内閣委員会 第3号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/02/03
会議録
○委員長(小柳牧衞君) それではただいまから委員会を開会いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。 国家行政組織に関する調査を議題といたします。 まず、行政審議会における行政機構改革に関する審議の経過及び政府の行政機構改革に関する構想の概要につきまして、行政管理庁当局から御説明をお願いいたします。
○政府委員(宇都宮徳馬君) 行政審議会の経過を中心にいたしまして、行政改革に対する政府の意向などを織り込みながら、特に審議会の経過を中心にして御報告を申し上げます。 第二十三回臨時国会におきまして皆様の御審議を願い、行政審議会の委員の定数を十五人から二十人に改めたことは御承知の通りでございます。そうして特に千葉委員等の御発言も尊重いたしまして、従来の委員にかえて、昭和三十年十二月二十六日、新たに二十人の委員を全く新しく任命いたしました。そうしてその委員の氏名はあとから御報告申し上げますが、第一回は昭和三十年十二月二十七日に開きまして、そこにおいて行政管理庁長官から次の通りの諮問をいたしたのでございます。「現行の行政制度については、戦時中及び占領政治下に生じた正常ならざる事態を是正し、かつ、国民の便宜をはかることを最重点に置いて、わが国情に適合し、現下の要請に応ずるよう、これを全面的に改革する必要があると認められる。よって、これに関する改革の大綱をすみやかに示されたい。」、長官から特に諮問事項に関する政府側の意向を説明いたしまして、これに対して質疑が行われ、続いて今後の議事運営について協議をいたしたわけでございます。 第二回は、昭和三十一年一月七日に行いまして、この会合においては次の二点について申し合わされたわけでございます。それは、一は、審議の内容は省、庁等の統廃合にとどめ、局、課等の細部には触れない、こういうことが申し合わされました。第二は人員整理を目的としない。この二つのことが原則的に申し合わされたわけでございます。そうして大体審議会の空気といたしましては、現在の行政機構改革を問題にする場合に、根本的な問題となることは、行政の最終責任が明確でない点であります。すなわち与党の政治家で官僚の悪口を言うようなことが行われている、これははなはだおかしい。行政の最終責任をはっきりこの際政党に置く。正確にいえば、内閣と国会に置くというようなことを中心にして論議して行かなければならないというような零囲気で行われたわけであります。そうしてそういう零囲気でありまするから、まず取り上げるべき問題として、現在の行政機構のトップ・マネージメントを改革、充実する必要があるのではないかということがまず取り上げられました。それから現在の予算編成機構、これも政党の政策を織り込む、そうして政策の実施に対して政党が最終責任をとり得るような予算編成機構に改めなければならないのではないかというようなことが取り上げられました。さらに行政委員会、特に人事院ですね、これも内閣が最終的に責任を負う人事行政と、国会が最終的責任を負う人事行政、これも機構的にはっきり分ける必要があるのじゃないかというような観点から人事院の問題を取り上げるべきだというようなことが論議せられたわけであります。それから総理府の外局の整理、総理府はどこにも所属し得ないような外局が非常にたくさんついておりまして、非常に複雑膨大になっておるから、この総理府の外局の整理を中心とした行政改革も考えなければならないのじゃないかということも取り上げられました。それからさらに現在の貿易関係の行政機構、これも取り上げられました。さらに社会福祉関係の行政機構、これを時勢の進運に応じて改める必要があるのではないか。さらに交通関係行政機構、交通省の構想ということも、これも取り上げられました。さらに地方出先機関の整理、これも取り上げられたのでございます。八つの問題を今度の審議会においては一応しぼって取り上げるということになったわけであります。しかしながら、このトップ・マネージメントの問題と、予算編成機構の問題、それから人事院の問題、貿易関係行政機構の問題、この四つくらいをさしあたって論議しようということが第三回の行政審議会において決定せられたわけであります。そうして何から始むべきかということになりまして、まず予算編成機構の改革を取り上げるということになって、第三回において引き続き予算編成機構の審議に入ったわけであります。第四回も同じく予算編成機構について非常に熱心に審議せられましたが、現在の予算編成機構を改革する必要があるという点においては、大体全員一致いたしたわけでありまするが、具体的の結論を留保したまま、この問題に対して、一応論議を打ち切りまして、続いて人事院問題の審議に移ったわけであります。第四回の審議会の日は昭和三十一年一月二十三日であります。次に第五回の昭和三十一年一月二十八日は、前回に引き続きまして人事院問題を審議して、これも先ほど申し上げましたような、内閣が最終責任を負うべき人事行政の機構と、国会が最終責任を負うべき人事行政の機構とを分ける必要があろうというような空気が非常に多かったわけでありまするが、これも具体的な結論を留保して論議を一応打ち切ったおけであります。そうして第六回の審議は何をやるかということになったのでありまするが、委員側の発意によって、総理府の整備の問題に触れよう、たとえば調達庁の問題なども含めまして総理府の整備の問題に触れようというようなことで、次の第六回の開催が二月四日の予定になって、第六回の開催を待っている、かような状態であります。そうしてこの間に政府といたしましては、この行政審議会の大まかな結論を二月下旬に期待いたしている、それから三月中旬に行政改革関係の諸法案を国会に提出したいという希望を河野行政管理庁長官より二、三述べでおられました。 次に、政府の構想という問題でありまするが、これはあくまでも行政審議会の審議を尊重いたしまして、その結論を待っているというような状態であります。 以上簡単でありまするが、御報告いたします。
○委員長(小柳牧衞君) 本件につきまして質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○千葉信君 国の行政機構をほんとうに国民の便宜を確保するような方向へ改革しなければならぬという、国民の負担の問題もあるのでありますけれども、そういう意味では行政機構の改革は、私どもとしては当然やらなければならない問題だと考えております。しかしその行政機構の改革という問題は、かなり真剣に、しかも慎重に取っ組まなければならない問題で、場当りの方法が結論として出てくるような、そういう態度では私は私ども期待しておるような行政機構の改革なんということは出てこないと思う。そういう意味では私ども第二十三回国会の当時におきましても、政府が今回やろうとしておるその決意は了とするけれども、しかしその問題を取り上げる取り上げ方がやはりわれわれとしては相当心配になる点があるので、かなりいろいろな角度から注文申し上げたことは御承知の通りであります。そのときにもはっきり触れましたが、政府の方ではかなり時間的には安易な考え方で、二月中には成案を得て国会に法案を提出することができるであろうという御答弁で、そういう意味で行政審議会の委員の人選等についても、それから人数等についても最終結論を出したいというお話であった。まあしかし私どもはそういう政府の方針通りには行くまいということは、そのときにも申し上げておきましたが、今の御答弁から見ますと、まあこれは予算の国会提出ばかりじゃない、行政機構改革に関する法案の提出は、かなりその当時お話になった時期とはずれてきている。はっきりとずれてきている。しかもずれてきているばかりじゃなくて、今お話を聞いておりますと、その審議会の審議の模様そのものがかなり私どもの期待に反している。虫の食ったような格好の審議をしておる。予算編成権の問題についても、その機構をどうするかというような問題は最後には結論を出さずじまい。人事院の問題についてもしかり。そうして今度はその次の問題に審議が移ってきている。こんな格好じゃ、私はとうてい政府の約束したようなりっぱな結論というものは期待できない格好になってきているのじゃないかと思います。そこで審議の内容そのものは別として、一体今お話のような当初の約束からかなりずれちゃって、今度は三月中旬ごろということになっていますが、そのころまでには一体政府として成案を得る見通しがはっきりあるかどうかということ。それからもう一つは、やはり私は真剣に政府が取っ組む以上、当初私が申し上げたように、全く白紙のままでどうぞ審議会の方でお考え願いたいということじゃなくて、まあ大臣からは大体の考え方については審議会の席上お話もされたようですが、私が当時申し上げたように、やはり行政管理庁として、一応どういう角度からどういう点について審議会で取り上げてもらいたいという、一つの素材というようなものが必要じゃないかということは前にも申し上げたのですが、政府としては今の審議会の進行状況から考えて、そういう措置をおとりになる必要をお認めになっているかどうか、またとらなければならないとお考えになる必要があるのじゃないか。その点伺います。
○政府委員(宇都宮徳馬君) 私は決して、必ずしも著しく行政審議会の審議の状況が遅れておって、政府の期待に反するようなことにはなっていない、こう思っております。非常に熱心に論議せられておりまして、結論ももちろん簡単に出せば出せるわけでありまするけれども、しかしながら、なお問題になっているたとえば予算編成機構の問題を決定いたしまするには、トップ・マネージメントの問題と関連があるというふうに関連性がありまするから、その関連性とにらみ合せて具体的な結論を留保しておる、かように考えております。それから三月中旬ごろに、先ほど私が申し上げましたように、法案が出せるかどうかという問題でありまするが、これはあくまでも出すべく努力したい、こう申し上げる以外にないと、かように思います。それから最後の問題でございまするが、もちろんこの行政審議会の審議の経過によるのでありまするが、大体審議の輪郭ができますれば、当然行政管理庁においても、それに並行いたしまして案を作って行くというようなことになるであろうと思います。そうしてこの行政改革の案でございまするが、行政機構全体に対する改革の展望と申しまするか、そういうようなものと、それを基礎にする個々の省庁の設置法なんかの改正、そういう二つのことがありまするが、この全体の、つまり今度やるべき行政改革の展望のごときものは、大体行政審議会の衆議が落着きましたときにこれはでき上るものと、こういうふうに考えております。
○千葉信君 まあ一般的な問題については、あまり今の段階で御質問申し上げてもしようがないから、大体のところでとめておきますが、ただ一つ、これはまあ政務次官にお尋ねすることが適当かどうか私もちょっと気迷いの格好ですが、行政審議会の方で論議された最初の問題としては、予算編成機構をどうするか、新聞なんかでもそういう御意向が政府部内にあるということについては相当従来詳しく報道されている。まだそれがいいか悪いかということについては別として、やはり最初はその問題は相当いろいろな角度から期待を持たれた方針だったのです。ところが今のお話では、その問題にピリオドを打つことについては一応差し控えて結論を後に持ち越した、一方では非常にその問題に対する反撃等が、反撃という言葉が当てはまるかどらかはわからぬけれども、反対の空気等も勘案して、また一方ではその問題を取り上げるということによってまあ相手に借金を負わした、こういう格好でやめてしまおうという気配がかなり濃厚であるという、私どもとしてはいかにもありそうな流説が相当強く流れたのです。あなたから答弁いただくことが適当かどへかわかりませんが、あなたの知っている範囲でその点どうですか。
○政府委員(宇都宮徳馬君) 率直に言っていただけばはっきりすると思うのですが、こういうことだろうと思うのです。河野行政管理庁長官が農林大臣を兼ねている、そうして農林省の予算でも余計取るために予算編成機構改革で…、(千葉信君、「いや、いや、もっと大きい問題です」と述ぶ)もっと大きい……まあ、そういうことかどうか知らぬが、そういうような予算編成機構改革で大蔵省をおどして、何か代償を取るというようなことだろうと思うのですが、そういうことはもうわれわれ政務次官をしておりましても絶対にないというふうに感じております。まじめに予算編成機構の改革に取り組んでいる、現在もこれは取り組んでおります。
○千葉信君 まあ私のお尋ねした中味というのは、決してそんな農林予算をたくさんぶん取りたいからなんという、そういう程度のちっぽけな貸金という意味じゃないのです。がしかし、まあこれは政務次官からあまりその問題を聞こうとしても無理ですからやめて、具体的な問題に入りますが、人員整理の問題についてはこれを目的としないという、そういう方向で結論をお出しになったようです。しかし行政機構の問題を最初に取り上げた動機から見ると若干ニュアンスが変って来ている。本会議の席上でこの問題についても担当大臣の河野さんの答弁では人員整理は行わないという御答弁だった、御方針だったのです。そうしてこの委員会の席上で行政機構の改革を行うということになると、どうしても人員の整理ということが部分的には発生してくる。配置転換の問題も起ってくる。そういう点についてお尋ねしたときには河野さんも、筋の通る質問なんで、できるだけその配置転換等によって人員整理を行わない方針である、それから課長から格下げされたり局長から格下げされたりした人に対しては、こういう措置をとるという具体的なその方法まで御答弁をいただいて、そのときにも問題は少し具体的に審議されたわけです。ところが今度のその方針では人員整理は目的としないという答弁は少し変ってきていると思うのです。目的としないという御答弁は、目的としないけれどもやむを得ない結果としてそういう結果が出て来るかもしれないということになるのです。はっきりそうなると思うのです。この点はどうですか。最初の方針と結論の出方いかんによっては結果は変ってくるのもやむを得ないというお考えなんですか。その脈はっきり……。
○政府委員(宇都宮徳馬君) 人員整理を目的としない以上人員整理はできないだろうと思います。これはそうしてたとえば機構の改革整理によりまして機構がなくなった場合には、そこの人員はこれは配置転換によって他に吸収する、こういう方法で人員整理が行われないようにしたい、こう考えております。
○千葉信君 どうも政務次官みたいに頭のいい人がそんなまきを割るような大ざっぱな理屈というものはないと思うのです。それは目的としないということは私もわかります。私もわかるけれども、実際問題として一つのポストがなくなった、今のそのポストがなくなった場合には配置転換によって賄われるということが言われておりますが、それは配置転換という格好はとろうと思えばとれるでしょう。ところがその配置転換された方のポストは冗員をかかえることになる、今まででやっていけるのですから。そうなったら一方から言うと冗員なんかをかかえてその行政の運営をやっていって国民に相済むかということになる。そうすれば当然責任ある立場としては、追い詰められた格好ででもその冗員は整理しなければならないじゃありませんか。その点をできるだけ回避するとか、なるべくやらないというお考えと、そうなってきたら理屈の上からいってもどうにもしようがない、実際問題としてもどうにもしようがないから、仕方がないから、この人たちはやめてもらわなければいかん。残念ながら目的はそうではなかったが、結果としてこうなってきたからやめてもらうより方法がないということになったりすると、最初の方針というものと食い違って、せっかくこういう国会でそういう問題についてはっきりと答弁、従って約束ですね、それがだんだんとほごになるというような格好で変ってきては困るという私の考えなんです。ですからそういう点どうも大ざっぱな答弁ではこの問題は進まんと思うのです。どうでしょう。
○政府委員(宇都宮徳馬君) 人員整理は非常に困難なのですから、人員整理を目的としないような行政改革では事実上人員整理は私はできないと思います、これは。 それから配置転換の問題ですが、現在でももう足りなくて困るから、定員をふやしてくれという役所は非常に多いのですから、機構を国民の便宜に適応するように改める。その場合にある機構が整理された場合には、他の機構の中にその人を入れる余地というものは私は十分にあると思います。ですからこれはもう努力の仕方によって、人員整理を目的としない以上、人員整理をしなくて済むと確信いたしております。
○千葉信君 まあどうも必ずしもすっきりしない点もありますが、次に入ります。 さっきの話によりますと、取り立てて問題とされたようですが、現在の政党政治の立場に立つといいますか、たとえば与党の議員が官僚諸君に対して、その個人々々が対象になっておると思うのですが、そういう人に対して非難がましい口をきいたりするようなことはやるべきでないし、やらないようにするという、特にその点についてお話がありましたが、この点はどうでしょうね。私はそういうところまで押えなければならんという理屈はないと思うし、実際問題としても、たとえば与党の議員諸君なんかの中で、そういう意見なんかをじゃんじゃん吐いて差しつかえないし、また吐くことが当然だと思うのですが、どうもその点についての説明をさっきお言葉が足らなかったようですが、もう少し詳しくお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(宇都宮徳馬君) これは私の意見というよりも行政審議会の審議の過程における議論でありまするが、現在はどうも行政の最終責任がはっきりしない。その一例として与党のほんとうに、つまり与党の政治家は政党政治が十分確立しておる国ならば行政の最終責任を負っているわけなんです。ですから自分がいわば使用している公務員の悪口を言うのはこれはおかしい。ところがその機種上あるいはその行政の運営上与党のにらみが十分にきかないと、自分はこうしたいのだけれども役人がどうも、というようなことから非常に責任転嫁するような悪口が出てくる。社会党が天下をおとりになったときもあるいはそういうことが起るかもしれません。われわれはこういう政策をしたいのだが、大蔵省の主計官が言うことを聞かない、あるいは各省の何が言うことを聞かない、そういう悪口によって責任を転嫁するというようなことがあり得ると思うのですね。そういうことが行政の最終責任が不明確だという事例として、行政審議会においてあげられたわけです。ですから行政の最終責任を明確にするために機構的に改めるべきものは改めた方がいい。そういう観点からトップ・マネージメントや、予算編成機構の改革の問題が取り上げられたのであるということを申し上げたのであります。
○千葉信君 私はまあ話としても方針としても筋の通る話だと思う。しかし実際の状態というものを考えないと、それからまた特に現状なんかについて全然無関心に、そういうりっぱな方針だけを強行しようとすることになると、私は思わない弊害がその方針の中から出てくるおそれがあると思う。逆に言うと一つの心配される例としてこういう例なんかはどうでしょうか。たとえば今急にその方針がとられた、そのためにその方針に従って、今おっしゃるように非難がましい口はきけない。激しい注文の仕方もしない。そういうことになったとする。そうなると誰が一体そのためにのうのうとすることができてるかということになると、その非難に価する官僚諸君、もしくはまたはそのポストにある公務員、職員だということになる。自分のやっていることは、どんなことだって是なりという格好で受け入れられて、非難がましい口は聞かないから安心できるという格好になってしまう。どうしてそうなるかというと、私は今の状態からいうと、これはそこまで言っていいかどうかわかりませんが、政党の力なり政党員自体の力倆の問題と、それから公務員諸君の個々の力倆の問題、実力の問題、こういう問題が考えられなければならない。本来当然政党政治であり、政党の方針なり政党の要求に対してそれを拒否する立場にはないのだけれども、ややもすると実際問題としてはそういう事態が起っている。その起っていることは、これは力関係などという言葉は少し激しいと思うのですが、主として力倆、経験、勉強などという程度がそういう状態を引き起している例が非常に多いのです。これはもう政治家もある程度肯定されるだろうと思うのです。そういう問題を全然無関心に考えないで、今おっしゃるような方向へ、非難をしてはいかぬぞ、政党政治の本来のいき方からいえば、公務員諸君は政党の方針によって動いている、非難してはいかぬ、方針は立派なんです。しかしそのために逆にさっき申し上げましたような格好で、そのためにのうのうとできるのは、今のような状態の中で公務員諸君、官僚諸君だと、こういうことになりゃせんかと、その点についてはどうでしょうか。
○政府委員(宇都宮徳馬君) お尋ねの点はよくわかるのですけれども、とにかく機構的に明治以来の、いわゆる官僚制度というものの中に政党が行政の最終責任を負えないような、そういうものがあるならばこの際改めるべきだということであって、能力とかあるいは政党政治家の能力云々といろ問題になってくると、これはもう全然別問題です。どういう機構を作っても政党政治家の能力が非常に低い。徳性が非常に低いという場合には、これはまあ問題にならない。一応標準の能力を持つものと考えまして、そうして機構的に不十分なために政党が、結局は具体的に言うと、内閣が行政の最終責任が負えないというようなものがあればこれは改めるべきだ、こういうお説が行政審議会に強く出ておったわけです。
○千葉信君 現状をよく分析しないで方針をきめるということについては非常に危険がありますけれども、しかしまあ考えだけは決して悪い考えではないようですから、私はあなたに対する質問は大体この程度で打ち切りますけれども、しかし最後にはっきりとだめを押しておきたいことは、今いろいろとお尋ね申し上げました中で、やはり私どもとしては一番重要な問題として考えているのは、行政機構改革の問題、従って最終的には必然的に随伴してくるおそれのある人員整理の問題等については、先の国会以来お約束願ったような方針ははっきりと守っていただきたいし、守っていただくということの再確認をしておきたいと思います。それをちょっと。
○政府委員(宇都宮徳馬君) その点は先ほどからのお答えによって、御安心願えると思いますが、行政改革を目的とするのであって、行政整理、人員整理を目的としない。従って私は人員整理のごときことはないと、かように確信いたしております。
○委員長(小柳牧衞君) 他に御発言もございませんようですから、本件に対する調査は本日はこの程度でとどめておきたいと思います。 —————————————
○委員長(小柳牧衞君) 次に、国家公務員制度及び恩給に関する調査を議題といたします。 まず、公務員の給与に関する件、地域給、薪炭手当等給与に関する諸問題につきまして政府からの御説明を願います。 ただいま政府の方から御質問に応じてお答えをしたいと言われておりますから、どうぞ順次御発言を願います。
○千葉信君 最初に大蔵省の方のお尋ねに入ります。 私は今のような給与のきめ方ですね。まあ給与のきめ方の対象となっているのは、平均賃金制度といいますか、そういう体系の中でとられているそういう平均、まあせんじ詰めて言えば平均賃金制度という格好の中では今のような定員定額制というやり方はとるべきじゃないと思うのです。そういう点についてここであなたと議論をするつもりはありませんが、そういう非常に根本的に間違った方針のもとに定員定額制なるものがとられている、そしてしかもそれによって給与の調整費がかなり減額になっている。従ってどの省庁でも昇給の頭打ちという状態、また頭打ちじゃなくて、昇給の停止という格好が非常に深刻な問題になってきておる。そういう格好で本年度の給与の調整費という問題がかなり明らかにされなければならない問題になってきておるのですが、一体今度の予算の中で、そういう昇給ストップなどという方法をとらなくてもいいような格好で予算が組まれているかどうかというその点をまず大まかな点ですが伺っておきます。
○政府委員(原純夫君) まず先般提出いたしました三十一年度予算案で給与の組み方をどうしておるかという点を先に申し上げて、そしてその中に入っております定員定額制の考え方につきまして、私どもの考え方を申し上げるというふうにいたしたいと思います。 三十一年度予算案におきましては、官吏の俸給、人件費につきまして、ここ一両年来、いわゆる昇給原資というものを前から見ておりましたのですが、それが毎年相当な額に上るということから、昨年以来定員定額制の考え方を取り入れて参っておるわけでありますが、その考え方を継続いたしまして前年度予算単価の四%を昇給原資として見ることを原則とするという考え方で組んでおります。もちろん昇給の度合いは、当該省庁の構成人員の年令別の状態によっても違って参りますので、それによる調整をいたしまして、たとえば非常に若い人たちが多い、従って毎年々々やめる人は少くてだんだんみんなの平均の経験年数がふえて参るというようなところは例外を認めて、それに若干の追加財源を与えるという形で組んでおります。ちなみに、こういう考え方で定員定額制をとるに至りましたことを数字的に申し上げますと、大体従前通り五%の昇給原資を組んでおりますと、三十一年度で四十二億円の昇給原資が必要になります。これがいわば利に利を生むというような格好になりますから、毎年その額が二億ずつふえると、三十二年度以降は四十四億、四十六億、大体そういうような格好でふえて参ります。そうしますと、三、四年にしてすぐ百五十億、二百億というような増になって、人件費の伸び方として相当問題があるというふうに考えたわけであります。それは裏から申しまして、しからばいかなる原則で今昇給、昇格が行われておるかということを見ますと、給与関係の法令規定に定められましたところによって、下の方の給与の人ですと非常に短い期間で昇給資格を生ずる、まあいろいろ戦後の経済状態が動揺し、苦しかったという事態もあって、いわばその資格を得た人全部が上るというようなことでやって参っておりますが、そのままでずっと今後も参りますと、非常に相当なスピードで全体のレベルが上ってくる、つまり給与関係の法令規定の規定するところが、いわば全体として妥当な昇給のレベルを確保して参るというか、実現して参るということと一致するということは、希有のことであって、なかなかあり得ぬわけですが、現実には給与法令規定で規定される資格を得た者をどんどん昇給させて参るということは、ただいま申しましたような、あるいはもっとそれ以上の人件費の膨張を来たすわけでありますが、私ども財政の見地から、やはり平均の経験年数が延びるというようなことによってふえるのはもちろん必要であるけれども、どうも今までの実員実額というやり方で給与法規のいわば偶然に一致するかもしれません妥当な線との一致を頼みにしてやっていくという考え方から、定員定額制の方向にいかなければいけないというふうに考えたわけであります。もちろん一挙にきちんと定員定額でいき切るというわけにはいかぬわけでありますけれども、最終の格好においてはどうなりますか、それは十分検討しなければならぬところでありますが、一歩々々それに近づくというわけで、三十一年度を第一歩とし、三十二年度を第二歩として四%という線でやっておるようなわけでございます。
○千葉信君 ずいぶんひどい話をするものだと思って今びっくりしました。話の筋が全然通っていないと思います。結論から言うと、大蔵省は平気で昇給昇格等に関する法令をじゅうりんしてかまわぬ、そういう方針をとっておるということになります。給与法なんかではっきりきめられておる通りに上ってはたまらぬから、そうならないうちに予算で押える。それを平気で大蔵省はやっておる。そんなばかな話はないと思う。一体今のような平均給与という体系で給与がきまっていて、そして実際の現員現給によって計算し、それに対して今度は法律に基くあるいは法令に基く昇給という当然の一方からいえば権利、一方からいえば義務です。その義務に背反して、予算を計上しないで、そういう権利を、大蔵省の方の方針として押えていくと、あなたは平気でそう答弁しておる。財政の理由から、財政の必要からというが、なんぼ財政の必要があるにしろないにしろ、そんな法律を平気でじゅうりんしてかまわぬという答弁がありますか。
○政府委員(原純夫君) 大へん私の話が誤解されておると思います。こういうふうに申し上げたら非常にはっきりすると思うのでありますが、現在の給与規定で昇給昇格ができる資格が出ました場合に、ただいま権利とおっしゃったわけでありますが、権利ではございません。昇給させることができるという規定でありまして、何カ月かたったという場合に、必ず昇給させねばならぬことはないのであります。かつ何カ月かたちました場合に必ず昇給させる、どんなに勤務成績が不良であっても、どんなに休んでおっても昇給させるというようなやり方でやって参りますと、御案内と思いますが、最大のスピードで上って参りますと、年々昇格も入れて七%ぐらい上って参ります。そこで年々七%で上って参りますと、これはまあちょっと複利計算をやっていただいたらすぐわかるわけでありますが、十年もたちますればすぐに倍ぐらいになってしまいます。これは大へんなことであります。それは先ほど申しましたように、給与の規定できめられる何カ月たったら昇給の資格ができるということは、一応の目安でありまして、もちろんその時期に勤務成績等を判定して昇給させることができるということであり、かつそうやって昇給させた結果の官吏全体の給与のレベルというものは、おのずから常識にあまりにむちゃに上って参っちゃいけない、またそういうことは財政上困るし、われわれとして規制せねばならぬと思っております。従いまして、私先ほど申し上げたことは、まあそこまで申し上げれば御納得いただけるんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○千葉信君 納得せんね。私のお尋ねしているのは、あなたが今言われたように、病気で休んでいる者とか勤務成績の悪い者、その給与法における当然の昇給の資格のある者に対して……。それからそうじゃなくて、その給与法の建前からいっても勤務成績が不良で、あるいはまた長い病欠をしていて、そういう昇給の資格がその給与法からいっても当てはまらない、つまりその昇給する資格のない者も含んでやるべきだというようなことなんか言っていない。あなたはそれを一緒くたにして、そういうものもさせるのだという給与法の建前じゃないと言っておりますが、給与法は本来あなたが言っているようなそういう資格のないものを上げるなどということは言っていない。当然勤務成績が優秀で一定の期間を経過した者に対してはこれこれの措置をとる、昇給させることができるというのは、あなたが言うように、させることができるという条文だからさせないこともできるのだという反対解釈ができるなんとあなたは考えているのなら、あなたは法律の読み方を知らない。当然そういう条文によって約束しているんだ、国は。もしそういうことがあなたの言うようにさせないこともできるということになったら、そんな法律なんか日本の法律として通りゃしません。国会でも通りゃしません。 そこで私がお尋ねしたいことは、その根本の方針に誤まりがあるのです。あなたの方では今お話のように、どんどん、どんどん給与が上っていって、複利計算なんかでいったらとてつもない金紙になる、こういうことでは財政上困るから押えなければならぬというので押えたと言うけれども、その押え方に無理がある。今のような給与の体系では、定員定額制に切りかえるということ自体が非常に間違ったやり方なんです。たとえ財政上の理由によるにしても。あなたとここで現員現給制が正しいか、定員定額制が正しいかということについて長々と私は議論することはやめる。やめるけれども、そういうそのあなたの方の方針の切りかえによって現実に当然昇給させなければならない者が予算の関係で昇給させることができないので、非常に大きな差異になる。今あなたの答弁の中でも、そういう格好で定員定額制に切りかえて、大体四%の調整費を計上することにしたが、しかしその勤務場所によって、たとえば年数の非常に若い人がたくさん勤めているとか、年数の多い人がたくさん勤めているというような、そういう情勢に基いて、その調整費についてはある程度のあんばいをした、こう言う。これは結論からいうと、定員定額制をとっていることからそういう矛盾を生ずることを避けるために、その調整費で調整をしなければならないことになったということになるのです。ですからその方針はとにかくとして、四%程度の調整費では、依然として今年もまた昇給のストップという現象が随所に起ってくる。その結果としてどういう事態が起ってくるかというと、やはり無理な退職の強要という格好で大きな問題まで起ってくる、実際上。あなたはまあ勤務成績の悪い者やそれから病気で長く休んでおる者等に対しても昇給させれば、これに七%程度の調整費が要るとおっしゃったけれども、そういうことじゃなくて、従来現員現給制のもとで組んでいた五%程度の調整費というのは、大体現在の給与に関する法律を無理なく実施していくためには、どうしても必要なんです。あなたの方ではこれに対してもっと方針を十分検討しなければならぬ時期にきていると思うのですが、あなたの方ではこれに対してどう考えているのか。どうもさっきからのあなたの答弁では、大蔵省の方としては予算編成上これに対して適当な考慮を加えるということじゃなくて、法令の改廃をあなたの方では非常に強く期待している。あなたのさっきの答弁からいいましても、諸般の問題の解決のためには、そういう方向へいくという答弁をしているわけです。これはしかし大蔵省の方針としては妥当な方針じゃないと思う。あなた方の場合では給与に関する昇給には一体どういう条件とどういう条件が整ったら昇給させなければならぬかというような、それからそのためには一体基準はどの程度、どういう年月、どういう資格というふうに、一定の基準を考える立場は、あなたの方の立場じゃないですか。政府の中に別の機関がある。それから最終決定するものは、これは国会なんです。それをあなたの方に、そういう法令があるにもかかわらず予算上どうこうという立場から、おれの方ではそういう法令なんかが変っていくようなことを望んでいるというようなことは、あなたの方の行き過ぎだと思う。あなたの方の立場は、当然あなたの方の職責上、その法律をまじめに順守し、正しく履行するための予算の編成ということは、当然のあなたの方の責務だと思う、これに対してどうですか。
○政府委員(原純夫君) 定員定額制というのは非常にぎこちなく考えられる、ぎこちなくというけれども、私どもやはり給与予算に盛ります根本的な態度は、定員、定額制ということでなくてはならぬと考えるわけです。それはごく平たく申しますれば、官吏の人員が大体安定した構成になりますれば、年をとった人がやめていって、新しい人が毎年入ってくる。定員も戦後のようにひどい増減があった時期は中身がいろいろくしゃくしゃになるのでありますが、ごく安定したノーマルな状態になりますれば、新しい人が入ってきて古い人がやめて、古い人は高い月給をもらっておった、その人たちがやめて、新しい人たちが入る。これは平均すれば同じ月給でいくというような時期がごく安定した時期のことだろうと思うのでございます。もちろん今は戦後いろいろと経済社会情勢の差によりまして新しい仕事がふえ、若い人たちがだいぶ戦後数年の間に入って、そういう人たちが今申したようなノーマルな構成でない構成を形作るおもな原因になっておりますが、そういう間はそういう点に配慮をしなければいけませんけれども、安定した場合には大体一万人なら一万人の定員で、その人たちが平均幾らということは大体動かないでやって参るというふうにしなければいかぬのではないかというふうに考えておるわけであります。従いまして今の公務員の人的構成がそういう安定した状態にないというための調整は十分講ずる。しかし安定した場合には、定員、定額でいけるというような方向にもっていっておかなければいけない、こういう考え方で実はいたしておるわけなんであります。今回の措置もそういう考え方を前提としてやりましたことで、私どもこれに対しそう不当はないと思ってやっておるのでありますが、どうか一つ定員、定額の考え方、根本的には私どもどうも、たとえば給与法が非常に妙な話でありますが、非常に早い昇給時期、三月でみな上げてよろしいというような規定をしておったとして、それをどんどん上げなければならぬというようなことになりますと、これはもう大へん非常識な結論になります。やはりその辺は私どもも上げる資格ができた人をみな待てとか、大部分待てというようなことを申しておるのじゃないのであります。ごく何割かが次の機会になるというふうなことなんでございますが、全体としてのレベルが上るにしても、この程度なら上るという程度にいたしたいと思います。そのように一つしていきたいと思う次第であります。
○千葉信君 どうも了承してくれと言われても私どもは了承するどころか、御答弁を聞いているとますます腹が立ってくるのです。今の給与の体系が平均賃金という誤まった体系をとっている。本来そうあるべきじゃないのですが、誤まった体系をとっている。しかし誤まった体系をとっているけれども、現員、現給という形の給与予算の組み方をとっている限りは、それがある程度救済されていると言えるのですが、それが今度は今のような、現在の給与法に基く私は当然の権利だと思うのですが、当然の権利としての昇給が行えないような、そういう予算の組み方、あなたの方でははっきり給与法通り御答弁されておる、昇給できないということを肯定せざるを得ない格好になってしまった。四%では無理があるということはあなたの方でもちゃんと認めておる。そういう給与法なんかを極端な言葉で言えば、踏みにじったような格好で予算の編成をしている。たとえばあなた方の考え方が、国としての立場から見れば、予算の膨張ということを防ごうという善意からかりに出発しているとしても、それによって現実に不利益をこうむる諸君の場合のことを考えますと、私は許せない。そういう格好で無理な方向で予算の編成が行われているために非常に大きな問題が起っているわけです。私はこの点についてはこれ以上あなたに対してどうこうということを言うよりも、もっとはっきり責任ある立場の方においでを願って、次の機会にこの点ではっきりと私は政府のお考えをただしたいと思います。 以上、私はこの点はこのくらいにしておきます。
○長島銀藏君 今三十年以上勤めていらっしゃる公務員は、数が大体どのくらいございますか、伺いたいと思います。
○政府委員(瀧本忠男君) 今御指摘の点でございますが、ただいま手元に資料がございませんので、詳しいことはあらためましてよく調べましてから、その際お答え申し上げたいと思いますが、現在の職員構成を見ますると、戦後採用の者が非常に多いのでございます。これは計算の仕方によりましていろいろ違いが出て参ると思いますけれども、われわれの計算によりますると、六〇%ないし八〇%程度は戦後採用の職員であろう、このように考えております。従いましてそういう者が十年以下ということになりまするので、三十年以上の勤務者ということになりますと、そのパーセンテージは非常に少いというふうに考えております。 なお詳細は、数字をもって詳細にお答えいたします。
○長島銀藏君 私最近ある地方に参りまして、非常に古い公務員の述懐している話を、述懐談を聞いたわけでありますけれども、そのときのお話によりますと、後進に道を開くという美点も同時に考えられるわけであるが、古い三十年以上勤務しておる公務員の退職手当を、行政整理並みの取扱いにしてもらうということになると、古い公務員は喜んで退職をする可能性があるらしい、自分もそう思っているのだ、こういう御意見があったわけでありますが、幸いきょうは倉石大臣もいらっしゃいますので、そういうふうな取扱いをお考えになっておられるか、おられた方が私はいいと思うのですが、大臣としてはどういうお考えを持っていらっしゃるか、一つ承わっておきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私よく研究いたしまして、間違っておるといけませんから、後刻お答えいたすことにいたします。
○千葉信君 さっきの長島君に対する御答弁ですが、二十四年の実態調査をやりましたとき、人事院ではかなり実態の調査について調査されて、おるようですが、一番新しいのはいつ調査されたのですか。
○政府委員(瀧本忠男君) 公務員の実態調査につきましては、これは昨年大蔵省において詳しく調査いたしたものがあります。われわれの方はそういう調査の関係もありまして、なかなか調査費用等いろいろな関係がございまして、人事院としては詳しい調査を、これはその後やっておりません。ただ年の定期報告といたしまして一月一日現在の調査というのがございます。これはごく大ざっぱな調査でございますが、本年の一月一日にもやったわけでありまして、定期報告をとったわけであります。この集計は、まだ調査票が集まっておる程度で集計は出ておりません。
○千葉信君 大臣お急ぎですか。
○委員長(小柳牧衞君) 経済閣僚懇談会で……。
○千葉信君 それでは大臣の方へ切りかえます。 大臣も今は給与担当大臣としてときめいた存在になっておる。大臣のところへはずっと給与の担当大臣が代々かわったその懸案事項については全部引き継ぎがあると思うのですが、そう了解して差しつかえありませんか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 大体お話は承わっております。
○千葉信君 あの、大臣これはたくさん問題があるんですよ。たとえば政府とし七当然履行しなければならない事項ですね、しかもそれがまだ懸案事項となってまだ履行されていないものがたくさんある。おそらくそういう問題が中心になって引き継ぎは終っているだろうと思う。そのたくさんの問題について、大臣、腰を浮かしているようですから一々大臣とここで渡り合う時間はないようですが、しかしまあ簡単な問題ですから一つだけまず皮切りにお伺いしておきたいと思うのですが、地域給の問題というのは大臣御存じですか。その問題ですね、御承知のように人事院から勧告され、国会で修正されて、国会で修正したのは、政府の方から出て来た法律案ではなくて、その人事院から出たものにこうしたいとか、ああしたいとかいうことで修正という格好で委員会で決議されたが、問題はそのままになっておる。しかし政府としてはですね、当然何らかの形においてこの問題の終止符を打たなければならない責任があるし、今までの大臣も必ずその問題については、いつころまでにとか何月までには解決するなどということを答弁された大臣がいるんです。まだ延び延びなんで、大臣はこれは一体どう処理されるおつもりですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私もこの自分の選挙区の関係で地域給の問題についてはいろいろその当時の政府にも陳情いたしましたお互いの立場がございましてよくわかっておるのでありますが、御承知のように昭和二十九年の人事院勧告は勧告通り実施するとすれば、国と政府関係機関、それから地方公共団体、合せて約百十六億ぐらいになると思います。それからまた御承知のように国会でさらに修正をされまして、その点を入れますというと、約二百億余りになると思いますが、そういう巨額の財政負担を要することでございまして、なかなか一挙にそれを実施に移すということは困難だろうと当時私どもは思っておりました。殊に個々の地域の級地を引き上げるということになりますと、結局どこで終止符が打たれるかということも御承知のような事情でなかなか困難だと思っております。そこで私が入閣いたします前、前内閣の時代でございますが、公務員制度調査会に公務員制度についての答申を求めておりました。その答申にも給与の根本的な改正について答申を受けておりますので、政府といたしましては公務員制度の調査会の答申を待って公務員制度を改正するときに一つ根本的にこの給与の問題についてもきめていきたい、こういうふうに思いまして、今研究を続けておる最中であります。現在勧告通りに実施するということは非常に困難な状態だと、率直に申せばそういうことでございます。
○千葉信君 大臣少し勉強不足じゃないかね。大事な問題の予算額をとっ違えて覚えているなんていうことは、その問題の解決に大臣が本腰を入れようと思っていないことになると思うのです。一番重要なポイントはこれは国会でなるほど修正案なるものが作られましたけれども、しかしその修正案をどうするかこうするかということは別として、政府としてはやはり人事院の勧告した勧告案に対しては、少くとも慎重な態度でそれを検討しなければならぬと思うのです。それの予算額はあなたがおっしゃるように百億なんかこえていないんですよ、七十億をちょっとこえておる。だから最小限度政府としての立場から何らかの解決策を講ずるとすれば、私はそんなに無理なくやれる要素を持っていると思う。しかも一方では、今も公務員制度調査会の答申云々の話がありましたが、ここでも一応の結論を出しているわけです。で、まあ公務員制度調査会にこれはかけるというなら別ですが、公務員制度調査会でも一応の結論を出しておる。人事院からも勧告は出ている。やはりこれは今大臣が言われたように、困難だ困難だというてこではなく、何らかの方法をこの問題に対して講じなければならない。何か伝え聞くところによると大蔵省の方でも一応の腹案はあるようです、私の聞いておるところでは。具体的な内容も私は聞いております。それによるよらないは別として、大臣としては当然この問題に対してもっと積極的な態度で対処する必要がある。こればかりじゃありませんけれども、特にこの問題については、あなたと党を同じくする給与担当大臣が公務員制度調査会の答申については、とにかくこの問題は急ぐからまっ先にやってもらう、ほかの問題をあと回しにしてこの問題をやってもらう、そうして解決すると、はりきり約束しているんです。大臣がかわったからといってその約束はほごになっていないと思う。これは一つこの次の委員会までに、大臣、もっとはっきりした態度で答弁できるように、そうしてまた同時に大臣として積極的にこの問題を解決するという意気込みで、ここ数日の間に一つ方向を、もしくは御意見なり方針なりをきめてもらってこの委員会に出て来てもらいたい。 それからですね、私はちょっと時間がないかちあまりゆっくり聞いておれないようですが、こういう点を私は大臣に注文しておきたい、お尋ねしておきたいと思う。総評の今度の闘争のあり方なり方針がどうこうということは別としてですよ、大臣は給与の問題を担当して、二百万以上の公務員の給与の面で直接の責任を負っておられる大臣の言動というものは非常に重要だと思う。しかもその公務員の給与がどういう格好になるかということが、同時に民間の諸君にまで大きな関連を持つんです。従ってそういう点からいけば、日本の労働人口は四千三百万人ですか、そういう人たちの利害休戚に深い関連を、あなたの言動は持っているんです。しかもそのあなたが物価が横ばいだといってすましておる。物価が横ばいだから給与は上げることはできないとか、政府は上げる方針じゃないとか——政府は上げる方針か上げない方針かということは別としてですよ、給与を担当しておる大臣が物価は横ばいだといって平気な顔をしていることが私は間違いだと思う。事実を知らない。物価は横ばいじゃないのです。かつて人事院から出た勧告でも、物価はどうなっているということははっきり言っておって、実際の物価の状態等を言いましても上ったものが横ばいなのです。今の公務員諸君の給与の基準をきめたときから、基準となったときから多いときには一一%近く上っている、物価が。ただその上った物価が、それ以上は上らないで横ばいの状態を続けておる。今日なおそのときの状態から比べると、七%以上の物価の上昇という状態のまま推移しておるわけです。それならその物価が横ばいだから賃金は上げなくともいいという大臣の談話ははっきり間違っておる。これは私は大臣は不勉強だから、そういうことは平気で言える。これじゃ給与を担当している大臣として私は無責任しごくだと思うのです。大臣、もっと物価の状態なんかについてははっきり私は勉強してもらわなければいかぬ。ただいまここであなたにどうこうという答弁を私は要求しませんから、一つこういう点についても大臣もっと慎重に私は調べてもらいたい。これはまあ質問ともつかず注文ともつかず、大臣に申し上げておきます。あとでまたこの問題についてはゆっくり大臣の御出席を願って私はやります。
○委員長(小柳牧衞君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。 他に御発言もございませんようですから、本件に関する調査は本日はこの程度にとめておきます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十三分散会 —————・—————