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24回国会参議院1956/04/17

社会労働委員会 第24号

発言数
15
登壇者
5
会派数
3
開催日
1956/04/17

会議録

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) それではただいまから社会労働委員会を開会いたします。  委員の異動を報告いたします。四月十四日付杉原荒太君辞任、加藤武徳君選任、同日付齋藤昇君辞任、草葉隆圓君選任、同日付小澤久太郎君辞任、紅露みつ君選任、同日付雨森常夫君辞任、高橋進太郎君選任、四月十六日付平林剛君辞任、藤原道子君選任、四月十七日付田村文吉君辞任、廣瀬久忠君選任、以上御報告いたします。   —————————————

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 次に、へい獣処理場等に関する法律の一部を改正する法律案、食品衛生法の一部を改正する法律案、採血及び供血あっせん業取締法案、健康保険法等の一部を改正する法律案、厚生年金保険法の一部を改正する法律案、船員保険法の一部を改正する法律案、以上六件を一括して議題といたします。  提案理由の説明を願います。  なお、衆議院における修正点の御説明は、提案者の説明が済んでからお願いいたしたいと思います。  厚生大臣の提案の理由の説明を願います。

小林英三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林英三君) ただいま議題となりましたへい獣処理場等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。  最近、市街地または住宅地減等における養豚場及び養鶏場等のいわゆる畜舎が、蚊やはえの発生の根源地となり、あるいは飲料水を汚染し、または悪臭を放つ等環境衛生上きわめて好ましからざる状態を現出していることがしばしば指摘されるのでありますが、政府が昨年来三カ年計画で提唱して参りました蚊とはえのいない生活実践運動をさらに実効あらしめるためにも、これらのいわゆる畜舎の指導取締りを強化することが各方面より強く要望されているのであります。政府といたしましては、これらのいわゆる畜舎についての指導取締りを適正化するとともに、へい獣処理場等の施設の構造設備について具体的な基準を設けることによりまして、これらの施設の適正なる運営を期し、もって環境衛生の改善向上をはからむとした次第であります。  これがこの法律案を提案した趣旨でありますが、次に改正のおもな点を申し上げますと、次の通りであります。  第一点は、清掃法で規定いたしております特別清掃地域のうちから、都道府県知事が指定する一定の区域におきまして、一定数以上の牛、馬、豚、めん羊、ヤギ、犬、鶏、アヒルを飼養する施設を設けた者に対しまして、届出義務を課することとしたことであります。  現行法におきましては、牛、馬、豚等の獣畜の飼養または収容施設につきましては単に衛生措置等の規定が準用されることになっており、これらの施設の指導取締りの面におきまして必ずしも十分とは申しがたい点がありましたので、今回、さらに、犬、鶏、アヒルをも含めまして、これらの動物を一定数以上飼養または収容する施設につきましては、届出制を実施することとしてその指導取締りの徹底を期することといたしたのであります。  第二点は、へい獣処理場及びいわゆる畜舎の構造設備の基準を政令で明確に規定することといたしたことであります。  現行法におきましては、へい獣処理場の構造設備に関する明確な基準がないために、これらの施設の維持管理につきまして適正な指導取締りができ得ない実情であったことにかんがみまして、今回、構造設備の基準を政令で定めることといたし、施設の衛生的管理を十分ならしめることにより、環境衛生の改善向上をはかろうとするものであります。なお、いわゆる畜舎につきましても届出制を採用する機会に、右と同様の措置をとることといたした次第であります。  以上がこの法律案の提案理由及び概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、食品衛生法の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由を御説明申し上げます。  まず、改正の第一点は、添加物の概念を明確にしようとしたことであります。御承知の通り、近時食品工業が飛躍的に発展したことに件い、食品の製造の過程において添加使用されるものが年とともに増加して参っておりますが、かかるものについて食品衛生法の適用上添加物として取締りの徹底を期することができないことは危険なことであります。先般の森永ドライミルク事件にもかんがみまして、食品の製造の過程において添加、混和、浸潤その他の方法によって使用される物質を、添加物として取り扱うよう添加物の概念を明確にいたしまして、添加物による食品の危害を未然に防ぎたいものと考えております。  改正の第二点は、食品衛生管理者を設けようとしたことであります。御承知の通り、乳製品、化学的合成品たる添加物等の食品及び添加物は、その製造または加工についてきわめて高度の技術を必要といたしますとともに、その製造または加工の過程における取扱いを誤まりますれば、製造されまたは加工された食品に及ぼす危険性が大きく、かつ、その被害が広範囲に及ぶことが予想されます。従いましてこれらのもののうち、このような危険性の特に大きいものとして政令で定めるものの製造または加工を行なっている営業者は、その製造または加工を衛生的に管理させるため、その施設ごとに、専任の食品衛生管理者を設置しなければならないこととしたのであります。この食品衛生管理者が職務を怠ったことにより、右の違反が起きた場合には罰則が適用せられることとすること等により、右の食品衛生管理者がその職務を十分に全うすることを期待するものであります。  第三に改正いたしたい点は、食品、添加物、器具または容器包装に関する標示についてであります。食品、添加物等はそのものがいつどこで製造されたか不明でありましたり、また、添加、混和、浸潤等の方法によって食品に使用することを目的として製造、加工されたかどうかが判明いたしませんでは、使用者にとりましてきわめて不安であります。かかることを明確にいたしますために、食品、添加物等につき公衆衛生の見地から必要な標示についての基準を定めまして、この基準が定められた食品、添加物等であって、その基準に合う標示がないものはこれを販売したり、販売の用に供するために陳列したり、または業務上使用してはならないことといたしたいと考えております。  第四の改正点は、化学的合成品について、その定義を法律上明確に規定しようとすることであります。  最後に改正いたしたい点は、罰則の整備についてであります。食品衛生法に規定してある罰則には従来から不均衡な点がありましたので、今回の改正を機としてこれが整備を行い、均衡を失することのないようにしようとするものであります。  以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。  次に、採血及び供血あっせん業取締法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  人の血液から製造される医薬品である保存血液、人血漿その他の血液製剤の品質等につきましては、薬事法の規定によって指導取締りが行われ、また、患者に対して輸血を行う場合の保健衛生上の危害防止につきましては、これを行う医師、歯科医師の責任において行うよう、医師法、歯科医師法に基いて指導がなされているのでありますが、血液製剤の利用が盛んになるにつれて、その原料となるべき人血が血液製剤以外の物に利用されるため、医療上不可欠の血液製剤等に不足を生じることのないよう規制するとともに、たとえ血液製剤等の原料とする場合でありましても、採血という行為が行われる機会が必要以上に多くなりますと、被採血者の保健衛生その他の保護に欠けるおそれがありますので、これを防止する必要も生じて参りました。また、輸血のための血液を提供する者については、これを病院等に対してあっせんする業者がありまして、これに対しては、昭和二十年に輸血取締規則が制定せられていたのでありますが、独立命令でありましたために、昭和二十二年に失効し、その後は、これらの業者に対する取締法規がなく、全く放任された状態にありますために、とかく供血者に対する搾取、その他の弊害が起っている実状にかんがみまして、これらについても、開業に当って許可を受けさせ、あっせん手数料を制限する等、ある程度の取締りを行うことが必要であります。これらの必要性を考慮いたしまして、人の血液の利用の適正、血液製剤の製造等に伴う採血に当っての危害防止及び供血のあっせん業等における被採血者の保護を目的として、本法案を提出いたしました次第であります。  次に、この法案の大要について、御説明申し上げます。  第一に、採血及び人の血液を原料とする物の製造の制限であります。本来、採血という行為は、医療等やむを得ない目的のため以外には認めないようにすることが保健衛生上必要でありますし、従って、血液を原料とする物の製造についても、これが血液製剤等不可欠な物の原料に限らなければならないのでありまして、その意味で、医療、学術研究または血液製剤等の原料とする目的以外の採血を禁止するとともに、血液を原料としての物の製造は、原則として血液製剤等に限ることといたしております。  第二に、血液製剤等の原料とする目的で採血する業者については、その業務所ごとに厚生大臣に申請させ、一定の条件に適合しない者については、許可を与えないこととし、さらに必要に応じて採血量、血液の買入価格等について指示することができることとして、血液の利用の適正及び被採血者の保護をはかっております。  第三に、供血あっせん業の取締りであります。輸血の用に供する血液の提供者をあっせんするいわゆる供血あっせん業者は、現在、何ら法的規制の対象となっておりませんために、とかく血液提供者に対する搾取その他の弊害を生じている傾きがありますので、これを都道府県知事の許可にかかわらしめ、悪質な者に対しては許可を与えないこととし、また、許可を受けた者に対しても、あっせん手数料の制限、業務上守るべき義務等を規定して、弊害の防止をはかっております。  第四に、血液製剤の原料としてまたは輸血のために人体から相当多量の血液を採取する者につきましては、事前の健康診断及び貧血者等から採血してはならない旨の義務を課することによって、被採血者の健康の保護をはかることといたしております。  以上が、この法律案を提案するおもな理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられるようお願い申し上げます。  次に、健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び本法律案の概要について御説明いたします。  健康保険制度は、昭和二年実施以来、今日まで約三十年間労働者の疾病負傷時における生活の保障を行う制度として親しまれて参りまして、今やわが国の社会保障制度の一大支柱をなす制度として、その給付内容も逐年充実を重ね、特に近年においては、日々に進歩する近代医学の成果をそのつどとり入れ、必要とされる適正なる医療を実施して今日に及んでおりますが、その結果、医養費は逐年増高し、特に賃金水準の低い中小企業を対象とした政府管掌健康保険においては、昭和二十八年末に至り給付費がついに保険料収入を上回るに至り、保険経済はきわめて困難なる事態に立ち至ったのであります。この情勢に対処して政府は昭和二十九年秋以来、被保険者の報酬の実態把握、不正請求、不正受給の排除、保険料収納率の向上等の各種行政措置を講じ、財政の健全化をはかる一方、昭和三十年度予算の編成に際しましては、前年度四十億円、当年度六十億円の収入不足見込みに対し、七十億円の政府資金融資をはかり、向後七年間毎年十億円ずつ一般会計の負担において返済するものとしたほか、保険料率を千分の五引き上げて二十五億円の増収を行い、収支の均衡をはかって参ったのでありますが、引き続く医療費の増高の結果は、昭和三十一年度におきましては、再び六十六億円余の収入不足を生ずる見込みとなったのであります。近代医学の進歩と国民の衛生思想の普及に伴い、医療費が年々増加いたしますることは、やむを得ざることではありますが、保険財政におきましては、問題はこの医療費をいかにしてまかなうかということになって参るわけであります。健康保険の仕組みの中において、この医療費の増高をまかなうに足る保険料収入が確保できるならば問題は簡単でありますが、今日の情勢といたしましては、すでに昨年におきまして保険料率は現行法で認められている最高限度まで引き上げられておるのでありまして、これを再びさらに引き上げるということは、現実には、ほとんど不可能と考えられるのであります。それゆえ健康保険事業の恒久的かつ健全な発展を期するためには、この際本制度の根本的な改革が必要とされるのであります。このような見地から、政府は社会保険審議会並びに社会保障制度審議会の答申の慎重に検討し、今回の改正案を立案いたしたのでありますが、まず第一に、社会保障制度の確立を促進する意味において、政府管掌健康保険事業の発達をはかるため、国庫より財政援助を行うことを法律上明文化し、昭和三十一年度におきましては三十億円を一般会計より受け入れることといたしたのであります。第二に、将来にわたって健康保険の健全なる発達をはかるため、療養の給付を受ける者に対する一部負担金の範囲を広げ、給付費の節減をはかったのであります。さらに標準報酬等級区分の改訂、行政諸対策の強化等を行うことといたし、これらの諸措置によりまして収支の均衡をはかることといたしたのであります。  なお一方におきまして、保険機構の整備をはかるため、保険医、保険薬剤師制度を改め、我国の医療の実態に応じた機関指定方式を採用することといたし、また、社会保険診療報酬支払基金における診療報酬請求書の審査につきましてその公平正確を期するため審査機構を整備いたすこととしたのであります。  以上申し述べましたように、これら諸改革は単に健康保険の財政対策というような狭い意味のものではなく、社会保障制度特に全国民を対象とする医療保障制度の完全実施を前提としつつその一環として実施するものでありまして、わが国の医療保障制度が今後急速に健全に発達して参る上において一転期を画すべきものと考えております。  この法律案は右の趣旨に基き提案いたしたのでありますが、なおそのほか改正を機会に、従来から問題のありました点について制度の不備を是正し、その他制度の合理化をはかるために若干の改正をもあわせて行わんといたしております。  政府原案は、衆議院において、一部負担金の額、機関指定の期間、検査規定の字句等につきまして修正されましたが、改正案の内容を要約いたしますと、第一に、国庫は予算の範囲内において政府管掌健康保険事業の執行に要する費用の一部を補助するものとすること。第二に、標準報酬等級区分を最低四千円から最高五万二千円の二十四等級とすること。第三に、療養の給付を受ける者の負担すべき一部負担金の範囲を拡張すること。第四に、保険医療制度について個人指定方式の長所をとり入れた機関指定方式を採用すること。第五に、継続給付受給資格期間を一年に延長すること。第六に、不正受給者に対して損失を補てんさせる措置を講ずること。第七に、被扶養者の範囲を明確化すること。第八に、厚生大臣または都道府県知事の検査に関する規定を整備すること。第九に、社会保険診療報酬支払基金における診療報酬請求書の審査機構を整備すること等であります。  以上がこの法律案を提案いたしました理由並びに法律案の要旨であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。  次に、厚生年金保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  この法律案は厚生年金保険の標準報酬の最低を引き上げるとともに、現行の厚生年金保険法の施行前に被保険者の資格を喪失した女子に対する脱退手当金の支給条件を緩和し、あわせて規定の整備を行いますことを内容としているものであります。  すなわち、改正点の第一は、健康保険法の改正と歩調を合せて、標準報酬の最低を現行の月額三千円から月額四千円に引き上げることであります。これによって、厚生年金保険と健康保険に関する事業主その他関係者の事務は簡素化される結果となると存じます。  その第二は、現行の厚生年金保険法の施行前に被保険者の資格を喪失した女子の一部に対しても、脱退手当金を支給し得るような規定を設けようとするものであります。すなわち同様の事情にある男子に対しましては現行の厚生年金保険法により支給できるようになっておりますので、これと均衡をとりまして、女子に対しても脱退手当金を支給し得る根拠規定を設けようとするものであります。  その第三は、規定の整備を行うことであります。現行の厚生年金保険法は、その施行より一年十カ月になりますが、この間の経過を検討いたしますに、多少規定の明確を欠く面がありますので、これを明らかにし、解釈上の問題が起ることを避けますため、所要の規定の整備を行うものであります。  以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。  次に、船員保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を説明いたします。  船員保険制度は船員の疾病、老齢、死亡、失業等の各部門にわたる総合的社会保険として、海上労働者の福祉の向上のために重大な役割を果してきたものでありまして、この制度は、我が国海運業及び水産業の発展のためにも重要な基盤となっているものであります。ところで、最近数年来医療費等の支出増加のため、その医療給付部門におきまして収支の不均衡を生じましたので、これに対処するため標準報酬の適正把握、保険料収納率の向上、不正受給の排除等各種の行政措置を講じて参ったのでありますが、給付費の支出は増加の一途をたどり、財政の実情は、依然として深刻なものがあったのであります。  このため、昭和三十年度においては、赤字処理のため応急的対策として保険料率の引き上げ、標準報酬等級の改訂、給付の適正化等を含む法律改正案を第二十二回国会に提出するとともに、健康保険と同様に既往の赤字を補てんするため、一般会計より一億五千万円を六年間にわたって分割繰り入れするの措置を講じたのでありますが、法律改正案は審議未了となり、その結果昭和三十年度末においては、約一億九千万円程度の赤字を生ずる見込みとなり、また、昭和三十一年度には、このまま推移すれば約四億円程度の財源不足を生ずるものと見込まれるに至ったのであります。しかもこの赤字は、昭和三十一年度における疾病保険給付費の約一四%に相当し、被保険者一人当りにして約二千二百円余となりますので、その保険財政に及ぼす影響はまことに深刻でありまして、一時的弥縫的な対策をもってしては、この危機を克服することができない事態となっているのであります。  このような見地から、政府は社会保険審議会並びに社会保障制度審議会の答申を慎重に検討して現行制度の不備を是正し、その合理化を行うため本法の改正を今国会に提案することといたしたのであります。  政府原案は、衆議院において、健康保険法の一部を改正する法律案による改正内容と軌を同じゅうする改正部分について、同法案に対する修正と同様の修正が行われましたが、以下に改正案の内容を要約いたしますと、第一に、国庫は予算の範囲内において、船員法の災害補償に相当する給付に要する費用を除き、船員保険の執行に要する費用の一部を補助するものとする旨の規定を設けることでありまして、その結果、昭和三十一年度においては一億円を一般会計より補助することといたしております。  第二に、将来にわたって船員保険の健全な発達を確保するため、新たに一部負担の制度を設けることであります。その実施内容につきましては、船員保険の特殊事情を十分考慮して初診の際に定額を被保険者が保険医療機関に支払うこととし、船員法に規定する災害補償に相当する療養の給付につきましては、船主が補てんの責めに任ずることといたしたいのであります。  第三に、保険料率につきましては、失業保険の適用を受けるものについては千分の五、失業保険の適用を受けないものについては千分の七を引き上げんとするものであります。  以上のほか、第四に標準報酬等級の区分を改め、最低を五千円とすること。  第五に、報酬が歩合によって支払われる場合の報酬月額の算定方法を改め、前年度における実績を基準として算定するものとすること。  第六に、職務外傷病に対する資格喪失後における療養の給付等につき、原則として一年につき三月の資格期間を設けること。  第七に、独身入院者の職務外の事由による傷病手当金の支給額を百分の五十とすることのほか、健康保険法の改正に準じ被扶養者の範囲の明確化、保険医療制度の整備等各般の改正を行わんとするものであります。  以上が、この法律案を提案いたしました理由並びに法律案の要旨であります。  何とぞ、慎重審議の上、すみやかに、御可決あらんことをお願い申し上げます。

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 次に、引き続きまして衆議院の修正点について、衆議院の社会労働常任委員長の佐々木秀世君の説明をお願いいたします。

佐々木秀世自由民主党

○衆議院議員(佐々木秀世君) 健康保険法等の一部を改正する法律案の一部修正案につきまして、その提案理由を御説明いたします。  政府提案の健康保険法等の一部を改正する法律案は、健康保険財政を根本的に立て直し、わが国の医療保険の促進発展をはかる趣旨に出たものでありますが、その内容中、被保険者に対する一部負担がやや重きに過ぎるためこれを極力最低限度に軽減し、また、医療機関に関する諸規定につきましても若干厳に過ぎると思われる点がありますので、これを是正して制度運営上支障を来たすことのないよう修正を行わんとするものであります。  修正案の内容を要約いたしますと、第一に、一部負担について外来分の再診の際、その日に処方せんの交付、薬剤の支給、注射、補綴等が行われた場合は、三十円となっているのを二十円に改め、また、入院分の一部負担の期間を六月から三月に改めることといたしました。  第二に、事業主、被保険者、保険医療機関または保険薬局等に対する質問検査のためその事業所或は施設へ立入り得る規定については、現行法の通りとすることといたしました。  第三に、保険医療機関、保険薬局指定の有効期間の二年を三年に改めることといたしました。  第四に、第九条ノ二の規定による医師、歯科医師等に対する検査の規定に違反した場合の罰則については、罰金を過料に改めることといたしました等であります。  以上がこの修正案を提案した理由並びに修正案の要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。  次に、船員保険法の一部を改正する法律案の一部修正案について、その提案理由を御説明いたします。  政府提案の船員保険法の一部を改正する法律案は、船員保険事業の健全な発達とその合理化をはかる趣旨に出たものでありますが、その内容中、医療機関に関する諸規定が若干厳に過ぎると思われる点がありますので、健康保険法等の一部を改正する法律案の一部修正案に準じ、これを是正して制度の運営上支障を来たすことのないよう修正を行わんとするものであります。  修正案の内容を要約いたしますと、第一に、事業主に対する質問検査のため、その事業所または船舶に立ち入り得る規定については、おおむね現行法通りとすることといたしました。  第二に、第九条の三の規定による医師、歯科医師等に対する検査の規定に違反した場合の罰則については、罰金を過料に改めることといたしました。  以上が、この修正案を提案した理由並びに修正案の要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) それでは、次に、政府委員の健康保険改正案に対する補足説明をお願いいたします。

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) それでは御指示によりまして、健康保険法の改正につきまして、ごく簡潔に補足説明をさせていただきます。  お手元に健康保険法等の一部を改正する法律案に関する参考資料というのが、ガリ版刷りで刷りました厚いのが差し上げてあると存じますが、それの第一ページに要綱が……。

廣瀬久忠緑風会

○廣瀬久忠君 ちょっと待って下さい。   —————————————

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) ちょっとその間に、委員の異動の報告をいたしておきます。四月十七日付大和与一君辞任、竹中勝男君が選任せられました。   —————————————

高田正巳厚生省保険局長

○政府委員(高田正巳君) その第一ページに法律案要綱がございますが、これに沿いまして御説明を申し上げたいと思います。  改正の要点といろところが四行目にございまするが、その第一は、「国庫は予算の範囲内において政府管掌健康保険事業の執行に要する費用の一部を補助するものとすること。」これは条文といたしましては七十条の三でございます。これは、今まで国庫から健康保険の給付の財源といたしまして、援助をする規定はございませんのでございますが、今回新たに挿入いたしました規定でございます。この規定の趣旨は赤字補てんという意味ではございません。社会保障を確立する見地に立ちまして、健康保険事業の健全なる発達を促進するという趣旨において挿入をいたしました規定でございます。なおまた、この規定に基きまする国庫の補助は、補助すると書いてございまするので、三十一年度限りのものではなく、今後も引き続いて補助されるものの趣旨でございます。  それから改正の要点の第二点でございますが、これは標準報酬の等級区分を現行三千円から三万六千円という区分でございましたのを、最低を四千円に引き上げまして、最高を五万二千円にまで引き上げる、そうして十九等級ございましたのを二十四等級に区分をする、こういう改正でございます。条文といたしましては三条の一項でございます。この四千円から五万二千円というワクに標準報酬をいたしましたことにつきましては、昭和二十四年に標準報酬の改正をいたしておるわけでございますが、その改正の当時の平均標準報酬と、三十一年度に見込まれます平均標準報酬との指数をとりまして、そうしてその当時の二千円及び二万四千円という最低最高の金額にこの指数を乗じてみますると、大体四千百八十円及び五万百六十円というふうなことに相なりまするし、なおまた、当時の毎勤統計による平均賃金とそれから昭和三十年四月、最近の毎勤統計による平均賃金との指数をとってみますると、これは先ほどの平均標準報酬の指数よりは上回って大きい指数になっております。かようなことをにらみ合せまして、四千円と五万二千円ということに決定をいたした次第でございます。  それから改正の第三点は一部負担の問題でございます。現行の規定におきましては、いわゆる点数表に定められまする初診料相当額が患者の一部負担ということに相なっておったわけでございますが、その一部負担の範囲を拡張いたしまして、そこに書いてございまするような内容にいたしたいというわけでございます。一部負担の方法につきましては、いろいろな方法が考えられるのでございまして、それぞれ長所もあり、短所もあるわけでございます。私ども当局といたしましては、相当長期間にわたりましていろいろな方法につきまして検討をいたしまして、ここに書いてございまするような方法が最後的に妥当であろう、こういう見解に到達をいたした次第でございます。初診の日、五十円以下において厚生大臣の定める額、この趣旨は、五十円以下と申しまするのは甲地五十円、乙地四十六円と定めるつもりでございまして、言葉をかえて申せば、現行の規定によりまする初診料相当額という一部負担と同じものにいたす予定でございます。それから外来再診の日、一日、十円、ただし、処方箋の交付、薬剤の支給、注射それから歯科におきまする補綴等、これは補綴インレー等を考えておりまするが、補綴等の給付を受けました日は三十円という金額に相なっております。それから入院をいたしました場合には一日三十円、ただし、長期の患者はいろいろとお気の毒でございまするので、六カ月をもって打ち切るということにいたしてある次第でございます。なお、この点につきまして衆議院で修正をいたされましたのは、先ほど御説明がございました通りでございます。  それから改正の第四点は、保険医療組織についてのことでございまするが、そこに1から5番まで書いてございます。その第一点は、現行法におきましては、保険医という個人をとらえまして保険医の指定という形式をとっておるわけでございますが、今日の医療の実態を考えてみますると、すなわち初診から、保険といたしましては金を請求するまでのことを考えてみますると、むしろ実態といたしましては、医療機関というものをつかまえた方が実情に即する、こういうふうな観点から、医療機関を指定するという建前に変更をいたしたいというのごでざいます。すでに御承知のように、生活保護法なり、あるいは身体障害者福祉法なり、あるいは結核予防法でございますか、これらのものは、機関をつかまえて指定をいたしておりますことは御承知の通りでございます。そういたしまして、その指定の期間は二年とする、かように改正をいたしたいということでございます。なお、この点につきまして修正が衆議院で行われましたことは、先ほど御説明のあった通りでございます。  それから従来の個人を指定していくという制度はやめました。今申し上げましたように、機関を指定するという建前に変更をいたしましたけれども、この個人につきましては、医師、歯科医師、薬剤師等の個人につきましては、登録ということにいたしまして、これは指定ではございません。登録ということにいたしまして、原則として医師、歯科医師または薬剤師であれば、だれでも申請があれば登録をする。しかも、この登録には別に有効期間等はございませんで、一生涯その登録の効果はある、こういう建前にいたしたわけでございます。この点は建前といたしましては、機関をつかまえて、機関との間に診療担当契約を締結して参るという建前にいたしましたけれども、やはり個人の制度を何らかの形におきまして残しておくことがいろいろ長所もございまするので、かような登録の制度を残したわけでございます。  それから3は、従来もございましたように、これらの保険医療機関または保険薬局は、療養の給付を命令の定めるところにより担当しなければならない、これはいわゆる療養担当規定でございまして、従来もあるのでございまするが、これを明らかにいたしたい。  それからその二項は、保険医療機関において保険診療に従事する医師又は歯科医師、保険薬局において保険調剤に従事する薬剤師は、それぞれ保険医及び保険薬剤師の登録を受けたものでなければならないものとすること、これは当然な規定でございますが、さような趣旨のものであります。  それから三項は、個人の療養担当規定の根拠の規定でございます。  それから4は、「保険医療機関及び保険薬局並びに保険医及び保険薬剤師は、療養の給付に関し、厚生大臣又は都道府県知事の指導及び監査を受けなければならないものとし、保険医療機関及び保険薬局に対する監査のための検査権を明確化すること。」指導及び監査は従来ともそれぞれ条文がございまして、実施いたしておったわけでございます。今後におきましても、従来の指導要綱なり、監査要綱なりに従って実施をいたしていくわけでございますが、どうも規定が若干明確を欠いておりましたので、これらのものを明確にいたす改正を盛り込んであるわけでございます。  それから5番目は、これも従来ございました指定の取り消しの関係のことでございます。並びに個人の場合におきましては登録の取り消しという問題がございまするので、そのことを第二項に書いてございます。  なおこの第三項といたしまして、指定を取り消したりあるいは登録を取り消したりいたすような場合におきましては、この医療機関あるいはその本人に対して弁明の機会を与えなければならないという規定を新たに挿入をいたした次第でございます。  以上が医療組織に関する一連の改正の要綱でございまするが、次にこの第五点といたしまして、継続給付、すなわち被保険者の資格を喪失した者に対しましても、引き続き療養の給付が受けられるという制度を継続給付と申しておりまするが、従来の規定によりますると、半年以上継続して被保険者として保険料を払い込んだ者でなければいけないということになっておりました。その半年を一年に延長をいたしたいという改正でございます。これは療養の給付期間が御承知のように、二、三年前に二年から三年に延長をされた際に、むしろ措置すべきことであったかとも存ずるのでございまするが、三年間も療養の給付を受けられるのでございまするので、少くとも過去一年間くらい継続して保険料を納めたものであるという要件にいたしたい、これは現在の被保険者と、それから被保険者の資格を失った者との均衡等からも、さような改正を意図いたしておるわけでございます。  それから五の二番目に書いてございますることは、若干この内容がだいぶ違っておるわけでございますが、すなわち不正の行為によって保険給付を受けた者がある場合に、その費用を保険者は徴収することができるという規定を新たに設けたい、しかもその不正の行為によって保険給付を受けたという事実が、事業主の虚偽の届出とか証明に由来をし、あるいはまた、保険医療機関が虚偽の届出もしくは証明をしたためにさような事態が出現いたしたというふうな場合には、それらの者も本人と連帯をして費用を弁償する責任を負う、かような趣旨の改正でございます。  それから改正の第六点の一番は、被扶養者の範囲でございますが、これは現行の規定の一条の二項に書いてございまするが、現行の規定では非常に被扶養者というものの範囲が不明確でございまするので、この範囲を明確にいたしたいという趣旨の改正でございます。ある部分におきましては範囲がしぼられ、ある部分におきましては拡張されたというふうな関係に相なっておりまするが、要はこの被扶養者というものの範囲を法律上明確にいたしまして、各取扱いが区々にわたらないようにいたしたいという趣旨でございます。  それから2に(イ)(ロ)(ハ)と書いてございまするが、これらは事業主あるいは保険給付の受給者に対していろいろ調査をいたしまするための規定の改正でございます。  それから3と書いてございまするのは、これは医療機関もしくは薬局に対する調査権限の規定でございます。  それから改正の第七点は、支払基金法の一部改正でございまするが、今日、現行の状態におきましては、診療報酬請求書の審査委員、これは診療担当者代表、保険者代表及び学識経験者をもって組織されておりまする審査委員会が請求書の審査をいたしておるわけでございまするが、それを改正いたしまして、基金の職員である審査委員が審査をいたすということに改正をいたしたい。そうして別に審査協議会というものを設けまして、この審査協議会は従来の審査委員会と同じような三者構成のものでございまするが、この審査協議会におきまして審査に関する重要事項について諮問を受けて調査、審議し、または幹事長に勧告を行うことができるというふうな権限を持った審査協議会を別に置く。それから審査委員の任命につきましては、幹事長が審査協議会の意見を聞いて任命をするようにしたい。かような趣旨の改正でございます。  それから改正の第八点は、必要な条文の整理ということでございまするが、たとえば改正案の十一条の二項に、保険料の徴収関係の規定の整備というようなものがございまするが、さような必要な条文の整理でございます。  以上がごく要点だけを簡潔に御説明を申し上げました改正案の内容でございますが、ちょっとつけ加えまして、法律案の方に付則がついてございまするが、この付則の中で重要な経過規定等がございまするので、ちょっと付則につきまして御説明申し上げたいと存じます。  付則の一条は、施行期日を五月一日というふうに書いてございます。  それから第二条は、被扶養者に関する経過措置でございまするが、これは被扶養者の範囲が、先ほど申し上げましたように改正されまするので、現に旧法によっていろいろ給付を受けておるような者につきましては、この経過措置としてその者を保護いたして参りたい、さような趣旨の規定でございます。  それから主要な点といたしまして、第五条、これは法施行当時入院をしておりまする者からは、先ほど申し上げました一日三十円の一部負担金をとらないという規定でございます。  それから第六条は、これは一部負担を健康保険組合にも同じように適用をいたしまするので、ただし、健康保険組合におきましては、いろいろと事情が違ったところがございまするので、一部負担金に相当する額の範囲内において、健康保険組合の規約をもって定める額の支給をすることができる、しかもそれは当分の間、こういうふうに健康保険組合の特殊事情によって自主的な取扱いを認めました規定でございます。  それから第七条は、保険医及び保険薬剤師に関する経過措置でございまして、これは先ほど申し上げましたように、保険医療機関というものについての改正がございまするので、今日保険医の指定を受け、あるいは保険医が診療に従事をしておりまする医療機関の取扱いにつきまして、それぞれ経過的な措置を講じて、取扱いの妥当を期した次第でございます。大体付則の中で主要な点は、以上御説明を申し上げましたような点であろうかと存じます。  以上をもって補足説明といたします。

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 本問題に対する質疑は、次回以後にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 御異議ないと認めます。   —————————————

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) この際、追加してお諮りをいたします。  労働情勢に関する調査の一環として、駐留軍労務者失業対策に関する件の調査を行うことといたしまして、その実情調査のため、関係者を参考人として出席を求め、意見を聴取することにいたしいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 御異議ないと認めます。  なお日時、参考人の人選手続その他については、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

重盛壽治日本社会党

○委員長(重盛壽治君) 御異議ないと認めます。よって参考人から意見を聴取することに決定いたします。  それでは本日はこれをもって散会といたします。    午前十一時四十八分散会    ————・————

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