内閣委員会 第29号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/04/19
会議録
○委員長(小柳牧衞君) ただいまから開会いたします。 委員の変更についてお知らせいたします。四月の十七日、安井謙君が辞任せられまして、その補欠に植竹春彦君が選任せられました。四月の十八日、亀田得治君、田村文吉君が辞任せられまして、その補欠に菊川孝夫君、廣瀬久忠君が選任せられました。
○委員長(小柳牧衞君) 栄典法案を議題といたします。 本案に対する提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(根本龍太郎君) ただいま議題となりました栄典法案の提案の理由及び概要を御説明申し上げます。 政府は、わが国の再建に寄与した各方面の功労者を広く栄典に浴させるため、褒章の制度を拡充する等、栄典制度の改善に努めて覆りました。しかしながら、現行の栄典制度につきましては、このような部分的修正にとどめることなく、全体について町検討し、時勢に即応した制度を整備いたしまして、その全面的運用をはかることが必要と信ずるのでございます。従いまして、さきに臨時栄典制度審議会を設け、栄典制度の改正について諮問いたしたのでありますが、今回その答申をもととし、さらに本問題に関する従来の経緯及び世論の動向を参酌いたしまして、慎重に考究いたしました結果、その基本的事項を法律案として取りまとめ提出いたした次第でございます。 次に本法律案の概要を申し上げますと、栄典制度をできるだけ簡素なものとしようとするものでありまして、勲章を根幹とし、これに褒章等を配し、現行の位階や勲位勲等は今後廃止することにいたしております。 勲章につきましては、菊花勲章、旭日勲章及び文化勲章の二棟とすることといたしました。菊花勲章は、従来の菊花章を受け継ぐものとし、旭日勲章は、従来の旭日章、宝冠章及び瑞宝章の三種にかわるもので、従来のこれらの章と体裁上も区分し、従来の授与方針にこだわらず、時勢に即応した運用をはかる考えでございます。しかしながら、すでに授与されました旭日章、宝冠章及び瑞宝章につきましては、今後も有効とし、その着用を認めるべきであると考えております。文化勲章は、従来の制度を継承することといたしました。 褒章の制度は、主として国民の奇特の行為を表彰することを目的としておりますので、章の体裁を改善するほかは、大体従前の通りといたす考えでございます。 以上申し上げましたように栄典制度を整備しようとするのでありますが、さらにその運用の実際において、厳正公平を期し、菱形に遺漏なからしあるために、総理府に解議会を設け、者方面の識者を委員にお願いし、その審議を経て運用するようにいたしますとともに、内閣総理大臣官房賞勲部を廃止して、総理府の内部部局として栄典局を設置し、栄典に関する事務処理にも遺憾なきを期するようにいたしたい考えであります。 以上、本法案の概要を申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(小柳牧衞君) 本日は提案理由の聴取にとどめておきたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(小柳牧衞君) 内閣法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(根本龍太郎君) ただいま議題となりました内閣法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。 この法律案は、かねて政府の企図しておりました行政制度改革の第一次実施の一策として、内閣官房及び総理府の機構の改正を行おうとするものでありまして、まず、内閣法における内閣官房上長官と内閣官房副長官の制に改正を加えて、これを強化し、一方総理府設置法において新たに総務長官及び総務次長を置き、従来の総理府の長たる内閣総理大臣の補佐者としての内閣官房長官及び内閣官房副長官の制を廃止し、内閣官房長官と内閣官房副長官は、もっぱら内閣制度の運営についてその政務と事務を見ることとし、総理府の総務長官及び総務次長は、もっぱら総理府の政務と事務を見ることとして、内閣と総理府におけるこれらの管理機構を整備強化するとともに、これに伴って従来の内閣官房の事務を総理府の大臣官房において行うこととされているいわば便宜の制度を改め、内閣にかかわる事務は内官房において行い、総理府の大臣官房においては、総理府にかかわる事務のみを行うこととし、内閣官房と総理府大臣官房との機構の関係を整理して、行政迷宮の体制を明確にし、もってその運営の改善をはかろうとするものでございます。 なお、総理府所管の各種付属機関のうちには、現状から見てこれを他の省庁に移すことを適当とするものがありますので、この際、所要の改正を行わんとするものでございます。 次に、本案の内容でございますが、第一は内閣法の改正であります。 まず、内閣官房長官の内閣関係の事務の統轄者としての機能は人間制度の連帯と直結するもので、その責務の重要性にかんがみ、その地位を強化し、国務大臣をもって充てることといたしたのでございます。 次に主として予算閣僚会議の事務を助けさせるため内閣官房副長官一人を増員することといたしております。 次に、内閣官房の所掌事務を総理府の大臣官房の所掌事務から分離し、内閣にかかわる事務は内閣官房において行うこととする機会に、閣議にかかわる重要事項に関する総合調整に関する事務及び内閣の重要政策に関する情報の収集、調査に関する事務を内閣官房の所掌事務として明定いたしております。この分離に伴って内閣官房に内閣参事官、内閣審議官、内閣調査富、内閣事務官その他所要の職員を置くこととし、また、内閣総理大臣秘書官は、従来総理府に置かれておりますが、その性質上内閣官房に置くを適当と考え、そのように改正いたしております。なお、これらの職員の属する内閣官房の内部組織等は、政令をもって定めることといたしてあります。 第二は総理府設置法の改正であります。 まず、総理府に総務長官及び総務次長を渇く規定を加えました。 総務長官は、総理府の長たる内閣総理大臣を助けて、府務を整理し、所管の事項について政策及び企画に参画し、政務を処理し、所管の各部局、機関を監督することとしております。なお、国務大臣をもってその長と定められている外局の所管の事項についての政務及びその部局の監督に関する事項はその長の実質的性格に即して総務長官の職務の中から除くこととしてあります。なおまた総務長官は、総理府の機構が各省庁に属さない一般的、かつ、特殊な行政を総括主掌する行政機関であり、また、その長が内閣総理大臣である等の性格にかんがみ、これを国務大臣をもって充てることといたしてあります。 次に、総務次長は、総務長官の職務を助けることとしておるのであります。 前述の内閣官房と総理府の大臣官房の事務の分離に伴って、総理府大臣官房の事務の中から、閣議事項の整理、その他内閣の庶務を削除しております。 次に、総理府の付属機関中、ふ虜情報局及び引揚同胞対策審議会は、現在においては厚生省に移管するを適当とし、これらの付属機関の規定を削除し同省に移しかえることといたしております。 以上のほか、関係法律について所要の条項の整理を行なっております。 以上がこの法律案の提案の理由及び概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(小柳牧衞君) 本日は提案理由の聴取にとどめておきたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
○委員長(小柳牧衞君) 国家公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する提案理由の説明を聴取いたします。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま議題となりました国家公務員法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明いたします。 この改正案は、行政機構改革の一環として、現在の人事院を廃止し、総理府の内局として人事局を、外局として国家人事委員会を設けるために所要の改正を行おうとするものであります。 人事院は昭和二十三年、当時の占領行政下において設置された中央人事行政機関でありまして、内閣に対してきわめて強い独立性を有しているのであります。もとより人事行政の公正を確保し、職員の利益を保護するためには、独立性を有する人事行政機関の存在を適当とするのでありますが、現行制度に見られるように、独立機関が一般職の国家公務員の人事行政をほとんど全面的に所掌していることは、内閣の責任を不明確ならしめているきらいがあるばかりでなく、行政組織上の観点からいたしましても、現在の人事院は、国家行政組織法等の適用を受けない特別の機関でありまして、わが国行政組織の現情に適合しないものがあると考えられるのであります。従いまして、この際、人事行政の公正の確保及び職員の利益の保護に遺憾のないように配慮の上、以上の点を是正する目的をもって中央人事行政機構を改革整備することといたしたのであります。 すなわち、第一に、国家公務員法中、人事院の権限となっている事項のうち、独立性を有する国家人事委員会の権限とすることを適当とする事項以外の事項は、内閣総理大臣の権限とするように改め、その事務を担当する部局として総理府に人事局を設置し、これに職員、給与の二部を置くこととしたのであります。なお、人事局においては、国家公務員法に基く一般職に関する事項のみならず、現在大蔵省主計局で所掌しております特別職の職員の給与に関する事項、共済組合に関する事項、退職手当に関する事項等をもあわせ所掌させることといたしたのであります。 次に、国家公務員法中、職員の給与の改善、その他人事行政の改善に関する勧告、試験、研修、分限、懲戒、苦情の処理等、人事行政の公正を確保し、職員の利益を保護するために必要な事項については、内閣総理大臣の所轄のもとに国家人事委員会を設置し、これを所掌させることとしたのであります。国家人事委員会の構成及び国家人事委員の任免、分限等につきましては、大体現行の人事院及び人事官のそれに準じた制度をとることとし、なお職権の行使に当っては独立して行う旨を明記しましたが、国家人事委員会にはいわゆる二重予算制度を設けず、国家行政組織法及び行政機関職員定員法を適用することとし、国原人事委員については特別な宣誓制度・給与保障制度、退職後の任用制限等は、これを設けないことといたしました。国家人事委員会の事務局には、宮町のほか、任用試験、給与調査及び公平審査の三部を置くとともに、地方支分部局として所要の地方の事務所を置くことができることといたしました。ざらに、現行制度におきましては、人事院の行う職員の給与の改善に関する勧告等は、国会及び内閣に対して同時に行うこととなっておりますが、国家人事委員会のこれらの勧告等につきましては、これを改めて、内閣に対してのみ行うこととし、内閣は、これを国会に報告しなければならないことといたしたのであります。 この法律案は、以上の趣旨に基きまして、国家公務員法及びその他の関係法律の改正を行うとともに、必要な経過措置を規定いたしたものであります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(小柳牧衞君) 本日は提案理由の説明の聴収にとどめておきたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(小柳牧衞君) 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する提案理由の説明を発議者、衆議院議員赤城宗徳君より聴取いたします。
○衆議院議員(赤城宗徳君) ただいま議題になりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由について御説明いたします。 現在、教育職員の給与制度は、学校の種類、職種、学歴、経験年数の四要素をもって構成されております。 そのうち、特に経験年数の要素が重要視されておりますことは御承知の通りでありますが、学歴等他の要素は、俸給決定の上に大きな比重をなしていないのであります。しかしながら、教育職員の特殊性にかんがみるとき、学歴の要素は相当高く評価すべきものと考えます。文教行政の一端を示す教育職員免許制度を見ても、この点が高く評価されており、その学歴の相違がそのまま免許状の相違に結びつけられ、教育職員の職務と密接な関係が保たれているのであります。 しかるに、この学歴の要素が、給与制度に明確に反映せしめられておらぬため、同一年令の者を比較した場合、高学歴者は低学歴者に比して必ずしも高い給与を受けているとは限らないという均衡を伴わない現状にあるのであります。この点、文教政策と人事管理の不一致に矛盾を感ぜざるを得ないのであります。 かかる状態のままでは、高学歴職員の士気に影響を及ぼし、教育を沈滞せしめ、学校教育の遂行に支障を来たすおそれもありますので、これら高学歴者の俸給額の調整をはかるべく、本改正法案を提出いたした次第であります。 改正点の要旨を申し上げますと、第一点は、高等学校教育職員紋別俸給表及び中学校、小学校等教育職員級別俸給表の適用を受ける教育職員中、旧制大学もしくは新制大学を卒業した者、旧中学校、高等女学校教員免許状、もしくは旧高等学校教員免許状を有する者、または人事院がこれらの者と同等以上の資格を有すると認める者等、いわゆる学歴、資格の高い者につきましては、予算の範囲内で、人事院の定めるところにより、二号俸を越えない範囲内におきまして、俸給月額を調整することができるものといたしたことであります。 第二点といたしましては、人事院は、教育職員の初任給基準につきましても、右の趣旨を考慮して、適切な措置を講じなければならないものといたしたことであります。 所要経費といたしましては、国立学校分納一千五百万円、公立学校国庫負担分約三億六千五百万円、合計約三億八千万円であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(小柳牧衞君) 本日は提案理由の聴取にとどめておきたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたしました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。 暫時休憩をいたします。 午前十一時二十二分休憩 —————・————— 午後一時二十五分開会
○委員長(小柳牧衞君) それではただいまから再開いたします。 公共企業体職員等共済組合法案を議題といたします。 本案に対する提案理由の説明を発議者田中啓一君より聴取いたします。
○委員外議員(田中啓一君) ただいま議題となりました公共企業体職員等共済組合法案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。 日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社が公共企業体へ移行した際、その職員となった者のうち、すでに恩給法上の公務員となっていた職員については、当分の間、恩給法の規定が準用されることとなり、その他の職員については、国家公務員共済組合法の規定が準用されることとなったのであります。従って、公共企業体となる以前であれば、任官して当然恩給法の適用を受けることができたはずの職員が、公共企業体になったために、恩給法の適用を受けることができなくなったのであります。 しかるに、恩給制度と共済組合の年金制度とを比較いたしますと、支給条件、支給額等の給付内容が両者ほぼ同程度であるにかかわらず、恩給法に基く国庫納付金は、共済組合の長期給付の掛金に比べ著しく低いために、実質的には給与上の差別待遇となっており、職員間に不満を生ぜしめる原因となっているのであります。このような不均衡、かつ、不統一な退職年金制度に対する不平不満は、従来の制度のもとにあれば、当然任官し得たはずの職員が増加するに伴いまして、年とともに激化するばかりでありますから、労務管理の上から考えましても、早急にこのような不均衡と不統一とを是正して一本化した退職年金制度を確立する必要があるのであります。 また、公共企業体におきましては、その職務内容も一般公務員とは異なりまして、現業的労務を主体としておりますので、それらの職員は自然他に転職させることも困難であり、老後の生活安定いかんが職員の勤労意欲に与える影響はきわめて大きく、従って永年勤続者の退職後の生活を十分保障できるような公共企業体にふさわしい退職年金制度の確立は、健全なる企業経営の面からも早急に必要となってくるのであります。 以上の点につきましては、各公共企業体においてもかねてから研究が進められていたのでありますが、一昨年十一月の臨時公共企業体合理化審議会の答申においても、あるいはまた、第十九国会の衆参両院内閣委員会における恩給法の一部を改正する法律案の審議の際においても、早急に解決を要するものとして指摘せられた次第もあるのであります。 次に、公共企業体の職員の共済組合制度につきましては、根本的には社会保障制度全般の問題も考慮しなければならず、また、国家公務員の年金制度をどうきめるかの問題との関連も考慮する必要がありますが、国家公務員の年金制度については、現に人事院勧告、公務員制度調査会の答申等相異なる意見が提出されているような状態でありまして、いずれにしてもこれらの問題の根本的解決のためにはきわめて広範な調査研究と、相当な時日を必要とし、今直ちに結論を見出しがたい状況にあるのであります。われわれといたしましては、公共企業体の職員の退職年金制度をこれらの根本的解決の日まで現状のまま放置しておくことは許されないと考えますので、現段階における諸般の事情を十分に考慮しつつ、恩給制度と共済組合の年金制度とを統合して職員間の不均衡と不統一とを是正する新しい退職年金制度の急速な実現をはかることといたし、昨年の第二十二回国会に同名の法案を提案いたしましたが、諸種の事情によりまして、一たん撤回し、あらためて、今、ここに公共企業体職員等共済組合法案を提案いたしました次第であります。以下この法律案の内容の大略を申し述べます。 第一に、各公共企業体ごとに、それぞれ共済組合を設け、長期給付、短期給付及びその他の福祉事業を行うことといたしております。 なお、念のため申し添えますが、業務上の災害による給付につきましては、従来から三公社は労働基準法の適用を受けており、公社が一方的に所要経費を負担する建前をとっておりますので、この点については、新制度におきましても従来通り除外することといたしました。従って、共済組合としては、これら業務上の災害による死亡、傷害に対する給付は行われないことになっております。 第二に、恩給と共済組合の長期給付とを統合して、一本化した退職年金制度を全職員に適用することといたしておりますが、各年金及び一時金について簡単に述べますと、まず、退職年金は、二十年以上組合員であった者が退職したときに支給することとし、その年額は、俸給年額の百分の四十を基礎として、二十年をこえる年数により一定の金額を加算することとし、支給開始年令は、五十五才を原則といたしておりますが、重労務作業に一定年数従事し公共企業体の経営上やむを得ない事由により退職した者については、五十才から五十五才まで別に退職年金額の七〇%の支給を認めることといたし、また、組合員期間二十年以上の者が五十五才前に年金の支給を希望する場合には、退職年金のかわりに減額退職年金を支給できることとしましたが、その年額は、退職年金の年額から五十五才と支給開始年令との差年数に応じた一定額を減じたものとすることといたしております。 次に、遺族年金は、退職年金受給資格者の遺族に支給することとし、その年額を退職年金額の半額といたしました。なお、それを受ける遺族の範囲は。国家公務員共済組合法による遺族と大体同様といたしました。 次に、一時金については、国家公務員共済組合法によるそれとほぼ同様でありますが、退職年金の充実を重視した関係上早期退職者に支給されるものは掛金の払い戻し程度に抑えることといたしました。 次に廃疾年金については、給付事由は、ほぼ国家公務員共済組合法のそれと同様でありますが、その年額を不具廃疾の程度に応じて俸給年額の百分の六十、百分の四十五及び百分の三十五の三段階とした点が異なっております。 第三に、短期給付については、国家公務員共済組合法のそれと全く同様であります。 第四に、長期給付に要する費用は、組合員の在職中の掛金と、これに見合う公社負担金とを基金として積み立て、その積立金と運用益によってまかなうことといたしておりますが、掛金と負担金との割合は、国家公務員共済組合法の負担割合と同じく、四十五対五十五といたしております。この結果、掛金率は約四・三%、負担金率は五・二%となり、俸給にこの率を掛けたもの、すなわち、年額にしますと、掛金では国鉄三十四億、電々十億、専売二億六千万円、計四十六億六千万円、負担金では国鉄四十一億、電々十三億、専売三億計五十七億の金額が月々組合に納付され、基金として積み立てられて将来の給付に要する費用に充当されることになるわけであります。なお、以上の掛金率は、国家公務員共済組合法とはほぼ同程度でありますが、恩給法の二%に比べますと二倍以上となっております。 しかしながら、新制度におきましては、後ほど述べますように、恩給法及び国家公務員共済組合法の適用を受けた期間を、新制度の組合員期間に通算することにいたしておりますが、従来の恩給制度は、基金制度によっていないので、積立金は全く存在せず、また、共済年金制度においても、たび重なる年金改定及び給与改定のために、現実に積み立てられている金額は、本来必要であるべき積立金に比べまして巨額の不足を生じている状態であります。この不足額は、新制度のもとにおいても、そのまま引き継がなければならないのでありますが、これらの不足額は、従来の制度においては公社が負担することになっておりましたので、新制度においても、従来通り公社が負担することといたしました。しかして、その支払いの方法については、将来にわたる公社の財政経営状態を勘案しつつ、漸次補てんしていくことといたしております。従って、公社が年々実際に負担する金額は、上述の掛金に見合う本来の負担金のほかに、前述の補てん額を合算したものとなり、その金額は、初年度において三公社それぞれ、国鉄は六十四億、電力は十四億、専売は四億九千万程度となる見込みであります。 この金額は、年金受給者の増加に伴い、逐年増加することとなりますが、新組合に引き継がれた過去の組合員は、一定年数の後には次第に減少いたしますので、将来においては、法施行後新たに加入した組合員のみが残ることとなり、従って、公社の負担額は、恩給制度が引き続き適用されておる場合に比べれば、相当軽減されることとなるのであります。 次に、短期給付の掛金と負担金との割合は、国家公務員共済組合法と同様五十対五十といたしており、その率はいずれも約三%となっております。 第五に、この法律による共済組合の業務執行につきましては、専売共済組合については大蔵大臣、国鉄共済組合については運輸大臣、日本電信電話公社共済組合については郵政大臣がそれぞれ監督することといたしております。 第六に、以上申し述べました点以外の共済組合の組織、運営、福祉事業等は、国家公務員共済組合法による共済組合と大体同様であります。 以上本則の主要点について御説明申し上げましたが、以下においては、新制度実施前の権利義務関係の取扱い方をきめるいわゆる経過措置について申し上げます。 第一に、年金制度の経過措置は、新制度実施前の期間をどのように通算し、また、その期間に対し実際に支給する金額をどうきめるかが問題でありますが、本経過措置においては、過去の職員であった期間は原則としてすべて通算することといたしました。しかし、その期間に対し支給する金額は、従来の制度で支給されることとなっていた金額と全く同程度に押えることにいたしております。この結果、当然のことでありますが、すでに退職した人に関しては、恩給についても共済年金についてもすべて従来のままとし、この法律の制度によって何ら変更ざれることはないのであります。 第二に、引き続き新制度のもとにおける組合員として期間を通算される者については、この法律が施行される日の前日に恩給法上の退職をしたものとみなし、同日以前の期間にかかる恩給は消滅させることとし、また、従前の国家公務員共済組合法による年金は在職中その支給を停止することとしたのであります。 第三に、旧軍人軍属の恩給は、現在の恩給法においては、文官の在職年に算入されることになっておりますが、軍人であった期間は職員であった期間とは異質のものであり、かつ、その取扱いも国において別途に考慮されている問題であるので、その期間は新年金の組合員期間には通算しないこととし、従来通り恩給法の定めるところにより支給することとしたのであります。 第四に、以上の期間通算だけでは既得権を侵害するおそれのあるものについては年金受給資格についてそれぞれ特例を設けることとし、さらに、この法律の施行の際在職する職員であって同法の施行の日前において恩給証書または年金証書を交付されているものについては、従来通りの年金を選択できることとしたのであります。 第五に、組合員期間二十年以上の者の退職年金の年額の算定につきましては、当分の間、いわゆる不健康業務加算を認めることとしたのであります。 第六に、未帰還職員については、従来の恩給法の給与と同様の給付を行うこととしたのであります。 第七に、この法律の施行の日に在職する公共企業体の職員及び国家公務員とが相互に交流できるようにこの法律による給付と恩給または国家公務員共済組合法による長期給付との調整をはかることといたしております。 以上公共企業体職員等共済組合法案の提案理由及びその内容の概略を御説明申し上げた次第でありますが、何とぞ十分御審議の上、すみやかに成立いたしますようお願いをする次第でございます。
○委員長(小柳牧衞君) 次に、日本国有鉄道厚生局長吾孫子豊君より補足説明を求めます。
○説明員(吾孫子豐君) ただいま田中先生の御説明で、本決案の内容につきましては、おもな点は漏れなく御説明をいただいたわけでございますが、前回同名の法案が提出されましたものが、今回種々の事情によってあらためて新しい内容を持って御提案いただくことになりましたことは、これまたただいまお話のあった通りでございますが、その前回に出されました法案と今回御提案になりましたものとの内容がどのように異っておるかということを少しく敷衍して御説明を申し上げたいと存じます。 お手元に差し上げてございます資料の中に、原案と改正案との比較というこういう薄い資料が差し上げてあると思うのでございますが、実は第二十二国会に同名の法案が御提案になりました以後、当時の法案には経過措置等がまだ盛られておりませんでして、その当時のお考えでは、とにかくこの今回の法案の本則に当る部分だけをまず御提案になり、経過措置等については別途施行法という形で御提案下さるようなお話であったのでございますが、その後さらに提案の諸先生方の間において、いろいろと法案の内容について御検討になりまして、その間また公社の関係者及び政府の関係機関の各方面からもいろいろ意見を御聴取になりました結果、ただいまこれから御説明申し上げますような諸点において、原案と変ったものにお改めになったような次第であります。 それで今回の御提案になりました法案のように変って参りました要点はどういうことかと申し上げますと、その小冊子の第一ページに書いてございますように、改正案の趣旨として書いてございますが、新しい制度は恩給制度の適用が公社職員から外されたことによって生じている年金制度の不均衡と不統一を是正するための措置として公社職員すべてに共通な年金制度を創設することをその趣旨としており、この結果、現在の恩給法被適用者については、掛金額の引き上げ、その他条件の悪くなる点もございますので、原案程度の年金額の引き上げは、これは必要であるとお考えになったのでございます。しかしながらその他の点につきましては、他の制度への影響も考えられますので、さしあたり現行通りということにいたしまして、将来において社会保険制度全般の動きをも十分考慮しつつ漸次改正してゆくのがよろしいであろう、こういうお考えのもとに原案に改正が加えられた次第でございます。 それでもう一つ、やはり小冊子で公共企業体職員等共済組合法案制定の趣旨及び主要点という刷りものがこれまたお手元に差し上げてあるのでございますが、その刷りものの三ページ以下に法律の主要点として要点が列記してございます。それでここに列記されました主要点の内容につきましては、先ほど田中先生の提案理由の御説明の際に、大体その概要をお述べいただいたわけでございますが、ここに書かれております主要点は、新しい法案の血要点でございまして、実はこの主要点の中の最初の一から五までのところに書いてございます点は、今改正案の趣旨について申し上げましたように、恩給の適用がなくなったことに対する年金制度の改正ということを列挙してあるのでございまして、この点については前回御提案の法案と内容において変ってはおらないわけでございます。ただ今度の六以下に当りますところが変って参りましたので、それを当初の原案と改正案と違っております点を先ほどの改正案の主要点という刷りものの方の二ぺージのところに上下対照して書いてある次第でございます。すなわちまず六として書いてございますが、廃疾年金について原案ではそれぞれ最終本俸の四〇%、五〇%、七〇%という三段階にしてあったのでございますが、今回の御提案の法案ではそれがそれぞれ三五%、四五%、六〇%というふうに下げられたものに御変更になった次第でございます。 それから原案では実は遺族年金につきまして、遺族年金が退職年金の半額であるという原則は、これは変ってはおらないのでございますが、原案の方では退職年金の資格を生じない者であっても、在職十年以上の者が在職中に死亡した場合には、その遺族に対して在職年限に応じてそれぞれ最終本俸の一〇%または一五%を支給するということが含まれておったのでございますが、この点につきましては、下欄の改正案の方に書いてございますように、在職中死亡者に対する二十年未満の者に対する遺族年金という制度は取りやめに相なったような次第でございます。 それから次に八番目に短期給付でございますが、これは実は原案ではせっかく法律改正の機会に、恵まれるものならば、その機会にいろいろな問題になっておったような過去の懸案をあわせて解決していただきたいというような気持もございましたのですが、現在の国家公務員共済組合法の短期給付に関する規定の中で、公社の実情に合わないと思われるような点をこの機会に一緒に改正していただきたいというようなことを関係者としては熱望しておったのでございますが、これは先ほどの御提案理由の中でもお話のございました通り、現行国家公務員共済組合法と全く同内容にする、これは将来の問題にするというようなことに相なった次第でございます。 四ベージ以下にただいま申し上げました点の内容がそれぞれ列挙してございますが、これはごらんいただけば大体おわかりいただけるかと思いますので、一々読み上げることは省略さしていただきたいと思います。ただ主な問題といたしましてこの刷り物の六ページのところをちょっとお開きいただきと思いますが、実は六ページのちょうどおしまいのところに「国家公務員との交流措置」という見出しで書いてございますが、原案では組合員が国家公務員に転出いたしまして、その後再びまた公社職員に転入したときには、その者の国家公務員であった期間を通算する書き方をしてございまして、逆に国家公務員であった者が公社に転入して参り、その後また国家公務員に戻ったというような逆の場合の規定を欠いておったのでございますが、今回の経過規定で下欄に書いてございますように、法施行の際、現に組合員である者または国家公務員である者については相互的に交流措置を認めるようにいたしたという点が、原案と大きく変ってきた点の一つでございます。 それから七ページの一番最後のところの「恩給負担金」という見出しで書いてございますが、原案のときには実は各公社が現在一般会計に恩給負担金というものを繰り入れておるのでございますが、これをこの法律施行と同時に取りやめるという案になっておったのでございます。従って当初の案の通りに、もしなったといたしました場合には、その部分だけ一般会計の歳入が減るというような形になっておったのでございますが、この点はその下欄に書いてあります通り、従来のまま公社職員であった者にかかる年金である恩給の支払いに要する費用は、従前通り公社が負担するというふうに改められておりますので、予算上の問題ということが全然なくなったわけでございます。 その他の点につきましても御説明申し上げた方がよろしいかもしれませんが、あまりこまかくなりますので、以上要点だけを申し上げまして、一応の補足説明にさせていただきたいと思います。
○委員長(小柳牧衞君) これより本案に対する質疑のおありの方の質疑を願います。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。 どうぞ御質疑を願います。
○島村軍次君 これは三公社の事務当局の方に格別にお伺いいたしたいと思います。途中で中座をいたしましたから説明があったかとも思いますけれども、端的に一般公務員の恩給法とそれから今回の改正案との間の違っておる点を簡明に一つ項目に分かって御説明願いたいと思います。
○説明員(吾孫子豐君) それでは私から御説明申し上げますが、まず基準にたりますところの年金の資格のつく期間が恩給は十七年でございますが、この法案は二十年ということになっております。それから現在の恩給法納金は俸給額の二%でございますが、この法案ではこれは公社によって〇・一%ぐらいずつ違っておりますが、国鉄の場合にはそれが四・三%という計画になっております。それから年金が支給されます支給開始年令が、恩給法の場合は、御存じの通り四十五才から減額された恩給が支給されることになるのでございますが、この法案では五十五才まで完全に支給停止ということになっておる点が大きく異なっておる点でございます。 支給の条件について違っております点は大体そういうことでございますが、一方支給額につきましては、これは先ほど実はちょっと御懇談の際にお尋ねもございましたことなんですが、支給額について申し上げますと、在職年数二十年の者についてまず比較いたしますと、現行恩給では三割五分三厘になるのでございますが、この法案は四割ということになっておりまして、一割三分ほど現行の恩給よりも二十年勤続の場合は給付額が高くなっておるわけでございます。それから二十五年のところで申しますというと、現行恩給では三割八分六厘であるわけでございますが、それが今度の法案では七分五厘ということになりまして、二割三分ほど給付額が高くなっておるわけであります。さらに三十年のところで比較いたしますと、現行恩給では四割二分になるわけでございますが、それがこの法案では五割五分ということになっておりまして三割ほどよくなる、そういうような形でございまして、長期に勤続いたしました者については年金額はこの法案の方がはるかに有利であるというようなことになっております。そのかわりと申しましょうか、この年金の資格を生ぜずしてやめて、恩給の場合でありますと一時恩給をもらう者、この法案で申しますと退職一時金をもらう者、それを比較いたしますというと、現行恩給の場合よりもだいぶ今度の法案の方が悪くなっております。これも全体としては恩給の場合の一時恩給に比べまして約三分の二程度になっておるわけでございますが、例として申しますというと、たとえば五年間在職した者について見ますというと、現行恩給では百五十日分の給料相当額がもらえるわけでございますが、この法案では白五日ということになっております。それから十年のところで比較いたしますと、現行恩給では三百日分の一時金が出ることになっておりますが、この法案では二百三十日分というようなことで、全体としましてこの法案の方が一時金の面ではだいぶ悪くなっておる。先ほど御提案の田中先生から御説明がございましたように、短期の勤続者については給付は掛金の払い戻し程度に押えるというような数字に大体なっておる次第でございます。主な点は大体そんなところでございます。
○島村軍次君 それで納付金は国鉄が四・三%、他の公社の各別にちょっと……。
○説明員(金澤秀治君) 電々公社では四・二%でございます。
○説明員(三枝正勝君) 専売も同様でございます。
○島村軍次君 そこで今岡共済組合法案として出ておるわけであります。それにいわゆる恩給制度が加わっておる、こういうことだと思うのですが、そこで掛金の、今お話になった点は、たとえば傷病の手当であるとか、埋葬料、哺育手当、こういうものを含めての掛金、こういうふうな意味でありますか、その点はいかがですか。
○説明員(吾孫子豐君) ただいまの四・三%あるいは四・二%と申し上げました掛金は、これは退職金等を中心にしましたいわゆる長期給付の掛金でございまして、短期給付のための、今お話のございました傷病手当金とかその他のものについてに該当する掛金はその中に含まっておりません。それは別に短期給付の掛金として、国鉄の場合には二・六%ほどの掛金を別に徴収いたしておるような次第であります。ついでにほかも申し上げますと、奄々が三・二%、専売が三・〇%、おおむね平均いたしまして三%程度の掛金を別にとっておる、こういうことでございます。
○島村軍次君 いずれこの法案を御提出するまでには数字的の検討が行われたと思うのでありますが、そういう数字的の検討について、前回の時分には詳しい資料が御提出になったようでありますが、今回別途に御提出になっておるものがありますかどうか。ありましたらそれも一つ数字的なものを御提出を願いたいと思うのです。 それからなお関連をもちまして、ただいま廣瀬君から御質疑がありました八百何十億の不足金というのは、これは提案者の説明のありました、何項でしたか……。
○説明員(吾孫子豐君) 第四項でございます。
○島村軍次君 四項によって説明が加えられておりますが、不足という意味がちょっとはっきりいたしませんが、どういうことですか。
○説明員(吾孫子豐君) 共済組合の立て方は恩給とは本質的に異なっておりまして、いわゆる社会保険的な立て方になっておりますので、建前が、四項の説明のところに書いてございますように、組合員の掛金とそれに見合う公社の負担金というものをとりまして、それで将来の支出に備えてだんだん積み立てて運用益をみていって、それで将来の支出をカバーするということで組み立てられておるわけでございます。これを、要するに、掛金とそれに見合う公社側の負担金と、だんだんできてきた積立金の利子、こういうものによって将来の支出をカバーする、こういうことで全体が組み立てられておるわけでございますが、この掛金にいたしましても負担金にいたしましても、すべて給与の額に対するパーセンテージできまっておりますので、長い期間の間にいわゆるベース改訂というようなことがございますというと、計算上どうしても積立金に不足金が出てくるわけでございます。つまり現在の組合員がそれぞれ公社に、就職いたしました当時は、何十円というような低い給料であったわけでございまして、従って掛金はその何十円という給料をもとにした掛金であり、また公社側の負担金であったわけでありますが、それが戦争を境にして、その後非常なインフレーションの関係でベース改訂になったわけでありますが、やめたときの年金額というものは給料の何カ月分という支出の仕方になりますので、将来の支出は現在の一万何千円ベースというものを基準にした支出になるわけでございます。そういうわけで計算上積立金が不足してくるわけでございますその額が八百何十億というような額に今なっておる。それを補てんするために現在の共済組合では、保険料的な公社の負担金のほかに整理資源という名目で別途この穴埋めのための金額を公社が負担しておる、こういう形で処理されておりますので、それを変形した形で今後も続けていこう、こういうことでございます。
○島村軍次君 そうすると、これは、ここの第四項にあがっておりまする掛金の年額、ここに上っておりまする数字は、これは現在出されておる予算の上に計上されておる額ですか。
○説明員(吾孫子豐君) さようでございます。
○島村軍次君 そこで、八百何十億の不足額の説明というものは大体わかりましたが、これは長い間に、予算の執行の上からいきますと、別途会計でやっておられるのだろうと思いますが、組合自身で。その不足額の金額はどういうふうな処理を今までやっておられたか。つまり予算上なり現実にそう不足しているわけじゃないでしょう。だから借入金が何ぼあるかどうかというような、その組合内部の経理内容について、一つ一応、表でも出していただけば、その内容はよくわかると思います。それはいかがですか。
○説明員(吾孫子豐君) 現在のそれぞれの共済組合の貸借対照表でもお目にかければよくわかっていただけると思うのでございますが、結局普通の事業会社等の貸借対照表に引き比べて考えてみますと、ちょうど資本金みたいなところで、計算上いわゆる責任準備金として、現在の国鉄の場合には千億以上の積立金がなければならぬというものを、責任準備金として計上してあるわけでございます。それに対して見合う実際の資産は、百何十億しかありませんので、その差額が結局八百何十億ということになりまして、不足責任準備金ということで貸借対照表の上にはあげられておるわけでございます。実際の取扱いとしましては、一種の永久債務のような形に現実にはなっておりまして、ただいまのところでは、その額が現実に補てんされないでも、まだ現在の共済組合の支出額をカバーすることは、現在の掛金及び負担金並びに整理資源として入ってきますものの収入で十分カバーし得る状態にありますので、それでまかなわれておるようなわけでございますが、貸借対照表の上には、はっきりそれが現在も計上されておる、こういうことでございます。
○島村軍次君 そこで、今回のこの改正案によって、第四項にあがっておるような金額に異同が出てくる、そこで、改正案による場合の見込みと、それから現行の場合の見込みというものの比較したものの数字があるはずですね。
○説明員(吾孫子豐君) ございます。
○島村軍次君 それも一つ見せていただきたいと思います。それで、その計算が、たとえば国鉄ではどういう計算になっておるか、概数でもいいですから、ちょっと説明を願いたい。
○説明員(吾孫子豐君) ただいまお話のございましたような数字については、また別途見ていただきたいと思いますが、過去のつまり不足額というものは、これは結局そのまま新しい組合に引き継がれるわけでございまして、原則的には、この不足額そのものについては、ふえも減りもしない、こういうことでございます。ただ積立金の資産運用の予定利率ということに関連して、予定利率を変更いたしますと、その利子の限度において、計算上利子の影響で、ふえたり減ったりいたしますけれども、原則としては、過去の今発生しておる不足金というものは、そのままふえも減りもしない形で新しい組合に引き継がれる、この新しい制度を実施することによって借金がふえてくるということにはならないわけであります。
○島村軍次君 それは一応わかりますが、私の聞こうとするのはそういうのでなくして、一体、共済制度というものを作るということになれば、これは長い間の退職者の予定を作って、そうして年額の計算を出す、一応掛金もあるだろうと思います。そこで、たとえば三十年なら三十年の間にはこういうふうになるという、一つの対数といいますか、高等数学で計算の数学があるはずだと思います。それをわかりやすく簡単に、国鉄について御説明を願いたい、こういうことなんです。もし数字がありましたら、それをあとで拝見いたします。まあこれは田中委員長は非公式の話であったが、恩給制度というものがこの制度にすれば、ともかくもそう負担金をかけぬで、国庫の負担なくしてやり得る、掛金の率の計算の仕方によってやり得るというような話が出ておった。そういうような数字が、実際に御計算になっておるのがあろうかと思います。そういうものがもしあったら一つ説明願いたいのですが、おおよそしろうとにわかりいいように、あなたの御計算の上で簡単に説明されることができれば、ここで一つ伺いたい。
○説明員(吾孫子豐君) これは実は御提案の先生方の間でいろいろ御検討をいただいております間に、大蔵省の方で計算をされたものがございますので、それはごく概略の点だけ、それじゃ申し上げようかと思います。これは表を後ほど差し上げますが、かりに三公社について、公社移行後も従来通り恩給制度が存続したものと仮定した場合の公社の負担金額が、今後五一十年の間においてどういうふうに推移していくであろうかという数字と、それと新しい制度を施行いたしました場合の公社の将来における負担額とを比較した数字ができておりますが、それで御参考までに申しますと、現行制度のままでいった場合の負担金額というものは、五年後に百十六億、十年後には百五十三億、二十年後には二百二十五億、三十年後には三百十七億、四十年後には三百三十二億、五十年後には三百二十九億というような数字になることになっております。それに対して、この新しい法案の制度で参りますと、五年後には百二十三億、十年後には百九十一億、二十年後には二百七十七億、この辺までは新しい制度の方がふえております。三十年になりますと二百九十七億、四十年には二百九十五億、五十年にも二百九十五億というようなことで、三十年を経過いたしますころからこの新しい制度の方が負担額が少くなる、こういう計算が出ております。 これは公社の負担額を申し上げたわけでございますが、組合員の掛金による収入の方は、現行制度のままいきました場合に、五年目に二十五億、十年目には二十八億、二十年目が三十一億、三十年目は二十六億、四十年目は二十五億、五十年目も二十五億、こういうような数字でございますが、これに対応します新しい掛金収入の方は、五年目三十九億、十年目四十四億、二十年目四十九億、三十年以降ずっと四十億、こういうふうなことでして、これは新制度の方が掛金率の引き上げの結果当然のことでございますが、このように掛金の収入はふえる、こういうことになっております。のちほど、なお、この表につきましてはお手元に差し上げるようにいたしたいと思います。
○島村軍次君 先ほど御説明を願いましたうちで、第二ページの遺族年金については、最初の原案の退職十年以上の岩は全部取りとめたと、こういうふうな説明であったようでありますが、そうなんですか。この点は「実情に即して若干制限を加えた」とあるのは、どういうことなんですか。
○説明員(吾孫子豐君) ただいまのお尋ねの前段の方は、在職中死亡した者に対する遺族年金については、これは今度の法案からは完全に取り除かれておるようでございます。それから「遺族の範囲については、若干制限を加えた。」と申しますのは、たとえば現行の国家公務員共済組合法によりますと、配偶者については無条件にしてあるわけでございますが、この法案では現実に生計維持の関係がなけりゃならぬというような条件をつけた、少ししぼったというような点がかわっておりますし、それからその遺族が夫、父母、祖父母等であった場合には年齢制限を加えまして、五十五才以上でなければいけないというようなしぼり方をしたわけでございます。その程度の違いでございますが、現行法そのままではございませんので、若干調整を加えた、制限を加えたということは、そういう意味でございます。
○島村軍次君 いろいろ分れるようでありますが、第一に提案理由の説明に、人事院勧告及び公務員制度調査会の答申と、こうありますが、これについては根本的解釈は他日に譲ると、こういう意味ですが、それはわかりましたが、ねらいとしてどういうところが違っておるのですか。それがまた暫定措置であるか。この答申の中でどういう点を取り上げ、そうしてどういう点を除外したか。これが項目別にごく簡単にわかれば一つ御説明いただきたいと思います。
○説明員(吾孫子豐君) 人事院勧告は端的に申し上げれば非常にいい案でございまして、その受ける方から申せばいい案ということになるわけでありますが、年金の貼付額は大体この法案と同じになっております。それから一時金の給付額は現行の恩給の退職一時金と同じ率になっております。従って年金も一時金もいずれも人事院勧告というのは非常に率そのものは高くなっておるとともに、このほかに、この法案では、先ほどの御説明にもございましたように、年金支給開始の年令を五十五才に押えておりますが、人事院の案では今の恩給と同じように四十五才から年金が支給されるようになっております。 さらに掛金が人事院勧告の場合には三%程度で済むようになっておりますので、結局組合員と国庫との負担割合は、人事院の案では、組合員は二五%掛金で負担をし、国庫が七五%を負担金で負担する、こういうことになっているのでございますが、この案の場合には、先ほどの御説明にもございましたように、組合員が四五%を負担し公社側が五五%を負担すると、こういうようなことになっておりますので、人事院の勧告案もこの法案と並べまして大体同じになっておりますのは、長期勤続いたしましたものの年金についてだけは給付額が同じになっている、その他の諸条件については、この法案の方が人事院勧告よりもはるかに組合員に対しては辛いものになっているという現状でございます。 それから公務員制度調査会の答申の方は、私が承知しておりますところでは、非常にまだまだ抽象的なことしか御答申にはなっておらないので、やはり現在の恩給制度と同じように身分上政府職員を区別いたしまして、恩給と共済の二本建になっておるわけでございます。そして将来他の公務員等との間の交流措置等についてできるだけ統一的なものにするようにというような趣旨のことが書かれておりたように思うのでございます。私そういう今のところ具体的内容はあまりないように思っております。
○島村軍次君 民間なり政府で社会保障制度の考え方から厚生年金というものがありましたね、これとの関連はどういうことですか。
○説明員(吾孫子豐君) 民間の企業においてはただいまお話の通り厚生年金が適用になっているわけでありますが、これは公社職員の場合と比較いたしますと、いろいろ給与の体系も非常に違っておる点もございますし、ことに退職時の給与につきましては、民間では主として一時金に重点を置かれるというようなことで、公社の職員は、いずれかと申せば、むしろいろいろな点で政府職員に近いような法律の準用を受けておる点がまだほかの点でもございまして、そういう意味で、大体現在の公務員共済組合のいわば延長というような形でこの法案が組み立てられておるような次第であります。なお厚生年金との関連ということに直ちになるかどうかはわからないのでございますが、将来の国民全般を対象とした社会保障制度との連関をどう考えるかという点につきましては、実は提案の諸先生の間で、この法案を御審議いただいております最中にこのお話が出たこともございまして、将来国民保険というようなものができた場合には、それに統合されるということも十分考えておかなければならんであろう、直ちにそのことに結びつくかどうかは別でございますが、そういう意味で、実はこの法案の五十五ページでございますが、そこの七十三条に「組合の会計に関しては、財産の増減及び異動をその発生の事実に基いて経理するものとする。」第二項としまして、「組合は、責任準備金のうち、厚生年金保険法による保険給付を行うとしたならば必要であるべき責任準備金の額に相当する部分を他の部分と区分して経理するものとし、その運用については、主務大臣が大蔵大臣と協議して定めるところによらなければならない。」という条文が入っておるのでございます。大体そういうことであります。
○島村軍次君 何条ですか、他の共済組合、公務員の共済組合と同じように、第五章ですか、福祉事業というものをいずれもおやりになっておるのでありますか。現在やっておる福祉事業の範囲と取扱いの物資の大分け及びその金額等がおわかりになりましたら一つお教え願います。これは各別に三公社でわかったらお知らせ願います。
○説明員(吾孫子豐君) 福祉事業の関係につきましては、実は今度のこの法案では別に現状と何も変るところはないわけでございます。従来やっておりました神社事業が結局そのままということになるわけでございますが、国鉄の場合について申し上げますと、大体本来の共済組合の業務以外のものといたしましては、現在貸付制度と貯金の制度と、それと消費、組合に当りますところの物資部の制度というものが、大まかに分けますと福祉事業としてやられておるものでございます。そして、実は詳細なその数字は今持ってきておりませんのですが、その中で、特に今お尋ねになりました最後の物資関係でどうなっておるかということを申しますと、これは最近の実績では、年間のいわゆる物資の配給高というものは、国鉄の場合にはおおむね二百億ぐらいに上っております。その扱っております物資の内容は、主として薪炭、米、雑穀、みそ、しょうゆ、砂糖、食品——繊維製品等も扱っておりまするし、また若干化粧品、薬品というようなものも扱っておりますが、大体生活必需品を配給するということを建前として物資部というものを設けておりまして、年間の配給高はおおむね二百億程度という現状でございます。なお、こまかい数字につきましては、これまた別途決算書等をごらんいただきますればおわかり願えるかと思います。
○島村軍次君 組合員の保健、保養、教養に関する施設というものがありますね、これの概要数字を……。
○説明員(吾孫子豐君) 保健、保養、教養に関する施設というものも、共済組合としては持てることになっておるのでございますが、現在のところ、実は、看板は麗々しく書いてございますけれども、共済組合としてはあまり大したものは持っておりませんので、国鉄の共済組合の場合には二ヵ所ほど寮を持っております。まあ集合所でございます。その程度でございまして、共済組合として、そのほかに保養とか教養に関する施設というほどの本のは、今のところ実はございません。
○島村軍次君 他の公社……。
○説明員(金澤秀治君) 電々公社でございますが、今、保養施設では、電々公社では二十四カ所、大体温泉地を、主として職員のための保健指導というようなことで、施設を二十四カ所持っております。
○説明員(沼田秀一郎君) 専売公社でございますが、私の方といたしましては、リクリエーション用に電々公社と同じように温泉地帯に大体持っておりますが、十三カ所ほど持っております。その不動資産といたしましては、大体一億円程度に相当するのではなかろうかと考えておるのでございます。
○島村軍次君 さっきの消費組合の仕事は、どの程度になっておりますか。
○説明員(金澤秀治君) 電々公社はそういう購買物資は取り扱っておりません。
○説明員(沼田秀一郎君) 専売公社も取り扱っておりません。
○島村軍次君 貸付、貯金の業務は行なっておりますか。
○説明員(金澤秀治君) 貸付業務は金額にいたしまして十二億程度やっております。それから貯金の方は昨年の一月から始めたばかりでございまして、ただいまのととろ大体二億三千万くらい預入額がございます。それから住宅の施設でございますが、これは共済組合が組合員のために住宅を建てて、それを賃貸するか、あるいは月賦販売式に分譲するというような施設でございます。これには一年間で約一億を投じてございます。
○説明員(沼田秀一郎君) 専売の方は、貯金の福祉については私の方ではやっておりませんですが、貸付の福祉だけをやっております。この貸付につきましては、住宅購入のための貸付とか、あるいは一般の臨時に要する費用のための貸付というような、二本建でやっております。この貸付の総額といたしましては、大体十億程度の資金を要してございます。
○島村軍次君 これは運輸当局にお聞きした方がいいかと思いますが、直接厚生局長も御関係されておることと思いますので、先般もよっと申し上げたかと思いますが、消費組合でお扱いにかる場合に国鉄の方で運賃の割引をされておるということが一般に考えられておるし、それが非常に中小企業を圧迫しておるのだ、こういう見方があるのですが、この点に対してはどうですか。
○説明員(吾孫子豐君) ただいまのお尋ねは、実はこの前、豊田先生からもお話がございました。その際も御説明を申し上げておきましたのですが、実は物資部で、国鉄で輸送する物資だけの運賃を従来八割引ということをやっておるわけでございます。しかし物資部の年間の決算書で見ますと、先ほど一年間に配給高約二百億ということを申し上げましたが、その中のこれは、今手元に、ちょっと古うございますが、二十八年度の決算書で見ますと、運賃諸掛りというのが二千三百万ほどでございまして、その中の鉄道運賃というのは千九百九十三万というような、二千万円足らずあるわけであります。これはしかし八割引の運賃でありますからこれの五倍程度を本来ならば払うべきである、こういう計算になると思うのでございます。全体から見ますと、最近はやはり自動車が非常に発達いたしまして、大体各業務所にみな商人が持ち込んで参りますので、鉄道運賃にかかるものというのは存外金額としては少いのでございますが、しかし、これは実はこの前からもお話がございましたし、いろいろ世間でも問題になっておる点でございますので、実は鉄の当局といたしましては、この際、運賃割引の制度を撤廃しようということで、大体そういう方針をきめました。ただやはりこの運賃割引をやめるということによって若干従業員の福祉厚生面にはね返りが参りますので、これは率直に申し上げるのでありますが、実はこの問題について組合側との間でも今話し合いをしておるというような段階でございます。
○島村軍次君 共済組合と、それから例の交通公社との関係ですね、これは表面的には何も関係ないのでしょうが、消費物資を扱う関係で何か連絡がありますか。
○説明員(吾孫子豐君) 交通公社との間には何にも関係ございません。
○島村軍次君 要求いたしました資料によって一つ検討を加えたいと思いますが、大蔵省並びに恩給局、国鉄当局に御出席を、きょうでもけっこうですから……。
○委員長(小柳牧衞君) ほかの方の質問はありませんか。もうじき連絡とりますけれども……。
○島村軍次君 すぐ見えれば休憩して、きようでもいいです。ちょっと休みましょう。
○千葉信君 議事進行について……。まあ今資料と、それから政府側の出席要求をされて質疑を続行されるという御用意のようですが、先ほどもお話し申し上げましたように、豊田君も実は質疑があるという連絡になっておりますので、これはどうしてもあす委員会が開かれますから、そのとき豊田委員の出席も願って、やはり質疑はある程度続行しなければならぬだろうと思います。それからもう一つは大蔵省あるいは恩給局等の出席を求められておりますが、疑義があるのですけれども、国会法五十七条の三によりますと、若干予算に関係のある議案ということになると、これは政府の意見を附かなければならない。この条文については、今岡の法律案が果してこれに該当するかどうかということについては疑問があるのです。ありますけれども、もし政府の方で特別にこの法律案事議を引き延ばすような態度に出ない限り、たとえば、あした出席して意見を承わることができれば、私は疑義いかんにかかわらず、御出席願ってもいいと思うのです。そういうことですから、どうしても、あす、また豊田委員、それから政府委員の出席等の関係もありますし、きょうは大体質問がいいところまで行ったようですが、あすに延ばして、それからまた、きょう臨時教育制度審議会の法律案もかかっていますが、これは文部大臣が今不信任案が出たということで、あすにでもやめなければならぬことになるかもしれぬ文部大臣を呼んでも、これはむだですから、きょうはこれは審議できない。旅費に関する法律については野本理事の方ともいろいろ打ち合せもありまするし、大体修正案の取扱いについて、あすあたりその話が、最終結論が出るという格好になっておりますから、一つきょうは島村委員の御了解を願って、ここらで散会して、あすの委員会で審議するように取り運んでもらいたいと思います。
○委員長(小柳牧衞君) ただいま千葉委員より本日はこの程度で散会したいという動議が出ておりますが、御異議ございませんか。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。本日はこれにて散会いたします。 午後三時二分散会 —————・—————