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24回国会参議院1956/05/25

商工委員会 第36号

発言数
99
登壇者
10
会派数
3
開催日
1956/05/25

会議録

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) ただいまから委員会を開きます。  まず委員の異動について申し上げます。本日、岸良一君が辞任され、その補欠として中山福藏君が指名されました。以上報告いたします。  次にお諮りいたします。現在理事が一名欠けておりますので、この際理事の補欠互選を行いたいと存じますが、その方法は成規の手続を省略して、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。よって委員長は理事に山川良一君を指名いたします。   —————————————

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) 繊維工業設備臨時措置法案を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 今度のこの法案は、つまり台数が多過ぎるから、それを買い上げて整備しようというお考えのように思いますが、確かにそうですか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 特に設備が過剰であることが明瞭である部門については過剰設備の処理ということを考えておりますが、同時に繊維産業の設備の新増設を秩序立てて、毎年の需給計画、また昭和三十五年度の需給計画という長期的な見通しに基いて、秩序をもって認めていきたい、こういうことでございます。たとえて申しますと、紡績部門では、綿紡が非常に過剰であるということが常識でございます。また特に綿スフの織布部門、絹、人絹の織布部門の織機が非常に過剰でどうしても処理しなければならぬ状況であります。それ以外の紡績部門については今後需給によっては新増設を認めていくものが相当あると思います。ことに合成維繊の紡績部門等については、合成繊維の増産に並行してこれを認めていく、むしろ野放しで、当面は認めていって差しつかえないのじゃなかろうか、こういう感じでおります。需給とよく見合せて秩序のある新増設をはかっていきたいということが、一つの眼目でございます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 それで、台数が多いから、これを整理しようということになりますと、在来たとえば十台持っておるところの設備が古くなったので、その十台を新しくしようというような場合にその入れかえをやる、古いやつを新しいものに入れかえるというようなときにはやはりこれを制肘するようなことになりはしませんか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 現在ある設備を古いものから新しいものに、老朽のものから新鋭のものに入れかえていくということは、繊維産業の合理化のために必要でございますし、また新増設等を一部制限いたす関係もありまして、機械工業の立場から言っても更新するということが好ましい点がございますので、更新自身はむしろ促進していきたいと考えております。しかしながら現在たとえば綿糸布の織機あるいは絹、人絹の織機が相当過剰であるということも明らかでございますので、過剰設備の処理はこれと並行して行なっていく。なお今の十台以下というような小さな業者、零細な企業の立場というものは、これはまた別に考慮していかなければならぬと思います。従来の中小企業の織布部門について生産制限なり、あるいは設備制限なりを実施いたします際においてもそういう考慮をある程度払っておるわけでございます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 その台数が多いという場合には、それを買い上げて、買い上げたあとにおいて、その業者は再びその設備ができないようになるのじゃないですか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) むろん絶対的に過剰であるという設備を処理いたしました場合、特にこれをスクラップ化したような場合に、これにかわって新しく織機を求めるということは、これは過剰設備処理の趣旨に矛盾いたしまするから、これは認められないと思います。しかしながら現に持っている設備を更新するということは、一応これとは別個の観念でそれ自体としてはけっこうであるという考えであります。

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) 速記をやめて。   〔速記中止〕

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) 速記をつけて下さい。

白川一雄自由民主党

○白川一雄君 国産車振興に関する小委員会の調査の経過について御報告申し上げたいと思います。  二十三国会より引き続き国産自動車振興を目的として小委員会が設けられ、私はその委員長に指名されて今日に至りました。委員各位の熱意ある御協力によって少からざる成果をあげましたことをこの際厚くお礼申し上げます。  今後の取扱い処置については来たるべき国会において本商工委員会の議によって定めるべきものと思いますが、一応本小委員会として報告いたし、結末を明らかにしておきたいと思うのであります。  国産乗用自動車製造会社五社につきまして見ましても、おのおのの持つ下請並びに協力会社の総数は千二十一を数え、五社に働く従業員は一万一千八百五十名に及び、下請工場の従業員及びその家族を加えれば莫大なる数となるので、この点から見ましても、また製造金額から見ましても機械工業のうち最大のものであって、従って中小企業にいかに大きく関係があるかを御想像願えると思います。自動車工業を安定した産業とすることはわが国経済自立のためきわめて緊要なものであることは多言を要しないと考えるのであります。  わが国において使用されておる乗用自動車の実情は衆知のごとく外国車をもって充満し、ある外人が呼んで日本は自動車の国際展覧会の国であるとさえ言って笑っておるのであります。これは国民感情として忍びがたきところであるのみならず、これがわが国自動車工業の安定をはなはだしく圧迫しておるにかんがみまして、よき車を安価に供給できて外国車をいっときもすみやかに駆逐し、国民の間にいたずらに外国車を使用することによって優越感を抱く気風を払拭し、将来外貨獲得の有力なる輸出車となることを目標として推進することを本小委員会の使命として来たのであります。その運び方につきましては、ひとり参議院の商工委員会のみによって行うよりは、国会全体の総意で動くべき性質と考えましたので、衆議院商工委員会の協力をわずらわし、非公式に連絡協議会を持ち、調査を交換し態度の統一をはかって参りました。  小委員会発足のときよりとってきました処置及び各工場視察の状況、各工場より提出の資料及び外車組み立て契約の概要、官庁使用自動車の明細等は一括してお手元に届けてありますところの文書によって御承知を願いたいと存じます。  官庁並びに公共団体において使用する自動車を極力国産車に切りかえるよう働きかけました。三十一年度六千三百万円の予算が認められておりますので、当局の計算によりますれば、少くとも百二十六台切りかえ得るので、この実施を迫っております。六月一日に各省会計課長及び用度課長を参集せしめ、各社の国産見本車を展示してその切りかえの実施につき確認をとる用意をしております。これは台数は少いが一般民間がその風潮にならって、国産車への移行をすみやかならしめるものと信ずるがゆえであります。一般民間に対しましては、ただいま五社の営業部門の間で委員会を作り、広く有効適切なる宣伝計画を準備することを慫慂し、近くその実施を見ることになっています。資料にも示しておきましたが、官公使用の外国車は極端に年度の古いものが多く、その消費するガソリン代、莫大なる修理費及びべらぼうに高価な部品等を計算いたしますれば、国産車使用することによって節約し得る経費をもって、予算処置なくとも切りかえ得ることより見まして、業界の協力をも求めてその実施を試みました。昭和二十九年五月一日法百九号の法令によって国産車に切りかえ得ることにはなっておりますが、月賦支払購入及び支払保証の法的根拠が得られないので、従って年度の予算によって実施するよりほかない事情になっております。今後月賦購入し得る処置を大蔵当局と折衝すべきところと考えております。最も嘆かわしいことは、各省とも実施に当って大臣以下幹部の意向と異なり用度課の部門で少なからずチェックされておることが感ぜられるので、今後これの調査粛正は厳格に行うべきものと考えております。  下請工場はほぼ系列によって行われておりますが、部品規格の統一は遅々としてではありますが次第にその方向に向いつつあることは喜ばしいことであります。通産当局は着実に計画的に指導することが必要と思われます。また下請代金遅延等防止法を円滑に実施することによって親会社との問題はまずないものと観察できます。  五大製造会社の実情は、純国産車メーカーと外車組み立てメーカーとの関係、外車組み立てメーカー相互間の関係等よりはなはだしく統一の欠くものが認められ、それはおもなる需要先であるタクシー車売り込みに原因して起っておる現象であります。最大の機械工業産業でありながら、工業会なるものの団結力は認めることができないので、それでは天に向ってつばきをするような愚であることを説き、協力態勢樹立方を力説してきました。また国産自動車普及協会の熱心なる調整等もあり、著しく親密、団結の空気が濃厚となってきたことは業界のため喜ばしいことであります。しかしわれらが国産車振興をはかるゆえんのものは需要の増大、設備の合理化、資材の適正化、行政指導の強化等を叫んで、前述のごとく良質にして安価の国産軍を求め、国家産業の安定と輸出産業たらしめたい強い熱望からでありまして、断じて業者の利益増進を志しておるものではない。従って業界は原価の安くなっただけ販売価格を下げるべき責任と努力とを明確に自覚しなければならないと信じます。国産車振興を叫んで以来、最近急速に需要も増大し、おそらく利益も増大しつつあるものと考えますにつけ、業界は安易に酔い、高配当を行うがごとき不謹慎は厳に戒め、当初の目標五十五万円の販売値実現に邁進せしめるよう心がけしめ、一方当局は極力その実現に向って助成すべきことを切望してやまないのであります。  なお、たまたま企業合理化の立場から企業を合同すべきの説があるが、理論的に考え、また産業の合理化という鉄則から考えるならば当然のことであるが、業界の実情より見て、また指導力の不徹底より見て、とうてい実現が期せられぬ理想であって、かえって混乱相剋が予想されるので、今日の段階ではむしろ業者の自覚に待つべきものと見ておるのであります。  労務関係を観察しますのに五社おのおのの間にいささかの程度の差はあるが、労資一体でこれの産業を安定産業としたい熱意の強いものがうかがわれます。特に純国産車メーカーにその熾烈なるものがあることはまことに喜ばしいことであります。  最後に通産省当局に対し強く考慮を要諭しておかなければならないことは、わが国自立経済達成の一環として国産自動車工業を育成して健全産業たらしめんとする限りにおいては十分研究し、また広く衆知を集めた上、確固不動の信念の上に立った計画的、継続的、合理的指導を強く要望せざるを得ないのであります。国の方針も立てず、大臣にも諮らず一属僚が狭い知識と独断から業界を混乱さし、産業の安定を混迷に陥れるがごときは厳に慎しみ、大臣におかれてはその指導よろしきを望むものであります。産業は遊戯ではなくして、紙一枚重ねていくように幾多の困難、障害を踏破しつつ年期をかけて仕上げられるものでありまして、短期間職についたその権力を乱用して産業が完成すると思えば誤まりもはなはだしいものであろうと思うのであります。途上にある産業を育成すべき徹底さを忘れて新しいものを追いまくるような功名心は産業には最も禁物であることを知ってもらわねばなりません。売価二十五万円の国民車の実現を希望することは一属僚だけでない、国民全部であります。ただその原価で希望の規格が果してできるかどうか、またできたものが一般国民経済の実用面に適するかどうか、十分検討に検討を重ね、いやしくも発表した限りは必ず実行するだけの信念と努力こそ行政指導の真髄でないかと思うのであります。しかるに思いつきの計画を出してみたり引っ込めてみたり、全くネズミがもちを引くような醜態は決して行政指導ではないと思うのであります。車を発表する前に国会関係の意見をも求めるべきではないか、委員会でその場のがれの答弁で足るというような態度は議員を侮辱することはなはだしいものであることをよく心にとめておいてもらいたいと思います。  まず国産自動車工業の基本的事業法を制定し、その基本方針に基き大地に足をおろした不動の振興政策を実施されるよう今後強く要請すべきことを述べまして以上報告とする次第であります。

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) ただいまの小委員長の報告に対して通産大臣より発言を求められておりますからこれを許します。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 当委員会が特に国産自動車のために小委員会を設けて詳細な御研究下さったことをまずもってお礼申し上げます。  自動車工業は申し上げるまでもなく総合機械工業でありまして、これが大いに発注するということは、単に自動車の問題だけではなく、日本の全体の機械工業に対して非常な利益のあることでありますから、何とか一つ日本で国産自動車が、もっとも国産自動車の中でもトラック等は一応ある程度の発達をしまして、海外に輸出されて相当競争力を持っております。残念ながら乗用車については今までのところまだ十分と申せないようであります。しかし品質はだんだんよくなりまして、すでに今でも使えば使えますが、いろいろな習慣とか、みえとかというところで外車にまだ圧倒されておるような状態でありますから、政府といたしましては、なかなか遅々として進みませんけれども、しかし極力政府側としては国産車を全部が使うように指導していきたい、かように考えております。また、自動車工業全体の発達のために、基本的な政策を立てるという御要望に対しましては十分検討いたしまして御希望に沿いたい、かように考えておりますから、お礼をかねてごあいさつ申し上げます。

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) 以上をもちまして国産車振興に関する小委員長の報告を終りますが、二十二国会の休会中発足いたしました国産車振興に関する小委員会が、二十三、二十四と続いて慎重な研究と審議を続けられまして、貴重な結論を得られたことに対してここに感謝を申し上げる次第でございます。   —————————————

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) 繊維工業設備臨時措置法案に対する質疑を続行いたします。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 ただいま局長からの御答弁でありましたが、スフとか、そういう方面の台数がよけいだからそれを審議しようというお考えのようですが、そうするとその方面の業者が困ってくる、従って首切りが行われるというようなことは出ませんですか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) ただいまの御引例になった綿スフ織機等については、現在でも相当老朽した織機であまりフル稼働をしているような状況ではないのが相当ございます。   〔委員長退席、理事白川一雄君着席〕  それで、過剰設備の処理に際しては、もちろん現に就業して活動しておる人たちが職場を失い、あるいは労働不安に陥るというようなことはこれは極力避けていかなければなりません。設備の稼働状況等も十分調べて、また従業員の従業状況というものも慎重に検討した上で、絶対的に過剰な、動かさないでいいものを処理していく、廃棄していくというようなことを考えていきたいと考えております。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そうしますと、こまかいものですね。先ほども私が申しましたように、たとえば、十台とか十五台持っておるもので、今なお稼働を続けておるというもの、そういうもので、設備を新しくしたいという際に、新しいものを入れて、そうしてその稼働を続けていきたいという意思のあった場合には、それは一たん古いやつを売り払ってしまった後においては、新しい機械を購入してそこに備えるというそういうことが可能であるか、それをやらせないようにするのではないか、どうなんですか、その辺は。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 極小の業者ということでありまするが、これはまあ極小業者に限らないのでありますけれども、今まで持っておる老朽設備を新しいものに入れかえるということは、これはもう個々の企業にとっても合理化になりますし、繊維産業全体としても合理化になりまするから、それで進めていきたいと思いますけれども、特に中小企業の多い織機業におきましては、老朽織機を新しい織機に入れかえる場合に、年々これは設備近代化の補助金等も支出しているような状態でありまして、前からこういうことは進めていきたいと考えておりますが、今後もそう考えておるわけであります。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そういう際に、その設備を減らさせるという、つまり稼働しておる台数を減らさせていくということがやれないのですか、どうなんですそこは。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 実は今の例をお引きになった中小企業の織布部門につきましては、この法律によらないですでに中小企業安定法に基きました設備制限を実施中でございまして、この数量がふえる意味の新増設というものはこれはすでに認められておらないのでありまして、従ってその点についてはこの法律で特に触れておりませんけれども、ただ非常に過剰な織機に悩んでおる織布部門に対する措置としていろいろな点を考慮した上で整理を考えている。それについては別途予算でもって一億二千万円の予算を計上してございます。そういう趣旨でございます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そのお話は、その余っておるやつ、つまり十分稼働していないので困っておるというそういうものを買い上げてやるということはよくわかりますが、今なお稼働し続けておるものであって、それを新しくしたいというときにその買い上げた以上にはそれを入れかえをやるということを許さないということはないのですね。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) そういうことはございません。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 大体私総じて見ますと、この機械設備の方で制限をするということよりも生産過剰、つまり数量を制限するという方がほんとうじゃないのですか、どうなんです。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) むろん一時的な景気対策、あるいはまた長期的に見て生産過剰を防止するということは設備制限の一つのねらいであることはもちろんでありまするが、しかしながら生産数量を直接に調節する、いわば操短というような方法だけでは長期的に産業の基礎が安定いたしませんので、それがひいては輸出面でもって過当な競争を惹起する原因にもなります。その一時的な操短ということと並行してむしろより根本的な問題として設備の調整を行いたい、こういうふうに考えております。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 それならば輸入する原料の方も制限するとかそういうことが大事であって、機械設備のよけいなものを減らしていくという方向はちょっとどうもおかしいように思うのですが、どうなんです。あるいは原綿の輸入を制限するというような手を打つべきものではないか、こう思うのですが、どうなんですか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 従来綿業等におきまして行政措置は勧告操短を実施いたしました場合には、ただいま原綿等の外貨割当を実施いたしております関係上、その面からも勧告操短の実があがるように調整しております。しかしながら長期対策としてはやはり設備面も調整し、万やむを得ざる場合には勧告操短もやる、また万やむを得ざる場合には外貨の面での調査も加える、こういういろいろな措置を並行してとっていくことが必要ではなかろうか、こういうふうに考えております。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 原綿の方はどうなんですか。やはりある程度生産過剰であるのとにらみ合せて外貨割当を制限しておりますか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 過去においてはそういうような状況もにらみ合せて原綿の輸入の数量等を調節しておりました。最近は御承知のように、一時的な現象ではありますが、綿糸布の方が相当価格が高騰しておりますので、この際としてはむしろたっぷり原綿を入れるような態勢で参る、とりあえずはそういうふうに考えております。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 関連してちょっと大臣にお尋ねしたいのですが、大臣は先般中共に対する通商代表部を日本に設置した方がいいということを閣議で発言されたということが新聞に出ておりましたが、それは事実でございますか。それに関連してお尋ねしたいのですが……。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 閣議と新聞に出ておりましたが、少しそれは違いまして、それは閣議のあとで関係大臣、つまり外務大臣、大蔵大臣等と話し合ったのです。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 そこでお尋ねしたいのですが、大体綿製品の需給関係ということは内外の需給ということが基準になって起ってくる問題だと思う。従って設備の制限、あるいは綿製品の生産の制限、これはやはり需給関係というものを一応大まかに頭に入れて内外の状況というものから判断しておきめになると思うのですが、ただいま通産大臣が外務大臣なんかと御相談なすった、ある場合においては中共にそのはけ口を発見されるというような場合が惹起せられないとも断言できない今日の状況から判断して、そういうものはやはり頭に入れてこの法案というものを出しておられるのですか、それはどうなっておるのですか、一応お尋ねしておきます。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) むろんそれは頭に入れておりますが、ただ中共方面が今後貿易がどれだけ進みますか、やってみなくちゃわかりませんですが、繊維産業においては以前と違いまして中共方面に輸出が増加するだろうという見込みは今のところはありません。むろんしかしそれも勘定に入れて、東南アジアその他の全体の事情を勘定に入れてそして考えておる。   〔理事白川一雄君退席、委員長着席〕

中山福藏緑風会

○中山福藏君 もう一点関連事項としてお尋ねしておきます。終戦後面ドイツなんかの状況、それから機械の改良なんかの点からいろいろと調査してみますと、長足の進歩をしたように考えられるのです。従ってそういう技術の母体をなすところの改良された機械、織機、そういうものについては通産省の方で日本のこれまでの設備と比較対照して能率の点においての統計か何かお持ちになっておりますか。それも一つお尋ねしておきます。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 綿糸一コリ当りの従業員の数が逓減して参ったとか、あるいは織布部門についても同様な統計がございます。これは後刻数字で申し上げます。なお繊維産業の中でも特に国際的に立ちおくれておるような部門、たとえば染織加工部門がそうでございますが、こういう部門に対しては合理化機械を入れました場合には特に租税の優遇措置、つまり減価償却を早く見るとか、いろいろそういう措置等も講じております。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 実は女のはく靴下なんかの価格の点から考えましても、戦前の靴下を編む機械と現在アメリカで使っております靴下編みの機械と非常な差異があって、日本から一七%くらいの特許料を払っておっても戦前の靴下よりも安いものが日本に入っておるわけです。そういうふうに機械の非常に精巧なものができたためにいわゆる一つ一つのコストが非常に下っておるという事実があります。多量生産の結果です。そういうふうな点から考えますと、よほど通産省はそういう点に思いをいたされて機械の根本的な改良とかいうことに着目されないと世界的に貿易の太刀打ちはできぬと私は考えておる。そういうことについてはいろいろと御検討をなすっていないのじゃないかという憂いを私は持っておるわけです。ただ単に生産制限とか、機械設備の制限とか、改廃とかいうことだけでは私は通産省の目的は達成されないのじゃないかと思うのですが、どうですか。最後に一つお尋ねしておきます。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) むろんお話の通りでありまして、機械設備の改善ということを行わなければならない。今度の法案におきましてもそういう点にはやはり配慮したつもりでありまして、一応制限いたしますが、その中において機械設備の改善については先ほどから局長からも申し上げておると思いますが、入れかえをしたい、つまり新式なものと今までの古いものと取りかえたい、こういうことの熱意を持っておるわけであります。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 この法案を出されたのは一方においては古い機械があって、そうして仕事もろくにやっていない、そうして工員に給料を払うのに困っておるという業者もずいぶんあるようでありますが、そういう方面を救済して機械を買ってやるということはよくわかるのでありますが、スフとか、紡績とかそういう方面が生産過剰であるから、その機械を減らしていこうというお考えのようでありますが、そうするとそれを今まで稼働しておったものが機械を入れかえたという際にはそれには制限を加えずに、在来のものは在来のものとして認め、これから新しくやろうとするものを制限しよう、こういうお考えなんでありますか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 第一には過剰の著しい、あるいは相当過剰であるというような部門については新増設は認めていきたくない、これが第一であります。しかしながらそういう部門におきましても古い機械を新しく取りかえるということはこれは合理化のために必要でございますから、これは認めて参りたい、こういうことであります。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 生産過剰であつても、昨今の市場の値上りはこれはどうした現象でありましょうか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) これは特に昨年の暮ごろから本年の二月ごろまでにかけまして、輸出が異常な増加を遂げたわけでございます。これには特殊事情としては、たとえばアメリカ向けに先方の輸入制限運動を緩和してもらうためにやむを得ざる措置として自主的な輸出調整措置を実施いたしました。このためにこれを見越して、つまり本年になりますと輸出が調整される、これを見越して相当多量に綿製品がアメリカにいった事実もございます。そのほか季節的な関係等で特にインドネシアあたりに輸出が増加したということもございます。概して申せば、輸出増加ということが一時的に集中したことが需給を逼迫させた原因でございまするが、そのほかに昨年十月から十一月にかけて行われた十大紡のストライキが特に三十番手、四十番手と輸出面でも内地面でも最も需要が集中しておる糸の生産を非常に落した、その時期にまた輸出が多く出た、そのほかにまあいろいろこまかく申しますとございますが、そのために一時的に内地の需給が逼迫した、これで価格が高くなった、こういう関係でございます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そうしますと紡織機、この機械工業から関連することでありますが、私はこの前からお伺いしておるのでありますが、これについて鉄鋼の関係については大臣はいかようにお考えになっていらっしゃいますか。昨今の新しい機械を作るにも鋳物の銑鉄が非常に不足しておって、業者は青息吐息であるというこの現状に対しては大臣はどういうふうな総合的なお考えを持っていらっしゃいますか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 近ごろ機械メーカーが銑鉄、スクラップが不足して非常に悩んでおるということは聞いております。これは特に機械、たとえばこの法案などのために一部の機械の注文が一時的に激増しまして需要が非常にふえたということでありますが、同時に銑鉄あるいはくず鉄の払底ということはほとんど世界的の現象でありまして、今わが国としてもこれはもう輸入ができるものなら銑鉄、くず鉄の輸入は幾らでもさせようということでやっておりますが、実は世界的に品物も足りないし、価格も高いというようなわけでありまして、さしずめ有効な措置はない、できるだけ供給をふやす方策をとるという以外には今のところは手の打ちようは実はないのであります。長い目で見れば溶鉱炉をふやし銑鉄をふやすというふうなことも考えておりまして、とにかく鉄の供給をふやすということに努力をするということに進んでいるわけであります。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 それで溶鉱炉から出る銑鉄はみな鋳物銑と限ったわけではありませんことは大臣よく御承知のことと思いますが、つまり二次製品に重きを置いた方が製鉄会社としては実はもうかる、でありますから鋳物銑は一番もうからない、その方面の生産量が少いのでありますから、この際各製鉄会社に対してもどういう手を打って鋳物銑をふやしていったらいいとお考えになっていらっしゃいますか。もう少しこの鋳物銑を作るように、同じ溶鉱炉から出る銑鉄を二次製品の方の材料にしないで、これをもう少し鋳物の方に向けるということにしなければならないのじゃないかと思うのです。今現在やみ値は建値よりも一万円も上っております。そういうふうなのは非常に少いからであります。これは世界的に少いのでありますけれども、現在のあの溶鉱炉産業というものに対して、ある制肘を加えていかなければこの急場はしのげないのじゃないかと、こう思うのですが、大臣はいかようにお考えになっていらっしゃいますか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 私詳しいことはよく存じませんが、とにかく鋳物銑の供給ができるように通産省としては行政指導を加えているわけであります。もう一つの根本問題は、建値と市中の値段が非常に違っているということも考え直してみなければならないのじゃないかと私は思っております。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 なぜそういうふうになるかと申しますと、品物が足りないからなのでありまして、つまりやみ値というものはある意味から考えるとほんとうの需要供給の関係から来たるところの自然の値打であると思うのです。ところが、そういうふうに高くなっておりますのは自然と品物がないから高くなるのであって、従ってそれがすべての方面に響いて物価が高くなる、つまり鉄で作ったものは一躍値段が高騰しつつある現状でありますから、何とかこの溶鉱炉のうちからお前のところからは鋳物銑を何トン出せというような手を打たなければしようがなのじゃないかと思うのですが、その辺はどうなんでんか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 実はよく詳しいことは知りませんが、銑鉄全体として、鋳物銑はむろん足りないのですが、ほかのものも全体として足りないのじゃないかと思うのです。だから供給をふやす。そうして物の供給をふやすというのは価格と供給の関係が非常にデリケートでありまして、さっき申しましたようにこれはなかなか問題でありますが、建値を押えるということが果して供給をふやすゆえんであるかどうかということも、もう一ぺん考え直してみる必要があるのじゃないかというふうなことは個人的には考えております。値段が安ければ自然出て参りませんから、値段が一時高くなるということは困ることでありますが、同時にそれは物をふやす、今の経済の組織ではふやすゆえんになるのでありますから、ある程度それの刺激によって物をふやすということも考えてみる必要があると思います。表向きだけ値段を下げてそれで満足していられないのじゃないかと思います。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 それでは私は大体の大臣の方針はわかりましたが、通産省重工業局長あたりはいかなるお考えを持っているか。この質問はあとにいたしまして質問を保留しておきます。

山川良一緑風会

○山川良一君 大臣に一言だけ。法案そのものについてではございませんが、過剰設備を処理される場合に所要資金を今度補助金で出されるようにしておられますが、大体中小企業なんかの過剰設備を積極的に整備するというような場合には、今後とも補助金を出そうというように政府で大体おきめになったと考えていいのですか。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 別段そういう方針で今後とも必ずやりますというわけじゃございませんが、実際において繊維産業、ことに零細な織機部門においては、これは整備するというのに、前の石炭のように、残った、残存業者だけでこれを全部負担してくれというわけには事実上参りませんので、そこである程度政府でもめんどうみる、こういうわけです。ですからこれは今後とも実情に応じて処置をしたいと思います。

山川良一緑風会

○山川良一君 実は石炭の話をお出しになりましたからですけれども、あのときには業界では大体政府の政策についていって生じた過剰設備だから、国が整備資金を負担すべきであるという議論が相当業界仲間にあったのです。しかしそれは国が出せといってみたところで、結局国民の負担になるのだから、それはよしたがよかろうということで、業界みずからの責任でやろうということになったのでありまするが、この補助金はここでは一億二千万円、年度を通じて大した額ではないけれども、もし今後中小企業が非常にむずかしい段階にあるから、またある産業でこういう問題が起りましたときにですね、また一つ政府に補助金を出してもらおうじゃないかという話になりますと、これは先例になりましていろいろ複雑な問題になるかもしれませんと思いますので、一つそういうことは一応根本的に一つ政府としてもお考えおきを願った方がいいのじゃないかと私は思うのであります。これはまあお答えを願う問題ではありませんけれども、考えを申し上げましてまあ御検討を願いたいと思います。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 御注意ありがとうございました。決してこれを先例にしていつでもこれをやるというわけじゃありません。実は石炭のときにも金利の問題で幾らか開銀の金利に差をつけて、それを回したようなあれもある意味において間接の補助金みたいな格好でやりましたので、まあ実際零細なものの処理をする場合には、これは決して好ましいこととも思いませんけれどもやむを得ない処置として最小限なことをやるというつもりでおります。

山川良一緑風会

○山川良一君 今石炭の金利のことをお話になりましたけれども、あれは、これとは別でありまして、私は石炭の政策にはずっと終戦前も後も大体大小とも政策の立案、遂行には自分であずかってきておると思っておるんです。あの金利の問題は、むしろ現内閣ではありませんけれども、炭鉱の従業員社宅の負担は、当時の政府が、結局国が炭価でめんどうをみてやって、業者の負担にさせないという一札をとっているんですね、ですからそれはもう当然もっとそれ以上のことをやってもらうべきだと、みんな考えているんです。しかしそれも先ほど申し上げましたように、ただ天から降ってくる金ならば、国に負担してもらってもよかろうと思うけれども、結局国民の負担になることだから、それには限度があるからということで、一札があるにもかかわらず、ある程度でまあ済ましておるわけですね。あれはみんながそういうつもりで済まそうということであるならばいいですけれども、これは補助金が出たんだからこれを足がかりにこれに食いつこうということになりますと、石炭が食いつこうという意味じゃなしに、ほかの中小産業全体を通じて問題が起ると厄介だから、申し上げるのであって、石炭業界の責任でやることに、話し合いにまとめましてやったんですから、現在は私が石炭のことをやっていませんから、何とも言えませんけれども、これがあるからそう石炭に補助金を出してくれということにならないだろうと思いますが、とにかくその石炭と関連があって言っていることだけではありません。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 ただいまドイツのクルップ会社がパキスタンとインドに合弁事業をやっておる、これは鉄鋼の問題でしょうが、それはやっぱりドイツで余った機械をそこへ持ってきて合弁事業をやっておるんですね、いわゆる資本投資、企業投資をやっているんですね。これはビルマの賠償条約あるいはフィリピンの賠償の問題の場合においてもですね、日本の過剰設備というものを合弁事業としていわゆる企業投資をやるというようなことに持っていく方がいいのじゃないかというような考えも一応常識的に浮んでくるのですが、私はこれをつぶしてみたり、スクラップにするというような、過去のこそくな手段をとるよりも、そういうことに一応思いをいたす方がいいんじゃないか、そういうふうな考えを持っておるんですがね。どうでしょうか大臣の御意見は。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それもけっこうでありますが、これはどうも今整備をしなければならんという繊維機械の方はですね、まあ大きな会社で持っておる紡績機械などの中にはあるかもしれませんが、今おもにねらいとしている中小企業の織機などは、とてもそういうものには向かないものが大部分だろらと思います。ですからこれはまあ持っていけるものは持っていってけっこうでありますけれども、事実はなかなか日本から整備しようというものを今すぐに持っていけるようなものはあまりないじゃないかということと、もう一つはドイツあたりはどういうふうにやっているかしりませんが、これは古機械を持って行ってというようなことは、先方もあまり好まないじゃないか。なかなか海外投資もデリケートでありまして、金を貸してやってかえってうらまれたり、機械を持っていってやってかえってうらやまれたりということもありますので、よほど注意をしなければならないと思っております。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 私はパキスタンで紡績会社を実地に見学してきたんですが、これは日本の技術屋が行って指導して、ほとんどもう、まああのいなかでは完備したもののように私どもしろうとには受け取れました。どうもその日本のですね、今その設備を制限するとか、あるいはその稼働を一時やめるというような品物でもですね、これはそうそのああいうところに持って行って劣ったものはないじゃないかという感じがしますがね。こういうふうな場合に企業を、まあ統制するとか一応制限して、余剰分が出たらできるだけ一つ間に合せるというふうになさる方が、信用のためにいいのじゃないかという気がしますが、私はしろうと目ですから、まるで通産問題は。ですからお尋ねするわけですが……。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それはアイデアとしてけっこうでありますが、よほどいいものを持って行かないと。何かそれはまあドイツはどんなものが行っているかしりませんが、あの東南アジアあたりはいい物を望んでいるようです。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 はい、けっこうです。

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) 昨日質問をしました機械メーカーの数と、関連下請業者の数、おのおのの従業員の数等の資料はできているのでしょうか。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) はあ、今申し上げます。実は繊維機械メーカーの企業の数と従業員数でございますが、最近の統計はございませんので、まずわかります範囲で調べますと、総理府統計局において三年ごとに行う事業所統計調査に基いて得た数字によりますと、昭和二十九年の七月、繊維機械関係で企業数が七百八十六でございます。で、従業員数が五万三千人、かようになっております。  この内訳を、これはわれわれの推定でございますが考えてみますと、綿スフ紡機が企業数が六で、従業員数六千五百人、綿織機二十一が企業数でございまして、従業員が一万二千七百、それから絹人絹織機が企業数が二十九、それで従業員数は二千四百五十、それから毛織機が企業数は二十三、従業員数が千八百、それからその他の繊維機械でございますが、これは加工とか準備とかそれから部品、これには相当部分下請も入ると思いますが、七百七、二万九千五百五十。大体トータルは正確な統計によっておりますが、内訳はわれわれの推定でございます。それからその後これは若干変化しておると思いますが、企業数、従業員数が若干減っておるのではないかと思いますが、昭和三十年の十月の労働省の調査によりますと、これは繊維機械従業員数でございますが、これは五万二千五百人、かようになっております。  それからこれは別の関係の調べでございますが、紡織機協会会員の従業員数全部を調べてみましたところが、これが一万七千三百人、これが先ほどの五万人の中に含まれておるわけでございます。  それからこれらの関係の下請業者を実は昨年、別の調査によりまして調べました数字から推定いたしますと、これは紡織機メーカーの下請の主として専業者でありますが、紡機関係では下請が大体二百四十一企業で、従業員数が一万三百五十六人となっております。それから織機関係の下請は、これは企業数がちょっと若干推定が入りますが、百二十でございまして、三千五百五十名、絹人絹織機関係の下請は企業数が九十二で、従業員数が二千百八十人、かようになっております。この場合の紡織機メーカー関係の従業員も、下請関係の従業員も、その他を含みまして、それが大体労働省関係の調査の五万二千五百人の中に含まれる、大体さようなことになっております。

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) ただいまの御説明にありました機械メーカー並びに下請業者に対して、本法施行後現われると思われる直接間接の影響はどういうものが予想されますか。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) それは実はわれわれも地方の通産局を通じまして調べておりますが、まだ的確な資料が出ておりません。われわれといたしましては、あるいはまた説明申し上げしたかと存じますが、現在非常に紡織機、ことに紡機関係は活況を呈しております。これがある程度減ることは事実と思いますが、できるだけ平年度の生産を推持するように更新需要を促進し、輸出を伸ばして打撃を少くしようと、かようにして最善の努力を払っておる次第であります。

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) 機械の更新を促進し、貿易を増大して影響を努めて少くするということはけっこうなことであり、また衆議院の付帯決議の趣旨も大体そういうところにあるようです。しかし問題は、そういう御意図だけでなしに、更新を促進させるためにはどういう予算措置を本年度の追加あるいは来年度以降やられるのか。またこの前の連合審査会の大臣の御発言では、現行の本年度予算においてもある程度のことができるということを言っておられますが、それは具体的にはどういうことなのか。それから繊維機械の輸出の増大をはかると申しましても、一体どういうふうにそれを努力されており、見通しはどうなのかということをお伺いしないと、そのお言葉だけでわれわれどうも納得ができないのであります。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) ただいまの紡織機の更新需要を喚起する具体的な方法でございますが、これはもとより更新需要は紡織会社あるいは織機企業から発注する形をとるわけでございますが、私どもとしましてはさきに通産省議でもって紡織機の更新の促進の打合会というものを設けましたときに、この場で官庁側も入る、また紡織会社、それから紡織機械のメーカー、これらがひざを突き合せてできるだけ法律施行後予想されます紡織機メーカーの受注減というものを少くする、減少の幅を少くするように努めていきたい。これは人によって見方がございますが、半年とか一年とかという期間、特に従来の紡織機工業の操業状況が非常に活況を呈して、夜を日についで操業をしていただけに、時期が問題であるという見方があります。この時期に更新需要を集中させるように行政指導をいたしますと同時に、また原綿の割当等においてもそういうような更新需要が喚起された期間において更新されたものについては、若干増加割当をいたしたい、そういうような措置を講じたい、こういうふうに考えておるわけでございます。また織機等につきましては特に老朽織機が多い、これを近代化する必要があると思うのでありますが、従来いたしております本年度予算においても設備近代化の予算を前年よりも増額いたしております。これをできるだけその面に集中して出していただく、そういうことで更新需要を喚起していきたい、こういうことでございます。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) 繊維機械の輸出につきましては、輸出会議に諮りまして今年度の目標を定め、それに対して具体的なわれわれとしても促進策を講じたいと、かように考えております。促進策の第一といたしましては、実は昨年あたりの調査によりますと、何といっても市場開拓が非常に大事であります。かようなわけで業界に、本年度も市場開拓のためにいろいろ出て行っていただいて調査をしていただく。  それからその次は、機械関係のアフター・サービスが非常に重要であるということでございますので、これらについても具体案を立ててやっていただくことになっております。これに対して政府としては、例の競輪から出ます資金のうち約二千万円を留保してございまして、これに対して補助金として交付いたしたい、かように考えております。  それから現在までの段階で、輸出会議に諮りました状況から、実は一昨年非常に繊維機械が伸びましたのは、パキスタン等の方で需要があったわけでございますが、昨年はこれらの需要がなくなりましたので、輸出が若干不振でございました。ところが本年度はインド等の需要もふえている、また中南米等も相当有望になっておるようでございます。かような次第で、昨年度よりはある程度増加を目標として目下計画しております。大体昨年の一割弱、八、九%増をねらって計画をいたしております。昨年度の実は数字の中には、ユーゴスラビアあたりに出ました人絹プラント、化学的な関係の設備も加えております。従いまして昨年度よりも九%くらい伸びますが、その中でも特に今年度は紡機関係とか織機関係の額は、昨年に比べて相当ふえる見込みでございます。エキスポーターの見込みによりますと、相当積極的のようでございますので、われわれといたしましてはこの目標を定めまして、先ほど申し上げました施設によってできるだけ輸出に努力いたす、かように考えております。

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) さように御努力になりましても、なおかつ機械メーカー並びに下請業者の経営に打撃を与え、あるいは従業員の首切り等の事態が起り得ないとは保証できないわけです。従ってある場合には紡織機メーカーが機械設備を、他の用途に転換をするというようなことも起り得ると思うのですが、しかしおおむねさような業者は転換の資金についても十分持ち合せがないもので、しかも最近設備の系列化を実施いたしまして、なかなか早急に転換ができないような業者も多分にあるのではないかということを考えるわけですが、資金面においても中小企業関係の金融機関等を優先的にこれらに利用させることによって、そういう憂いを少くしていくというような御用意が関係当局との間で連絡がついてできておりますかどうか、お伺いいたしたい。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) お話の点でございますが、われわれといたしましては、何としても繊維機械産業はやはりできるだけ繊維機械産業として維持していきたい、かような考えで先ほど来申し上げております。更新計画だとか、あるいは輸出計画を大いに促進したいと考えております。  それから転換の問題は、もちろんこれは同じ繊維機械産業でございましても兼業部門がございまして、これらの分が広がって参りますれば、比較的かような影響も少いというような考え方もあるわけであります。目下聞いておりますと、たとえば自動車会社の自動車とか、あるいはほかの工作機械とか、あるいは一部には防衛庁の注文とかいうような計画も出ておるように聞いております。これについてわれわれとしても、できるだけもしさようなことがありますれば、これに対して応援していきたい、かように考えております。  それから転換資金につきまして、下請等がどんなことになっているか、下請関係も相当兼業部門が多い場合もございましょう。これらについても従来のほかの注文も、最近の機械工業の状況から申しますと、たとえば先ほど話があったと思いますが、鉄鋼が足りないという状況で、相当注文も出た、かような状況になっております。そこで機械設備は工作機械でございまするから、ほかにも使えるわけでございます。比較的そういう点はいいと思いますが、なおさような関係で資金面等に問題がございますれば、中小企業庁と十分連絡をして、中小金融公庫のそういうような資金のあっせんについて努力いたしたい、かように考えております。

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) ただいまのお言葉は、これはお言葉だけではなしに着実に実行してもらいたいと思う。また紡織機メーカーが他の機械メーカーに転換していくことは根本的に好まないのであって、紡織機メーカーとしてやっていくように指導していただきたい。その通り一つ実行してもらいたいと思うのです。われわれが合理化計画というものに根本的にいろいろな批判をいたしまするのは、決して合理化そのものをば悪いと言っているのではない。何人も合理化に対して反対するものはないと思うのです。しかし問題は、合理化を一部において行えば必ずどっかにしわ寄せがいくというところに、日本の合理化の非常な大きな問題があるわけであります。日本の国土、資源と人口とがすでに不合理なのでありますから、一部を極度に合理化していけば、必ずどっかにしわ寄せする。この法律案においても、繊維の業界において合理化を行なっていけば、必ずそれに関連している機械メーカーなりその下請業者、あるいは弱小の繊維業者というものにその影響が及んでいきまして、従業員の首切り等も行われていく、こういうことに非常に心配している点があるわけでありますから、今おっしゃったように、それが設備の更新なりあるいは輸出の増大ということによって、そういう憂いがなくなれば、これに越したことはないのでありますけれども、決して作文や言葉だけでなしに、着実に効果の上るような方法で実行していただくことを私はこの際特に要望しておきます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 今法案審議中に当って、すでに市場の価格が上ってきておる。この法案が通過すれば、また一そう私はこの値段が上ってくると思うのですが、そういうような点に対してお見通しはどうなんですか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) これは先ほど申し上げましたように、一時的な輸出の増大、あるいはまたストライキとか、いろいろなことがからみまして、さらにまた操短も漸次的に緩和していきまして、実は七月以降は撤廃ということを発表しておりますが、その他の事情がからみ合って、一時的に価格が高騰しておると考えられるものでありまして、現に操短撤廃後は先物七月あるいは八月、そういうものは相当価格が低落しておりますし、もう秋口以後においては需給状況も非常に緩和する。輸出が非常に増大して参ればけっこうでありますが、最近の輸出の契約の状況を見ても、年初から申しますとだいぶ減少ぎみであります。これは遺憾なことで、できるだけ輸出の促進をはかりたいと思いますが、この輸出が相当好調であっても、生産面において増大が期待されますので、内需においてはあまり大幅な増加は期待せられない。綿製品につきましては、秋口以後におきましては、むしろ場合によっては価格があるいは相当低落する、需給が非常に緩和する、こういう見通しを持っておるものであります。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そうしますと、この法案が通った後においては、相当安くなるというお見通しなんですね。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 時期的にそういうことになると思います。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そうしますと、今の状態においてこれが高くなったというのは、いろいろ今るるその原因と思われるところのものを述べられたのでありますが、この法案が出るということが相当響いて、そうして値が上ってきたというところがありません。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 一時綿糸の相場が人気化して上げ過ぎになっておったような状況もございます。あるいはそのころ人気の一部に、こういうような法案で繊維産業を支えるというようなことを計算に入れている者があったかどうか、私はそれは何とも言えませんけれども、今日においてはそういう事態は想像できないと、こう考えます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 この機械の整備について関連してきますことは、鉄鋼の問題でありますが、鋳物銑が非常に足りないということについては、重工業局長はどういうような腹案をお持ちになっていらっしゃいますか

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) これはこの前も御説明申し上げておりますが、最近非常に機械の輸出も伸び、また国内の投資需要もふえて参りました。さような関係で鉄鋼関係一般に需要が伸びてきております。昨年は相当増産いたしましたが、今年も増産を考えております。  鋼材について申し上げますると、昨年の一般鋼材の実績は六百七十万トンでありましたものが今年度は七百三十万トン、かような計画を立てて進めております。また銑鉄は昨年の計画が五百二十二万トンでありますが、今年度は五百七十七万トンという予定を立てております。しかしながらできますればさらにこれ以上の増産をしたい、かように考えて努力をしております。  それから鋳物関係の数字でございますが、これは従来昨年度は大体一期三カ月間で十四万五千トンから十五万トン、かようなことで計画して参りましたが、第四四半期に若干不足の兆がございますので、メーカーに話をいたしましてさらにそれ以上の増加出荷をしてもらったわけでございます。それから今年度の第一四半期は大体さような次第を考えまして十六万六千トン、こういう計画をもって目下進めております。ただ価格等の関係がありまして、若干出荷がむずかしいような事態もございましたので、と申しますのは、普通製鋼用の銑鉄と鋳物用の銑鉄との値段の開きが比較的コストの開きに対して少いというような事情も判明いたしましたので、従来の千円の差がありましたものを、その差を千五百円上げまして二千五百円、こういうふうにきめまして、鋳物用銑鉄のできるだけ出荷の方に措置をとっておる状況でございます。さような状況で考えております。さらに銑鉄の問題につきましては、できるだけ輸入を促進するという。かような方策も講じております。そのほか昨年来は国有財産機械の払い下げについても措置をとって参りました。今後もさような措置をとることになっております。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 鋳物用の銑鉄については年間消費量は大体国内の八十万トンと評価されておるのでありますが、ただいまのお話では十五万トン、四半期についてはそうしますと六十万トンきり見ていない。そういうふうなところは通産省としてはこの鉄鋼、あらゆる機械の根本をなす鉄鋼についてのお見通しが少しずさんではないかと私は考えるのでありますが、今の溶鉱炉から銑鉄を作る、ところが鋳物銑も作っておる。そういう際に、この鋳物銑の使用増加といのものは、去年、おととしあたりからして世界の大勢を見ておるというと、ドイツにしても急ピッチをもって上昇しつつあるし、アメリカも急ピッチをもって上昇しつつある今日で、日本の鋳物業者は要求した額の三割ないし四割しか与えられていないのですよ。こういうふうな鋳物銑の基金を通産省はどういうふうな考えでおられるのか。私は少し勉強が足りないのじゃないかと思うのですが、それならば今鋳物銑を奨励すればいい。ただいま要求の三割か四割きり業者の手に入らない。それでやみ値でもって、つまり幾ら集めてみても手に入らない。働かんとしても働く材料がなくて困っておるところの現状を、通産省はただ輸入をしようとか、あるいは世界の情勢でしょうが、ないのだとかいうようなお見通しでは、通産行政のあり方としてはまことに私は心細いものだと思うのです。どうすればいいかと言いますと、つまり二次製品を板とかバーとか、そういう方面に向くところの銑鉄をある程度鋳物銑に切りかえさせるという方策をとりなさることがまず刻下の急務じゃないかと思うのです。その点に対して重工業局長はどうお考えになっておりますか。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) まあ鉄が足りませんのは、もちろん鋳物自身の場合もそうでございますが、世界的に鉄鋼、鋼材自身についても足りないわけでございます。従いまして日本からも相当輸出が出ております。さようなことでこれをどんなふうに使うかというふうな問題でございますが、われわれとしましてはできるだけ計画に合うように、鋳物の供給に対して先ほど来申し上げましたような輸入、あるいは国内の増産というような対策を打って、これで間に合わしていきたい、かように考えております。  で、先ほどの数字でございますが、従来昨年度の一期間の需要は大体十五万トン、今年度は第一期は十六万六千トン、第二期から十七万トン以上の供給をしたい、かように考えて計画を立てておるわけでございます。さような次第でございまして、また故銑の輸入の促進をはかる、あるいは銑鉄の輸入の予定量以上にこえまして、今目下輸入するように努力しておる状況でございます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そういうことに対して、つまり世界の情勢がそういうふうに鉄鋼の消費量が増加しつつあるという状態でありますから、日本もまたこの波に乗って、どうしたって需要がずんずん増加して行くのである。それに対してどういう手を打っておられるのか、今溶鉱炉を建てるといっても、そう一朝一夕にしてでき上るものではないのです。外国から入れるといっても、外国でもそう売ってくれないでしょうし、外国から買おうとすればすばらしく高くなるでありましょうし、国内の、つまり鉄鋼の生産についてどういうふうに局長はお考えになって見ておられるか、この鉄鋼方面に対しては……。もう少しお見通しを立てて、そうして断固たる方策を立てて行かれなければならないのじゃないか。こういうふうに私は考えるのですが、溶鉱炉にいたしましても、まだ今半分こわしかかっておる溶鉱炉もあります。そういうような溶鉱炉はこわすのをやめて、ここに百億なり二面億なり金を政府が出して、そうして急遽溶鉱炉をふやすというような方策も立てて行かなければならないのじゃないか、こう私は思うのですが、その辺はどうなんですか。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) 結局突き詰めて行きますと、やはり需要を満たすためには、できるだけ国内の増産をはかるのと、輸入をはかるという二つの考え方だと思います。国内の増産につきましては、できるだけ銑鉄を増産するために炉を稼働するわけでございますが、今年度に入りましてから四月の末日には住友金属の小倉製鉄所で新しく六百ポンドの火入れをいたしたわけでございます。そうすると、そのかわりにほかの溶鉱炉を休むわけでございますが、それをしばらく続けてもらいまして、来年まで続けてもらう。また中山製鋼所においては来年の四月に新しく火入れをすべく目下進めてもらっております。尼崎製鉄におきましても、六百ポンドの新設を考えております。これも来年になると動くと思います。さようなことであって、とりあえずの対策は立てておりますが、さらに将来の問題としましては、われわれとしまして、かように需要が伸びて参りましたので、相当従来と違って大きな需要がある、かような見通しのもとに、鉄鋼の長期計画というようなものを考えまして、原材料方面及び先ほどお話がありました銑鉄の面、あるいは鋼材の面、かような点で長期の計画というものをわれわれとして目下立案をしておる状況でございます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 私は最後に申し上げておきたいことは、こういう繊維機械にいたしましても、あるいは鉄鋼にしましても、これはもうこういうことに対しての先の見通しをはっきり立ててもらわなければならない。それが通産行政のあり方であろうと考える。必要なときになって、どろぼうを押えてなわをなうという言葉がありますが、あるいは石炭の合理化法案にしてもそうであるし、もう少し私はこの方面を通産当局としては筋の通った、見通しを立てていただかなければならぬのじゃないか、鉄鋼なんかはただいま非常に困っておるから、業者の方はほんとうに銑鉄を作っておる。鋳物銑を作っておる会社に対しては、門前市をなしておるという状態であります。要するに働かんとしても材料がないので働けない、こういうあり方では私はいかぬのじゃないかと思う。もう少し先を見て、そうしてここにはっきりした方策を立ててもらいたい。で、これから関連して出てきますことは、つまり開銀の財政投融資の問題ですよ。鉄鋼方面なんぞに対しては利率も高くし、ほかの造船とか電気に対しては安くしておるというような政策では私はいかぬと思う。やはり鉄鋼に対してもなるべく利子を安くして、どんどん金を融資してやって、仕事をふやして行くような方向へ持って行かれなければ、通産省としては私はこれではいけないのじゃないかと、こう考えておるのでありますが、大臣はどういう御所見を持っていらっしゃいますか。最後に私は御所見を承わりたい。たとえば今度の繊維機械にいたしましても、出てきてからこれをやるようではいけないので、もう少し先の見通しを立てて行かれなければならないのじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、一つ大臣の御所見を承わっておきたい。

石橋湛山自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) むろん政府としても先の見通しを立て、ことにこの原材料についてはその供給を十分行うようにしなければなりません。しかし、これは鉄鋼にしましても、今の政府としては大体各企業者がやはりイニシァチブをとってやってもらうことになっておりますから、政府としては、政府としての一つの目標を立てて、それによってある程度の行政指導を行なって企業者各自の努力をお願いする、こういうことよりほかないと思います。お説はごもっともでありまして、まあ鉄あるいはそのほかの金属の不足は世界的でありますが、世界的であるからしょうがないといってはおられないのでありまして、日本としては十分この道の供給をふやすように、今後とも努力いたしたい、かように考えております。

上條愛一日本社会党

○上條愛一君 簡単に二、三の点で御質問しておきたいと思いますが、第二条において、ただし書きで、高能率設備に関しては除外を設けられておる。現在当局として除外しようというような機械はどのような機械が存在しておるか、その量はどのくらいあるか、それから除外するという理由はどこにあるか、承わりたいと思います。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) これは現在の紡績機械の製造技術から見ましてきわめて能率が高い、また新しい新規なものであるというようなもので、まだ普及しておらない、そういうようなものだけを考えておるわけでございまして、まあ省令で指定します前に、よく関係業者の意見も聞き、各方面の意見も聞きたいと思いますが、さしあたって考えておりますものは、精紡機についてはリングをギア装置によって回転させるもの、あるいはトラベラーを圧縮空気によって積極的に回転させるもの、あるいはまた織物幅出機等について高周波によって乾燥するもの、これはまだ半分は試験的でもございます、それほど普及もしておらない、そういうふうな種類のものが大体考えられております。

上條愛一日本社会党

○上條愛一君 その理由はどうなんでしょう。少いから……。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) これはやはりできるだけ紡織機の技術を向上させたい、また新鋭のものにできるだけ取りかえて行きたい、従ってまたこれは紡織機の技術の確立ということを一つねらっておるのでありまして、しかしながら、これがまた一般に普及して参りますと、除外例にしておきますと、一方において設備制限する趣旨と矛盾いたしますので、この場合には省令ではずして行きたい、こういう考えであります。

上條愛一日本社会党

○上條愛一君 もう一つ、今度の、本法は五カ年の臨時立法でありまして、昭和三十五年度を予定しての需給関係の調節でありまするが、御承知の通り現在天然繊維が過剰設備に陥っておるのは、きわめて小資本をもって精紡機、織機等を設備することができるのでありまするから、急激に発展をしてきたと思いまするが、日本の繊維産業全体から見れば、御承知の通り天然繊維から化学繊維、合成繊維に移るという傾向を持っております。紡績大資本家側においてはこれを見通して、資本を化学繊維、合成繊維の方面に動員しつつあります。ただ化学繊維、合成繊維が急激にそう発展しないと考えられまするのは、その設備に非常な大資本を必要といたしまするから、簡単にだれでもその方面に移りかわるということが困難だと思いまするが、しかし、今の傾向から申しますれば、近い将来において、やはり化学繊維、合成繊維の方面に資本が動員せられまして、この方面が競争の舞台となるという傾向を強めております。そこで今後三十五年までの間において化学繊維、合成繊維の方面が異常な発達をして、この方面の過剰生産が行われる場合においては、この方面にも本法を適用しようとする御意思があるかどうか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 化学繊維、合成繊維に需要が転換する見通しが長期的には持たれており、またのみならず化学繊維等については、特に最近の企業の収益状況もよろしいために、その方面に対して新増設の動きが非常に顕著である、これはいずれもその通りでございます。昭和三十五年度に私どもはスフ綿は七億五千万ポンドくらいでよろしいかということを昨年設置した審議会で審議しておったのでありますが、現状でいきますると、その程度の数字はこの年度末にあるいは実現しないとも限らないくらいの急テンポの増設増産ぶりであります。従いまして、今後天然繊維が価格が低下する場合、その競争力も増加して参るというような場合には化学繊維についてもコスト引き下げの必要も相当出て参りましょう、あるいはまた増産せられた繊維が必ずしも需要を十分満たしていかないというような事態も起るかもしれませんが、天然繊維につきましては、量的にはまだ化学繊維よりも少い規模で発展して参ると思いますが、しかしながら同様の問題をはらんでおることは御承知の返りであります。しかしながら、私どもとしましては、この設備制限というようなものが、これを採用いたします場合には、よほど慎重に需給の状況も検討し、その他の点も考慮して参らなければなりませんので、ただいま直ちに、化学繊維なり、あるいは合成繊維の生産設備、紡績設備でなくして、そういうものの生産設備自体をこの法律に適用するかということについては、ただいまのところはそういうことは考えておりませんが、状況によっては、その新しい情勢に応じて検討していかなければならぬのじゃなかろうか、かように考えております。

上條愛一日本社会党

○上條愛一君 もう一つお伺いしたいのは、過剰生産を制限する方法として、今回は設備の制限をおやりになったのですが、そのほかに生産量で制限するという方法もあると思いますが、これは各繊維産業の生産者に生産量を割り当てるというようなことはなかなか困難だと思いますが、しかし原綿、羊毛というような原料を外貨で輸入して政府がおりまするが、この方面において生産制限をすることは比較的容易であると考えられるのでありまするが、これは何か非常に困難だという事情がありまするか、またこの方法をとらないというのには何か原因があるかどうか、お伺いしておきます。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 生産数量をきめて操短を勧告した例は実は昭和二十七年にはあるのでございます。また最近撤廃の発表をいたしましたが、最近の操短勧告においても現にまあ実施している原綿割当、この原綿割当ということも、ある程度操短の裏づけとして実は考慮しておったようなわけであります。従いまして、原綿について外貨割当を継続しております間に、やむを得ない事態で操短を勧告するような場合には、その辺の関連も十分考慮してやりたいと思いますが、むろん、他方において、紡績自由化というような態勢、これもまあ国際収支の状況によってはできるだけ考慮に入れていきたいと思います。まあ将来の事態については非常に割り切ったお答えはできませんけれども、外貨割当を続けていきます意味において、今言ったような点を考慮していきたいと思います。

上條愛一日本社会党

○上條愛一君 一方この設備制限法を提出しておる反面に、私事情はよくわかりませんが、原綿並びに羊毛の原料の輸入が増加しているという話、うわさがありまするが、そういう事情がおありですか。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) 先ほど来御説明したような、まあ一時的な事態ではございまするが、綿糸布の輸出価格が相当高騰いたしまして、実は輸出の面でも支障が起るような事態がごく最近も起ったわけでございます。そういうような需給状況も考慮に入れまして、また国際収支面についても、ここ一両年かなり好転しております。外貨割当高もふえております。まあ、そういう状況でありますので、原綿割当については、これはたっぷりつけるという方針のもとに紡績用の原綿は二百十五万俵であったのかと思いますが、これは実質的には昨年よりだいぶふえております。

上條愛一日本社会党

○上條愛一君 原綿、羊毛の原料をふやして、それを生産させるということになれば、機械を押えてみても、御承知の通り休みを輪番制にしたり、休日を輪番制にして、言いかえれば労働強化によって増産が行われるという危険性は十分にあると思いますが、政府として、一方において生産過剰の結果として本法を出して、機械の設備を制限しようとお考えになっている反面において、原料を多く輸入してきて、これをこなすということになれば、これは現在残されたる機械をフルに運転するか、無理に運転するか、あるいはやみでやるかというようなことが行われてくると考えられますが、そういうことに対してどのように対策を考えられて、そのような輸入の増加をはかっておられるか承わります。

小室恒夫通商産業省繊維局長

○政府委員(小室恒夫君) お尋ねの点はまことにごもつともであります。私ども実は操短勧告を漸次的に率は引き下げましたが、比較的長い期間において維持して参ったのも、これは長い目で見て、果して綿製品の需給状況がそれほど逼迫しておるかどうか、長い目で見ればやはり相当供給過剰になるおそれはある。さっき秋口ごろの反動的な価格の下落もあるじゃないかということも申し上げたのですが、そういう事態も認めるものでありますから、操短、撤廃にしても、やはり慎重な態度をとったのであります。他方において最近の価格の値上りというものも、これはとうてい座視し得ないような事態にまで立ち至った。これは操短、撤廃いたしたわけであります。今後需給状況の変化に応じまして、また本法の運用ともからむわけでありますが、本法の運用の中で、過剰設備の処理ということで、一時的な封緘あるいは格納というような一時的な措置もございます。必ずしも廃棄というようなことだけではない、そういう運用も考慮し、また場合によって、どうしてもやむを得ない場合には操短ということも行政措置として並行的に考えていきたい、そういう場合に外貨割当等の実施せられている事態においては御注意のような点も十分考慮したいと考えております。

上條愛一日本社会党

○上條愛一君 納得は参りませんけれども、これ以上は議論になりますので差し控えます。

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) お諮りいたします。本法案に対する質疑は本日はこの程度で終了して、残余は次回に行いたいと思いますが、御異議ございませんか。

西川彌平治自由民主党

○西川彌平治君 異議はございませんが、だいぶ切迫もしておりますので、明日一つ午前十時にこの委員会を開いていただくということを希望いたします。

三輪貞治日本社会党

○委員長(三輪貞治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十分散会

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