地方行政委員会 第31号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/05/08
会議録
○委員長(松岡平市君) 委員会を開会いたします。 委員の異動を御報告申し上げます。 五月四日付委員伊能芳雄君が辞任せられ、新たに青柳秀夫君が委員に任命されました。五月七日付青柳秀夫君、佐多忠隆君がそれぞれ委員を辞任せられ、新たに伊能芳雄君、江田三郎君が委員に任命されました。本日付委員川村松助君、木島虎藏君、江田三郎君が辞任せられ、新たに小幡治和君、井村徳二君、松浦溝一君が委員に任命されました。 —————————————
○委員長(松岡平市君) 理事の補欠互選についてお諮りいたします。去る五月四日伊能芳雄君が委員を辞任されましたため、理事に一名欠員を生じておりましたところ、昨七日伊能芳雄君が再び委員となられました。よって伊能芳雄君を再び理事に指命いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松岡平市君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(松岡平市君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題に供します。と申しますのは、先般来、森下理事から、最近の機会において、二、三地方行政の改革に関する調査案件として委員会で政府と質疑応答を重ねたいという申し出がございました。昨日、御承知のような事情で、委員会を開くに至りませんでしたが、森下理事との約束でも、最近の機会とに申し上げておきましたので、本日は、まずただいま申しました地方行政の改革に関する調査を議題にいたしまして、政府との質疑応答をしていたただきたいと思います。
○森下政一君 行政部長に一つ伺いたいんですが、聞くところによると、福岡県では、県会で新年度の予算が成立しなかったというので、知事が専決処分をしたということを聞くんですね。そういうことについて、何か事情を自治庁が御存じだろうと思うから、まず最初に、その事情の説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(小林與三次君) 私の方で承知いたしております事項について申し上げたいと思います。 福岡県におきまして、この三十一年度の通常予算を審議する県会が三月中に開かれたのでありますが、ちょうど三月三十一日が最終期日になっておったわけでございます。そこで、その予算案につきまして、全体といたしましては、特に問題はなかったのでございますが、教育費、特に教職員の定数の問題につきまして、知事の提案いたしました原案に対しまして、教育委員会が意見がございまして、例の両方の意見が食い違っておったのでございます。そこで、その数字は、これは相当な数字のようでございますが、小学校の定員の方では、要求が一万五千七百四十七名、それに対しまして、知事の査定が一万四千五百八十七名、差引千百六十名、それから中学校につきましては、要求が八千四百九十六名、査定定員が七千九百四名、差引五百九十二名、こういう開きがございまして、これにつきまして、意見の対立が最後まで続いたのでございます。知事側といたしましては、この知事の査定につきまして、それぞれ福岡県の県の財政の実情を基礎にいたしまして、学級数を明らかにして、学級数を基礎にいたしまして、合理的な教員の定数をきめようというので、標準的な学級編成の態勢をとりたいということを前提にいたしまして、一応定数を算定いたして、これを提案いたしたのでございます。それにつきまして、結局意見の食い違いがあって、その間妥協案という問題も出てきたのでありますが、結局その日じゅうに審議が終らなかったのでございます。審議中に時間切れになって会期が終った、こういうことになったのでございます。その結果、当日三十一年度の予算案その他かなりございますが、三十年度中の追加予算もほかにあったようでございますが、全部審議未了になったのでございます。そこで、知事は直ちに、三十年度の事件につきましては三十一日付で、なお、三十一年度予算につきましては四月一日付で、専決処分をいたしたのでございます。その三十一年度の予算は、三十一年度の総予算全体を専決処分にいたしたのでございます。その考え方は、予算全体としては、これはまあ問題ない。四月一日に入れば、当然予算の執行を必要といたしますので、これは何らかの形で予算をきめざるを得ない。問題点は、もっぱら小中学校の教員数の問題であって、この教職員数につきましては、教育委員会との意見の食い違いがあるが、それは教職員の実態をそれぞれの学校、学級を通じて明らかにして、その実情に従って、もし必要があれば、必要な数を直ちに善処いたしたいと、こういう方針で、その調査の結果を待って措置いたしたいという方針で、議会にも報告しておったようでございますが、要するにそういう考えのもとに、それ以外の全般の予算につきましては特に問題もないということで、専決処分をいたした、そういうのが一応私どもの方に入っておる情報でございます。
○森下政一君 その年度の新予算というもの全体が専決処分にされたというようなことは、前例があることですか。
○政府委員(小林與三次君) ちょっと、市町村ではあるかないか知りませんが、少くとも府県の段階においてはないと思います。どたんばへきて、専決処分ができるかできぬかという議論のあったことはありましたが、結局予算が議論のあった県も成立いたしておりまして、こういう例は、私は今まで聞いておりません。
○森下政一君 法律上はどうなんですか。そういうことはできることになるわけですか。
○政府委員(小林與三次君) 法律上は、法律の解釈の問題になりますというと、自治法の百七十九条の問題でございまして、百七十九条によりますというと、議会が成立しないときとか、あるいはその他議会において議決すべき事件を議決しないときは、その議決すべき事件を専決処分することができる、こういう規定がございまして、予算は当然議決事項でございますから、議決すべき予算は、議決、直ちに執行がどうしても必要であるということになれば、予算の専決は法律上は不可能ではない、こういうふうに考えられるのでございます。ただ問題は、こういうときに全体の予算を専決するか、あるいは数カ月あたりの暫定予算をとりあえず作って、その暫定予算を専決するか、こういうふうなしきたりの場合は、これはほかにも例は私はあり得るだろうと思います。そのどっちをとるかということにつきましては、法律上は不可能ではないと解釈せざるを得ないと思います。
○森下政一君 今、御説明を聞いたような事情だと、問題となった、紛糾したというのは、小中学校の教員だ、予算の他の分については、別段県会側に異論があったというわけでもないということであれば、何とか知事の力量をもってして、そういう全く異例に属すると思われるような年度予算全体を専決処分するというようなことでなしに、局面の展開方策がありそうなことだという気持がしますが、そこで、こういうことが行われたということを聞くと、たとえば県会と意見が対立するといったことがあったときに、もっとほかの予算の内容について、県知事は専決処分をすることによって、新年度予算というものを思う通りに決めようというような意図を持って、故意に、たとえば支持してくれる一部の県会の者に指示を与えて、あるいは長々と演説をさせて、時間切れをねらうとか何とかいうような工作をやって、翌日専決処分をするというようなことができぬでもないと思う。それは非常に悪例だと思うのですね。もしそういうことがあるとすれば……。だから、これは私は、今あなたの百七十九条の解釈は、議会が議決すべき事項を議決しないというときに該当するのだと言えば言えるけれども、ほんとうのこの立法の精神は、予算全体が議決されないなんてことを予想して作ったものではないのだと思うのですが、その辺はどうでしょうか。
○政府委員(小林與三次君) 今お話の通り、総予算の専決ということは、私は、今お話の通り、きわめて異例な問題だろうと思います。そこで、予算の審議につきましては、当然ある程度の期日が要るわけですし、自治体といたしましても、最も重要な問題でございまして、それで自治法も年度開始前三十日とか、二十日以内に予算を議会に提出しろというような趣旨も明らかにして、相当な時間的な余裕も保障しておるわけであります。福岡の場合も、たしか三月の二日の日に召集されておりますから、年度中、三十一日までは相当の期間があったわけでございます。そこでわれわれといたしましては、二十日、二十何日の期間があれば、その間において、議会といたしましては、審議すべきものは審議し、修正すべきものは修正するということで、議会としての職責を果していただくことが一番望ましい。もしそれがどうしてもいかなければ、会期の延長ということもあり得るわけでございます。会期は、議会がこれは自主的におきめ願ってしかるべき問題でありますから、われわれといたしましては、ぜひこういうふうな問題は、議会として十分審議を尽して、議了していただくべきものだということは、もう当然そうあるべきだと心得ております。 で、今回の場合は、不幸にしてそれが審議未了になったので、われわれといたしましても、非常に遺憾な事例だと思っております。それで、そういう場合に、まあ一年分やったのが審議未了に結果としてなる、その跡始末はどうしてもこれは知事としてつけざるを得ない。そういうときに、いわゆる一、二カ月の暫定予算を実施するか、あるいは一年分をやるか、こういう道が二つに一つだろうと思います。それで数ヵ月の暫定予算だけをやるべきじゃないかという、こういう議論は、私は成り立ち得ると思うのでございます。知事の方のそのときの考えは、暫定予算を組むのは事実上不可能である、準備として不可能であったという事情もございましたが、それと同時に、根本的に、予算全体としては議会にこれはもう異論がなかったということに、それにプラスして、教育費をまあどうするかという、こういう一点なんだから、その教育費の問題は、今言う実態調査の結果明らかになれば、必要ならそれを追加補正しよう、こういう方針でもある。そういう見解のようでもありますから、そうなれば、一応予算全体として動かした方がよかろう、こういう判断に立ったものだろうと考えられます。まあ非常によい例だとは私もちっとも思いませんが、あるいはまあいろいろ意見があっても、やむを得なかった事態かなと、非常に残念でありますが、そういうふうに考えざるを得ないと思っておるわけでございます。
○森下政一君 それで、どうでしょうか。今お聞き及びの範囲で、こういうものを専決の処置をやったときには、当然知事は、次の会議にこれは報告して、承認を求めなければならぬというようなことが規定されておると思うのですが、その次の議会というのは、次の会議というのは、いつ開かれそうなのか、また、いつごろ開こうという意図を持っておるようなのか、その辺何か聞いておられることはありませんですか。
○政府委員(小林與三次君) 次の会議は、これは法律論を申しますと、これは別に制限はございませんので、次の定例会なり、あるいは次に特に臨時会を招集すればいつでもいい、まあ最近の機会にというこれは趣旨でございます。そこで、これにつきましては、一部の方でこの臨時会招集の方法もこれはあるようでございます。しかしながら、知事といたしましては、問題はつまり教育費の始末をこれはつけることであって、至急に実態調査を完了して、その結果によって始末をいたしたいという考えのようでございまして、聞くところによりますと、四月二十六日から五月十日までの間に、全県下にわたって実態調査を現に実施いたしているそうでございます。その結果によって直ちに方針をきめて、予算措置が必要ならば、直ちにやりたいという考えで進んでおるように闘いおります。なお、それに関連しまして、四月三十日に一応全員協議会を特に開きまして、まだ案ができておりませんから、全体のお集まりを事実上願って、そうしてそのような経過を報告されて問題なく済んだ、こういうふうなことを聞いております。
○森下政一君 その全員協議会では、全く何ですか、問題がなかったわけですか。あるいは協議会で、いつごろ正式な会議を持つことになるか、そういうことについての要望とか何とかということはなかったのでしょうか。
○政府委員(小林與三次君) 全員協議会は、全員御出席になりましたが、もう全然これは平穏無事で、全く問題なしに、きわめて短期間に済んだそうでございます。それで、まあこれは、定例会は何か六月とか言っておりました、この普通の定例会はですね。それで、知事といたしましては、これは問題になっておりますから、ともかくも一日も早く実態調査を完了したいというので臨んでおるようでございますが、なかなか実態調査につきましては、自分の施設じゃございませんで、市町村の学校について調べんといかんものだから、地方の教育委員会の協力なんかが得がたい事情もあって、調査についてはだいぶ難渋いたしておる、こういうふうなことを聞いております。
○森下政一君 私の一番今度そういうことがあったということを聞いて憂慮しますことは、先刻もちょっと申し上げましたが、故意に知事が自分を支持してくれる一部の県会の者を使うて、そうして長々と、たとえば反対討論をやるとか、賛成討論とかをやらして、そうして時間切れに追い込んで、そうして予算全体の専決処分を計画的にやるというようなことが行われるようだと、これはもう全く無法だと言わざるを得ない。そういうことが行われることが将来あってはならぬ。一番私の憂慮します点はそこなんですね。そこで、今度の専決処分も、何かそういうふうな意図がありはせぬだろうか。これは一ぺん一応聞きただしておかなきゃならぬ点だと思うのです。 そこで、自治庁ではおわかりになっておるでしょうか。この当時のつまり県会の分野といいますか、与党側と野党側との勢力は、一体どういうふうになっておったか。もしまた中間派なんというものがあるならば、それは一体どういう工合だったのか、そんなようなことも何か調査がありますですか。あるいは御報告を受けておいでになりますか。
○政府委員(小林與三次君) これは、まあ正確な資料かどうかちょっとわかりませんけれども、その今のは、議会の分野が、今お話の通り、与党と中間派と野党とございまして、与党は三十五名、それから中間派が二十名、野党が二十五名、与党には議長を含め、中間派に副議長を含む。まあこういう数字が一応ございます。これは正確かどうか、その点は一つお許しを願いたいのでございます。 それから、今お話の通り、予算のような議案の審議に当って、故意に議事の運営が妨害されているということは、われわれといたしましても、それは一番あってはならぬ問題だと思うのでございます。ほかの問題についても同様でございますが、特に予算につきましては、これは重大な問題ですから、それで、先ほど申しました通り、法律もわざわざ、予算案はある一定の期間を見て提案しろということで出してあります。でありますから、二十数日あれば、正常な普通の議事の運営を議会でやっておれば、一人がたまたま演説したから、長くなったからといって、私はこういう問題が起るはずはないと思うのであります。それでつまり、結局その間の審議が押し詰って、最後のどたんばになって、審議がどうこうなるか、こういう問題だろうと思いますが、これは私は、当然議会として、ある程度のゆとりを置いて案が提案された以上は、議会の良識を基礎として、全会一致の運営を期待するよりしようがない、当然そうあるべきものと考えております。
○森下政一君 今のようなお話だと、野党の方がはるかに劣勢ですな。それで、その中間派の動向でものがきまるということも考えられる。どうも、どうなんでしょう。当時の福岡県議会は、中間派がこぞって野党側に味方して、与党側が劣勢になっているというような情勢だったかどうか。それはお聞きになっておりませんか。
○政府委員(小林與三次君) あまり、その議会の中の党派の関係は、詳細なことを聞いておりませんので、もし必要ならば、調べて御報告申し上げたいと思います。
○小林武治君 今の関連でありまするが、福岡県の県会が、予算が審議未了に終ったということは異例の事実、きわめてこれは遺憾としなければならぬと思うのでありまするが、その原因は、要するに義務教育職員の定数について、教育委員会と知事との間に意見の相違をきたした。しかして知事は、教育委員会の要求する教職員の数が過大である、こういうふうな見方からして、この要求に応じなかったように聞いておる。従って、これらは実際問題として、従来どこの府県でも教育委員会の要求をそのまま基礎にして予算を組んでおった。こういう傾向があるのでありますが、教職員の定数増加につきましては、当然就学児童その他の増加、こういうものが基礎になっている。しかして地方教育委員会から報告されたこれらの児童の数について、おそらく知事は疑いを持ったんじゃないか、それの真偽について疑問を持った結果であろう。従って、このために結局実態調査をして、児童の実数を調べた上で、教育委員会の要求が果して妥当なものであるかどうかの認定をいたしたい、こういう希望を持ったと承わっているのでありまするが、その後、私ども二、三聞くところによりますれば、福岡県におきましても、先ほどお話があったような、地方の教育委員会の協力は必ずしも得られなかったが、知事としては、やむを得ず町村会の協力を得て、そうして町村の人口動態調査、こういうものを基礎として、ある程度の調査を進行せしめた。その結果は、私は真偽は知りませんが、相当数の架空の報告があった。すなわち教育委員会から報告された児童数が、実数と報告との間には相当の差異があった。その数も、きわめて軽視できないような数であったというようなことを聞いているのでありまするが、もしこれが事実とすれば、私はゆゆしい問題である、すなわちそれだけの数がないのに、過大な報告をして、その報告を基礎として教員の定数を要求している、こういうふうに理解せざるを得ないと思うのでありまするが、この調査の結果も、今言うように、ある程度が出てきているということであるのでありますが、その間の事情について、自治庁においては、何か報告その他で聞き知っているようなことがあるかどうかということをまず伺っておきます。 —————————————
○委員長(松岡平市君) 政府委員の応答前に、御報告申し上げます。二時に、委員長に委員の変更が届出られました。委員森崎隆君が辞任せられ、新たに小笠原二三男君が委員に任命せられました。御報告申し上げます。
○政府委員(小林與三次君) ただいまの、県の方で正確な児童数と正確な学級数、これを調べたい、大体今度の予算の基礎といたしましては、児童数と学級数を押えておりまして、そうして一学級当りの標準定員をきめて、それぞれ予算を編成したい、そういうことが基本のようでございます。それとともに、まあ教職員で校外勤務と申しますか、実際教育に直接担当しておらぬ者もいるんじゃないか、こういうふうな疑点もあったようでございます。そういうような点もなお調査しようと、こういうことで事を始めたように聞いております。しかしながら、今まだその調査の過程でございまして、その調査の結果、相当従来の考え方と違いがどうもあるらしいという程度のことは聞いております。しかし、その数字はどれくらいで、大体全体としてどれくらいの見込みになるかというようなことまでまだ報告を受けておりません。
○小林武治君 これは、教育委員会の児童数の報告に過大なあやまちがある、こういうことになれば、これはひいて教員の定数の不当なる増加になる、その結果は義務教育費の国庫負担金も不要なものを取る、こういうふうな結果にも相なってくると思うのでありまして、この問題は、私はきわめて重大な問題である、こういうふうに思うのであります。しかして、私どもが聞くところによれば、すでに児童数においても、今判明したものだけでも、一万人をこすというふうなことも聞いているのでありまして、かようなことが予算の背後に隠れておるということであれば、私どもは、これは徹底的に究明しなきゃならぬ。しかして、かようなことがもし事実とすれば、単に福岡県の問題にとどまるまい、こういうふうにも思うのでありまして、もしさような事実があったとすれば、これに対する自治庁等の考え方がどうであるというようなことを次に伺っておきたいのであります。
○政府委員(小林與三次君) これはしごくごもっともでございまして、実はこの児童数とか学級数というものは、教育職員の国庫負担の関係だけでなしに、その他いろいろな方面においてこれは材料になっておるのでございまして、教育行政については、これは基礎になっておるのでございます。教育行政だけじゃなしに、交付税の算定あたりにいたしましても、これを援用いたしております。で、今までは、こういう数字は統計法による指定統計にもなっておりまして、当然指定統計は罰則の制裁もあって、正確なものができておるという建前になって、これはできておるわけでございまして、われわれ一応その数字を基礎にして問題を処理しているわけでございます。たまたま福岡県の問題が起きて、実態が明らかになるとすれば、まあそう至るところの県がそういうことであろうとも私は思いませんけれども、予算の編成に当りまして、教員をどうきめるかという問題は、常にほとんど各県の間にこれは議論がありまして、今までは、どっちかといえばそういう山かんで、何百人要求、何十人要求という式の場合がしばしば行われておったのであります。児童総数は、それだからそれに何十倍を掛けて、これだからという式のことが行われまして、その基礎を洗うということが実際はあまりやっておらなかったようでございます。これにつきましては、われわれといたしましても、きわめて疑問を持っておりまして、教員数などというものは、学級数を当然に基礎にしておる。ある学級には教員は幾ら要る、これはきまりきっておるのであって、多くを必要もなければ、削るのも削りようもない問題じゃないか。まず学級の調査などということは当然にできて、それを基礎にして教職員数をきめるべきじゃないかということは、われわれもしばしば言っておったのでありますが、県によっては、そいつをよく洗って、それを基礎にして具体的に教員数を積み上げておる所もあるようですが、必ずしもそうでない県の方が従来多かったのであります。これは、まあそのこと自体はとやかく申すつもりもありませんが、要するに正確な数字を基礎にして行政が行われなかったならば、非常な遺憾な事態と言わざるを得ないのでございまして、もし一つそういう実情が現われるとすれば、そういう誤まりがほかの所にもないように、こっちとしてもこれははっきりさせて、そうして問題を措置しなくちゃならないと、こういうふうに存じております。
○松澤兼人君 行政部長は、小林君の質問に何かやっぱり誘導的にかかって、そういうことが事実ならば何とか考えなければならぬ、こういうお話なんです。これは、小林君のは、あくまでも仮定に立っているのですね。あるいはうわさを聞いたということを根拠にして言っていることなんです。そういう実数がわかっておるかどうかということは、これはだれも今のところ確かめていないのです。だから小林君がかりにそういうことを聞いたといって、行政部長が、もしそれが事実ならばとか何とかということで開き直って、多いものは削ってしまうというようなことを言われることは、これは私はいかぬと思うのです。権限があるものはやはり教育委員会なんでしょう。それを町村の教育委員会の援助が得られなかったから、あるいは議会や、あるいは町村の理事者の援助を得て調べたと、こういうことなんですね。権限のあるものは教育委員会なんですよ。本来ならば、そういう町村議会や、あるいは町村長などは教育に直接タッチしちゃいけない、そういう趣旨で教育委員会法というものはできておる。つまり不当の政治的な支配ということから教育を守るために、教育委員会というものはできておる。これははっきりわかっておることなんです。その協力を得られないからといって、そうでないもの、つまりその反対、対立物と言ってもいいような市町長や、あるいは市町村議会の援助を得てそういう結果がわかったと、それもまあ私は憶測である、あるいはうわさの程度にすぎないと思いますから、ここで小林君と議論する考えも何もありませんけれども、かりにそういう方法で得た材料が、教育委員会から出した人員なり何なりというものと非常に違っていたとしても、われわれどちらを信頼するかという問題になると、これは重大な問題だと思うですよ。だから、小林君が今言われたことに対して、あなたはつい乗って、そういう事実があったらというようなことを言われることは、これは、行政部長として慎しんでもらわなきゃいかぬと思うですよ。意見にわたって済まんですが。
○小笠原二三男君 私もチャチャ入れるのでないのでね。この種の統計的な問題ですから、客観的な数字をつかむということが必要であるとするならば、どういう方法が県側としてはあるのか、また、そういう問題が起っておるという事実をわれわれが確かめろということで、自治庁に要請した場合には、自治庁はどういうふうな手続と根拠とをもって、それらの点を確かめるということになるのか、この点を伺いたい。仮定の問題であろうがなかろうが、客観的には事実に違う計数をあげるというようなことはあり得ないことなんであって、それがもしもかりにあるとなれば、確かにそれは客観的には追及されなければならない。この点は何ら私は異存はない。が、今仮定の問題だというから、その前に、どういうふうに調査が行われ、また、自治庁に要請した場合には、どういうふうにそれは地方に対して客観的な事実を確かめる根拠なり方法があるか、この点を伺いたい。
○政府委員(小林與三次君) これは、さきほど松澤委員もおっしゃいましたが、小学校の児童数の問題ですから、直接扱っておるのは教育委員会でございます。それで、県としても、教育委員会を通じて調査をするというのは当り前の話でございます。自治庁に調べろと、こうおっしゃいましても、自治庁自身だけでもこれはできる相談じゃないのでございまして、教育委員会の問題ならば、当然これは文部省が責任者でございますから、もし調べるということになれば、文部省と協力して調べるよりほかしょうがないと思います。それで、下の段階は、結局今までは、そういう指定統計として一応統計的な数字があって、それにのっかってこっちが事を運んでおった。福岡の場合におきましては、その数字に疑いを持ったというか、現地について調べてみなくちゃならぬというので、個々の市町村について調べてみようということで事が行われたのでございますが、その場合も、これは本筋は、当然に府県の教育委員会とともに、市町村の教育委員会の協力を得て当然やるべきものだろうと思います。市町村の教育委員会におかれましても、これは何も教育の中身にタッチするとか何とかいう問題じゃさらさらないのでございまして、その児童数を基礎にして、いろいろな学校の施設ができたり、教員の配置の基礎になり、予算の要するに基礎になるのですから、そういうものにつきましては、やっぱり正確な数字を出していただくことに当然私は御協力を願うべきものだろうと、そういうふうに存じてはおります。それで、今度のも、具体的にどういう方法でやっておるのだか、そこまで詳しいことを聞いておりませんが、市町村のほうでは十分な協力を得られない部面もあるのだといううわさは聞いております。われわれといたしましては、当然そういう筋にのってやるべきだと思います。もっともこのもう一つの問題は、当然役場の方にもこの戸籍簿なり、常住人口の調べなんというものはございますから、そういうもので学齢児童というものの数はおのずからわかる、そういうことで、そういう筋からの調査も可能ではあり得ると思います。しかし、これは当然両方話を合せて、事実の確認の問題ですから、話を合せて事をきめていただくことがわれわれとしては当然の措置で、そういうことに願いたいと存じております。
○小林武治君 この問題は、まあ仮定と申しておりまするが、ある程度の真実性を持った話を私も聞いておる。しかしてこのことはもう単なるそのやみ児童あるいはやみ教員ということでもって看過すべき問題でない。これは地方行政の根本的な問題、地方財政の根本的な問題だと思う。この問題をわれわれはきわめて重大視しなければならぬ、こういうふうに考えておるのでありますが、このことは、今後の地方財政全体にも大きな影響を及ぼすべきもので、従って私は、政府においても、もしさような疑うべき顕著な事実があるとするならば、政府としても何らか調査をするのが当然であると思うし、またわたわれ地方行政委員会としても、この話をただ聞き流しにするというわけには参るまい、こういうふうに思うのでありますが、聞き流しにしないならばどういうふうにするか、ある程度の調査をして、要するに真相を確かめる。私どもは、ただこれを責めるという意味じゃなく、事実と違うかどうか、こういうことだけの問題であるのでありますから、その点について、委員長において一つしかるべき方法を考えてもらえないか、こういうふうに考えますが、いかがですか。
○委員長(松岡平市君) 速記とめて。 午後二時三十二分速記中止 ————・———— 午後二時五十一分速記開始
○委員長(松岡平市君) 速記を始めて下さい。小林君のただいまの委員長に対する御質問につきましては、委員長も考慮いたしまして次の適当な機会にどうするかということについて、私の考えを申し上げることにいたしたいと思います。
○小笠原二三男君 小林君のそういうお考えは福岡の専決処分問題にからんで一要素として要請されていることであろうと思うので、専決処分問題について究明していくということについて、各種の調査を要求するという中の一つであろうかと思うので、そういう意味で委員長としても御検討の上、善処せられるよう希望しておきます。
○委員長(松岡平市君) 小笠原君の御希望に対しても委員長が十分に承わっておきます。
○小林武治君 むろんその専決処分のことは私も残念に思いまするので、調査されることはけっこうでありますが、それから派生したさらに重要なる問題であると、こういう意味で一つ申しげておるということを御了承願いたいと思います。
○松澤兼人君 僕もついでに委員長にお願いいたしたいのですけれども、先ほどの小林委員の御希望なり、あるいは小笠原委員のそれに関連する御希望なりいろいろ考えてみますというと、教育委員会制度そのものというものが地方行政というものに相当大きな連関があるということ、これは申すまでもないところなんですが、われわれ委員の希望といたしましては、今回の教育委員会制度というものの改正について、地方行政を扱っているわれわれとしましても、非常に大きな関心を持たなければなりませんので、委員長にお願いいたしたいことは、適当な機会にこの問題について、文教委員会とこちらの委員会と連合審査ができるようにお取り計らいをお願いいたしたいと思います。
○委員長(松岡平市君) お答え申し上げます。ただいまの松澤委員の御提言に対しましては、委員長はすみやかに文教委員長の御意向等も承わりまして、次の機会に委員会にお諮りするように取り計らいたいと思います。
○中田吉雄君 小林部長にお尋ねしますが、福岡県財政に赤字の含みもあったりして、これを建て直す問題が自治庁とよりより相談があった。そして松村課長が行って、人件費の節約以外には福岡県財政の建て直しがないと強い干渉をして、本委員会の手きびしい批判を受けて、それがあったからということではないが、部署配置転換をやられましたことは周知の事実であります。福岡県で問題が起りましてから、自治庁の相当な人がまたやはり乗り込んで行っている形跡があると思うのですが、小林さん知っておりますか。
○政府委員(小林與三次君) ちょっと今お尋ねの点は私承知いたしておりません。どういう……。
○中田吉雄君 やはり松村君が行って、いろいろ財政再建の方法について権限を越えた深入りをしていることは、当委員会できびしい批判を受けて小林部長も陳謝の意を表されたことは御案内の通りであります。最近この問題が起きてからやはりまた部長が乗り込んで行って、いろいろ内面指導している形跡があるのではないかと思うのですが、だれか出張していませんか。
○政府委員(小林與三次君) 私ちょっと承知しておりませんから調べて御報告申し上げます。
○中田吉雄君 私は名前は言えませんが、部長がいろいろやっておると私は大体にらんである。そこで大体知事は、そういう教職員の数、学級数等が教育委員会の報告と合っておるかどうかということを調べることは必要だと思います。しかしそれは専決処分を今、合法化する。これは何といっても、専決処分は違法ではないにしても、妥当な措置じゃない。きびしい批判を受けておる、それを合法化するというか、目をそらしていく手段としてあまりにもそれを私は使い過ぎると思う。やはりそういう架空の数字を使ったりして国から補助をとったり、いろいろなことをすることはきびしく指摘すべきである。これが実態に合うというような数であるかどうかということを調べるのにはおのずから方法があると思うのです。たとえばこういう各派の分野でしたら、中間派でも十分説得して多数工作でもやってやるべきである。そういうことをやらなかったことを、自分の政治力の貧困をカムフラージュするような手段として、たとえば松岡さんが行かれたときにきびしい指摘を受けることをおそれて、相当山をかけてありますというようなことで、鋭鋒をくじくような、そういう県政と取り組む態度こそ、これはきびしくやらるべきで、松村課長が行き、さらに部長が行って知事のやっておることはあまりやらないで、その方だけをやられるというのが自治庁の指導方針で、とにかく再建整備をするためにもう人員整理が不可欠だ、それで教育委員会をなくする以外にないということで、そのために手段を選ばぬというのが自治庁の方針じゃないですか、その辺どうなのですか。
○政府委員(小林與三次君) 今おっしゃいましたようなことは自治庁の方針では一向ございません。だれか部長が行ったかということは、これは事実の問題ですから調べてみます。私は財政調査等の関係で行ったということは、今のところ聞いておりませんので、そう申し上げたのでございます。
○中田吉雄君 これはやはり小林委員の指摘されたような架空の数字でやっておれば、これはきびしく問うべきでしょう。しかしそのことをもって専決処分を納得させるという手段に使うという心がまえというものは、陋劣きわまるもので、何らかの方法で、自治庁が出張して、そういうことは指摘せずに、とにかく実態に合うようにやれというようなことで目をそらすようなことがありとすれば、やはり自治庁の態度を問うべきと思う。最近部長が行っておるかどうか調べて、次の機会に報告してもらいたい。それから私いろいろのことをお尋ねいたします。
○委員長(松岡平市君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(松岡平市君) 速記を起して。
○加瀬完君 きょうの問題は福岡県の知事の専決処分の問題でありますけれども、それに関連して先ほど小林委員から教職員の定員の問題などが出まして、行政部長お答えになったのでありますが、私は行政部長のお答えははなはだ当を得ないと思いますので、この点念を押してもう一ぺん伺いたいと思うのです。それは、あるいは福岡県は小林委員の指摘されたような事実があるかもしれませんが、もしあったとすれば、これはもうごく例外だと思うのです。と言いますのは、大体の府県におきましては、中田委員が御指摘のように、再建法が適用されませんでも再建法の精神というものは相当強く響いて、人件費の縮減といいますか、こういう形が一番人件費で幅をとる教育職員に背負わされていることは、これは自治庁御存じの通りです。定員の問題がいろいろ出ましたけれども、定員は、たとえば文部省なら文部省で誉められておる一つの基準が守られておる府県というのは、ほとんどないと思う。具体的に例を申しますと、自治庁が三十年度に示しました財政計画によりますと、小学校は三十四万三百五十八人、中学校は十九万六千九十人としてあります。ことしは小学校が五千九百十九学級、中学校が千二百九十九学級、大体七千学級以上ふえておるにもかかわらず、小学校は三十三万六千四百八十一で去年より減っておる。中学校の十九万二百七十六も去年より減っておる、実際には。実定員は一万人以上も財政計画で減っているのです。学級増なんかを見ましても、今までは小学校一・何、中学校一・幾らということでありましたのが、去年からは小学校も中学校も一学級一という平均にしかふやしていない。これはこの数字はそのまま当てはまりませんけれども、小学校は本年の児童増に対する教員一人当りの受け持ち児童数というものは六十六、中学校が八十三、こういう数字を示しておる。こういう数字が出るということは、それだけ定員が事実において減ってきておる、狭められておるということを財政計画自身が示しておることになると思うのです。こういう財政計画を示し、それから再建団体はもちろんのこと、再建団体でなくても一応人件費の縮減というものをねらっておって、しかも小林委員の指摘するようなことも、あたかもあらゆる府県にあるような印象を与えるような御答弁をなさるということは、私ははなはだ当を得ない御答弁ではないかと思う。現在の財政計画、あるいは教職員の定員関係においては、小林委員の指摘されるようなことは、あり得ないと自治庁としては答弁なさるのが当然だと思うのですが、この点どうですか。
○政府委員(小林與三次君) 自治庁といたしましても、当然府県から来ておる数字は正しいものだと私は信じておるわけでございます。それですから、そういう形ですべての行政が行われておる。特に児童数のごときものは指定統計にもなっておるから、特にそれを信じてやっていくよりほか仕方がない。今の福岡の事例はきわめてまれなる事例であることを念願しておるわけでございます。ただ数字だけは、常に正確な数字を基礎にして、その数字によって教員数を幾らにきめるかという、こういう私は政治的な判断の問題で、今の教員数が多いか少いかという問題は、これは別のことできめればいいのであって、数字をはっきりさして、そうして事をきめるべきじゃないか、その点だけで誤まりのないようにしたい、そういうことを今申し上げただけでございます。
○加瀬完君 念のためもう一ぺんはっきり御答弁いただきたいのでありますが、児童増に対して文部省の押えているだけの定員というものを増せないように財政計画が組まれておるということは、はっきりとお認めをいただかなければならないと思う。いわゆる基準というものよりも、はるかに落してゆくことを各府県ともやらざるを得ないような状態になっているのだ。従って基準以上の水増し定員なんということはあり得ようはずがない、一般的に。こういうことを率直に自治庁として見解が表明されてもよろしいと思う。この点お認めになりますか。
○政府委員(小林與三次君) 財政計画の数字が問題になりますが、私はその数字まではっきり知っておりませんので、ちょっと責任ある答弁は差し控えたいと思うのでありますが、自治庁といたしましても、財政計画は慎重にあらゆる方面と協議をして数字をきめたのでございますから、この数字にはそれぞれ根拠を持っているものだと存じております。
○加瀬完君 この問題にあまりかかっておると時間をとりますので、専決処分の問題に移りたいと思いますが、福岡の県知事がやりました専決処分は違法ではない、こういう御見解のように先ほどから伺っておるのでございますが、地方自治法の精神そのものから考えれば、一条一条の法文に触れるか触れないかという問題ではなくして、法の精神そのものから考えれば、どなたかも先ほど妥当を欠くということがございましたが、違法だと断定していいような、妥当を欠くことであるというふうに私どもは考えるのですが、自治庁はどう思うのか。
○政府委員(小林與三次君) この専決処分につきましては、先ほども申し上げたのでございますが、これはいろいろ見解というものはあり得ることだと思うのでございます。
○加瀬完君 地方の団体によりましては、専決処分の範囲というものが条例などできめられておる所が多いと思う。自治庁としては、専決処分というものをこういうふうに無制限に野放しにしておくというような方法をもって対処してきたか、それとも専決処分というものを、少くも議会などの権能を侵す専決処分というものは、あとう限りさせないような方法で対処してきたか、どちらですか。
○政府委員(小林與三次君) この専決処分にはいろいろございまして、今仰せられましたのは、一つは軽易な事件は議会の委任によって専決処分ができるわけでございます。これは当然議会が自主的に判断して、軽易な事件として特に長にお願いする、こういう問題が一つございます。 それからいま一つは、事の軽重に、理論上の問題でありますが、かかわりなく議会が成立しないとか、議会において議決すべき事件を議決をしないときとか等で、どうしてもその事柄を処理しなければならないという問題があれば、万やむを得ない措置として専決せざるを得ないという場合があるわけでございます。しかしわれわれは、あくまでも議会の議を経べき問題は、当然議会の議決を経べきものだと心得ております。そういう形で議会自身も当然に運営されなくちゃならんし、そうあるのが本筋で、これはただまあ万やむを得ない場合の規定であって、こんなことが本則になっちゃいかんということは当然に心得ております。
○加瀬完君 ただいま、福岡のような場合は万やむを得ない条件を持っておるとお認めになりますか。
○政府委員(小林與三次君) これは結局知事が責任をもってやったのでございまして、それについての判断は次の議会において議会がそれはせられるべき問題でありまして、私の方からとやかくこれを批評がましいことを申し上げるのはいかがかと存ずるのでございます。
○加瀬完君 批評ということよりは、自治庁の態度としてこういうことが通例として行われても仕方がないという御見解に立つのか、あるいは万やむを得ない場合に行わなければならないところの専決処分としては、はなはだ不当なものであるというふうな御見解なのか、どちらですか。
○政府委員(小林與三次君) こういうことはもう今後行われぬことをそれは希望しております。そのためにはまず根本的に、議会自身においても必要なものは、議会において修正するなり否決するなり何とでもすべきであって、そいつがまずまっ先に行われるということが根本だろうと思います。それで万やむを得ん、そうならなかった場合には、会期を適当な限度で延長するなりなんかそういうことによって、円満に自治行政が行われることを衷心期待いたしております。
○加瀬完君 こういう専決処分が行われないような何か法的措置をお考えにならなければならない、というふうな御見解をお持ちにならないか。
○政府委員(小林與三次君) これは結局百七十九条の問題で、百七十九条が必要であるかないかと突きつめていけば、そこまでいくんじゃないかと思います。しかしながら百七十九条はそれとして残しておく必要があるのであって、それは好ましい場合じゃあり ませんが、そうでなかったら行政がストップしてしまうという事態が起り得るわけでございまして、これは全くなきを欲するところの、しかしまあ万やむを得ないときに、行政の抜け道はあけておくためにやむを得ない規定じゃないだろうか、こういうふうに存じております。
○加瀬完君 専決処分の対象になるものの性格、あるいは範囲、こういうものに制限を加えれば防げるわけなんです。そういう御意図はないのですか。
○政府委員(小林與三次君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、問題は事柄が重要かどうかという問題で区別ができるかと申しますと、それはそうはいかんのでありまして、事柄が重大であっても、どうしてもやらんならん、執行せんならんかどうかという問題であろうと思います。すぐにきめなくても一日待てるとか、三月待てるという問題では専決する必要がないのでありまして、次の議会を、臨時会を、もし会期が終れば招集するなり、次の会期を待てばいいと思います。そうでなしにどうしても執行せんといかんということになれば、これはやらざるを得ない。そこが問題でありまして、それぞれの具体の事件によって判断するよりしようがないと思います。それですから単に重要だからといって除くわけにもいかないのでございまして、結局これは議会と長との良識ある判断と運営を期待するより仕方がないと存じております。
○加瀬完君 そうするとくどいようで ありますが、政争の激しいままに、た とえば一定の期日になりましても、年度がわりになる場合でも、福岡県のようにいろいろの予算案その他が通らない場合には、専決処分によってやって、妥当ではないけれどもそういう場合やむを得ないのだということになれば、往々にしてこういう方法が使われるということも、森下委員の御指摘のようにあり得ると思う。これがたびたび使われてもこれは万やむを得ない、それはまあ理事者と議会でうまく協力しなければだめなことなんだから、どうにも話がつかなければこれは専決処分に軍配を上げるよりほかに仕方があるまいと、こういうような御見解ではこれははなはだ私は困ると思う。この点はどうなんです。 〔委員長退席、理事宮澤喜一君着席〕
○政府委員(小林與三次君) 私は総予算などが専決処分できる事柄自体には、軍配を上げる気持は一つもありません。これはむしろ長の問題とか議会の問題というよりも、自治体そのものとしてまことにこれは妙であって、自治体全体としてはそんなことは当然あり得べからざるようにこれは運営されべきものだと存じております。
○加瀬完君 あり得べからざることがあり得てしまった、ここでは。それを法的にも何にもさっぱり、将来とも措置することができないということなら、このことは二回、三回繰りかえされないということは断言できない。でありますから法的な何か対策を考えるお考えはないかと伺っておるのでありますが、それはないという。それなら何といいますか、異例なやり方というのが再び起るということも考えられるわけです。それらの対策がないということになるわけですがそれはどうなんです。
○政府委員(小林與三次君) 私はまあ先ほどほかの条文も上げましたが、予算というものは、特に年間予算、通常予算は当然前年度中に作らるべきであって、そのためには相当な審議期間というものは当然考えないといかん。そこを二日や三日前に提案して、それっという形になっては適当でないのでわざわざ法律にも二十日前とか何とか、規定も一応入れてありまして、そうして制度としては十分な配慮がしてあるんではないか。それが不幸にして今回そういうふうに運営されなかったのでありまして、一ぺん不幸な事態があったからといって、そういう不幸な事態が相変らず続くものだと私は考える必要は一つもない。やっぱりそういうことのないように、こっちとしても機会あるごとにその制度の趣旨というものを説明をし明らかにすることに、これはやぶさかでないつもりでございます。
○加瀬完君 しかし再建法ばかり引き合いにいたしますけれども、再建団体になりますと相当首長の権限というものが強化されております。議会の権限というものはある程度後退させられざるを得ないというふうな立場をとらせられております。で、再建団体で、どうしても住民の利益というものを主張したくても、再建団体でない団体ですら専決処分で一年間の予算が通るという慣例を認めるようなことになってしまえば、再建団体の長は議会に文句を言われるのがいやだからとこういう方法をとれば、議会に文句を言われずに予算を通すということができるということになると、あるいは再建団体という苦しい中で、苦しまぎれにこの方法が再びとられないとは限らない、とられる公算が今までよりもはるかに多くなってきていると思う。これは極言すれば言えると思う。そうなって参りますと、私どもは、こういう専決処分というのは将来万あるまいといっておられただけではどうも安心ができない。住民の意思を代表する議会というものの権能というものは、はなはだ制圧されるといいますか、防ぎとめられるといいますか、どうも住民の意思が通ずる道というものが防ぎとめられるということになるんじゃないかということを恐れる。こういう点ですね、一年間の予算を専決処分できめるようなことはされない、という法的措置というものを講ずることが、自治権の侵害ということになりますか。
○政府委員(小林與三次君) まあ再建整備法にもからんでお話になりましたが、再建整備法でも、われわれは、別に長の権限ばかりで議会の権限を無視するという規定は全然入っておらんと実は心得ております。再建計画も当然これは議会の議決を経てきまるわけでございまして、議決なしに長が勝手にきめるわけではございません。ただつまり問題は年間予算の問題だろうと思います。それだから非常に問題が紛糾するし議論もあるわけであって、われわれといえども年間予算の専決というものは、それはいい話だとは決して思いません。こういうことばないことを希望しておるわけでございます。それでございますから、結局それがためには議会にある程度の審議期間が保障されるということが根本でありまして、これは当然法律で保障してやる。そうすればその審議期間が長いか短かいかという立法上の議論はこれはあり得ると思います。われわれはまあ一応この程度の期間ならいいんじゃないかと考えておるわけですが、そうすれば議会としてはその間に十分に審議を尽して議会の意思を決定すべきだろうと思います。これは一面からいえば議会の責任でもあれは義務でもあるはずございます。そこでわれわれとしては、議会としては十分職責を果されて予算に対する態度を明確にされるべきものだ。それからなおかりに万やむを得ぬ場合には会期をある程度延期するなり何とかをして、それは話をつけられるのが本筋じゃないか、そういうふうに運用されるべきものだ、こういうふうに存じておるわけでございます。
○加瀬完君 それは部長のおっしゃるように法律の精神の通りに運用されれば別にこういう問題も起らなければ、こうくどくどしく質問をする必要がない。ところがその通り福岡県知事はやらなかったわけです。ところがそのやらなかった福岡県知事は法律的に守られておるという形になっておる。議会の方は何ら議会の主張というものを法律で守ってくれる条項というものがないということになっておるから、そこに問題をわれわれは感ずるのです。それで再建法によっても何も議会の権限は縮小してない、首長の権限を特別に大きくはしてないと言いますけれども、実質的に首長の権限というものが強大に働かざるを得ないような仕組みになっておる。そうなってくると予算その他で暗礁に乗り上げたときにはこういう方法というものは使われるという、これが一つの悪い慣例の出発にならないかということをおそれる、どうなんです。ですからただ法律の理論的な点からだけそういうことはあり得ないということだけでなくて、そういうおそれがあるとわれわれは実際の場合について心配をするのだけれども、そういうことはあり得ないというようにするためには何か法的措置でも講じなければ、この弊害というものは除去することができないのじゃないか、こういう点なんです、私の質問は。
○政府委員(小林與三次君) 今のお話ですが、つまり私は法律的に特にこの規定を制限する必要はないんじゃないかと考えております。それはなお研究はいたしたいと思います。それで今の場合に知事が勝手なことをやって、議会はやらなかったじゃないか、こういうふうな気持でございます。私は必ずしもこれは法律論だけを申し上げるわけではない。適否の政治的判断は全然別であって、だから議会としてはやはり議会としての期間中に審議の責任を果す、これがまあ根本で、修正するなら修正すればよし、否決するなら否決すれば、予算に否決はあり得ぬと思いますが、そういう問題だろうと思います。これは議会の中でいろいろ賛否があり得ましょうが、それは議会の内部の意思の問題であって、議会全体としての意思の決定だけは当然に予算のようなものについてはなさるべきものだと思います。それが不幸にしてなされずに議会がおまけに閉会になっちゃった。閉会も会期の延長もこれは知事の権限じゃないのでございまして、議会自身の権限でございますから、必要があればこれは議会としてもそれをやれたはずでございます。そういうことで問題を解決さるべきであって、ただそのなった暁に知事が専決したのがいいか悪いか、しかし予算を執行せざるを得ませんから、何かの形で私は予算の専決をせざるを得なかったと思います。これは当然と思います。ただそのときに年間予算という形でやるべきか、先ほど繰りかえし申しました通り、数カ月の暫定予算を作ってその暫定予算を専決をするか、という二つの道と方法がこれはあり得るわけでございまして、いずれをとるべきだったかという意味でいろいろ判断は私は当然考えられると思うのでございます。それで知事の意見を一々私も聞いたわけじゃありませんが、本件の場合は予算全体としては別に異論もなかった。問題はそこにプラスするかせんかという問題だから、プラスの問題についてはこれはあらためて議会の意思を聞かなくちゃできぬ問題ですから、それは別に考えよう、こういうことでやったのじゃないだろうか、こういうふうに存じておるわけでございます。しかし、それにいたしましても知事のそうした処分に対する政治的な判断というものは、これはいろいろあり得るわけであって、それは次の議会に見解としてその政治的評価をせらるべきものだと、知事はそれは当然服すべきものだと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○加瀬完君 くどいようですけれども、年間予算などというものを専決処分で知事がやる。そうするとその年間予算というものは正式な住民の議決機関の意思というものは全然加わっておらないわけだ。住民の意思というものの加わっておらないところの年間予算というものを、一体地方自治体として存在させていいかどうかという問題なんで、こういうことまで平気で行われるというところに、法の精神にはなはだ矛盾するところがあるのじゃないか、私はこう思うのです。そういうことの、住民の意思を宿しておらないような年間予算をきめてもいいという専決処分の権能というものを、果して首長に与えていいかどうか。この点はどうですか。
○政府委員(小林與三次君) だから私は年間予算までを専決するということは、私はこれはほんとうに適当な措置とは必ずしも考えません。一般的にはそんなことは避けなければいかぬし、しちゃいかぬと思います。それでございますから、そういう意味でまあ普通の場合はこれはそういうことは考えられぬのでありまして、現に自治制がしかれて数十年たつが、今まで私もそういう場合は聞いたことありません。事前にそういうことができるかと聞いてきたことはあります。聞いてきたことはありますが、それはそんなことはすべきじゃないということを私もこれはどこかの県から電話で聞いてきて返事させたことを記憶いたしております。われわれといたしましても、それは当然に良識をもって運営されることを希望いたすわけでございます。
○加瀬完君 それならば、なぜそれを立法措置でそういう専決処分の権能というものに対して制限を加えるということにちゅうちょをするのか。年間予算などを専決処分でやることはできないという立法措置を講ずべきじゃないか。なぜならば、今までは例がなくてもこういう例が起ったのだ。しかもこういう例は一つ認めれば起り得る可能性というものが考えられる。それに対して年間予算を専決処分ですることはよろしくない。しかしこれは仕方がないことでしょうということでは、少し自治庁の態度としては前後矛盾するものを私は感ずるのです。
○政府委員(早川崇君) いろいろお説を伺っておりますと、まことに再検討すべき重大な問題があるわけでありますが、自治庁といたしましては、今言った年間予算を専決処分できめるというようなことは少し行き過ぎだろうと思われますので、暫定予算かあるいは区割り予算というのであれば、それは確かに専決処分ということもあり得ると思いますが、なお非常に珍らしい形式でございますので慎重に再検討いたしたいと思っております。
○森下政一君 小林部長に最後にお尋ねするのです。きょう特に本委員会で、この福岡に全く異例に属することだが年間予算が専決処分にされたこれは前例もないことだと私は伺ったので、特によほどの事情があるのか、何か故意に知事がこういうことをやったのじゃないかということで疑惑を持って、事情をわかる限り説明をしてもらいたいということを申し上げたのでしたが、そのときの御答弁なりあるいはあとに小林委員の発言によって、全く私の予想だもしていないことを聞かされて驚いておるというわけでございます。知事が、教育委員会の提示しておる児童数というものに過誤がある、故意に多く報告をしておる、それに基いての教職員の数を要請しておるということが考えられたので、そこで教育委員会の要請をそのまま承服することができなかったというふうなことであったという御説明があったのですが、一体そういう疑惑を持ったというのは、どういうことが動機でそういう疑惑を持ったのであるか、何か説明があったのですか。その点、念のために最後にお伺いいたしておきたいと思います。
○政府委員(小林與三次君) 私は、初めからそういうことに疑惑があったからどうこうということになったとまでは実は聞いておりません。要するに、片一方で非常に千名を越す増員の要求があるし、片一方ではその必要がないと言うし、結局その必要の有無を調査するために、実情を調べてみよう、こういうことになったのじゃないかと思っております。初めから何かあの数字がどうこうというふうなことで出発したのだというふうには、私はそこまで聞いておりません。実際調べ出したら数字に多少の食い違いがあったというのじゃないだろうかと存じております。
○森下政一君 ではそれは私の誤まりだったのですか。先ほどあなたの私の質疑に対する御説明が、知事が初めからその数字に疑惑を持ったとおっしゃったように私は聞いたのですが、そうではなかったのですか。
○政府委員(小林與三次君) 私そう申したとは思っておりませんが、もし申したとすれば、私の言い違いだと思います。で、私の今申し上げているのは、議会でいたした知事の説明がございますので、それを基礎にして御報告申し上げておったのですが、要するに知事としては、標準学級というものを考えまして、そうしてその標準学級に対して定員を幾ら考えよう、それを各年別に全部学級を調べまして、そうして数字を合せようじゃないか、そもそも予算を査定したときもそういう考えでやっておりまして、六年の教室はこれだけ減るが、一年の教室はこれだけふえるからという差引計算もいたしまして、あの数字を実は一応出しておったようであります。しかしながら、片一方では児童増がこれだけあって、学級がこれだけふえるからというのでその数字が出ておったので、そのときに私の聞いているところでは、むしろこれは教員で校外勤務というか、そういうものなども要るし、そういうようなものなどの数字も考えられるのじゃないかというふうなお話があったのだと聞いております。いずれにしろ、正確な児童数と学級数とに基いてどうしても要る、学級にはこれだけの先生が要るじゃないかという前提で出発いたしておりまして、そこの基礎だけをはっきりさせぬといかぬじゃないかということでもってやっておったように聞いておりまして、初めからあの数字が、というか、でたらめだから調べてみようという意味ではないように存じております。
○森下政一君 けっこうです。
○理事(宮澤喜一君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(宮澤喜一君) それでは速記を起して。
○小笠原二三男君 この前も大臣、政務次官等に私から申し入れをしたのですが、愛知県鳴海町の昨年の名古屋市合併問題の裁定等から端を発して、その後の町政運営が円滑を欠くということは事実なんです。やはり三十一年度の通常予算について、十二名だけの名古屋市合併反対派だけが出席をして、一、二時間の間にこの予算を議決し、それが有効であるということ等は、これはまことに不当である、適法ではあるかもしらぬが、これもまた問題ではあろうと存じますが、不当ではあると考えられる。ところがその事前においても、ことごとに町議会が開催されることになると、一方の側の大衆が動員せられて、議会の屋上に上って、あるいは窓から飛び込む、その怒罵喧声で議事の進行が行えない、こういう、町議会が適正に開かれないという事態が再三繰り返されておるということを聞き及んでおる。それらの実態を自治庁がつぶさに調査をしたことがあるかどうかということなんです。これは私は地方自治法による適正な自治体の運営がなされておるかどうかという立場からも、関与するということではなしに、客観的な事実だけは調査することを再三要請したのですが、そういうことがなされておるかどうかということが第一点です。 それから第二点としましては、結局は、この問題は合併問題にからんでおる諸問題なんで、責任の一半は、前自治庁長官が主として努力せられたこの内閣の総理大臣の裁定の結果にもある。それがいろいろな原因をなして問題が紛糾しておると思うのですが、いずれにせよ、あの裁定で見ましても、客観的には名古屋市へ合併せらるることが望ましいことがうたわれておるのですが、そういう方向へ円滑に事が進めるような、そういう指導というものが全然愛知県当局においてなされておらない。当委員会にも愛知県側あるいは名古屋市側を呼び、いろいろ調査したときにも苦言を呈したし、前自治庁長官も両者を呼んで、裁定が出た以上は、一切そういう問題で紛糾をかもし出すことのないように、もしもそういのことが起るならば、自治庁当局が積極的にでも中に入って問題を処理してやるというくらいの意向までも、長官から表明されておったはずなんです。しかるに、やることなすことやはり鳴海町を所管する地方事務所長が、ことごとに、町議会が開かれるに当って、陰に陽に鳴海町に現われて、一方を指導しておるという事実もあるやに聞いておる。こういうことはかえって一方の側を刺激するという問題も起り、非常な紛糾の原因になっておる。しかも今度の鳴海町の全く一方向な議決をした通常予算というものは、起債に待つ予算額というものは一千万円をこえておる。今の一般の町財政で、単独起債が一千万円以上ももらえるなどということはあり得ないはずだ。それがなおかつそういうことがなされておって、大部分は庁舎の建設と公民館の建設である。しかも起債は県が取ってやる。取れなかったならば県が金をどこかの銀行に貸して、その銀行から鳴海町が借りてやって行けるようにしてやって、必ず県が建ててやるということを言ったようなことも、新聞記事等に出ておる。こういうふうな、赤字でもなかった所が、一躍三十一年度、三十年度以降からですか、膨大な計数になる予算を上げ、そうしてそれがもしも起債その他ができなければ赤字となってしまうような、そういうことがどこかによって指導されて、町予算になるのだというようなことになったら、これはやはり私は適正な自治体の運営だとは言えないと思う。 それらの点で、いろいろまだまだ私としては自治庁当局に申し上げたい点もあるけれども、まず第一点は調査の点について、第二点は自治庁当局が積極的にこの問題をどう処理していくか、また合併問題についてはどういう指導をしていくか、あるいは県側なら県側がまだ外部的に町に対していろいろな指導をし、あるいはサゼッションをしておるというような事実があるなら、それが紛糾の原因であるというなら、自治庁はこれをとめるためにどういう手を打つか、まあこれら概括的に質問しますが、あなたの所見を伺っておきたい。
○政府委員(小林與三次君) 鳴海の問題はわれわれといたしましても非常に気に病んでおる問題でございます。それで鳴海のその後の動きというものも、こっちといたしましても常にできるだけ事情を聴取するように努力いたしておるわけでございます。今小笠原委員の仰せられました通り、その後必ずしも円満にいっておらぬので、非常に残念に存じておる次第でございまして、御承知の通りまああの裁定では、客観的には名古屋市に入るべきいろいろな条件が備わっておるが、町内が二つに分れておる、まとまっておらぬ。これは町の中が円満に早くまとまることが基本であるということで裁定がなされておったのでございまして、われわれといたしましては、町内の意向が円満にまとまることを衷心期待しておったのでございます。しかしその後もやっぱり二つに分れて対立いたしておりまして、そうしてその後まあ本年に入りまして、今までちょうど半々であったのが、一名まあ合併賛成になったので、賛成派が一名多くなったのであります。そこでまた再び問題が表面化いたしまして、合併賛成派は何とかして合併を積極的に進めたいと言うし、反対派は相変らずそいつを阻止しようとする。そういうことでいろいろ問題がこんがらがってきたと思います。それで二月の町の議会でもまたその問題が芽を出しまして、会期中に合併賛成派が——これは御承知でしょうが住民投票に付すべきものの議案を議員提案として出して、多数決で可決したわけでございます。まあそのとき町長もこれはまあこういうことになって紛糾して困るからと言って、われわれのところへも言って来ておったのでありますが、そこでそういうことがございまして、この議会が開くというと片一方で合併を強行するかもしれぬと思われるし、片一方じゃそれを阻止しようとする、それでその三月の予算議会も実は円滑に運営されなかったのでございます。で、合併賛成派は機会を見て多数で押し切ろう、それでまあ反対派はそいつを阻止するために何とかしたいという気持が両方にあったようでございます。しかしながら地元でもそんな問題をいつまでもやっておっちゃかなわぬという空気も出まして、何とかして円満に話し合いを進めたいという努力も一方ではして、地元の有力者などを通じて事を進めておったようでございますが、その後まあ話が円満にいかぬうちに三月が切れそうになって、三月三十一日についに予算をまあ議了した。それが合併賛成派が不出席のままで副議長が——これはまあ反対派の方のようですが、その催促のもとに、まあ自治法の規定によって議決をしたと、こういう事態になっておるわけです。それでその予算の中に、小笠原委員がお話の通り、実は起債はこれは入っております。まあ現にその起債、庁舎の起債が一部入っておるわけでございまして、これはまあわれわれもそのことを聞きまして、これは県に非常に強く文句を言ったのでありますが、片一方は庁舎を前提にすれば合併反対を前提にした行動ですし、片一方は多数で合併のところに無理に持っていこうとする、そういうことでことごとにやっておる。これはおかしい。これはともかくも村の中が円満に治まるということが問題を解決する根本なのであって、さしあたりすぐに目にかどを立てて合併だ非合併だというよりも、融和工作を考えないといかぬ、特に年間予算は当然にこれはきめぬといかぬが、その中に合併を前提にする、非合併を前提にするような予算を組むということは、私もこれは適当だとは思えぬので、そういうことをするからまた反対派を刺激する。この点は今おっしゃいました通り、まさかこの起債はみんな県で心配してやると言ったということは私も聞いておりませんが、起債の詮議は当然自治庁でやりますから、自治庁といたしましては鳴海の実情に、実際財政力の許す限度でしか、もちろん許す意図はありませんし、それからなお庁舎の問題は、私はこの問題は自治庁としては積極的に進めるべきじゃない、この問題が目の前にあって、どうするかということで話がまとまらぬうちに半分だけで強行したようなものを前提にして起債の詮議をやるということは、私は適当な方法だとは思っておらぬのでありまして、それはやるべきじゃない、むしろその問題はたな上げにして、そうして円満に町をまとめて、合併問題をどうするかということを考えないといかぬ、こういうことを申しておったのでありまして、これは起債は私の権限ではございませんが、そういう方向に財政部のの方にも話をするつもりで私はおります。それで基本的には結局名古屋の周辺の合併問題をどう進めるかというので、あのときの裁定は御案内の通り地方計画協議会かそれに類似したものを作って今後の問題を進めようというので、県、市ともに話がついたわけでございまして、われわれもその協議会が早く発足をして、そうして事柄を取り上げる、それで県、市両方協議して、同じ場において相談する場を作るということが一番根本的な態度であって、この点を県にも強く要望いたしておったのでございます。それでお聞き及びでしょうが、県の方でもまあ一案を作って市に話したのでありますが、市はそれにつきまして実は意見がある、私はこれは市の意見も当然によく聞いて……県の出しましたのは県全体の総合計画というものが一つ中心になって、その中に行政部門を中心にして市町村の区域とかそういう問題を考え、問題を出している案でございます。で、私はその部門につきましては、その前の裁定の線にありましたように、名古屋市の周辺の問題というものを一つのやはり頂点にしたというふうにこれは組み立てて、そうしてこれは市の意見も十分に入れて、そういう部門の協議会を作って、それで詮議すべきじゃないかという考え方で、その点は県の総務部長にも副知事にも申しております。県もその方向でやりたい。この間、市長にも会いまして市長にも早くその場を作って、そうして相談をすべきじゃないか、市長もそういう考え方で、その協議会を早く作ってそこで合併の問題、鳴海の問題もひっくるめてやりたいという考え方でございまして、私はやはりその方が問題を円満に解決するゆえんではないだろうか、それで鳴海は一方ではそういう両方ともいきり立ってどうこうということをしばらく押えまして、町政が円満に動くように事柄を進め、そうして県にできます協議会において問題を進めていくという方向に持っていきたい、そういうことで地元の人も実はわれわれのところへ来られまして、賛否とも来られておりますが、そういうことで御協力願いたいということをお願いいたしておる次第でございます。
○小笠原二三男君 調査している概要は私も今聞いた通りだと思います。ただその間、内面的な……どういう外部からの働きかけがあってそういう予算案ができ、またそれを少数でもって、異議のある中に話し合いをして、仲介人と議会の近くの別席で議長以下が円満に事を進めるために話し合いをしておる最中に、一方反対派だけが議場に入って、そそくさと問題を処理してしまったというような内面的な動きというものまで調査しているかどうかということなんです。それは外面的には、起ってきた現象というのは、あなたがおっしゃる通り、しかしその陰にはどうしても、私も現地で聞いたりいろいろ新聞等で書いているのを見ると、やはり糸を引いている者がある、どうしても県の地方課なり地方要務所なりが一々合法、非合法すれすれのところで、あらゆる作戦を練って反対派がやっていく行動の裏づけをしている、そういうことが感ぜられるのです。けれどもこれは調査してみなければその実態はわかりません。しかし私はこれが一度ならず二度、三度と、ことごとに町議会がもめるというような情勢であるならば、これはもう一度国会でも調査をしなくちゃいかぬ。そうしてほんとうに両者が和解すると申しますか、自治体を自主的に運営するということがもうできないというようなことなら、別途これは問題を考えていかなくちゃならぬとさえ思うのですが、町民の不幸ですよ、合併するしないにかかわらず。それで私は自治庁当局に伺いたいのですが、自治庁はあの裁定にある通り協議会等によって円満な結論を出して、円滑裏に合併を進めていくようにということのようですが、今も答弁しておるのだが、県は県側の構想による思惑による協議会案というものを名古屋市に押しつけようとしたところで、名古屋市はこれをそのまま受け取るものではない、市長は、これを前の場合には拒否しておる、それは合併問題が重点になって審議せられるのであるのか、あるいは総合計画と称して別途にこの問題を移行させていくのか、性格のはっきりしない協議会だからちょっと乗っていけない事態があるというのではないかと思うのです。だから自治庁が裁定を下し、これを両者がのんだという形においては、私は自治庁自身が限定された協議会で——その名古屋市周辺の合併の問題をどうするのかという限定された問題をテーマとする協議会を作って、そうして話し合いを進める、そうして前自治庁長官がおっしゃったように、それでまとまらぬ場合には、自治庁がそれまで、根拠があるかないかわからぬが、非公式か公式かわからぬが、あっせんするという形で内面指導をしてまとめていく、それぐらいの積極性がなかったら、この問題は処理できないだろうし、鳴海町の紛糾というものはとどまらないのじゃないかということを私は思うのです。前にも言っておきましたが、もっと積極的に協議会でやらなくちゃいかぬと現に言うならば、その協議会というもののテーマを明らかにして、性格を明らかにして、両者納得してすみやかにこの協議会が持てるように、自治庁自身ももっと積極的に指導する、そして早くその解決を見るということにすべきじゃないかと思うのです。もしもそうしなかったら、ああいう予算で、そして歳入欠陥が出たり赤字が出るというようなことを繰り返したら、これは町民の不幸この上ないと思う。あなたもおっしゃる通り県自身がめんどうを見るか見ないかわからぬが、かりにみると言っておったところで、実態上めんどうが丸抱えで見れるものじゃない。だから困ってくるのは鳴海町自身なんです。まあ小林さんに言っても小林さんは答弁上手なことを言っておって、実効が上るかどうかわからないけれども、これだけは、私も任期が切れるところだから、実効を上げてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(小林與三次君) これは全くごもっともでございます。それで、町の財政の問題は、これはどうせ起債は私の自治庁の方で見ますから、町民に迷惑をかけるようなことは絶対にないようにいたします。
○小笠原二三男君 そんな起債なんか認められぬ。
○政府委員(小林與三次君) それは当然そういう方向で物を考えたいと思います。まあそれは合併にかかわりのないもの、もちろん必要のないものは認められませんが、そういう前提にしたものはこの際は私は取り上ぐべきではあるまい、こういう考え方でおります。それから、そもそも名古屋市周辺の問題は、今お話の通り当初愛知県地方計画協議会というものが、ともかくもきまった案ではなかったが、一つの構想があったわけでございまして、その構想を前提にして総理大臣も裁定を下したわけですから、その基本の線に沿って今度の協議会も私は考えるべきだ、そういう考え方でございます。ただそれは地方計画の発展は、それは行政区画だけの問題でなしに、いろいろな総合的な観点からも見ぬならぬ必要ももちろんありますが、それはそういうものとして一方考えるとともに、今の行政区画の問題は、前の裁定案というものを基礎にして案を調整すべきだ、こういう考え方で県の方にも申しております。今は両者の方で話も進んでおるはずであります。これは県にもこだわるべきじゃない、そして早く円満な話し合いの場を作る、それで市長もそういう考え方で進めております。われわれといたしましても種々おしかりを受けて申しわけないのでございますが、一そう力を入れて、その問題が進むように促進をいたしたいと考えております。
○中田吉雄君 ちょっと起債の問題について、公民館や庁舎を、合併しないことを前提とする既成事実を作るというのですが、一千万の場合ですね、小林部長の発言は私はけっこうだと思いますが、ただ起債の許可方針がことし変ってきている。一々公民館であるとか、庁舎の起債を理財課で割当てて許可するのなら、小林部長の言われたようなことはできるが、ことしからは市町村のやっているやつは一括して県に割当てて、地方課が町村別に割っちゃうのですから、なかなかそのことが言うほど……よく理財課と連絡していただかぬと、やはり小笠原委員の言われたような内面指導があったりして、相当な暗黙の了解のうちにできた一千万円だと思うのですから、本年度から変っているのですから、聞いてみると、市町村のやつは一括して県庁にやって、県庁の地方課が市町村別にやるということになっているから、一つただいまの小林部長の発言の趣旨が徹底するようなことを、理財課とよく御連絡願いたい。
○理事(宮澤喜一君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後三時五十九分散会 ————・————