずでありますので、高速自動車道というふうなもの、あるいは縦貫自動車道も作りたいということを運輸省が念願をしておる。それにもかかわらず、長距離の免許については一切許可しないのだ。そのために実情としては、もぐり業者が数年前からしきりにやっておる。ほんとうに出願した人間は、もしそういうふうなことをやったという理由で出願が許可されないようなことがあっては大へんだというので、そういうことをしないで、手をこまねいておって、もぐり業者だけがやっておるという実情があってさえ、一切これを許可しない方針をとっておられるらしいので、これをなぜしないかというと、運輸省の大きな転換というか、革命といわなければならぬようなことであるから、慎重に考えておりますという。慎重というのは、五年、十年考えたら慎重というのかわかりませんが、よく調査をして、なるべく早くこういうふうなことをやって、事態に即応するようにしなければならぬと私たちは考えておるのであります。一方には自動車事業をやらなければならぬ、これは運輸省の所管であるからどうしてもやらなければならぬ、これに力を入れなければならぬと言いながら、一方ではもとの通りを踏襲しておって、長距離輸送は許可をしないというような、まことに矛盾をした状態がある。こういうふうなことはもう少し自動車行政について積極的に考えて、打開すべきものだというふうに私たち考えております。なおバス路線の免許等につきましても、これは法律の第一条に書いてあるように、公正なる競争を確保するというのは、その事業を複数制にしたがために倒れるというようなことがあってはならないけれども、できる限り公正な競争をやらすようにして、サービスの競争をやらす、それで両立することができるのならやらせよというのであります。ところがそういうふうな事態のものがあてっも、一切免許をしないのだというのが非常に多いのでありまして、私たちはこれも遺憾に思っております。いずれ具体的にそういうふうな事例を、示して申し上げたいと思います。ことに東京都内の定期観光の問題も、これは何年来の問題でありますが、これあたりも何も手をつけてない。私がよく聞いいてみますと、陸上交通事業調整法があってこれがどうにもならぬのだ、それならそれを廃止すればいいじゃないか、いやこれは今までいろいろ使うてきたのだから廃止はできないが、しかし都市交通審議会において代案を研究中であるから、もう近いうちにできると言っていたのは半年くらい前であります。運輸省が近いうちというのは二年先のことであるか、三年先のことかわかりませんが、これも放任したままに見送っている状態であります。いろいろいうておりますと、放任せられたり、たな上げしているような問題が非常に多い。周囲では運輸省の自動車局というのは何をしているのだ、判断ができないのだろうか、判断ができないで困るようなものは、これは需要供給の関係からいうて成り立つか、成り立たないかというすれすれの点であるので、そうゆうふうな場合には、第一条の精神にのっとって公正な競争を確保するという意味から、これは免許しなければならぬのではなかろうか、こういう意見を吐いている人がたくさんあるのでありまして、私たちもそういうようなことをたくさん聞いておりますけれども、一向自動車局としては何もしない。先ほど原君は、上層部の人はよく知っているのだと言いましたが、私に言わせると、上層部が知らないので、上層部が誤まらしているのだ。現地では非常によく知っておっても、上層部が知らずにそういうものを不免許ということにしてしまっているのだ、こういうふうに考えております。私この問題はきょうはいうつもりでなかったのでありますが、小さいいろいろな資料をたくさん持っている案件がありますので、いずれ臨時国会中にあらためてこの件についてお尋ねいたしたいと思います。この免許事業中についての判断はもう少し早くやれぬことはないのです。あれだけの人員がかかって、月に百五十件もあるのだからやれない、やれないのなら、なぜ人員をふやさぬかということになるのであります。これだけの人聞ではどうにもならぬというのなら、人員をふやしてでも公衆に利便を与えるようにやらなけれでならぬのでありますが、私は何も人手が足らぬというようなことではないと思う。百五十件やそこらのものが月々出てくるのを、処理することができないということはないのである。ただそれをいろいろどうしようか、こうしようか、今ごろ自動車局長はノイローゼにかかってどうにもならぬのじゃないかとも考えますが、もう少し早くやっていただきたい。免許すべきものは免許し、免許すべからざるものは早くこれを却下するというような方法をとってもらいたい。こういうことだけを要望しておいて、私は次の機会にこの問題については具体的な事例をあげて、これはどうするのだ、あれはどうするのだというふうにお尋ねするつもりでありますから、その心準備だけをしていただきたいと思います。   〔木村(俊)委員長代理退席、山本(友)委員長代理着席〕

青野武一日本社会党

○青野委員 委員長のお許しを得て私はここに決議文を御決定していただきたいために、動議を提出いたします。  この二十五臨時国会の劈頭において、先週の水曜日でありましたか、それからその次の金曜日にも私から、横浜を中心にする港湾運送事業について非常に秩序が混乱をしておるから、政府の責任において円満な解決方法に努力すべしという質問を二日にまたがって当局にいたしました結果、運輸大臣もその内容について非常に誠意を持たれて、本日横浜に運輸省の港湾局長が現地に出張なさって、関係者を集めて親しく事情を聴取しておるそうであります。本日の運輸委員会の始まる前に理事会を開きまして、私から説明をして、理事諸君の御了承を得ましたのは、正式にこの運輸委員会から代表として明日でも横浜に現地視察と調査にいくことにしよう、こういうことで御了承を得ましたので、ここに明日現地にいくためにも必要でありまするので、動議をもって、決議を御採択願いたいと存じます。その案文は、    港湾運送事業の秩序確立に関する件  最近米軍貨に対する港湾荷役作業の入札に際し、港湾運送事業者の一部において不当な値引行為を行う者あり、これがため港湾運送事業界は、混乱を惹起し当該事業の健全なる発展に尠からず支障を来すのみならず関係従業員に重大なる脅威を与えつつあることは、誠に遺憾に堪えない。よつて、政府はこの際速かに斯かる業者に対して、不当な競争行為を中止せしめるよう適切な措置を講ずると共に米軍当局に対して、港湾運送事業法に基く公示料金を遵守するよう交渉し、もつて、港湾運送事業の秩序の確立に努むべきである。  右決議する。  何とぞ委員長において適切なる御処置をお願い申し上げます。

山本友一自由民主党

○山本(友)委員長代理 ただいま吉野君の動議によりまして、決議をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本友一自由民主党

○山本(友)委員長代理 それではさように決定をいたします。この取扱いにつきましては委員長に御一任を願いたいと思います。   〔山本(友)委員長代理退席、木村(俊)委員長代理着席〕

木村俊夫自由民主党

○木村(俊)委員長代理 瞬時休憩いた  します。    午後零時十三分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕

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