文教委員会 第16号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/04/17
会議録
○委員長(飯島連次郎君) これより文教委員会を開会いたします。 委員会開会前の理事会の経過について報告いたします。 本日委員会提出を議題とする予定でありました三件につきましては、都合によりいまだ成案を決定する段階に至っておりませんので、従って本件につきましては次回、木曜日の委員会まで延期いたします。 本日の議題は教職員の給与等に関する件及び学生生徒の経済的負担増加傾向に関する件であります。 まず、教職員の給与等に関する件を議題に供します。御質疑のある方は御発言を願います。
○荒木正三郎君 公務員の給与の問題に関して、先週の文部委員会で人事院の事務当局からもいろいろ説明を聞いたわけですが、なおきょうは淺井総裁も御出席になっておりますので、人事院の考え方についてお伺いをしておきたいと思います。先般国鉄職員等の公共企業体関係の職員に対しましては、調停案に基いて給与改善についてのいろいろ措置がなされたわけであります。ところが、公務員に対してはその後何らの措置がないわけでございます。このことにつきましては、淺井総裁もいろいろ御努力をなさっておるということは聞いておりますが、しかし、今日まで実現を見ていないわけであります。今後この問題に対して、人事院としては何らかの措置をとられるかどうか、そういう点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(淺井清君) お答えを申し上げます。今後どのような措置をとるかというお尋ねでございまするが、それは調停案等には項目がいろいろあるように思っております。そのうち一時金とその他のものと分けないとお答えにならぬと思うのでありますが、一時金の問題につきましては、人事院としてはできるだけの手段を講じたつもりであります。不幸それは成功いたしませんでしたけれども、できるだけのことはいたしたつもりでおりますが、一時金の問題につきましては、これ以上人事院としては何もやろうとは考えておりません。また、それは不可能だと考えております。その他の問題に関しましては、今後の研究に待ちたいと思っております。
○荒木正三郎君 一時金の問題については、今後別に新しい努力はしないし、それからまあそういう努力も不可能であるというお話がございました。その不可能ということはどういうことでしょうか。
○政府委員(淺井清君) お答え申し上げますが、五現業三公社に出された一時金の性格の問題に帰するように思っております。御承知のように、一般職の公務員と現業とは給与体系を異にいたしておりまして、現業の方には従来から業績手当というものが出されておった。そこで今回出されました一時金が従来の業績手当にとどまっておるものならば、これは人事院として何らてこに不均衡ということは言えないだろうと思っております。ただ問題は、今回の一時金が従来の業績手当であるかどうか、この辺に問題があるように考えております。しかし、法の建前から申しますると、これはどうしても従来出しておった業績手当の一部分である、かように政府の方で申された場合に、これに対してそうでないということの反証をするということは非常に困難でございます。そこで、ただいまこれ以上人事院が何も打つ手がないと申し上げましたのは、その意味でございます。しかしながら、私どもの考えを率直に申し上げますれば、ともかく団交権を持った公務員がよくなったことは、これは事実なのであります。その一時金によってよくなったことは事実なのであります。そうでございまするから、そのような場合にはこれは一般職の公務員についても何らかの措置は望ましかったと思っております。これはただいまでもさように思っております。これを反対に申しますれば、人事院が給与のベース・アップの勧告をやりましたことが、これまで六回ほどございまするけれども、その場合は一般職のみならずやはりそちらの方もよくなっておるわけでございますから、これを裏に返して考えますれば同様なことになるように思っております。
○荒木正三郎君 ただいま人事院総裁の言われたように業績手当というふうな形で現業関係並びにそういう方面に一時金が出た、公務員の方にはそういう制度がない。従って公務員の場合はなかなか出しにくいのだ、そういうお話しでありましたが、しかし、実質的な問題としては、どういう名目で支給されたとしても、実質的な問題としてはやはり待遇の改善の一部として実施されたことは事実であるわけであります。従ってこの問題はこの三月末で済んだわけでありますが、解決されなくても将来期末手当等の場合にはやはりそういうことを勘案して考慮するというふうな道はないのですか。
○政府委員(淺井清君) お答えを申し上げますが、一般職公務員について業績手当ということは私は考えられないのじゃないかと思っております。これはその業績手当ということが非常に困難でございます。ただし、これが何か営業の成績を上げるとか、あるいは経費の節減をするとか、この両者相待って業績手当になるわけでございますから、一般職公務員につきましては、営業の成績を上げるということはこれは考えられない、ただ、経費の節減ということは、これは考えられるかもしれぬ、そういうところから考えまして、一般職公務員にいわゆる業績手当のごとき制度が全然不可能だとは考えておりませんけれども、私どもの率直なる感じといたしましては、そのために年度末に金を出すというようなことよりも、何かもっとほかにいい方法によって改善する道はありはしないか、われわれとしてはそういうふうに考えております。
○荒木正三郎君 その具体的な点をあげてもらいたいと思うのです。何らかの方法によって改善する道があるのではないかという具体的な方法。
○政府委員(淺井清君) そういう点はわれわれとして十分ただいま研究中でありまして、今何らかと申し上げましたのは、まだ何も具体的なものがまとまっていないという意味でございまするから、御了承願いたいと思います。
○荒木正三郎君 それから将来の問題ですね、いろいろ今後公共企業関係の方面では、組合側と当局と折衝が続けられてゆくと思うのですが、あの調停案によりますと、やはりベース・アップの問題も当然交渉の中に入ってくると思うので、そういう結果が明らかになってきた場合は、そうしてそこに公務員との不均衡が生じたということがはっきりしてきた場合に、人事院としては勧告なり何らか適切な措置をおとりになるのかどうか、そういう点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(淺井清君) まことにごもっともでございまして、ともかく一方には団交権があり、それによって給与が逐次よくなりつつあるということは、これは動かすべからざる事実でございます。一方には団交権がない。その団交権のかわりに人事院という制度があり、勧告という制度があると、かようにわれわれは了解しておる次第でありまするからして、この一般職公務員の給与が将来あまり不均衡にならないように、われわれとして努力することは当然のことであろうと考えております。
○荒木正三郎君 それで不均衡がはっきりしてきた場台、勧告とかそういう措置をとられるかどうか。
○政府委員(淺井清君) その点はまだ研究中でございまするけれども、あるいはそのようなこともあろうかと思います。
○湯山勇君 今のに関連してお尋ねいたしたいのですが、今回の、三公社は別として、五現業については、特に総裁は、業績手当であるかないかについて政府側の意見を聞いただけなのか、事実についてお調べになったか、私はこの点が非常に重要な点だと思います。そこでその点についてまずお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(淺井清君) 人事院といたしましては、政府の見解ももちろん聞きましたし、また調停委員会の委員長に対して文書をもってその点を、調停案のいわゆる一時金の性格を明らかにするように申し入れをいたしました。これは三月十三日にたしか申し入れをしたと思いまするが、その返事が非常におくれまして、四月五日にようやく返事が参りましたが、これは両方ともやはり業績手当と、こういうふうに解釈しておるようでございます。それ以上に人事院が何か調べたかどうかというお尋ねでございまするならば、それは実際不可能に属することじゃないだろうか。つまりそれでは五現業の一々の業績を調べてゆかなければならぬ、それは人事院の権限外のことでもありますし、われわれとしてはこれまでやったところで満足しなければならぬのではないかと、かように思っております。
○湯山勇君 人事院はそれ以上調べられないということをおっしゃいましたが、しかし、民間給与の実態等につきましては、相当立ち入った調査もしておられますし、また、今回とられた措置についても、人事院の所管外の給与に関する問題ですから、人事院の調査という立場から、果してそれが正しい意味での業績手当であったかどうかというようなことは、私は決して権限外のことでもないし、必要なことではないかと思いますが、その点についてどうお考えでしょう。
○政府委員(淺井清君) 民間企業の場合は、給与自体を調べるのでございまするから、これはできるように思います。業績手当であるかどうかということは、これは特例法の規定その他から見るわけでございまするから、これは人事院が業績手当であるとかないとか断定いたすことは、ほとんど不可能ではないか、かように申したつもりであります。
○湯山勇君 それではその点に関する問題は一応それで終りまして、次に、総裁が先ほどから打つべき手は打った、けれども現在のところは不幸にして目的を達しなかったというお話しですが、打つべき手を打ったというのはどういう内容のものか、あるいは御説明があったかもしれませんけれども、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(淺井清君) その打つべき手は打ったというのでございますけれども、人事院といたしましては、給与担当の大臣に対しまして、文書で三月十三日、もしも不均衡が生じた場合には、一般職公務員についても、同様の措置を、均衡を失しないような措置がとってほしいということを文書でもって申し入れたことは、御承知の通りでございます。その後これについて人事院といたしましては、最後に、ともかくこれが業績手当であるかどうかということは別問題として、国交権を持っておる者が団交によって給与がよくなったこと、これは動かすべからざる事実である。従って団交権のない者に対して、それではどうも割り切れない感じが残るのじゃないか、よってこれが業績手当であろうとなかろうと、ともかく一般職公務員に対しても何らかの措置がとってほしいというような意味を、口頭をもって折衝をいたしましたのですが、それは閣議においていれられることができなかったのは、御承知の通りでございます。
○湯山勇君 そこで問題は、総裁の申し入れになった中に、不均衡が生じた場合にはという条件がついております。閣議において措置することはあるいはできなかったにしても、不均衡が生じたということを認めたのか認めなかったのか、それを実施した場合に生ずるということを認めたのか認めなかったのか、これはいかがでしょう。
○政府委員(淺井清君) 不均衡であるということは、出た一時金が業績手当でないか、あるいは業績手当でない部分が存在するということを立証しなければならぬ。これは人事院としては事実不可能に近いものでございまするから、そこで不均衡が生じたとも生じないとも、最後には言わなかったのでございます。
○湯山勇君 それでは重ねてお尋ねいたしますが、それは二点ございます。一点は、つまり現業官庁、五現業の中に団体交渉権を持っておるものと持たないものがございます。その持たないものに対してどういう措置をとっておるか、これは特例法もございますけれども、その点がやはり今度の場合の一つのかぎになると思います。 それから第二は、今業績手当の問題だけ総裁はおっしゃいましたが、あの調停案には、期末手当がうたわれております。期末手当がああいう調停案のように措置された場合には、これは業績手当かどうかということを一時金について論議するそういう論議ではなくて、明確に期末手当が現在の一般職並みにされた場合には不均衡が生じてくる、これは明瞭な事実だと思いますが、この二点について総裁の御所見を伺いたい。
○政府委員(淺井清君) ちょっと技術的な問題がありますから、給与局長から答弁させます。
○政府委員(瀧本忠男君) お尋ねの第一点について御説明申し上げます。五現業関係におきましては、管理的な事務に従事いたしております者は、御承知のように団交権がございません。従来同じ企業に属しておりながら、団交権がある人々とない人々との間に、給与体系上もそれだけアンバランスが生じることがありますのは、これは企業をやってゆきます上に、非常に不都合だということが従来考えられておったのであります。そのためにいわゆる給与の特例法というものができまして、その適用によりまして、団交権を持たないかかる業に従事いたしております管理的事務に属する者も、団交権を持っておる者と同様の所遇が行われることに相なったのでございまするから、この点は団交の結果がそういう人々に及んでおるということは考えられる、このように思います。 第二点の期末手当でございまするが……。
○湯山勇君 ちょっとそれは一つ総裁から聞きたいですね、その問題は。
○政府委員(淺井清君) ちょっとあとでお答えします。
○政府委員(瀧本忠男君) すべて今後の団交にゆだねてきめられるということでございまするので、どのようになりまするか、まあこれは今後の問題に属すると思うのであります。従いまして今後人事院が一般職の給与を考えて参ります際に、人事院といたしましては、やはり基本的には、同様の職務内容を持っておりまする民間給与というものを第一義的にこれを勘案するということになるだろうと思います。そのときに五現業のバランスというものも、これは同じ公務員でございまするので、当然考えなきゃならぬのでありまするが、どの程度に勘案していくかということでありまするが、全然これを向うの方がどういう進行になりますか、その進行に従いましては、全然無視することはできないかもしれません。まあそのときになりまして、やはりわれわれとすれば均衡がとれるような方法で考えるべきであろう、このように考えます。
○政府委員(淺井清君) ただいま給与局長からお答えを申し上げましたように、第一の問題につきましては、法律上さように処置がなっておるので、これはいかんともできてない結果だろうと思っております。 それから第二の期末手当の問題につきまして、これをどうするかということは、人事院が近き将来において給与の報告をいたすべき時期に来ておりますので、その際に再検討をいたしたいと思っております。
○湯山勇君 大体御答弁の内容は了解できると思います。ただ、その中で今総裁がおっしゃいましたように、報告をする時期が来るから、そのときに考慮するということでございますが、昨年にしても一昨年にしてもベース・アップの勧告は留保されておるのであって、あれは立ち消えになっているのではないと私どもは把握しております。そこで、今日この段階においても業績手当かどうかという検討は、これは人事院総裁としてはそれを断定することはできない、まあ実質よくなっていることは事実だ。それから期末手当におきましても、現実には昨年の期末手当も一般職と同じような支給がなされておるように聞いておりますし、また今回の調停案においても、そういうことが明瞭に打ち出されておる。そうだとすれば、今団交の結果、何らかの結論が出れば、その段階において今留保しておる給与の勧告を、調査の提示の時期まで待たないで留保しているものを解除する、そういう方法も方法としては成り立つのではないか、やるやらないという問題は別として、方法としては成り立つのではないか、こういうことについてどうお考えか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(淺井清君) ベース・アップの勧告はただいまやる用意を持っておりません。これはただいまやる用意がないという意味でございます。もちろん勧告は留保いたしたまま二年間を経過いたしておりますのですが、人事院といたしましては今度の給与の報告におきましては、もう一ぺん民間の新しい賃金を研究いたしたいと思いまして、ただいまそれを進めておる次第でございまするから、今直ちに何らの報告をするという用意はございませんが、これは少し時間がかかるかと思っております。
○湯山勇君 留保を解除するということについて、留保しているということは勧告しないということではないと思います。そこで留保を解除するという時期については、これは人事院で任意にできる問題だと思いますが、この点についてはどうお考えになっておられるか。それから第二は、当然ベース・アップを勧告しなければならないような条件がありながら、二年間にわたって留保するというようなやり方は、人事院としていいやり方かどうか、あるいはそういうことで果して人事院の役目が果せるのかどうか、こういう点についてはどうお考えでしょうか。
○政府委員(淺井清君) 勧告の留保をしていることは事実でございますが、この留保を解くかどうかは、これは重大問題でございまするから、人事院としてよく研究をいたしたい、こういう意味でございます。
○湯山勇君 あとの方は……、あとの問題ですね、留保を二ヵ年も続けるということはどういうことなのか、それは昨年のも今日まで留保されているし、一昨年のもこれは消滅したんじゃないように把握をしておりますが、留保のままですから……。そうすると一昨年留保されたもの、昨年留保されたものが今日ここへたまってきているというようにも把握されます。こういうやり方が、果して人事院の使命としていい悪いは別というのじゃなくて、妥当なやり方かどうか、これについて総裁の御所見を伺いたい。
○政府委員(淺井清君) 人事院といたしましては、なるほど公務員の利益も保護いたしますが、同時に納税者たる国民全体の了承が得られるような報告をしなきゃならぬ。その意味において、ただベース・アップをするだけが人事院の役目でもないと考えております。もとよりそれは決して公務員の保護をなおざりにするというのではございません。それでこの勧告の留保を解くということも、とくと慎重に考えたいと思います。
○湯山勇君 最後に、総裁の御意見は少し拡大し過ぎているのではないかと思います。人事院は公務員の保護機関ですから、その方が第一義であって、国民の納得が得られるか得られないかというのは、それはそのために国会があり、政府があるわけですから、人事院がそういうことまで考慮して当然やらなければならないことを、しかも二カ年間にわたって留保するということは、それは人事院としては少し行き過ぎではないかと思います。これはどうお考えでしょうか、その点についてのお考えと、そうして今度の場合、三公社五現業のそれとの関係もあって、先ほど荒木委員に御答弁になったように、当然何らかの対策をお考えになると思いますけれども、今度お考えになる場合には、ぜひ一つ国民の納得を得られる得られないは、われわれの方の仕事にまかせてもらって、純粋に人事院本来の使命に立った勧告をしてもらいたいという希望を持っておりますが、それについてのお考え……。
○政府委員(淺井清君) お言葉を返すようでございまするけれども、とにかくその人事院本来の使命というところに問題があるように思いますが、人事院といたしましては厳正な、中立機関としてやはり国民の納得を得られる、つまり世論の支持を得られるということも、これはかくべからざる要素のように思っております。ただし、これがために決して公務員の保護を怠る、そういう意味ではないのでございまして、その点は御了承を得たいと思います。
○矢嶋三義君 淺井総裁に伺いますが、あなたは三公社五現業に対してとられた処置によって、一般職との間にやや不均衡が生じたのではないかという直感を私は持っておられるのではないかと、かように推察いたしますがいかがでございますか。
○政府委員(淺井清君) 直感ということは、ちょっとこの席で申し上げていいかどうかわからぬと思います。ただ、問題は不均衡が生じたか生じないか、これを決定することが非常に困難だと、こういうことをさいぜんから申しておるわけでございます。
○矢嶋三義君 それでは申し上げます。国会の審議の結果を待たなければなりませんが、政府与党の方では、人事院の廃止を党の方針として決定されております。あとほど伺いたいと思いますが、あなたのところでかつて政府、国会に勧告された地域給の問題にしろ、さらに当面の三公社、五現業にとられたところの措置と一般職との均衡の問題は、当面人事院としては信念に基いて早急に解決されなければならない問題だと私は考えます。人事院が廃止になるかどうかということは、国会の審議結果をみなければわからないわけですが、事は私は早急に処理さるべきものだと思うのです。総裁は本日に至るまでの公私の言動から若干の不均衡ができたという御心境にあるものと私は推察をいたします。それを業績手当という名のもとに逃げている。失礼かもしれないが、人事院として当然とるべき態度を回避しているやに私は感ぜられてなりません。先ほど来あなたのお言葉を承わっておりますというと、団交権を持ったところの方々がよくなったことは事実だと、それに伴って一般職に対しては何か処置してほしいと、それが望ましいとかつて考えたし、現在でも考えていると、この言葉は前提には私はやや不均衡というものは生じたと、従って一般職に対しても何らか考慮さるべきだと、こういうことに私は相なると思うのです。で、政府側は業績手当であると、この活字のもとに政府は逃げたとなれば、あなたのところの職責としては、当然このデータをもって結論を出す、そうして新たな意思表示というものを当然なされてしかるべきだ。それを政府は業績手当といって逃げているので、その名に隠れてあなたのところは次の手を打たれないということは、少くとも現在現存するところの人事院の使命からして、私は納得しかねる点があるのでございますが、御所見いかがでございましょう。
○政府委員(淺井清君) 次の手もしくは新たな手を打つと仰せになりましたのがどういうことであるか存じませんが、人事院といたしましては政府に折衝をいたしまして、これを閣議まで持って出てもらったわけでございまするから、それ以上打つ手がないと、さいぜんから申しておるわけであります。
○矢嶋三義君 それでは今後何ですか、その新たに一般職の職員に対して何らかの措置をしなければならないかどうかということの研究は、もうすでにする余地はないという御見解ですか。まさか私はそうじゃないと思うのですが、今研究段階だというわけですか。
○政府委員(淺井清君) ただいまこれ以上打つ手がないと申しましたのは、三月に支給された一時金について申しておるのでありまして、今後一般職の公務員の給与を、どのように改善するかということについては研究中である、これもさいぜんお答えをした通りであります。
○矢嶋三義君 それでは文部大臣にこの際伺いますが、あなたがここに御出席になられる前に、総裁はこういうことを発言されております。これは他の委員会においても再三再四総裁が発言されたことですが、それはこのたびの三公社五現業に対する処置によって団交権を持った方々がよくなったと、それからまた、団交権を持っている労組関係の方々が次第々々によくなりつつあるということは事実である。従って政府としては一般職の公務員に対しても何らかの措置がなされてほしかったと、それが望ましかったと、で、三月十三日付文書をもって一応担当国務大臣に申し入れもしたが、内閣の方針としてこれは受け入れられなかったことは遺憾であると、こういう人事院総裁としての発言がなされておりますことは私は明白だと思うのです。文部大臣であり、かつ国務大臣であるあなたは、一般職の公務員、特にあなたの所管下には約五十万の一般職の教育公務員という方々がおられるわけですが、どういう御所見でごさいますか。さらに閣内においてどういう御努力をなされようとされるのか承わりたいと思います。
○国務大臣(清瀬一郎君) 私も先刻から聞いておりましたが、今度の二公社、五現業のあの調停では、業績手当という性質のものであるので、給与において変化はしておらぬというふうにも私が出席してから聞いたのであります。内閣もさように思いまして、今回の調停の結果、一般職の給与を上げなければならぬとは考えておらぬのでございます。
○矢嶋三義君 答弁不満です。三公社、五現業に対する一時金の問題については他の委員から質疑が出ないようですから、この際に、この先般の委員会で地域給の問題についてわれわれから質問し、大臣がそれに対して善処されるお約束をされ、次回の委員会において何らかの御報告をされるということで先般の委員会を終っているわけですが、ここでその報告を承わりたいと思います。
○国務大臣(清瀬一郎君) 先般の委員会で御説のような御意見もあり、私も給与大臣と折衝いたすことを約束いたしました。その約束に従って給与大臣と前後数回折衝いたしましたが、給与大臣の方では、地域給のことは昭和二十九年に御引用の通りの勧告がありましたが、その後の情勢で、政府の方針としては公務員制度の全般の調査を始めておると、その調査をもって根本的な解決をいたすのであって、昭和二十九年の地域給を改めろという勧告に対して、今すぐ措置をとる考えはないのだと、なるべくすみやかに公務員全体の制度、わけても給与の制度については公平なものを作りたいと、こういう考えでございました。で、参議院文教委員会では地域給のことも考えてもらいたいという強い意見があるがということも申し述べ、考えを求めましたけれども、今やっておる給与全体についての調査を急ぐと、こういうことでございましたから、御了承願いたいと思います。
○矢嶋三義君 給与全体に対する調査を、その対策を講ずるということは、それはそれでけっこうです。しかし、この前この委員会で問題になった点は、かような根本的な問題もさることながら、市町村合併によって、地域給がアンバランスになっているために、学校教職員の人事交流に非常に支障をきたしている。これは他の省関係の公務員には比較的少くて、教育関係の公務員に最も影響の大きい問題である。従ってこの人事交流がスムースにいくために、早急にこれを処理してほしいというところに一つの大きな質疑の重点があったと私は記憶をいたしております。従って私は文部大臣としてはそういう角度から善処されたと思うのですが、それについてあらためて伺いますが、その前に総裁にお伺いしたいのですが、人事院としては二十九年五月にその勧告をされた、ところが政府の方は本日まで調査室で検討するというので、実際はほおかぶりして本日に至っておる。その間にこの市町村合併というものがずいぶんと促進され、その結果は、今私が申し上げましたように、特にこの教育公務員の場合人事交流に支障をきたし、ひいては教育に支障をきたしている実情である。かような市町村の合併については、先般もここで給与局長から方針を承わったわけで、人事院としてはまあ考慮されているわけなんですが、 〔委員長退席、理事有馬英二君着 席〕 それは実際に行われていない。こういう段階に政府として根本的に全体的に調査対策を講ぜられることもさることながら、当面の問題として、私は市町村合併を考慮に入れて、人事院として官署指定の方針をとり、そして各都道府県の人事委員会がそれにならって官署指定をする。それによって当面の行政の支障を食いとめるというように、そういう私は具体的な当面の救済法があるかと思うのですが、人事院総裁としてどういうふうにお考えになりますか。まず、人事院総裁のその御見解を承わって、そして先ほどの質問に対する文部部大臣の答弁を承わりたいと思います。
○政府委員(淺井清君) お答えをいたしますが、官署指定では、この問題は解決しないように思っております。第一に、官署指定は国の官署だけの問題でございまするから、当然地方公務員には及びません。もちろん今矢嶋さんはそれに従って地方でもならわせたらよかろういう御説でございましたけれども、官署指定には限界のあることでございまするから、との方法ではどうもただいま仰せられたような市町村合併に伴う地域給のアンバランスは解決しないように思っております。
○矢嶋三義君 ただいまの淺井総裁の答弁では、市町村合併に伴うところのアンバランスというものは是正しなければならないが、われわれが勧告したところのものを政府並びに国会で取り上げないようでは、どうにも解決の方法はない、すべがない、まあこういう御答弁でありますが、それでは文部大臣はいかにしてその障害を除去されようという腹案を持っておられるのか、どういう努力をされようとされておるのか、その点を承わりたいと思います。要するに伺っておる焦点は、全体的調査対策をするとかそういうことでなくて、当面行政上非常に困っておる問題を解決するという点に焦点を合せて伺っておるわけですから、その角度でお答え願いたいと思います。
○国務大臣(清瀬一郎君) その同一市町村内の職員についても差異があって実際上困るということは私も申し、給与大臣がよく御承知なんです。公務員の制度全体について調査するということは、すみやかに調査してその方法でその不便を除こう、こういうことと了解しておるのであります。
○矢嶋三義君 その調査に基く結論はいつごろ得られると大臣は推測されておるか、また、いつを目途に研究されておるというようなお話を承わっておりますが、大臣を通じて承わっておきたいと思います。
○国務大臣(清瀬一郎君) そのことは数分後に倉石国務大臣がお出ましになりましょうから、所管の倉石大臣からお聞きを願いたいと思っております。時期的にいつということは私が申し上げることはちょっと遠慮したい。
○矢嶋三義君 それではもうあなたにこれ以上伺いませんが、ただ一言申し上げておくことば、この前の委員会でも申し上げましたように、二カ年というものは実質上ほおかぶりされておる。本気に調査して結論を出そうと思えば、私は出ないことはないと思う。二年以上ほおかぶりして本日まで放置しておる。その結果は先ほども申し上げましたように人事行政が円滑にいかずに、教育にさえ支障をきたしておるという事態なんです。従ってこの支障排除のために、私は早急に善処をさるべきだと思うのですが、大臣の今の御答弁の状況では、さらに一段の御努力を願わなければ私は解決はなかなかできないのじゃないかということを心配いたしております。で、倉石労働大臣がお見えになってから、あらためて大臣から承わって、文部大臣にさらに必要があれば伺いますが、先般来本委員会で質疑がされてから担当の大臣とお会いになって努力されたということは多といたしますが、ささやかなようで、しかも重大であり、早急に処理されなければならぬ問題であるということを肝に銘じられて、さらに御努力をされるように強く要望出し上げておきます。
○荒木正三郎君 淺井総裁にお尋ねしておきたいと思うのですが、今問題になっておる地域給の問題ですね。これはもう勧告されてから二年くらいたっておるわけです。その後事情も若干の変化があって、経済的な事情もありますし、行政的な事情もありますが、そういう事情の変化があってあの勧告を基礎にしてさらに若干の補正をする必要があると思うのですが、そういう点は認めておられませんか。
○政府委員(淺井清君) それは確かにあるかもしれません。しかし、人事院といたしましては今あらためて地域給の勧告をするという用意は持っておりません。それよりもおそらくもっと根本的な解決の方向へ向っていくのじゃないか、こういうふうに思っております。
○荒木正三郎君 もっと根本的な解決というのは……。
○政府委員(淺井清君) 結局それは地域給を廃止する方向へ向っていくのじゃないかと思います。ただ問題はどうして廃止するかということが問題だろうと思っております。もちろん人事院といたしましても、地域給は将来廃止するという根本的な問題は、これは決して反対ではないのであります。ただ、どうやって、かつどうして既得権を阻害しないでこれが廃止できるか、こういう点が問題だろうと思います。
○荒木正三郎君 地域給の問題について根本的な検討に迫られている。そういうお話しでしたが、これはなかなか私は大きな問題だと思う。それまでに部分的な不合理を是正しておく必要があるのじゃないか、私は今日もそういう必要があるのじゃないかと思っておるのですが、それは人事院としても認めておられるのですね。
○政府委員(淺井清君) その点はおそらく公務員制度調査会の答申が問題になるだろうと思っております。これは現在よりもさらに地域給の段階を縮めて、そうして不均衡をなくするという方向であります。
○荒木正三郎君 ついでに公務員制度調査会の答申の問題について、いつごろ行われるのか、ちょっとこの際お聞きしておきたいと思います。
○政府委員(淺井清君) これはすでに行われておるのでありまして、政府はその答申を受けて今清瀬文部大臣の言われたように研究中であると、そういう意味であります。
○荒木正三郎君 地域給の問題については、労働大臣にお尋ねをいたしますとして、いま一つの問題は教員の給与の問題に関連して三本建の問題があるのです。これは人事院の総裁御存じですか、三本建の問題。
○政府委員(淺井清君) 私まだ実は……、その三本建という言葉はよく存じております。しかし現在何かその三本建について法案が出ているのでございましたら、私ちょっとうかつでございますが、まだそれは見ておりません。
○荒木正三郎君 これは給与局長の方が御存じだろうと思うのですが、すでに一件年でしたか、議員立法で法制化されているわけです。現に実施されているわけです。これは人事院で検討された結果出ておる法案ではなしに、議員立法として出された法案であります。これは非常に不合理が多いわけで、今日でもいろいろ問題になっているわけであります。この問題については人事院としては御研究なり御検討になったことはございませんか。
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院としましては、この前いわゆる三本建の法案が国会を通過して現在一部修正して実施されておりますが、それに先だちいわゆる給与準則の勧告をいたしたのであります。そのときに教員給与というものは、これはかくあるべきものであるという人事院の考え方は言ってあるわけでありまして、まあその一部分を取り入れたような形で、また、若干のほかのものも加わっておるような形で実は三本建が実施されたように思っております。これは国会でおきめになったことでございまするので、われわれといたしましては国会がおきめになった法律でございまするから、これは忠実にそれを実施しておる。しかしその実施に当りまして人事院規則等にゆだねられる範囲におきましては、これはできる限り円滑にいくように注意はいたしております。
○荒木正三郎君 この問題について清瀬文部文臣の所見を伺っておきたいと思うのです。これは松村文部大臣のときにも問題になりまして、松村文部大臣のときは若干不合理なところはあるというふうにお認めになっておったと私は思うのです。従って機会を得て不合理は是正したい、こういう意見を述べておられたのですが、これは文部大臣引き継いでおられると思うのですが、引き継いでおられるかどうかは別問題として、大臣はその問題について、不合理な点は是正するという考えを持っておられるのかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(清瀬一郎君) あれは松村君には責任のないことで、私が政調会長をやっておった時分に、議員提案でああいうふうにしたのであります。その後各方面の御意見もありますから、十分研究したいと思っております。
○荒木正三郎君 十分研究したいと言っても、もうあれは実施されてから二年くらいたつのです。その間ごうごうたる非難が続いておるわけです。研究したいという答弁では困るわけですよ。
○国務大臣(清瀬一郎君) あの当時私はあれがいいと思っていたのです。しかしながら、そうえこじに議案を固執すべきものでないと思いまするから、その後いいという論もあるのですよ、しかしながら、あなたと同じ論も耳にしまするから、十分に研究したいと思っております。
○荒木正三郎君 それじゃ文部大臣に尋ねますが、私この間中学校へ行って聞いたのですが、高等学校からこの春中学校へ転任したのですよ、そうしたら一号俸引き下げられたのです。こういうことは不合理でないとお考えになりますか、文部大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(清瀬一郎君) まあ、それは一つ研究したいと思っているのです。どの法律でも実施すると、多少差しつかえの出る点もありまするので、これは学歴と勤務の年数とを全く同等に扱わなかったのです、そういうところから胚胎しているのですね。そういう不合理がまたこれを幾らか修正してできることであるかどうか、十分研究したいと思っています。
○荒木正三郎君 研究したいということはある程度不合理を認めておられるということになるわけですね。
○国務大臣(清瀬一郎君) まあ、それは御解釈にまかせまするが、ほんとうに一体それが救済すべからざる欠点であるかどうか一つよく研究しまして、実際悪いところがあれば、何も固執する考えはないのであります。
○矢嶋三義君 大臣それはおかしいですよ。この間のここの委員会で私がそれと酷似のケースをあげて大臣にどう考えられますかと言ったら、そういうことが実際あるとすれば、それは不合理だとはっきり答弁されて、その是正に御研究ありたいと言ったら、すると約束したのであって、今荒木委員の不合理と思わないかという質疑に対して、どういうわけでわずか一週間しか経過していないのに、そのように発言を渋られるのでございますか、お伺いします。
○国務大臣(清瀬一郎君) ちっとも渋ってやしませんよ。あのとき非常に抽象的なことを……。
○矢嶋三義君 抽象的じゃない。具体的にはっきり示して伺ったのです。
○国務大臣(清瀬一郎君) 私はおよそ世の中に不公平なことというのはきらいだから、不公平なことがあったら是正することにやぶさかでない、詳しく研究いたしますと言って、私は今もその通りで、今荒木さんのおっしゃる通りそれが救うべからざる不公平であるならば、これは是正しなければなりませんが、十分研究しよう、わずか一週間の間でありまするから、研究ができておらんのでありまして、あなたに答えたのと荒木さんと差別扱いは一つもせんので、この際ほんとうに不公平があるなら、世の中に不公平はよくないことだから、是正するのだということなんです。
○矢嶋三義君 ちょっともう一回、研究をようしなくても判断力を持っておったら今すぐ結論が出ることなんですよ。今荒木委員の言われたことは高等学校におった先生が中学校に転任した、そうしたら一号下った、私がこの前伺ったのは、高校学校に勤務されていた、で、その人が認められて中学校の校長に転任になった、そうして一号俸下った、そういうケースは幾らでもあるのです。そういうことは望ましいか望ましくないことかということは、研究されるまでもなく、それだけの資料で大臣としてはそれは望ましいことか望ましくないことか、私は御答弁願える性質のものだと思うのです。重ねて伺います。
○国務大臣(清瀬一郎君) あなたのおっしゃるだけでも、やはり研究点があるのですよ。高等学校の先生が中学の校長になるということは、本人も御承知の上でやっておることでありまするし、また、それでもやはり校長になりたいというのじゃったら、ほかに原因もあるだろうし、いろいろこれは考えなければならぬ。われわれは三本建をやったのは、勤務の一年と学歴の一年を、同一とすべきではなかろうと考えた、学校へ行くのは、やはり父兄から学費の支給も負うておるだろうしということで、これはやってみたのです。なお、あなた方のおっしゃる例も頭においてよく考えてみたいと思います。
○矢嶋三義君 ただいまの大臣の答弁は、私は少くとも委員会における大臣の答弁を逸脱しておると思う。極端に言えば、政党人が政党内閣の大臣になりたいと希望したら、そんな事情なんか勘案したら、大臣の歳費なんかというのはゼロですよ。そういう極端な意見も出てきますよ。私が今あげたケースは、何も高等学校の先生が中学校の校長に出たくて運動して、そして希望に基いて中学校の校長になって、そしてベース・ダウンがあったというケースじゃございません。そういうことを議論の要素に入れてやったんなら問題にならないと思う。そういうことを希望すれば失礼かもしらぬが、今私が言ったように、大臣の歳費を、議員の歳費を安くして、ゼロにしてもいいというような私は暴論も出てくると思う。従って、もう少し大臣、ほかからもよくお聞きになって、この次には答弁らしい答弁ができるように御研究おきいただきたいことを要求しておきます。
○理事(有馬英二君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(有馬英二君) 速記を始めて下さい。
○荒木正三郎君 文部大臣ですね、先ほどの答弁では研究をすると、こういえお話しでした。それでまあ無制限に研究する、研究するで、いつまでも放任する手もあるわけですよ。清瀬文部大臣はまさかそういうことは考えておらないだろうと思うのですが、大体研究の結論はこの国会の会期中に出るように研究を進めるというようなお考えを持っておられますか。
○国務大臣(清瀬一郎君) 重要なことですから、すみやかにやりたいのでありますが、期間はどうもいつまでということをここでお受け合いすることは困難かと思います。
○荒木正三郎君 大体の目安ですね、それは当然あると思うのですよ。のんべんだらりと研究するということはないと思うのですが、大体どれぐらいの目安であなた自身が研究されることも必要でしょうし、また、文部省のそれぞれの担当部局において研究させられると思うのですが、大体の目安をどういうようにきめておられるかということを聞いておるのです。
○国務大臣(清瀬一郎君) すみやかにということに御了承を願いたいと思うのです。ここに私は資料も持っております。自分だけの研究は容易なことです。しかしながら、この政治情勢においては、党の意見も聞かなければなりませんし、閣議の了承も求めなければなりませんし、なるべくすみやかにはいたしますが、いついつかまでといったようなことを、ここで本日私独断で約束はできませんですから、なるべくすみやかにということに御了承願いたいと思います。
○荒木正三郎君 まあそこまで最終的な結論じゃなしに、文部省内だけでもどれぐらいの目安で研究を進めるかということでよろしいです。
○国務大臣(清瀬一郎君) 文部省は行政庁でして、文部省の意見などを申し上げても御参考にならぬと思いますので、もう少し政治的にも私は方向がきまらなければ、申し上げて必ずしもまたそれができなかったら、紛糾がございますから、これは著名な問題でございましてね、みな代議士に意見のある問題ですから、もう少しゆとりをとっていただきたいんです。
○安部キミ子君 三本建の問題について、先ほど大臣が御答弁になった中で、松村前文部大臣もこの不合理性については認めていられるという話から発展いたしまして、あなたの御答弁は松村君には罪がないのだ。当時私もそれにはいろいろ参与しておったがというような意味の言葉がありましたが、そういうふうにたしかにあの当時は自由党がこの案を出しまして、改進党が賛成なさっていらっしゃるのですね。そのように現に今この問題が不合理だということは、あなたもお認めになっておると思う。それだから研究なさらなければならない段階になっておる。これは先ほど他の委員からおっしゃいましたように、もうはっきり小学校の二年生くらいの子供に聞かしてもですね、今の現象から見て不合理だということはわかっているのです。そういうふうにわかりきったような悪い法律でも、当時おそらくあなたは改進党で重要な地位についておられて、しかもこの問題については相当責任のある立場で改進党の賛成をとられたと思うのですが、悪い法律とは知りながら、私はこの問題を賛成しておいでになると思う。で今になってね、研究しなければならんとか、何とかといって、まだ二年そこそこしかたたない法律でも、もうしっぽを出しておるんですね。そうでなくてもこの法律が実施されたその瞬間から間違った法律だから、不合理性が出ているんですが、しかしこういうふうな悪い法律を大臣がですね、今度あなたは今大臣になっておられるんで、責任は重いんですよ、ね。そういうふうなことから考えまして、ちょっと法律を出されるときは、この法律でなしに、ほかの法律でも今別にいろいろな法律が出ておりますが、責任をね、持ってですよ、二年や三年ですぐしっぽを出す、いや、そうじゃなくてあくる日から不合理性があるというような悪い法律を出されるということについて、私は大臣にもう少し慎重にやってもらいたいと思うのです。先ほどからるる話を聞いておりまして、何と頼りない大臣だろうか、何度発言なされましても、つかみどころのない。これが一国の文部行政の責任者ということになると、何と私どもにとって国民にとって不幸じゃないかと思ったんですが、どうですか、少し信念を持ったりっぱな法律を出すという研究を十分やってもらったらどうでしょうか。私は大臣の根本的な教育全体に対する態度の問題になってくると思うのですが、大臣の考え方なりですね、自分のとってきた行動に対する反省といいますか、責任について所信を述べてもらいたいと思う。
○国務大臣(清瀬一郎君) 御勧告のうちに、やはり質問も含んでおると思いますから、お答えいたしますが、私はこの法律は全体としては悪い法律とは思っておりませんが、しかしながら、今荒木さんや矢嶋さんがおっしゃる特殊の事例を見れば、なるほど不均衡な場合があるのではないかと心配しております。この法律があるまでは、私は大学教授とそれから中学以下の義務教育との間に谷ができて、高等学校の人は不利益をこうむっている。これを均衡にしようというのが大体の趣旨です。大体均衡になっておるのでありますが、甲から乙へ転任するときの場合に、特殊の事情によって、そこに断層ができるといったようなことは、あなた方おっしゃるお二人は実験家でありますから、そういうことがあるのだろうが、そうすればそこは不均衡だというので、全体としてこの法律は私は悪い法律を出したとは思っておらない。今おっしゃるようなことであったなら修正でもすべきじゃなかろうか、こういう感想をもってさらに研究しよう、こう申し上げておるのです。あなたから強い言葉をもって御非難になりましたけれども、全体として非常に悪いことをしたとは思っておりません。
○安部キミ子君 社会党はこの法案が出ましたときに、最初から反対しました。そうして今質問の議題になっておりますようなことも、その当時委員会でるる質問がなされて、私どもはこういう法律は出すべきでないという建前から反対しております。今地方教育行政の改正案が出ておりますけれども、こういうふうなこともはっきりしているのです。悪いということを、それにあなたはこれを強行突破しようとしておられるというふうなことで、いい法律であれば、社会党だって賛成しているのです。けれども国民が反対し、はっきり教育の面でまずいということであれば、やっぱり国民の声も聞いて、一年や二年たってから、またすぐああこれは悪かったというふうに、もし文部大臣がこれからも三年、五年も先にまでずっと大臣をお勤めになったとかりにしましたら、これは全くどうですかね。その責任というものがあまりに軽々しくて私は国民にとっては非常に迷惑なことだと思うのですが、あなたの物の考え方が何か国民の考え方とぴったりしないという面が多々出ているように思うのですが、その点文部大臣はもう少しその国民の声を謙虚に聞こう、こういう態度をとってもらいたいと思いますが、今からでもおそくはないと思うのです。それでどうですか、私今お話を聞いてみて実に何といいますか、私は先生方の給与の問題のことで、あるいは教育全体の方針とか何とかということとちょっとそれているようですけれども、全くきのう悪いことをしていても、きょうになったら平気であああれは悪かったとこう言ってあやまればいいというような軽い気持で、すべてのことを処理されたのじゃ、国民にとっては大へん迷惑だと思います。この点もう少し文部行政の重要性を、しかもあなたの今の立場の重要性を考えて慎重にやってもらいたいと思いますが、大臣のその点の一点だけの所信だけをお伺いしたい。
○国務大臣(清瀬一郎君) 私の責任ですが、責任は私はとるだけのあやまちはしておらぬつもりであります。しかしながら、私は世間一般の議論に十分耳を傾けて今の御議論は、今回提案している地方教育行政の組織並びに運営のことと思いまするが、現在の日本としては私はあれが一番いいと思います。過日以来十二人の公述人の意見を聞きましたが、一部のいわゆる進歩学者という方はこれは間違っておると思うのです。今日の実際としては、われわれの組み立てたのが実際的であって、これに反対する人は理論のための理論だろうと思います。その案はいずれ不日この委員会にかかりますから、そのときに私は十分にお話を申し上げたいと思います。また、他日この案についての私に責任をとれとおっしゃるのは、一そう先に飛び過ぎていると思います。衆議院も両三日のうちに審議を終り、きっとここにきますから、そのときに……。
○理事(有馬英二君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(有馬英二君) 速記を起して。
○矢嶋三義君 さっきの委員長から質問を切られたわけですが、この質問をする前に、三本建の問題が出ておりましたが、文部大臣、研究されるに当って私は一言だけ申し上げておきたいと思うのですが、先ほどからあの法律がよかった悪かったという議論が行われましたが、私は重要なポイントは、教育の職務内容というものは、その特殊性からその職務内容の難易、それから責任の軽重というものは他の職種と違ってにわかに私は即断しがたいものがあると思うのです。具体的に言うと、大学の先生あるいは高等学校の先生と幼稚園の先生の職務内容の難易、軽重はどうかというようなものは、なかなか簡単に私は結論が出ないと思う。そういう特殊性があるということと、それからもう一点は、学歴と給与といかように関連をつけて考えるか、私はこの二つのポイントがこれを検討する場合の一番重要な点だと考えております。それをいかように取り扱うことによって不合理が是正されるかという解決策の方は生れてくると思います。現行法のままでは私はやはり不合理な点が出てくる。そんな不合理な点が出てこないようにするにはどうしたらいいかということは、この二つのポイントに立てば出てくると思いますので、早急に先ほど御言明のように御研究いただきたいことを要求します。 これから質問に入りますが、時間がおくれておりますから、ごく簡単に承わって参りたいと思いますから、御答弁もその筋に沿ってしていただきたいと思います。私の伺いたい点は、最近この学生、生徒の学費の負担が多くなる傾向について、私は文部大臣を中心に関係の方々に伺いたいと思うのです。予算案審議の段階にも議論になったわけですが、たとえば大学の学校の農場、演習林の収入を過大に見積ったり、この影響として来年度の予算を組むに当って、各都道府県は学校の生産物の収入を過大に見積ったり、あるいは大学の授業料を引き上げ、それに伴って大臣の言明と反して公立高等学校の授業料の引き上げがなされ、さらに大臣の期待と反して私立学校の授業料が本年において引き上げられるものもあるし、さらに来年度においては軒並みに引き上げられようという形勢にある。あるいは最近ぼつぼつ報じられているようですが、学生の鉄道割引の率を引き下げようとする動きがある。こういうのは若干の例でございますが、国民生活は安定した、物価は横ばいである、生活の実質水準は上りつつあると政府は口にされる一方、学生のこの負担というものが重くなる一連の傾向について、私は重大な関心を払わざるを得ないわけです。従ってその角度から伺って参りたいと思います。そこで先ほど来、他の委員会に要件があるのにかかわらず運輸政務次官早くからお見えになっておりますので、運輸政務次官に直接関係のある問題から伺って参りたいと思います。 まず第一番目に伺いたい点は、常々私が不思議に思っておったことでございますが、それは申すまでもなく義務教育は無償、それが実現されるように努力をしなければならないという義務づけが国家、地方公共団体に対してはなされているわけです。これが大前提でございます。現在十二才まで旅客運賃は半額ということになっておるわけです。一体この十二才という数字はどこから出たのか、私は調べていただいたのですが、調べていただいた人のお答えでは、これはかつて小学校は義務教育は六カ年であった、ここからこの十二という数字は出たものと推察される、こういう調査の結果を御教示いただいたわけですが、私もそうだと思います。で、現在中学校のこの一年、二年、三年生は義務教育にかかわらず彼らは大学生と同じ扱い方を受けているわけです。それで私が大前提に申し上げました義務教育無償という点と、それから十二才のこの根拠等から考えた場合、小中学校の生徒、児童は同様に扱って、義務教育を受けている段階の国民ですから、私は同じ扱い方をされるようにするのが筋が通っているのじゃないか、かように私は平素からこの見解を持っておるわけなんですが、今日この機会に政務次官の御見解を承わりたいと思います。
○政府委員(伊能繁次郎君) ただいま矢嶋先生から義務教育と国鉄の五割引運賃との問題につきまして御意見があったわけでありますが、お説のような御意見も一説かと存じますが、御承知のように、国鉄の運賃の建前は、沿革的にもいろいろ諸外国その他との例も徴しまして定めておりまして、長い沿革上、何と申しますか国によっては十才まで、あるいは十四才までというような国もございますが、一番多いのは十二才までということが、大体世界のいわゆる小人五割引というものの通例のようでございます。従いまして、わが国におきましても、国有鉄道においては長い慣例で六才以上十二才未満は五割引、さらに六才未満は無料、この六才未満につきましても、国によりましては四才未満というような所もかなりあるようでありますが、これまたいろいろ国の状況によって沿革的に決定せられたことと存じますが、そういう事情で今日まで参りまして、先般の学制改正による義務教育の延長、中等学校は全部義務教育ということになりました際にも、この問題については若干の論議がありましたが、当時の政府の決定といたしまして、また、当時運輸省から、日本国有鉄道発足当初でありましたが、その当時の見解としては、従来通りが適当ではないかということで、そのまま据置になったというような状況でございます。
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、私も各国の小中学生の父兄の教育費負担額をある程度資料を整えておりますが、日本国民の国民経済力とあわせ考えるときに、他国よりは非常にこの父兄の負担は日本は多くなっております。ほとんど憲法の義務教育の無償というものは空文化しているわけでありますが、私は先ほど伺いましたように、小、中学校同じ扱いをされるのは適当であり、さような方向に進むべきものと、努力すべきものと考えますが、文部大臣どういう御見解でおられますか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(清瀬一郎君) 教育費全体、わけても国民教育、義務教育の経費は、なるべく父兄の負担を軽くしようということは、私の、またこの政府の本来の願いであります。できるだけさよういたしたいと存じております。ただわが国は敗戦後まだ十年なるやならずのときでありまするから、いろいろな状況をあわせ考えて進みたいと、かように思っておるのであります。
○矢嶋三義君 その次に進みますが、当局では学生の現在の割引率の五割を引き下げるやに伝えられるのでございますが、そういうお考えで現在研究をなさっておられるのでございますか、その辺のところを伺っておきたいと思います。
○政府委員(伊能繁次郎君) 御承知のように、国鉄の運賃問題につきましては、旅客、貨物を通じまして目下これが是正の問題は研究中でございますが、先般政府といたし、また運輸大臣としては、今年度の予算上は一応運賃値上げを考慮していないというように申し上げてありますが、事務的には各般の具体的な事項については常に研究、調査を怠らないわけでございまして、ことに貨物のごときは、そのときどきの流れに応じたいろいろな措置もとっておる次第で、旅客につきましても、昭和二十四年に従来学割が割引率二割でありましたものを五割といたした。それについては、従来は比較的学割証明書を無制限に発行いたしておりましたが、ある程度学校において文部当局の指導に基いてこの使用方について適正を期していただきたいというようなことで、五割にいたしたわけであります。当時は御承知のように終戦後の混乱期のまだ余じんも絶えません時代で、父兄の負担と申しますか、また経済の安定も不十分でありましたので、特にそういった政府の教育政策の面に対する協力と申しますか、非常にドラスティックな割引措置を講じ、一方においては先生方には犠牲を払っていただくような形に相なったわけでございますが、まあほかの国々の状況を見ましても、学生割引は、通常の場合におい七五割、団体割引の際には、当然五割に相なるわけでありますが、通常の個人的な旅行に際しても五割引をするということは非常に大きな割引率でございます。また、一方において御承知のように通学乗車証に対しましては、これまた世界に類例のない強い割引率を実施をいたしておりまする等の関係上、現在の日本国有鉄道といたしましては、昨年度あたりでも国鉄の学割だけで五割に基く負担が約十七億余りというような相当巨額に相なっておりまするので、事務的にはこの際全般の運賃是正の際には、この点に関しても適正な割引制度、他のいろいろな割引制度との権衡もございまするが、適正な割引制度を実施するのがいいのではないかというようないろいろ事務的な研究はいたしておりまするが、まだ国有鉄道自体といたしましても、運輸省自体といたしましても、決定的にどうするということはきめておりません。目下研究中でございます。
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、割引券の使用を適正にするということは、これはあくまで厳守しなくちゃならないと思います。学校によるというと無資格者へ発行したという学校が発覚したように承わっていますが、かような不正なる使用、ことに学校当局者が無資格者だとわかっておって、そういうものに交付したというような場合が明確になった場合には、私は制裁規定を設けてもいいと思います。しかし、適正にこれが使用されている場合に、政府としては運賃の値上げをしない、そういうことを大臣が国会で言明しておりながら、この際学生、生徒の旅客運賃の割引率を引き下げるというような措置はとられないように、文部大臣として私は御努力願いたいと思うんですが、文部大臣の御所見を承わりたいと思います。
○国務大臣(清瀬一郎君) 割引のことは今運輸政務次官のお答えの通りで、運輸省において御研究のことと思います。われわれの立場としては学生の負担が少しでも軽くなるように希望しております。不正乗車券、証明書発行のことについては適当なる措置をとりたいと思っております。
○矢嶋三義君 政務次官に伺いますが、不正なのは取り締らなくちゃいけないと思いますが、適正にこれを使用しているのは、この際私は学生の割引率を引き下げるというのは思いとどまっていただきたいと思うんですが、今の新教育では経験領域の広いということは、今の新教育を組み立てていくに当って、非常に私は大きな要素になっていると思うのです。これが昔の教育と比べて今の教育によって育成された子供が、前よりはすぐれているかどうかというようなことは、今すぐは評価できぬ問題で、ともかく新教育の中における経験領域を広めるというこれは大きな分野を占めておりますし、私は大きな成果を上げていると思うんですがね。そういう立場から教育の機会均等、父兄の経済力とあわせ考える場合に、学生割引を引き下げるということはこれは影響大きいと思うのです。一つ思いとどまっていただきたいと思うんですが政務次官個人の御所見はいかがでございましょう。
○政府委員(伊能繁次郎君) ただいま文部大臣からもお話があり、矢嶋先生からもお尋ねがありましたが、私ども学割については、そう制限を日本国有鉄道としてしているわけではございませんで、なぜああいう不適正な使用が行われるか、これは国鉄当局と文部省との連絡をもっと緊密にせねばいかぬと思いますが、率直に申し上げますと、現在毎年度学割は大学から中学校まで約千二百万枚発行いたしておりますが、三、四百万枚は夫使用に終っているという状況でございまして、もし適正に配分されれば、ああいうわずかな不正が行われなくても、学生の純心な気持を傷つけるようなああいう不正行為が行われなくても済むのではないかという気持も実は持っておるわけでありまして、また、一方においては、それだけ余っておるから、先生方にも昔のように適正使用をするから、ぜひ使わせてほしいという陳情も日本国有鉄道、運輸省へしばしば参っておりまして、これらの点等についても目下研究中でございまするが、先般新聞に発表しました内容につきましても、金額としてはもちろん全部洗いざらい学生のものを詳細にやると申しますのは、相当手数がかかりますが、大体ああいう割引証明書については一応の全部調査をいたしておりますが、昨年度で約八百五、六十万円、というような金でありますると、適正に残った四百万枚が使用されれば、当然ああいうようなことが起らないでも済む。また、これは個人のことを申し上げて恐縮でありますが、私の子供が通っておりまする高等学校あたりでは、非常に厳格に一年に二枚きりくれないというようなことも申しております。また、大学等においては相当な枚数も発行しておるというお話も伺っておりますので、これらの不正の問題につきましては、学校によって特に多いという学校のありまするのは私どもは遺憾に思い、きわめて顕著に不正使用の多い学校というものがあります。まあ、学校の名前は申し上げない方がいいと思いますが、こういうような点につきましても、もう少し国鉄当局と文部省の方で指導並びに配分がもっと円滑にいけば、かようなことは起らない。もちろん、そういうような不正を行なった学校当局に対しましては、当局の責任とまで申し上げるわけではありませんが、しばしば警告を発し、さらにそれでもやめないという場合には、現在ではまだ停止処分というようなことまではいたしておりませんが、そういうこともやらなければなるまいと、かように考えておりまするが、その前に千二百万枚が適正に使われるならば、かようなことがなくなるだろうと私ども考えており、またなくなることを心から希望しておるわけでありますが、これらの点につきましてわれわれとしては五割という大きな割引率が、最近は経済も落ちつき、だんだん世の中が落ちついて参った現状において、適当であるかどうかというような点を、いろいろ事務的に検討いたしておりますので、今回の御質問等も出たかと存じますが、矢嶋先生のお話し等につきましても、十分考慮に入れて適正な運賃割引率というものを考えてみたい、かように存じておる次第でございます。
○矢嶋三義君 もう一つ承わりますが、それはこの割引券を使用できるところの対象になる学生でございますがね、私一つの例をあげますが、たとえば学校教育法に基いて教育を受けている通信学生ですね、こういう学生に対しては割引券が交付されないわけですが、これは私は通信教育というのは、戦後初めて発足したものであり、落ちたんじゃないかと思うのですがね。この学校教育法に基く学生ではありますし、ちゃんと教材費、授業料というものを納めるし、身分は確定しているし、戦後発足した民主教育体制の中におけるりっぱな法的根拠を持った学生でございますので、当然私はこの学割を適用されるべきだと、かように考えるんですが、落ちておられるんじゃないかと思うんですが、追加していただきたいと思うんですが、これはいかがでしょうか、まず文部大臣の方から一つ御意見を承わりたいと思います。すべての取扱いが同じになっているのですから、おかしいと思うのですよ。
○国務大臣(清瀬一郎君) 今完全なことを稻田局長からお答えをいたさせます。
○政府委員(稻田清助君) まあお話しのは、これは高等学校の関連とほ存じまするけれども、便宜私存じておりますことを申し上げますが、おそらく現在落ちておるとすれば、この通信教育に関連いたしまする生徒のいろいろ状況がまちまちでありまするので、おそらく運輸省当局あるいは国鉄当局において、通信教育学生をその他の学生と同様に把握していただいていないんだと存ずるのでありますが、ただ学校教育法の精神から申しますれば、ただいま矢嶋委員のお話しのように、これはいろいろ御考慮願うべき性質の理由も多々あることでございますので、こうした点につきましても十分一つ、文部省当局、運輸省御当局、事務当局の間におきまして、この上とも一つ研究するようにいたしたいと存じております。一応御答弁申し上げます。
○矢嶋三義君 政務次官の御所見を承わりたいと思います。
○政府委員(伊能繁次郎君) 今稻田局長から御答弁申し上げましたが、従来の国鉄、文部省との打ち合せにおきましては、私どもの承知しておる限りでは、通信教育に基く高等学校の生徒については卒業資格が得られない。文部省のお考え、これは私が申し上げるよりは、文部省の方でお答えを願う方が確かかと思いまするが、われわれの承知しておる限りでは、完成教育ではないから卒業資格を与えていないというようなことで、従来の打ち合せではそういった者には学生割引乗車証を交付しない。大学等においては一定の授業時間その他具体的な規制もあって、また試験も受けに参らなければならぬ、こういうような格好から、そういった者については学生割引証をやるということで、従来は割引きをいたしておらぬという実情でございますが、この点については、まあ国鉄当局といたしましては、こういった大きな割引制度についてみだりに拡張をしていくということはあまり好ましくないというような態度をとっておりますが、今文部当局の御答弁がありましたから、さらに事務的に十分検討打ち合せをいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 文部当局と事務的に打ち合せ研究されるということですが、それはけっこうですが、ただいまの政務次官の御発言の中には、ちょっと通信教育の御理解が十分でない点もちょっと耳に入りましたので、事務当局間で十分お話し合いいただいて処理していだだきたいと思います。それはまあ要望ですが……。 そこで委員長に私伺いますが、もしただいま問題になっているこの件に関して他に委員の方々の御質疑がありましたらそれを続けていただいて、私冒頭に申し上げましたように、この質問の次第から、学校農場、演習林の収入の問題、それから高等学校の職業課程の生産収入過大見積り、これが産業教育に及ぼす影響、それから本委員会に資料として要求しましたところが、文部省側から出ました授業料の問題等々あるわけですが、時間が非常に延びておりますし、委員の方々も少いようですから、今の鉄道関係の質疑が他にございましたらそれをやられて、本日の私の残りの質疑は次回にしていただいてけっこうでございますので、その点のお取扱い方は委員長に御一任申し上げます。一応質問をこれで切ります。
○理事(有馬英二君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(有馬英二君) 速記を始めて。
○湯山勇君 政務次官にお尋ねいたしますが、先ほどの矢鳩委員の質問に関連して、中学校の生徒の通学割引の問題でございます。これは基本的なことは矢嶋委員がお尋ねになりましたが、最近ラジオでも、町村合併があったために一つの村が二つに割られまして、その村の学校はその人たちが建てたのですけれども、その中学校へ行けなくて、新しく合併した方の市の学校に行かなくてはならない、そうすると歩いて五十分以上かかるし、汽車賃を払えば一カ月に千幾らかかると、こういうことを切々と訴えておりました。これは政府全体の方針として、町村合併は非常に積極的にお進めになるし、それからまた、中学校の統合というようなこともお進めになったわけですけれども、そういうことが今申しましたような点で実際は思いがけない父兄の負担を増大させておるというような事実は、これはたまたまラジオで訴えたところだけではなくて、全国各地にあると思います。そこで、先ほど次官が言われましたように、おとなと子供の境を十二才にすると、これはまあ世界の各国の例もあることだから、そのことについて私は今意見を申し上げ、あるいはお尋ねする意思はありませんけれども、ただ、その通学の場合、中学の生徒が通学する場合だけは小学校の場合と同じにする、こういう措置は、これは政府全体の政策、ことに町村合併とか、あるいは新しい中学の発足とか、その他の点から考えても、当然まあおとりいただいてもよい措置ではないかと思いますが、そういう点御考慮願える余地があるでしょうか、どんなものでしょうか。
○政府委員(伊能繁次郎君) お尋ねのお話し一般論でございまして、具体的にどうこうという事例を承知いたしませんから、明確な御答弁ではございませんが、たまたままあ町が一緒になったというような例は多いと思いますが、分割される例は割合に少かろうと思いますが、それによって月千円というような負担のかかるということは万あるまいと思います。これはまあそのために何キロ参りますか、いかに遠くてもおそらく十キロ以内ではなかろうかと、せいぜい十二キロにしましても三里、そういう事例でしたら、中学校の通勤でございますと五百円未満だろうと思います。まあ金の問題はさておきまして、今のような事例につきまして、町村合併促進法の趣旨からいろいろとまあ政府としても助成措置を講じておりますが、ただいま御指摘のような点については、従来の町村合併の際には問題にならなかった点でございまして、町村合併の際には、主として大きな問題では、運輸関係、国鉄関係では、駅名の変更とか、あるいはそれによってバス路線を疎通せいとか、あるいは駅間距離が非常に長いところへ通勤の不便があるから、簡易停車場を作れとかいうような問題で、これらの点につきましては、運輸省、国鉄当局としてでき得る限りの協力をして参りましたが、今先生御指摘のような問題は、ただいま初めて実は伺いまして、これはそういう問題を直ちに国鉄に具体的に割引を、今お説のような、小学校でありますれば所定額のさらに五割引きというようなことに相成りますので、五割減になりますから、非常に負担が軽減されると思いますが、こういうものを個々の具体的な問題としてわれわれから国鉄にそうせいと言うことは、これは全体の問題の検討の上で協議をいたしませんと即答はいたしかねますが、これらの問題について、町村合併促進法全体としてそのうち文部省関係、あるいはその他の関係で、政府としてこういうことが適当であるということでありますれば、私どもさらに政府部内で協議をいたしますが、今のようなお話でございますと、一つの具体的な事例で、直ちに国鉄に小学生並みにその五割引きをしろということは、ちょっと従来の運賃割引の慣例からは御無理なように存じますが、具体的な事例がどのくらいございますか。私の方でも調べますし、また、先生方から御指摘をいただきまして、一応調査はいたしたいと存じます。
○湯山勇君 今申しましたことは、私もラジオで聞いたことで、正確にどうということは言えませんけれども、ケースとしては、とにかく合併によって一つの村が分れて、それから今の汽車賃かどうか、私もはっきりいたしません、バス代かどうか、その辺は明確でありませんけれども、とにかく千幾らかかるということははっきり言っておりました。そこでその問題を直ちに解決してくれという意味ではなくて、町村合併等によって、中学校の統合は行われる機運にございます。今回は国としてもその学校を統合するために予算も出されるという状態ですから、そうすると従来一つの村の中にあった中学校へ通うということに比べて、当然中学生が汽車とか、バスとか、乗り物を利用するというケースはふえてくる、これだけは事実だと思います。そこでそういうふえてきたものに対して、今申し上げました例についてどうこうというわけではなくて、一般的に、従来ならばほとんど乗り物を使わなくてよかったのですけれども、町村合併等によって乗り物を使わなくてはならないということになるわけですから、それらについての割引については従来高等学校の生徒と同じですから、今でありますと……。高等学校の生徒が自分の意思によって学校を選んで、そうしてそれでいくのとは、これはだいぶん違います。そこでそれらについては小学生並みとか、あるいは高等学校と小学校との間であるとか、何とか考える余地が私はあってしかるべきではないかと思いますが、先ほどの聞き方が悪かったために、多少次官に不必要な御答弁をさせて申しわけなかったと思いますけれども、私のお尋ねしておるところはそういう趣旨でございますから、それについてお考えがあればお述べいただきたいと思います。
○政府委員(伊能繁次郎君) お話よくわかっております。そういう、具体的な個々の問題について、一々国鉄自体がすべてを負担するかどうか、この問題が今、現在独立採算制という建前から、国鉄においては、率直に申し上げますと、国鉄は常にそれに対しては強硬な立場をとっております。先般の三公社の固定資産税賦課の問題等につきましても、政府部内において大きな問題として、これについてもある程度減税措置をとってああいうふうに課税をするということになりまして、一般の企業的な課税というような形に逐次なって参りますので、国鉄自体は今後の割引率についてはできるだけ、これはまあ日本には日本独自の教育上ないろいろな優遇措置がございますけれども、全体として公正な方法で参りたい。独自の、何と申しますか、一般減免、一般割引でない特殊割引については、できるだけ避けたいというのが、これは運賃政策上の一般論でございますが、今御指摘のような点についてどの程度の例がございますか、おそらくそうたくさんな例ではなかろうと思いますが、そういう点について御趣旨のような方法がとれるかどうか、私はここで率直に申し上げますと、非常に困難だとは思いますが、その点もう一ぺん調べまして研究してみたいと思います。
○安部キミ子君 今議題になっております学生割引のことですけれども、中学校、高等学校、大学と、この学生、これは夜間と定時制とかを含めてでございます。もちろん私立大学も含めてでございますが、そのほかに各種学校というのがあります。その学校の学生も、恩典を受けているわけなんですが、当局の方では今度そういう率を引き下げて、予算を浮かすという建前からして、この範囲を縮小するお考えでもあるのですか。
○政府委員(伊能繁次郎君) 各種学校につきましては、御承知のように一般の学校と違って、学割の恩典を与えるに適当な学校であるかどうかという点は、市町村長、府県知事等の意見も参酌もいたしまするし、各般の実地調査も常にやっておりまして、学校によって違いますが、一般的には裁縫でありますとか、あるいは洋裁その他の点について、常時五十人以上生徒が学校に来ておる。季節的なものもたくさんありますけれども常時五十人以上ということが建前で、私どもとしては事務的に支障のないものについては、できるだけその恩典を均霑せしむべきだと、こういう考え方で指導をいたしておりますが、特殊学校と一般の学校とを区別をするというような研究は現在のところいたしておりませんので、その点まず御心配なかろうかと思います。
○安部キミ子君 それではそういう各種学校に対しては、差別待遇はしないで、既得権については尊重する、こういう建前かと思いますが、それに異存はないわけですね。
○政府委員(伊能繁次郎君) かような割引率について、学校によって区別をするといういき方は、非常に繁雑にもなりますので、万一、これは仮定の話でございますが、この割引率是正の際に、そういった区別をするかどうかというお話しでございましたら、私は区別せずに一律に考えて参るべきだ、かように考えております。
○安部キミ子君 ぜひそうお願いしたいと思います。そこでもう一点お尋ねしたいのですが、それでは学生の割引率を下げるという点で、具体的に何割くらい下げたいというような、こういうふうな腹案でもありましょうか。
○政府委員(伊能繁次郎君) この点、実は私は今年度の運賃是正の研究につきましては、ある程度関与をいたしましたが、さいぜん申し上げましたように、先生方の方からもいろいろと、この恩典適用の御希望もございまするし、それこれ勘案して、ある程度割引率を引き下げようかというような事務的な研究を実はやっておるわけでありますが、一方においては、さいぜん矢嶋先生から、引き下げ絶対反対という声もかなり強く、これは現実に、自分のことを申し上げるようですが、私の子供なぞも強硬に、学校代表で参りましてやっておるようなことで、大きな問題として、旅客運賃を今後経済の安定化に伴って是正をして参ります際に、団体行動をとる学生その他の割引、個人的な行動をとる学生の割引について、同率でいいかどうかという点が、実はこれは理論的には一番大きな問題になっております。それで他の外国の例を見ましても、そういう場合には、通常若干違っておるのが例だものでありますから、そこでまあ実は若干引き下げようかということが問題になっておりまして、お説のように、安部先生御指摘のように、既得権という立場から申しますと、昭和二十四年以来、七年間既得権があるというような点も言われるわけでありますが、これらの問題については十分慎重な、ことに学校、生徒の問題でありますので、慎重な態度で研究しなければいかん、額はさいぜん申し上げましたように約十七億余り国鉄が負担をいたしております。十七億と申しますと、昨年度の旅客収入総額から申しますと大体一%強、千五百億余り収入がございますが、一%程度でありますので、この問題をどうするかということは、文教上も文部省にも御意見ございましょうし、重要な問題であると思いますので、われわれも慎重に研究いたしたいと思います。
○安部キミ子君 そこで個人割引にやや難色がある、こういうふうに私了解していいと思いますが、そこであなたの先ほどのお話しの中で、それでは一人に、たとえばさっきお子様の例をとられたと思うのですけれども、二枚とかのあるいは四枚とかいうふうな制限によってこの補充をしよう、こういうようなお考えでもあるのでしょうか。
○政府委員(伊能繁次郎君) この点につきましては、さいぜんも御説明申し上げましたが、私どうも国鉄と文部当局との指導方がうまくいっていないのじゃないか。今の国鉄としましては、当初文部当局とお話し合いを進めて、千二百万枚限度で発行いたしておりますが、それが八百万枚程度しか使用されておらない。そうすると、残りの四百万枚程度は毎年度末使用に終っておるという点から申しますと、この点の是正で、運賃というものは当然適正にやれば何も値上げをしなくても、負担はそう多くならぬのじゃないかという議論も出て参りますし、また一方先生方からは、それだけ余っておるのだから、その余っておる分を適正に自分たちが使うから、自分たちにも利益を均霑させてくれということも、そのこと自体は私は決して無理な陳情ではない、かように考えておりますので、現在国有鉄道としては千二百万枚を減らそうというような考えを持っておらないようでありますが、今のように、昨年度約八百五十万円、額では大した問題ではございませんが、それを一々証明いたします手数は、国鉄当局としては相当な手数でございます。不正が行われたかどうかということを、一々同じ学校について同一の人間の名前が、同時に、同じ日に何枚か使われておるということで不正がわかりましたり、いろいろするものですから、そういう手数の方が非常に煩瑣になりますので、この点はぜひ子供の教育上にも大きな問題があると思いますので、必要なものがある程度やれるように、そのように私は考えておるわけでありますが、学校によってどうも配付枚数が違う。大学はある程度優遇されてもちろんしかるべきであり、高等学校はそれに準じ、中学校はこのくらいという形で、おそらく文部当局で御指導しておられると思いますが、私の子供は東京都内の高等学校へ行っておりますが、年に二枚しかくれない。そんなばかな話はないと私は言っておるのですが、いや二枚しかくなれい。こういうようなこともありますところから見ますと、配付が円満にいってない、円満にゆけば千二百万枚の範囲でわずか八百五十万円くらいの不正は、十七億のうちからいえばほんの九牛の一毛でございますから、こういう不正はなくて済むのじゃないかというとを特に私は重要に考えておる次第であります。
○安部キミ子君 そうしますと、千二百万枚一応学生の名で申請されていて、その中で八百万円が不正だと、こういうわけなんですか。
○政府委員(伊能繁次郎君) 千二百万枚が学生割引証として毎年度発行されております。そのうち最近の情勢では、約四百万枚程度が使用されずに学校にそのまま残ってしまう。そうしてそれでは国鉄の割引五割の負担の金額はどのくらいになるかと申しますと、約十七億円強でございます。従って全額からゆけば三十五億程度、その十七億のうちの不正の発見されておりますものは、わずかに八百五十万円程度が昨年度の実績であった、こういうことでございます。
○安部キミ子君 そうしますと、四百万枚が使われないで残っておる、こういうわけですね。使われないで残っておるなら、何もあれに関係ないじゃないですか。ただ青い紙切れ、刷ったあの紙だけ千二百万枚出そうと千八百万枚出そうと、実際に使われておるのが八百万枚ということであれば、あとの四百万枚が使われずに残っていたって、それは問題じゃないじゃないですか。使われないで残っているのだから、何も実際に汽車に乗ったわけでもないし、それからそれは枚数は出したって、あの紙一枚作るのに一円もかからないでしょうが、あんなものは空手形みたいなもので……、どうですか。
○政府委員(伊能繁次郎君) どうもお尋ねの趣旨が私によく理解できかねますが、私どもとしては、千二百万枚という基準は、一応大学、高等学校、中学校、これを文部省御当局の学校数、それから基準配付額というものがおそらく六枚なり何枚なりあったろうかと存じます。それによって積算されたものが千二百万枚、そうすればそれだけは国鉄当局としては、学生に配付して、学生の教育上の資に供しよう、こういうことでありまするが、そのうち実際に使われておりますのが八百万枚、と申しますことは、私がお答え申し上げましたのは、もし国鉄当局と文部省当局並びに学校当局の配慮で、それが配付が適正を保たれるならば、千二百万枚は使われてもいい、あるいは現在の学生の、さいぜん矢嶋先生から御指摘のありましたように、学生の父兄が負担する教育費の限度では、八百万枚程度が妥当で、千二百万枚までは使われないのだということかもしれない。しかしながら、少くとも千二百万枚出してあげますといって配付されておれば、割引額十七億円にも余る金のうち、全体の枚数といたしますと、大体二千六百枚程度の不正、千二百万枚のうち使用される八百万枚のうち二千六百枚程度の不正使用というものは、先生のあたたかい指導によってこれは防げるべきだ、従って私どもとしてはそういう方面について、学校当局並びに文部省と国鉄との連絡を十分にしてゆけば、子供は何もそう深い悪意があってやるわけではない。単純な、お前余っているならちょっとおれによこせというようなことで、こういう事態が起るわけでありますから、これは防げるのじゃないか。ただ千二百万枚を先生のおっしゃるように、何故発行してもいいじゃないかという点になりますと、これは別な基準で、現在大学には幾ら、高等学校には幾ら、中学校には幾らということで、この程度が適当であろうという二十四年以来の沿革的な理由から、千二百万枚というものはきまっておる。それではそれは足らぬかといえば、決して実情では足らなくない、四百万枚くらいは余っておるということを申し上げました。
○安部キミ子君 今のあなたのお話は事務上の何といいますか、不合理、それをおっしゃっておるのですね。そういうことは今後学校当局とお話し合いになれば、またあなたの方で実際の調査が出ておりますでしょうから、その調査の実績に照して、何々学校にはこれだけの実績があるからということで配付なされば、私は今のあなたが懸念されておるような、また御心配されておるようなことが解決すると思うのです。やはり私どもがこういうふうに申しますのは、学生は何といっても親のすねかじりで、一円でも五十銭でも安い汽車賃の方が好もしい。こういう建前から何とか今の実情のままで、値上げしないで済めば済ましてもらいたい。また、先ほどあなたが考慮されておられるところの先生の割引券ですね。昔は私も女学校の先生を長くしておりましたのですが、二割の割引が大へん助かったのですよ。そういうことから考えまして、先ほど公務員の先生方の給料の問題でいろいろ話が出ましたけれども、何か先生に対するあたたかい配慮というものがあれば、それが決してむだにはならぬと思うのですよ。やはり先生というものは、どちらかといえば人の指導的な地位に立っておるので、それ相応なプライドというものがあると思うのです。それは労働者でもいろいろな立場の労働者があるでしょうけれども、何といっても先生にはそれだけのプライドを持たしてやることの方が私はいいと思うのですね、教育上に。だから、やはりそのことをも配慮に入れてお考えいただいて、今年度の予算委員会でも質問がありましたように、今年度は運賃の値上げはしないとこう運輸大臣もはっきり国民の前でおっしゃっているのですからね。だから、ぜひやはり大臣が、自分が発言されたことについては責任を持たして、また学校の子供までがやはりあの大臣はうそを言うたわ、割引は今度は金をよけい出さなければならないようになったということになると、教育上よろしくないと思います。そういう点では、私は文部大臣はおそらく私と同感であろうと思いますが、文部大臣の御所見と、そしてあなたの今後の見通しをお尋ねしまして私の質問を終ります。
○国務大臣(清瀬一郎君) 原則としては同感でございます。
○政府委員(伊能繁次郎君) それで私さいぜん本年度の予算上、大臣としては運賃値上げは考えないということを申しておりますので、この問題についてもるる詳細に説明いたしたのは、その辺にあるわけでありまして、一方矢嶋先生から御指摘になりました先生方の問題についても、伊能考えろというお話もございまして、それに関連して、実は少しあいまいではございましたが、私若干お答えしたつもりでありましたのは、千二百万枚出しておって八百万枚程度しか使われておらない。そうするとその四百万枚のうちで何らかの適当な操作をすれば、いろいろ今後の運賃是正の問題の上についても先生方の問題も慎重に研究をしなければならぬという点を実は若干お答えを申し上げたつもりでございます。
○矢嶋三義君 これで運輸省関係の質疑を終りますが、私は最後に文部大臣と運輸政務次官に強く要望しておきたい点は、私は先ほどから運輸政務次官の発言の中にありました割引率引き下げの根拠を、外国の例に求めるといういき方は納得しかねるものがございます。また、個人の場合と団体の場合と同率ではどうかと思うという御意向でありましたならば、私は個人が五割なら団体を六割に上げたらよろしいと思うのです。絶対に引き下げというようなことをしていただきたくないです。ということは、もし国鉄が困って旅客運賃の増収をはかるとなれば、私は他に方法があると思う。それからまた、旅客運賃の収入の適正化をはかるという面は、私は国鉄自体の内部にあると思う。ここで具体的に言いません。そういうことをさておいて、この段階に学生の学割を引き下げるということになれば、私は日本全国の学生、生徒に対する影響というものは大きいですよ。政治に対する考え方、それから思想的にも私はこの影響というものは深刻だと思う。これは私は文部大臣と運輸政務次官はとくと胸に入れておいていただきたいと思います。私も昨年ちょっとフランスの学生の生活状況を視察して参りましたが、まあ国が違う。人口問題等の事情は違うわけですけれども、ともかくあたたかくおかれて大事にされておるあのフランスの学生あたり見たときに、日本の今の学生がアルバイトして、ああいう状況にあるのに、授業料は上げられ、農場、演習林の生産というものは、歳入見積りは過大にやられ、さらに運賃の割引は引き下げられる。おまけに直接関係ないが、またこれは大臣と意見が違ってくるが、教育三法案が出れば、こちらに歩いてきなさいと言っても、学生、生徒は歩いてきませんよ。運輸省関係の質疑はここで終りますが、先ほどの点、とくと御努力方御要望申し上げまして終ることにいたします。 先ほど申し上げました議事進行に関する点、委員長からお諮り願いたいと思います。
○湯山勇君 ちょっとその前に……。今の問題につきましては、運輸政務次官に申し上げたいことは、当委員会におきましては、先般大学の授業料値上につきまして決議をいたしました。それは学生の、実態は今矢嶋委員のおっしゃったように、アルバイトなんかしなくちゃならない。そこで今回値上になった分についても好ましくない。全会一致ですが、学生のための必要な諸経費にやむを得ない場合は還元せよということになっておりますから、一つその点について御善処願いたい。 それから次の委員会までの資料として、委員長、お願いしたいのですが、これは初中局の所管か、大学局の所管か、所管不明の問題なんですが、大学へ入るまでの高等学校と大学との間に六・三・三プラスX四という、あのXの段階ですね、これが予備校とかいう名前になっているのもあるし、いろいろあると思うのです。これについては非常に私は大きい問題だと思う。先般理事会でも申し上げましたところ、それは大へん重要な問題だ、一ぺんその問題は徹底的に当委員会としても調べようということになりましたので、文部省の方で早急に資料をととのえていただいて、どういう、どれくらいの数がそれへ行っているか、それから、それらはどういうシステムか、ところによれば、そういうところへ公立の先生も関与しているとか、あるいは学生も関与しているとか、いろいろあるらしいので、そういういろいろなケースがあると思いますししますから、そういうのを一つできるだけ詳細な資料にして当委員会へお出し願いたいと思いますが、これは委員長から一つ御要求願いたいと思います。
○理事(有馬英二君) 承知いたしました。 それでは本日の会議は、これくらいにいたしまして散会いたします。 午後四時三十七分散会