建設委員会 第28号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1956/04/26
会議録
○委員長(赤木正雄君) ただいまから委員会を開会いたします。 委員変更の件を御報告申し上げます。本日若木勝藏君が辞任され、補欠として小笠原二三男君が指名されました。 —————————————
○委員長(赤木正雄君) お諮りいたします。東北興業株式会社法の一部を改正する法律案の審議のため、東北興業株式会社総裁蓮池公咲君を参考人として本日出席を求めたいと存じます。御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(赤木正雄君) 東北興業株式会社法の一部を改正する法律案を議題に供します。 御質疑のある方は御発言を願います。
○小笠原二三男君 配付せられております東北興業株式会社の収支計算明細表について簡単でも御説明を願いたいのですが、その前に、この収支計算明細表というのは、開発銀行等よりの融資を願っておる際の事業目論見に付帯して向うにも出ておるのでありますか、どうですか。
○政府委員(町田稔君) 開発銀行に出してあります書類の中にも付帯いたしております。
○小笠原二三男君 では、簡単でも、要点を説明させていただくようにお願いいたします。
○政府委員(町田稔君) 説明員から御説明申し上げたいと存じます。
○委員長(赤木正雄君) 説明員から説明を聞くことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) 御異議ないと認めます。
○説明員(小林忠雄君) お配りいたしました収支計算明細表は、前回お配りいたしましたセメント事業目論見書の五の操業第一年度収支予想表、並びにその後別に別紙をもってその内訳を提出いたしましたセメント事業操業第一年度収支予想表の、各単価の内訳を出したものでございます。 で、まずセメント事業操業第一年度収支予想表と照らし合せてごらんをいただきたいと思いますが、まずその2の支出の方でございます。これが原価計算になっております。その支出は年額十二億二千八百二十八万八千円となっております。その内訳は主原料費、燃料費、補助材料費・労務費・動力費、修繕費、償却費・諸経費、一般管理費、金利、販売費、それに運転資金の金利、合計いたしまして総額十二億二千八百二十八万八千円、セメント製品トン当り五千五百八十三円、こうなっております。 そこでまず最初の(イ)の主原料費でございますが、主原料費は年金額にいたしまして一億一千十九万八千円、製品トン当り金額五百一円となっております。そのうち石灰石の石灰石費がセメントートン当り原単位千二百五十キログラムを要しまして、年数量二十七万五千トン、トン当り二百円、セメント・トン当りにいたしまして二百五十円ということになっております。 そこで今回お配りいたしました収支計算明細表の一番最初のところは石灰石採掘費となっております。これは月産二万七千トンといたしまして、次の二ページのところに、一トン当り採掘費といたしまして最後に二百円と出ております。この二百円が前回お配りいたしました石灰石費単価二百円、それの内訳でございます。その内訳は人件費としまして百十一万円、その人件費の内訳は、社員級の監督者二名、単価三万円、二人で六万円、工員四十名、単価二万円、雑工二十五名、単価一万円、そこでこれだけの四十名なり二十五名なりの工員がどのように配置されているかというのが、各作業別にここに内訳が載せてあります。なお、この次の消耗品費は、これらの石灰石採掘に要します燃料、それからそのハッパに使います火薬、工具類、ボロ類、そういうようなものは九十一万五千円、それから空気圧縮機と掘さくに要します電力の動力費が3といたしまして二十四万六千六百円、そういった機械類の修繕費、そういうものが百二十万円、償却費はこれは全体で見込んでおります。諸経費を六十万と見まして、それに採掘丁場整備費、これを百三十二万円見まして、トン当り二百円、こういう計算になっております。 それからもとへ戻りまして、次の粘土質でございますが、粘土は一トンのセメントに対しまして原単位二百二十キロ、トン当り粘土費を百五十円と見まして、製品トン当り三十三円という計算になっております。この粘土費の三十三円と申しますのは、明細表のIIの粘土採掘費月産四千四百トン、それの最後のところに、一トン当り採掘費百五十円と出ております。それの内訳も、石灰石の採掘費と同様な計算で、人件費、消耗品費、修繕費、諸経費、こう割りつけまして、それを月産四千四百トンで割りましたものが百五十円と出ておるわけであります。 次に、もとの表に戻りまして、次の珪石費、鉄津費、石膏費でございますが、これの原価計算はここには出してございません。と申しますのは、この三つのものはそれぞれ現場渡しで外部から購入をいたす計画になっておりますので、その原価計算というものは出しておりません。この購入の積算の根拠は、大体最も近隣で求め得る所から運賃をも含めたものとして、大体調査いたしました現場渡しの費用を、珪石について七百円、鉄滓について千円、石膏について四千円見込んでおります。 次の(ロ)の燃料費は焼成用のコークスと乾燥用の石炭でございますが、焼成用のコークスは原単位としまして百五十キロ、これは製品セメント・トン当りにつきまして百万カロリーから九十万カロリーという計算になっております。で、ドイツにおきましてはシャフト・キルンにおいて大体九十万カロリー程度で上っておるようでありますが、努力目標としまして九十万、さしあたりのところ百万カロリー要るものと見ましていたしますと、六千五百カロリーのものを運賃とも八千円で購入いたす、こういう計画になっております。乾燥用石炭も同様でございまして、このコークス及び石炭につきましては、やはり現場渡しの購入の単価が書いてございますので、それの原価計算は出しておりません。 次に(ハ)の補助材料費、製品トン当り百円。その内訳でございますが、これが収支明細表に出ております。これは補助材料費は、キルンの内側に張ります耐火れんがと、製品の仕上げをいたします際にこれを粉砕いたしますので、その破砕機に使いますボール類、並びに機械に使います油、それから破砕機の内側に張りますライニング・プレート、それからウィスその他でございます。耐火れんがの内訳は、シャフト・キルン一基につき一万二千枚を要しますが、これを二年ごとに積みかえまして三〇%を補充するものとしますと、月に六百枚を要する。一枚平均チタンれんがをも含めまして六百円という単価が出ておりますので、それの六百倍、三十六万円、ボール類はロータリー・キルンの実績を調査いたしましたところ、大体製品トン当りにつき一キロ・グラムのボールの消耗が見られます。そこでこのシャフト・キルンを用いました場合その五〇%をボールとして見込んでおけばいいであろうということで、トン当り〇・五キロと見ますと、それが六十万円。それから油類、これはロータリー・キルンの実績、全国統計からとりますというと、トン当り〇・二五リッターとなりますが、シャフト・キルンにおきましてはロータリー・キルンの場合よりもはるかに機械類が少くて済みますので、油類の消耗もその八掛けと見まして、月二万トンの生産について四千リッター、単価百円と見まして四十万積算をいたしております。4のライニング・プレートでございますが、これはミルの内張りに使いますマンガンの鋼板でありまして、これはその消耗率は大体ボール類の四〇%程度、トン当り〇・二キロ程度の消耗を見るのが常識のようであります。なお、これに原料を紛砕いたしますのに縦型のロッシュ・ミルを使うという計画になっておりますので、それに要する各種の鉄材の消耗がトン当り〇・一キロと見まして、合計トン当り〇・三キロ、そこで五十四万円というものが出ております。次にウィスその他を十万円と見まして、合計二百万円、こういう内訳になっております。 次に労務費でございますが、労務費は職員を二十人、工員を八十人要するという計算になっております。この収支明細の工場作業人員表と申しますのは、石灰石なり粘土なりという原料採掘を除きまして、工場内において必要な作業人員を、原料処理、燃料処理、クリンカー焼成、クリンカー処理、セメント処理、電気関係、機械関係、試験関係、輸送関係、工務関係、雑品倉庫関係、事務関係、幹部というように、仕事の流れごとに積算をいたします。ここに最初の原料処理、石灰石破砕一掛ける二と書いてありますのは、石灰石破砕につきまして一人の工員が二交代でつくと見て二人、こういう計算になっております。石灰石貯蔵は一掛ける三となっておりますのは、石灰石貯蔵の人間は、その各配置が一人三交代と見て、三人と見ております。以下同様な配置をいたしてみますというと、全体で工員が八十名、社員が二十名、計百名という人員が出るわけであります。この人員はドイツにおきますシャフト・キルンの実績よりもやや大目でございます。宇部興産のシャフト・キルンの場合においては、これよりもやや下回った人員でやっているようでございます。以上が労務費のうちの人員の内訳でございますが、あと職員二十人、年三十六万円、工員八十人、年二十四万円と出しておりますのは、これは労働省が全国的に行いました職種別の賃金調査に基きまして、この配置しました各人員というものに労働省の職種別の賃金を掛けまして、それに賞与その他を一定率掛けたものを割りつけた金額でございます。 次に(ホ)の動力費でございますが、これは製品トン当り百二十キロワット・アワーと見ますと、単価がキロワット・アワー二円七十四銭という計算になります。その内訳が収支計算の中に出ております。で、これはまず工場の設備能力といたしまして、各種の動力設備を七千四百五十馬力を要します。これをトン当り電力量に換算いたしますというと、百二十キロワット・アワーとなります。これを常時五千キロワットの契約電力で購入いたしますと、電力需用料金がキロワット・アワー当り三百九十円、使用電力が一円九十二銭になりまして、電力単価が二円七十四銭ということになっております。 次に、修繕費がトン当り七十五円ということになっておりますが、これは収支明細の中にございますが、最新式のロータリー・キルンを用いた新設工場の実績をとりますというと、トン当り百円の大体修繕費を要します。シャフト・キルンの場合におきましては、全体の装置がはるかに小型でございますので、その七五%を計上いたしまして、百五十万円というものを計上したわけでございます。 次に、償却費でございますが、償却費は第一年度におきまして一億六千四百八十八万四千円、製品トン当り七百四十九円となっておりますが、これは総建設費十四億に、建設期間中の利子並びに債券発行の較差金の七千八百十四万九千円というものを加えまして、減価償却総資産を十四億七千八百十四万九千円と見まして、これに法人税法に定めるところの固定資産の耐用年数表に基いて、定率法による減価償却額を計算いたしますと、操業初年度償却見込額が一億六千四百八十八万四千円となるわけでございます。 次に、(チ)の緒経費は、これは製品トン当り百七十一円となっておりますが、これは法定福利費、租税課金その他を月に三百十三万円と見ております。その内訳が、収支明細表の諸経費の補助労務費、福利厚生費、旅費交通費、通信費、広告宣伝費、火災保険料、公租公課その他となっております。 次に、(リ)の一般管理費、これは月二百万円と見ておりますが、これは本社の経費でございまして、その内訳は、人件費としまして本社役員三名、本社の社員二十名がセメント事業のために要るものと見まして、本社経費において割りつけて計算いたしまして二百万円というものを算出したわけでございます。 次に、金利でございますが、この金利は資金運用部資金を県経由で二億円を借り、社債を九億九百万円発行したものと見まして、資金運用部資金の金利を年六分三座、社債の利子を年八分として計算をいたしまして、トン当り三百八十九円となっておりますが、その後の金融情勢の変化によりまして、この社債の金利はなお一分程度低下をすることができると思いますので、この金利はこれよりもさらに下回るものと考えられます。 次に、販売費をトン当り千六百円と見ておりますが、これは各業者とも大体同様でございまして、まずセメントの荷作りの紙袋を一枚三十円、トン当り二十袋、四百四十万袋と見まして六百円、それから運賃はトン当り七百円と見ておりますが、これは収支明細表にございますように、生産量の七割五分を東北各県の県庁所在地に均等に輸送し、二割五分を関東の一部六県に均等に輸送するものと見まして、大船渡線の松川駅よりの各運賃を計算いたしまして、その平均運賃をとりまして七百円と計算をいたしております。なお、代理店の口銭の三百円というのは、各業者とも共通のものをとって、おります。 そういたしますと、運転資金の金利を除きまして、原価が十一億九千七百六十三万八千円、トン当り単価五千四百四十三円となりますが、そのほかに運転資金の金利、これは三億六百五十万円程度の運転資金を要すると見まして、それに一割の金利を見まして、トン当り百三十九円、合計しまして十二億二千八百二十八万八千円、製品トン当り五千五百八十三円、こういう計算になっております。 以上で説明を終ります。
○小笠原二三男君 一応この点はこの点で概略わかりましたが、私ちょっと復習したいので御説明願いたいのですが、今までやっておる東北興業株式会社の直轄事業による損益計算あるいは負債等の資料を、これは前にもらったのはあるのですが、要点だけ御説明願えませんか。というのは、この東北興業株式会社は初年度から二億円以上の利益金が生まれるのだと。それで従来の会社の方はどういう事態になっているか、いろいろ知りたいわけです。投資している方の部分はもう要りませんから……。
○説明員(小林忠雄君) それでは、前回ですかお配りいたしました最近五年度貸借対照表及び最近五年度損益計算書、それにつきまして御説明いたします。 これは直営、投資全部を含めたものでございまして、そのうしろの方に最近五年度生産販売実績及び損益計算書というのがございます。これが福島工場、二枚目のが山形の木友鉱業所の直営の販売実績と損益計算でございます。 それではこの福島工場及び木友鉱業所につきまして御説明をいたします。これは五年間を御説明するのは何でございますので、一番最近の決算、昭和二十九年度の分につきまして申し上げます。 福島工場におけるカーバイドの生産は、二十九年度におきまして一万百七十二トンとなっております。そのうちカーバイドそのままとして販売をいたしましたものが千四百四十七トンでございまして、このカーバイドから生産をいたしました石灰窒素が一万一千五百三十九トンとなっております。石灰窒素は全量販売をいたしております。そこでまず売り上げの方でございますが、売上高は総額にいたしまして二億七千三百八十万二千六百八十六円となっておりまして、そのうち石灰窒素の売上高が二億四千二百四十八万七千四百七十円でございまして、これは石灰窒素の平均売り値が二万一千十五円ということになります。次に、カーバイドのまま売りましたものは三千百二十九万千三百十五円でございまして、これはカーバイドのトン当り単価二万一千六百二十四円であります。それにその他の売り上げ若干並びに営業外収入を加えまして、売上総額の利益は二億七千六百九十五万九千二百二十六円となります。これに対しまして売り上げの原価は二億一千九百五十三万六千四百九十八円、工場管理及び販売費二千八百六十三万三千二十七円、支払利息二千二百三万八千百四円、営業外支出が二百三十八万三千三十四円、合計二億七千二百五十九万六百六十三円の損失となっております。 次のページの木友鉱業所でございますが、これは二十九年度におきまして出炭総量が五万五千八百七トン、そのうち販売いたしましたもの五万三千五百三十一トンでございます。これによりますと、売上高は九千二百五十九万千七百六十八円、亜炭トン当り千七百三十円となっております。それに営業外収入等を加えますというと、二十九年度におきまする総利益は一億十一万六千六百九十八円。これに対しまして、売上原価が七千九百四万五千八百六円、販売費百二十二万八千三百四十四円、支払利息百八十七万六千百一円、営業外支出等を加えまして総損失八千二百十六万一千三百五十二円、差し引きまして損益計算書におきましては千七百九十五万五千三百四十六円の利益を出しております。
○小笠原二三男君 これはちょっと、そういう計算はわからぬかと思いますが、福島工場並びに木友鉱業所分に見合う負債額というものは、どのくらいあるのですか。と申しますのは、前の五カ年間の損益計算書ですと、投資会社その他みんな——貸借対照表の負債の方ですね、投資会社等も入っているので、独立採算的な考え方で見た場合に、この二つの直轄工場はどうなっているかということを聞きたいから質問しているのです。
○説明員(小林忠雄君) 東北興業の債務の総額は、三十一年の一月三十一日現在で、社債、東北興業債券の未償還額が四千四十二万三千円、借入金が二億二千三十九万五千八百九十円ございます。そのほかに福島工場の増設の追加工事費の未払金が六千三百三十万九千円ございますので、債務を合計いたしますと、二億六千二百三十八万三千二百六十八円となっております。
○小笠原二三男君 これは福島ですか。
○説明員(小林忠雄君) これは総額でございます。
○小笠原二三男君 東北興業の総額が、投資も入れて……。
○説明員(小林忠雄君) 東北興業株式会社の債務でございます。ですから、子会社の負債額は入っておりません。
○小笠原二三男君 私の聞きたいのとはぴったりしないわけだ。その負債額で投資の方に回っているのがなければ、直轄分の負債と考えられるけれども、投資している分も負債の方で見ておれば、それは引いてもらわないと、はっきりしませんが。
○説明員(小林忠雄君) ただいま福島工場及び木友鉱業所の原価の測定のときに支払利息というものをそれぞれ見ております。これが各工場別の支払利息でございます。ところが、そのほかに東北興業の本社が従前から復興金融金庫その他から継承しております債務、並びに戦前、戦時中発行いたしました社債、そういうようなものは本社の負債として入っておりますので、そういうものを加えますというと、各直轄事業別の中には入れておりませんが、東北興業の本社の損益計算の中の支払利息の中にはそういうものが入っております。従いまして、この最近五年度損益計算書をごらんになっていただきますと、その中の損失の中に支払利息としまして、二千八百九十七万八千八百五十円とございまして、そのために東北興業全体としましての損益は、利益が五十三万五千二百四十一円、非常に少い額になるわけであります。
○小笠原二三男君 そうすると、この福島工場の二千二百三万というのは、この金融上の金利だけでなくて、償却していく分も入っていると、こういうわけですか。
○説明員(小林忠雄君) これは日本開発銀行、常陽銀行その他からの、福島工場の合理化のための設備の増設資金の金利が入っております。
○小笠原二三男君 まあ総裁が来たらお尋ねしたいと思うのだけれども、これで見ると、しろうと目でいうと、二億七千万からの売り上げを持つ会社であって利益金が四百万そこそこである。こんな会社経営では、どういうものかという感じを持ちますなあ。どういうわけでこの売上原価というものが高いのですか。
○説明員(小林忠雄君) これは東北興業の福島工場の合理化計画というもので生産量を二倍以上にふやしたわけでございますが、それの操業第一年度に当りましたために、増設いたしました機械がフル運転をしておらない。いろいろ途中で故障が起りましたために、フル運転をすることができなかったということと、それから電力の買い方にまずい点がございまして、電力のコストがかなり高くついたということでございます。三十一年度におきましては、東北電力との契約の交換に当りまして電力単価を相当程度下げ得る見込みでございますし、さらに増設いたしました機械がことしの豊水期にはフルに運転されるものと思いますので、本年度は収支状態はかなり改善されるものと考えております。
○小笠原二三男君 これは二十九年度のそれですからわかりませんが、これは決算期はいつかわからぬが、最近のものですと、利益金はどれくらいに上っているのですか。
○説明員(小林忠雄君) 東北興業の決算は年一回でございまして、ここに出ております二十九年三月三十一日のが一番最近の正式の決算書でございます。なお三十一年三月三十一日で締めました決算は、現在会社の方で調整をいたしまして、総会にかけまして認可を求めることになっております。
○小笠原二三男君 一方、この木友鉱業の方は、九千万ばかりの売り上げで一千八百万円ばかりに近い利益をあげていますが、こんなものすごい利益が上っているこの理由はどこにあるのですか。
○説明員(小林忠雄君) これは新しく掘りました坑道が非常に単価の安い坑道でございまして、このために非常に原価が安く上っておるということ、それから木友の亜炭と申しますのが非常に優秀な製品でございますので、世の中が不況になりまして各工場で原価を安くしようといたしますというと、石炭を亜炭にかえるというようなことがございまして、そのために亜炭の価格というものがかなりよかったというために、非常に健全な経営になっております。
○小笠原二三男君 そういうふうに二つの会社がやり、あるいは投資会社等からも何か入る金があるでしょうが、結局負債がこれは八億四千万ですか、この貸借対照表の(2)の合計のところは、これは負債額でないのですか。
○説明員(小林忠雄君) この貸借対照表の一番上の長期負債二億四千四百六十三万……。
○小笠原二三男君 負債額ですか。それから短期は……。
○説明員(小林忠雄君) 短期の方は、運転資金の金融です。
○小笠原二三男君 負債が二億四千万あって、そうして利益が五十四万くらいですね、東北興業全体として。そうすると、このセメントの会社を設立して二億も年々初年度からもうかっておるということになれば、これで東北興業が息を吹き返していくというために計画してやるのだというふうにも考えられますが、この点はどうですか、局長。
○政府委員(町田稔君) 私たちはそれを期待いたしております。そういうふうに考えております。
○小笠原二三男君 しかし、こんなにですね、もうかる会社なら、だれでもやるのじゃないでしょうか。十四億の投下資本で初年度二億以上もうかるというのならば、だれでもやるんじゃないでしょうか。
○政府委員(町田稔君) 二億もうかりますが、二億で元金はその中から償還をいたしていくわけでございまして、元金の償還と差し引きますというと、会社が実際にネットに残ります分は年々非常にわずかでございます。ことに償還がピークいたしますときにおきましては、むしろその年にあげました利益では元金の償還が不可能な場合がございますので、初年度、二年度、三年度等にセーブをいたしました利益の中から元金を償還していくということになると思います。それで元金が全部払い尽せましたあとには、いわゆる二億がネットの利益として会社に蓄積される、こういうようになるわけでございます。
○小笠原二三男君 だって、年々一億六千万くらいの償却を見ているのですからね。ただ、元金を返すという部分は、それはそうだろうけれども、償却を見ておって、資産が残って、償却の金がたまって、こんないいことはないじゃないですか。
○政府委員(町田稔君) 操業第一年度におきまして二億百七十万の利益が出ることになっておりますが、これに対しまして、元金の償還が第二年度におきましては、社債の償還が二千七百二十七万円あります。それから第三年度におきましては三千六百三十六万社債の償還だけで要るのでございまして、社債、借入金返済、運転資金返済と入れますと、第一年度におきましては一億八百三十四万の償還を要します。それから第三年度におきまして一億千八百七十三万、第四年度におきましては一億二千というふうに、非常に元金、社債、借入金等の償還を必要といたしますので、第六年度、第七年度等におきましては、当年度に得ました利益金だけではこれらの償還が不可能というような状況になるわけでございます。ただ、その間におきまして、第四年度、第五年度までに蓄積いたしました利益金の中から、これらの外部金を償還するということで償還計画が立てられております。
○小笠原二三男君 まあ平均して二億という益金があるということで見れば、それは元金返しても、なお何というか、返済ということはそうむずかしいことではない。しかも償却の部分は一億六千万ぐらい見ておる、こういうことになると、非常に私たちは心配なんですね。こんないい仕事が黙ってほったらかされておって、政府がやらなければできないという理由がわからぬ。しかも政府保証がなければ、こんないい事業投資を金融機関が協力しないということもおかしい。 そこでお尋ねするのですが、開発銀行は、この事業目論見書並びに収支明細書を見て、どこに難点があっていまだこの結論を得ないというような状況になっておるのですか。まあ仄聞しているところでいいから、率直なお話を願いたい。
○政府委員(町田稔君) 開発銀行におきましては、東北興業の肥料関係、先刻申し上げました福島工場関係の、これは東北興業が借入金の申し込みをいたしておりますが、その事業計画を最初に審査をいたしておるのでございまして、その関係の審査が終った後に、セメント関係の計画について審査を始めてくれたのでございます。それで肥料関係の借入金につきましてかなり内容審査に手間取りまして、セメント関係につきましての審査は比較的最近になって始めてくれたのでございます。東北興業が、今回計画いたしましたシャフト・キルン等の新しい方法は宇部に一つあるだけでございますので、開発銀行では非常に慎重を期しまして、宇部まで参りまして、その操業関係を調べたりいたしておりますので、その間かなりひまをとったという状況のようでございます。 なお、従来東北興業がいろいろ事業をやって参りまして、投資をいたしました会社等も、かなりその後事業をやめたりした関係もありますので、そういう点につきましても、東北興業自体の経理が十分でなかった点があるのではないかというまあ懸念等も持ちまして、そういう方面につきましても、会社につきまして開発銀行がかなり慎重な調査をいたしましたので、そのために、セメント工業自体の審査よりも、そういう点においての審査に日にちを要したというように聞いておるのでございまして、それらの調査の結果、開発銀行におきましても、かなり東北興業については理解を深めたようでございますので、いずれ遠からず結論が出るのではないかというように考えております。
○小笠原二三男君 そうすると、遠からず結論が出るということは、内容上やはりこの事業目論見書その他が大体において認められるということでございますか。
○政府委員(町田稔君) 開発銀行におきましては、なおこの事業目論見書の各項目について、まだ疑問の点があるようでございまして、東北興業の幹部等を呼びまして、一々各項目について検討をいたしておるようでありますが、大体は東北興業が説明を専門的にいたしまして、開発銀行の疑問の点等も逐次説明ができておるように聞いておりますが、まだ全部を終了をしておらないようでございます。
○小笠原二三男君 じゃ、ちょっとこの明細書に立ち入ってお尋ねしますが、一般管理費ですね、これは本社関係の経費だといいますが、労務費が二千六百万ばかりなのに、一般管理費が二千四百万も見られておるんですね。で、東北興業全体として本社の経費は幾らなのか。こういう一般管理費と名のつけられるようなものは幾らあるうち、この会社が二千四百万を持つような形になるんですか。
○説明員(小林忠雄君) 先ほど御説明いたしました最近五年度損益計算書の二十九年度の損失、そのうちの総係費といたしまして千九百九十八万五千二百八十五円と出ております。これが本社経費に当るものと考えます。正確なことはさっそく調査いたしましてお答えいたしたいと思います。 ただ、この場合は、セメント工場をやりますと、全体として本社の経費がはるかに増大するものと見ておりますので、損益計算書に出ておりますものは現在の小さな規模における本社の経費であります。
○小笠原二三男君 そうすると、千九百九十八万円は、投資関係会社の方を管轄する本社の経費と、二直轄工場を管理する経費だということになると思うんですね、分ければ。ところが、この会社ができることによって、一般管理費のうち、まあ本社の経費二千万円ですね、これが入ってくる。そうすると、四千万ばかりの本社経費ということで、倍にふえるんですね。こういう扱いはどういうものですか、これは。
○説明員(小林忠雄君) 東北興業が数年前非常に苦しい経理状態になりまして、再建整備のためにいろいろ子会社を整理いたしましたり、本社の組織その他を整理いたしましたときに、徹底的に本社の人員というものを削減いたしまして、現在までのところ、本社の人員というものが、役員を除きますというと、二十名余というような非常に小さな陣容になっております。従いまして、この際増資いたしまして、さらに借入金その他によりまして、従来の事業量の数倍の事業をいたしますためには、本社の陣容というものも二倍以上にこれを増強する必要があるという状態でございます。
○小笠原二三男君 それならもっと突っ込んでお伺いしますが、役員三名というのは、この工場ができるためにふえた役員ですか。
○説明員(小林忠雄君) セメントを作りますための技術者を理事として補充をいたすことになります。そのために役員の総数もふえますが、そのほかに総売上高によりまして役員の人件費を割り振りまして三名、こういう工合になっております。
○小笠原二三男君 そうすると、従来の経費の部分はその分は落ちていく、こういうことになるわけですね。
○説明員(小林忠雄君) その通りでございます。
○小笠原二三男君 結局は、この会社は何でもかんでも東北興業会社のドル箱としてまかなっていくということですね。二億の利益金のうち元金を払えば、あと残った金は今までの負債に充てたり、あるいは工場の合理化資金等の負債その他に転用していく、こういうことになりますね。
○説明員(小林忠雄君) ただいま福島工場増設のための借り入れをさらに五千万円開発銀行に申し込んでおりますが、その福島工場の合理化計画が完全に運転をいたしますというと、福島工場についての負債というようなものは工場自身において償還をしていく、こういう計画になっておりますので、セメントの利益を福島工場の従来の負債に充てるという必要はないのではないか、かように考えております。
○小笠原二三男君 そうすると、これはまあ局長にお尋ねしますが、それぞれの工場は独立採算制でいって、その利益金はその工場の拡張なり、あるいは施設の改善なり、それらの方に充当していって、よその事業部門には回さないのだ、こういう建前で東北興業は経営を今後やっていくのですか。そうでなくて、利益金が採算のとれないところ、あるいは損失ばかりしているところ、あるいは従来の東北興業の不手ぎわによるものだけに補てんされて吸い上げられていくということになれば、この工場の将来というものは安定しないと思われるので、そういう点でどうなっているのか御答弁願いたいと思います。
○政府委員(町田稔君) ただいま御質問のありましたような大体方針で、会社としては今後経営をいたしていくように聞いております。それでありますから、各工場ごとに一応は独立採算的な経営をしていく。ただ、セメント工場につきましては、将来この工場から元金なんかの償還を終りましたあとには、かなりの利益が出ますので、それらをもって他の部門への発展の資金に使っていくというようには考えているのでございまして、一応方針といたしましては、今お話のございましたように、各工場ごとに独立採算で経営をしていくということを考えております。
○小笠原二三男君 そういうことを突き詰めて考えていって、このセメント工場を生かそうということを考えていけば、これは何も東北興業にやらせる必要はありませんな。独立した特殊会社を作ってやる方が、全然後顧の憂いなく、心配なくやれるのじゃないですか。こんな負債もあり、従来の実績も上らなかった東北興業にこれを持たせるというよりは、きれいさっぱりと新しい特殊会社でこれを進める方がいいようにも、まあこれは私は乱暴な意見のようですが、思われるのですが、どうしても東北興業にやらせなければならぬという理由は、しっかりしたものがあれば、それもまたもっともな意見ですが、どうなのですか。
○政府委員(町田稔君) 新たにセメント事業、ことに非常に多くの資本金を要しまするセメント事業をやります際に、むしろ東北興業とは別個に、それだけの目的を持った会社を作ってやらした方がいいではないかという御意見でございますが、この点は、そういう考えもあり得るのでございまして、私たちも最初はそういう点も十分考慮いたしまして、全然新たな会社をしてそれをやらせるということも考えたのでございますが、このセメント事業というものが考えられました理由が、東北の振興ということにありますし、しかも東北の振興を目的とした会社として東北興業がすでにともかく存立をいたしておりまして、東北興業を生かして参りますためにも、何らかの事業をこの会社にやらせる必要もあったわけであります。それで、たまたま東北興業をしてセメント会社をやらせるということが、そういう意味におきまして一挙両得ということにもなりますので、東北興業をも生かし、しかもそれによって東北の振興をもはかるということで、東北興業をしてセメント工場をさせることにいたしたのであります。 東北興業が、もし今後全然東北振興のために働く余地がない会社でありまするならば、むしろセメントをやらせるための別個の会社を作ることがよかったかと思いますが、東北興業は、セメントをやらせることによって、十分役立ち得る会社であるということを確信いたしましたので、この会社にやらせることにいたしたのでございます。なお、その方が職員等の観点からいたしましても、人件費等におきましてかなりの節減ができますので、別個の会社を作りますよりは、経理上も採算上も有利であるというふうに考えたのでございます。
○小笠原二三男君 多分そう答弁するのだろうと思った。そういう答弁になると、さっき聞いたこととは矛盾してくるのです。東北振興の立場をとっておるのは東北興業だ、従って、東北振興のためにこのセメント会社を設立するのだから、一緒の方がいい。セメント会社だって、東北振興の目的をもって作らせるということで目的をかぶせれば、特殊会社でやっていける。なぜなら、この東北興業のやっておる関係会社なり直轄工場なりが、セメント工業と何の関係がありますか。ここで生産されるセメントが東北興業の各部門に供給されるという関連性は全然ないのです。だから、東北振興ということは、東北の開発なり産業振興というものにセメント工業それ自体が寄与することなんで、それが会社がどこであろうと、そんなことは問題は別だ。私はそう思う、前段の部分……。 後段の部分は、東北興業もこういう状態になっておるから、東北興業自身を生かすためにもこの会社を設立するのだというあなたの御説明だ。東北興業を生かすということは何で生かす、金で生かすわけです。そうすると、この利潤を東北興業のあらゆる今日までのふしだらの部門に注ぎ込んで、そうして再生し、またこれを育成強化していこう、こういうことだと思う。独立採算でいくなんということは、そんならうそでしょう。どうですか、この点。
○政府委員(町田稔君) ただいまの御質問、ごもっともでございますが、東北興業は従来石灰を使って肥料を作っておったのでございまして、その関係で、今後セメントをやって参ります際にも、従来の石灰山等に関しまする採掘権等も、今後のセメントに要しまする石灰石の際にも彼此融通ができるような事実上の状況にあるのでございまして、相関連をした事業をやるわけでございますから、そういう意味におきましても、東北興業がセメントをやりますことがきわめて便宜でもあるわけでございまして、そういう観点からも、東北興業にやらせることが、新しい会社を作ってやらせるよりは便宜がある、有利な地位にあるというふうに考えて、こういうような計画を立てたわけでございます。
○小笠原二三男君 ちょっと聞くと、なるほどなと思うようですが、しかし福島における石灰工場ですが、この石灰石の原石そのものが採算がとれるようにこの工場で買い込んで、そうして輸送賃をかけて松川まで持ってくる、そんなようなことで、一トンで百円なんという採算になりますか。今原石などはもう安くて安くて、困っているのですよ、原石そのもので売るということは。どっちかによくすればどっちかによくないのですよ、お互いの関係は。だから、現地で調弁させるということ以外に、輸送賃をかけて今原石を運んできて仕事をするというようなことは、容易でないことになると思うのです。今どういう意味合いの内容のことを言ったのですか。
○説明員(小林忠雄君) ちょっとその点御説明いたします。ただいま東北興業の福島工場の石灰窒素の原石は、その石灰石の質の点におきまして、このたび計画いたしております岩手県の松川地区の石灰石を使っております。なお山形県下で鉄興社が製造しております肥料の原石も、やはり同じ所から運んでおります。これは福島県下でもほかに石灰石がございますが、石灰窒素の原料となります優良な石灰石というものは、大体松川地区から出ております。そこで今度セメント工場を松川に建設をいたしまして、大規模に石灰石を採掘をいたしますというと、トン当りの単価というものが現在小規模に掘っておりますものよりも相当程度安くなると考えられます。そこでそうなりますと、福島工場に送ります原石の単価も相当程度安くできるのじゃないか、こういうように考えております。
○小笠原二三男君 そうすると、松川地域にある中小企業の石灰山を経営している連中は、この松川工場が出るというと、あがったりだ。原価が下ってしまう。そうなると、これはまた大へんだ。
○説明員(小林忠雄君) 東北興業のセメントの原石は、別にほかの会社へこれを売るというような計画は、今全然持っておりません。
○小笠原二三男君 だからね、ある工場に入る原石が下れば、新潟鉄工でも何でも、買うものは同じ松川の原石なんだから、東北興業ではこれだけのことでやっているのだ、君の方でもこれで入れろということになれば、それはまた困る。よそが売っているのですから、一般に市場価格というものは影響を受けて下るということも考えられるのですね。まあこれは話が横道へ行ったので……。 どうもさっき局長が言うような、東北興業に絶対このセメント工場をやらせなければならぬという根拠は、私は薄弱だと思うのですが、どうしても東北興業にやらせなければならぬという本音はどこにあるのですか。
○政府委員(町田稔君) 先刻私がお答えいたしましたこと以上に、特につけ加えて東北興業にセメント工場をやらせるに至りました格別の理由というものはないのでございまして、確かに別個の会社を作ってこれをやらせるということも一つのやり方としてあり得ますし、これは検討もいたしたのでございますが、先刻申し上げたような理由から、東北興業に今回はセメント工場は経営させるということに決定をいたしたのでございます。
○小笠原二三男君 新しく入籍した婿に、今までふしだらな放蕩ばかりしておったおやじがはまりこんできて、飯を食わせろ、親類縁者、兄弟、みなろくでなしどもが入ってきて、飯を食わせろというているのと同じ結果じゃないか。東北興業が今日までりっぱな、所期の目的を達成するような事業経営をやり、そして採算も上ってきた、何ら欠陥がなかったということならいいけれども、その部分はその部分として認め、そうして新たにこういう会社を作っていく。それは関係県なり地元なりというものは、この会社の設立を首を長くして待っていますよ。しかし、この会社それ自身が他の関連した部門に食いものになってしまって、そうしてこの会社の将来性というものが、そういうそれらの問題で常に不安定な形をとっていくということになれば、これは考え直さなければならぬのです。 それで、ついでですが、この資料について次に移りますが、創立時より投資した関係会社一覧表というのがあります。これによって、もう今日生きておらない、あるいは他に別個にもう独立している、いろいろまあ東北興業関係から離れた会社があるようです。あるいはつぶれてしまったのもあるのじゃないかと思いますが、生きているのは除いて、そういう関係になったものは結末はどうしたのか、そうしてその東北興業の投資金はどうなったのか、どういう原因でその会社はだめになったのか、これを逐一御説明願いたい。私が聞いておく方が、よその人が辛らつに聞くよりはいいのですから。(笑声)それは質疑はあったとなれば、次はないのです。
○説明員(小林忠雄君) 直営事業につきましては大体私も承知いたしておりますが、投資会社の方につきましては、現存のものにつきましてはわかっておりますが、過去のものにつきまして逐一は詳しく存じませんので、その点は総裁、会社当局から御聴取願った方がいいかと思います。 それで、この創立時より投資した関係会社一覧表につきまして御説明いたしますと、これは各県別に、かつ、その開始いたしました年度別に各県別に並べてございます。最後に、福島県の次に二県以上にわたるもの、これが東北振興電力、東北パルプ、東北船渠でございますが、これは事業場が東北に二県以上にわたるものでございます。それでここの資本金と書いてございますのは、最後の注にも書いてございますように、この改廃年月としまして書いてございます当時の会社の資本金でございまして、当社払込額と申しますのは、その会社の改廃いたしました当時における東北興業の出資額でございます。たとえばそこの一番上の、青森県の一番最初に東北振興水産とございますが、これは資本金六百万円となっておりますが、この六百万円のうち東北興業の出資いたしました分が三百万円、開始いたしましたのが昭和十二年の五月でございまして、改廃年月日、「二二譲」となっておりますのは、昭和二十二年にこれは譲渡をいたしたということでございます。 で、これによって見ますと、この譲渡と書いてございますのが一番多うございまして、これは終戦後、集中排除でありますとか、あるいは独占禁止でありますとか、あるいは企業再建整備とかいうような関係で、子会社の整備をいたしましたときに、持株を譲渡して元金を、東北興業が出資額を回収いたしまして放したことを意味しております。 それから青森県の下から二番目の津軽鉱業というのが「二四解」と書いてございますが、これは二十四年に東北興業が出資をしておりました状態のまま解散をいたしたものでございます。その他の譲渡と書いてございますのは、二十二年なり二十四年なりに持株を開放いたしまして、この開放いたしましたと申しますのは、公正取引委員会その他の指令によりまして再建整備計画を立てまして、その再建整備計画によりましてある程度一本立ちできるようなものは、大体持株を放して一本立ちさせるという方針のもとに持株を開放いたしましたので、その譲渡いたしました当時には一本立ちできておったものと思います。ただし、その後経営の状態によりまして、休業中、あるいは清算、あるいは解散いたしたものもあるかもしれませんが、その放しました後のものにつきましてのことは、実はまだ調査しておりませんので、どうなりましたか、はっきりは知ることができない状態でございます。この会社名のところに丸印がついておりますものは、現在でも持株を持って投資中のものがここに掲載してございます。
○小笠原二三男君 そうすると、大体は、この譲渡というのはしっかりした会社経営ができ、独立してももういいということで譲渡をしたという部分が多いのか、持てあまして譲渡したという部分が多いのですか、どっちですか。
○説明員(小林忠雄君) 個々の会社によりまして多少違うかと思いますが、大体におきまして、むしろ一本立ちできるものを譲渡する開放する。で、東北興業といいますのは、元来そういうような産業のないところに会社を興しまして、それぞれ一本立ちさせるという役割を持っておりましたので、一本立ちできるものは大体において手を引いて、一本立ちをさせ、その分を新たに別に投資をするという関係に大体なっておったようでございます。それで、たとえば東北パルプでありますとか、あるいは東北肥料でありますとか、合同酒精でありますとか、同和鉱業でありますとか、むしろ親会社よりも以上にりっぱに経営ができておりますものはみな譲渡いたしたものでございます。
○小笠原二三男君 りっぱでないので譲渡した例はありますか。というのは、あなたの話を聞くと、まことに成功して、よくいったように聞こえるんだ。ところが、話はそうでないのです。失敗している方が多いのです。そういう意味からいえば、この東北パルプなる会社というものは、投資して握っておって、その利益を配当等を受けて東北興業自身の採算に見合うような努力もするということが、たとえばあってもよかったんじゃないかと思われる向きもある。しかし、そういうのは手放して、その会社の当事者になった者は得をしたという部分があり、東北興業自身だけは損をしたという形になっている。そういうような点がいろいろ政治的な問題や何かからんでいるというので、批判が各地に起ったんですよ。今の答弁を聞くと、東北興業というのはみんなよかったんで、私見直しましたが……。
○政府委員(町田稔君) 二十二年に主として譲渡がなされているのが多いのでございますが、この二十二年に譲渡いたしましたのは、その際に投資いたしておりました会社の中で、譲渡を他にいたしましても、比較的独立してやっていけるであろうと思われるものを選んで譲渡いたしましたことは確実でございます。それからその後各年度で譲渡いたしておりますのも、比較的投資した会社の中でいいものを譲渡いたしたことも確実でございますが、譲渡いたしましたのが二十二年のものが多いので、その後の経済上のいろいろな困難等によりまして、独立いたしました後に休止あるいは解散いたしましたものもかなりあるようでございますので、今小笠原委員のおっしゃったような、確かにいいものばかりが譲渡に現在なった結果にはなっておりません。確かにおっしゃった通りに、譲渡したものの中にも、あとからつぶれたものもかなりあるわけでございます。 それからなお、東北興業といたしましては、従来の考え方としては、東北興業が力を入れて、一本立ちができるならその会社からは手を放して、回収した資金を他のまた新しい東北地方へ産業を興すために使うというのが方針でありました関係上、常にいい会社が東北興業から独立をして、東北興業で育てている会社はすべてまだ独立のできないような会社ばかりであったわけでありまして、その間にそういう経営方針なり、そういう政策というものがいいかどうかということにつきまして、いろいろとかなり批判があったようでございます。ただ、会社としては、その設立されました使命からいたしまして、従来そういう方針でやって参りましたそのために、現在持っているいろいろな投資会社というのはあまり基礎の確実なものでない、まだそこまで育っていないというものが多いわけでございまして、そのために東北興業自体がいろいろな批判を受けるということになっておるわけでありまして、この点は会社の性質上やむを得ないところであるというようにまあ考えられるわけでございます。
○委員長(赤木正雄君) 小笠原君、御質問の途中ですが、午後総裁が来ますから、それでしばらく休憩して、それから質疑をやったらどうですか。
○小笠原二三男君 来るだろうと思って、聞きたくもないことを言って、つないでおったんです。では、これでやめますから、もう一点だけ。 では、これはまあ断片的なことですが、宮城県の東北振興商事という会社がありますが、どうしてこういう商事会社まで東北興業が作ったんですか。しかも、これは二十五年に始まって、全額出資ですが、こういう商売もやる会社ですか、この東北興業というのは。統制ももうはずれてしまった時代でね、物資の需給などそう大した問題にならぬと思いますが……。
○説明員(小林忠雄君) これは当時、げたでありますとか、要するに東北地方の特産物を他地方に売ろうというような意味合いで設立された会社でありますが、その後事業は非常に不振でございまして、現在清算段階に入っております。
○小笠原二三男君 こういうのを一例にとっただけでも、この会社がどれほどでたらめだかということがわかります。事業がうまくいかなかったら、じゃ、清算してやめましょう——力のある会社なんですから、やろうと決意したら、それは事業目論見等もいろいろ立ててやったのだから、あくまでも粘り強くそれはやっていかなかったら、少くともある時期には採算を度外視してまで持ちこたえていくということで、東北の特産品なんというものが、銘柄もまあ評判がよくなるというようなことも出るでしょうし、もしもそういう目的でやったとすれば。それが、もうあっさりやめてしまって、何かこういう点からいうて、この東北興業というものはそのときどきの問題に飛びついて、いろいろな因縁でやらざるを得ない形になって始めた会社なんというものが、相当あるのじゃないかとも思われるのですね。皆さん、監督官庁で、こんなことどう思いますか。
○政府委員(町田稔君) ただいま東北振興商事を例にしての御意見でございますが、東北興業が過去におきましていろいろの点で経営が不満足の点のありましたことは、御指摘の通りで、この点につきましては何とも申しわけないことなのでございますが、将来こういうあやまちを再びいたすことのないように、監督官庁といたしましても十分会社の指導等につきましては慎重を期し、やって参りたいと思っております。
○委員長(赤木正雄君) ちょっと、蓮池総裁が見えております。
○小笠原二三男君 定款にあるように——定款ですか、この法律にあるような監督官みたいな人も出ていますが、そういうような問題についてはタッチできない、ただ経理上の事務的な監督だけをしておるわけですか。
○政府委員(町田稔君) 東北興業に関しまする法律によりまして、監督官庁といたしましては、各種の認可権を持っておりますので、東北興業の経営につきまして、全般的に指導監督することができるようになっております。
○小笠原二三男君 そうすると、結局東北興業が幾多の批判を受けるようなそういう過去の実態というものは、突き詰めていえば、建設大臣の責任ですね。
○政府委員(町田稔君) 監督官庁といたしましては、その責任の一端を分担せざるを得ないと思っております。
○小笠原二三男君 速記をとめて下さい。
○委員長(赤木正雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記を起して。 午後二時まで休憩いたします。 午後零時五十七分休憩 —————・————— 午後四時五分開会
○委員長(赤木正雄君) ただいまから委員会を再開いたします。 委員変更の件を御報告申し上げます。本日西岡ハル君が辞任され、補欠として三浦義男君が指名されました。 —————————————
○委員長(赤木正雄君) お諮りいたします。明日開会の建設、商工委員会連合審査会に、東北興業株式会社総裁蓮池公咲君を参考人として出席を求めたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。 本日は、これをもって閉会いたします。 午後四時六分散会