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24回国会参議院1956/06/03

社会労働委員会 第44号

発言数
57
登壇者
11
会派数
4
開催日
1956/06/03

会議録

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  議事に入ります前に一言ごあいさつを申し上げさしていただきます。  私は五月二十九日の本会議において、皆様方の御賛成を得まして社会労働委員長の重責をになうこととなりましたが、今まで他の委員会の委員をいたしておりましたので、当委員会の現在の実情等については詳しく存じておりませんし、しかも未熟な者でございまするので、委員長という任務を完全に遂行し得るかどうかと懸念しているものでございますが、賢明な皆様方の御協力と御支援をいただきまして、何とか委員長の職責を全うさしていただきたいと存じます。重盛前委員長同様にどうぞ御協力下さるようよろしくお願い申し上げます。     —————————————

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) それでは議事に入りますが、初めに委員の異動を報告いたします。  五月三十日付重盛壽治君辞任、山本經勝君選任、六月二日付須藤五郎君辞任、長谷部ひろ君選任、六月三日付長谷部ひろ君辞任、須藤五郎君選任。     —————————————

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 次に、食品衛生法の一部を改正する法律案、身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案、性病予防法等の一部を改正する法律案、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案、慰老年金法案、寄生虫病予防法の一部を改正する法律案、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、社会福祉事業等の施設に関する措置法案、調理改善法案、以上九案はいずれも目下審査中でありますが、会期も切迫し、今期国会開会中には審査を完了することは困難でありまするので、本院規則第五十三条によりまして、継続審査要求書を議長あて提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 次に、社会保障制度に関する調査、労働情勢に関する調査、右の調査は議長の承認を受け調査中でございまするが、会期も切迫し、会期中には調査を完了することは困難でありまするので、参議院規則第五十三条によりまして、継続審査要求書を議長あて提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。  よってさよう決定いたしました。  ただいままでに決定いたしました継続審査及び調査要求書の案文、手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。  なお、調査事件が議長の承認あった場合には、閉会中においてソ連地区、中共地区等の引揚者の実情調査及びその他の調査のため、委員派遣を行うこととし、その人選手続その他は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。     —————————————

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 次に、母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。提案理由の説明を願います。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) ただいま議題となりました母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  改正の第一点は、貸付の種類に、新たに住宅補修資金を加えたことであります。現行の貸付の種類には生業資金、支度資金等七種類の資金がありまして、現在までに総額約二十七億円が母子家庭や父母のない児童に対して貸し付けられ、わが国の母子福祉対策に多大の寄与をしておるわけでありますが、さらに今回これに住宅補修資金を加え、補修を特に緊要とする住宅に居住している母子家庭に対し、補修のため資金を貸し付ける道をひらき、その生活意欲の助長をはかり、あわせてその経済的自立を促進し、母子家庭の福祉を増進しようとするものであります。  改正の第二点は、高等学校における修学資金の額を現行の月額七百円以内から月額千円以内に引き上げたことであります。昭和二十九年度の貸付実績によりましても、高等学校の修学資金は、すべての貸付金のうち人員において四一%、金額において一五%の多きを占めており、この資金に対する要望ははなはだ強いものがありますが、現行の貸付額では実際の就学に際し容易でない実情にかんがみ、これを引き上げることとしたものであります。  改正の第三点は、貸付金の貸付を受けた者が、災害、疾病等により、償還金を支払うことが著しく困難になったときの支払猶予の制度及び貸付金の貸付を受けた者が死亡し、または精神、身体上の著しい障害を受けたため、貸付金を償還することができなくなったときの償還の減免の制度を設けたことであります。右のような場合における支払猶予や償還減免の制度を設けることの必要性は、言をまたないところであり、本法制定の当初から考えられていたものと存ずるのでありますが、その機を見ず今日に至ったものであります。  以上が改正案の大要でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願い申し上げます。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) それでは御質疑を願います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は今回のこの貸付法を見ましてちょっとわからないのでございまするが、最初政府は、大学の方も現在を三千円に引き上げるというような御構想があったやに聞いておりますが、それは今回はずれたのでございますか。その点ちょっとお伺いしておきます。

高田浩運厚生省児童局長

○政府委員(高田浩運君) ただいま御質問の件につきましては、大学の分については、御承知のように、昨年の改正によりまして月額二千円以内から三千円以内ということに引き上げられましたので、これはこの通りにいたしました。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私はこの母子福祉資金の貸付法の制定されまする当初より強く要望いたしておりましたが、その点がいまだに実現されないのでございまするが、これはまた全国の未亡人からも強い要望があるわけでございますが、今日未亡人世帯といたしまして非常にこの福祉資金で助かっておることは事実なのです。ところが、政府が親心をもって決定いたしました金額すら地方財政が逼迫しておりますので、地方財政はこれを出す能力がないと、ことに未亡人のこの種の問題に対して理解のない府県におきましては、それだけの用意がなされないのでございます。そのために五億の金を政府が予定されましても、それが一億数千万円残されるというと、借る人がないから残るのだというような論も一部に行われますが、そうではなくて、借りたい人がたくさんありながら、この法の適用を受けることのできない人がたくさんある。従って、私はこの際ぜひとも全額国庫負担にしていただきたいという強い要望を持っておるのでございまするが、その点に対して、大臣の御所見をお伺いいたします。

高田浩運厚生省児童局長

○政府委員(高田浩運君) 私から一応事務的な御説明を申しまして、足りない点は大臣から御補足をいただきたいと思います。ただいまお話のように、母子福祉資金の貸付は非常に未亡人家庭において喜ばれ、かつ有益なきわめて有力な生活の支柱となっているにかかわらず、国の予算の地方におきまする消化が十分でなくて、年々相当の金額が余りを生ずるということは大へん残念に思っておるのでございます。これらの消化につきましては私ども地方の団体等とも協力いたしまして、地方当局に対して尽力をいたしているのでございますけれども、根本問題としては、今お話のようなことが、これは一つの道かと考えます。ただしかし、問題は貸し付けられる資金総量をどうすれば一番多くすることができるかという問題でございますので、すなわち端的に申し上げますれば、今年の予算であります四億五千万円を全額——全額ということになりますと、四億五千万円ぽっちりになってしまいますし、これがそのままかりに消化されたとして現在の制度でありますと九億円ということになります。その間にいろいろな段階があり得ると思いますけれども、そういった関連になりまするし、結局予算の金額とにらみ合せて、お話のような線に沿って今後とも努力をいたしたいと考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 それはおかしいのです。初めから四億五千万円ときめてかかる必要はないでしょう、全額国庫負担するなら九億積んだらいいのです。九億要求して取るという努力をなされれば取れる。しかもほかの資金と違いまして、ほかの資金の返還率を見ますと、母子福祉資金の返還率は非常にいいのです。未亡人は御迷惑をかけちゃいけないというので非常に償還率が高いのでございます。県によると九割八分ぐらい返還されている県もあるくらいです。従いまして、この際政府が要求しても、これでは借りられない人がたくさんあるから、この現実をお考えいただいて、全額にしてやろうという努力をして下さればこれはできる。全額にしたから四億五千万円になっちゃ気の毒だという理屈はこれはないと思います。その点をお伺いしたい。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 藤原さんの御質問はごもっともだと存じます。私もあらゆる機会に母子家庭の方たちとも会いまするし、また、団体の会合等におきましても全国的に今おっしゃったような御希望、御要求をたくさん承わっておるのでございます。ただいまは国の出しました金に対して同額で地方公共団体から見合って出しておるのでございます。この率を将来は国が三分の二をやる、できれば全額やるというような工合にいたしますれば、さらに私はこの母子福祉法の目的が達成されるものと考えておるのでありまして、こういう問題につきましては、今後十分に努力をいたしたいと存じます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 大臣の今の御答弁に対しまして、さらにそれを実現していただきますことを強く要望いたします。  次にお伺いいたしたいことは、母子相談員の設置費を国庫補助金にしてほしいのです。それは現在は法律の第十五条の規定によって設置されている相談員の設置費が、二十九年度以降地方交付税に算入されておりますために非常に問題があるのです。従いまして、これをやはり国庫補助金としてほしいというふうに強い要望もございまするし、私もそうしてほしいというふうに考えておりますので、その点一つお考えを伺いたい。  その次に、公営住宅についてでございますが、母子家庭の優先入居ということはいつもいつも議会でお願いしていることでありますが、それがなかなか実現されないで、所によれば、女なるがゆえにむしろ入ることが狭められて、それでは非常に子供をかかえた未亡人が苦労いたしておりますので、この際、家賃の低下と同時に、優先的入居ができまするように一つ強く努力をしてほしい。それと同時に、簡易耐火構造等の家族向け住宅の建設を考慮されてこられたのでございますが、いまだに母子家庭入居につき徹底を欠く点がたくさんございます。この点についてどういうお考えを持っておられるか。どれだけの御努力が払われてきたかということをお聞かせ願いたいのです。さらに農村に参りますと、それぞれの自主的な立場があると思います。だから農村向けには農村向けの住宅というようなことが考慮されたいのでございますが、いつもどうも一律にやられている。その点についての御配慮等について何かお考えがございましたら、この際お聞かせを願いたい。

高田浩運厚生省児童局長

○政府委員(高田浩運君) 第一点の母子相談員に要しまする予算の、いわゆる補助金額の問題でございます。この点につきましては私どもも同様に考えておりますので、今後とも努力をいたしたいと考えております。  それから母子家庭のいわゆる母子住宅の問題でございますが、この母子住宅が予算的に現われまして、母子家庭の非常な待望の的となっておったにかかわらず、これら入居について地方においてはいろいろ行き違い等もあったやに伺いまして、大へん遺憾に思っておったのでございます。かかる事情にかんがみまして、私どもの方と、それから建設省の関係者の方と打ち合せをいたしまして、母子家庭の優先入居についての通牒を昨年度は出したのでございますが、今後ともこの方針に沿ってこれが励行されるように努力をいたしたいと考えております。  それから農村向けの住宅の点につきましては、十分建設省の方とお打ち合せをして、御趣旨の点を尊重していけるようにいたしたいと考えております。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) ちょっと速記待って。   〔速記中止〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 速記開始。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 お言葉によりまして、ごく簡潔に質問を終りたいと思います。  最近婦人の職場がだんだん狭まれてくるに従いまして、未亡人が職場からずいぶん追い出される傾向がある。けれども職場を失った未亡人がどうして生きていくかということになると、非常に困難な状態に立ち入ります。男女同権だから同じじゃないかというわけにも参りませんので、夫婦そろっていてさえ生活のしにくい今日、片羽根もがれた、片羽根としての未亡人がその片羽根に子供を抱いて生きる道がいかに困難であるかということを十分お考えいただきまして、未亡人のためには特別に一つ考慮をいただきたい。  それからもう一つは、未亡人の子供、つまり母子家庭の子供が就職の場合、これは健全なる家庭に育たなかったということでもってどうも就職が拒否され、せっかく採用試験でパスしておきながら、面接試験でこれが振り落されている。そういう場合、子供に及ぼすショックが非常に強いのでございまして、この際、青少年の育成とその子の将来ということを考えますときに、これは厚生大臣が特別にお考え下さいまして、厚生大臣が何らかの保障をしてやるとか何とかというようなことで、何とかそういう点もお考えを願いたい。  最後に一つお願いしておきたい、お伺いしておきたいことは、これは山下委員等が最初から主張してきたことでございますが、こうした私たちの主張は母子総合福祉法を作ってもらいたい。これを一本大きく打ち出してそして未亡人の福祉、これらの人の生活の保障を、ぜひ国家の手によって一つ勇気づける意味においても、これを確立してほしいという強い私たちは希望を持っておりますが、そういうことに対しては、ぜひ御要望にこたえたいというようなことは、しばしば御答弁いただいておりますが、これがいまだに実現していないし、そのきざしも見えないのでございますが、何らか構想がおありになるのかどうか。そういうものは作る必要がないのだというようなお考えであるかどうかという点について伺いたい。  それからいま一つは、この法律の趣旨から見まして、これから利子を取るということは私には絶対に承服ができない。これは法制定の当時から私は未亡人の貸付資金はあくまでも無利子でなければいけない。ほんとうなら国家からその生活を保障するということでなければならないのに、いろんな意味からできないのでございますから、せめて未亡人のこの母子福祉資金に対しては一つ無利子にしてほしいというのが強い要望でございますし、私もかくあるべきだと信じておりますので、法制定以来の趣旨を私は貫きたいということで御質問申し上げますが、一つ当局のそのお考えを聞かしていただきたい。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 藤原さんの御質問にございました未亡人の住宅の問題でございますが、これは全くそういうふうな場合を想像いたしまするというと非常にお困りになることでございますので、今後これらの問題につきましては十分に研究をいたしていきたいと思います。  なお、子供の就職の問題につきまして、入社試験等はパスしても、家庭の環境等から自然オミットされるということにつきましても、これはただいまのところにおきましては、地方の未亡人会でありますとか、未亡人会の代表でありますとかあるいは県知事等が保証人になって、その保証をして、できるだけそういうことの目的が達成されるように努めているのでありまするが、この点につきましてもなお今後とも十分に考慮いたしたいと思います。  なお、この母子家庭に対する貸付金につきましては、修学資金だけは無利子に御存じの通りなっているのでございまして、その他の貸付資金につきましては年三分の低利にいたしているのでございます。今藤原さんのおっしゃいました全額無利子という問題につきましては、今後なお研究をいたしていきたいと存じます。

紅露みつ自由民主党

○紅露みつ君 大体藤原委員から未亡人側からの要望は尽されたと思います。まだこまかい点はいろいろございますけれども時間等の関係もございますので、私はただ一点だけ質問と申しますか、要望をしておきたいと思うのですが、今お話に出ました母子住宅の問題でございますが、これはせっかく未亡人の住宅としてまあワクをとったわけでございますが、どうも今お話のように、末端が徹底しないから各府県に通牒を出したと言われるのでございますが、それはいつごろお出しになられました。

高田浩運厚生省児童局長

○政府委員(高田浩運君) 昨年の十一月……。

紅露みつ自由民主党

○紅露みつ君 十一月お出しになったのでございましたら、もう少し徹底しておるはずだと思うのでございますが、最近私ども地方の実情を聞きますのに、せっかく未亡人住宅としてそれぞれの市町村に割り当てられておるのでございますが、どうもその趣旨が徹底しておらないのです。必らずその割当では、母子の家庭に入ってもらうというつもりで私どもはおるのでございますけれども、決してそんな状態に運んでおらないのです、これはもう優先というような意味もすこぶる弱い、これは実情でございます。ですから、これは通牒をお出しになって、たぶんそれが実現しておるのだろう、徹底しておるのだろうとお思いになっていらっしゃったら、これは大へんな間違いでございます。二へんでも三べんでも通牒をお出しになっていただかなければいけないし、その実情がどうあるかということを実際お調べいただきたい。これではせっかくできました新しい制度も、ほんとうに実際に私どもがねらっておりまする母子の福祉になっておらないのです。どうか一つこれは強く要望いたします。実情をもっと調べていただきたいということでございます。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 通牒は出しておるのでございますが、まあ私の考えといたしましては、ただ通牒の出しっぱなしということでありますというと、そういうような精神は、地方におきましては考えておりましても、やはり母子家庭の方でそれだけの実情がそれらの方面に徹底しないというようなこともあるのではないかと思いまするから、それらの問題につきまして、十分に両方に徹庭するようにいたしたい。それから徹底するにつきましては、やはり母子家庭等の団体と連絡いたしまして徹底さしていくようにいたしたいと考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 これは高田さんに伺いたいのですが、第五条を見ますと、先ほど藤原委員から利子の問題が出ましたが、第五条の第三項には、各七種類の資金について据置期間があるが、今度だけ据置期間を置かなくてこれを落されたわけですが、何か目的があって、お考えがあって据置期間を置かなかったのですか、その点だけ伺っておきたいと思います。

高田浩運厚生省児童局長

○政府委員(高田浩運君) 御承知のように、今までありますたとえば生業資金等について見ますと、一定の事業を開始するに必要な資金を借りまして、そうして準備を整えまして、その資金が果実となって現われてくるまでには一定の期間が必要であります。まあそのほか多かれ少かれ、そういった趣旨で据置期間というものを設けておるものと理解をしておるのでございますが、そういう点から見ますというと、今度の住宅補修資金というのは、いささか性質を異にいたしまして、一定の金を借りて、それを元として準備をして、それが一定の期間経過したならば果実を生ずる、そういう性質のものではなくして、一般の貸借の関係と、ある意味においては同じ性格を持つわけでございますので、そういう意味において、これについては据置期間を設けなかったのでございます。なお、実際問題として最高限を借りましても、大体償還の金額が月に五百円余になるわけでございまして、もちろんこれは非常に窮屈な生活の中から支出することは難儀な場合もあろうかと思いますが、その程度のものであるならば、まずまずそうまあ生活を圧迫することにはならないで済む場合が多かろうじゃないか、そういうような点も考え合せまして、御提出申し上げているような制度にいたした次第でございます。

須藤五郎無所属クラブ

○須藤五郎君 この中で、住宅補修資金の三万円というのがありますが、この三万円という金額で、今日未亡人たちの入っている寮やそういう所に行って見ますと、相当に荒れているのですね。三万円程度では畳がえ程度しかできないように私は思うんですが、一体この三万円でどの程度の住宅補修なり、修理ができるというふうにあなたたちは考えておるのか。三万円というのは、ただばく然とした金額だけ出したので、何もそういう点まで考慮していないのか、どういうことなのか、ちょっとその点を伺いたい。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) この三万円ときめましたのは、大体補修ということを目標といたしておりまするから、大体この程度のものであれば補修ができるんではなかろうか、こういうことをめどにいたしまして三万円といたしたのでございます。

須藤五郎無所属クラブ

○須藤五郎君 今ごろ住宅を見ると、もう実はひどく荒れているんですね。三万円くらいの補修で、ほんとうに住むような状態でない面が非常に多いんですよ。ですから私はこれはもう少し金額をふやすべきものであって、三万円の金額を置かれたのには、何ら根拠がないんではないか、そういうふうに私は考えているんです。もし根拠があるならば、とにかく例をあげて、この程度のものを目標としてやっているんだとか何とか、もう一つお伺いすることができるならば聞いておきたいと思います。

高田浩運厚生省児童局長

○政府委員(高田浩運君) 確かに荒れておる住宅というものは相当たくさんあると思います。これを修理をいたしますためには、金額が多いことが望ましいことは言うまでもございませんけれども、しかし母子福祉資金としての資金の総額というものは、これは限度がございますし、それから見ますというと、たとえば生業資金でありますとか、あるいは修学資金でありますとか、こういったものもきわめて大事なものでございまして、これらを非常に圧迫をして、いわば住宅補修の方に振り向けるということは相当考えなければならない問題でございます。それが一つ。それから住宅補修というのは、やりかかればいわばきりのない仕事でございますけれども、やはりこれは緊急、緊要な部面に、先ほど申し上げました趣旨から限るのが適切ではないか、そういう意味におきまして、まず、まあ屋根でありますとか、あるいは土台でありますとか、そういうほんとうに緊要な部門について考えたいと考えておりますし、それらについては、たとえば屋根の修理についての単価等を一応計算をいたしまして、もちろん多々ますますよろしきことは言うまでもございませんけれども、まあこの程度で何とかやっていけるんじゃないか、そういう考え方に基いたものでございます。

須藤五郎無所属クラブ

○須藤五郎君 あなたはいけるんじゃないかという観点だと思うが、僕はいけないだろうと思うんです。屋根一つ直すんだって、三万円では大したことはできない。これは三万円やっても、といぐらいしか直らないんじゃないかという心配がある。従って三万円という金額で、ほんとうにこの人たちがやってみて、どうでしょうかね、これでも非常に皆が助かってやれるでしょうか、そういう点です。喜ばれるのはけっこうだと思います。(「議事進行」と呼ぶ者あり)それに答えてからどうでしょう。それからやったらどうですか。政府に答えさして。

高田浩運厚生省児童局長

○政府委員(高田浩運君) もちろん修理の程度によってこれは違うと思いますけれども、たとえば屋根について見ますというと、一坪当り日本瓦でやりかえるとしまして、大体二千円前後の金額と考えられるのでございます。そういたしますというと、やはり三万円で相当な坪数の修理ができる、かように考えておるのでございます。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 須藤委員が提示されている問題は基本的に非常に重要な問題だと思うんです。しかし諸般の事情上、きょうは最終日でございまして、従っていろいろな観点から、本法施行に伴う手続等のことで、ぜひとも政府にただしたい問題に限って、この法案は少しも早く上げてやることが母子に対する期待に沿うことだと思いまするので、そのように委員長において取り計らわれんことを希望します。

山下義信日本社会党

○山下義信君 私はただいまの相馬委員の議事進行の発言に賛成いたしまして、私も伺いたい点がありますが、全部質問は省略することにいたします。ただ最後に当局にお願いしておきますことは、次の機会に、ただいま各委員が質疑されました、また要望せられましたそれらの点を十分参考とせられまして、当局もまた当局独自の立場で未亡人母子世帯に対する福祉の計画を新たに検討し直しまして、当局におきましても総合的な施策の計画の立案をされて当委員会に御報告を願いたい。付言しておきますが、未亡人の世帯も漸次立ち直って参っておるようでございますが、ただいま厚生大臣が離席いたしましたから私は申すのです。未亡人世帯の今日までの労苦は、私どもも十分当初から同情いたしまして、極力各委員諸君とともに福祉の諸施策には協力して参ったのであります。しかし私はそう思う。未亡人の世帯なるがゆえに、河と申しますか、必要以上に甘えるということは許されないと私は思うのであります。でありまするから、これらの福祉が増進されるに従いまして、未亡人母子世帯におかれましても、十分一つ、男子ならば緊褌一番でございますが、女子ですから緊褌というわけに参りませんけれども、十分一つ反省を願って、私は当初の緊張した心持を失わないように、今後更生自立のために私は邁進していただきたいと思うのです。実は昨年全国未亡人会結成五周年の大会が初めて全社協の講堂で何といいますか、第二義的に催されてあったのが芝の女子会館で初めて、相当内部ではいろいろお話があったでありましょうけれども、独立した大会が持たれたわけです。そのときに、現在の厚生大臣小林英三君が当時わが参議院の社会労働委員長でありまして、その大会に臨んで祝辞を述べたのであります。たまたま本員もこれらの母子問題に関係の深い一人といたしまして列席しておりましたが、当時主催者でありまする諸君が、この参議院社会労働委員長の出席のそれらの場合におきまする取扱い上ミステークがある。言いかえますというと、率直に申しますと、非常に非礼なことがあったのです。小林委員長は非常に当時憤激いたしたのでありますが、胸をさすって帰ったという一幕があったのであります。因縁というのは妙なもので、今回厚生大臣としてこの母子福祉資金の貸付法を提案する責任者となったのでありますが、どうか一つそういうゆるみのないように、これらの国会の各会派が非常に協力を、こういう段階で万難を排してこの本法を画期的に成立をするように御協力相なるこの国会の意思、当局のそういう努力等を勘案して、私は全国未亡人会に警告を発するのであります。そういうような一つの大会を持たれた、それが統制が取れなくて礼儀を正しくできないようなそういう状態ではいけない。福祉が増進されると同時に、やはりあらゆる面について深く反省もし、また向上、進歩をはからなければならないということを私はこの際苦言を呈したい。同時に当局には、ただいま申しましたような母子福祉に関する諸政策を再検討せられ、また先般は母の日のカーネーションの問題につきましては山下厚生政務次官特段の御尽力を下さって、将来は、来年度は、なおこれが全国未亡人会を中心として盛大に行われますように特段の御配慮をわずらわしたい。あわせて希望を申し添えておきます。

山下春江自由民主党厚生政務次官

○政府委員(山下春江君) ただいま山下先生からのお言葉は、私どももほんとうに身にしみてこの言葉を噛みしめて、この行政を行なって参らなければならないと思います。私、遅刻をして参りましたので、御要望の点は局長より聞きまして、その旨を体して運営をして参りたいと思いますし、なお山下先生よりカーネーション問題等についても、もう少しほんとうに盛り上るような、みんながその気になって、そのことに緊張して当られるような施策としてこの問題を大きく取り上げろ、それについてはいろいろな方法を考えろという御要望、御注意を賜わりました。私ども全く同感でございまして、今年度は御趣旨の点に沿うて動きましたが、ちょっと時期がおくれましたために、先生の御意思の通りには参りませんでしたが、来年度は遺漏なくその点を、先生の御趣旨に沿うような方法によって意義あらしめたいと、今から心の準備をいたすとともに、諸般の準備をいたしまして、先生方の御趣意に沿うように善処いたしたい覚悟でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 一点だけ高野さんの質問に関連して簡単に。高野委員から非常に大切なことを御質疑いただきましたが、その御答弁だけでは満足ができませんので、さらに一つ強くお願いしたいのです。据置期間の問題ですが、わずか五百円ぐらいだから大したことはなかろうというけれども、それが問題なのです。母子世帯には五百円という金は大金なのです。借りる金額から考えてごらんなさい。幾ら貸してくれているか。従いましてこれはやはり修復をすればそれだけ何かと諸雑費も要るのだから、やはり六カ月ぐらいの据え置きがあってしかるべきだと思うのです。従ってこの家屋修理資金に六カ月の猶予期間を最低お持ちいただけるように、近き将来御修正願えるかどうか、それを一つお伺いしたい。私は絶対にそれが必要だと思うのです。六カ月待ったって大した金額じゃないのだから、一つその点をお伺いしたい。

高田浩運厚生省児童局長

○政府委員(高田浩運君) 十分研究さしていただきたいと思います。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 他に御発言もございませんようですから、御質疑は尽きたものと認めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。  ちょっと速記を中止。   〔速記中止〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 速記開始。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 質疑は尽きたものと認めて、この際直ちに討論に入るの動議を提出いたします。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 討論省略の動議を提出いたします。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) ただいま相馬君提出の動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 御異議なしと認めます。  それでは討論を省略して、採決いたします。原案の通り可決することに賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 全会一致でございます。よって本案は原案の通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成その他の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     山下 義信  田村 文吉     相馬 助治  竹中 勝男     藤原 道子  須藤 五郎     草葉 隆圓  中山 壽彦     谷口弥三郎  高野 一夫     常岡 一郎  紅露 みつ     西岡 ハル  榊原  亨     横山 フク

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 速記中止。   〔速記中止〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 速記をつけて。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 ただいま議決をみました母子福祉資金の貸付等に関する法律の一部を改正する法律案に付帯いたしまして、左の決議案を各派共同提案をもって提出し、皆さんの御賛同を得たいと考えます。まず決議案を読んでみます。   母子福祉資金の貸付等に関する法律は、施行以来母子家庭の福祉増進上重要な役割を果しつつあるが、本法は母子福祉に関する施策の一部面を具現したものに過ぎない。よって政府はすみやかに母子福祉に関する総合法の制定に努力すべきであるが、とりあえず次期国会において左の点に関し改正措置を講ずるよう強く要望する。  (一) 佐宅補修資金の償還に関し据置期間を設けるよう努力すること。  (二) 地方財政窮乏の現状に鑑み、貸付に要する資金は、国庫負担を増額するよう努めること。 以上。   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) ただいま田村君提出の付帯決議を付することの動議は成立いたしました。  田村君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 全会一致と認めます。よって田村君提出の付帯決議案は全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。     —————————————

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 請願第八号ほか四百五十五件を議題といたします。速記中止。    午後四時十四分速記中止      —————・—————    午後四時二十九分速記開始

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 速記を起して。暫時休憩いたします。    午後四時三十分休憩。   〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・—————

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