大蔵・建設委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 23 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/05/18
会議録
○委員長(岡崎真一君) これより大蔵、建設両委員会の連合審査会を開会いたします。 先例によりまして私が本連合審査会の委員長の職務を行います。 会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては、すでに大蔵委員会において提案理由の説明は聴取しておりますので、その提案理由を省略しまして、事務当局より補足説明を聴取いたします。
○政府委員(宮川新一郎君) 会計法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、補足して御説明申し上げます。従来、国の契約の原則となっております競争入札による契約におきましては、競争による利益を享受いたしますため、国にとって最も有利な条件、すなわち国があらかじめ定めました予定価格の制限の範囲内で、物件の買い入れ、工事の請負等の場合におきましては最低の価格の入札者、また物件の売り払い等の場合におきましては最高の価格の入札者を、それぞれ契約の相手方とすることといたしております。このうち最低価格の入札者を契約の相手方とすべき種類の契約につきましては、国の経費の支出面におきまして、この方式により、予算の最も適正かつ効率的な使用がはかられることになることは言うまでもないところであります。しかしながら、このような原則に対しまして、近時、最低価格の入札者によっては、工事の手抜き、投げ出し等、契約の完全な履行も行われないような場合も起り得ることが考えられますので、その入札価格によっては契約の内容に適合した履行がされないような具体的な事情があると認められる場合には、その入札者を契約の相手方から排除することができる道を開く必要がありまして、そのため、今回会計法に所要の改正を加えまして、現行の制度に対する特例を設けることといたしたのであります。以下その内容について御説明申し上げます。 今回改正しようとする点は、国が最低価格の入札者を契約の相手方とすべき一定の契約を競争に付して行う場合におきまして、本来落札となるべき最低価格が予定価格に比べまして著しく低い場合のごとく、入札価格から見て、その入札者によって契約の内容に適合した完全な履行がされないおそれがあると認められる場合におきましては、一定の手続を経て、その入札者を契約の相手方とせず、予定価格以下の入札者である二番札の者を、またその二番札の者につきましても、一番札と同様、完全な履行がされないおそれがあると認められます場合におきましては、さらに三番札の者をと、順次上位の者を契約の相手方として選ぶことができることとする例外規定を設けることであります。この措置は従来の原則に対しましての例外措置でありますから、その適用を受ける契約の範囲を限定することといたしまして、政令であります「予算、決算及び会計令」で、さしあたり一定金額以上の建設工事を対象とする予定であります。またこの制度を運営するに当っての具体的な手続につきましては、「予算、決算及び会計令」で規定をいたすわけでありますが、契約担当職員の恣意によることなく、契約審査委員を設ける等の方法によりまして、公正を確保し、国損を防止するために遺憾なきを期することといたしたいと思います。 以上がこの法律案の提案理由につきましての補足説明であります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願いいたします。
○委員長(岡崎真一君) 質疑をどうぞ。
○小沢久太郎君 ただいま御説明になりました会計法の一部改正でございますが、この改正は実情に即しているものでございまして、私は非常にいい改正と思うのでございます。ただ問題となります点が二、三ありますので御質問申し上げたいと思うのでございますが、問題になります点は政令にある点でございまして、「一定金額以上の建設工事」というふうに書いてあるのでございますが、あまり金額を高くしますと、この法律の適用する範囲が狭くなるというような問題がありますので、どのくらいの金額をお考えになっておるのか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(宮川新一郎君) 御質問の点につきましては、御承知のように、今回の改正法の内容をなしております特例措置は、会計法上の原則に対しまする非常に大きな特例でございまして、国が工事をいたしまして、それを競争入札に付して契約いたします場合に、会計法の精神から申しまするならば最低の価格をもってやる、すなわち国の支出が少くあるべきだという原則に対しましての特例でございますので、例外であります以上、できるだけこれをしぼろうという考え方もあるわけでございまして、現に本法案につきまして会計検査院等と協議いたしました際に、会計検査院からは、御承知のように非常に大きな例外であるから、金額の定め方については適正にいたされたいという勧告がございましたような次第でございます。しかしながら、また一面、これを非常に金額を低く定めますと、せっかく特例を設けようという趣旨からまた離れてくるわけでございまして、大蔵省といたしましては建設省と協議いたしまして、現在の国の契約にかかりまするこの建設工事がどれぐらいの件数で、また一件当りの金額がどれくらいになっているか、その工事の分布状況はどうなっているかを、ただいませっかく調査中でございまして、その調査に基きまして適正合理的なものに定めたい考えでございます。ただいまのところ、はなはだ遺憾でございますが、一件当りの金額を何万円以上にするかということにつきましては、まだ確定いたしておりません。
○小沢久太郎君 ただいま政府委員から、一件当りの金額を調べる、あるいはいろいろの請負工事の金額を調べて適正にきめたいというお話がございましたが、原則的にはそれでけっこうでございますが、私も先ほど申し上げましたように、あまり高い金額をきめますと、法の適用を受けるものが少くなるというので、せっかく改正した趣旨が徹底しないうらみがあるというので、その点はぜひ慎重に御検討願いたいと思います。これは私の個人の考えでございますが、私は大体百万円程度がいいんじゃないか、それ以下にしぼるということも、これはあるいはやむを得ないと思いますが、大体そのくらいがいいんじゃないかと、私、個人的に思うのでございますが、これはよく御検討の上御決定を願いたいと思う次第でございます。それから内容に適合した履行がなされないおそれがあると認められる場合の基準を作成するということがあるのでございますが、今各府県の条例におきましては、土木、建築とか、そういうふうにして条項を分けまして、最低限度を作っておるのでございますが、これにはそういうふうに条項を分けてお作りなる趣旨でございますか。それとも、そういうものを分けないでお作りになる趣旨でございますか。その点一つ御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(宮川新一郎君) この点もまだこれから検討する問題でございますが、やはり実情に即するようにいたすことが最も必要かと考えます。大体分けて基準を定めるというようなことになるのではないかと考えまするが、なお慎重に検討いたしたいと思います。
○小沢久太郎君 大体今の各府県の実施状況を見ますと、最低価格としては土木が八割、建築が九割という数が多いようでございます。もとの道路法におきましては最低が三分の二というふうにしてあったわけでございますが、大体どのくらいの線にお引きになるお考えでございますか、それをお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(宮川新一郎君) 契約担当職員の恣意によりまして不当に特定の落札者が排除されるようなことがあってはなりませんし、また国に損害を及ぼすというような結果を招くことも避けねばなりませんので、一定の基準というものを厳正かつ適切に定める必要があるかと思います。非常に数字的に割り切りまして、八割とか九割とかいうふうに定めることもどうかと思うのでありますが、やはり一定の基準という以上、ある割合というものを定める方が運用上円滑に参るかと思いますので、ある率を定めたいと考えるのでありますが、八割にすべきか九割にすべきか、この辺のところがなかなかむずかしい問題でございまして、大体その辺のところあたりを見当といたしまして適正に定めて参りたい、かように考えておる次第でございます。
○小沢久太郎君 昔は、先ほども申し上げましたように、道路法施行令では三分の二ということがありましたが、現在においては、今宮川政府委員からおっしゃったように、大体八割ないし九割という線があるわけですが、この点につきましても、あまり低いときはかえって危険が生ずるというおそれがありますので、十分検討されて適当なものをきめられたいというふうに私は思うのであります。 それからもう一つ伺いたいことは、落札者をきめるときに契約審査委員というものを置きまして、そこで審査をしてやるというようなことがあるのでございますが、こういうことをいたしますと、落札は迅速にしなければならないのでございますが、その点について遺憾の点がありはしないか、その点を一つお伺いいたしたい。
○委員長(岡崎真一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岡崎真一君) 速記を始めて。
○政府委員(宮川新一郎君) 契約をできるだけ早くやらねばならぬということは御指摘の通りだと思います。しかし先ほども申しましたように、特定の職員一人の判断によりまして次順位のものをとるということにいたしますと、そこに不正の起る余地もあるわけでありますが、その方面の適正を期するために契約審査委員というものを設けまして、これに付議するという手続をとったわけでございますが、これがためにいたずらに審議に審議を重ねて、そのために契約がおくれる。そのために工事がおくれるということは、これまた予算を効率的に使用する面からいいましてもいかがかと思うわけでございますので、こういう制度を設けましても、運用に当りましてはいたずらに時日を重ねて遷延されるというような事態のないように十分注意して参りたいと思います。
○小沢久太郎君 ただいま宮川政府委員から、ぜひ迅速にしたいというような御発言でございまして、ぜひそういうふうに運営できるようにお願いしたいと思います。 それからもう一点お伺いいたしたいことは、ただいま各府県におきましては、地方条例におきまして最低価格をいろいろ作っておるのでございますが、この法律との関係はどういうふうになりますか、その点お伺いしたいと思います。
○政府委員(宮川新一郎君) 会計法は御承知のように国の会計を律しておるものでございまして、地方公共団体には当然に及ばないものと考えます。現在、御指摘のように、地方の条例で七割とか八割とか九割とかいうふうに最低価格制のようなものを定めておる向きがあるようでございます。これは地方公共団体自身の歳出につきましては、国の会計法の適用外でございますので、問題はないと思うのでありますが、会計検査院におきましては、たとえば地方公共団体の事業支出といえども、それに国の補助金が伴うような場合は、やはり一般競争の原則に従いまして、会計法の精神であります最低価格制をとるべきである。従って、条例で一般的に八割とか九割というような最低価格を設けることは適当でないというような意見を持っておられるようであります。これに対しましては、自治庁におきましてもいろいろ解釈がございまして、不適当であるという反対もされておるように漏れ聞いておるのでありますが、地方自治法の第二百四十三条にその関係の規定があるのでございますが、これはやはり競争入札に付さねばならぬという規定が原則としてございまして、「但し、臨時急施を要するとき、入札の価格が入札に要する経費に比較して得失相償わないとき、又は議会の同意を得たときは、この限りでない。」要するに一般的に条例でもって定めるというような方式でなくて、特別の場合、個々の場合に当てはめて議会の同意等を得た場合にはいいというような定めになっておりますので、条例で八割とか九割というふうに最低価格を定めることにつきましては、やはり疑義が残っておるのではないかと考えます。しかし今回政府が提案いたしましたこの会計法の改正法が成立いたしまするならば、これによりまして、地方の方もこれにならいまして、これによることができまするので、ただいま申しました自治法あるいは会計法に対する違反ではないかというような事件の生ずるような問題は、相当解消されるのではないかと考えております。
○石井桂君 小津委員の御質問で大体よくわかりましたが、一点だけ私もこれに関連して御質問申し上げたいと思います。御承知のように、今回の会計法の一部を改正する法律案にかわるべきものといたしまして、昭和三十年七月二十日に、参議院の各派共同提案で、建設業法の一部を改正する法律案が提出されまして、その内容がほとんど盛り込んであるように、私は今回の会計法の一部を改正する法律案に盛り込んであるように承知しておるのでございますが、その当時の審議の経過を顧みますと、その当時は、政府はあげて、建設業法の一部を改正する法律案の内容、すなわち今回の会計法の一部を改正する法律案の内容、そういうようなものは不適当なものであるというような御答弁を、大蔵、建設両省からいただいたようであります。今回その態度を改められまして、会計法の一部を改正する法律案に出されたことは、私は大歓迎するものでありますが、その会計法の一部を改正する法律案になって出てきたいきさつは、どういうふうに、また大蔵省でこれは適当だと思われて出したのかどうか。それからもう一点は、議員提案で出ている内容とほとんど変っていないかどうか。それを端的に簡単に御説明下さい。
○政府委員(宮川新一郎君) 第二十二国会に議員提案で出されました建設業法の一部を改正する法律案、これにつきましては、重点は、当該建設工事にかかわる予定価格の十分の八を下らない範囲内において当該建設工事の注文者が定めた最低落札価格に満たない価格をもってした入札はアウトにするという規定でございます。この点につきましては、私も従前の主張と同じく、やはり会計法の規定に反する、精神に反するものとして反対なのでございます。しかしながら、先ほど補足説明で申し上げましたように、原則は原則といたしましても、近時いろいろな事情がございまして、特定の金額をもってしてはその契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあるようなものも、やや見受けられまして、これは、ひいては他に損害を及ぼすゆえんでありますので、今回政府として法律を改正しようとしたわけでございます。問題は、十分の八という価格を法律で明定するような格好にするか、私どもの提案いたしましたように、特定の価格による入札者をもってしては契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認めた場合は、これを特定の手続を経て審査を経まして、アウトにするという措置にすることが適当ではないかというような観点からいたしたわけであります。 なおまた、建設業法といい会計法といい、別個の法体系になっておりますが、建設業法で規定される内容は、結局は会計法の範疇内のものでございまして、法体系から申しましても会計法で律するのが適当である、かような二点の考え方から今回の政府提案をいたしたような次第でございます。
○石井桂君 会計法の改正でこの請負に関する制度を規定する法律は、筋道として私もこれは同じ考えを持つものでありますが、なかなかわれわれの要望しておるような制度をお取り上げになるような気配がなかった、こういうので、われわれは建設業法の一部改正という形でやろうという意図を持ったわけです。私、もう一ぺん重ねて、念のために聞きますけれども、私どもはこの会計法の一部を改正する法律案を読みますと、昨年議員提案で計画した大体の趣旨はもう含まれておると思うのです。ただ議員提案の方は「予定価格の十分の八を下らない範囲において」といって原則を明記しております。その点は今回の政府提案の方は伸縮が自在になっておられるようでありますが、そこで先ほど小澤さんに御答弁になって、その原則は、新法案、政府の提案している法律には明示はしていないけれども、大体そういう標準をとるのが適当であろうという御説明がありましたから、私どもは議員提案の立法の内容が大体盛り込まれているように承知するわけであります。そこで、そうじゃないのだというところがあるかどうか、私は心配で念のために聞いているわけなんで、そうでないところがあるなら、そういうのじゃないのだ、大体同じようなものであるということであれば、大体同じようなものであるというて正直にお話し下されば、私どもは安心して引き下がるわけです。その点いかがですか。
○政府委員(宮川新一郎君) 精神におきましては、先ほど御説明いたしましたように、建設業法の一部を改正する法律案は、会計法の例外といたしまして十分の八以下のものはアウトにする、最低価格でもって国の工事をさせまして、予算の効率的な使用をはかるということに対して、まっこうから例外をなすものでございまして、この点は私どもとしまして、やはりまっこうから正直に申しますと反対でございます。しかしながら、先ほど御説明したような事情も考えまして、この際、会計法の例外法といたしましてこういうことを定めようとするものでございまして、精神におきまして全然別のものでございますが、実体に即応してやっていこうという面におきましては同じではないか。ただ建設業法の方は、もう端的に八割以下のものはアウトにしてしまおうということになっておりますものを、今回の法律案におきましては、これを、それでは契約の内容に適合した履行ができるかどうかということをまず審査しなさい、審査した上で所要の契約審査委員に相談しなさい、その上でやりなさいというふうにしぼっておりまして、ただここに八割以下はアウトというような線を出していない。この辺が相当な違いがあるのじゃないかと思うのでございますが、ただ建設業法の方で提案された気持というものは、この政府提案の方の運用によりまして相当カバーされるものと、かように考えている次第でございます。
○石井桂君 大体了承いたしました。
○赤木正雄君 この前、建設業法が議員提案で出まして、われわれ非常に審議しておりまして、それに関連したと申しますか、その精神あるいは実体においてほとんど同じようなこの法案が出たことは、私、非常にありがたい、これだけ申し上げておきます。
○委員長(岡崎真一君) 他に御質疑ございませんか。——他に御質疑がなければ、本連合審査会はこれをもって終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。 それではこれにて連合審査会を散会いたします。 午前十一時二十二分散会