建設・商工委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1956/03/20
会議録
○委員長(赤木正雄君) ただいまから建設、商工委員会連合審査会を開会いたします。 私が委員長の職務を行わせていただきます。何とぞ御協力をお願いいたします。 東北興業株式会社法の一部を改正する法律案を議題に供します。 この際お諮りいたします。この法案の審議のために、日本開発銀行理事鹿喰清一君及び同管理部長淡河正君を参考人としてこの席にお呼びいたし、そうして御意見を承わりたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) では、さよういたします。 政府から出席しておられますのは、建設省から町田計画局長、通産省からは吉岡軽工業局長がお見えになっています。大蔵省からは河野理財局長がお見えになるはずであります。 この法案につきましては、主として、連合委員会の性質上、商工委員会の方々から御質疑を願いたいと思います。 商工委員会の方々にお諮りいたします。この法案について提案理由をお聞きになっていないならば、一応政府から聞いたらいかがかと思いますが、いかがでしょろか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) では、一応この法案の提案理由を政府から承わります。
○政府委員(町田稔君) 東北興業株式会社法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の趣旨及び法案の概要を御説明申し上げます。 東北興業株式会社は、東北地方の振興をはかるため同地方における殖産興業を目的として昭和十一年に設立された会社でありまして、政府の財政援助のもとに東北地方の振興に関する各種の事業の経営と投資を行なって、同地方の開発に大きな役割を果して参ったのでありますが、戦後政府の財政援助がすべて打ち切られたため、事業を整理縮小して近年に至っております。 今回政府におきましては、同会社に東北地方開発発の一環としての使命を一層積極的に遂行させるのを適当と認めるに至りましたので、同会社の事業資金の調達に万全を期するため、同会社の発行する東北興業債券の元利の支払いについて政府が保証をいたすことを必要と認めるものであります。 現行の東北興業株式会社法には東北興業債券の元利の支払いについて政府が保証をなし得る旨の規定がありますが、この規定は法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の規定によりまして、その効力を停止されている状態であります。そこで今回同法の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、政府が東北興業債券の元利の支払いについて保証契約をすることができるように規定を整備いたそうとするものであります。 以上がとの法律案の提案の理由と法案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
○委員長(赤木正雄君) 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記を始めて。 何か政府の方から参考資料を、ことに商工委員会の方々は参考資料をお持ちになっておりませんから、もしもありましたら……。
○河野謙三君 これは建設省か、大蔵省か、通産省か、どちらから御答弁をいただいたらいいかわかりませんが、今回セメント工場建設に当って融資すると。これについてはもちろん、開発銀行で事業目論見書の検討をする以前に、政府におきましても十分の投資の安全性につきまして御検討が済んでおると思いますが、これは済んでおりますか。
○政府委員(町田稔君) 東北興業にセメントをやらせます計画、それからその計画の内容等につきましては、建設省におきまして十分検討いたしたつもりでございます。
○河野謙三君 検討した結果、十分の損失補償とはいうものの、これによって政府が損失をこうむるというようなことのないだけの確信を持てたわけですな。
○政府委員(町田稔君) その結果、確信を持っております。
○河野謙三君 私はそこで不思議に思うのは、建設省の検討はけっこうですが、セメント工業の原局というものは通産省だと思う。通産省の検討は終っておりますか。同時に、通産省は建設省と同様に、今この事業目論見書につきましては、原局として、東北興業のセメント工場今後の運営においては政府は一文の損失もこうむる憂いなしという確信をお持ちになっておるかどうか、それを伺いたい。
○政府委員(吉岡千代三君) お答えいたします。本件につきましては、昨年の春以来、建設省からは事務的な連絡を受けております。昨年の春に、当時の計画局長の澁江氏がお見えになりまして、三十年度の東北興業の新規計画についていろいろな計画ができておるのだが、これを一つどうだろうかというお話がございました。その際、おもな新規計画といたしましては、福島工場におけるカーバイド、石灰窒素の増産計画、それからセメントの計画、この二つが主要なものであったように記憶いたしております。で、カーバイド、石灰窒素につきましては、当時の市況は必ずしも、御承知のように、非常に活況というような状況ではなかったわけでありますが、いろいろ伺ってみますると、東北興業でお作りになっておる石灰窒素は全購連との特約がございまして、全量全購連においてこれを引き取る。で、御承知のように、石灰窒素の主たる問題は、電力の問題と、それから製品が季節的の需給関係がございますので、販売が確実であるかどうか、販路の点において不安がないかどうかという点がポイントのように考えまして、そのようなことであれば、これは問題ないと思いますいうようにお答えをいたしております。その後の状況は、御承知のように、有機合成の非常な発展におきまして、最近におきまして通産省におきましてもカーバイド、石灰窒素の増産について省議決定をしておるというような状況でございます。 それからセメントにつきましては、当時まだ具体的に、どういう場所でどういう方法でやるというような程度までのお話はなかったわけであります。これが場所が決定いたしましたのは昨年の暮でありまして、従って、あまり具体的のお話はなかったわけでありますが、セメントにつきましては、一昨年の夏ごろまでは非常に市況が活況を呈しておったわけでありますが、その後各社の設備の新増設が急速に進んで参りまして、需給関係から申しても、経営上相当、もともとこれは競争が激しい業界でありまして、問題は既存のメーカーと対等に太刀打ちできるかどうかという点が問題であるという点、それからその後におきまして、いわゆるシャフト・キルン、縦がまの方式を御採用になるというようなことを伺いましたので、これにつきましては日本においてはあまり経験のない方式でありますので、戦争中これを蒙疆の大同でやりました磐城セメント、それから昨年の九月以来試験操業をやっております宇部興産、これらの関係会社の重役を御紹介いたしまして、これは前局長並びに現在の局長にも十分技術上の検討をお願いするということにいたしたわけでございます。 そこで問題はただいま申し上げましたような企業採算の問題、それから技術上の問題がポイントであると思いますが、セメント全体の需給関係からいたしますと、御承知のように、この現在の計画は大体年間二十万トン程度の計画でございますので、これでもってセメントの需給関係全体を云々するという程度のものではないように考えます。従いまして、問題は、計画を適正に立てられ、また経営面において万全の努力をされまして、技術上の問題等も解決して、計画通りこれが遂行できるかどうかという点でございますので、それらの点につきましては、そのつど私ども気のつく点は申し上げておるわけでございます。さらに本年の初めにおいて、開発銀行の方にも融資申込をされておる。大蔵省とされましてもこれらの収支採算上の問題等については、開発銀行において主として御検討を願う考えであるというようなお話もございました。また一方、宇部興産の成績等も十分検討するというお話でございましたので、私どもといたしましてはその程度の御意見を申し上げまして、建設省において十分御検討願うという態度をとっておるわけでございます。
○河野謙三君 私は非常に納得のいかないのは、この法安大を提案する前提条件として、建設省なり、通産省たり、大蔵省なりで十分この企業が採算に合うか合わないかということですね。同時に、この企業を興すことによって従来専横をきわめたセメント工業に十分の牽制球を投げて、その効果を得るものかどうかという検討が一切終ったあとで、本法案を提案になるという私は順序だと思うのです。しかるに、今原局であるところの通産省が、開発銀行に何か融資のあっせんについて建設省から書類が出ておるそうですというぐらいのことになっておるのだが、おかしいじゃないですか、これは。大体通産省の原局は、そういうことで自分の責任は果せるのですか。まあそういうことは別として、法案提出の順序は、建設省だけじゃないと思う。大蔵省なり、通産省なり、一切それぞれの行政組織に従う責任の分野において検討を済まして、これが果して健全なる投資であるかどうか、損失補償するまでに足るものであるかどうかという検討が一切済まなければ、提案の順序にならぬと思うのですが、伺いますと、提案前に、もうすでに提案をさてれておるにかかわらず、いまだにそうい二、検討が終っていないということは、それでいいのですか。吉岡さん、どうなんですか。
○政府委員(吉岡千代三君) 先ほど御指摘のように、セメント工業は私どもの方で所管をいたしておりますので、これは政府全体といたしまして、気のついた点は建設省にも意見を申し上げいたしておるわけでありますが、具体的の企業の運営というこになりますと、これはやはり直接担当の会社において十分の計画を立て、またこれを遂行し得るに走るだけの準備なり態勢を整えて遂行すべきである、従いまして、直接の赴任はやはり企業全体が負うべきものであり、また役所といたしましては、これの主管省である建設省におきましてわれわれの意見を十分御考慮の上計画をお立てになったものと考えますので、それ以上具体的の収支採算等の点につきまして立ち入って意見を申しげることもいかがなものかと、こういう考えでおるわけでございます。
○河野謙三君 どうも私はおかしいと思うんだがね。企業自体が責任を負うべきものである。国が損失補償する法案なんですよ、これは。国が損失補償する法案について、企業自体が一切の責任を負うべきであって、政府自体につきましては大して責任がないようなことをおっしゃるのは、おかしいと思う。同時に、私はこの際具体的に伺いたいんだが、この投資につきまして、通産省の立場というものはどうなんですか。もっと具体的に言うと、通産省の企業局の産業資金課というのはどういう立場なんですか、これは。
○政府委員(吉岡千代三君) 具体的というお話でございますので、あるいは言い過ぎになるかと思いますが、実はこの点につきてましては、昨年の参議院商工委員会におきましても御質疑等もございまして、建設省から開発銀行に対する融資の推薦をしてもらいたいというような御依頼もあったわけであります。しかしセメント工業全体といたしますと、需給関係は各社の設備の新増設によりまして、大体われわれが予定いたしておりましたような推移をたどっております。また若干操業度等も低下いたしておるというような感じもございます。従いまして、通産省といたしましては、産業政策のみの見地から申しますと、積極的に融資を御推薦するという条件には合致しないのではなかろうか。一般にセメントにつきましては、その他の工場につきましても、融資の推薦等をいたしておらないわけであります。しかし本件につきましては、同時に東北振興という立場の御要請が大きな要素になっておるわけでありまして、従いまして、先ほど申し上げましたように、十分の計画をお立てになって、これによって健全に事業が運営されていき、東北振興に資するという立場からこれをお取り上げになるということについては、何ら異存はないということで、これは企画庁、建設省ともお打ち合せいたしまして、そういう意味合いから建設省の方で企画庁等の御了解も得られまして、融資の推薦をされてその審査をされておる、こういう形になっております。
○河野謙三君 これは局長に答弁を求めても無理だと思います。これは言外に、局長はつんぼさじきに置かれておる、圧力によって、力によってこの法案は出たのであって、われわれの力は及ばなかったということを言外にも言っておられる。これ以上私ども局長に、いろいろ事務当局に質問をするのはむだである。これは事務当局も迷惑だと思うのです。あらためて私は所管の大臣の出席を委員長にお諮り願って、審議したい。そういうことで質問を留保いたします。
○委員長(赤木正雄君) 皆さんにお諮りいたします。河野委員から所管大臣の出席を求められておりますが、さように取り計らって御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) では、さよう取り計らいます。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記を始めて。 今両関係大臣を呼んでいますが、その間に、ほかの委員の方から御質疑があれば、どうか御質疑を願います。
○阿具根登君 先ほど申し上げましたように、政府委員の出席も非常に少いようですから、まずきょうはわざわざおいで願っております参考人の方の御意見を十分お聞きして、その参考人に対する質問があったならば、それを取り上げていただきたい。まあ審議はきょうで終るというわけではございません。まだ質問を持っている人もたくさんいると思いますから、そういうふうに進めていただきたいと思います。
○委員長(赤木正雄君) 重ねて申します。日本開発銀行の鹿喰理事、同じく淡河管理部長が見えておりますから、御両君に対して御質疑があれば、御質疑を願います。 両参考人に申します。この法案に対してあなたの方から参考の御意見があれば、御発言願います。
○参考人(鹿喰清一君) 私の方から別に申し上げることはございません。ただいま東北興業の融資につきましては、申し込みを審査中でございますので、まだ結論をここに申し上げる時期に達しておりませんから、その点一つ御了承願います。
○委員長(赤木正雄君) 淡河参考人からは……。
○参考人(淡河正君) 同じでございます。別段のあれはございません。
○委員長(赤木正雄君) 両君の御意見はお聞きの通りであります。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記を始めて。
○小野義夫君 開発銀行の方にお伺いしますが、この法案が可決いたしまして、政府がその利払いその他について保証する。東北興業に対してということは、これはもう明らかに国策と認めていいと思うのです。でありますから、開発銀行というものは一体、国策に順応するべくできているものであって、国家保証が確定しない場合には問題にならないから、御自由であるかもしらぬけれども、いやしくも政府がその保証の位置に立ったものに対しては、極力それが便宜をはかるという責務は、東北興業に関しても、別段東北興業がいいか悪いかというような論議をやたらにすべきではなかろうかと思うのですが、その点はどうなんですか。
○参考人(鹿喰清一君) ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。これは全般的の問題でございますから、開発銀行の融資に対する立場というものを申し上げれば、自然御了解ができることと思います。 それで、私どもの方の融資は、御承知の通り、毎年政府におかれましていわゆる基本計画、産業設備に関する基本計画というものを毎年作りまして、それを閣議了解いたしまして、その結果を関係省、経済企画庁から私の方に通達が参る。それに基きまして、そこで大体どういうような産業のどういう業種に融資するかということがきまるわけでございます。それとともに、一方におきまして、予算の面でその毎年の運営計画というのがわかりますから、それと照らし合せて、私の方が個々の会社から申し込みを受け付けることになっております。その場合には、この会社の各所管の官庁からそれぞれ御推薦がございます。それに基きまして私の方は個々の会社について申し込みを受けて、そうして審査をいたしまして、その結果、これはいいというものであれば、私の方の自主的判断に基きまして決定する、こういう仕組みをとっております。 東北興業会社につきましてももちろんその例外でございませんので、これにつきましては、昨年の十二月の末ごろと記憶いたしておりますが、建設事務次官から、これは推薦するという意味の御推薦がございまして、そうして本年の一月から申し込みを受け付けいたしまして、審査をしておる。こういう状況であります。
○小野義夫君 そうすると、反対に、政府が保証しても、あるいはまた関係官庁が推薦しても、これを拒否することが開発銀行としてはあり得る。その拒否の原因が金融から来る場合には、もちろんない金一は貸せないのだが、金融余剰があってもなおかっこれを拒否するというような実例、ないしはそういうことはあり得るのですか。それを一つ伺っておきたい。
○参考人(鹿喰清一君) お答え申し上げます。開発銀行といたしましては、政府の財政金融の施策に順応するという趣旨のことが私どもの定款に掲げてありまして、私どもといたしましてはでき得る限り政府の施策というものに順応することをやっておるわけであります。しかし一方、金融としての見地から、どうしても金融的のベースに乗らぬ融資につきましては、これは私どもの自主的の判断に従いましてお断りする場合もございます。大体さよう一つ御了承願います。
○小野義夫君 そうすると、それは実際金融のベースに乗らないということは、金融のワクのない場合はこれは仕方がないですけれども、金融のワクがあって、実際金があって、そしてベースに乗らないというのは、どういう場合にベースに乗らないのであるか。そしてどういう場合にどういう会社に対してそういう実例があったかを、一つお示し願いたい。
○参考人(鹿喰清一君) お答え申し上げます。その実例は、まあ要するに、私どもは金融といたしましていろいろな点からデータを集めまして、そしてあるいはその会社の現在、あるいはその産業におけるその会社の地位でございますとか、あるいはその会社の収支状況、それから将来、そういう面から総貧的に判断いたしまして考えるわけでございます。
○小野義夫君 わかりましたが、実際私どもが考えると、まあ今のように、大ていはそういう金があって、そして開発銀行が、まあ私の会社でいうと、いわゆる全然政府と関連のない一般産業についての場合には、私どもも拝借してすいぶん厳重ないろいろなお小言をちょうだいして、いろいろやったのですが、それはあり得ることですが、政府の公的の保証をしたようなものはまあオートマティックに、その関係官庁からの推薦があれば貸すものではないかと思いますし、その場台におきましても、この法律がきまったら当然お貸しになるというのが順序ではないかと思うし、またそれだけの金融のあれが年度内において、三十一年度において新たにあるのかないのか。もしこれが通れば、何億かの金をつまり貸して下さるという用意があるかどうか、その点伺いたいのであります。
○参考人(鹿喰清一君) ただいまの問題は、私が先ほどから申し上げていたことで御理解を得ていると思うのでございますけれども、なお今の御質問によりますと、その金の方の用意があるかというようなお考えもあったようでございます、しかしその点につきましては、大体におきまして各会社の申し込みに対しまして、こちらは資金計画の上から、およそどれくらいのところまでは行けるだろうというおよそのワクは考えておりますから、まあこれは一般的な問題になるのですが、果してその御希望の額をそのままお貸しするかどうかわかりませんけれども、大体ワクは用意されておると考えていただいてけっこうでございます。
○小野義夫君 そうすると、その額はおよそどれくらい御予定になっておられますか。
○参考人(鹿喰清一君) それははっきりとした数字はございませんけれども、まあ各ほかのを集計してこれくらいというところの……。でございますから、問題でございますれば、これは同時にまた現実の問題といたしまして、私どもの回収の状況にもよります。そこで多少伸び縮みいたします。
○小野義夫君 そのときに、仕事に差しつかえない程度の伸び、縮みがありますから、そういうものとにらみ合せて、実情に即するような金融はする、そういうようなお考えでありますか。
○参考人(鹿喰清一君) お説の通りでございます。
○小笠原二三男君 私ちょいと出てきてわからぬから提案者にお伺いしますが、この政府保証のワクは三十一年度九億である。その九億の保証の範囲で開銀に引き受けを願っておるのは、幾らなのか。
○政府委員(町田稔君) この会社のさしあたっての事業計画はセメント事業でございまして、それは全体で十四億要るということになっております。それでこのセメント事業につきましては、三十年度、本年度におきまして一般財政から一億すでに予算がついておるわけでございまして、三十年度は十四億のうち三億は一応事業資金を予定いたしまして、そのうち一億が一般財政からすでに予算がついております。で、三十年度のあとの二億分を開銀に現在申し込みをいたしております。それから三十一年度産業投資特別会計で二億予算が計上されておるわけでございますので、その産業特別会計と三十年度の一億と、それから開銀に対する二億で、合計五億になります。十四億のうち、あと九億足りないわけでございます。それでこの九億の調達といたしまして、三十一年度に社債を発行しよう。その社債発行分に対する元利の保証を要しますので、今回法律の改正をお願いいたしておるわけでございまして、それでこの九億は開銀にお願いをいたすだけではございません。一般の社債発行の方法によりましてこれを調達しよう、こういうことでございます。それで開銀にお願いをいたしておりますのは、現在の三十年度の二億分ということでございます。
○小笠原二三男君 それですから、この法律に基く保証の対象として借り入れようとしているのではない、前年度である三十年度分の二億について先ほどの鹿喰さんの話は審査中である、こういうことで、ございますか。
○参考人(鹿喰清一君) さようでございます。
○小笠原二三男君 そうしますと、三十年度の分は審査中であって、ものになるかならぬかは、まず今のところは言明できない、公式にはそういう……。それがもしも、ものにならなければ、結局これは二億の分は金が足りないという結果が出てきますね。
○政府委員(町田稔君) 開銀の方で二億につきまして、もしこれを貸せないということになりますれば、その分につきましてはそれだけの不足が出るということになります。
○小笠原二三男君 それではここに渡されておる東北興業株式会社の概要という中で、新規事業の資金調達方法というので、三十年度に開銀から借りる二億というのがちょうど口の「資金運用部資金(東北六県経由)」というのに該当するのですが、その方にこれは肩がわりするわけなんですか。
○政府委員(町田稔君) ただいま御説明が足りませんでしたが、実はこの二億につきましては、預金部資金の方の借り入れにつきましても大蔵省の方にお願いをしているのでございまして、大蔵省の方は預金部資金の金繰りの関係等もございまして、できれば一部分について開発銀行にも持ってもらいたいという関係がございまして、開発銀行にも借り入れの申し込みをいたしているのであります。
○小笠原二三男君 そうすると、開銀にも二億貸せといい、預金部の方にも二億貸せという。両方借りてきたら十六億になっちまって、これは二億余計になるわけですが、なぜそういうさばを読んでいるんですか。
○政府委員(町田稔君) その点は、社債九億は社債の限度でございまして、九億について、三一一年度に全体の社債を必ずしも発行しなければならないということではないわけでございます。
○小笠原二三男君 そうすると、預金部の方で二億出し、開銀の方で三十年度分として一億がうまく出せるとなれば、政府保証の方は七億の範囲で新規事業の分はできる、この九億のワクを全部使わなくてもいいんだ、こういうことで事を進めているわけなんですか。あなたの今言う理屈からいえばそうなりますね。
○政府委員(町田稔君) 社債を発行いたします際に政府保証いたしますには、具体的にそのつど大蔵省の方におきまして保証するかどうかをきめられるわけでございまして、すでにもう預金部、それから開発銀行におきまして所要額の調達ができておれば、不必要な額については政府としては保証しないと思います。
○小笠原二三男君 どうも私は金繰りの話はてんでしろうとでわからぬのですが、そういう状態であるならば、開銀はやはり政府保証のつく金は貸すが、そうでない金は貸したくない、どうせこれは政府が見るのだから、開銀の方のワクも小さいのだから、何とかそっちの方でやってもらいたい、おれの方はなるべく出したくないのだということになっていくんじゃないですか。片方は政府保証があるのだから、そのワクを縮めてまで開銀の方が肩がわりして引き受けたくはない、そういうようなことにならぬのです冷そういうあなたの言うようなことで、この資金運用部の金も出れば、あるいは開銀の三十年度の金も出る、そんなふうにうまくいくものですか。
○政府委員(町田稔君) この点につきましては、大蔵省とも、それから開銀、私の方と協議を十分いたしまして、大蔵省の方も十分御了承の上で手続をとっているのでございまして、特に今御指摘のような御心配はないというふうに私たちは確信いたしているのでございます。
○小笠原二三男君 そういうふうに三者で協議して割りつけをするのだということであるならば、さっき鹿喰さんがおっしゃるように、審査中だなんという開銀自身の内部の問題として処理されるような御意見の御発表のあるのはおかしい。そうでないですか。鹿喰さんに伺いますが、これは開銀独自で出しても出さぬでもいい金ですか、出さなくもやならぬ金ですか。
○参考人(鹿喰清一君) お答え申し上げます。開銀といたしましては、これは誤解のないように申し上げておきますが、開銀の出す金は別に政府として保証しないのです。だから、開銀といたしましては、その融資の申し込みに つきまして、さきに申しましたように、開銀が自主的に判断いたしまして決定するわけでございます。
○小笠原二三男君 自主的に判断して決定するということと、さきの提案者の説明とは、食い違っています。
○政府委員(町田稔君) 開銀の方には特に内容を十分審査をしていただきまして、その審査に基いて、開銀としては開銀の貸し出しの方針に合う場合には融資をしていただくということにもちろんなっておるのでございまして、先刻三者の間で話ができておるということを申し上げましたが、それは貸す、必ず二億を開銀から出せという意味の話ではございません。開銀が審査の上出すことについては、もちろん政府としてもこれを強制するわけにいきません。必ず出せということを言うわけにいきません。ただ預金部資金といたしましても、これに対しまして開銀等で十分な金繰り等の関係がありまして額を出せない場合には、あと足りない分を預金部から出すということは開銀にもお話を通じてあるという意味におきまして、三者間の協議ができておるということを申し上げた次第でございます。
○小笠原二三男君 そうすると、開銀の方でまあ二億出してもらいたい、しかし自主的に審査した結果、一億しか出せない、そうなれば、預金部の方の資金で一億カバーして出すのだ、こういうことになっておるというのですね。
○政府委員(町田稔君) 私はそういうように了解いたしております。
○小笠原二三男君 そういう了解のもとに、開発銀行は二億なら二億という要求をのむでしょうか。預金部が引き受けてくれて金を出すということがわかっておって、なお開銀が好意をもって十分な金を出すというふうに考えられるでしょうか。
○政府委員(町田稔君) 東北興業の仕事は、御承知のように、東北振興ということを目的といたしました会社でございますので、政府から一般財政の投資もいたしますし、それから預金部からの出資も仰ぎますし、それからなお半分政府の国策について投資をしております開発銀行からも援助をしていただく、三者が相協力をしてこの必要資金の充実をしていくという方針でございますので、この点につきましては、特に預金部から出すことが開発銀行からの融資を妨げることにはならないので、むしろ一般財政の投資があり、預金部資金の出資があるということが、開発銀行の融資を促進するゆえんでもあるというように私たちは考えておるのでございまして、当初から、東北興業の今回の事業につきましては、おもなものといたしまして、開発銀行、それから一般財政、それから預金部資金、それに元利保証のある社債の発行、こういうことを予定をいたしておったのでございます。
○小笠原二三男君 そうすると、この 口という部分に該当するところは、詳しくいえば、開発銀行並びに資金運用部資金ということで二億をまかなうという意味で、従って、ハというのの開銀資金、これはなくなる、取ってもいいわけですね。そうして民間資金、いわゆる政府保証債券九億というのは開銀の方の資金の対象にはならぬ、こういうことでございますか、開銀は政府機関なんだから政府保証の対象にする必要はないという意味でいけば、政府保証債券の九億というのは民間資金だけのワクかということです。
○政府委員(町田稔君) このハの開銀資金を借り入れます場合については、その部分につきましては、御指摘の通り、政府保証を要しません。
○小笠原二三男君 ですから、政府保証を要するワクは三十一年度九億となっていますから、その九億を政府保証で借り入れる対象は開銀ではないということですか。
○政府委員(町田稔君) この開銀資金がもし融資になりませんでした場合には、全部民間で九億の社債を発行して保証をしていただくということになるわけでございまして、開銀資金のこの書き方が少し誤解を招くようになっておりますけれども、むしろロの所にロとハと一緒にしてこう書いた方が、おわかりよかったかと思うのでございます。
○河野謙三君 関連して。あの理財局長さんにちょっと伺いたいのですがね。今建設省から東北興業の資金計画についていろいろ御説明がありましたが、これは同時にあれですか、大蔵省も同様にお考えになっておる、今の答弁は同時に大蔵省の答弁であると承知していいのですか。
○政府委員(河野通一君) 大筋は今町田局長の方から答弁された通りに了解いたしております。ただ、誤解がありますといけませんので、若干つけ加えて申し上げますと、三十一年度におきましての東北興業に対する資金計画につきましては、資金運用部の資金と開発銀行からの資金と、いずれから出ますか、なかなかこれは、今開発銀行が審査をしている最中でありますので、結論出ておりませんが、その両者を合せておおむね二億程度の資金を準備いたそう。従って、小笠原委員から先ほどお話がありましたように、万一です、これはまだ結果が出ておりませんから何とも言えませんが、万一開発銀行から東北興業に資金が、融資が出せない、適当でないという結論がかりに出たといたしましたならば、その場合にはおおむね二億程度、これははっきり二億とぴったり行くかどうかわかりませんが、二億程度のものは資金運用部で行くという程度の用意は私ども持っております。 三十年度及び三十一年度の資金計画を通じまして、大体十四億の程度の資金がこのセメントのための施設の所要資金として考えられるということにつきましては、これはたびたびすでに建設省の方から説明があったことと思いますが、この資金については、十四億によってまかなえるという建設省の技術的な観点からの御説明でありますので、私どもはその総資金量十四億で建設には事足りる資金であるというふうに、私どもは建設省の計算をそのまま信頼をいたしておる次第であります。三十一年度については、先ほど町田局長からも説明のありました通り、九億というものを社債によって調達する、このためには政府は元利を保証しよう、それからあとの差額の二億については産業投資特別会計から出資をするということによって、先ほど申し上げました三十年度の二億と合せて十四億の資金を融資する、こういうことに計画はなっておるのであります。その限りにおきましては、私どもは建設省とは十分打ち合せを遂げておる次第であります。
○河野謙三君 二億の融資を今開発銀行でチェックしても、これがチェックの結果開発銀行が出さぬということになるということは、言葉をかえれば、不健全な投資であるから出さぬということですね。その不健全な融資なり投資について、これは今度大蔵省の方が預金部資金から肩がわりして出してやろうということは、いいんですか、それは。
○政府委員(河野通一君) 今のお話の点は、やはり同じ政府機関による融資の中におきましても、金融機関、銀行でありまする開発銀行としては、なかなか出すことがむずかしいというものと、また預金部として、もちろん損失が非常にあるといったようなものについて金が出せるわけのものではありませんが、開発銀行の使命から見てかりにそれが適当でないという判断が出ました場合におきましても、預金部という銀行でない、まあ金融を取り扱っておりますけれども、預金部というものとしての性格からいって、出して差しつかえないというものもあり得るというふうに私は考えております。しかしこの場合におきまして、開発銀行の金融機関、銀行として、政府銀行として出すことが適当であるかないかということの御判断は、私どもは十分に参酌をいたさなければならぬ。という意味は、その銀行たる開発銀行において出すことが適当でないと言われた理由は、十分に私どもは伺ってみなければならぬ。たとえば、その事業計画自体に疎漏があるかないか、あるいはその事業自体の採算制その他について、もう少し計画を再検討しなければならぬというような点が出てくるかこないか、これらの点につきましては、やはり導出家である開発銀行の審査の結果に私どもは十分待たなければならぬ。待った上で、計画に疎漏があるならば、やはり疎漏の点を直してもらわなければならぬといったようなことが起るかもしれません。これは遺憾ながら私ども実はしろうとでありますので、専門家の開発銀行の審査には私は待ちたいと思っておりますけれども、開発銀行が出さないときめたことは、預金部は、即、出していけないものである、こう言い切る必要はない、かように私は考えております。
○河野謙三君 それならわかるのですよ。ところが、今まではいとも簡単に、開発銀行がもし二億出さない場合には、預金部から二億出します。この両者についてはきわめて簡単に融通性があるように、そういう御答弁でなかったかもしらぬけれども、そういうような印象を私は受けたのです。その両者の間におのずと性格の差異があるわけであります。だから、今の後段の御説明ではわかるけれども、だから、必ずしも開発銀行が断わったから、それなら二億は自動的に預金部の資金にこれは肩がわりされる、こういうふうにはならぬわけですね。 ところで、大蔵省は東北興業のセメント企業の事業計画というのは一応検討は済んでおるのですか。
○政府委員(河野通一君) 東北興業の事業内容は、建設省からこれに基く事業の御説明は十分伺っておりますし、東北興業自体からも十分にお話を伺いました。私どもはいろいろな観点から検討いたしましたが、要は、建設省の言われる点については、私どもはやはり専門家としての御立場、あるいは建設省も十分通産省その他とセメント自体について御相談になったことと思いますので、この専門の所管の方々の御意見には従ってこの問題を処理してゆきたいと考えております。ただ資金を出すか出さぬかという問題、つまり金融としてこの問題を考えて参ります場合には、やはりその検討は一応、私どもとして預金部から金を出すについては、開発銀行の金融的立場からの検討を一応やってもらった結果を私どもは見た上で、この問題の処理をきめたい、かように考えている次第であります。
○小笠原二三男君 そうすると、あなたがおっしゃったように、この企業の採算上その他諸問題が起って、しっかりした理由が出て、開銀の方では融資できないという形になった場合には、極端にいえば、大蔵省側としては、この預金部資金を出すのについても出しかねるという場合も、考えとしてはあり得るわけですね。
○政府委員(河野通一君) そういう場合はないということは、脅えないと思います。ただ、しかし私どもは、開銀が出せないという場合には、即、預金部も出さないという立場でこの問題を考える必要はない、かように考えます。
○小笠原二三男君 それからもう一つ、さっきの続きですが、提案者に伺いますが、さっきロとハと一緒になれば誤解されないで済むだろうというような話でしたが、ハのいわゆる開銀資金いうものを借りるという場合には、政府保証は要らない。債券として引き受けてもらうという場合があるのですか、ないのですか。三十一年度は、この九億の範囲ということとは関係なしに、開銀から金を出してもらいたいという考えはあるのですか、ないのですか。
○政府委員(町田稔君) 九砥の政府保証に基く債権を発行いたしました際には、開銀から三十一年度は融資をしてもらう計画は現在持っておりません。
○小笠原二三男君 そうしますと、この九億というのは、はっきりと民間資金でこの九億の範囲を集める努力をするということですか。
○政府委員(町田稔君) そのように考えております。
○小笠原二三男君 それで、それが民間から集まらぬというような際には、どういう手を打つか、お考えになっておられますか。集まるのですか。
○政府委員(町田稔君) 政府保証を受けました際には、社債の消化は確実にできるものと現在予定いたしております。
○小笠原二三男君 大蔵省の専門家でも、そういう見通しを持っておるわけですか。
○政府委員(河野通一君) これはおそらく、この社債につきましては、消化先は金融機関だと思います。しかも大体ローカルな色彩が強いものですから、これの重点になる金融機関の種類というものもきまってくると思います。そういった場合に、これは金融機関に対してもちろん、政府保証がくっついているということで、強制すべきものじゃないと私ども考えておりますが、大体先般来財政投融資の計画を予算の一環としていろいろ策定いたしました際に、東北興業の本件をも含めて、大体民間資金へ依存する、本来なら財政投収資金の豊かな場合においては財政投融資においてまかなってしかるべき性質のものについて、民間へ移していける性質のものが大体千三、四百億円あるという計画を出しておりますから、この中にはもちろんこの東北興業の九億も含めて考えております。これらの程度のものであれば、民間の最近の金融情勢及び金利の趨勢等から考えまして、まず金融機関によって消化せられるものと私どもは見ております。
○小笠原二三男君 じゃ、提案者に伺いますが、この九億を消化する金融先、おもにこういう方面でやってもらいたい、どれくらい引き受けてもらいたいというめどを御発表願いたい。
○政府委員(町田稔君) 現在東北興業会社におきまして、その点につきまして二、三の銀行とも打ち合せ中でございますが、現在まだ会社におきまして決定をいたしておらないのでございまして、今正確なめどを申し上げる段階に至っておりません。
○小笠原二三男君 では、正確でなくてもいいから、その申し込んでいる先をお知らせ願いたい。
○政府委員(町田稔君) 現在社債を発行いたします条件等につきましてもまだ確定をいたしておりませんので、具体的な申し込みをいたす段階になっておりません。それで会社といたしましては、具体的に各銀行について申し込みをいたしてはおらない段階でございます。
○小笠原二三男君 そうすると、開銀の方も今審査中である、民間資金の調達の方も、社内そのもので諸条件についての結論が得られないし、まして社債を引き受けてもらう金融機関についても何ら今決定もしておらない、そういうことで、しかしながらできますからこの法案だけは通してくれ、信用してくれと、こういうことですか。
○政府委員(町田稔君) 政府保証がつき得ることになりますのはこの注案が通ってあとでございますから、会社としてはももろん具体的に条件をきめて各銀行に交渉をすることはできないのでございますが、有力なたとえば興銀、三菱、三井寺の銀行には、会社としては専門的た融資に関する意見を出しておるようでございまして、その方面からの意見としましては、会社は政府保証がっく場合には資金の調達が可能であるという結論に達しておるようでございます。
○小笠原二三男君 それからもう一つお伺いしたいのですが、会社に対する監督ということで、会社の監理官というのを置くということですが、何ですか、その監理官というのは。
○政府委員(町田稔君) 東北興業株式会社法におきまして、東北興業株式会社の事業の遂行その他会社全般に関しまする監督官庁としての監督をいたしますために、特に東北興業株式会社監理官を置くということが規定されておるのでございまして、この法律に基きまして置かれまして職務を執行いたしますのがこの東北興業株式会社監理官でございます。
○小笠原二三男君 そうすると、端的にいえば、監理官というのは政府代表という意味合いですか。政府が監督すると。政府の掛先機関というような性格を持つわけですか。
○政府委員(町田稔君) 特に政府の代表機関という性質のものではないと思うのでございますが、たとえば名和の公団等が置かれました際に、公団につきまして監理官が設けられますと同様な意味におきまして、東北興業株式会社の監督をその職務として専念してやります官吏の名前として監理官が置かれるわけであります。
○小笠原二三男君 総裁も副総裁も政府任命のようですが、それと監理官とはどういうふうな権限上の関係になるのですか。まあ立法上はいろいろあるのですが、われわれの聞く範囲では、そんなものがあってうまく行ったというためしはないのです。そういう意味で開いておるのです、内容として。
○政府委員(町田稔君) 総裁、は会社の役員でございますけれども、監理官は監督官庁に置かれまする公務員でございますので、監督官庁の具体的の監督事務を特に執行することを職務といたしまするのがこの監理官でございます。
○小笠原二三男君 じゃ、まあひっくり返した話ですが、なぜそういうものを置くのですか。
○政府委員(町田稔君) 会社の監督につきましては、経理上の事務を監査いたしましたり、それから事業の執行につきましてかなり詳細な点につきましても監督を必要といたすのでございまして、この会社についての監督事務は常時役所の事務としてあるわけなのでございます。それで会社について経理上その他専門的な知識を有する者が監督に当る必要がございますので、監理官を赴いておるわけでございます。
○小笠原二三男君 で、従来の経過から見て、どういう点にこれは効果があったのですか。
○政府委員(町田稔君) 今御質問のありました、監理官が置かれたためにどういう効果があったかという点につきましては、具体的に今監理官が特におったためにこういう点について効果があったということを申しげることはなかなか困難でございますが、もし監理官が設置されておりませんでしたならば、こういう事業をやっております会社についての監督は十分行き届かなかったであろうということが考えられるのでございます。
○河野謙三君 町田さんに伺いたいのですが、先ほどもお聞きしましたが、この法案が通りますと、この融資は国家保証ですから、民間の資金にしろ、その他の資金にしろ、資金を出す方は出しやすくなると思うのです。しかしこの法案を提出した政府なり、われわれ審議する国会の方は、この法案によって国家が損失をこうむらないように万全の措置をとっておって、なおかつその上でこの法案を提案するという順序だと思うのです。そこでこの法案によって国家が損失をこうむる憂いなしという万全の措置をとられたと思うのですが、それはどういう措置をとられましたか。私は時間の関係で、私から疑問をもって申します。開発銀行は、まだこの事業目論見書については調査中だから、結論が出ないと言う。大蔵省の方は、開発銀行の専門家の意見に従えばいいのじゃないか、建設省の専門家も言うのだから、いいじゃないかと言う。こういう大蔵省自身もあなたの方にたよっておるわけだ。省の原局に聞くと、御相談は受けていないとか、大体向う津の火事のようなつ吃りでおるわけで、そういう点に私は疑問を持っておる。あなたはこれによって国家の損失を絶対に、損失補償をしても国家に損失を招くようなことはないという確信のもとに、出されたのか。どういう手段、方法をとられたか、本案提案までのあなたのとられた手段方法を一つ説明してもらいたい。特に通産省とはどういう相談をされたか、伺いたい。
○政府委員(町田稔君) 今の御質問で、その会社が事業をやる際に、将来損失が起るようなことをなからしめるために、どういう措置を講じたかという御質問でございました。これは今回やります事業の内容が非常に適当であるかどうか、その計画書が十分適当なものであるかどうかという点に一番かかっておると思うのでございまして、セメント事業をやります計画書につきましては、御指摘の通り、非常に重要な意味を持ちますので、建設省としましては非常な慎重を期したのでございます。特にセメントにつきましては、建設省が従来所管をいたしておる産業でございませんので、通産省との協議を特に必要といたします。それでこの事業を計画いたしますに当りまして、たびたび通産省にも御協力を仰いだのでございまして、その結果、セメント工業を現在経営しておられます各種の会社等にも通産省の方から照会をいたされまして、建設省としましてはそういう会社の方の御意見も承わりまして、ことに今回東北興業でセメントをやります生産方式は、従来各セメント会社が採用いたしておりますロータリー・キルンの方法ではないのでございまして、御承知のように、シャフト・キルンの方法で実施いたすことになっております。そこでシャフト・キルンの方式をとることにつきましてはかなり慎重に検討いたしたのでございまして、会社におきましても、日本におきますシャフト・キルンの生産方式を最初に提唱いたし、かつその方の権威であります技術者を東北興業に特に採用いたしまして、その人を中心といたしまして、各種の検討、計画等を立てさせたのでございます。それからなおシャフト・キルンにつきましては、宇部興産で最初の生産をやっておりますので、宇部興産にも建設省から、セメントを使います側の研究をいたしております土木研究所というのがございますが、そこのセメント関係の研究員、それからその他関係官を派遣をいたしまして、その実際の状況等も十分調査をいたして参りました。製品等につきましても研究試験をいたして参ったのでございます。こういうことをいたしまして、この計画内容につきましては万全の検討をいたしたのでございまして、その結果、この計画通りに実施いたしまして誤りないという確信を私といたしましては持っておるのでございます。
○河野謙三君 あなたのその万全の検討はすでに終ったと言われますがね、そこに並んでおられる、お隣りの開発銀行もまだ今検討中だと言われておる。通鹿省は、いろいろ御相談を受けたけれども、これは最終的に検討は終っていないと言われる。そうでしょう。さっきそう言っておられた。万全の検討は終ったというのは、あなただけなんだ。肝心の開発銀行もまだ検討は終っていないのだ。通産省もまだ検討中だ。こういう結論は出ないと、こういうふうに事業目論見書を見て非常に疑いを持っておられるわけだ。そうなんじゃないですか。私は、もし何なら、開発銀行と通産省のあなた方に伺いたいのです。検討は終っているのですか。今町田さんがおっしゃったように、この事業は目論見としては非常に健全なものであって、間違いがないという最終的な結論が出ておいでになるのですか。いや、あなたから聞かなくてもいいのだ。私は開発銀行と通産省から伺いたいのだ。
○政府委員(吉岡千代三君) 通産省といたしましては、先ほど申し上げましたように、問題点は建設省の方に十分にお話をいたしてございます。その結果として、主管省である建設省において大丈夫であるという判断のもとに原案を決定されておるわけでありますから、通産省としてそれ以上意見を申し上げるという立場にございません。(「おかしいじゃないか、主管省じゃないか。」と呼ぶ者あり)
○河野謙三君 それじゃ、その問題点というのはどういうのです、問題点は。その通産省が建設省に問題点を出しておる……。これはもう御注意申し上げたということなんでしょう。建設省に注意された点はどういう点なんです。
○政府委員(吉岡千代三君) まずセメントの需給関係並びに価格の関係でございますが、これがやはり収支採算の面に大きく影響してくるであろうということが考えられますので、その点が第一点でございます。具体的に申し上げますと、一昨年あたりにおきましては、セメント工業は非常に需要が旺盛でございまして、また設備の新増設等もやっておりませんでした関係で、操業度も二十八年度におきましては九四%。これはまあセメント事業の性質から申しますと、大体八割ないし八五%あたりが安定操業度ではないかと考えられますが、むしろそれ以上の、フルに近い生産をしておった。従って、市価も非常に堅調を続けておったわけでございますが、その後の状況を見ますると、操業度は現在におきましては七〇%台に落ちておりまして、二十八年度が九四%、二十九年度が八八%、三十年度が七五%、三十一年度は七二%程度に落ちるという見込みであります。これは主として各社の新増設が非常に急速に進みまして、需要も若干実は伸びておりますが、操業度はいわば安定操業度を若干下回る現状になっておる。従いまして、価格につきましても、一昨年の夏ごろまでは、大体東京で申しますとトン当り八千七百円程度であったのでございますが、これが現在では七千四百円という程度に、まあ千数百円の低下をいたしております。従いまして、今後新規に工場を興されまする場合には、これらの点について十分御検討の上、既存の各社と少くとも対等に太刀打ちできるかどうかという点について御検討の必要があるであろうということを申し上げております。 それからいま一つの点は、先ほどお話のございましたシャフト・キルン、縦かまの点でございます。これは先ほどもちょっと申し上げましたように、戦争中クルップの機械をもちまして磐城セメントが蒙疆で一時やった経験を持っておりますが、最近におきましては、宇部興産が昨年の九月から、これはやはりドイツのロッシュの機械を輸入いたしまして、試験操業をいたしております。この縦かまはセメント業界としても一つの新しい研究のテーマというふうに考えておるわけでありまして、宇部興産の成績等も、各社の技術者を集めまして公開試験等をやっておるわけでありまして、逐次成績はよくなっておるようでありますが、いろいろ燃焼の関係とか、あるいは強度の関係におきまして、現状におきましてはまだ一般の回転かまの製品の程度には達しておらない。宇部興産におきましては、本年の四月からこれを市販する予定でおるようでありますが、場合によりましては、一般の回転かまの製品と混合いたしまして販売するというようなことも考えておるようであります。縦かまを主としてやっておりますのはドィツでありますが、これも大体回転かまの製品と混合して販売される形態が多いようであります。東北興業の計画は、縦かま一本で、縦かまだけで参りますので、その点において、強度、品質、また操業の歩どまり等の点について、十分に御検討される必要がある。主としてその技術士の問題と、それからこれらと関連いたしまして、収支採算の面については十分に御検討になる必要があるであろう。ただ、それらの点について十分間違いのない計画を立て運営をされますならば、全体の数量としては年間二十万トン程度のものでございますから、ほかの会社と対等ないしはそれ以上に太刀打ちする確信をお立てになれば、別段われわれとしては異議を申し上げるべき筋合いでない。なお、今後とも技術士の問題その他気のつきました点は、御連絡を申し上げて御協力をいたしたい。こういう考えでおるわけでございます。
○河野謙三君 一体であるべき政府が、今建設省の方ではどういうふうにお聞きになったか知らぬけれども、私はこれは通産省が建設省に皮肉を飛ばしたように思うのですよ、従来のロータリー・キルンを今度シャフト・キルンに切りかえてやるんだ、建設省で新しい方式だと言っているけれども、なかなかそうはうまくいきませんよ、やるならやってごらんなさいという御忠告なんでしょう。そうでしょう。だから、それは意見が違うのはいいのですが、もう少しそういうふうにお互いに皮肉を飛ばしたり――皮肉というのは語弊かもしれぬけれども、私は皮肉に聞える、そういうふうなことでなしに、もう少し完全に一体となって、建設、通産、また大蔵、さらに開発銀行を加えて、国家保証のことでありますから、慎重にも慎重を重ねて、そうして十分の準備をされまして、その上で立法されたらいいじゃないですか。私はそう思うのですよ。どうもその点が、建設省だけが独走しているような私は傾きがあると思うのですが、開発銀行さん、何か御意見ございませんか。 開発銀行さんにちょっとお伺いしたいのですが、開発銀行が融資する場合には、一般産業の場合には、特に通産省の所管の産業の場合には、通産省の方が窓口になって、そうして通産省の資金計画に基いて、同時に、通産省の方で目論見書を一応検討して、そうしてさらに専門の方の開発銀行に回すということが順序じゃないですか。それを今度の場合は、どうして――東北興業はなるほど建設省が所管ですよ。しかし、セメント工業というものは通産省が所管ですよ。われわれの常識では、セメント工業に関しては通産省が建設省より以上に専門家だと私たちは思わなきゃならない。このセメント工業に関して、今度の東北興業の場合、通産省と開発銀行はどういう連絡が今までできてておるか。
○参考人(鹿喰清一君) 河野さんにお答え申し上げます。開発銀行といたしましては、初めに申し上げました通り、この十二月に今の推薦のことが決まりまして、そうしてこれは後ほど申し上げますが、一月の末から審査に着手したわけであります。ところが、何と申しましても、先ほど両局長からもお話し申し上げたように、シャフト・キルンという新しい形式のものでございますし、それからまた、なお年度末になりますと私どもの方の審査が割合に重なっておる事情もございますので、ただいままでまだ結論を得ておりません。この点はまことに遺憾に存じますけれども、事情はその通りでございますから、御了承願いたいと思います。 次に、ただいまの御質問の、セメントは通産省の所管じゃないか、それを建設省を通して扱うのだ、こういうお話でございますが、この点につきましては、実は昨年の十二月の二十二日付で建設次官から私の総裁あてに、融資対象事業の推薦といたしまして、東北興業の今回のセメント事業を私どもの方の銀行の融資対象として推薦いたしたいと、こういう通牒が参っております。これはその前に経済企画庁と建設次官との間の文書の交換がございまして、そうして経済企画庁では日本開発銀行に対する東北興業の融資推薦については当庁として異存ない、だから建設省から推薦してくれてもいいと、こういう文書が出ております。私どもはそのラインに基きまして、建設省からの推薦でも私どもの方の融資の対象としていいと、こういうことですから、この申し込みを取り上げたような次第でございます。
○河野謙三君 建設省と東北興業の関係からいけば、これは今のでいいと思う。ただ、事業の内容のセメント工業というものにつきましては、役所としては通産省に専門家がおるのです。また担当の官庁であるから、建設省も十分通産省と連絡すべきであるし、開発銀行も、一般の産業の投融資と同じように、通産省の方と十分の連絡を私はされべきだと思う。そういう連絡はされたかどうかということなんです。
○参考人(鹿喰清戸君) 通産省の方とは連絡をいたしております。そうしてその結果、建設省のこの通牒でいいと、こういうことで私どもは申し込みをお受けした次第であります。
○河野謙三君 連絡した結果、あなたの方でも今審査中である、それと同時に、並行して通産省でも審査中である、通産、開発両所において並行して今審査中である、こういうことですか。
○政府委員(吉岡千代三君) 通産省といたしましては、建設省が東北振興の立場から開銀に対して融資申込をされる点については、異存がないというお返事をしておるわけであります。なお開発銀行にも数回参りまして、私ども気のつきました点は意見を申し述べております。従って、それらの点を御考慮の上、建設省ないし開発銀行において今後御判断を願うというように了承いたしております。
○河野謙三君 建設省から融資をしてもいいという返事を先に出しておいて、そしてあとになって、今いろいろ東北興業の事業目論見書についてあなたの方で疑いを持っているというのは、おかしいじゃないですか。あなたの方の疑いはすべて解消した後に、通産省としてもこの建設省の東北興業への融資は適当であるという御回答をなされるのはいいけれども、結論を先に出しておいて、内容については今検討中というのは、おかしいじゃないですか。それで原局はいいのですか。原局の責任というのはそういうものじゃないと私は思うのです。
○政府委員(吉岡千代三君) その点につきましては、省内でも十分協議をいたしたわけでありますが、通産省としての意見は十分建設省に申し述べてあるところでありますし、それらの点を御考慮の上、東北振興という立場もお含めの上、建設省の方でお考えになるという点については、異存を申し述べる筋合いでないであろうと、こういう結論になったわけであります。
○河野謙三君 これ以上のことは、先ほど申し上げましたようなことですから……。
○小笠原二三男君 私はさっきから聞いて、資金面の方もいいし、事業も大丈夫だというので、まあまかせてくれと、こういうのだろうと思って、私の方もここは地元だものですから、喜んで聞いておった。ところが、ちょっとそういうわけには参らぬ。少くとも直接であれ、間接であれ、国民の金を投資する。また地方、東北各県はそれぞれ出資額を今県会の方で討議しておる。これもまた県民の税金なんです。もしもこの事業が、東北興業が過去においてなされたように、それぞれ失敗もあり手放す部面もあるというようなことになったら、これは何のための事業かということになります。ところが、おかしいことは、通産省の方では問題点を二つ指摘して、建設省に考慮と願った。その第一点の問題というのは採算上のことなんです。需給の関係から来る採算がとれるかどうかという問題なんです。この点は建設省にいかほど聞いたって、建設省が専門的に、大丈夫でございということを言えますか。これは通産省の方の所管じゃないですか。そのシャフト・キルンの問題は、これは技術上の問題ですから、あるいは建設省の土木関係の研究所その他において品質等に大丈夫だという点があるなれば、それじゃ聞いておこうかという点もあるでしょう。しかしそれだって、あなたの今のお話によれば、やはりシャフト・キルンの製品そのものだけを販売しておる向きはないのだ、一般のものと混合してそれは販売しておるのだ。その点はどうなるかという問題点を出しておられるのですね。これはそれで建設省の方の御返事をいただいたろうと思うのですが、大丈夫だという根拠は何だったのですか、この二点について。 また私は提案者の方に伺いますが、第一点の、需給の関係から採算はとれるという根拠をお示しになったとするならば、そのお示しになった資料について御説明を願いたい。何か私は、これは東北興業会社とかなんとか言ったって、これは一極のりっぱなセメント事業としての産業なんですから、私はこれは通産省の方が需給のバランスやその他いろいろ考えられてそうして結論が得られるものだと思いますね。建設省がいいといえばいいのだというのは、どういうことなんですか。もう一度しろうとにもわかるように御説明いただきたい。
○政府委員(吉岡千代三君) 私ども心配いたしました点は、まあ少し前までは、セメント工業というものは非常にいわゆるいんしん産業である、こういう考え方が一般にあったと思います。従って、ある時期には確かにそうであった時期があるわけでありますが、今後の問題としては、これは相当競争も激しくなるし、その辺を十分にお考え願う必要がある。セメントをやれば必ずうまくいくというような当、えのもとに計画を立てられては、これはなかなかそう簡単に参らないので、少くとも相当事業経常上その他の面において努力を要するであろうということを申し上げたわけでありまして、従いまして、それらは今後の事業計画なりその運営を具体的にどうやっていくかという点に主としてかかってくると思いますので、その点の意見をいわば御注意として申し上げたわけであります。
○小笠原二三男君 そうして御注意申し上げた結果、大丈夫なんだというデータを通産省は建設省からお取りになって、それでこの開銀の融資の方も建設省側に同意する、こういうことになったのですか。
○政府委員(吉岡千代三君) これは、そういう意見はそのつど申し上げておるわけでございますが、最終的な判断はやはり、これは私どもの考えでは、主管省においてやるべきものである、現在東北興業につきましては、建設省においてこれを所管せられておるわけであります。私ともが所管しておる場合どういう態度をとるかということになれば、またこれは問題は別かと思いますが、通産省がその点に意見を持っておるということで、この東北振興という立場をも含めた建設省の御計画について、それ以上とやかく申し上げることは、これはそういう筋合いでたいであろう、こういう通産省としての結論に達したわけでございまして、建設省においてもその点を十分お含みの上でお進めを願うということを期待しておるわけであります。
○小笠原二三男君 ずいぶん通産省、建設省というのは水くさいものですな。(笑声)じゃ、私は通産省に端的に伺いますが、岩手県地点にこういう事業もくろみでシャフト・キルンでこういう事業を行うのは、通産省がやる段になれば適切だとしてやりますか、やりませんか。
○政府委員(吉岡千代三君) 通産省といたしましては、先ほど申しましたように、一般の各社の計画が予想以上に進行してておりますし、セメントの需給の安定ないしは価格の安定をはかるいわば産業政策的の意味合いから、積極的にどうしてもここでやらなければならぬという結輪は出てこないと思います。しかし数量におきましては、先ほど卒し上げましたような二十万トン程度のものでありますから、これは運営を適切におやりになれば、企業として成り立っていかないというような判断もできないわけでありまして、それらの点は先ほど申し上げましたように、所管省たる建設省において十分御検討の上実行されることを期待しておるわでございます。
○小笠原二三男君 じゃ重ねて伺いますが、今の御答弁は、通産省の責任においてやらなくちゃならぬという場合においてはちゅうもよせざるを符ない、やり得ない、しかしまあこの数量の点からいってやりたいというところがあるならば、それは引きとめるという筋合いのものでもない、この程度のように聞いたわけですが、建設省の方は、そうすると、全責任をこれは負わなければならぬのですか。
○政府委員(町田稔君) 東北興業株式会社が特に岩手県におきましてセメントをやることにいたしましたのは、東北地方の開発振興ということが非常な大眼目でございます。それでセメント産業という純粋の産業政策的な見地から考えました場合に、果してセメント工場を今新たにそれだけの目的で興すことがいいかどうかということは、今吉岡局長が言われましたように、あるいは疑問があるかもわかりません。しかしながら東北地方の振興ということから考えます場合に、ことに東北にたくさん存在いたしております石灰石を使う産業を興すことは、地元の非常な要望でございます。それで、ことに今回工場を興します岩手県の長坂地区というのは、従来からセメントを興すのに最も好適な場所として注目をされて回かセメント事業を興しますために計画されたわけであります。ただ、地元におきましては、自己資金を調達することがきわめて困難な事情にありましたので、セメント事業を興すことが非常に適当であるということがわかりながらも、興し得なかった。それで東北興業が事業をいたします際には、常に関係六県の知事さんの意見を聞きまして業種を選ぶのでございますが、その際に、ぜひ、従来地元でやりかげながらも資金のために挫折したセメント工業をこの際興してもらいたいという強い要望がございまして、それでこの業種を選びました。 ただ、しかし内容につきましては、いかに東北興業といえども採算を無視してやるわけには参りません。それで採算の点につきましても十分内容は、先刻から申し上げておりますように、検討いたしまして、利益を得ることができるという確信でいたしております。ただ、セメントが営利の点からだけ申しまして一番いい産業であるかどうかということにつきましては、東北振興という立場からも考えておりますので、それが一番いいのだということは申し上げかねると思うのでございます。
○小笠原二三男君 では、最後に伺いますが、需給の関係等についても、月産二十万トン程度ならば、東北六県各県の直接閥棲息のかかっている事業、あるいは建設省の事業、これの方でまかない得るというめどがあって、それでいいというお考えのようでもありますが、その点はそうであるのかどうか。もう一つは、業界でもしもダンピングされたような場合ですね、こういう新規の会社が太刀打ちしてやっていけるというところまで御検討になったのか。また、それを維持していくためには、政府出資その他で、あくまでも建設省の責任で、これはものにしてみせる、途中で放置しないということで、これを始めようとされるのか。この三点についてお伺いしておきます。
○政府委員(町田稔君) 需給の点につきましては、通産省から先刻局長が申されましたような御注意がございました。それでこの点につきましても検討をいたしました結果、生産量が二十万トンであるということで、非常に大きく需給のバランスを破るようなことはございませんので、これを敢行することに決定をいたしたのでございます。 それから価格の点でございますが、一般の大きな業者から競争を受けた場合に立ち行かないのではないかという点につきましては、その点を考慮いたしまして、特にシャフト・キルンを採用いたしました。シャフト・キルンによりますと、大体設備費におきまして半額で、ロータリー・キルンを設けますときと比べますと大体半額で設備をすることができます。その他、運営をいたします際に労務者等も非常に少くて済みますので、生産価格がかなり一般の場合より安くてできます。それで販売につきましても、ロータリー・キルンで生産されておりますセメントよりもよほど安く売ることができますので、競争に十分耐えていけるというように考えているのでございます。なお、建設省その他府県でやっております公共事業におきまして、従来、少しく規格は低くても安いセメントを使って実施する方が、公共事業費の節減の上におきまして適当であった場合が非常に多かったのであります。そういうような条件を満たすセメントが日本におきましては高炉セメント以外にそうなかった。そういう意味におきまして、その需要を満たすことができますので、東北興業で作りますこのセメントは十分販売できるといへ確信を持っております。 それからなお、この事業につきましては、建設省といたしましては今後指導監督の万全を期しまして、必ず成功させるということを固く決意いたしている次第でございます。
○委員長(赤木正雄君) ちょっとお諮りいたします。この問題について最重大事な所管大臣の出席を求めたのであ、りますが、ことに通産大臣が病気で欠席しております。従って、本日の連合委員会はこれにとどめまして、次回にまた連合委員会をいたすことにいたしたいと思いますが、いかがですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤木正雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(赤木正雄君) 速記を始めて。 では、本日の連合委員会はこれをもって閉じます。この連合委員会は明後木曜日の午前十時から開会をいたします。 午後一時零分散会