建設委員会 第23号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/04/12
会議録
○委員長(赤木正雄君) ただいまから委員会を開会いたします。 御報告申し上げます。四月十一日、中田吉雄君が本委員会の委員に指名せられました。四月十二日、中田吉雄君が辞任されて、補欠として若木勝藏君が指名せられました。 —————————————
○委員長(赤木正雄君) 地代家賃統制令の一部を改正する法律案を議題に供します。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○田中一君 私から要求した資料について御説明願います。
○委員長(赤木正雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記を始めて。 都合によりまして、公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○田中一君 北海道、東西、三会社では現在どのくらいの支払準備金ができておりますか。
○政府委員(柴田達夫君) 北海道の保証会社におきまして、三十年度でございますが、一億二千百七十九万七千円でございます。東日本の保証会社におきまして五億三千八百七十二万八千円、西日本の保証会社におきまして三億四千四百七十七万八千円、以上でございます。
○田中一君 この法律から解釈すれば、ある時期にこれを返却するということになっておりましたけれども、この法律案はどういうことになっているのですか。
○政府委員(柴田達夫君) ただいまのお話は返却するということでございますので、保証基金のお話であるかと思います。
○田中一君 ええ。
○政府委員(柴田達夫君) 法律によりまして、保証基金は一定期間の後にある条件に達すれば返却することができるようになっているのでございます。さらに具体的に申しますと、三事業年度を経過した後におきまして、各事業年度末におきまする自己資本がその年度の保証債務の残高の二十分の一をこえたときにおきまして、自己資本と今のお話の保証基金との合計額が当該事業年度の保証債務の最高残高の充分の一をこえる部分について、株主総会の議決を経た上で建設大臣の承認を得て保証契約者に払い戻しするということが、それぞれの事業会社の事業方法書できまっておるわけであります。先ほど申し上げましたのは自己資本を含めての額を申し上げましたが、保証基金だけを申しますと、北海道の保証会社におきまして、その今の返還する場合の入る保証基金だけの額を申しますと、六千四百二十万四千円、東日本の保証会社におきまして二億七千六百三十六万七千円、西日本の保証会社におきまして一億五千二百七十三万円ということに相なっております。
○田中一君 この金は今の事業方法書でやるところの返却する額ですか、それとも総額ですか、これは。
○政府委員(柴田達夫君) ただいま保証基金として申し上げました額は総額でございます。
○田中一君 今の事業方法書によって、今官房長が説明された条件に幾らこれが合致しておりますか。
○政府委員(柴田達夫君) 東日本のただいま申し上げました二億七千六百数十万円の中で、先ほどの事業の方法書の条件に該当いたしますのが約五百万円、東日本のその部分だけでございます。先ほどの御説明申しました条件に当てはまって返還し得る額は、東日本だけでございます。それもしかも約五百万円くらいでございます。
○田中一君 この五百万円は、むろんこれは会社の方の総会で議決しなければならぬと思いますけれども、監督官庁としての建設大臣はこれは五百万円の金をどうしようというんです。どういうような方針をきめておるんですか。
○政府委員(柴田達夫君) 当会社におきまして決議が出まして、申請が出ました場合におきましては、建設大臣としては条件に該当いたします限り承認をいたす考え方でおります。
○田中一君 そういう申請がない場合はどういたしますか。
○政府委員(柴田達夫君) 法律上の事項としては別でございますが、監督指導の面におきまして返還するように慫慂いたす考えでございます。
○田中一君 保証件数並びに保証高のうち、国別、府県別の内訳、ございますか。
○政府委員(柴田達夫君) 本法案の御審議のために最初御配付申し上げました資料がお手元にあるかと存じますが、その第一ページに、二十九年度と三十年度の二年度でございますが、保証高を掲げてございまして、その内訳といたしまして、国と、それから公社の関係と、地方公共団体と、その他に分けて、一応資料を御参考に供してございます。
○田中一君 地方公共団体から発注された総額は、二十九年度で幾らになっておりますか。そしてそのうち保証高は幾らになっておるか、国並びに公社のその計数が知りたいと思うのですが。
○政府委員(柴田達夫君) 三十年度の統計はちょっとまだ出ておりません。二十九年度について三保証会社の合計を地方公共団体について申し上げますと、請負金額、つまり発注高が三百八十四億で、端数は三百八十四億三千六百万、そのうちの前渡金に当るこの保証高がこの表に出ております。二十九年度八十八億九千万、端数は省略いたします。三百八十四億に対して八十八億と、かように相なっております。
○田中一君 国はどうなっておりますか。
○政府委員(柴田達夫君) 同じように、二十九年度の国の発注は四百十億一千七百万、これに対しましてこの表に出ております百四十二億七千九百万の保証高、ついでに公社を申し上げますと、公社が八十二億の発注高に対しまして、この表に出ております二十五億の保証高、地方公共団体は先ほど申し上げました通り、その他は百五十億に対しまして、この表に出ております八億九千九百万、さように相なっております。
○田中一君 この保証をしない理由はどういう工合に分類されておりますか。
○政府委員(柴田達夫君) 御承知の通り、この法律ができましてから、それぞれの国の会計法規、それから地方団体の法規によりまして、国の場合は四割以内、それから地方団体の場合は三割までを前渡金を保証し得るようになっております。今申し上げました数字を当てはめて参りますと、その額に達しない。また先ほどのお尋ねで申し上げました数字を割合にいたしますと、国が三四%公社が三〇%強、地方公共団体が二三%強ということに相なっております。国の場合に四〇%までやれるのが、三四・八%強でございます。地方公共団体の場合に三〇%まで保証できるのが、二三%になっておる。それぞれ若干下回っておるわけでございますが、この関係はやはり最高限度までそれぞれやらない団体があることを物語るものでありまして、その事情はやはり財政上の事情、ことに地方団体の場合におきまして、最近は地方財政の状況等からある場合は前渡金を全然見ないような状況もできておりますし、この表に出ておるような場合につきましても、財政上の事情から三割に達しないものがあるということを証明いたしておる資料であると思います。
○田中一君 この三保証会社は落札価格によって保証するしないの限度をつけておるように記憶しておるのですが、三保証会社がどういう分類をしておりますか。建築の場合にはどう、どこの場合にはどう、あるいは電気付帯工事の場合にはどう……。
○政府委員(柴田達夫君) 三保証会社はそれぞれ契約をする前に審査をいたすことになっておるわけでございますが、その方針としてどういうふうに最低基準のようなものを設けているかというお尋ねであります。三保証会社とも大体内規を作りまして、その審査の基準といたしまして、百分の八十五から八十までの間は検討いたしまして、特に不当な理由がないということならばパスさしておる。それから七五%を割りますものにつきましては、大体認めないというような方針をとっております。そこで八十から八十五までの間はさらに厳重に審査をするということに相なっております。
○田中一君 これはでき上ってからもう四年になりますね。そうすると、その保証限度というものですが、限度というものは、今言ったように、予定価格の百分の幾つから初年度はどう、二年度はどう、三年度はどう、四年度はどうという内規ですか、内規をお示し願いたいと思います。 それから今言ったように、八〇%、八五%というようなあいまいなことでなく、そんなはずないですから、土木の場合はどう、建築の場合はどうというように、一定の基準を示してやっておるはずですから、そんなあいまいなことを言わないで、ちゃんと言って下さい。
○政府委員(柴田達夫君) 保証審査基準を、今の建築、土木に分けまして、いま少しく詳細に申し上げますると、保証を承認しているもの、これは北海道の会社におきましては、建築については九割以上、土木については八割以上、それから東日本の保証会社におきましては八割五分以上。
○田中一君 何が……。
○政府委員(柴田達夫君) 保証を承認しておるもの。
○田中一君 土木も建築も一緒ですか。
○政府委員(柴田達夫君) これは区別なしに……。それから西日本も東日本も同様に、差別なしに八割五分以上を承認する。 それから先ほど申し上げましたように幅があるのはおかしいじゃないかというお尋ねがございましたが、これは審査会に諮問して決定しておるものは無条件に承認されておりますが、審査会で審査して決定するものにいたしておりますのが、北海道の場合におきましては、建築については九割未満から八割以上までの間、それから土木については八割から七割五分の間、それから東日本におきましては、これは西日本と同様でありますので、東日本、西日本両者とも審査会に諮問して決定するものは、建築、土木の区別なしに、八割五分未満から八割以上、こういうことに相なっております。
○田中一君 現在建設業法の一部を改正して、予定価格の八割以上のものをもって落札させようという案が、かつての民主党、自由党、社会党との共同提案で出した。官房長御存じの通り、ここに今お示しになったように、国が業者育成のために、あるいは金融操作を円滑にするために、りっぱな法律案であるところの前払金保証会社の制度をとっております。この会社がこの立法の精神に基いてそしてこれが妥当なりといって貸付をしておる基準というのには、北海道は土木について十分の八以上、建築については十分の九以上をもって前払いの保証する額をきめておる。むろん関東、関西ともに十分の八・五以上をもって、少くともこれでやるならば保証会社に損はかけないであろうというような認定から、これをやっておる。この基準というものはむろん建設大臣はこれを承認しておるはずです。同時に、また審査会にかけられるものとしては、この十分の八以上八・五までの幅をもって、これでもどうも保証したくないけれども、あるいは内容を検討すれぱ保証してもいいのじゃなかろうと、かような意味でもって審査会にかかるはずだと思うのです。北海道においては十分の八から九、建築の方は。土木の方は十分の七・五から八、こういう工合にきめておる。こういうことはどういう意図をもって建設大臣は許可をしているかという点を、率直に許可をした考え方を御説明願いたいと思います。
○政府委員(柴田達夫君) 保証会社が保証いたします場合の保証審査基準について、今お話しがありましたような制度を国が認めておるのじゃないか、一方におきまして、建設業法の国の、あるいは公共団体も含めての意味だと思いますが、発注の際におきまするいわゆるロア・リミットの問題と関連してのお尋ねであろうかと思います。こういう考え方がこの入札に際しまして用いられる、また用いられることが合理的であるという一般的な考え方としては、両者共通の問題であろうと思います。これは是認される考え方であると思います。ただ、この場合は保証会社が前払金の契約をいたします際の審査基準でございますから、その何と申しますか、擁護すべき利益と申しますか、目的と申しますか、そういうものがやはり保証会社の安全ということもあわせて考えておる。むしろ保証会社の安全ということを主体にして、この場合におきましては考えなければならぬ。国の場合におきましても、大体性質的には同じ考え方が用いられるわけでございますが、やはり国が発注者として国の利益がどう守られるかということをあわせて考えなければならぬ問題だと思いますので、その考えられる目的に多少の相違があろうかと思います。そこで国の場合におきましては、保証会社でも審査会に諮問して一応の基準は示すけれども、それを割るものでも何らかの事情でそう不当でもないというものがあれば、先ほどお話し申し上げましたように、取り上げて認めるということも配属をいたしておるわけであります。国の場合にはそういう点についてさらに一そう慎重に考慮を払わなければならないものであろうと、考え方としては全然違った考え方ではございませんが、保証会社の安全ということだけでなしに、さらに考えなければなるまいと、かように考える次第でございます。
○田中一君 建設省は、議員立法で今出してあるロア・リミットの線、十分の八以下は無効であるという宣言をしている法案に対して、反対の意向を示しておるのです、現在までは。そうしますと、ここにむろん保証する保証会社の利益を擁護する、安全を確保するために、高まった予定価格をもって安全だというならば、これはむろん擁護法です。しかしながら、同時に、業者そのものの育成のためにこの会社の存立があるのです。従って、今言う会社そのものは全部これは業者なのです。業君並びに金融機関なのです。これは政府資金が出ているわけでも何でもないのです。従って、業者自身がやはり従来、内地といいますか、大阪の例を見ると、十分の八・五以上が一番妥当な、会社に迷惑をかけない、あるいは事故の起きない数字ではなかろうかという点から、百分の八十五というものを出してある。これをまた建設大臣は認めているはずです。そうしますと、請負人の業態からいって、やはり百分の八十より百分の八十五の方が安全なはずなのです。この線は請負契約の相手方である業者も安全を感ずるわけです。同時に、会社も安全を感ずるわけですね。そうすると、同じ大体——公入札制度というものが最近は行われておりません。そうしますと、指名競争入札の場合には百分の八十五程度のものならば安全だということは、建設大臣もこれを認めているわけでございますね。
○政府委員(柴田達夫君) 最初のお話でございますが、従来のお話に出ている建設業法の一部改正について建設省は反対で来たじゃないか、一方において、現在行われている保証会社の審査基準については一種のロア・リミットを容認しているじゃないかというお尋ねであろうかと思いますが、今お話しの法案につきまして建設省が過去において申し上げました意味というのは、一つは立法の秩序の問題と申しますか、建設業法の目的等から見まして、このような国が発注するところの入札についての秩序を合理化するような規定を建設業法に入れるよりは、これはやはり国の発注、国の一つの会計的な法規としての重要な基本的な問題だから、やはり会計法といったような財政法規によって律する方が、立法の分野と申しますか、秩序、系統と申しますか、これを立てる上において正しいのではないかということが一つあったかと思います。それからいま一つは、今までお尋ねの点に関連するわけでございますが、一律に八割五分あるいは八割といったような基準を設けてやるということにつきましては、これは一つの基準的な考え方でありますが、例外としては、それを割るものでありましても正当な理由があるようなケースもあり得るじゃないか、そういうことがあり得る以上は、国の方が、経済的な損失を国をして免れしめるためには、できるだけその態度は慎重でなければなるまい。そういうところから、十分審査をしてやっていく。一律に一つのそこに基準的なものがあるには違いないかもしれませんが、それで機械的に律するということは少し国の利益を守る上において慎重を欠くであろう。こういう見解であったのではなかろうかと私は考えるのでございます。 この保証会社の場合におきましては、先ほど申し上げましたように、やはり会社の安全を守るということが基本にもなっておりますことでもありますし、お話の通り、この業者を代表する会社でございますから、できるだけ保証をしてやるということも必要なことであります。半面におきまして、全体が一つの保険としまして保証されている形のものでございますから、そこが国の会計法規で発注する場合の入札の基準とそれから保証会社の保証の審査基準は、性質上多少若干のそこにどうしても違いがある、そういうことから、こういう考え方を建設省も全面的に否定しているものでなく、ここにもそういうことが容認されているわけでございます。国が入札をするという場合におきましては、会計法規によりますと同時に、慎重な配慮をそこにしてもらって、八割とか八割充分で直ちにもう機械的に物事をきめてしまうというのはいかがなものであろうかという意味の慎重論的な意味の反対論と申しますか、そういうものであったかと思います。従って、これは考え方を変えていけば、ある程度その考え方は調和し得る考え方であろうがと思うのでございます。
○田中一君 建設業法の一部改正で出している議員提案の方の一部改正、これは予算決算及び会計令でやっていくのが妥当じゃないか。私もその通りだと思います。その方がよいと思う。しかし、もしもわれわれが出しておりますところの法案がすりかえられまして、予算決算及び会計令の改正法案として出した場合、これを百分の八十から八十五の線を打ち出しても、これは今の機械的に百分の八十五じゃ、国が発注する場合と保証する場合の性格が違いますから、多少のずれがあるだろうという御意見ならば、百分の八十から八十五の間ということをきめるならば、これは建設省も反対ではないわけですね。
○政府委員(柴田達夫君) 一つの数字的な基準が絶対的なもう基準になるということになれば、やはり慎重論になると思います。建設省と申しますか、大蔵省を含めての政府の考え方といたしましては、やはりそういう基準的なものが用いられることはけっこうであると思いますが、やはり実際にすべてのケースについて十分に審査され得るという建前をとるということで、実質上不当なものははずす、こういう考え方であることの方がベターではないか、こういう考え方であると思います。
○田中一君 では、かりに百分の七十九の場合ですね、前払金保証会社が保証してくれると、欠損はないのだ、非常にスムーズに契約面に現われたところの工事を完全に履行できるのだという場合もあり得ると思うのですよ。なぜそれでは——注文する場合の立場から見て、建設省はむろん発注官庁です。百分の八十というものを容認し、また審査会にかける場合の八十から八十五というものを容認したかという点でございます。むろん建設省は仕事を出して、その仕事が完全に履行されればいいのであるのですよ。また履行されるように援助をしようというのが、この会社の設立の意義なんです。そうすると、予算決算及び会計令の建前をとってやった場合には、何も言うことはないのですよ。幾ら安くてもかまわないのです。安くてもできる場合がある。そのかわり、その契約の相手方が損をする場合がある。これは必ず損をするのです。決してもうかっていないのです。まさか請負人が損をしてもやれということを強要する——現場の監督官というものはつらいものなんですよ。で私はこの百分の八十五を、あるいは百分の八十から八十五というものを出しておる以上、やはりこの辺が、保証する安全率ばかりじゃなくて、工事を完成する安全率ということもあわせて考えておるのじゃないかと思うのです。その点はどういう考え方をもってこの申請を承認しているのかどうか。
○政府委員(柴田達夫君) 私もあまり的確にお答えできない点もございますが、一応の考えを申しますと、保証会社が審査をする場合に、工事が完成するということまで必ずしも配慮しておるものとは考えないので、やはりこれは前渡金の保証でございますから、前渡金についての保証でございまして、工事が発注されるかどうかということはまた、関連する問題ではございまするが、別問題ではないかと思うのでございます。そういう点にも違いがありますので、これは前渡金の保証でございますから、発注者の国の立場になれば、とにかく前渡金が入れば元通りの金だけは、それは前渡金を渡しただけはまた回収される、しかし工事は投げ出されて不完成に終るかもしれないという、損失を救うところまではこの前渡金の保証ということはないので、これに対してはいわゆる履行保証とか完成保証とかいう問題が、業界やその他の方面にも前々から別な問題があるというふうに伺っておるのでございます。
○田中一君 私が理解しているところが違わなかったならば、この法案の審議のときに、前払金というものは三分の一の工事が進捗した場合に返すというように了解していないのです。やはり完成するまでの全期間を通じて部分的な返還をするというように私は了解をしておるのですが、その点は現在変っておるのですか。
○政府委員(柴田達夫君) 前渡金がどの部分で見合うかという点につきましては、お話のございましたように、完成に至る全体に対する保証である、こういう考え方だろうと思います。
○田中一君 そうしますと、やはり一カ年間の契約でやって三分の一をもらったという場合には、やはり三分の三、完成するに従って、前払金というものは全工期間を通じて順次返還をしていくということに間違いないのですね。
○政府委員(柴田達夫君) その点は間違いございません。
○田中一君 それなら、同じじゃないですか。結局完成ということが目途となって三割の前払金を出しておる。完成ということが目途になっているのです。何も三カ月の、三分の一の前払金をもらったら、それが済んだらすぐ返すという性質のものじゃない。やはりここに完成ということが目途になって前払金の回収の安全さがあるのです。従って、これは工期あるいは工事全体を通じてこの責任があり、また安全度もはかられるわけなんです。そうすれば、今あなたがおっしゃったような履行保証とか完成保証とかいうものもその要素が含まれているということは、ここに間違いないのですね。そうすると、やはり同じように百分の八十たり八十五なりというものが安全なんだという認定をここに下しておるわけだね。間違いございませんか。
○政府委員(柴田達夫君) 前払保証というものが工事の完成とは全く無関係だというふうに先ほど申し上げたといたしましたならば、これは誤まりでございます。確かにお説の通り、これは関係がおることは認めざるを得ない、かように思います。しかし私が申し上げましたのは、それでそういうことだけれども、それはしょせん前払金が回収されるだけであって、工事自体が完成されることにはならないという絶対的な点だけを申し上げましたので、その点ははなはだお説の通りだと思いますが、特にそういうことを前提といたしまして、初めの問題になるわけでございますが、それにいたしましても、やはり保証会社の保証という場合と国が発注するという場合とは、若干、これも質的な違いであるとは初めから申しておらないが、慎重の度合いと申しますか、そういう点においてそういう方針をとらざるを得ないようにまあ考えるわけでございます。あとはそういう、何割といったような面が立法措置にたちまちとられて、それで形式上例外なくきまるというような方法までいくか、あるいはそういうような事実上の基準というものがあるには違いないが、そういうものが実際上用いられると、そうしていろいろの異なったケースについても実際の検討が行われた後に、不当な場合はこれを落すと、こういうような慎重論でいくかという、問題の考え方の慎重さの違いと申しますか、一方が国の利益ということで会計法規が非常にやかましい問題であるだけにそういう考え方の相違からくるのではなかろうかと思うのでございます。
○田中一君 国の利益ということは、やはり有能な技術家が図面を書いて、積算して、それが完全に検察されるのが、これが国の利益なんです。一方的に国の利益というものは、請負人が安い値段でやってしくじってつぶれるのは、これは国の不利益なんです。同時に、また建設業法にしても、この保証会社の法案にいたしましても、その国と契約をする相手方の請負人の利益をはかる、擁護するという建前でできておる法律なんです、全部。そうする場合に、かりに良心ある官房長が、税金も利潤も入れてない百という一つの工事を出して、それが八十で受けた場合に、完全な工事が行われるということが常識からいって考えられますか。
○政府委員(柴田達夫君) 一般的にはそのような安い価格で所要の目的や契約の内容が履行されるものとは考えられないのでございますけれども、あるいはものごとによりまして、非常に安く材料が仕入れられておったような例外的な場合もございましょうし、調べていけばそういうような状況が例外ケースとしてはあり得るのではないか。それもお説の通り、いずれもこれは国の利益の問題で、りっぱな工事ができるということがまさしくこれも国の利益でございますが、安くできるものをわざわざ高く作らすというようなことになりますれば、これも一方の力のやはり国の利益に関する問題で、いずれの利益をどう調整するかという問題でございますので、そこにかりに、逆に工事の方はどんなに粗悪になっても、投げられてもいいのだ、そういう方の国の利益はどうでもいいのだという考え方でこれに反対するものであれば、私どもはそういう考え方をとるものではございません。その意味ではお説の通りだと思います。
○田中一君 私は安くできるものを高く契約するということを言っているのではないのです。じゃあ、あなたのところにおる数万の職員が積算するところの予定価格というものは、これは安いのですか高いのですか。あなたがそう言うなら、安いというのか高いというのか、どっちですか。
○政府委員(柴田達夫君) これは適正にやっておるつもりでございます。
○田中一君 それが適正ならば、適正から二割安いものであった場合には、これはあなたが言っている通り、これが正しいのだということをあなたが認めれば、百というものは不適正なんです。いいですか、不適正なんです。あなたの部下の、あなたの人事をあずかっておるところの各職員というものは、不適正なる百を出したのです。そういう場合には、あなたがまず八十というものを適正なりと見る場合には、百というものはこれは不適正な予定価格ということになるはずでございますが、その点はどうでございますか。
○政府委員(柴田達夫君) 官庁の方で予定いたしますところの適正と申しました価格も、これはしょせん予定しておりまする価格でございまして、入札制度そのものの存在というものがやはり自由競争という立場から合理的だものである限り、その予定価格通りいかない、それが誤っておる、あるいは実情に合わないと申す方が適当であろうと思いますが、そういうようなことからいたしまして、別の価格が出て参りましても必ずしもそれが不適正であるとは断定いたしかねるかと思います。
○田中一君 ここで先ほど御説明があった国の工事のうちの三四%がこの保証を受けた金額だ、こう言っております。そうしますと、あとの六六%というものは百分の八十五ないし八十の線から切れたものを言っておるのがどのくらいあって、それから国の発注官庁が金がないからしないという金額はどれくらいあって、そうして前払金の支払いのパーセンテージが二割の場合と三割の場合と違うと思うのです。その分類した表をもしお持ちならば、御説明していただきたいと思います。
○政府委員(柴田達夫君) 御所望の資料につきましては後刻調査いたしまして、十分御希望に沿うものを、満足していただける資料ができるかどうかということは、多少資料の不足ということがございますから何ですが、極力できるものを差し上げたいと思います。ただ三四・八%と申しましたのは、きまった請負高の前払いの保証の率でございます。その根本にある事情として、財政上の事情とか、いろいろの事情があるということはございますが、三四%は直接今の率には関係がないというふうに考えます。
○田中一君 この三四%をもう一ぺん説明して下さい。私はそう理解していたんですが。当然四百十億という発注額のうち百四十二億というものだけを保証したという説明があったと思う。従って、保証されたもの、これが三四%と私は理解しているんですが、そうじゃないんですか。
○政府委員(柴田達夫君) 国の場合ですが、お尋ねの四百十億が国の場合の請負金額でございまして、保証金額が百四十二億で、その百四十二億はその請負金額に対して三四・八%に当る、こういう数字でございます。
○田中一君 それでは、私の質問したのはちょっと御答弁が違ったんですが、国が二十九年度で発注した、土木建築の請負に発注した総額を示していただきたいんです。そうしてそれが保証された金額ですね、総額ですよ、請負金額、保証された工事の総額ですね、これは幾らかということを聞いたんです。それはどうなっておりますか。
○政府委員(柴田達夫君) お尋ねを取り違えてお答えしたようでございますが、その資料につきまして今ちょっとここに持ち合せてございませんが、調査いたしまして提出いたします。
○田中一君 きょう採決しようと思っているのに、そんなに答弁できなくては困るんですがね。大体はどうなんです。
○政府委員(柴田達夫君) あまり時間がかからぬうちに資料を取り寄せますから今すぐにはお答えできないんですが、大体を申し上げても、あまり違っておりましても、何ですから……。
○田中一君 私が知りたいのは、百分の八十五から八十という線で押えている場合ですね、このようないい法律がありながら損をして恩恵を受けないということは、資本主義社会においては自由競争として当然だとあなたはおっしゃるけれども、そういうことを言っていると、社会不安が起きるということなんですよ。そんなものばかりじゃないんです。それでは、たとえばセメント会社にしても、十二の会社が全部価格を協定しておる。公正取引委員会が協定はいかぬと言うと、協定じゃございません、私のところでは九千円というものが積算の上妥当だと思うから九千円にしたところが、Bの会社はおれの方も九千円になったと言っているんだから、協定じゃありませんという答弁をしているんです。たくさんあります。河野農林大臣が疑惑を受けた砂糖なんか、これなんかもあるんですよ。三つの砂糖会社がお互いの料金をマークをつけて自由競争の上で売るならば、もっと国民は安い砂糖がなめられるんです。不特定な、立地条件が常に違う仕事をしている請負業というものは、工場生産をしている三つか四つの大砂糖会社の価格協定と違って、これは自由奔放にやっていますよ、値段というものは。そうして前年度の七十何億という金をどこでだれがなめたか知らぬれども、行方不明になっておる。これは日本の今日の資本主義経済の上からいえば妥当だと言う。しかしながらこういう零細な——もう少しかりに保証会社の率を下げれば、保証を受けられてそうして円滑に事業が遂行するものも、突きのけて、会社の安全、会社の安全と言いますけれども、保証会社というものはつぶれてもいいんですよ。全体のものが利益を受ければつぶれてもいいんです。また増資をすればいいんです。自分の出資している会社なんです。請負人が全部出資しているのです。保険会社、銀行その他の資金というものはみんなこれは国民の金なんです。そういうものから見た場合にですね、自分の八十五ないし八十というものを一応妥当と見ておられるならばですよ、やはり育成のために恩恵を受けるような制度をとらなければならぬ。私はこれを、だから、自分の八十五を七十にしろ、六十にしろというのではないのです。これはおそらく業者を救い、なおかつ保証会社を救う意味においてやったのでしょうから、この線でいいと思うのです。それならば自由競争の時代だからといって、あなたが掌握している人事 の、何万という従業員、職員 長い間の経験で積み重ねた予定価格よりも安いのが妥当であるというようなことは、言えるものではないのです。従って、何も建設業法の改正を無理に通そうと思って質問しているのではないのですよ。これに非常に関連があるから伺っているだけですよ。 この今伺っている、国が発注する総額のうち保証会社の方にいくらその恩恵を受けているかというもの、前払金を受けたという額ですね、その内容がどういう理由で不適格として落されたかというものを、これを知りたいと思っているのですよ。自分の作った、良心的に積算したところの予算が、まあ安全にそれを使ってりっぱなものができれば、これが私は一番国の利益だと思っているのですよ。百と積算したものが、あるいは例外として安く仕入れたものもおるし、あるいは材料が金融のためにダンピングしてやって不本意ながら安く売ったものもあるでしょうし、請負人の手練手管にかかって安くしたもりもあるでしょう。しかし少くとも百のものが、百の効果がある建造物ができた方が僕は国の利益だと思うのです。考え方が大蔵省や敬啓検査院はどうでもいいのです。少くとも発注官庁では、金のことよりも工事の完成ということが主目的なんですよ、建設省としては。これに対して賛意を表さぬなんということなら、こういう建設業法でも、こういう法律でもやめちゃいなさい。公入札、自由競争をおやりなさい。私はこう思うのですが、官房長どうです。
○政府委員(柴田達夫君) ただいま、るるお述べになりました御意見について私の方では異論があるわけでは毛頭ございません。そういう考え方で、発注工事の適正を期する役所といたしまして、今のお話になりましたようなことが国の利益に合致するものであるという見解につきましては、全く同感でございます。ただ政府全体という場合に従来からの経緯がございまして、政府の見解が反対して来たではないかという、こういうお尋ねがございましたので、これは主として大蔵省の言うべき見解まで言い過ぎた観がありますが、(笑声)反面において、やはり金の点も貴重な油の一滴をゆるがせにすることはできないという財政的な、やはり国の利益というものもあるものだから、そこのところがなかなか、両方とも国の利益だということで、私どもはまさしくお話の通りの利益を強く主張すべきものであるということは異存はございません。両方あわせて申し上げますので、はなはだ建設省らしからぬことを申し上げて恐縮に存じます。
○田中一君 それじゃ、建設省の見解としてはですね、この百分の八十五と押えた東、西の両保証会社の線というものはしごく妥当である、こういう見解のもとに許可したのですね、これはそう確認してよろしゅうございますね。
○政府委員(柴田達夫君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、保証会社の経営上の問題としてはそういう方法が妥当であるという見解をとっておることは間違いありません。
○田中一君 どうも乗ってこない。(笑声)では、もう一ぺん伺いますがね。予算決算及び会計令を改正して、むちゃくちゃな値段を入れてダンピングやるというようなことはとめようというような考え方を、建設省は持っておりますか。
○政府委員(柴田達夫君) そういうことに対して措置が、しかも法的措置が必要であるということを否定するものでございません。
○田中一君 おかなことを言うけれども、あなたは今準備しておるでしょう、草案でも、そうしようという案件を、建設省がむちゃくちゃなダンピングをさせまいというような予算決算及び会計令の改正案を準備しておるのじゃないですか。
○政府委員(柴田達夫君) 大蔵省の方におきまして会計法の改正を準備しておるということは、承知いたしております。
○田中一君 大蔵よりも、あなたの方でそれをやってくれということの申し出をしてやっておるのですか、それともどうなんです。
○政府委員(柴田達夫君) これは前回の国会におきまして、私も当時おりませんであるいは間違っておるかもしれませんか、前回の国会におきまして、政府の見解を大蔵省、建設省が申し上げた。それでその場合におきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、法の体系としては会計法の改正で御趣旨のようなことについての何らかの措置は必要だから、その方で政府が提案をいたしたい、将来提案をいたしたいということを申し上げました趣旨に基きまして、今国会に御趣旨に基くような会計法改正の提案を大蔵省事務当局が内定いたし、建設省もその方法に対しては賛意を表しておるような次第でおります。
○田中一君 非常にこれに関連があるから、一つその内容をお示し願いたい。法案の草案をちょっと配付して説明して下さい。
○政府委員(柴田達夫君) これは現在大蔵省の方におきまして、まだ閣議決定の運びに至っておりませんので、準備中の法案でございまして、正式に私どもの方からここで御説明する段取りまでに至っておらないのであります。しかしそういう案として非公式にお目にかけないというものでは決してございません。
○田中一君 一つ最後に聞きたいのですが、元建設省大臣をしておった人というだれかが、この保証会社をして工事の完成、保証制度をさせるために、いろいろ働きかけをしておる。そうしでこのただいま提案になっておりますところの公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を修正させようというようなことの動きが相当大きく揺れて、業界その他に影響しているということを聞いておるのですが、そういうことは政府としては好ましいと思いますか、思いませんか。
○政府委員(柴田達夫君) 保証会社に完成保証をやる道を開くように法律改正をしてはどうかという議は、今のお話ばかりでなく、多少伺っておる次第でございます。しかし私どもといたしましては、完成保証の制度というもの自体が無用の制度であるという見解は持っておりませんけれども、先ほどちょっとお答えの中に出しましたように、前払金の保証がございましても、工事が絶対に保証されて、建てるべきものが建つという保証まであるわけじゃございませんので、また現在その制度のためには保証人という御承知の通りの制度でやっておりますが、これも違約金を払ってのがれてしまえばそれまでだということで、完成の最後的な保証があるわけではございませんので、その欠陥を補うために完成保証というような制度を開くということ自体に反対をするものではございません。しかし完成保証をやります保障の条件につきましては、これはまだまだ検討を要するものがあるかと思います。ことに保証料をだれが負担するかというような問題は業界には大きく響く問題でございますし、また保証会社自身の経営の安全という点からも検討を要する問題でございます。またそういう道を開くについて円満に、まあ発注者側は望む者が多いと思いますけれども、業界の意見がまとまるということも私どもとしては希望いたしたいところでございますので、検討中に属するということでございまして、今国会のこの法案にはその点は提案をいたさなかった次第でございます。
○田中一君 建設大臣に伺いますが、今官房長が説明したように、完成保証をしようという考え方に対しては時期尚早というような御見解のように伺ったんですが、大臣もこれに御同意なすっていらっしゃいますね。
○国務大臣(馬場元治君) ただいま官房長から御説明いたしました通りに、検討を要する問題である、かように考えております。
○田中一君 もう一つ、もしこれが議員提案となって出た場合には、これに対しては賛意を表しにくいという御見解であるというように理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(馬場元治君) 議員提案で出ます内容をよく検討しなければ、ただいまからそのことは答弁いたしかねます。(笑声)
○政府委員(柴田達夫君) ちょっと資料のこと……。先ほどちょっと御趣旨と違う方の数字の方を申し上げました。発注高に対する保証高、その割合でございますが、先ほどの四百十億に対する保証高の率が三四・八%になっておったと申すところでございますが、これはお尋ねのような意味の発注高にいたしますと、国の一般会計におきまして四百一億、特別会計におきまして百三十億、合計五百三十一億が発注高でございまして、四百十億の請負高でございますから、その割合は約八割ということになります。
○田中一君 ちょっとこの数字、こんなものですか。私はこんなものじゃないと思うのですがね、これはあれも入っておりますか、自衛隊も、それから安全保障諸費ですか、あれも入っていますか。国が発注する総額ですよ。
○政府委員(柴田達夫君) 直轄……。
○田中一君 直轄って、直轄工事の直轄を言っているのじゃないのですよ。国が発注する請負に出すやつですよ。
○政府委員(柴田達夫君) これに請負に出す全額のつもりでございまして、直轄工事は、今お話がございましたように、入っておりしません。
○委員長(赤木正雄君) ほかに御発言はございませんか。——御発言がなければ、質疑は終了したものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして、お述べを願います。 〔「討論省略」「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) それでは討論は終局したものと認めます。 採決を行います。公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を問題に共します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤木正雄君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任を願いたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) 御異議はないと認めます。よってさよう決定いたしました。 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 石井 桂 小沢久太郎 近藤 信一 伊能繁次郎 齋藤 昇 西岡 ハル 武藤 常介 田中 一 村上 義一 —————————————
○委員長(赤木正雄君) 引き続き、地代家貸統制令の一部を改正する法律案を議題に供します。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○田中一君 前回の委員会で私が要求してあった資料において概略御説明願いたいと思います。
○政府委員(鎌田隆男君) お手元に差し上げました前回御要求の資料につきまして御説明申し上げます。少しばらばらになっておりますが、問題を読みまして……。 一般職種別賃金基本日額表という一枚刷りのものもございます。ここで土木建築業のうちの建築に関係の深い職種、特に修繕等に関係の深い職種をここにあげました。大工、左官、鳶工、石工、土工、板金工、屋根葺工、配管工、塗装工というふうにあげまして、地域別は、北海道、宮城、東京、兵庫、徳島、熊本と、こういうふうにあげました。これは昭和二十八年の労働省の告示第二十六号でございますが、その後これの変更がございませんので、この水準を現在でも維持しておるものと考えます。最高と標準と最低と、こういうふうに表わしております。 それからその次の表としまして、木造住宅の修繕で、これは東京におきまして十五坪の家屋で約三万円くらいの最も代表的な修繕の例をここにあげまして、土台、柱、屋根、外壁、造作、とい等の修繕、そういうようなふうにそれぞれの金額——資材費、労務費、運賃その他を出しました。これは修繕でありますから、いろいろな例があろうかと思いますが、一番代表的なのがこのくらいのところではなかろうかと、こういう資料でございます。その労務の所要人員といいますか、大工、人夫、そういうのも出しております。 それからもう一つの、この半分の紙がついております老朽状況の調べでございますが、これは昨年の住宅調査でやりましたうちの老朽状況の調べでございます。この調べは損耗減点法によりまして調べましたので、その損耗減点の評価の方法につきましてはその次の紙に書いてございますが、その結論から申し上げますと、東京二十三区におきまして要修理戸数は大体一八・三%というふうに出まして、その損耗の度合が三十ないし五十のものが四・二%、五十から六十のものが一・六%、それから六十から七十までが一・六%、七十から八十までが一・三%、八十から九十までが一%、九十から百までが〇・八%、こんなような状態にあります。これは老朽の度合いの分布でございます。横浜、名古屋、京都、大阪、神戸等の六大都市につきましての資料を御提出いたしました。その損耗減点の方法につきまして簡単に御説明申し上げますが、各戸のうちにおきまして、的確な代表的な家につきまして、外周と並びに基礎とそれから土台——外周土台と、それから柱と、それから外壁と、屋根と、ひさし、こういうふうな六つの項目に分けまして、それぞれどこがどの程度いたんだときには何点減点する、こういう方法で調べたのでございます。この減点の点数は、大体修繕費、復旧費に比例する数字をここに設定をいたしまして、それで減点しております。この研究は建築研究所と合同で行いまして、こういう方法を定めたわけでございます。 それからその次の表を差し上げましたのは、この統制家屋の修繕の状況を調べました表でございますが、各都市につきまして修繕をやったかやらなかったかというようなことを、二十八年度地代家賃実態調査で行いました例でございます。全都市につきまして修繕を——この修繕のやり方も大修繕、小修繕、いろいろあると思うのでありますが、ともかくもやったかやらなかったかということを調べますと、大体一九・九%、一年間に約二割近い家屋は、小さな修繕も入ってはおりますが、やっておるようでございます。これは二十八年度中にどのくらいやったかという調べでございます。ただ、その修理をしました修理個所がどういうところをどのようにお金をかけているのかというのがその次の右の方の欄でございまして、大体一〇〇%の金を軸部には九・八%、大体こんなような比例にこの一〇〇%を屋根と、といというようなところが一番よけいやっておると、こういう表でございます——先ほどの説明、ちょっと間違いました。金ではなくて箇所でございます。屋根の修繕が一番多かったという例でございます。それから建具が一八・四%、こういうような、これは箇所でございます。金の方も実は調べてございますが、平均一軒の修繕費がどのくらいかということも調べてございますが、これは割合に小さた額に出ております。つまり大修繕はそう行われないで、どうしても雨が漏って困るというようなところの修繕、小さな修繕が数多くやられておる状況でございます。 それからその次の二枚刷りのが地代家賃統制の今日までの経緯でございまして、第一が地代家賃統制令の改正の経過でございます。昭和十三年に総動員法に基きましてできました勅令でできました地代家賃統制令が、その後こういうふうにだんだん数次の改変がありまして、今日に至っております。 それからその次の表が統制額の改訂、この額の改訂は収府が告示でやっておるわけでございますが、この額の改訂が昭和二十二年九月の一日から十数回にわたりまして、逐年物価の変動とともに額の改訂もいたして、今日に至ってやります。その状態を資料として提出したわけでございます。 以上簡単でございましたが、御説明申し上げました。
○田中一君 大臣に伺いますがね、この提案されておる改正案というものは、家主の当然すべき維持管理あるいは修繕の義務というものが条件に入っていないということを政府は説明しておるのです。で、この資料をいろいろ見ておりますと、やはりここに当然すべき修理をしていないということ、この要素を一応政令か何かで考慮しようといっておるあれの中には含めておらないのです。こういう点については、この法律を改正してそうして家賃の値上げをする場合、家賃の算定、償却等、今まで住宅局長から聞いていた範囲以外に、その点についてどういう考慮をするかという点を、御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(馬場元治君) 説明外というのはどういう意味なんですか。
○委員長(赤木正雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記を起して。
○国務大臣(馬場元治君) 従来統制のためにごく低い家賃でやっておったために、修繕がなかなか困難であったような実情であります。そこで家屋の維持保全を最小限度にでもやらしめたい、そこに目的を置きまして、徐々に統制をはずすという考え方から、今度の広範囲の統制の徹底をいたそうと、かような考えをいたしておる次第であります。
○田中一君 そうすると、この統制令を徹底するためには、現在のやみ間代、やみ地代まで値上げをして、初めて撤廃しようという考え方なんですか。
○国務大臣(馬場元治君) やみの問題には関係がないと、かように考えます。
○田中一君 現在、地代家賃統制令には罰則がふるのです。しかし、せんだっても罰則を適用したものがあるかどうかといって聞いたところが、多少はあるという御答弁があったようです。そこで現在のやみ家賃、あなたのような方は御存じないと思いますけれども、三畳が二千円とか、六畳が四千円とかというものをとられているのです。一応修理をして家賃の値上げをするということを企図されているこの改正案なんですが、やみ間代に対してはどういうような対策をもって臨むかということなんです。今までは放置されているのです。ただ四十三万戸の住宅を作るなんて言うものだから、どうしてもこういうものに手をつけなければならなくなってくるのです。そういう点は、現在のやみ価格の地代家賃をどういう形でもって取り締っていくということになるのですか。
○国務大臣(馬場元治君) 御質問の点は、事実の取扱いについて非常にむずかしい問題でおりまして、法規をそのまま適用するということになりますることが元来の姿であると、かように思いまするけれども、御承知のように、住宅の不足を告げておりまする今日、政府も鋭意住宅難の解消には努力いたしておりまするものの、いまだに相当数の不足がありまして、住宅難が憂えられておる今日の場合でありますので、いわゆるやみ家賃の場合に、全部これを法規に照らして厳重処罰をするということになりますれば、法規を犯したものを処罰するということはこれは当然でありまするけれども、一面においては、そのために住宅の入手が事実においてはますます困難になる、かような事態も惹起いたすおそれも考慮しなければならぬと思いまするので、これらの点には十分注意しながら、特に悪質のものに対しては処罰をやっていきたい、かように考えておる次第であります。
○田中一君 これは政府としては重大な発言なんです。私は建設大臣からは、法に照らして厳重処罰いたしますというだけの答弁でいいと思う。それをそのような重大なことを言う建設大臣だと、私は今新聞記者クラブへ行って、全部こういう言明をしたと言って吹聴します。そんなことありようがないのです。それは非常こ善良な建設大臣がつい口をすべらしたものと思うから、その点は了として、今の速記は削除していただくように委員長にお願いしたいと思う。そういうものをもし削除しないというのなら、これは重大な問題です。これは建設大臣、よろしゅうございますか。行政官庁の長たるもの、法の取締りをしなければならない責任者が、悪質なものはするけれども軽いものはそのままでいいということは、これはあり得ないと思うのです。
○国務大臣(馬場元治君) 私の言葉が不十分であったかと存じますが、違法行為を容認するのだという意味じゃないのでありまして、違法行為をやることは、これはどこまでも違法行為でありますから、法の認定に従って取扱いを受けるのは当然の次第であります。ただ、事実の上におきましてこういう事態も起り得るかと、それらの点も多少考慮しなければならぬのではあるまいか、いわゆる住宅難にあえいでいる人の立場から考えて、そういうことも考慮しなければならぬのではないかという意味を申し上げたりもりであります。御指摘のように、法規に違反したものについては、その法に照らして相当の方法をとりますことは当然でおろうと思います。取締り官庁ともよく連絡をいたしまして、善処して参りたいと思います。
○田中一君 この際ですから、私は建設大臣に要求したいのですが、この法律案が通りますと、そうすると、おそらく鎌田君は、建設省詰めの新聞記者に発表するでしょう。その場合にやはり大臣の談話として、できるならば、こういう措置をするようになった、従って今後悪質な違反者はどしどし強硬に取り締るぐらいの談話をするならば、今の言葉は容認しますが、もししないならば、さっそく言います。法を犯すことを奨励するなんていう行政官庁の長はありませんよ。元警視総監がそこにいるじゃありませんか。
○国務大臣(馬場元治君) 今のはおそらくお聞き違いだろうと思います。違反行為を奨励するということを申した記憶はさらにありません。それはおそらくはお聞き違いだろうと思います。違反行為などを奨励する意向は毛頭持っておりません。あらためて申し上げておきたいと思います。
○近藤信一君 これは基本的な問題ですが、一つ質問をしておきたいと思います。ただいまも田中委員から言われておりました、老朽化してきたのだから、大修繕に対しては家賃の値上げを認めるのだ、こういうようなこの間からの答弁もあったわけでありますが、大体この現行法というものは借家人を擁護するための法律ですね、そうでしょう。第一条の目的にちゃんと書いてある。第一条に、「この勅令は、地代及び家賃を統制して、国民生活の安定を図ることを目的とするる。」こういう目的のもとに、第八条には「都道府県知事は、左の各号の一に該当する場合には、建設省令の定めるところにより、職権又は借主の申請により、地代又は家賃の停止統制額又は認可統制額を減額することができる。」、こういう規定があって、その次に二号に、「貸主が、借地又は借家の維持に必要な措置を怠る等の事由により、借地又は借屋が不良となったとき。」、こういう場合には減額することができる。こういう家賃の値下げがこれはできることになっているのです。それがいろいろと安い家賃のもとに直すことができなくて、だんだんと老朽化していった。これは直せなかったから、老朽化していってだんだんと家が腐敗してきた、こういうことになるわけなんです。そうすると、今度のこれが改正で大修理を認めた場合には、これを値上げしても差しつかえないと、こういう法律なんだから、そうすると、これはがらっと今度は反対になって、家主を擁護するための改正と、こういう結果に私はなるのじゃなかろうかと、こういうふうに思うのでございますが、その点いかがですか。
○政府委員(鎌田隆男君) 今回の改正も考え方でございますが、家主を保護せんがためにこれをやろうとしたのではさらさらないのであります。家主を保護せんがためにやる場合ですと、額の改訂でどんどん統制額を上げれば、それで事が足りるわけでございます。しかし引き上げまして修繕を——その額の改訂をして、かりに上げてやって、それで修繕を促進されればいいとしましても、そこで上げてもなおかつ修繕が促進されるかどうか非常に危ぶまれるというような一つの考え方から、そちらの方でなしに、大修繕をしたという事実だけを認めて、その額の改訂を、統制額の特別認可をやろう、こういうふうなことを考えましたので、これは全く家主を保護せんがためではなくて、家の維持をぜひはかりたい、こういうことであります。
○近藤信一君 理論的にはそうなるかもしれませんが、実際現われてくる面においては、家賃が高くなることになると思うのです。一坪二千円以上の修理と認めた場合には四十四ですか、この前、局長言われました四十円くらいの家賃の値上げになるだろう、そうすれば、二十坪の家ということになれば、八百円の事実上の値上げになってくるわけです。結果的には、私はそういう結果になるのじゃなかろうか、そう思えるのです。 それからこの間から問題になっておる大修理の限界、これは住宅局の方で省令によって定めた規定によってやられるわけですが、これは先ほどの工賃のあれを見ましても、ちょっといじっても二千円くらいすぐかかるうと思う、手間賃が今高いのだから。実際には大修理がなされていなくても、工賃の方はよけいとられますから、二千円のあれにかかってしまうということになりますと、大していじらなくても四百円の値上げということは、十坪で四百円の値上げということは、事実上認められるのじゃなかろうか、こう思うのですが、その点いかがですか。
○政府委員(鎌田隆男君) この大修理の範囲でございますが、これは今お話しのように、大体坪当り二千円以上の修繕をしたる場合というようなことで省令を定めたいと考えておるのでありますが、その二千円の修繕というものはどの程度かということも、先ほど資料で提出いたしましたが、大体土台を一五%取りかえるということは、かなりのこれは、北側はほとんど全部なるわけでございます。それから柱もほとんど北側の方々根つぎをやる、屋根もある程度ふきかえる、野地は一二%差しかえる、それからかわらは一割近く差しかえる、かなりの修繕のつもりでございます。そのくらいの修繕をした場合には、特別の増額をする。小さな修繕には、これは普通の今までの統制額でやる。こういうことでございます。
○委員長(赤木正雄君) ほかに御発言ございませんか。 御発言がなければ、質疑は終了したものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして、お述べを願います。
○田中一君 この法案が、当初立法の精神を忘れて、三十一年度予算においても四十三万戸の住宅を提供するというその言葉にいかに数を合わせるかという意図のもとに考えられたものではないかとも考えられる。同時にまた、当然この法律に書いてある通り、修繕の義務というものが家主にきわめて義務ずけられていることは間違いありません。にかかわらず、一方的にその義務を怠って老朽化した貸し家が、この法律があるために、今回一部改正して不当に、たとえば木造家屋の耐用年限というものは十五年ないし十八年ということは、これはもう建築上の常識です。これを大修繕を行なって、それを五年間で償却して、なおそれに利子をつけて、そうして家賃に転嫁して、一応家主の利益を擁護するというような形をとったことに対しては、はなはだ遺憾だと思います。同時にまた、この値上げの仕方が、先ほど申しましたように、家主が義務を怠っている点を何ら考慮されないという点も、少くとも庶民の借りているところの住宅に対する愛情ある政策並びに本法の精神を没却したものであると言わなければなりません。同時にまた、この法律案を出すことによって、現在巷間行われているところのやみ家賃をも規制する案件が改正案に出ておりません。従って、終始不当なるやみ家賃というものを容認しながら、また当然な義務を怠っている家主に対する保護法という印象を受けるこの法案に対しましては、われわれは社会党を代表して反対するものでございます。
○石井桂君 私は自由民主党を代表いたしまして、賛成の意を表するものであります。 今河の改正は、大体二点取り上げることができると思いますか、そのうちの一つは、老朽家屋の修繕を許してそれに相当の家賃を増額させる点、もう一つは、三十坪以上の大きな住宅を統制からはずす点でざいます。 住宅政策の今の非常な難点は、年間二十五万戸に上る大きな老朽家屋の防止をどうするかという点でありまして、今回の措置は住宅政策の一番難点とした老朽防止対策の一環をなすものとして、非常に着想がいいところだと思います。 なお、第二点の三十坪以上の家屋を統制から除外するという点につきましては、すでに昭和二十五年度以降の新築住宅は全部統制からはずされております。本来なればこれは全部はずすべきでありましょうけれども、九二%に出る三十坪以下の何百万戸の住宅の統制をはずすということは今回当を得ないと思いまして、今回は三十坪以上、すなわち数百万戸の住宅のうちの八%だけの統制をはずしたという点は、私は今の段階ではこれは当を得たものと存じまして、賛成の意を表します。
○委員長(赤木正雄君) ほかに発言はありませんか。——発言がなければ、討論は終局したものと認めます。 採決を行います。地代家賃統制令の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(赤木正雄君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他日後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 石井 桂 小沢久太郎 伊能繁次郎 齋藤 昇 西岡 ハル 武藤 常介 村上 義一 —————————————
○委員長(赤木正雄君) この際、建設大臣から能代の大火について御報告があります。
○国務大臣(馬場元治君) 去る三月二十日に秋田県能代市に大火がありまして、非常な惨状を呈しましたことは、まことに御同情にたえないところであり、遺憾千万に存じます。 この状況を視察いたしまするために、去る九日現地に参りまして、現状を視察をいたしました。御承知の通りに、焼失戸数は千百五十六戸、面積が九万五千坪、罹災人口六千八十七人ということに相なっております。現地に秋田県小幡知事並びに能代応長の豊沢勇治、能代市会議長の高階長吉諸氏と一緒に参りましてつぶさに事情を承わったのであります。 今度能代を見まして痛切に感じましたことは、能代市の住宅というものの大部分、特に今回焼失いたしました区域が、かわらぶきでなくて、いわゆるトントンぶきというものが大部分なのです。そこで一度発火いたしますと、延焼が非常に急速に行われて、消防の実をあげることができなかったというその間の事情も、現在焼け残っております範囲を眺めまして、大火の起りました原因の一半も了察せられたのであります。 現在では知事、市長を初めといたしまして、住民諸君も鋭意復興を急いでおります。そこで建設省といたしましては、この復興をはかりまするために、さきに御報告申し上げました通り、火災の発生をいたしまして、ときを移さず現地に係のものを派遣いたしまして、事情の調査、計画の樹立に遺憾なきを期して参ったのでありますが、復興計画といたしましては、土地区画整理を行いまして、これによる復興をはかる方針であります。 大体その概要を申し上げますと、施行面積は十二万千坪、施行期間は昭和三十一年から三十三年度までの三カ年にわたってこれを実行いたしたいと思います。これを実行いたします範囲の詳細につきましては、もし御希望がありまするならば、図面について詳細、係の者から御説明を申し上げさせたいと存じます。これに要しまする経費は、ただいまの計画では、事業費といたしまして約一億二千万円、これは三十一年度は、なるべく事業を進捗せしめたいという考慮からいたしまして、事業費といたしまして五千万円を予定いたし、そのうちの国庫負担でありまする二千五百万円につきましては、予備費から支出いたしたいと考えている次第でありまして、ただいま大蔵当局と折衝中でございます。 現地ではいろいろな要望がございました。その要望の中の一番おもなものは、市の起債の償還期限の問題であります。御承知のように、昭和二十四年に能代市は不幸にして大火にかかりまして、その当時の市の負担のための負債というものが相当多額に上っておるようであります。その起債の償還の期限がちょうどたまたま今日に迫っておりまして、その時期に不幸にして再び大火にかかりましたために、市の苦しみというものは想像以上なのであります。そこで市の当局といたしましては、この償還期限の到来をいたしております起債の期限の延期を何とかしてもらいたいということをしきりに主張をいたし、要望をいたしております。 それから復興計画に関しまする地元の負担の問題につきまして、市だけで負担をいたしますることは容易ならざることである、従って、補助率を高率補助といたしてもらいたい、こういう要望もありました。そこで、御承知の通りに、これは法規の改正を行わない限り実行できませんので、県当局ともいろいろ相談をいたしたのでありますが、結局市だけの負担にまかしておくことは、市の財政をますます困難ならしめるゆえんでありますので、県並びに市においてそれぞれ負担の割合をきめまして、県でも負担をすると、かような方法によって市の直接の負担を軽減せしめよう、かような話も出た次第であります。 次に水道、それから消火設備、こういう方面について強い要望があります。さらに災害住宅をなるべく急いで建ててもらいたい、こういう要望があるのであります。これはもっとも千万な要望でありますので、年度内に完了するつもりで、さような措置をとっております。それから住宅金融公庫の貸付を急いでもらいたい、こういうことでありましたが、これは現地において出張所を設けまして、現に受付を開始し、御要望に沿うようあらゆる努力を続けているのであります。 総じて、現地の状況を見まするというと、現地の諸君は、あれだけの災害をこうむりましたけれども、非常に元気で復興にいそしんでおりまして、現に、厚生省の所管でありますが、いわゆる応急住宅のごときは、すでに今日から見ますればあと一週間、私が参りましたときにあと十日と言っておりましたが、今日から入まするとあと一週閥引いたしますれば、全部完了をいたしまして、現在住宅に困っているお気の毒な諸君を、ここに収容することができるという段階に立ち至っております。 発火いたしますると同時に、直ちに政府からそれぞれの係官を派遣したということについては、非常な好感をもって迎えられておりますることを、あわせて御報告申し上げておきます。 以上概略を申し上げましたが、復興計画の内容、たとえば街路区画整理等の詳細につきましては、係の者から申し上げることにいたします。 なお、この際申し上げておきたいと思いますことは、防火建築帯の問題であります。今度現地を見まして、道路が少し広ければ火災の防止ができる。道路が非常に狭隘であったために、しかも家屋の構造がいわゆるトントンぶき類似のものが大部分でありましたために、消火ができなかった。道路の広いということが、いかに火災の延焼を防止するのに役立つかということを痛切に感じましたので、議会における御意見もありますし、かたがた防火建築地帯を設定するということは、まことに将来の火災を防止する上において、きわめて緊急の問題であると、かように痛感をいたしたのであります。これもぜひ実行をいたして、将来の火災の発生の防止の一助にいたしたい、かように考えておる次第であります。一言つけ加えまして御報告にかえます。
○田中一君 ちょっと伺いたいのですがね。前回の火災のときに全市的な都市計画が立っているんではないかと思うのですが、これは大臣、どうなっておりますか。
○説明員(高谷高一君) 前回の昭和二十円年の大火のときに、一応全市にわたる都市計画の街路計画を決定いたしまして、そうして前回のときには二十一万坪の土地区画整理を実施いたしました。今度の大火の所はちょうど焼け残りの地区でございまして、前回の約半分の地区の十二万一千坪にわたって実施いたす予定にしております。それで前の計画にあわせまして、防火帯その他の幹線街路も前回の大火のときにきめましたその計画に基いて、今度実施いたす予定にしております。
○田中一君 これはむろん災害救助法を発動してあるのですね。
○説明員(高谷高一君) あります。
○田中一君 そうすると、一応応急住宅は何戸いっていますか、今度。
○政府委員(鎌田隆男君) 応急住宅……。厚生省関係の災害救助のあれは何戸になっておりますか、私、的確な数字を存じておりませんが、大体罹災戸数の一割程度でないかと思います。いつもの例では一割程度になっております。
○田中一君 私も実は行ってきたんです。そこで向うの計画を見ますと、耕地に災害住宅、救助法の住宅、応急住宅を建てようということになっているのですか、官庁営繕法が通りましたし、そうしてあれを官庁営繕の一環として応急住宅というものを考えておるのか、あるいはこれは全然別個のものであるという見解を持っておるのか、この点はだれに聞いたらいいのかな、伺いたいと思うんですが。
○政府委員(鎌田隆男君) あの応急住宅は、ほんのやはり応急的な収容という意味で建設せられるものと思うのでございまして、恒久的な対策ではないと、こういうふうに考えるわけであります。恒久的な家というふうには考えられたいと思うのでございます。そこでこれを建てておきまして、あと公営住宅法によりまして、もう少し恒久的といいますか、永久的なものの復興をやりたい、こういうふうに考えております。
○田中一君 どこの災害地に行っても必ず、窓口が違うからといって、厚生省が応急住宅を出す。そうすると、あなた今、恒久性あるものでないというお考えでございましょうけれども、恒久性というのは何年をもって恒久性というのかですね。少くともわれわれが見ている範囲では、恒久性のある住宅になってしまうのです。それであの法律を見ますと、御承知のように、一年たてばだれに売ってもよろしいということになっているのです。従って、居住者がいろいろな条件をつけても、なかなか公営住宅を建てろと言っても、建てない。減らしているのが今の政府の予算の組み方であって、こんなものはあてになるものではないのですよ。従って、災害救助法でくる応急住宅も恒久住宅なんです。 そこで新潟の例を見ましても、またどこの例を見ましても、そうなんです。私は今度行ってみましてですね、これはどうしてもですよ、将来利用できるものを、アパート式なものを作ることの方がいいんではないか、私はこう考えているんですよ。それで官庁営繕法では、あれはもう残りはくれてしまうものだ、だからおれの方は知ったことではないということになるんでしょうけれども、これであってはならぬと思うのですがね。国の国費でもってやるものですから、やはり営繕に違いないんですよ。官庁営繕には違いないんですよ。やってしまうものだからだめだということは、言えないと思うのですよ。それで何か将来転用できるようなものにして、ああいう七万五千円——五万円だったかな、五万円で七坪なんという家は、これからあそこは夏に入るのだから当分いいでしょうけれども、とても耐えられるものではない。そこで僕は望みたいのは、建設大臣が厚生大臣と相談して、もはやあのような形の応急住宅というものは建てないようにしてほしい。計画の敷地は一応きまったようです。しかしまだ着手はしていない、こう言っておりますから、何、急いでやれば、将来、木造で困るけれども、屋内体操場にもなれは、あるいは何かの集荷場にもなるというような、ああいうバラックじゃなくて、アパートのような形のものを作らなければ、結局スラム街がすぐに現出するわけです。この点についてはどういう考えを持っていますか。そういうような意味の努力をしてほしいと思うのですが、大臣、どう思いますか。
○国務大臣(馬場元治君) 能代の応急住宅の建っております所は、田中さんおそらく御承知だろうと思いますが、能代の本町から、米代川と申しますか、あの橋を渡りましたいわゆる向能代という所であります。ここは耕地には不適当な酸性土壌の所でおるとか聞きましたが、そこを大急ぎで地ならしをいたしまして、応急対策としての住宅を建てておるようであります。何でも二戸続きで、二世帯入るので一棟になっております。私が参りましたとぎには、非常に急ぎまして、まあ夜に日を継いで建設を急いでおる、こういった状態でありまして、現地のそれぞれの業者がほんとうに懸命に努力をいたしておられる模様が、まざまざと見られたのであります。聞くところによりますと、木材等の価格も、現地は御承知の通り、木材の集散地でありますが、非常に低廉に供給いたし、地元の建築、土木その他の業者諸君もまた犠牲を払って、ある程度奉仕的な作業に従事しておられるというので、まことに感激するような情景に接したのであります。 で、今度の焼失区域は、先の焼失区域と異なりまして、いわゆる日雇いに行く人であるとか、その他比較的経済力の低い市民諸君が罹災者であったように承わります。そこで自力によって住宅を建設する能力も従って低いというような関係から、公けの機関に収容せられております者も相当多数に上っておるという状況でありまするので、何はさておき、大急ぎで住宅を提供することが急務中の急務であろう、こういうことから、県出局も、市の当局も、この応急住宅の建築を非常に急いでおられるように見受けたのであります。 御説の通りに、いわゆる応急住宅でなしに、恒久的なものを建てたらいいじゃないかという御意見、もしでき得ますならば、さようにいたしたいのがやまやまなんであります。なるべく早く、しかもなるべくいいものをということが望ましいのでありまするけれども、何分にも、いいものを建てまするには、相当の時日を要することは、これはやむを得ざる事情でありますので、今日のこの現状に処するためには、まずもって雨露をしのぐに足る程度のものを応急的に作っていく、こういう考え方で進んでおるようにお見受けしたのでございます。もしさようなことでなしに、きわめて迅速に、しかもりっぱなものが建てば、これにこしたことはないのでありますが、厚生当局ともよく協議をいたしまして、将来の問題については考えていきたいと思います。 ただいま能代自体の問題につきましては、先ほど申しました通りに、現在工事が進んでおりまして、あと一週間もたちますと、全部建築が終ってしまいます。これは現地で私直接聞いたのでありますから、おそらく誤まりはなかろう、かように思いますが、何か突発的な事故の起らざる限り、四月九日現在に私が聞きましたところでは、あと十日で全部完成をいたします、かような説明でありまして、従いまして、今日から見ますれば、あと約一週間ではないか、かように考えておるのであります。今能代の場合に、今日あれを変更するということは、事実において不可能ではないか、かように考えておる次第であります。
○田中一君 ただいま聞きますと、あそこの中央部、あれは大体全くの貧民窟なんですね、御承知のように。それで国から生活の補助を受けている人たちが相田に多いのです。従って、家賃も、地代も払ってない。今度区画整理をやるについて、審議会の選挙をするとなると、非常にうまくやらぬと、その連中は、何年も地代も払ってないということによって、借地権というものがなくなるというおそれが多分にあるのですね。この点はどういう措置をとっておりますか。
○説明員(高谷高一君) 区画整理の今度新法によりまして、綿密に権利者の調査を実施しておりますから、先生の今御心配のようなことがないようにやっていきたい、指導もそういうふうにしたいと思っております。
○田中一君 焼失地区以外の地区ですね、これはどのくらい区画整理に一緒にやるつもりでおりますか。
○説明員(高谷高一君) 今度の焼失した区域が九万五千坪でありまして、区画整理を施行する予定の面積が十二万一千坪でございます。でありますから、約三万坪ばかりが焼け残りの地区を入れるわけでございます。その焼け残りの地区と申しますのは、この前の大火のときに防火帯といたしまして、能代橋の方から駅前に来る幹線街路を三十メーターにきめてありまして、今度の焼けた区域とこの前の火災復興の区域の間に、約百メーターばかりの区間焼け残りの民家が残っていますので、この地区をやはり今度の区画整理地区に入れまして、三十メーターの防火帯を築造したい、かように考えております。 それと、もう一つは、市の焼けた地区の西部の方に果樹園あるいは農地として、市有地を農民に貸しておった土地がありますので、この地区を区画整理の区域に入れまして、できれば公営住宅をここに建設したいという考えで、この農地の地区を今度の区画整理に入れた次第であります。
○田中一君 ずいぶんちっぽけな町なのですから、だから、公営住宅を別に持っていかないで、防火帯の所へ両方で出して、三階でも四階でもする、まあ四階程度にするということにしたらどうなのです。もう少し、しゃくし定木にならないで、実情に即してやらないと、いつまでたったって能代の復興なんかできっこないのです。あすこの状況から見れば、今までの経緯から見れば、どうしたってまた火事があるのです。あの火災の後に二十件あります。私が行った日に二件ありました、一晩のうちに。火事のノイローゼです。あの辺の市民は、とにかく延焼しないということ、防火帯ができるのだということによって、相当安心するのです。もういたずらに神経質になって、また火事を起しているのです。あの火事後二十件あるのですよ。これはそういうようなことに、しゃくし定木にならないで、大臣、一つお願いしたいと思うのですよ。ただ、果樹園をつぶして公営住宅を作ると言わないで、都心が住宅地であり、商業地であり、みな同じごっちゃなのですから、ああいう所は。
○政府委員(鎌田隆男君) 公営住宅の災害住宅につきましては、従来ほとんど、木造が燃えた場合には木造を復旧するというような方法で、今日まで参っておりましたが、今回の能代の火災に当りましては、公営住宅をぜひ燃えたこの土地へ作りたいという考えをもちまして、ちょうど三分の一くらい、百数十戸に当りますか、それだけは耐火構造のブロック造の家を、ちょうど中心部に百戸ばかりかためて作りたい、こういう考えを持っております。
○田中一君 土地の問題をどうするのですか。それから今土地の所有者、借地権者に納得の上で建てると、こういうのですか。
○政府委員(鎌田隆男君) もちろん借地権者とは納得の上で、今度の区画整理と一緒に、今まで住んでいた人の納得の上で建てたいと思っております。
○田中一君 それは防火帯ですね、防火帯の上に建てるというのですか、それとも別の方に建てるというのですか。
○政府委員(鎌田隆男君) ちょうどこの地図で、焼けたところのこの中心部に公園がございます。そのあとのところをずっとそういう敷地にしたい、こういう考え方でおります。
○田中一君 詳しくもう一ぺん伺いたいと思うのですがね。実際しゃくし定木に火事を考えちゃだめですよ。火事というものは、今建設大臣が言っておるよりに、焼けてしまったからどうにもしょうがないというのじゃ困るのです。ああいう災害は東北にはこれから多いのですよ。こいつはどうもこの前の、何といいますか、北海道の火事にしても、応急住宅というものはその後どうなっているかということを、おれの方の所管じゃないから知らぬと言わないで、住宅局長はもう一ぺん実態を調べてごらんなさい。そうしてそういうものじゃなく、安心して暮せるような所に一応して、それで公営住宅ができたらそっちへ移してやるという行き方を考えなければ、生活保護者が大ぜいいる所はどうにもなりませんよ。これは希望だけ言っておきます。
○委員長(赤木正雄君) 次回は十七日の予定であります。 本日は、これをもって散会いたします。 午後四時三十八分散会