P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
24回国会参議院1956/03/24

予算委員会 第20号

発言数
187
登壇者
16
会派数
3
開催日
1956/03/24

会議録

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) ただいまより予算委員会を開会いたします。  本日も総括質問を続行いたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理に伺いますが、総理の言動は公党自由民主党総裁としてのそれであり、首相の責任はとりもなおさず自由民主党の責任に通ずると思いますが、いかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 自由民主党の責任に通ずるというのが、自由民主党の責任をとるという意味ならば、さようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 日ソ早期国交調整の外交方針を打ち出したときのあなたの姿はまことに晴れやかでありまして、わが日本社会党むこれを激励したわけであります。その当時はかなりの成算を持っておられたと思うのでありますが、いかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 成算を持って可能なことだと思っておりました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 保守合同がなされる前の自由党から十分の協力が与えられなかったことを私は気の毒に思っておりますが、首相の御感想はいかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 日ソの交渉については、幾分か領土の問題について意見の相違はありましたが、だんだんとそういう相違はなくなるものと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 保守合同後においても、日ソ交渉の不首尾、すなわち鳩山総理の失脚という意味で党内で主導権争いの具に供された傾きがあると思うのですが、総理の御見解いかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) その点については私は詳細には存じません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 三月十六日の毎日新聞に、前外務大臣岡崎勝男君はこういうことを書いておられます。今後二十年間も国民に負担をかけるというような重要案件を、総理が閣議にも諮らず外国側に言質を与えてしまったことはよろしくない。また今度日比賠償がまとまれば、一度きまったビルマの賠償も再び改定しなければなるまい。さらに続いて、この際、比国の問題さえ片づけばあとはまただれかやるだろうといわぬばかりの態度をとっていることは、まことにこそくであり、政治家として恥ずべきだと、あなたの日ソ並びに日比賠償に関する外交方針に対して鋭い批判を岡崎前外務大臣はなしておりますが、これに対する御見解いかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私はその意見を読んだことはございませんが、幾分か意見の相違があることば聞いておりまして、遺憾に思っておりました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 外務大臣の所見いかん。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私もそれと同じように考えておりました。私はその間には岡崎前外務大臣において相当誤解があるように感じました。その後に同君と個人的に語をして誤解は漸次解いたつもりでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 わが国外交の失敗は、かくのごとき党内における不統一が最も大きな原因と考えますが、これに対して自由民主党の総裁鳩山君の責任を伺います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私はそうは考えません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 党内不統一は認めますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 岡崎君たちと意見の幾分か相違があったということは認めますが、だんだんと意見は統合されて渾然一体となるものと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私はあなたの当初の方針通り進んでおったならば、本日の日ソ関係は好転し、世界の緊張緩和にも貢献できたと思うのでございます。あなたの当初の構想は早期国交回復であり、戦争状態の早期終結であって、日本の中立化要求を排除するということと、領土については歯舞、色丹程度で一応折り合って、抑留者を早期帰還させ、他の領土については他日国際会議にゆだねると、こういうあなたは方針であった。これが松本全権を通じてマリク全権にこの日本政府の腹が読み取られておった。しかるにその後あなたが保守合同によってこの方針を変えて、さらに領土の関係に対してプラス・アルファの欲を出してきた。ここにこの日ソ交渉が本日の状態に陥った一番大きな原因があるわけであって、まさしくあなたの責任と考えるのでございますが、いかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 少しお考えと私違います。領土問題についてはやはり国論に従ってやっていかなくてはならないと思っております。初めからそういうような考えを持っておりました。国論によって領土問題は決定するより仕方がない問題であります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私が伺いたい焦点は、今私が言ったような腹であなたがいるということが推測されるような発言をあなたはしばしばなさった。そういう印象をマリク全権に与えたという点においてあなたの私は責任は大きいと思うのですが、いかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) そういうことを外務省を通じて、あるいは私が先方に対してそういう発言をしたことはございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 かくのごとき印象を与えるような発言をあなたはしばしばなさいました。他は私は時間がないから多く申し上げませんが、私は昨年秋ロンドンに行った場合に、松本全権に会ったのです。そして激励したのです。そのときに松本さんは、喜色満面として日本の中立化は要求しませんよ。歯舞、色丹ば返すと言っておりますよ。それから抑留者を日本に帰すと言っておりますよ。これはまとまりますと喜色満面として話しておった。そのときの松本全権の態度というものは、あなたの方針を腹に入れてのものであり、また松本全権の態度というものは・マリクから完全に私は腹を見透かされたと思っているのでございます。その後方針が変ったところに、今日のこういう事態を招来したわけであって、一貫しないところの外交方針に対して責任をとらなくちゃいかぬと思うのですが、いかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は日ソ交渉について責任をとるということは易々たることで、いつでも責任をとります。けれども領土問題については、やはり国論の支持を得なければできない話であります。国論が択捉、国後を要求するのならば、政府としてもこれを要求しなくてはなるまいと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなたは今後の打開策としてソ連首脳部に会われるお考えはございませんか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) それは今のところ考えておりませんけれども、必要があれば私はあえて辞しません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ソ連側から招かれたら参りますか。またあなたの方からソ連の首脳者を招かれる御用意がありますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) ただいまは、それに対して御返事はできませんが、招かれましたならば、私はなるたけ両方の間の誤解がないように努力をしたいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 外相に聞きますが、松本全権が帰朝されましたならば、全権の資格を解任されるのでございますか。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) それは実は形式の手続の問題になります。一時中断したのでありまして、その期間が長ければ、資格を解任するということにする必要があるならば、そうしなければならぬと思います。しかし私の考え方は、将来機会があれば、すぐ交渉を再開しなければなりませんから、やっぱり松本全権は、この問題について交渉をする心組みをもって、こちらにおってもらいたい、こういう考え方でございます。何時でも形式を整えたい、こういう考え方でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理に伺いますが、日比賠償の賠償協定を締結するための全権団はいつ派遣される予定であり・また団長はどなたを任命する予定でございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) このことについては、あまり遠からざるときに全権を派遣したいという希望を持っております。それについて一切を外務大臣にまかしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 団長については……。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) その点は大体私に御一任されておりますから、私は慎重に考えております。  そこで私の考え方を御参考のために申し上げておきます。それはもう御報告をいたしたと思っておりますが、日比賠償問題について従来いろいろな意見の相違の点は、大体調整がついて——実質的な調整がつきましたことは御報告申したわけでございます。今は形式的に取りきめをどういうふうに、どういう言葉でまとめ上げるか、条文の整理等を急いでおります。そこでそれについてもやっぱり双方においていろいろ考え方もございますので、今それをやっておるわけすであります。これが大体見込みが——仕事が進んでゆき、その仕事の進んでゆく程度に応じて、大体この辺ならば全権団を派遣してもよろしいという時期を見きわめて全権をきめようと思っております。そうしてその全権団にどういう人をやるかということを今慎重に考案をいたしておるような時期で、まだ一、二週間は私はその時期がかかる、こういうふうに考えております。そうしてその時期が来ましたならば、最もその時期に適当する人を選んでゆきたい、こういうような考えを持っておるので、しばらくその時期まで私の考案を発表することをお待ちを願いたい、こう考えます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 政府は日比貿易拡大を目的として藤山特使を派遣されたようでございますが、フィリピン側においては、全くこれを黙殺しておるようでございます。この貿易拡大の見通し、並びに岡崎さんは日比賠償はこの形でまとまれば、ビルマとの現在の賠償協定も改めるようになるであろうということを言っておりますし、これに対する御見解、さらにインドネシアとの今後の賠償問題をいかようにされる予定であるか。まず総理、次に外務大臣からお伺いいたします。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) フィリピンとの賠償問題についてビルマ側から何とも日本に交渉はございません。インドネシアとは、やはり東南アジア諸国の賠償は一括してできるだけ早くまとめたいと思いますものですから、フィリピンの問題が済んだならば、インドネシアとも賠償問題を開始いたしたいと思います。  貿易についてでありますが、貿易は賠償問題が片づくと同時に、貿易は非常に拡大せられるものと私は考えております。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私からもお答えします。大要は総理のお答えの通りでございます。  最初に貿易のお話がございました。藤山特使は先方に非常によく受け入れられております。先方から悪い待遇をされるんじゃないかという意味の、これはどういう情報か知りませんけれども、私どもの情報は、先方はきわめて友好的に接遇をして、意見の交換を進めております。元来貿易の問題は、将来の日比関係の大きな基礎的な問題であります。賠償の解決ということも、貿易の増進、経済関係の緊密化ということに大きな目的を置いて進めてきたわけでございまして、それは日本側だけではありません。フィリピン側もそういう考え方をもって進めて参ったのでございます。藤山特使もそのラインに沿うていろいろ意見の交換をして、有益な意見が出ておるようであります。もっとも貿易を増大するということが賠償問題を片づける条件にはなっておりますが、賠償問題を片づければ貿易は増進するという態勢にあります。その態勢に応じて将来いろいろ取りきめ等の必要があればこれでやりたい、こういうことで進んでおって、その下ごしらえをしておるわけであります。  それからビルマの方の問題は、これは実はビルマがどういうことを言ってくるかということはビルマ自身の問題でございますから、これはむろん断定をするわけではございませんが、今回の日比賠償を取りまとめても、過去のビルマとの賠償問題には少しも影響はないという見当のもとに、またそういうわが方の態度のもとに進んでおるわけであります。  対インドネシアはこれからの問題でございます。これもでき得るだけすみやかに処理をいたしたいと考えておりますけれども、まだ交渉は始まっていない状態でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私が最終的に外交問題について承わりたい点は、外交方針について異なる政策を持っている異質の自由党、民主党が、総選挙を通さずに野合して、その結果として日ソ国交調整に関しては自由党の意見が通って、これで現在の跛行期をもたらした、それから日比賠償の問題は民主党の意見が通った、こういう形で私は進みつつあると思うのですが、こういう国家及び民族にきわめて重大な影響のあるかくのごとき政策を行うに当っては、国家の主権者である国民にその意見を伺う意味において、総選挙というトンネルを通さなくてこういうことをやるということは、民主政治の原則に私は反すると思うのでございますが、鳩山総理の御見解いかがでございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は日ソ国交回復については総選挙の際に演説をしました。また、日比賠償も片づけなくてはならぬということも演説をして、国民の了承を得たものと思っておりますが、その通りに動いております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は異質の政党が総選挙を通すことなく野合した点を問題にしていろわけですが、時間の関係上次の質問をいたします。  それは、もし日ソ外交がうまくいかねくて、あなたは、いかない場合いつでも責任をとるとごいうのですが、その場合は私は鳩山内閣は総辞職して社会党に政権を渡すか、それともあなたの外交政策を国民が認めるか、認めないかという立場において解散をするか、二者択一とお考えになるか、いかがお考えになるか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) ただいま、まだその点について考えをしておりません。日ソ交渉はまだ、どうしてもでかさなくてばならないと思っております。できない場合のことについて想像をしておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 できるようにしなければならないということは、あなたむ私も同様です。あなたが先ほど、あなたの責任は自由民主党の責任であるということを冒頭にあなたば答弁されたのです。あなたはいつでもうまくいかない場合は責任をとる用意があるということを、昨日佐多委員にも答弁さ出たし、本日私にも答弁されているわけです。そういう事態の考えられるのは、今私が申し上げるのは二者択一、二つあるとしますと、いずれであるとお考えであるか、御答弁できないはずはございません。御答弁願います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 日ソ交渉はまだ決裂していないのですから、あなたの質問についてはただいまのところ答弁はできません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 非常に不満足でありますが、時間の関係て次の質問をいたします。総理は、日本国憲法の基本原理は、基本的人権の尊重・諸国民との友好状態及び戦争放棄にあるということを鈴木教授は力説されておりますが、これをお認めに捻りますか、御見解いかん。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) つまり平和主義の意味ですね。平和主義は基本的人権の尊重、それから主権が在民である、その三カ条ですね。もちろんこの三大原則に対しては守らねばならぬと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 従って憲法改正に当っては、その限界がそこにあると思いますが、いかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) その三原則を守っていきたいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いたい点は、ずいぶんと質疑応答されましたが、私は非常にはっきりしませんので、あえてまとめてお答え願いたいと思うのですが、憲法九条の解釈と自衛隊との関係についてあなたの御見解はずっと変っておりますので、あなたの野にあった時代と現在との相違をまとめてお答え願いたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は自衛のための適当なる措置は憲法九条は禁止をしていない、そういうふうに考えます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 答弁がピントをはずれている、もう一ぺんお答え願います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 自衛のための行動は合憲である、憲法第九条は禁止していないから、日本は憲法上それができるというように解釈しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それはいつの憲法ですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 現在です。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もとの見解ですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 過去はこの前に申し上げました通りです。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは具体的に承わりますが、自衛のための戦力は持てるとお考えになっておられますか、いかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 自衛のために必要なる最小限度の兵力は持てる、そういうように解釈しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 林法制局長官に伺いますが、法律的解釈いかん。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) ただいま総理大臣からお答えいたしました通りでございます。今、戦力という言葉が出たわけですが、この戦力という言葉についてはいろいろ解釈の問題がございます。従来において戦力という言葉を、一定限度以上の戦い得る力、こういうふうに解釈いたしまして、いわゆる近代戦争遂行能力というようなものをここにいう戦力という考え方をとった場合もございます。しかし別の観点から申せば、戦力という言葉を戦い得る力、一切の戦い得る力という言葉にも解釈し得るわけです。これはたとえば警察隊等を含めて武装した部隊ということに解釈をいたしますれば、この九条二項はそういう一切のものを禁止するとは考えられない。自衛のために必要最小限度のものを禁止するとは考えられない。憲法九条一項との関連においてそう考えられる。従いまして戦力という言葉を今の後者に解釈いたしますれば、自衛のために必要な最小限度においてはそういう意味の戦力も持てる。こういう意味で総理大臣は言われたと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなたは自衛隊は憲法違反だと吉田さんをなじっておられました。その吉田さんは自衛隊法を国会に提案した場合に、自衛のためといえども戦力は持てないと言っている。しかるにあなたは現在総理の職につかれてからは、自衛のためには戦力は持てるという解釈を変られておる。そうして自衛隊は合法であると、かように変られておる。また林法制局長官は、吉田内閣当時、ここにおいでになっているのと違った見解を申し述べておられましたが、良心に恥じませんか。まず総理から承わります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は前に言った通りで、別に加えるものはございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 林法制局長官、吉田内閣時代とあなたの見解は変ってきておる。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 先ほど申し上げました通りに、戦力という言葉の使い方の問題でございまして、戦力という言葉を先ほど申しましたように一定限度以上、つまり近代戦争遂行能力という限度で考えれば、戦力という言葉ば一定限度以上のものを指すわけでございます。自衛隊はその程度に達しておりません。しかし戦力という言葉を素朴に単純に、戦い得る力、一切の戦い得る力と解釈いたしますれば、一つの自衛隊もその意味においては戦力でございます。しかし自衛のため必要最小限度のものでございます。その意味においては憲法違反ではない。つまり戦力という言葉の使い方の問題でございまして、程度においては違うわけでございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ごまかしの三百代言的のことはやめなさい。あなたは佐藤法制局長官の補佐として吉田内閣当時に——私当時自衛隊法を審議した者ですがその当時の御見解とずいぶん変っておられる。いやしくも国家の基本法である憲法をかくのごとく一年、二年において三百代言的な解釈をすることはやめなさい。  それでは伺いますが、総理、現在の自衛隊の増強政策というものは、戦力を持つ方向に努力されているということはお認めになるでしょうね。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) それは法制局法長官が申しました通りに、戦力というのは戦う力という、単純に考えればもちろん必要最小限度の戦力は持てると思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 船田長官の答弁。

船田中自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(船田中君) 描法九条は先ほど来総理大臣が御答弁になっておりますように、自衛のために必要最小限度の力を持つということを禁止いたしておりませんから、現在の自衛隊はその限度内にあると私は考えております。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 ちょっと関連。まとめて御質問を矢嶋君から申し上げておりますから、問題点を総理あるいはその他からはっきり願いたいと思うのですが、吉田内閣当時は保安隊であったかと思うのでありますが、保安隊がまだ戦力に達しておらぬ。戦力というのは近代戦遂行に役立つ程度の装備編成を備えたものを言う。あるいはしまいには、飛行機を一つ持っておっても、あるいは原爆を持っておっても、それを運ぶ飛行機がなければ、総合して構成要素一つ一うでは戦力にならないで、総合をして、これが近代戦争を遂行し得る能力にならなけ即ば戦力にならないのだ。かようにこれは昭和二十七年十一月二十五日の閣議で法制局の報告を了承して、これが当時の政府の見解になっております。これは当時も法制局におられた林さんもその文章をおそらくお作りになったでし上うから、御承知になっておると思う。ところが鳩山内閣になりますというと、そういう戦力に限界があるのでは欺くて、自衛のためにはこの実力を持ち得る、そこでその実力にはこれは限界がないんだ、あるいは自衛のためには軍隊を持つことができる、こういう言葉を使われております。それからこれは鳩山首相みずからの言葉でありますが、急迫不正の侵略がある場合に、ほかにやむを得なければ外国の基地を攻撃することもできる、あるいは飛行機でもって飛んでいってたたくこともできる、こういう言葉を言われておる。そこで前にも飛行機に乗って外国の領土の上、領空まで達して爆撃することができるかと、こういう質問をしたのでありますが、その点は明瞭でございません。そこで自衛のためならば外国まで行って外国の基地を攻撃することができると考えられるか、それから衆議院の内閣委員会で成田知己君の質問に答えて、そういう場合には戦争をすることもで透る、自衛のためならば戦争もすることがで透ると答弁をされております。これは鳩山総理自身の言葉でありますから、この点は一つ鳩山総理からお願いしたいと思うのでありますが、自衛のためならば外国の領土、領空に達して攻撃することもできる、あるいは戦争することもできる、こういう工合に考えられるかどうか、自衛という言葉によって、自衛権の範囲でありますが、自衛のためならば外国を攻撃することもあるいは戦争もすることができると、かように考えられますかどうか、その辺限界を明確に一つお答え願いたいと思います。要しまするに吉田内閣当時には戦力についても限界がある、こういうととでした。ところ炉限界がなくなってしまって、自衛のためというたら何でもで送る、こういうようにノーズロースになっておるように考えられますので、その辺を一つ明確にお答え願いたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は自衛のために必要なる限度においてはできるので、無制限にできるとは言っておりません。外国から飛行機が飛んできて日本を攻撃した場合に、他の方法によってこれを防ぐことができない場合においては、その必要なる限度においてその飛行基地をたたくこともできると私は申したのであります。他の方法があれば外国に飛んでいってもいいという論は出ないはずです。その以外にはこれをとめる方法がない場合においては、その必要なる限度においてたたくことができる、こう申したのであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 法制局長官に確認しておきたいのでありますが、吉田内閣当時解釈されておりました自衛のためといえども戦力は持てない、また自衛のためといえども交戦権は認められない、この解釈を確認できますね。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 先ほど申しましたように、これは戦力という言葉の使い方の問題でございます。いわゆる戦力というものを一定限度以上の、いわゆる近代戦遂行能力と申しますか、そういうふうな大きな戦力、大きな戦い得る力以上の——以下のものしか持っていない、そういう意味においてはただいまも解釈は変っておりません。いわゆる戦力という言葉の使い方の問題でございまして、これを実際の戦う力と考えれば一つの戦力だ、こういうことを申したわけでございます。自衛のため必要な限度においてという限度があるわけでございます。吉田内閣当時とその限度は、言い方が違っておるわけでございまして、実際的にはそう大きな違いはねいと思います。  それかり自衛のための交戦権という言葉は、これは言っておりません。交戦権はないということを昨日も申したわけでございます。しかし自衛権というものはこれは別問題だ、自衛のための必要限度における自衛権というものは別問題だということを昨日も申し上げたわけでございます。交戦権の意義につきましては、作目申し上げた通り・戦時において国際法上交戦国が持ち得る権能、こういうものの集合だ、そういうふうに解釈しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 オネストジョンが参り、B57が参り、こういう装備になって、しかも急迫不正な侵害があった場合には敵基地を自衛のためたたくこともあり得る、かように述べられるその根底には、自衛のためなら戦力が持てる、自衛のためには交戦権もあるというような、かような考え方があるからそういう言葉が出てくるわけで、きわめて私は危険だと思いますので、重大な警告を発しておきます。自衛のためといえども戦力は持てない、また交戦権は認められないということを特に総理天津に強く警告を発しておきます。  次に防衛庁長官に承わりますが、国防会議が成立したる後には、これに諮ろところの長期防衛計画は、伝えられるところの防衛六カ年計画が素案になるのかどうか、あるいはこの計画を変更されることをお考えになっておられるか、承わります。

船田中自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(船田中君) 防衛庁の持っております試案は、たびたびこの席上から噂し上げた通りでございまして、大体あれを基準といたしまして政府の案を作るようにいたしたいと考えております。寸分違わないものを出すかどうかということについては、今ここで、まだそこまで具体的に成案を得ておりませんが、国防会議が設置せられましたならば、最も適当なる長期計画案を諮問願いたいと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あの長期計画は憲法改定が実現したる後の場合を予想して立てられているのか、それとも現行憲法のワク内におけるところの可能な計画とお考えになってあの計画を立てられておられるのか、憲法改定のワク内か、ワク外か、その点を承わります。

船田中自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(船田中君) 憲法改正ということを予定して計画を立てておるのではございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは、あなたは昭和三十五年に到達する予定とされているあの防衛六カ年計画は、現行の憲法のワク内において合憲だと、かようなお考えだということなんですか。

船田中自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(船田中君) その通りでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは次に、その時の陸上自衛隊は十八万と言われておりますが、海上並びに航空合わせて防衛庁職員の人員は幾らになる予定でございますか。

船田中自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(船田中君) 陸上自衛隊につきましては、これは御承知の通りマン・パワースというもの炉中心になりますから、十八万というものを予定いたしておりますが、海と空につきましては、その主体は船及び飛行機でございます。従いまして、その船及び飛行機につける人員がどれだけになるかということは、まだ具体的な計画を立ててございません。しかし現在すでに二十万近い人員がございますので、二十数万になることはこれはあり得ると考えます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 昭和三十一年で二十一万五千人です。昭和三十五年には、私しろうとで概算して約二十五、六万になると思うのですが、それが現在の志願兵制度で確保せられるとお考えになっておりますか。

船田中自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(船田中君) 二十数万の人員ば志願兵制度で十分確保し得ると信じております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 長官がいかように申そうが、私はこの計画は現行の憲法のワク内において断じてできないと考えております。そして今あなた方が努力されておる方向というものは、戦力を保持する方向に努力されておると思いますが、この方向に努力されるそのことが憲法第九十九条に違反する為考えますが、総理の御見解はいかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は自衛の目的の範囲内において計画をされているものと信じております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 長官に承わりたい点は、自衛隊においては文民優先は堅持されているかどうか、これと関連しての教育の根本方針をいかようにお考えになっておられるか、承わります。

船田中自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(船田中君) 文民優先ということば、結局政治が軍事に優先するということであると存じます。その意味におきましては、現在政治が軍事に優先をいたしておりますし、また今後におきましても、この原則はどこまでも厳守して参りたいと考えております。次に、自衛隊員の教育の訓練の基本方針でございますが、これは自衛隊員に自衛隊法の明示してありまする任務を十分自覚せしめまして、直接の侵略あるいは間接の侵略に対しまして十分国土の防衛、また一般市民としてもりっぱな市民としての徳操を涵養するということ、また一朝有事の際におきましては、身を挺して国土の防衛に当るという犠牲的な精神、それらを基本といたしまして日常訓練をいたさせております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に承わりたい点は、防衛分担金の漸減方式というのがきまりましたが、これで行きますというと、大体二千二百億円くらいの軍事費を必要とするように私はなってくると思うのでございますが、一体防衛分担金はいつなくなるのか、また、それと関連して駐留軍はいつ引き揚げて行くのか、それらの見通しが国民に述べられないということは、私はまことに無責任だと思うのです。長期計画を持たれておるならば、年次計画も持つべきである。また、国民の負担はどの程度になるのだということを私はこの席を通じて国民に明確に示すべきだと思うのですが、お答え願います。

船田中自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(船田中君) 防衛庁として持っております長期計画が実現いたしますれば、米軍撤退の基礎はできると存じます。しかし米軍の撤退ということは、必ずしもこれと見合っておるものではございませんので、国際情勢等と勘案いたしまして、日米間の合意によりまして米軍ば撤退することになるわけでございます。(矢嶋三義君「見通しば」と述ぶ)また昭和三十五年度の防衛庁試案における最終年度の防衛関係経費が幾らになるかということは、先ほど来申し上げておりまするように、まだ年次計画ができておりませんので、ここにその具体的な数字をあげることはできないわけでございます。国防会議等が設置されましたときにおきましては、十分その点を検討いたしまして、わが国力及び国情に沿う最小限度の自衛態勢を整備することに努力して参りたいと考えます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 時間がございませんので、次に教育の問題について承わりますが……。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ちょっとその前に関連。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 簡単に。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 総理が先ほど矢嶋委員の質問に対しまして、現行憲法の三原則、その中で特に平和の原則は今後も貫いて行きたいという御見解をお述べになりました。ところが総理は果して現行憲法を平和憲法と思っておられるかどうか、その点についてお尋ねいたしたいと思います。というのは、先般一月の二十八日に、神田の共立講堂で自主憲法期成議員同盟主催の憲法改正演説会において総理はこういう発言をしております。それは、現在の憲法を平和憲法だというようにいちずに思っていられるようであります。けれども、これは考えをもう一度めぐらせば、平和憲法というのは、そういう名前の技術によりましてわれわれをだますものであって、現在の憲法を平和憲法というのは決して至当ではないということを言っておられます。さらにまた続いて、現在の憲法は無抵抗主義の憲法であって、これを平和憲法であるというのは言葉の技術であって、ほんとうは決して平和を守る憲法ではありませんと言って、テーブルをたたいておられます。総理は一体現在の憲法を、ただいま総理がお認めになったような平和の原則を盛った憲法を平和憲法でないと思っておるのか、平和憲法だと思っておられるのか、平和憲法でないと断定した根拠はどこにあるか、これを明確にしていただきたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 現在の憲法を平和憲法ということは誤解があると思うのです。平和主義を尊重する憲法だというのならば別だと思います。そうして平和主義を実際に、世界の平和を実際に持って行くのにはどうすればいいか、全く一兵も持たないでもって世界平和を維持できるのか、それとも自衛力を持っての方が世界の平和を維持するゆえんになるかということは一歩進んで考えなければならないのであって、(「憲法には書いてない」と呼ぶ者あり)そう思っておるのです、私の考えを言っておるのです。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 総理大臣は、今まで矢嶋委員に対する御答弁その他の委員に対する御答弁の中においても、自衛のための何といいますか、自衛力は持てる、現行憲法で持てると言っておられる。そうだとすれば、今、総理の言った通りのことを、総理の解釈では憲法は認めておるわけですから、総理の言われた意味においても、これは平和憲法であるということができると思うのですが、この点はいかがでしょう。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私はただいま申しました通りに、平和主義をきらう人も私はないと思う。だれでも世界の平和、日本の平和をこいねがわざる者は一人もないと思います。そこへつけ込んで、平和憲法だから憲法は平和憲法だ、この通りにやって行けば平和が維持できるんだと思うことは私は誤解を招くゆえんだと思うのです。平和憲法というものは、実質的に世界の平和を維持するのにはどうすればいいかというように、一歩進んで考える必要があると思う。実際に世界平和を維持するのには、私は日本はやはり日本としての自衛力を持つということが実際の世界平和を維推する助けになると思っておるのでありまするから、言葉がきれいだといってごまかしちゃ困るというような意味の演説をしたのです。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 関連して。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) ごく簡単に。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 総理の解釈は総理の解釈ですが、日本国憲法には私は自衛力を持つことは、自衛力と申しますか、軍隊を持つことはできないと書いてあります。それから九条にも、それから前文にも、国際間の信義と誠実を期待しと書いてあります。「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」あるいは「諸国民の公正と信義に信頼して、」と、こういうことで、あるいは力による平和の維持、あるいは問題を武力によって解決をする、こういうことは日本国憲法には書いていない。あなたの御解釈と、少くとも憲法法に書いてあることとは違うのじゃないか、この点はどういう工合にお考えになりますか。あなたのお考えは別問題です。しかし憲法には力による外交あるいは侵略というものは考えられないで、外交的に話し合いで問題を片づける、こう書いてあるのではないでしょうか、いかがです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) もちろん古田君の言う通りであります。日本の憲法は、その紛争を戦争によって解決するということはできません。私はそれはいいと思います、それを否定いたしません。自衛力を持つということは憲法が禁止はしていないと思うだけでありますが、世界の紛争、戦争を武力によって解決してはいけないという憲法の精神ばやはりいい精神だと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理に伺いますが、教育に関する現行制度に検討を加えられると申されますが、いかなる方向をお考えになっておられるのか、たとえば日本の大学の再編成とか、義務教育九年というようなことについてば、どういう御見解を持っておられるか、お答えを願います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 大学についてはいろいろな考え方があると思います。義務教育については現在の制度で一向差しつかえない、別の方法を考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 検討の方向は……。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 全度の教育制度審議会炉できまして、占領中にでき上った諸制度は再検討する方がいいという一般原則に従いまして、教育制度についても占領中にでき上った諸制度については再検討した方がいいと私は大体において考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文教政策を推進するに当っては、広く国民に意見を聞き、世論を尊重されますか、どうですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) その通りであります。むろん尊重いたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ところが、最近あなたの方で打ち出されました教育委員会法の改悪等について、あらゆる新聞論調はこれに批判を加えて鳩山内閣出直せと警告を発しております。また先般東大の矢内原総長以下十名、さらに昨日は京都大学の滝川総長以下十三の総、学長が、現内閣の文教政策の傾向に関する声明を発し、民主的教育制度を根本的に変改するものであり、教育に対する国家統制の復活を促す傾向が顕著である。さらにゆゆしいことと言わなければならないことは、これが言論、思想の自由の原則を脅かすおそれがあるといって警告を発しておられますが、この声明をいかようにお考えになられますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 文部大臣から答弁をしてもらいます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 いや、総理大臣にお聞きしている。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は趣旨は別に……。政治的中立を守れというようなこと炉書いてあったと思うのです炉、教育の政治的中立を確保し、民主的な教育をしろというようなことを書いてあったと思うのです炉、そういうような点は……、(「全面的に賛成じゃねいか」と呼ぶ者あり)全面的といっても……、よく私はわかりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 質問者によくわからない。もう一ぺん御答弁願います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 文部大臣から答弁いたしますが、私は十大学総長の声明の中には、教育の政治的中立を確保し、民主的な教育制度を維持しなければならぬと考えている、そういうことが書いてあったと思うのです。そういうようなことに反対する理屈はありません。いいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) なお私から補足いたします。  あの矢内原総長その他十人の学者の方方の御声明は大体二段に分れておるのであります。第一段は、教育の民主的原則は守るべきものだ、こういうこと、第二段は、しかしながら、その中でも変更を要するものば各種の委員会等に聞き、また世論に耳を傾けて慎重に案を立つべきものだ、こういうことでございます。ここにテキストを持っておりますけれども、わずらわしいから朗読しませんが、第一段の教育の民主的原則ば賛成でございます。教授諸君のおっしゃる通りであります。また第二段の、改正は各方面の意見を聞いて改正すべきものだ、こういうことも異存ばありません。それゆえに、今出しておる教育二案はその通りやっておるのであります。すなわち教科書法については、矢嶋さん御承知の通り、中央教育審議会の昨年の十二月お出しになった答申を大部分いれまして、それで編成いたしましております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 教育委員会法は……。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) それからして教育委員会法は、これも昭和二十八年に一度中央教育審議会が御答申になっております。これは、その趣意はごくわずかしかとっておりません。そのほかに政令諮問委員会で、すなわちリッジウエーが占領中の法規、規則も再検討していいということを言いましたに従ってできました審議会がございます。その会の言うことばとっております。それから地方教育制度調査会、これもとっております。それから本年春以来私の方へ個人または団体でおいでになりました方々の御意見もことごとく、私に御面会を求められた方は一人もお断わりはせず、みんな聞いております。(「聞いただけじゃだめじやないか」と呼ぶ者あり)しかしながら、教育委員会のことは三色議論があります。あれをやめてしまえという議論まであるのであります。また選挙制度を維持せいという議論もおりまするので、党内で非常に慎重に研究しました結果・やめてしまわないで、選挙制度は直接選挙制度はやめまして、選挙によって出てきた町村会議員が同意しました場合、または選挙によってできました町村長がこれを任命する、こういう中間の制度をとりました。御了承をお願いいたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理に伺いますが、この東京並びに関西の大学の学長はしろうとじゃないんです。専門的に研究されている方なんです。そういう方々が、政治的中立が守られない、民主教育がそこなわれるおそれがあると心配されてかような声明を発せられているわけです。また、新聞論調であの案を支持される新聞論調があったら文部大臣に教えていただきたいと思う。全国の新聞論調でこれを支持しているものは一つもありません。さらにこの教育行政の責任の立場にある全国の教育委員は、総辞職をするという声明を発しておられます。かような事態でございますから、総理はこの学長の声明をよろしいと考えになられるならば、政府部内においてあの教育の法案は再検討されるのが私は鳩山内閣のためにもけっこうだと思うのですが、その御用意がございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 教育委員会の制度は、大体において大学総長たちの考えたことを実行に移したいという精神でやっているのです。それですから、ただいまのところ撤回する意思は持っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ては次に伺いますが、先般総理は義務教育無償の方針は貫いて参りたいと言っておりますが、今義務教育無償というのは世界では常識です。先進国において、教科書が買えない、給食費が払えばいという義務教育生徒児童は、いずれの国においても一人もないと言ってもいいほどでございます。日本でも少くともその域に達したいというので、文部省では九億円ばかりの予算を要求したわけです。十億円ばかりあれば、日本において教科書が買えない子供、給食費が払えない子供というものはなくなるわけです。そのくらいのことは今憲法に書かれている義務教育無償を実現する意味においてやられてしかるべきだと思うのですが、総理の御決意はいか炉でございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) そういう目的はいいに違いないのでありますから、漸次そういうような方向に歩み出したいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 大蔵大臣、いかがですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 予算におきましても、教科書をなかなか買えないと、こういう向きに対しましては、教科書を無償配付することになっているのであります。むろん義務教育は非常に重大でありまして、これはまあ特別な見地から考える必要がありますけれども、財政が将来許すようになれば、むろんこういう点について財政的な援助を与えることにやぶさかではありません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 義務教育無償、それから六カ年の義務教育を授けなければならないということは憲法に規定されておりながら、現在長欠不就学児童というのが全国て約三十万程度あると思うのですが、文部大臣この数字をいかに把握されておるか。またこれに対すろ救済をやるに当って法財政措置をいかに考えられるか。今の学校教育で認められていないところの夜間中学、夜間学級というものが事実上ありますが、これをいかにお考えになり、またこれをいかように取扱われるお考えであるか、承わりたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) ちょっとお答えいたす前に、先刻委員会の名を私、言い違ったと思いまするから、御訂正をお許し願いたいと思います。すなわち、地方教育制度調査会と言ったのは、地方制度調査会の言い誤りでありまするから、訂正をいたします。失言であります。  今のお問いのことですが、矢嶋さんの御指摘の通り、三十万もの不就学児童が小学校、中学校を通じてあることは、実に残念なことと思います。それには種々の原因もございまするから、過般文部省と厚生省、労働省が寄りましてその対策を検討し、是正するために一つの方策を作り、地方の委員会、地方の長及び婦人少年室等に通達をいたしたもの炉ございます。これは長いものでありまするので、あるいは文教委員会に提出いたしてもよろしゅうございます。なるべくすみやかにこの状態を解消したいと、せっかく努力中でございます。  夜間中学のことも、これも勤労するがために昼の中学に来られないという考が相当ありまするので、この現状は矢嶋さん御承知であろうと思いまする炉、数で言いますると全国に七十一校あるのです。生徒の数は三千百十八人ございます。これも詳細は文教委員会へ報告いたしたいと思いまするが、これがいかにもそういうわけで、就学のできぬ子供を教えようというので、学校の方の配慮で自然発生的に逐次発生したものであります。しかしながら、今これを一時にやめるということはかえって弊害がありまするから、こういう原因を自然なくするような方に努力いたしたいと、こういう考えでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その点についてはいずれ文部委員会で追及することにしまして、大蔵大臣に伺いたいと思います。本年度の予算を仔細に検討しますと、もう歳入はぎりぎり一ぱいで、今後災害等起った場合には補正予算を必至とすると思うのでございますが、いかようにお考えになっておられるか。それに備えてあなたは、既決経費の節減を例年よりは強化して、既決予算を各省に二割くらい保留するような、執行停止の指示をされるのではないかと、かように私は予想いたします。これは非常に私は不都合なことだと思うのですが、そういうことをしないというお約束ができるかどうか。それからもし補正予算を組むとした場合に財源をどこに求めるか。大資本家に恩典として与えられておるところの税減免の措置等を解除して、こういうところから私は税を吸い上げるべきだと思う。あなたの目でよくも探したと思うのですが、この予算書の歳入の所を見ますと、授業料及び入学検定料で約四億五千万円、罰金科料で約二億七千万円、それから学校農場及び演習林の収入を一億五千万円、それから刑務所作業収入として二億四千万円、それから少年院の製品売却代として約八百万円というように、まあよくもあなたの目で探したものだと思うのですが、私はこの罰金なんか納める人がいなくなるように予防する意味においての予算を増額されるなら、そういう予算の性格なら納得できるのだが、学校の実習場から数億の金を吸い上げるとか、罰金を余計に取るようにするとか、あるいは学生の授業料を約五億円も吸い上げるというような点は、非常に私は弱き者にしわ寄せされておると思うのでございますが、そういう角度から、もし歳入を必要とした場合にはどこに求めらカるかという点を承わりたいと思うのですが、それからもう−点は、忘れないでお答え願いたいのですが、これはここで公聴会を開いた場合に、公述人の指摘をしたところでありますが、繰越明許費、国庫債務負担行為継続費というものが非常にあるのです。私ども実際事業をやらない者が考えても、この省のこれなんかは繰越明許をしなくてもやれるのじゃないか、年度内に締めくくりができるのじやないか、少しだらしがないという感じを深くするものがたくさんあります。二大政党になって国家が運営されますと、大体年度内に、三月三十一日までに予算というものはあがるわけです。そうすると従来のこの予算編成方針というものは大きく改めて、責任を持って一年間に締めくくりをつけるということが、能率向上の上からも、不正を防ぐ上から言っても、大事だと思うのでございますが、御見解を承わりたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 今後災害があった場合に予算上どうするかというような御質問でございます。私は災害がないことを祈っておるわけてすが、これは災害の規模にもよりますから、今ここでどうということは申し上げかねますが、順序といたしましては予備費でもってまかなう、なおかつ予備費でいかん場合においては、そのときの事態に応じて適切な措置をとるという以外に今ここで答弁することができないと思います。  なおそういうふうな場合にいろいろな歳入の問題、非常に弱い者をいじめるようなことになりはせんか。こういうお話でございますが、そういうことは絶対にいたしません。それに税法上の特別措置はいろいろありますが、これについては十分税制調査会等においても御審議を願って検討を加えたい、かように考えておるわけであります。  それから繰り越しの問題、これはむろん私はどこの国を見ても繰り越しの制度はある、これは財政の運用をきわめて円滑に適切にやるというためであります。従いましてこれが乱用というようなことは厳に慎しまなければならん、必要以上の繰り越し制度を使うということは慎しまなければならん、これは仰せの通りであります。従来私どももさように努めておるわけであります。さように御了承願いたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 最後まで承わりますが、それは官房長官並びに総理大臣についてであります。  まず官房長官に承わりたい点は、第一次鳩山内閣が成立したとき、特に私はその感を深くしましたが、第二次鳩山内閣までその私の感じは続いておったわけです。それは私当時議運の理事をやっておったわけですが、根本官房長官には非常に私はフレッシュなフルーツのような感じを抱きました。たとえばマージャン、ゴルフの取締りとか、公舎の廃止とか、あるいは大臣の兼職禁止の措置とか、あるいは閣議で申し合せましたところの国産自動車の愛用とか、吉田内閣に代ったあの第一次鳩山内閣、第二次鳩山内閣ができた当時は、非常に私はフレッシュな感じを受けておったわけでありますが、これらの問題が最近公約に反して、非常に私は乱れてきておると思うのでございます。たとえば自動車の問題にしましても、この予算書を見ますと、本年度は自動車交換差金というものがずいぶんと組まれております。しかもその金額は、時間が長くなるから申し上げませんが、たとえば行政管理庁においては二百万円とあり、総理府においては五十万円とあり、ずいぶんばらばらになっておるのですが、しかもこの自動車が、かつて閣議で申し合せたそれに反して、われわれがこの窓からのぞいて見ても、国産車よりも外国車の方が多いようでございます。でどうもフレッシュなフルーツが赤く熟してきたような感じを私は受けるわけでございますが、これは公約実施という立場から締める必要があるのではないか。  この点と、それから私は最近わが国のこの人事行政については、戦前並びに戦時中にあり、戦後改まったところの学閥人事ですね、学閥人事というものが非常に復活してきた。これはわが国の教育とも関連があり、きわめて重大と考えるのですが、これに対してただ警告を発しておきたいと思いますけれども、官房長官はどういうふうにお考えになっておられるかということを、官房長官に伺います。  これとの関連があるわけですけれども、まあ公約という立場からですがね、鳩山総理に承わりたい点は、私が抱いたこの清新さというものに対して、国民は鳩山内閣を支持したと思うのです。選挙の場合において、いわゆる鳩山民主党を私は支持したものと思います。さらに日ソ、日比の外交の問題、それから中共貿易の問題等、それらの政策というものが私は支持されたと思うのでございます。その私が先ほどお伺いいたしましたように、主権者に総選挙というトンネルを通してお伺いを立てることなく、かなりの政策上の相違があるところの自由党と民主党が野合して、本日にきているわけです。しかもあなたはライバル緒方さんの御逝去によって、最近やや私は覇気を喪失されているように見受けられます。非常に疲れ切っておられるように見受けられます。これは国民並びに国家にとって不幸だと思うのです。あなたは昨日、そう長くやる予定はございませんと言いましたが、ああいう録音を国民が聞いたら、おい、やるぞという気持はなくなりますよ。暫定々々で進んで、あなたはこの四月過ぎに総裁になられるという話ですが、秋ごろはやめられるというようか、こういう暫定政権が続くということは国家の損失でもあります。おそらくあなたの現在の本意というものは、適当な後継適任者を二生懸命探されているのじゃないかと思うのです。適当な適任者が見つかれば、一日も早く総理の職を去りたい、これがあなたの本旨ではないかと私は推察をいたしております。それがまたあなたのためになるし、また日本国のためにも私はなるものと、かように考えるわけでございますが、総理の御所見を承わりたいと思います。まず総理から御答弁を願います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は自分がやりたいと思う仕事が、国民と約束した仕事がまだありますので、それはやってから後にやめたいとは思いますけれども、とにかく後継者を作っておくというととは、非常な必要なことだと思いますので、そういう点には努力をいたしたいと考えております。

根本龍太郎自由民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) お答え申し上げます。  第一次鳩山内閣成立に際しまして、官吏が民間の人々との、ゴルフ、マージャンを禁止する措置をとりました。これはその後も引き続いてやらしております。(「その通り」と呼ぶ者あり)  それから公舎の整理につきましては、四つの公舎を残して、あとはこれは廃止しております。この処分については大蔵省当局がやっております。  綱紀粛正の件につきましては、常に意を用いまして、実は先般の決算委員会において報告がありました、会計検査院の指摘されました批難事項については、総理からの意を受けまして、私は各省大臣、並びに事務次官に対しまして、その責任の所在を明らかにするように、そうしてそれに対する措置を明確にするように要請し、さらに昨日の閣議においても、二度にわたってこれを要請いたしまして、従来にないきびしい措置をとるようにいたしておる次第でございます。  次に国産車愛用の問題につきましては、第二次鳩山内閣以来引き続きこれは実施しております。本年の予算におきまして、全体として大体六千三百万円程度の、これは国産車を買い入れる経費として取り上げております。従来買って使っておりましたところの大型外国車は、使用がだんだん困難になったものはどんどんこれは処分いたしまして、ガソリンの点においても、また新規購入については国産車を用うるというふうに意を用いておる次第でございます。今後もその方針をもって進める予定でございます。  それから官庁の人事が学閥復活の傾向があると、こういう御指摘でございまするが、御承知のように、現在の官公吏の新規採用は、これは人事院で試験が一括して行われております。従いましてこの人事院で行われた試験に合格しない者は採り得ないのであります。従いましてこれは特定の学校の者を新規採用するということはございません。  その次に、各省の幹部職員の問題でございまするが、これもまた御承知のように、人事院において試験が行われまして、その適格者のうちから任命権者である大臣が任命することになっております。この点についても特に学閥というものを中心には考えておりません。ただ先般以来各委員会で要求されておるのは、技術者が非常に昇進がおくれておる、これを特に留意しょうということでありまして、この向きも各省において十分に留意してやっておることでございます。  お答え申し上げます。

平林太一自由民主党

○平林太一君 終戦以来十二年の歳月を経過し、講和条約発効後六年の年月を経過いたしました今日、わが国の自主的な外交の基本方針をこの際明確にする必要があるのではないかということを痛感いたします。   〔委員長退席・理事池田宇右衛門君着席〕  外交の基本的原則、外交の基本方針をこの際内外に示し、もって国民の外交に対する関心に対しての秩序を立たしめる。一面においてはこれを海外諸国に対して誤解のないわが国外交の方向というものを明示することがきわめて必要てあると痛感をいたします。この点に対して首相より総括的な御答弁を求めるものであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 平林さんの言われる通りに、わが国が独立した以上は、世界の平和のために貢献するために努力をしなくてはいけないと思います。とにかくアメリカあるいはソビエトを初めとして、そういうような国国との間に誤解のないようにいたしたい。そうして世界の平和のために貢献をしたいと考えております。

平林太一自由民主党

○平林太一君 外務大臣より御所感として御答弁を求めます。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私は今の御趣旨は全然御同感でございます。外交問題について誤解のないように、はっきりした外交政策を提唱しなければならぬと思います。そうしてそのことについては、私は今日までそれをはっきり提唱してきたと自分では信じております。特に最近では、国会に対しまして外交演説中において、相当詳細に所信を明らかにしておるつもりでございます。

平林太一自由民主党

○平林太一君 最も絶好の機会である際に、ただいまの御答弁が私のお尋ねをいたしたことに対しまして、やや抽象的であることをはなはだ遺憾といたします。しかし外交方針の樹立ということは、一朝にしてこれを樹立し得ないものでありまするから、今後これに対して十分なる検討、研さんをいたされて、すみやかにこれを声明し得るものに整備調整していかれんことをこの際要望いたしておきます。  こういうことをお尋ねいたしまする私の真意というものは、御承知の通り戦争後十年に相なりますが、過去の多くの講和条約を顧みますると、そのほとんど全部がつかの間の休戦的性格のものでしかなかったということを発見せざるを得ないのであります。これは申すまでもなく、戦いに敗れて一時抵抗力を失なった相手国の弱みにつけ込み、奪うべからざる領土を奪い、取り立ててならない賠償を取り立て、加えてならねい主権の制限を加えたという結果にほかねらないということをこの際私は内外に向って申し上げて差しつかえないと思います。いわんや今日無事の良民を戦犯として十数年の今日まで依然としてこれを抑留をする。あるいは戦争犯罪人としてなおかつ今日これを囹囲のもとに呻吟せしめておる。どこに国際連合の精神があるか。どこに正義人道、博愛自由があるのか、米ソ両国、私はこの際あらためて米ソ両国に対する重大なる反省を求めてやまないものであります。こういう点に対して、首相はどういう信念をお持ちになっておられるか。また外務大臣は外交的視野に立って、どういう観念をお持ちになっておるか、別々に伺いたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は、大体多くのことが誤解からきておるものと思いますので、誤解のねいようにいたしたい。特にアメリカとの間には誤解のないようにいたす必要があり、ソ連との間にも誤解のないようにいたすこともあり、それから日韓問題などについても誤解のないようにすれば、やはりこれ解決のできる問題だと思います。

平林太一自由民主党

○平林太一君 外務大臣からお答え願います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私の考え方を申し上げます。不幸にして敗戦の結果、いろいろわが国から見ると不合理なことができました。しかしながら、敗戦の結果として約束いたしましたことは十分に果しまして、もってわが国際信義を積み立てたいと考えております。しかしその後に完全な独立を得たのでありますから、その今日においては、日本の独立をした自由な立場てもって、自主独立の考え方てもって、米国と折衝して、そして日本の利益を進めたい、こういうふうに考えております。

平林太一自由民主党

○平林太一君 誤解を解くということは、総理大臣としてまことに御常識的な言葉と思われますので、私がただいま申し上げましたことは、そういう誤解ということてはない。先方が、たとえば現に米国が沖繩・小笠原諸島を占領下に置いて領土としておる。潜在主権はわが国にあるというような形式的なことは言っておりますが。またソ連が歯舞、色丹、国後、択捉、これは、現在ソ連は重要な軍事基地にいたしておろということも聞き及んでおります。千島列島、こういうものを敗戦国のいわゆる弱みにつけこんで、しかもただいま外務大臣は、条約によってそういうことをいたしたのだから忠実にお守りなさる、こう言うが、これは一応限度がある。もはや十数年を経過しておる今日であります。おそらく私の見通しといたしましては、米国は沖繩、小笠原を、これは日米安全保障条約によって、軍事基地にすることに対してはわが方は何ら拒まない。現在の必要てあると思われる米国の措置に対しましては、これは同意を与えておるのでありますから、これを率直にわが方に返還するということが、これは当然のことであろ。しかるに、これをいたさない。それだから今回の日ソ交渉においても、いわゆる領土問題が平行線をたどって、それて最後に成立すべきものが成立てきなかった。これは国後であるとか、択捉というような問題がその焦点に相なったと思う。これはソ連側としては、沖繩あるいは小笠原が、この米国の処置がいわゆる国際緊張というものを、両国間のそういう疑心暗鬼が、そういう因果関係、相互関係を生じて、こういう事態に相なったものと私は承知いたすのであります。それでありますから、ことによると、この際首相、外相は一つ乾坤一郷のここて決意を固められて、そうして米国に向って、沖繩、小笠原の返還に対する承認を求める(「異議なし」と呼ぶものあり)とすれば、当然択捉あるいは国後に対する問題は、これは求めずして解決せられる問題である。そこてこの日ソ交渉というものは軌道にのり、従いまして、これが米ソ両国の緊迫、緊張感というものを緩和して、わが日本が世界に向って平和樹立の最大貢献者になり、きわめて私といたしましては、わが日本に課せられた今日天与の使命てはないかと思うのであります。こういうものに対しまして、総理及び外相はどういうふうにお考えになられておるか。これは私といたしましては、そうむずかしい問題てはないと思います。どうぞその点に対して、一つ政府としてただいま御答弁をなされて、全国民に向って議場を通じて納得のいくような御答弁をいたされむことを希望いたします。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 世界の平和のために日本が努力をするよき地位にあろととは、あなたと私は同じ考えを持っています。日本は、との米ソの関係の緊張を緩和して、そして世界の平和を救う努力をするいい位置にいるものと思いますので、てきるだけのことをしたいと思います。あなたのおっしゃる乾坤一擲いうことはどういうことか私には理解ができませんけれども乾坤一擲というのは一体どんなことなんでしょう。

平林太一自由民主党

○平林太一君 外務大臣から……。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 御意見は十分に私は拝聴いたしまして、御参考にいたしたいと思います。

平林太一自由民主党

○平林太一君 両大臣を信頼して、それが成功することを期待いたしております。  その次に、日ソ交渉に対しましては、政府は交渉再開の時期をいつ頃と考えておられるか、またその際にはいかなる方針をもって臨むかということに対して御答弁を、これは特に外務大臣から願いたい。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私は本会議で申し上げた通り、政府といたしましては、情勢が好転をいたしまして、そして、双方がすみやかに再開に合意できるようになることを非常に希望しております。また私はそういうふうになることが決して不可能てはない、また努力しなければならぬ、こういうふうに考えておるのでございまして、今、いっその時期がくるかということは将来のことに属しますので、今申し上げることは困難でございます。

平林太一自由民主党

○平林太一君 情勢好転というのは、むしろ禍根を残してこれが成立をしたよりも、白紙の立場で、一応日ソ交渉は自然の休会というような形になったのですから、きわめてこれは好条件、私から言えば禍根を残した無理の交渉炉成立するよりも、これは大成功てあったと思う。それでありまするから、きわめてこれは絶好の機会なんです。この際鋭意、一つきわめて温和な立場をもってこの交渉の再開ということを、失望することなぐ進められることを、これは特に希望いたしておきます。これに対する答弁は不要であります。  第二に、抑留同胞の問題は、この問題とはむしろ別個にこれは考えなくちやならない問題てある。抑留同胞帰還の問題については、当然いわゆる絶好の機会てあろ。今日ともに険しく別れているのではないのですから、この際適当な措置をとって、これを一日もすみやかに送還をソ連がいたすことの処置に出るような処置をいたされるか、この点を一つ伺っておきたいと思います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 日ソ交渉が今後熱心に続行したらばよかろうという御趣旨、その通りにわれわれは考えております。これは十分に努力いたしたいと考えております。在留同胞の問題は、国交回復の交渉とは別の考え方て進めてきておることは御承知の通りであります。これは繰り返し繰り返し、機会あろごとに要求をしていきたいと思います。送還の問題だけではありません。現に抑留されておる者の待遇の改善ということもその中に含まれております。これはあくまで人道問題として、政治問題と離れて解決すべき性質のものであり、そういう筋合いのものである。休戦以来その筋合いのものである、こう考えて進んでおるわけでございます。

平林太一自由民主党

○平林太一君 一応了承して、この問題に対しては、外務大臣と単独で、今後の機会においてこれらの促進に対する話し合いをいたしたいと思っております。  次に日比賠償の問題についてお伺いいたしたいが、その前にちょっとお尋ねをしたいが、日ソ交渉に対して大体九項目程度が両方とも話し合いになったということを聞いておりますが、その内容についてはどういうものがあげられるのか、これは大切なことだと思いますから、特に将来の日ソ交渉に対する見通し、また緩和の上に必要なことだと思いますのて、この点一応伺っておきます。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) それでは御説明を申し上げます。  本会議で報告いたしましたように、九項目については意見が大要合致をしたと、こういうことを申し上げましたが、第一が条約の前文のことでございます。平和条約を締結して平和を回復するという趣旨の前文でございます。  第二が戦争状態終結の条項であります。平和条約発効の日に戦争状態が終結する、こういう趣旨の規定でございます。  第三、これは交渉の順序でございますから、規定の順序ではございません。それは最後に締めくくりをつけますことを申し上げます。第三が国連憲章尊重の条項、特に紛争を平和的に解決するというような趣旨のことでございます。  四番目が内政不干渉の条項であります。経済的、政治的、思想的のいかなるものてあっても、相互に国内事項に干渉をしないというような趣旨のものでございます。  第五が戦前条約の処理の問題でございます。戦前に持っておった条約いずれが有効であるか、双方の合意で将来きめよう、こういう大体の話し合いになっております。  それから賠償請求権の問題がその次であります。戦争による損害に対する請求権は相互にとれを放棄する、こういうことに大体話し合いを遂げたのであります。  次は漁業条項であります。平和条約締結後に漁業協定を具体的に結ぶ交渉を今後行う、同協定締結まてには相互に合理的、秩序的に操業を行う、こういうふうな合意でございます。  次は紛争解決条項、条約の解釈または適用から生ずる紛争は、双方合意する仲裁の決定に付託する、こういうことになっております。  それから取りきめの最終条項と普通称せられているものでございます。批准の交換であります。これはモソクワで行うということに大体相なっております。  これらのことについてばあまり異存がないので、双方大体意見の一致を見ていろと、こういうことでございます。

平林太一自由民主党

○平林太一君 ただいま外務大臣より九項目に対する内容の説明を伺いました。これはさだめし両国全権とも努力せられたことも納得できます。また両国政府当事者も、非常な両国の友好和解のために力をいたされたということを立証してあまりあるものと承知をいたします。それゆえに日ソ交渉の前途に対しては、この両国間の感情的な問題を一御して、今後ともこれが推進をはかられたいということを強く要望をいたしておきます。  次に日比賠償に対してでありますが、日比賠償の交渉は両国て今日機をみて近く調印の運びに相なっておると伺っておりますが、これに対しましては賠償の種類、形式、支払方法等国民のきわめて関心事であります今日、これに対しましてこの機会において今日の現状における経緯に対しての詳細な御説明を求めたいと思います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 日比賠償交渉の状況については、先ほど御報告をいたしましたこと以外に、特に新しいことを申し上げることも今ございません。繰り返してこれを申し上げまするならば、賠償額として五億五千万ドルの支払いというワクがございます。そのほかにこれに関係をいたしまして、しかし政府の責任でなくして民間の借款として三億五千万ドルの借款をする、政府はむろんその成立についてこカを間接に努力をいたしますが、さようなことてこの取りきめがてきておるということは、先に申し上げた通りでございます。  その後、この内容をどういう工合にしてやるか等について、意見の調整を両国の間に内交渉の形でずっとして参りました。その結果は大体意見が一致を見たのでございます。意見が一致をしましたから、これに対する正式の取りきめの条文等をすべて整理をしなければなりません。その整理を今進めておるわけでございます。これは必ずしも全権自身の手をわずらわす必要はございませんのて、それに必要なる交渉を出先機関等によって今進めております。これも順調に参っておるわけでございます。  それならば最終的にいかなる形の取り営めができるのであるかと申します点ば・まだ御報告の時期としては早いと思います。これが大よそはっきりと見据えがつきましたときに、私は御報告をいたしたいとこう思います。その時期にはまた全権を派遣するということも、具体的に考えなければならぬと思います。しばらく時間を要するというように予定をいたしております。

平林太一自由民主党

○平林太一君 ただいま現金賠償が五億五千万ドル、それから役務賠償等と思われるものが二億五千万ドル、世にいう八億ドル、こういうことでありますが、これは私は大野・ガルシア会談における四億ドルというものが、日本経済においては最高の負担であると承知いたしておったのでありますが、それが今日倍の八億ドル、こういうようなものになったことに対しましては、深い憂慮を持っておるものであるということをこの際申し上げておきます。従いましてただいまの外務大臣の説明に対して大蔵大臣は当然、わが国民経済の賠償に対する忠実なる負担能力というものに対してどういう見解をお持ちになっておるか。この点を伺いたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 賠償につきましては一面国民の負担という点、他面におきまして関係両国間の国交の回復、この国交の回復に基く両国のもろもろの利益、こういう点を十分勘案をいたしましてきめるべきだと考えておるのであります。まあそういう意味合いにおきまして、ただいま外務大臣がお話になられました日比のいわゆる八億ドル賠償、私は今申しました両方の見地からいたしまして、決して日本の経済に支障を与える、あるいは日本経済の負担にたえないものであるとは考えておりません。

平林太一自由民主党

○平林太一君 その点大蔵大臣とは……、私の方はいわゆる国民を代表する、国民の腹の中に入って考えるときに、私らの立場でやむを得ないのでありますが、さように軽いものてばないということをこの際明らかにいたしておきます。政府はこれが忠実なる履行に対して、反面内政に対してこれを裏づけ、これの賠償履行に対していやしくも国民が経済的な苦難に陥らないような別な内政処置をおとりになられることを、この際施策として十分お考えになられたいということを申し上げておきます。  次に日韓国交増進問題でありますが、日韓国交が政府の長期にわたる努力にかかわらずまだ解決を見ないということは、彼我両国ともに遺憾なことてあると申して差しつかえないと思います。私はこの際李承晩大統領は、韓国がアジア・アフリカ会議にすら招待されなかったという自己の地位を深く反省してもらいたい、すべきである。いたずらに日本に対して恐怖心に基く強がりをやめて、あるいは劣等意識に基く優越感を捨て、増悪心に基く挑発行為を慎しみ、復讐心に基く不法行為をやめることが、韓国、いわゆる朝鮮自身の将来のためてあるということを、この際この機会に申し上げておく次第であります。わが方といたしましては、たんたんとして清水の清らかな水のような態度で韓国に対する友好和解の一日も早いことを求めておる次第であります。先般ダレス国務長官と同行いたしましたロバートソン次官補が、数日間滞在いたして帰るときの声明として、日韓関係に対しては米国としては十分の力を尽したいといわゆる声明されて帰られたということを承知いたしますが、これらの機会、チャンスを通じて、政府は日韓国交回復に対する急速なる、必要なる措置を講ぜられることを当然いたさなければならないのてありまして、これに対する具体的な構想をこの際明らかにせられたいと思います。

重光葵自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 日韓関係の正常化を何とかして実現したいという方針は、もう従来とも少しも変りません。機会があればそれを利用してやりたいとこう考えております。そうして交渉決裂と申しますか、交渉が決裂以後いろいろと刺激的な言動が私は韓国側にもあったようにも思う。これは非常に遺憾でございますが、わが方といたしましては、こういうことは一切忍耐をもってこれに対処し、そうして両国の難局を救いたいという一考え方をもって進んで参っております。米国がこの問題について重要な関心を持っておるということは、これは当然のことでございます。従いまして、わが国の方としての考え方、また日韓関係を正常化したいという熱意は、十分にアメリカ側に伝えております。そうして米国側としては、これは非常に米国自身としても重要な問題でありますから、これに熱意を示して双方の国のために日韓関係が正常化するように、でき得る限りの努力をしようと、こういうことは責任者がはっきり申してくれております。私はこれは一つの大きな日韓関係を正常化する意味におけるこれは大きな外交上の一つのうしろだてと考えております。さようなことを発展せしめて、一つでき得るだけ日韓の正常化を実現する方向に著々進んでいきたいと考えております。その具体的案を申せと、こう言われるわけであります。これは具体的案を今、たとえ私が頭に持っておることであっても、それをそのまま申し上げるということは果してどうかと思います。しかしながら、大体なるべく空気を悪くしないように、悪くなっているならば、空気を改善して、そうして特に漁夫の抑留問題ということ、これは焦眉の急務であるということをずいぶん長く申し続けて参ったのてございまして、今日も同じことでございますので、そういうことから順次進めていきたい、こういうごく概括的の考えをもって、これが一番実際的の方法だと私は信じてやっておる次第でございます。

平林太一自由民主党

○平林太一君 ただいま外務大臣から詳細な御答弁を聴取いたしまして、日韓関係が非常なむずかしい中にも一応の明るさをここに見出して、これが逐日好転していきつつあるという事情がよく了承された次第でありまして、このことは両国のためにまことに喜ぶべきことでありますので、さらにこれが秩序を立てて好転していくことに、政府といたしましては十分の力をいたされたということを、この際希望をいたしておきます。  次に内政問題といたしまして、建設大臣にただしたいのでありますが、国土開発縦貫自動車道建設法案は、現在当院において継続審議中でありますが、この自動車道に対しますこれはわが国といたしましては、画期的な道路行政の大きな問題として非常に国民的関心の強い問題であります。この際、建設大臣からこのことに対する詳細なる抱負及び意図するものを述べられることを要求いたします。

馬場元治自由民主党建設大臣

○国務大臣(馬場元治君) 現在の自動車輸送の状況から考えまして、ぜひ、いわゆる縦貫道路というものを作り上げたい、かように考えております。現在参議院で継続審議に相なっておりまするこの道路に関する法案でありますが、これが御審議の上通過をいたしました暁におきましては、なるべく早くこの縦貫道路の実現を期したいと、かように考えておる次第であります。

平林太一自由民主党

○平林太一君 ただいまの御答弁を承わったのでありますが、具体的にはとりあえずこの中央道、いわゆる八王子、富士山麓、身延、飯田、中津川、この間のコースに対する調査は、すでにお手元て十分なる調査が調査済みであると私は承知いたしますが、これに対して、縦貫道路の具体的な措置にこれは相なるわけでありますから、この点を明確にいたされたいと思います。

馬場元治自由民主党建設大臣

○国務大臣(馬場元治君) 御説の通りに、中央道については、特に調査が他の方面よりも進んでおります。まだ実測するというところまでは参っておらぬのでありますが、縦貫道路の一環といたしまして、私といたしましては中央道をとりたい、かように考えておりますので、なるべく早い機会にこれが実現を期したいと考えておる次第であります。

平林太一自由民主党

○平林太一君 この点、了承いたしました。その通りにお進みになられることに対して、建設行政上の諸般の処置に遺憾のない、滞りのない措置をお進めになることを、心から強く要望いたしておきます。  最後に、厚生大臣にお尋ねをいたしたい。本日の新聞によりますると、厚生省は昨日全国に指令して、いわゆる健康保険法に反対する保険医に対して、辞表を出せば受け取れということを全国の都道府県知事に指示した、こういうことが伝えられておるのでありまするが、これは事実かどうか、この点まず承わりたい。それから、もしお出しに航ったのてあれば、どういう理由によってそういうことを非常手段に訴えられたのか。この点を、内容を説明せられて、御答弁をせられたいと思います。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) ただいま御承知のように、健康保険の改正案をめぐりまして、保険医の辞退の動きがあることは、私どもよく承知しているのであります。私どもは、この健康保険医というものが非常に良識ある方々でありまして、しかも保険医療のきわめて公共性にかんがみまして、現実の問題に即されて、現在の健康保険の改正案の内容というものに十分の御検討を願いまするならば、私は全国的にそういう辞退が起るものとは考えていないのであります。しかしながら、そういうふうな動きのおりますことは事実でございまするから、一応厚生省といたしましては、日本医師会あるいは日本歯科医師会に、二十三日でございましたか、十分に自重をしていただくようにお願い申し上げ、それから全国の都道府県知事に対しましても、てきるだけそういうふうなことのないように十分に善処方をお願いいたしました。万が一、それらの総辞退の届出がありました場合には・極力都道府県知事においても慰留をしてもらいたい、それでもどうしてもやむを得ない場合には、これは受け取ることもやむを得ないということを指示したのでありますが、けさほどの——今卒林さんの御指摘になるのはそれだろうと思いますが、けさほどのある新聞に、むしろそれを受け取ることを主として、大見出しで書いておるのがございました。厚生省といたしましてはそうではないのでありまして、極力慰留してもらいたい、万が一の場合には、これは法律に規定してあるのでございますから、受け取ることはやむを得ないということを指示したのでございまして、その点一つ御了承を願います。

平林太一自由民主党

○平林太一君 それで……。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 中称君、あまりに時間が超過いたしますから、その程度にしていただきたいと思います。

平林太一自由民主党

○平林太一君 承知いたしました。  今、大臣の御答弁を承わって、これは末梢技術的なことは、私から申し上げることはいたしません。しかながら、その根本の問題といたしまして、健康保険の精神及び健康保健法を国の施策として樹立いたしたということは、万人をして所を得さしめるということである。これは厚生大臣も御就任の際に、そういうことを、厚生ということは万人の福祉に貢献することであると、こういうことを言われたことを記憶している。その際、私は同僚として、非常に欣快の念を禁じ得なかったのであります。そういうわけであります。だから、いやしくも今回の法案については、これは衆議院において今日審議されておりますが、それから参議院に回って参りまして、いずれこれに対してはきわめて適当なる措置をこの法案に加えるということは当然のととであります。でありまするが、ただいまの御答弁の内容を伺っておりますると、私の真意とは非常に違う。なぜかような、今お話しの通り、知性あるいは教養が高いところの全国八万なり十万の医師、これらの人々がかようなけわしい態度をするということは、これは容易ならないことである。理性もありまた感情を押えることについてもきわめて教養の高い人々である、それがこういうような挙に出るということは、これはよほどそこに潜在したものがあるのじゃないか。そんならば、これは真の厚生行政ではないということになるのです。その点を一つお考えになられて、とりあえず、昨日府県知事に辞表を出せば受け取れというようなことを、これは次官を通じてお出しになったというが、これはすみやかに撤回されたらどうか。そうしていわゆる話し合いの上で、温和の間にこういうことは話し合いがつくべきものである。医師側の言い分といたしますれば、この法案の内容に盛られているものは、医師が当然立ち行かほいと同時に、これは患者も治療を受けることに非常な障害、支障を来たすということを述べております。私は荒唐無稽のことをこれらの教養ある全国十万の医師諸君が言うとは信じられません。この点一つ、厚生省といたしましては、この根本的な健康保険法に対しまする新精神というものを十分に一つ把握せられまして、そうしてかような事態がすみやかに解消せられ、そうしていわゆる患者も医師もともに所を得るというような措置を、行政的にこれをお取り上げになられるような処置を、この際強く要望をいたしておきます。これに対しましても大臣の御答弁を求めて、繰り返してお尋ねすることはいたしませんので、誠意ある御答弁を伺いたいと思います。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 健康保険というものは、私もたびたびこの委員会におきましても御説明申し上げておりますように、二十九年以来非常な赤字が出ておるのであります。二十九年、三十年度におりまする、両年度の赤字の百億というこれは、平林先生御承知のように、一時借入金にいたしまして、これを一般会計から毎年十億円ずつ返していただくというようなことで処理をし、また料率も上げまして、そうしてこれを暫定的処理をいたしたのであります。しかし三十一年度にお誉ましても約六十六億の赤字が予想されておりまして、私はこの問題につきましては、これは根本的に検討してみる必要があるというので、今日まで就任以来、いろいろ検討してみました結果・健康保険そのものの状態が、数年前に比べますると、非常に進歩向上をいたしておるのであります。そこでこの来年三十一年度に予想されております六十六億の赤字をどうするかという問題、従来通りこれを借入金でやるか、あるいはお医者さんの諸君が私どもに要望いたしておりまするように、これを全額国庫負担で赤字を埋めていくか、あるいは今日御審議を願っておりまするように、国庫からも補助をする。今日のように非常に健康保険も進歩向上しておりまするし、将来とも高度の医療を保ちつつ健康保険を軌道に乗せて発達させなければならぬ問題でございまするから、私どもが考えておるように、国庫からも補助をさせて、健康保険の今までの一部負担を拡大してやっていただく、これが今日の私どもの改正案でございまするが、私はこの問題につきましては、お医者さんがわれわれに言っておりまするように、何でもかんでも全額国庫負担でやっていけ、一部負担は反対だということは、これは先ども私が申し上げましたように、今日の現実に即しまして、医療担当者の各位が十分に内容について御検討願えれば、私は理解が行くものと思っておるのであります。  ただいま通牒に対して云々というお話がございましたが、私はこういう事態に即して、ぜひ全国の医療担当者各位に御反省を願いたいというような意味をもちまして、都道府県知事にもお願いをいたしているのでございまして、私の方から辞退書を受け取るというのが主じゃないのでありまして、これはやむを得ないときには、法律にきめてあることでございますから、そう申し上げて、主としては十分に一つ留保して、そういうことのないようにお願いするということを、都道府県知事にもお願い申し上げておる次第でございまするから、その通牒をただいま取り下げるという考えはないのであります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 大へん総理にもお疲れのところをわずらわせて恐縮並んでありますが、私が最後の総括質問の光栄を有しているわけであります。きわめて素朴な質問でございまするけれども、今国民の大部分の人が感じていることを私は総理に訴えて、そして総理はどういうふうにこれを善処されようとしておるか、これを伺ってみたいと、かように考えております。  問題はきわめて素朴な問題でありまするが、保守と革新との二大政党ができ上りましたということは、一面今後の政党政治の運営の上においてけっこうなことであるというふうにだれしも考えております。私もまたその一員でございます。ところが、イギリスとかアメリカにおける、保守、革新とはいわないが、二大政党の対立というようなことをわれわれは新聞等で見ておりまして、その動き方と、現在日本における保守、革新の対立の尖鋭さ、こういうものを考えてみまするというと、何かそこにかなり相違した点があるように考えられるのでございます。ことに敗戦後の日本といたしましては、現在の日本が進むべき道というものは、そう二本も三本もあるわけではありませんので、若干右へ寄るとか左へ寄るとかしましても、大体日本の進んで行くべき道というものはそう違いがあるべきものではないと思うのでありまするが、それが非常に変っている、こういうようなことを現実に毎日私ども見ております。また国会でも、皆さんの討論を伺っておりまするというと、きわめて対立的な意見が多いのであります。憲法改正に関する調査会の問題にいたしましても、あるいはまたいわゆる自衛軍の問題にいたしましても、そういうような問題についても非常に対立的に議論されております。これはあまりまだはっきり出て参りませんけれども、今後私は経済的の問題といたしまして、統制経済あるいは自由経済、こういうような問題が事ごとにはっきりと現われていくのじゃないだろうか、こういうようなことを心配しておるのでありまするが、一番私の心配しているのは外交に関する問題であります。外交の問題は、むろん政府に対していろいろの警告を与えるととは、与党、野党ともにあってしかるべしだと思うのでありまするが、あまり外交の進展上におきまして各種の議論が闘わされて、かえって相手国のためになるような、利益を与えるような外交の結果になるというようなおそれもないわけではないのでありまするが、これらの問題は、要するに、新しい二大政党というものができ上ったが、まだなかなか成熟しておらず、成熟していかないから、きわめて尖鋭的な対立的な論戦が闘わされているということで、国民は実は一体何を国会では論議しているのだろう、一体それが国のためになることを言っているのだろうか、ためにならぬことを言っているのだろうかという心配さえもしているような空気であると、私は思うのであります。  今問題になっておりまする小選挙区の問題でございまするが、私もこの政界を浄化する、あるいはまた国民全般に政党政治というものをもっと深く認識してもらう点からいって、小選挙区は私は個人としては賛成なんであります。賛成でありまするが、さてその区割りというような問題になりまして、あまりにそれが党利党略的に流れてくるというようなことは、これは万人のとらないところで、国民全般としても納得しがたいというような問題が起ってくると思う。そういうように私は考えますので、もう少しこういう問題につきまして、二大政党が新たにできたら、一つ鳩山総理ば野党の首領とお話し合いを常にお続けになる。ことに外交に関する問題につきましては、あまりにちぐはぐの論戦のないようにするというようなことが必要であり、また今のような小選挙区の問題でありまするが、これは若干の反対論はむろんあります。ありますが、全体的に見て、選挙の粛正とか、あるいはまた政治知識の普及徹底という点からいって、かりに是なりとお考えになってお進みになる場合は、やはり野党とも話し合いをなさって、そうしてある程度の不満は、これはやむを得ないのでございまするけれども、すべてを与党のおもむくままにこれを決定しようというところに御無理が出てきているのじゃなかろうかと思う。こういう問題のために、国会というものが、明けても暮れてもにぎやかに論戦をしておられるが、われわれの生活には一体何の関係があるか。こういうような国民がいわゆる政党に対して非常に信用のない、たよりない感じを持っているということの気分はおおいがたいものがあると私は思うのでございますので、こういう点につきまして、総理は近く民自党の総裁にも御就任に相なることでございますし、また総理の意思といたしましても、もう少し野党の首領と話し合いをおつけになりまして、この重大な日本の再建の時代において、つまらない問題で、彼は親ソ派である、彼は親米派てある、彼は革新で社会主義を信奉する、彼は資本主義を信奉する、こういうようなことで、私は今日、資本主義であるとか、あるいは社会主義であるとかというようなことにとらわれて議論をされているということ自体が、もうすでに時代におくれている、こういうふうに私は考えておるのでありまするので、日本の経済的の立場からいっても、今日の民自党が十分に計画経済も場合によっては取り上げ、場合によっては社会主義的な方面にも現にお考えになっておると思います。  こういうような点を考えて参りまする場合において、私はもう少しこの二大政党が対立した場合における両党の首領というものの国民に対する責任を痛感していただいて、善処していただきたい、かように私は考えますので、総理にまずこの点についての御所信を伺いたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 田村君の今の御忠告に対しては、満幅の敬意を払います。革新派、保守派の政争の苛烈だということは、まことに遺憾であります。リパブリカンとデモクラチックとが話し合いをしたり、イギリスにおいても同様に、保主党と労働党が話し合いがてきることは、まことに羨望にたえません。二大政党ができたならば、その二大政党の間の政策の近似性というととも必要なのであります。それを持ってくるのには、鈴木君ともたびたび会合をし、あるいは革新派の領袖たちと保守党の領袖たちとが話し合いまして、妥協のできるだけ妥協をして政治をやって、責任をとるべき場合においては、直ちに後継者が出ても激変のないような政治をやっていけるというような体制を作ることが、われわれの任務だと心得ております。あなたのおっしゃる通りの注意を払いまして、鈴木君ともよく談合しまして、あまり政争の激しくならぬように注意をいたしたいと思います。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 政争が苛烈になりまするというと、必ず、私はおそれるのでございまするが、あるいは戦争の始まります前に、軍部がある勢力を利用して出たり、あるいはまたソ連の共産党がケレンスキーを利用して共産革命をなし遂げたり、こういうようなことになっては、私は大へんだと思うのであります。そういう意味で、総理が善処せられるということについてお言葉をいただきましたので、ぜひ一つそのようにお運びをいただきたい。  私はこの機会に、総理が失言されるというようなことを非常に心配されまして、周辺の方々も御心配になっておるようでありますが、総理は、少くも頭脳に関する限りにおいては、きわめて御健全だと私は思っております。決して御心配はないと思うのでありまして、人間はしゃべっているうちには失言もございます。言い間違いもございます。そういう言葉じりを一つ一つを取り上げて議論しているがごときは、国会の恥辱であります。これは恥であります。私はこう思いますので、そういうようなことは虚心坦懐に一つ両党の首領が話し合って、少しぐらいの失言だとか、お前はいっこういうことを言ったじゃないか、今日本の進むべき道を考えておるのに、過去においてこういうことを言ったじゃないか、ああいうことを言ったじゃないかというようなことで、あげ足取りの国会でないように私は進みたい、かように考えておるので、これは私は総理に対する希望とあわせて、与党、野党、ともに私は御進言申し上げておきたいと、かように考えるのでございます。  第二に、私は総理に質問を申し上げたいのでございます。物は足らざるを憂えず等しからざるを憂えるという言葉があるのでございます。私はもちろん悪平等を皆さんにお奨めしたい、こういうような考え方ば少しも持っておりません。十分に働く人が相当の報酬を得、働かざる人は十分報酬を得られない、こういうようなことは私は当然であると思いますので、悪平等を訴えよと申すのではありませんけれども、今の日本の現状からいきまして、国民の全部が一番苦にしております問題は、職がない、職にありつけない、こういう問題であると思うのであります。との問題につきましては、先般の一般質問におきまして、各関係閣僚に対して、あるいは労働大臣に対し、あるいはまた通産大臣に対し、輸出の振興、あるいは労働組合運動の行き過ぎ等につきまして、私は御意見を承わったのでありまするが、十分満足するような御答弁を得なかったことを残念に思っておりまするが、何といっても、今日は、職のない人に職を与えるということくらい今日の日本において必要な問題はないのであります。多く取り過ぎておろ人が、お互いに分ち合っても、職を他の人に与えてやるというような心持ちがあって初めて、日本というものが再興ができるんじゃないかと私は考えておるのでありまするので、そういうような意味におきまして、どういうふうにしたらばこの雇用の増大を期することができるであろうかということを私は考えておりまするが、これは各省に関係する問題でございまするが、総理は大体これについてどういうふうにお考えになって対処されようと考えておられますか。私は一言自分の所見を申し上げますならば、先日通産大臣に精密工業のことを問い、または労働大臣に対しましては、賃金のアンバランスの問題についても伺ったのであります。そういうような点の是正もございまするが、今日は生産的公共事業をもっとふやしても、国内に失業者の一人もないような政策をとることが、今日喫緊の事柄ではないだろうかということを考えるのでありまするが、しかし総理はおのずから腹案がおありになってお考えになっておいでになりまするならば、私は伺いたいと思うのであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 失業者を吸収するのには、どうしても事業の発展を待たなくてはなりません。事業が多くならなければ人間を使うわけには参りませんから、あなたのおっしやる通りに、事業の増大をはかるということは急務だと思います。特に学生の就職ができないということは、まことに気の毒な話でありまして、一番の青年時代に、学生が直ちに就職ができないで、ぶらぶら二、三年すると、大ていは参ってしまいますから、学生の就職については・特に政府としては考えをめぐらしまして、何といいましたか、中央本部という名前だったと思いますが、これも設けて、とにかく学生の就職については特に力を尽したいと考えております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 御配慮はけっこうなんですが、どうしてやるかということになると、今の国内の産業がおのずから興ってくることはむろん願わしいことでございまするし、それについては関係各省において十分の努力をされることでございますし、現にされていると思うのでありまするけれども、そのほかに、私はまあ予算もここでいよいよ大詰めに来ておりますのでございますから、とやかく申しませんけれども、できるだけ公共事業においても人を多く使ってやる、失業者のないように、全国に平均して使ってやるというようなことを考えていく必要があるのじゃないか。また私は、場合によって、公債あるいは公債にかわるべき性質の金を支出しても、今日街に卒業生が就職できなくて困っているというような場合には、これを吸収してやる。しかし、ただ今日のニコヨンのような方式で人を使ったのでは困るのでありますが、あくまでも生産的に役立つような方面においてこれを吸収する方法を考えるというようなことが必要と思うのでございますが、これに対しては総理はどうお考えてございますか、また関係各省におかれてはどうお考えになっておりますか、伺いたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私、先刻の答弁は、あなたと同じような考え方を持っているということを答弁したつむりでございます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 仰せのように、生産的な形において雇用問題を解決することば仰せの通りでありまして、私どももさような考えで、特に失業対策についての予算上の失業対策というものは、そういうような意味合いをもって組んでおるものであります。しかし私はやはり雇用の問題につきましては、日本の経済の場合においては、経済規模を拡大していくという方向に持っていきまして、雇用を解決する。特に日本の経済の場合は、さらに産業の業種において、特に中小企業等において雇用をふやしていく、これにはまた中小企業を今後健全化していく、こういうふうな政策をとっていくべきである、こういうふうに考えております。しかし、また他面、私どもはやはり人口問題というようなものについても、本気に取り組んでいくべき必要があるのではないかと考えております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 今の大蔵大臣のお話でございまするが、実は今の職を得ないという問題、雇用を増大するという問題は、一年、三年、五年先の問題じゃないので、今すぐ当面している問題なのであります。予算というものもそういう意味において考えられていかないと困るぞ、こう私は考えますので申したのでありますが、関連いたしまして、私は、日本の国内で大学を出て、しかもゆうゆうとして優良な会社に勤める人もあるかと思えば、いつまでたっても職がなくて困っておると、こういうような、まことにそういう点についても不平等があるのでありまするが、同じような不平等という点を是正する点からいいまして、賃金の問題になるわけであります。賃金の問題も、これは総理からお考えをいただいて、労働大臣からお答えをいただいてもけっこうでありますけれども、私は先般一般質問のときにお伺いした・あるいは二倍、三倍も取っているところがあるかと思うと、その二分の一、三分の一でようやく露命をつないでいる、あるいはまためったなことをすればすぐ職を失う、こういうような状況にあるのが現況でございまするが、昨今の総評の争いの行き方等を見ますると、今日の大きな炭鉱では、ああいうふうに組合の力をもって二千円のベース・アップを迫っている。ところが、中小の炭鉱になりまするというと、実はきのうまで、ほんとうに昨年まで菜っ葉をかじって、学校に入れている子供も下げなきゃならぬというような悲惨な、悲痛な声まで聞いたのであります。一方には、今日大炭鉱業者はどういうふうになっておるのか、私はわかりませんが、おそらくは坑内夫ならば二万円以上もらっておりましょうし、坑外夫でも一万二、三千円のものはもらっておる、こういうふうに私は考えておるのでありますが、そういうような非常にアンバランスがあるのであります。これは同じ腕を持って、力を持っていながら、不幸にして悪いくじを引いたところでは、ほとんどうだつが上らない、こういうような結果に相なっておるのでありますので、これは何か占領立法に不十分な点があって、それで今日のような不公正を来たしておると、こう私は考えるのであります。これは総理に私はお考えをいただいて、お願いしたいと思うのでありますが、一日も早く占領下に作られました労働立法の行き過ぎのあるものはこれを是正し、そうしてできるだけ労働の自由交流ができて、失業者はなくなるようにして、また企業者は勇気を鼓して雇用の増大するようなことをできるような時代を作らなければならぬ、こう私は考えろのであります。この労働関係の法庫についてどうしても是正さるべき点があると思うのでありますが、総理はまずどうお考えになられますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) ただいまのお話についてば・十分に検討いたします。労働立法の変更については、労働大臣から……。

倉石忠雄自由民主党労働大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 田村さんは平素・非常に賃金政策について御研究をなさっておいでになるのでありますが、私どもも一般産業についてはもちろんのことでありますが、非常に多数である公務員のことなどにつきましても、公務員制度調査会に委嘱をいたしまして、公務員制度の検討を願いました。その答申にも、公務員の賃金体系についていろいろ検討を加えておられます。御承知のように、日本は終戦後家族手当といったような生活給を基本にしてやって参りましたが、これはやはり能率給という考え方の方がいいのではないかという尊重すべき御意見も出ております。現に機関車労働組合などは、そういうことの問題で調停案を提出いたしておるような次第でありまして、この点は私ども当局といたしましても、十分検討をいたしております。  それから賃金水準を上げろというお話もございますが、これは今田村さんのお話のように、今度の闘争について、中小企業の労働者の人々との賃金格差の問題が、やはり闘争をしておられる総評の幹部の方ですら、そういうことに非常に頭を使っておられました。われわれと会見をいたすたびごとに、それが議論の焦点になったような次第でありまして、日本の全体の産業から見まして、私どもは、コストの中には賃金がどのくらいの割合を占めておるかということは、やはり国際経済の競争場裏に立って非常にこれは重大な問題であることは、御承知の通りであります。そういうことにつきましても、私どもといたしましては、具体的に労働問題懇談会などの議題に供して、これから検討して参るつもりでありますが、先ほど御指摘になりましたことをちょっと調べてみたものがございますが、五百人以上の大産業を一〇〇といたしますと、百人から九十九人の小企業においては八四・二、三十人から九十九人までは六七・三・今のは昭和二十五年でありますが、最近の三十年は五百人以上のものを一〇〇としますというと、百人から五百人までのものが七四・三、三十人から九十九人、つまり百人未満は大産業の一〇〇に対して五八・八でありますから、非常なこれは賃金格差がある次第であります。ところが、この日本の特殊な経済機構である中小企業というものにつきましては、この中小企業がしかも大部分を占めているということでございますから、先ほどお話のように極端な言葉で言えば、食うか食わないかの境におるのだという言葉で表現されておりますが、私どもは経済五カ年計画の立案に当りましても、この大部分を占めている中小企業をいかにして育成していくと、またこの面における雇用の安定をどうするかということが一番大きな問題であると存じますので、この点につきましては十分、五カ年計画でもそうでありますが、将来も重大な問題として検討して参りたいと思っております。  なお、労働三法のことにつきましては、私どもは慎重に検討いたしておる次第でありまして、このたび行われましたいわゆる春季闘争、ことに現在行なっております炭労のストライキのやり方などを見ましても、非常な参考にいたしまして、私どもはこの労働法の問題については、ただいまそういうことを参考にして慎重に検討をいたしておる最中であります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 次に私は総理に伺いたいのですが、厚生大臣の御所管に関係する問題で、一般質問で若干お伺いいたしたんでございますが、今日本で組合に入っていない、健康保険組合とかあるいは国民健康保険組合とかいうものに入っていない人が三千万人あるわけです。そういうようなことで、今度健康保険の改正案が提出さ出て、政府から三十億の助成金が出る、あるいはまた組合保険のごときに至りましては黒字でございまして、十分に豊かにやっていける、こういう情勢であるかと思うと、農民でありまするとか、中小企業であるとかいうような人たちには、何らのそういうものに対する恩典——恩典といいますか、共済の方法がないのであります。私は社会保障制度というものは、これはいいにこしたことはございませんけれども、これこそは国力に相応して順次これを進めていくという、極楽を作り上げていくということは申し上げたいのでありますけ承ども、しかし非常にそういう点についての不公平があるのであります。私は全国民の人が早く共済の意味において保険組合を作っていく、こういうようなことになるようにこいねがっているのでありまするが、それにつきまして総理はどうお考えになられるか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 社会保障の推進をはかる上にお迭まして、医療保障の確立が当面最も重要な問題と考えられます。それは田村君のおっしやる通りでありますが、昭和三十五年実施を目途といたしまして、全国民を対象とする医療保障の達成をどうしてもはかりたいというように考えております。厚生大臣から詳細のことは御答弁を願います。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 田村さんの御質問に対しましては、ただいま総理から大体の方針につきましてお答え申し上げている通りでございますが、仰せのように、ただいま健康保険——健康保険の中にも政府管掌・組合管掌、それに船員保険であるとかあるいは日雇い労働者の健康保険であるとか、それから各種の共済組合、こういうふうな勤労者を対象といたしまする保険もございまするし、またただいま田村さんの御指摘になりましたような、主として自営をいたしておる方々によりまする国民健康保険、こういうふうなものもあるのでございますが、仰せのように、たとえば勤労者にいたしましても五人以下のものは対象になっていない。それからそれらを含めまして三千万人も今日適用を受けていない国民が現にあるのでありまして、こういう問題につきましては今日の近代福祉国家といたしましても、全体の国民を対象とする社会保険をいたすということが当然でございまして、三十五年を目途といたしまして、こういう問題——今、田村さんの仰せになりましたような問題、いろいろアンバランスの問題もございまするし、結核の取扱いの問題等もございまするし、いろいろな問題がございまするが、こういう問題につきましては総合的に調査研究をいたしまして、われわれが目途といたしておりまする三十五年までには、その通り適当法案を作って実施いたしたいと、それにはもちろん政府の保障という問題あるいは被保険者の一部負担という問題、国家のそのときの財政問題ともにらみ合せてやるべきだと私は思っております。そういう問題もあわせて考慮すべき問題だと考えておるのであります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 冒頭に申し上げましたように、ひとしからざるを憂えるという意味は、私はそこで申し上げたいのでありますが、社会保障がだんだん進んでいくのはけっこうでありまするけれども、公務員であるから、あるいはまた組合の被保険者であるから、あるいは政府管掌の被保険者であるから、あるいはまた一般の国民健康保険のものであるからということで、著しい相違が設けられるということでは私はいかぬと思う。そうすると、一たん上げたものはなかなか下げるということは困難だから、五年後にもし全部国民皆保にするというおぼしめしがあるならば、今からその用意をしておかかりにならぬといかぬ。そういう意味で私は今度の健康保険のあれは三十億の政府の保障、これはやむを得ほい最低の問題であると思いますが、なおこれについて一体厚生大臣は今の健康保険の改正をあくまでもお通しになる御意思ではむろんあると思いますけれども、どうお考えになっておりますか。先にも御質問がございましたように、お医者さんのある部分の方が健康保険の総辞退をなさる、何だかお医者さんのストライキみたいでございまして、まことに私は遺憾なことであると思います。かようなことは、その事柄の内容のいかんにかかわらず、またどういう要求があるにいたしましても、国民の生命をあずかっているお医者さんが、健康保険の総辞退をすると、かような不穏当な処置は、私はむしろ反対に厚生大臣を鞭撻申し上げたい。かようなことは決して許すべきことじゃないと、私は人道的に考えても、この点については非常にふんまんを感ぜざるを得ないのでありますが、しかし健康保険の改正ということが気にいらぬということから起ったんだろうと思うのでありまするが、それは論議は国会において十分に尽すべきは尽すべきであると思いまするが、かような総辞退というようなことをやって、しかも御承知のように労調法には、一体医療に関係する労働組合はかなりの制限を受けている。むろん医師会は労働組合でありません。ありませんからなさるのは御自由かもしれませんけれども、かようなな風潮が天下に風擁するということは実に私は遺憾にたえぬのであります。そういう点からいって、どうしてもかような考えの方があるなら、やむを得ないから、私は、厚生大臣は、どんどんやめておもらいになったらよろしい。やめておもらいになって、いよいよその結果が医療の公営にまで進むように止るかもしれない。私はそういう場合が起ることも考える。そういうことまで考えてやっておいでになるかどうか知りませんけれども、こういうことは私は多分感情のそごから起つできていろ問題だと思いますので、はなはだ厚生大臣には失礼な申し分でありますけれども、鳩山総理大臣が医師会の会長とお会いになって、こういうようなことは一つ、人命をあずかるお医者が健康保険の総辞退なんという不穏当なことはやめてくれと、聞くべきことは大いに聞いておやりになって、そうしてお互いに胸襟を開いて話し合えば、これはわかると、こう私は考える。これは私は厚生大臣を信用しないわけじゃありません。ありませんが、ういう場合こそは、国民の人命をあずかると重大な職業にある方々の問題でございますから、総理から一つ医師会の会長にもお話しなさったらいかがと、こう私は思うのであります。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 田村さんの御意見には私ども担当者といたしましても、今日の医療担当者諸君の総辞退への動きという問題につきましては非常に遺憾に思っておるのでございます。私も実はこの問題につきましては、できるだけ現実の問題に即して御理解を得、また十分に御認識を得て、そういう問題につきましてもたびたび団体の代表者、あるいは各府県の医療担当者の代表者等とたびたびお目にかかっている。むしろ私の方から進んで御理解を得るべくお目にかかっているのであります。いろいろお話し申し上げますと、よくわかるのでありますが、やはり立場々々があるというようなことであるのであります。ただ今日の、今、田村さんから非常に含みのある御意見もあったのでありますが、総理が医師会の代表とお目にかかられて、こういう事態の起らないような話し合いをすることも非常に含蓄のある御意見だと思いますが、ただ私が今日の、私が今まで医師会の代表者にお目にかかった経過から考えますと、医師会が全国の十二万のお医者さんの意見を的確にこれを握って、そうしてその指令が全国に行きわたるというような今日の医師会ではないのでございまして……というように私は考えておるのでござまして、医師会の諸君も、良識ある代表者の諸君も、私どもお目にかかりました経過によりますと、私どもの意見もよくわかるのであります。が、何分にも全国にいろいろの御意見を持たれた方炉たくさんございますので、私はいずれにいたしましても今日の健康保険の改正案というものにつきまして、もう少し突っ込んだ、あらゆる角度からごらんいただいた、良識あるお考えを願うように努力しつつあるのでありまして、私は今の保険医療というものが果に公共性の重大なものであるということから考えまして、全体的に破壊的な行動に出られろような措置をとられるとは考えていないのであります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 決して厚生大臣のお力ではどうこうという、そういう意味でばありませんから、そこは悪くとらんでいただきたいのでありますが、私はもうこの何ですか、医薬分業以来医師会の問題、点数をきめる問題等について非常に私は過去において苦い経験を皆なめていらっしやると思うのです。こういうことこそは一国の総理が一つのお話しなさって、この国民の保健に重大な関係のある問題を、これを一つ総理が折衝なさることは簡単にできるむのじゃないかと、こう私は考えますので、これは一つ総理はだいぶお医者さんにおなじみもあるようですから、一つ大いに医師会の会長さん初め、これについてよくお話し下されて、私はこんな問題を大きくしないうちに、もう一応辞退とか何とか言い出すとめんどうなんですから、今火が出たばかりでございますから、こういう大ぎょうにならないうちに、しかむこれは職業的に昔は医は仁術なりと言ったのですが、そういうところまで、いかなくても、もう少し善処してもらわなければならない立場にあるお医者さんに対しては、これは一つ総理からよく御懇談をいただきたいと、こうお願いをする次第であります。これはまあ私の希望次に大蔵大臣にこの前の、前々国会で申し上げたのですが、租税特別措置法というものがございまして、そのために法人によっては、実際の所得に対しては二割くらいしか払わぬで済んでいる人がある。表面的には四割を払う、こういうことになっているのでございまして、平均すると三割くらいじやないかというのであります。で中小企業でありまするとか、まともの企業者におきまするというと、法人税は四割をみな払っている。こういう点はそれはいろいろ理屈ばありましょう。ありましょうが、あまり大蔵大臣が産業政策に広い関心をお持もになるために、いろいろの請願や、陳情をお受けになって、租税特別措置法というものがこり固まってきたのであります。これは私は租税審議会で御検討なさるのでございましょうが、十分にこの点について、いわゆるひとしからざるを憂う意味において、是正なさることが今日の急務じゃないかとこう考えますのですが、その後の、私は昨年の国会で申し上げて、今日もどほたか御質問があったのでありますが、大蔵大臣、もう少し一つこの点について力をお入れになるべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 租税法上のいろいろの特別措置は、そのときにおきまして政策的な目的を持っているのです。しかしむろんそういう意味合いのものでありますから、その後の状況の変化に応じて、これ炉常に検討をされるべきことは申すまでもありません。今日いろいろと日本の、ひとり経済ばかりではありませんが、いろいろな事情が転換期にもきているので、特に従来の粗税法上の特別措置については、慎重に検討を加えてみたいと、かように考えているわけであります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 これは大蔵大臣にだけじやない、これは総理に一つ予算の有効的使用という点から、ちょっとお尋ねしておきたいのでありますが、むろん予算の関係する問題でありますから、大蔵大臣からもお聞きおきいただ巷たい。この間分科会で、参議院の今建築をしておりますね、これがもう三年越しになるんですね。三年になつて、あるいは四年にまたがるかもしれぬというんですね。どうしてそういうことになるかと聞いてみると、予算がその年もらえるのがこれだけしかもらえないから、これでとめると、こういうことなんですね。あるいは暖房装置が一年おくれるとか、あるいは水道工事がおくれたというのならまだいいんですが、大ていは請負する人は一人なんです。その人が毎年契約を更改して、別の契約をして、そうしてするんですね。むし高ければほかの人に行ってもこれはしようがない。そういうことでございますから、初めからワクの材料でありますとか、あるいはその詰所の費用でありますとかというものが、もし請負者が変ればそのつど新しいものを作らなければならない。あれをもし、こればかりの建物を三年、四年かからないでも、私は一年でできると思う。そういうようなことが、これは参議院の予算の問題でございました。衆議院にも同じ問題があるのです。で、ありますが、あらゆる建設その他の事業にそういうようにして予算というものが使われているのじゃないだろうかと私は心配を持ちだした。もしそうでございますと、そういうことをしないで、今年はこの事業を完成するというので主力をおあげになれば、同じ予算の使い方でも一割や二割の経費の節約はできるのだ。こういうふうに考えられる。それをこれっぱっちのわずかな建物を、三年越し、下手すると四年越しになりそうですが、そういうような予算の金の出し方というものは、きわめて金を殺してお使いになる方法なのです。私は分科会でその点について御忠告申し上げた。こういうような予算の使い方というものは、どうも不穏当なのです。非常に予算というものをむだ使いする。また初め請負したものには必ずその請負をやらないと・たとえば一階まで打って鉄筋が上に出ているのに、二階から別の人がやるということは事実できなくなる。こういう点からいってもおもしろくない。こういう点につきまして、大蔵大臣、総理に予算の有効的使用という点から一つお答えいただき一たいのであります。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 十分考慮いたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 仰せまことにごもっともであります。むろんだれも異存ないことですが、なぜそういうようになっておるか。これは第一には、実は予算が御承知のように、なかなか歳入に対しまして歳出の要求が非常に多い。従いまして、今日まだ建築というような点にしても非常に手が回りかねる。参議院の方は特別に予算も組んだのでありますが、むろん従いまして、乏しい予算でありますから、仰せのように重点的にほかのものはやめてしまって、そうしてあるものに集中する。これは非常にけっこうでありますが、ただし建築の場合はどうも重点的にというのがなかなかむずかしいのでありまして、そういうふうな関係から、思うようにこの予算の配分ができがたかった点もあるのであります。全くお説の通りでありまして、非常に私はありがたいお言葉として拝聴いたしました。今後一そうそういう方針にのっとって努力をいたします。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 私はこれがひとり参議院だけに起った事件であれば、そういうこともまれにはあっただろうと言えるのですが、建設省の関係、農林省の関係等炉、みんなそういうふうになっているのじゃ大へんだ。これは国民の税金を持っていって、たとえば三分の二なり、四分の三なりというものは死んでぐるのですよ。働かないのです。そういうことを二年も三年もほっておくのです。このくらい予算を不有効に使うということはねい。そういう場合は、大蔵大臣は蛮勇をふるっても、予算の編成に当って御注意なさるべきだ。とういうふうに私は思うのです。ほかになければいいのですよ。これだけで、ほかにはこういう例はないのだとおっしゃるならばよろしい。もしそういう例が建設でも、学校でも、何でも、これがあったら非常な国家の損失です。念のために私は一つ大蔵大臣に、ほんとうにそういうことを次の予算をお組みになるときからおやりになるかお聞きしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) まことにその通りです。今後ほんとうにそういう点について蛮勇をふるってやりたいと思います。今どういうふうに建築されておるかつまびらかに申し上げかねますが、みなそうなっておるとは私は限らぬと思います。なおよく調べてみまして、一つ竣工を早めるようにいたしたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 先ほどの同僚田村委員の第一の質問に関連して、簡単にお伺いいたします。  それは鳩山総理に対して話し合い、納得の政治を進めてほしいという田村委員の質問に対して、総理ば同感の意を表明されていました。なるほどあなたは施政演説においても「互譲、寛容の精神こそ、民主政治を正しく運用させる基本である」と言い、さらに「権力をぶるって独善に陥ることなく、あくまでも謙虚な態度で各派の意見に耳を傾けまして、」云々とこういうふうに述べられている。このことはまことにけっこうでございます。ところが、最近のあなたのやられることを見ておりますと、あなたというよりも、あなたのバックの自由民主党の方針と言ったが正しいかと思うのですが、これと反しておるわけです。それで現在田村委員が心配している与野党の激突という問題ですが、この風雲を呼んでいる問題は幾つかあります炉、その最たるものは、教育委員会法の改悪と小選挙区の問題、そこで私は先ほどの話し合い、納得の政治を進めたいという総理の答弁に関連して伺うのですが、この教育委員会法の問題については、さっきも私はちょっと伺ったのですが、具体的に東京、大阪の声明を発表されました学長ですね、こういう方々とあなたゆっくり会ってお話しされることが日本の教育の将来のためになると思うのですが、どうかということと、それから小選挙区の問題について、これはわが党の鈴木委員長とも一回ほどお会いになったようですが、先日佐多委員からもいろいろと指摘されました。私は憲法調査会会長、それから野党の鈴木委員長等と十分話し合って、一応提案されたあとではありますが、内容的に再検討されるという程度の弾力ある態度をとられることが田村委員の質問に対するあなたの答弁から至当だと考えるわけですが、この二点についてお答え願いたい。  私はなぜこういうことをお伺いするかといいますと、二大政党になって、責任政治が行われるようになったということは非常にけっこうですが、二大政党の一番悪い面がまつ先に出てきたわけです。教育の問題についてもあるいは小選挙区の問題についても、いわば二大政党の一番悪い面が出て、党利党略の餓鬼になり下ろうとしておる傾きが私はあると思う。非常に重要な段階だと思いますので、先ほどの二点についてお答えを願いたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) あなたの言わるる通りに、できるだけ多数の人にお目にかかりまして、最善の道を歩みたいと思います。特に社会党の鈴木君とは、この間もお目にかかりまして、これからたびたび会えるようにしようではありませんかという話をしておきましたから、機を見てまた近いうちに会います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 学長と会ったらいかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 学長のほうは問題が違いますから、文部大臣が。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 十大学は大てい都下におられまするから、適当な機会にお目にかかろうと思っております。

西郷吉之助自由民主党

○委員長(西郷吉之助君) 以上をもちまして、昭和三十一年度総予算案に対する質疑は全部終了いたしました。  明後二十六日午後一時より討論採決を行います。討論時間は大体二十分を目途といたしまして、討論の順序は前例によって行います。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗