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24回国会参議院1956/03/28

内閣・文教委員会連合審査会 第1号

発言数
238
登壇者
13
会派数
2
開催日
1956/03/28

会議録

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) ただいまから内閣、文教委員会連合審査会を開会いたします。  前例によりまして私が連合審査会の委員長の職を勤めさしていただきます。  それでは臨時教育制度審議会設置法案を議題といたします。  本法案に対して御質疑をお願いします。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 私は総理大臣にただいま議題になっている法案に対しまして若干の御質問を申し上げたいと思います。  その第一点は、今度政府の方で臨時教育制度審議会を設置したいということで法案を提出されておるわけですが、この教育制度の問題についてはすでに政府の方においては中央教育審議会が設置されておるわけでございます。さらにその中央教育審議会のほかに新らしく教育制度審議会を設ける理由、これがどらも提案理由の説明を読みましても明確でないわけです。なぜ新たに設ける必要があるかという点について総理大臣の見解というものをお聞きしたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 中央教育制度審議会は恒常的機関といたしまして存続させるものであります。その審議範囲は臨教審の審議事項以外の、広く教育、学術、文化全般に関しまして、一般的施策について審議するものであります。従って占領下に定められた教育制度の根本的改革という国政全般に影響するような事項につきましては、これとは別に内閣に諮問機関を設置するのが適当であると考えて、臨教審を置いた次第であります。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 それでは総理にお等ねをいたしますが、この中央教育審議会が設置されましたときに、当時の責任者でございました天野文部大臣は、その提案理由の中において、ちょうど今鳩山総理が言われたようなことを述べておられるわけです。私は今参考のためにその速記録を読みますが、「平和条約効力発生後の新事態に処して、わが国における教育がいかにあるべきかについては、まったく新たな広くかつ高い見地において、慎重に検討すべき必要を痛感いたします。このために、教育に関する基本的な重要施策について、調査審議するための強力なる審議会を設置」する必要がある。そういう理由で中央教育審議会を設置するんだと、こういう提案理由の説明をしておられます。で、今鳩山総理大臣は、今度新らしく設けようとする臨時教育制度審議会は、やはり今私が申し上げたような広く教育制度全般について再検討するんだと、趣旨は全然変らないと思うんですがね、そういう点総理はどういうふうにお考えになっておりますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私はただいま言ったように考えておりますけれども、詳細な点は文部大臣から答弁することにいたします。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 いや、私がお尋ねしているのは、臨時教育制度審議会を設置する理由が、中央教育審議会が設置されたときの理由と全く同じであるとこういうふうに私ども受け取るわけです。鳩山総理大臣も私はそのようにお考えになって……。鳩山総理大臣の説明はそのようになっているのですが、これについて総理大臣の所見を伺いたいと思うんです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は先刻申しました通りに臨時教育制度審議会は、占領中にできた制度について再検討した方がいいだろうというのがおもなる観点になっておりまして、中央教育制度審議会の方は広く全般にわたって教育制度を審査する。ですから幾分私は違うと思うのであります。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) このことは衆議院でも同じ質問が出まして答えたことがございまするから、お聞きを願いたいと存ずるのであります。よろしゅうございますか……。その天野さんの演説には今おっしゃるような同様の文字のあることは事実でございます。表現においては非常にわれわれが今言うことと似ておるのです。しかし全体からみて中教審を作りましたのは、それより前の教育刷新審議会、これが皆さんのおっしゃる教育基本法なり、学校教育法なり、いわゆる新教育制度を立てたおもな原動力でございまするが、むろん国会は通っておるのでございます。その教育刷新審議会が一番最後に、今でいえば中教審、中央教育審議会を作れということを最後にいうて会を終って、それに従って作ったものであります。その刷新審議会はやはりこれらの教育改革の基礎の上に、つまり新教育の基礎の上に民主的教育の健全な実施と、広く国民文化向上をはかるために、文部省に恒常的な諮問機関として中央教育審議会を置く必要がある、こういうことが原因となりまして、中央教育審議会、中教審なるものができまして、自来中教審は新教育を実行するために有力な答申をされておるのでございます。しかるに三年以前にわが国が独立いたしまして、顧みまするというと、占領時代の教育にはよほど反省すべき点があるから、これを一つ教育の範囲内というよりも、もう少し広い見地で再検討しょう、それにはひとり教育の範囲のみならず、あるいは財政経済、あるいは公務員法とか、自治法とか、各分野にわたることもありまするからして、国会議員も入れて一これがだいぶ違うことです、一挙に臨時に研究してみよう、こういうことが、簡単に臨教審、今御審議願う委員会の趣旨でございます。それゆえにこれは内閣に撒きまして、御用が済んだら廃止するのです。ざっと二年間を予定しておりまするが、もっと早く済むと思います。こういうふうなもので、一言できちっと五、六の言葉で表現はできにくいのでありますけれども、恒常的の文部大臣の教育運営のための機関たる本質が濃厚な中教審と、教育の改革をやろう、制度の改革をやろうという臨時組織で内閣に世くものとの間には、その間御了解を下さることができるだろうと、かように私は思っておるのでございます。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 私が質問をしておる要点は、中央教育審議会と、それから新らしく設けられようとしている臨時教育制度審議会とはその性格が変らないという点を先ほどから質問をしておるわけであります。その点は若干水かけ論になる点もあると思いますので、さらに進めてお尋ねをいたしますが、総理大臣の先ほどのお話しでは、中央教育審議会に諮問する内容と、それから今度できる臨時教育制度審議会に諮問する内容とは、区別して諮問するというふうにも受け取れたのですが、そういうふうにお考えになっておりますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は先刻申しました通りに、臨教審の方は、占領中に定められた教育制度の根本的改革という、国政全般に影響するような事項について審査してもらおうというような考えで、それで内閣の諮問機関を設置するのが適当であると考えたのでありますから、臨教審と中央教育審議会とは範囲が幾分か違うと思うのであります。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 国政全般に影響するような大きな問題について諮問をしたい、こういうことですが、これは教育上の諸制度の問題について検討する場合には、大なり小なり国政全般に私は影響すると思うのです。中央教育審議会に諮問する問題と、それから臨時教育制度審議会に諮問する問題とは、また別だ、こういうことになれば、総理大臣としては、この臨教審にどういう問題を諮問したいとお考えになっているのか、具体的に明らかにしてもらいたいと思います。それからまた中教審にはどういう種類の問題を諮問するのか。抽象的にお話しになってもわかりにくい。ですから具体的に、こういう種類の問題はこちらの審議会、こういう種類の問題は別の審議会、そういう点を明らかにしていただきたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) それらの点については、先刻文部大臣からちょっと説明がありましたけれども、もう一度文部大臣から説明していただきたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 中教審にかけておりますることは、あなたも御承知の通り、教育上重要な施策という言葉を使っていますね。今まで十回かけておりまするが、ここにかけたものはあなた御承知ですから申し上げません。一昨日は外国人留学生のことを諮問いたしました。そういうふうに現在の教育制度の多くは、このワク内で――改正のことも諮問いたしましたが、根本は、この今の教育制度のワク、またはこれに沿うて改善のことを選任者は諮問されております。今度思いたって一時的の臨時教育制度審議会を求めましたのは、今総理もちょっと御言明になりましたが、占領が終ってから、われわれ反省すべきことが二つ、三つあるのです。教育に関する国の責任の限度が明日でない。学校制度、おけても大学制度を一つ検討しなければならない。今大学は大かた五百ほどありまするが、だんだんふえる傾向にあります。しかるに卒業者の就職がなかなか困難だ。それからまた経済も計画経済をいたしましたけれども、それに沿う卒業生のことは、実はあのときに十分調査されておりませんでした。学問などのことを計画で割り当てるということもちゅうちょするのであります。しかしながら皆さんの御意見を聞いて、国家のためにいいことであったら、何か工夫をしよう、こういうことであります。  なおもう一つ、私はこれは公然申し上げておりまするが、日本のこの教育の非常に根本となっておる教育基本法です。これについても、これはまあ容易に言うべきことじゃありませんが、一つ反省をしてみなければならぬ。教育の根本は御承知の通り、教育委員会法の第一条でございます。それには人格の完成と、平和国家及び平和社会ということと、真理、正義、個人の価値、勤労、責任、自主的精神と、この八つが書いてあるのです。――基本法です。言葉の間違いです。教育基本法の一条です。取り消します。この八つだけではどうも足りないという声があるのです。やはりこれは何といっても国をなす以上は、国に対する忠誠心といったようなことを教育の基本に入れなければならぬじゃないか、それから平等とはいいまするけれども、人間平等です、差別はないのです。しかしながら感謝恩愛ということがあって、日本では親には親切にする、祖先は敬う、こういうこともあるのだから、むろん人格の完成という広い文字がありまするから、含んでおると解釈のできぬこともありませんけれども、日本の教育法の基本としては、ここをもう一つ明確にしたいという希望が各方面にあるのであります。これらも会ができましたら、碩学大家を聘して、どうしたらいいかを聞いてみたいと.かように思っております。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 そういたしますと、大学制度の問題についても、中教審においては今日までしばしば論議されて、そうして答申案も出されております。また今文部大臣がおっしゃったよらな問題について、中央教育審議会で審議をしても何ら私は差しつかえがないと思います。何か中央教育審議会はこういう問題を審議するのに適当でないというふうなお考えを持っておられるのですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) それは重要なという文字がありまするから、諮問していいのでありますけれども、今の情勢ではこういう、私もさっき申しました通り、中教審は前の刷新委員会が設立の際にいった通り……。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 これは政府が提案したのですよ。審議会は別ですよ。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 今の教育の基礎の上に民主教育を作ろうということを書いておるのです。また明らかな言葉がなくとも、以心伝心、そういうふうにやっておりまするからして、今回のような、まあ一部世論といいまするか、各方面から、根幹たる大学制度ということになりますると、今の六・三・三・四の制度に関係しますわね。そういう根幹たることと、それからして、ひとり学問の独立といろのじゃなく、日本の経済の進歩に相待って、  一つにらみ合せてやろうといったような、重大なことはもっと広い範囲で、委員も、中教審は十人ですか二十人ですか、委員も四十名ぐらいにふやして、それからして、その中には国会議員も入って、あやまちのないようなことに、もっと大きく深く調べる方が、国のためにも親切だ、かように考えておるのであります。あなた、おっしゃる通り、かけていかぬかとおっしゃったら、それは中教審の方も日本の教育の大家ですから、かけていいのでありまするけれども、問題が大きいから、これだけは別に一つ大きな機関で、国会議員諸君も入ってもらい、各方面からたくさんの委員で一つ、長く時間をとらぬから、一ぺんやってみよう、こういう心持なんでございます。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 質問時間が制限されておりますから、この問題については、他の委員からも質疑があると思いますから、もう一点だけ尋ねておきます。  ただいま文部大臣の答弁の中に、中央教育審議会は、民主主議の教育を発展させるために、いろいろの教育上の問題を検討するのだ、そういうために正まれたのだ、今度の臨教審ほそうじゃないのだ、そういう意味のことをおっしゃっております。これは私は了解しがたいのですが、そうすると、今度できる制度は、民主主義という基盤に立っていろいろのものを考えていくという中教審の考えを否定して、そうしてやはり教育を昔に引き戻そうという考えで作られておる、こういうふうにとらざるを得ません、今の文部大臣の説明では。どうなんですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) それは私の言葉が悪かったか、非常に意に反することであります。今度できる臨教審でも、わが国の民主教育を否定するなんというものじゃ決してございませんです。それはもう教育の根本でありまするか、その上に御審議を願うのでございます。前に私が申し上げたのは、ここで中央教育審議会の設置の趣審というものをもって私は言ったのですが、それには、もう一度いえば、こう書いてあるのです。「教育刷新審議会は創設以来、教育改革の根本的政策の樹立に多大な貢献をし、今日一応その使命を達したので、これらの教育改革の基礎の上に、民主的教育の完全な実施と、広く国民文化の向上をはかるために、文部省に恒常的な諮問機関として中央教育審議会を置く必要がある。」、これによって置いたのです。私の言葉が悪かったら、正確にはこれをおとむ願いたいのです。民主主義の教育ということも言っておりまするし、国民文化の向上ということも言っております。今度のこの二つの点は、臨教審も同様でありますけれども、問題があまり大きいものですから、この十六名をもっと拡大いたしまして、国会議員も入れて、臨時に能率的に早く調べてもらおう、こういうことなんです。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 今のに関連して、簡単ですから。今文部大臣は、中数審を拡大してという言葉をお使いになりました。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) それは取り消しです。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 取り消しですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) もっと大きなものという意味で、拡大というのじゃありませんから。それより大きなものという意味です。なるほど拡大じゃ、あるものを大きくするのですから、不適当です。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 私は大臣が今つい言われたことが一番征しいと思う。中教審というのは、あなたの一番信頼をしておる人をお選びになったわけです。その人が長い目で見てきた今日、その上に、たとえば国会議員をお加えになるのもいいでしょう。数をふやすのもいいでしょう。ことさらに新しくこういう別なものを作るという理由がわからないのです。その点はいかがですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) それで、そうしましても、内閣所属ということなんですね。これは今のような大学制度を経済発展とにらみ合せるとか、あるいはほかの閣僚の者が担当しておることにもだいぶん影響しますが、それを君えて内閣所属にしたのです。文部大臣所属でこんな大それた日本の教育の基本を考えてみたり、あるいはまた六・三制……(「それは、おかしい」「どうかしておる」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)まあ待って下さい。それは内閣に置く方がいいのです。これは学校教育だけではありませんよ。この教育基本法の第一条のごときは日本国民道徳の基準なんです。ですからこれらについて相談しようと思えば、やはり内閣で、憲法にも匹敵する大問題でございまするから、文部省内の諮問機関では不適当だと、こう私は考えたのです。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 私はますますおかしくなってくるわけです。日本の文教政策の最高責任者は私は文部大臣だと考えておったのですが、何かその文教政策でも大きい問題は文部大庫では手に負えないと、こういうふうに感ずるのですあね。はなはだ僕は文部大臣みずから大臣の地位というものを軽視しておられると思う。これは許されませんよ、文部大臣。この中央教育審議会の委員を任命するのでも、内閣の承認を得て文部大臣が任命している。非常にあれは権威のあるものだと私は考えておったのです。問題が大きいから、わしの手に負えないから、こういうことでは、大臣、あなたは自分の責任というものをどう考えておられますか。これは重大ですよ。そういうことでは国民は信頼して鳩山内閣の文教政策を信頼することができない。そういうことになってくるのじゃないでしょうか。あなたは少くとも日本の文教政策の最高責任者だと私は考えております、そういうお考えをもうお捨てになったかどうかお輝きしたい。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 文部大臣に申し上げますが、総理の出席時間の関係もありますから、答弁はなるべく率直簡明にお願いします。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 私もそのつもりでおるのです。文部大臣の諮問機関と申しますると、大体文部大臣の横限に関することを諮問することになりまするが、今回の臨教審では私の権限以外のことにも多々及ぶと私は思います。財政経済あるいは地方行政、それからして国家の中心問題である、先に申しましたような道徳の問題ということがありまして、文部省内に置くよりも内閣に置く方がいい、かように考えております。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 質問の時間の関係もありますから、文部大臣に対する私の質問はこのぐらいでおいておきます。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 ちょっとおそれ入りますが、これは中教審のほかに臨教審をお置きになる理由が明らかにならぬから質問がなされておりますが、先ほど文部大臣は失敗があってはいかぬからという言葉もございましたが、中教審に対して信用が置けぬから、そこで臨教審を作るのだ、こういうお考えもあるのでしょう。教育制度の問題について中教審ではなくて別に作るのだ、こういう作る必要津あるかどうかという質問もございましたが、その中に、文部大臣の考えの中に、中教審に対する不信が基礎になっておるということも考えられる。失敗のないように、あるいは失敗があるとこういうのでございましたが、その点だけは明らかにしておいてもらいたい。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 中教審に対する不信の念は毛頭ありません。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 この機会に総理大臣にお尋ねをいたしますが、最近の国立大挙における入学試験の問題、それから卒業生の就職の問題です。これは非常に大きな社会問題になっておる問題ですが、高等学校を卒業してそのまま大学に入るという生徒が非常に少くなってきた。少くとも二年ないし三年浪人をして、そうしなければ入学できないというふうな現状をですね、総理大臣はどう考えておられますか。  あるいは大学を卒業したが働く場所がないという生徒が非常に多くなった。こういう問題が今提起されておるわけです。こういう問題について、総理大臣はどういう考えを持っておられるか。ただ傍観をしておられるのか、あるいはこれに対して何らかのお考えがあるのか、そういう点を伺っておきたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 大学の入学試験につきましては、高等学校の教育に悪影響を及ぼさないよう、試験問題、試験方法等に改善を加え、同時に一部の大学に集中しないよう、高校における進学指導の適正を期していって、そうしてまず大学と高等学校の調和をはかっていきたいと思います。  就職難につきましては今、荒木君の言われる通りに、非常にわれわれの心配しているところでありますが、どらにかして就職ができるように、学校と相待って教育の方にも考えていかなくちゃならないと考えております。中央及び地方の主要都市に学生就職対策本部をとにかく設けまして、求人開拓の促進に努力はしておりますけれども、なかなか大学制度の改革も伴わないといけないかと思います。しかしこれは重大な問題でありまして、文部当局においても非常に苦心をしているところだと思います。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 時間がないのですから……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理に伺います。今わが国に展開されている教育の法的よりどころはどことお考えになっておられますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 教育の根本ですか。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 いかなる法的根拠をもってそれが行われておるか、それを伺います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) これは日本の憲法と日本の教育基本法、それを根拠とするというように答えるより仕方がないと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ではこのたびの審議会については、憲法改正を目標において再検討ざれるお考えでありますか、どうですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) それは考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 しからば先ほどの荒木委員の質問に対する答弁は納得できません。私は繰り返してこの点を伺います。それは中央教育審議会の提案理由には、平和条約が発効した後の新たな事態について、教育に関する基本的な事項について、強力なる審議会を持って、今のわが国国情に即応するかどうかを再検討するのだ、その内容は大学院であり、国立学校であり、高等学校の制度である。すべて尽されている。どこが一体違うかですね。私は突っ込んで伺いますよ。これは、文部大臣所管の中央教育審議会では、あなた方の思うような答申が得られないので、新たに内閣所管のもとにこの臨教審を設けて、あなた方の意図するような答申の出てくることを期待して、これを設けたものと かように断ぜざるを得ません。いかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私はかつてそういう話を聞きません。そういうような意見のあるということを聞いたことがございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それじゃ伺います。中教審は、時間がないから詳しく申し上げませんが、二十人以内で構成するようになっております。これには政党人を入れておりません。このたびの臨教審の四十人以内の委員は国会議員が四分の一、すなわち十人入るようになっておりますが、その理由いかん。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 内閣におきまして国政全般の見地から教育制度の問題を検討するということを目的としたのでありまして、それで内閣に置いたわけであります。別にただいまあなたのおっしゃるような考え方は何人からも私は聞いたことがないのです。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 中教審、臨教審のそれぞれ二十人及び四十人の委員は、いずれも内閣の承認を得て任命する形をとっておりますが、もし、先ほど文部大臣が言われたような非常に重要な、文部大臣が、扱うのには大それたというような、そういう大きい問題を扱うのに、この四十人の委員の任命に当って何故に国会の承認を待て任命するという形をとらなかったのですか、中教審以外に臨教審を投げるならば、それだけの重みを保つには内閣の承認をもって任命するのではなくて、当然国権の最高機関である国会の承認を得て任命していけば、幾らか体裁が整うと思うのですが、どういうわけでそうしなかったのか、その点を伺いたい、非常に矛盾しておる。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) この点はどういうふうな任命方式をとるのが適当かどうか私は存じませんから法制局長官から答弁させます。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) これはただいままで、こういう諮問機関の委員の任命の方式でございますが、大部分の場合、この諮問機関は内閣あるいは所管の大臣が任命するという方式をとっております。行政委員会等あるいは行政委員会でなくとも、審議機関でも行政事務の執行と密接な関連を持つ、そういう審議機関の委員につきましては、国会の同意を得て任命するという方式をとられておるのが多いわけでございますが、こういう行政事務に直接あるいは密接に関連しない、いわゆる内閣とかあるいは大臣に対する諮問機関、こういうものは今までの考え方としましてはやはり行政部内における任命方式をとるということが適当である、かように考えられております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その答弁了解できませんが時間がないから後刻その点については追及いたします。  それでは次に、総理に伺いますが、総理はかくのごとき諮問機関の結論というものは尊重されるお考えでございますか、どうですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 諮問機関の答申は尊重するのはもとより当然であります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは伺います。これはまだ他日聞く機会があると思いますが、ここで関連して伺います。ただいま国会にかかっておりますところの教育委員会法の改正の案件は中央教育審議会の二十八年七月二十五日に出されました答申案と根本的に違うものを政府提案の形で法律案を出されておる。教育委員会の性格はこう書いてあります。「現行法による性格を直ちに改変する積極的な根拠は認められない、根本的にその性格を変えてはならぬ」とはっきり答申しておる、こういう答申の骨格をあなたはかえるところの案件を今出しておりますが、今のあなたの尊重と矛盾するのではないか、お答え願います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 中央教育審議会の答申を根本的に変更するというような意思は持っておりません。文部大臣から……。私はそういうように考えます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 じゃあなたの、今出ているところの地方教育行政の組織及び運営に関する法律案は現在の教育委員会法の部分的改正とかように了承しているわけですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 臨教審は教育及びこれに関連する制度に対して調査をするのでありまするから、その答申を待って考慮をすべきものだと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私の質問の答弁にならない。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 文部大臣に……。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) よろしゅうございますか。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) いいです。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) これはこういうことでございます。今回の国会に提案いたしました地方教育行政の組織及び運営に関する法律案、組織のうちで一番大きなものが教育委員会でございまするから、簡単に教育委員会とおっしゃったと思います。そうしてこれは昭和二十八年に中央教育審議会から答えが一たん出たのでございます。しかしながらその後委員もおかわりになりましたので、ほんとうに言えば、あなたのおっしゃる通り今の中教審の委員の方に諮問すべきが一番完全であったんであります。しかるにこの問題のおもなところは教育委員会の委員を地方においてやめるか、公選のまま存続しておくか、あるいは任命するか、こういうことが一番大きなことで、ことしの十月に教育委員会の選挙がありますから、それまでにこれはやらぬというといけないという問題で、十月までにやるということになるというと、提案するべき議会はこの国会しかないのです。われわれの内閣ができたのが昨年の十一月でありまして、十二月にはこの国会に提案の準備をしなきゃならぬ。とうてい時間がないので中教審の二回目の御意見を伺うことができなかった、これが実情でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私の今伺っていることは、ここに臨教審の審議をわれわれに要求しているわけであるが、こういうものができた場合に、鳩山内閣は尊重する気かどうかということを伺っている。総理は尊重するのだと、かようなことなんです。ところが現に鳩山内閣はそれを尊重しない文教政策をやっているという点を私は追及しているわけで、文相の答弁納得できませんが、これは他日やる機会もございますので、ここで次に進んで総理に伺いますが、総理は教育の政治的中立、政党支配についてどういうお考えを持っておられますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 教育が一党一派に偏することなく、政治的中立を保って行われなければならぬことは申すまでもないことだと思っております。今回の教育委員会制度の改正に当っても教育の政治的中立の確保について十分の考慮を払っておる次第でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は意見になりますが、中教審の二十人が不足であるならば、これを四十人に拡大する形において中教審を運営することによって十分目的が達成されるものと考えます。あえてこの構成を変えて国会議員十人を、しかも国会の承認を得ることなく任命するというような形というものは、まことに私は適切でない。これはあなた方が一つの意図を持っておって、その意図に合せるところの文教政策を打も出さんとする挙がら出たものだと考えるのですが、そういう点について反省はございませんか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 文部大臣に答弁さして……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 これは総理わかるでしよう。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) それじゃ私答えます。教育の政治的中立はきわめて大切だということは申すまでもありません。国民の教育として必要な基本を定めることは一国の教育政策に属するものでありまして、わが国の国政が議院内閣制をとっている以上は、内閣に属する臨教審を置いて、国会議員を入れて、そうして相談をしていくというのが適当かと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 終戦後、ある時期にはわが国の文部大臣は学者が任命されたことがありました。私は総理のいう教育の政治的中立の堅持が重大であるという立場から、文部大臣は私は政党人でない文部大臣の方がより適当だ、かような見解を持っておりますが、総理の見解いかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 矢嶋君の言うような説も成り立つと思いますが、とにかく先ほど申しましたように、議院内閣制の今日におきましては、議員から大臣を採用する方が、政党内閣の今日は適当だと考えます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 最近のわが国の世論、論調において、現在の鳩山内閣の文教政策が非常に政治支配を受けるおそれがあると非常に危惧されておりますが、こういうことは総理の耳に入っておられましょうか。またそういう声があるとすれば、慎重に善処ざれるお考えはございませんか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 教育の中立性を、現内閣が害を与えているというようなことは私は考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理に伺いますが、この教育の国家統制、中央集権、これを排除する最もいい方法はどういう方法とお考えになりますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 教育の国家統制というようなことを考えておりません。これを排除するよき方法といったところで、どういう点が国家が介入をしていくのでしょうか。このたびの教育法の二法案は、決してそういう意味で出ているのではなくて、市町村や府県がそれぞれの立場において、協力してもらおう、協力しなければならないという考えから、教育の運営を考えているだけでありまして、国家の統制ということを考えてやっているわけではないのであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もちろんそうでしょう。しかし結果としてはそういうおそれがある。そういう含みを持ってこの臨教審というものが提案されているというところに、非常に国民の注目を浴びているわけで、私はそういうことはあるかないかは別として、かような国家統制、あるいは中央集権にならないようにするためには、どういう心がけで文教政策をやったならばよろしいかとお考えになっておられるかということを承わっているのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) そういうような疑いを起すようなことを避けること以外には方法はないと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは伺います。今の鳩山内閣の文教政策、それはこの臨教審に通ずるものでありますが、東京大学の矢内原総長以下東都の十総長、学長並びに京都大学の瀧川総長以下十三総長、学長並びに昨日は全国六百十七名の学者が今のあなたの文教政策に疑い、心配をしておられます。これをあなたはどういうふうにお考えになられますか。避ける必要があるでしょう。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 文部大臣から答えてもらいます。私それ読んでないから知らないのです。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと待って下さい。これだけ重大な問題を(秋山長造君「予算委員会で総理大臣は賛成だといろ答弁をした」と述ぶ)あなたは知らない……。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) あの中立性――その質問は大学長らが中立性と何とかを説いている、教育の中立性と……。その点については賛成だと答えました。質問の中に説明が入っていたから、私は返事ができたのです。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) この矢内原学長以下の十人の方々の連名の書面は、第一段においては民主主義の根本を改廃すべきものではないことを説かれております。この点は私は賛成でございます。  第二段には、しかしながら改正をする必要があれば、それぞれの機関に諮問せよということであります。しこうして、この書面は主として教育委員会のきっき言った法律案と教科書法案のことについて言っておられるのでありまするけれども、教科書法案のことは中教審に諮問いたしまして、ほとんど九分通り中教審の答案通りに法案を作ったのでありまするから、これを諮問しなかったとおっしゃるのは矢内原さんの方のお間違いでございます。その後矢内原さんに会いました。それからして教育委員会の方は、なるほど中教審は、少し古いことでありまするけれども、昭和二十八年に諮問しまして答えも得ております。新しい今のメムバーの方には諮問しなかったのは先刻言うた通りであります。しかしながら地方制度調査会に諮問しました。それから教育委員会制度協議会というものの答申を得ております。それからして政令改正諮問委員会の答申も得ております。これらの公私の各委員会の答申をよく拝見いたしまして、党内の特別委員会にかけて、万全の策をとって、今の地方教育行政の組織並びに運営に関する案を作ったのであります。これも独断に作ったという矢内原先生以下の御非難は少し当らないじゃないか。それからしてそれを支持されるのが、関西の十三大学の支持でありますから、これについてはすでに答えたのと同じことであります。きのうのことは新聞で拝見しまして、私はまだそのテキストを受け取っておりませんけれども、われわれが思想の自由、これを侵そうなんということは少しも考えておりません。われわれは自由主義者でございまして――今世界には統制を考えている、思想統制を考えている一つの政治体系もありまするけれども、われわれは思想の自由また言論の自由、それなどを侵害する考えは少しもないのでございまして、きのうの社会党に対してお出しになった案は直接には見ておりませんけれども、新聞で見てそういうような感想を抱いておるのであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 鳩山内閣の文教政策に鋭い批判をしている学者は非常に多い。矢内原総長もその一人。しかも矢内原総長は中教審の委員の一人でございます。伺いますが、今度臨教審が発足した場合に、第三条にある学識経験のある者三十人の中には、今の鳩山内閣の文教政策に鋭い批判を加えているところの矢内原総長と、現在中教審に入っている大部分は、この臨教審の委員に任命され、それに足らざるものをつけ加える、かような方針で進まれるものと私は推察しておりますが、いかがですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私はただいま人選のことは少しも考えておりません。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 私もどなたを御委託申し上げるかは、現在の瞬間においては何にもほんとうに持っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 これは四月一日から発足するのに、何事ですか。われわれの審議を求めておりながら。  それじゃ大まかに伺いましょう。臨教審と中教審の委員はダブる場合が多いのか、それとも重複する場合は少いのか、大まかにどういう方針か承わります。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) わが国内の学識経験者、それからひとり教育家のみならず、他の方面においても練達の方々を御依頼しようと思っております。また国会議員十名の方も適当な方にお願いしょうと思っておりまするが、まだこの法案が通過する前に、どなたにお願いするといったようなことを直接言い、またはそれを思わせるようなことを私はここで申し上げない方がいいのじゃないかと、かように思っております。実際にきまっておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この点総理重大でありますから、よく聞いてお答え願います。それは、総理は教育の国家統制、中央集権というものは排除したい。で、それを実現させるためには、かような疑いを受けるような、かような政策というものは避けることによって、教育の国家統制、中央集権というものを排除することができると先ほどお答えになりました。ところが、現に、子供じゃありませんよ。東京大学の総長以下東都関西のほとんどすべての総長、学長並びに全国の学者が六百十七人もそろって象牙の塔から飛び出してきて、そうして今のあなたの文教政策に、国家統制と中央隻権のおそれがあると訴えているわけなんです。そういう疑いを受けているわけなんです。従ってあなたのさっきの答弁からいうならば、当然これを避けるところの努力がされるべきだと思うのでございますが、いかがで、ございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 教育の国家統制などの疑いを受けないように極力尽力いたしたいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 答弁にならないです。はずれているです。  これで終りますが、先ほど文部大臣は、教育基本法の第一条をいろいろと言っておりましたが、時間がないから申し上げませんが、この中には「心身ともに健康な国民の育成」とある。今後の日本の国というものは、かつて松村文部大臣が言ったように、国際世界のどこに突き出しても恥かしくない日本人を作ることにあると思うのです。この一条に私は尽きておると思いますが、文部大臣は今の基本法は憲法から出てきたものですが、マッカーサー基本法というような考えを持っておられるのではないか。御所見いかがですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) この基本法に書いてあること自身はみないいことだと思っております。ただ足りないのじゃないかということをこの間からあなたにたびたび申し上げております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 終ります。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 次に安部君の御質疑を願います。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 鳩山総理大臣にお伺いいたします。第三次鳩山内閣が発足いたしまして、鳩山文政というものが非常に国民の注視を浴びて、しかも現段階では非常な非難の中にあると思うのであります。私は鳩山総理大臣とは個人的なつながりの感情はありますが、それは別として、やはり鳩山総理はいわゆる教育一家、鳩山教育一家といおれた家に生れておりますし、今までも教育に関する限りにおいては割合に理解があると、私もその面では非常に信頼している点もあったのでありますが、だんだん日がたつに従って、その鳩山文政というものが国民の幸福といろものよりははずれた実におそろしい、暗黒の道をたどるのじゃないかと非常に心配しておるのであります。それは今度臨教審――臨時教育制度審議会というものが設遺されるに当りましても、なぜこのようなものを今どきにあおてて作らなければならないか、鳩山総理大臣は今日の日本の教育全体をどういうふうに考えておられるか、その点を御説明いただきたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 審議会を内閣に置きましたのは、先刻申しました通りに、占領中にできたところの諸制度は一応検討し直すのが必要だと思います。教育もまた同じ範疇に入りますので、教育につきましても占領中というか、戦争中にでき上ったものを再検討するのが必要だと考えまして、文政とともにこれに関連する諸制度を研究してもらう方がいいと思います。それで審議会を内閣に置くことにいたしました。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 それでは今の教育全体の中でどの点がどういうふうに悪いと思っておられるのですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) とにかく戦争中にできた、占領中にできた諸制度、諸法制についてはすべて再検討した方がよいという考え方を私は持っております。それで教育についても審議会を開いて一応検討してもらいたいと思っておったのであります。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 今、大臣のお言葉によりますと、すべて再検討を要する、こういうふうにおっしゃいましたが、こういうようなことになると、これは大へんだと思います。それではどういうふうな方式で再検討なさるのですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 先ほど申しました通り、特に大学制度、あるいは教育基本法の問題等について再検討してもらった方がよいと思っております。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 それでは教育基本法をおかえになる御意思なんですか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) これは文部大臣から……。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 いや、文部大臣ではないですよ。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 再検討してもらいたいと思っておるだけでありまして、どうするかにつきましては文部大臣から答弁をしてもらいます。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 先刻矢嶋さんの最後のお問いに答えましたが、教育基本法全体としては異議はないのです。ただしかし世間では、これが日本、日本人という立場から見れば、足らぬところがありはぜぬかという大きな声があるのであります。そのためにそういう角度から教育基本法についても識見高道な委員諸君に再検討願いたいと、かように思っておるのであります。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 今文部大臣は教育全体を再検討しなければならぬ、教育基本法についても再検討しなければならないとはっきり速記録に出ております。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) そのことを答えたのです。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 ところがあなたは今度は教育基本法は全体としてはいい。いいのであったら再検討する必要がないのじゃないか。それが食い違っておりますが……。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 声が通りませんでしたか。今書いてある各種の項目ですね。わけても第一条の目的、八つのことは、これは悪いことはないのです。ただ足りないのです。足りないところがありはせぬかというのですから、もしこれが追加すればやはりこれは変更になりますから、このまま置いておこらという論者もありましょうけれども、世間では今日の世相、わけても青少年のありさまを見て、どうも教育の基本において足らぬところがある、この基本法の一条をですね、教科書編さんの基準に絶対要件にしているのです。それからまた教育指導要領の絶対要件にしているんです。このもとのこれについて足らぬところがありはせぬかということを、国会内の教育に熱心な方も国会外の人も、これは一つの論でありますから、そこで私はここに書いてあること自身には異存はないが、ほかにも加えるべきところがある、加えればやはり変更ですから、教育基本法について審議することと同じことなんです。十分か二十分間の間に私の心が変ることはありませんが、言葉が足りませんでした。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そうすると、先ほどから大臣は忠誠とか孝行とかいうことをおっしゃっているんですね。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) ああ、そらです。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 その点に重点を置いておられるのですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) それですね、言葉に拘泥せられないようにお願いいたしますが、いやしくも国をなしたる以上は国に対して忠誠をするということが、これでは十分に強調されておらぬと思っております。それからして個人の平等と言いますものですから、はなはだしきに至っては、個人は平等だという考え方から、自分の親、おじいさんこれらに向っての孝養を欠くといった言説も行われているのであります。それからして日本人の気品ということも考えなければならぬ、やはり劣等感といったようなことを払拭して、日本が文化国家として世界一流の民族にならなければ、そういうことを一体どら表現するかは、私は学問が浅くしてここで申し上げられませんけれども、その心持は御推察を願えると思います。そういうことを審議会にかけて学者先生に一つ再検討願ってみよう、こういう心持でおります。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 文部大臣変なことで謙遜なさっておかしいことになって、実に日本の文部大臣としてはわれわれ国民にとって、何といいますか、たよりない発言であったと思うんです。大臣の発言に対してはあなたは自信を持って日本国民全体の前でおっしゃられなければならない。国民は教育に関する限りあなたを柱とも思って信頼し、またそれにわれわれも協力しなければならないと思っているんですが、大へん私は遺憾な発言だったと思うのです。  その点で鳩山総理大臣にお尋ねしますが、文部大臣は私はこういう御意思じゃないかと思うんです。ここにも今日の参議院内閣委員会調査室から出ております「木審議会設置の経緯」のところですね、「今回、政府が本審議会を設置するに決したのは、自由民主党の一般政策中『国民道義の確立と教育の改革』の項に『教育制度を国情に即応せしめるよう、教育に関する国の責任と監督の明確化、学制特に大学制度の再検討、教育行政組織の改革等をはかる。これがため内閣に調査審議機関を設ける。』とあるに基いたものであるとのことである」、こういうふうに調査室から出ておりますが、このことに変りはありませんね。総理大臣よろしゅうございますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 大体それでけっこうだと思います。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 文部大臣はいかがですか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) それでいいと思います。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そうしますとですね、この「国民道義の確立と教育の改革」ということがまずあげておりますが、今この日本の国民道義が低下している、こういうふうに思っておられるのでしょうか。総理大臣にお伺いいたします。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) さあ、とにかく日本は民主主義国家となりましてまだ日が浅いのです。民主主義国家というものはどぅいうものかもよく理解しておる人は私は少いだろうと思う。とにかく民主主義というものはどうして起きたのかというようなことを考えておる人も、私はすべての人がそう考えていないと思う。民主主義が自分たちの自由とか、これを尊重して起きたものなので、そうして自由や平等などを看板として民主政治というものが生まれたのでありまするけれども、この自分の自由をどういうわけで主張する、その自分の自由を主張する、自分の自由を尊重するということならば、自分が尊いものだということの信念がなければ自分の自由は主張できないと思う。自分が尊いものだということを主張するのには、やはり他人の人格も尊重しなければならないと思うのです。そういうような考え方を国民全般が持てば民主政治といろものは非常にらまくいくだろうと思うのです。今までは命令、服従の関係が強かったんですから、今度は自分の尊厳、自分の命令というものを、良心の命令というものを考えなくちゃならない、そういうような教育の仕方をしていくことが民主政治にあっては必要だと私は思うのです。そういうような教育の方針を立ててもらって、小学校の時代から自分は尊いものなんだ、人も尊ばなければならぬものなんだというような考え方に教育されていったならば、りっぱな民主政治ができると思います。そういうような教育をしてもらいたい。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 安部君の持ち時間の残りを荒木委員に質疑をお願いいたします。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 ちょっと……。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 私はいいです。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 まだちょっと文部大臣の……。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 今総理大臣のおっしゃる通りでございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そういたしますと、最後に聞きたいのですが、文部大臣は二月二十二日の衆議院の内閣委員会及び文教委員会の連合審査会の席上で、こういうことを言っておられるのです。いろいろな前後がありまして、その点を省きますが、「また教育政策は他の各省の政策とも深い関連を有しておりますので」、先ほどもそういう意味のことがちょいちょい出ましたが、で、このことが私は今度の臨教審の一番のねらいだと思うのです。というのは、ただ教育の問題だけを諮問する機関であるという意味でなくて、この日本の国体の変革を目途としておられるんだ、そういう意味で今私が発言しましたこの道義、国民道徳の確立ということも結びついて、戦前のような教育に持っていくには、いわゆる再軍備を強化して、そうして国民の徴兵を執行して、そうして実際に国民を戦争へ戦争へとかり立てる教育体制を、いわゆる思想の変革、そういうふうなものをやっていくには、どうしてもこの教育の思想の変革、これをしなければならないと、こういう私はねらいが大へんあるとこういうふうに思うのです。そうでなければこういうふうな、先ほど申しましたようないろいろな関係があるというふうな言葉は出ないし、また内閣にこういうようなものを置く必要は私はないと思う。教育は教育として、その教育政策についての諮問機関となさるんなら中教審があってたくさんなんです。私はそういう点非常に心配しておるんですが、鳩山総理大臣その点明確に。私はそういう心配をしておるし、また事実国民もみんなそれを非常に心配しておる。憲法改正にいたしましても、そして今度の選挙制度の改革にいたしましても、今日も本会議でそのことを聞きましたが、これは普通の行き方じゃないのですよ。教育を教育の問題として取り上げた態度じゃないと思うのです。そういう点、鳩山総理大臣はそうでないとはっきり言い切られるかどうか、その点お伺いいたします。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は元来戦争は好きじゃないのです。(「当りまえだ」と呼ぶ者あり)戦争に持っていくように諸制度を考えているということは僕には絶対ありません。明瞭に言えといえば明瞭に言います。絶対ないのです。前にも、シナ事変のときから戦争に日本は行きはしないかと思って心配をしました。私はあれが拡大をすることにすら非常に心配をしておった。果して私の心配通りに太平洋戦争に発展したわけです。私もあの際には終始一貫反対しました。これの阻止のために全力を尽したのであります。戦争はほんとうに口頭禅できらいだというのではないのです。実質上戦争に日本を巻き込ませるというようなことは私はしません。(「あの当時はね」と呼ぶ者あり)あの当時はそうだと言って、今戦争するはずはありません。   〔湯山勇君「それじゃ敵の基地なんかたたかない方がいいでしょうね」と述ぶ〕

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) いや、それは……。(笑声)

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 全く総理のおっしゃる通りでございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 残念ながら信じられません。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) それは信じて下さい。(笑声)

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 総理にお尋ねいたしますが、実は私は、この臨時教育制度審議会というのは制度だけかと思いましたが、きょうの御答弁で見ますと、むしろ教育基本法が中心になっておるようでございます。そこで総理にお尋ねしたいのは、教育基本法と憲法との関係を総理はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 憲法改正とですか。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そうです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 憲法改正とは全く関係はございません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それでは総理は、改正との関係じゃなくて、憲法と教育基本法、一般的に申しまして、その関係をどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 今、日本の教育基本法と憲法の関係ですか。の精神を受けて教育基本法ができておるものと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そうすれば憲法が変れば基本法も変るということになると思いますが、いかがでしょうか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は憲法の三大目標は変るまいと思いますので、基本法も変るまいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 憲法が変れば、教育基本法にはっきりありますように、日本国憲法の精神によってこれはできておるわけですから、憲法が変ってくれば当然基本法も変ると思いますが、総理はそうお考えになりませんか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 憲法が平和主義をとり、それから民主主義をとり、人権を尊重するという、これは変らないのですから、従って教育基本法もその精神を受けて変るまいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 憲法がどう変るかということは総理もおわかりにならないと思うのです。そうでございましょう。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) それは国会においてどういうような採択をするかは私に予測はできませんけれども、大体において三大原則は変るまい、これは趨勢だと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 総理はそうおっしゃっても、憲法調査会ができて、憲法改正の案ができて、かりにその憲法改正ができ上ったとすれば、それは総理が今はどんなにおっしゃっても、そのときの状態の予測は今できないわけですから、基本法である憲法が変れば、その上にのっかっている教育基本法は当然変ると考えるのが常識だと思いますが、総理はそらお考えになりませんか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) それは理屈の上からはあなたのおっしゃる通りで、憲法が変れば教育法も変るというのが理屈です。しかし、私は憲法の精神は変るまいと確信しておるから、それでありまするから基本法も変らないだろう、こう思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それでは私はもう一つ譲歩してお尋ねいたしますが、現在総理は憲法改正を意図しておられるのですから、その憲法が変れば基本法も変えなければならない場合もあるという、  そういう場合もあるという程度にはお考えになられると思いますが、いかがでしょう。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) どういう意味の御質問でしょうかしら。私は憲法は三大原則においては変るまいと確信をしているもので、その範囲内において教育基本法も変るまいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 具体的にお尋ねいたしますが、たとえば総理も文部大臣もやはり愛国心、国のためというようなことを入れなければならないというような意味のことをおっしゃっております。ところがそういう言葉を入れるにしても、これは非常にきわどいところがあると思います。たとえば憲法第二十二条に、職業撰択の自由ということがありますが、それと防衛なら防衛の問題、この境目というものは、総理だって九条はどうもあのままでは不適当だとお考えになっていらっしゃる。変ったときには、そういうことが明確になったときには、それに応じて、たとえば職業撰択の自由と一体防衛、愛国ということとがどういう関係にあるかというような明確な規定はやはり基本法によってしなければなりません。ただ単に愛国というような言葉だけでは、そういう問題は明確にならないわけです。またそうなってくれば、当然教育全般、基本法にも影響してくると思いますが、いかがでしょうか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) あなたの御質問の要点がだんだんわかって参りました。あなたは、憲法が改正になって徴兵制度を実施するようになる。徴兵制度を実施するようになれば、国に対する国民の責任というようなことも学校において教えなくちゃならん、教育の方針が変るべきはずだというわけなんですね。私はそこまでは考えていないです。私は徴兵制度を実施するという意思も持っておりません。ただ、たびたび申しました通りに、自衛権の範囲内において、侵略を受けた場合に最小限度にこれを防衛するというだけで、われわれは適当な措置がとることができるという程度の自衛力を持ちたいと思っているだけで、それ以上の戦闘力を持ちたいと思っておりませんので、それですから、従って徴兵制度を実施する必要を認めていないのです。徴兵制度を実施する必要はない。ただ国を守る愛国心ということは、これは民主主義のやはり根幹だと思うのです。民主主義というものは、自分の自由、自分の平和、これを尊重すると同時に、他人の自由と他人の平和も尊重しなければ、自分の自由、自分の平和も維持できないのであります。それでありますから、他人の平和と他人の自由を尊重するという意味においても、やはり急迫不正の侵略に対しては防衛することができるというのが、民主主義にしても当然なことだと私は思っている。そういう意味において、その限度においてのみ防衛力を持ちたいといろのですから、徴兵制度をしいて軍国主義になるとかいうようなことは、そんなことは全く考えておりません。軍国主義に必要な教育をするというようなことは全然考えておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それでは、今のように国を守るなら守るという場合に、そのときには結局個人の生命というものとの関連ができてくると思います。そうして、一人一人のそういう人の心がまえというものは教育によって養われなければなりません。そうすると、自分の命をどこで捨てるか、捨てなければならないかどうかというような判断は、やはりこれは基本的な人権と結びついて参ります。個人の生命と結びついて参ります。で、危いときには命を大切にするというのか、そういうときには進んで命を捨てるというのか、これは非常に重要な分れ目でありますから、これもまた憲法との関係において基本法において考えなくちゃならない。徴兵だけじゃないんですが、総理はそういう点どういうお考えでしょう。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は、ただ他人の自由と他人の平和、他人の権利を守ってやるという心持をお互いに持つことが必要だと思うのです。それだけのことを言ったわけです。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 この問題は長くなりますから、また別な機会にお願いして、今度の臨時教育制度審議会では、今のように財政問題、それから地方自治制度の問題、その他一切を含めて教育制度全般を審議されるということですが、それでは特にこの制度とこの制度というのじゃなくて、すべての制度にわたって諮問されるのかどうか、これは総理にお伺いいたしたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) これは臨時教育制度審議会設置法案関係資料というものの中に書いてあります通りに、臨時教育制度審議会は教育制度及びこれに関連する制度について調査、審議するということがここに書いてありますから、その制度だけを審議するわけでもない。関連する制度をやはり審議するものと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 では具体的にお尋ねします。今俗に教育委員会法の改正というのが出ております。これも非常に緊急な重要な教育制度ですが、これもこの委員会に諮問なさるかどうか、総理にお尋ねいたしております。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私知りませんから、文部大臣から……。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 知らぬじゃ困るのですが……。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) その問題はあるのです。教育委員会制度というのは、今度の地方教育行政の組織及び運営に関する法律、あれのことと思いまするが、あれは先刻お答えしたように本年十月までにともかくも目鼻をつけなければ国民も迷惑するので、本国会に提案し、皆さんの御協賛を得ておるのであります。それで一たん日本の制度はきまりまするけれども、しかしながら、あるいは大学の制度、私立大学の制度、地方税制、地方自治法、そういう牽連事項を審議する際に必要な部分についてはこれに論及することはむろんございます。ただあの委員会だけを別に諮問する考えは今持っておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そうすると、この制度全般を諮問するときには当然、かりに今度成立したとすれば、それも含めて諮問ざれるわけでございますか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 地方教育行政、わけても教育委員会のことを諮問事項として諮問する考えはございません。しかしながら、ほかの事項を諮問する際に必要ならばこれに論及することはむろんいいのでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それじゃあの法律もまだ変る可能性がありますね、その諮問の結果いかんによっては。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) ほかの制度を諮問するに際し、必要なる限度の再修正を主張する人がございまして、それがいい意見であるならば、それはとるにやぶさかではないのでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 あの制度は非常に重要な緊急な制度であるということを総理も言っておられたし、文部大臣も言っておられました。そこで総理にお尋ねしたいのですが、これはよくわかるように申し上げますから、一つ総理から御答弁願いたいのですが、従来文部大臣の諮問機関としての中教審がありました。ところが今回お考えになっておる教育制度全般、教育の基本に関する再検討に当っては、とうてい文部大臣一人の力のよくするところにあらずというので、内閣に新たに臨教審というのをお作りになって、これは地方自治法なりあるいは地方財政、その他経済万般の角度から一本の教育制度を検討していこう、こういうことになったことは、これはもう総理もよく御存じの通りでございます。ところが、今文部大臣の御答弁にもありましたように、また先ほどの御答弁にもありましたように、今度やろうとしても、教育委員会制度、教科書制度等は、これはそれとは別ワクだ、時間的な関係もあるしするから別ワクでやろう、こういうことでございます。非常にこれは矛盾しておると思いますので、たとえて申し上げますならば、たとえばこの建物を建て直すときに、この壁とこのドアとだけはこのままでおいて、あと全部建て直しをせよと言うにひとしいやり方だと思うのです。そういう拘束をしておったのでは、とうていせっかくお作りになった臨時教育制度審議会も公正妥当な、何ものにもこだわらない白紙の立場において再検討する、そういうことはできないと思いますが、総理はそういう点についてどうお考えでしょうか。これは総理から一つお答え願いたいのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 臨教審と中教審とはその審議する範囲が違います。そうして目的も、いささか直接に目的とするところが違っておりまするから、あなたのおっしゃる通りに大して矛盾はしないでうまくいきゃしないかと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ちょっと総理、御答弁が違っておりますので、私が申し上げておるのは、今、教育制度の改正を政府から御提案になっております。それから教科書法も御提案になっております。こういう非常に重要な緊急な制度は、これはもうそのまま今回成立させて、それらを省いた残りの問題を諮問される。ましてその諮問の仕方は、国会議員も含めて非常に大きな規模で抜本的になさろう。抜本的な検討をきれるときに、この二つだけを固定しておくということは、これは先ほどたとえて申し上げましたように、ふすま一枚だけ、障子一枚だけは動かすな、家は全部建て直せと言うにひとしいととになるのではなかろうか、こういうお尋ねでございます。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) とにかく教育二法案はやはりこの審議会を待たずに決定する必要があると思いまして先に出したのでありまして、審議会の審議に別に制限を加えることにはならないと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 その出したことについて、そういうことになるのではないかということをお聞きしておるのです。お出しになったことが、今のように全体を再検討し新しく建て直そうといろときに、これこれは先作ってこれを使えということになるわけですから、やはりこれはまずいので、おやりになるならば、全部をこれに御諮問になるということが正しいのではないか、こういうことをお尋ねしております。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) それは湯山君のやり方もありましょうし、政府のとったやり方もありましょうが、政府としては二法案を先に出すことを便宜と考えました。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 便宜とおっしゃるのは、ただ十月とか何とか期間だけの問題だと思います。それは一年おくれても二年おくれても、天下の大勢には影響ありません。むしろ重要なことは、どういうりっぱな基本ができるか、どういうりっぱな制度ができるかであって、総理がお出しになっておる法律だって臨教審が二年と期限が限ってあります。お待ちになったとしてもせいぜい二年以内です。だとすれば、今あえて一年、二年のことを争って将来に禍根を残す、そういうようなことにならないことが総理としては賢明な措置だと思いますが、いかがでしょうか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私はそうは考えませんでした。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 お考えにならなかったとおっしゃいますけれども、正しく判断し、正しく考えていけばそらなるのではないでしょうか。最後のお尋ねですから、一つよくわかるようにお答え願いたいと思います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) よく協議をしまして、文部大臣の言うことが至当だと考えて提出しました。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 秋山君御質疑を願います。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 私は今議題になっておりますこの法案を審議していぐ前提の問題を一つまずお尋ねしたいのですが、総理大臣は先だっての予算委員会で質問に答えて、この国会の会期を延ばすつもりはない、また従って参議院選挙の時期をも繰り延べるつもりはない、こういう御答弁をされたのでありますが、この方針は今日ただいまもお変りないのかどうか、まずその点を伺いたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 今のところ違った考えは持っておりません。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 実は、われわれ、もれ聞くところによりますと、また新聞の報道するところによると、さらにまた岸幹事長その他が旅先で語られたところによると、五月十七日に終る予定のこの会期を、六月三日の参議院議員の任期満了日まで繰り延べにする。従って六月の十七日に予定されておる参議院選挙をも繰り延べて七月の八日にやるというようなことが、もうすでに政府部内において、幹部の間においては内定をしておる。そうしてその発表の時期を考えておるということのように承わっておるのでありますが、そういう事実はございませんか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) そういうことはございません。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 ではもう一度お尋ねしますが、伝えられるところによると、現在問題になっておる小選挙区法、小選挙区制度の問題、さらにまた教育関係の今問題になっておる法案、その他の重要法案の今国会での通過ということを期せられる一面、で、相当世論が政府与党に対して悪いので、麦刈りでも終って、少しほとぼりがさめるころを見計らって参議院選挙をやった方が有利じゃないかと、こういうふうなきわめて党略的な考え方も加味されて、すでに会期の延長が内定しておるということでございますが、そういう事実は断じてございませんか、ざっくばらんに一つお答えを願いたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 国会の審議が予定に反しまして非常におくれた場合においては、また考え方が変るかもしれませんが、今日のところはそういうことは考えておりません。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 じゃそういうことを考えてもおられないし、また政府与党の幹部間においてもそういう話がほぼ内定しておるというような事実もございませんか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 聞いておりません。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 では次にお尋ねしますが、先ほど来質問が出ましたように、現在提案されておる教育関係の重要法案をめぐりまして、教育界その他一般世論は非常に政府のやり方に対してきびしい批判を加えておることは御承知の通りです。あらゆる新聞を読みましても、また先般来の大学総長その他教育関係者多数の人たちが、続々政府の反省を求める声明を発表しておられることも、これは先刻質問が出た通りなんです。しかるにこれに対して文部大臣は、新聞の繰り返し伝えるところにあやまちがないといたしますならば、全国の教育行政をあずかっておる教育委員会の人たちに対して、この問題を教育委員会の諸君に諮らなかったのは、あたかも監獄の法律の改正に囚人の意見を聞く必要がないのと同様ではないかというような暴言を吐かれておる。またこの間の大学総長の声明に対しても、子供のときに覚えた、民主主義で物事が片づくならば楽なものだというような意味の暴言をされたということを聞いておるのです。事の真相をとやかくせんさくするよりも、いずれにしてもそういう受け取り方をされるよらた暴言を一国の文部大臣が吐かれることが適当であるかどうか、しかもこれは一清瀬文部大臣個人というよりも、やはり今日の鳩山内閣全体の物の考え方あるいはまたこの態度というものが、やはりこういう目で見られておるのです。これはもうちょうど権力の座にすわった者のきわめておごり高ぶった私は態度だと思うのですが、鳩山さんは常に世論に対して謙虚に耳を傾けていきたいということをおっしゃってきたのですが、その鳩山さんのおっしゃってきたことと、清瀬発言に端的に現われておるような文教問題についての鳩山内閣の態度、考え方というものとは非常な隔たりがあると思うのです。この点について総理大臣の一つ率直な御見解をお伺いしたい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は文部大臣がかような発言をしたということを信じません。(「したらどうしますか」と呼ぶ者あり)

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 したら……、知らんでは済まないのです。実は先ほども申し上げましたように、これは清瀬文部大臣個人というよりも、これは鳩山内閣全体の文教問題に対する態度、考え方というものとして世論には映っておるのです。だからこそあらゆる新聞が繰り返しこの清瀬発言を引用して、そうして政府に対して反省を求めておるのです。あなた、今までそういうことを読んでおいでにならぬにしても、今私が申し上げることで判断していただいてもけっこうです。同じようにお考えになるか。(「していたらどうしますか」「新聞を読んでいなど 「首相答弁」と呼ぶ者あり)文部大臣の個人のことを言っているのじゃない、鳩山内閣の態度というものについて質問しているのですから、鳩山さんから一つお答え願います。(「首相答弁」と呼ぶ者あり)

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) その前にそういうことがあったかないかということの事実を私が言わなければ、総理は答弁の仕方がなかろうと思うのです。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 だから、総理大臣の答弁がいただけんければいただけんでもけっこうだと思うのです。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私はなるたけ民主主義政治になったばかりの日本ですから、くだらない争いを繰り返さないようにしたいと常々考えております。それには謙虚な気持で反対党の意見を聞くことにあると思っております。世論に耳を傾けるというようなことは当然のことであります。

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 反対党の意見ももちろん聞いていただきたいと思うのですが、私が今言っているのは、単に社会党が云々ということではないのです。これはもうおよそこれだけ名前を連ねた教育関係者何百人という、しかも教育界においてもう指導的な立場にある人たちがですよ、こぞって現在鳩山内閣のやろうとしておられるところの文教政策というものは、過去のわれわれの苦い経験にかんがみ、また将来の見通しから考えても、これは非常に危険な道を歩むのではないかという、これはもう心の底からのこれは憂慮の情と、そして政府に対する反省を求める気持を現わしておるのです。だからですね、少くとも反対党に耳を傾け、世論に謙虚に耳を傾けるとおっしゃるならば、おっしゃるだけでなしに、ほんとうに今出しておられる法案をもう一ぺん引っ込めて考え直そうとかいうくらいな、実行でその誠意を示していただかねば、ただそこで鳩山総理大臣がその眼を半眼に開いて、そして世論に耳を傾けたいということをおっしゃっても、これは実際そういう世論がごうごうとしておるのに、総理大臣は今私が申し上げるまでは何も知らずにおいでになる。そんなことでは、世論に耳を傾けると言ってもわれわれは信用するわけにはいかない。もう少し今のこの問題についてのごうごうたる世論というものに対して謙虚な気持で耳をお傾げになる御意思がないかどうか、重ねてお伺いいたします。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 謙虚な気分を、耳を傾ける気持は持っておりますけれども、世の中にも政府のやっていることについて誤解をしておることもあります。政府も誤解を解くのにやはり相当の努力をする必要があると考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと関連して、簡単に。  ただいま秋山委員の質問ですね、それは監獄法を改正するときに、囚人に聞くようなことはあり得ないじゃないかと文部大臣が言ったと、それからまた総長の声明に対して、子供のときに覚えたような民主主義で非現実的なことを言ったって問題にならないと、こういうことを言われたということに対してあなたにただした。ところが総理は、文部大臣がそんなことを言ったとは思われないと言われましたが、もし言っておったとしたならばどらされますか。(「責任だ」と呼ぶ者あり)

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 仮定の質問には私は答えないことにしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなたは吉田方式をとってきたのですか。(笑声)私はそんなことを言ったって聞かない。ずるいですよ、鳩山さん。それはあなたずるいですよ。どうですか、お答え願います。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 仮定の問題に対しては答えると際限がございませんから、どうぞ御了承願います。(「鳩山茂になってきた」と呼ぶ者あり)

秋山長造日本社会党

○秋山長造君 時間がないからあまりしつこく申し上げませんけれども、これは鳩山さんは、私は相当新聞やラジオ、テレビ、いろんなもので世論の動向というものは常に的確におつかみになってやっておるのだろうと思ったら、もう予算委員会でも、この委員会でも開いておっても、新聞は全然読んでいないし、ラジオも聞いていない、テレビも見ていない。全く吉田さんと同じじゃないですか。矢嶋さんが言った通りです。もう少し活眼を開いて、もちろん世論を開いていただきたい。つかんでいただきたい。そうでなければほんとうに国民の魂に触れるような政治はできないと思う。鳩山さんの一番苦々しい不愉快な思い出にさわるようなことで、はなはだ恐縮なんですけれども、やはり鳩山さんが何と御弁解になろうとも、昭和八年のあの京大事件というものは、やっぱり日本の言論弾圧史の上に一時期を画した重大な不祥事件です。かくのごときようなことを二度と再び鳩山さんの手によって繰り返していただきたくないのです。ところが、今学界が総臓起して鳩山内閣に反省を迫っているこの問題というものは、形は違いますけれども、歴史上に占めるその意味ということから考えたら、京大事件の形を変えた、京大事件の焼き直しだと思う。やり直しだと思うのです。だからそういうことをあなたがまた、しかも今度はいよいよ政治的生涯の最後でしょう。(「ほんとうだ」と呼ぶ者あり)最後で再びそういうことで、そういうことをやって、そうして恥の上塗りをするようなことはしていただきたくない。最後はやはり日本民主教育の基礎を礎いた人だという名前を日本の歴史の上に残していただきたいと思う。私は好意をもって言っておるのですからね、その点は一つ十分御反省をお願いしたいと思う。  それからもう一点だけ一つお願いをいたします。もう一点は、先ほど清瀬文部大臣は、教育委員会制度の改正を中教審に諮らなかったのは、十月に選挙が差し迫っておるので諮るひまがなかった。かたがた中教審にこそ諮らなかったけれども、地方制度調査会には諮ったというような御発言があったのですけれども、これは私は全く理屈にならぬ理屈だと思うのです。(「詭弁だよ」と呼ぶ者あり)これほど、この法律にうたっておるように、教育制度に関する展も重要な緊急政策を審議するということなら、この教育委員会の問題こそこれはもう一番中心的な市大政策なんです。だからそれをやるために、若干時間がズレるならば、いつも事務的な立法措置をもって教育委員の選挙を繰り延べしてきたじゃありませんか。ほんとうに世論に耳を傾けて慎重におやりになる誠意があるならば、これは法律一部改正で、十月に予定されておる選挙を一年延ばすなり二年延ばすなりとできるはずなんです。そういう誠意がなくして、ただ十月の選挙ということを動かないものとしての議論をするということは、法律家の文部大臣としての議論としてははなはだおかしいのです。  それからもう一点は、地方制度調査会に諮ったとおっしゃるけれども、これは地方制度調査会の建前というものは大体教育ということが中心になっておらぬ。地方財政とか何とか、教育に対しては第二次的な立場においてやっておる委員会なんです。そんなものへ諮ったということだったら、歯医者へ腹痛の相談に行ったようなものです。それは腹痛のときに歯のお医者ざんへ行寺ましても、それは医者ですから、何ぼかこれは診断を下してくれるでしょう。歯が悪くてそしゃくが悪いから胃も悪いのでしょうぐらいのことは言うでしょう。言うでしょうけれども、それでは腹痛のほんとうのお医者の診断にはなりませんよ。やっぱり腹痛の診断は腹痛専門の内科のお医者さんに持っていって、初めて権威ある診断ができるのだと思う。そういうこじつけのようなものでもって、そうして早々の間に世論の反対を押し切ってやられるということは、これはもう世論に対する非常な裏切りの態度でもあるが、(「挑戦だ」と呼ぶ者あり)同時にこの教育制度審議会というものの必要性というものを私はどうも疑わざるを得ない。いろいろ重要だ重要だとおっしゃるけれども、突き詰めて聞いてみれば、大学制度をどうするかというようなことしかやらない。そういうようなことこそ既存の中教審に諮ったらいいじゃありませんか。そう思うのですが、文部大臣いかがです。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) あなたの御論も一つの御論であります。しかしながら、国をあずかっておる者としては、いいことは一日も早くしたいというのがわれわれの念願でございます。(「やってないよ」「矛盾しておるよ」と呼ぶ者あり)あなたのおっしゃった地方制度調査会も、これもよく調べて下さっておるのであります。そのほかに教育委員会制度の協議会というのがあるのです。そも教育委員会について調査はしておる。それからしてもう一つは、法令審議会というものがありまして、(「法令審議会なんかそんなことをやるところじゃないですよ」と呼ぶ者あり)昔は、占領中でありましたが、リッジウェイ大将が占領中の法規を再解してもいいということを言い出した機会にこれはできたものです。これがやはり占領中にできた教育制度ということで審議をしてくれまして、その答申もございます。中教審の方々に諮問すれば、それはなおよかったのでございましょうけれども、やはり中教審にはかって諮問しておることもございまするからして、われわれはこれらを総合し、かつまた責任政治の根本である党内の特別調査会を囲いて、非常に熱心に調査してこの案を得たのでございまするから、どうか了とせられんことをお願いいたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと関連。さっきのあのままで済まされぬ、簡単なんでありますから、さっきの私の質問に対して……。総理、あなたは監獄法改正のときに囚人と相談するようなことはあるかと文部大臣が言われた。そう言われたとしたならどうしますかと言ったところが、吉田方式で、仮定の問題には答えられない、こういうことですが、このままで私はあなたを手放すわけにはいかないと思います。そこで総理と文部大臣にお聞き願いたいのですが、文部大臣は参議院の予算委員会並びに衆議院の文教委員会において、それは言った、言ったけれども、そのときは相手も自分に無礼なことを言うた。それでお互いにこれはなかったことにしようというので、男と男が相打ちにしたのであるから、だから一ぺん相打ちにした問題を再び言うことは、男の男たるゆえんでないと、こういうあなたは御答弁を衆参通じてされておる。(「そんなやくざみたいなととを言ったのですか」と呼ぶ者あり)かりにそのやくざ的見解によってこれを処理されても、いやしくも文部大臣としてそういうことが出たということは非常に遺憾だということを追及されておる。ところが私のところに全国都道府県教育委員会委員協議会という名前で清瀬文部大臣にする不信任決議という文書が来ておる。その一部を読みますとこういうととが書いてある。男と男が相打ちにしたからいかぬということをさっきおっしゃったでしょう。(笑声)これは笑い事でない。重要だから総理よく聞いて下さい。「地方教育行政の最高の責任機関たる教育委員会の意見を徴することを求めたるわれわれの要請が完全に無視せられたことは、有権者に対し直接責任を負担するわれらの政治的道義観の黙視し得ざるところである。いわんや清瀬文部大臣がわれら教育委員との折衝過程において不誠実なる言辞を弄し教育委員会法改正における教育委員の立場を監獄法改正における囚人の地位に対比したるに至っては」云々と書いてある。あなたは触れないことになっておると答弁をしたが、正式文書として全国会議員にこれを配付されておる。これをあなたはいかになさるか、これに抗議を申し込むかどうか、私は総理に承わりたい点は、ともかくそれがどういう状況下にあったかということをここで追及しませんが、そういうことが事実としてあって、全国の主権者から公選されたところの都道府県の教育行政の責任者である全国の教育委員諸君から、こういう正式文書で不信任決議されるような、かような文部大臣が、先ほどあなたが秋山委員に答弁されておりましたが、あなたの考えるような鳩山文教政策というものが可能であるかどうかということは、私はこれは簡単な答えが出てくるのじゃないかと思う。あなたは先ほど仮定の問題については答えられないと逃げましたが、仮定ではございません。厳粛なる事実です。それについてまず清瀬文部大臣の御答弁を求めます。しかし総理が先でございます。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) それが事実の問題で私が答えなければ総理は言えません。そのことは第三者の言うことであって、私もそれを認めません。私も相手方も認めないことになっております。ないことと一つお願いします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この通り文書が来ておるのだ、ここに。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) それは人が書いたものであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理の答弁をして下さい。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) お互いにやりそこないはありますけれども、しかしそういうことはあなたも寛容な態度で進んでもらいたい。済んだことをまた言わなくてもいいでしょうが。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 これは済んだことを言わなくてもいいでしょうと言うが、私もあなたと同じような寛容な態度を持っております。しかし時と場合によります。今、教育二法が出て、日本の国内を風靡しておる大きな重大問題になっておる。そういうときにこういう文書が出ておるのです。こういう場合には寛容というわけにいかぬですよ。しかも文部大臣は申しわけないというような謙虚な態度で出ればともかくも、私に挑戦して、これは第三者が番いた怪文書だと言っておる。もし怪文書でなかったらどうしますか。この文書は全国都道府県教育委員会委員協議会、確認された機関によって確認された文書であった場合は、文部大臣どうされますか、この点と、それから総理、まあこれでおしまいになると思うのですが、秋山委員からもお話がございましたが、あなたがさっき新聞もラジオもテレビも何も見てない。ですから私は学長の声明をお伺いしたら、これは知らないと言われたのでしょうが、これはあなた、今の大学の学長の声明を知らない有識者というものは日本におりませんよ。どうですか、あなたは日本の有識者の一部を代表しているのです。矢内原総長にお会いになったらいかがですか。これを知らないというようなことでは私は少し無責任だと思うのですが、お答え願いたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) その話の中で私がしかじか言うたことはないことであります。もしそれを持ち出すのだったら、向うの人が私に向って言われたことも持ち出さなければなりません。けれどもそれをどちらも持ち出さないことにしようということになっておるのですから、世にないこととしておるのですよ。ないことです。それは世にないことです。持ち出したのはあなただ。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私が持ち出したのじゃない。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) あれは向うも非常に大きなことを私に言っておるのです。私も売り言葉に買い言葉ですからそうなりましたが、お互いにないことにしようと言って握手したのです。それなのにそれを持ち出すというのは何でしょうか。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 首相答弁、学長にお会いになりますか。

鳩山一郎自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 学長がおいでになればお目にかかります。私会うのが一つの商売ですから。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) これをもって連合審査会を終りたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ちょっと待って下さい。総理だけの質問は終りましたけれども、文部大臣に対する質問はあるのですから、連合審査はこれで終りじゃないのです。質疑の通告もしてあるのですから。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) それでは総理に対する本連合審査会における、質疑は終了したものとして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 御異議ないと思います。それでは総理の方は……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ただいま委員長が宣言されたように総理に対する質疑は終ったわけですが、湯山文教委員から発言がありましたように、文部大臣に対する質疑というものはまだ残っているわけです。それで私、本日の初頭にこの法案の委員会付託についての手続問題について事務総長に伺いたいということを申し入れておったわけですが、今後審議を続けるに関連がございますので、簡単に事務総長に対して手続上のことを伺いたいと思いますが、委員会にお諮り願いたいと思います。お許しを得たならば質疑します。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 矢嶋委員より本案の取扱いについて発言を求められておりますが、これを許すことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉信日本社会党

○千葉信君 委員長、そう四角ばらないで、事務総長も来ているのですから。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 諮ってくれというのですから……。それでは発言を許すことにいたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 事務総長に伺います。国会法四十一条によりますと、常任委員会を規定しておりまして、そして審議案件はその委員会に属する法案を付託すると、かようになっております。で、本臨時教育制度審議会設置法案というのを内閣委員会に付託された御所見いかがでございますか、承わりたいと思います。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) 矢嶋委員の御質問にお答えいたします。本臨時教育制度審議会設置法案が二月一日に提出されまして、本院においては議案課において研究の結果、規則に基きまして本案は審議会の設置法でありますので、審議会の設置は国の行政組織の問題でありますので、参議院規則第七十四条の内閣委員会の(二)にあります「国家行政組織に関する事項」に該当いたしますので、内閣委員会に付託が適当と認めて、内閣委員会に付託したわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 事務総長はその見解のもとに議長に対し助言をして、そして付託されたという形になっておりますか。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) 形式はまさにその通りでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では伺いますが、第二十二国会で国会法は改正になりました。これは事務総長当事者であって御承知の通りです。そのときには従来の各省別、これを事項別にしようという大きい方針のもとに改正されたわけです。それ以後若干の法律案が来た場合に、従来の省別であったならばAなる委員会にいくのだ、第二十二国会で国会法が、事項別、内容別に付託をすると、かように国会法が変ってから以来というものは、付託は変ってきておるわけです。従ってこの設置法案はもちろん国家行政組織法に基くところの案件ではあるけれども、内容から言えば、これは完全に本日の審議からもわかりますように、文教関係です。従って事項別に付託をするという国会法の改正の精神から言うならば、当然私はこれは文教委員会に付託さるべきものだと思います。かりに事務当局でそういう御見解をとられたとしましても、少くとも私は議運理事会に事務当局からはかくかくの見解があるが、いずれの委員会に付託しましょうかということは、先例からいってもお諮りがあってしかるべきだと思う。それが何らなされることなく、これは内閣委員会に付託されたということは、何か政府側から内閣委員会に付託してほしいというような要請でもあったのでございますか、非常に私は納得をしかねますので、おいでを願ってお伺いしておるわけです。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) 矢嶋委員の御質問にお答えいたします。おっしゃる通り、内容につきましては「教育及び教育制度に関する事項」に関するのでありますが、こういう場合につきましては、もちろん原則として形式上内閣委員会に規則に基いて付託されることは、事務的に何ら疑いがないわけであります。そういう意味におきまして直ちに内閣委員会に付託されたわけでございます。ただ、先ほどお話がありますように、非常に事務的に疑問がある法案につきましては、その前に議運の理事会に御相談申し上げて、いずれかの委員会に付託するという場合も相当あるわけであります。この問題につきましては、何ら事務的にはそういう疑問がないわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 長くはかかりません。付託されたわけですから、まあ事前のことを伺いますが、先般文教委員会では、これは文教委員会の方に付託されるのがしかるべきであろうという総意によって、文教委員長の方から折衝があったわけですが、すでに内閣委員会に付託後であったので、そのままになったわけですが、国会法改正の審議の状態から申しましても、こういう案件というものは、内容的に文教委員会に所属するが、形式的に内閣委員会の所管であるからといって内閣委員会に付託されたような場合には、国会法で規定するところの連合審査という形において十分審査を尽すのが、今の常任委員会中心主義の現行国会法の立法精神に沿うものと、かように私は考えますが、事務総長の見解いかがですか。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) 御承知のように今の矢嶋委員の仰せられますように、国会法の改正は、衆議院と参議院と規則の関係において異なっておりまして、私どもの方は事項別に分けられた関係上、その点は今おっしゃる通りわれわれは慎重に検討いたしまして、間違いなく委員会に付託いたしておるわけであります。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 関連して事務総長にちょっと見解を伺いたいと思いますが、今、矢嶋委員から質問のあった問題について、われわれ文部委員会としても検討したわけです。その結果、この内容から考えて、また国会法の改正の趣旨から考えて、この法案は文部委員会に付託されるのが適当であるという見解を全員一致をもって出したのですが、こういう文部委員会の決定というものは間違っておる、そういうふうにお考えになりますか。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) お答えいたしますが、文部委員会におけるそういう御決定がありましたということにつきましては、事務的に何ら伺っておりません。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 私は事務総長に連絡があったかどうか知りませんが、そういうことをしたことは事実なんです。意思決定、その意思決定についてはどういう所見をもっておられますか、それを聞いておる。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) かりに付託後でありましても、今お話のような文部委員会でもしかりに決定がございまして、それが問題になって、内閣委員会にすでに付託されておっても、それをたとえば付託がえを要求される、こういう場合もあり得るのではないかと思いますが、この問題につきましては何らそういうことは私どもは関知しておりません。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 ではこの際明らかにしておきますが文部委員長あるいは議事部の方から事務総長の方に連絡がなかったということは確かですか。私どもは連絡があった、あってすでに内閣委員会に付託され、審議されておるということを聞いたので、やむを得ず了承しておるわけです。少くとも事務総長にはわれわれの文部委員会、文教委員会の決定は、いや、意思表示は伝えられておると思う。全然聞いておらないということならば、私は非常に不思議なことだと思う。

河野義克事務次長

○参事(河野義克君) ただいまのお尋ねでございますが、文部委員会から全会一致をもって本議案は文部委員会に付託されることがしかるべきだという意見を、議長ですか、だれですかに出されたということは承知しておりません。文部委員会の理事会において皆さんの間にそういう意見があって、事務局からも議案課長あるいは委員部の当該課長が出まして御説明を申し上げたという事実は承知しております。それで私どもはむろんそこで御了承があったように了解をいたしております。  それからなおこの際補足して申し上げますが、先ほど矢鳩さんから国会法改正の趣旨にかんがみ所管別から事項別に直したのじゃないか、その精神からいけば、本問題は文部委員会に付託さるべきではなかったかというこういうお尋ねでございますが、国会法の改正の精神を参議院としてはそういうふうに受け取ったわけであります。それで衆議院は現存なお規則で所管別にいたしておりますが、参議院は委員会の所管を、各省の所管別から事項別に移しましたことは、矢嶋委員それから皆様のおっしゃった通りであります。従ってこの法案を内閣委員会に付託しましたのも、従来の所管別の通りでありましたならば、総理府の外局である行政管理庁の所管事項、あるいは総理府の所管事項である、各省所管別の観点からこれを内閣委員会に付託しておったのでありますが、今回はそうではないのでありまして、参議院規則の事項別の精神にかんがみまして、この議案が国家行政組織に関するものだ、その方面から把握をいたしまして、それで内閣委員会に付託したわけであります。皆様とひとしく規則の建前が事項別であるということをよく了承いたしまして、その観点から吟味をいたしまして、文部委員会にも関係するところがあるけれども、これは国家行政組織に関する件といろところから把握することがなおしかるべきだと考えて付託をしたわけであります。文部委員会での御意向というのは、先ほど申し上げたように理事会でそういう御意見が出て、それに対して議案課長がまかり出まして御説明をして、了承をしていただいた、私としてはそういうふうに承知しておるわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ただいまの河野事務次長の見解は、全く優秀な法律学徒の解釈みたいで、私と見解を異にします。これはまあ見解を異にするからしようがないのですが、その事項別にという場合に、国家行政組織というところに法律的に重点を置くか、内容が文教関係かというところに重点を置くかということは、その立場によって違ってきますが、私は後者に置くべきだという見解を持っておるわけなんですが、しかしあなたのところでそういう見解で付託されて始まった以上は、あとこれをよりよくこれをするためには、足らざるものを補うためには、私は国会法で規定している連合審査の精神を生かして、十分審議を尽すということ以外にないと思うのですが、そういうことが私は国会法の立法精神だと思うのですが、そういう点については事務次長はどういう見解を持っておられるのですか。

河野義克事務次長

○参事(河野義克君) 所管別という縦割にいたしましても、事項別といういわば縦割にいたしましても、その管掌する境におきましては二つの委員会あるいは三つ以上の委員会にわたる議案があり得ることは当然想像できるところであります。そういうことに備えて参議院規則において連合審査会の制度を設けておるわけでありますから、こういう法案がそういう連合審査の必要ありと、付託を受けた委員会、またそれに関係する委員会が考えられましたならば、両委員会の合意によってそういう連合審査会が運営されることはしかるべきことと存じます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それではこの点に関する質疑は終ります。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 せっかくの機会ですから文部大臣に一、二お尋ねをしておきたいと思います。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 時間もだいぶ移っておりますから、なるべく簡潔にお願いいたします。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 この教育問題について諮問機関が二本立になるわけです。文部大臣の諮問機関、それから内閣総理大臣ですか、政府の諮問機関というふろに二本立になるわけですね。今後この運営いかんによっては相異なる見解というものが出てくる可能性があるということが考えられるのですね。これは十分考え得るところだと思うのです。そういう場合に文部大臣としてはどういうふうにお考えになっておりますか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) まあめったにそういうことはなかろうとは思いまするけれども、事項が違うのですから。しかしながらまあボーダーラインのところはそういうことが起り得まするが、どちらの御答申もよく尊重して考えまして、政府の方ではそのメリットに従って採用しようと、こう思っております。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 中央教育審議会は文部大臣も御承知の通り、文部大臣の諮問に答えるというだけでなしに、審議会自身重要な問題について検討して大臣に建議することができる機関なんです。従って文部大臣は中央教育審議会は何か軽いもののように先ほどから私は考えておられるように、そういう印象を受けたのですが、そういうものではないと私は思うのです。これはやはり二本立の答えが出てくるということは私は十分あると思うのです。その場合両方ともよく考えると、こういうことなんですが、実際にほどうしますか。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) お答えする前に申し上げまするが、私は決して軽いものとは思っておりませんから、どうぞさよう御了解を願います。諮問に対する答え、または建議が一致しない場合は津々あるのです。先刻から引用しておりまする教育委員会に関することも中央教育審議会の二十八年の答申、それから地方制度調査会の答申、教育委員会制度協議会の決定、政令審議会、みんな幾分違っておるのです。しかしながら、どれも同じように尊重いたしまして、検討し、とるべきものをとってこの案を作った次第でございすいす。今の二つの委員会は、諮問いたすことが違っておりますから、おそらくは臨教審と中教審とが相反発することはなかろうと思いますけれども、違った答案、答申ないし建議ができましたら、両方ともよく読んでみまして、こちらの方で判断をいたしたいと思います。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 私もう一点お尋ねしておきますが、それは国会議員十人を入れるという問題であります。この国会議員を入れる場合にはどういう基準を考えておられるのかということが一つ。  それから学識経験者三十人ということでありますが、先ほどから同僚の諸君によってしばしば指摘されたのですが、どうも政府あるいは与党の考えに合致するような人間を集めてきて、そうして半ば御用機関にすると、こういう心配があるということですがね、そういう点でこの中央教育審議会が作られたときにも、われわれとしてはそういう点を心配して、公正にやってもらいたい、こういう要請をしたわけです。その際に学識経験者の中からは、私は具体的に言いますが、教員組合を作っている代表者を入れるのかという質問をしたら、それは入れますとそういう答弁があったのです。すなわち、今度の学識経験者の選考についてはそういう配慮があるのかどうか、こういう点もこの際聞いておきたいと思います。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 公平に、または最善の知識を集めたいのでありまするから、各方面の方々の御参加を願います。しかしながら、団体代表ということは考えておりません。たとえば商工会議所におられる人がたまたまよかろうと思いましても、商工会議所代表とは思っておらないのです。それからまたたまたまその人が日教組ですかに御関係の方でも、日教組代表とは思っておりません。この問題について適当な人を公平に選びたい。  それから国会議員もやはりそれは同じことでありまするが、これも従前とも、やはり今政党政治ですから、多少性格は、比例とは考えておりませんけれども、それをも考慮して……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 具体的には政党の推薦を受けるのかという意味ですよ。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) これも特に推薦と公けにそういうことはしないと思います。しかしながら、従前こういうふうな場合にやっておる慣例もありましょうから、それにのっとると御了解願いたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 慣例というと普通はこうなんです。内閣の方から議院の議長に国会議員十人を推薦して下さい、こういうことになりますと、今度は国会内における各政治団体、政党が適当にその数を按分比例して、そうして各党の推薦者をあなたの方に通告する、こういう場合が今まであった慣例ですが、そういう形をとられる御予定と考えておってよろしゅうございますね。

清瀬一郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(清瀬一郎君) 大体まあ私も長く国会におりまするが、そういうふうに了解はいたしております。

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

小柳牧衞自由民主党

○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。  本日はこれをもって散会いたします。    午後六時三十四分散会

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