社会労働委員会保険経済に関する小委員会 第3号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/05/18
会議録
○委員長(山下義信君) これより社会労働委員会保険経済に関する小委員会を開会いたします。 保険経済に関する件を議題といたします。 昨日に引き続き、本問題に関し、本日も参考人の方々の御出席を願っております。参考人の方々には、お忙しいところを重ねて御出席下さいまして、まことにありがとう存じます。丸山、成田の両参考人の方には、昨日すでに御意見の御発表を願っておりますので、本日は両参考人に対してこれから質疑を行いたいと存じます。 なお、補充的御陳述の御希望がございましたらば、発言を許可いたしますから、おっしゃっていたたきたいと思います。
○参考人(丸山直友君) 昨日この一枚刷りの資料を差し上げてございまして、その際、政府は予算編成の技術的方面の制約から見込みを用いられております。私どもはすでにただいまの時期のズレから実績を得ておりますので、実績をもって計算したということを申し上げておいたのであります。しかるに、私どもが一番下の欄の一点当りの金額、一番上の欄を例に引きますると、十一円七十一銭三厘、この数字を用いておりましたのは、この数字しか私どもの方では資料がございませんので、そのままにこれを使用しておったのでございます。しかし、これは多少予想を含んでおるものでございまして、その後政府側からこの一点当りの金額に若干の実績上の差が起ったということが本日判明いたしましたわけでございます。本日判明いたしましたその実績は非常に金額といたしましては、一厘でございまするから、非常にわずかの金額ではございまするが、そういう実績が本日判明いたしましたので、ただいまなおこの数字の置きかえを計算中でございます。後刻その修正を申し上げるようなことに相なるかもしれませんから、さように御了承願いたいと思います。
○相馬助治君 丸山参考人は大へんいいところにお気づきになったので……、昨日の私どもいただきましたこの三十年度の実績による医療給付費の検討という一枚刷りの資料の中で、三番目の一人当りの金額の問題につきましては、当委員会におきまして五月十六日榊原委員が厚生省に要求した資料が配付されて、三十年度年間実績が判明しているわけでございます。で、全部実績によったところの日本医師会の資料がこの点だけは政府の見込みを使ったというのは論理的に自然性を欠くものとして遺憾だと思っておりましたが、それが御自身でお気づきになり、その計算中であるというので、大へんけっこうだと思います。たとえその数字の差はわずかでも、なるべく取り急いでこちらの委員の方に御提出を特段お願いいたしておきます。
○参考人(丸山直友君) 承知いたしました。
○委員長(山下義信君) 丸山参考人に対して他に御質疑はございませんですか。
○田村文吉君 参考人にお伺いする材料として、政府の方のきのう来の数字についてのことをお伺いしたらいかがかと思いますが……。
○委員長(山下義信君) それでは田村委員の御提案によりまして参考人の意見に対する政府側の所見について聴取したいと思います。厚生省の方から御説明をしていただきたいと思います。
○説明員(小沢辰雄君) 私実際に計算の任に当りました者として一言申し上げたいと思います。 昨日、日本医師会の計算によりまするこの来年度の見込みの一覧表をいただいたのでございますが、これは私どももすでに実は今月の初めに当委員会の先生の方からのお問い合せがございましたので、そのときにすでに年間の実績に基きます三十年度の見込みをお出ししてそのときに全部当っておりますので、この数字につきましては、大体受診率につきましても、一件当り点数につきましても全部この通りであろうかと思います。 それから三番目の一人当り金額の欄は、今お伺いいたしましたように、二番目の一人当り金額が若干年間の実績で直しますとごくわずかの相違があります。それは榊原先生の御質問によりまして私の方で一昨日お出しいたしてありますので、それによって御訂正願えればけっこうだと、それもしかし今お話がありましたような、たとえば入院の十一円七十一銭三厘が十一円七十一銭四厘になり、齒科の十一円九十八銭二厘が十一円九十八銭五厘になるという程度のものでございます。 それから六番目がちょっと結核の公費負担額をさっき引いておられますが、この三十二円というのは一応来年の予算上の点でございますので、もしも実績をもとにした前年比をここですべて計算をしていくということになりますと、今年度の結核予防費の実績とそれを対二十九年度の比率を見た場合にその比率で修正をいたしますと、これが二十六円四十八銭一厘になるわけでございます。それだけがこの表のうちでいわゆるこの表をお作りになった考え方による点の若干数字の異なる点ではなかろうかと思います。しかしそれで私の方で前に計算をいたしました点からいいますと、ほとんど数千万の違いでございます。 ただ私ども、以下これから私どもの考え方を申し述べたいと思いますが、問題はこの三十年度の実績というものが、すなわち二月までの実績というものが出ましたが、この実績で直ちにその実績と二十九年度の増加割合を出して三十一年度がその増加割合のまま推移するというふうに見込むかどうかに問題があろうかと思うのでございます。その点を以下私どものお配りいたしました資料——大した資料ではございませんが、その考え方をそこで最初から一つずつ申し上げてみたいと思います。 で、簡単にわかりやすくいたしますために私どもの考え方を最初のガリ版刷りのもので書いておいたのでございますが、以下各項に応じまして概略御説明をいたしたいと思います。 第一番目に過去六カ年の——従って昭和二十四、五年の比率からでございますが、過去六カ年の一人当りの医療費の対前年比の増加率というのはその次の表にありますように、その高低がちょうど一年おきに現われておるのでございまして、毎年々々医療費が増加いたしつつも増加率の著しい年の翌年は増加率が低下をいたしまして、増加率の低下した翌年は著しく増加している現象が見られるわけでございます。これは次の表の右の方にございますように、二十五が対前年比二割六厘の増になっております。非常に簡単にするために一人当りの金額で出しておるわけでございます。それを今度二十六年には、その翌年は八分六厘に増加率が低下いたしております。それから二十七年には三割九厘というふうに著しく増加をしております。それから二十八年にはまたそれが一割六分八厘というふうに落ちております。ちょうど一年ごとに奇妙に増減があるのでございます。そういう点から見ますと、この過去の推移からみると、一応は来年は増加する年に当るのではないだろうかというふうに、傾向として私どもは考えていかなければならぬのではないかということを考えておるわけであります。 それから二番目はやはりこの表をごらんになっていただきたいと思いますが、毎年の年間の実績、すなわち二月までの一年分の実績を出しまして、それと対前年度の実績との増加比率を見ます。この増加率をその年の年間実績に乗じて、その数でそのままその翌年の医療費をきめてかかる考え方をとって、そういう考え方のもとに、すなわち昨日医師会の方からお出しいただきましたような今年度の実績というものが出ましたので、その実績に基いて、対前年の増加割合を見て、その増加割合を三十年度の実績に乗じまして医療費を出す、こういうようなやり方をとるというふうにいたしまして、過去数年間の予算を立ててみたと仮定をいたしまして、その予算と決算の比較をしてみて、果してそういう考え方が現実に合うものであろうかどうかを見て参りますと、相当の開きがその表にありますように明らかであるわけでございます。その表は二枚目にございます。これはちょっと御説明をさしていただきますが、一人当り金額の実績によります翌年度見込額調べとございますけれども、その実績と予算というものと比べてみた数字でございます。もちろん私どもの予算はこういうようには毎年過去は立てておりませんので、これは私どもの見込額ではないのでございますが、要するに、今のような考え方で立ててみました予算を過去にさかのぼって立ててみましたとした場合に、それが決算とどういうように違ってくるかということでございます。すなわちこの表で左の実績欄というのは決算の一人当りの金額でございます。それから二番目の見込額というのは、いわばこういう考え方で立てた予算額というふうに考えていただいていいかと思います。従いまして、例を二十六年からとって参りますと、一番右の欄にありますように、二十六年のもし予算を二十五年度の末に立てたといたします。その場合には二十四年と二十五年の増加割合というものを出すことになるわけでございます。その増加率で二十五年の年間の実績にかけていきまして、そこで予算を作るということになろうかと思います。その場合に、予算額は一人当り四千三十七円六十四銭八厘になるわけでございます。それがその年の決算でどうなったかということを実績によって見ますと、それが四百円も差が出てきている。従って三千六百三十六円七十三銭四厘という実績とのそこに非常に相違があるということが表われる、同様にして二十七年も、二十五年と二十六年の年間の比率を取りまして、その比率を二十六年の実績にかけて二十七年の予算額を立てたといたしますと、それが一人当り三千九百四十九円四十九銭三厘になる、それが二十七年度の決算と比較してみますと、二十七年後の決算が四千七百六十円でございますので、ここに約八百円の開きが出てくる、こういうことになってくるわけでございまして、以下毎年ほとんどそういうようなことで、もし予算を立てたといたしましても、全く著しい相違があるわけでございます。そこでこのことはどういうことを示すかといいますと、医療費の見込みの非常な困難性というものと、その年の増加率をその年の実績に乗じたのでは正確な見込みにならないということを表わしていると思われるのでございます。それが第二点でございます。 それから第三点は、御承知の通り、三十年度というものは特に医療費の増加率の低かった年でございます。これは過去六カ年の平均を見ていただいてもわかりますように、一番低い年であります。しかも一方、二十九年度というのは二割五分六厘も増加いたしました。特に医療費の高かった、増加率も実際の額も非常に高かった年度でございます。そこで高かった年度と低かった年度との間の比率で考えました増加割合というものを、特に低い実績を示した三十年度の実績にかけまして、それを直ちに三十一年度の予定数というふうにきめてしまうということははなはだ危険ではないかということを考えているのでございます。 それから第四番目といたしましては、先ほどの一ページ目の表でございますが、この表を見ておわかりいただけるように、増加率の著しい年はいずれも対前年比二割以上の増加率を示しております。すなわち、二十五年、二十七年、二十九年。そうして増加率の低い年度の平均をいたしてみましても一割をオーバーいたしているのでございまして、それが現実の過去六カ年の姿であるわけでございます。従いまして最初に私どもが申し上げましたように、高くなる年度に当ります三十一年度の見込み額を、特に低い増加率を示しております三十年度の対前年比率を取って直ちに計算しようとすることは相当危険性がある、少くとも、低い増加率を示している各年の平均の一割余の増加率を示しておりますものとの関係から考えましても、当然少くとも一割余の増加率を見込むのが妥当と思われるのではないか、こういうふうに考えているのでございます。 それから第五番目といたしまして、予算の見込みにつきましては何カ月間の実績、すなわち三十年度の年度の途中なり、あるいはその末で来年の医療費の計算をいたします場合に、何カ月間の実績を取って計算を、その年の実績を何カ月間とって計算したかという点、そういう点よりも、むしろ前年に比し、結果的に何%増と見込まれているかという点の方が、むしろ重要な問題であると思います。そうしてその増加割合が過去の数年間の増加の傾向というような、その実績等に徴しまして、その見込む増加割合というものが妥当であるかどうか、妥当であると判断される数字であることが必要ではないかというふうに考えるのでございます。そこで私どもがこの予算書としてお出しいたしまして、御可決を願いました健康保険勘定の収支の見込みの中で、医療費を一応計算方式としては十月までの実績をとりまして、年間の見込みを立てたわけでございますが、すでに法律案の参考資料としてお出しいたしましたように、三十年度の見込みを一応出しまして、それとの増加率を三十一年度は大体一割見当の増額を見込んでお出しいたしているわけでございます。で、そのときに私どもはちょうど二枚目の資料の左の方にございますように、二十八年度から二十九年度、資料の一枚目の左の方でございますが、二十八年度から二十九年、三十年の十月までの増加割合の実績というものを出しまして、これを二十八年、二十九年には若干の点数改訂及び期間延長がございましたので、これの影響を修正をいたしてみまして、この三カ年と考えられる増加割合というものの平均値をとってみますと、この表でありますように、一割一分九厘という数字になるわけでございます。一方において、これを頭に置きまして、ほぼ一割見当というものがかたく見積っても、少くとも一割の、政府は三十年度と比較しまして医療費の増をみておかなければ妥当性がないのではないかという判断に立って予算を計算をいたしておったのでございます。 従いまして、五番目に私どもが申し上げたいことは、来年度の医療費を見込みます場合に、今年度との比較の増加割合がどれぐらいの割合で増加を見込んでいるかと、その見込んだ増加割合というものが、過去の実績等に徴して、妥当であるか、あるいは不当であるかというような判断をすべきものであろうかと、その方がむしろ重点的に、来年の見込みを考える場合に考慮されるべき問題であろうという観点に立っておるということでございまして、その場合に私どもが、この計算方式をとりましたときにも、すでに一割見当の増を見込んでおったのでございます。その一割を見込んだ理由は、過去三カ年の平均値、もちろんこれを数年前までさかのぼればいいのですが、数年前の増加傾向というのは非常に大きい増加傾向を示しておりますので、二十八年から三十年までの増加傾向をそれぞれ、そうした必要な行政措置というものの影響というものを数字的に修正をいたしまして、いわば自然増的な意味の数値をとり、それを平均した一応増加率というものを頭に置きつつ、一割見当というものが妥当であろうという判断に立って計算をしたということでございます。 それから六番目は、収支の関係は当然に収入、支出の相関関係でございますので、もしも前年の実績と今年の支出の実際の額というものとの比率を見て、その比率だけで翌年の計算をする方式を支出の面でとるならば、収入の面も同様にそうした考え方を採用しなければいけないわけでございます。そういうことで、もしも計算を収入面で手がたくやるということになりますと、資料の三枚目にありますように、こうした収入の計算をやるという結果になるわけでございますが、その場合に、収入減と考えられますのが、約六億見当の収入減とならざるを得ないということになるわけでございまして、これはいわば一応収入、支出の関係からして、そういうことも考えられるということでございます。 でこれを要するに収入面、支出面ともすべて対前年比のみで計算をいたしまして、そうしてその前年比率を直ちにその年の医療費にかけて出すというようなことだけで、翌年の医療費を計算してしまうというようなことは、必ずしも実態を正確に表現しないというのが、過去の傾向等に徴しましてはっきりいたしておりますので、そういう点を考えまして、私どもの予算を考えていただきたいということでございます。 以上が私どものこういう考え方に対する、いわば私どもの見解でございますが、このいただきました資料は先ほども申し上げましたように、実績をそのまま採用いたしておられる数字は、私どもの数字とほとんど大差はないわけでございます。なお、もしも現在厚生省がこの二月までの実績というものを、判明した現実のこの今日、来年度の医療費をどういうふうにしからば見込むかということを考えてみますと、私どもとしてはこうした現実の実績の姿を見つつ、過去の増加比率を一応考えまして、これに予算的な修正を加え、来年度の医療費の見込みを立てるというのが、今日もし二月までの実績を見まして考えた場合には、そうした態度で臨むであろうということを最後に申し上げて、一応私どもの考え方を終らせていただきたいと思います。
○委員長(山下義信君) 今の小沢健康保険課長の説明です炉ね、ちょっと一番最後の意味のことがわからぬのですが、保険局長から最後の結びのところですね、この実績がわかって、この段階で厚生省としては云々と言われたんですね。それはどういう意味ですか、あなたから。
○政府委員(高田正巳君) 裏から言いますればですね、今かりに昨年の予算編成時当時にですね、今日のような実績がわかっておるとすればですね、その二十九年から三十年に伸びたその増加割合を、直ちに三十年から三十一年の増加割合としてとっつかまえたというそういう予算の積算方式はとらねかったであろう、なぜならば今るる御説明をし、この表に表われておりますように、この増加割合というものは波を打っている。それはそのはずなんです。前にふくれたものに対して今度小さいものの増加割合をとっていきますと、そういうことになるのです。従って適当な修正を加えたであろう。それで実は五月の初めに二月までの年間の実績がわかりましたので、私どもの方ではある先生にその資料を御提出いたしましたときに、その当時に、三十一年度の予算の検定を実はいたした資料がございます。そのときの検定では、三十一年度の増加割合というものは、三十年度と二十九年度の二カ年間、ただし二十九年度にはいろいろな措置の影響がございますので、その修正をした増加割合というものを平均いたしまして、そうしてこれを使って私どもは予算の検定をいたした。その結果は、四百四十五億七千六百九十八万二千幾らという数字が出ておりますが、大体私どもが組んで、議決をいただきました予算よりは、三億見当ちょっと増加しておるというふうな検定をいたしたことがございます。
○委員長(山下義信君) それはこういう意味ですか。三十年度の実績がわかって、そしてその実績を基礎としていわゆる現在の三十一年度予算を検算してみたらば、三十一年度よりはむしろ逆に医療費は三億円ほど増加するものと考えられる、こういう意味ですか。
○政府委員(高田正巳君) 三十年度の実績が出まして、その実績の実際の絶対値をにらんで、それを過去のいろいろなたとえば第一表の左の方にございまする最近の三カ年間の増加割合というふうなものの平均値、しかもこれは修正をしました平均値でございます。そのなまの数字は右の方にございますが、そういうふうなものの一割一分九厘というふうなものが出ておりますので、従ってこれらをにらみ合せ、なおかつ増加割合というものが波を打つという——これは波を打つのが当りまえなんで、波を打つということを考慮に置いて三十年度の絶対値というものを検討したであろう。従って、ちょうど十月までの実績をとらえ得ることのできた予算編成当時と同じような計算方式をとらなかったであろう、こういうことでございます。
○相馬助治君 そうすると、局長の説明していることはこういうことなんですね。かけ算計算ですから、かけられる方が見込みのものであったからああいう計算をしたのであって、その見込みの方が実態を日本医師会がやったようにつかんだ場合には、ああいうかけ算はしなかったであろう、かける数字というものはああいう数字をとらなかったであろう、こういうことを説明しているのですね、ざっくばらんに言えば。
○政府委員(高田正巳君) それよりは、結局こういうことなんですね。われわれの予算の編成方式は、二十九年度と三十年度の実績でわかる程度のものを押えて、その増加割合を見た。そうしてその増加割合をそのまま三十一年度にスライドしたわけです。三十一年度の増加割合としてスライドした。ところがそれはそのときにわかった増加割合というものは、過去のいろいろな経験なり実績というものから大体妥当であろうという判定ができたから、それでそれに何らの修正を加えないで、そのまま三十一年度にスライドした、こういうことなんです。ところがこれはこの絶対値というものが、かりに三十年度年間の実績のような六分九厘というふうな絶対値が出てきたならば、これは修正をして使わなければならない。いきなりスライドするということは、過去のただいまいろいろお示しをしておりまする資料から申して、特に第二ページの資料のごとく非常なあやまちが出てくる。従ってそれは適当な修正を加えなければならないということが常識でありまするから、それはさような方式をとったであろう。
○委員長(山下義信君) ですから政府の言うのは、三十年度の実績というのが十月までにわかったときの予算の立て方は、こういう方式をとった。ところが年度の全般にわたっての絶対値がわかったときには、また別のその後のいい予算の見積り方式を使わねばならぬ。もし全部がわかったらば、使うたであろう。要するところ、未確定の要素が多いときにはこうしたが、しかしながら、確実な要素がわかればわかるほど、その予算見積り方式というものは、その要素がわかればわかるほど、いろいろ都合のいい方式を別に考えて予算を立てねばならぬ、こういう御説明のようですね。
○政府委員(高田正巳君) 委員長のお言葉で、非常に私どもの真意と違っているところがあります。それは都合のいいでなしに、たとえば第一表の左の方にありまするように、あるいは過去三カ年間の平均の増加率を見ましても、一割一分九厘というのが出ておる。それから過去六カ年の増加率の少かった年の平均をとってみましても、これは一割八厘というあれが出ておる。従ってわれわれの考え方としましては、むしろそういうものを頭において、そうして一体どういう計算方式をとるならば、一番来年度の医療費の見積りに正確を期し得るか、こういうことを考えたのでございます。従って端的に申し上げれば、六分九厘というふうな増加率であるならば、それをそのままスライドさして、三十一年の増加率にとりますることは、これは第二表に示すように非常な危険性がある、これは過去の実際の数字がさような格好になっておるから非常に危険である、こういう考え方でございます。
○榊原亨君 厚生省にお伺いいたしまするが、第二表と言われておりまする一人当り金額実績による翌年度見込み額調べ、これは前年度の実績等を使って費用を出しまするというと、非常に見込み額と実績が違う、こういう例証にこれはお出しになったと思うのでありますが、見ますというと、見込み額よりも実績が減ることもあるし、ふえることもあるという実情でありまして、結局これは、大体こういう見込みをすれば、減ることも、ふえることもあるが、大体平均をとって見れば、当らずとも、遠からずということであって、前年度のこういう方式をとるといつでも実績の方が減るのだ、そこで予算は大へんなことになるのだ、こういうお話にこれはならぬと思いますが、これはいかがですか。
○政府委員(高田正巳君) これはそういうふうには使えない資料でございます。むしろ今先生が御指摘のように、そういうふうなことをやりますと、ある年は見込みよりも実績の方が少くなる、ある年は見込みより実績の方が多くなる、それが必ず一年おきにこうなっております。すなわち第一点として御説明をいたしました増加率には波がある。それは波があるはずなんで、第三点で御説明をしておるように、高いものと低いものとの増加率をとって、低いものの実績にかけていくというのですから、翌年は高くなるのは当りまえであります。そのことをこの第二表も証明しているわけでございます。
○榊原亨君 ただいまの御意見は、厚生省の御意見として承わっておくのでございますが、私はこの表を見まして、そういう判断にも使えないという御意見については、私は異議があります。結局これは意見でありますから、あとからまたいたします。その点で相馬先生何か、この点について……。
○相馬助治君 委員長がただしておられることを私もただしたいのですが、私はただいま厚生省の説明の中の六項の収入の問題、これは別途の事態でございます。そうしてこれはあなたたちのおっしゃっておることであって、これは日本医師会で資料を出した点も、私この点については丸山参考人としても反駁するものを持っていないと思います。資料が出ていないのですから……。そこで私は山下委員長があなた方にお尋ねしているような点をはっきりさせないと、論理を組み立てていくことが違っておれば話にならぬと思う、こういうのです。今度は数字の指数を便宜に書いておったのではこれまた話にならぬので、一々確かめたいと思うのです。私たちこの小委員会に配られた歳入歳出予算明細書、この資料は本日説明したこの精神をもって作られていますか。
○説明員(小沢辰雄君) 先ほど簡単にその点について触れましたので、今お尋ねの点について、もう少し詳しくお話ししたいと思いまするが、おそらくおっしゃることは提示されている計算方式というものは、こういう計算方式というものが最も確実であるという観点に立って厚生省は出しておりながら、しかも今日、いわばこの実績が非常に下った実績として数字が表われてくると、今度は別の考え方でいくべきだというような言い方をしているやにおそらく受け取られて、それがおかしいではないか、こういうことであろうかと思うので、その点少し私どもの考え方をもう少し詳しく申し述べさしていただきたいと思いますが……。
○相馬助治君 念を押しておきますが、私の聞いていることは、ざっくばらんに言えばこういうことなのです。こういう歳入歳出予算明細書というものをわれわれのところに資料として出しておられた、ところが、この数字を使って丸山参考人は新たなる資料を提出された。そこで厚生省は、この丸山参考人の資料を見て、そうして丸山参考人の資料を反駁するためにこういうものを作られた、こういうことなのか、反駁するために作ってみたけれども、作ってみたらば、なるほど自分たちの計算もまずかった、自分たちが前に出したこの資料もまずかった、それではその方も思い直して、ただいまでは実のところまことに前の資料は申しわけないことで、かくかくのごとく考えておりますと、こういうことになっているのか、こういうことを私は聞いておるので、むずかしいことを聞いているのじゃないのです。
○説明員(小沢辰雄君) おっしゃることはよくわかりますが、最初に私申し上げましたように、この医師会からお出しになりました数字について反駁を申し上げるつもりではないのです。これはそのまま私どもの実績として表われたのであります。ただ、私どもが十月に、最終的な大蔵省との予算の折衝をいたします場合に、まず、われわれがどうしたら最も三十一年度の医療費を見積るのに一番妥当な数字を得得るだろうかという点をいろいろと考えたのでございます。過去の予算の編成の実際もやはりその点を、一番過去の傾向が、非常に狂いが出ておりますので、その点が一番議論の種になる点でございます。それは最初にお出しいたしました二十八年から三十年までの予算と決算の対比表を見ていただいても端的に表われているのでございまして、二十八年も、二十九年も、三十年も絶えず医療費に関しましては、収入もそうでございますが、予算というものと決算というものは相当の違いが出てきているのでございます。そこで私どもは来年の医療費を考えます場合に、まず二十九年度と三十年度の増加割合というもの、あるいは二十八年と二十九年の増加割合というもの、あるいは二十七年と二十八年の増加割合というもの、こういう過去三カ年のいろいろ傾向を見てみまして、それをただ単に一人当りの統計上出ております金額だけで比較はできませんので、そのときの行政上いろいろやりました措置というものの影響というものを修正いたしてみました。そうして過去三カ年の一応平均を考えてみますと、約一割二分見当の増加を示しておったのでございます。それで一方、三十年度の十月までの実績によって対前年比を考え、それで三十年度の見込みを作りまして、それからその見込みを基礎にして三十一年度を考えましたときに、ほぼ増加割合が一割であったわけでございます。そこでどういう計算方式で三十一年度を見込むかということをいろいろ検討しましたときに、とにかく赤字というものが二十九年度来われわれの重荷になっておりまして、しかもそういうときにいろいろな対策を同時に織り込んでいく考え方をとりました場合には、できるだけやはり三十一年度の見込みについては手がたくいかなければいけない。そこで三十年の実績による比率で見込みを出し、見込みを出したものにさらにそれと同じ増加割合で推移すると考えたときの結果が一割増でございましたし、一方三カ年間の実際の平均が一割一分九厘である、これを頭におきまして、この一割、少い方のむしろ増加率をとって考える。同時に、一割見当は見込んでおかなければ、やはり過去の最も低い増加率を示した平均を見ても一割一厘弱であるというような頭で考えまして、そういう観点から一割増というものを見込むことが最も妥当であろう、こういう観点から今の三十年の実績による前年比の計算方式をとって、これを採用することによって予算書を組んだわけでございます。そういう意味でございます。
○相馬助治君 話というのは簡単にしちゃわからない場合と、丁寧にすればなおわけがわからなくなる場合と二種類あるのですがね、私はイエスとノーと聞きますよ、ノーという場合には説明してもらいます。丸山参考人の出した資料は実態を調べて政府が作られた資料と同じ方式によって作ったと課長は認めますか。
○説明員(小沢辰雄君) それはその通りでございます。
○相馬助治君 そういたしますと、ただいまあなたは丸山参考人の出した資料のような見方をしていると、実態にそぐわない危険な場合があると御指摘になりましたか、なりませんか。
○説明員(小沢辰雄君) 私どもはこれをそのまま来年度にもっていくということは危険であるということを申し上げました。
○相馬助治君 そうしますと、話を戻して、その危険であるという丸山参考人の資料は、政府に学んで作った方式によるのですから、当委員会に提出されたこの資料の出し方というものは、実態がわかった現在において信頼すべきものでない、ないしは危険なものであるというふうに、この資料そのものに対して反省をされておりますか、おりませんか。これは依然として正しい、こうおっしゃいますか。
○説明員(小沢辰雄君) その方式で計算をいたしました増加率の結果については、これが正しい見込みであろうと今でも思っております。
○榊原亨君 関連質問、これは今までたびたび厚生省から私はこの予算のことについて承わったのです。そこできょう厚生省ががお出しになったような話は私どもは一つも聞かぬのですね、ただ三月から十月までの比を今度はスライドさせてやったという話でありまして、その前段の話は私聞いたことがない、今まで。ところが、きょう厚生省が突如お出しになったのは、われわれはいろいろの過去の実績を調べてみたところが、どうもこれくらいの見当であるという、その見当炉わかった、その見当を頭に描いて、そうしてこの昭和三十年の三月から十月までのやつを見てみたところが、大体その数に合っていたから、その数を使った、こういうお話のように私承わるのであります。そういたしますると、われわれに示されました資料は、その三月から十月までの数字をとったというんだが、そのとったというのは、ただ頭に描いたものと偶然にも一致したからこれが出てきたという話でありまして、その頭に描いたという方式はきょうお示しになりました昭和二十四年から三十年のいろいろの実績を見て、大体これくらいの見当だと、そこできめておられる。それならばそれでわれわれにこれをお出しになりましたときに、きょうお出しになりましたようなことで、いろいろ過去の実績で見て一年おきに上ったり下ったりすることもあります、あるいは一割見当見なければ危険でありますと、そこでこういうことでありますが、たまたま昭和三十年の三月から十月までの実績を見てみたところが、増加率も受診率も大体それに近いところでありましたので、一応この数字をとりました、こういうお話が初めからあれば私どもはわかる。ところがそういうお話も何にもなしに、いよいよ追い詰められてしまったところが、突如として一夜づけでこれが出てきた。そうしてその前の重大な話の問題のところで、こういうことでいろいろ勘案した結果、頭に描いていたのが大体これくらいの数字だったところが、偶然にも昭和三十年度の増加率を、受診率を見てみたところが、これくらいのところが適当であったので、それでこういうものを出した。ところが、実績において一年分を見てみたらこの数は少くなるんだから、そのときは話は別だというようなことは、これはもう通用せんですよ。むしろそれならば初めからわれわれにきょうのお話が出てこないと——予算の説明のときに出てこなければならぬ。一回も私は、たびたび厚生省から聞いたんだが、まだ出てこない。きょう初めてそういうお話を承わるからその点はいかがでございますかということが一つ。もう一つ、日本医師会から出しておられます年度別診療状況図表というものがある。この図表が間違っておるか、間違っておらぬかということを一つ厚生省の御意見を承わりたい。その二点を承わります。
○政府委員(高田正巳君) この図表につきましては、特別詳しい検討をいたしませんでございましたのでわかりませんけれども、間違いはないだろうと思います。 それから前の点に関連してでございますが、厚生省は突如としてそういうことを言い出したんじゃないかというお話でございますが、私どもとしましては、予算の計算基礎はどういうことであるかという予算の積算基礎のお尋ねがございましたので、このお配りしました積算基礎を御説明いたしたわけでございます。しかし、予算を編成する場合、いかなる計算基礎で予算を積算するかということ、その計算方式自体がいつでも論争になるのでございます。それでたとえば、三十年度の医療給付の予算を積算いたしました際には、二十八年度から二十九年度への上昇、増加割合、それをそのままスライドさせておりません。そこに修正を加えておるわけでございます。それはなぜと申しまするならば、先ほど来御説明しておりまするように、二十九年度は異常に増加割合の高い年でございましたので、その増加割合でそのまま三十年度にスライドさせることは、これは非常に過大な見積りになるおそれがある、こういうことで、計算方式の中に修正を加えておるわけでございます。そういう修正を加えるかどうか、すなわち言葉をかえて言えば、計算方式そのものが非常にこの予算の編成のときには論争になるのでございます。なぜそういうふうな論争になるかと申しますると、結局は過去の長い間の経験に徴して、あるいは過去の数字をいろいろ検討して、こういう程度の増加割合を見ることが来年度としては妥当であろうという一種の、大蔵省にも私どもの方にも一つの見込みというものがあるわけでございます。で、従ってそれを頭に置きながら計算方式の論争をいたすわけでございます。従いまして本年度の計算方式といたしましては、その当時わかりました実績というものを押えてみて、そうしてそれをそのままスライドさして差しつかえないだろうということに見解が一致をいたしまして、そうしてそういう計算方式をとっておるわけでございます。
○榊原亨君 今の年度別診療状況図表というもの、これを御検討にならぬというのは、これはきのう日本医師会から出されたものについてきょうは日本医師会と対決するのだ、丸山さんと対決するのだ、そこで十分御研究下さいと、きのうあの場で、いろいろ聞きたいことが二、三あるのだとおっしやいましたが、これは一つ一晩寝ずにでも、日本医師会の方も寝ておらぬのだから、あなたの方も寝ずに一つ検討しておいて下さいと言ったところが、この図表を見ておらぬというのですね。これはとんでもないことですから、ちょっと下僚にこの図表が正しいかどうか、十分御検討を願いたい。そんなずさんなことでは、だらだらしたことじゃ困りますよ。この最終段階で何とかきめなければいかぬ、それが図表を見ておらぬと、図表を見ればだんだんだんだん頭打ちになってすべてのものが下ってきているということがすぐわかる。下ってきていることがわかれば、また来年度はひどく上ってくるなんということは言えないはずだと思うのだが、その点はどうですか。一つこの表が正しいかどうか、早急に今速刻お調べ願いたいと思います。
○委員長(山下義信君) グラフの検討を政府の方で至急して下さい。
○相馬助治君 私は局長に実態を明らかにしたいことは、丸山参考人が提出された資料通りに来年はいかないかもしれない、赤字がそのように出ないかもしれない、そうかもしれない。私が問題にしているのは丸山参考人の出された資料というものは、実態をつかんで政府が予算作成上やった計算方式をそのままとり入れて出してきているというところに、これは動かしがたい信憑性ありとして当委員会はこれを問題にしている。そこで積算の基礎は、これは何人が使うのも同じでしょう。計算の方式が論じられた場合に大体出るであろうという赤字を想定して、そうしてこういう計算をとったところが、こういう数になったからそれでこういう計算方式をとったのだというならば、これはけしからぬとか何とか怒ることは私は知っておりますが、そういうことは一切感情を抜きにして、仕方がない、この方式をとったのだと、ところが大体の見込みの赤字がぴしゃっといったものだから、こういう資料を作ったのですと、それでいいのです。ああそうですかと私は聞く、それだけなんです。それに文句を言うとか言わないとかは先の話なんです。それを私は聞いておる。どういうことなんですか。
○政府委員(高田正巳君) 今のは非常に相馬先生私どもの申しておることを誤解していらっしゃるように思いますが、大体このくらい赤字が出るだろうということでその数字に合したと、また数字に都合のいいようなものが出てきたから、それを計算方式に使ったと、こういう仰せでございますが、まず赤字がどのくらい出るだろうかということは、私どもが収入と支出との見積りをそれぞれ妥当と信陰る方法によって計算をして、その差額が出るのでございます。それで、この今申し上げておることは、医療給付費の支出面でどのくらいに見込んだらいいかということが論争の中心でございます。従いまして、赤字は別にここの場合には関係はございません。 それでなお私どもが申し上げていることを御了解いただく意味におきましてつけ加えて申しますれば、私どもは支出面ではかような計算方式を、その当時の出て参りました増加割合の絶対値をにらんで、妥当なりとして、その増加割合を三十一年度にスライドさしておりますけれども、収入面ではさような計算方式をとっておりません。もしその計算方式自体がどうというものであるということであれば、収入面でも同じようなやり方をするのが普通常識で考えられるところであります。しかしながら収入面では、御説明をいたしましたように、別の計算方式をとっておるわけでございまして、その計算方式自体は、すなわちもう少し言葉を詰めて申しますれば、前年の増加割合を直ちに翌年度の増加割合にスライドさせるという点でございますね、その点が来年度の見積りをいたすのに妥当であるかどうかということを検討しなければならないので、スライドさせること自体が大事なのではございません。そういうことをすれば妥当なものが求められるであろうかどうかということがむしろ問題なのでございまして、その増加割合をそのままスライドさせるということが、それが大事なんだということではないのでございます。(「おかしいね」と呼ぶ者あり)
○相馬助治君 あのね、話を複雑にしないでほしいのです。この収入の問題については実は、秘密会の話をすることはいかがかと思うけれども、秘密会においても田村委員からこれは指摘されているのです。医師会に対して指摘されているのです。従って、収入の問題については別途論じたいと、私は質問の場合に最初からもう申しておる。今も論じておるのは支出の問題だから、話はよけいな素材を中に入れないでほしいということを一点申し上げて、次の質問をします。 私は誤解しているのじゃない。で、あなたが誤解していると聞くならば、それは私がわからないのです。あなたらの説明がわからない。別な言葉で言えば、納得できないのです、私が。で、私は責めていないのです。厚生省の実際の腹と、それから現在どう考えているかという実態を知りたいのです。で私が聞いておるのはこういうことなんです。積算の基礎というものは、これは何人が使ってもそこに見当をつければ、動かしがたい絶対的なものだと、ただ動いてくるのは何だというと、計算方式なんですね。計算方式がこれは非常に動く。ところがこの計算方式というのは足し算、引き算じゃないのですね。かけ算なんです。かけ算であり割り算なんです。従ってその影響するところは引き算、足し算と違って、非常に大きい。指数は小さいけれども、表われてきた値というものは非常に大きい。これはもう尋常六年をやった者ならわかる。そこで私が聞いておるのは、計算方式に議論がありましたと局長が言うから、それを認めたわけなんです。で、議論があった場合に、赤字が大体このくらい出ることを政府が期待して、こういう計算方式をとったと相馬は思っているのかと、こういうことをあなた言っているが、私はそんな悪意な質問はしていないのです。幾らなんでも厚生省はまさかそういう態度をとらないであろうことは、私も十分わかっているのです。私が聞きたいのは、計算方式にいろいろ問題があったと、ところがこういう計算方式をやってみたところがこういう結果が出たと、そうして小沢課長が言う通りに、政府自体としては手がたく踏まなければなりませんと言っておるから、その手がたく踏まなければなりませんという期待にも合致する大体の数字が出てきた、そこで便宜的ではなくて、この計算方式はおおむね妥当であろうというので、こういう資料を作られたんです、それでわかる、それならそれでいい、どういうことなんです。
○政府委員(高田正巳君) 今相馬先生がおっしやったようなことでございます。
○相馬助治君 その点はわかりました。
○田村文吉君 少しゆっくと聞かしていただきたい。 それで私ども常識的に考えると、一年おきに非常に波を打っているという数字を今拝見したのです。従いまして、前年度の例をもって今年もすることが必要であるという御説明はごもっともです。しからば問題になるのは、なぜ前年度のある月の分のものをもってそれに乗数をかけてお出しになったか。これは予算を作る上において、毎年予算をお作りになるのは大体同じ月、同じ方法でおやりになっておるのか、私はそれを第一に伺いたい。そういう方法で毎年やって、これが実際の累年の増加率にやや近いという先ほどの課長の説明ですね。それであるからそれを用いたんだということならまた一つの筋が通る。それでお用いになった数字というものは、毎年予算をお作りになるときに毎年そういう数字を大体お使いになるんですか。年によってお変えになっておるのか、そういう点をちょっと伺いたい。
○説明員(小沢辰雄君) 二十九年から三十年の医療費を計算をいたします場合は、大体考え方は私どもが三十一年度に一応計算をいたしましたような考え方でやりましたけれども、相当の修正をいたしまして予算を組んだというのは、増加割合につきましては、あるものはその半分に見た、あるものはそのままの数字を見たといたしまして相当修正をして予算を組みました。従いまして今年の予算と基本的な考え方は同じような考え方に立ってやりましたのでございますが、その増加割合については相当修正をいたしまして、それは見込みの困難性という点から、先ほどいろいろと、たとえば入院については一応一と見るとか、あるいは歯科その他のものについては増加割合を減らして見るとかいうようなことでやったのでございます。二十八年から二十九年の計算といたしますときには、過去三年の実績を勘案してそういう考え方を中心にして作ったのでございます。私実は前のことでございますので、あるいは間違いがありましたらあとで訂正いたしますが、そういうようなことでございます。
○田村文吉君 私も過去こういう波を打つ、しかも一年ごとに非常な変化があるというような場合ならば、過去四年間を少くともとるというようなことが正しい増加率に対する観測でなければならぬ、こう思うのでありますが、いただいた表から見ますと、今お出しになった数字よりは、はるかに多い乗数が出ておるんですね、増加率が。なぜその数字をお出しにならないか、私はもっと、たとえば前年対比で申しまするというと、第二枚目の表でございますが、二割五分七厘もふえておりますですね、前年対比が。こういうような数字が出ているのでありますので、どうもお出しになった数字が非常に遠慮されて出していられるような感じがするんですが、もしこの数字をお通しになるならば、もっとその数でかっきりとお通しになってもよかったんじゃないか、こう思うのですが……。
○説明員(小沢辰雄君) お尋ねの点はごもっともなあれと思いますけれども、実は二十五年以来の全体の六カ年の平均をとってみますと一割八分二厘くらいになるわけでございます。しかしながら、できるだけ過去の年度に全部さかのぼりまして、その絶対の平均をとっていくのが一番あるいは見込みとしてはいいのかもしれぬとも考えたのでございますが、しかし、それにはいろいろな行政上の措置が加わった計数も中には相当あるのでございますので、従って私どもとしては、その左の方にございますように、大体過去三年くらいの、しかもその増加率から一応行政上の措置による影響というものもいろいろ取り除いて考えて、修正して考えてみまして、それの平均をとってみましたところが一割一分九厘というような数字が出たのでございます。しかしながら、私どもは三十一年度の予算をきめます場合に、先ほど申し上げましたように、大体二十九年度の考え方を踏襲して一応計算をしてみると、一割増見当の見込みになる。そのいずれをとるかという場合に、今日のような考え方の方に一割の増加率の方を採用して今日の計算方式による予算の組み方をいたしたのでございます。
○田村文吉君 とにかく、昨年の増加率でそのまま今年押すということは無理だということについては、これは数字を拝見してそういうことは考えられます。考えられますが、しからば、お立てになった基準というものは一体何によってやられたかということになると、少々腰だめ式にまあこのくらいもあろうかということでなすったのだか、それの根拠としては、一応昨年の八月までの数字ですか、この数字をもって予想としてお推しになった、こういうようなことに聞えるのですね。そういう点は少しく私まあ計算の基礎として遺憾の点を持つのでありまするが、そこで私は丸山参考人にお伺いいたしたいのでございますが、丸山参考人は今政府の言っておられます昨年の実績をもって推すということは無理なんだ、要するにもう少し過去四年なり、五年なりの実績というものをある程度勘案しなければならないのだという政府の主張に対して、日本医師会としてはどうお考えになりますか。去年の実績で今年は必ずいけるだろう、こういうお見込みがお立て得るでありましょうか。どうでございましょうか、お伺いします。
○参考人(丸山直友君) お答えいたします。 これは予算の編成の技術でございますから、私どもとしては特に申し立てるべき筋ではないかと思いますけれども、前年度の実績をそのまま私はただ昨日来実績を申し上げただけで、これを予算の編成においてどういうふうにお使い下さるかということは、これは私どもの実は考え方では申し上げておらぬのでございます。 今の御質問に関しましては、私どもは医療の費用というものは、なるべく危険率をたくさん見込んでいただいて、たくさん払っていただける方がけっこうなのでございます。その通りでございます。窮屈になりまして支払いがおくれましたり、いたずらに行政措置によって診療の内容を制限するというようなことがあるということに関しましては困る。それはその通りでございます。そういう意味から申しまするならば、予算さえたくさんおとり下さって、見込みはたくさんなるべくおとり下さって、膨大な予算をお組み下さることを私どもは実は希望しておるわけであります。いかなる方法をおとり下さっても安全率をなるべく高くごらん下さることの方が私どもとしては希望するわけでございます。ただその場合、そのために赤字を生ずるから、その負担をどうするか、その負担の部分は患者の負担にして医者が勝手にとれるというようなやり方でおやり下さるというと、私どもはいたずらにそういうわがままな予算の組み方をしていただくということに対しては修正を加えなければならぬ、そういうことに相なります。でございまするから、予算の編成技術としては何年分をとろうが、三年分が正しいと考えられる考え方もあると思います。三年分よりも十年分をとるのが正しいという考え方もあると思います。何が正しいかという標準になりますと、これはおのおのの見解の相違でございます。一年分が必ずしも正しいとは申されません。しかし、私どもは現実に科学者として実際仕事をしておるのであります。私どもは実績を尊んでものをしゃべっておるだけでありまして、それをどうお取扱い下さるかは、これは政治家がお取扱い下さるわけでありまして、私どもはあながちそういうところまで差し出がましく御注文申し上げるということばいかがかと思います。 それから波を打つというお話でありますが、その点についてちょっと感想を申し上げてよろしゅうございますか。
○田村文吉君 どうぞ。私も実はその問題について、政府に伺ってみたいと思っておったのでございます。幸いですから参考人の方からも伺いたいと思います。
○参考人(丸山直友君) 波を打つということに関しましては、政府からお示しになりました、一人当り金額実績による翌年度見込額調によりましても、金額といたしましては、大体において実績は漸増しておるということは確実の数字が出ております。それから見込額におきましては、二十六年から二十七年が一つ落ちておるだけでありまして、その後はやはり見込額としては漸増をしております。同じく漸増しておりながら、その実績と見込額というものの差というものが今度は波を打っております。これはどういう理由でございますか、政府がこの見込額の増加あるいは増加率を波を打たせて計算をしておったという結果この波が起ったのか、あるいは実際の実績の方が波を打った結果がよけい影響して波となって現われたのであるかという両方のファクターがここにあるわけでございます。他の一枚のこれを拝見いたしますと、医療給付費一人当り金額年度別比較表では、明確に一・二〇六が一・〇八になり、さらに一・三というふうに、前年度の比が非常な差をもって波を打っておるということから拝見いたしますと、医療給付費の波を及ぼしておる影響が非常に大きいのだということに相なるわけであります。なぜこういうことが起るかということでございます。これはいわゆる行政措置というものが影響するものでありまして、政府が予算が窮屈である年度において、若干の窮屈を感じた場合においては、翌年度においては行政措置において給付費を押えるような行政措置がとられる。その結果一人当りの金額というものが若干そこに縮小がある。少しそのためにその年の年度にゆとりがありそうなことになると、直ちに政府は手をゆるめてくるんじゃないかというふうなファクターが多少ここに現われておるのでありまして、結局これは赤字を出そうが、小さくしようが、大きくしようが、政府が勝手にやれるのであります。言いかえますと、政府の方針によって非常な影響を受けている。その年度の経済のワクによって医療というものがよくなったり悪くなったりするというようなことは、私どもとしては考えられないのであります。考えられないのにかかわらず、実際上の一人当り金額というものがこういうふうに波を打ってくるということは、そういうようなファクターが現われております。つまり健康保険の医療というものは妙な制約を受けておる医療であるということを申し上げたいと思います。
○田村文吉君 私この点を政府に伺いたいと思ったんですが、あまりにも偶然に一年おきに非常に率が変ってきているということですね。これは一体ただ偶然のような御説明でもあったのでありまするが、こう三回も一年おきにつながっておるということは、ちょっと私ども合点がいかないのですが、何か御説明下さる材料はありませんか。
○政府委員(高田正巳君) これは先ほど私が御説明申し上げましたように、一人当りの金額そのものは漸増をいたしておるのでございますが、波は対前年比の増加率が波を打っておるわけでございます。それはなぜかと申しますと、先ほど縦書の第三点としてそこに指摘しておりますように、対前年比が大きく増加した年は、それに対して翌年を比較いたしますと小さくなり、小さく増加したものに対してその翌年を比較しますと大きくなるというふうなことに——これは数学者でございませんので、私のしろうと考えでございますが、そういうことからこういうふうになっておるのではないかという私の感想でございます。 それからなお、この一番目の表に二十四年からの実績が押えてございますが、その前をなぜとらなかったかという御疑問が出るかもしれませんが、その前までは非常に異常な年でありまして、インフレの進行時代でございまして、一年に三回も単価を非常に大幅に改訂をしたとか、あるいは被保険者数が非常に激減をしておって、それが二十四年ころから回復をしたとか、それからなお、たしか基金の制度ができましたのが二十四年でございます。そういうふうな関係から、その前の数字というものは今日の場合には、全然数字として対照する価値がないということに、実は保険の方では一般にそういうふうに申しております。七人委員会等でもそのことによって、二十四年からのあれをとっておるわけであります。 それから行政措置の問題でございますが、行政措置で手心を加えましたというのは、引き締めたのは三十年の九月だけでございまして、その他は行政措置によって引き締めたりなどしたことはございません。ただ行政措置が影響しておりまするのは、この間に結核の療養期間を二年から三年に延長いたしましたとか、あるいは単価の改訂がこれはわずかでございますがございましたとか、そういうふうなむしろプラスになりまするような行政措置だけでございます。
○田村文吉君 前年が上り過ぎたから翌年が下るのだというような、今の数学的な根拠が何かあるかのようなお話がありましたが、私はちょっと納得ができないのでありますが、それぞれの年にそれぞれの理由があってこういうふうな変化が出たのであるが、一年おきにこういうふうな波が打つのだということは、必ずしも期待すべきものではないと、ただそれぞれに理由があったのだと、偶然にこういうふうになったのだと、こういうことなら、あえてそのこまかい説明までお願いしなくてもよろしいのでございますが、どうなんですか。
○相馬助治君 田村委員の答えと一緒に答えていただきたいと思いますが、保険局長の説明では、行政措置をもって医療費を左右させたことはないと、こういうことをおっしゃるけれども、私は端的な実例があると思うのです。歯科医師に対して補綴材料の金の使用がばかばかしくひどいではないかというようなことを言って押えた事実がある。今の世界の医学の帰結から見ても、金にまさる補綴の材料はないということになっておるのですね。どんな材料でも金にまさらないということになっておる。私程度の者まで知っておるのだから、これはお医者さんの仲間ではもちろん常識なはずである。それにもかかわらず、金の使用が非常にひど過ぎるぞというようなことを言って押えて、そうして医療費がだいぶ落ちて、厚生省がほくそえんだ事実があるのですね、これはどういうことなんですか。
○政府委員(高田正巳君) 田村先生の御質問に先にお答えいたします。今申し上げましたように、療養給付期間の延長でございますとか、それから単価の改訂でございますとかということはございましたけれども、この波がこういうわけでこうふうになったのだということの、的確な説明はどうもつきかねるように——専門家もつきかねるように私は思っております。結局こういうふうに、過去の実績を振り返って見ると、こういうふうになっておったということではあるまいかと考える次第でございます。 それから相馬先生のお話でございますが、これは確かに先ほど私が申し上げましたように、三十年度の九月から、今の金の取扱い関係、その他結核の入院関係でございますとか、あるいは薬治料の支払いの方式の変更を加えますとか、そういうふうな引き締めの措置をとっております。
○相馬助治君 そういう事実はありますね。
○政府委員(高田正巳君) 事実はございます。それは先ほども私申し上げました通りでございます。
○委員長(山下義信君) 私から一、二伺いたいのですが、きょう厚生省から出されました収支の見込みについてということですね、第一項の——各委員から御質問のありましたやつをまとめるようになりますが、年々高低があるということですね、何かこれには必然的な論理的なものがあるのですか。あると思いますか、これは偶然ですか。こういうことを言うと、まるで米か麦の作を言うようで、凶作と豊作が互いにきておるというようなところであるのか、今年がちょうど高くなるということをこれは書いておりますが、そういうことは理論的に根拠というものはないでしょう。たまたまこういうふうなことになっておるというだけのことであって、何かこの理論的な根拠があると思いますか。ただあるかないかでよろしゅうございます。当局の所見は。それでこうなっておるから今年は、三十一年度は高くなる年だと、こういう見方でありますが、これはいやしくも保険理論から言って、こういう見方、それは一つの見方で、偶然そうでありましょうけれども、今年は高くなる年だという何か保険理論の上で理論的根拠が持てますか、実際。
○政府委員(高田正巳君) それぞれ理由があったのであろうと思いますが、その説明は、これは非常に至難でございます。従いまして、結果的に見てこういうふうになったということであろうと存じます。それから三十一年度は高くなる年だとここに書いてあるのですが、これはむしろ低くなったのをそのまま持っていくとすれば無理ではあるまいか。過去の経験に徴して無理ではあるまいかという程度に御了解を願いたいと思います。
○委員長(山下義信君) 第二項は、これは予算と決算とは非常に相違があるということを言うのですね。予算と決算というものは実際に相違がありがちなものだということを言うのですね。相違があったからということで、その相違が無価値だとは言えませんね、局長。言いかえてみたら、その予算というものは無価値とは言えませんわね。その相違のあったという事態は、翌年の予算編成の非常に有益な資料になりますわね。立てた予算と、それから実際の決算とが相違があったということは、翌年の予算編成の有力な資料になりますか、なりませんか。保険局長、どう思います。
○政府委員(高田正巳君) 有力な資料になると思います。ただここの二で指摘しております、こういうような予算というのは、政府の立てました予算と決算との間に相違があったという意味の予算ではございませんで、もう簡単に申しますと、医師会の方からこの資料として御提出になりましたような方式で予算を組んでみたとしたならば、こういうふうな過去の結果になっておりますということを言っておるだけでございます。それで政府の立てました予算と決算との食い違いにつきましては、すでに御提出をいたしました資料で御説明申し上げた通りでございます。しかし先生の御指摘のように、その際に食い違いがあったということは、政府の立てた予算と決算とに食い違いがあったということは、翌年度の何と申しますか、予算編成の際の重要な資料として尊重すべきものと存じます。
○委員長(山下義信君) 従って、その相違の幅はどうありましょうとも、三十年度の予算と、三十年度の決算との相違は、三十一年度の予算編成上の有力な資料にならなくちゃなりませんわね。その点はどう考えられますか。
○政府委員(高田正巳君) 三十年度の予算と決算との結果は、有力な資料になりますと同時に、それは一年だけを押えるわけにはいかない。その前も、その前も、その当時の予算編成方式等と考え合せまして、有力なる資料と考えざるを得ない、かように思うわけであります。
○委員長(山下義信君) 日本医師会の提出の資料は、昭和三十年度の予算と、同じ三十年度の決算との実績を比較して、三十一年度の予算の再検討をした資料なんであるから、われわれも昭和三十年度の予算決算との相違点が次年度の予算の編成の上に有力なる資料であろうということは、政府とわれわれの意見の合致するところですね。今保険局長が後段に述べた、その一年のみの実績をもって直ちに翌年の予算の見込みを左右することは非常に危険であるということは、この第三項に、あなたの方の方針の第三項にそれがうたってありますね。そういう方針はあなたの方ではとらぬと言うのですね。危険であるからとらぬと言うのですね。そうでしょう。そういう見方をすることは非常に危険である。前年度の、一年のみの実績の実情をもって直ちに次年度の将来をトすることは非常に危険であると、こう言われるのですね。これが第三項にうたってあると、言いかえると、日本医師会の見方は、それは実は現在の数字はこれはことごとく正確であるが、しかしその数字をもって三十一年度を見込むことは危険である、こういうことが政府の所見なんですね。今この第三項に、あなたの方でそれを言うておられるのだという……。
○政府委員(高田正巳君) 医師会の御提出になりました資料は、三十年度の予算と決算との見込み違いといいますか、その相違を指摘したものではございません。これは私どもが前回お出しをいたしました資料にそのことは載っておるわけでございます。 それから、この三で申しておりますることは、これで、日本医師会の御提出になりましたような方法で、三十一年度を推算いたしますと、はなはだ危険であるということを申しておるわけであります。
○委員長(山下義信君) 私間違えましたか。私の言うのは、三十年度のいわゆる政府の見込みというものと、そして三十年度の実績というもの、決算とを比較して、その実情の上に立った日本医師会のこの報告というもの、こういう見方というものは、三十一年度の、次年度の見通しの上には有力な資料になりはしないか、こういう意味のことを聞いておるのです。同じことじゃありませんか、私の言うことは。
○説明員(小沢辰雄君) おっしゃいますように、年間の実績をつかんだ日本医師会の資料というものは、非常な参考の資料にはなると思います。私どもが三に申し上げておりますのは、医師会のとった計算方式が危険だということを申し上げておるのではない。それは、私どもも一応予算の計算の基礎としては、こういう計算方式というものを採用して、その方式をそのまま実績を置きかえて見るとこうなるというのが医師会の資料、それは先ほど相馬先生の言われた通りであります。そういう計算方式が危険だということではなくて、出てきた結局数字、結果というものをそのまま三十一年度に持っていくということが危険だということを申し上げておるのでございます。
○委員長(山下義信君) 私もそれはわかっております。その合計を出す合計の出し方は、医師会もあなた方も同じことなのです。出た合計のその結果を、それをすぐ三十一年度に持ち越すことに対して、あなた方は反対しておるのです。つまりこれは第三項の、前年度一年のみの実績をもって直ちに翌年をトすることは危険であるというのと同じことでしょう、原則的に。ですから、第三項を聞いておるのです。これは第三項のあなた方の方の所見は、日本医師会のそういう翌年度の見込み方については危険の度が大きい、はなはだ危険であるというのでしょう。こういう見方は政府はしないのですか。あるいはしたこともないのですか。こういう見方をしないとあなた方は言うのです。こういう見方をしていなければ、相馬委員も指摘し、榊原委員も指摘されたように、この政府の三十一年度のいわゆる予算の積算のその内容について再検討をしてみなければならぬ、そういう方式は使うていないかどうか、過去数年の実績をながめ、そうして将来をトして、田村委員の指摘したように、若干の手心を加えるような積算の方式をとっておるかどうか、この前年の実績を見ながら予算の積算をしておるかということを、これを三十一年度の政府の予算の編成内容について再検討してみなければならぬ、こういうことになるのです。その点はどうですか、お持ちになりませんか、第三項は……。
○政府委員(高田正巳君) この計算方式は、私どもが来年度の予算を推算いたしまする際にとりました計算の方式と同じでございます。ただ、私どもが申しますることは、その際に出て参りました絶対値、数値というものをにらみまして、これを過去の何カ年間の平均の数値、あるいは過去の最も増加率の少い年の平均の数値、そういうものとにらみまして、私どもはその計算方式が妥当なりと考えたわけでございます。もしそうでなかったとするならば、そこに修正係数というものを織り込んで考えなければならなかったであろう。現に三十年度の予算を編成いたしますときには、その修正係数というものを使用しておるということを申し上げたわけであります。
○委員長(山下義信君) もう一つは、第四項は、田村委員がさいぜんお尋ねになったことですが、私も念を押して聞いておきたいと思います。具体的にいえば、増加率等についても、ただ単に過去の数字的な統計のみでなくして、若干の見込みをも加えて、言いかえるというと、多少の政府の施策としていわゆる考え方、端的にいうと、多少の手心は加えてこの増加率というものは見込んである、こういうことがおっしゃってありましたね。これが、各委員の指摘されたような、たまたま統計的に何年かの平均をすれば一割一分というのが当っておるのか当っていないのかは別として、ただ単に、過去のそういったような統計的数字のみによらないで、多少の政府としての見込みというものもいろいろに考えて増加率というものは見込むのだ、ただ過去の統計数字のみにとらわれるというと、非常に見込みが狂いやすいということを言われたのでありますが、それに相違ありませんか。
○政府委員(高田正巳君) 委員長の仰せになっておることを十分によく把握いたしがたいのでございますが、過去の数字のみにとらわれて、来年の推算をしては危険である。それで、そこに若干の政府の政策的な何かが加わるのではないかというふうな意味に私はとったわけでございます。
○委員長(山下義信君) それでは言葉を直しましょう。見方を、政策的な手心と言わないで、見方を、ただ単に、何か統計的から出てくる数字のみによらないで、見方をそこに政府が加えて、増加率というものをきめてゆくのだ、こういう政府の説明ですね、四項と五項にちゃんとそれが明らかに書いてある。少くとも一割余の増加率を見込むのが妥当である。ただ単に前年の結果から見て何パーセントというだけではいけないのであって、その増加割合が過去の実績等から照し合して妥当であるかどうかということの判断も加えなくちゃならぬということでありますから、数字のみにとらわれないで、若干の見方というものを、増加率をきめるときにはしなくちゃならぬ、こういう考え方ですね。
○政府委員(高田正巳君) さようでございます。もう一言つけ加えさしていただきたいと思います。その見方というのは、ただ単に、腰だめというようなものであるよりは、やはり過去の数字というものを尊重して、それから割り出される一つの見方というものであるわけでございます。
○田村文吉君 私は成田参考人にちょっと伺いたいのでございますが、私はここまでくると、問題は、今まで一年おきに非常な増加率を示したようなことは、それぞれ理由があってふえたものであって、今後のふえ方というものは、昨年に示したくらいの程度というもの以上には越さないのだというお考えがあるならば、そういう点についてはどういうふうにお考えになっておられますか、私は伺いたい。その御返事をいただく前に、御公述を伺う前に、件数の増加どいうものは非常にふえているのですね。これは常に少くとも一割五分毎年ふえているのですね、そういうようなことを思い合していって、今後の医療費というものが昨年のふえ方くらいでいくと見込みが立てられるのか、私はそこに非常に不安を持っているのです。持っているのですが、あなたが非常にこまかい御研究をなすっていらっしやるから、私はその点からまず三十年度くらいの増加率で今後はいく、しかし、こういう事情、こういう事情が加わればこれは別だというようなことがもし御証明がいただければ、私は大へん参考になると思っております。
○委員長(山下義信君) 簡潔に願います。
○参考人(成田至君) 私は増加率の山と谷というものは、これは二つに分けて考えなければいけないものだということを考えております。これは私が昨日提出いたしました資料をごらんいただきましたらよく御理解願えると思いますけれども、きわめて短期の、一カ月の山なり谷なりと、それからある一定の期間継続いたします山なり谷なりとは、これは別に分けて考えなければいけない、こう思っております。先ほどの厚生省で申しております、この一年おきの山と谷があるということは、これは長期のものでございますので、この理由は、私は厚生省が一番よく御存じなのじゃないかと思うのです。ということは、二十六年の暮れに単価の改正がございました。それと、もっと大きな原因は、二十七年の一月に入院料の改訂がありました。そういたしますと、入院料というものは毎月非常に頻度が多うございますから、その影響を受けまして、二十七年というものは非常に長期な山を作ったわけでございます。ところがめぐりめぐりまして、二十八年の一月になって参りますと、今度は比較する台がすでに高くなった台と比較いたしますから、増加率というものは急激に落ちてくるのは、これは当り前でございます。下ってくるのは当り前でございますが、その次には一応その頭打ちの、横ばいの状態がくるはずでございます。その後にもし何か上る理由がありましたら、そのときまた上るわけでございます。結局二十七年にこういう山を作りまして、二十八年にそういう高い台と比較したために落ちてきた、ところが二十八年で、まあ何と申しますか、保険財政がいくらか楽になって参りましたので、実は二十九年の四月に治療の面で非常に大きな抗生物質の適用範囲の拡張でございますとか、そういうことがございまして、それ以上に大きな影響を与えたと思われますのは、私はこの医療費の中で一番大きな問題となる結核の問題だと思う。それに関連いたしております療養期間を二年から三年に延ばした、これが私統計上見まして非常な大きな影響を与えているのだと思います。というのは、あの法律が通りましたのは、九月でございます。二十八年の九月に国会を通っております。十一月から施行になりました。ところが患者さんというのは非常に早耳でございますから、国会でそれが通ったという話を聞きますと、普通でございますと、一応からだに多少の無理がございましても、期限の切れる前に入院をやめまして、自宅治療に移りまして、からだをある程度ならしましてから職場につきたい、こういうふうなある一定の入院と、それから期限の切れる間に一つのズレがあるわけでございます。従って本来なら二十八年の十一月に切れるはずでありましたものが、十一月から一カ年治療期間が延長されますので、あと一カ月で切れるはずだった人が、その二十八年の十一月に入ってくるわけでございます。結局結核という一人々々の医療費の非常に高くつくものが十一月から入ってくる、それでこの一般診療の方を、歯科の方は存じませんが、一般診療の山を見ておりますと、二十八年の暮れから非常に高い山を作ってきているわけでございます。ところが二十九年の十一月になって参りますと、これは今度は上った山と比較いたしますから、こういうふうにこう上りまして、今度は上った山と一年めぐりめぐって比較することになりますから、増加率というものは急速に低下していく、こいう状態を続けているわけでございます。で、厚生省がおっしゃっております山があれば谷があるということは、これは私は一カ月だけの異常な上昇に対しては言えると思います。それはなぜかと申しますと、一応医療費は順当な医療費というものと、その月々の特殊な事情というものが、これはあると思います。たとえばインフルエンザが非常に流行した月でございますとか、毎年ありますインフルエンザが全然なかった月でございますとか、そういう一カ月の特殊な事情によりまして、上った山というものは特殊な山とその次の年と比較いたしますから、たとえば順当に続けて参りましても、この山に比較いたしますので、谷が出てくる。これは私のこの十図を見ていただけばわかると思いますけれども、そういう短期のものには、厚生省はいわゆる増加率というものそのものの性格からくる山と谷ということはあると思いますけれども、今申しました年度年度の長期のこういう山というものは、今申しましたような、結局医療費に多少ゆとりが出てくるから点数改正をやる。これはちょうど二十六年十二月に単価の問題で非常に医師会に不満がありまして、いろいろな運動もございましたので、その見返りとして入院料を上げられた。ところが二十八年は高いところと比べたので落ちて、二十八年の十二月にたしか往診料が上っております。これも頻度がかなり多いのでございますし、それと先ほど申しました療養期間の問題でも山が出てくる。三十年度になりますと、これは高い山と比べますから、これは下ってくるということでございまして、三十一年度にもし厚生省が何か特別な点数改正をいたしまして大幅に医療費を上げるというような御計画でもありましたら、これは私は上ると思います。しかし、そういうことはちょっと今のところ聞いておりませんでございますし、件数というものも上っては参りますけれども、おのずから病気のない者がかかるわけはございませんですから、保険証を利用するといいましても、病気のないものはかかるわけでございませんから、被保険者の数もふえてくると、だんだん件数は上って参りますけれども、丸山先生からおっしゃいましたような頭打ちの状態になってきている。特に入院について申しますと、昨日私が申しましたように、一つは経済的な原因から入院というものは頭打ちになっておる。もう一つは、言い落しましたけれども、化学療法の非常な進歩によりまして、今までは結核の手術の適用であったものが、自宅で化学療法で治療いたしまして、手術しなくても済むような例も非常にふえて参りましたので、そういういろいろな原因によりまして、入院の件数もふえておりますけれども、ふえ方が少くなってきている。この状態は三十年も私は続くと思います。 それから医療の進歩に従って医療費がふえはしないかという御心配があると思いますけれども、これはきのう申し上げましたように、実際に、何と申しますか、新しい新薬の医療費の全体の中に占めている比率と、その中で何が何パーセント占めているかということを調べてみますと、そういう新薬の占めている比率の中で八〇%以上はペニシリンとストレプトマイシンとパスと、この三つを合せたものでございます。このいずれもが頭打ちどころか、多少下りぎみの状態にございますので、医学の進歩ということを考えましても、少数の非常に貴重な例はあるといたしましても、経済的な効果としては現われてこないだろう、頭打ちの状態というものは三十年度にも続けて見られるのじゃないか、私はむしろこういう月別の増加率の波を見ておりますと、前年度の増加率を用いまして三十一年を計算すること自身が私は少し多く見過ぎていると思っております。このことはもう三月分、結局三十一年度の第一カ月でございますけれども、三月分のあれがもうおわかりになっていることと思いますけれども、三月分をごらんになりますと、一体一割九分も上っていますかどうか、これはごらんになれば、もう論より証拠といえるだろうと思います。
○田村文吉君 私は結論をなお伺いたかったのですが、大体片りんにお触れになったようですが、もし行政措置において点数の変更とか、あるいは点数単価の変更とかいうような問題はなくて、現状のままでいく場合においては、昨年度の上り方と同じぐらいにいくのだと、こういうふうに御証言なさったという意味で……。
○参考人(成田至君) 私はむしろ多少下るのじゃないかと思っております。
○田村文吉君 むしろ昨年よりは……。
○参考人(成田至君) さようでございます。下るないし横ばいの状態を続けるだろうと思います。ということは、三十年の当初におきましてはまだ高うございましたので、それがだんだん年度末にいくに従って下っておりましたので、それはどこまで落ちますか、どこから横ばいになるか、これはわかりませんけれども、こういう高いところを含めた平均値をもちましてかけるということは余分に見ることになりやしないかと、こういうことでございます。
○田村文吉君 同じ問題を私は丸山さんに一つお確かめしておきたいのでございますが、たとえばそういう情勢の変化がないものと考えて医療費というものは増加しない、あまり率は昨年の波以上にはふえない、こういうふうに御証言いただいてよろしいのですか、どうですか。
○参考人(丸山直友君) 私どものお示しいたしました図表の三をごらんいただきますると、被保険者及び被扶養者を合せました一件当り点数のよりまする角度が急速に鈍っております。この傾向は続くと思います、本年も。すなわち上昇角度は二十九年度までのような上昇角度には参らない、二十九年度から三十年度にずっとこの表の通り鈍っております。この程度でこれはいくであろう、あるいは場合によりましたらば、この程度がさらに鈍るであろうということを予想しております。換言すれば総金額の増強はそんなに今までのようにどんどんふえるという傾向はなかろうと考えております。
○榊原亨君 先ほどから私この表を厚生省が御検討していただきたい、この表が信憑性があるかどうかということをまだ厚生省はけさになるまで見ていないから、そこで先ほどから言うておるのです。これはお認めになりますか、どうですか。
○谷口弥三郎君 その間に私から一つ厚生省の方に……。今までのお話によるというと、大体において日本医師会の方から出されたこの表は、やはり自分たちもこの通りであると思うているというようなふうのお話であったと思います。なおしかし、これをこのまま利用するというと、あるいは増加率などにおいて心配なところがある。予算をよげい反れば反るほどいいというふうな、先刻お話があったように心配があると言っておりますけれども、大体いろいろのあるいは日本医師会の図表はまだごらんになっておらぬという点を、見込みといたしましてやられた厚生省の三十年度の案というものは、厚生省はお出しになるときには必ず今まで御説明のように、前年度あるいはその前のとき、あるいは増加の模様とかなどを勘案して予算をお作りになったものと思います。その予算に対して、日本医師会は実際に実績によってやられたというのでありますからして、この日本医師会の出されている十四億近い金が今度は厚生省の考えよりかずっとこれだけの金は出てくるというようなふうに考えられておられると思いますので、そこだけを一つ、一点でございますが、日本医師会のこのお出しになっている表、いわゆる十四億ばかりの金が今度の案には出てくるというふうにお認めができますか、どうですか、そこをごく簡単に……。
○政府委員(高田正巳君) 日本医師会のお出しになりました資料は別に間違いはございません。従ってこういう計算方式でもって来年度こういう率で計算をして来年度のあれを推算しますと、約十三億何千万円かの医療費の節減ができるであろうという結果が出るということについては別に私ども最初に申し上げましたように、異議を申し立てているわけではございません。ただ、一番肝心の御質問の来年度の推移がかくなるものと見るということは、私どもとしましては、とてもこういうことではいくまい、これをこのまま来年度の予定額として見積ることは非常に危険であるということを先ほど来御説明申し上げているのであります。
○説明員(小沢辰雄君) 実は今年度の医療費は、八月までの分を大体私どもが予算で見ましたものと比較して考えてみますと、ほぼ見込み通り若干の違いがありますが、ごくわずかな違いであります。九月に行政の措置がとられ、九月からだいぶ下っております。で、去年三十年度の見込みを立てますときには、先ほどちょっと私委員長の御質問について若干間違いがございましたのでこの機会にお答えさせていただきますが、三十年度の見込みを立てました考え方は、一応増加割合というものをやはり二十九年度の実績見込み額にかけて出したものでございますが、その際の増加割合は、入院につきましては過去三カ年の平均をとって三十年度を考えたのでございます。それから入院外、齒科につきましてはこれを一応対前年度の増加割合を若干修正をいたしまして、修正の率はそれぞれ若干違います。あるものは二分の一でありましたり、あるものは四割程度に押えましたり、六割程度に押えましたりいたしたのでございますが、そうした見込みを立てました。一応三十年度の予算の実際の推移というものは、大体九月の行政措置をとるまでは若干の変動はございますけれども、ほぼ同じ経過をたどっておったのであります。それだけちょっとつけ加えさせていただきます。
○谷口弥三郎君 一つ厚生省の考え方として、すでに厚生省がお出しになった当時はいわゆる見込み額であったんだが、今回日本医師会が出しているのは、実績をもとにして出しているのである。実績を出してみると十四億近い金が要らぬようになるというのに対して、厚生省は、そうすれば今までの見込みをあまり固執され過ぎ、見込みは見込みであったんでしょうが、今現在としてここに実績が出てきた以上は、どのくらい減るであろうというようなふうのお考えがあれば一応お伺いしておきたいと思います。
○説明員(小沢辰雄君) 先ほども申し上げたと思いますが、現在の私どもが見込んでおります数字を一応一人当りの増加の割合で見てみますと、一割一分八厘の増を見込んでいるという結果になっております。これを先ほども申し上げましたように、過去三カ年の一応行政上の措置の影響というものを修正をいたしました一人当りの金額の増加割合を過去三カ年平均いたしました数値が、お手元に差し上げてありますように一割一分九厘でございます。それとのにらみ合いからいたしまして、私どもの今回来年度の見込みとして採用いたしております数字につきましては、ほぼ現在のところこれを修正する必要のないものと、かように私どもは考えております。
○相馬助治君 今の課長の話ですと、これはやはり私は非常に問題だと思うのです。というのは、先ほど保険局長のお話はよく私わかるのです。こういう説明なんですね。日本医師会の資料は数字としては正しいと思います、ただしこれをこのままもって三十一年度を見るというわけには実態上いかないと思いますと、こう言うておる。これは話としてはよくわかっておる。ところが問題なのは、私が最初から言っているように、日本医師会の算定方式が誤まっているか誤まっていないかということを議論したり、日本医師会が言うているような、赤字の見込みが危険であるか危険でないかということを議論すれば幾らでも議論できるのです。ところが、政府にとってはまことに不幸なことに、日本医師会では政府が考えた通りの方式を使ってきてこういう数字を出してしまったのですね。そこで今になっても大体十四億という赤字の見込みは狂わないと、こういうことになるならば、こういうことを尋ねなければならない。日本医師会が出しておる資料を昭和三十一年度に適用するときにどういう修正をすればよいとお考えですか、課長は。どういう修正をすればよいとあなたがおっしゃるとするならば、それはとりもなおさず政府自身が自分の胸に言い聞かせる反省なはずなんです、話の筋上。従いまして、もう一度端的にお尋ねします。日本医師会提出の数字は正確なものであり、信憑性がある、その点はわかる。ところがこれをこのまま三十一年度に持っていくのには危険である、そのこともわかる。しからばどういうふうに修正をすればよいとお考えでございますか。
○説明員(小沢辰雄君) 先ほども申し上げましたように、過去の実績というものを、その実績のうちから行政上のいろいろな影響を引いて考えてみました平均値というものと、私どもが一応見込みました結果というものとほぼ近似いたしておりますので、現在のところはそれを修正しないでもいいだろうと、かように考えておるのでございますが、局長が最初に申し上げましたように、それを、三十年度の実際の数値が出て参りました今日、一応私どもの四百四十三億の見積りを推計いたしました結果によりましても、そう大きな誤差はございませんので、大体今日われわれが見込んでおります数字をそのまま一応来年の見込みとして御提出してしまっても差しつかえないものと、かようにまあ考えておるわけでございます。
○相馬助治君 私、若干疑念がございますけれども、委員長にお願いしておきます。質疑の最終段階に至りましたら、私は議事進行上の発言がありますから……。
○委員長(山下義信君) それはちょっと待って下さい。
○相馬助治君 予告しておきます。
○参考人(丸山直友君) 先ほど、後ほど訂正を申し上げますと言うておきましたのがわかりましたので、ちょっと御訂正を願いたいと思います。 こまかい段階を一々申し上げますと、大へん複雑になりますので……一枚刷りの三つ目の二の一点当りの金額の一番しまいの厘の位、三が四になります。その結果、その途中の計算の段階を省略いたしまして、最後の一番下の数字の修正を申し上げます。まん中の欄の四百二十三億八千六百七万一千四百十円と申しますのを直しまして、四百二十三億九千三百五十三万一千九百六十円とお直し願いまして……(「もう一度おっしゃっていただけませんか」と呼ぶ者あり)
○田村文吉君 初めからの数字をちゃんと言って下さい。修正をするときには一人当りの金額からちゃんと読んで下さい。
○参考人(丸山直友君) それでは最初から申し直します。 二の一点当り金額の欄でございます。私どものお示しいたしましたものを先に読みますと、十一円七十一銭三厘は厘位が四厘となります。その下の十一円七十一銭三厘も同様四厘となります。その下の十一円九十八銭二厘は九十八銭五厘と修正いたします。 同様にその下の被扶養者の欄の入院外におきましての五円八十七銭六厘はこれを九厘と修正いたします。 その途中の段階は非常に複雑になりますので、後ほど印刷し直してお目にかけますので、最後の欄のまん中の四百二十三億八千六百七万一千四百十円を修正いたしまして、四百二十三億九千三百五十三万一千九百六十円と直します。従いましてその次の欄の十三億九千五百六十九万一千二十円を直しまして、十三億八千八百二十三万四百七十円と修正いたします。それによって修正いたしましたその最後の差は、七百四十六万五百五十円となります。それだけが私どもの申し上げました修正が約十四億に近いと申しておりました、その数字の中で誤まりを修正いたしました結果七百五十万——七百四十六万くらい赤字の修正が減ったと、こういうことでございます。 それからなお申し上げておきますが、午後は継続遊ばされますかいかがでございますか存じませんが、昨日田村先生から御注文がございました収入に関する検討を実はいたしておりますので、御要求がございますれば差し上げて御説明を申し上げる用意がございますから、後ほど御要求がございますれば差し上げることにいたしたいと思います。
○委員長(山下義信君) 一応資料をお出し願いたいと思います。
○田村文吉君 簡単にもうできているなら御説明願いたいと思いますが……。
○榊原亨君 丸山参考人にお伺いしますが、先ほど厚生省は結核の公費負担差し引きを二十六円四十八銭一厘というふうに出しておられますが、それはお認めになられますか、それともどうですか。
○参考人(丸山直友君) お答えいたします。 その数字を出されますのには上の入院の十六円六十五銭六厘が正しいかどうか、入院外の十五円三十四銭四厘が正しいかどうかということを検討せなけりゃなりません。検討した後でないとこれを正確に私どもの方では正しとか正しくないとか申し上げまする資料を今持っておりませんので、この席上で承わりましたことでございまするから、帰りまして私どもはその資料を全部調査しました結果でないとその修正をここに入れるわけにはいきませんので、ただいまそれに触れなかったわけでございます。
○委員長(山下義信君) 厚生省の今の公費負担の入院、入院外三十二円と、日本医師会が出している、あなたの方の二十六円四十八銭一厘の内訳がそこにありますか、数字が……。
○説明員(小沢辰雄君) 一番上の入院の十六円六十五銭六厘が十三円七十八銭三厘、それからその次の入院外が十二円六十九銭八厘、計が三十二円のところが二十六円四十八銭一厘、合計欄もそうでございます。ただし申し上げておかなければいけないのは、この三十二円というのは、私どもの結核予防法の予算単価でございます。これを一応健康保険の関係者に引き直してみて、これだけ予算上は医療費が公費負担の方に肩がわりされるであろうとする数字でございます。もし全体ほかの数字を前年度との実際の実績によって修正するとすれば、今申し上げました二十六円四十八銭一厘になる、こういうことでございます。
○参考人(成田至君) 実は昨日もちょと申し上げたのでございますが、この三番目の目的は一人当りの金額を出すのが目的でございます。一人当りの金額を出すといたしますと、ここにございますように、一応点数から金額を換算するということをいたしますと、推算しなければいけないものが入って参りますので、実はそういう複雑な方法をとりませんでも、この三十年度の実績から一人当りの金額を出す方法はあるのでございます。それは後ほどまた資料として出します。
○委員長(山下義信君) ええ、資料として出して下さい。
○政府委員(高田正巳君) 先ほど榊原先生から医師会の提出されました図表が正しいかどうかという御質問でございますが、正しいものと思います。
○委員長(山下義信君) 今政府の結核公費負担の差し引きの、この金額ですね。三十二円というのはこれは予算の一人当りの単価が、日本医師会はそれを使っているのだ、実際の負担額は二十六円四十八銭一厘だ、こういうことですね。あなたの方の三十一年度の予算の場合でも同じですね、お使いになっている数字は。
○説明員(小沢辰雄君) 予算上使っております数字は三十二円と先ほど申し上げたのですが、ただ、こういうふうに実際の実績を出して他の数字は全部実績を使い、それで実際の増加率を使っておられる場合には二十六円の数字を使うのが妥当であろうかというふうに考えております。
○榊原亨君 そういたしますというと、この結核公費負担を今厚生省のおっしゃる実績にいたしますと、総額において幾ら違ってきますか。
○説明員(小沢辰雄君) 実は、この表をそういうふうに直しましての計算は私どもはいたしておりませんので、しかし、大よその見当としては違いが大体六円見当でございますから、これをさらに七番目の差引一人当り金額の合計の七千九百八十二円から一応それを六円だけそこにつけ加えていって計算すれば、およその見当がつくと思います。
○榊原亨君 六円ですか。
○説明員(小沢辰雄君) およそ五円五十二銭になりますが、それで計算すれば見当はつくと思います。
○委員長(山下義信君) 政府に資料の要求をしたのですが……。 丸山参考人から保険料収入の、この資料について御説明を願います。
○参考人(丸山直友君) 簡単にということでございますが、なかなかこの表を理解いたしますのに簡単に参らないのでございます。
○委員長(山下義信君) では結論だけ言って下さい。
○参考人(丸山直友君) 左の方がきのうの一枚刷りの表と同様に政府が作られましたものでございます。二本線の右の方が日本医師会で検討いたしましたものなのでございます。それでこういうことに相なっております。左の欄の一番左の方で、政府は十月までの実績が判明しておりまして、十月までの実績としておられますが、私どもの方は十二月までの実績が判明しておりますので、十二月までの実績をとりまして計算をし直してございます。従いまして、十一月、十二月分に対してはどういう数字を使ってどういうことになったかということが右の方に説明してあるわけでございます。 それから、政府と違っておりますのは、説明欄で政府が二十八年の十一月から二十九年の二月の平均の減少額を十五円と見ておりますが、私どもはそれをなるべく判明いたしました近い数字を用いるのが適当であろうと考えまして、用いました数字の時期がズレておりまして、二十九年の一月から二十九年の二月までの月平均をとりまして、十五円が八円五十銭と変っております。従いまして、そのあとが三十年一月から三十年二月の月平均の減少額を十二円と、実際以上のものといたしまして、そのために減少割合は政府は〇・八と出しておられます。すなわち、十五円で十二円を割ったものが〇・八となって出ておるのでございますが、私どもは八円五十銭をもって十二円を割りましたために一・四という減少割合が出て参っております。その結果、政府はその下で十円と金額を出しておられますものが十七円となっておりまするので、一番上の行に戻りまして、見込額が十円のものが私どもの計算は十七円というふうな数字で出ております。この数字は、私どもが財政効果から見るならば、支出において相当政府が大きく見積っておって、つまり一部負担額は減らしてもいいというような結果が出ておりますが、収入から見ますると、反対の結果がそこに現われております。政府は減少額を十円と見ておりますが、私どもは十七円とこれを計算いたします。同様にそれをいたしました結果、最後の金額においては、その次の収納額という二枚目をごらんいただきますというと、収入の一人当りの金額というものが箱の中に入っております。右から二番目の欄で、政府は九千五百九円三十三銭三厘と出しておられますが、私どもの方では九千四百九十一円七十七銭五厘となりまして、実績を調べますると、私どもは収入においても減少いたします。その結果、その前の欄の総額においても、五百四億九千四百五十五万七千円と政府の数字で出ておりまするものが、私どもの試算によりますと、五百四億百三十二万四千円となりまして、それによって起る差額は、九千三百二十三万三千円の減収があるであろう、大体において九千万円程度の減収になるのではなかろうか、これを昨日申し上げました約十四億というものの浮いてくるものからそれを差し引かなければ、この財政効果というものを厳重にこれを比較してはいかぬという田村先生のお話でございますので、九千三百万円くらいはその中から落ちてくる、十四億に関して九千三百万円くらい減る、こういうふうに御理解願いたいという、そういう数字でございます。詳しいことは一々ごらん下さるとわかると思います。
○田村文吉君 政府の四億幾らとあまり違い過ぎる。そういうことの違いは。
○説明員(小沢辰雄君) 私どもは先ほど資料として御提出いたしました約六億見当の減少になるだろうと申し上げました基礎の考え方は、要するに、支出の方を本年度の実績それからその実績と前年度分とを比較しまして、実際の本年度の増加割合、その増加割合をそのまま来年で見込むといたしましたそういう考え方をそのままもしも収入面でとるとすれば、収入の方での定時改訂、前年の実績というものがございますので、それで計算するとそういうことになるということでございます。それ自身が正しいとは考えておらないのでございますが、なお行政努力その他の要素を大いに入れてわれわれとしてはできるだけ適正把握に努力するという要素をそこに入れていかなければいかぬというような考え方から、予算というものを修正して組んであるわけでございます。そこで、私今拝見いたしました資料で早急にこまかい検討はできませんけれども、たとえば、定時決定を過去二年の平均で七百九十一円と見込んでありますのは私どもの予算上の見込みがそうでございます。しかし、これはいわゆる前年比と今年度の実績だけを考えていく場合には、これはこのまま採用するという考え方を、先ほど申し上げました支出の考え方に合していく場合には、とるわけにはいかないのじゃないか、そこでだいぶ違いが出てくるのではないかというふうに思われます。その他詳しい検討は……。
○参考人(丸山直友君) 政府が私どもにお示し下さいましたこの資料以外のことで予算をお作りになったということであるならば別問題、私の方ではこれでお作りになったというふうな御説明を承わっておりますので、それでその通りにいたしまして実績が表われました部分だけの修正をしてお目にかけて、そういう結果が表われましたということでございまして、そのほかのいろいろな条件で予算が提出されましたということでございますならば、またその中の、その下の欄の定時決定上昇見込額の七百九十一円というような数字は、これは私どもの方としては全然これを修正するという資料を持っておりません。御案内のように、保険料あるいは被保険者の数というようなものは、これは支払基金でもわかりませんし、これは厚生省の保険局以外にはわからない数字である。これは修正いたす方法もないし何も方法もございません。簡単に申しますれば、組合といたしましても田村先生がやっていらっしゃる北越製紙の中の給料を幾らもらっている人が何人おってどうなっておるかということは、私どもの方としては調査の方法がございません。これはその会社でお聞きするより仕方がございません。同様に政府がやっておられますのは全国の給与のベース、あるいは昇給の度合いというようなものは、私どもの方では調査の資料はわれわれ全然持っておりませんので、これは政府の言われることを信頼いたしまして、政府の形式に従いまして、予算の編成せられました資料として私どもに与えられましたこの資料に基きまして、ただわからなかった部分だけをわかったように一つ置きかえて計算した結果がこうなっている、こういう意味のものでございますから、さように御了承を願います。
○委員長(山下義信君) それでは最後に資料として委員長から要求いたします。昭和二十四年以後、昭和二十五年以後でもいいんですが、健康保険法の法律改正のありました年月日、点数改訂のありました年月日、それからその他の行政措置のありました年月日を入れて、そうしてできるだけ医療費の数字を、変化の数字を入れていただいて、それらの法律改正並びに行政措置による影響等々が概略わかるような影響資料を一つ委員長に御提出願いたいと思います。
○相馬助治君 議事進行……昨日、本日に引続いて行われた当委員会において参考人の方々並びに政府から種々なる説明をお聞きいたしましていろいろな点がわかりまして、大へんに貴重な資料を得ることができたわけですが、私どもが最初予定もしていなかった、すなわち日本医師会の出された資料というものが赤字の見込みにおいて政府とひどく食い違っているという事実がここで判明いたしました。どちらが正確であるか、どちらがどうであるかという議論は別として、この事実は事実として、当委員会は認めざるを得ないと思うのでございます。従いまして、当委員会はこの重大な段階において山下小委員長は親委員会であります社会労働委員会に対して中間報告をすべきであろうと私は思量いたします。従いまして中間報告の内容並びに時期については小委員長に一任したいと思うんですが、そのことを各委員にお諮りたまわりたいと、かように存じて動議を提出しておきます。
○田村文吉君 私はその中間報告けっこうでありますが、きわめて早いこの次に開かれるであろう社会労働委員会においてこれを御報告あらんことを希望いたします。 (「賛成」と呼ぶ者あり)
○委員長(山下義信君) ただいまの相馬委員、田村委員の御意見に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。それではさように取り運ぶことにいたします。 なお委員長の中間報告等につきましてはあとで御協議申し上げたいと存じます。 参考人及び厚生省当局に対する質疑は一応この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。 参考人の方には、昨日から本日にかけまして、長時間にわたりまして貴重な御意見を御発表いただきましてまことにありがとうございました。この機会に小委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。 それでは懇談いたしたいと存じますから、暫時休憩いたします。 午後一時十八分休憩 —————・————— 午後一時二十五分開会
○委員長(山下義信君) 小委員会を再開いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十六分散会