P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
24回国会参議院1956/05/04

社会労働委員会 第31号

発言数
80
登壇者
10
会派数
3
開催日
1956/05/04

会議録

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  委員の異動を報告いたします。五月四日付戸叶武君辞任、山本經勝君選任、同日付赤松常子君辞任、相馬助治君選任、同じく加藤武徳君辞任、最上英子君選任、草葉隆圓君辞任、植竹春彦君選任、以上であります。   —————————————

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 次に、派遣委員の報告を議題といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) それでは健康保険法等の一部を改正する法律案等の審査のための、地方の実情調査のため、当委員会から派遣いたしました委員の御報告をお願いいたします。

谷口弥三郎自由民主党

○谷口弥三郎君 御報告申し上げます。  本委員会の決議に基きまして、去る四月二十七日、大阪府会議事堂におきまして、健康保険法等の一部を改正する法律案に関する聴問会を開催するために、横山、竹中、藤原、森田、谷口の五委員が派遣されましたが、当日の聴聞会におきましては、谷口が座長をつとめ、被保険者、事業主、医療担当者、保険者、支払基金の関係団体代表者及び新聞代表者、学識経験者の十三名を参考人として招致し、その公述を聴取して熱心に質疑を行なったのであります。当日の傍聴者は約百数十名を算したのでございます。  なお、参考人の公述要旨は、別にプリントにして配布いたしましたので、詳細はそれによってごらんを願いたいと存じます。  参考人の意見聴取事項は、プリント収録のように、大小十一項目にわたっておりますが、公述されましたおもなる事項について要約いたしますと、まず、社会保障制度確立の促進に対する意見としましては、いずれも現行制度の拡充統合と結核対策の強化が強く主張されまして、今回の改正案については、赤字対策の印象が深く、制度の後退であるとの意見が述べられました。  次に、国庫補助の問題につきましては、国庫負担の定率化を強調する意見が圧倒的に多数を占めたのでございます。  次いで、一部負担制度につきましては、改正案に反対の主張が多く、これをやむを得ないとする意見も、その大部分は条件つき肯定でありました。  また、行政検査の問題につきましては、主張としてはやむを得ないとする意見もありましたが、本質論としては、取締り的でなく、指導的にやるべきであるとの説が強く主張されたのであります。  そのほか、継続給付の資格期間の改正、被扶養者の範囲に関する改正案に反対する意見が多く、支払基金の審査機構の改正についても反対の意見が相当ございましたような次第でございます。  聴聞会における結論といたしましては、いずれも参議院社会労働委員会の良識ある審議に期待するということでございました。  以上、御報告いたします。

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 御質問がございませんければ、次に移りたいと思いますが、よろしゅうございますか。——別に質問もなければ、次に健康保険法等の一部を改正する法律案、厚生年金保険法の一部を改正する法律案、船員保険法の一部を改正する法律案、右三案を一括議題といたしますが、よろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 御異議ないと認めます。速記をとめて。   〔速記中止〕

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 速記を始めて。それでは質疑を願います。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 政府は三十五年までに国民皆保を提唱しておられますが、非常にけっこうなことでございますが、どういう方法で、またどんな形態に進めることを期待しておいでになりますか。具体的に言いますと、国民健康保険一本に近づけようというお考えをお持ちになっているのか、あるいは現在ございます健康保険は健康保険とし、また現在三千万人の保険に入っていない人たちに対しては新たな保険を考えているのか、まるく一本にまとめていこうというお考えを持っているのか、また、同じ健康保険の中でも、政府管掌の保険と組合の保険とございますが、こういうものをなるべく一本に近づけようというお考えを持っておられるのかどうか。その点につきまして、大臣のお考えを伺いたいと思います。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 御承知のように、ただいまございまする社会保険といたしましては、健康保険、政府管掌の健康保険あるいは組合管掌の健康保険あるいは船員保険、日雇い労働者の健康保険あるいは共済組合というような勤労者を対象といたしましての保険がございまするし、また一部主として自営をいたしておられます者を中心といたしましての国民健康保険とかいうようなものもあるのでありまして、それから現在の政府管掌の健康保険につきましても、非常に医療費のウエートの中に結核というものが三分の一以上もそれに食い込んでいる、これらの問題をどうするかというようないろいろな問題がございます。この健康保険自体にいたしましても、五人未満の事業場の者は入っていないというように、いろいろな問題がございまして、これらの問題を総合的に急速に検討いたしまして、将来たとえば五人未満のものは健保に入れるか、国保に入れるか、あるいは今日の政府管掌と組合管掌の健康保険自体につきましてもどうするかというようないろいろな問題が多々あるのでございまして、政府といたしましてはたびたび申し上げておりますように、すでにこの昭和三十五年というものを目途といたしまして、いまだ社会保険の恩典に浴してない三千万人の国民も全部皆保険にいたしたいと、こういうことを目途といたしまして、先ほど申し上げましたいろいろな問題を総合的に調査研究、企画をいたしまして、具体案をできるだけ早く作って参りたい、こういうふうに考えております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 大臣のおっしゃる三十五年に国民皆保にするということは、これはわかっているのでありますが、どういう形にいくべきかということになるというと、おのずから議論もあると思うのでありますので、私はまあ大臣が政府を代表されるわけではございますが、各国の例等から考えて、保険局長はどういうふうにゆかんとする中にあるか、そういう問題について一つお教えをいただきたいと思うのであります。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 今日の医療保険がいろいろな形に分れておりますることは、先ほど大臣がお話になった通りでございます。大臣が御答弁になりましたように、三十五年を目途といたしまして、政府といたしましては、国民皆保険の姿を実現いたしたい、かようなことで、約一千万円程度の予算を本年度御計上願いまして、いろいろ専門家を御委嘱申し上げて調査をいたす予定になっておるわけでございます。その姿は一体どういうふうになるであろうかという田村先生の御質問でございますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、私が一口に今たぶんこういうふうな方向にいくだろうということはちょっと申し上げられないかと思うのでございますが、大体の大筋といたしましては、やはりこの被用者保険と、それから地域保険と申しますか、自営業者というものが中心になると存じますが、被用者保険とそれから地域保険というふうなものの二本立にはならざるを得ないのではないかと、かように考えておるので、ございます。ただ従いまして、今未加入の三千万人ほどございますが、この多くはどちらかといいますと、地域保険の方に加入をして参るという姿になるであろう、ただし、大臣御指摘のように、その未加入者の三千万人の中にも被用者も入っております。五人未満の事業場に働いておりまする従業員等は被用者でありながら、今日この被用者保険の方に入っておりません。そういう対象もあるわけでございまするが、これを被用者保険の方に包含して参るか、あるいは地域保険の方に包含して参るかというふうな点も、これは研究問題でございます。しかしながら、大筋といたしましては、三千万人の中の未加入者の多くの部分は地域保険の方に包含して参るという格好に相なるだろうと思います。さらにこの地域保険の方としましては、さして問題が、さような問題は少うございますが、被用者保険は御存じのように、非常に今日いろいろな種類に分れておりまして、しかもその間に給付のバランスといいますか、給付の内容に相違があるというふうな形に相なっております。で、これらの被用者保険というものを理論的には一本の姿にいたしてゆくというのが好ましいと存じまするので、さような方向にだんだんと参ることに相なると存じまするが、果して現実の問題として、直ちにさような被用者は全部一本というふうなことになし得るかどうかということにつきましても、これはいろいろなむずかしい問題を包含しておるものと存ずるわけでございます。で、それらの問題につきましては、今後のわが国の社会保障制度の中核をなしまする医療保険制度の研究テーマの一番大きな問題であろうかと存じます。まあいずれにいたしましても、最初申し上げましたように、姿としましては大きく分けますれば、被用者保険と地域保険というふうな姿に大きく区分されて参るものではあるまいかと、こういうふうに今日のところ私どもは考えておる次第でございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 医療給付は非常にアンバランスであるということ自体が、私どもとするというと、いわゆる社会保障制度の中の一番重大なことが医療制度であり、しかもその医療制度がアンバランスであるということが非常におもしろくない感じを受けるのでありますから、何かしらん、これは一つ統一されてゆく必要があるのではないかと思う。そういう意味で、私は伺いましたところが、まあ地域制度によるものと、被用者の保険というものはおのずから二つにゆかなければならないのじゃないかというようなお言葉であったのでありますが、要するに、給付が地域保険の場合でもまた被用者保険の場合でも同じように公平に待遇されるということであれば、これは私は何をか言わんやですが、そういう点について、これは私大臣に伺いたいのでありますが、大臣は究極においてどうあるべきかということについてお考えになっておられますか。やはりやむを得ざるさような種別による区別をせざるを得ないということになるのか。そうでなくて、もう国民である限りにおいては、やはり医療は機会均等で平等の給付を受けられるというふうになるべきがほんとうであるとお考えになるか、この点について大臣はどうお考えになっておりますか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 今お説のように、この三十五年を目途といたしまして、国民皆保険の姿に持ってゆくということは申し上げた通りでございまするが、しからばどういうふうに究極においてこれをやってゆくかということは、これはなかなか大きな研究課題であると存じます。しかしいずれにいたしましても、私は田村さんのおっしゃるように、社会保険というものは、やはり機会均等にゆくということが理想であると、こういうふうに考えております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 保険局長に伺いますが、各国の例は大体どういうふうの流れにいっておりますか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 私も世界各国の例を詳しく存じておるわけではございませんが、大体の傾向といたしましては、御存じの英国のような所だとか、これは国家サービスの形でありますが、それからその他、人民民主共和国と申しますか、いわゆるそういうふうな系統の国におきましては、大体この一本の制度で運用されておるように存じます。その他の国々におきましては、いわゆる自由主義民主主義的な国々におきましては、いろいろとその国の事情に即しまして、国民を一本の形に取り扱っておらないところが多いように承知をいたしております。なおこれらの点につきましては、いま少し資料等ございまするので、整理をして、他日適当な機会にお手元まで差し上げたいと思います。今大臣がお答えになりましたように、この究極の姿におきましては、国民が全部同じような取り扱いを受けていくのが理想、究極の姿においてはそれが望ましい姿であると、私どもも考えるわけでございます。ただその過程におきまして、そこに参ります、到達します過程におきまして、いろいろと解決しなければならないいろいろな問題がありまするので、直ちにわれわれが今意図しておりまする昭和三十五年度、それを目途としまして、国民皆保険ということを考えておりますが、その際にこれが一本になり得るかどうかということにつきましては、やはり私は相当に疑問があるのではないかというふうに考えまして、先ほどのようなお答えをいたした次第でございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 わかりました。できるだけ早く、各国の例を一つお示しをいただくようにお願いをいたしたいと思います。  次の問題に進みますが、今大臣のお言葉の中にもあったのですが、結核の問題が、現在日本の社会保障の中では、非常に大きな地歩を占めておりますし、また保険の中における給付の大きな対象になっているわけであります。そこで、これを日本のような特殊な結核の多いような国においては、これだけを抜き出して、結核保険とかあるいは何か特殊の措置を考えることがいいのじゃないか、また、現在の結核患者を、やりようによりましては、十分の一にも減じるということもできないことはないように思われますので、何か結核保険というようなものに、各保険から抜き出してきて、各保障制度の中から抜き出してきて、これをやるような考え方は考えられないものでありますか、いかがでございますか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 今田村さんの御意見にありましたように、結核というものが、健康保険の医療費の中に非常に大きなウエートを持っておりますことは御承知の通りでありまして、今お話のような結核だけを抜き出して、別個の結核だけの保険にしたらどうかというような考え方は、相当今日の識者の中でも行われておるのでございます。しかしこの問題も先ほど私が申し上げましたように、すべての問題と総合的に調査、研究、立案をいたしまして、何らかの方法におきまして、あわせて研究をいたしていきたいと、こういうふうに考えております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 次に伺いますが、これは大臣をわずらわさなくてもけっこうですが、政府管掌と組合と、今二種類ございますね、健康保険に。当時この二つに分れました事情と、現在こういうことが分れておることのために不都合がないか、こういう点について、御当局の考えと、その当時の事情をお話をいただきたい。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 今日の組合管掌のいわゆる健康保険組合というものは、今日の健康保険法が制定されまして大体三十年、約三十年になるわけでございますが、その健康保険制度創設の当時から実は存在をいたしているのでございます。むしろその健康保険法が、健康保険制度が創設されました当時の事情は、私が承知いたしておりまするところでは、すでに大会社の従業員のところには一つの共済制度が実施されておった、そういうふうな関係もございまして、それらのものをもこの制度の中に包含をして、今日の健康保険制度というものが打ち立てられたと、こういういきさつであるように、私、承知をいたしているのでございます。従いまして、むしろこの法律制定の当時におきましては、組合制度でとても運用できないようなものをまとめて政府管掌として、これに健康保険制度をかぶせていくというような考え方が、制定当時にはあったやに承知をいたしているのでございます。しかし、この事情は今日では非常に変っておりまするけれども、制定当時といたしましては、さような考え方もあったやに承知をいたしております。  大体この組合というものの何と申しますか、創設当時の事情は、今のようなことでございまするが、今日この政府管掌と組合管掌とが二つに相なっておりますることにつきましては、これはいろいろと検討すべき問題を残しているというふうに、識者の間に指摘をされております。なおまた、衆議院等におきましても、今回の健康保険法の一部改正を御審議相なりまする際にも、いろいろと論じられたところでございます。  ごく平面的にものを考えますと、組合管掌の方は比較的大事業場ばかりでございまするので、政府管掌の方と比べまして、標準報酬が大体五割方高いというふうなことになっておりまするので、従ってこの政府管掌の赤字というようなものも、これを一本にして、組合管掌と政府管掌とを一本にして、がらがら回しの計算をしてみたならば、赤字も出ないのじゃないかというふうに、ごく平面的には、算術的には考えられまするので、さようなことからも、その組合管掌を今後どうしていくかということについての論議が行われているわけでございます。しかしながら、この組合というものには、また組合の非常にこのよさというものも存在をいたしておりまするので、と申しまするのは、たとえば保険料を徴収するというふうな事務が非常に簡単になる、手数がかからなくなる。あるいはまた、この管理が非常にその会社の人事管理、労務管理組織とうらはらになって行われまするので、組合の事業の管理が政府管掌の場合よりは非常に行き届くとか、いろいろ長所もございます。さような点をあわせ考えますると、従ってこのがらがら回しが、政府管掌と組合管掌と一本にしてがらがら回しの計算をして見れば赤字は出ないと、算術的な計算にはなりますけれども、それを現実の制度の上に実施しました場合には果してどうなるかというふうな問題もございまするし、従いまして、この組合管掌というものをどうして参るか、政府管掌との関係をどうして参るかということにつきましては、今後慎重に検討を要する問題で、先ほど大臣が御答弁になりましたように、私どもといたしましても、この問題を今後重要な一つのテーマとして検討を加えて参りたい、かように考えておるような次第でございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 これができる当時の——実際私は、いわゆる規制を受けた人間として当時の経験を持っているのでありまするが、なぜ組合というものにこだわったかということになりまするというと、当時の事業経営者からいうと、健康保険には反対だ、それで結局組合立というものを認めて、ある程度まで自分の事業というものは、保険給付というものはそう多くない、多いものと一緒にされるんでは困るから、自分のところは自分ところの組合でいくと、こういう非常に今から考えると狭い考えで、保険の本体を考えなかったためにそういうような結果に私はなったように、その当時のことを記憶しているのであります。そこで今日のように同じ業種の人が同じ賃金を払われている時代とは違って、同じ能力を持っておっても、その勤めている所によっては非常に賃金も違う、こういうような事態になって参りますると、私は特に高賃金の人が低賃金の人のために奉仕する考えをお互いが持つということを考える上からいっても、当然に組合立あるいは政府管掌というようなことに分れているということがどうも自然でないように考えるのでありますが、こういう例はやはりアメリカあたりにもあるのでありましょうか、もしないものであるとするならば、こういう点については突っ込んで御研究なさる必要があるのじゃないか、あるいは大企業にすればその方がいいということで主張されるかもしれません——しれませんが、今日の中小企業の人たちが非常に困っておるような場合を考えるとき、こういうことはお互いが譲り合って、大きな保険という目的の上からいって一本にして、高い賃金の人も低い賃金の人も互いに助け合うという考え方になっていかなきゃならぬのじゃないか、こういうふうに考えられるのでございますので、私はできた当時のことをまあ十分には記憶しておりませんが、私の記憶から考えて、そういう点についての特段の御考慮が必要じゃないか、こう思うのですが、いかがですか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 米国はたしか社会保険というものがあまり発達いたしておりませんので、米国の例はあれでございますが、イギリスでは、今日の制度になる前に組合健康保険が、組合管掌というものがあったそうでございます、今日の制度になる前に。しかし他の国々におきましては、私の記憶しておりますところでは、あまり日本の組合管掌のような制度は聞いておらないのでございます。しかし、この点はもう少し調べてみたいと存じます。いずれにいたしましても、今先生御指摘のように、確かにこれは理論的に申しますると、非常に検討を要すべき問題であることは先生御指摘の通りだと思います。私どももこの点につきましては、将来実際問題としてどういうことになるか、これを一本にした場合には、現実の姿としてどういうことになるかという点につきまして、十分一つ検討を加えて参りたい、かように存じておる次第でございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 衆議院の修正案によります一部負担の金額は、総医療費に対してどのくらいの割合になっておりますか、御計算されたものがありましょうか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 四百四十三億に対する十七億八千万円でございまするので、四%弱ということに相なっておるかと思います。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 衆議院で付帯決議をなすって送り込んでおいでになったのですが、都道府県の医師会あるいは日本連合医師会というようなものを、将来もっと強い立法化する必要があるのではないかというようなことを決議にお触れになっているのでありますが、私もさようなことが必要になってきているんじゃなかろうかと思うのでありますが、これに対して、衆議院はどこまでその決議には、その趣旨をお進めになる御意向があったのか、それをまず第一に伺いたいのです。それに対する政府はどういうふうにまた善処しようとするのか。

小島徹三自由民主党

○衆議院議員(小島徹三君) お答え申し上げます。実は私衆議院を代表して答弁する資格があるかちょっとわかりかねる状態でありまして、衆議院として藤本君がお見えになっておったのでございますが、本日差しつかえがございますので、代理で出ているようなわけでございますが、あるいは御十分に満足いただけるお答えができるかどうかと思っておるのでございますが、私の方では、今度医療機関の総辞退というような問題があったりいろいろいたしまして、そういうことを考えましたとき、一々政府が監督官庁としてこれを取り締るとかあるいはいろんなことをいたします場合において、それよりもむしろ自主的に医療機関を法的機関としておいて、その間でやってもらう方がむしろいいのではないかというように考えましたので、何とかしてこれを一つの法的機関にしたい、こういう気持でいたしたのでございまして、ただこれにつきましては、多少憲法上の疑義等もございますので、その問題が解決するまでは、できるだけそういう性格を持つようなものに持っていく、しかし最終的には、弁護士会のような一つの法的機関にしてしまいたい、かように考えておる次第でございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 それに対しまして政府は、今の言葉の中にございました憲法に抵触する点があるのではないかというようなお考えがあったのですが、私どもはさように考えておりません。おりませんが、政府としては、これに対してどう考えておられるか、私もできるだけ自主的にかようなものがお互いに制肘し合っていきながら、りっぱな一つの社会保障の役目を勤めてやってもらうということが願わしいのです。こう考えているのでありますが、政府のお考えとしては、これに対してどうお考えですか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 御承知のように、ただいまの日本医師会にいたしましても、日本薬剤師会にいたしましても、任意加入の団体でございまして、私は先般当委員会におきまするどなたかの御質問に対してもお答えしたのでありますが、やはり健全なる保険医療の発達のためにつきましても、将来統制のとれた、十分連絡のとれた強力なそういう団体ができまして、そうしてお互いに行政官庁とも協力して、この問題を推進していくことができるならば非常によろしいと、こういうふうに考えておるのでありまするが、先般の衆議院におきまする付帯決議につきましても、十分に私どもといたしましても国会の御意向に沿うように進めて参りたい、こういうふうに考えておるのであります。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 衆議院を代表している小島さんにお尋ねしたいのですが、付帯決議で、医師会並びに歯科医師会あるいは薬剤師会、こういう医療担当者が現在置かれている状態から見て、しかもまたその職責の重大さから見て、何らかの立法措置による団体の組織を規定したいという意思を表明されたことに対しては私は賛成しておりますが、これはどのように理解したらよろしいのですか。すなわち、議員立法、特別何らかの積極的措置に出ることを意味しておると見るべきですか。あるいはまた、政府当局をしてこれに要する立法措置の事務手続を進めさせ、研究させて、政府の責任において法律案を国会に提案せしめることを期待しておるのでございますか。そのいずれであるか、一つ衆議院の意思を確かめておきたいと思いますので、御返答御返答は恐縮ですが、一つ御回答願いたいと思います。

小島徹三自由民主党

○衆議院議員(小島徹三君) お答え申し上げます。実は先ほど申しました通りに、この付帯決議を作るときに、これが憲法違反になるのではないかというような議論もございましたので、できるだけ、最終的にこれを立法措置をとってしまうまでの間に、いろいろの行政措置をもってほとんど立法したと同じような効果のあるようなことを考えてみろということを私たちは政府に要求しておったのでございまして、最終的には、私たちはこの憲法問題を解決して、果して違憲になるかどうかということを解決した上で立法せしめたい、しかもその最終段階に至るまでの間には、できるだけいろいろな措置によって同じような効果を得られるような方法をとったらどうだというふうに私たちは考えておったのでございます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 私は厚生省側に伺いたいのでありまするが、これは大臣の御就任前のその前、二代前の大臣の藤代のときからの話でありますから、御承知なければ政府委員、担当委員から御説明願いたい。今回衆議院で三志会の法制化、法的性格を与えるということを打ち出されたことは非常にわれわれ賛成なんであります。実は、われわれはこの参議院の前の厚生委員会においては、すでに三年前にこのことは政府がこの法制化をはかるべきであるというりっぱな決議をいたしまして政府に勧告をしてあるのであります。自来何事も、一向政府の方からこれについて研究したとも、むずかしいともむずかしくないとも御返答がない。そこで、昨年でありましたか、山下委員と私と二人でこの問題について医務局長に伺ったところが、非常にむずかしいというようなことで、まだ操作は進んでおらぬというようなお話があったのですが、一昨年決議したときは、これはもう明確に議員立法とか何とかいうのじゃなくして、厚生省の措置として政府案をもって法制化をすべきである、その立法案を出されるべきであるということを打ち出している。幸いにして、一方衆議院もそういうような、とにかく法制化の必要を認められた決議をされたのでありますから、これは衆参両方一致した見解である。従って、私は早急に、これは議員立法とか何とかいうのじゃなくして、政府案として直ちに立案の措置をとられるべきであろうと考える。これは衆参両方の総意であります。そこで、私はできるだけ、次の国会あたりくらいにこの立法案の提出を求めたいと思うのでありますが、そういうような御用意なり、準備なり、研究なりお進めになっておるかどうか、それをはっきりと伺っておきたいと思います。

曾田長宗厚生省医務局長

○政府委員(曾田長宗君) 先般当委員会におきまして、高野委員から、ただいまお話のような御質問をいただきましたことを私もはっきり覚えておるのであります。その後におきましても、この問題を私どもとしましては、関係者の間でいろいろ検討はいたしてみておるのであります。しかしながら、ただいま小島先生からお話がございましたように、医師会の強制設立の妥当性、あるいはかような医師会にいかような責任と権限を持っていただくか、というような点につきまして、実のことまだ結論が出ておりません。事実お恥かしいことかもしれませんけれども、なかなかむずかしい問題で、回答が容易に出てこないというような状況でございます。一方、医師会、歯科医師会、薬剤師協会方面におきましても、この問題をいろいろ考えておられるようでありまして、たとえば、医師会等におきましては、少くとも今日の日本医師会というものと都道府県医師会、こういうような組織に対しまして、今日は、御承知のように、個々の会員が二重加入のような形になっておるのであります。かような意味でせめてこの組織を特別な法的な基礎を持たせるというようなことでなくても、しっかり改組をいたして参るというようなことを考えられておるようでありますが、私どもとしましても、さような点は直ちに実行可能なのではないかというようなふうに考えておりますが、結論的に申しますれば、強制設立、あるいはいかような責任と権限を持つべきであるかというようなことにつきましては結論は出ておりません。また、今後についても相当むずかしい問題で、いろいろ各方面の御意見を伺った上でなければ筋が出てこぬというように考えます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 これは、つい先般この問題について質問して、それから御研究を願うべくスタートが切られたわけではないのでありまして、すでに参議院が決議を突きつけてまる二年たっておる。まる二年。その間どういうように研究されたのか。むずかしければむずかしい、憲法違反の疑いがあるならば疑いがあるで、法制局等とも十分御研究があってしかるべきである。参議院の決議を何と考えられておるか。衆議院で今度決議されても、やはりこういうようなことで一年、二年ほったらかされてはわれわれの決議は何にもならぬ。そこで、むずかしければどういう点がむずかしくて、法制局なら法制局、あるいはそのほかの関係、あるいは法律の学者と相談したがどの点に難点があるとか何とか……。そんなら弁理士会法なり、弁護士会法はどうなっているかという点について、もう少し具体的な研究なり報告なりあってしかるべきじゃないですか。まる二年たっているんですよ。この決議は。われわれしんぼうして待っておる。それを今度は、衆議院も一緒に同じ趣意の決議をしたんだから、これは私は早急に、半年を出でずして何らかの措置を講ぜらるべきである。国会の総意を盛った決議なんです。関係委員会の決議です。それを今みたいな答弁で、また二年間ほったらかし、半年、一年間ほったらかされて、むずかしい、むずかしいということでは、これはとうていわれわれは了承することはできない。これは、衆議院においてもそうだろうけれども、われわれは、法制化の決議をするには、一応それだけの研究をした上でこの決議をしてある。まる二年ほったらかして、私は厚生省の非常なそういう怠慢を責めたい。そこで、私は過去のことは触れぬといたしまして、改めて小林厚生大臣に御所見をただしたいのでありますが、この法制化の問題については、幸いにして両院の担当委員会の意見が一致して参りました。そこで、かような事態になりました以上は、早急にこの問題について検討され、立法案の作成にかかっていただくべきであろうと思いますが、その点の御決意はありますまいか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 先般衆議院におきましては、御承知のように、「政府は速かに医師、歯科医師及び薬剤師関係団体の性格、事業会員等に関する適当なる施策につき調査研究の上、我が国医療の健全なる発達に資すべき制度を樹立すべきことを要望する。」というような趣旨の付帯決議があったわけでございます。今高野委員の御意見にもありましたように、私は存じあげておりませんでしたが、すでに二年前におきまして、参議院の当委員会において、それと同様の御決議をなさったそうでございます。私どもの事務当局の答弁は別といたしまして、現実の問題として、私が就任中にこういう国会の付帯決議を得、また参議院におきましては、すでにさかのぼって、これと同様な御決議をなさっておるのでございまするから、私といたしましては、国会の意思を十分に体得いたしまして、すみやかにこれに対する結論をできるだけ早くいたしたい、こういうふうに考えております。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 途中、質問が重大な問題であったために差しはさまったのですが、私、先ほどの小島委員の御答弁にもう一歩突っ込んで、前段は衆議院の態度、後段は厚生省の態度をこの際確かめておきたいと思います。  小島委員は冒頭に、私が衆議院を代表することは、あるいは不十分かもしれないと、かようにおっしゃって御遠慮なさいましたけれども、私どもは、非常にまじめな議員として知られておりまする小島さんの御答弁をあくまで信頼して次の質問をするのでございまして、私自身が聞き間違っていたらば、一つ御訂正を願っておきたいと思います。  と申しまするのは、今度の衆議院の付帯決議というものは、医療制度を健全に推し進めるための制度を確立せよということを政府に期待しておるのであって、これは当然政府は責任をもって立法措置を講ぜしめることを予測するだけでなくして、期待しておる、そうでなければ全く意味をなさぬと、かように考えていたのですが、念を押すために私はお聞きしたのですが、お答えはきわめて意外でございまして、官僚統制と一言に言われておりまするけれども、衆議院の態度は、厚生省をして行政措置その他をもって薬剤師協会、歯科医師会、医師会がその団体を結成し、その団体が何らかの力を持つように行政措置をもってやらせたい、こういうことですが、これはきわめて危険であります。同時に、参議院の社会労働委員会は、与党、自民党の諸君を含めて、さような考えを持つ者は一人もないと思います。御案内のように、不幸なことではございまするけれども、医療担当者と厚生省の今月の関係は、小島委員お知りの通り、薬剤師協会の立場からいたしまするならば、法律第二百四十五号、すなわち医薬分業法案の実施についての指導適切を欠いて、不徹底きわまるというそしりを受けております。薬剤師協会が言っておることには理があります。医師会、歯科医師会において、今度の新医療費体系、今度の健康保険法、全国の医師、歯科医師の怨嗟の声が厚生省に集中しておる。そこへもってきて、厚生省に行政措置をやってもらって官僚統制をやるなどということは、三志会の諸君は考えていないだけでなくして、私どもも考えていない。これは衆議院の付帯決議の精神は、小島さん何かのみ込み違いをしていらっしゃるのではないかと、かように思うのですが、その点をただしておきたいと思うのです。よけいなことのようですが、もう一言付言いたしますと、ただいま厚生大臣が読み上げましたように、基本的な調査をして、基本的な制度を確立しろといっている医療制度の確立ということは、これを法的に確立し、同時に実質的に確立するということを意味するので、一片の行政命令や何かをもって律せられるべきものではありません。しかも厚生省の現在の研究の段階は、ただいまあなたがお聞きの通りです。間違いございません。

小島徹三自由民主党

○衆議院議員(小島徹三君) お答え申し上げます。私の先ほどのお答えが誤解を招いたようにも思われますので申し上げておきますが、私は衆議院として考えておりますることは、先ほど申し上げました通り、すなわち三会が立法化されまして、そうしてすべてが自主的に行われるという段階になればまた特別でございますけれども、それまでの間といえども、その三会が自主的に結成されたと同じように、医師会の決定と同じように意思を尊重されて、すべて行政措置をしていくようにという意味を申し上げているのでございまして、ただ官僚統制でいくというような意味ではないのでございますから、その点は誤解ないように願います。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 よくわかりました。さもあるべきだと思うのです。ただしかし、善意の衆議院の意思が、今の厚生官僚諸君の手をもってやられるというと、どうも形式的な官僚統制に陥るという不要を、三志会の諸君に与えると存じますが、さような現実を勘案しておくことが、衆議院においても必要だとこういうふうに私は思うのでございます。  そこで私は厚生省にお尋ねをいたしますが、医務局長の御答弁はきわめて率直で、その態度は私は敬意を表します。しかし、内容は全く何もない。むずかしいということと、今のところどうにもならぬということです。これではどうにもならない。どだいこの健康保険医の総辞退の問題というようなことは、医師のためにも喜ぶべきことではないと同時に、患者自身にとっては非常に大きな迷惑である。と同時に、一体総辞退というようなことを、団体の力をもってやれるのかやれないのかという、あれは法律的な議論すら私はあると思うのです。わが党は政治的な立場からこれを支持しましたが、実際法治国家として、一体ああいう物の考え方はどうなんだろう、労働組合のようなものはないし、どうなんだろうと、こう私自身は勉強が足らないせいか何か、時折不審にすら思っていたのです。そこで両院の決議もさることながら、ああいう事態を見て、厚生省自体が何とか団体の行動を、ある意味では規制し、ある意味では助長する方策に出なければならぬと、積極的にお考えになるのが当然だと私は信じているのであります。にもかかわらず、同僚高野委員の質問に対するお答えは、もう全くこれはわれわれをがっかりさせます。そこで小島委員が説明をされた立法化されるまでの行政的な指導、具体的にはどのようなものがあり、どのような構想がおありかどうか、これは事務局から一つお答えを賜わりたいと思います。  それから、大臣が近い将来においてこれを抜本的に立法措置を講ずるらしき御決意が表明されておりまするが、事務当局の御見解からいたしますると、大臣の答弁されていることを具体化いたして判断した場合に、いつごろまでにさような調査研究が終り、かりに立法措置をするとするならば、それが可能でございましょうか。腰だめでけっこうですから、一つ期限を切っておいていただきたい。二年前にお願いしたのにまだ何にもできていない。厚生大臣の決意もあと五、六年もかけてやるというのでは、これはどうしようもないので、非常に失礼な言葉ではありまするけれども、そこを確かめておきたいと思うのでありますので、二点お尋ねいたします。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 後段の御質問につきましては、これは所管の局の方でお答えをいただくことにいたしまして、前段の衆議院の附帯決議の最後の項に書いてございまする、「右制度の確立されるにいたる間においても、政府は、関係行政の実施に当り、これら関係者の意見を十分尊重するよう、極力留意されたい。」、この部分についての御質問につきまして、私からもお答え申し上げておきたいと存じます。これは厚生行政の全般にわたりまする問題でございまして、単に保険行政の面だけではないと存じまするけれども、私ども保険行政の面におきましては、実はこの御趣旨に非常に沿うようなつもりで、かようなことを考えておる次第でございます。たとえば今回の改正法の中に、保険医療機関あるいは保険薬局として指定をいたす制度がございます。この指定をいたす制度とか、あるいはまた、保険医等の個人の登録というふうな問題もございまするし、あるいは監督のための監査というふうな問題もございまするが、それらの制度の運用につきまして例をあげて申しますると、医療機関の指定ということにつきましては、この地方医療協議会、この中には医師会の代表も出ておりまするが、地方医療協議会の諮問を経てということになっておりまするし、なお、この指定を拒否いたしまする際には、諮問でなく、その同意を得なければならないというふうなことに法律的にはなっておりまするが、さらにその前に、この現実の行政上の運営といたしましては、医師会なり、歯科医師会なり、薬剤師協会なりの御推選を待って、行政庁としましては原案を作り、それを医療協議会にかけるというふうな形で運用をいたしたい。それから登録の場合におきましては、これはどなたでも登録をするわけでありますから、さような問題は起りませんが、登録を取り消すとかというふうな場合にもそういうふうな運用をいたしたい。それから医療機関等に対する監査の場合でありまするが、これは従来もさように運用いたしておりまするが、すなわち監査をいたしまする場合には、さような診療担当者の団体に御連絡をし、それの立ち会いの上で監査を実施するというふうなことに運用をいたしたい。まあさようなことを私どもといたしましては考えておる次第でございます。具体的な例に一つなるかと存じまして、私どもとしましてはさようなことをやって参りたいと、かように考えておることを申し上げておきます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 同僚議員からだいぶ今の問題につきましてお話しが出ましたので、重ねてお伺いするまでもないようでありまするが、問題は憲法違反になるか憲法に抵触しやせぬかという問題が一番大きな問題であると思うのであります。そこで今の医師会の推選とかあるいは医師会に諮問してとかということで、指定の取り消しあるいは免許ですかの取り消しというようなことをきめるだけならば、おそらくは憲法違反の問題にはならぬのだろうと思いますが、たとえば医師会を除名するとかいうようなことになる場合において、医療ができない、こういうようなことは憲法違反に関係するのではないかと、こういうふうに考えているのでありまするが、おそれ入りますが、次回までに一つこの点については法制局の御見解を、すでにお調べになっているかもしれませんが、一つ知らしていただきたいと思うのでございます。今御答弁できればけっこうですが……。

曾田長宗厚生省医務局長

○政府委員(曾田長宗君) ただいまの田村委員の御質問につきましては、私どもいろいろと検討はいたしたのでございますけれども、きわめて重要な点でございますので、次回に責任あるお答えをいたさしていただきたいと存じます。  それから先ほど相馬委員から御質問のございました点について、保険局長から一応のお答えがあったのでありますけれども、なおいつまでにこの案を出せるかというような御質問もございましたのでありますが、この点につきまして、はなはだ申しわけないことでございますけれども、私ども、この問題はきわめて関係するところが広いのでございます。先ほどもお話しございましたようないろいろな団体の御意向も聞いてみなければ、私どもだけで何としても独走はしかねる問題でもございますので、そうなりますと、その話し合いがいつまとまるかというようなことについても明確に申し上げかねるのでありまして、私ども誠意をもちまして、できるだけ一つ早急にできるかできないか、あるいはいかような形で実現可能と考えるかということを申させていただきたいと、かように考えております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 今度の問題は、たまたま医師会の総辞退の問題から医師会の機能について、とやかくの議論が出るようになったことは、私はなはだ不幸なことであったと思うのですが、そういうような、今度のような総辞退というような問題でなくて、医師、薬剤師、歯科医師というものは、国民の健康をつかさどる最も大切なしかも常識の最も高い人たちの集まりである関係から考えて、これはお互いの集まりができて、そうして自主的にものをやれる、ある程度までやれるということになっていることが医療行政をなさる厚生省としても大へん便利なのであります。それがややもすると、過去においては何かしら厚生省というものと医師会側というもの、あるいは薬剤師側というものが何かぴったりといかないというなことは、私国民の不幸だと思うのですね。そういう意味からいって、私は今度のような問題で言うのでなくて、医師会法とか薬剤師法とか、あるいはそういったようなもの、歯科医師法というようなものを一つお考えになって作られる必要があるのじゃないか、こう考えますので、ただ憲法の抵触云々については次回に十分の御調査をいただいて、もしそれができるものならば、私は一日も早くこういうものをなさることが国民医療を非常に安心させてやらせることになるように思うのでありますが、大臣に特にこの点について私は希望を申し上げておきます。  それではあとはこまかい細目に関する問題についてちょっとお尋ねしたいのでありまするが、再診以後の一部負担が徴収不能に陥るおそれがあるために、初診料の一部の負担を大幅に増額することによって再診以後のものはとらないというような意見もあるようでございまするが、これに対しては、局長はどうお考えになっておりますか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 保険の立場からだけ考えますと、さような案も十分考えられるのであります。保険運営という立場だけから考えますと、十分考えられるのであります。従いまして、私どもも最初一部負担の案を練りまする場合には、何と申しますか、数十くらいのいろいろなやり方が考えられまするので、そういうふうなものの中の一つとして検討いたし、しかも相当最後までさような考え方も有力な案として実は残っておったわけでございます。しかしながら、これはまた立場をかえて、被保険者の立場になって物を考えますというと、あるいはまた、早期発見、早期治療といいますか、さようなことが厚生行政の他の面におきましては、非常に重要な問題として主張いたしておるところでございまして、さような総合的に国民の保健衛生というふうなものを考えまする場合におきましては、さようなやり方はどうであろうかという強力な反対論が出るわけであります。さようなことをあれこれ考え合せまして、私どもは政府原案といたしまして、初診の際には現行通りの一部負担、これを広げるということを考えないでいくという案に最終的には落ちついた次第であります。さような経緯もございまして、考え方の一つには、十分あり得る考え方でございまするけれども、私どもといたしましては、今のような事情から、政府の原案のようなものが最も妥当であるというふうに考えておる次第でございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 次に伺いますが、簡単に、二重指定というのですが、詳しく言えば、医療機関の指定と、それから保険医、薬剤師の登録ということになるのですが、この二重指定というものがうるさい感じを持つので、医師の登録さえすれば、機関は、病院だけは別だけれども、病院以外のものに対しては、医療機関の指定というものは必要ないのじゃないか、こういうふうに考えられるのでありますが、どうしてもこの二重にしなければならない何か特殊の理由がございますか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 非常に短かい言葉での御質問でございますが、内容としましては、非常に広範な問題を御指摘になっておりまするので、若干詳しく御説明申し上げたいと存じます。まずいわゆる二重指定といわれておりまするけれども、機関の方は指定でございまするけれども、個人の方はこれは登録の制度でございまして、医師、歯科医師あるいは薬剤師というふうな方で、だれでも法律上もう問題なしに申請があれば登録をされるという建前の制度でございます。そうして一度登録をいたしておきますれば、その方がなくなられますまでずっと続く性格のものでございます。そういうことをまず第一番に申し上げておきまして、さらに私どもが機関指定と個人の登録とを二つ考えました理由をごく簡単に申し上げておきたいと存じますが、機関というものを保険の診療をお願いする契約の相手方としてつかまえました理由は、今日の進歩した医療の実態を見ますると、個人の医師が個人の患者を診療なさるという姿ももちろん残ってはおりまするけれども、しかしながら、その医療機関全体でもって診療をしていただいておるという姿が非常に強くなっておるわけでございます。たとえばエキス線でございますとか、あるいは調剤でございますとか、看護でございますとか、あるいは給食というようなものでございますとか、さような点はこれは他の職員がこれに当っておるという実態でございます。もちろんこれらの職員は医師の指示を受けて、その指示のもとに総合的にこの運行がいたされておるわけでございますが、そのこれらの職員を指示する医師と、それから診療をいたされる医師とは別の方であるというふうな場合が相当ございまするし、また、診療機関に参りますると、日によってお医者さんが違うというふうな場合もあるわけでございます。さような実態がありますと同時に、また、保険の診療報酬を請求をするというふうなことになって参りますると、請求はお医者さん自身がおやりにならないで、他のものが請求をいたすというふうな場合も相当あるわけでございます。しかるにその請求についてかりに不正不当なることが行われたというふうな場合には、今日の個人指定の制度でありますると、その医師の責任ということになって参るというふうな不合理も存在するわけでございます。なおまた、このある開設者が医師を雇って、いろいろ診療をしておられまして、そしてまずいことがあったというふうな場合に、その医師をかりに指定取り消しというようなことをいたしますれば、他の医師をその開設者は雇い入れて、その診療所は同じようなことを繰り返して参るというふうな場合も現実にいくらも存在いたしますので、さような観点からいたしまして、私どもとしましては、今までの個人指定の制度を改めて、医療機関そのものを契約の相手方に考えておるというふうにいたすということが今回の改正の大筋でございます。かようなことは実は最近の立法におきましては、生活保護法におきましても、身体障害者福祉法、結核予防法等におきましても、すべてかような機関をつかまえて診療をお願いするという建前に相なっておるわけでございます。  以上申し上げましたような理由で、機関指定ということにいたすのでございまするが、さればと申しまして、個人の医師を全然抹殺してしまって、果して妥当であるかどうかという点になりますると、各診療行為というものはあくまでも個人の医師がいたされるのでございまして、その診療行為の責任というものは、やはりこの責任の所在というものは明らかにしておかなければならない。今日の医療法の建前では、医療機関におきましては、管理者は勤務医師に対して診療方法の指示権はないと解されております。従いまして、診療の具体的な方法等につきましては、やはり個人の医師というものに何と申しますか、責任があるわけでございます。いわゆる診療の独立性ということがいわれておる。一方保険の方には、診療の方法につきまして、保険のルールというものがあるわけでございます。従いまして、その保険のルールを守っていただくということを個々の診療担当者個人にも何らかの形で御承認をいただかなければ、保険の運営ができないということに相なって参るのでございます。なおまた、機関指定一本でものを考えました場合に、現実の問題として非常に実情に即さざる事態が起って参る場合があるのでございます。例をあげて申しますると、多数お医者様がおいでになります医療機関で、ある一人の医師がかりにまずいことをやったというふうな場合にも、それでそのことはとうてい保険としては何とも工合が悪いというふうな場合には、その機関の指定を取り消すとか何とかということにならなければ、保険の機構からは何とも排除できない。しかしながら、一人の医師がまずいことをやられて機関全体が保険の機構から排除されるというようなことになりますると、その機関としてははなはだ迷惑千万であるというふうなことになりまして、さような場合には、むしろその責任のある個人の方について何らかの措置をとれば、むしろ実情に即したことになるじゃないかというふうな点もございまして、建前としましては機関をつかまえるけれども、何と申しますか、機関指定の欠陥といいますか、不十分な点をカバーするような意味におきまして、個人の登録というものを残しておく必要があるまいか。それが一番実情に即した運営になるのではあるまいか。かように私どもとしましては考えた次第でございます。以上申し上げましたことは病院、多数の医師がおいでになる診療所というふうなものについて主として申し上げておったのでございまするが、これは診療所でも勤務医師が、お医者さんが開設者の一人の場合でなく、勤務医師がおいでになれば同じようなことが言えるわけでございます。さらに個人開業の場合でも、それでは個人開業の場合はもういいじゃないかという疑問が出て参るかもしれませんけれども、しかし、現行の医療法におきましては、個人開業の場合でも、やはり診療所という機関として医療法はとらえておるのでございます。さような医療法の建前との平仄を合せる意味におきましても、さらにまた、個人開業の所といいましても、新しく代診の先生を雇い入れられるというような場合は幾らもあるわけです。さような場合もございまするので、それらをいろいろと考えて参りますると、かえって私どものような制度にしておいた方が、個人の開業の場合だけ特別扱いをするというふうなことにいたしまするよりも、かえって事務的にははっきりして参りまして、簡素になる、むしろ個人の場合に、別の扱いを個人開業だけを別の扱いにいたしておきますと、非常に法律的な構成もめんどうになって参りますし、さらにその方が勤務医師を雇い入れられたというふうな場合には、別の一つの行為を行わなければならないというふうなことになりまして、事務的にも煩瑣になる。かようなことになるかと存じまして、実は機関の指定と個人の登録という二つの制度で運営をいたして参りたい、かように考える次第であります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 時間もあまりないのでございますから、そうくどくお聞きするのは、また他の委員から御質問もあると思うので、やめておきます。やめておきますが、私は登録は、これはもうやはり必要だろうと思うのですが、病院以外の場合に、機関の指定ということが少しわずらわしいことではないのじゃないか。実際にそういう弊害が何か起っておるのか。起る可能性があるとおっしゃるのか。どうもその点納得いたしませんが、また、またの機会にその点はもう少し他の委員からでも御質問を伺わせていただくことにいたします。  それから伺いますが、医療機関の指定は当然三年後に一度なくなることになるわけですね。そうなりますと、新たな指定をなすまでの間に間隙が出るおそれがないか。個人が申請しなければならぬのでありますから、申請を怠ったというような場合には、そういう欠陥が起りはせぬかと心配するのですが、その点はどうですか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) これは申請の手続の登録等につきましては、命令なりその他のこまかい法令で規定をいたしたいと存じておりますが、御本人がうっかりして申請を忘れたというふうな場合には、あるいは間隙が起るような事態があり得るかと存じまするけれども、行政上の実際の運用といたしましては、私どもの方としましても、関係団体を通じていろいろ御注意を申し上げたり何かするということによって、その問題は防ぎ得る、かように考えておるわけであります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 不正行為等が行われた場合には、いつでも取り消しができるのですから、一体年限を三年とかいうふうに切る必要はないように思うのですが、その点はどうしても三年で更改しないといかぬのですか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 先ほどの御答弁にさらに落しておりましたのをつけ加えて御答弁申し上げておきたいと思います。  かりに御本人がうっかりして申請がおくれちゃったというふうな場合で、また県知事の方でも引き続いてやっていただくつもりであるというふうな場合には、これはさかのぼって指定をするということも可能であるように私は考えます。  それからこの年限を切る必要があるかどうかという御質問でございまするが、これは医療機関の指定といいまするのは、療養の給付の担当についての一つの委任契約でありまするので、その契約という性格から見まして一定の期間を限るということは当然考えられることでございます。従来、一たん指定を受けた以上、監査によって不正が摘発されない限りは、永久に指定が続くということに相なっておりまして、ややもすれば、保険診療が漫然と行われがちになるおそれもうかがわれたのでありますが、このような弊害も期間を限ることによりまして、保険医療機関、保険薬局、なおまた行政庁の方といたしましても双方の自覚を促しまして、いわゆるマンネリズムになってしまうということを防止できるかと存ずるのでございます。  なお、今回の改正案では、病院、診療所等の医療機関を指定いたしまして、人的、物的な総合体である機関が一体となって被保険者の療養の給付を担当するという仕組みになっておるのでございますが、その前提といたしまして、当然指定を受けた医療機関は、指定されている期間中は事情に変りがないこと、すなわち医療機関の同一性がそこなわれないということが必要なわけでございます。従来は医師なり、薬剤師なり、個人を指定することになっておりまして、個人には事情の変更ということはなかったのでございますが、しかし機関をつかまえますと、往々にして勤務医師の転勤等により保険医の登録を受けた医師の数が減少しましたり何かいたしまして、保険診療に支障を来たすというような場合等、いろいろと事情の変更があり得るわけでございます。指定した当時の医療機関とは実質的に全く変ったものになる可能性があるわけでございます。このような事情の変更による影響ということからいたしましても、機関の指定に当りましては、当然一定の期限を付して機関の実態に即した取扱いを行いまして、保険医療組織の把握とその同一性を確保することが必要なわけであります。一定期間計画を改めて指定を行うこととしまして、その際に、その機関の実態を考慮して指定を行うかどうかということを決定する方式を採用いたしたわけでございます。なお、指定に当りまして一定の期間を付しておりまする例としましては、たとえば厚生省関係のものといたしましては、食品衛生法でございまするとか、あるいは薬事法で薬局あるいは医薬品製造業の登録というふうなものにつきましては、いずれも期間を付しておるのでございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 契約の更改という意味からいえば、そういうことのお考え方もいいのですが、そうであれば、やはり政府原案の二年というくらいはもっともなのであるが、衆議院でこれを二年を三年に延ばされたという理由は、大体こういうもの、期限がなくてもいいじゃないかという一応の考え方から妥協された折衷案じゃないかと思うのですが、どうですか、衆議院の方では。

小島徹三自由民主党

○衆議院議員(小島徹三君) 正直に申し上げましてこれについては、期限は要らぬのだろうという議論もございましたけれども、いろいろと政府の意見を聞いてみましたりいたしました結果、やはり期限を付するのはいい。しかし、二年ではあまりお医者さんが煩瑣だから、腰だめ的に三年くらいでいいだろうということになったので、それは正直な話でございます。ちょっと一言つけ加えさせていただきますが、もちろんそれにつきましても、これはまあある意味において、妥協、余り腰だめ的というのもどうかというので、療養期間が三年になっているのだから三年というのが適当だろうというようなことも言われておったのでありますが、ほんとうの正直のところはまあ腰だめ的に、三年にしたというのが真相でございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 了解いたしました。しかし、必ずしも私はこの点については納得できかねるのでございますが、あとは議論になりまするから、それくらいにいたしておきます。  その次に、四十三条の五の二項ですね。医師その他が登録を取り消された場合、二年間を過ぎ去れば、そのまま復権が与えられないように解釈されるおそれがちょっとないではないのですね。医師の方の中にはそういう誤解を持っている方もないではないのでありすが、この点ははっきり一つ。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 四十三条の五の第二項の御質問でございますが、四十三条で規定しておりまする個人の登録は、先ほど私が御説明をいたしましたように、断絶いたすというのが建前でございます。その建前は法律的にはどこから出て参りまするかといいますと、二項があるためにそれが出て参るわけでございます。法律的にこの二項がありまするために、明らかにその建前がなってくるわけでございます。この二年というのは、最小限を示したものでございまして、従って二年以上たった人は、行政庁としましては、絶対に拒み得ないということにほぼ法律的にはっきりいたすわけでございます。  なお二年が長いか短かいかという問題でございますが、これは現実問題につきましては、従来もそうでございましたが、一ぺん指定を取り消されましてから、今回は登録ということになりまするが、その個々のケース、ケースの実情によりまして、一ヵ月とか、三ヵ月とかあるいは六ヵ月とか、実情に即した期間をおきまして、医療協議会に御相談をいたしまして、そうして再指定を、今回は再登録ということになりまするが、再指定をいたしておりまするので、この運用といたしましては、今後もさような従来の扱いと同様になって参る。ただ二年をこえたものについては絶対に拒むことはできないぞということを、逆にこの条項で明らかにいたしたわけでございます。  なおつけ加えますると、先ほど申しましたように、この再登録の場合におきましても、診療担当者の団体の御推選というようなものを現実的には得て運用をいたしたいと思っておりますることは、先ほどお答え申し上げました通りであります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 ただ二年間は拒み続けることができるということが、何か指定医師側とするというと、不安があるということなんで、それはおそらくは親心をもって早く解除されることがあるだろうが、二年までは拒まれるぞということが非常に医師の方として、薬剤師の方としては心配なんです。そういう点があるのでありまするので、何かそういう点の今の御解釈ではっきりはしておるのですけれども、ちょっと条文の上からいって、不十分に考えるのであります。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 従来の現行法によりますと、永久に拒んでもいいような形になっておるわけであります。それで、これは最長二年ということで、むしろ法律としましては、しかも私が今御説明を申し上げましたように、この二項があるために、原則的にはだれでも登録するのだぞということが明らかに法律的にはなるわけでございまして、むしろ二項は私どもとしましては診療担当者の方々のお立場を考えての条文のつもりでございましたのでございますが、今、先生御指摘のような不安があるといたしますれば、何らか明らかに通牒とか何とかいうようなもので、この規定の解釈というものを明らかにいたす行政措置をとりたい、かように考えております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 四十三条十六の二項でございますが、いわゆる組合保険の場合には一部負担を減額したり、あるいは免除することができるということになるので、こういう点が先に申し上げました組合保険と政府管掌保険というものの差がだんだん大きくなる一つの道なんです。そういう点がどうも私差別がだんだん強くなってくるということがおもしろくない感じがするのでありますが、政府はこういうことをあまり無神経でこうおきめになっていらっしゃるように思いますが、前からこうですか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) この四十三条の十六の二項の規定は、実は今、先生が御指摘になりましたように、組合においては全部、一部負担を免除することができるという規定ではないのでございまして、これは事業主医局すなわち工場等で事業主が医局を開設している、診療機関を開設しておりまして、それでしかもそこの従業員がそこにかかったというふうな場合の、限定された実は場合の規定でございます。この四十三条の十六の二項は、さような場合だけの規定でございます。それで今、先生が御指摘の問題は、むしろほかの条文になるわけでございまして、この健康保険法の今回の改正におきましては、一部負担というものは、組合も組合管掌の被保険者も全部政府管掌と同様に一部負担はやるということが建前になっております。ただこの付則の六条に特別な規定がございますが、付則の第六条に「健康保険組合は、当分の間、新法第四十三条ノ八第一項の規定により一部負担金を支払った被保険者に対し、その支払った一部負担金に相当する額の範囲内において、規約をもって定める額の支給を行うことができる。」という付則が入っておるわけでございます。この付則の趣旨はどういうことかと申しますと、組合管掌におきましても、一部負担は政府管掌と同様にやるわけでございますが、組合によりましては、非常に財政的に豊かな組合等もございまして、これは非常に赤字を出しておる組合もございまするので、この付則の運用はいたさない組合も相当あると存じますが、中には非常に豊かな組合もありますので、さような組合におきましては、一部負担を実施することによりまして、組合財政により余裕が出てくるというふうな場合が考えられるわけであります。さような場合におきましては、この組合で協議をいたしまして、その余裕というものを付加給付に回すとか、あるいは保険料の引き下げということにするか、あるいは一部負担に相当する額を還元してもらうというふうなことにするか、いろいろ方法が協議されるわけでございます。さような組合においては一部負担の還元ということをすることもできる——規約をもってすることもできる、そういう道を開いた。しかもそれは当分の間ということに限っておるわけでございます。さような付則第六条の趣旨でございまして、今、先生が御指摘のような傾向も若干は付則第六条で出て参るわけでございますが、しかし、組合の実情というものを考え合せました場合には、かような規定を置いておくことがむしろ組合の自主的な運営に弾力性を与えるものと、かような道を開いておくことが実情に即したことに相なるであろうというふうな趣旨から、そういうふうに入れたわけでございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 五十九条の二の項でございますが、家族療養費の半額負担ですね、これは療養費中の被保険者の一部負担を差し引いた半分を保険者が負担するという意味に解釈するわけなんですか。これは在来もそうなっておったのでございましょうか。例を言いますと、今度の入院料がかりに一日百円支払わなければならぬという場合に、本人の一部負担である一日二十円というものを差し引いた七十円の半額、すなわち三十五円が保険者の方で負担するので、本人は六十五円を負担する——家族の場合はですね、ということになるのか、そうでなくて——これはどうなっているのですか、現在の例と両方……。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) これは従来の規定と全然変りございません。従って家族の場合におきましては、ともかく全体の半分を家族が負担する。今回の一部負担の範囲の拡張とか何とかいうことは、これは被保険者本人だけでございまして、家族には関係ございません。従いまして、今の先生の御引例になりました金額で言いますと、家族は被保険者本人の場合には、本人が三十円で保険が七十円負担する。百円のうちで三十円でございますから、本人に三十円負担していただいて保険が七十円負担する。それから家族の場合には、家族が五十円負担をして、そうして保険が五十円負担する、こういうことになります。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 わかりました。そういうふうに解釈できればけっこうです。それから八十八条の「事業主以外ノ者」という、この意味はどういうものをさすのですか。八十八条に「事業主以外ノ者故ナク第九條第一項ノ規定二依ル当該職員ノ質問ニ対シテ答弁セズ」云々とございますね、この場合のおさしになる「事業主以外ノ者」というのはおよそどういう人をいうのですか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) これはたとえば、その事業場の人事係だとか、それからあるいは被保険者の一部であります、たとえばその事業場のある職場の係長とか、そういうふうなものをさすわけでございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 何だか「事業主以外ノ者」というと、非常に広くおとりになってあることが、大へんわかりづらくしてあると思うのですが、もっと適当の用語を考えられなかったのですか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) これは第九条の第一項には「関係者ニ対シ」と、こうなっております。「関係者」という言葉を使っているわけです。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 そうです。はっきりしている。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) それは現行の九条におきましても、同様に「関係者」という言葉を現行法でも使っておりまして、大体これの解釈につきましては、従来とも行政実例等がたくさんございまするので、同じような文句を使っておりまして、改正をいたしている、こういうことに相なるのでございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 それから診療報酬支払基金法でありますね。あれも診療費その他の支払いがおくれて困るというような声を聞いているのでありますが、現在どのくらい……。診療いたしましてから何日目くらいで払われているのが普通でございますか。また、都道府県によって違っているところもあるんじゃないかと思うのでありまするが、この支払いがおくれているということは、非常にお医者さんとしても困る。で、現在どうなっておりますか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 二十九年度以来政府管掌が非常に財政的に赤字を出して参りましたので、その関係で特別会計から支払基金の方に払い込みまする金が、赤字財政のためにおくれておりまして、従ってお医者さんに基金が支払いまするあれも、期日がおくれて参っておったのでございます。それで、しかしながら最近におきましては、国庫余裕金を借り入れましたりいたしまして、政府といたしましても、特別会計といたしましても、非常に努力をいたしているのでございまして、たとえば昨年の暮れあたりには、総計百億程度の国庫余裕金の借り入れをいたしているように私は記憶をいたしております。さような努力をいたしまして、このおくれを取り返しております。本月の、たとえば五月の診療分につきましては、六月の十日までにお医者さんの方から請求を基金にしていただきまして、七月の末までにお支払いをするということになりますれば、これは文句はない。すなわち、診療の月の翌々月一ぱいにお支払いをすれば問題はないわけでございます。大体それに近くなっておりまするけれども、たとえば二月分のお支払いにつきましては、四月の一ぱいに払えば問題はないわけでございますが、五月の五日とか、七日とか、そういうふうに若干この一週間ばかりズレておりまする府県がございましたように記憶いたしております。しかし、大勢は大体翌々月の末までということに今日ではこぎつけているような状態でございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 最善の努力をなさるということでありますが、これは一つ大臣からも特に、そんな金の御心配はむろんできるわけでありまして、医師の方に支払いが延びるということは非常にまずいと思うのですがね。そういう点は、これは特に大臣から資金上の御配慮をお願いいたしたいと思うのですが、よろしゅうございますか。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 田村委員から御質問の、ただいまの基金から医療担当者、あるいは薬剤師の各位にお払いする支払いの期日につきましては、できるだけ御期待に沿うようにいたしたいと思います。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 私はできるだけという言葉が最もいけないことだと思うのです。そういう言葉ではなくて、そういう翌々月の末日までには支払いを要するものというものならば、それは必ず守りなさい。励行しなさいということを私は大臣が責任をもっておやりにならなければいけないと思う。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 田村委員から重ねて今の問題について御意見がございましたが、健康保険が赤字が克服されまして軌道に乗っかります以上は、責任をもってその問題を一つ解決いたしたいと思っております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 そうすると、赤字のあるうちは支払いを遅延なさるという意味ですか。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 事務的な問題になりますので、私からお答えを申し上げたいと思います。年度の途中におきましては、今の国庫余裕金等の操作によりまして防ぎ得るわけでございます、理論的には。ところが年度末に至りまして絶対的にもう足りない、国庫余裕金は御存じのように運転資金に過ぎませんので、年度を越してこれを借り入れていくということはできませんのでございます。従いまして、終局的には、保険財政がマイナスになりますれば、それだけは医師に対する支払いがおくれるということに相なるわけでございます。結局はいろいろと操作をいたしましても赤が出ると、それだけおくれて参るということになるわけでございます。しかし、今御審議をいただいておりまするこの法律案が成立をいたしますれば、私どもといたしましては、保険財政が健全化するものと確信いたしておりますので、医師に対する支払いがおくれないように十分やり得ると、かように今日信じておるわけでございます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 まあこの法律がどういうふうにしていっているのか知りませんが、五億でも十億でも赤字が出た場合には、それだけのものは医師の方にしわ寄せがゆくんだということでは非常に困るんですね。これは大臣として、さようの場合には、資金の支出方法がないと私は言えないと思うのですが、こういう問題については、年度末に行って金がないから払えないと、従ってお医者さんががまんするというのじゃ私は相済まぬと思うのですが。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) 田村さんの御質問はごもっともだと存じます。私が申し上げましたのはちょっと言葉が足らなかったと存じます。健康保険がこの改正案の通過によりまして健全な財政に乗って参りますれば、今後の運営が非常によろしくなることは申し上げるまでもないと思いまするが、その上におきまして、なおかつ多少の赤字が出るというような場合におきましては、これはその国庫の余裕金を操作いたしまして、医療担当者あるいは薬剤師等の支払いに対しては万違算のないようにいたしたいと思います。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 最後にちょっと、資料の御提出だけ願えばけっこうなんでございますが、いただいた資料の中にないのですが、組合保険の男女別及び平均の標準月額の数字は今おわかりでしたらちょっとお示しを願いたい。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) 昨年の十二月現在の資料が私の手元にございますが、組合員数、いわゆる被保険者数は男が二百五十一万九千百十五、女が七十七万三千二百七十九、計三百二十九万二千三百九十四人でございます。  それから平均標準報酬でございますが、男の方が二万六十九円、女の方が一万四十六円、平均いたしまして一万七千七百十五円ということになっております。これでよろしゅうございますか。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 けっこうです。私の質問はこれで終ります。

榊原亨自由民主党

○榊原亨君 資料を一つこの次までにお出しを願いたいと思うのでありますが、先ほど医務局長の御答弁になりましたうちで、医療関係団体の設立等につきましての立法化について難点がある。これは憲法上のことについては、この次までに田村委員の御要求によって解明されるではございましょうが、その他についても難点がありますれば、この次までに、その難点を個条書きにして御提出を願いたいと思っております。  第二といたしまして、二重指定の問題につきまして、私はさように考えておられないのでありますが、巷間伝えられるところによりますというと、この二重指定をやっているのはソ連しかないのだ。ソ連においてゲー・ペー・ウーの活動によって二重指定によって非常に今度は逆に、逆と申しますと大へんあれですが、ソ連の思想的な傾向に一致させるために、医療機関を整備をしているのだというように伝えられておるのでありますので、この際、諸外国におきまして、二重指定の制度をやっているのはロシヤしかないのか。ほかにあるかどうかということの御資料を御提出願いたい。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 私資料でないのですけれども、質問の予告を、いささか妙ですけれども、しておきたいと思います。というのは、次回の委員会で、私は中央医療協議会の暫定案の答申に関して——暫定案を出しましたですね、新医療費問題について。あの経過その他について、法律的にいささか疑義がありますものですから、大臣に向って質問したいと思っております。従って、一つあらかじめ御準備をお願いしたいと思います。

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 本問題に関する本日の質疑はこの程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 御異議ないと認めまして、委員会を散会いたします。    午後一時十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗