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24回国会参議院1955/12/20

農林水産委員会 第1号

発言数
36
登壇者
8
会派数
2
開催日
1955/12/20

会議録

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  最初に審査報告書に関する件についてお諮りいたします。  中央卸売市場法の一部を改正する法律案及び農産物価格安定法の一部を改正する法律案につきましては、本院規則第七十二条の三によりまして、閉会中審査未了の旨の報告書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  なお報告書の内容及びその手続等は、委員長に御一任願いたいと思います。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認めます。これもさように決定いたしました。     —————————————

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 次に調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産政策に関する調査に関し、調査承認要求書を本院規則第七十四条の三により議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。  なお要求書の案文の作成及び手続等は、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。速記を中止して。    午前十時四十五分速記中止      —————・—————    午前十一時速記開始

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 速記を始めて。  次いで、本日は草資源の改良造成及び利用増進の件を議題といたします。この件につきましては、去る十一月二十一日政府に申し入れがしてありますが、この問題について、その後政府における作業の状況及び今後の見通し等について、農林省当局から説明を聞くことにいたします。

庵原文二農林大臣官房総合開発課長

○説明員(庵原文二君) 大へんおくれまして申しわけございません。  十一月二十一日の委員会の申し入れにつきまして、現在までに農林省において講じました措置、今後の見通し等につきまして御説明申し上げます。  まず第一に申し入れの前文にございます、草資源調査会の運営についてでございますが、十一月の十四日に第一回の会合を持ちまして、関係事項の調査審議をいたしました。さらに昨日第二回の会合を持ちまして、各種事項につきまして終日審議をいたした次第でございます。  なお申し入れの一にございます、草資源対策が「畜産振興のみを目標とすべきではなく、飼料及び土壌腐植補給源としての草そのものの利用とともに、浸蝕防止及び水源涵養等草の機能の利用をも図って、土地利用を適正化及び高度化し、」以下の事項につきましては、この事項につきまして、昨日の草資源調査会にも諮りまして、専門家の意見を聴取し、今後農林省としてとるべき方策をいろいろ調査審議いたしたのでございます。この趣旨に沿いまして、関係各局が協力いたしまして、実現いたすように努力いたしたいと思います。  それから第二の事項でございますが、ここに掲げられました事項につきましては、農林省といたしましては、来年度予算にこの御趣旨を実現する目的をもちまして、関係事項の予算を要求いたしております 特に草資源の実態調査につきましては、ここに掲げられました事項につきまして約一千万円の調査費を計上いたしまして、ただいま大蔵事務当局と打ち合せ中でございます。  それから第三項につきましては、諸制度、諸立法につきまして、やはり草資源調査会の重要な事項といたしまして審議をいたして参っておりますが、とりわけ入会関係の問題につきましては、その改善につきまして、今後草資源調査会の中に部会を設けまして、専門委員等にも参加してもらいまして、この諸制度、諸立法の検討を開始することになったのでございます。なお行政機構の整備強化につきましても、御承知のごとく先般畜産局草地改良課ができたのでございますが、今後におきましても、農林省内の関係各局とも密接な連絡をとりまして、一そう草資源開発の実をあげたいと考えます。  第四項につきましては、やはり来年度予算におきまして、農林省の重要対策の一つといたしまして、草資源の改良造成費を計上いたしております。とりわけこのあとの方にございます総合試験地を設けるという点につきましては、約一千六百万円の経費を要求いたしまして、この御趣旨の実現方に努めたいと考えております。  それから第五項につきましては、緑の週間あるいはでき得れば草の週間といったような運動をも起したらどうだろうかということで、省内の連絡協議会におきまして、今後具体的な対策を研究するということにいたしております。  最後の「公共事業として取扱うこと。」という問題につきましては、御承知のように現在この関係の経費は一般費になっております。三十一年度要求予算におきましての一般予算として要求しておりまして、現在のところ公共事業として要求をいたしていないのでございますけれども、事柄の重要性にかんがみまして、なお予算折衝の経過におきまして、御趣旨の実現につとめたい、かように考えております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 今の報告を聞いたのですが、本気でやっているのですか。何かばあっとした報告で何をやっているのか見当がつかぬ。たとえば試験研究についても総合試験地に千六百万円計上しているのだということだけは聞きましたけれども、そのほかのことについてはやるのだということだけで、やるなら一体どういうような研究内容で、どういうような予算要求をしているというようなことを、ここに一つだけ改良局の方からもらいましたが、これだけなんですか、もっと何をやっているのかはっきりわかるようにしてもらわんと、われわれの方もあれだけの決議文を出したのは冗談に出しているわけではないのですから。それから実態調査をやるといっても、一体どういう実態調査をやるかというようなことについてもうすこし内容はないのですか。たとえば今までだって実態調査をやっておりますよ。しかしああいうような民間に委嘱した形式的な実態調査というもので、あれで終るのかどうか。われわれがあそこで言っている実態調査というものはあんなものじゃなかったのですが、そういうものについても一体内容というものはないのですか。

庵原文二農林大臣官房総合開発課長

○説明員(庵原文二君) 私まことに簡単に御説明申し上げたのでございますが、官房といたしまして、各局の取りまとめ役をいたしております関係で、各事項につきましては、関係各局の方から御説明を願うというつもりで御説明申し上げましたので、御了承いただきたいと思います。

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 次に畜産局長の説明を願います。

渡部伍良農林省畜産局長

○説明員(渡部伍良君) 草資源の改良造成及び利用増進に関する申し入れにつきまして、その各項についての概要は開発課長からお話しした通りであります。御承知のように、草の問題がここ数年やかましくなりまして、試験場あるいはいわゆる篤農家で相当解決されてきておるように考えます。これらをさらに類型的にまとめまして、ある土地にはこういうふうな方法、ある土地にはこういうふうな方法ということで、強力に推し進めていくことが三十一年度以降の課題になってくると思います。そこで、私の畜産局の方の所管といたしましては、まず第一には高度集約牧野の造成をさらに大々的にやりたい、こういうのであります。それが第一点であります。これが来年度は一億八千万ばかりの費用で集約酪農に二十三地域分の機械その他を入れることにしたのであります。今度はこの制度を、昨年は国から府県に対する補助金という格好でありましたが、機械を国で持ちまして、府県に貸与するという格好にいたした方が効率が上るということで、来年度は五十地域分を要求しております。これが五億円になります。この点につきましては、昨日も草資源調査会の方でいろいろ問題がありまして、農地局の方の開拓地の開拓が穀物あるいはイモを植えるという上に、牧草を植えるまで開拓地の範疇に入れたらどうかという意見が出、さらに小団地として機械開墾をして牧草を入れるということが来年度の予算で農地局の官房予算に計上されておりますが、さらにまた機械公団で根釧、上北地域の機械開墾をやるというのと非常に似通った制度であるので、これを機械の台数がふえるにつれて、いろいろ能率が上らないおそれがあるので、もっと能率の上るように運営方法を考えるという説が出ております。その点は十分検討に値する、こういうふうに考えますので、機械開墾公団も発足し、来年の春から事業を始めますので、この事業がうまくいきますれば、機械開墾公団にその仕事を委託するということも一つの方法でないか、こういうふうに考えます。  さらに機械開墾をして牧草をまく場合に、土壌の改良がもう絶対要件でありますので、これに対する炭カル及び燐酸肥料の導入の補助、これは公共団体でやる場合には補助金にいたしまして、協同組合でやる場合には農業改良基金の方で融資でやっていこうというふうに考えております。  それから来年度の新しい仕事といたしましては、先ほど申し上げますように、だんだん各地でこれは官民ある程度試験的に進められたのが成功している例、あまり成功していない例、こういう例が出て来ておりますので、先ほど申しましたように、今後急速に草資源の造成を推進する一つの型を作るという意味におきまして、現地の実態調査をやることにいたしております。これは土壌の関係、気候の関係、それに入れる家畜の種類の関係、さらには牧草畑にし、あるいは改良牧野にした場合の利用の権利関係、この利用の権利関係というのが相当複雑しております。昨日も草資源調査会の委員の中で、特に実際にやっている人の意見を聞きますと、たとえば岐阜の長良川の川瀬研究所では、朝四時から対岸から船に乗って、自分が作っている牧草を盗みに来るとか、岡山の吉岡さんのところへ、一生懸命でやっているところを盗みに来るというようなこともある。そういう例のみならず、ちょっとよくなると牧草地の権利を不当に主張する傾向ができてくるというので、それらの権利関係においてもはっきりした制度を作らなければならない、そういう関係の資料を明らかにしたい、こういうのが調査の目的であります。  さらに大規模に未草地の改良をいたさなければならないのでありますので、そのためには土壌の調査が先決であります。これはもう当然そういう土壌の調査ができているべきであるというのでありますが、たとえば林野なら林野については、林地造成のための土壌調査がある程度できている、開拓地は穀物を作物するための土壌調査がある程度できているというのでありますが、新しく草を作るという所については、どちらの調査でも間に合わないのであります。どうしても新しく土壌の調査はやる要があります。そこでそれにつきましては、集約牧野用としての土地、一万五千町歩、改良牧野用としての土地一万五千町歩につきましては、五町歩につき一点のボーリング及び植成の調査、それから二十五町歩一点につきまして試坑をやりまして、土壌の断面をとる分析調査をやる、こういうことを来年度やる。実態調査の費用としては一千五十四万円ばかり、土壌調査としては来年度分一千五百九十七万円、これは四カ年で完成したい、こういう継続事業として実施したい、こういうつもりにしております。この実態調査、土壌調査が新しい項目になっております。  さらに、牧野改良センターは現在六地区ありますが、新しく二地区を追加して改良センターに機械を購入して、牧野改良の指導をしたいと思っております。法律関係等は非常に複雑しておりまして、具体的にいろいろな調査をしにゆく大学の先生等に、川島教授等に頼んでおりますけれども、森林開放の問題であるとか、そういう問題におびえてなかなか調査がうまくいかないようでございます。そこで私の方としましては、今のやり方としましては最小限集約酪農地域の指定の場合には、その中で高度集約牧野をどの地区に何町歩作る、その関係あるいは改良牧野を何町歩作るということが計画に出てきますので、それらにつきましては、はっきりした管理規程が申請書についていないとこれを取り上げないということを現に指示しておるのであります。しかしそういうことでは実際指定して後にまだ問題が絶えないと思いますので、これは何らかの法制的な措置を考えなければならないと、こういうふうに考えております。  それから国の種畜牧場をもう少し草の改良のほんとうのセンターとして利用すべし、こういう決議をいただいておりますが、その御趣旨に従ってやりたいと思います。これは局の中のことでありますので、一々各牧場についてその牧場の特性に応じた計画を立てたいと思います。  それから草資源に関する啓蒙及び知識の向上でありますが、これは先般当委員会でありましたか、委員のどなたかのお話でありましたか、緑の週間と一緒にやる方法、あるいは別個にやる方法、さらに草改良の実績のコンクールをやったらどうか、こういうふうなことが話されておりますが、これはきのうの草資源調査会でも同様な話が強く要望されておりますので、来年度からは少くとも集約酷農地域についてはそういうことが容易にできるはずでありますから実施し、さらにその結果によって集約酪農地域以外のところについてもそういうことをやるというふうにしたいと思っております。畜産局の関係のおもな事項を申し上げたのであります。

加唐勝三農林省農業改良局研究企画官

○説明員(加唐勝三君) 本日農業改良局長がよんどころない支障がありまして、当委員会に出席いたしかねましたので、研究部長代理をいたしております私から主として農業改良局関係の試験研究面の明年度の計画を申し上げたいと存じます。  お申し入れの第一条のうち、牧草地、牧草の改良ということと天然草地及び野草の改良ということがございます。これにつきましては、那須にございます関東東山農業試験場の草地部に草類の育種の研究室がまだ表向きにございませんので、これの新規定員七名を要求いたしております。あと北海道並びに千葉の農業技術研究所その他で育種をやっているところがございますが、経費の若干の増加という程度で、新しくその改良をやります研究室を作るという段階にまだ至っておりません。  次は第四条でございますが、そのうちの一つは試験研究、ことに経営面の試験研究を整備充実するということがございます。これにつきましても、特に新しい研究室を作るというようなことはございませんですが、別途四カ場の試験研究機関並びに普及の拡充、充実というお申し入れもございましたので、事業費の方をふやすという趣旨のもとに予算を組んでおりまして、従来平均いたしまして人件費が六、事業費が四でございましたのを一挙に改善することはむずかしいのでありまして、来年度の予算で五%改善し、五・五対四・五にするという予算を組んでおります。これ以上急速にふやしますのには、試験研究機関の予算の組み方というものを検討いたしまして、根本的に直しませんと、ちょっとむずかしいのであります。たとえば人件費六、事業費四のものを、逆に人件費四、事業費六にするのには、予算の総額を一五〇%にしないといけません。五〇%ふやさなければいけないことになります。理想といたします人件費三、事業費七にいたしますのには、試験場の総予算を二倍、二〇〇%にしなければならない、一〇〇%増加いたさないとそれだけの比率にならないのであります。で、一挙にこういうことをやりますのには、試験場の予算の組み方というものを根本的に変えなければいけないのじゃないか、こういうふうに存じております。で来年度としてやりますことは、今の組み方の範囲内で事業費を各項目ごとに増加いたしまして、ある程度仕事をやりよくするという方針で来年度は組んでございます。技術方面も同様でございます。  それから補助金関係でございますが、これは資料を刷って参りましてお配りするつもりでございましたが、以前に草資源資料第四号草資源対策要覧というのをお配りしてございます。これは農林省草資源対策連絡協議会で作りましたもので、この要覧に来年度の予算要求が出ておりますので、また同じ刷り物を差し上げましても重複いたすと思いますので、作って参りませんでしたが、このうち新規の項目だけをちょっと申し上げておきますが、一つは本省費といたしまして草資源のための試験研究運営費というもののうちに草関係のことが組んでございます。これは旅費として十二万円程度、それから日本の野草の図鑑を作る、それも普通の図鑑でございませんで、将来試験研究に使えるような図鑑を作ります。将来の育種事業、それからいろいろな造成事業に必要な図鑑でございます。これを百七十五万円ほど新規に要求してございます。それから試験研究の設計並びに成績の印刷費として三万円程度、合せまして百九十万円程度のものが新規に要求しておるのでございます。これは主として国の試験研究機関にも使いますが、地方の補助関係も考慮に入れて使って参るようでございます。これが第一番、それから第二番といたしまして、牧野改善技術者の研修費というのが組んでございます。これは牧野研究の草資源関係の試験研究をする技術者の研修費でございまして、牧野改善の事業をする技術者の研修費ではございません。そちらの方の牧野改善の技術の方の研修費は畜産局の方で組んであるわけでございます。こちらは非常に数の不足いたしております試験研究の関係者を数をふやしますと同時に、その質を上げていくということがねらいでございます。これは本省費として百三十万円ほど組んでございます。  それから都道府県でございませんで、外部の機関に委託をする費用が新たに組んでございます。これはどういう方針で組みましたかと申しますと、草の研究が非常におくれておりまして、並行して進めていかなければならないという関係がございますので、昨年——畜産技術連盟という団体がございますが、畜産技術連盟に委託をいたしまして、日本草地研究会というものがございますが、その団体との共同で日本中の試験研究者に対して草地関係の研究のアンケートをしたわけであります。どういう方面から手をつければいいかということをアンケートいたしまして、その結果十の項目が出てきたわけでございます。その十項目のうちまだ全然手をつけていないものを二つほどやりたい、こういうことでございます。そのうちの一つが委託費として入っております。それは病害虫の関係でございます。従来日本では牧草、野草、そういう草資源の病害ということに対して研究が全然やっていないのでございます。それでまず最初の事業としてどういう草にどういう病害が出ているか、病害なり害虫がきているかということの委託費でございます。これは大学六カ所ほどにお願いするという費用になっております。大学に委託いたしますのは、都道府県の試験場が病害虫関係は今手一ぱいでございまして余裕がございませんので、大学六カ所にお願いして小段階の調査をしていただくわけであります。九十万円ほど組んでございます。  それからいま一つの委託費は、これは特にアンケートから出てきたものではございませんのですが、表面の泥が流されてしまいまして、心土が出ているという、はげ山みたいな所でございます。そういう赤裸になっています所を直しますのに、豆科の牧草ですと非常によろしいので、初めに緑の作物、麦とかそういうものを入れましてもなかなか泥がよくなりませんで、牧草ですと、これが入りまして泥が非常によくなるというような研究がございましたので、それをこれは土壌関係の協会でございますが、一カ所ですが、ここに委託をいたしまして、四カ所で試験をしてもらう、こういう費用が新しく組んでございます。  それからやはりアンケートから出てきましたもう一つは、土壌関係の問題でございますが、草地の土壌調査は畜産局の方で予算を組みまして、これを地方の農事試験場の低位生産ということを研究をしているところがございますが、そこでやるということになっておりますが、私の方で出してございますのは、これはその土壌調査と組み合せまして、牧野に対する特殊な施肥の方法の試験をやっていただく、これは都道府県の補助金でございます。初年度でございますので、十カ所で十万円程度、合計百万円ほど組んでございます。塚上が大体補助委託費関係でございます。  それから同じく第四の中に種畜牧場その他広大な面積を使って総合的な研究をしろという申入れがございます。これにつきましては以前の当委員会におきまして、田中先生その他から御発言を承わっておりまして、当時は北海道の牧場という御意見でございましたが、北海道では研究室も離れておりまして、人を集めますのも大へんでございますので、第一回の三十一年度の予算といたしましては、お手元にございます書類のような案を作って、要求をいたしてあるわけでございます。案自体は官房の総合開発課でやったのでございますが、第一年度は改良局関係を主としてやるということにいたしまして、第一年度の事業は主として改良局関係の仕事である、こういうことで改良局から国の試験場の予算として関東東山試験場の草地部の予算として出してございます。その趣旨は重要点のところに書いてございますように、一つのねらいはなるべく全国的に広く当てはまるように、こういうことで日本の南の栽培環境と北の栽培環境とのちょうど接触点になっております境のところの、北関東か南東北ということで一応那須に草地部とそれから畜産部と経営部と三つございますので、研究室も十幾つございますので、その人を動員して両地域に、またがるところでやる、こういう趣旨でございます。それから日本の傾斜地は火山灰地が多うございますので、那須の火山灰地であるということも考慮に入れてございます。傾斜度は那須には幾らも傾斜のあるところがないのでございますから、那須山、それから高原山の山麓、中腹にかけまして、国有林その他国の使えます土地を使いまして試験をしよう、こういうことでございます。将来の計画といたしまして、総面積はここにございますように五百町歩ございますが、初年度はそのうち二百町歩だけ事業をする、同時に五百町歩にわたる予備的な調査をする、こういう計画でございます。それで三十一年度以後は五年まで出ております。たとえば三年目には二十戸の実験農家が入ってくるということでございます。それからここでごく規模は大きいのでございますが、試験としては比較的簡単な試験をいたしまして、その結果を展示の用にも供する、農家に見せる、つまり畜産局の方の牧野改良センターでやります事業がうまくいった場合にはこういうふうになるのであるということを、われわれ技術者がやって見せるということがねらいになっております。それで五年過ぎまして、あとどうするか、まだきまっておりませんが、実験農家も入ることでございますから、農家の希望があれば農家の方に払い下げていく、また新しく開拓農家を入れるということも考えられるわけでございます。それで三十一年度、初年度の事業といたしましては、二百町歩を使って、aとして草地土木に関する試験研究、すなわち土壌の整備法、土壌保全、隔障物設置、こういうことをやる。それからbとして草生改良に関する試験研究、土壌改良、草種飼肥料木導入、こういうことをやるのでございますが、ここには簡単で、書いてございませんので、もう少し申し上げますというと、傾斜地というもうは従来いろいろな使い方があるわけで、主として従来は緑作物を入れる、またはコンニャクであるとか、ああいうふうな高原作物を入れる、場合によりますというと、果樹を入れる。また高冷地でございますれば、高冷地用の蔬菜、キャベツでございますとか、白菜を入れるとか、そういうのが普通のやり方、あとは林地にするということしかなかったのでありますが、この総合試験地は傾斜地の総合利用ということをうたってございますが、これは草を中心にいたしまして、傾斜地を総合的に利用していこうということでございまして、従来の使い方もやってみて、それとの経営上の比較もいたしていくということであります。たとえば緑作物も作ってみる。たとえば緑作物でも、うねをどういうふうに作るかということは非常に問題でございまして、縦のうねがいいか、または横のうねがいいか、または等高線うねがいいかということは相当問題でございますけれども、原則としては傾斜地では等高線うねがいいわけでございますけれども、日本のように非常に山がこまかくひだになっておりまして、等高線が非常に屈曲する場合には、必ずしも等高線がいいかどうか疑問でございます。それは農機具が使いにくくなるのでございます。アメリカのように非常に耕地が広い山のひだになっておりますときには、等高線で作りましても仕事がやりいいのですけれども、日本のように小さな山ひだでございますと、非常に等高線というものはやりにくいのでございます。縦うねが悪いように思うのでございますけれども、横うねですと、かえって大雨のときには、うねごと流されるということもございます。また等高線うねをやるにつきましても、多少の傾斜をつけまして、水のはけ口を作ってやらないと、やはりうねが流されるということもあるわけでございます。しかし従来の方法との比較をする、また従来の作物との比較をする、野菜だけ作った場合と、野菜と交互に植えましたり、輪作にして年次を変えて植えましたり、また果樹との組み合せもする、桑の方もやってみる、二百町歩を草一面にするのではございませんで、将来はそういういろいろの従来の方法、従来の作物との検討もいたしていく、こういう考えでございます。でございますから、野菜のようなものでございますれば、一つの面積が一反歩、二反歩程度でいいのでございますが、桑になりますと、四、五反歩必要になってくる。果樹になるというと四・五反歩でも足りないというようなことになります。それですから、試験のやり方としては土壌の差異、土性の差異によります試験区の反復ということをやりませんで、その取扱いは一つしかやらないのでございますけれども、面積をそれぞれ多く取りまして、その作物なり林木に相当する面積を取りまして試験をする、こういう計画でございます。その費用は初年度といたしまして二千六百三十八万五千円、人件費を極力節約いたしまして、新規の定員の要求は五名ということにいたしております。その意味は那須の連中が行って、那須の各三部の人たちが行って仕事をするということでございます。そのかわりに人夫賃、肥料代、農機具、そういうものを大きく見積ってございます。それからまだ現地の踏査をいたしておりませんが、どうしても団地となることが困難でございますので、相当傾斜地において飛び地ができると思いますので、旅費なんかというものもまた関東東山でなく、ほかの部の人、ほかの局の人も来るわけでございますので、旅費というものも相当に多く組んでございます。従来の普通の予算の組み方と違いまして、人件費を減らしまして、役務費、事業費、そういうふうな面で予算を多く取って組むという作り方になっております。傾斜地利用の試験地の点はその程度でございます。  それから同じく第四条に研修のことがございますが、研修につきましては、先ほど研究技術者の研修のことは申し上げました。お申し入れには普及員の研修のこともございます。普及員の研修につきましては、特技研修というものを昨年あたりから普及部の方でやっております。そのうち畜産関係の特技研修は私の方にも、研究部の方にも相談がございましたので、これは畜産の技術研修は二つの次にして、まず飼料の自給の研修をしてくれということで、飼料作物の栽培、それから牧野の改良、こういうことを第一にいたしております。第二には畜力利用ということをいたしておりまして、第三に畜産自体の研修ということをいたしておるわけでございます。一般の普及員というのは農業全般の知識を持っていますほかに、それぞれ何か特技をつけていくという方針でございまして、畜産に関する特技は飼料の自給ということを第一にいたしております。明年以後はこの内容を改善いたしまして、費用は特にふやしませんですが、内容を改善いたしまして、特技を普及員にしっかり身につけてもらう、こういうふうに持っていきたいと思っておる次第でございます。  それから大学に講座を設けるということでございます。これは私どもの方も非常に希望するところでございまして、一昨年予算を組んだことがあるのでございますが、局の予算の限りで落ちてしまうという程度でございます。昨日も草資源の調査会で、東北大学の藤原教授からこのことが出たのでございますけれども、文部省の方がその意思がない、文部省で大学を作りますときには設置委員会でやるわけで、設置委員会は大学の先生、教授の方が構成しておられるわけでございます。その設置委員会からそういう意見が出てこないのであっては、なかなか大学に講座を作るということはむずかしいのでございます。そこで草資源の調査会も、いつかは文部省の方、並びに大学の設置委員会なり、講座の設置の方の係のお方をお呼びいたしまして、この必要性を大いに認識していただく必要があるのではないか、こういうふうな意見が出て、あるいはそういうことに取り計らうことになるかとも存じておる次第でございます。大体私どもの方で来年度として考えておりますことはこの程度でございます。

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 御質問がありましたらどうぞ。

加唐勝三農林省農業改良局研究企画官

○説明員(加唐勝三君) 申し忘れましたので、追加をいたしまして、明年ニュージーランドで第七回の万国草地会議と申しますか、国際草地会議と言ってもいいのでございますが、これが開かれるわけでございます。三年ばかり前に第六回がアメリカで開かれております。このときは数千名の参加者がありまして、非常に盛会であったわけです。ところがニュージーランドは場所もちょっと不便になりますし、それから土質が火山灰の所が多い。それから雨量が割合多い。こういう関係は欧米各国とは非常に事情が違うわけでございます。そういうわけで、欧米からの参加者は比較的少い。ところが日本とは非常によく似ているのでございまして、この会議で討議されることは日本に非常に価値がある、こう存ずる次第であります。それで昨年国際連合の食糧農業機構というのがございます。FAO、これに技術援助を申請いたしまして、本年の夏二人ローマから牧野関係の技術者が参りまして、畜産局の案内で各地を見たのでございますが、そのうちの一人が帰りますときに、FAOは日本の草資源の利用が非常におくれているから、技術援助はする、しかしながらもし来年開かれますこの第七回の国際草地会議に日本が強力な代表を出せば、さらに技術援助を高める、この点は第一回の御説明のときに私からちょっと申し上げたのでございますが、これにつきまして、農林省といたしまして六人の代表を派遣したいという予算の要求をいたしたのでございますが、農林省内で二人に制限されまして、来年農林省関係で二人代表が行ける、こういう見通しでございます。そのほか日本学術会議の方で一人はやっていけるだろうということで、これは日本畜産学会を通じまして日本学術会議に申請をいたしますと同時に、農林省といたしましてはスタックに交渉いたしまして、学術会議からもう一名出していただく、合計三名の代表が出席する。そのほかに、来年どういうことになるかわかりませんですが、乳牛をニュージーランドで購買しておりますから、その購買官並びに護送官が何名か参加できるのではないか、まあ三名ぐらいは参加できるのではないかとこう存じております。そういたしますと、合計で六、七名の参加ができることになるわけでございまして、まあ一応形の上では相当強力な代表団を送ったと、こういうことになろうかと存ずるのであります。

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 農地局の資源課長、江川了君。

江川了農林省農地局計画部資源課長

○説明員(江川了君) 農地局として特に関係深いお申し入れ事項についてお答えいたします。  お申し入れの第一点の中に入っておりまする土地の利用を適正化及び高度化するということに関連いたしまして、農地局といたしましては、特に開拓地について、御承知のように従来開拓地については耕地それから付帯地として採草地、薪炭林というものを売り渡しておりまして、また耕地についてはいろいろの予算的な措置も講じてきておりましたが、従来採草地については別段の措置をとってきていなかった次第でございます。お申し入れの次第もあり、かつ非常にその重要性からいたしまして、先ほど畜産局長からも御説明がありました通りに、その採草地の草生改良をやるという目的からいたしまして、その採草地の開墾並びに土壌改良、あるいは牧草種子の導入ということについて今後助成の措置をとっていくということで、約二千三百万円の予算要求を三十一年度予算として要求することにいたしております。なお、これは開拓地以外の草地改良といたしましては、農地局としては、将来もるいま草地についての灌漑というようなことが具体的に措置するような問題になってきますると、技術的にも農地局として相当この面にタッチせざるを得ないかと存じておりますが、その点実態調査なりあるいは土壌調査といったような事業の成果とにらみまして、また畜産局とも相談いたしまして、今後必要の措置をとっていきたい。個々のプロジェクト、個々の地区の草地開発計画としてこれは取り上げていくようにしたいとかように考えております。  なお、農地局として特に関係深いのは、お申し入れの第三の、現行の諸制度、諸立法についての検討、改善の問題でございますが、現在の草地についていわゆる耕起あるいは施肥といったような肥培管理を行うようになってきますると、現行の農地法の法制そのままにおきましては、一応それが農地法でいう農地ということに該当することになりまして、そのままでいきますと、採草地の小作地等については所有制限を受けるというような形になってきまするので、そのままでいいのか、あるいはそういった所有制限の措置についてさらに検討をするということも問題としては必要になってくるかとも存じますが、そういった面からの農地法の検討ということも、省内の連絡協議会における法制部会において農地課を中心に検討をただいまいたしておる次第でございます。結果によりましては、またさらに農地法の改正ということで国会の御審議をわずらわさなければならない事態もくるかと存じます。  なおもう一点は、これは従来からやってきておりますが、特に泥炭地の草地開発という面てついて、従来の泥炭地開発は御承知のように排水をし、客土をしていくという方法をとっておりましたが、草地としての開発につきましては、今のようなやり方が非常に不経済である、経済ベースにのらないということからして、もっと経済ベースにのる開発の方式があるんではなかろうかと、いうことからいたしまして、従来そういった試験に毎年三百万円の経費を投じて着手いたしております。本年の成績で見ますると、非常に有望のようでございますので、もうしばらくその試験を継続いたしまして、その成果を確認いたしました暁は、積極的に泥炭地の草地としての開発事業というものを取り上げていきたいと、かように考えております。農地局の関係いたしますことについての御説明を終ります。

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 以上をもって農林省からの説明は終りました。御質問の向きがございましたら御質問を願います。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 改良局の総合試験ですね、その中で二年度で混牧林地の造成改良というようなものが入ってくるんですが、これは別途林野の方はやっておるわけですね。林野の方の人は今日見えておるのですか。

加唐勝三農林省農業改良局研究企画官

○説明員(加唐勝三君) 見えておりません。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 課長は元締だから聞きますが、林野の方の混牧林地の造成改良というような問題について、どうも私はこの間高萩の試験場を見ましたけれども、平坦地ばかりですね。あそこに傾斜地というものが全然ないのですが、今度の改良局の方はこの傾斜地でいくわけですが、林野の方が今やっておる混牧林地の改良造成という中には、もっと傾斜地を入れて規模を拡大するというような考え方はございませんか。

庵原文二農林大臣官房総合開発課長

○説明員(庵原文二君) 林野でやっております混牧林経営に関する研究と事業は、ちょうど担当者が今日参っておりませんので、詳しい御説明を申し上げてないのでございますが、まず来年度の草資源対策の一環といたしまして、林野庁におきましては、混牧林経営に関する経費として約六百四十万円程度の予算を要求いたしております。なおそのほかに国有林野事業特別会計の経費といたしまして、国有林野内における混牧林の改良、飼料木の植栽、障害木の除去、放牧柵の補修等を内容といたします放牧採草地の改良事業に要する経費といたしまして八百六十万円程度計上いたしております。それでただいまの江田委員のお尋ねにつきましては、やはり林野といたしましても、この林業の経営という立場だけでなしに広い立場でやっておるわけでございまして、このためには以前からやはり農林省の官房の中に傾斜地利用協議会というものを設けておりまして、この申し入れの一の最後のところに「新しい畑地農業乃至傾斜地農業の営農形態を樹立する」という見地から、関係各局とともにいろいろ研究をして参ったところでございます。今後におきましてもできるだけそういうような趣旨に基きまして、実施を促進して参りたいと考えております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 この草の問題ですが、これはどこでもおくれているのはおくれているのですけれども、一番手っとり早く混木林問題が出てくるのじゃないかと思うのですが、そういうことについて、高萩村といったって馬が二頭おるだけで、別にあの林野で放牧しているわけではないのでして、そういうようなことがもっと進んでいかんと、どんなことになるかわかりませんが、今後草の問題というのが大きく叫ばれれば叫ばれるほど、また間違ったやり方というものも相当出てくるのじゃないか。たとえばこの間神戸の摩耶山のスライドをちょっと見せてもらいましたが、あれなんかを見るというと、これは林野の関係とは違いますけれども、何か見ているとエロージョンでも起るような印象を受ける。とても荒っぽい仕方をしている。それから混牧林の問題でも下手な牛の放し方をしていけば、かえってそれが土壌崩壊というようなことになるのじゃないかというような、主として新しい使い方が出てくれば出てくるだけ、土壌崩壊という危険性が非常に多いのでして、そういう面にはこの総合試験場の初年度を見ましても、土壌保全というようなことがありますけれども、それは要するにこじんまりとした試験研究だけやられるのだと思うので、もっとあらっぽいといいますか、もっと実態的な試験研究というものが出てこないと、民間の速力とマッチしないのじゃないか。そういう面にはもっと混木林だとか、実際の放牧をしていくとか、そういう試験研究というものを加えていただきたいということを私は考えるのです。  それからもう一つ、昨日の会でどういう意見が出たかしりませんが、牧野というものはどこが一体ほんとうにやっていったらいいのかということです。畜産局の方で牧野をやっていくといったって、これでどんどん高度集約牧野というようなことになって、草を作るというようなことになって来たときに、果してそれが畜産局だけでやっていけるのかどうか。そこにもっと耕種というような関係の技術者あたりも入っていかなければならんのではないか。従来とは相当牧野というものの利用が高度化されればされるほど、そこにそういう耕種というような技術者が入っていかないとできないのじゃないかということを感じるのです。そういう面で現在の機構をそのままにするとすれば、ある程度人の交流等が行われんとできんのじゃないかと思います。そういうことは昨日の調査会ではどういうことが出ているのですか。

渡部伍良農林省畜産局長

○説明員(渡部伍良君) 問題として提示されておりまして、この次くらいから総合計画、それから法制、それから試験研究、そういう部会に分れて、部会で研究しようということになっておるわけです。いろいろな意見がありまして、畜産局としましては何といいますか、仕事がだんだん分化し、深みに行きますと、お話しのように各方面の技術者の知恵を借り、助けを借りなければ、手が広がれば広がるほどいろいろ問題が出てくるだろうと思いますので、草資源調査会の研究には私どもの意見として相当思いきった意見を出そうと思って今考えております。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 きのうの話しの中でお聞きしたい一つに、いわゆる農業用の採草地という問題と、家畜といいますか、畜産用の採草地という問題、こういうものがおのずから片一方は、主としておそらく最初は野生植物のうち適当なものの導入、あるいは適当なものの繁植をはかっていく。片一方の畜産関係の方からいえば牧草というものにひたすらいくという形に私ども簡単に思うのですがね。そういう意味からいって草の改良という中ではっきりしたそういう用途別の使い方という問題を私はやはり考えていくべきじゃないか。この間私地方へ行ってみまするというと、近ごろ草地農業というものが非常に盛んに叫ばれているが、林業の関係の区域というものをそのために侵されるのではないかというような林業関係の人から話がありまして、私はそれは一がいには言えない、広い意味での土地の最高度利用という点からいえば、現在の岩手みたいないわゆる牧野の名によっていたずらに不集約な初歩な使い方をしているようなところは、これは植林という問題のできる余地というものがかなり出るだろう。しかし一面において、所によっては田畑にすぐ接して植林などということが言われている所は、ある意味でもって草地という問題が新しくその地域に出てくるだろうと思うのだというような話をしたんですが、その際といえどもいわゆる狭い意味の農業用の採草地という問題と、多角形農業の畜産用の草、裏作をかねた傾斜地の牧草という問題が考えられると思うのですが、その点ほどういうふうな考え方で委員の方々はきのうあたり論ぜられましたか、どうでしたか。

渡部伍良農林省畜産局長

○説明員(渡部伍良君) その点はまだ細かく入っておりませんが、牧用草、堆肥用草、それから今の林地の下草、エロージョン防止、あるいは林地の理化学的な性質に影響を及ぼすような草の採取なり栽培、そういう問題がぼつぼつ出ておるわけなんです。これをどういうふうに区分するかという問題は、先ほど申し上げましたように分科会でもっと仕分けができることになると思いますが、ちょっと感じが早いのですが、私どもの研究態度として考えておるのは、要するに日本の草地はとにかく略奪されているのじゃないかと思うのです。その略奪が今までは家畜用の草というよりも堆肥源としての方が大きいのじゃないかと思います。それをひどいところは百万とか百五十万というところまで競争で刈ってしまっておるのがその方面の実情じゃないか。牧場でも肥培管理を怠って非常に衰えているのが実情じゃないかと思います。ですからそれを順序として堆肥用の草地の改良といっても、そっちからは入れないのであって、やはり牧草を使って乳牛なら乳牛を飼う、そこで採算がとれるというところから入っていかなければならないのじゃないか。おのずからその利用の限度というものができてくる。それがうまく成功すれば、まあそこまでいくかいかぬかよくわかりませんが、私の方で仕分けしております改良牧野なり、放牧地というふうな、順次少しでも収量を上げるような手がほかの草地の方にも伝播していくのではないか。とにかく家畜を通して草の経済性を確保していくということにならなければ、いきなり堆肥源の草というところに入れないのじゃないか、そういう気がしております。  それから、きのう大政林業試験場長から、これはちょっと突き進んだ話ではないのでありますが、林地の草の扱いについて、まごまごすると草を入れることによって林地の土壌の理化学的性質を悪化すると、そういう注意がありましたのですが、そういう点は今後さらに進んで答案を得なければならないのではないか、こういうふうに考えております。それからされに、今主として何というか、林地にもなっておらないし、牧草地にもなっておらない、ササがはえておるとか、あるいはブッシュがはえておるというところがまだ相当残っておるのじゃないかと思います。これらはたとえば、これは私、この間見てきて、本省の中で聞いておりますと、まだ確立した技術であるかどうかというふうなことに対して、全面的な賛成が得られてないようでありますが、たとえば福島の牧場長がやっているササを焼いて、これはまあ水とか播種期とか、あるいはササを刈る時期、火入れの方法とか、いろいろなコンディションがうまくいったから成功したのじゃないかと思いますが、そういうもので収量の多い牧草に変えれば、ある面積は今度造林の方へ回せるということも出てきて、一定面積の利用方法としては、牧草の生産量なり牧草の効果が出てくれば、ほかの方にもいい影響を与えるのじゃないか、こういうふうに考えます。なかなかむずかしい問題があるのじゃないかと思いますが、これはちょっと余談になるのですが、終戦後ビルマ米とかインドネシアの米の種を日本へ持ってくればうんと収量が上る、これは元海軍中将何がしというのがその大将になって、盛んにこれを持ってこいというので、広川農林大臣だったと思いますが——ところが、それは絶対に日本の国ではできない、こういうことが、これはまあ植物生理学、植物遺伝学の関係からインポシブルだ、こういっております。ところが高知県のある人が、南方に輸出する農機具の改良のために、どうしても南方のもみを輸入することが植物検疫でできないので、作らなければいけないというので、フィリピンのある種のスレンダー・スタイルの稲を入れて、三年苦心をしまして、植付の時期、苗しろ期間、一人で苦心しまして、三年目に成功して、それからずっと毎年作っておりますが、そのときにカタックの試験場長のラミヤ博士がそこに行きまして、そういう播種期、苗しろ期間、そういうものが、完全にその稲の種類を日本で作るのに一致したということに驚嘆の目をあれしておりましたが、そういう点まで、牧草と優良草と雑草との関係の何といいますか、調整をやるところまでいかなければいけないのじゃないか、そういうふうに考えます。しかし、いずれにしましても、方々のところで牧草、優良牧草を、新しい種類あるいは従来ある種類を、昔に比べてうんと収量が出るような栽培法が成功しておりますが、そういうことが一般的になるように持っていかなければいけない。それには初めからあまり手を広げないで、先ほど申し上げましたような家畜を通して、家畜の生産物によって草の経済性、つまり採算が成り立つようなところから入っていかなければならない、私の方はそういう考えでおります。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 意見にわたるかもしれませんが、私は今お話がありました中で特に注意していいだきたいと思うのは、やはり反当り、その土地の高度利用としての経済性ということを特に考えて、新しい問題としての草の問題をぬかりなく発展さしていただきたいということが一点。それからもう一つは、新しい仕事だけに方々で試みたがるのです。それは試みるに足るだけの予算が取れればいいけれども、なかなか皆さんの苦心、この委員会の努力にもかかわらず、思ったほど必ずしも期待できないかもしれない。その場合においては、どうしてもやはり成績の上る行き方に集約して、ばらばらっとまいてしまって何のことかわからないということなく、いわゆる草の芽をつんでしまうようなことでないような行き方でぜひお考え願いたいということを希望して、私の質問を終ります。

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 石谷林野庁長官が出席されました。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 これは妙な話を伺うのですが、一体今の小学校の教科書の中には、いい草と悪い草ということは何か教えるあれがあるのですか。これは妙なことですが、私が小学校のときには、草というものは草だった。ただ、今は牧草というものがある。牧草が雑草と違うということは教えてあると思うけれども、その雑草の中で、いい草と悪い草とがあるのだ。そういうようなことが、やはり草の啓蒙というのは、子供のときから教え込まぬとだめなんじゃないか。そういう点を、大学の草の講座ということも必要だが、小学校でもそんなことを少し養成すべきじゃないか。そこで、たとえばかりに草の、緑の週間というものをやるとしても、ただ、草をはやしましょうということも一つの運動だが、同時に悪い草を抜きましょうというのも、僕は一つの運動だと思うし、今後、緑の週間を来年はやるとすれば、そういうような小学校の子供にまで、いい草と悪い草があって、悪い草は皆でのけてやらなければならぬのだというところまで掘り下げた運動がやはり必要なんじゃないか。そういうものを積み上げていかなければ、草地農業といったって、奇跡は起らぬのじゃないかと思います。

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) 速記を始めて下さい。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 さっき僕は畜産と農地の技術者の交流というようなことも考えなければならぬのじゃないか、と同時に林野庁長官が見えたから、たとえば灌木というような問題になってくれば、またそこに林野の研究の試験場と畜産との人の交流ということもある程度必要になってくるのじゃないかと思います。そういうようなことで、お互いの力を出し合うという態勢をとらぬと、林野は林野、畜産は畜産という形ではなかなかこれはうまくいかないと思う。たとえば高萩なら高萩でいろいろやっておられても、高萩という所だから、ああいう牛もおらぬ所だから、それでできているので、それなら牛を入れて見ろ、どうなるということを聞かれると、これはちょっと答えができぬと思う。そういうような一つ技術者の交流というようなことも積極的に考えられなきゃならぬのじゃないかと思う。

石谷憲男林野庁長官

○説明員(石谷憲男君) 全くお説の通りと私どもも考えておることでございまして、現在すでに御説明があったと思いまするが、この牧野、あるいは採草地の創成、改良、増植といったような問題に関しましては、畜産局、改良局あるいは農地局、林野庁といったようなそれぞれの部門で進めておるというようなことが実態でございまするが、もちろんこれは現在の機構の中におきましても、農林省内のあるところでこれらを統合いたしまして、実施の面につきましてはきわめて有効に進めていかなきゃならぬということが当然だと思っておるわけでございます。そういったような進め方に伴いまして、ただいまお話しのようなふうに、それぞれの専門の技術者というものがお互いに協力すると同時に、場合によりまして交流し合いまして、その成果を上げていくようなやり方を考慮すべきであると思います。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 それからもう一つ長官ね、あれは何というのですかね。とげなしアカシア、あれは苗木が依然として高いですね。あれはもっと国あたりで積極的に作れませんかね。あんないいものが、依然として苗木屋だけをもうけさしていると思うのですがね。

石谷憲男林野庁長官

○説明員(石谷憲男君) とげなしアカシアはいわゆる成長という点から言いましても非常にけっこうでございまするし、御承知のように豆科の植物でございますから、地肥植物としては非常にけっこうなことでございますが、一般に、御承知と思いますが、アカシアのたぐいは、これを増値していきます場合に、非常に立地を選ばなければならぬ、普及性と申しまするか、非常に廃い対象の所に一斉に植えていくというところあたりにまだ問題があり、なかなか大量生産がし得ない。従って苗太も相当高いということになるのではないかと思います。普通のにせアカシアあたりもそういう性質があり、灌木としては非常にいい木ですが、立地に制限性があり、傾斜地にいくと成績が悪い、こういうふうに適地が相当に選ばれるというところになかなか普及性の問題があるのじゃないか、かように考える次第であります。

棚橋小虎日本社会党

○委員長(棚橋小虎君) ほかに御質問ありませんか。——それでは私から一言農林当局に申し上げておきますが、本問題はきわめて重要でありますから、政府において極力作業を進め、適当な措置を講ずるように、なお予算的措置については来年度予算に、また政治的措置については来年たる通常国会に、それぞれその実現を期して最善の努力を希望いたします。  委員長からちょっと年末のごあいさつを申し上げます。本年は委員会はいろいろ重要な問題が山積いたしておったのでありますが、委員の各位の御精励によりまして、成果を上げることができまして、感謝いたしておる次第であります。  なお委員長といたしましても就任後日浅く、不なれな点がありまして、委員の方々に御迷惑をかけた点も少くなかったと思うのでありますが、休会中に議事規則等も研究いたしまして、新年においては手ぎわよくやりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。それではごきげんよく御越年なさいますよう。  では本日はこれで散会いたします。    午後零時二十七分散会

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